発明の詳細な説明
本出願は、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチド(例えば、抗体またはその断片)とを含むナノ粒子を含む組成物を提供する。例えば、一部の実施形態では、(a)疎水性薬物(例えばタキサン、例えばパクリタキセル)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたは誘導体化アルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチド(例えば抗体、例えば治療抗体)とを含むナノ粒子を含む組成物を提供する。一部の実施形態では、組成物はさらに別の治療剤を含む。一部の実施形態では、組成物は、組成物のナノ粒子部分に会合していないアルブミンおよび/または生物活性ポリペプチドをさらに含む。
ある特定の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子の中に埋め込まれている。埋め込まれた生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子の表面アルブミンの中に埋め込まれていてもよく、またはナノ粒子の疎水性コアの中に埋め込まれていてもよい。生物活性ポリペプチドは、生物活性ポリペプチドを予め形成された凍結乾燥ナノ粒子組成物と混合する(すなわち混合物)のではなく、ナノ粒子の1つまたは複数の製造段階に生物活性ポリペプチドを含めることによって、ナノ粒子の中に埋め込むことができる。本明細書にさらに詳細に記載されるように、ある特定の実施形態では、ナノ粒子がアルブミンと疎水性薬物とを含有するナノ粒子懸濁液の製造は、i)疎水性薬物を含有する有機溶媒とアルブミンを含有する水溶液とのエマルジョンを形成する(例えば、高圧ホモジナイゼーションによる)ステップ、およびii)エマルジョンから有機溶媒の少なくとも一部を除去して(例えば、蒸発によって)ナノ粒子懸濁液を形成するステップを含む。ある特定の実施形態では、製造プロセスは、ナノ粒子懸濁液を製剤化する(例えば、アルブミンまたは水を添加することによって)ステップ、および/または懸濁液を凍結乾燥してナノ粒子組成物を形成するステップをさらに含み得る。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、1つまたは複数のナノ粒子組成物前駆物、例えばエマルジョンを形成する前のアルブミンを含有する水溶液、形成されたエマルジョン(有機溶媒の除去前または除去の間のいずれか)、または有機溶媒の除去後の懸濁液(すなわち、「蒸発後懸濁液」)に添加される。
ある特定の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、例えば共有結合性架橋剤または非共有結合性架橋剤であり得る架橋剤を介してナノ粒子にコンジュゲートする。架橋は、生物活性ポリペプチドの一区分をアルブミンの一区分に連結させ、それによって生物活性ポリペプチドをアルブミン(したがってナノ粒子)に会合させることができる。一部の実施形態では、架橋剤は、生物活性ポリペプチドとアルブミンの間に共有結合による連結をもたらす。すなわち、架橋剤は、生物活性ポリペプチドに共有結合で連結し、かつアルブミンと共有結合で連結し、それによって2つの実体の間で共有結合の橋をもたらす。ある特定の態様では、架橋剤は、生物活性ポリペプチドとアルブミンとの間で非共有結合による連結をもたらす。例えば、アルブミンを、第1の架橋剤構成要素に共有結合でコンジュゲートさせることができ、生物活性ポリペプチドを第2の架橋剤構成要素に共有結合でコンジュゲートさせることができ、第1の架橋剤構成要素と第2の架橋剤構成要素(例えば、相補的核酸分子、例えば相補的DNA)が共に結合する。
本出願は、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法をさらに提供する。一部の実施形態では、方法は、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンと生物活性ポリペプチドとを含む、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し、それによって組成物を形成するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)生物活性ポリペプチドをエマルジョンに添加するステップ;およびiii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し、それによって組成物を形成するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して、蒸発後懸濁液を得るステップ;およびiii)生物活性ポリペプチドを蒸発後懸濁液に添加し、それによって組成物を形成するステップを含む。
ある特定の実施形態では、ナノ粒子製造プロセスの際の水溶液に含まれるアルブミンの少なくとも一部は、生物活性ポリペプチドにコンジュゲートしている。例えば、一部の実施形態では、方法は、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が生物活性ポリペプチドにコンジュゲートしている、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも1つをエマルジョンから除去し、それによって組成物を形成するステップを含む。
ある特定の実施形態では、ナノ粒子製造プロセスの際の水溶液に含まれるアルブミンの少なくとも一部は、誘導体化されている(例えば、アルブミンのチオール化によって、または非共有結合性架橋剤の第1の区分をアルブミンに共有結合させることによって)。一部の実施形態では、方法は、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が誘導体化されている、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して、蒸発後懸濁液を得るステップ;およびiii)生物活性ポリペプチドを蒸発後懸濁液に添加するステップを含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは誘導体化されている。例えば、一部の実施形態では、方法は、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が誘導体化されている、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して、蒸発後懸濁液を得るステップ;およびiii)誘導体化生物活性ポリペプチドを蒸発後懸濁液に添加するステップを含む。
ある特定の実施形態では、ナノ粒子は、予め形成されたナノ粒子に、生物活性ポリペプチドをコンジュゲートすることによって製造され、ここで予め形成されたナノ粒子は、凍結乾燥されていてもよいし、または懸濁液(例えば、ナノ粒子が予め凍結乾燥された再構成された懸濁液、または蒸発後のナノ粒子懸濁液)中に存在していてもよい。
本明細書に開示されている組成物(例えば、医薬組成物)は、がんなどの様々な疾患を処置するために有用である。したがって、本出願は、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物(例えば、医薬組成物)、ならびにがんを含む疾患を処置するためにそのような組成物を使用する方法を提供する。さらに、本明細書において、本明細書に記載されている組成物の有効量と、別の治療剤(例えば、化学療法剤)の有効量とを投与するステップを含む組合せ処置が提供される。同様に、本明細書に記載されている組成物を含む、キット、薬、医薬、使用のための組成物、単位投与剤形、医薬組成物(例えば、凍結乾燥組成物)も提供される。
以下に提供する節の見出しは、構成上の目的のためにのみ提供され、本発明の範囲を制限しないと意図される。
定義
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置すること」は、臨床での結果を含む、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的に関して、有益なまたは所望の臨床結果には、以下の1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない:疾患に起因する1つまたは複数の症状を緩和すること、疾患の程度を低下させること、疾患を安定化すること(例えば、疾患の悪化を防止するまたは遅延させること)、疾患の広がり(例えば、転移)を防止するもしくは遅延させること、疾患の再発を防止するもしくは遅延させること、疾患の進行を遅延させるもしくは遅くすること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分または完全)をもたらすこと、疾患を処置するために必要な1つもしくは複数の他の薬物治療の用量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、クオリティオブライフを増大させること、および/または生存を延長させること。同様に、疾患(例えば、がん)の病理的結末の低減も「処置」に包含される。本発明の方法は、処置のこれらの態様のうちの任意の1つまたは複数を企図する。
用語「個体」は、哺乳動物を指し、これにはヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、個体はヒトである。一部の実施形態では、ヒトは男性である。一部の実施形態では、ヒトは女性である。
本明細書で使用される場合、用語「抗体」には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、シングルドメイン抗体(dAb)、ダイアボディ、多特異性抗体、二重特異性抗体、抗イディオタイプ抗体、二特異性抗体、その機能的に活性なエピトープ結合断片、二官能性ハイブリッド抗体、一本鎖抗体、およびFc含有ポリペプチド、例えば免疫接着が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、抗体は、任意の重鎖アイソタイプ(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、またはIgD)の抗体であり得る。一部の実施形態では、抗体は任意の軽鎖アイソタイプ(例えば、カッパまたはガンマ)の抗体であり得る。抗体は、非ヒト(例えば、マウス、ヤギ、または他の任意の動物に由来する)、完全なヒト、ヒト化、またはキメラであり得る。一部の実施形態では、抗体は、誘導体化された抗体である。
本明細書で使用される場合、「リスクがある」個体は、疾患(例えば、がん)を発症するリスクがある個体である。「リスクがある」個体は、検出可能な疾患を有していてもよくまたは有していなくてもよく、本明細書に記載されている処置方法の前に検出可能な疾患を示していてもよくまたは示していなくてもよい。「リスクがある」とは、個体が、本明細書に記載されている疾患の発症に相関する測定可能なパラメータである1つまたは複数のいわゆる危険因子を有することを指す。これらの危険因子の1つまたは複数を有する個体は、これらの危険因子を有しない個体より疾患を発症する確率が高い。
「アジュバント療法」は、個体が病歴を有し、一般的に、手術(例えば、外科的切除)、放射線療法、および/または化学療法を含むがこれらに限定されない治療が奏効している(ただし必ずしもその必要はない)臨床状況を指す。しかし、その病歴のために、これらの個体は、疾患発症のリスクがあると考えられる。「アジュバント療法」での処置または投与は、その後の処置の様式を指す。リスクの程度(例えば、アジュバント療法中の個体が「高リスク」または「低リスク」であると考えられる場合)は、いくつかの要因に依存し、ほとんどの場合、最初に処置した疾患の程度に依存する。
本明細書で使用される場合、「生物活性ポリペプチド」は、リガンドもしくは受容体の結合に関連する活性、または別の薬剤がリガンドもしくは受容体に結合するのを阻害することに関連する活性を有するその一部を含む、ペプチド(アミド)結合によって連結される2つまたはそれより多くのアミノ酸を含む分子を指す。生物活性ポリペプチドには、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチドアプタマー、タンパク質、多量体タンパク質、融合タンパク質、抗体、またはその断片が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、アルブミン−疎水性薬物ナノ粒子に会合するための部分を含む。
「ネオアジュバント療法」は、方法が一次/根治治療の前に実施される臨床状況を指す。
本明細書で使用される場合、疾患の発症を「遅延させること」とは、疾患の発症を繰り延べる、妨害する、遅くする、遅らせる、安定化する、および/または延期することを意味する。この遅延は、病歴および/または処置される個体に応じた様々な長さの時間の遅延であり得る。当業者には明白であるように、十分または有意な遅延は、実際に個体が疾患を発症しないという点において予防を包含し得る。疾患の発生を「遅延させる」方法は、方法を使用していない場合と比較して、所定の時間枠での疾患発症の確率を低減させる、および/または所定の時間枠で疾患の程度を低減させる方法である。そのような比較は典型的に、統計学的に有意な数の対象を使用する臨床試験に基づく。疾患の発症は、コンピューター化体軸断層撮影(CATスキャン)、磁気共鳴イメージング(MRI)、腹部超音波、凝固試験、血管造影、または生検が挙げられるがこれらに限定されない標準的な方法を使用して検出可能であり得る。発症はまた、当初検出不能であり得る疾患の進行も指し、発生、再発、および開始を含む。
本明細書で使用される用語「有効量」は、その症状の1つまたは複数を改善する、緩和する、弱める、および/または遅延させるなどの、特定の障害、状態、または疾患を処置するために十分な化合物または組成物の量を指す。がんなどの疾患に関連して、有効量は、腫瘍を退縮させるためおよび/または腫瘍の成長速度を減少させるために(腫瘍の成長を抑制させるためなど)、またはがんにおける他の望ましくない細胞増殖を防止するもしくは遅延させるために十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量は、がんの発症を遅延させるために十分な量である。一部の実施形態では、有効量は、再発を防止するまたは遅延させるために十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。がんの場合、薬物または組成物の有効量は、(i)類上皮細胞の数を低減させ得る;(ii)腫瘍サイズを低減させ得る;(iii)末梢臓器へのがん細胞の浸潤を阻害し得る、遅らせ得る、ある程度遅くし得る、および好ましくは停止し得る;(iv)腫瘍の転移を阻害し得る(例えば、ある程度遅らせ得る、および好ましくは停止させ得る);(v)腫瘍の成長を阻害し得る;(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を防止し得るもしくは遅延させ得る;ならびに/または(vii)がんに関連する症状の1つもしくは複数をある程度軽減し得る。
本明細書で使用される場合、「併用療法」とは、第1の薬剤が別の治療剤と共に投与されることを意味する。「と共に」とは、1つの処置モダリティに加えて別の処置モダリティを投与すること、例えば、本明細書に記載されているナノ粒子組成物の投与に加えて別の治療剤を同じ個体に投与することを指す。そのため、「共に」は、1つの処置モダリティを、他の処置モダリティの送達の前、間、または後に個体に投与することを指す。
本明細書で使用される場合、用語「同時投与」は、併用処置における第1の治療と第2の治療が約15分以下、例えば約10、5、または1分以下のうちのいずれかの間隔で投与されることを意味する。第1および第2の治療が同時に投与される場合、第1および第2の治療は、同じ組成物に含有されてもよく(例えば、第1および第2の治療の両方を含む組成物)、または個別の組成物(例えば、1つの組成物に第1の治療および別の組成物に第2の治療が含有される)に含有されてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「連続投与」は、併用療法における第1の治療と第2の治療が約15分より長い間隔、例えば、約20分もしくはそれを超える分数、30分もしくはそれを超える分数、40分もしくはそれを超える分数、50分もしくはそれを超える分数、60分もしくはそれを超える分数、2時間もしくはそれを超える時間数、4時間もしくはそれを超える時間数、6時間もしくはそれを超える時間数、12時間もしくはそれを超える時間数、または24時間もしくはそれを超える時間数のうちのいずれかより長い間隔で投与されることを意味する。第1の治療または第2の治療のいずれを最初に投与してもよい。第1および第2の治療は、個別の組成物に含有されるが、これらは同じまたは異なる包装またはキットに含有されてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「同時投与」は、併用療法における第1の治療の投与と第2の治療の投与が互いに重なり合うことを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「nab」はナノ粒子アルブミン結合体を表す。例えば、nab−パクリタキセルは、パクリタキセルのナノ粒子アルブミン結合製剤である。
本明細書で使用される場合、用語「エマルジョン」は、連続水相において約1マイクロメートルまたはそれ未満の平均直径を有する液滴を含む分散有機相を有する液体を指す。
用語「疎水性薬物」は、約25℃のpH7の水中で約1mg/mLまたはそれ未満の溶解度を有する薬物を指す。
本明細書に記載されている本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」および/または「から本質的になる」を含むと理解される。
本明細書における「約」値またはパラメータの言及は、その値またはパラメータそれ自体に向けられる変形形態を含む(および記載する)。例えば、「約X」という記載は、「X」の記載を含む。さらに、任意の一連の数値の前の「約」の使用は、その一連の列挙した数字のそれぞれの「約」を含む。例えば、「約X、Y、またはZ」という記載は、「約X、約Y、または約Z」を記載すると意図される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの」、「または」、および「その」は、文脈上明らかな別段の指示がない限り複数形を含む。
ナノ粒子を含む組成物
本明細書に記載されている組成物は、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、ナノ粒子に会合していないアルブミンおよび/または生物活性ポリペプチドをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、別の治療剤をさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。
本明細書に記載されているナノ粒子は、疎水性薬物を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、疎水性薬物を含む固体コアを含む。本明細書で使用される場合、「コア」は、ナノ粒子に会合した疎水性薬物の実質的に全てが位置するナノ粒子の内側部分を指す。一部の実施形態では、ナノ粒子は、疎水性薬物を含む固体コアを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、疎水性薬物の固体コアを含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子中の疎水性薬物は、ナノ粒子の約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、または99重量%より多くを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、非ポリマーマトリクスを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、ポリマー材料(例えば、ポリマーマトリクス)を実質的に含まない疎水性薬物の固体コアを含む。
ナノ粒子中の疎水性薬物の固体コアは、一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの一部をさらに含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、疎水性薬物と生物活性ポリペプチドの一部とを含む固体コアを含む。
本明細書に記載されている場合、ナノ粒子はアルブミンを含む。本発明では、ヒトアルブミン、ヒト血清アルブミン、組換えアルブミン、およびその誘導体が挙げられるがこれらに限定されないアルブミンが企図される。一部の実施形態では、アルブミンはヒトアルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、ヒトアルブミンはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは組換えアルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンはヒト組換えアルブミンである。一部の実施形態では、組み変えアルブミンはヒト組換えアルブミンである。
アルブミン、例えばヒト血清アルブミン(HSA)は、高度に溶解性の球状タンパク質である。例えば、ヒト血清アルブミンは、585個のアミノ酸からなり、分子量約66kDaを有する。HSAは、ヒト血清中の最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧の70〜80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、全体で17個のジスルフィド架橋、1つの遊離のチオール(Cys34)、および1つのトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、循環血液量減少性ショックの予防および処置のために(例えば、Tullis, JAMA、237巻、355〜360頁、460〜463頁(1977年);Houserら、Surgery, Gynecology and Obstetrics、150巻、811〜816頁(1980年)を参照されたい)、ならびに新生児高ビリルビン血症の処置において交換輸血と共に(例えば、Finlayson, Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85〜120頁(1980年)を参照されたい)適応されている。
ヒト血清アルブミン(HSA)などのアルブミンは、複数の疎水性結合部位を有する。HSAは、8個の脂肪酸結合部位を有し、中性および負に荷電した疎水性化合物を含む多様な組の疎水性薬物、例えばタキサンに結合する(Goodmanら、The Pharmacological Basis of Therapeutics、第9版、McGraw-Hill New York(1996年))。2つの高親和性結合部位が、HSAのサブドメインIIAおよびIIIAにおいて提唱されており、これらは、極性リガンド特徴の結合点として機能する表面近くの荷電リシンおよびアルギニン残基を有する高度に伸長した疎水性ポケットである(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687〜92頁(198a)、Vorum、Dan. Med. Bull.、46巻、379〜99頁(1999年)、Kragh-Hansen、Dan. Med. Bull.、1441巻、131〜40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827〜35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439〜46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209〜15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153〜203頁(1994年)を参照されたい)。パクリタキセルおよびプロポフォルは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187〜91頁(200a)、Purcellら、Biochim. Biophys. Acta、1478巻(a)、61〜8頁(2000年)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053〜6頁(1995年)、およびGarridoら、Rev. Esp. Anestestiol. Reanim.、41巻、308〜12頁(1994年)を参照されたい)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されている(例えば、Urienら、Invest. New Drugs、14巻(b)、147〜51頁(1996年)を参照されたい)。
他のアルブミン、例えばウシ血清アルブミンが企図される。そのような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(家庭用ペットおよび農業関連のものを含む)などの非ヒト哺乳動物におけるこれらの組成物の使用の状況において適切であり得る。
同様に、誘導体化アルブミンも本開示の範囲内であると企図される。本明細書で使用される場合、「誘導体化アルブミン」は、アルブミンの発現後に修飾されているアルブミンである。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、化学架橋剤にコンジュゲートしたアルブミンである。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、生物活性ポリペプチドにコンジュゲートした別の化学架橋剤部分に反応性(例えば、特異的に反応性)である化学架橋剤部分にコンジュゲートしたアルブミンである。例えば、一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、アルキン部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートし、誘導体化生物活性ポリペプチドは、アジド部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートしている。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、アジド部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートし、誘導体化生物活性ポリペプチドはアルキン部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートしている。アルブミンと生物活性ポリペプチドとを会合させるために有用な架橋部分の他の組には、歪みアルキンとアジド、歪みアルキンとニトロン(例えば、1,3−ニトロン)、歪みアルケンとアジド、歪みアルケンとテトラジン、および歪みアルケンとテトラゾールが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、例えばアルブミンの1つまたは複数のアミンを反応させてスルフヒドリル基(例えば、しかしアミンを2−イミノチオラン(Traut試薬)、または他のチオール化試薬と反応させる)を形成することによってチオール化される。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、非共有結合性架橋剤の第1の構成要素(例えば、核酸分子、例えばDNA)に共有結合し、生物活性ポリペプチドは、架橋剤の第1の構成要素(例えば、架橋剤の第1の構成要素の核酸鎖と相補的な核酸鎖)に特異的に結合する非共有結合性架橋剤の第2の構成要素に架橋することができる。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、誘導体化ヒトアルブミンである。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、誘導体化ヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、誘導体化ヒトアルブミンは、誘導体化ヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、誘導体化組換えアルブミンである。一部の実施形態では、誘導体化アルブミンは、誘導体化ヒト組換えアルブミンである。一部の実施形態では、誘導体化組換えアルブミンは、誘導体化ヒト組換えアルブミンである。
一部の実施形態では、アルブミンは、ジスルフィド結合を形成することができるスルフヒドリル(sulfhydral)基を有する。一部の実施形態では、アルブミンは、別のアルブミンと分子間ジスルフィド結合を形成する。一部の実施形態では、アルブミンは、生物活性ポリペプチドと分子間ジスルフィド結合を形成する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を含む)が架橋される(例えば、1つまたは複数のジスルフィド結合を介して架橋される)。一部の実施形態では、組成物はナノ粒子部分を含み、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンの少なくとも約40%、50%、60%、70%、または80%がジスルフィド結合によって架橋される。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンの約40%、50%、60%、70%、または80%が、ジスルフィド結合によって架橋される。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンの約40%〜約80%、約40%〜約70%、または約50%〜約80%がジスルフィド結合によって架橋される。
ある特定の実施形態では、ナノ粒子におけるアルブミンは、生物活性ポリペプチドをアルブミン上のチオール基(例えば、Cys34)に結合させることによって生物活性ポリペプチドにコンジュゲートする。一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子は、疎水性薬物とアルブミンとを含み、生物活性ポリペプチドがアルブミンにコンジュゲートしていないナノ粒子より少ない遊離のチオールを有する。一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子上の遊離のチオールは、疎水性薬物とアルブミンとを含み、生物活性ポリペプチドがアルブミンにコンジュゲートしていないナノ粒子と比較して、約5%またはそれより多く(例えば約10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%またはそれより多く)減少する。一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子は、疎水性薬物とアルブミンとを含み、生物活性ポリペプチドがアルブミンにコンジュゲートしていないナノ粒子より少ない遊離の表面チオールを有する。一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子の表面上の遊離のチオールは、疎水性薬物とアルブミンとを含み、生物活性ポリペプチドがアルブミンにコンジュゲートしていないナノ粒子と比較して約5%またはそれより多く(例えば、約10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%またはそれより多く)減少する。一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子は、疎水性薬物とアルブミンとを含み、生物活性ポリペプチドがアルブミンにコンジュゲートしていないナノ粒子より少ないアルブミン単量体(すなわち、別のアルブミン、生物活性ポリペプチド、または他の任意のポリペプチドにコンジュゲートしていないアルブミン)を有する。一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子に会合するアルブミン単量体の量は、疎水性薬物とアルブミンとを含み、生物活性ポリペプチドがアルブミンにコンジュゲートしていないナノ粒子に会合するアルブミン単量体の量と比較して約5%またはそれより多く(例えば、約10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%またはそれより多く)減少する。
一部の実施形態では、ナノ粒子は、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含み、ナノ粒子上の生物活性ポリペプチドの生物活性部分は、露出したままである。例えば、一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、生物活性ポリペプチドの一部がリガンドまたは受容体に結合することができるようにナノ粒子上に位置する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、治療活性を有する生物活性ポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%が、ナノ粒子に会合している。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%が、ナノ粒子に会合している。一部の実施形態では組成物中の生物活性ポリペプチドの約15%〜約90%、約20%〜約85%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約75%、約60%〜約85%、約65%〜約80%、または約70%〜約80%が、ナノ粒子に会合している。
一部の実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも約50、100、150、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、または1200個の生物活性ポリペプチを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約50、100、150、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、または1200個の生物活性ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約100〜約900、約100〜約500、約150〜約700、約100〜約800、約300〜約600、約200〜約900、約500〜約1000、約500〜約800、約600〜約800個の生物活性ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、ナノ粒子を含み、ナノ粒子当たりの生物活性ポリペプチドの平均数は、少なくとも約50、100、150、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、または1200個の生物活性ポリペプチドである。一部の実施形態では、組成物はナノ粒子を含み、ナノ粒子当たりの生物活性ポリペプチドの平均数は、約50、100、150、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、または1200個の生物活性ポリペプチドである。
組成物中のナノ粒子における疎水性薬物の生物活性ポリペプチドに対する重量比は、意図される治療的使用に関して最適化され得る。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子における疎水性薬物の生物活性ポリペプチドに対する重量比は、約1:1〜200:1の間(例えば、約1:1〜約100:1の間、約1:1〜約80:1の間、約1:1〜約60:1の間、約1:1〜約50:1の間、約2:1〜約40:1の間、約4:1〜約30:1の間、または約6:1〜約20:1の間)である。一部の実施形態では、疎水性薬物の重量は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって決定される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定される。ELISAは、ナノ粒子に会合した生物活性ポリペプチドの直接評価を可能にし、機能的な生物活性ポリペプチドと非機能的な(例えば、変性した)生物活性ポリペプチドとの識別を可能にする。
組成物中のナノ粒子におけるアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、疎水性薬物、アルブミン、生物活性ポリペプチド、別の治療剤、またはその組合せの存在に基づいて最適化され得る。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子におけるアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約1:1〜約50:1、約1:1〜約20:1、約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、または約1:1〜約2:1である。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子におけるアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約18:1未満、15:1未満、または10:1未満である。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子におけるアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、約5:1〜約10:1である。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子におけるアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、または1:15である。一部の実施形態では、アルブミンの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。一部の実施形態では、疎水性薬物の重量は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって決定される。
組成物中のナノ粒子における生物活性ポリペプチドのアルブミンに対する重量比は、疎水性薬物、アルブミン、生物活性ポリペプチド、別の治療剤、またはその組合せの存在に基づいて最適化され得る。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子における生物活性ポリペプチドのアルブミンに対する重量比は、約1:1〜約1:1000、約1:1〜約1:800、約1:1〜約1:600、約1:1〜約1:500、約1:1〜約1:400、約1:1〜約1:300、約1:1〜約1:250、約2:1〜約1:200、約2:1〜約1:150、約4:1〜約1:100、または約4:1〜約1:50である。一部の実施形態では、アルブミンの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定される。
一部の実施形態では、組成物は、約1000ナノメートル(nm)以下、例えば約900、800、700、600、500、400、300、200、および100nm以下のうちのいずれかの平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径は、約200nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径は、約150nm以下である、一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径は、約100nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径は、約20〜約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径は、約40〜約200nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子は濾過滅菌可能である。ナノ粒子の平均直径は、動的光散乱法(DLS)によって測定することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物中のナノ粒子は、例えば約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nm以下のうちのいずれか1つを含む約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)が、例えば約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nm以下のうちのいずれか1つを含む約200nm以下の直径を有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちの少なくともいずれか1つ)が、例えば約20〜約200nm、約40〜約200nm、約30〜約180nm、ならびに約40〜約150、約50〜約120、および約60〜約100nmを含む約20〜約400nmの範囲内に入る。
疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含有するナノ粒子の例示的な実施形態を以下にさらに詳述する。そのようなナノ粒子は、ナノ粒子の中に埋め込まれた(例えば、ナノ粒子の表面またはコアに埋め込まれた)生物活性ポリペプチド、またはナノ粒子においてアルブミンにコンジュゲートした(例えば、共有結合性または非共有結合性架橋剤を介して)生物活性ポリペプチドを含むナノ粒子を含み得る。ナノ粒子上の生物活性ポリペプチドとアルブミンの会合は、非共有結合性または共有結合性であり得る。一部の実施形態では、ナノ粒子はアルブミンに会合した疎水性薬物を含み、生物活性ポリペプチドは、アルブミンに非共有結合で会合する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子の表面の中に埋め込まれている。一部の実施形態では、ナノ粒子はアルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドは、アルブミンに非共有結合で会合する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合によって会合する。一部の実施形態では、アルブミンは、誘導体化アルブミンであり、アルブミンは、生物活性ポリペプチドに非共有結合する部分によって誘導体化される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、アルブミンに非共有結合する部分を含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、誘導体化アルブミンに非共有結合する部分を含む。ナノ粒子に関する上記の特徴は、本開示を考慮して当業者によって理解されるように、以下に記載されている特定の実施形態に適用することができる。
生物活性ポリペプチドが埋め込まれたナノ粒子
疎水性薬物を含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンに会合している(例えば、吸着またはコーティングされる)か、または疎水性薬物がアルブミンおよび生物活性ポリペプチド(例えば、抗体またはその断片)に会合している(例えば、吸着またはコーティングされる)ナノ粒子は本発明の範囲内であると企図される。ある特定の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、以下により詳細に考察されるように、1つまたは複数のナノ粒子前駆物に含まれる。製造プロセスの間、生物活性ポリペプチドの少なくとも一部は、生物活性ポリペプチドがナノ粒子の表面に埋め込まれるか、またはナノ粒子の疎水性コアに埋め込まれるように、ナノ粒子に会合する。
例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンに会合した疎水性薬物を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンに会合した疎水性薬物の固体コアを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによって実質的にコーティングされた疎水性薬物を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによって実質的にコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物と、生物活性ポリペプチドとを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアと、生物活性ポリペプチドとを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドは、疎水性薬物の固体コアの表面に会合し、疎水性薬物の固体コアはアルブミンによってコーティングされている。一部の実施形態では、ナノ粒子は、疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドの一部は疎水性薬物の固体コアに埋め込まれており、疎水性薬物の固体コアは、アルブミンによってコーティングされている。
一部の実施形態では、ナノ粒子に会合する生物活性ポリペプチドの約1%またはそれより多く(例えば、約2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、または25%、またはそれより多く)が、ナノ粒子の固体コアに埋め込まれている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの約25%またはそれ未満(例えば、約20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、または1%、またはそれ未満)がナノ粒子の固体コアに埋め込まれている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの約1%〜約25%の間(例えば、約1%〜約2%の間、約2%〜約3%の間、約3%〜約4%の間、約4%〜約5%の間、約5%〜約10%の間、約10%〜約15%の間、約15%〜約20%の間、または約20%〜約25%の間)がナノ粒子の固体コアに埋め込まれている。
一部の実施形態では、ナノ粒子はアルブミンに会合した疎水性薬物を含み、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子上のアルブミンに会合している。本明細書に記載されている場合、生物活性ポリペプチドとアルブミンとの間の接触(例えば、会合)は、例えばナノ粒子の外側のアルブミン表面、ナノ粒子のアルブミンコーティング内、ナノ粒子の内側のアルブミン表面(例えば、疎水性薬物の固体コアとアルブミンのコーティングの間の界面)、またはその組合せであり得る。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされた疎水性薬物を含み、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子上のアルブミンに会合する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子上のアルブミンに会合している。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、疎水性薬物およびアルブミンに会合している。したがって、例えば一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドの少なくとも一部は、疎水性薬物の固体コアに会合しており、生物活性ポリペプチドの少なくとも一部は、アルブミンに会合している。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドの少なくとも一部が疎水性薬物の固体コアに埋め込まれており、生物活性ポリペプチドの少なくとも一部がアルブミンに会合している。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドの少なくとも一部は、疎水性薬物の固体コアに部分的に埋め込まれており、アルブミンに部分的に会合している。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、少なくとも1つの生物活性ポリペプチドの疎水性部分が、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれており、同じ生物活性ポリペプチドの第2の部分がアルブミンに会合している。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドの疎水性部分は疎水性薬物の固体コアに埋め込まれており、同じ生物活性ポリペプチドの親水性部分がアルブミンに会合している。
生物活性ポリペプチドがコンジュゲートしたナノ粒子
ある特定の実施形態では、生物活性ポリペプチド(例えば、抗体またはその断片)は、ナノ粒子(例えば、ナノ粒子のアルブミン構成要素)にコンジュゲートしている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドとアルブミンの会合は、直接会合(例えば、アルブミンに直接結合する生物活性ポリペプチド)である。例えば、ある特定の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、例えばジスルフィド結合の形成を介してアルブミンに直接結合する。一部の実施形態では、コンジュゲーションは、生物活性ポリペプチドおよびアルブミンに共有結合することができる架橋剤を介して起こる。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドとアルブミンの会合は、共有結合性会合(例えば、生物活性ポリペプチドおよびアルブミンをコンジュゲートするための化学架橋剤の使用)である。ある特定の実施形態では、架橋剤は、アルブミンに共有結合する第1の構成要素と、ポリペプチドに共有結合する第2の構成要素とを含み、第1の構成要素と第2の構成要素は、非共有結合性相互作用を介して特異的に結合する。
一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンに会合する疎水性薬物を含み、生物活性ポリペプチドは、アルブミンに共有結合で会合する(すなわち、生物活性ポリペプチドは、アルブミンにコンジュゲートする)。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含み、生物活性ポリペプチドは、アルブミンに共有結合で会合する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で会合する。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、直接共有結合を介してナノ粒子上のアルブミンに会合する。例えば、一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、生物活性ポリペプチドとアルブミンとの間でのジスルフィド結合の形成を介してナノ粒子上のアルブミンに会合する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、アルブミン上の遊離のチオール(例えば、Cys34)を介してナノ粒子上のアルブミンに会合する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、生物活性ポリペプチドとアルブミン上の遊離のチオール(例えば、Cys34)との間のジスルフィド結合の形成を介してナノ粒子上のアルブミンに会合する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、アルブミン上の遊離のチオール、例えば遊離のシステイン(例えば、Cys34)に共有結合する(ジスルフィド結合を介して)遊離のチオール、例えば遊離のシステインを含む。一部の実施形態では、アルブミンは誘導体化アルブミンであり、アルブミン上のチオールは、誘導される(例えば、2−イミノチオランなどのチオール化剤の使用を介してアミンから誘導される)。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、化学架橋剤(例えば、非ゼロ長の架橋剤または任意の適した長さの架橋剤)を介してナノ粒子上のアルブミンに会合する。一部の実施形態では、架橋剤は、単官能性架橋剤である。一部の実施形態では、架橋剤は、二官能性架橋剤である。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、1つより多くの化学架橋剤を介してナノ粒子上の1つより多くのアルブミンに会合する。共有結合性の結合を介しての2つまたはそれより多くのタンパク質の会合(例えば、共有結合性コンジュゲーションまたは複合体の形成)、またはタンパク質に会合するアミノ酸残基もしくは他の官能基、例えばグリカンとの複合体の形成にとって適した架橋剤は、当技術分野で公知である。例えば、一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミン上の遊離のチオール(例えば、Cys34または誘導体化チオール)に結合してもよく、架橋剤の別の末端は、生物活性ポリペプチドに結合するために利用可能である。一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミン上の遊離のチオールに結合してもよく、架橋剤の別の末端は、生物活性ポリペプチドに結合している。一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミン上の遊離のチオール(例えば、Cys34)に結合してもよく、架橋剤の別の末端は、生物活性ポリペプチドに結合した架橋剤に結合するために利用可能であるか、または結合している。一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミン上の遊離のアミン(例えば、リシン残基)に結合してもよい。一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミン上の遊離のリシンに結合してもよく、架橋剤の別の末端は、生物活性ポリペプチドに結合している。一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミン上の遊離のリシンに結合してもよく、架橋剤の別の末端は、生物活性ポリペプチドに結合した架橋剤に結合するために利用可能である。一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミン上の遊離のリシンに結合してもよく、架橋剤の別の末端は、生物活性ポリペプチドに結合した架橋剤に結合するために利用可能であるか、または結合している。
一部の実施形態では、架橋剤は、マレイミド官能基(例えば、マレイミドプロピオン酸(MPA)またはガンマ−マレイミド−ブチルアミド(butyralamide)(GMBA))を含む。一部の実施形態では、架橋剤は、スクシンイミジルエステル基、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを含む。一部の実施形態では、架橋剤の長さは、架橋剤の化学反応基を架橋するポリエチレングリコール(PEG)などのポリマーによって決定される。例えば、一部の実施形態では、架橋剤は、NHS−(ポリエチレングリコール)n−マレイミド(SM(PEG)n)であり、式中、nは2またはそれより多い。例えば、一部の実施形態では、架橋剤は、(SM(PEG)2)、(SM(PEG)4)、(SM(PEG)6)、(SM(PEG)8)、(SM(PEG)12)、または(SM(PEG)24)である。一部の実施形態では、架橋剤は、スクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)である。
一部の実施形態では、架橋剤は、ボロン酸エステル(ボロン酸から誘導され得る)などのホウ素部分を含む。ボロン酸は、炭水化物、例えばグリコシル化生物活性タンパク質(例えば、グリコシル化抗体)上のグリカンと反応して、ボロン酸エステルを形成することができる。一部の実施形態では、架橋剤は、ボロン酸およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを含む。一部の実施形態では、架橋剤は、ボロン酸およびNHSエステルを連結する化学架橋を含み、架橋は、架橋剤の長さを決定する。例示的な架橋剤は、例えば、DMF中で4−(2−カルボキシエチル)ベンゼンボロン酸、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、およびNN−ジシクロヘキシルカルボジイミドを組み合わせて、活性化エステル架橋剤を形成することによって形成することができる。NHS部分は、アルブミンと反応することができ、ボロン酸部分は、生物活性ポリペプチド上のグリカンと反応することができる。
一部の実施形態では、架橋剤は、クリックケミストリー(例えば、銅フリークリックケミストリー)架橋剤である。例えば、一部の実施形態では、架橋剤は、トリアゾール部分を含み、これはシクロオクテン誘導体部分(例えば、ジベンゾシクロオクチン(DBCO)部分)を、歪み促進型アルキンアジド環化付加反応を介してアジドと反応させることによって形成することができる。アルブミンまたは抗体は、例えばシクロオクテン誘導体部分(例えば、DBCO−PEGn−NHS、式中、nは2またはそれより大きい)に架橋したNHSと反応させることによってシクロオクテン誘導体部分に共有結合で連結することができ、他の架橋部分(すなわち、アルブミンまたは抗体)をアジドにより官能化することができる。
一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミンに共有結合した第1の構成要素と、生物活性ポリペプチドに共有結合した第2の構成要素とを含み、第1の構成要素と第2の構成要素は互いに特異的に結合する。例えば、第1の構成要素または第2の構成要素は、DNAなどの一本鎖ポリヌクレオチド、または合成ポリマー、例えばモルフォリノであり得る。一部の実施形態では、架橋剤は、実質的に相補的である2つの一本鎖ポリヌクレオチドを含み、1つの一本鎖ポリヌクレオチドは生物活性ポリペプチドにコンジュゲートし、他の一本鎖ポリヌクレオチドはアルブミンにコンジュゲートしている。例えば、一部の実施形態では、第1の構成要素または第2の構成要素は、配列番号1(5’−CACACACACACACACACACA−3’)に従う分子などの複数の「CA」リピートを含む一本鎖DNAを含み、他の構成要素(すなわち、第1の構成要素または第2の構成要素)は、配列番号2(5’−GTGTGTGTGTGTGTG−3’)に従うDNA分子などの複数の「GT」リピートを含む一本鎖DNA分子を含む。アルブミンおよび生物活性ポリペプチドを組み合わせると、DNA鎖が特異的に結合し、それによってアルブミンを生物活性ポリペプチドにコンジュゲートさせる。
アルブミンおよび生物活性ポリペプチドにコンジュゲートした場合の架橋剤の長さは、任意の適した長さであり得る。一部の実施形態では、架橋剤の長さは、コンジュゲートしている当初は個別の2つの架橋剤の長さであり、例えばアルブミンに結合した架橋剤は、例えばクリックケミストリーまたは相補的DNA塩基対形成を介して、生物活性ポリペプチドに結合した架橋剤に会合するかまたはコンジュゲートする。一部の実施形態では、架橋剤の長さは、約200オングストロームであるか、またはそれより短く、例えば約175、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30、20、または10オングストロームのうちのいずれかであるか、またはそれより短い。一部の実施形態では、架橋剤の長さは、約10オングストロームであるか、またはそれより長く、例えば約20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200オングストロームのうちのいずれかであるか、またはそれより長い。一部の実施形態では、架橋剤の長さは、約8.3オングストローム、約17.6オングストローム、約24.6オングストローム、約32.5オングストローム、約39.2オングストローム、約53.4オングストローム、または約95.2オングストロームである。
上記の実施形態の一部では、ナノ粒子上のアルブミンは、誘導体化アルブミン(例えば、化学架橋剤によって誘導体化されたアルブミン)である。一部の実施形態では、ナノ粒子上の誘導体化アルブミンの量は、ナノ粒子上の総アルブミンの約50%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満である。一部の実施形態では、ナノ粒子上の誘導体化アルブミンの量は、ナノ粒子上の総アルブミンの約5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満である。一部の実施形態では、ナノ粒子上の誘導体化アルブミンの量は、ナノ粒子上の総アルブミンの約25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%である。一部の実施形態では、ナノ粒子上の誘導体化アルブミンの量は、ナノ粒子上の総アルブミンの約1%〜約3%の間、約1%〜約5%の間、約1%〜約7%の間、約1%〜約10%の間、約3%〜約7%の間、約3%〜約10%の間、または約5%〜約15%の間である。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、1つまたは複数の架橋剤にコンジュゲートしている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、1〜20個の架橋剤、例えば、1〜10、1〜5、1〜4、1〜3、2〜5、3〜5、および2〜4個の架橋剤のうちのいずれかにコンジュゲートしている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、10個未満の架橋剤、例えば9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満、および2個未満の架橋剤のうちのいずれかにコンジュゲートしている。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中の生物活性ポリペプチド当たりの架橋剤の平均数は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の架橋剤である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中の生物活性ポリペプチド当たりの架橋剤の平均数は、約1〜10個の架橋剤、例えば1〜5、1〜4、1〜3、2〜5、3〜5、および2〜4個の架橋剤のうちのいずれかである。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中の生物活性ポリペプチド当たりの架橋剤の平均数は、約10個未満の架橋剤、例えば約9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満、および2個未満の架橋剤のうちのいずれかである。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、1つまたは複数のアルブミンにコンジュゲートしている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、1〜10個のアルブミン、例えば1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、2〜4、および2〜5個のアルブミンのうちのいずれかにコンジュゲートしている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、10個未満のアルブミン、例えば9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満、および2個未満のアルブミンのうちのいずれかにコンジュゲートしている。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中の生物活性ポリペプチド当たりのコンジュゲートしたアルブミンの平均数は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中の生物活性ポリペプチド当たりのコンジュゲートしたアルブミンの平均数は、約1〜10個、例えば1〜5、1〜4、1〜3、2〜5、3〜5、および2〜4個のうちのいずれかである。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中の生物活性ポリペプチド当たりのコンジュゲートしたアルブミンの平均数は、約10未満、例えば約9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満、および2未満のうちのいずれかである。
ナノ粒子組成物
ナノ粒子を含む組成物は、本明細書に記載されているナノ粒子の任意の組合せを含み得ると企図される。さらに一部の実施形態では、ナノ粒子は、本明細書に記載されている特徴の任意の組合せを含み得る。
本明細書に記載されている場合、一部の実施形態では、組成物は、組成物のナノ粒子および非ナノ粒子部分の両方にアルブミンを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、組成物中のナノ粒子に会合していないアルブミンをさらに含む。本明細書に記載されている組成物中のアルブミンの量は、組成物中の他の構成要素(例えば、疎水性薬物または生物活性ポリペプチド)に応じて変化する。一部の実施形態では、組成物は、水性懸濁液、例えば安定なコロイド状懸濁液(例えば、ナノ粒子の安定な懸濁液)の形態で疎水性薬物を安定化させるために十分な量のアルブミンを含む。一部の実施形態では、アルブミンは、水性媒体中の疎水性薬物の沈降速度を低減させる量で存在する。粒子含有組成物に関して、アルブミンの量はまた、ナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。一部の実施形態では、組成物中のアルブミンの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%が組成物の非ナノ粒子部分に存在する。
疎水性薬物は、水性媒体において長期間、例えば少なくとも約0.1、0.2、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、60、または72時間のうちのいずれかの間、懸濁状態のままであれば(例えば、目に見える沈殿または沈降を有しない)、水性懸濁液中で「安定化されて」いる。懸濁液は一般的に、個体(例えば、ヒト)に投与するために適切であるが、必ずしもその必要はない。懸濁液の安定性は一般的に、貯蔵温度(例えば、室温(例えば、20〜25℃)または冷蔵条件(例えば4℃))で評価される(が、必ずしもその必要はない)。例えば、懸濁液は、懸濁液の調製の約15分後に肉眼または倍率400倍の光学顕微鏡下で観察した場合に見える綿状沈殿または粒子凝集を示さなければ貯蔵温度で安定である。安定性はまた、加速試験条件、例えば40℃または約40℃より高い温度で評価することができる。
組成物の非ナノ粒子部分にアルブミンを使用することにより、疎水性薬物および/またはナノ粒子を溶解するための毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を回避することができ、それによって疎水性薬物の個体(例えば、ヒト)への投与の1つまたは複数の副作用を低減させることができる。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、Cremophor(Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、組成物は、界面活性剤(例えば、ポリソルベート20またはポリソルベート80などのポリソルベート)を実質的に含まない(例えば、含まない)。組成物は、組成物中のCremophorまたは界面活性剤の量が約0.02%未満である場合、「Cremophorを実質的に含まない」または「界面活性剤を実質的に含まない」。「Cremophorを実質的に含まない」または「界面活性剤を実質的に含まない」とは、約0.01%未満のCremophorまたは界面活性剤を有することを指す。一部の実施形態では、組成物は、約0.005%未満、約0.0001%未満、約0.00005%未満、または約0.00001%未満のCremophorまたは界面活性剤を有する。
一部の実施形態では、アルブミンは、ある特定の濃度で水性懸濁液中の疎水性薬物を安定化するために十分である量で組成物中に存在する。例えば、組成物中の疎水性薬物の濃度は、例えば約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、約5mg/mlのうちのいずれかを含む約0.1〜約100mg/mlである。一部の実施形態では、疎水性薬物の濃度は、少なくとも約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、アルブミンは、組成物が界面活性剤(例えば、Cremophor、ポリソルベート20、またはポリソルベート80)を含まないまたは実質的に含まないように、界面活性剤(例えば、Cremophor、ポリソルベート20、またはポリソルベート80)の使用を回避する量で存在する。
一部の実施形態では、組成物は、リン酸ナトリウムを実質的に含まない(または含まない)。本明細書で使用される場合、「リン酸ナトリウムを実質的に含まない」とは、約0.1mg/mL未満のリン酸ナトリウムを有することを指す。一部の実施形態では、組成物は、約0.05mg/mL未満、約0.01mg/mL未満、約0.005mg/mL未満、約0.001mg/mL未満、または約0.0001mg/mL未満のリン酸ナトリウムを有する。一部の実施形態では、組成物はリン酸ナトリウムを含む。
一部の実施形態では、組成物は、トレハロースを実質的に含まない(または含まない)。本明細書で使用される場合、「トレハロースを実質的に含まない」とは、約1mg/mL未満のトレハロースを有することを指す。一部の実施形態では、組成物は、約0.5mg/mL未満、約0.1mg/mL未満、約0.05mg/mL未満、約0.01mg/mL未満、または約0.001mg/mL未満のトレハロースを有する。一部の実施形態では、組成物はトレハロースを含む。
一部の実施形態では、液体形態のナノ粒子組成物は、約0.1%〜約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))のアルブミンを含む。一部の実施形態では、液体形態のナノ粒子は、約0.5%〜約10%(w/v)のアルブミンを含む。
一部の実施形態では、組成物は、組成物のナノ粒子および非ナノ粒子部分の両方に疎水性薬物を含む。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物の1%以下、2%以下、3%以下、4%以下、5%以下、10%以下、または20%以下が、組成物の非ナノ粒子部分に存在する。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%が組成物のナノ粒子部分に存在する。
一部の実施形態では、組成物は、組成物のナノ粒子および非ナノ粒子部分の両方に生物活性ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドをさらに含む。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの1%以下、2%以下、3%以下、4%以下、5%以下、10%以下、または20%以下が組成物の非ナノ粒子部分に存在する。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%が、組成物のナノ粒子部分に存在する。
組成物中のアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、疎水性薬物、アルブミン、生物活性ポリペプチド、別の治療剤、またはその組合せの存在に基づいて最適化され得る。一部の実施形態では、組成物中のアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約1:1〜約50:1、約1:1〜約20:1、約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、または約1:1〜約2:1である。一部の実施形態では、組成物中のアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約18:1未満、15:1未満、または10:1未満である。一部の実施形態では、組成物中のアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、約5:1〜約10:1である。一部の実施形態では、組成物中のアルブミンの疎水性薬物に対する重量比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、または1:15である。一部の実施形態では、アルブミンの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。一部の実施形態では、疎水性薬物の重量は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって決定される。
組成物中の疎水性薬物の生物活性ポリペプチドに対する重量比は、疎水性薬物、アルブミン、生物活性ポリペプチド、別の治療剤、またはその組合せの存在に基づいて最適化され得る。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物の生物活性ポリペプチドに対する重量比は、約1:1〜200:1の間(例えば1:1〜約100:1の間、約1:1〜約80:1の間、約1:1〜約60:1の間、約1:1〜約50:1の間、約2:1〜約40:1の間、約4:1〜約30:1の間、または約6:1〜約20:1の間)である。一部の実施形態では、疎水性薬物の重量は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって決定される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定される。
組成物中の生物活性ポリペプチドのアルブミンに対する重量比は、疎水性薬物、アルブミン、生物活性ポリペプチド、別の治療剤、またはその組合せの存在に基づいて最適化され得る。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドのアルブミンに対する重量比は、約1:1〜約1:1000、約1:1〜約1:800、約1:1〜約1:600、約1:1〜約1:500、約1:1〜約1:400、約1:1〜約1:300、約1:1〜約1:250、約2:1〜約1:200、約2:1〜約1:150、約4:1〜約1:100、または約4:1〜約1:50である。一部の実施形態では、アルブミンの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの重量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定される。
疎水性薬物
本明細書に記載されている疎水性薬物は、例えば約0.5、0.2、0.1、0.05、0.02、または0.01mg/ml未満のうちのいずれかの溶解度を有する薬物を含む、約25℃の水(pH7)中で約1mg/ml未満の溶解度を有する薬物であり得る。一部の実施形態では、疎水性薬物は抗腫瘍剤である。一部の実施形態では、疎水性薬物は化学療法剤である。適した疎水性薬物には、タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、オルタタキセル、および他のタキサン)、リムス系薬物(例えば、シロリムス)、17−アリルアミノゲルダナマイシン(l7−AAG)、またはチオコルヒチン二量体(例えば、IDN5404)が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、疎水性薬物はタキサンである。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、疎水性薬物はパクリタキセルである。
一部の実施形態では、疎水性薬物は、ラパマイシン(シロリムス)およびそのアナログを含むリムス系薬物である。リムス系薬物の例には、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK−506)が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、リムス系薬物は、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK−506)からなる群から選択される。一部の実施形態では、疎水性薬物はラパマイシン(シロリムス)である。
したがって、一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがタキサンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがタキサンおよびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがパクリタキセルおよびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがタキサンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)タキサンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、タキサンがアルブミンによってコーティングされており、抗体がタキサンおよびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、抗体がパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、抗体がアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、抗体がパクリタキセルおよびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。
したがって、一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがリムス系薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがリムス系薬物およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、生物活性ポリペプチドがラパマイシンおよびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。
したがって、一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされており、抗体がリムス系薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされており、抗体がアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)リムス系薬物と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、リムス系薬物がアルブミンによってコーティングされており、抗体がリムス系薬物およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、抗体がラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、抗体がアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)抗体とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、抗体がラパマイシンおよびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。
生物活性ポリペプチド
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、抗体またはその断片である。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、抗原を特異的に認識する抗体またはその断片である。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、アレムツズマブ、ベバシズマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ、セツキシマブ、デノスマブ、ジヌツキシマブ、デュルバルマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、デュルバルマブ、およびリツキシマブからなる群からなる群から選択される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、BGB−A317(BeiGene)である。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドはトシリズマブである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物の生物活性ポリペプチド(例えば、ナノ粒子上の生物活性ポリペプチド)は、個体(例えば、ヒト)において免疫応答を誘発することができる。本明細書に記載されている組成物は、個体においてADCCとCDC効果のバランスをとるように最適化され得る。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、個体において抗体依存性細胞媒介性(ADCC)効果を誘発する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、個体において補体依存性細胞傷害(CDC)効果を誘発する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、個体においてADCC効果を誘発する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、個体においてCDC効果を誘発する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、個体においてADCCおよびCDC効果を誘発する。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、抗原を特異的に認識(例えば、結合)する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、がん抗原125(CA−125)、ムチン1(MUC1)、上皮腫瘍抗原(ETA)、黒色腫関連抗原(MAGE)、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)、チロシナーゼ、上皮増殖因子受容体(EGFR)、血管内皮増殖因子(VEGF)、NY−ESO−1、gp100、BCR−ABL、EGFR、PSA、PMSA、HER2/neu、hTERT、MART1、TRP−1、TRP−2、ras、BRAF、BRCA1、BRCA2、Flt−3、IL−6受容体、またはSmad4に特異的に結合する抗体である。一部の実施形態では、抗原は腫瘍抗原である。腫瘍関連抗原には、がん組織(例えば、がん細胞)または腫瘍関連組織(例えば、腫瘍関連間質)を標的とするための基礎として役立ち得る腫瘍構成要素が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、腫瘍関連抗原には、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、がん抗原125(CA−125)、ムチン1(MUC1)、上皮腫瘍抗原(ETA)、黒色腫関連抗原(MAGE)、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)、チロシナーゼ、上皮増殖因子受容体(EGFR)、血管内皮増殖因子(VEGF)、NY−ESO−1、gp100、BCR−ABL、EGFR、PSA、PMSA、HER2/neu、hTERT、MART1、TRP−1、TRP−2、ras、BRAF、BRCA1、BRCA2、Flt−3、およびSmad4が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、化学コンジュゲーションのための部位を含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、架橋剤の会合のための部位、例えばアミノ酸残基またはグリカン構造を含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、化学連結剤をさらに含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、誘導体化生物活性ポリペプチド(例えば、化学架橋剤部分を含む抗体)である。一部の実施形態では、誘導体化生物活性ポリペプチドは、アルブミンにコンジュゲートした別の化学架橋剤(またはその一部)と反応性である(例えば、特異的に反応性である)化学架橋剤(またはその一部)にコンジュゲートした生物活性ポリペプチドである。例えば、一部の実施形態では、誘導体化生物活性ポリペプチドは、アルキン部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートし、誘導体化アルブミンは、アジド部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートしている。一部の実施形態では、誘導体化生物活性ポリペプチドは、アジド部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートし、誘導体化アルブミンは、アルキン部分を含む化学架橋剤にコンジュゲートしている。生物活性ポリペプチドおよびアルブミンを会合させるために有用な架橋部分の他の対には、歪みアルキンとアジド、歪みアルキンとニトロン(例えば、1,3−ニトロン)、歪みアルケンとアジド、歪みアルケンとテトラジン、および歪みアルケンとテトラゾールが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの実質的に全てが、化学架橋剤(またはその一部)によって誘導体化(例えば、コンジュゲート)されている。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が、化学架橋剤(またはその一部)によって誘導体化(例えば、コンジュゲート)されている。一部の実施形態では、誘導体化生物活性ポリペプチドは、誘導体化アルブミンに特異的に架橋し、それによって生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを形成する。コンジュゲーション(架橋)は、例えば、誘導体化アルブミンを含む水溶液および有機溶液を組み合わせる前に起こり得る。一部の実施形態では、コンジュゲーションは、誘導体化生物活性ポリペプチドを、誘導体化アルブミンアルブミンを含むナノ粒子と組み合わせることによって起こる。一部の実施形態では、コンジュゲーションは、誘導体化生物活性ポリペプチドを、単離ナノ粒子と組み合わせることによって起こる。一部の実施形態では、コンジュゲーションは、誘導体化生物活性ポリペプチドを、誘導体化アルブミンを含む単離ナノ粒子と組み合わせることによって起こる。
一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、パクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブがナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、ラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、ラパマイシンの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、ラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ベバシズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、ベバシズマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、パクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブがナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、ラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、ラパマイシンの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、ラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)セツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、セツキシマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、パクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブがナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、ラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、ラパマイシンの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、ラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)イピリムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、イピリムマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、パクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブがナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、ラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、ラパマイシンの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、ラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)ニボルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、ニボルマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、パクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブがナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、ラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、ラパマイシンの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、ラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)パニツムマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、パニツムマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、パクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブがナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、ラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、ラパマイシンの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、ラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)リツキシマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、リツキシマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、パクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブがナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、ラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、ラパマイシンの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、ラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブが、ナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)デュルバルマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、デュルバルマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
したがって、一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば、実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317が疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317が疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317が疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317が、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば、実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317がパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317がパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317がパクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317が、ナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)、(c)BGB−A317を含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば、実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317がラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317がラパマイシンの固体コアに会合しているナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、BGB−A317がラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317を含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317がナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)BGB−A317とを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、BGB−A317が、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
したがって、一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされている(例えば、実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブが疎水性薬物に会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブが疎水性薬物の固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブが疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)疎水性薬物(例えば、タキサンまたはリムス系薬物)と、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、疎水性薬物がアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブが、ナノ粒子上の疎水性薬物(例えば、疎水性薬物の固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされている(例えば、実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブがパクリタキセルに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブがパクリタキセルの固体コアに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブがパクリタキセルの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)パクリタキセルと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、パクリタキセルがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブが、ナノ粒子上のパクリタキセル(例えば、パクリタキセルの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)、(c)トシリズマブを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされている(例えば、実質的にコーティングされている)、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブがラパマイシンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブがラパマイシンの固体コアに会合しているナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており(例えば、実質的にコーティングされており)、トシリズマブがラパマイシンの固体コアに埋め込まれている、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で(例えば、ジスルフィド結合または化学架橋を介して)会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、(a)ラパマイシンと、(b)アルブミン(例えば、ヒトアルブミン)と、(c)トシリズマブとを含むナノ粒子であって、ラパマイシンがアルブミンによってコーティングされており、トシリズマブが、ナノ粒子上のラパマイシン(例えば、ラパマイシンの固体コア)およびアルブミンに会合している、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、動的光散乱によって測定した場合に、約200nm以下である。
ナノ粒子を含む組成物または製造前駆物中の他の構成要素
本明細書に記載されている組成物は、本明細書に記載されている組成物を、本明細書に記載されている処置方法、投与方法、および投薬量レジメンにおいて使用するために当技術分野で公知である、薬学的に許容される担体、賦形剤、安定剤、増量剤、および/または他の薬剤と組み合わせることによって、医薬組成物または製剤において使用され得る。薬学的に許容される薬剤はまた、アルブミンもしくは生物活性ポリペプチドを含む水溶液、または粗混合物、エマルジョン、もしくはナノ粒子懸濁液に添加される水溶液を含む製造前駆物溶液のいずれかに、製造プロセスの間の様々な時点で含めることができる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性」とは、生物学的またはそれ以外の状況において有害ではない材料を指し、例えば材料は、いかなる有意な望ましくない生物作用を引き起こすことなく、またはそれが含有される組成物の他の構成要素のいずれかと有害に相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み入れられ得る。薬学的に許容される担体または賦形剤は、好ましくは必要な毒性および製造試験の標準を満たし、ならびに/または米国食品医薬品局が作成した不活性成分ガイドに含まれている。例えば、一部の実施形態では、薬学的に許容される材料は、賦形剤、安定剤、抗菌剤、または増量剤である。
本明細書に記載されている組成物におけるナノ粒子の安定性を増大させるために、ある特定の負に荷電した構成要素などの、ナノ粒子の負のゼータ電位を増大させる材料を添加してもよい。そのような負に荷電した構成要素には、胆汁酸塩、胆汁酸、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸およびその他;以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンを含むレシチン(卵黄)系リン脂質を含むリン脂質が挙げられるがこれらに限定されない。他のリン脂質は、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む。負に荷電した界面活性剤または乳化剤、例えばコレステリル硫酸ナトリウム等もまた、添加剤として適している。
適した薬学的に許容される担体には、滅菌水、食塩水、デキストロース;デキストロースの水溶液または食塩水溶液;ヒマシ油1モル当たりエチレンオキシド約30〜約35モルを組み合わせるヒマシ油とエチレンオキシドの縮合産物;液体酸;低級アルカノール;コーン油、落花生油、ゴマ油等などの油を、脂肪酸のモノもしくはジグリセリド、またはホスファチド、例えばレシチン等などの乳化剤と共に含むもの;グリコール、ポリアルキレングリコール;懸濁液、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリ(ビニルピロリドン)の存在下での水性媒体等を、単独またはレシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレン等などの適した分散剤と共に含むものが挙げられる。担体はまた、浸透増強剤と共に、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤等などのアジュバントも含有し得る。最終形態は無菌的であり得て、同様に中空の針などの注射デバイスの中を容易に通過することができる。適切な粘度は、溶媒または賦形剤の適切な選択によって達成および維持され得る。その上、レシチンなどの分子コーティングまたは微粒子コーティングの使用、分散液における粒子サイズの適切な選択、または界面活性剤の特性を有する材料の使用を利用してもよい。
本明細書に記載されている組成物は、組成物の特性を改善するために、他の薬剤、賦形剤、または安定剤を含み得る。適した賦形剤および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、トレハロース(α,α−トレハロースを含む)、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、食塩水溶液、シロップ、メチルセルロース、メチルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸、および鉱物油が挙げられるがこれらに限定されない。製剤はさらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁液、ならびに保存剤を含み得る。乳化剤の例には、コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール等などのトコフェロールエステル、Pluronic(登録商標)、ポリオキシエチレン化合物に基づく乳化剤、Span80および関連化合物、ならびに当技術分野で公知のおよび動物またはヒトの剤形としての使用が承認されている他の乳化剤が挙げられる。組成物は、当技術分野で周知の手順を使用することによって患者に投与した後に活性成分の急速な、持続的な、または遅延放出を提供するように製剤化することができる。
一部の実施形態では、組成物は、例えば約5.0〜約8.0、約6.5〜約7.5、および約6.5〜約7.0のうちのいずれか1つのpH範囲を含む約4.5〜約9.0の範囲のpHを有するように製剤化される。一部の実施形態では、組成物のpHは、例えば約6.5、7、または8のいずれか1つ(例えば、約8)以上を含む、約6以上となるように製剤化される。一部の実施形態では、組成物は、緩衝剤、例えばTris、リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム)、クエン酸塩、コハク酸塩、ヒスチジン、または酢酸塩の緩衝剤をさらに含む。組成物はまた、グリセロールなどの適した等張性調節剤の添加によって血液と等張にすることができる。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、ヒトへの投与に適している。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、獣医学的な状況におけるペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に適している。組成物の広く多様で適した製剤が存在する(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,916,596号および第6,096,331号を参照されたい)。以下の製剤および方法は単なる例示に過ぎず、決して制限的ではない。
非経口投与にとって適した製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含有し得る水性および非水性の等張滅菌注射溶液、ならびに懸濁液、溶解剤、濃化剤、安定剤、および保存剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が挙げられる。製剤は、アンプルおよびバイアルなどの単位用量または複数用量密閉コンテナーに保存することができ、使用直前に注射用の滅菌液体賦形剤、例えば水を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時調製注射溶液および懸濁液は、既に記載した種類の滅菌粉末、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。注射用製剤が好ましい。
一部の実施形態では、組成物は、生物活性ポリペプチドの医薬製剤において見出される望ましくない構成要素を実質的に含まない(例えば、含まない)。例えば、一部の実施形態では、組成物は、界面活性剤(例えば、ポリソルベート20またはポリソルベート80)を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、組成物は、ポリソルベート20を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、組成物は、ポリソルベート80を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、組成物は、緩衝塩を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、組成物は、界面活性剤(例えば、ポリソルベート20またはポリソルベート80)を含む。一部の実施形態では、組成物は、ポリソルベート20を含む。一部の実施形態では、組成物は、ポリソルベート80を含む。一部の実施形態では、組成物は緩衝塩を含む。
ナノ粒子製剤を作製する方法
本出願はまた、本明細書に記載されているナノ粒子組成物を作製する方法も提供する。疎水性薬物およびアルブミンを含有するナノ粒子は、高せん断力(例えば、超音波、高圧ホモジナイゼーション、またはその他)の条件下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;第6,096,331号;第6,749,868号;第6,537,579号;およびPCT出願国際公開WO98/14174号;WO99/00113号;WO07/027941号;およびWO07/027819号に開示されている。これらの刊行物の内容は、特にナノ粒子組成物の作製方法に関して、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの方法を、本明細書に記載されているように変更して、疎水性薬物と、アルブミン(例えば、誘導体化アルブミン)と、生物活性ポリペプチド(例えば、抗体)とを含むナノ粒子を作製することができる。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの少なくとも一部が、アルブミンポリペプチドにコンジュゲートする(すなわち、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート)。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドまたは生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートは、製造プロセスの間の1つまたは複数のステップで添加される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、疎水性薬物、およびアルブミンを含有する予め形成されたナノ粒子にコンジュゲートする。
一態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンおよび生物活性ポリペプチドを含む、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に生物活性ポリペプチドを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンおよび抗体を含む、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解したタキサン(例えば、パクリタキセル)を含み、水溶液がアルブミンおよび抗体を含む、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)生物活性ポリペプチドをエマルジョンに添加するステップ;およびiii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、生物活性ポリペプチドをエマルジョンに添加するステップと、1つまたは複数の有機溶媒の除去を開始するステップとの間にいかなるインキュベーション時間も防止することを含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に生物活性ポリペプチドを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)抗体をエマルジョンに添加するステップ;およびiii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、生物活性ポリペプチドをエマルジョンに添加するステップと、1つまたは複数の有機溶媒の除去を開始するステップとの間にいかなるインキュベーション時間も防止することを含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解したタキサン(例えば、パクリタキセル)を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)抗体をエマルジョンに添加するステップ;およびiii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、生物活性ポリペプチドをエマルジョンに添加するステップと、1つまたは複数の有機溶媒の除去を開始するステップとの間にいかなるインキュベーション時間も防止することを含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、蒸発後懸濁液を得るステップ;およびiii)蒸発後懸濁液に生物活性ポリペプチドを添加し、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に生物活性ポリペプチドを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、蒸発後懸濁液を得るステップ;およびiii)蒸発後懸濁液に抗体を添加し、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解したタキサン(例えば、パクリタキセル)を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、蒸発後懸濁液を得るステップ;およびiii)蒸発後懸濁液に抗体を添加し、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の全てではない少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、エマルジョン−懸濁液中間体を得るステップ;iii)エマルジョン−懸濁液中間体に生物活性ポリペプチドを添加するステップ、およびiv)生物活性ポリペプチドを含むエマルジョン−懸濁液中間体から1つまたは複数の有機溶媒の追加の一部を除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に生物活性ポリペプチドを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含む、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の全てではない少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、エマルジョン−懸濁液中間体を得るステップ;iii)エマルジョン−懸濁液中間体に生物活性ポリペプチドを添加するステップ、およびiv)生物活性ポリペプチドを含むエマルジョン−懸濁液中間体から1つまたは複数の有機溶媒の追加の一部を除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解したタキサン(例えば、パクリタキセル)を含み、水溶液がアルブミンを含むステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の全てではない少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、エマルジョン−懸濁液中間体を得るステップ;iii)エマルジョン−懸濁液中間体に生物活性ポリペプチドを添加するステップ、ならびにiv)生物活性ポリペプチドを含むエマルジョン−懸濁液中間体から1つまたは複数の有機溶媒の追加の一部を除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が生物活性ポリペプチドにコンジュゲートしている、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、例えばジスルフィド結合または化学架橋剤を介してアルブミンに共有結合でコンジュゲートしており、そのような架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸エステルを含む架橋剤、またはクリックケミストリー(例えば、銅フリークリックケミストリー、例えばトリアゾール部分)から誘導される部分を含む。一部の実施形態では、アルブミンおよび生物活性ポリペプチドは、非共有結合でコンジュゲートしている。例えば、一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミンに共有結合した第1の構成要素と、生物活性ポリペプチドに共有結合した第2の構成要素とを含み、第1の構成要素および第2の構成要素は、互いに特異的に結合する(例えば、相補的核酸分子)。一部の実施形態では、方法は、例えば透析、緩衝液交換(例えば、タンジェント流濾過)によって、または遠心分離によってナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドコンジュゲートアルブミンからナノ粒子を分離し、非コンジュゲートアルブミンを含む溶液にナノ粒子を再懸濁することによって、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドコンジュゲートアルブミンを、非コンジュゲートアルブミンに置き換えるステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に生物活性ポリペプチドを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、疎水性薬物と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が抗体にコンジュゲートしている、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、例えばジスルフィド結合または化学架橋剤を介してアルブミンに共有結合でコンジュゲートしており、そのような架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸エステルを含む架橋剤、またはクリックケミストリー(例えば、銅フリークリックケミストリー、例えばトリアゾール部分)から誘導される部分を含む。一部の実施形態では、アルブミンおよび生物活性ポリペプチドは、非共有結合でコンジュゲートしている。例えば、一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミンに共有結合した第1の構成要素と、生物活性ポリペプチドに共有結合した第2の構成要素とを含み、第1の構成要素および第2の構成要素は、互いに特異的に結合する(例えば、相補的核酸分子)。一部の実施形態では、方法は、例えば透析、緩衝液交換(例えば、タンジェント流濾過)によって、または遠心分離によってナノ粒子に会合していない抗体コンジュゲートアルブミンからナノ粒子を分離し、非コンジュゲートアルブミンを含む溶液にナノ粒子を再懸濁することによって、ナノ粒子に会合していない抗体コンジュゲートアルブミンを、非コンジュゲートアルブミンに置き換えるステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解したタキサン(例えば、パクリタキセル)を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が抗体にコンジュゲートしている、ステップ;およびii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し(例えば、蒸発によって)、それによって組成物を形成するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、例えばジスルフィド結合または化学架橋剤を介してアルブミンに共有結合でコンジュゲートしており、そのような架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸エステルを含む架橋剤、またはクリックケミストリー(例えば、銅フリークリックケミストリー、例えばトリアゾール部分)から誘導される部分を含む。一部の実施形態では、アルブミンおよび生物活性ポリペプチドは、非共有結合でコンジュゲートしている。例えば、一部の実施形態では、架橋剤は、アルブミンに共有結合した第1の構成要素と、生物活性ポリペプチドに共有結合した第2の構成要素とを含み、第1の構成要素および第2の構成要素は、互いに特異的に結合する(例えば、相補的核酸分子)。一部の実施形態では、方法は、例えば透析、緩衝液交換(例えば、タンジェント流濾過)によって、または遠心分離によってナノ粒子に会合していない抗体コンジュゲートアルブミンからナノ粒子を分離し、非コンジュゲートアルブミンを含む溶液にナノ粒子を再懸濁することによって、ナノ粒子に会合していない抗体コンジュゲートアルブミンを、非コンジュゲートアルブミンに置き換えるステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に抗体を添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が誘導体化されている、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、蒸発後懸濁液を得るステップ;およびiii)蒸発後懸濁液に生物活性ポリペプチドを添加するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは誘導体化されている。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物に生物活性ポリペプチドを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が誘導体化されている、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、ナノ粒子を含む蒸発後懸濁液を得るステップ;iii)ナノ粒子に会合していない誘導体化アルブミンを、非誘導体化アルブミンに置き換えるステップ;およびiv)生物活性ポリペプチドをナノ粒子に添加するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは誘導体化されている。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、水溶液がアルブミンおよび生物活性ポリペプチドを含む、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、ナノ粒子を含む蒸発後懸濁液を得るステップ;iii)ナノ粒子に会合していない誘導体化アルブミンを、非誘導体化アルブミンに置き換えるステップ;およびiv)抗体をナノ粒子に添加するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、抗体は誘導体化されている。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
別の態様では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、有機溶液が1つまたは複数の有機溶媒に溶解したタキサン(例えば、パクリタキセル)を含み、水溶液がアルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が誘導体化されている、ステップ;ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して(例えば、蒸発によって)、ナノ粒子を含む蒸発後懸濁液を得るステップ;iii)ナノ粒子に会合していない誘導体化アルブミンを、非誘導体化アルブミンに置き換えるステップ;およびiv)抗体をナノ粒子に添加するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、抗体は誘導体化されている。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、有機溶媒の除去後に組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を1つまたは複数のバイアルに充填するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、組成物を凍結乾燥するステップをさらに含む。
疎水性薬物を、有機溶媒(または有機溶媒の混合物)に溶解して、疎水性薬物を含む有機溶液を形成する。適した有機溶媒には、例えばアルカン、シクロアルカン、ケトン、アルコール、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知の他の溶媒が挙げられる。一部の実施形態では、有機溶媒は水混和性有機溶媒、水不溶性有機溶媒、または水混和性有機溶媒と水不溶性有機溶媒の混合物を含む。一部の実施形態では、有機溶液中の水混和性有機溶媒の水不溶性有機溶媒に対する比率は、約20:1〜約1:20の間(例えば、約20:1〜約15:1の間、約15:1〜約12:1の間、約12:1〜約10:1の間、約10:1〜約8:1の間、約8:1〜約6:1の間、約6:1〜約4:1の間、約4:1〜約2:1の間、約2:1〜約1:1の間、約1:1〜約1:2の間、約1:2〜約1:4の間、約1:4〜約1:6の間、約1:6〜約1:8の間、約1:8〜約1:10の間、約1:10〜約1:12の間、約1:12〜約1:15の間、または約1:15〜約1:20の間)である。例示的な有機溶媒には、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、塩化メチレン、酢酸エチル、エタノール、t−ブタノール、メタノール、イソプロパノール、プロパノール、n−ブタノール、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、ジオキサン、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドンが挙げられる。一部の実施形態では、疎水性薬物は、有機溶媒に、約1mg/mL〜約200mg/mL(例えば、約1mg/mL〜約5mg/mL、約5mg/mL〜約10mg/mL、約10mg/mL〜約25mg/mL、約25mg/mL〜約50mg/mL、約50mg/mL〜約100mg/mL、約100mg/mL〜約150mg/mL、または約150mg/mL〜約200mg/mL)の濃度で溶解する。
疎水性薬物を含む有機溶液を水溶液と組み合わせる。一部の実施形態では、水溶液は、水に溶解したアルブミン(例えば、組換えアルブミン)を含む。アルブミンは、例えばヒトアルブミンであり得る。一部の実施形態では、水溶液は1つまたは複数の塩、緩衝剤、または安定剤をさらに含む。一部の実施形態では、水溶液は、界面活性剤(例えば、ポリソルベート)を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、水溶液のpHは、約5〜約8の間である。一部の実施形態では、水溶液中のアルブミン(任意の生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートのアルブミン部分を含む)の濃度は、約0.5mg/mL〜約250mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約25mg/mLの間、約25mg/mL〜約50mg/mLの間、約50mg/mL〜約100mg/mLの間、約100mg/mL〜約150mg/mLの間、約150mg/mL〜約200mg/mLの間、または約200mg/mL〜約250mg/mLの間)である。一部の実施形態では、水溶液は、生物活性ポリペプチドまたは生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを含む。すなわち、水溶液は、i)アルブミン、ii)生物活性ポリペプチド、iii)生物活性ポリペプチド-アルブミンコンジュゲート、またはiv)2つもしくはそれより多くの組合せを含み得る。一部の実施形態では、アルブミンは、例えば架橋部分(例えば、アミン反応性スクシンイミジルエステルまたはマレイミド部分)を含めることによって誘導体化される。一部の実施形態では、水溶液中の生物活性ポリペプチド(生物活性−アルブミンコンジュゲートの生物活性ポリペプチド部分を含む)の濃度は、約0.5mg/mL〜約30mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約20mg/mLの間、または約20mg/mL〜約30mg/mLの間)である。一部の実施形態では、水溶液は、アルブミンおよび生物活性ポリペプチドを(アルブミン:生物活性ポリペプチド)約1:1〜約20:1のw/w比で含む。
一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド(または生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート)は、個別の水溶液で提供される(すなわち、アルブミンを含む水溶液またはアルブミンおよび生物活性ポリペプチドを含む水溶液とは別の水溶液)。個別の水溶液(「生物活性ポリペプチド溶液」と呼ぶことができる)は、水に溶解した生物活性ポリペプチド(または生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート、またはその組合せ)を含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド溶液はさらに1つまたは複数の塩、緩衝剤、または安定剤を含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド溶液は、界面活性剤(例えば、ポリソルベート)を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド溶液のpHは、約4〜約8の間である。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド溶液中の生物活性ポリペプチド(生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートの生物活性ポリペプチド部分を含む)の濃度は、約0.5mg/mL〜約30mg/mL(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約20mg/mLの間、または約20mg/mL〜約30mg/mLの間)である。
一部の実施形態では、有機溶液および水溶液(生物活性ポリペプチドまたは生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを含んでもよく、または含まなくてもよい)を、例えば高せん断ミキサー(例えば、ローター−ステーター式ミキサー)を使用して混合して、粗混合物を形成する。例えば、一部の実施形態では、水溶液と、疎水性薬物を含む有機溶液とを組み合わせ、組み合わせた水溶液と有機溶液を混合して粗混合物を形成する。一部の実施形態では、水溶液を高せん断ミキサーによって混合し、有機溶液を、水溶液を混合している間に水溶液に添加して、粗混合物を形成する。一部の実施形態では、水溶液と、生物活性ポリペプチド溶液と、有機溶液とを組み合わせ、組み合わせた水溶液、生物活性ポリペプチド溶液、有機溶液を混合して、粗混合物を形成する。一部の実施形態では、水溶液を高せん断ミキサーによって混合し、水溶液を混合している間に、生物活性ポリペプチド溶液および有機溶液を水溶液と組み合わせる。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド溶液を高せん断ミキサーによって混合し、生物活性ポリペプチド溶液を混合している間に、水溶液および有機溶液を生物活性ポリペプチド溶液と組み合わせることができる。
一部の実施形態では、アルブミンまたは生物活性ポリペプチド(または生物活性ポリペプチド-アルブミンコンジュゲート)を、粗混合物に添加することができる。例えば、一部の実施形態では、追加の水溶液(アルブミン、生物活性ポリペプチド、および/または生物活性ポリペプチドコンジュゲートのうちの1つまたは複数を含む)を、例えば有機溶液と第1の水溶液の混合の完了後に粗混合物に添加する。一部の実施形態では、追加の水溶液を粗混合物と混合し、これは、高せん断ミキサーまたは低せん断ミキサーを使用して実施してもよい。一部の実施形態では、追加の水溶液を、粗混合物と組み合わせて、粗混合物中のアルブミン(任意の生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートのアルブミン部分を含む)の濃度を、約0.5mg/mL〜約250mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約25mg/mLの間、約25mg/mL〜約50mg/mLの間、約50mg/mL〜約100mg/mLの間、約100mg/mL〜約150mg/mLの間、約150mg/mL〜約200mg/mLの間、または約200mg/mL〜約250mg/mLの間)に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液を、粗混合物と組み合わせて、粗混合物中の生物活性ポリペプチド(任意の生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートの生物活性ポリペプチド部分を含む)の濃度を、約0.5mg/mL〜約30mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約20mg/mLの間、または約20mg/mL〜約30mg/mLの間)に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液を、粗混合物と組み合わせて、アルブミンの生物活性ポリペプチドに対する比率(w/w)を1:1〜約1000:1の間に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液を粗混合物と組み合わせて、アルブミンの疎水性薬物に対する比率(w/w)を約2.5:1〜約20:1に調整する。
有機溶液および水溶液の粗混合物(粗混合物は、粗混合物の形成後に添加される追加の水溶液を含んでもよく、または含まなくてもよい)を、高圧ホモジナイゼーションに供してエマルジョンを形成する。一部の実施形態では、エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの中で約2〜約100サイクル、例えば約5〜約50サイクル、または約8〜約20サイクル(例えば、約8、10、12、14、16、18、または20サイクルのうちのいずれか1つ)の間サイクルする。
一部の実施形態では、追加のアルブミンまたは生物活性ポリペプチド(または生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート)を、エマルジョンに添加することができる。例えば、一部の実施形態では、追加の水溶液(アルブミン、生物活性ポリペプチド、および/または生物活性ポリペプチドコンジュゲートのうちの1つまたは複数を含む)をエマルジョンに添加する。一部の実施形態では、追加の水溶液を、高圧ホモジナイザーの中の流路の間のエマルジョンに添加する。一部の実施形態では、追加の水溶液を、ホモジナイゼーションプロセスの完了後にエマルジョンに添加する。一部の実施形態では、追加の水溶液をエマルジョンと混合し、これは、高せん断ミキサーまたは低せん断ミキサーを使用して実施してもよい。一部の実施形態では、追加の水溶液を、エマルジョンに添加して、エマルジョン中のアルブミン(任意の生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートのアルブミン部分を含む)の濃度を、約0.5mg/mL〜約250mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約25mg/mLの間、約25mg/mL〜約50mg/mLの間、約50mg/mL〜約100mg/mLの間、約100mg/mL〜約150mg/mLの間、約150mg/mL〜約200mg/mLの間、または約200mg/mL〜約250mg/mLの間)に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液をエマルジョンと組み合わせて、エマルジョン中の生物活性ポリペプチド(任意の生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートの生物活性ポリペプチド部分を含む)の濃度を、約0.5mg/mL〜約30mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約20mg/mLの間、または約20mg/mL〜約30mg/mLの間)に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液をエマルジョンと組み合わせて、アルブミンの生物活性ポリペプチドに対する比率(w/w)を1:1〜約1000:1の間に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液をエマルジョンと組み合わせて、アルブミンの疎水性薬物に対する比率(w/w)を約2.5:1〜約50:1に調整する。
少なくとも一部の有機溶媒(例えば、有機溶媒の実質的に全て)を、ロータリーエバポレーター、流下膜式蒸発器、薄膜蒸発器、噴霧乾燥器等を含むがこれらに限定されない、この目的に関して公知の適した機器を利用して、蒸発によって除去することができる。有機溶媒の蒸発によって、ナノ粒子の形成が起こり、これは、蒸発後に十分な水が残っている場合には、ナノ粒子懸濁液の形態となり得る(および「蒸発後懸濁液」と呼ぶことができる)。溶媒は、減圧下(例えば、約25mmHg、30mmHg、40mmHg、50mmHg、100mmHg、200mmHg、または300mmHgのうちのいずれか1つ)で除去され得る。減圧下で溶媒を除去するために使用される時間の長さは、製剤の体積に基づいて調整され得る。例えば、300mLの規模で産生される製剤の場合、溶媒を、約1〜約300mmHg(例えば、約5〜100mmHg、10〜50mmHg、20〜40mmHg、または25mmHgのうちのいずれか1つ)で約5〜約60分間(例えば、約7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、25、または30分間のいずれか1つ)除去することができる。
一部の実施形態では、追加のアルブミンおよび/または生物活性ポリペプチド(または生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート)をナノ粒子(例えば、蒸発後懸濁液)に添加することができる。例えば、一部の実施形態では、追加の水溶液(アルブミン、生物活性ポリペプチド、および/または生物活性ポリペプチドコンジュゲートのうちの1つまたは複数を含む)をナノ粒子に添加する。一部の実施形態では、追加の水溶液を蒸発後懸濁液に添加して、ナノ粒子懸濁液中のアルブミン(任意の生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートのアルブミン部分を含む)の濃度を、約0.5mg/mL〜約250mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約25mg/mLの間、約25mg/mL〜約50mg/mLの間、約50mg/mL〜約100mg/mLの間、約100mg/mL〜約150mg/mLの間、約150mg/mL〜約200mg/mLの間、または約200mg/mL〜約250mg/mLの間)に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液をナノ粒子懸濁液と組み合わせて、ナノ粒子懸濁液中の生物活性ポリペプチド(任意の生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートの生物活性ポリペプチド部分を含む)の濃度を、約0.5mg/mL〜約30mg/mLの間(例えば、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約5mg/mLの間、約5mg/mL〜約10mg/mLの間、約10mg/mL〜約20mg/mLの間、または約20mg/mL〜約30mg/mLの間)に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液を、ナノ粒子懸濁液と組み合わせて、アルブミンの生物活性ポリペプチドに対する比率(w/w)を1:1〜約1000:1に調整する。一部の実施形態では、追加の水溶液をナノ粒子懸濁液と組み合わせて、アルブミンの疎水性薬物に対する比率(w/w)を約2.5:1〜約50:1に調整する。一部の実施形態では、例えば1つまたは複数の賦形剤(例えば、安定剤、緩衝剤、増量剤、抗菌剤、オスモライト、または再構成増強剤)をナノ粒子(例えば、蒸発後懸濁液)に添加することによって、ナノ粒子を投与のために製剤化する。1つまたは複数の賦形剤を、水溶液とは個別にナノ粒子に添加してもよく、または水溶液に含めてもよい。一部の実施形態では、ナノ粒子懸濁液のpHを、約4〜約9の間(例えば、約4〜約5の間、約5〜約6の間、約6〜約7の間、約7〜約8の間、または約8〜約9の間)に調整する。蒸発後懸濁液をアルブミンまたは生物活性ポリペプチド(または生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート)と共に所望の時間の長さ(例えば、約15分間〜約48時間)インキュベートすることができる。一部の実施形態では、インキュベーションは、約3℃〜約30℃で行う。このインキュベーション期間により、生物活性ポリペプチド(または生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート)は、ナノ粒子と会合することができる。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子に会合したアルブミンの一部を誘導体化し、インキュベーション期間により、誘導体化アルブミンを生物活性ポリペプチドにコンジュゲートすることができる。
一部の実施形態では、アルブミンを、生物活性ポリペプチドにコンジュゲートして生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを形成する。生物活性ポリペプチドのアルブミンへのコンジュゲーションは、製造プロセスの間の様々な時点で起こり得る。例えば、一部の実施形態では、水溶液を有機溶液と組み合わせる前に、生物活性ポリペプチドをアルブミンにコンジュゲートする。一部の実施形態では、ポリペプチドをナノ粒子懸濁液と組み合わせる際に、生物活性ポリペプチドをアルブミンにコンジュゲートする。一部の実施形態では、アルブミン(またはアルブミンの一部)を誘導体化し、生物活性ポリペプチドへのコンジュゲーションを提供することができる。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドを誘導体化し、アルブミンへのコンジュゲーションを提供することができる。一部の実施形態では、アルブミン(またはアルブミンの一部)および生物活性ポリペプチドを誘導体化して、コンジュゲーションを提供する。
生物活性ポリペプチドは、例えばクリックケミストリーまたは他の公知の架橋剤を使用して、アルブミンにコンジュゲートすることができる。例えば、一部の実施形態では、アルブミンまたは生物活性ポリペプチドを、歪みアルケンまたは歪みアルキンによって誘導体化し、アルブミンおよび生物活性ポリペプチドを、環化付加反応を介してコンジュゲートすることができる。一部の実施形態では、アルブミンまたは生物活性ポリペプチド上のリシン残基を、例えばアミン反応性スクシンイミジルエステル(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS−エステル))、イソシアネート、またはイソチオシアネートによって誘導体化する。一部の実施形態では、アルブミンまたは生物活性ポリペプチド上のシステイン残基を、例えばマレイミドまたはヨードアセトアミドによって誘導体化する。アルブミンのシステイン34は、誘導体化され得る例示的なシステインである。他のコンジュゲーション方法は、当技術分野で公知である。誘導体化アルブミンを、生物活性ポリペプチドと共にインキュベートして、または誘導体化生物活性ポリペプチドをアルブミンと共にインキュベートして、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを形成することができる。生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートは、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを水溶液、粗混合物、エマルジョン、または蒸発後懸濁液に添加する前に形成することができる。例えば、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートをナノ粒子製造プロセスに含める前に、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを非コンジュゲートアルブミンまたは生物活性ポリペプチドから分離することができる。同様にまたはあるいは、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを、ナノ粒子の形成後に形成することができる。例えば、一部の実施形態では、誘導体化アルブミンを、水溶液、粗混合物、またはエマルジョンに含め、生物活性ポリペプチドを、ナノ粒子懸濁液に添加する。ナノ粒子に会合した誘導体化アルブミンは、生物活性ポリペプチドと反応して生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを形成する。一部の実施形態では、誘導体化生物活性ポリペプチドを、アルブミンを含む水溶液、粗混合物、エマルジョン、蒸発後懸濁液、または他のナノ粒子懸濁液に添加し、アルブミンと反応させて、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを形成する。
一部の実施形態では、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチド、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート、または誘導体化アルブミン(存在する場合)を、ナノ粒子懸濁液から除去する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートまたは誘導体化アルブミンを、非誘導体化または非コンジュゲートアルブミンに置き換える。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子懸濁液を遠心分離し、上清を除去し、ナノ粒子を新しい水溶液(非誘導体化または非コンジュゲートアルブミンであり得る)に懸濁する。一部の実施形態では、ナノ粒子懸濁液を透析して、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチド、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート、または誘導体化アルブミン(存在する場合)を除去し、これらを非誘導体化または非コンジュゲートアルブミンに置き換えることができる。一部の実施形態では、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチド、生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲート、または誘導体化アルブミン(存在する場合)を、緩衝液交換(例えば、タンジェント流濾過によって)によって除去し、これらを非誘導体化または非コンジュゲートアルブミンに置き換えることができる。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、生物活性ポリペプチドを、疎水性薬物およびアルブミンを含むナノ粒子にコンジュゲートするステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、生物活性ポリペプチドをアルブミンに共有結合で架橋するステップを含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、例えばジスルフィド結合または化学架橋剤を介してアルブミンに共有結合でコンジュゲートしており、そのような架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸エステルを含む架橋剤、またはクリックケミストリー(例えば、銅フリークリックケミストリー、例えばトリアゾール部分)から誘導される部分を含む。一部の実施形態では、方法は、生物活性ポリペプチドをアルブミンに非共有結合で架橋するステップであって、アルブミンが、架橋剤の第1の構成要素に共有結合し、生物活性ポリペプチドが、架橋剤の第2の構成要素に共有結合し、架橋剤の第1の構成要素が、架橋剤の第2の構成要素(例えば、少なくとも部分的に相補的である核酸分子)に特異的に結合する、ステップを含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、抗体を、疎水性薬物およびアルブミンを含むナノ粒子にコンジュゲートするステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、抗体をアルブミンに共有結合で架橋するステップを含む。一部の実施形態では、抗体は、例えばジスルフィド結合または化学架橋剤を介してアルブミンに共有結合でコンジュゲートしており、そのような架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸エステルを含む架橋剤、またはクリックケミストリー(例えば、銅フリークリックケミストリー、例えばトリアゾール部分)から誘導される部分を含む。一部の実施形態では、方法は、抗体をアルブミンに非共有結合で架橋するステップであって、アルブミンが、架橋剤の第1の構成要素に共有結合し、抗体が、架橋剤の第2の構成要素に共有結合し、架橋剤の第1の構成要素が、架橋剤の第2の構成要素(例えば、少なくとも部分的に相補的である核酸分子)に特異的に結合する、ステップを含む。
別の態様では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、抗体を、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子にコンジュゲートするステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、抗体をアルブミンに共有結合で架橋するステップを含む。一部の実施形態では、抗体は、例えばジスルフィド結合または化学架橋剤を介してアルブミンに共有結合でコンジュゲートしており、そのような架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸エステルを含む架橋剤、またはクリックケミストリー(例えば、銅フリークリックケミストリー、例えばトリアゾール部分)から誘導される部分を含む。一部の実施形態では、方法は、抗体をアルブミンに非共有結合で架橋するステップであって、アルブミンが、架橋剤の第1の構成要素に共有結合し、抗体が、架橋剤の第2の構成要素に共有結合し、架橋剤の第1の構成要素が、架橋剤の第2の構成要素(例えば、少なくとも部分的に相補的である核酸分子)に特異的に結合する、ステップを含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)生物活性ポリペプチドを架橋剤によって官能化するステップ、ならびにii)活性化生物活性ポリペプチドを、疎水性薬物およびアルブミンを含むナノ粒子と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。図18は、そのような方法の一例を例証する。一部の実施形態では、架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸、クリックケミストリー架橋試薬を含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)抗体を架橋剤によって官能化するステップ、ならびにii)活性化抗体を、疎水性薬物およびアルブミンを含むナノ粒子と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸、クリックケミストリー架橋試薬を含む。
別の態様では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)抗体を架橋剤によって官能化するステップ、ならびにii)活性化抗体を、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸、クリックケミストリー架橋試薬を含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)生物活性ポリペプチドを架橋剤によって官能化するステップ、ii)アルブミンおよび疎水性薬物を含むナノ粒子の表面に会合したアルブミンの少なくとも一部を誘導体化するステップ、ならびにiii)活性化生物活性ポリペプチドを、誘導体化アルブミンを含むナノ粒子と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。図19、21、および23は、ナノ粒子の表面に会合したアルブミンを誘導体化し、官能化生物活性ポリペプチドを誘導体化アルブミンにコンジュゲートさせる例示的な方法を例証する。一部の実施形態では、アルブミンを誘導体化するステップは、例えばアルブミンおよび疎水性薬物を含むナノ粒子を、チオール化剤(例えば、2−イミノチオラン)と組み合わせることによって、アルブミンをチオール化するステップを含む。一部の実施形態では、架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸、クリックケミストリー架橋試薬を含む。
別の態様では、疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)抗体を架橋剤によって官能化するステップ、ii)アルブミンおよび疎水性薬物を含むナノ粒子の表面に会合したアルブミンの少なくとも一部を誘導体化するステップ、ならびにiii)活性化抗体を、誘導体化アルブミンを含むナノ粒子と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、アルブミンを誘導体化するステップは、例えばアルブミンおよび疎水性薬物を含むナノ粒子を、チオール化剤(例えば、2−イミノチオラン)と組み合わせることによって、アルブミンをチオール化するステップを含む。一部の実施形態では、架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸、クリックケミストリー架橋試薬を含む。
別の態様では、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした抗体(例えば、抗VEGF抗体(例えば、抗VEGF−A抗体、例えばベバシズマブ)、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、および抗PD−1抗体(例えば、BGB−A317)、または抗IL−6受容体抗体(例えば、トシリズマブ))とを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、i)抗体を架橋剤によって官能化するステップ、ii)アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子の表面に会合したアルブミンの少なくとも一部を誘導体化するステップ、ならびにiii)活性化抗体を、誘導体化アルブミンを含むナノ粒子と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、アルブミンを誘導体化するステップは、例えばアルブミンおよび疎水性薬物を含むナノ粒子を、チオール化剤(例えば、2−イミノチオラン)と組み合わせることによって、アルブミンをチオール化するステップを含む。一部の実施形態では、架橋剤は、マレイミド官能基および/またはNHS部分、SMCC架橋剤、ボロン酸、クリックケミストリー架橋試薬を含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子懸濁液を、ナノ粒子懸濁液を滅菌し得る1つまたは複数のフィルターを介して濾過(すなわち、濾過滅菌)する。ナノ粒子懸濁液を、複数のフィルターを介して連続的に濾過してもよい。
一部の実施形態では、ナノ粒子をバイアルに分配する。一部の実施形態では、バイアルを密封する。一部の実施形態では、バイアルは単回使用バイアルである。一部の実施形態では、バイアルは複数回使用バイアルである。ナノ粒子懸濁液はまた、バイアルの内部または外部のいずれかで凍結乾燥することができる。一部の実施形態では、凍結乾燥されたナノ粒子を、水溶液(例えば、水または食塩水)によって再構成する。一部の実施形態では、水溶液は、アルブミン、生物活性ポリペプチド、および/または生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートのうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、再構成されたナノ粒子を、水溶液中でインキュベートすることができ、濾過することができ、生物活性ポリペプチドもしくは生物活性ポリペプチド−アルブミンコンジュゲートを除去することができるか、または例えば上記のように再度凍結乾燥することができる。一部の実施形態では、再構成されたナノ粒子を対象に投与する。
以下の実施形態は、本明細書に記載されているナノ粒子の製造に関する例示的な方法であり、制限すると考えるべきではない。図1は、本明細書に記載されているナノ粒子を作製する方法の一実施形態を例証するフローチャートである。水に溶解したアルブミンおよび生物活性ポリペプチド(例えば、抗体)を含有する水溶液を容器に移し、ステップ102で高せん断ミキサーによって混合する。1つまたは複数の有機溶媒(例えば、水混和性の溶媒および水不溶性の溶媒)および疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)を含有する有機溶液を、ステップ104で高せん断ミキサーによって水溶液を混合している間、水溶液を含有する容器に添加し、それによって粗混合物を形成する。ステップ106で、粗混合物を高圧ホモジナイザーの中に通過させることによって、粗混合物をホモジナイズし、それによってエマルジョンを形成する。任意選択で、エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの中に2回またはそれより多く通過させる。ステップ108で、1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部を、蒸発によってエマルジョンから除去し、それによって蒸発後ナノ粒子懸濁液を形成する。任意選択で、ステップ110では、蒸発後ナノ粒子懸濁液を、例えばアルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を含有する水溶液を添加することによって製剤化する。製剤化されたナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ112で濾過滅菌し、滅菌ナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ114で1つまたは複数のバイアルに充填する。任意選択で、ステップ116で、バイアルを凍結乾燥および/または密封する。
図2は、本明細書に記載されているナノ粒子を作製する方法の別の実施形態を例証するフローチャートである。水に溶解したアルブミンを含有する水溶液を容器に移し、ステップ202で高せん断ミキサーによって混合する。1つまたは複数の有機溶媒(例えば、水混和性の溶媒および水不溶性の溶媒)および疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)を含有する有機溶液を、ステップ204で高せん断ミキサーによって水溶液を混合している間、水溶液を含有する容器に添加し、それによって粗混合物を形成する。ステップ206で、生物活性ポリペプチド(第2の水溶液に含有させることができる)を粗混合物に添加する。ステップ208で、粗混合物を高圧ホモジナイザーの中に通過させることによって、粗混合物をホモジナイズし、それによってエマルジョンを形成する。任意選択で、エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの中に2回またはそれより多く通過させる。ステップ210で、1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部を、蒸発によってエマルジョンから除去し、それによって蒸発後ナノ粒子懸濁液を形成する。任意選択で、ステップ212では、蒸発後ナノ粒子懸濁液を、例えばアルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を含有する水溶液を添加することによって製剤化する。製剤化されたナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ214で濾過滅菌し、滅菌ナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ216で1つまたは複数のバイアルに充填する。任意選択で、ステップ218で、バイアルを凍結乾燥および/または密封する。
図3は、本明細書に記載されているナノ粒子を作製する方法の別の実施形態を例証するフローチャートである。水に溶解したアルブミンを含有する水溶液を容器に移し、ステップ302で高せん断ミキサーによって混合する。1つまたは複数の有機溶媒(例えば、水混和性の溶媒および水不溶性の溶媒)および疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)を含有する有機溶液を、ステップ304で高せん断ミキサーによって水溶液を混合している間、水溶液を含有する容器に添加し、それによって粗混合物を形成する。ステップ306で、粗混合物を高圧ホモジナイザーの中に通過させることによって、粗混合物をホモジナイズし、それによってエマルジョンを形成する。任意選択で、エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの中に2回またはそれより多く通過させる。ステップ308で、生物活性ポリペプチド(第2の水溶液に含有させることができる)をエマルジョンに添加する。ステップ310で、1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部を、蒸発によってエマルジョンから除去し、それによって蒸発後ナノ粒子懸濁液を形成する。任意選択で、ステップ312では、蒸発後ナノ粒子懸濁液を、例えばアルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を含有する水溶液を添加することによって製剤化する。製剤化されたナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ314で濾過滅菌し、滅菌ナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ316で1つまたは複数のバイアルに充填する。任意選択で、ステップ318で、バイアルを凍結乾燥および/または密封する。
図4は、本明細書に記載されているナノ粒子を作製する方法の別の実施形態を例証するフローチャートである。水に溶解したアルブミンを含有する水溶液を容器に移し、ステップ402で高せん断ミキサーによって混合する。1つまたは複数の有機溶媒(例えば、水混和性の溶媒および水不溶性の溶媒)および疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)を含有する有機溶液を、ステップ404で高せん断ミキサーによって水溶液を混合している間、水溶液を含有する容器に添加し、それによって粗混合物を形成する。ステップ406で、粗混合物を高圧ホモジナイザーの中に通過させることによって、粗混合物をホモジナイズし、それによってエマルジョンを形成する。任意選択で、エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの中に2回またはそれより多く通過させる。ステップ408で、1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部を、蒸発によってエマルジョンから除去し、それによって蒸発後ナノ粒子懸濁液を形成する。ステップ410で、生物活性ポリペプチド(第2の水溶液に含有させることができる)を蒸発後ナノ粒子懸濁液に添加する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドおよびナノ粒子懸濁液を一定期間インキュベートする。任意選択で、ステップ412で、蒸発後ナノ粒子懸濁液を、例えばアルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を含有する水溶液を添加することによって製剤化する。一部の実施形態では、ステップ410および412を単一のステップに組み合わせる。例えば、生物活性ポリペプチドをナノ粒子懸濁液に添加するのと同時に、アルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を添加する。生物活性ポリペプチド、アルブミン、または賦形剤を同じ水溶液または異なる水溶液中で組み合わせることができる。製剤化されたナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ414で濾過滅菌し、滅菌ナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ416で1つまたは複数のバイアルに充填する。任意選択で、ステップ418でバイアルを凍結乾燥および/または密封する。
図5は、本明細書に記載されているナノ粒子を作製する方法の別の実施形態を例証するフローチャートである。ステップ502で、生物活性ポリペプチド(例えば、水溶液中)を、アルブミンおよび疎水性薬物を含むナノ粒子を含む組成物と組み合わせる。予め作製したナノ粒子は、例えば先に製造した濾過したナノ粒子懸濁液または凍結乾燥ナノ粒子組成物(再構成してもよく、しなくてもよい)に由来し得る。例示的な予め作製したナノ粒子は、Abraxane(登録商標)(Nab−パクリタキセル)である。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドを含む水溶液を使用して、凍結乾燥ナノ粒子組成物を懸濁する。任意選択で、ステップ504で、含有するナノ粒子懸濁液を、例えば、アルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を含有する水溶液を添加することによって製剤化する。一部の実施形態では、ステップ502および504を単一のステップに組み合わせる。例えば、生物活性ポリペプチドをナノ粒子懸濁液に添加するのと同時に、アルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を添加する。生物活性ポリペプチド、アルブミン、または賦形剤を同じ水溶液または異なる水溶液中で組み合わせることができる。製剤化されたナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ506で濾過滅菌し、滅菌ナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ508で1つまたは複数のバイアルに充填する。任意選択で、ステップ510で、バイアルを凍結乾燥および/または密封する。
図6は、本明細書に記載されているナノ粒子を作製する方法の別の実施形態を例証するフローチャートである。水に溶解した誘導体化アルブミンを含有する水溶液を容器に移し、ステップ602で高せん断ミキサーによって混合する。一部の実施形態では、水溶液は、非誘導体化アルブミンをさらに含む。1つまたは複数の有機溶媒(例えば、水混和性の溶媒および水不溶性の溶媒)および疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)を含有する有機溶液を、ステップ604で高せん断ミキサーによって水溶液を混合している間、水溶液を含有する容器に添加し、それによって粗混合物を形成する。ステップ606で、粗混合物を高圧ホモジナイザーの中に通過させることによって、粗混合物をホモジナイズし、それによってエマルジョンを形成する。任意選択で、エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの中に2回またはそれより多く通過させる。ステップ608で、1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部を、蒸発によってエマルジョンから除去し、それによって蒸発後ナノ粒子懸濁液を形成する。ナノ粒子に会合していない誘導体化アルブミンを、ステップ610で、例えばナノ粒子の透析、遠心分離、および再懸濁によって、またはタンジェント流濾過によって非誘導体化アルブミンと置き換えることができる。ステップ612で、生物活性ポリペプチド(第2の水溶液に含有させることができる)をナノ粒子懸濁液に添加する。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドを誘導体化する(コンジュゲーションの方法に応じて)。任意選択で、ステップ614では、例えばアルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を含有する水溶液を添加することによって、懸濁液を製剤化する。一部の実施形態では、ステップ610および614、または612および614を単一のステップに組み合わせる。例えば、生物活性ポリペプチドをナノ粒子懸濁液に添加するのと同時に、アルブミンまたは1つもしくは複数の賦形剤を添加する。生物活性ポリペプチド、アルブミン、または賦形剤を同じ水溶液または異なる水溶液中で組み合わせることができる。製剤化されたナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ616で濾過滅菌し、滅菌ナノ粒子懸濁液を任意選択で、ステップ618で1つまたは複数のバイアルに充填する。任意選択で、ステップ620で、バイアルを凍結乾燥および/または密封する。
使用方法
本明細書に記載されている組成物は、細胞増殖または過増殖に関連する疾患、例えばがんを処置するために使用され得る。
したがって、一部の実施形態では、それを必要とする個体における疾患(例えば、がん)を処置する方法であって、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、疎水性薬物の固体コアの表面に会合している。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの一部は、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子上のアルブミンに会合している。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの少なくとも約75%がナノ粒子に会合している。一部の実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも約100個の生物活性ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子における疎水性薬物と生物活性ポリペプチドの重量比は、約4:1である。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子におけるアルブミンと疎水性薬物の重量比は、約1:1未満〜約9:1である。一部の実施形態では、動的光散乱(DLS)によって測定したナノ粒子の平均直径は、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物は、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドをさらに含む。一部の実施形態では、疎水性薬物は、タキサンである。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、疎水性薬物は、リムス系薬物である。一部の実施形態では、リムス系薬物はラパマイシンである。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは治療抗体である。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ベバシズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、およびリツキシマブからなる群から選択される。
本明細書に記載されている組成物によって処置されるがんには、癌腫、リンパ腫、芽腫、肉腫、および白血病が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書に記載されている組成物によって処置することができるがんの例には、扁平上皮がん、肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌、および扁平上皮NSCLCを含む肺の扁平上皮癌)、腹膜がん、肝細胞がん、胃(gastric)がんまたは胃(stomach)がん(消化器がんを含む)、膵臓がん(例えば、進行膵臓がん)、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん(例えば、肝細胞癌)、膀胱がん、肝腫、乳がん、結腸がん、黒色腫、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓(kidney)がんまたは腎臓(renal)がん、肝臓がん、前立腺がん(例えば、進行前立腺がん)、外陰がん、甲状腺がん、肝臓癌、頭頸部がん、結腸直腸がん、直腸がん、軟部組織肉腫、カポジ肉腫、B細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、小リンパ球性(SL)NHL、中間悪性度/濾胞性NHL、中間悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大腫瘤病変NHL、マントル細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、およびヴァルデンストレームマクログロブリン血症を含む)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、骨髄腫、ヘアリーセル白血病、慢性骨髄芽球性白血病、および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、ならびに母斑症、浮腫(例えば、脳腫瘍に関連する浮腫)、およびメグズ症候群に関連する異常な血管増殖が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、転移性がん(すなわち、原発腫瘍から転移しているがん)を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、細胞増殖および/または細胞遊走を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、過形成、例えば再狭窄が起こり得る血管系の過形成、または動脈もしくは静脈高血圧症が起こりうる過形成を処置する方法が提供される。
一部の実施形態では、進行ステージのがんを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、例えば進行乳がん、ステージIV乳がん、局所進行乳がん、および転移性乳がんを含む乳がん(HER2陽性またはHER2陰性であり得る)を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、がんは、例えば非小細胞肺がん(NSCLC、例えば進行NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC、例えば進行SCLC)、および肺の進行固形腫瘍悪性疾患を含む肺がんである。一部の実施形態では、がんは、卵巣がん、頭頸部がん、胃の悪性疾患、黒色腫(転移性黒色腫を含む)、結腸直腸がん、膵臓がん、および固形腫瘍(例えば、進行固形腫瘍)である。一部の実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部組織肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド腫瘍、頭頸部がん、黒色腫、卵巣がん、中皮腫、神経膠腫、膠芽腫、神経芽腫、および多発性骨髄腫のうちのいずれかである(および一部の実施形態では、からなる群から選択される)。一部の実施形態では、がんは固形腫瘍である。
一部の実施形態では、処置されるがんは、転移性乳がんなどの乳がんである。一部の実施形態では、処置されるがんは、進行ステージの非小細胞肺がんを含む非小細胞肺がんなどの肺がんである。一部の実施形態では、処置されるがんは、膵臓がん、例えば初期膵臓がんまたは進行もしくは転移性膵臓がんである。一部の実施形態では、処置されるがんは、黒色腫、例えばステージIIIまたはIV黒色腫である。
一部の実施形態では、増殖性疾患に関して処置される個体は、本明細書に記載されている疾患の1つまたは複数を有すると同定されている。当業者の医師による本明細書に記載されている状態の同定は、当技術分野でルーチンであり(例えば、血液検査、X線、CTスキャン、内視鏡、生検、血管造影、CT−血管造影等を介して)、同様に例えば腫瘍の成長、出血、潰瘍形成、疼痛、リンパ節肥大、咳、黄疸、腫脹、体重減少、カヘキシア、発汗、貧血、腫瘍随伴症候群、血栓等により、個体または他者によって疑われ得る。一部の実施形態では、個体は、本明細書に記載されている状態の1つまたは複数に罹りやすいと同定されている。個体の罹りやすさは、遺伝子プロファイリング、家族の病歴、および病歴(例えば、関連疾患の出現)、生活様式または習慣が挙げられるがこれらに限定されない、当業者によって認識される複数の危険因子および/または診断アプローチのうちの任意の1つまたは複数に基づき得る。
一部の実施形態では、本明細書で使用される方法および/または組成物は、処置前の同じ個体における対応する症状と比較して、または方法および/もしくは組成物を投与していない他の個体における対応する症状と比較して少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%のうちのいずれか1つ、増殖性疾患(例えば、がん)に関連する1つまたは複数の症状の重症度を低減させる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物(例えば、医薬組成物)は、別の投与モダリティまたは処置と組み合わせて使用される。
併用処置
本明細書に記載されている組成物は、細胞増殖または過増殖、例えばがんに関連する疾患を処置するための併用処置の構成要素として使用され得る。
したがって、一部の実施形態では、それを必要とする個体における疾患(例えば、がん)を処置する方法であって、個体に、(1)(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(2)1つまたは複数の追加の治療剤の有効量を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、(1)(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子;および(2)1つまたは複数の追加の治療剤を含む。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、水溶性薬剤である。一部の実施形態では、他の治療剤は、化学療法剤である。一部の実施形態では、他の治療剤は、白金系薬剤である。一部の実施形態では、白金系薬剤は、カルボプラチンである。一部の実施形態では、白金系薬剤はシスプラチンである。一部の実施形態では、他の治療剤は抗代謝剤である。一部の実施形態では、他の治療剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、他の治療剤は、デュルバルマブである。一部の実施形態では、他の治療剤は、カペシタビンである。一部の実施形態では、他の治療剤は、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、および/またはオキサリプラチンである。一部の実施形態では、他の治療剤は、イパフリセプトである。一部の実施形態では、他の治療剤は、バンチクツマブである。一部の実施形態では、他の治療剤はPEGPH20である。一部の実施形態では、他の治療剤はニボルマブである。一部の実施形態では、他の治療剤は、ネシツムマブである。
したがって、一部の実施形態では、それを必要とする個体における疾患(例えば、がん)を処置する方法であって、個体に、(1)(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(2)別の治療剤の有効量を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、疎水性薬物の固体コアの表面に会合している。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドの一部は、疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ナノ粒子上のアルブミンに会合する。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチドの少なくとも約75%がナノ粒子に会合している。一部の実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも約100個の生物活性ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子における疎水性薬物と生物活性ポリペプチドの重量比は、約4:1である。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子におけるアルブミンと疎水性薬物の重量比は、約1:1未満〜約9:1である。一部の実施形態では、動的光散乱によって測定したナノ粒子の平均直径は、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物は、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドをさらに含む。一部の実施形態では、疎水性薬物は、タキサンである。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、疎水性薬物は、リムス系薬物である。一部の実施形態では、リムス系薬物はラパマイシンである。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは治療抗体である。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチドは、ベバシズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、およびリツキシマブからなる群から選択される。一部の実施形態では、他の治療剤は化学療法剤である。一部の実施形態では、他の治療剤は白金系薬剤である。一部の実施形態では、白金系薬剤はカルボプラチンである。一部の実施形態では、白金系薬剤はシスプラチンである。一部の実施形態では、他の治療剤は、ゲムシタビンである。
ナノ粒子組成物を投与する投薬量および方法
個体(例えば、ヒト)に投与される組成物の用量は、特定の組成物、投与様式、および処置されている疾患のタイプに応じて変化し得る。一部の実施形態では、ナノ粒子の量は、客観的応答(例えば、部分奏効または完全奏効)をもたらすために有効である。一部の実施形態では、組成物の量は、個体において完全奏効をもたらすために十分である。一部の実施形態では、組成物の量は、個体において部分奏効をもたらすために十分である。一部の実施形態では、投与される組成物の量(例えば、単独で投与する場合)は、組成物によって処置される個体の集団において約40%、50%、60%、または64%のうちのいずれかより大きい全奏効率を生じるために十分である。本明細書に記載されている方法の処置に対する個体の応答は、例えばRECISTレベルに基づいて決定することができる。
一部の実施形態では、組成物の量は、個体の無増悪生存を延長させるために十分である。一部の実施形態では、組成物の量は、個体の全生存を延長させるために十分である。一部の実施形態では、組成物の量(例えば、単独で投与される場合)は、組成物によって処置される個体集団において約50%、60%、70%、または77%のうちのいずれかより大きい臨床での恩典を生じるために十分である。
一部の実施形態では、組成物、第1の治療、第2の治療、または併用療法の量は、処置前の同じ対象における対応する腫瘍サイズ、がん細胞の数、もしくは腫瘍の成長速度と比較して、または処置を受けていない他の対象における対応する活性と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%のうちのいずれかだけ腫瘍のサイズを減少させる、がん細胞の数を減少させる、または腫瘍の成長速度を減少させるために十分な量である。標準的な方法、例えば精製酵素によるin vitroアッセイ、細胞に基づくアッセイ、動物モデル、またはヒトの試験を使用して、この効果の程度を測定することができる。
一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)は、毒性作用(すなわち、臨床的に許容可能な毒性レベルを超える効果)を誘導するレベルより下であるか、または組成物を個体に投与した場合に、起こり得る副作用を制御もしくは忍容できるレベルである。
一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の量は、以下の範囲のうちのいずれかに含まれる:約0.1mg〜約500mg、約0.1mg〜約2.5mg、約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mg。一部の実施形態では、組成物の有効量(例えば、単位投与剤形)における疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の量は、約5mg〜約500mg、例えば約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgの範囲である。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の濃度は、薄いか(約0.1mg/ml)または濃く(約100mg/ml)、例えば約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、または約5mg/mlのうちのいずれかを含む。一部の実施形態では、疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の濃度は、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、または50mg/mlのうちのいずれかである。
組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の例示的な有効量には、少なくとも約25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、または1080mg/m2の疎水性薬物のうちのいずれかが挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態では、組成物は、約350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2、または30mg/m2未満の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)のうちのいずれかを含む。一部の実施形態では、投与当たりの疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の量は、約25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2、または1mg/m2未満のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の有効量は、以下の範囲のいずれかに含まれる:約1〜約5mg/m2、約5〜約10mg/m2、約10〜約25mg/m2、約25〜約50mg/m2、約50〜約75mg/m2、約75〜約100mg/m2、約100〜約125mg/m2、約125〜約150mg/m2、約150〜約175mg/m2、約175〜約200mg/m2、約200〜約225mg/m2、約225〜約250mg/m2、約250〜約300mg/m2、約300〜約350mg/m2、または約350〜約400mg/m2。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の有効量は、約5〜約300mg/m2、例えば約100〜約150mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、または約140mg/m2である。
上記の態様のいずれかの一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の有効量は、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのうちのいずれかを含む。様々な実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の有効量は、約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kg未満の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)のうちのいずれかを含む。
一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の量は、以下の範囲のうちのいずれかに含まれる:約0.1mg〜約500mg、約0.1mg〜約2.5mg、約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mg。一部の実施形態では、組成物の有効量(例えば、単位投与剤形)における生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の量は、約5mg〜約500mg、例えば約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgの範囲である。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の濃度は、薄いか(約0.1mg/ml)または濃く(約100mg/ml)、例えば約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、または約5mg/mlのうちのいずれかを含む。一部の実施形態では、生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の濃度は、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、または50mg/mlのうちのいずれかである。
組成物中の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の例示的な有効量には、少なくとも約25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、または1080mg/m2の生物活性ポリペプチドのうちのいずれかが挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態では、組成物は、約350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2、または30mg/m2未満の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)のうちのいずれかを含む。一部の実施形態では、投与当たりの生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の量は、約25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2、または1mg/m2未満のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の有効量は、以下の範囲のいずれかに含まれる:約1〜約5mg/m2、約5〜約10mg/m2、約10〜約25mg/m2、約25〜約50mg/m2、約50〜約75mg/m2、約75〜約100mg/m2、約100〜約125mg/m2、約125〜約150mg/m2、約150〜約175mg/m2、約175〜約200mg/m2、約200〜約225mg/m2、約225〜約250mg/m2、約250〜約300mg/m2、約300〜約350mg/m2、または約350〜約400mg/m2。一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の有効量は、約5〜約300mg/m2、例えば約100〜約150mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、または約140mg/m2である。
上記の態様のいずれかの一部の実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の有効量は、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのうちのいずれかを含む。様々な実施形態では、組成物中の生物活性ポリペプチド(例えば、治療抗体)の有効量は、約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kg未満の生物活性ポリペプチドのうちのいずれかを含む。
一部の実施形態では、組成物の非ナノ粒子部分に会合する組成物中の生物活性ポリペプチドの量は、処置されている疾患(例えば、がん)および/または個体に関して最適化される。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分に会合する組成物中の生物活性ポリペプチドの量は、処置されている疾患(例えば、がん)および/または個体に関して最適化される。
一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物と生物活性ポリペプチドの比率は、処置される疾患(例えば、がん)および/または処置されている個体に関して最適化される。
一部の実施形態では、組成物の量は、同じ投薬レジメンに従う組成物の最大忍容量(MTD)に近い。一部の実施形態では、組成物の量は、MTDの約80%、90%、95%、または98%のうちのいずれかより大きい。
本明細書に記載されている組成物の投与に関する例示的な投薬頻度には、1日1回、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、5日毎に1回、6日毎に1回、中断なく週に1回、4週のうち3回、3週間毎に1回、2週間毎に1回、または3週のうち2回が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、組成物は、約2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、6週間毎に1回、または8週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、組成物は、1週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、1日1回)のうちのいずれかの回数投与される。一部の実施形態では、各投与の間の間隔は、約6ヶ月間、3ヶ月間、1ヶ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日のうちのいずれかより短い。一部の実施形態では、各投与間の間隔は、約1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、8ヶ月間、または12ヶ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投薬スケジュールに中断はない。一部の実施形態では、各投与間の間隔は、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投薬頻度は、2日毎に1回を1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回である。一部の実施形態では、投薬頻度は、2日毎に1回を5回である。一部の実施形態では、組成物は、少なくとも10日間投与され、各投与間の間隔は、約2日以下であり、各投与時の組成物の用量は、組成物中の疎水性薬物の量によって測定した場合に、約0.25mg/m2〜約250mg/m2、約0.25mg/m2〜約150mg/m2、約0.25mg/m2〜約75mg/m2、例えば約0.25mg/m2〜約25mg/m2、または約25mg/m2〜約50mg/m2である。
組成物の投与は、長期間、例えば約1ヶ月間から約7年間まで延長することができる。一部の実施形態では、組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84ヶ月間のうちのいずれかの期間にわたって投与される。
一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の投薬量は、3週間のスケジュールで投与する場合に5〜400mg/m2の範囲、または週に1回のスケジュールで投与する場合に5〜250mg/m2(例えば、80〜150mg/m2、例えば100〜120mg/m2)の範囲であり得る。例えば、疎水性薬物(例えば、タキサン、例えばパクリタキセル)の量は、3週間のスケジュールで約60〜約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)である。
組成物の投与の他の例示的な投薬スケジュールは、組成物中の疎水性薬物の量によって測定した場合に、100mg/m2、週に1回、中断なし;75mg/m2、週に1回、4週のうち3回;100mg/m2、週に1回、4週のうち3回;125mg/m2、週に1回、4週のうち3回;125mg/m2、週に1回、3週のうち2回;130mg/m2、週に1回、中断なし;175mg/m2、2週間毎に1回;260mg/m2、2週間毎に1回;260mg/m2、3週間毎に1回;180〜300mg/m2、3週間毎;60〜175mg/m2、週に1回、中断なし;20〜150mg/m2を週に2回;および150〜250mg/m2を週に2回が挙げられるがこれらに限定されない。
ナノ粒子組成物の投薬数は、投与する医師の判断に基づいて処置の経過にわたって調整され得る。
一部の実施形態では、個体は、少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回の処置サイクルのうちのいずれかの間処置される。
本明細書に記載されている組成物は、約24時間より短い注入期間の間、個体への組成物の注入を可能にする。例えば、一部の実施形態では、組成物は、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分、20分、または10分のうちのいずれかより短い注入期間にわたって投与される。一部の実施形態では、組成物は、約30分間の注入期間にわたって投与される。
組成物中の疎水性薬物の他の例示的な用量には、組成物中の疎水性薬物の量によって測定した場合に、約50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のうちのいずれかが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、一部の実施形態では、組成物中のパクリタキセルの投薬量は、3週間のスケジュールで投与する場合に約100〜400mg/m2の範囲であり、週に1回のスケジュールで投与する場合に約50〜250mg/m2の範囲であり得る。
本明細書に記載されている組成物は、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、経皮、皮内、経口、門脈内、肝臓内、肝動脈注入、または吸入を含む様々な経路を介して個体(例えば、ヒト)に投与することができる。一部の実施形態では、組成物の持続的連続放出製剤を使用してもよい。一部の実施形態では、組成物は、静脈内に投与される。一部の実施形態では、組成物は、門脈内に投与される。一部の実施形態では、組成物は、動脈内に投与される。一部の実施形態では、組成物は、腹腔内に投与される。一部の実施形態では、組成物は、肝臓内に投与される。
併用処置の投与様式
本明細書に記載されている組成物の投薬レジメンは、単剤療法および併用処置の状況の両方に適用される。併用療法の方法の投与様式を以下にさらに記載する。
一部の実施形態では、組成物および他の治療剤(本明細書に記載されている特定の化学療法剤)は、同時投与される。薬物を同時に投与する場合、組成物中の薬物および他の治療剤は、同じ組成物(例えば、ナノ粒子組成物と他の治療剤の両方を含む組成物)または異なる組成物(例えば、組成物と他の治療剤は個別の組成物に含有される)に含有されてもよい。
一部の実施形態では、組成物および他の治療剤は、連続的に投与される。組成物または他の治療剤のいずれを先に投与してもよい。一部の実施形態では、組成物および他の治療剤は個別の組成物に含有され、これらは同じまたは異なる包装に含有されてもよい。
一部の実施形態では、組成物および他の治療剤の投与は同時であり、すなわち組成物の投与期間と他の治療剤の投与期間は互いに重なる。一部の実施形態では、組成物は、他の治療剤の投与前に少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも2、3、または4サイクルのうちのいずれか)投与される。一部の実施形態では、他の治療剤は、少なくとも1、2、3、または4週のうちのいずれかの間投与される。一部の実施形態では、組成物および他の治療剤の投与は、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日以内のいずれか1つ)開始される。一部の実施形態では、組成物および他の治療剤の投与は、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日以内のいずれか1つ)終了する。一部の実施形態では、他の治療剤の投与は、組成物の投与の終了後も(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間のうちのいずれか1つ)継続する。一部の実施形態では、他の治療剤の投与は、組成物の投与の開始後に(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月後のうちのいずれか1つ)開始される。一部の実施形態では、組成物および他の治療剤の投与は、ほぼ同時に開始および終了する。一部の実施形態では、組成物および他の治療剤の投与は、ほぼ同時に開始され、他の治療剤の投与は組成物の投与の終了後も(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間のうちのいずれか1つ)継続する。一部の実施形態では、組成物および他の治療剤の投与は、ほぼ同時に終了し、他の治療剤の投与は、組成物の投与開始後に(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月後のうちのいずれか1つ)開始される。
一部の実施形態では、組成物および他の治療剤の投与は、非同時である。例えば、一部の実施形態では、組成物の投与は、他の治療剤が投与される前に終了する。一部の実施形態では、他の治療剤の投与は、組成物が投与される前に終了する。これらの2つの非同時投与の間の期間は、約2〜8週間の範囲、例えば約4週間であり得る。
組成物および他の治療剤の投薬頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の経過の間に調整され得る。個別に投与する場合、組成物および他の治療剤を、異なる投薬頻度または投薬間隔で投与することができる。例えば、組成物を、週に1回投与することができ、別の薬剤を、それより多いまたは少ない頻度で投与することができる。一部の実施形態では、組成物および/または他の薬剤の持続的連続放出製剤を使用してもよい。持続的放出を達成するための様々な製剤およびデバイスが、当技術分野で公知である。本明細書に記載されている投与構成の組合せも同様に使用することができる。
組成物および他の治療剤は、同じ投与経路または異なる投与経路を使用して投与することができる。一部の実施形態(同時および連続投与の両方)では、組成物および他の治療剤は、既定の比率で投与される。例えば、一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物と他の治療剤の重量比は、約1対1である。一部の実施形態では、重量比は約0.001〜約1から約1000〜約1の間、または約0.01〜約1から100〜約1の間である。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物と他の治療剤の重量比は、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1のうちのいずれかより小さい。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物と他の治療剤の重量比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1のいずれかより大きい。他の比も企図される。
疎水性薬物、生物活性ポリペプチド、および/または他の治療剤に関して必要な用量は、各薬剤を単独で投与する場合、または生物活性ポリペプチドが疎水性薬物ナノ粒子組成物の一部ではない場合に通常必要である量より低い量であり得る(が、必ずしもその必要はない)。したがって、一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物および/または他の治療剤の治療量以下の量が投与される。「治療量以下の量」または「治療量以下のレベル」は、治療量より少ない量、すなわち組成物中の疎水性薬物および/もしくは生物活性ポリペプチドならびに/または他の治療剤を単独で投与する場合に通常使用される量より少ない量を指す。低減は、所定の投与で投与される量および/または所定の投与期間の間に投与される量(少ない頻度)に関して反映され得る。
一部の実施形態では、同じ程度の処置をもたらすために必要な組成物中の疎水性薬物および/または生物活性ポリペプチドの通常の用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれより大きい値のうちのいずれかだけ低減させるために、他の化学療法剤を投与する。一部の実施形態では、同じ程度の処置をもたらすために必要な他の治療剤の通常の用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれより大きい値のうちのいずれかだけ低減させるために十分な組成物中の疎水性薬物および/または生物活性ポリペプチドを投与する。
一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物および/または生物活性ポリペプチドならびに他の治療剤の両方の用量を、各々を単独で投与する場合の対応する通常の用量と比較して低減する。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物および/または生物活性ポリペプチドならびに他の治療剤の両方を、治療量以下のレベル、すなわち低減されたレベルで投与する。一部の実施形態では、組成物および/または他の治療剤の用量は、確立された最大毒性量(MTD)より実質的に低い。例えば、ナノ粒子組成物および/または他の治療剤の用量は、MTDの約50%、40%、30%、20%、または10%未満である。
本明細書に記載されている投与構成の組合せを使用することができる。本明細書に記載されている併用療法の方法は、単独で、または化学療法、放射線療法、手術、ホルモン療法、遺伝子治療、免疫療法、化学免疫療法、肝動脈に基づく治療、凍結療法、超音波療法、肝臓移植、局所焼灼療法、ラジオ波焼灼療法、光線力学療法等などの別の治療と共に実施することができる。さらに、疾患(例えば、がん)を発症するリスクがより高い人に、疾患の発症を阻害するおよび/または遅延させる処置を行ってもよい。
本明細書に記載されている他の治療剤は、様々な経路、例えば静脈内、動脈内、腹腔内、肺内を含む非経口、経口、吸入、小胞内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、または経皮経路によって個体(例えば、ヒト)に投与することができる。一部の実施形態では、他の治療剤は、静脈内投与される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、経口投与される。
他の治療剤の投薬頻度は、組成物の投薬頻度と同じまたは異なり得る。例示的な頻度を上記に提供する。さらなる例として、他の治療剤は、1日3回、1日2回、1日1回、週に6回、週に5回、週に4回、週に3回、週に2回、週に1回投与され得る。一部の実施形態では、他の治療剤は、1日2回または1日3回投与される。他の治療剤の例示的な量には、以下の範囲のうちのいずれかが挙げられるがこれらに限定されない:約1〜約2000mg、約500〜約1500mg、約700〜約1200mg、約800〜約1000mg、約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mg。例えば、他の治療剤は、約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)の用量で投与され得る。
一部の実施形態では、例えば白金系薬剤を投与する場合、他の治療剤は、約8、7、6、5、4、3、2、または1AUC未満の用量で投与される。一部の実施形態では、他の治療剤は、約1、2、3、4、5、6、7、または8AUCの用量で投与される。一部の実施形態では、他の治療剤は、約4AUCの用量で投与される。一部の実施形態では、他の治療剤は、約5AUCの用量で投与される。一部の実施形態では、他の治療剤は、約6AUCの用量で投与される。一部の実施形態では、他の治療剤は、約4〜約7AUC、約5〜約6AUC、約3〜約6AUC、約4〜約5AUC、または約5〜約7AUCの用量で投与される。
一部の実施形態では、他の治療剤の適切な用量は、おおよそ、臨床治療で既に使用されている用量であり、他の治療剤は、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて投与される。
医薬組成物および単位投薬量
本明細書に記載されている組成物は、本明細書に記載されている組成物を、本明細書に記載されている処置方法、投与方法、および投薬量レジメンにおいて使用するために、薬学的に許容される担体、賦形剤、安定剤、および/または当技術分野で公知の他の薬剤と組み合わせることによって、医薬組成物または製剤において使用され得る。さらに、本明細書に記載されている組成物の単位投薬量が提供される。
一部の実施形態では、アルブミンにより、組成物を有意な副作用なく個体(例えば、ヒト)に投与することができる。一部の実施形態では、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)は、疎水性薬物または生物活性ポリペプチドの個体(例えば、ヒト)への投与の1つまたは複数の副作用を低減するために有効な量で存在する。「投与の1つまたは複数の副作用を低減する」という用語は、例えば疎水性薬物または生物活性ポリペプチドなどの薬剤の投与によって引き起こされる1つまたは複数の望ましくない作用、ならびに送達のために使用される送達媒体(例えば、薬剤を注射に適切にする界面活性剤および溶媒)によって引き起こされる副作用を低減、緩和、除去、または回避することを指す。そのような副作用には、例えば骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢神経障害、神経疼痛性発熱、アナフィラキシー反応、静脈血栓症、血管外漏出、およびその組合せが挙げられる。しかし、これらの副作用は単なる例示であり、疎水性薬物および/または生物活性ポリペプチドに関連する他の副作用または副作用の組合せを低減することができる。
本明細書に記載されている組成物は、乾燥製剤(例えば、凍結乾燥組成物)として存在してもよく、または生物適合性の媒体に懸濁してもよい。適した生物適合性の媒体には、水、緩衝水性培地、食塩水、緩衝食塩水、任意選択でアミノ酸の緩衝溶液、任意選択でタンパク質の緩衝溶液、任意選択で糖の緩衝溶液、任意選択でビタミンの緩衝溶液、任意選択で合成ポリマーの緩衝溶液、脂質含有エマルジョン等が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書に記載されている組成物はまた、密封バイアルに存在し得る。一部の実施形態では、密封バイアルは単回使用のためである。一部の実施形態では、密封バイアルは複数回使用のためである。
同様に、本明細書に記載されている組成物および製剤を含む単位剤形が提供される。これらの単位剤形は、単一または複数の単位投薬量での適切な包装で保存することができ、さらに滅菌および密封してもよい。一部の実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)はまた、がんを処置するために有用である1つまたは複数の他の化合物(またはその薬学的に許容される塩)を含む。様々な変形形態では、組成物中の疎水性薬物の量は、以下の範囲のいずれか1つに含まれる:約5〜約50mg、約20〜約50mg、約50〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mg。一部の実施形態では、組成物中の疎水性薬物の量(例えば、剤形または単位剤形)は、約5mg〜約500mgの範囲、例えば約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgの誘導体である。一部の実施形態では、担体は、非経口投与(例えば、静脈内投与)に適している。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物(例えば、医薬組成物)のいずれか1つを含むがんの処置のための剤形(例えば、単位剤形)が提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている処置方法、投与方法、および投薬量レジメンに使用するために適した包装で、本明細書に記載されている組成物、製剤、および単位投薬量を含む製品が提供される。本明細書に記載されている組成物のための適した包装は当技術分野で公知であり、これには例えば、バイアル(例えば、密封バイアル)、容器(例えば、密封容器)、アンプル、ボトル、ジャー、フレキシブルパッケージ(例えば、密封Mylarまたはプラスチックバッグ)等が挙げられる。これらの製品は、さらに滅菌および/または密封され得る。
キット、薬、医薬、および組成物
本発明はまた、本明細書に記載されている方法のいずれかで使用するためのキット、薬、医薬、および組成物も提供する。
本発明のキットは、組成物または本明細書に記載されている1つもしくは複数の組成物(または単位剤形および/または製品)および/または別の治療剤(例えば、本明細書に記載されている薬剤)を含む1つまたは複数のコンテナーを含み、一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法のいずれかに従って使用するための使用説明書をさらに含む。キットは、治療に適切な個体の選択に関する記載をさらに含み得る。本発明のキットに供給される使用説明書は典型的に、ラベルまたは添付文書での書面の説明書(例えば、キットに含まれる紙のシート)であるが、機械読み取り可能な使用説明書(例えば、磁気または光学保存ディスク上の使用説明書)も同様に許容可能である。
例えば、一部の実施形態では、キットは、(1)(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含む組成物;および(2)疾患(例えば、がん)を処置するために組成物を投与するための使用説明書を含む。一部の実施形態では、キットは、(1)(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物;(2)別の治療剤の有効量;ならびに(3)疾患(例えば、がん)を処置するために組成物および他の治療剤を投与するための使用説明書を含む。組成物および他の治療剤は、個別のコンテナーまたは単一のコンテナーに存在し得る。
本発明のキットは適した包装で存在する。適した包装には、バイアル、ボトル、ジャー、フレキシブルパッケージ(例えば、密封Mylarまたはプラスチックバッグ)等が挙げられるがこれらに限定されない。キットは任意選択で緩衝剤および説明情報などの追加の構成要素を提供し得る。したがって本出願は、バイアル(例えば、密封バイアル)、ボトル、ジャー、フレキシブルパッケージ等を含む製品も提供する。
本明細書に記載されている組成物の使用に関する使用説明書は一般的に、意図される処置に関する投薬量、投薬スケジュール、および投与経路に関する情報を含む。コンテナーは、単位用量、バルク包装(例えば、多用量包装)、またはサブユニット用量であり得る。例えば、長期間、例えば1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、またはそれより長いのうちのいずれかの期間、個体に有効な処置を提供するために本明細書に開示される組成物の十分な投薬量を含有するキットを提供してもよい。キットはまた、本明細書に記載されている組成物の複数単位用量および使用説明書も含み、薬局、例えば病院薬局および調剤薬局において貯蔵および使用するために十分な量で包装され得る。
本明細書に記載されている方法において使用するための、薬、医薬、組合せ、および組成物も同様に提供される。一部の実施形態では、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む、疾患(例えば、がん)の処置に使用するための薬(または組成物)が提供される。一部の実施形態では、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む、疾患(例えば、がん)の処置に使用するための薬(または組成物)であって、別の治療剤と共にさらに投与される薬(または組成物)が提供される。一部の実施形態では、個体における疾患(例えば、がん)の医薬を製造するための、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物の使用が提供される。一部の実施形態では、個体における疾患(例えば、がん)の医薬を製造するための、(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物の使用であって、医薬が別の治療剤と共にさらに投与される、使用が提供される。一部の実施形態では、個体における疾患(例えば、がん)の医薬の組合せを製造するための、(1)(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物;および(2)別の治療剤の使用が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における疾患(例えば、がん)の処置に使用するための、(1)(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物;および(2)別の治療剤を含む組合せが提供される。
当業者は、いくつかの実施形態が本発明の範囲および精神において起こり得ることを認識するであろう。本発明を、以下の非制限的な実施例を参照することによってより詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例証するが、当然のこととして本発明の範囲をいかなるようにも制限すると解釈すべきではない。
例示的な実施形態
以下の例示的な実施形態は、単に説明目的のためであり、本発明の範囲を制限しないと意図される。
実施形態1。(a)疎水性薬物と、(b)アルブミンと、(c)生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物。
実施形態2。生物活性ポリペプチドがアルブミンにコンジュゲートしている、実施形態1に記載の組成物。
実施形態3。生物活性ポリペプチドが、アルブミンに共有結合で架橋している、実施形態2に記載の組成物。
実施形態4。生物活性ポリペプチドが、化学架橋剤を介してアルブミンに共有結合で架橋している、実施形態3に記載の組成物。
実施形態5。生物活性ポリペプチドが、ジスルフィド結合を介してアルブミンに共有結合で架橋している、実施形態3に記載の組成物。
実施形態6。生物活性ポリペプチドが、非共有結合性架橋剤を介してアルブミンにコンジュゲートしている、実施形態2に記載の組成物。
実施形態7。生物活性ポリペプチドが、非共有結合性架橋剤の第1の構成要素を含み、アルブミンが、非共有結合性架橋剤の第2の構成要素を含み、第1の構成要素が、第2の構成要素に特異的に結合する、実施形態6に記載の組成物。
実施形態8。非共有結合性架橋剤が、核酸分子を含み、核酸分子の少なくとも一部が、相補的である、実施形態7に記載の組成物。
実施形態9。ナノ粒子が、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態10。生物活性ポリペプチドが疎水性薬物の固体コアの表面に会合している、実施形態1または9に記載の組成物。
実施形態11。生物活性ポリペプチドの一部が疎水性薬物の固体コアに埋め込まれている、実施形態9または10に記載の組成物。
実施形態12。生物活性ポリペプチドがナノ粒子上のアルブミンに会合している、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態13。生物活性ポリペプチドがナノ粒子の表面に埋め込まれている、実施形態12に記載の組成物。
実施形態14。生物活性ポリペプチドが、ナノ粒子上のアルブミンに非共有結合で会合している、実施形態12または13に記載の組成物。
実施形態15。生物活性ポリペプチドがナノ粒子上のアルブミンに共有結合で会合している、実施形態12〜14のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態16。組成物中の生物活性ポリペプチドの少なくとも75%がナノ粒子に会合している、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態17。ナノ粒子が、少なくとも約100個の生物活性ポリペプチドを含む、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態18。組成物中のナノ粒子における疎水性薬物の生物活性ポリペプチドに対する重量比が、約1:1〜約100:1である、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態19。ナノ粒子におけるアルブミンの生物活性ポリペプチドに対する重量比が、約1:1〜約1000:1である、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態20。疎水性薬物の重量が、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定され、生物活性ポリペプチドおよびアルブミンの重量が、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定されるか、または
疎水性薬物の重量が、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定され、アルブミンの重量が、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定され、生物活性ポリペプチドの重量が、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定される、実施形態18または19に記載の組成物。
実施形態21。ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドをさらに含む、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態22。生物活性ポリペプチドが、抗体またはその断片である、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態23。抗体またはその断片が腫瘍関連抗原に特異的に結合する、実施形態22に記載の組成物。
実施形態24。抗体またはその断片が、完全長の抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、シングルドメイン抗体(dAb)、ダイアボディ、多特異性抗体、二重特異性抗体、抗イディオタイプ抗体、二特異性抗体、その機能的に活性なエピトープ結合断片、二官能性ハイブリッド抗体、および一本鎖抗体からなる群から選択される、実施形態22または23のいずれかに記載の組成物。
実施形態25。抗体またはその断片がFc断片である、実施形態24に記載の組成物。
実施形態26。生物活性ポリペプチドが、ベバシズマブ、トラスツズマブ、BGB−A317、またはトシリズマブである、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態27。(a)疎水性薬物と、(b)架橋剤部分によって誘導体化されたアルブミンとを含むナノ粒子を含む組成物。
実施形態28。ナノ粒子が、アルブミンによってコーティングされた疎水性薬物の固体コアを含む、実施形態27に記載の組成物。
実施形態29。組成物中のナノ粒子におけるアルブミンの疎水性薬物に対する重量比が、約1:1〜約20:1である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態30。疎水性薬物の重量が、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定され、アルブミンの重量が、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される、実施形態29に記載の組成物。
実施形態31。組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンの少なくとも約40%が、ジスルフィド結合によって架橋している、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態32。動的光散乱によって測定したナノ粒子の平均直径が、約200nm以下である、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態33。ナノ粒子に会合していないアルブミンをさらに含む、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態34。疎水性薬物が、タキサンである、実施形態1〜33のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態35。疎水性薬物が、パクリタキセルである、実施形態1〜34のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態36。疎水性薬物がリムス系薬物である、実施形態1〜33のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態37。疎水性薬物が、ラパマイシンである、実施形態33および36のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態38。疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって:
i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、
有機溶液が、1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、
水溶液が、アルブミンおよび生物活性ポリペプチドを含む、ステップ;および
ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し、それによって組成物を形成するステップ
を含む、方法。
実施形態39。生物活性ポリペプチドが、水溶液中でアルブミンにコンジュゲートしている、実施形態38に記載の方法。
実施形態40。疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって:
i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、
有機溶液が、1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、
水溶液が、アルブミンを含む、ステップ;
ii)生物活性ポリペプチドをエマルジョンに添加するステップ;および
iii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し、それによって組成物を形成するステップ
を含む、方法。
実施形態41。疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって:
i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、
有機溶液が、1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、
水溶液が、アルブミンを含む、ステップ;
ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して、蒸発後懸濁液を得るステップ;および
iii)生物活性ポリペプチドを蒸発後懸濁液に添加し、それによって組成物を形成するステップ
を含む、方法。
実施形態42。疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、
i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、
有機溶液が、1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、
水溶液が、アルブミンを含む、ステップ;
ii)1つまたは複数の有機溶媒の全てではない少なくとも一部をエマルジョンから除去して、エマルジョン−懸濁液中間体を得るステップ;
iii)エマルジョン−懸濁液中間体に生物活性ポリペプチドを添加するステップ、ならびに
iv)生物活性ポリペプチドを含むエマルジョン−懸濁液中間体から1つまたは複数の有機溶媒の追加の一部を除去し、それによって組成物を形成するステップ
を含む、方法。
実施形態43。疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、
i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、
有機溶液が、1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、
水溶液が、アルブミンを含み、アルブミンが、架橋剤によって誘導体化されている、ステップ;
ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去して、蒸発後懸濁液を得るステップ;および
iii)蒸発後懸濁液に生物活性ポリペプチドを添加し、それによって組成物を形成するステップするステップであって、生物活性ポリペプチドが、架橋剤部分によって誘導体化されている、ステップ
を含む、方法。
実施形態44。ナノ粒子に会合していない誘導体化アルブミンを、非誘導体化アルブミンに置き換えるステップをさらに含む、実施形態43に記載の方法。
実施形態45。置き換えが透析によって行われる、実施形態44に記載の方法。
実施形態46。置き換えが緩衝液交換によって行われる、実施形態44に記載の方法。
実施形態47。置き換えるが、遠心分離によって、ナノ粒子に会合していない誘導体化アルブミンからナノ粒子を分離し、非誘導体化アルブミンを含む溶液にナノ粒子を再懸濁することによって行われる、実施形態44に記載の方法。
実施形態48。疎水性薬物と、アルブミンと、生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって:
i)有機溶液と水溶液の混合物を高圧ホモジナイゼーションに供し、それによってエマルジョンを形成するステップであって、
有機溶液が、1つまたは複数の有機溶媒に溶解した疎水性薬物を含み、
水溶液が、アルブミンを含み、アルブミンの少なくとも一部が、生物活性ポリペプチドにコンジュゲートしている、ステップ;および
ii)1つまたは複数の有機溶媒の少なくとも一部をエマルジョンから除去し、それによって組成物を形成するステップ
を含む、方法。
実施形態49。ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドコンジュゲートアルブミンを、非コンジュゲートアルブミンに置き換えるステップをさらに含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態50。置き換えが透析によって行われる、実施形態48に記載の方法。
実施形態51。置き換えが緩衝液交換によって行われる、実施形態48に記載の方法。
実施形態52。交換が、ナノ粒子に会合していない生物活性ポリペプチドコンジュゲートアルブミンからナノ粒子を遠心分離によって分離し、非コンジュゲートアルブミンを含む溶液にナノ粒子を再懸濁することによって行われる、実施形態48に記載の方法。
実施形態53。疎水性薬物と、アルブミンと、アルブミンにコンジュゲートした生物活性ポリペプチドとを含むナノ粒子を含む組成物を作製する方法であって、疎水性薬物およびアルブミンを含むナノ粒子に、生物活性ポリペプチドをコンジュゲートさせるステップを含む、方法。
実施形態54。有機溶媒の除去前にエマルジョンにアルブミンを添加するステップをさらに含む、実施形態38〜53のいずれか1つに記載の方法。
実施形態55。有機溶媒の除去後に組成物にアルブミンを添加するステップをさらに含む、実施形態38〜54のいずれか1つに記載の方法。
実施形態56。有機溶媒の除去後に組成物に生物活性ポリペプチドを添加するステップをさらに含む、実施形態38〜55のいずれか1つに記載の方法。
実施形態57。組成物を濾過滅菌するステップをさらに含む、実施形態38〜56のいずれか1つに記載の方法。
実施形態58。疎水性薬物がタキサンである、実施形態38〜57のいずれか1つに記載の方法。
実施形態59。疎水性薬物がパクリタキセルである、実施形態38〜58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態60。疎水性薬物がリムス系薬物である、実施形態38〜59のいずれか1つに記載の方法。
実施形態61。疎水性薬物がラパマイシンである、実施形態38〜57および60のいずれか1つに記載の方法。
実施形態62。生物活性ポリペプチドが抗体またはその断片である、実施形態38〜61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態63。抗体またはその断片が腫瘍関連抗原に特異的に結合する、実施形態62に記載の方法。
実施形態64。抗体またはその断片が、完全長の抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、シングルドメイン抗体(dAb)、ダイアボディ、多特異性抗体、二重特異性抗体、抗イディオタイプ抗体、二特異性抗体、その機能的に活性なエピトープ結合断片、二官能性ハイブリッド抗体、および一本鎖抗体からなる群から選択される、実施形態62または63に記載の方法。
実施形態65。抗体またはその断片がFc断片である、実施形態64に記載の方法。
実施形態66。生物活性ポリペプチドが、ベバシズマブ、トラスツズマブ、BGB−A317、またはトシリズマブである、実施形態38〜65のいずれか1つに記載の方法。
実施形態67。実施形態37〜67のいずれか1つに記載の方法によって得られる組成物。
実施形態68。界面活性剤を実質的に含まない、実施形態1〜37および67のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態69。水性懸濁液である、実施形態1〜37、67、および68のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態70。乾燥組成物である、実施形態1〜37、67、および68のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態71。凍結乾燥されている、実施形態70に記載の組成物。
実施形態72。1つまたは複数の追加の治療剤をさらに含む、実施形態1〜37および67〜71のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態73。実施形態1〜37および67〜72のいずれか1つに記載の組成物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
実施形態74。実施形態1〜37および67〜73のいずれか1つに記載の組成物を含む密封バイアル。
実施形態75。単回使用のためである、実施形態74に記載の密封バイアル。
実施形態76。複数回使用のためである、実施形態74に記載の密封バイアル。
実施形態77。a)1つまたは複数の有機溶媒と疎水性薬物とを含むナノ液滴を含む分散有機相、およびb)アルブミンと生物活性ポリペプチドとを含む連続水相を含むエマルジョン。
実施形態78。アルブミンの少なくとも一部が生物活性ポリペプチドにコンジュゲートしている、実施形態77に記載のエマルジョン。
実施形態79。エマルジョン中のアルブミンの生物活性ポリペプチドに対する重量比が、約1:1〜約1000:1である、実施形態77または78に記載のエマルジョン。
実施形態80。エマルジョン中の疎水性薬物の生物活性ポリペプチドに対する重量比が、約1:1〜約100:1である、実施形態77〜79のいずれか1つに記載のエマルジョン。
実施形態81。a)1つまたは複数の有機溶媒と疎水性薬物のうちの1つまたは複数を含むナノ液滴を含む分散有機相、およびb)架橋剤部分によって誘導体化されたアルブミンを含む連続水相を含むエマルジョン。
実施形態82。エマルジョン中のアルブミンの疎水性薬物に対する重量比が、約1:1〜約20:1である、実施形態77〜81のいずれか1つに記載のエマルジョン。
実施形態83。a)1つまたは複数の有機溶媒と疎水性薬物とを含む有機溶液、およびb)架橋剤部分によって誘導体化されたアルブミンを含む連続水相を含む粗混合物。
実施形態84。粗混合物中のアルブミンの疎水性薬物に対する重量比が、約1:1〜約20:1である、実施形態84に記載の粗混合物。
実施形態85。実施形態1〜37および67〜73のいずれか1つに記載の組成物の有効量を個体に投与するステップを含む、個体における疾患を処置する方法。
実施形態86。別の治療剤の有効量を個体に投与するステップをさらに含む、実施形態85に記載の方法。
実施形態87。疾患が、がんである、実施形態85または86に記載の方法。
実施形態88。組成物が個体に静脈内投与される、実施形態85〜87のいずれか1つに記載の方法。
実施形態89。個体が、ヒトである、実施形態85〜88のいずれか1つに記載の方法。
(実施例1)
nab−パクリタキセル組成物に対するAvastin(登録商標)賦形剤の効果
Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)内に含有されている賦形剤としては、リン酸ナトリウム緩衝剤、pH6.2;α,α−トレハロース;およびポリソルベート20が挙げられる。これら賦形剤の存在下での種々の温度およびpHにおける、アルブミンおよびパクリタキセルを含むナノ粒子の安定性を、動的光散乱による粒径分布および一部の場合では0.2μm膜を使用した濾過性を測定することにより決定した。アルブミンおよびパクリタキセルを含む予め製造したナノ粒子(すなわち、Abraxane(登録商標))を、10mg/mLのパクリタキセル濃度で再構成し、以下の条件に供した。
1.Abraxane(登録商標)を、生理食塩水溶液を用いて10mg/mLに再構成し、pHを7に調整した。室温で24時間後、ナノ粒子は安定していた(動的光散乱により決定した粒径分布に著しい変更がないことにより、ならびに微粒子、凝集体、および沈降の目視および顕微鏡観察により判断した。
2.Abraxane(登録商標)を、生理食塩水溶液を用いて10mg/mLに再構成し、pHを5に調整した。室温で24時間後、ナノ粒子は、安定ではなかった。これは、5付近であるアルブミンの等電点(pI)付近での凝集によるものである可能性が最も高い。
3.Abraxane(登録商標)を、20%Avastin(登録商標)緩衝剤(5.8mg/mLリン酸ナトリウム(一塩基性、一水和物)、1.2mg/mLリン酸ナトリウム(二塩基性、無水)、pH6.2、60mg/mL α,α−トレハロース(trehalsoe))、しかしポリソルベート20を除く)および80%生理食塩水を用いて、10mg/mLに再構成し、pHを7に調整した。室温で24時間後、ナノ粒子は、安定しており、粒径分布に著しい変更はなかった。リン酸ナトリウムおよびα,αトレハロースは、ナノ粒子安定性に著しい影響を及ぼさないと結論付けられた。
4.Abraxane(登録商標)を、20%Avastin(登録商標)緩衝剤(リン酸ナトリウム緩衝剤およびα,α−トレハロースを含有するが、ポリソルベート20は除く)および80%生理食塩水を用いて10mg/mLに再構成し、pHを5に調整した。室温で24時間後、ナノ粒子は、安定ではなかった。
5.Abraxane(登録商標)を、20%Avastin(登録商標)緩衝剤(リン酸ナトリウム緩衝剤およびα,α−トレハロースを含有するが、ポリソルベート20は除く)および80%生理食塩水を用いて10mg/mLに再構成し、pHを5に調整した。58℃で24時間後、ナノ粒子は安定ではなく、ナノ粒子凝集体が検出された。図7Bを参照されたい。
6.Abraxane(登録商標)を、100%Avastin(登録商標)緩衝剤(リン酸ナトリウム緩衝剤およびα,α−トレハロースを含有するが、ポリソルベート20は除く)を用いて10mg/mLに再構成し、pHは調整しなかった(pHは6.4と測定された)。室温で24時間後、ナノ粒子は安定しており、粒径分布の著しい変更はなかった。図7Aを参照されたい。リン酸ナトリウムおよびα,α−トレハロースは、ナノ粒子安定性に著しい影響を及ぼさないと結論付けられた。
7.Abraxane(登録商標)を、100%Avastin(登録商標)緩衝剤(リン酸ナトリウム緩衝剤およびα,α−トレハロースならびにポリソルベート20の各々を含有する)を用いて10mg/mLに再構成し、pHは調整しなかった(pHは6.8と測定された)。光学顕微鏡で見るとナノ粒子は直ちに凝集し(図7C)、室温で24時間のインキュベーション後、懸濁液の微視的微粒子および可視的沈降がもたらされた。したがって、Avastin(登録商標)製剤に提供されている濃度のポリソルベート界面活性剤自体が、ナノ粒子安定性に影響を及ぼしている。
8.Abraxane(登録商標)を、100%Avastin(登録商標)緩衝剤(リン酸ナトリウム緩衝剤およびα,α−トレハロースならびにポリソルベート20(0.04%)の各々を含有する)を用いて10mg/mLに再構成し、pHを5に調整した。ナノ粒子は、調製後直ちに凝集し(平均粒径が、143nmから159nmへと成長した)、ナノ粒子は、室温で24時間後、不安定であり続けた。
これらの研究は、Avastin(登録商標)緩衝剤に存在するポリソルベート20が、Abraxane(登録商標)ナノ粒子の凝集を引き起こすことを示す。さらに、pHを5に低下させると、Abraxane(登録商標)粒子凝集がもたらされる。
(実施例2)
アルブミンの存在無しでのベバシズマブの安定性に対するナノ粒子製造プロセスステップの効果
一部の実施形態では、アルブミンおよび疎水性薬物を含むナノ粒子は、水溶液中のアルブミンを、1つまたは複数の溶媒および疎水性薬物を含む有機溶液と混合して、粗混合物を形成すること、粗混合物を高圧ホモジナイズして、エマルジョンを形成すること、有機溶媒を蒸発させて、蒸発後ナノ粒子懸濁液を形成すること、ナノ粒子懸濁液を希釈すること、ならびにナノ粒子懸濁液を濾過することを含む。ベバシズマブが、アルブミンおよびポリソルベート20の非存在下でこれらの製造ステップの各々に耐える能力を、ベバシズマブを各製造ステップに供することにより決定した。各製造ステップからの試料を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析して、残留ベバシズマブの量およびその凝集状態を決定した(すなわち、高分子量種への変換を測定することにより)。
400mgのベバシズマブを、イオン交換クロマトグラフィーによりAvastin(登録商標)(25mg/mLベバシズマブ、400mg/バイアル)から精製して、ポリソルベート20を除去した。400mgのベバシズマブを、85mL Capto S Impactカラムを有する分取FPLC(ATKA Purifier)にローディングした。カラムを、5Mクエン酸ナトリウム、pH5.0で洗浄し、25mMクエン酸ナトリウム、pH5.0、1M NaClで溶出した。精製したベバシズマブを、5℃の1Lの透析緩衝剤(50mMリン酸ナトリウム緩衝剤、pH6.2)に対して2回緩衝液交換した。10.059mLのトレハロースストック(400mg/mL α,α−トレハロース二水和物を含有する50mMリン酸ナトリウム緩衝剤、pH6.2)を添加することにより、透析したベバシズマブを製剤化した。製剤化されたベバシズマブの最終組成は、5.98mg/mL(理論値)、50mMリン酸ナトリウム、pH6.2、60mg/mL α,α−トレハロース二水和物であった。製剤化されたベバシズマブ中のベバシズマブ濃度は、1.661の理論吸光係数を使用してA280により決定したところ、5.966mg/mLであった。
6.7mLの精製ベバシズマブストック溶液(5.966mg/mL)を11.7mLの水と混合することにより、18.4mLの2.18mg/mLベバシズマブ溶液を調製した。ベバシズマブ溶液を、5400rpmに設定した高剪断ミキサーを使用して混合した。ベバシズマブ溶液の混合中に、90v/v%クロロホルムおよび10v/v%エタノールを含有する1.5mLの有機溶液を添加した。有機溶液および水溶液を5分間混合して粗混合物を作成し、これをサンプリングし、沈殿させて、沈殿上清をSEC測定に使用した。粗混合物を、高圧ホモジナイザーの容器に移した。高圧ホモジナイザーを使用して、粗混合物を数回通過させてホモジナイズし、それによりエマルジョンを形成した。エマルジョンをサンプリングし、沈殿させて、沈殿上清をSEC測定に使用した。およそ18mLの高圧ホモジナイズエマルジョンを、2L丸底蒸発フラスコを備えたロータリーエバポレーターに移した。蒸発フラスコの真空圧力を維持し、蒸発を、40℃に設定した水浴に部分的に浸漬した。有機溶媒(および水の一部分)をエマルジョンから蒸発させ、必要に応じて、フラスコの回転速度および圧力を変化させることにより、フラスコ内部の発泡を制御した。およそ15分間の蒸発後、結果として得られた体積は、約2mLであった。蒸発後ナノ粒子懸濁液を別のコンテナーに移し、3mLの水を添加した。希釈した蒸発後ナノ粒子懸濁液を、SEC測定のためにサンプリングした。およそ0.5mLの希釈した蒸発後ナノ粒子懸濁液を、濾過滅菌し、SEC測定のためにサンプリングした。
サイズ排除クロマトグラフィー測定からの結果を、図8Aに示す。これらの測定は、未処理ベバシズマブ、粗混合物からの上清、高圧ホモジナイズエマルジョンからの上清、希釈した蒸発後懸濁液、および濾過試料を含む。後期溶出ピーク(図の右側)は、ベバシズマブ単量体を示し、より早期の溶出ピークは、ベバシズマブのより高い分子量の種を表す。処理が進行すると共に、ベバシズマブ単量体の量は減少した。プロセスの開始時に添加された初期濃度のベバシズマブに対する、各ステップでのベバシズマブ回収の画分を、図8Bに示し、ベバシズマブのほとんどが、高圧ホモジナイゼーションステップで分解または凝集することが示されている。
(実施例3)
製造プロセスにおける、ベバシズマブの安定性に対するアルブミンの効果
ベバシズマブが、ポリソルベート20の非存在下だが、種々の量のヒトアルブミン(HA)を含む製造ステップの各々に耐える能力を、ベバシズマブを各製造ステップに供することにより決定した。製造プロセスの開始時に1%、2.5%、5%、または10%ヒトアルブミンがベバシズマブ調製物に含まれていたことを除いて、実施例2に記載されているようにベバシズマブを調製した。各製造ステップからの試料を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析して、残留ベバシズマブの量およびその凝集状態を決定した(すなわち、高分子量種への変換を測定することにより)。
1%HA含有調製物の場合、0.945mLの20%ヒトアルブミン、6.9mLのベバシズマブストック溶液(5.966mg/mL、実施例2)、および11.1mLの水を合わせて、処理のための水溶液を製作した。2.5%HA含有調製物の場合、2.363mLの20%ヒトアルブミン、6.9mLのベバシズマブストック溶液(5.966mg/mL、実施例2)、および9.6mLの水を合わせて、処理のための水溶液を製作した。5%HA含有調製物の場合、4.85mLの20%ヒトアルブミン、7mLのベバシズマブストック溶液(5.966mg/mL、実施例2)、および7.55mLの水を合わせて、処理のための水溶液を製作した。10%HA含有調製物の場合、9.45mLの20%ヒトアルブミン、6.9mLのベバシズマブストック溶液(5.966mg/mL、実施例2)、および2.55mLの水を合わせて、処理のための水溶液を製作した。
ベバシズマブ溶液を、5400rpmに設定した高剪断ミキサーを使用して混合した。ベバシズマブ溶液の混合中に、90v/v%クロロホルムおよび10v/v%エタノールを含有する1.5mLの有機溶液を添加した。有機溶液および水溶液を5分間混合して粗混合物を作成し、これをSEC測定のためにサンプリングした。粗混合物を、高圧ホモジナイザーの容器に移した。高圧ホモジナイザーを使用して、粗混合物を数回通過させてホモジナイズし、それによりエマルジョンを形成した。エマルジョンを、SEC測定のためにサンプリングした。およそ18mLの高圧ホモジナイズエマルジョンを、2L丸底蒸発フラスコを備えたロータリーエバポレーターに移した。蒸発フラスコの真空圧力を維持し、蒸発を、40℃に設定した水浴に部分的に浸漬した。有機溶媒(および水の一部分)をエマルジョンから蒸発させ、必要に応じて、フラスコの回転速度および圧力を変化させることにより、フラスコ内部の発泡を制御した。およそ3〜5分間の蒸発後、結果として得られた体積を測定した。この蒸発後ナノ粒子懸濁液を、SEC測定のためにサンプリングした。この懸濁液の一部分を濾過し、SEC測定のためにサンプリングした。
10%HA溶液のサイズ排除クロマトグラフィー測定からの結果を、図9Aに示す。最後期の溶出ピーク(約18.3分)は、HA単量体を含有し、約17.6分で溶出するピークは、ベバシズマブ単量体を含有する。より早期の溶出ピークは、ヒトアルブミンおよび/またはベバシズマブのより高い分子量の種を表す。各種の量を、ピーク下面積により定量化した。
図9Bは、HAを含有しない製剤(実施例2)を含む、プロセスの各ステップ後に回収された、HA濃度が異なる製剤の各々のベバシズマブの量を示す。0%および1%HA含有製剤は、製剤に添加された初期ベバシズマブの大部分を喪失する。2.5%、5%、および10%HA含有製剤の各々の場合、大半のベバシズマブが、製造プロセスの全体にわたって保持され、これは、製剤中少なくとも2.5%のHAの存在が、重度の分解および凝集によるベバシズマブの喪失を防ぐことを示す。
図9Cは、ベバシズマブ単量体ピークのみを積分することによる、プロセスの各ステップで残留する、製剤の各々のベバシズマブ単量体の量を示す。非凝集ベバシズマブ単量体の画分の尺度によると、製剤中のHA濃度が増加すると共に、処理中に不利に分解しないベバシズマブの画分は単調に増加する(後の処理ステップでの0%HAを有する製剤の結果は、それらの試料中に存在するベバシズマブが少量であるため、不確定である。10%HAでは、およそ100%のベバシズマブが、製造プロセスの全体にわたって単量体のままであり、このHA濃度が、ナノ粒子製造中にベバシズマブを分解から完全に保護することができることを示している。
(実施例4)
製造プロセスの異なる段階でのベバシズマブの添加
アルブミンを含有する水相および有機溶媒を含有する有機相を含むエマルジョンにベバシズマブを添加することの影響を、ナノ粒子製造プロセスのより初期でベバシズマブを包むことと比較した。各製造ステップからの試料を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析して、残留ベバシズマブの量およびその凝集状態を決定した(すなわち、高分子量種への変換を測定することにより)。
18.4mLの5%ヒトアルブミン(HA)溶液(水溶液)を、4.6mLのHAストック溶液(20%)および13.8mLの水を混合することにより調製した。対照試料では、4.85mLの20%ヒトアルブミン、7mLのベバシズマブストック溶液(5.966mg/mL、実施例2)、および7.55mLの水を合わせて、水溶液を製作した。水溶液を、5400rpmに設定した高剪断ミキサーを使用して混合した。ベバシズマブ溶液の混合中に、90v/v%クロロホルムおよび10v/v%エタノールを含有する1.5mLの有機溶液を添加した。有機溶液および水溶液を5分間混合して、粗混合物を作成した。粗混合物を、高圧ホモジナイザーの容器に移した。高圧ホモジナイザーに数回通過させて、粗混合物をホモジナイズし、それによりエマルジョンを形成した。6.0mLのベバシズマブストック溶液(5.966mg/mL、実施例2)を、粗エマルジョンに添加し、エマルジョンを、SEC測定のためにサンプリングした。およそ24mLの高圧ホモジナイズエマルジョンを、2L丸底蒸発フラスコを備えたロータリーエバポレーターに移した。蒸発フラスコの真空圧力を維持し、蒸発を、40℃に設定した水浴に部分的に浸漬した。有機溶媒(および水の一部分)をエマルジョンから蒸発させ、必要に応じて、フラスコの回転速度および圧力を変化させることにより、フラスコ内部の発泡を制御した。およそ6分間の蒸発後、結果として得られた体積は、約3mLと測定された。2mLの水を蒸発後ナノ粒子懸濁液に添加し、蒸発後ナノ粒子懸濁液を、SEC測定のためにサンプリングした。この懸濁液の一部分を濾過し、SEC測定のためにサンプリングした。
図10Aは、ベバシズマブが初期水溶液に添加される場合(対照)およびベバシズマブがエマルジョンの形成後に添加される場合の両製剤のプロセスの各ステップで残留するベバシズマブの量を示す。図10Bは、ベバシズマブ単量体ピークのみを積分することによる、2つの製剤のプロセスの各ステップで残留するベバシズマブ単量体の量を示す。ベバシズマブをエマルジョンに添加することにより作成した製剤の場合、ベバシズマブを初期水溶液に添加することにより製作した製剤(対照)の場合のおよそ85%と比較して、プロセスの終了時に96%よりも多くのベバシズマブ単量体が保持される。この結果は、エマルジョンの作成後にベバシズマブを添加すると、ナノ粒子製造中の過度の分解からベバシズマブを保護しつつ、ベバシズマブが、粒子形成の完了前にエマルジョン液滴表面と接触および会合する機会を依然として提供することができることを示す。
(実施例5)
アルブミン、パクリタキセル、およびベバシズマブを含有するナノ粒子の製造
90v/v%クロロホルムおよび10v/v%エタノールを含有する有機混合物中、1.6mLの100mg/mLパクリタキセル溶液を調製した(有機溶液)。別々に、4.725mLのHAストック溶液、6.9mLのベバシズマブストック溶液、および7.275mLの水を混合することにより、5%HA溶液および2.2mg/mLベバシズマブを含有する18.4mLの水溶液を調製した。水溶液を、5400rpmに設定した高剪断ミキサーを使用して混合した。水溶液の混合中に、1.6mLのパクリタキセル含有有機溶液を添加した。水溶液および有機溶液を5分間混合して、粗混合物を作成した。粗混合物を、SEC測定のためにサンプリングしてもよい。粗混合物を、高圧ホモジナイザーの容器に移した。次いで、高圧ホモジナイザーに数回通過させることにより、粗混合物をホモジナイズした。およそ24mLのエマルジョンを、2L丸底蒸発フラスコおよび40℃に設定した水浴を備えたロータリーエバポレーターに移した。有機溶媒および水の一部分を、真空圧力を印加および維持し、回転丸底フラスコを水浴に部分的に浸漬することにより、エマルジョンから蒸発させた。必要に応じてフラスコの回転速度および圧力を変化させることにより、フラスコ内部の発泡を制御した。およそ5分間の蒸発後、結果として得られた体積は約4mLであり、これを、4mLの水か添加された別のコンテナーに移した。この蒸発懸濁液を、SEC測定のためにサンプリングしてもよい。次いで、この懸濁液の総残留体積を、濾過滅菌した。結果として得られた粒子懸濁液を、動的光散乱およびSEC測定による粒径のためにサンプリングしてもよい。超遠心分離により粒子を回収した。ナノ粒子と会合したベバシズマブの量を決定してもよい。
(実施例6)
nab−パクリタキセルおよびベバシズマブの混和物製造
nab−パクリタキセルおよびベバシズマブの混和物を、以下のプロトコールに従って種々のベバシズマブ濃度で形成した。
バッチ1。1.6mLのAvastin(登録商標)(ベバシズマブおよび賦形剤、25mg/mL)および3.4mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、5mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、10mg/mLであり(90mg/mLアルブミンを有する)、ベバシズマブの終濃度は、4mg/mLであった。
バッチ2。3.2mLのAvastin(登録商標)(ベバシズマブおよび賦形剤、25mg/mL)および1.8mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、5mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、10mg/mLであり(90mg/mLアルブミンを有する)、ベバシズマブの終濃度は、8mg/mLであった。
バッチ3。6mLのAvastin(登録商標)(ベバシズマブおよび賦形剤、25mg/mL)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、4mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、10mg/mLであり(90mg/mLアルブミンを有する)、ベバシズマブの終濃度は、15mg/mLであった。
対照バッチ 4.5mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、5mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は10mg/mLであった。
各懸濁液の試料を、(1)0.9%NaCl生理食塩水、(2)注射用水(WFI)、(3)リン酸緩衝食塩水(PBS)(Amresco、10×PBSから希釈)、(4)WFIを試料に添加し、室温で5分間インキュベートし、次いで10×PBSのスパイクを添加することにより形成された、WFIおよび10×PBSの9:1混合物、または(5)10×PBSを試料に添加し、室温で5分間インキュベートし、次いでWFIを添加することにより形成された、10×PBSおよびWFIの1:9混合物を使用して10倍希釈した。Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して動的光散乱(DLS)により、希釈後の粒径および粒径分布を測定した。結果を、表1に示す。
(実施例7)
ベバシズマブは、混和後にnab−パクリタキセルと会合する
6mLのAvastin(登録商標)(ベバシズマブおよび賦形剤、25mg/mL)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、4mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、10mg/mLであり(90mg/mLアルブミンを有する)、ベバシズマブの終濃度は、15mg/mLであった。
試料を、20℃で70分間39,000RPM(176,351×g)で遠心分離した(Ti45ローターおよびTeflonインサートを有するBeckman Optima LE−80超遠心分離機)。上清を保持した(試料「S」)。ペレットを、リン酸緩衝食塩水(PBS)で5回洗浄した(試料「W1」〜「W5」)。200プルーフのエタノールを、遠心分離管に添加し、ペレットを超音波処理して、パクリタキセルを溶解した。エタノールで洗浄した試料を、20℃で20分間10,000RPM(14,029.3×g)で遠心分離し、上清をデカントし、試料を凍結乾燥により乾燥した。凍結乾燥ペレットをPBSに再懸濁した(試料「P」)。
保持した試料を、免疫ブロット分析に供した。試料を、MOPS緩衝剤中の4〜1%Bis−Tris SDS−PAGEゲルに流した。タンパク質を、ニトロセルロース膜に移し、抗HSA(ヒト血清アルブミン、1:5000マウス)および抗ヒトIgG(1:2000ウサギ)一次抗体、ならびにIRDye標識抗マウス(1:20,000)および抗ウサギ(1:20,000)二次抗体を使用して染色した。
免疫ブロットは、ベバシズマブおよびアルブミンが両方とも、パクリタキセル抽出後のペレットに保持されていたことを示した。これは、Avastin(登録商標)およびnab−パクリタキセルの混和後の、ベバシズマブのnab−パクリタキセルとの会合を示す。
(実施例8)
nab−パクリタキセルおよびトラスツズマブの混和物製造
nab−パクリタキセルおよびトラスツズマブの混和物を、以下のプロトコールに従って種々のトラスツズマブ濃度で形成した。Herceptin(登録商標)(トラスツズマブおよび賦形剤)を、20mLの0.9%NaCl注射用食塩水をバイアルに添加することにより再構成し、内容物を溶解させて21mg/mL溶液を調製した。次いでバイアルを穏やかに混合して、確実に完全に再構成した。
バッチ1。0.476mLの再構成Herceptin(登録商標)(21mg/mL)および9.524mLの0.9%NaCl注射用食塩水を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を15分間溶解させてから、バイアルを穏やかに旋回させて確実に完全に溶解させた。次いで、溶解した内容物を、室温で1時間静置した。次いで、10mLの0.9%NaCl注射用食塩水をバイアルに添加した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり、トラスツズマブの終濃度は、0.5mg/mLであった。
バッチ2。3.808mLの再構成Herceptin(登録商標)(21mg/mL)および6.192mLの0.9%NaCl注射用食塩水を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を15分間溶解させてから、バイアルを穏やかに旋回させて確実に完全に溶解させた。次いで、溶解した内容物を、室温で1時間静置した。次いで、10mLの0.9%NaCl注射用食塩水をバイアルに添加した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり、トラスツズマブの終濃度は、4mg/mLであった。
バッチ3。7.14mLの再構成Herceptin(登録商標)(21mg/mL)および2.86mLの0.9%NaCl注射用食塩水を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を15分間溶解させてから、バイアルを穏やかに旋回させて確実に完全に溶解させた。次いで、溶解した内容物を、室温で1時間静置した。次いで、10mLの0.9%NaCl注射用食塩水をバイアルに添加した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり、トラスツズマブの終濃度は、7.5mg/mLであった。
(実施例9)
ベバシズマブまたはトラスツズマブと混和されたnab−パクリタキセルのイオン強度影響
nab−パクリタキセルを、実施例6および8に記載されているプロトコールに従って、ベバシズマブまたはトラスツズマブのいずれかと混和した(8:10または15:10の抗体とnab−パクリタキセルとの比)。ナノ粒子懸濁液を、WFIまたは種々の濃度のNaCl食塩水のいずれかで希釈した。Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して動的光散乱(DLS)により、希釈後の粒径(ナノメートルでのZ平均直径)を測定した。結果を、表11に示す。
ベバシズマブ単独またはnab−パクリタキセル単独の低イオン強度媒体中の10倍希釈は、粒径増加を引き起こさない。しかしながら、nab−パクリタキセルおよび抗体の混和物の低イオン強度媒体中の10倍希釈は、粒径の増加を引き起こす。粒子は、15:10のトラスツズマブのパクリタキセルに対する比でnab−パクリタキセルと混和したトラスツズマブの場合、0.15%(25mM)未満のNaClで、8:10のトラスツズマブのパクリタキセルに対する比でnab−パクリタキセルと混和したトラスツズマブの場合、0.075%(12.5mM)未満のNaClで、サイズが増加する。nab−パクリタキセルと混和したベバシズマブの場合(15:10のベバシズマブのパクリタキセルに対する比)、粒子は、0.05%(9mM)未満のNaClでサイズが増加する。図11に示されている結果から理解することができるように、低イオン強度媒体(例えば、WFI)は、粒径の増加を引き起こし、より高いイオン強度の媒体は、対照試料のサイズに到達するまで粒径を減少させる。粒径の変化は、抗体の、遊離アルブミンまたはnab−パクリタキセルナノ粒子の表面に結合したアルブミンとの静電気的会合による可能性が高い。サイズ増加は、媒体のイオン強度、抗体(例えば、ベバシズマブまたはトラスツズマブ)のタイプ、および混和物中の抗体の濃度に依存する。イオン強度を増加させると、粒径の増加は可逆的である。
(実施例10)
ベバシズマブと混和したnab−パクリタキセルによるA375マウス異種移植片の処置
A375ヒト黒色腫細胞をマウスに皮下注射して、異種移植モデルを生成した。以下のプロトコールに従って、腫瘍を、処置前に約600mm3に成長させた。9匹のマウスを、注記した以外は、各プロトコールの通りに処置した。
コホート1 − 媒体対照(「媒体」)。Avastin(登録商標)緩衝剤を、無菌30mL PETGコンテナー中で、960mg α,α−トレハロース無水物、92.8mgのリン酸ナトリウム(一塩基性、一水和物)、19.2mgのリン酸ナトリウム(二塩基性、無水)、6.4mgのポリソルベート20、および16mLの注射用水(WFI)と共に混合することにより調製した。次いで、Avastin(登録商標)緩衝剤を、0.2μm滅菌フィルターに通した。96μLのAvastin(登録商標)緩衝剤を、270μLの200mg/mLヒトアルブミン溶液および834μLの0.9%NaCl注射用食塩水と混合した。媒体対照を、実験の2日目に120μL/マウスの投薬量で各マウスに投与した。
コホート2 − 30mg/kgパクリタキセル用量のnab−パクリタキセル(「ABX30」)。20mLの0.9%NaCl注射用食塩水を使用して、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)を、5mg/mLパクリタキセルの濃度に再構成した。各マウスは、体重がおよそ0.02kgであり、再構成nab−パクリタキセルを、実験の2日目に120μL/マウスの投薬量で各マウスに投与した。
コホート3 − 12mg/kg用量のベバシズマブ(「BEV12」)。96μLのベバシズマブ(Avastin(登録商標)、25mg/mL)を、904μLの0.9%NaCl注射用食塩水で、2.4mg/mLベバシズマブの終濃度に希釈した。各マウスは、体重がおよそ0.02kgであり、希釈Avastin(登録商標)を、実験の2日目に100μL/マウスの投薬量で各マウスに投与した。
コホート4 − 同日のBEV12およびABX30(「BEV12+ABX30 − 同日」)。コホート3のために調製した100μL/マウスの希釈Avastin(登録商標)(「BEV12」)およびコホート2のために調製した120μL/マウスのnab−パクリタキセル(「ABX30」)を、実験の2日目に各マウスに投与した。
コホート5 − BEV12、その後1日後にABX30(「BEV12+ABX30 − 1日離間」);8匹のマウスを処置した。コホート3のために調製した100μL/マウスの希釈Avastin(登録商標)(「BEV12」)を、実験の初日に各マウスに投与した。コホート2のために調製した120μL/マウスのnab−パクリタキセル(「ABX30」)を、実験の2日目に各マウスに投与した。
コホート6 − ベバシズマブ(12mg/kg)と混和したnab−パクリタキセル(30mg/kgパクリタキセル)(「AB160」)。凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)を、1.6mLのベバシズマブ(Avastin(登録商標)、25mg/mL)および3.4mLの0.9%NaCl注射用食塩水で再構成した。混合物を、室温で1時間インキュベートしてから、15mLの0.9%NaCl注射用食塩水を添加して、5mg/mLパクリタキセルおよび2mg/mLベバシズマブの終濃度をもたらした。混和物を、実験の2日目に120μL/マウスの投薬量で各マウスに投与した。
実験の7日目に腫瘍体積を測定した。各コホートの各マウスのパーセント腫瘍体積変化を、図12に示す。nab−パクリタキセルおよびベバシズマブの混和物(「AB160」)と、同日(「BEV12+ABX30 − 同日」)または1日離間(「BEV12+ABX30 − 1日離間」)投与のいずれかとの間に、有意差は見られなかった。しかしながら、nab−パクリタキセルおよびベバシズマブの混和物(「AB160」)は、nab−パクリタキセル単独(「ABX30」;p=0.0034)、ベバシズマブ単独(「BEV12」;p=0.006)、または媒体対照(「媒体」;p<0.0001)の投与と比較して、統計的に有意な腫瘍成長の減少をもたらした。P値は、独立t検定を使用して決定した。
また、処置マウスの生存期間も再コード化した。2000mm
3よりも大きな腫瘍を有するマウスを安楽死させた。生存期間中央値および関連p値を、表2に示す。p値により示されているように、nab−パクリタキセルおよびベバシズマブの混和物(「AB160」)で処置したマウスの生存と、別々に投与したnab−パクリタキセルおよびベバシズマブ(「BEV12+ABX30 − 同日」または「BEV12+ABX30 − 1日離間」)とに有意差はない。
(実施例11)
トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
27.6mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液(水中)を、2.4mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(CHCl3およびエタノールの90/10混合物)と混合しながら合わせて、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiでホモジナイズした。追加の5mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに通して、35mLの最終体積を収集した。混合物を数回のサイクルでホモジナイザーに通してから、追加の20mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに添加して、エマルジョンを薄めた。合計40mLの微細エマルジョンを収集した。0.714mLの21mg/mLトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))および3.426mLの0.9%NaClを微細エマルジョンに添加してから、微細エマルジョンを回転蒸発に供した。9.3mLの試料が蒸発後懸濁液として残るまで、ロータリーエバポレーターを使用して、微細エマルジョンから液体を除去した。蒸発後懸濁液を、シンチレーションバイアルに移し、ロータリーエバポレーターを1.5mLアリコートの注射用水(WFI)で2回洗浄し、それらを、シンチレーションバイアルに添加した(12.3mL最終体積)。結果として得られた蒸発後懸濁液を、5℃で一晩保管した。
蒸発後懸濁液を、冷却保管から取り出し、室温に平衡化した。12mLの蒸発後懸濁液を、10.84mLの200mg/mL HSAおよび33.82mLの0.9%NaClと混合した。次いで、混合物を濾過してから、粒径およびパクリタキセル濃度を測定した。粒径および分布は、50μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl食塩水で希釈し、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して動的光散乱(DLS)により測定した。濾過懸濁液のZ平均直径は145.5nmであり、多分散指数(PDI)は0.159であった。濾過懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより測定したところ、6.21mg/mLであった。濾過懸濁液を、−80℃で一晩凍結した。
凍結濾過懸濁液を、冷却保管から取り出し、室温へ解凍し、平衡化させた。0.829mLの21mg/mLトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))および10.787mLの0.9%NaClを、48mLの濾過懸濁液に添加し、5mg/mLパクリタキセルおよび0.5mg/mLトラスツズマブを含むように懸濁液の濃度を調整した。最終懸濁液を、バイアルに等分し(1バイアル当たり3mL)、−80℃で保管した。1つの試料アリコートは凍結せず、粒径(DLSにより、145.6nmのZ平均直径)、粒径分布(DLSにより、0.130のPDI)、パクリタキセル濃度(RP−HPLCにより、5.0mg/mL)、トラスツズマブ濃度(SEC−HPLCにより、0.53mg/mL)、およびオスモル濃度(266mOSm)を分析した。
(実施例12)
トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
埋込みトラスツズマブを含むnab−パクリタキセルの4つのバッチを、製造プロセス中の異なる時点でトラスツズマブを含ませることにより製造した。トラスツズマブを、(1)微細エマルジョンに添加し、10分間インキュベートしてから回転蒸発により処理したか、(2)微細エマルジョンに添加し、それを直ちに回転蒸発により処理したか、(3)約3分間の回転蒸発後に微細エマルジョンに添加したか、または(4)回転蒸発直後に蒸発後懸濁液に添加した。トラスツズマブを含まないnab−パクリタキセルの対照バッチ(5)も製造した。
バッチ1。27.6mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液(水中)を、2.4mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(CHCl3およびエタノールの90/10混合物)と混合しながら合わせて、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiでホモジナイズした。混合物を、数回のサイクルでホモジナイザーに通してから、追加の20mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに添加して、エマルジョンを薄めた。2.14mLの21mg/mLトラスツズマブ(0.9%NaCl食塩水中のHerceptin(登録商標))および2.00mLの0.9%NaCl食塩水を、エマルジョンに添加し、室温で10分間インキュベートしてから、回転蒸発によりエマルジョンを処理した。エマルジョンを回転蒸発に供して、体積を5.0mLに低減した。次いで、蒸発後懸濁液をシンチレーションバイアルに移した。ロータリーエバポレーターフラスコを、2.5mLの注射用水(WFI)で洗浄し、洗浄物をバイアルに添加した。ロータリーエバポレーターフラスコを、2.5mLのWFIで再び洗浄し、次いで、それをバイアルに添加した。
バッチ2。27.6mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液(水中)を、2.4mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(CHCl3およびエタノールの90/10混合物)と混合しながら合わせて、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiでホモジナイズした。混合物を、数回のサイクルでホモジナイザーに通してから、追加の20mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに添加して、エマルジョンを薄めた。2.14mLの21mg/mLトラスツズマブ(0.9%NaCl食塩水中のHerceptin(登録商標))および2.00mLの0.9%NaCl食塩水を、エマルジョンに添加し、短時間旋回させ、回転蒸発により直ちに処理した。エマルジョンを、回転蒸発に供して、体積を6.0mLに低減した。次いで、蒸発後懸濁液をシンチレーションバイアルに移した。ロータリーエバポレーターフラスコを、2.0mLの注射用水(WFI)で洗浄し、洗浄物をバイアルに添加した。ロータリーエバポレーターフラスコを、2.0mLのWFIで再び洗浄し、次いで、それをバイアルに添加した。
バッチ3。27.6mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液(水中)を、2.4mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(CHCl3およびエタノールの90/10混合物)と混合しながら合わせて、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiでホモジナイズした。混合物を、数回のサイクルでホモジナイザーに通してから、追加の20mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに添加して、エマルジョンを薄めた。エマルジョンを、ロータリーエバポレーターを使用して直ちに3分間処理してから、2.14mLの21mg/mLトラスツズマブ(0.9%NaCl食塩水中のHerceptin(登録商標))および2.00mLの0.9%NaCl食塩水を、エマルジョンに添加した。トラスツズマブおよび食塩水をエマルジョンに添加したら、直ちに、ロータリーエバポレーターを使用した処理を、試料の体積が6.8mLになるまで継続した。次いで、蒸発後懸濁液をシンチレーションバイアルに移した。ロータリーエバポレーターフラスコを、1.6mLの注射用水(WFI)で洗浄し、洗浄物をバイアルに添加した。ロータリーエバポレーターフラスコを、1.6mLのWFIで再び洗浄し、次いで、それをバイアルに添加した。
バッチ4。27.6mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液(水中)を、2.4mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(CHCl3およびエタノールの90/10混合物)と混合しながら合わせて、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiでホモジナイズした。混合物を、数回のサイクルでホモジナイザーに通してから、追加の20mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに添加して、エマルジョンを薄めた。エマルジョンを、ロータリーエバポレーターを使用して直ちに処理して、体積を約10mLに低減した。2.14mLの21mg/mLトラスツズマブ(0.9%NaCl食塩水中のHerceptin(登録商標))および2.00mLの0.9%NaCl食塩水を、蒸発後溶液に添加し、それを、ロータリーエバポレーターを使用してさらに処理して、体積を7.0mLに低減した。次いで、蒸発後懸濁液をシンチレーションバイアルに移した。ロータリーエバポレーターフラスコを、1.5mLの注射用水(WFI)で洗浄し、洗浄物をバイアルに添加した。ロータリーエバポレーターフラスコを、1.5mLのWFIで再び洗浄し、次いで、それをバイアルに添加した。
バッチ5(nab−パクリタキセル対照)。27.6mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液(水中)を、2.4mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(CHCl3およびエタノールの90/10混合物)と混合しながら合わせて、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiでホモジナイズした。混合物を、数回のサイクルでホモジナイザーに通してから、追加の20mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに添加して、エマルジョンを薄めた。4.14mLの0.9%NaCl食塩水をエマルジョンに添加し、結果として得られた蒸発後懸濁液の体積が6.4mLになるまで、エマルジョンを回転蒸発に供した。次いで、蒸発後懸濁液をシンチレーションバイアルに移した。ロータリーエバポレーターフラスコを、1.8mLの注射用水(WFI)で洗浄し、洗浄物をバイアルに添加した。ロータリーエバポレーターフラスコを、1.8mLのWFIで再び洗浄し、次いで、それをバイアルに添加した。
各バッチの蒸発後懸濁液(ロータリーエバポレーターを洗浄し、洗浄物を試料に添加した後)の平均粒子直径および多分散性指数を、動的光散乱(DLS)により測定した。結果を表3に示す。DLS測定は、50μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水で希釈することにより、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。
最終バッチの粒径(DLSにより測定した)は、抗体が製造プロセスのより初期に添加されたバッチの粒径がより大きいという傾向を示した。抗体を添加しなかった対照バッチ(バッチ5)と比較して、抗体を含有するバッチはすべて、より大きな粒径を有した。最も大きな粒径は、バッチ1で観察され(抗体をエマルジョンに添加し、次いで、室温で10分間インキュベートしてから回転蒸発を開始した)、これは、回転蒸発により液滴中の溶媒が除去されて固形粒子が生成される前に、エマルジョン液滴が合体することによる可能性がある。他のバッチ(バッチ2、3、4)は、回転蒸発による溶媒除去前にインキュベーションの時間を一切含んでおらず、これらバッチでは、対照(バッチ1)と比べてより小さな粒径増加が観察された。
蒸発後懸濁液中のパクリタキセルおよびトラスツズマブの濃度を決定した。パクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより決定し、トラスツズマブ濃度は、SEC−HPLCにより決定した。結果を、表4に示す。
2mLの蒸発後懸濁液を遠心分離して粒子をペレットにし、上清を除去して、未結合トラスツズマブをナノ粒子から分離した。ペレットを、新しい2mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)に再懸濁した。再懸濁したナノ粒子中のトラスツズマブの濃度を、SEC−HPLCおよびELISA(トラスツズマブELISAアッセイキット、#1G−AA105、Eagle Bioscience)により測定した。結果を、表5に示す。表5には、蒸発後懸濁液中のトラスツズマブ(transtuzumab)の濃度および洗浄したナノ粒子懸濁液中のトラスツズマブの濃度に基づき、ナノ粒子と会合している蒸発後懸濁液中のトラスツズマブのパーセンテージも示す(SEC−HPLCおよびELISA測定の平均。蒸発の直前にインキュベーションを行わずにトラスツズマブを添加することにより、懸濁液中でナノ粒子と会合したトラスツズマブの部分が5.76%と最大になった。
(実施例13)
ホモジナイゼーション前にトラスツズマブを水溶液に添加することによる、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))を、注射用水(WFI)で21mg/mLの濃度に再構成した。7.14mLの21mg/mLトラスツズマブを、5mLの200mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)、2.86mLの水、および5mLの0.9%NaCl生理食塩水と混合して、50mg/mL HSAおよび7.5mg/mLトラスツズマブの溶液を形成した。18.4mLのHSA/トラスツズマブ溶液を、1.6mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)と混合して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、微細エマルジョンを形成した。15mLの50mg/mL HSA溶液を、ホモジナイザーに添加して微細エマルジョンを薄め、25.5mLの微細エマルジョンを収集した。微細エマルジョンを、直ちにロータリーエバポレーターに移し、7.3mLの蒸発後体積を得た。
動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。DLS測定は、20μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水で希釈することにより、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径は、147.8nmであると決定され、PDIは、0.131であると決定された。
蒸発後溶液中のパクリタキセル濃度は、RP HPLCにより25.88mg/mLであると決定された。総HSA濃度およびトラスツズマブ濃度は、SEC−HPLCにより、それぞれ117mg/mLおよび16.2mg/mLと測定された。
蒸発後懸濁液を、−20℃で一晩凍結してから、解凍し、室温へ平衡化させた。動的光散乱(DLS)を再び使用し、0.9%NaCl生理食塩水またはWFIのいずれかを希釈剤として使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。0.9%NaCl生理食塩水を希釈剤として使用した場合、平均粒子直径は、147.8nmであると決定され、PDIは0.145であると決定された。WFIを希釈剤として使用した場合、平均粒子直径は2354nmであると決定され、PDIは0.500であると決定された。
解凍蒸発後懸濁液を、2.7mLのWFIで10mLの最終体積に希釈した。8mLの希釈蒸発後懸濁液(2つに分割した)を、Ti45ローターおよびTeflonインサートを有するBeckman Optima LE−80遠心分離機を使用して、20℃で70分間39,000RPMで遠心分離して、ナノ粒子をペレットにした。上清の上部3mLを上清1として取り出し、上清の底部約1mLを上清2として取り出した。ペレットを、4.0mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄して、洗浄物1、洗浄物2、および洗浄物3とした。第1の遠心分離管中のペレットを、3.0mLエタノールに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理して、パクリタキセルをペレットから抽出した。試料を再び遠心分離し、上清をペレット1として取り出した。第2の遠心分離管のペレットを、4.0mLのPBSに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理して、ペレット2として取り出した。試料を、パクリタキセル含有量についてはRP HPLCにより、HSAまたはトラスツズマブ含有量についてはSEC−HPLCにより分析した。結果を、表6に示す。
(実施例14)
ホモジナイゼーション後にトラスツズマブをエマルジョンに添加することによる、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
18.4mLの50mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)を、1.6mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)と混合して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、微細エマルジョンを形成した。15mLの50mg/mL HSA溶液をホモジナイザーに添加して、微細エマルジョンを薄め、22mLの微細エマルジョンを収集した。収集した微細エマルジョンを、7.15mLの21mg/mLトラスツズマブ(注射用水(WFI)に溶解したHerceptin(登録商標))および5mLの0.9%NaCl生理食塩水を含有する丸底フラスコに直ちに移した。丸底フラスコをロータリーエバポレーターに移し、エマルジョンの体積を、蒸発後懸濁液の10mLに低減した。
動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。DLS測定は、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水希釈液を、1cm角の使い捨てキュベット中で20μLの蒸発後懸濁液と混合した。測定は、機器が選択した減衰器レベルおよび1.15mmの固定測定位置を使用し、173°の検出角を用いて2分間の平衡後に25℃で行った。測定は、各測定に対して60秒間の持続時間で、三連で行った。サイズ分布は、一般的分析モデル、1.465+0iの粒子屈折率、0.8872cPの分散剤粘度、および1.330+0iの分散剤屈折率を使用して算出した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)は、141.6nmであると決定され、PDIは、0.110であると決定された。
蒸発後懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより18.18mg/mLであると決定された。総HSA濃度およびトラスツズマブ濃度は、SEC−HPLCにより、それぞれ76mg/mLおよび15.6mg/mLであると測定された。
蒸発後懸濁液を−20℃で一晩凍結してから、解凍し、室温へ平衡化させた。動的光散乱(DLS)を再び使用し、0.9%NaCl生理食塩水またはWFIのいずれかを希釈剤として使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。0.9%NaCl生理食塩水を希釈剤として使用した場合、平均粒子直径は、142.2nmであると決定され、PDIは0.125であると決定された。WFIを希釈剤として使用した場合、平均粒子直径は、2295nmであると決定され、PDIは0.587であると決定された。
解凍蒸発後懸濁液を、2.7mLのWFIで10mLの最終体積に希釈した。8mLの希釈蒸発後懸濁液(2つに分割した)を、Ti45ローターおよびTeflonインサートを有するBeckman Optima LE−80遠心分離機を使用して、20℃で70分間39,000RPMで遠心分離して、ナノ粒子をペレットにした。上清の上部3mLを上清1として取り出し、上清の底部約1mLを上清2として取り出した。ペレットを、4.0mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄して、洗浄物1、洗浄物2、および洗浄物3とした。第1の遠心分離管からのペレットを、3.0mLのエタノールに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理して、パクリタキセルをペレットから抽出した。試料を再び遠心分離し、上清をペレット1として取り出した。第2の遠心分離管からのペレットを、4.0mLのPBSに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理して、ペレット2として取り出した。試料を、パクリタキセル含有量についてはRP−HPLCにより、HSAまたはトラスツズマブ含有量についてはSEC−HPLCにより分析した。これらの結果を、表7に示す。
(実施例15)
トラスツズマブを蒸発後懸濁液に添加することによる、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
18.4mLの50mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)を、1.6mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)と混合して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、微細エマルジョンを形成した。15mLの50mg/mL HSA溶液をホモジナイザーに添加して、微細エマルジョンを薄め、20mLの微細エマルジョンを収集した。収集した微細エマルジョンを、直ちに丸底フラスコに移し、7.9mLの最終蒸発後懸濁液体積が得られるまでロータリーエバポレーターを使用して処理した。
動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。DLS測定は、150μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水で希釈することにより、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)は、140.2nmであると決定され、PDIは、0.088であると決定された。
蒸発後懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより20.73mg/mLであると決定された。蒸発後懸濁液のHSA濃度は、SEC−HPLCにより、77.7mg/mLと測定された。
蒸発後懸濁液を−20℃で一晩凍結してから、解凍し、室温へ平衡化させた。動的光散乱(DLS)を再び使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。平均粒子直径は、132.3nmであると決定され、PDIは、0.094であると決定された。
蒸発後懸濁液を再び−20℃で一晩凍結してから、解凍し、室温へ平衡化させた。懸濁液には、解凍時に乳白色が観察された。解凍蒸発後懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより20.70mg/mLであると決定された。3.47mLの200mg/mL HSAおよび11.37mLの21.5mg/mLトラスツズマブ(0.9%NaCl生理食塩水中のHerceptin(登録商標))を、7.9mLの蒸発後懸濁液に添加した。混合物を室温で1時間インキュベートした。動的光散乱(DLS)を再び使用して、トラスツズマブを有する懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。平均粒子直径は139.9nmであると決定され、PDIは0.105であると決定された。解凍懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより、7.2mg/mLであると決定された。
トラスツズマブを有する懸濁液を、1.2μmフィルターを使用して濾過した。動的光散乱(DLS)を再び使用して、濾過懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。平均粒子直径は136.9nmであると決定され、PDIは0.119であると決定された。解凍懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより、7.1mg/mLであると決定された。濾過懸濁液を、VirTis Genesis EL25棚式凍結乾燥機(SP Industries、Gardiner、NY)を使用して、4つの2mLアリコートとして凍結乾燥し、−80℃で保管した。
濾過懸濁液の第1の凍結乾燥アリコートを、−80℃から取り出し、室温に平衡化し、2mLの0.9%NaCl生理食塩水で再構成し、室温で24時間インキュベートした。動的光散乱(DLS)を使用して、トラスツズマブを有する懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。平均粒子直径は、141.4nmであると決定され、PDIは、0.081であると決定された。
濾過懸濁液の第2の凍結乾燥アリコートを、−80℃から取り出し、室温に平衡化し、2mLの0.9%NaCl生理食塩水で再構成した。10〜15分後、動的光散乱(DLS)を使用して、トラスツズマブを有する懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。平均粒子直径は、141.8nmであると決定され、PDIは、0.112であると決定された。
(実施例16)
ホモジナイゼーション前にトラスツズマブを水溶液に添加することによる、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)および15mg/mLトラスツズマブを含有する溶液を初期混合物の水溶液に含ませることにより、第1のバッチのナノ粒子組成物を製造した。30mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)および15mg/mLトラスツズマブを含有する溶液を初期混合物の水溶液に含ませることにより、第2のバッチのナノ粒子組成物を製造した。対照として、15mg/mL HSAを使用し、トラスツズマブを使用せずに、第3のバッチのナノ粒子組成物を製造した。
バッチ1。4.01mLの注射用水(WFI)、1.425mLの200mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)、13.57mLの21mg/mLトラスツズマブ(注射用水(WFI)中のHerceptin(登録商標)、および87.3mgのNaClを合わせて、15mg/mL HSAおよび15mg/mLトラスツズマブを含有する19mLの溶液を得た。1.6mLの200mg/mLパクリタキセル(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)を18.4mLのHSA/トラスツズマブ溶液に添加して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、微細エマルジョンを形成した。15mLのWFIをホモジナイザーに添加して微細エマルジョンを薄め、20mLの微細エマルジョンを収集した。結果として得られた蒸発後懸濁液の体積が5.6mLになるまで、微細エマルジョンを、ロータリーエバポレーターにより処理した。動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。DLS測定は、50μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水で希釈することにより、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径は、134.8nmであると決定され、PDIは、0.084であると決定された。
バッチ2。85.5mgのNaClを2.85mLの注射用水(WFI)に溶解して、3%NaCl食塩水溶液を形成した。2.85mLの200mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)および13.57mLの21mg/mLトラスツズマブ(注射用水(WFI)中のHerceptin(登録商標)を、3%NaCl食塩水溶液と合わせて、30mg/mL HSAおよび15mg/mLトラスツズマブを含有する19mLの溶液を得た。1.6mLの200mg/mLパクリタキセル(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)を18.4mLのHSA/トラスツズマブ溶液に添加して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、エマルジョンを形成した。15mLの0.045%NaCl食塩水をホモジナイザーに添加して、微細エマルジョンを薄め、20mLの微細エマルジョンを収集した。結果として得られた蒸発後懸濁液の体積が5.4mLになるまで、微細エマルジョンを、ロータリーエバポレーターにより処理した。バッチ1について記載されているように、動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径は、153.8nmであると決定され、PDIは、0.124であると決定された。
バッチ3。18.4mLの15mg/mL HSAを、1.6mLの200mg/mLパクリタキセル(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)と混合して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、エマルジョンを形成した。15mLの15mg/mLを、ホモジナイザーに添加して微細エマルジョンを薄め、20mLの微細エマルジョンを収集した。結果として得られた蒸発後懸濁液の体積が7.2mLになるまで、微細エマルジョンを、ロータリーエバポレーターにより処理した。バッチ1について記載されているように、動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径は、142.9nmであると決定され、PDIは、0.133であると決定された。
バッチ1、バッチ2、およびバッチ3からの蒸発後懸濁液のパクリタキセル濃度を、RP−HPLCにより測定した。バッチ1からの蒸発後懸濁液中のパクリタキセルの濃度は29.19mg/mLであり、バッチ2からのものは35.59mg/mLであり、およびバッチ3らのものは22.77mg/mLであった。各バッチからの蒸発後懸濁液を、7.00mg/mLのパクリタキセル濃度に到達するように、0.9%NaCl生理食塩水で希釈した。
各バッチからの8mLの希釈蒸発後懸濁液を、2つの遠心分離管に分割した。未使用部分を−20℃で凍結した。試料を、Ti45ローターおよびTeflonインサートを有するBeckman Optima LE−80遠心分離機を使用して、20℃で70分間39,000RPMで遠心分離して、ナノ粒子をペレットにした。上清の上部3mLを各試料から上清1として取り出し、上清の底部約1mLを上清2として取り出した。ペレットを4.0mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)で2回洗浄し、洗浄物1および洗浄物2とした。2つの遠心分離管の第1からのペレットを、3.0mLエタノールに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理して、ペレットからパクリタキセルを抽出した。試料を再び遠心分離し、上清をペレット1として取り出した。2つの遠心分離管の第2からのペレットを、4.0mLのPBSに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理して、ペレット2として取り出した。試料を、パクリタキセル含有量についてはRP−HPLCにより、HSAまたはトラスツズマブ含有量についてはSEC−HPLCにより分析した。これらの結果を、表8および9に示す。
(実施例17)
凍結乾燥前にトラスツズマブを添加することによる、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
36.8mLの50mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)を、3.2mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)と混合して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、微細エマルジョンを形成した。20mLの50mg/mL HSA溶液をホモジナイザーに添加して、微細エマルジョンを薄め、43mLの微細エマルジョンを収集した。エマルジョンを、直ちにロータリーエバポレーターに移し、体積を、11.5mLの蒸発後懸濁液体積に低減した。動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。DLS測定は、50μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水で希釈することにより、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径は、149.1nmであると決定され、PDIは、0.151であると決定された。蒸発後懸濁液のパクリタキセル濃度はRP−HPLCにより35.79mg/mLであると決定され、蒸発後懸濁液のHSA濃度は、SEC−HPLCにより126.0mg/mLであると決定された。蒸発後懸濁液を、2つの別々のバッチで以下のようにさらに処理した。
バッチ1。4.60mLの蒸発後懸濁液を、0.888mLの181.63mg/mL HSA(注射用水(WFI)中)および10.98mLの2.7mg/mL NaClと混合して、1:4.5のパクリタキセル:アルブミン比を含有する(およびトラスツズマブを含有しない)16.46mLの最終溶液を形成した。
バッチ2。4.60mLの蒸発後懸濁液を、0.888mLの181.63mg/mL HSA(WFI中)および10.98mLの22.5mg/mLトラスツズマブ(2.7mg/mL NaClに再構成したHerceptin(登録商標))と混合して、1:4.5:1.5のパクリタキセル:アルブミン:トラスツズマブ比を含有する16.46mLの最終溶液を形成した。
バッチ1またはバッチ2の4mLアリコートをバイアルに分配し、VirTis Genesis EL25棚式凍結乾燥機(SP Industries、Gardiner、NY)を使用して凍結乾燥した。
(実施例18)
凍結乾燥前にトラスツズマブを添加することによる、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子の製造
36.8mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)を、3.2mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(90/10のCHCl3/エタノールに溶解)と混合して、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiにて数回のサイクルでホモジナイズして、微細エマルジョンを形成した。20mLの15mg/mL HSA溶液をホモジナイザーに添加して、微細エマルジョンを薄め、約40mLの微細エマルジョンを収集した。エマルジョンを、直ちにロータリーエバポレーターに移し、体積を、9.9mLの蒸発後懸濁液体積に低減した。動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。DLS測定は、50μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水で希釈することにより、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径は、161.8nmであると決定され、PDIは、0.118であると決定された。蒸発後懸濁液のパクリタキセル濃度はRP−HPLCにより42.43mg/mLであると決定され、蒸発後懸濁液のHSA濃度は、SEC−HPLCにより50.33mg/mLであると決定された。蒸発後懸濁液を、2つの別々のバッチで以下のようにさらに処理した。
バッチ1。3.90mLの蒸発後懸濁液を、1.62mLの32.14mg/mL HSA(注射用水(WFI)中)および11.03mLの2.7mg/mL NaClと混合して、1:4.5のパクリタキセル:アルブミン比を含有する(およびトラスツズマブを含有しない)16.55mLの最終溶液を形成した。
バッチ2。3.90mLの蒸発後懸濁液を、1.62mLの32.14mg/mL HSA(WFI中)および11.03mLの22.5mg/mLトラスツズマブ(2.7mg/mL NaClに再構成したHerceptin(登録商標))と混合して、1:1.5:1.5のパクリタキセル:アルブミン:トラスツズマブ比を含有する16.55mLの最終溶液を形成した。
バッチ1またはバッチ2の4mLアリコートをバイアルに分配し、VirTis Genesis EL25棚式凍結乾燥機(SP Industries、Gardiner、NY)を使用して凍結乾燥した。
(実施例19)
nab−パクリタキセルおよびトラスツズマブの時間経過混和物と比較した、凍結乾燥前にトラスツズマブを添加することにより製造した、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたナノ粒子
この実施例では、表10に記載されている特徴を有する凍結乾燥ナノ粒子を使用した。
5.4mg/mL NaClに溶解した4mLの15mg/mLトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))を、試料1および試料3からのバイアルに添加した。試料を、10分間インキュベートしてから、試料を特徴付けおよび遠心分離したか、70分間インキュベートしてから試料を特徴付けおよび遠心分離したか、または250分間インキュベートしてから試料を特徴付けおよび遠心分離した。4mLの7.2mg/mL NaClを試料2および試料4に添加した。試料を室温で10分間インキュベートしてから、特徴付けおよび遠心分離した。試料の特徴付けは、凝固点降下(Advanced Micro浸透圧計モデル3300(Advanced Instruments,Inc.))によるオスモル濃度、動的光散乱(Zetasizer nano ZS、Malvern Instruments、Westborough、MA)による平均粒径(直径)および多分散性指数(PDI)、パクリタキセル含有量(RP−HPLC)、ならびにHSAおよびトラスツズマブ(Tz)含有量(SEC−HPLC)を決定することを含んでいた。粒径(Z平均直径)、PDI、およびオスモル濃度を、表11に示す。
遠心分離分析では、3.6mLの試料を、Ti45ローターおよびTeflonインサートを有するBeckman Optima LE−80遠心分離機を使用して、20℃で70分間39,000RPMで遠心分離して、ナノ粒子をペレットにした。各試料から上清を取り出した。ペレットを4.0mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)で2回洗浄し、洗浄物1および洗浄物2とした。ペレットを、3.0mLのエタノールに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理して、ペレットからパクリタキセルを抽出した。試料を再び遠心分離し、上清をペレット1として取り出した。他の遠心分離管中のペレットを、4.0mLのPBSに再懸濁し、ボルテックスし、超音波処理し、ペレット2として取り出した。各画分中のパクリタキセルの量をRP−HPLCにより決定し、各画分中のHSAおよびトラスツズマブ(Tz)の量をSEC−HPLCにより決定した。結果を、表12に示す。
(実施例20)
ホモジナイゼーション後にトラスツズマブをエマルジョンに添加することによる、トラスツズマブ、パクリタキセル、およびアルブミンが埋め込まれたin vivo投与用のナノ粒子の製造
27.6mLの15mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液(水中)を、2.4mLの200mg/mLパクリタキセル溶液(CHCl3およびエタノールの90/10混合物)と混合しながら合わせて、混合物を形成した。混合物を、Avestinホモジナイザーに移し、20〜22kpsiでホモジナイズした。追加の5mLの15mg/mL HSAを使用して、混合物を保持するコンテナーを洗浄し、それをホモジナイザーに添加した。混合物を、数回のサイクルでホモジナイザーに通してから、追加の20mLの15mg/mL HSAをホモジナイザーに添加して、エマルジョンを薄めた。合計42mLの微細エマルジョンを収集した。1.2mLの21mg/mLトラスツズマブ(0.9%NaCl食塩水中のHerceptin(登録商標))および10mLの0.9%NaCl食塩水を微細エマルジョンと合わせてから、微細エマルジョンを回転蒸発に供した。蒸発後懸濁液の体積を約10mLに低減したら、蒸発後懸濁液をシンチレーションバイアルに移した。ロータリーエバポレーターフラスコを1.5mLアリコートの注射用水(WFI)で2回洗浄し、それらを、シンチレーションバイアルに添加し、12.5mLの最終体積の蒸発後懸濁液を生成した。
動的光散乱(DLS)を使用して、蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)および多分散性指数(PDI)を測定した。DLS測定は、50μLの蒸発後懸濁液を1.5mLの0.9%NaCl生理食塩水で希釈することにより、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments、Westborough、MA)を使用して実施した。蒸発後懸濁液の平均粒子直径(Z平均)は、149.1nmであると決定され、PDIは、0.133であると決定された。蒸発後懸濁液のパクリタキセル濃度はRP−HPLCにより28.7mg/mLであると決定され、蒸発後懸濁液のHSAおよびトラスツズマブ濃度は、SEC−HPLCによりそれぞれ41.61mg/mLおよび2.07mg/mLであると決定された。次いで、蒸発後懸濁液を、5℃で一晩保管した。
蒸発後懸濁液を、冷却保管から取り出し、室温へ平衡化させた。11.27mlの200mg/mL HSAおよび34.03mLの0.9%NaCl食塩水を、12mLの蒸発後懸濁液と混合して、57.3mLの体積を得た。希釈懸濁液を、一連の滅菌フィルターを使用して濾過して、49.7mLの濾過後体積を得た。DLSにより、濾過懸濁液の平均粒子直径(Z平均)は、149.2nmであると決定され、PDIは、0.13であると決定された。濾過懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより5.693mg/mLであると決定された。
0.32mLの21mg/mLトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))および6.56mLの0.9%NaCl食塩水を、49.7mLの濾過懸濁液に添加して、5mg/mLパクリタキセルおよび0.5mg/mLトラスツズマブを含有する56.58mLの懸濁液を得、穏やかに混合し、室温で10分間インキュベートした。較正された濾過懸濁液を再び分析した。DLSにより、平均粒子直径(Z平均)は、149nmであると決定され、PDIは、0.13であると決定された。濾過懸濁液のパクリタキセル濃度は、RP−HPLCにより5.4mg/mLであると決定された。トラスツズマブ濃度は、SEC−HPLCにより0.5mg/mLであると決定された。オスモル濃度は、288mOsmである決定された。懸濁液を、3mLアリコートに分配し、−80℃で保管した。
(実施例21)
コンジュゲーション製剤特徴付け方法
以下の実施例における免疫ブロット、SDS−PAGEゲル、およびELISAアッセイは、別様の指示がない限り、この実施例に詳述されているプロトコールに従って実施される。
未変性ゲル免疫ブロット
このプロトコールで使用した材料としては、試料緩衝剤:Novex(商標)Tris−グリシン未変性試料緩衝剤(2×)(カタログ番号LC2673);ランニング緩衝剤:Novex(商標)Tris−グリシン未変性ランニング緩衝剤(10×)(カタログ番号LC2672);タンパク質ゲル:NuPAGE(商標)3〜8%Tris−酢酸タンパク質ゲル、1.0mm、10ウェル(カタログ番号EA0375BOX);およびウエスタンブロットキット:Trans−Blot Turbo RTA Mini Nitrocellulose Transferキット(カタログ番号1704270)が含まれた。
試料を、PBSで0.1〜2mg/μLの濃度範囲に希釈した。希釈試料を、tris−グリシン未変性試料緩衝剤で1:1(v/v)混合し、次いで、短時間ボルテックスした。1つのタンパク質ゲルを有するゲルタンクを準備した(試料の数によっては、2つのタンパク質ゲルを使用してもよい)。試料をウェルにローディングした(1ウェル当たり約16〜20μL)。ゲルを、200V、120mAで90分間流した。ゲルを流した後、ゲルを、そのケースから取り出し、水で洗浄した。
ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に移した。膜をTBSTで洗浄し、20mLのLicorブロッキング溶液中で、1時間室温でインキュベートした。次いで、膜をTBSTで3回洗浄し、抗HSA(1:5000、マウス)および抗ヒトIgG(1:5000、ウサギ)一次抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。(任意選択で、このインキュベーションは、室温にて1時間で実施することができた可能性がある。)
膜を、TBSTで3回洗浄した(各回、5分間インキュベートした)。膜を、抗マウス(1:20000、680nm)および抗ウサギ(1:20000、800nm)と共に室温で45分間インキュベートした。
膜を、TBSTで3回洗浄した(各回、5分間インキュベートした)。膜を、脱イオン水で短時間洗浄し、次いでLicorで画像化した。
SDS−PAGE免疫ブロット
このプロトコールで使用した材料としては、SDSランニング緩衝剤:LDS試料緩衝剤、非還元(4×)(カタログ番号84788);ゲルランニング緩衝剤:Novex(商標)MOPS SDSランニング緩衝剤(20×)(カタログ番号NP0001);ゲルランニング緩衝剤:Novex(商標)Tris−酢酸SDSランニング緩衝剤(20×)(カタログ番号LA0041);タンパク質ゲル:NuPAGE(商標)3〜8%Tris−酢酸タンパク質ゲル、1.0mm、10ウェル(カタログ番号EA0375BOX);タンパク質ゲル:NuPAGE(商標)4〜12%、1.0mm、10ウェル(カタログ番号NP0321PK2);およびウエスタンブロットキット:Trans−Blot Turbo RTA Mini Nitrocellulose Transferキット(カタログ番号1704270)が含まれた。
試料を、PBSで1〜2mg/mLの濃度範囲に希釈した。250mM NEM溶液を調製した(1mL水中31μgのNEM)。SDS−PAGE(非還元)マスターミックスを調製した(60μLの1×SDSランニング緩衝剤+100μLの4×SDSローディング緩衝剤+40μLの250mM NEM)。希釈タンパク質試料を、マスターミックスで1:1(v/v)混合し、次いで、短時間ボルテックスした。試料を、70℃で10分間インキュベートした。
1つのタンパク質ゲルを有するゲルタンクを準備した(試料の数によっては、2つのタンパク質ゲルを使用してもよい)。試料をウェルにローディングした(1ウェル当たり約16〜20μL)。ゲルを、200V、120mAで45分間流した。ゲルを流した後、ゲルを、そのケースから取り出して、水で洗浄した。
ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に移した。膜をTBSTで洗浄し、20mLのLicorブロッキング溶液中で、1時間室温でインキュベートした。次いで、膜をTBSTで3回洗浄し、抗HSA(1:5000、マウス)および抗ヒトIgG(1:5000、ウサギ)一次抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。任意選択で、このインキュベーションは、室温にて1時間で実施することができた可能性がある。
膜を、TBSTで3回洗浄した(各回、5分間インキュベートした)。膜を、抗マウス(1:20000、680nm)および抗ウサギ(1:20000、800nm)と共に室温で45分間インキュベートした。
膜を、TBSTで3回洗浄した(各回、5分間インキュベートした)。膜を、脱イオン水で短時間洗浄し、次いでLicorで画像化した。
ELISA
このプロトコールで使用した材料としては、ELISAアッセイキット(#IG−AA105、Eagle Bioscience)が含まれた。
提供された標準試料を希釈して、100ng/mL、60ng/mL、20ng/mL、6ng/mL、およびブランクの標準物質を生成した。Mabコンジュゲート粒子溶液を、様々な形式の試料に応じて、希釈緩衝剤により1:1000〜1:10000に直接希釈した。
100μLのアッセイ緩衝剤を、使用しようとするウェルの各々にピペットした。100μLの標準物質または試料を、マイクロタイタープレートのそれぞれのウェルにピペットした。プレートを接着シールで覆い、室温で60分間インキュベートした。
接着シールを取り外し、インキュベーション溶液をデカントした。プレートを、1ウェル当たり3×300μLの洗浄緩衝剤で洗浄した。ペーパータオル上に逆さまにしたプレートを軽くタッピングすることにより、過剰な溶液を除去した。100μLの酵素コンジュゲートを、各ウェルにピペットした。プレートを接着シールで覆い、室温で30分間インキュベートした。
接着シールを取り外し、インキュベーション溶液をデカントした。プレートを、1ウェル当たり3×300μLの洗浄緩衝剤で洗浄した。ペーパータオル上に逆さまにしたプレートを軽くタッピングすることにより、過剰な溶液を除去した。100μLのTMB基質溶液を、各ウェルにピペットした。プレートを接着シールで覆い、暗所で20分間インキュベートした。
接着シールを取り外し、100μLの停止液を、各ウェルにピペットした。停止液をピペットした後、吸光度を測定した(450nm)。
(実施例22)
SM(PEG)6活性化トラスツズマブによるトラスツズマブおよび遊離ヒト血清アルブミンのコンジュゲーション
この例に記載されている抗体および遊離ヒト血清アルブミン(HSA)のコンジュゲーションの概略図を、図13に示す。生理食塩水中1mLの21mg/mLHerceptin(登録商標)を、15mL遠心濃縮器(MWカットオフ30,000KDa)に等分した。遠心濃縮器を100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)で満たし、3750rpmで35分間遠心分離した。遠心濃縮器をもう一度リン酸緩衝剤(pH6.6)で満たし、3750rpmで35分間遠心分離した。結果として得られたトラスツズマブ溶液をファルコン管にピペットし、2mLの総体積に希釈した。トラスツズマブ溶液濃度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定し、必要に応じて10.5mg/mLに調整した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃から取り出し、室温で1時間加温した。122μLのジメチルスルホキシド(DMSO)を、8.3mgのSM(PEG)6に添加した(112mM終濃度)。リンカーが完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。1mLのトラスツズマブ溶液をエッペンドルフ管に等分した。各管に、3.4μLのリンカー溶液をゆっくりと添加した(リンカー:トラスツズマブの化学量論比は、5:1であった)。溶液を光から依然として保護しつつ、リンカー/トラスツズマブ溶液を、振盪機で2時間反応させた。5mL脱塩カラムを、リン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄した(各遠心分離は1,000RCFで6分間)。リンカー/トラスツズマブ溶液を、脱塩カラムで濾過して、任意の未反応リンカーを除去した。活性化トラスツズマブ溶液を収集し、0.8mLアリコートをエッペンドルフ管にピペットした。200μLの200mg/mL(3mM)ヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、4mL遠心濃縮器(MWカットオフ10,000kDa)内で4mLに希釈した。試料を、製造業者の使用説明書に従って20分間遠心分離した。この希釈および遠心分離をもう一度繰り返した。結果として得られた溶液をファルコン管にピペットし、0.8mLの最終体積に希釈した。続いて、0.8mLの活性化トラスツズマブ溶液(0.07mM)を、0.8mLのHSA溶液(0.75mM)に添加した。溶液を一晩インキュベートした。
同様のプロトコールを使用し、種々のリンカーローディング比およびリンカー反応条件(コンジュゲーション反応の様々なpH条件など)を使用して、活性化トラスツズマブをさらに生成した。リン酸緩衝剤(pH6.6)および10×リンカーローディングを使用してSM(PEG)6と架橋した活性化トラスツズマブについて、SEC分析を実施した。pH6.6および10×リンカーローディングでは、トラスツズマブ凝集は、総抗体量の約2%未満であった。PBS食塩水(pH7.4)および20×リンカーローディングを使用してSM(PEG)6と架橋した活性化トラスツズマブについても、SEC分析を実施した。pH7.4および20×リンカーローディングでは、トラスツズマブ凝集は、総抗体量の約30%であった。
SM(PEG)6活性化トラスツズマブおよび非コンジュゲートトラスツズマブを比較するために、SEC分析を実施した。SM(PEG)6およびトラスツズマブを10:1比で使用した場合、コンジュゲーションは、高分子量(HMW)種のトラスツズマブの量を大幅に増加させなかった(トラスツズマブ:総抗体の0.6%がHMW;SM(PEG)6活性化トラスツズマブ:総抗体の1.7%がHMW)。
図14A〜14Cは、トラスツズマブ(図14A)、1:5のトラスツズマブ:リンカー比を使用したSM(PEG)6活性化トラスツズマブ(図14B)、および1:10のトラスツズマブ:リンカー比を使用したSM(PEG)6活性化トラスツズマブ(図14C)のデコンボリューション質量スペクトルを示す。SM(PEG)6コンジュゲーションをしなかったトラスツズマブを表す同位体クラスターが示されており(1:0;トラスツズマブ:SM(PEG)6)、トラスツズマブのN−グリカンは切断されなかったことが観察された(図14A)。1:5のトラスツズマブ:リンカー比を使用すると、活性化トラスツズマブの最も代表的な種は、1:0、1:1、1:2、および1:3である(トラスツズマブ:SM(PEG)6)(図14B)。1:10のトラスツズマブ:リンカー比を使用すると、活性化トラスツズマブの最も代表的な種は、1:1、1:2、1:3、および1:4である(トラスツズマブ:SM(PEG)6)(図14C)。
トラスツズマブおよびHSAの1:1 SM(PEG)6コンジュゲートを、SECを使用して単離した(図15;コンジュゲート、トラスツズマブ、およびHSAの分離ピークを示す)。コンジュゲートの質量は、質量分析を使用して215498.52Daと確認された。
5:1および10:1のリンカー:抗体反応比からのSM(PEG)6トラスツズマブ−HSAコンジュゲートを、SDS−PAGEゲルにより確認し、これは、1:1のトラスツズマブ:HSA、ならびに例えば1:2および1:3を含むより高次のコンジュゲートの存在を示した(図16)。トラスツズマブ:HSAコンジュゲートを、免疫ブロットにより確認した(データは示さず)。
未変性ゲルを実施して、SM(PEG)6コンジュゲートトラスツズマブの試料を分析した(図17)。トラスツズマブのpIは8.5であり、トラスツズマブは、コンジュゲートしていない限り、ゲルに遊走しない(レーンD;図17)。レーンAでは、1:1のトラスツズマブ−HSAコンジュゲートを、矢印で示す(図17)。レーンBおよびCは、それぞれ、10:1のリンカー:抗体比および5:1のリンカー:抗体比を示す(アルブミンとコンジュゲーションしていない)(図17)。
(実施例23)
SM(PEG)6活性化トラスツズマブによる、トラスツズマブおよび単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
この実施例に記載されている、活性化抗体および単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーションの概略図を、図18に示す。このプロトコールで使用された材料は以下の通りであった:(a)nab−パクリタキセル(100mgのパクリタキセルバイアル、ロット番号013397);(b) Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、440mgのバイアル、21mg/mL、ロット番号3157971);(c)生理食塩水、USP等級(RMBIO ロット番号20607161);(d)MilliQ水、18.4MOhms・cmおよび4ppb TOC;(e)シンチレーションバイアル(VWR、20mL使い捨てシンチレーションバイアル);(f)15mLポリプロピレンコニカル管(Falcon、P/N352097);(g)Zepaスピン脱塩カラム7K MWCO、5mLs(カタログ番号89892、ロット番号SC245087);(h)DMSO(Sigma、カタログ番号D2438−50mL、ロット番号RNBG0012);(i)SM(PEG)6(Thermo Scientific、カタログ番号22105、ロット番号SD249151);ならびに(j)リン酸緩衝食塩水錠剤(Sigma、カタログ番号P4417−50TAB、ロット番号SLBS4223)。
nab−パクリタキセルナノ粒子を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)の1つのバイアルから単離した。20mLの生理食塩水をバイアルに添加してナノ粒子を再構成し、1.2mLの再構成nab−パクリタキセル製剤を、エッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管を、穏やかに20分間混合した。RP−HPLCを使用してパクリタキセル含有量を決定し、粒径を測定するために、1つのエッペンドルフ管を使用した。残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去した。0.6mLの生理食塩水を残留ペレットに添加して、ナノ粒子を再構成した(パクリタキセルの終濃度は10mg/mL)。
生理食塩水を使用して、21mg/mL Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ)溶液を調製した。1.2mLのHerceptin(登録商標)溶液を2つの15mL遠心濃縮器に等分した。無エンドトキシン水を使用して100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製し、濾過した。遠心濃縮器をpH6.6リン酸緩衝剤で満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。これを1回繰り返した。残留トラスツズマブ溶液を、15mLファルコン管にピペットし、2.4mLの総体積に希釈した。トラスツズマブ濃度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。トラスツズマブ濃度を、必要に応じて10.5mg/mLに調整した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃の冷凍庫から取り出し、1時間室温に加温した。2mLの無菌DMSO溶液をエッペンドルフ管に等分した。1.51mLのDMSOを、このエッペンドルフ管から、100mgのSM(PEG)6を含有するバイアルに移した(112mM終濃度)。リンカーがDMSOに完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
1mLの10.5mg/mLトラスツズマブ溶液をエッペンドルフ管に等分した。1mLのトラスツズマブ溶液を含有する各エッペンドルフ管に、5.1μLのリンカー溶液をゆっくりと添加した(リンカーの抗体に対する比は、7.5:1であり、15:1よりも大きな比を使用すると、抗体凝集が引き起こされた)。この手順中、溶液を光から保護した。光から依然として保護しつつ、リンカー/抗体溶液を、振盪機で2時間反応させた。粒径は、動的光散乱により157nmであると決定された。
5mL脱塩カラムを、リン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄した(各遠心分離は1000Gで5分間)。活性化抗体溶液を、脱塩カラムで濾過して、未反応リンカーを除去した。濾液を収集し、プールした。トラスツズマブおよびリンカーの比を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)により決定した。600μLの活性化トラスツズマブを、600μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。次いで、溶液を、4℃で一晩インキュベートした(振盪またはかき回しを回避した)。
コンジュゲーション溶液を冷蔵庫から取り出した。溶液は、エッペンドルフ管の表面に凝集体を有していなかった。
コンジュゲーション溶液を、80分間21,000Gで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去し、各管をPBS食塩水で1回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水(pH7.4)で調製した。800μLの40mg/mL HSA溶液を各管に等分した。次いで、管を20秒間超音波処理し、次いで混合した(ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、このステップを数回繰り返した)。
パクリタキセル含有量を、RP−HPLCにより測定した。次いで、結果として得られた溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
単離nab−パクリタキセルナノ粒子およびトラスツズマブコンジュゲート粒子からの試料について免疫ブロットを実施して、1:1トラスツズマブ−HSAコンジュゲートならびに1:2、1:3、および1:4を含むより高次のコンジュゲートの存在を確認した。免疫ブロットを実施する前に、まず粒子試料を、エタノールに溶解してパクリタキセルを可溶化し、次いで、10,000RCFで遠心分離した。結果として得られたペレットを、免疫ブロット分析のためにPBSに再懸濁した。
トラスツズマブへのコンジュゲーション前後の単離nab−パクリタキセルナノ粒子からの粒子のアルブミン異性体プロファイル(例えば、アルブミン単量体の量)を、SECを使用して決定した。単離nab−パクリタキセルナノ粒子およびトラスツズマブとコンジュゲートした単離nab−パクリタキセル粒子についての、アルブミン単量体の総アルブミンに対する比を、表13に提供する。
単離nab−パクリタキセルナノ粒子のアリコート、および粒子単離無しのnab−パクリタキセル(paclitxel)製剤(ABX)のアリコートへのSM(PEG)6のコンジュゲーションの比較を実施した。コンジュゲーション反応および標準物質からの試料のSDS−PAGEゲルを、図20に示し、ここで、レーン1、2、および3は、トラスツズマブ−HSAコンジュゲートの存在を示す。レーン3および5の比較は、1:1トラスツズマブ:HSAコンジュゲートならびにより高次のコンジュゲートを含む、本明細書に記載されている方法を使用したトラスツズマブのHSAコンジュゲーションの存在を示す。免疫ブロットを実施し、より高次のトラスツズマブ:HSAコンジュゲートを含むトラスツズマブ:HSAコンジュゲートの存在を確認した。
(実施例24)
異なるスペーサー長を有するリンカーを使用した、抗体および単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
この実施例は、SM(PEG)6(32.6オングストローム)、SM(PEG)2(17.5オングストローム)、およびSMCC(8オングストローム)活性化抗体による、抗体および単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーションを示す。
コンジュゲート粒子を、示されているリンカーを使用した以外は、実質的に実施例23に記載されているように調製した。10mg/mL抗体−リンカーコンジュゲート(5:1のリンカーと抗体との比で調製した)を、食塩水中10mg/mLの再構成nab−パクリタキセルに添加した。ELISAを使用して抗体濃度を測定し、遠心分離および5%HSAでの再懸濁後、RP−HPLCを使用してパクリタキセル含有量を測定した。ナノ粒子製剤のパクリタキセル/トラスツズマブ(Tz)質量比は、表14に報告する。
nab−パクリタキセル粒子表面の総遊離スルフヒドリル基は、4.5mg/mL nab−パクリタキセル懸濁液では0.66μMと測定された。これは、4%モル比のHSAを表す(未変性遊離HSAは、40%遊離スルフヒドリルを含有する)。
(実施例25)
単離nab−パクリタキセルナノ粒子の活性化およびトラスツズマブの活性化による、トラスツズマブおよび単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
この実施例に記載されている、活性化抗体およびチオール化単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーションの概略図を、図19に示す。
nab−パクリタキセル製剤からナノ粒子を単離するために、20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)の1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル製剤を、1.5mLエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管を、穏やかに20分間混合した。RP−HPLCを使用してパクリタキセル含有量を決定し、粒径を測定するために、1つのエッペンドルフ管を使用した。平均粒径は147nmであった。残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去した。結果として得られたペレットに、500μL酢酸ナトリウム(pH8.0)および150mM塩化ナトリウムを添加して、ナノ粒子を再構成した(nab−パクリタキセル粒子濃度は、10mg/mLパクリタキセルであった。2.5mg/mL(0.0376mM)HSAを含有していた)。
Traut試薬を、2mg/mL(14.5mM)の濃度でWFIに溶解した。所望のチオール化度に応じて、15μL〜60μLのTraut試薬(リンカー:HSA比は、それぞれ10:1〜40:1)を、単離ナノ粒子溶液にゆっくりと添加し、4℃で70分間反応させた。2.4μLの500mM EDTA(pH8.0)を添加し、4℃で10分間インキュベートした。試料を、4℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。管を遠心分離機から取り出し、デカントし、PBS食塩水で2回洗浄した。単離活性化nab−パクリタキセル粒子を、500μLのPBS食塩水に再懸濁し、1分間超音波処理して、粒子を再懸濁した。粒径は、150nmと測定された。
異なる化学量論のTraut試薬による単離nab−パクリタキセル粒子のチオール化後、粒子を、タンパク質チオ蛍光検出キット(Invitrogen)により分析した。4.6mg/mLのパクリタキセル濃度を有するナノ粒子について、チオール基の濃度を決定した(表15)。
生理食塩水を使用して、21mg/mL Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ)溶液を調製した。1mLのHerceptin(登録商標)溶液を、各15mL遠心濃縮器に等分した。無エンドトキシン水を使用して100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製し、濾過した。遠心濃縮器をリン酸緩衝剤(pH6.6)で満たし、3750rpmで35分間遠心分離した。これを1回繰り返した。残留溶液を、15mLファルコン管にピペットし、2.4mLの総体積に希釈した。トラスツズマブ濃度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。トラスツズマブ濃度を、必要に応じて10.5mg/mLに調整した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃の冷凍庫から取り出し、1時間室温に加温した。2mLの無菌DMSO溶液をエッペンドルフ管に等分した。122μLのDMSOを、このエッペンドルフ管から、8.3mgのSM(PEG)6を含有するバイアルに移した(112mM終濃度)。リンカーがDMSOに完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
1mLのトラスツズマブ溶液を、各エッペンドルフ管に等分した。3.4μLのSM(PEG)6リンカー溶液を、1mLのトラスツズマブを含有する各管にゆっくりと添加した。この手順中、溶液を光から保護した。光から依然として保護しつつ、リンカー/抗体溶液を、振盪機で2時間反応させた。
5mL脱塩カラムを、リン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄した(各遠心分離は1000Gで6分間)。活性化抗体溶液を、脱塩カラムで濾過して、未反応リンカーを除去した。濾液を収集し、プールした。トラスツズマブおよびリンカーの比を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)により決定した。
500μLの活性化トラスツズマブを、500μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。次いで、溶液を、4℃で一晩インキュベートした(振盪またはかき回しを回避した)。
コンジュゲーション溶液を、4℃から取り出した。溶液は、エッペンドルフ管の表面に凝集体を有していなかった。粒径を測定した。10:1チオール化リンカーの平均粒径:HSAは159nmであり、20:1チオール化リンカー:HSAは166nmであり、30:1チオール化リンカー:HSAは215.9nmであり、40:1チオール化リンカー:HSAは734.1nmであった。
コンジュゲーション溶液を、80分間21,000Gで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去し、各管をPBS食塩水で2回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水で調製した。800μLの40mg/mL HSA溶液を各管に等分した。次いで、管を20秒間超音波処理し、混合した(ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、このステップを数回繰り返した)。
パクリタキセル含有量を、RP−HPLCを使用して測定した。次いで、パクリタキセル濃度を、必要とされる濃度に従って調整した。最終製剤の粒径およびパクリタキセル濃度を測定した。10:1チオール化リンカーの平均粒径:HSAは159.8nmであり、20:1チオール化リンカー:HSAは171.5nmであり、30:1チオール化リンカー:HSAは175.8nmであり、40:1チオール化リンカー:HSAは196.4nmであった。次いで、結果として得られた溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
最終コンジュゲートトラスツズマブ(Tz)濃度を、ELISAにより測定し、パクリタキセル(PTX)濃度を、RP−HPLCにより測定した。(表16)。
(実施例26)
銅フリークリックケミストリーを使用した、トラスツズマブおよび単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
銅フリークリックケミストリーを使用した、抗体および単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーションの概略図を、図21に示す。
nab−パクリタキセル組成物からナノ粒子を単離するために、20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル(100mgパクリタキセル)の1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル製剤を、16個のエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管を、穏やかに20分間混合した。RP−HPLCを使用してパクリタキセル含有量を決定するために、1つのエッペンドルフ管をHPLCアッセイに使用した。残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去した。結果として得られたペレットに、600μLのPBS(pH7.4)を添加して、ナノ粒子を再構成した(nab−パクリタキセル濃度は、約10mg/mLパクリタキセルであった)。
29mMジアリールシクロオクチン(DBCO)−PEG5−NHS溶液を、150μLのDMSO中に3mgのリンカー試薬を溶解することにより製作した。15μL(20:1;リンカー:HSA)または30μL(40:1;リンカー:HSA)のいずれかのDBCO溶液を、単離ナノ粒子の各アリコートに添加し、室温で70分間の懸濁液を反応させて。次いで、試料を、4℃で70分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、試料をデカントして上清を除去し、PBS食塩水で2回洗浄した。500μLのPBS食塩水をペレット化されたナノ粒子に添加し、次いで、試料を超音波処理してナノ粒子を再懸濁した。
生理食塩水を使用して、21mg/mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブ)溶液を調製した。6mLの抗体溶液を、2つの15mL遠心濃縮器に等分した。遠心濃縮器を100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)で満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。これを1回繰り返した。残留トラスツズマブ溶液を、15mLファルコン管にピペットし、12mLの総体積に希釈した。トラスツズマブ濃度を、必要に応じて10.5mg/mLに調整した。
アジド−PEG5−NHSを、−20℃から取り出し、室温に1時間加温した。4.03mgのアジド−PEG5−NHSをバイアルに秤量し、82μLのDMSOを添加した(112mM溶液)。リンカーが完全に溶解するまで、溶液をボルテックスした。
1.5mLの抗体溶液を別々の管に等分した。5.1μL(5:1 リンカー:抗体比)または10.2μL(10:1 リンカー:抗体比)のいずれかを、抗体溶液を含有する各管にゆっくりと添加した。溶液を、2時間振盪機で反応させた。
2つの5mL脱塩カラムを、リン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄した(各遠心分離は1000Gで6分間)。活性化抗体溶液を、脱塩カラムで濾過して、未反応リンカーを除去した。濾液を収集し、プールした。トラスツズマブおよびリンカーの比を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)により決定した。
500μLの活性化トラスツズマブを、500μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。溶液を室温で30分間インキュベートし、次いで4℃で一晩インキュベートした。コンジュゲーション溶液を、4℃から取り出した。溶液は、エッペンドルフ管の表面に凝集体を有していなかった。粒径を測定した。
コンジュゲーション溶液を、80分間21,000Gで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去し、各管をPBS食塩水で2回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水で調製した。800μLの40mg/mL HSA溶液を各管に等分した。次いで、ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、管を超音波処理した。次いで、結果として得られた溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
粒径は169nmであると決定された。粒子と会合した最終パクリタキセル濃度は、5.73mg/mL(RP−HPLC)であると決定され、最終トラスツズマブ濃度は、0.11mg/mLであると決定された。
(実施例27)
ボロン酸修飾nab−パクリタキセル
この実施例に記載されている、単離nab−パクリタキセル粒子のボロン酸修飾の概略図を、図22に示す。活性化NHSエステルを調製するために、4−(2−カルボキシエチル)ベンゼンボロン酸(16mg、82.4μmol、MW=193.99)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、17.04mg、82.4μmol)、およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS、9.52mg、82.4μmol)を、1mLのDMFに溶解し、室温で2時間撹拌した。
粒子を600μLのPBS緩衝剤(pH7.4)に再懸濁して、10mg/mLナノ粒子懸濁液を製作した。
3つの比の活性化NHSエステルを試験した(20:1、40:1、および80:1のNHSエステル対表面アルブミン、ナノ粒子重量の25%がアルブミンによると仮定した)。各比(20:1、40:1、および80:1)に到達するために必要な濃度は、それぞれ0.75mM、1.5mM、および3mMであった。したがって、5.5μL、11μL、および22のNHSエステルを、各エッペンドルフ管(600μLのナノ粒子懸濁液を含有する)に添加して、20:1、40:1、および80:1の比を製作した。反応物を室温で2時間インキュベートし、次いで、管を、70分間21,000RCFで遠心分離した。ペレットを3回洗浄してから、500μLのPBS緩衝剤(pH7.4)に再懸濁した。
粒子表面のボロン酸の量は、アリザリンレッドSと反応させ、590nmの蛍光シグナルを決定することにより測定した。濃度を、4−(2−カルボキシエチル)ベンゼンボロン酸標準物質と比較した。20:1、40:1、および80:1比の場合、ボロン酸の量は、5mg/mL nab−パクリタキセル当たり、それぞれ1.4mM、2.0mM、および2.6mMと決定された。未修飾ナノ粒子ならびに20:1および40:1修飾ナノ粒子は安定していたが、80:1ナノ粒子は凝集し始めた。
(実施例28)
相補的DNAを使用した、トラスツズマブおよび単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
相補的DNAを使用した、活性化抗体および活性化単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーションの概略図を、図23に示す。手短に述べると、第1の鎖を、nab−パクリタキセルナノ粒子にコンジュゲートさせ、第1の鎖に相補的な第2の鎖を抗体にコンジュゲートさせる。ナノ粒子および抗体を混合することにより、相補鎖の対合を可能にし、それにより抗体をnab−パクリタキセルナノ粒子にコンジュゲートさせる。
一本鎖DNA(ssDNA)を、nab−パクリタキセルの製剤からの単離nab−パクリタキセル粒子にコンジュゲートさせた。20mM TCEP溶液を製作した。3mgのssDNA(5ThioMC6−CACACACACACACACACACA;配列番号1;「CA20」)を秤量し、1mLのddH2Oに溶解した(ssDNAの447μM溶液)。20mM TCEP溶液を、3:7の体積比で447μM ssDNA溶液に添加し、混合し、次いで室温で2時間反応させた。反応混合物を、NAP−10(GE Healthcare Life Science、カタログ番号17−0854−01)を使用して精製した。収集したCA20 ssDNAの測定濃度は、UV分光法(260nm)により決定したところ、216μMであった。
6.83mgのSM(PEG)6を秤量し、0.5mLのDMSO(22.4mM SM(PEG)6溶液)に溶解した。11μLの22.4mM SM(PEG)6溶液を、1.2mLのCA20 ssDNA溶液に添加し、20分間反応させた。
600μLの単離nab−パクリタキセル懸濁液を、エッペンドルフ管に等分した。600μLのCA20−SM(PEG)6を、ナノ粒子溶液の各アリコートに添加した。反応混合物を一晩インキュベートした。
エッペンドルフ管を遠心分離してナノ粒子をペレットにし、上清をデカントした。ペレットを、PBSで3回洗浄した。500μLのPBSを各管に添加し、ペレットを超音波処理により再懸濁した(5秒間、および粒子が再懸濁されるまで繰り返した)。動的光散乱を使用して、粒径を決定した。対照nab−パクリタキセル製剤からのnab−パクリタキセル標準物質の粒径は、152nmであり、CA20コンジュゲートnab−パクリタキセルは、152nmであった。
ssDNAを、Herceptin(登録商標)の製剤からのトラスツズマブにコンジュゲートさせた。4mM TCEP溶液を調製した。ssDNA(5ThioMC6−GTGTGTGTGTGTGTG;配列番号2;「GT15」)をddH2Oに溶解して、500mM ssDNA溶液を製作した。4mM TCEP溶液を、1:2の体積比で500μM ssDNA溶液に添加し、混合し、その後室温で2時間反応させた。反応混合物を、NAP−10(GE Healthcare Life Science、カタログ番号17−0854−01)を使用して精製した。
1mLのHerceptin(登録商標)(生理食塩水で21mg/mLに再構成)を、15mL遠心濃縮器に等分した。PBS緩衝剤(pH7.4)を調製した。遠心濃縮器をPBS緩衝剤で満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。遠心濃縮器をPBSでもう一度満たし、遠心分離した。結果として得られたトラスツズマブ溶液を取り出し、必要に応じて、濃度をPBS緩衝剤で10.5mg/mLに調整した。
6.8mgのSM(PEG)6を秤量し、100μLのDMSOに溶解した(112mM SM(PEG)6溶液)。2.3μLの112mM SM(PEG)6溶液を、500μLのトラスツズマブ溶液に添加し、1.5時間反応させた。脱塩カラムを使用して、未反応リンカーを除去した。
結果として得られた活性化トラスツズマブに、脱保護GT15溶液を添加し、2時間インキュベートした。混合物を遠心濃縮器に添加し、PBS緩衝剤(pH7.4)で満たした。混合物を遠心分離し、通過画分をssDNAの存在について分析した。ssDNAが通過画分に検出されなくなるまで、遠心濃縮器をPBSで再び満たし、5回遠心分離した。
トラスツズマブ−GT15溶液およびCA20−nab−パクリタキセル溶液をエッペンドルフ管中で混合し、2時間インキュベートした。次いで、反応混合物を、21,000RCFで遠心分離した。管を、直ちに遠心分離機から取り出し、上清をデカントし、結果として得られたペレットをPBSで3回洗浄した。ペレットを、PBS中4%HSA溶液に再懸濁し、超音波処理して、粒子を再懸濁させた。コンジュゲート粒子を、−80℃で保管した。
(実施例29)
ベバシズマブおよび単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
この実施例で使用した材料としては、(a)nab−パクリタキセル、100mgのパクリタキセル;(b)Avastin(登録商標)(ベバシズマブ;25mg/mL、ロット番号3039196);(c)生理食塩水(RMBIO、USP等級、ロット番号20607161);(d)MilliQ水(18.4MOhms・cmおよび4ppb TOC);(e)シンチレーションバイアル(VWR、20mL使い捨てシンチレーションバイアル);(f)15mLポリプロピレンコニカル管(Falcon、P/N352097);(g)Zepaスピン脱塩カラム(7K MWCO、5mLs、カタログ番号89892、ロット番号SC245087);(h)DMSO(Sigma、カタログ番号D2438−50mL、ロット番号RNBG0012);(i)SM(PEG)6(Thermo Scientific、カタログ番号22105、ロット番号SD249151);および(j)リン酸緩衝食塩水(PBS)錠剤(Sigma、カタログ番号P4417−50TAB、ロット番号SLBS4223)が挙げられる。
20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)の1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル溶液のアリコートを、4つのエッペンドルフ管に添加した。管をインキュベートし、20分間穏やかに旋回させた。RP−HPLCを使用してパクリタキセル含有量を決定するために、1つの管をパクリタキセルHPLCアッセイの実施に使用した。nab−パクリタキセル懸濁液を含有する残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、各管を直ちに取り出し、各管の上清を除去した。ナノ粒子のペレットを、0.5mLの生理食塩水で穏やかに再構成し、12mg/mLのパクリタキセルの最終ナノ粒子溶液を製作した。
1mLのAvastin(登録商標)(WFIで25mg/mLに再構成)を、15mL遠心濃縮器に等分した。100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製した。遠心濃縮器をリン酸緩衝剤(pH6.6)で満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。遠心濃縮器をリン酸緩衝剤(pH6.6)でもう一度満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。残留ベバシズマブ溶液を、15mLファルコン管にピペットし、2.5mLの総体積に希釈した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して濃度を確認した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃から取り出し、室温で1時間加温した。6.83mgのSM(PEG)6を、100μLのDMSOに溶解した(112mMリンカー溶液)。リンカーが完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
0.5mLのベバシズマブ溶液を、4つのエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管の2つに、1.65μLおよび3.3μLのリンカー溶液をゆっくりと添加して、リンカーと抗体との5:1および10:1モル比を生成した。混和物対照管は、リンカー修飾せずに取っておいた。この手順中、溶液を光から保護した。溶液を、2時間振盪機で反応させた。
脱塩カラムをリン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄することにより、2つの5mL脱塩カラムを調製した(各遠心分離は1000Gで5分間)。次いで、活性化ベバシズマブ溶液をカラムで濾過して、任意の未反応リンカーを除去した。
次いで、500μLの各リンカー比の活性化ベバシズマブ溶液を、500μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。500μLの非活性化ベバシズマブ溶液を、500μLのナノ粒子溶液に添加した。次いで、結果として得られた溶液を、振盪またはかき回し無しに4℃で一晩インキュベートした。
コンジュゲーション溶液を、4℃保管から取り出し(溶液は、表面に凝集体を有しているようには見えなかった)、80分間21,000Gで遠心分離した。次いで、管を、直ちに遠心分離機から取り出し、上清を除去した。各管を、PBS食塩水で3回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水(pH7.4)で調製した。500μLの40mg/mL HSA溶液を、ペレット化されたナノ粒子を含有する各管に添加した。管を、20秒間超音波処理し、混合した。ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、超音波処理ステップを数回繰り返した。特徴付けのための試料を取り出した後、溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
試料の粒径を測定した。平均粒径は以下の通りであった:nab−パクリタキセル、146nm;ベバシズマブ混和物対照、148nm;5:1 リンカー:抗体ベバシズマブナノ粒子、152nm;および10:1 リンカー:抗体ベバシズマブナノ粒子、153nm。
試料のベバシズマブ含有量を、ELISAにより測定し、試料のパクリタキセル含有量を、RP−HPLCにより測定した(表16)。
試料の免疫ブロット分析を実施し、単離nab−パクリタキセルナノ粒子のコンジュゲーション反応から、より高次のコンジュゲートの存在を含む、粒子上におけるベバシズマブおよびHSAのコンジュゲーションを確認した。
(実施例30)
セツキシマブおよび単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
この方法で使用した材料としては、(a)nab−パクリタキセル、100mgパクリタキセル;(b)Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、ロット番号IMG395);(c)生理食塩水(RMBIO、USP等級、ロット番号20607161);(d)MilliQ水(18.4MOhms・cmおよび4ppb TOC);(e)シンチレーションバイアル(VWR、20mL使い捨てシンチレーションバイアル);(f)15mLポリプロピレンコニカル管(Falcon、P/N352097);(g)Zepaスピン脱塩カラム(7K MWCO、5mLs、カタログ番号89892、ロット番号SC245087);(h)DMSO(Sigma、カタログ番号D2438−50mL、ロット番号RNBG0012);(i)SM(PEG)6(Thermo Scientific、カタログ番号22105、ロット番号SD249151);および(j)リン酸緩衝食塩水(PBS)錠剤(Sigma、カタログ番号P4417−50TAB、ロット番号SLBS4223)が挙げられる。
20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物の1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル懸濁液のアリコートを、4つのエッペンドルフ管に添加した。管をインキュベートし、20分間穏やかに旋回させた。RP−HPLCを使用してパクリタキセル含有量を決定するために、1つの管をパクリタキセルHPLCアッセイの実施に使用した。
nab−パクリタキセル懸濁液を含有する残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、各管を直ちに取り出し、各管の上清を除去した。ナノ粒子のペレットを、0.5mLの生理食塩水で穏やかに再構成し、最終12mg/mLナノ粒子溶液を製作した。
1mLのErbitux溶液(WFIで25mg/mLに再構成)を、15mL遠心濃縮器に等分した。100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製した。遠心濃縮器をリン酸緩衝剤(pH6.6)で満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。遠心濃縮器をリン酸緩衝剤(pH6.6)でもう一度満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。残留セツキシマブ溶液を、15mLファルコン管にピペットし、2.5mLの総体積に希釈した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して濃度を確認した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃から取り出し、室温で1時間加温した。6.83mgのSM(PEG)6を、100μLのDMSOに溶解した(112mMリンカー溶液)。リンカーが完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
0.5mLのセツキシマブ溶液を、4つのエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管の2つに、1.65μLおよび3.3μLのリンカー溶液をゆっくりと添加して、リンカーと抗体との5:1および10:1モル比を生成した。混和物対照管は、リンカー修飾せずに取っておいた。この手順中、溶液を光から保護した。溶液を、2時間振盪機で反応させた。
脱塩カラムをリン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄することにより、2つの5mL脱塩カラムを調製した(各遠心分離は1000Gで5分間)。次いで、活性化セツキシマブ溶液をカラムで濾過して、任意の未反応リンカーを除去した。
次いで、500μLの各リンカー比の活性化セツキシマブ溶液を、500μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。500μLの非活性化セツキシマブ溶液を、500μLのナノ粒子溶液に添加した。次いで、結果として得られた溶液を、振盪またはかき回しせずに4℃で一晩インキュベートした。
コンジュゲーション溶液を、冷蔵庫から取り出し(溶液は、表面に凝集体を有しているようには見えなかった)、80分間21,000Gで遠心分離した。次いで、管を、直ちに遠心分離機から取り出し、上清を除去した。各管を、PBS食塩水で3回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水(pH7.4)で調製した。500μLの40mg/mL HSA溶液を、ペレット化されたナノ粒子を含有する各管に添加した。管を20秒間超音波処理し、混合した。ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、超音波処理ステップを数回繰り返した。
特徴付けのための試料を取り出した後、溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
試料の粒径を測定した。平均粒径は以下の通りであった:nab−パクリタキセル、146nm;セツキシマブ混和物対照、148nm;5:1 リンカー:抗体セツキシマブナノ粒子、149nm;および10:1 リンカー:抗体セツキシマブナノ粒子、147nm。
試料のセツキシマブ含有量を、ELISAにより測定し、試料のパクリタキセル含有量を、RP−HPLCにより測定した(表17)。
試料の免疫ブロット分析を実施し、単離nab−パクリタキセルナノ粒子のコンジュゲーション反応から、より高次のコンジュゲートの存在を含む、粒子上におけるセツキシマブおよびHSAのコンジュゲーションを確認した。
(実施例31)
ニボルマブおよび単離nab−パクリタキセル粒子のコンジュゲーション
この方法で使用した材料としては、(a)nab−パクリタキセル、100mgバイアル;(b)Opdivo(ニボルマブ、ロッド番号AAL6305);(c)生理食塩水(RMBIO、USP等級、ロット番号20607161);(d)MilliQ水(18.4MOhms・cmおよび4ppb TOC);(e)シンチレーションバイアル(VWR、20mL使い捨てシンチレーションバイアル);(f)15mLポリプロピレンコニカル管(Falcon、P/N352097);(g)Zepaスピン脱塩カラム(7K MWCO、5mLs、カタログ番号89892、ロット番号SC245087);(h)DMSO(Sigma、カタログ番号D2438−50mL、ロット番号RNBG0012);(i)SM(PEG)6(Thermo Scientific、カタログ番号22105、ロット番号SD249151);および(j)リン酸緩衝食塩水(PBS)錠剤(Sigma、カタログ番号P4417−50TAB、ロット番号SLBS4223)が挙げられる。
20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物の1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル懸濁液のアリコートを、4つのエッペンドルフ管に添加した。管をインキュベートし、20分間穏やかに旋回させた。RP−HPLCを使用してパクリタキセル含有量の測定を実施するために、1つの管を使用した。
nab−パクリタキセル懸濁液を含有する残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、各管を直ちに取り出し、各管の上清を除去した。ナノ粒子のペレットを、0.5mLの生理食塩水で穏やかに再構成し、最終12mg/mLナノ粒子溶液を製作した。
2mLのOpdivo(WFIで10mg/mLに再構成)を、15mL遠心濃縮器に等分した。100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製した。遠心濃縮器をリン酸緩衝剤(pH6.6)で満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。遠心濃縮器をリン酸緩衝剤(pH6.6)でもう一度満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。残留ニボルマブ溶液を、15mLファルコン管にピペットし、2mlの総体積に希釈した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃から取り出し、室温で1時間加温した。6.83mgのSM(PEG)6を、100μLのDMSOに溶解した(112mMリンカー溶液)。リンカーが完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
0.5mLのニボルマブ溶液を、4つのエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管の3つに、1.7μL、3.4μL、および5.1μLのリンカー溶液をゆっくりと添加して、リンカーと抗体との5:1、10:1、または15:1モル比を生成した。混和物対照管は、リンカー修飾せずに取っておいた。この手順中、溶液を光から保護するべきである。溶液を、2時間振盪機で反応させた。
脱塩カラムをリン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄することにより、3つの5mL脱塩カラムを調製した(各遠心分離は1000Gで5分間)。次いで、活性化ニボルマブ溶液をカラムで濾過して、任意の未反応リンカーを除去した。
次いで、500μLの各濃度の活性化ニボルマブ溶液を、500μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。500μLの非活性化ニボルマブ溶液を、500μLのナノ粒子溶液に添加した。次いで、結果として得られた溶液を、振盪またはかき回しせずに4℃で一晩インキュベートした。
コンジュゲーション溶液を、冷蔵庫から取り出し(溶液は、表面に凝集体を有しているようには見えなかった)、80分間21,000Gで遠心分離した。次いで、管を、直ちに遠心分離機から取り出し、上清を除去した。各管を、PBS食塩水で3回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水(pH7.4)で調製した。500μLの40mg/mL HSA溶液を、ペレット化されたナノ粒子を含有する各管に添加した。管を20秒間超音波処理し、混合した。ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、超音波処理ステップを数回繰り返した。
特徴付けのために試料を取り出した後、溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
試料の粒径を測定した。平均粒径は以下の通りであった:nab−パクリタキセル、145nm;ニボルマブ混和物対照、145nm;5:1 リンカー:抗体ニボルマブナノ粒子、149nm;10:1 リンカー:抗体ニボルマブナノ粒子、147nm;および15:1 リンカー:抗体ニボルマブナノ粒子、150nm。
試料のニボルマブ含有量を、ELISAにより測定し、試料のパクリタキセル含有量を、RP−HPLCにより測定した(表18)。
試料の免疫ブロット分析を実施し、単離nab−パクリタキセルナノ粒子のコンジュゲーション反応から、より高次のコンジュゲートの存在を含む、粒子上におけるニボルマブおよびHSAのコンジュゲーションを確認した。
図24は、5:1、10:1、および15:1のリンカー:抗体反応比でのニボルマブおよび活性化ニボルマブのLC−MS分析からのデコンボリューション質量スペクトルを示す。抗体:コンジュゲートリンカーとして各同位体クラスター下に示されているように、リンカー:抗体の反応比を増加させることにより、ニボルマブにコンジュゲートされたリンカーの数が増加した(図24)。
(実施例32)
in vitroおよびin vivo研究のための混和トラスツズマブ−ナノ粒子製剤の調製
バッチ1。0.39mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブおよび賦形剤、21mg/mL)および9.61mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、10mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり(45mg/mLアルブミンを有する)、トラスツズマブの終濃度は、0.41mg/mLであった。
バッチ2。0.152mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブおよび賦形剤、21mg/mL)および9.848mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、10mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり(45mg/mLアルブミンを有する)、トラスツズマブの終濃度は、0.16mg/mLであった。
バッチ3。0.093mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブおよび賦形剤、21mg/mL)および9.907mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、10mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり(45mg/mLアルブミンを有する)、トラスツズマブの終濃度は、0.098mg/mLであった。
バッチ4。0.051mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブおよび賦形剤、21mg/mL)および9.949mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、10mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり(45mg/mLアルブミンを有する)、トラスツズマブの終濃度は、0.054mg/mLであった。
バッチ5。0.476mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブおよび賦形剤、21mg/mL)および9.524mLの0.9%NaCl生理食塩水(G−Biosciences)を、バイアル中の凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)に添加した。バイアルの内容物を、混合せずに5分間再構成し、その後穏やかに混合して、完全な再構成を保証した。混合物を、室温(約20℃)で1時間インキュベートしてから、10mLの生理食塩水をバイアルに添加した。混合物を穏やかに混合して、均質性を保証した。パクリタキセルの終濃度は、5mg/mLであり(45mg/mLアルブミンを有する)、トラスツズマブの終濃度は、0.5mg/mLであった。
(実施例33)
in vitroおよびin vivo研究のためのコンジュゲートトラスツズマブ−ナノ粒子製剤の調製
nab−パクリタキセルナノ粒子を単離するために、20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)を含有する1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル懸濁液を、16個の1.5mLエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管を、穏やかに20分間混合した。1つのエッペンドルフ管をHPLCアッセイに使用して、パクリタキセル含有量を決定し、粒径を測定した。平均粒径は147nmであった。残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去した。結果として得られたペレットに、500μLの酢酸ナトリウム(pH8.0)および150mM塩化ナトリウムを添加して、ナノ粒子を再構成した(nab−パクリタキセル粒子濃度は、10mg/mLパクリタキセルであった)。
Traut試薬を、2mg/mL(14.5mM)の濃度でWFIに溶解した。30μLのTraut試薬(リンカー:HSA比は20:1)を、単離ナノ粒子溶液にゆっくりと添加し、4℃で70分間反応させた。2.4μLの500mM EDTA(pH8.0)を添加し、4℃で10分間インキュベートした。試料を、4℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。管を遠心分離機から取り出し、デカントし、PBS食塩水で2回洗浄した。単離活性化nab−パクリタキセル粒子を、500μLのPBS食塩水に再懸濁し、1分間超音波処理して、粒子を再懸濁した。
生理食塩水を使用して、21mg/mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブ)溶液を調製した。6mLのHerceptin(登録商標)溶液を、3つの15mL遠心濃縮器に等分した。
無エンドトキシン水を使用して100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製し、濾過した。遠心濃縮器をpH6.6リン酸緩衝剤で満たし、3750rpmで35分間遠心分離した。これを1回繰り返した。残留溶液を、15mLファルコン管にピペットし、12mLの総体積に希釈した。トラスツズマブ濃度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。トラスツズマブ濃度を、必要に応じて10.5mg/mLに調整した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃の冷凍庫から取り出し、1時間室温に加温した。2mLの無菌DMSO溶液をエッペンドルフ管に等分した。122μLのDMSOを、このエッペンドルフ管から、8.3mgのSM(PEG)6を含有するバイアルに移した(112mM終濃度)。リンカーがDMSOに完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
2mLのトラスツズマブ溶液を、6つの15mLファルコン管の各々に等分した。6.8μLのSM(PEG)6リンカー溶液を、1mLのトラスツズマブを含有する各2mLの管にゆっくりと添加した。この手順中、溶液を光から保護した。光から依然として保護しつつ、リンカー/抗体溶液を、振盪機で2時間反応させた。
5mL脱塩カラムを、リン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄した(各遠心分離は1000Gで6分間)。活性化抗体溶液を、脱塩カラムで濾過して、未反応リンカーを除去した。濾液を収集し、プールした。トラスツズマブおよびリンカーの比を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)により決定した。
500μLの活性化トラスツズマブを、500μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。次いで、溶液を、4℃で一晩インキュベートした(振盪またはかき回しを回避した)。
コンジュゲーション溶液を、4℃から取り出した。溶液は、エッペンドルフ管の表面に凝集体を有していなかった。コンジュゲーション溶液を、80分間21,000Gで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去し、各管をPBS食塩水で2回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水で調製した。500μLの40mg/mL HSA溶液を各管に等分した。次いで、管を20秒間超音波処理し、混合した(ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、このステップを数回繰り返した)。
パクリタキセル含有量を、RP−HPLCにより測定し、次いで5.33mg/mLに調整した。粒径をDLSにより測定した。粒径は175nmであった。次いで、結果として得られた溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
最終コンジュゲート粒子のHerceptin濃度を、in vitro細胞結合アッセイにより分析した。濃度は0.43mg/mLである。
(実施例34)
in vitroおよびin vivo研究のためのコンジュゲートトラスツズマブ−ナノ粒子製剤の調製
nab−パクリタキセルナノ粒子を単離するために、20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)を含有する1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル懸濁液を、16個の1.5mLエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管を、穏やかに20分間混合した。1つのエッペンドルフ管をHPLCアッセイに使用して、パクリタキセル含有量を決定し、粒径を測定した。平均粒径は147nmであった。残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去した。結果として得られたペレットに、500μLの酢酸ナトリウム(pH8.0)および150mM塩化ナトリウムを添加して、ナノ粒子を再構成した(nab−パクリタキセル粒子濃度は、10mg/mLパクリタキセルであった)。
Traut試薬を、2mg/mL(14.5mM)の濃度でWFIに溶解した。15μLのTraut試薬(リンカー:HSA比は10:1)を、単離ナノ粒子溶液にゆっくりと添加し、4℃で70分間反応させた。2.4μLの500mM EDTA(pH8.0)を添加し、4℃で10分間インキュベートした。試料を、4℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。管を遠心分離機から取り出し、デカントし、PBS食塩水で2回洗浄した。単離活性化nab−パクリタキセル粒子を、500μLのPBS食塩水に再懸濁し、1分間超音波処理して、粒子を再懸濁した。
生理食塩水を使用して、21mg/mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブ)溶液を調製した。6mLのHerceptin(登録商標)溶液を3つの15mL遠心濃縮器に等分した。
無エンドトキシン水を使用して100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製し、濾過した。遠心濃縮器をpH6.6リン酸緩衝剤で満たし、3750rpmで35分間遠心分離した。これを1回繰り返した。残留溶液を、15mLファルコン管にピペットし、12mLの総体積に希釈した。トラスツズマブ濃度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。トラスツズマブ濃度を、必要に応じて10.5mg/mLに調整した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃の冷凍庫から取り出し、1時間室温に加温した。2mLの無菌DMSO溶液をエッペンドルフ管に等分した。122μLのDMSOを、このエッペンドルフ管から、8.3mgのSM(PEG)6を含有するバイアルに移した(112mM終濃度)。リンカーがDMSOに完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
2mLのトラスツズマブ溶液を、6つの15mLファルコン管に等分した。6.8μLのSM(PEG)6リンカー溶液を、1mLのトラスツズマブを含有する各管にゆっくりと添加した。この手順中、溶液を光から保護した。光から依然として保護しつつ、リンカー/抗体溶液を、振盪機で2時間反応させた。
5mL脱塩カラムを、リン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄した(各遠心分離は1000Gで6分間)。活性化抗体溶液を、脱塩カラムで濾過して、未反応リンカーを除去した。濾液を収集し、プールした。トラスツズマブおよびリンカーの比を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)により決定した。
500μLの活性化トラスツズマブを、500μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。次いで、溶液を、4℃で一晩インキュベートした(振盪またはかき回しを回避した)。
コンジュゲーション溶液を4℃から取り出した。溶液は、エッペンドルフ管の表面に凝集体を有していなかった。コンジュゲーション溶液を、80分間21,000Gで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去し、各管をPBS食塩水で2回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水で調製した。500μLの40mg/mL HSA溶液を各管に等分した。次いで、管を20秒間超音波処理し、混合した(ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、このステップを数回繰り返した)。
パクリタキセル含有量をRP−HPLCにより測定し、次いで5.56mg/mLに調整した。粒径をDLSにより測定した。粒径は164nmであった。次いで、結果として得られた溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
最終コンジュゲート粒子のHerceptin濃度を、ELISAにより分析した。濃度は0.18mg/mLである。
(実施例35)
in vitroおよびin vivo研究のためのコンジュゲートトラスツズマブ−ナノ粒子製剤の調製
nab−パクリタキセルナノ粒子を単離するために、20mLの生理食塩水を、凍結乾燥nab−パクリタキセル組成物(100mgパクリタキセル)を含有する1つのバイアルに添加した。1.2mLのnab−パクリタキセル懸濁液を、25個のエッペンドルフ管に等分した。エッペンドルフ管を、穏やかに20分間混合した。1つのエッペンドルフ管をRP−HPLCアッセイに使用して、パクリタキセル含有量を決定し、粒径を測定した。残りのエッペンドルフ管を、20℃で80分間21,000RCFで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去した。0.6mLの生理食塩水を残留ペレットに添加して、ナノ粒子を再構成した(パクリタキセルの終濃度は10mg/mL)。粒径は、149nmと測定された。
生理食塩水を使用して、21mg/mLのHerceptin(登録商標)(トラスツズマブ)溶液を調製した。8mLのHerceptin(登録商標)溶液を2つの15mL遠心濃縮器に等分した。無エンドトキシン水を使用して100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.6)を調製し、濾過した。遠心濃縮器をpH6.6リン酸緩衝剤で満たし、製造業者の使用説明書に従って30分間遠心分離した。これを1回繰り返した。残留トラスツズマブ溶液を、15mLファルコン管にピペットし、2.4mLの総体積に希釈した。トラスツズマブ濃度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。トラスツズマブ濃度を、必要に応じて10.5mg/mLに調整した。
SM(PEG)6パッケージを−20℃の冷凍庫から取り出し、1時間室温に加温した。2mLの無菌DMSO溶液をエッペンドルフ管に等分した。1.51mLのDMSOを、このエッペンドルフ管から、100mgのSM(PEG)6を含有するバイアルに移した(112mM終濃度)。リンカーがDMSOに完全に溶解するまで、リンカー溶液をボルテックスした。
1mLの10.5mg/mLトラスツズマブ溶液を16個のエッペンドルフ管に等分した。1mLのトラスツズマブ溶液を含有する各エッペンドルフ管に、5.1μLのリンカー溶液をゆっくりと添加した(リンカーの抗体に対する比は7.5:1である)。この手順中、溶液を光から保護した。光から依然として保護しつつ、リンカー/抗体溶液を、振盪機で2時間反応させた。
5mL脱塩カラムを、リン酸緩衝剤(pH6.6)で4回洗浄した(各遠心分離は1000Gで5分間)。活性化抗体溶液を、脱塩カラムで濾過して、未反応リンカーを除去した。濾液を収集し、プールした。トラスツズマブおよびリンカーの比を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)により決定した。600μLの活性化トラスツズマブを、600μLのナノ粒子溶液にゆっくりと添加した。次いで、溶液を、4℃で一晩インキュベートした(振盪またはかき回しを回避した)。
コンジュゲーション溶液を冷蔵庫から取り出した。溶液は、エッペンドルフ管の表面に凝集体を有していなかった。粒径は、164nmと測定された。
コンジュゲーション溶液を、80分間21,000Gで遠心分離した。遠心分離後、管を直ちにデカントして上清を除去し、各管をPBS食塩水で2回洗浄した。
40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)溶液を、PBS食塩水(pH7.4)で調製した。800μLの40mg/mL HSA溶液を各管に等分した。次いで、管を20秒間超音波処理し、次いで混合した(ナノ粒子が完全に再懸濁されるまで、このステップを数回繰り返した)。
パクリタキセル含有量を、RP−HPLCにより測定し、次いで、40mg/mL HSAおよびHerceptinの溶液を添加することにより、5.05mg/mLパクリタキセルおよび0.5mg/mL Herceptinの最終に調整した。粒径は157nmと決定された。次いで、結果として得られた溶液をバイアルに移し、−80℃で保管した。
免疫ブロットを、単離nab−パクリタキセルナノ粒子およびトラスツズマブコンジュゲート粒子に対して実施して、抗体コンジュゲーションを確認した。
(実施例36)
混和、埋込み、コンジュゲートトラスツズマブ−ナノ粒子製剤のin vitro有効性
抗体−nab−パクリタキセルの種々の製剤を、in vitro抗増殖効果およびp(Tyr1248)/全ErbB2結合の阻害について試験した。
抗増殖アッセイ。in vitro成長阻害活性を、抗増殖アッセイを使用して評価した。40μL/ウェルの細胞を、それらの最適密度で384ウェルプレート(Corning、3712)に播種し、37℃および5%のCO2で一晩インキュベートさせた。翌日、細胞を試験トラスツズマブ−ナノ粒子製剤で処置し、37℃および5%CO2で3日間インキュベーターに戻し入れた。3日間の処置後、20μL/ウェルのCell Titer−Glo(Promega、G7573)を添加することにより、細胞生存率を評価した。30分間のインキュベーション後、プレートを、ルミネセンス検出用のPerkin Elmer Envisionで読み取った。
ホスホ(Tyr1248)/全ErbB2結合アッセイ。試験トラスツズマブ−ナノ粒子製剤を、pY1248/全ErbB2全細胞溶解物アッセイキット(Mesoscale Discovery、K15125D)により、ErbB2結合について特徴付けた。25,000細胞/ウェルを一晩播種し、37℃および5%CO2で96ウェル培養プレート(Corning3704)へ付着させた。翌日、細胞を試験トラスツズマブ−ナノ粒子製剤で2時間処置した。2時間の処置後、65μL/ウェルのMSD溶解緩衝剤を添加することにより細胞を溶解し、4℃で1時間揺動振盪機に配置した。この間、MSD捕捉プレートを、MSDブロッキング緩衝剤Aでブロッキングした。1時間後、MSD捕捉プレートをMSD洗浄緩衝剤で洗浄した。次いで、35μL/ウェルの細胞溶解物を、MSD捕捉プレートに移し、室温で1時間、揺動振盪機でインキュベートさせた。次いで、捕捉されたタンパク質量を、まず細胞溶解物を廃棄し、MSD捕捉プレートをMSD洗浄緩衝剤で洗浄することにより、それらのErb2レベルについて評価した。25μL/ウェルの抗体希釈緩衝剤中SULFO−TAG抗全ErbB2抗体を添加し、次いで揺動振盪機で1時間室温にてMSDプレートとインキュベートさせた。1時間後、MSDプレートをMSD洗浄緩衝剤で洗浄した。次いで、150μL/ウェルのMSD読み取り緩衝剤を添加し、直ちにプレートをMSD Sector S600機器で読み取った。
結合研究からのデータをは表19に提供し、増殖研究からのデータを表20に提供する。
(実施例37)
混和、埋込み、およびコンジュゲートトラスツズマブ−ナノ粒子製剤のin vivo有効性
この実施例は、BT−474異種移植マウスに投与された、混和、埋込み、およびコンジュゲートnab−パクリタキセル−トラスツズマブ製剤の処置有効性を示す。
重症複合免疫不全症(SCID)マウスに、17β−エストラジオールペレット(90日間放出、0.36mg/ペレット)を、腫瘍細胞接種の前日(−1日目)に皮下に移植した。0日目に、BT−474細胞(ATCCから入手)をマウスに皮下接種した。小型腫瘍研究の場合、BT−474細胞接種の約2週間後に、腫瘍を測定し、マウスを研究群に無作為化した。大型腫瘍研究の場合、BT−474細胞接種の約4週間後に、腫瘍を測定し、マウスを、以下で特定されている研究群に無作為化した。
小型腫瘍研究の場合(約150mm3〜180mm3の腫瘍サイズ)、7〜8匹のSCIDマウスを、以下の研究群の各々に割り当て、(1)媒体;(2)nab−パクリタキセル:50mg/kg(「ABX50」);(3)nab−パクリタキセル:25mg/kg(「ABX25」);(4)Herceptin(登録商標):5mg/kg(「Tratsu5」);(5)Herceptin(登録商標):2.5mg/kg(「Tratsu2.5」);(6)nab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/5mgトラスツズマブ)(「コンジュゲート(50/5)」)(実施例35による);(7)nab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート(1kg当たり25mg nab−パクリタキセル/2.5mgトラスツズマブ)(「コンジュゲート(25/2.5)」)(実施例35による);(8)埋込みnab−パクリタキセル−トラスツズマブ(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/5mgトラスツズマブ)(「埋込み(50/5)」)(実施例20による);(9)埋込みnab−パクリタキセル−トラスツズマブ(1kg当たり25mg nab−パクリタキセル/2.5mgトラスツズマブ)(「埋込み(25/2.5)」)(実施例20による);(10)nab−パクリタキセルおよびHerceptin(登録商標)の混和物(1kg当たり50mgのnab−パクリタキセルおよび5mgのHerceptin(登録商標))(「混和物50/5」)(実施例32、バッチ5による);ならびに(11)nab−パクリタキセルおよびHerceptin(登録商標)の混和物(1kg当たり25mgのnab−パクリタキセルおよび2.5mgのHerceptin(登録商標))(「混和物25/2.5」)(実施例32、バッチ5による)の週1回投与を受けさせた。
大型腫瘍研究の場合(約500mm3〜750mm3の腫瘍サイズ)、7匹のSCIDマウスを、以下の研究群の各々に割り当て、(1)媒体;(2)nab−パクリタキセル:50mg/kg;(3)Herceptin(登録商標):5mg/kg;(4)nab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/5mgトラスツズマブ)(実施例35による);(5)埋込みnab−パクリタキセル−トラスツズマブ(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/5mgトラスツズマブ)(実施例20による);ならびに(6)Abraxane(登録商標)およびHerceptin(登録商標)の混和物(1kg当たり50mgのnab−パクリタキセルおよび5mgのHerceptin(登録商標))(実施例32、バッチ5による)の週1回投与を受けさせた。
動物の腫瘍測定および体重を、週2回測定した。最後の腫瘍測定は、元の群割当てを盲検化した。
小型腫瘍研究からのパーセント腫瘍体積変化結果を、図25A〜25B(処置の7日後)および図25C〜25D(処置の14日後)に示す。14日目までに、より高い用量のnab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート群(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/5mgトラスツズマブ)は、単剤nab−パクリタキセルと比較して、抗腫瘍活性の大幅な向上を達成した(図25C)。
大型腫瘍研究の結果を、図26A(処置の7日後)および図26B(処置の14日後)に示す。14日目までに、埋込みnab−パクリタキセル−トラスツズマブ(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/5mgトラスツズマブ)は、単剤nab−パクリタキセルまたは単剤トラスツズマブと比較して、抗腫瘍活性の大幅な向上を達成した。さらに、処置の14日後、コンジュゲートnab−パクリタキセル−トラスツズマブ(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/5mgトラスツズマブ)は、単剤トラスツズマブと比較して、抗腫瘍活性の大幅な向上を達成した。
(実施例38)
混和、埋込み、およびコンジュゲートトラスツズマブ−ナノ粒子製剤のin vivo有効性
この実施例は、BT−474異種移植マウスモデルに対する、混和、埋込み、およびコンジュゲートnab−パクリタキセル−トラスツズマブ製剤の処置有効性を示す。
重症複合免疫不全症(SCID)マウスを、実施例31に記載されているように準備した。BT−474細胞接種の約4週間後に腫瘍を測定し(およそ600mm3)、マウスを、以下で特定されている研究群に無作為化した。
8匹のSCIDマウスを、以下の研究群の各々に割り当て、(1)媒体(5%HSA);(2)nab−パクリタキセル:50mg/kg(「ABX50」);(3)Herceptin(登録商標):4.1mg/kg(「Tratsu4.1」);(4)nab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/4.1mgトラスツズマブ)(「コンジュゲート50/4.1=12:1」)(実施例33による);(5)nab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート(1kg当たり50mg nab−パクリタキセル/0.54mgトラスツズマブ)(「コンジュゲート50/0.54=92.5:1」)(実施例23による);(6)nab−パクリタキセルおよびHerceptin(登録商標)の混和物(1kg当たり50mgのnab−パクリタキセルおよび4.1mgのHerceptin(登録商標))(「混和物(50/4.1=12:1)」)(実施例36、バッチ1による);(7)nab−パクリタキセルおよびHerceptin(登録商標)の混和物(1kg当たり50mgのnab−パクリタキセルおよび0.54mgのHerceptin(登録商標))(「混和物(50/0.54=92.5:1)」)(実施例36、バッチ4による);ならびに(8)nab−パクリタキセル(50mg/kg)およびHerceptin(登録商標)(4.1mg/kg)の逐次投与(「逐次(50/4.1」)の週1回投与を受けさせた。
研究からのパーセント腫瘍体積変化結果を、図27A(0日目処置の7日後)および図27B(0日目および7日目処置の14日後)に示す。
(実施例39)
混和、埋込み、およびコンジュゲートトラスツズマブ−ナノ粒子製剤のin vivo有効性
この実施例は、BT−474異種移植マウスモデルに対する、埋込みおよびコンジュゲートnab−パクリタキセル−トラスツズマブ製剤の処置有効性を示す。
重症複合免疫不全症(SCID)マウスを、実施例Mに記載されているように準備した。BT−474細胞接種の約4週間後に腫瘍を測定し(およそ600mm3)、マウスを、以下で特定されている研究群に無作為化した。
8匹のSCIDマウスを、1mg/kg Herceptin(登録商標)研究群の以下の研究群の各々に割り当て、(1)媒体(5%HSA);(2)nab−パクリタキセル:30mg/Kg;(3)Herceptin(登録商標):1mg/kg;(4)nab−パクリタキセル(30mg/kg)およびHerceptin(登録商標)(1mg/kg)の逐次投与;ならびに(5)nab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート(1kg当たり30mgのnab−パクリタキセル/1mgのトラスツズマブ)(実施例34による);(6)Herceptin(登録商標):0.6mg/kg;(7)nab−パクリタキセル(30mg/kg)およびHerceptin(登録商標)(0.6mg/kg)の逐次投与;ならびに(8)nab−パクリタキセル−トラスツズマブコンジュゲート(1kg当たり30mgのnab−パクリタキセル/0.6mgのトラスツズマブ)(実施例26による)の週1回投与を受けさせた。
0日目での上で特定されている単一用量の処置後の7日目に腫瘍体積を測定した。7日目でのパーセンテージ腫瘍体積変化の結果を、図28A〜28Bに示す。
0日目および7日目での上で特定されている2つ用量の処置後の14日目に腫瘍体積を測定した。14日目でのパーセンテージ腫瘍体積変化の結果を、図28C〜28Dに示す。