JP2019529515A - 皮膚保護剤としての1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシドの6−O−(C8−C20アルキルエステル)の使用 - Google Patents

皮膚保護剤としての1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシドの6−O−(C8−C20アルキルエステル)の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、皮膚および/または粘膜を保護するための薬剤としての、1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシドの6−O−(C8−C20アルキルエステル)の使用、および特に1−O−n−ブチル−β−D−グルコシドの6−O−ラウロイルの使用に関する。本発明はとりわけ、スキンケアおよび/または治療に使用することができる、局所使用を対象とした化粧用、皮膚科用、および/または医薬用の組成物に関する。

Description

発明の背景
本発明は、皮膚および/または粘膜用保護剤として、1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)、特に、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルの使用に関する。より詳細には、本発明は、皮膚のケアおよび/または治療に使用することができる、局所使用を目的とした化粧用、皮膚科用および/または医薬組成物に関する。
これらのグルコシド誘導体は、皮膚の水和、バリア機能の強化、表皮ホメオスタシスの維持、種々のストレスに対する抵抗性、細胞修復、および組織再生に作用する活性剤として有用である。
表皮ホメオスタシス
表皮は、身体に対する機械的および化学的障壁として、主要な保護的役割を果たす。表皮は不透過性の皮膚バリア機能の維持を確実にする。この機能の大部分を担っているのは、角質細胞である角質層のケラチノサイトと、脂質マトリックスである。しかしながら、最も深い層はまた、この機能に固有である要素の構築にも関与する。表皮ケラチノサイトの分化能は選択的透過性機能を有するバリアの構築をもたらす(Elias and Choi, Exp. Dermatol. 14(10), p19-26, 2005)。ケラチノサイトの分化は空間的にも時間的にも調節されており、最も分化の進んでいない基底膜である皮膚の最深層から、ケラチノサイトが角質細胞へ分化する最終段階である角質層(stratum corneum)または角層(horny layer)に至る(Houben et al., Skin Pharmacol. Physiol. 20(3), p122-132, 2007)。細胞的および分子的観点から、ケラチンフィラメントの形成、角質細胞または「角質化(keratinization)」へのケラチノサイトの変換、およびラメラ構造の細胞間脂質セメントの形成が主に観察され、不透過性および皮膚バリア機能を確保する。
たんぱく質に関しては、表皮の分化は主にケラチンと呼ばれる構造たんぱく質の発生に焦点を当てており、ケラチンは表皮の構造的な完全性に寄与している。構造たんぱく質の発現はケラチノサイト成熟度の関数として変化する。アルカリ性ケラチン1および酸性ケラチン10は、表皮の基底膜に存在するケラチノサイト分化の初期マーカーである。後に起こるこの生物学的過程における他のマーカーの発現は、構造たんぱく質を互いに、かつケラチノサイト脂質およびTGM1または3のようなトランスグルタミナーゼと架橋を形成させるようなある種の主要な酵素と共に、インボルクリンのような角化細胞エンベロープの場合と同様に追跡することができる(Houben et al., Skin Pharmacol. Physiol. 20(3), p122-132, 2007)。
角質細胞に存在する線維性マトリックスは、顆粒状ケラチノサイトと角質細胞との移行の間に形成される。ロリクリンは、角化された細胞表層中の他のたんぱく質との接着を可能にするグルタミンおよびリジン残基を含有する構造たんぱく質である。前駆体であるプロフィラグリンから作られケラトヒアリン顆粒に蓄えられた基本的なフィラグリン分子は、サイトケラチンフィラメントと結合して凝集することができる。カスパーゼ14によって分解されるフィラグリンはまた、角質層における天然保湿因子のいくつかの主要成分の主要な供給源でもある。他のマーカーは分化したケラチノサイトに特異的である。KLK5およびKLK7のようなカリクレインはキモトリプシンと同様の活性を有し、落屑に先行する凝集性細胞間構造のたんぱく質分解、すなわち表皮の最外層の除去の役割を果たす。
同時に、ケラチノサイト脂質の合成および輸送は、皮膚バリアに不可欠な角質細胞間脂質セメントの基礎を形成し、この形成は、末期の表皮分化における最終段階を表す。この細胞外脂質マトリックスは、液体および電解質の経皮輸送に対する主要なバリアである(Feingold, J. Lipid Res. 48, p2529-2530, 2007)。このように、ある種の酵素や脂質輸送体は、分化に伴うケラチノサイト発現の上方制御を経験する。このセメントは、3種の脂質、すなわちコレステロール、遊離脂肪酸、およびセラミド間の平衡から生じる。これらの脂質は、グルコシルセラミド、スフィンゴミエリン、コレステロール、ならびに有棘層(角層)および顆粒層(粒状層)で産生されるリン脂質からなる。これらは粒状層および角層と融合する分泌細胞小器官である、ラメラ体によって輸送される。これらの脂質前駆体に加えて、ラメラ体は、酸性および中性リパーゼと共に、酸性スフィンゴミエリナーゼ、β−グルコセレブロシダーゼ、およびホスホリパーゼA2といったリピダーゼを含む多くの酵素を含有する。これらの酵素は脂質前駆体と同時に細胞外空間へ運ばれ、スフィンゴミエリンをセラミドに、グルコセレブロシドをセラミドに、そしてリン脂質を遊離脂肪酸およびグリセロールにそれぞれ変換する。SULT2B1は分化したケラチノサイトで発現するコレステロールスルホトランスフェラーゼであり、コレステロール硫酸の合成に関与する。最近の研究ではまた、コレステロール硫酸がRORα発現の増加を介してフィラグリン発現を誘導することも明らかになった(Hanyu et al., Biochem. Biophys. Res. Common. 428(1), p99-104, 2012)。
表皮セラミドは、主要な特異的役割を果たし、かつ皮膚バリアの機能レベルの必須マーカーでもある。皮膚セラミドの産生に関与する酵素の発現および活性は、皮膚バリア機能が変化すると特異的に増加し、そして表皮分化のレベルと一致する(Feingold, J. Lipid Res. 48, p2529-2530, 2007)。これは、皮膚セラミドの細胞外代謝に関与するaSMaseおよびβ−グルコセラミダーゼの特異的な例である。UDP−グルコース:セラミドグルコシルトランスフェラーゼ(UGCG)はまた、グルコシルセラミド合成にも関与する。UGCGはスフィンゴ糖脂質生合成における最初のグリコシル化ステップを触媒し、ラメラ体における脂質およびたんぱく質の規則的配列ならびに表皮バリアの維持に必要である(Jennemann et al., J. Biol. Chem. 282(5), p3083-3094, 2007)。DEGS2はスフィンゴ脂質C4−ヒドロキシラーゼおよびデルタ−4デサチュラーゼの両方として作用し、そのジヒドロセラミドヒドロキシラーゼ活性は、ヒトにおける皮膚フィトセラミドの産生と競合する(Mizutani et al., FEBS Lett. 563(1-3), p93-97, 2004)。
表皮脂肪酸結合たんぱく質であるFABP−E(FABP5)は、脂質輸送体である。FABP−Eはケラチノサイトの分化において重要な役割を果たす(Dallaglio, et al., Exp Dermatol. 22(4), p255-261, 2013)。
角質層における水の機能の1つは、皮膚の柔軟性および正常な落屑に必要な酵素加水分解反応を活性化することである(Rawlings and Matts, J. Invest. Dermatol, 124(6), p1099-1110, 2005)。角質層の水分含有量が臨界レベルを下回る場合、酵素反応は阻害され、皮膚表面に角質細胞が接着し、細胞が蓄積する。これにより目に見える乾燥および痒みが生じ、皮膚は剥けて剥離する。
皮膚の水分補給は、皮膚の血液循環からの経表皮水分供給と、皮膚バリア機能を含む表皮水の保持との2点に基づいている。しかしながら、水分損失に対するバリアは絶対確実ではない。角質層を介した外部環境と内部環境との間の水の正常な交換は、経皮水分喪失(TEWL)として知られ、不感性水分喪失(IWL)に本来含まれる。
創傷治癒
創傷治癒、細胞修復、および表皮再生は伝統的に、止血、炎症、修復、およびリモデリングの4相に分けられる(Reinke and Sorg, Eur. Surg. Res., 49, p35-43, 2012)。損傷から2〜10日後には、組織およびその血管新生を迅速に回復させるために、強い細胞増殖および遊走が生じる。この段階における再上皮化は、表皮ケラチノサイトの再生によって創傷を覆うプロセスである。これにより外部環境に対する保護バリア機能が回復することで、損傷後の罹病率および死亡率が低下する。
再上皮化は以下の3つの現象からなり、再生中の表皮では平行して起こるものの、時間と共にずれが生じる:
−ケラチノサイト遊走
−ケラチノサイト増殖
−新表皮の成熟。
表皮が破裂すると、ケラチノサイトは細胞骨格の変化によって活性化される。遊走するケラチノサイトは再上皮化舌(reepithelialization tongue)の形態を取り、これらの遊走ケラチノサイトは通常の分化パターンに従わずに基底層のケラチン(5および14)を発現する未分化段階にとどまるが、分化に特徴的なたんぱく質はほとんど存在しない。遊走する前面の後方では、ケラチノサイトが増殖する。基底層に限定されるこの増殖は、EGF、TGF−α、およびGM−CSFを含む増殖因子の組み合わせによって誘導される。創傷が完全に上皮化すると、ケラチノサイトは末期分化プログラムを統合し、層形成を開始する。壊死組織および血餅は浅層が落屑する過剰増殖新表皮の細胞によって押し戻される。
このように、ケラチノサイト遊走は、表皮、特に新表皮の再生および細胞修復を可能にするために、損傷後の最初の日からの必須プロセスである。
ケラチノサイト遊走は、Oris(商標)細胞遊走アッセイ(Platypus Technologies−TEBU社)で開発された技術などの標準化された操作技術を用いて、初代ヒトケラチノサイト培養物からインビトロで評価することができる。
本発明の対象は、表皮再生および/または表皮細胞修復剤として使用するための、少なくとも1つの1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)化合物に関する。好ましくは、発明の対象は、表皮再生および/または表皮細胞修復剤として使用するための、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルに関する。
出願人は、1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)化合物、より具体的には1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルが、皮膚の水分補給を提供し、表皮のバリア機能を強化し、表皮ホメオスタシスを維持し、種々のストレスに対する耐性を提供することを示す。そうすることで、本発明による化合物は、表皮細胞修復および/もしくは表皮再生、または創傷治癒に寄与する。この効果は、ケラチノサイトの分化および水和に関与する種々の遺伝子のmRNA発現を誘導することによって、そしてまたケラチノサイト遊走を刺激することによっても示すことができた。
皮膚の水分補給とは、皮膚の水分平衡の改善または維持を意味する。
皮膚の乾燥のあらゆる形態での改善とは、特に、角質層における水分の欠乏、皮膚を保護しなくなった表面に位置する非常に薄い親水膜、皮脂の欠乏を特徴とする、表皮の水和のあらゆる改善を意味する。
本発明の対象はまた、表皮再生および/または表皮細胞修復に使用するための皮膚科用の化粧用または医薬組成物であって、有効成分としての少なくとも1つの1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)化合物、および少なくとも1つの許容可能な賦形剤を含んでなるか、またはこれらからなる、皮膚科用の化粧用または医薬組成物にも関する。
好ましくは、使用は局所使用である。
有効成分としての少なくとも1つの1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)化合物、および少なくとも1つの許容可能な賦形剤を含んでなる、皮膚科用の化粧用または医薬組成物はまた、表皮細胞修復を促進するため、および/もしくは表皮再生を促進するため、または創傷治癒を促進するためにも有用である。
有利には、本発明による組成物は、皮膚および皮膚付属器、頭皮、ならびに粘膜への局所投与を意図する。
本発明の特定の実施形態では、1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)、より具体的には1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルが、組成物中の有効成分として好ましい。
より好ましくは、1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)、より具体的には1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルは、表皮細胞修復および/もしくは表皮再生、または創傷治癒に効果を有する組成物の唯一の有効成分である。
本発明によれば、皮膚科用または化粧用組成物は、組成物の総重量に対して、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルを、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、さらにより好ましくは0.1〜2重量%を含んでなっていてもよい。
好ましい態様において、本発明による組成物は、身体または顔、唇、睫毛、眉、毛髪、頭皮、爪または粘膜のためのスキンケアおよび/またはメイクアップ製品、日焼け止めまたはセルフタンニング製品、毛髪用の、特にカラーリング、コンディショニング、および/またはケアのためのヘア製品の形態であることが好ましい。
皮膚科用または化粧用組成物の局所投与は、当業者に周知であり、局所投与用に使用される、溶液、懸濁液、水性ゲル、ローション、血清、ミルク、傷薬(salve)、軟膏(ointment)、クリーム、点眼剤、または他のビヒクル、特に水アルコール形態、水中油もしくは油中水または複数のエマルジョンの形態、オイルゲル、または無水液、ペーストもしくは固体製品、または小球の存在下における分散形態を適用することによって、達成することができる。これらの組成物は、通常の方法に従って調製される。可能な手段のうち1つは、必要な全表面に渡ってかまたは反対に特定の標的ゾーンへ正確に限定して細かい液滴を分配するために蒸発させる、エアゾールスプレーによって、またはスティック状の固体形態によって、皮膚科用または化粧用組成物を投与することである。別の例示的な実施形態は、局所組成物の連続的放出を提供するパッチである。パッチは、当業者に周知である、収容容器および多孔質膜または固体マトリクスを有してもよい。
本発明で使用可能な油は、当該分野で一般的に使用される油である。これらの油は、植物油、鉱油、または合成油、場合によりシリコーン油および/もしくはフッ素化油であってもよい。
本発明による局所組成物はまた、ゲル化剤、防腐剤、乳白剤、乳化剤、共乳化剤、中和剤、芳香剤、およびこれらの可溶化剤もしくはペプタイザ、染料、顔料、防腐剤、抗酸化剤、ミネラル塩、増粘剤、pH調節剤、紫外線吸収剤、ビタミン、または当業者に周知である、あらゆる他の化粧学的および皮膚科学的に許容可能な賦形剤といった、親水性または親油性アジュバントを含有してもよい。
本発明による組成物は、さらに、別の局所活性剤、またはそのような活性剤の混合物をさらに含有してもよい。
界面活性剤とは、伝統的な意味において、分散媒の界面張力に作用することができる、あらゆる両親媒性分子を意味する。したがって、本発明による組成物は、皮膚の皮脂膜(hydrolipidic film)を可溶化することができるような界面活性剤を含まない。有利には、本発明による組成物はまた、皮膚不耐性の原因となり得る防腐剤、特にあらゆる第四級アンモニウム、エタノール、フェノール、アミジン、イソチアゾロン誘導体、パラオキシ安息香酸エステル(パラベンとして知られる)なども含み得ない。
記載された組成物は、治療される患者の皮膚の表面に適用することができる。適用頻度は環境および個人によって異なる。例えば、組成物は、毎日、1日2回、またはより頻繁に適用してもよい。
グルコシドは、糖(典型的には、単糖類)と非炭水化物物質とがO結合によって結合したものである。特に、アルファ(またはα)グルコシドはベータ(またはβ)グルコシドと区別される。β−グルコシドは、単糖類(グルコースのようなアルドースの第1番である、アノマー炭素)のヘミアセタール炭素のアルコール官能基の還元基(水酸基)と、別の分子の酸基(遊離水素)との間の共有化学結合である、β型グリコシド結合を有する。
本例は、β型のアルキルDグルコシドに関する。これは、β構造におけるヘミアセタール炭素1のアルコール機能が、水酸基を有するアルキル鎖分子、したがってここでは第1位である脂肪鎖アルコールと縮合した、Dグルコースを含むグルコシドである。
分子のアルキルエステル部分に関して、これは、グルコースの第二級アルコールのカルボン酸残基を有するアルキル化合物、すなわち第6位におけるエステル化である。
C8−C20アルキルおよびC1−C6アルキルという用語は、それぞれ、8〜20個の炭素原子および1〜6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素残基を指す。
本発明の別の対象は、1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)、特に1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルの立体選択的調製のための方法に関する。この方法は次の連続的なステップを含む:
(a)加水分解酵素の存在下において、D−グルコースをC−Cアルカノールでアセチル化して、対応する1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシドを形成する;
(b)リパーゼ酵素の存在下において、ステップ(a)の最後に得られた1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシドをC−C20脂肪酸でエステル化して、該1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)を形成する。
上記の方法で得られたβ−LBGは、その特異的な純度形態のため、皮膚化粧品特性(dermo-cosmetic properties)を予想外に改善した。
以下の例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明の完全な例示である。
例1:ケラチノサイトの分化および水和に関与する遺伝子の修飾に関する1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルの評価
正常なヒトケラチノサイトを、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルと48時間インキュベートした。その作用を、ケラチノサイトの分化および水和における重要性から選択した、6つの標的遺伝子の分析を用いてRT−qPCR法で評価した。
本試験の結果を以下の表1に要約する。
Figure 2019529515
分析条件下において、48時間のインキュベーションの後、20μMで1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルはケラチノサイト分化を再現可能に誘導することが示された。実際にこの濃度では、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルは、脂質分化マーカーSULT2B1、FABP5、およびDEGS2の発現を誘導する。したがってこれは、コレステロールのスルホン化、ならびに脂肪酸およびセラミドの合成に関与する。1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルはまた、落屑に関与する分化KLK7、天然保湿因子へのフィラグリンの分解に関与するトランスグルタミナーゼ1(TGM1)およびカスパーゼ14(CASP14)の、たんぱく質マーカーも誘導する。
したがって、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルは、ケラチノサイト分化において非常に重要な役割を果たし、たんぱく質および脂質の物理的バリア機能を提供する。このようにしてバリア機能を回復および強化し、表皮を再生し、細胞を修復し、そして皮膚の脱水を防ぐ。
例2:ケラチノサイト遊走における1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルの評価
本例に記載された試験の目的は、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルが初代正常ヒトケラチノサイトの遊走に及ぼす影響を評価することである。
Oris(商標)細胞遊走アッセイを用いて細胞遊走を評価した。
美容外科術で摘出した組織から単離した初代正常ヒトケラチノサイトを、96ウェルプレートに播種し、25μg/mlのウシ下垂体抽出物(BPE、Invitrogen社)および0.2ng/mlのEGF(Invitrogen社)を追加したKSFMで培養した。24時間のインキュベーション後、培地をKSMで補充せずに交換する。24時間のインキュベーション後、Oris(商標)ストッパーと、試験化合物または陽性対照を除去する。後者は、5ng/mlのTGF−β、30ng/mlのEGF、またはBPEおよびEGFを追加したKSMである。インキュベーションを次の24時間継続して遊走させる。インキュベーションの最後に、細胞を透過するカルセインAM色素をウェルに添加し、蛍光に変換し、これを次いで、単色マイクロプレート(CLARIOstar、BMG Labteck社)を用いて検出ゾーンで定量する。
試験した化合物は1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルであり、これを100mMの濃度でDMSOに可溶化する。化合物を、2、10、および20μMで試験する。試験濃度におけるDMSOの影響はケラチノサイト遊走になんら影響しない。実験は、各条件について8つのウェルを有する2つのドナーにおいて繰り返される。
検出領域で放出される蛍光の定量化は、ケラチノサイト遊走に比例する。統計解析(マン・ホイットニー検定)を用いて化合物の効果を解析する。蛍光定量の後、細胞を4%のパラホルムアルデヒド中で迅速に固定してからエオシン−ヘマトキシリン染色して、顕微鏡下で観察した。
本試験の結果を以下の表2に要約する。
Figure 2019529515
陽性対照が遊走の強い刺激(87〜266%)を示したことで、これらの実験を確認した。
意外なことに、本発明者らは、10μMまたは20μMのいずれかで試験した両方のドナーにおいて、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルがケラチノサイト遊走を刺激し、最初のドナーでは20μM、二番目のドナーでは10μMにてより高い刺激が得られたことを示す。
結論として、正常ヒトケラチノサイトに対してOris(商標)細胞移動アッセイを用いることにより、10〜20μMの濃度における1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルは、正常ヒトケラチノサイトの遊走を有意に刺激するため、表皮再生および表皮細胞修復に寄与する。

Claims (5)

  1. 表皮再生および/または表皮細胞修復剤としての、少なくとも1つの1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)化合物の使用。
  2. 前記化合物が、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルである、請求項1に記載の使用。
  3. 表皮再生および/または表皮細胞修復に使用するための皮膚科用または化粧用組成物であって、有効成分としての少なくとも1つの1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)化合物と、少なくとも1つの皮膚科学的または化粧学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる、皮膚科用または化粧用組成物。
  4. 1−O−(C1−C6アルキル)−β−D−グルコシド 6−O−(C8−C20アルキルエステル)の量が、前記組成物の総重量に対して、0.01〜10重量%の間で変化する、請求項3に記載の皮膚科用または化粧用組成物。
  5. 前記有効成分が、1−O−n−ブチル−β−D−グルコシド 6−O−ラウロイルである、請求項3または4に記載の皮膚科用または化粧用組成物。
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