JP2019526618A - 抗体ファージディスプレイライブラリー - Google Patents
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Abstract
Description
i)RNAの単離及びcDNAの合成、
ii)配列番号1〜23及び42〜54を含むプライマーを用いたVL(λ及びκ)ドメイン及びVHドメインの増幅、
iii)配列番号24〜26を用い、そして配列番号27〜31を含むプライマーを用いたCドメインの増幅、
iv)配列番号30、32、35〜37及び55を含むプライマーを用い、それぞれ工程(ii)及び工程(iii)から得られたVκドメイン及びCκドメイン並びにVλドメイン及びCλドメインの融合による軽鎖のオーバーラップPCR、
v)配列番号28及び33を含むプライマーを用い、工程(ii)及び工程(iii)から得られたVH及びCH1の融合物から得られた重鎖のオーバーラップPCR、
vi)Fabを得るための、配列番号32、34、35〜37及び55を含むプライマーを用い、工程(iv)及び工程(v)からそれぞれ得られた軽鎖及び重鎖のオーバーラップPCR、
vii)各工程でアンプリコンを精製すること、を開示する。
i)標的特異的パニング、
ii)ペリプラズムの定量的ELISA(qELISA)、
iii)動力学的ランク付け、
iv)バイオアッセイ、
v)製造可能性の評価、
これらの結果、動力学的ランク付けの後に得られた抗体において期待される90%を超える遺伝子型相関の表現型となること、を開示する。
産業用抗体発見及び製造は、プロセス全体を通してタンパク質生成物のモニタリングを必要とする(Alt N et al., 2016; Kepert JF et al., 2016)。言い換えれば、治療用標的として予め定義された、結合性、活性化、アゴニスト又は接合の表現型(Labrijn AF et al., 2008に概説)は、タンパク質部分に割り当て可能であるべきである。それによって、その表現型の要因である重要な品質属性(Critical Quality Attributes:CQA)を可能な限り早く定義することができる。その定義は、通常、標的に対する親和性と特異性の評価、及び共通の目的としての生物学的機能性を含み、生産性、凝集傾向、熱力学的安定性(Thiagarajan G et al., 2016)及び潜在的免疫原性(Hai S-H et al., 2009. Immunogenicity screening using in silico methods: Correlation between T-Cell epitope content and clinical immunogenicity of monoclonal antibodies. In: Therapeutic Monoclonal Antibodies: From Bench to Clinic)の追加の評価を含んでもよい。これらの全ては、水に溶解したタンパク質としての抗体の挙動に直接帰属できる性質であるか、又はその構造的特徴に固有である。したがって、そのような初期段階でCQAを定義する目的は、標的表現型と観察された表現型の間、及び観察された表現型とその基礎となる遺伝子型の間のミスマッチに内在するリスクを、できる限り早く軽減することである。本発明は、ナイーブヒトファージディスプレイライブラリープラットフォームから発見された抗体についてこの目的をいかに達成するかを説明する。
本発明はまた、以下の工程を所定の順序で含む、抗体ファージディスプレイライブラリーから可溶性Fabとして製造可能な抗体を得る方法:
i)標的特異的パニング、
ii)ペリプラズムのqELISA、
iii)動力学的ランク付け、
iv)バイオアッセイ、
v)製造可能性の評価、
これらの結果、得られた抗体において期待される90%を超える遺伝子型相関の表現型となること、を開示する。
パニングが、固体相又は溶液相で4〜37℃の範囲の様々な温度で1時間〜16時間の範囲の様々な長さの時間で行われる方法を開示する。
固体相のパニングが以下の工程を含むことができる:
i)荷電ポリスチレン等の固体表面上の所与の抗原についての最大コーティング濃度を最適化すること、
ii)ファージミドライブラリーをファージフォーマットに変換すること、
iii)選択された表面を工程(i)で決定された最適濃度の抗原でコーティングし、続いてタンパク質分子又は非タンパク質分子で遮断して非特異的部位を遮断すること、
iv)工程(ii)で得られたファージプールを、遮断されていないポリスチレン表面に予め吸着させ、プラスチックのバインダー(plastic binder)を除去すること、
v)規定された時間、工程(iv)からの予め吸着されたファージを、工程(iii)からの固定化された標的抗原とインキュベーションすること、
vi)複数ラウンドの洗浄を行って、工程(v)からの結合されていないファージを除去すること、
vii)トリプシン消化で工程(v)からの結合されたファージを溶出させ、ファージ力価を得るために、アンバーサプレッサー宿主並びに非アンバーサプレッサー宿主に同時に形質導入すること、
viii)次ラウンドのパニングのためにアンバーサプレッサー宿主に形質導入することによって、工程(vii)からの溶出したファージを増幅させること、
ix)減少した抗原濃度を用いて次ラウンドのパニングを実施し、工程(iii)〜工程(viii)を繰り返して、標的特異的な抗体集団を濃縮すること、
x)工程(vii)〜工程(ix)を繰り返すこと、
xi)標的特異的ELISAを用いる複数ラウンドのパニングを通して、濃縮された結合について、工程(vii)及び(x)からの溶出したファージを評価すること。
xii)ビオチン対タンパク質のモル比が10未満、好ましくは1〜5を達成するように、所与の抗原の最適ビオチン化のための反応条件を最適化すること、
xiii)ファージミドライブラリーをファージフォーマットに変換すること、
xiv)工程(xiii)で得られたファージをタンパク質分子又は非タンパク質分で遮断して非特異的部位を遮断して、一定時間非特異的部位を遮断し、同時にストレプトアビジンビーズを洗浄し、続いてビーズをタンパク質分子又は非タンパク質分子で遮断して非特異的部位を遮断すること、
xv)工程(xiv)からの遮断されたファージを、可溶性標的ビオチン化抗原(工程(xii))と規定の期間、インキュベーションすること、
xvi)工程(xv)で得られたファージ−抗原複合体を、予め遮断されたストレプトアビジンビーズとインキュベーションすること、
xvii)工程(xvi)の抗原−ファージ結合体に結合したビーズの複数ラウンドの洗浄をして、結合されていないファージを除去すること、
xviii)DTT消化又はトリプシン消化で工程(xvi)の結合されたファージを溶出させ、ファージ力価を得るために、アンバーサプレッサー宿主並びに非アンバーサプレッサー宿主に同時に形質導入すること、
xix)次ラウンドのパニングのためにアンバーサプレッサー宿主に形質導入することによって、工程(xviii)からの溶出したファージを増幅させること、
xx)減少した抗原濃度を用いて次ラウンドのパニングを実施し、工程(xiv)〜工程(xviii)を繰り返して、標的特異的な抗体集団を濃縮すること、
xxi)工程(xix)〜工程(xx)を繰り返すこと、
xxii)標的特異的ELISAを用いる複数ラウンドのパニングを通して、濃縮された結合について、工程(xviii)及び工程(xxi)からの溶出したファージを評価すること。
i)溶出液タイトレーションプレートから単一の細菌コロニーからの可溶性Fabを得ること、
ii)96ウェル荷電ポリスチレンプレートの表面を重鎖に対するキャプチャー抗体でコーティングすること、
iii)工程(i)からの可溶性Fabを、工程(ii)からのコーティングさされた表面上にキャプチャーすること、
iv)軽鎖特異的抗体を用いることで軽鎖を検出し、全長のタンデムインフレームのヘテロダイマーの可溶性Fabを同定すること、を開示する。
i)非アンバーサプレッサー宿主の力価プレートから単一クローンを選び、37℃及び250rpmで一晩増殖させるために96ウェルディープウェルプレートで液体培養させること、
ii)一晩培養物を10倍希釈し、工程(i)と同一の条件下で対数期まで増殖させること、
iii)工程(ii)の対数期の培養物を1mMのIPTGで誘導し、30℃及び250rpmで一晩増殖させること、
iv)96ウェルプレート中で工程(iii)の培養物を遠心分離して、誘導された細胞をペレット化すること、
v)同じ96ウェルプレート中、30℃で一晩ゆっくり振盪しながら、緩衝液中で高濃度のEDTAを用いることで、工程(iv)のペレット化された細胞をペリプラズムの抽出をすること、
vi)遠心分離して、スフェロプラスト及び細胞片から離れて、工程(v)の拡散されたペリプラズムの画分を単離すること、を開示する。
i)50mlの個々の培養物中のqELISA陽性クローンから可溶性Fabを得ること、
ii)工程(i)で得られたFabを1×PBSに対して透析すること、
iii)動力学的分析のために、生理的な強度及びpHの流れる緩衝液を使用すること、
ここで、緩衝液は、0.1〜1.0M、好ましくは0.25〜0.75M、より好ましくは0.4〜0.6MのNaCl又はKClの濃度、及び0.005〜0.05%のTween−20濃度を含むリン酸塩又はHEPES、より好ましくはリン酸塩であることができ、
iv)SPR(表面プラズモン共鳴)チップ固定化表面を選択すること、
ここで、この表面は、荷電デキストラン、荷電アルギン酸塩、荷電デキストラン又は荷電アルギン酸塩の上にコーティングされたニッケルニトリロテトラ酢酸、又は荷電デキストラン又は荷電アルギン酸塩の上にコーティングされたストレプトアビジン若しくはニュートラアビジンであることができ、
v)工程(iv)のSPR表面のために固定化化学を選択し、
ここで、その化学は、EDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)及びスルホ−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)を用いたアミンカップリング、10mMの硫酸ニッケルを用いたNi2+荷電、又はストレプトアビジン−ビオチン認識化学であることができ、
vi)工程(v)からのチップ表面上に抗Fabキャプチャー抗体を固定化すること、
ここで、キャプチャー抗体は、抗Fab IgG、抗His、抗HA等の抗タグ抗体、ビオチン化抗CH1、又はビオチン化二価抗CH1/抗Cλ、又はビオチン化抗CH1/抗Cκ、又はビオチン化二価抗CH1/抗Cλとビオチン化抗CH1/抗Cκの両方の50:50混合物を含むことができ、
vii)工程(ii)から得られた粗ペリプラズムFabを、工程(vi)からのチップのキャプチャー抗体でコーティングされた表面上にキャプチャーすること、
viii)2〜15分間の中間休止時間で、チップ表面上に1〜3回のラウンドの流れる緩衝液の注入で信号を安定化すること、
ix)分析物の最適濃度で工程(vii)のキャプチャーされたFabに対する分析物の応答を試験して、標的抗原バインダーと非バインダーとを区別すること、
x)再生試薬を用いてFab−分析物複合体を除去して、表面を次ラウンドのスクリーニングに再使用すること、
ここで、再生剤は、2M MgCl2、0.85%H3PO4、50mM NaOH又は10mMグリシン、pH2.0を含むことができる、を開示する。
前節で記載された段階的評価システムは、Fabが、安定性の理由から抗体発見のための好ましいフォーマットであり、ハイスループット方式でタンパク質として首尾よく評価され得ることを示唆する。この設計決定は、ファージ増幅の制約、大腸菌における発現の乏しさ、並びに段階的評価プロセス自体によって課される厳格さのために、多数の有望なバインダーが失われるという真実、したがって、その損失を補償するために超大型Fabライブラリーが作製され、ディスプレイ方法による抗原認識のために利用可能にされるとの必要性に、加えられた。
i)ファージミドベクター中にFabを連結すること、
ii)連結された混合物で適切な宿主を形質転換すること、を開示する。
i)11〜37℃で、好ましくは11℃で、T4 DNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼ特性を用いてFabを平滑末端化し、37℃で1〜1.5時間、好ましくは1.5時間、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて平滑末端化されたFabの5’末端をリン酸化すること、
ii)4〜16℃の温度範囲で、好ましくは16℃で16時間、続いて25℃で1時間、1.5〜9%w/v、好ましくは4〜7%w/v、より好ましくは6%w/vの範囲の最終%で、分子量6000〜32000ダルトン、好ましくは8000ダルトンのポリエチレングリコールを含む群から選択される添加剤の存在下、50〜400ng/μl、好ましくは200ng/μlの濃度範囲の全DNAと共に、工程(i)で得られたFabを自己連結させること、
iii)50℃で16時間、工程(ii)からの自己連結されたFab集団を32U/μgのSfiIで制限消化して、突出末端を有する直鎖状Fabを放出させ、続いてアガロースゲルで精製すること、
iv)16℃の温度で16時間、続いて37℃で1時間、工程(iii)で得られた直鎖状Fabを、pCOMB3XSSベクターに突出末端で連結させ、70℃で15分間熱不活性化すること、を開示する。
i)50℃で16時間、直鎖状Fab集団を32U/μgのSfiIで制限消化して、突出末端を有する直鎖状Fabを放出させ、続いてアガロースゲルで精製すること、
ii)16℃の温度で16時間、続いて37℃で1時間、工程(i)で得られた直鎖状Fabを、突出末端で連結させ、70℃で15分間熱不活性化すること、
を開示する。
i)50℃で16時間、直鎖状Fab集団を32U/μgのSfiIで制限消化して、突出末端を有する直鎖状Fabを放出させ、続いてアガロースゲルで精製すること、
ii)16℃の温度で16時間、続いて37℃で1時間、工程(i)で得られた直鎖状Fabを、突出末端で連結させ、70℃で15分間熱不活性化すること、を開示する。
本発明は、超大型ライブラリーを作製するための新規ファージミドベクター(pSSY1;配列番号38及び図28)を開示する。実施例に示すように、非効率的な連結のために超大型ライブラリーを作製することができなかった親ベクターpCOMB3XSSに内在する欠陥(図12;Barbas CF III et al., 1991; Andris-Widhopf J et al., 2001. Generation of antibody libraries: PCR amplification and assembly of light- and heavy-chain coding sequences. In: Phage Display: A Laboratory Manual)があるために、このベクターの作製が必要とされた。本発明は、親ベクターの設計意図に基づくベクターの再設計を開示するが、この努力はまた、全配列に大きな変化を導入し、本明細書の実施例に記載される著しい利点を提供した。このプラスミドの更なる特徴、及びpCOMB3XSSとの類似点と非類似点は、実施例24に示されている。
本発明は、コンビナトリアルヒト免疫グロブリンレパートリーを作製し、その後のファージミドディスプレイベクターpSSY1を用いてクローニング及び表示させるための、ヒトV遺伝子の高忠実度の増幅及びそれらのヒトC遺伝子との融合のためのPCR条件の最適化セットを設計及び利用する。この目的のために、先行技術(Andris-Widhopf J et al., 2001. Generation of antibody libraries: PCR amplification and assembly of light- and heavy-chain coding sequences. In: Phage Display: A Laboratory Manual)に記載される35個のプライマーのセットを利用し、続いてpSSY1ベクターへの効率的な連結を可能にするために改変された。本発明は、前記の35個のプライマーの増幅及びそれに続くpCOMB3XSSベクターへのそれらの連結のための新規方法を開示する。本発明はまた、改変プライマー及びそれらの増幅並びにその後の新規ベクターpSSY1への連結を開示する。
i)Fabを得るための免疫レパートリーのキャプチャー、
ii)上記のキャプチャーされた免疫レパートリーを適切なベクター中に表示すること、を開示する。
i)RNAの単離及びcDNAの合成、
ii)配列番号1〜23及び42〜54を含むプライマーを用いたVL(λ及びκ)ドメイン及びVHドメインの増幅、
iii)配列番号24〜26を用い、そして配列番号27〜31を含むプライマーを用いたCドメインの増幅、
iv)配列番号30、32、35〜37及び55を含むプライマーを用い、それぞれ工程(ii)及び工程(iii)から得られたVκドメイン及びCκドメイン並びにVλドメイン及びCλドメインの融合による軽鎖のオーバーラップPCR、
v)配列番号28及び33を含むプライマーを用い、工程(ii)及び工程(iii)から得られたVH及びCH1の融合物から得られた重鎖のオーバーラップPCR、
vi)Fabを得るための、配列番号32、34、35〜37及び55を含むプライマーを用い、工程(iv)及び工程(v)からそれぞれ得られた軽鎖及び重鎖のオーバーラップPCR、
vii)各工程でアンプリコンを精製すること、を開示する。
i)水溶液中のcDNAテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、可変λドメインを得て、多様なVλレパートリーのキャプチャーをもたらすこと、を開示する。
i)水溶液中のcDNAテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、可変κドメインを得て、多様なVκレパートリーのキャプチャーをもたらすこと。
i)水溶液中のcDNAテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、可変重鎖ドメインを得て、多様なVHレパートリーのキャプチャーをもたらすこと、を開示する。
i)水溶液中の合成CH1ドメインテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、定常重鎖ドメインを得ること、を開示する。
i)水溶液中の合成Cκドメイン及びCλドメイン、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、定常κ及びλドメインを得ること、を開示する。
i)水溶液中のそれぞれ軽鎖可変及び定常遺伝子テンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、λ及びκ軽鎖レパートリーを得ること。
i)水溶液中のそれぞれ重鎖可変及び定常遺伝子テンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、重鎖ドメインを得ること。
i)水溶液中の軽鎖及び重鎖レパートリー、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、λ及びκFabレパートリーを得ること。
i)水溶液中の軽鎖及び重鎖レパートリー、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、λ及びκFabレパートリーを得ること。
RNAの単離とcDNA合成
TRIzol(Invitrogen/ThermoFisher)とRNeasyキット(Qiagen)とを組み合わせた方法を用いて、ヒトPBMCから全RNAを単離した。新たに採取したPBMCをTRIzol中で超音波処理し、溶解物を−80℃で保存した。溶解物を0.2体積のクロロホルムで抽出して、核酸画分を水層中に単離した。水層を直ちに70%エタノールと混合し、その後RNeasyキットの説明書に従った。RNAを260nmで定量し、中性のpHでアガロースゲル電気泳動により品質を確認した。図1は、臭化エチジウム染色ゲルの画像を示し、ゲノムDNAが混入していない、特徴的な28S及び16Sバンドを有する高品質の完全なRNAの存在を示す。
Vドメインの増幅
合成されたcDNAからヒト免疫グロブリンファミリーのVL、VH及びJ領域を増幅するために、23個のプライマーのセット(配列番号1〜23)を用いた。しかし、推奨されるPCR条件(Andris-Widhopf J et al., 2001. Generation of antibody libraries: PCR amplification and assembly of light- and heavy-chain coding sequences. In: Phage Display: A Laboratory Manual)を適用したが、いかなるアンプリコンも生成されなかった。高速PCR増幅条件を用いた非常に効率的なリアルタイムPCRカクテル(図2)を用いてアンプリコンを作製した。PCR反応を以下のプロトコール:95℃で30秒間の高温開始、続いて95℃で5秒間の変性、58℃で5秒間のアニーリング、プレート読み取り、72℃で30秒間の伸長の40サイクル、続いて、0.5℃刻みで65℃と95℃の間のアンプリコンの融解曲線分析と同時プレート読み取りでサイクルさせた。その結果を図2に示す。
最適化されたV λ ドメインの増幅
図3に基づいて、9個のVλプライマー対のうち8個が良好な増幅を提供したことが注目され得る。配列番号23を用いて増幅できなかったフォワードプライマーは配列番号19であった(図3)。全てのプライマーを増幅するために、反応当たりの投入cDNAを20ngから50ngに増やすことで条件の更なる最適化を行った。PCR反応は、図3に設定した条件を用いて実施した。図4に示した結果は、残りのVλ特異的プライマー対と共に、プライマーセットの配列番号23/配列番号19からのVλ遺伝子の増幅を示す。
最適化されたV k ドメインの増幅
図3に基づいて、異なるプロトコールを用い、κ特異的プライマー(配列番号9〜13)を用いてVκドメインを増幅する必要があることが理解される。κリバースプライマー(配列番号13)のためのTmは、72℃未満である70.6℃であることが観察された。2工程PCRにはあまりも適していなかったため、3工程サイクリングプロトコールで、代表的なプライマー対として配列番号9/配列番号13を用いてVκ増幅を行った。この実験ではPfu ultra II HS酵素を用い、R×C設計は一連のPCR緩衝液と4つの異なるTa温度(56.2℃、60.7℃、67.3℃、70℃)を含んだ。増幅緩衝液がPfu緩衝液であり、増幅酵素がPfu ultra II HS酵素である場合、このプライマー対からの最適な増幅が約60℃のアニーリング温度で得られた。
最適化されたV H ドメインの増幅
図3に基づいて、異なるプロトコールを用い、ファミリー特異的プライマー(配列番号1〜9)を用いてVHドメインを増幅する必要があることが理解される。VHドメインの特定の収量を得るために、PCR緩衝液のR×C設計を3つの異なるアニーリング温度(56℃、60℃及び68℃)で、Pfu Ultra II HSポリメラーゼを用いる3工程PCRプロトコールで行った。代表的なプライマー対は配列番号5/配列番号8であった。試験した緩衝液のいずれを用いても3つの温度の全てで増幅が可能であったが、緩衝液は収量又は特異性において異なっていた。
最適化されたCドメインの増幅
Cドメイン特異的プライマー(配列番号27〜31)は、Vドメイン特異的プライマー(配列番号1〜23)と比較すると短く、非アニーリング突出部分(平坦なプライマー)を有さないことが観察された。本発明はまた、プラスミド(合成構築物;配列番号24〜26)に基づき、したがってVドメイン特異的プライマーと比較してプライマーによるスキャン及びハイブリダイズされる標的塩基対に関してそれほど複雑でないCドメインテンプレートの使用を開示する。
V λ ドメインとC λ ドメインの第1のオーバーラップアセンブリ
明白に十分な量でVλとCλの融合を融合させ増幅させるために、図5に例示されるR×C酵素対緩衝液の設計を使用した。等モル濃度のオーバーラップする生成物を、表3A及び表3Bに設定される酵素−緩衝液の組合せ及びPCRパラメーターを用いて試験した。
V H ドメインとC H 1ドメインの第1のオーバーラップアセンブリ
表6A及び表6Bに記載のプロトコールを用いてVH−CH1増幅を行った。
Fab作製のためのV L ―C L ドメイン及びV H -C H 1ドメインの第2のオーバーラップアセンブリ
VL−CLテンプレート及びVH−CH1テンプレートの融合を、配列番号32/配列番号34のプライマー対を用いて表8A及び表8Bに記載の通りに行った。この実験では、VλCλ増幅生成物のみをVHCH1増幅生成物との融合のために用いた。
ベクターの調製
この目的のために、緩衝液M(Roche)中で合計60μgのベクター(3反応試験管;20μg/100μl反応)をSfiI(10U/μgベクター)で一晩、50℃で消化することによって、十分な量のpCOMB3XSS(実験室で再作製;図12)ベクター骨格を調製した。反応混合物をプールし、フェノール化し、エタノール沈殿し、TEに溶解した。SfiIで消化されたベクターを、臭化エチジウムを含まない0.8%調製用ゲルのウェルにロードした。ゲルを5V/cmで2.5時間泳動させた。臭化エチジウム染色の後、約3.3kbのpCOMB3XSSベクター骨格を、QIAEXIIゲル抽出キットを用いてゲル抽出及び精製した(図13)。同時に、SfiI消化後にベクターから放出された約1.6kbのスタッファーもまた単離し、ゲル精製した(図13)。ベクター骨格とスタッファーの両方を試験連結に用い、連結効率を最適化し、ベクターの品質を確認した。
試験連結及びライブラリーサイズ計算
SfiIを用いた制限消化後にベクターから放出された1.6kbのスタッファーフラグメントを用いて試験連結を行った(参照,図12及び図13)。この試験の基礎となる理論的根拠は、1.6kbスタッファーフラグメントに最適化された連結条件が、同様の大きさの(約1.5kb)Fabフラグメントに、その最適化を無駄にすることなく、直接適用できることである。
前記の免疫グロブリン又は軽鎖と重鎖の両方を含むフラグメントの異なるドメインのSfiIで消化されたpCOMB3XSSへの連結
スタッファーコントロールを用いて、最適化された条件(熱不活性化及び連結混合物の希釈)に従って、Fab試験連結を実施した(実施例11)。実施例9に示された最適なプロトコールによって、Fabを調製した。連結混合物を70℃で15分間熱不活性化し、2μlの連結混合物を38μlの水と混合することで1:20に希釈した。3μlの連結混合物を25μlのTG1エレクトロコンピテント細胞中に形質転換した。培養物を250rpm及び37℃で1時間インキュベートした。1、10及び100μlの培養物を100μg/mlのカルベニシリンを含有するLBプレートに蒔いた。プレートを37℃のインキュベーターで一晩インキュベートした。この実験からのコロニー数を表16に示す。
SfiIで消化したpCOMB3XSS調製物中のスーパーコイル/未切断プラスミドの汚染
SfiIで消化されたpCOMB3XSSへのPCR増幅されたFabの低い連結効率の原因となる因子を調べた。Fab連結プレートからのコロニーを、Fabフラグメントの存在について調べた。SfiI消化後、48個のコロニーを1.5kbバンドの存在についてそれらのプラスミドDNAについて分析した。
ベクター連結の成功への障壁としてのFabの不正確な末端
Fabの連結効率を改善するために、PCRで増幅されたFabの5’末端及び3’末端のSfiI認識配列を、配列決定によって更に調べた。この目的のために、キット(TOPO−TA 4.0 kit;Life Technologies/ThermoFisher)に含まれるキットとベクターを用いて、SfiI消化せずに実施例9に従って調製したプールしたFabフラグメントのアリコートをトポイソメラーゼI媒介連結によってクローニングした。LB−カルベニシリンプレートから24個のクローンを取り上げ、プラスミドDNAを小スケールで調製した。プラスミドをSfiIで消化すると、24個のうち15個(62.5%)がSfiIの放出を示した(図15)。8個のクローンの配列決定は、両端に完全なSfiI配列を有するクローン(c1、c3、c4、c8−表18)もまた制限消化後に1.5kbのFabバンドを放出することを示した(図15)。したがって、この実験から、プールされたFabフラグメントの5個のうちの1個(20%)が5’末端又は3’末端のいずれかに不正確なSfiIを含むと推測されるかもしれない。
Topoベクターから放出されたFabは再連結可能
図15は、SfiI部位がいずれの末端とも完全であるという条件で、FabフラグメントがスーパーコイルTOPOベクターから首尾よく放出され得ることを非常に明確にした。更に、本発明は、TOPOベクターから放出されたFabフラグメントが再び(Fab陽性クローンからの)SfiIで消化されたTOPOベクターに、又は三重消化されたpCOMB3XSSベクターに連結できるかどうかを調べた。
SfiI消化を促進するための自己連結によるFabの環状化
Fabの連結効率を改善するために、本発明は、直鎖状Fabフラグメントを自己連結することによってスーパーコイルFabを作製するアプローチを開示する。自己連結後、単一の直鎖状Fabが環状になることができ、又は複数の直鎖状Fabが互いに連結して直鎖状コンカテマーを形成することができる。後者はそのままとしてもよく、又は更に連結させてスーパーコイルプラスミドを模倣するより大きな環状分子を形成させることができ、それはSfiIのためのより適切な基質であろう。その概念を図16に示す。
SfiI消化を促進するための自己連結によるFabプールの環状化
κFabプールをオーバーラップPCRで調製し、実施例9に示したようにゲル精製した。Fabのための最終オーバーラップPCRは、「A」突出部分を生成するPCR Extender酵素混合物で最適化されるため、T4ポリメラーゼによる平滑化の更なる工程をFab連結の前に加えた。平滑化Fabは、自己連結の前にフェノール化及びエタノール沈殿によって、汚染タンパク質及び塩を含まないようにした。自己連結、SfiI消化、ベクター連結及び形質転換の手順は、実施例16と同様に実施した。この研究の結果を表21に示す。
自己連結され、SfiI消化されたFabプールへのpCOMB3XSS連結からの組換クローンの分析
24個のクローン(κ及びλのそれぞれ12個)の全部を最初に選び、プラスミドDNAを小スケールで抽出した。Fabの同一性を確認するために、表24に示すように、2工程PCRプロトコールを使用して、テンプレートとしてのプラスミドDNA及び配列番号32/配列番号34のFab末端特異的プライマーを用いてPCRを行った。その増幅のために、AmpliTaq Gold酵素を1.5mM MgCl2を含むAmpliTaq Gold緩衝液と組み合わせて用いた。
自己循環プロセスの改善と回収の計算
図17のデータは、SfiIで消化されたFabを自己連結された直鎖状Fabから調製した場合、認識可能な割合の未連結のFabが残ることを示す。最初に作製されたプロトコールでは、この未消化のFab集団は、アガロースゲル分画の間に、遊離された(SfiIで消化され連結可能な)Fabと一緒に持ち越される(図17)。この未消化のFab集団は、ライブラリーの効率を低下させるだけでなく、連結可能なFabの割合を希釈すると思われる。直鎖状Fabの自己環化の最適化プロセスは、本明細書中、以下に示される。
実施例16及び17のようにFabを連結した。連結反応20μl中に約83ng/μlのDNAを用いた。濃度を200ng/μlに増加させることで、直鎖状Fabの密集を試みた。両方の濃度のFabを、反応当たり6%の最終濃度の分子密集剤PEG8000の存在下及び非存在下で自己連結させた(Green MR and Sambrook J, 2012c. Cloning in plasmid vectors: Blunt end cloning; In: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Vol.1)。連結反応物を16℃で一晩インキュベートし、アガロースゲル分析の前に有機抽出によって精製した(図23)。
図23から明らかなように、PEG8000の存在及び単位体積当たりのDNA濃度の増加は、残存する1.5kbの未連結Fabの量の減少によって示されるように、自己連結を著しく改善した。
SfiI消化された連結可能なFab調製物から連結不可Fabを回避するための別のアプローチは、高分子量(HMW)DNAスミアのみをゲル抽出し(参照,図23の四角で囲った領域)、したがってSfiI消化前の1.5kbバンドを除くことである。アガロースゲルからのHMWスミアの回収は、以下の様々な方法で行われた。
a.標準的なQIAEXIIプロトコール(アガロースゲル片の単位g当たり3体積のQX1)を用いるスミアのゲル抽出。
b.修正QIAEXIIプロトコールを用いるスミアのゲル抽出(de Haard HJW, 2002. Construction of large naive Fab libraries. In: Methods in Molecular Biology, vol. 178: Antibody Phage Display: Methods and Protocols;アガロースゲル片の単位g当たり30体積のQX1、及びDNA5μg当たり100μlのビーズ)。
c.電気泳動溶出法によるゲル抽出(Sambrook J and Russell DW, 2001c. Recovery of DNA from agarose gels: electroelution in dialysis bags; In: Molecular Cloning: A Laboratory Manual; Vol. 1)。
d.ゲル抽出無し。ゲル抽出の代わりに、Nanosep(Pall)又はMicrocon(Millipore)スピンフィルターを用いて、自己連結混合物を水で洗浄及び緩衝液交換し、SfiIで直接消化すること。
ウルトラコンピテントTG1細胞におけるエレクトロポレーションのパラメーター
2×(5×108)=109クローンの標的ライブラリーサイズに達するために、本発明は、スーパーコイルプラスミドコントロールで2桁高い形質転換効率を有するエレクトロコンピテント細胞(すなわち、4〜5×1010cfu/μg;Lucigen,Madison,WI,USA)を利用する。
ウルトラコンピテントTG1細胞における形質転換のパラメーター
試験連結及びエレクトロポレーションのための最適化された手順(参照,表15)に従って、形質転換当たり2.2ng(それぞれ1.1ngのベクター及びFab)に相当する25μlのTG1細胞当たり、3μlの熱不活化され1:20希釈された連結混合物を形質転換する必要がある。したがって、ベクターDNAの109/μgのライブラリーサイズに達するためには、約1000の個々の形質転換を行うことが必要である。本発明は、以下に示されるように、沈殿又は緩衝液交換による塩の除去による、及び連結された全投入DNAの量に対するTG1細胞の固定体積の飽和点の正確なタイトレーションによる、形質転換数の減少を開示する。
形質転換効率に対する連結混合物の塩除去の効果
この実験には、スタッファー−pCOMB3XSS連結物を使用した。22個の連結反応のすべてを設定し(140ngベクター+140ngスタッファー/20μl反応)、約6μgの連結DNA混合物を得た。直鎖状にされたベクター及びスタッファーDNAの混合物を45℃で5分間加熱し、直ちに氷上で冷却し、保証されていない接着性の末端連結を防止するためにリガーゼ緩衝液及びリガーゼ酵素を添加した。16℃で一晩連結した後、連結物を70℃で15分間熱不活性化した。6μgの連結プールを2つの部分(各3μg)に分けた。1つの部分はエタノール沈殿による塩除去に供した。2つ目の部分はMicrocon DNA Fast Flowスピンフィルターを用いた塩除去に供した。スーパーコイルpCOMB3XSSプラスミド単独を陽性コントロールとし、連結混合物に添加し、スタッファーpCOMB3XSS連結物と全く同じ方法で処理した。実験手順及び細胞が予想通りに機能していることを確認するため、スーパーコイルpUC19コントロールも含めた。この実験を実施しながら、各工程における投入DNA量及び回収量を記録した(表35)。
10 10 cfu/μg以上の効率のTG1細胞を形質転換するための最適な細胞対DNAの比
109クローンのライブラリーサイズに達するために形質転換の数を減らすための他の可能なアプローチは、効率を低下させることなく、TG1細胞の固定量(50μl)に形質転換できるDNAの最大量を見つけることである。実施例21aの記載と正確に同様にして、18個のすべての標準連結反応、すなわち140ngのベクター+140ngのスタッファー=280ngの全DNAをそれぞれ含む20μlの反応を設定して、約5μgの連結DNAを得た。全ての反応をプールし、Microconスピンフィルターを用いてプールされた連結混合物を洗浄した後、約3.5μgの連結DNAを回収した。実施例21aで設定したプロトコールに従って合計4.4ng(ベクター+インサート)から開始して、TG1細胞50μl当たり以下の量:6.25、12.5、25、50、75、100、150、200、400及び800ngのDNAを形質転換した。形質転換された細胞を950μlのRecovery緩衝液(Lucigen)中で再生させ、1:1000、1:5000、1:25000及び1:50000希釈物からのそれぞれ100μlを2%グルコース及び50μg/mlのカルベニシリンを含有する90mm LB寒天プレート上に蒔いた。1:100000希釈は、400及び800ngサンプルについてのみ行われた。図24Aは、この連結からの形質転換されるたプレートを示し、表37は、計数され、処理されたデータを示す。
自己環状化プロトコールによる大きなファージミドライブラリーの作製
CTL(Cellular Technologies Ltd,クリーブランド,オハイオ州,米国)からの特徴付けられたPBMCを使用し、実施例1に詳述された以下の工程によって、12人のドナーのプールからRNAを単離した。実施例1の詳述に従って、cDNAを調製した。調製されたcDNAの品質を試験するために、反応50μl当たり50ngのテンプレートを有するプールされたcDNA上で、VH、Vκ及びVλドメインにそれぞれ特異的な1つのプライマー対を用いた。実施例3〜5に記載された最適のPCRサイクリングプロトコールを使用することで、このcDNA調製物からそれぞれのVファミリーを明確に増幅させた。
ベクター連結の成功への障壁に関する更なる研究
より大きなナイーブ抗体ファージディスプレイライブラリーを得るために、本発明はまた、代替的な方法及びプロトコールを本明細書に開示する。臭化エチジウムと同様にdsDNAインターカレーター性色素でもあるSYBR safe(商標)は合成scFvライブラリーの連結効率を改善することが報告されている(Martineau P, 2010. Synthetic antibody libraries. In: Antibody Engineering, Vol. 1)。理論的根拠は、臭化エチジウム染色したゲルを紫外線にさらすとDNAが損傷し、そのためにクローニング効率が低下することである。先行技術に設定されているこの考えを試験するために、実施例13に示すように、20μgのpCOMB3XSSベクターをSacI−SfiI−SacIで3回消化した。ゲル当たり10μgの消化されたpCOMB3XSSベクター生成物を、2つの異なる1×TAE中にキャストされた1%低融点アガロースゲル上で、5V/cmで90分間泳動させた。ゲル#1を0.01μg/mlの臭化エチジウムで染色し、ゲル#2をMilli−Q水中の1:10000希釈のSYBR safe(商標)で染色した。両方のゲルを、暗い実験室領域で穏やかに振盪しながら20分間染色した。両方のゲルからのベクター骨格(約3.3kb)及びスタッファー(約1.7kb)を切り出し、QiaQuikキットを用いて精製した。ヌクレアーゼを含まない水にDNAフラグメントを溶出させ、ピコグリーンアッセイで定量した。実施例11に記載と同様にして、適切な実験コントロールを行って、それぞれのベクター及びスタッファーの連結並びにTG1細胞への形質転換を行った。表45は、Martineau(2010; Synthetic antibody libraries. In: Antibody Engineering; Vol. 1)に従う方法を用いることで、連結/形質転換の効率がTG1細胞において少なくとも3倍増加し得ることを示す。
pCOMB3XSSよりも明らかに改善された新しいファージベクター:pSSY1
図13は、SfiIによるプラスミドpCOMB3XSSの消化が不完全であることを示す。実施例10は、このような挙動の理論的根拠が、5’部位及び3’部位のdcmメチルトランスフェラーゼ感受性ペンタヌクレオチドコアにあり、dcm+宿主をプラスミド増殖に用いる場合にこれらの部位をヘミメチル化されたままにすることを指摘する。この問題が市販のdam−/dcm−大腸菌株の使用によって軽減することができるが、実施例13は更に、そのようなプラスミド調製物を日常的なFab連結のために使用することの実際上の困難性を説明する。pCOMB3XSSプラスミドの詳細な検討は、以下に列挙される更なる設計上の問題を明らかにする(ヌクレオチドの位置は、Barbas研究室のサイトで利用可能なものと同一である,参照,http://www.scripps.edu/barbas/content/pcomb_images/pcomb_images_files/pComb_Text_Files/pComb3XSS.txt):
1.軽鎖及び重鎖のスタッファーの両方は、それらが大腸菌内で翻訳可能であるように設計される。
2.軽鎖スタッファーの場合、これがOmpAペリプラズムリーダーを含む55アミノ酸のタンパク質を産生することが予測される。
3.重鎖スタッファーの場合、これがN末端のpelBペリプラズムリーダー及びC末端のバクテリオファージfd遺伝子IIIのCTD(C末端ドメイン)と共に、大腸菌チオレドキシン遺伝子(GenBank M10424.1;ntl584−1940)を含む351アミノ酸のタンパク質を産生することが予測される。
4.軽鎖スタッファーは、Fab様クローンの一部(nt527−977:GenBank AB608265のVHフラグメントと同一、及びnt930−1469:GenBank λクローンL22157.1と同一)を含む。
5.6×Hisタグが赤血球凝集素(HA)タグの内部にあり、一般的な固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)フォーマットに基づく検出及び/又は精製が困難な場合がある。
pSSYl骨格上の超大型ライブラリーの構築
CTL(Cellular Technologies Ltd.,オハイオ州クリーブランド,米国)からの特徴付けられたPBMCを用いて15人のドナーのプールからRNAを単離し、それぞれ1人のドナーからの骨髄、脾臓及び扁桃の市販のRNA(AMS Biotechnology、Abingdon、Oxford、英国)と共にプールした。
ファージ変換と固相パニング
実施例22で得られ、表40に示される合計3.4×109cfuのナイーブヒトファージミドライブラリーの細菌からファージへの調製的大スケールの変換のために、5つのサブライブラリーのそれぞれの10倍過剰の細菌細胞を所定量の培養液に接種して、最終OD600約0.1を得た。ライブラリーサイズの一次接種物としての10倍過剰の細胞を選択し、保存されたライブラリーの独立した形質転換体の各々から完全な代表(representation)を得た。5つのサブライブラリー(表40)のそれぞれを独立して400mlの培地に接種した。接種された一次ライブラリー培養物を0.5のOD600まで増殖させ、VCSM13を用いて感染に使用した。抗体フラグメント−pIII融合ポリペプチド(Thie et al., 2008)の溶解度に好都合な低温で、一晩培養物(体積約4000ml)中でファージを増殖させるために、感染培養物を最終的に10倍に希釈した。2回の連続した遠心分離によって一晩培養からのファージを得た。ファージディスプレイライブラリーの効率的なスクリーニングには、高純度の投入ファージが必要である。ポリエチレングリコール(PEG8000)による二重沈殿を用いてファージを精製した。ファージ力価に関するファージの収量は、(a)適切な希釈で大腸菌TG1細胞を感染させることで形質導入単位又はコロニー形成単位(cfu)として、及び(b)以下の実験式(Bonnycastle LLC et al., 2001. General phage methods. In: Phage Display: A Laboratory Manual):
ファージ/ml=OD260×希釈係数×22.14×1010
を用いることで、決定された。
1つのバッチからの5つのサブライブラリーの各々からの総ファージ収量は、2〜4×1014cfuの範囲内であると決定された。これらのライブラリー保存ファージを−80℃で1〜2×1013/mlで保存した。無作為に選択された12個のクローンのコロニーPCRによって、変換されたライブラリーを全長のFab(約1.5kb)の存在について調べた。
短長のクローンの存在に関わらない、パニングの明らかな成功
表54の個々の時点からのすべての溶出液は、次の2ラウンドでパニングに進められた。餌抗原濃度は、2回目のラウンドで5μg/mlに、3回目のラウンドで2μg/mlに減少させた。ファージ溶出液力価を、各ラウンドのパニングでモニターし、TG1形質導入によってファージミドフォーマットに変換し、グリセロール保存液として保存した。各回のパニングの前に、これらのグリセロール保存液をVCSM13形質導入によってファージフォーマットに変換した(増幅された)。2回目及び3回目のラウンドからのこれらの増幅された溶出液プールから餌特異的ファージELISAを行った。この目的のために、実施例26に記載されているように、8ウェルPolySorpストリップ(Nunc)を96ウェルフレーム上に配置し、餌抗原でコーティングした。抗原コーティングを行わない平行なセットのストリップも準備した。平均開始力価2×1012/ml及び最終力価2.6×109/mlのそれぞれ100μlのファージプールをそれぞれのウェルに添加し、37℃で2時間インキュベートした。TBSTを用いて3回洗浄した後、100μlのHRP結合抗gVIII検出抗体を1ウェル当たり1:5000希釈で添加し、37℃で1時間インキュベートした。TBSTで3回、続いてTBSで3回洗浄することによって、未結合の検出抗体を除去した。次いで、ウェル当たり100μlのTMB基質を添加し、暗所で20分間インキュベートした。2M H2SO4を加えて反応を停止させ、発生した色を450nmで読み取った。表55で強調表示されているA450値は、0.5に近いA450を与えるそれぞれの第2ラウンドファージプール(P03)の力価を表し、この力価は、コート無しのコントロール読み取り値、すなわち0.06より約10倍高い。このデータは、2回目のラウンドのパニング後のファージが、ライブラリークローンに対して抗原反応性について濃縮されていることを示す(バックグラウンドのA450値に対して10倍の値を有するライブラリープールからの力価をパニングプールからの力価と比較)。
Fabはペリプラスム抽出物中、ウェスタンで検出され得る
本発明はまた、この段階で配列決定することなく、インフレームバインダークローンに到達するための代替的な解決策を開示する。したがって、本発明は、モノクローナル抗原バインダーをファージ融合物としてではなく、非サプレッサー株で発現される可溶性Fabとしてスクリーニングする。この戦略は、pCOMB3XSS又はpSSY1ベクター中のgIIIのタグとCTDとの間に配置されたアンバー終止コドンを利用する。このアンバー終止コドンは、supE又はsupF株ではGln又はPhe残基として読まれるが、非スプレッサー株では翻訳終止コドンとして読まれる(Hoogenboom HR et al., 1991)。図33は、抗ヒト軽鎖及び重鎖特異的血清が、免疫ブロッティング後のパニングキャンペーンから得られたモノクローナルのペリプラズム抽出物中の約50kDaのバンドを認識できることを示す。
一連のゲートとしてのヒットセレクション
短いクローン及びオフフレームクローンに関する実施例26、27及び28からの証拠に基づいて、短いクローン及びオフフレームクローンを排除するために一連のゲートが考えられた。本発明は、全長クローンを発現させるために、また図33に記載したように、非サプレッサー細胞からのペリプラズム抽出物のウェスタンブロット上で約50kDaの免疫反応性バンドを検出することによってオフフレームクローンを排除するために、コロニーPCR及び非アンバーサプレッサー株を利用する方法を開示する。親和性ランク付けとそれに続くバイオアッセイ検証もまた、停止条件と同様に考えられた。
パニングキャンペーンのためのビオチン化抗原への論理ゲートの適用とその結果
実施例29に記載の概念は、本明細書では、モデルビオチン化抗原を用いて溶液パニング(Chames P and Baty D. 2010. Phage display and selection on biotinylated antigens. In: Antibody Engineering; Vol. 1)によって試験される。合計3.06×1011cfuのナイーブヒトファージミドライブラリー(実施例25,表49)の細菌からファージへの調製的な大スケールの変換のために、最終OD600約0.1を得るのに十分な量(約800ml)の培地に接種するため、各14個のサブライブラリーの2〜10倍過剰の細菌細胞を標的とした。合理的な培養体積内で0.1のOD600を維持しながら10倍過剰に達することは、超大型ライブラリーにとってしばしば困難であり、3.3倍過剰が以前に使用された(Schwimmer et al., 2013)。表57は、ライブラリーの代表の3倍がサンプリングされたことを示す。
チェインスイッチの概念
実施例30は、ペリプラズムスクリーニング中に三重のゲートされたクローンのサブセットから得られたウェスタンシグナルが、非還元ゲル上のポリクローナル抗体の使用に基づいており、約50kDaのバンドがLC−HCヘテロダイマー(約23kDaのLC±約27kDaのHC;望ましい表現型)、LC−LC又はHC−HCホモダイマー(約23kDaのLC+約23kDaのLC、又は約27kDaのHC+約27kDaのHC;望まない表現型;図37)の両方から由来し得ることを示す。本発明は、約50kDaのダイマーの一部としてHC又はLCを明確に検出することができる抗体を利用する。2つの異なる軽鎖特異的な(κ及びλ)、及び2つの異なる重鎖C末端タグ特異的な(ポリヒスチジン及び赤血球凝集素)抗体に対して、ウェスタンが最適化された。表58に示す単離された抗原ELISA反応性ヒットへの反復適用のために赤血球凝集素特異的mAbを選択した。
定量的ELISAの開発に適用されたチェインスイッチの理論
実施例31に示されたチェインスイッチELISAの概念の開発は、Fab定量化ELISAの開発を可能にする。このシステムでは、ペリプラズムFabは、CH1特異的抗体を用いてそれらの重鎖を通してキャプチャーされ、軽鎖特異的(抗κ又は抗λ)抗体で検出される。使用されたヒトFab標準物質(standards)は市販される。最適化された結合及び洗浄条件は、良好なダイナミックレンジ及びアッセイ直線性を可能にする。図42は、ヒトFab標準物質からの近似曲線の例を示す。
オフフレームクローンの検出に適用された定量的ELISA
実施例32に示されたチェインスイッチELISAは、オフフレームクローンから測定可能なシグナルを生成する。本発明はまた、インフレームクローンからのFabのみを検出するように改変されたELISAを開示する。本発明は、図40に示された概念によるインフレームクローン及びオフフレームクローンの検出を開示する。更に、本発明は、ペリプラズムから抽出されたFab中のCH1エピトープとの最大の相互作用のためにVL−VHパラトープをプレート表面に対して90°で配向させるストレプトアビジン表面上のキャプチャーFabの固定化を開示する。結果を図43に示す。
表面プラズモン共鳴によるFabの動力学的ランク付け
本発明は、いくつかのSPRチップ表面を調査し、抗CH1/抗Cκ又は抗CH1/抗Cλキャプチャーのための二重ヘッドを有する二価抗体(CaptureSelect(商標);Human Fab−κ or Fab−λ Kinetics Biotin Conjugates;Life Technologies/ThermoFisher)を開示する。図44は、パイロット実験において、それがペリプラズム抽出物からヒトFab又はランダムインフレームFabの市販の標準混合物、著しく多い他のキャプチャー抗体を、キャプチャーすることができたことを示す。更に、表面は、キャプチャーFabの著しい浸出なしに繰り返し使用することができた。
一連の改訂ゲートとしてのヒットセレクション
実施例33〜34に基づいて、本発明は、ファージ生物学に固有の短いクローン及びオフフレームクローンの問題を回避し、表現型決定で基礎となる遺伝子型情報の高い忠実度を維持しながら、抗原結合能、動力学的安定性等の表現型の評価のためにファージFab融合をFabタンパク質で置き換える、自動ハイスループットを含むハイスループットに適しており、そして多大な労力と誤りがちな操作を伴わずにヒット間の迅速で有意義な比較を可能にする、新しい一連のゲート(図47)を開示する。
抗TNFαバインダーを見つけるための段階的評価プロセスの適用
ヒト可溶性TNFα(sTNFα;Uniprot P01375)は、モノマー型の17.5kDaタンパク質であり、したがって、1μg/mlのsTNFα溶液は57.1nMに相当する。この質量−モル変換は、各ラウンドのパニング中の投入餌濃度を決定するために考慮された。Acro Biosystemsからの市販のビオチン化体のヒトTNFα(b−TNFα)(Cat#TNA−H821R,Lot#BL271R−65HS1−BQ)をパニングに使用した。pH7.4のPBS中の凍結乾燥粉末200μgを2mlの滅菌水に溶解し、570nMに相当する最終濃度0.1mg/mlを得た。用いたビオチン化化学はNHS−LC−ビオチンであり、製造業者はTNFα1モル当たり1〜3個のビオチンタグを主張した。pSSY1中に産生されたFabのgIIIタンパク質と重鎖との間のトリプシン切断部位の存在によって、そのようなビオチン化された抗原に結合したファージの溶出が可能になる。
抗PfRh5バインダーを見つけるための段階的評価プロセスの適用
熱帯熱マラリア原虫網状赤血球結合タンパク質ホモログ5(PfRh5;UniProt Q8IFM5)は59.8kDaのタンパク質であり、したがって、1μg/mlのPfRh5の溶液は16.7nMに相当する。この質量−モル変換は、各ラウンドのパニング中の投入餌濃度を決定するために考慮された。この研究のために社内で調製したPfRh5を用いた。
抗PfCSPバインダーを見つけるための段階的評価プロセスの適用
熱帯熱マラリア原虫CSP(Plasmodium falciparum;PfCSP;Uniprot Q7K740_PLAF7)は42.5kDaのタンパク質であり、したがって、1μg/mlのPfCSPの溶液は23.5nMに相当する。この質量−モル変換は、各ラウンドのパニング中の投入餌濃度を決定するために考慮された。精製PfCSPは社内で入手可能であった。
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Claims (36)
- 5.38×1010〜2.55×1011(1.26×1011)cfuのκライブラリー及び7.33×1010〜3.59×1011(1.79×1011)cfuのλライブラリーを含む、8.86×1010〜9.13×1011(3.06×1011)cfuの範囲のサイズを有するナイーブ抗体ファージディスプレイライブラリー(APDL)。
- 以下の工程を含む、請求項1に記載のAPDLを製造する方法:
i)Fabを得るための免疫レパートリーのキャプチャー、
ii)工程2(i)でキャプチャーされた免疫レパートリーを適切なベクター中に表示すること。 - 前記免疫レパートリーのキャプチャーが以下の工程を含む、請求項2(i)に記載のAPDLを製造する方法:
i)RNAの単離及びcDNAの合成、
ii)配列番号1〜23及び42〜54を含むプライマーを用いたVL(λ及びκ)ドメイン及びVHドメインの増幅、
iii)配列番号24〜26を用い、そして配列番号27〜31を含むプライマーを用いたCドメインの増幅、
iv)配列番号30、32、35〜37及び55を含むプライマーを用い、それぞれ工程3(ii)及び工程3(iii)から得られたVκドメイン及びCκドメイン並びにVλドメイン及びCλドメインの融合による軽鎖のオーバーラップPCR、
v)配列番号28及び33を含むプライマーを用い、工程3(ii)及び工程3(iii)から得られたVH及びCH1の融合物から得られた重鎖のオーバーラップPCR、
vi)Fabを得るための、配列番号32、34、35〜37及び55を含むプライマーを用い、工程3(iv)及び工程3(v)からそれぞれ得られた軽鎖及び重鎖のオーバーラップPCR、
vii)各工程でアンプリコンを精製すること。 - 可変λドメインの増幅が、配列番号14〜23及び46〜54を含むプライマーを用い、そして以下の工程を含む2工程のPCRで行われる、請求項3(ii)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中のcDNAテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程4(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程4(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、可変λドメインを得て、多様なVλレパートリーのキャプチャーをもたらすこと。 - 可変κドメインの増幅が、配列番号9〜13及び42〜45を含むプライマーを用い、そして以下の工程を含む3工程のPCRで行われる、請求項3(ii)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中のcDNAテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程5(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程5(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程5(iii)からのアニーリングされたテンプレートを65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、可変κドメインを得て、多様なVκレパートリーのキャプチャーをもたらすこと。 - 可変重鎖ドメインの増幅が、配列番号1〜8を含むプライマーを用い、そして以下の工程を含む3工程のPCRで行われる、請求項3(ii)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中のcDNAテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程6(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程6(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程6(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、可変重鎖ドメインを得て、多様なVHレパートリーのキャプチャーをもたらすこと。 - CH1ドメインの増幅が、配列番号27〜28を含むプライマー並びに配列番号24及び39を含むテンプレートを用い、そして以下の工程を含む3工程のPCRで行われる、請求項3(iii)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中の合成CH1ドメインテンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程7(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程7(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程7(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、定常重鎖ドメインを得ること。 - Cκドメイン及びCλドメインの増幅が、配列番号29〜31を含むプライマー並びに配列番号25〜26及び40〜41を含むテンプレートを用い、そして以下の工程を含む2工程のPCRで行われる、請求項3(iii)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中の合成Cκドメイン及びCλドメイン、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程8(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程8(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、定常κ及びλドメインを得ること。 - Vκドメイン及びCκドメイン並びにVλドメイン及びCλドメインの融合が、配列番号30、32、35〜37及び55を含むプライマーを用い、そして以下の工程を含む2工程のPCRで行われる、請求項3(iv)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中のそれぞれ請求項4〜5及び8からの軽鎖可変及び定常遺伝子テンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程9(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程9(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、λ及びκ軽鎖レパートリーを得ること。 - VHドメイン及びCH1ドメインの融合が、配列番号28及び33を含むプライマーを用い、そして以下の工程を含む3工程のPCRで行われる、請求項3(v)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中のそれぞれ請求項6及び7からの重鎖可変及び定常遺伝子テンプレート、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程10(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程10(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程10(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、重鎖ドメインを得ること。 - 軽鎖及び重鎖の融合PCRが、配列番号32、34、35〜37及び55を含むプライマーを用い、そして以下の工程を含む2工程のPCRで行われる、請求項3(vi)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中の請求項9〜10からの軽鎖及び重鎖レパートリー、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程11(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)工程11(ii)からの変性テンプレートを65〜72℃の温度でアニーリング及び伸長を同時にさせて、λ及びκFabレパートリーを得ること。 - 軽鎖及び重鎖の融合PCRが、配列番号32、34、35〜37及び55を含むプライマーを用い、そして以下の工程を含む3工程のPCRで行われる、請求項3(vi)に記載のAPDLを製造する方法:
i)水溶液中の工程9〜10で得られた軽鎖及び重鎖レパートリー、ポリメラーゼ酵素、プライマー、緩衝液及びdNTP混合物の混合物を得ること、
ii)工程12(i)の混合物を90〜96℃の温度範囲にして、テンプレートを変性させること、
iii)プライマーを55〜70℃の温度範囲で工程12(ii)からの変性テンプレートにアニーリングすること、
iv)工程12(iii)からのアニーリングされたテンプレート上で65〜72℃の温度でプライマーを伸長させて、λ及びκFabレパートリーを得ること。 - 緩衝液が、AmpliTaq(登録商標)Gold緩衝液、AmpliTaq(登録商標)PCR緩衝液、AmpliTaq(登録商標)PCR緩衝液II、Expand(商標)緩衝液2、Expand(商標)緩衝液3、Expand(商標)緩衝液4、Thermopol(登録商標)緩衝液、PfuUltra II緩衝液、Exact(商標)ポリメラーゼ緩衝液、PCR Extender緩衝液、Tuning緩衝液、Vent(登録商標)緩衝液、Advantage(登録商標)2緩衝液、Advantage(登録商標)2 SA緩衝液を含む群から選択され、耐熱性DNAポリメラーゼ酵素が、AmpliTaq(登録商標)Gold DNAポリメラーゼ、Expand(商標)LT Taq DNAポリメラーゼBlend、Phusion(登録商標)High Fidelity DNAポリメラーゼ、PfuUltra(商標)II HS DNAポリメラーゼ、PCR Extender(商標)DNAポリメラーゼBlend、Exact(商標)DNAポリメラーゼ、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ、Deep Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ及びAdvantage(登録商標)2 DNAポリメラーゼMixを含む群から選択される、請求項5〜12に記載のAPDLの製造方法。
- 請求項5〜13のキャプチャーされた免疫レパートリーをベクター中に表示することが、以下の工程を含む、請求項2(ii)に記載のAPDLを製造する方法:
i)ファージミドベクター中にFabを連結すること、
ii)連結された混合物で適切な宿主を形質転換すること。 - 配列番号32及び34を使用して得られるFabレパートリーの連結が、以下の工程によって行われる、請求項14(i)に記載のAPDLを製造する方法:
i)11〜37℃で、好ましくは11℃で、T4 DNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼ特性を用いてFabを平滑末端化し、37℃で1〜1.5時間、好ましくは1.5時間、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて平滑末端化されたFabの5’末端をリン酸化すること、
ii)4〜16℃の温度範囲で、好ましくは16℃で16時間、続いて25℃で1時間、1.5〜9%w/v、好ましくは4〜7%w/v、より好ましくは6%w/vの範囲の最終%で、分子量6000〜32000ダルトン、好ましくは8000ダルトンのポリエチレングリコールを含む群から選択される添加剤の存在下、50〜400ng/μl、好ましくは200ng/μlの濃度範囲の全DNAと共に、工程15(i)で得られたFabを自己連結させること、
iii)50℃で16時間、工程15(ii)からの自己連結されたFab集団を32U/μgのSfiIで制限消化して、突出末端を有する直鎖状Fabを放出させ、続いてアガロースゲルで精製すること、
iv)16℃の温度で16時間、続いて37℃で1時間、工程15(iii)で得られた直鎖状Fabを、突出末端で連結させ、70℃で15分間熱不活性化すること。 - ベクターがpCOMB3XSS(図12)である、請求項15に記載のAPDLを製造する方法。
- 配列番号34及び35〜37を用いて得られたFabレパートリーの連結が、以下の工程によって行われる、請求項14(i)に記載のAPDLを製造する方法:
i)50℃で16時間、直鎖状Fab集団を32U/μgのSfiIで制限消化して、突出末端を有する直鎖状Fabを放出させ、続いてアガロースゲルで精製すること、
ii)16℃の温度で16時間、続いて37℃で1時間、工程17(i)で得られた直鎖状Fabを、突出末端で連結させ、70℃で15分間熱不活性化すること。 - ベクターがpCOMB3XSS(図12)である、請求項17に記載のAPDLを製造する方法。
- 配列番号34及び55を用いて得られたFabレパートリーの連結が、以下の工程によって行われる、請求項14(i)に記載のAPDLを製造する方法:
i)50℃で16時間、直鎖状Fab集団を32U/μgのSfiIで制限消化して、突出末端を有する直鎖状Fabを放出させ、続いてアガロースゲルで精製すること、
ii)16℃の温度で16時間、続いて37℃で1時間、工程19(i)で得られた直鎖状Fabを、突出末端で連結させ、70℃で15分間熱不活性化すること。 - 前記ベクターがpSSY1(配列番号38;図28)である、請求項19に記載のAPDLの製造方法。
- ウルトラコンピテントセル50μl当たり25〜400ng、好ましくは100〜350ng、より好ましくは200〜300ngのDNA対細胞体積比で、形質転換が実施される、請求項14(ii)に記載のAPDLを製造する方法。
- 0.1、0.2、0.4cm、好ましくは0.2cmの電極間距離のキュベット中で、1500〜3500ボルト、好ましくは2500〜3200ボルトの範囲の電圧で、10〜30μF、好ましくは20〜28μFの範囲の静電容量で、100〜400オーム、好ましくは250〜350オームの抵抗で、形質転換が実施される、請求項14(ii)に記載のAPDLを製造する方法。
- 宿主が、TG1、XL−1 Blue、及びER2537を含む群から選択されるアンバーサプレッサーt−RNAコード宿主、好ましくは超高なコンピテンス(4×104cfu/μg)のTG1である、請求項14(ii)に記載のAPDLを製造する方法。
- 1工程の形質変換で請求項15〜23で得られた15〜160μgの連結DNA、好ましくは20〜100μg、より好ましくは40〜50μgの連結DNAからAPDLが得られる、請求項1に記載のAPDLを製造する方法。
- 1工程の形質変換で請求項15〜23で得られた10〜70μgの連結DNA、好ましくは20〜50μg、より好ましくは25〜30μgの連結DNAからAPDLが得られる、請求項1に記載のκサブタイプのAPDLを製造する方法。
- 1工程の形質変換で請求項15〜23で得られた5〜60μgの連結DNA、好ましくは8〜50μg、より好ましくは10〜20μgの連結DNAからAPDLが得られる、請求項1に記載のλサブタイプのAPDLを製造する方法。
- κAPDLが1.92×109〜1.98×1010cfu/μgの効率で得られ、λAPDLが1.92×109〜9.1×109cfu/μgの効率で得られる、請求項1に記載のAPDLを製造する方法。
- 以下の工程を所定の順序で含む、請求項1に記載の抗体ファージディスプレイライブラリーから可溶性Fabとして製造可能な抗体を得る方法:
i)標的特異的パニング、
ii)ペリプラズムの定量的ELISA(qELISA)、
iii)動力学的ランク付け、
iv)バイオアッセイ、
v)製造可能性の評価、
これらの結果、工程28(iii)で得られた抗体において期待される90%を超える遺伝子型相関の表現型となること。 - 請求項28(i)に記載の抗体ファージディスプレイライブラリーから抗体を得る方法であって、
パニングが、固体相又は溶液相で4〜37℃の範囲の様々な温度で1時間〜16時間の範囲の様々な長さの時間で行われ、
固体相のパニングが以下の工程を含むことができ:
i)荷電ポリスチレン等の固体表面上の所与の抗原についての最大コーティング濃度を最適化すること、
ii)(請求項24〜27で得られた)ファージミドライブラリーをファージフォーマットに変換すること、
iii)選択された表面を工程29(i)で決定された最適濃度の抗原でコーティングし、続いてタンパク質分子又は非タンパク質分子で遮断して非特異的部位を遮断すること、
iv)工程29(ii)で得られたファージプールを、遮断されていないポリスチレン表面に予め吸着させ、プラスチックのバインダーを除去すること、
v)規定された時間、工程29(iv)からの予め吸着されたファージを、工程29(iii)からの固定化された標的抗原とインキュベーションすること、
vi)複数ラウンドの洗浄を行って、工程29(v)からの結合されていないファージを除去すること、
vii)トリプシン消化で工程29(v)からの結合されたファージを溶出させ、ファージ力価を得るために、アンバーサプレッサー宿主並びに非アンバーサプレッサー宿主に同時に形質導入すること、
viii)次ラウンドのパニングのためにアンバーサプレッサー宿主に形質導入することによって、工程29(vii)からの溶出したファージを増幅させること、
ix)減少した抗原濃度を用いて次ラウンドのパニングを実施し、工程29(iii)〜工程29(viii)を繰り返して、標的特異的な抗体集団を濃縮すること、
x)工程29(vii)〜工程29(ix)を繰り返すこと、
xi)標的特異的ELISAを用いる複数ラウンドのパニングを通して、濃縮された結合について、工程29(vii)及び29(x)からの溶出したファージを評価すること、
溶液相のパニングが以下の工程を含むことができる方法:
xii)ビオチン対タンパク質のモル比が10未満、好ましくは1〜5を達成するように、所与の抗原の最適ビオチン化のための反応条件を最適化すること、
xiii)(請求項21〜27で得られた)ファージミドライブラリーをファージフォーマットに変換すること、
xiv)工程29(xiii)で得られたファージをタンパク質分子又は非タンパク質分で遮断して非特異的部位を遮断して、一定時間非特異的部位を遮断し、同時にストレプトアビジンビーズを洗浄し、続いてビーズをタンパク質分子又は非タンパク質分子で遮断して非特異的部位を遮断すること、
xv)工程29(xiv)からの遮断されたファージを、工程29(xii)からの可溶性標的ビオチン化抗原と規定の期間、インキュベーションすること、
xvi)工程29(xv)で得られたファージ−抗原複合体を、予め遮断されたストレプトアビジンビーズとインキュベーションすること、
xvii)工程29(xvi)の抗原−ファージ結合体に結合したビーズの複数ラウンドの洗浄をして、工程29(v)からの結合されていないファージを除去すること、
xviii)DTT消化又はトリプシン消化で工程29(xvi)の結合されたファージを溶出させ、ファージ力価を得るために、アンバーサプレッサー宿主並びに非アンバーサプレッサー宿主に同時に形質導入すること、
xix)次ラウンドのパニングのためにアンバーサプレッサー宿主に形質導入することによって、工程29(xviii)からの溶出したファージを増幅させること、
xx)減少した抗原濃度を用いて次ラウンドのパニングを実施し、工程29(xiv)〜工程29(xviii)を繰り返して、標的特異的な抗体集団を濃縮すること、
xxi)工程29(xix)〜工程29(xx)を繰り返すこと、
xxii)標的特異的ELISAを用いる複数ラウンドのパニングを通して、濃縮された結合について、工程29(xviii)及び工程29(xxi)からの溶出したファージを評価すること。 - ペリプラズムの定量的ELISAが以下の工程を含む、請求項28(ii)に記載のパニングされた抗体ファージディスプレイライブラリーから抗体を得る方法:
i)溶出液タイトレーションプレートから単一の細菌コロニーからの可溶性Fabを得ること、
ii)96ウェル荷電ポリスチレンプレートの表面を重鎖に対するキャプチャー抗体でコーティングすること、
iii)工程30(i)からの可溶性Fabを、工程30(ii)からのコーティングさされた表面上にキャプチャーすること、
iv)軽鎖特異的抗体を用いることで軽鎖を検出し、全長のタンデムインフレームのヘテロダイマーの可溶性Fabを同定すること。 - 可溶性Fabを得ることが以下のステップを含む、請求項30(i)に記載のパニングされた抗体ファージディスプレイライブラリーから可溶性Fabを得る方法:
i)非アンバーサプレッサー宿主(請求項29(vii)及び29(xviii))の力価プレートから単一クローンを選び、37℃及び250rpmで一晩増殖させるために96ウェルディープウェルプレートで液体培養させること、
ii)一晩培養物を10倍希釈し、工程31(i)と同一の条件下で対数期まで増殖させること、
iii)工程31(ii)の対数期の培養物を1mMのIPTGで誘導し、30℃及び250rpmで一晩増殖させること、
iv)96ウェルプレート中で工程31(iii)の培養物を遠心分離して、誘導された細胞をペレット化すること、
v)同じ96ウェルプレート中、30℃で一晩ゆっくり振盪しながら、緩衝液中で高濃度のEDTAを用いることで、工程31(iv)のペレット化された細胞をペリプラズムの抽出をすること、
vi)遠心分離して、スフェロプラスト及び細胞片から離れて、工程31(v)の拡散されたペリプラズムの画分を単離すること。 - 表面が、MaxiSorp(商標)又はPolySorp(商標)等の荷電ポリスチレンの表面であってよく、又はアビジン、ストレプトアビジン若しくはニュートラアビジンでコーティングされてよく、好ましくはMaxiSorp(商標)の表面が20〜100μg/ml、最も好ましくは100μg/mlの範囲の濃度のストレプトアビジンでコーティングされている、請求項30(ii)に記載の抗体ファージディスプレイライブラリーから抗体を得る方法。
- キャプチャー抗体が、ヤギ抗ヒトIgG(ヤギ抗ヒトIgG(H+L);F(ab’)2フラグメント)、又はCapture Select Biotin Anti−IgG−CH1 Conjugateを含む群から選択され、好ましくは1000〜100ng/ml、最も好ましくは250ng/mlの濃度のビオチン化抗CH1抗体である、請求項30(iii)に記載の抗体ファージディスプレイライブラリーから抗体を得る方法。
- 軽鎖特異的抗体が、ヤギ抗ヒトλLC特異的ペルオキシダーゼコンジュゲート、ヤギ抗ヒトκLC特異的ペルオキシダーゼコンジュゲート、ヤギ抗ヒトF(ab’)2−HRP、マウス抗ヒトκ軽鎖ペルオキシダーゼコンジュゲート、マウス抗ヒトκ軽鎖モノクローナル、及びウサギ抗ヒトκ鎖モノクローナルを含む群から選択され、好ましくは抗λについては1〜20000、最も好ましくは1:10000の希釈範囲、及び抗κについては1:2000の希釈範囲である、請求項30(iv)に記載の抗体ファージディスプレイライブラリーから抗体を得る方法。
- 動力学的ランク付けが以下の工程を含む、請求項28(iii)に記載の抗体ファージディスプレイライブラリーから抗体を得る方法:
i)50mlの個々の培養物中の定量的ELISA陽性クローン(請求項30〜34で得られる)から可溶性Fabを得ること、
ii)工程35(i)で得られたFabを1×PBSに対して透析すること、
iii)動力学的分析のために、生理的な強度及びpHの流れる緩衝液を使用すること、
ここで、緩衝液は、0.1〜1.0M、好ましくは0.25〜0.75M、より好ましくは0.4〜0.6MのNaCl又はKClの濃度、及び0.005〜0.05%のTween−20濃度を含むリン酸塩又はHEPES、より好ましくはリン酸塩であることができ、
iv)SPR(表面プラズモン共鳴)チップ固定化表面を選択すること、
ここで、この表面は、荷電デキストラン、荷電アルギン酸塩、荷電デキストラン又は荷電アルギン酸塩の上にコーティングされたニッケルニトリロテトラ酢酸、又は荷電デキストラン又は荷電アルギン酸塩の上にコーティングされたストレプトアビジン若しくはニュートラアビジンであることができ、
v)工程35(iv)のSPR表面のために固定化化学を選択し、
ここで、その化学は、EDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)及びスルホ−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)を用いたアミンカップリング、10mMの硫酸ニッケルを用いたNi2+荷電、又はストレプトアビジン−ビオチン認識化学であることができ、
vi)工程35(v)からのチップ表面上に抗Fabキャプチャー抗体を固定化すること、
ここで、キャプチャー抗体は、抗Fab IgG、抗His、抗HA等の抗タグ抗体、ビオチン化抗CH1、又はビオチン化二価抗CH1/抗Cλ、又はビオチン化抗CH1/抗Cκ、又はビオチン化二価抗CH1/抗Cλとビオチン化抗CH1/抗Cκの両方の50:50混合物を含むことができ、
vii)工程35(ii)から得られた粗ペリプラズムFabを、工程35(vi)からのチップのキャプチャー抗体でコーティングされた表面上にキャプチャーすること、
viii)2〜15分間の中間休止時間で、チップ表面上に1〜3回のラウンドの流れる緩衝液の注入で信号を安定化すること、
ix)分析物の最適濃度で工程35(vii)のキャプチャーされたFabに対する分析物の応答を試験して、標的抗原バインダーと非バインダーとを区別すること、
x)再生試薬を用いてFab−分析物複合体を除去して、表面を次ラウンドのスクリーニングに再使用すること、
ここで、再生剤は、2M MgCl2、0.85%H3PO4、50mM NaOH又は10mMグリシン、pH2.0を含むことができる。 - 診断目的及び治療目的、並びにインビトロアッセイのための抗体を取得するための、請求項1に記載のAPDLの使用。
Applications Claiming Priority (5)
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