JP2019525494A - 誘導デバイス - Google Patents
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Abstract
共振タンクに基づく高電圧DC発生器が、電力インダクタを含む。電力出力に対する要求が増加するが、そのような高電圧DC発生器のサイズに対する要求が減少するにつれて、放射される磁気放出の影響がより著しくなる。本発明は、誘導デバイスの巻線対向面が連続部分であり、その結果、巻線対向面に対向するエアギャップが存在しない、誘導デバイスのための設計及び誘導デバイスの組立のための方法に関する。これは、誘導デバイスからの磁束の漏れを低減する。
Description
本発明は、誘導(inductive)デバイスと、誘導デバイスを製作するための方法とに関する。
電力インダクタは、医療用X線発生器などの高要求適用例において使用され、数百Ampを扱うことが可能な数μHの値をもつインダクタが一般的である。より高いスイッチング周波数(約500kHz)を伴う適用例において、そのようなインダクタを使用する傾向がある。
そのようなインダクタは、しばしば、2つのコア半体を備える。コア半体は、誘導巻線が巻かれたボビンを囲む。一般に、コア半体は、2つ又はそれ以上のエアギャップによって分離される。そのようなコア半体はまた、2つのコア半体の間の小さい(ほとんど無視できる)距離のエアギャップによって分離され、2つのコア半体の間に合わせ面を形成する。そのような合わせ面において、2つのコア半体の表面は、ほぼ同等の断面を有し、互いに対して平行であり、互いと接触している。
エアギャップ及び合わせ面、並びに特に位置がずれたコア半体及び合わせ面は、インダクタからの磁束の漏れにつながることがある。これは、インダクタのコア及び巻線における損失の増加と、インダクタの外側の漂遊磁界の増加とを引き起こす。その結末は、X線機器の電磁干渉(EMI)適合性に関して有害な結果となる。
米国特許出願公開第2011/0121935号は誘導デバイスについて説明しているが、そのようなデバイスはさらに改善され得る。
さらに、KR20150010315Aは、放電ランプなどの様々な電力供給デバイスに適用される別の誘導デバイスを開示している。インダクタが、コイルを支持するボビンを備え、ボビンは集束カバーに挿入される。そのようなインダクタは、少なくともインダクタの外側の漂遊磁界に関して、さらに改善され得る。
最後に、米国特許出願公開第2014/0176291(A1)号は、主に電気車両において使用される、誘導デバイスについて説明している。その中で、コイルを支持するボビンが、外側コアに挿入される。外側コアは四角形形状を有する。同じく、そのようなデバイスはさらに改善され得る。
第1の態様によれば、誘導デバイスが提供される。誘導デバイスは、
− 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部と、
− 第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた巻線支持部材と
を備える。
− 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部と、
− 第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた巻線支持部材と
を備える。
外側磁気コア構成部の内面の巻線対向面が、巻線支持部材の巻線に対向する外側磁気コア構成部の内面として画定される。
外側磁気コア構成部は、巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、まっすぐな作図線の経路は、外側磁気コア構成部の他の部分と交差しない。
巻線支持部材及び巻線は、外側磁気コア構成部内に囲まれる。
外側磁気コア構成部の巻線対向面は、外側磁気コア構成部の第1の材料の連続部分である。
第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定し、巻線平面に対して垂直な直線が巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に外側磁気コア構成部内に含まれる。
外側磁気コア構成部は、内側に巻線支持部材が構成されたリングコアとして設けられ、巻線支持部材の中心軸は、巻線支持部材の端部が外側磁気コア構成部の内側の面に対向するように構成される。
第1の態様による誘導デバイスの効果は、巻線の整合と外側磁気コア構成部の第1の材料の連続部分の整合との組合せが、巻線対向面にエアギャップが存在しないことを意味することである。したがって、外側磁気コア構成部からの漂遊磁界の漏れが低減される。さらに、製造中のコア半体の位置ずれも防止される。
オプションとして、外側磁気コア構成部は、少なくとも2つのセグメントを備え、セグメントは、巻線対向面を備えない外側磁気コア構成部の領域において合わせ面を備え、合わせ面は、巻線平面に対して垂直な直線と整合する。
したがって、外側磁性材料の合わせ面が漂遊磁界を生じるので、そのような合わせ面から離れて配置された巻線は、損失(近接損失)の増加を生じるそのような漂遊磁界の影響を受けにくい。さらに、誘導デバイスは、モジュラー構成要素から製造され得る。
オプションとして、巻線支持部材は、巻線平面に対して垂直な直線と実質的に整合された中心軸を有するボビンである。
上記のオプションによる誘導デバイスの効果は、近接損失が最適な程度まで低減されることである。
オプションとして、外側磁気コア構成部は、合わせ面において互いに接触するように構成された第1の分離されたコアセクションと第2の分離されたコアセクションとを備える。
したがって、誘導デバイスは、モジュラー構成要素から製造され得る。
本発明によらない実施形態では、外側磁気コア構成部は、2つのU字コア半体を備え得る。
したがって、誘導デバイスは、自由に利用可能なモジュラー構成要素から製造され得る。
オプションとして、外側磁気コア構成部は、2つのリングコア半体を備える。
したがって、誘導デバイスは、自由に利用可能なモジュラー構成要素から製造され得る。
オプションとして、巻線支持部材は、外側磁気コア構成部を支持する脚部を備える。
オプションとして、第1の材料は強磁性材料である。
オプションとして、外側磁気コア構成部は、一体に形成されたリングコアである。
オプションとして、巻線支持部材の内部ボリュームは、全体的に反磁性材料又は常磁性材料を含む。
第2の態様によれば、誘導デバイスを製造する方法が提供される。本方法は、
a) 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部を設けるステップであって、
外側磁気コア構成部は、巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、まっすぐな作図線の経路が、外側磁気コア構成部の他の部分と交差せず、
外側磁気コア構成部の内面の巻線対向面が、巻線支持部材の巻線に対向する外側磁気コア構成部の内面として画定される、
設けるステップと、
b) 第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた巻線支持部材を設けるステップと、
c) 巻線支持部材及び巻線が外側磁気コア構成部内に囲まれるように、外側磁気コア構成部と巻線支持部材とを組み立てるステップと、
d) 外側磁気コア構成部を、内側に巻線支持部材が構成されたリングコアとして設けるステップであって、巻線支持部材の中心軸は、巻線支持部材の端部が外側磁気コア構成部の内側の面に対向するように構成される、設けるステップと
を有する。
a) 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部を設けるステップであって、
外側磁気コア構成部は、巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、まっすぐな作図線の経路が、外側磁気コア構成部の他の部分と交差せず、
外側磁気コア構成部の内面の巻線対向面が、巻線支持部材の巻線に対向する外側磁気コア構成部の内面として画定される、
設けるステップと、
b) 第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた巻線支持部材を設けるステップと、
c) 巻線支持部材及び巻線が外側磁気コア構成部内に囲まれるように、外側磁気コア構成部と巻線支持部材とを組み立てるステップと、
d) 外側磁気コア構成部を、内側に巻線支持部材が構成されたリングコアとして設けるステップであって、巻線支持部材の中心軸は、巻線支持部材の端部が外側磁気コア構成部の内側の面に対向するように構成される、設けるステップと
を有する。
外側磁気コア構成部の巻線対向面は、第1の材料の連続部分である。
第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定し、巻線平面に対して垂直な直線が巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に外側磁気コア構成部内に含まれる。
第2の態様による誘導デバイスの効果は、巻線の整合と外側磁気コア構成部の第1の材料の連続部分の整合との組合せが、巻線対向面にエアギャップ又は合わせ面が存在しないことを意味する、誘導デバイスが製作され得ることである。したがって、外側磁気コア構成部から巻線に向かう漂遊磁界の漏洩が最小限に抑えられる。さらに、製造中のコア半体の位置ずれも防止される。
オプションとして、外側磁気コア構成部は、少なくとも2つのセグメントを備え、セグメントは、巻線対向面を備えない外側磁気コア構成部の領域において合わせ面を備え、合わせ面は、巻線平面に対して垂直な直線と整合する。
これの効果は、誘導デバイスがモジュラー構成要素から製造され、漂遊磁界が巻線に達するのを最小限に抑え得ることである。
オプションとして、外側磁気コア構成部は、2つのリングコア半体を備える。
オプションとして、巻線支持部材は、巻線平面に対して垂直な直線と実質的に整合された中心軸を有するボビンである。
オプションとして、外側磁気コア構成部は、一体に形成されたリングコアである。
本明細書では、「外側磁気コア構成部」という用語は、インダクタコイルによって発生された磁束のための磁気回路を設けるように機能する、誘導コイル構成部を囲繞する部材を指す。
本明細書では、「巻線支持部材」という用語は、リッツワイヤ巻線などのワイヤ巻線を支持することが可能な部材を指す。通常、ボビン形の部材が使用されるが、末端突出部のない円筒の使用も可能である。巻線支持部材がワイヤ巻線を支持することが可能であるとすれば、形状に関する特段の制限は想定されず、巻線支持部材は、たとえば、円形断面、正方形断面、さらには、五角形断面又は六角形断面を有し得る。
本明細書では、「巻線平面」という用語は、巻線支持部材上に保持された巻線の単一のワイヤ巻回部の平均的な整合に対して平行な平面を指す。
本明細書では、「まっすぐな作図線」という用語は、説明される態様による誘導デバイスの構造中に存在する物理的特徴を指すものではない。むしろ、この用語は、「巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能である」という句をもつコンテキストにおいて読まれなければならない。言い換えれば、巻線対向面自体は、誘導デバイスの任意の描画された図において、巻線対向面上の任意の点の間のまっすぐな作図線を、その線が外側磁気コア構成部の他の部分に干渉することなしに描画することができることが可能でなければならないという課された制約を満たすように成形される。
本明細書では、「連続部分」という用語は、エアギャップ又は合わせ面を有しない、ソフトフェライトコアなどの材料のセクションを指す。
したがって、誘導デバイスからの電磁放出を低減するために、誘導デバイスの巻線に対向してすぐ近くにエアギャップ又は合わせ面が存在しない誘導デバイスを提供することが、本発明の隠れた基本概念として見られ得る。
図面は、好ましい実施形態を示すためのものにすぎず、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
高電圧適用例、たとえばX線源電源では、高電圧変圧器の低電圧側に接続された回路中の異なる場所において、電力インダクタが使用される。たとえば、直列共振変換器の共振タンクが、そのようなインダクタを使用する。そのような誘導デバイスの動作周波数及び動作電力が増加するにつれて、そのような機器の設計者に対してより大きい制約が課される。
電力インダクタは、一般に、ボビンに巻かれたワイヤコイルから組み立てられる。この構成部は、一般にフェライト材料から作られる、外側コアセクションによって収容される。
図1a)は、そのようなインダクタのために広く使用されている設計思想の側面切断図を示す。図1a)のインダクタ10が、ボビン14を囲繞する2つの「Eコア」の形態の対向するコア半体12a及び12bを備える。コア半体12a及び12bは、一般に、ソフトフェライト材料から作られる。したがって、外側エアギャップ17が、誘導コイル16に対向して存在する。ボビンに巻かれているのは誘導コイル16であり、一般に銅ワイヤ又はリッツワイヤから作られ、ボビンの周りの複数のワイヤ巻回部からなる。図1a)のインダクタは、ボビンの内側の空隙に部分的に延在する上部中心脚部及び下部中心脚部をも有する。高電力インダクタ中を流れる高電流により、エアギャップ17などのエアギャップは、最適化されたインダクタ設計では他のインダクタと比較して大きくなることがある。
図1b)は、エアギャップ19を有し、ボビン24上に構成された巻線26を備えるボビン24を有する、「U字」コア半体22a及び22bの使用により中心脚部の完全な除去によってボビンの内側の空隙が最大限まで拡大されている、従来の設計の変形態の側面切断図を示す。この設計は、2つの別個のコア半体22a及び22bの合わせ面が押し合わされていることから生じる外側エアギャップ19を保持する。この手法は、単純な「U字」コア半体22a及び22bが使用されることを可能にする。
そのような設計では、インダクタ20の2つの外側脚部におけるエアギャップ19は、インダクタの外側でエアギャップの近くに漂遊磁界を形成することを可能にする。これは、そのようなインダクタの磁気干渉性能に対して有害な影響を有する。電源をよりコンパクトにする最近の傾向では、磁気干渉を引き起こす構成要素と磁気干渉の影響を受ける構成要素とが非常に近接して一緒に配置されるので、最近の傾向に鑑みて、良好な磁気干渉性能は重要である。従来の設計におけるエアギャップ17及び19の結果として、コアにおける損失とインダクタの外側の漂遊磁界とが増加し、かなりの許容差がそのようなインダクタの設計に組み込まれる必要が生じる。
図2は、図1b)に示されている従来の設計の変形態の側面切断図を示し、2つの「U字」コア半体は位置がずれている。
一態様によれば、誘導デバイス30が提供される。
図3は、第1の態様による誘導デバイス30の側面断面概略図を示す。
第1の態様による誘導デバイス30は、
− 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部32a、32bと、
− 第1の巻線巻回部を有する巻線36が巻かれた巻線支持部材34と
を備える。
− 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部32a、32bと、
− 第1の巻線巻回部を有する巻線36が巻かれた巻線支持部材34と
を備える。
外側磁気コア構成部32a、32bの内面の巻線対向面が、巻線支持部材34の巻線36に対向する外側磁気コア構成部32a、32bの内面として画定される。
外側磁気コア構成部32a、32bは、巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、まっすぐな作図線の経路は、外側磁気コア構成部の他の部分と交差しない。
巻線支持部材34及び巻線36は、外側磁気コア構成部32a、32b内に囲まれる。
外側磁気コア構成部32a、32bの巻線対向面は、外側磁気コア構成部32a、32bの第1の材料の連続部分である。
第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定し、巻線平面に対して垂直な直線が巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に外側磁気コア構成部内に含まれる。
図3に示されている例示的な誘導デバイス30は、一般にソフトフェライトから作られる「U字」コア半体32a及び32bを使用して構成され、「U字」コア半体32a及び32bは、ボビン34の端から端までの軸(中心軸)に実質的に整合して構成されたエアギャップ36を有する。言い換えれば、誘導デバイス30におけるエアギャップは、巻線支持部材34上に保持された巻線36に対向しない。これは、巻線対向面がフェライト材料の連続部分を備えるので、巻線36によって発生されたインダクタの外部の磁界放出が著しく低減されることを意味する。さらに、巻線対向面がエアギャップに対向しないので、整合誤差が生じた場合、誘導デバイスの電磁放出性能の劣化を生じる可能性が低い。コア半体の位置ずれによるインダクタンス許容差が著しく低減される。
一例では、外側磁気コア構成部32a、32bは、2つの「U字」コア半体からなる。巻線支持部材34は、たとえば、巻線36が巻かれたボビンであり得る。
巻線支持部材34及び外側磁気コア構成部32a、32bを支持するための支持手段が提供される。代替的に、外側磁気コア構成部32a、32bのための支持部材としても働く専用ボビンが使用され得る。
一実施形態によれば、外側磁気コア構成部32a、32bのエアギャップは、巻線支持部材34の中心軸と実質的に整合する。この場合、巻線支持部材34の中心軸は、実質的に巻線支持部材34の幾何学的中心において、巻線36の単一のワイヤ巻回部によって画定された平面に対して垂直に走る作図線であると見なされる。
図4は、第1の態様による、誘導デバイス40の一実施例の詳細な側面断面図を示す。そのような誘導デバイスのための例示的な動作条件は、たとえば、500kHzの動作周波数であり、数秒の持続時間を有するパルスについて10kWを超える電力を供給することである。
誘導デバイス40は、フェライトコア部片42を支持するプラスチックボビン44を備える。フェライトコア部片42の全長d3は93mmであり、プラスチックボビン44の全長d2は46mmである。フェライトコア脚部の高さd4及び幅d5は16mmである。したがって、組み立てられたインダクタの全体の高さd1は、したがって78mmである。巻線46は、6つの巻回部のリッツワイヤの完全に巻かれた単一の層を備える。一般に、3mmから4mmのワイヤ直径が選定される。
したがって、誘導デバイス40は、巻線46に対向する内面を有する。これらの内面は、巻線対向面48a、48b、48c、及び48dである。外側磁気コア構成部42の形状は、以下の条件を満たす。巻線対向面の境界上に存在する任意の点47aと47bとが、フェライトコア部片42の内面によって形成された空隙を横切るまっすぐな作図線(図示せず)によって、そのような作図線が(グラフィック投影において)磁気コア構成部42の別の部分に接触することなしに接続され得る。
作図線46wは、巻線16の1つの巻線巻回部によって形成された平面の側面図である。作図線49は、巻線対向面48a、48cと交差する、そのような巻線平面46wに対して垂直な直線を示す。言い換えれば、巻線46のそのような向きは、巻線対向面にエアギャップが存在しないことと組み合わせて、(巻線が通電されるとき)巻線から外側磁気コア構成部42の外側のエリアへの磁束漏れが著しく低減されることを意味する。
図5は、別の例示的な誘導デバイス40’の詳細な側面断面図を示す。この場合、誘導デバイス40’は、図4に示されている誘導デバイスの設計と同様の設計のものであり、図4中の部分と同等の部分を指す参照番号は同じである。この例では、外側磁気コア構成部は、第1のU字コアセクション42a’と第2のU字コアセクション42b’とを有する「U字コア」タイプのものである。 第1のU字コアセクション42a’と第2のU字コアセクション42b’とは、合わせ面43a’と43b’、及び43c’と43d’で互いに対向するように構成される。図5では、合わせ面43a’と43b’との間の距離dmが示される。実際には、組み立てられたとき、この距離は無視できるほど小さい(1ミリメートルの何分の1程度)。巻線平面に対して垂直な線49が、合わせ面に整合して示される。したがって、この実施形態では、外側磁気コア構成部42a’及び42b’は、少なくとも2つのセグメントを備え、セグメントは、巻線対向面を備えない外側磁気コア構成部の領域において合わせ面を備え、合わせ面は、巻線平面に対して垂直な直線と整合する。
当然、多くの異なるタイプのコア設計が利用可能であり、開示される思想は「リングコア」から作製されるインダクタにも及ぶ。
図6は、第1の態様による、代替インダクタ設計思想の概略断面図を示す。インダクタ60は、内側に巻線支持部材64(ボビン)が構成されたリングコアとして設けられた外側磁気コア構成部62を備え、巻線支持部材64の中心軸は、巻線支持部材64の端部が外側磁気コア構成部62の内側の面に対向するように構成される。一実施形態では、外側磁気コア構成部62は、オプションとして、2つのリングコア半体から作られる。この場合、リングコア半体を接合することによって形成されたエアギャップは、巻線66がエアギャップに対向しないように整合される。
言い換えれば、図6の設計の巻線66及びボビン64は、動作中の巻線によって発生された磁界がコアの対称軸に対して実質的に垂直であるようなやり方でリングコアの内側に配置される。
したがって、外側脚部におけるエアギャップによるインダクタ60の外側の磁気漂遊磁束が著しく低減される。コア半体の位置ずれによるコア損失の増加も著しく低減される。コア半体の位置ずれによるインダクタンスの許容差が著しく改善される。
当然、リングコアは、正方形断面チューブ又は矩形断面チューブとしても成形され得る。円筒形断面が使用されることは必須ではなく、巻線支持部材を格納するために任意の断面のチューブが使用され得る。
図8a)は、誘導デバイス70の組立前の段階の3D図を示し、誘導デバイス70は、前の例による円筒形状フェライトリングコア72から形成される。巻線76を支持するボビン74は、その端部が、円筒の主軸に対して横方向に整合されて構成される。
図8b)は、巻線76を支持するボビン74が、円筒形状フェライトリングコア72の完全に内側に保持されている、組立の後の誘導デバイス70の3D図を示す。リングコアの内側が円形であるので、円筒形状フェライトリングコア72の内側の面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であり、まっすぐな作図線の経路は、外側磁気コア構成部の他の部分と交差しないことに留意されたい。
巻線76の第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定する。巻線平面に対して垂直な直線が巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に外側磁気コア構成部内に含まれる。
第2の態様によれば、誘導デバイスを製造する方法が提供される。本方法は、
a) 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部を設けるステップであって、
外側磁気コア構成部の内面の巻線対向面が、巻線支持部材の巻線に対向する外側磁気コア構成部の内面として画定され、
外側磁気コア構成部は、巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、まっすぐな作図線の経路が、外側磁気コア構成部の他の部分と交差しない、
設けるステップと、
b) 第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた巻線支持部材を設けるステップと、
c) 巻線支持部材及び巻線が外側磁気コア構成部内に囲まれるように、外側磁気コア構成部と巻線支持部材とを組み立てるステップであって、
外側磁気コア構成部の巻線対向面が、第1の材料の連続部分であり、
第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定し、巻線平面に対して垂直な直線が巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に外側磁気コア構成部内に含まれる、
組み立てるステップと
を有する。
a) 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部を設けるステップであって、
外側磁気コア構成部の内面の巻線対向面が、巻線支持部材の巻線に対向する外側磁気コア構成部の内面として画定され、
外側磁気コア構成部は、巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、まっすぐな作図線の経路が、外側磁気コア構成部の他の部分と交差しない、
設けるステップと、
b) 第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた巻線支持部材を設けるステップと、
c) 巻線支持部材及び巻線が外側磁気コア構成部内に囲まれるように、外側磁気コア構成部と巻線支持部材とを組み立てるステップであって、
外側磁気コア構成部の巻線対向面が、第1の材料の連続部分であり、
第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定し、巻線平面に対して垂直な直線が巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に外側磁気コア構成部内に含まれる、
組み立てるステップと
を有する。
図7は第2の態様による方法を示す。
一実施形態によれば、外側磁気コア構成部は、少なくとも2つのセグメントを備え、セグメントは、巻線対向面を備えない外側磁気コア構成部の領域において合わせ面を備え、合わせ面は、巻線平面に対して垂直な直線と整合する。
一実施形態によれば、外側磁気コア構成部は、2つのリングコア半体を備える。
一実施形態によれば、巻線支持部材は、巻線平面に対して垂直な直線と実質的に整合された中心軸を有するボビンである。
一実施形態によれば、外側磁気コア構成部は、一体に形成されたリングコアを備える。
本発明の実施形態は異なる主題に関して説明されたことに留意されなければならない。特に、いくつかの実施形態は方法タイプ請求項に関して説明されたが、他の実施形態はデバイスタイプ請求項に関して説明された。ただし、当業者は、上記及び以下の説明から、別段に通知されていない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる主題に関係する特徴間の任意の組合せも、本出願によって開示されたと見なされることがわかる。ただし、すべての特徴は、組み合わせられ、特徴の単純な加算を超える相乗効果を提供することができる。
本発明は、図面及び上記の説明において、詳細に示され、説明されてきたが、そのような例示及び説明は、図示的又は例示的と見なされるべきであり、限定的でない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形形態は、図面、開示、及び従属請求項の検討から、請求される本発明を実施する際に当業者によって理解され、実施され得る。
特許請求の範囲において、「備える、有する、含む」という言葉は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されているいくつかの項目の機能を果たす。いくつかの方策が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの方策の組合せが有利に使用され得ないことを示さない。特許請求の範囲中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
Claims (15)
- 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部と、
第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた巻線支持部材と
を備える誘導デバイスであって、
前記外側磁気コア構成部の内面の巻線対向面が、前記巻線支持部材の前記巻線に対向する前記外側磁気コア構成部の前記内面として画定され、
前記外側磁気コア構成部は、前記巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、前記まっすぐな作図線の経路が、前記外側磁気コア構成部の他の部分と交差せず、
前記巻線支持部材及び前記巻線が、前記外側磁気コア構成部内に囲まれ、
前記外側磁気コア構成部のそれぞれの前記巻線対向面が、前記外側磁気コア構成部の前記第1の材料の連続部分であり、
前記第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定し、前記巻線平面に対して垂直な直線が前記巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に前記外側磁気コア構成部内に含まれ、
前記外側磁気コア構成部は、内側に前記巻線支持部材が構成されたリングコアとして設けられ、前記巻線支持部材の中心軸は、前記巻線支持部材の端部が前記外側磁気コア構成部の内側の面に対向するように構成される、
誘導デバイス。 - 前記外側磁気コア構成部が少なくとも2つのセグメントを備え、前記セグメントが、前記巻線対向面を備えない前記外側磁気コア構成部の領域において合わせ面を備え、前記合わせ面が、前記巻線平面に対して垂直な直線と整合する、
請求項1に記載の誘導デバイス。 - 前記巻線支持部材が、前記巻線平面に対して垂直な前記直線と実質的に整合された中心軸を有するボビンである、
請求項1又は2に記載の誘導デバイス。 - 前記外側磁気コア構成部が、合わせ面において互いに接触する第1の分離されたコアセクションと第2の分離されたコアセクションとを備える、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の誘導デバイス。 - 前記外側磁気コア構成部が2つのリングコア半体を備える、
請求項4に記載の誘導デバイス。 - 前記巻線支持部材が、前記外側磁気コア構成部を支持する脚部を備える、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の誘導デバイス。 - 前記外側磁気コア構成部が、一体に形成されたリングコアである、
請求項1に記載の誘導デバイス。 - 前記第1の材料が強磁性材料である、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の誘導デバイス。 - 前記巻線支持部材の内部ボリュームが、全体的に反磁性材料又は常磁性材料を含む、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の誘導デバイス。 - 前記巻線支持部材は、その端部が前記外側磁気コア構成部の円筒の主軸に対して横方向に整合されている、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の誘導デバイス。 - a) 第1の材料から形成された外側磁気コア構成部を設けるステップであって、
前記外側磁気コア構成部の内面の巻線対向面が、巻線支持部材の巻線に対向する前記外側磁気コア構成部の前記内面として画定され、
前記外側磁気コア構成部は、前記巻線対向面上の2つの任意の点がまっすぐな作図線を介して接続可能であるように構成され、前記まっすぐな作図線の経路が、前記外側磁気コア構成部の他の部分と交差しない、
設けるステップと、
b) 第1の巻線巻回部を有する巻線が巻かれた前記巻線支持部材を設けるステップと、
c) 前記巻線支持部材及び前記巻線が前記外側磁気コア構成部内に囲まれるように、前記外側磁気コア構成部と前記巻線支持部材とを組み立てるステップであって、
前記外側磁気コア構成部の前記巻線対向面が、前記第1の材料の連続部分であり、
前記第1の巻線巻回部によって囲まれたエリアが巻線平面を画定し、前記巻線平面に対して垂直な直線が前記巻線対向面と交差し、その結果、動作中、磁界が実質的に前記外側磁気コア構成部内に含まれる、
組み立てるステップと、
d) 前記外側磁気コア構成部を、内側に前記巻線支持部材が構成されたリングコアとして設けるステップであって、前記巻線支持部材の中心軸は、前記巻線支持部材の端部が前記外側磁気コア構成部の内側の面に対向するように構成される、設けるステップと
を有する、誘導デバイスを製造する方法。 - 前記外側磁気コア構成部が少なくとも2つのセグメントを備え、前記セグメントが、前記巻線対向面を備えない前記外側磁気コア構成部の領域において合わせ面を備え、前記合わせ面が、前記巻線平面に対して垂直な直線と整合する、
請求項11に記載の方法。 - 前記外側磁気コア構成部が2つのリングコア半体を備える、
請求項11又は12に記載の方法。 - 前記巻線支持部材が、前記巻線平面に対して垂直な前記直線と実質的に整合された中心軸を有するボビンである、
請求項11乃至13のいずれか一項に記載の方法。 - 前記外側磁気コア構成部が、一体に形成されたリングコアを備える、請求項11に記載の方法。
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