JP2019523323A - 不斉ジオールからのポリエステルの位置選択的合成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、本発明は、少なくとも1つの一級ヒドロキシル及び少なくとも1つの二級ヒドロキシルを含む不斉ジオールから出発する、位置規則性(regioregular)ポリエステルの製造方法に係わり、そこにおいて該ポリマーの秩序構造は、該ポリエステルに有利な物理化学的特性を与える。
更に具体的に言えば、上記本発明の方法により、高いガラス転移温度Tg及び結晶性を有する、位置規則性ポリエステルを得ることが可能となる。
上記不斉ジオールが、その二級ヒドロキシルに結合したキラル炭素に関して、純粋なエナンチオマー形状で使用される場合には、上述の方法により、非-キラル型の位置規則性ポリマーに対して更なる改良につながる熱的性質及び結晶性によって特徴付けられる、位置規則性かつ立体規則性のポリエステルを得ることが可能となる。
例えば、特許出願WO 2004/016426 A1は、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸等)と対称性及び不斉ジオールの混合物との重縮合により得られ、コイルを被覆するために使用されるポリエステル樹脂を開示しており、該混合物においては、該対称性ジオール部分が優勢である。約35〜40℃というガラス転移温度Tgによって特徴付けられる上述の樹脂は、そのアモルファス構造に従って、耐久性のある被膜からなる支持体を構成するが、容易に加工することができる。しかし、有機スズ(例えば、ジブチルスズ酸化物)による触媒作用を受ける、該記載されている重縮合反応は、位置選択性ではなく、しかも正確な割合での対称性及び不斉ジオールの精密な選択のみが、WO 2004/016426 A1に係る範囲及び用途にとって適した、UV光線に対する安定性及び耐久性という特性を有するポリマーを得ることを可能とする。
対照的に、US 3,321,437は、不斉ジオールと対称性カルボン酸との縮合により誘導される、X線回折、固体複屈折により検出し得る、特定の結晶化度により特徴付けられ、また一次相転移を被る可能性のある、線状ポリエステルを開示している。US 3,321,437において記載されている該結晶性の線状ポリエステルは、寸法安定性の観点から、対応するアモルファスポリマーよりも良好な、高い室温又は有機溶媒の攻撃に対する耐性を示す。
同様に、この場合において、上記反応は位置選択性であり、またその最終的なポリエステルの構造はランダムで、位置化学的に(regiochemically)不規則である。如何なる理論にも拘らないが、これらのポリエステルによって示される結晶性は、それ故に恐らくは上記ジカルボン酸と、専ら一級アルコール官能基(primary alcohol functions)を有する上記不斉ジオール両者が、全て芳香族性を有するものであるという事実によっている。
従って、秩序構造を有するポリエステルを得るためには、特にその鎖内に芳香族リングが存在しない場合には、該重縮合反応の位置選択性を制御し得ることが適切である。
この点に関連して、WO 2011/116275は、非対称的に置換されたビスアンヒドロヘキシトール誘導体(例えば、イソソルビド)を開示しており、これは半-結晶性を呈するホモポリマー又はポリエステルの製造のために使用される。
上記縮合生成物の位置規則性を保存するために、これら中間体の製造方法は、上記ビスアンヒドロヘキシトール誘導体分子上に存在するその2つのアルコール官能基の一方に係る保護工程を含んでおり、結果として一度に該ヒドロキシルの一方におけるエステル形成反応へと方向付ける。
これに代る方法に従うならば、Ishihara等(Ishihara K., Kurihara, H., Yamamoto, H.,「二級アルコールの存在下において、一級アルコールをアシル化するための、極めて簡単で便利かつ選択的な方法(An extremely simple, convenient, and selective method for acetylating primary alcohols in the presence of secondary alcohols) (1993), J. Org. Chem., Vol.58, pp.3791-3793」において)は、同一分子上に又は2つの別分子内に別々に存在する可能な二級アルコール官能基(secondary alcohol function)が関与することのない、一級アルコール官能基を選択的にアシル化するための方法を開示した。実際に、このような反応を通して、不斉ジオール自体の分子上に二級ヒドロキシルをも含む該ジオールの一級ヒドロキシルを選択的にアシル化することが可能である。この反応の一欠点は、極めて低い温度(-40℃〜-78℃)にて、及び高い立体障碍を有するアミンの存在下で作業しなければならないという必要性と関連する。
例えば、A.M. Klibanov (「有機溶媒中で酵素により触媒作用された不斉転位(Asymmetric Transformation Catalyzed by Enzymes in Organic Solvents) (1990), Acc. Chem. Res., Vol.23, pp.114-120において) は、リパーゼ等のヒドロラーゼ酵素による、例えば不斉エステル化及びエステル交換、ラセミ型アルコールの分割、グリコールの位置選択的アシル化等の数種の反応を開示している。同様に、P. Cesti等(P. Cesti, A. Zaks, A.M. Klibanov, 「有機溶媒中での酵素を用いたエステル交換によるグリコールの調製的位置選択的アシル化 (Preparative Regioselective Acylation of Glycols by Enzymatic Transesterification in Organic Solvents) (1985), Appl. Biochem. Biotechnol., Vol.11, pp.401-407において)は、溶媒及びアシル化剤両者として使用されるエチルカルボキシレート内での、ブタ膵臓リパーゼの、数種のグリセロールの位置選択的モノアシル化を触媒作用する能力を明らかにした。特に、エステル交換反応において使用された場合に、該リパーゼ酵素が極めて有効であることを立証することが可能となった。例えば、酢酸エチルと1,2-ブタンジオールとを接触させた場合、23時間後に、97%のジオールがアシル化され、またその得られる生成物は、特にそのモノエステルのみである。より一層驚いたことに、該ブタ膵臓リパーゼは、専ら該ジオール分子上に存在する一級ヒドロキシルのみをアセチル化する。
出所の異なるリパーゼは、この有利な特徴を維持しているように思われる。例えば、US 5,962,624は、少なくとも2つの一級アルコール基及び少なくとも一つの二級アルコール基を含むポリオール、及びジカルボン酸又はエステルからの、カンジダ属(Candida spp.)、リゾプス(クモノスカビ)属(Rhizopus spp.)、ペニシリウム属(Penicillium spp.)及びその他の属の微生物を由来とするリパーゼの存在下での、線状ポリエステルの製造法を開示している。この場合において、該酵素の使用は、該二級ヒドロキシルの官能化を回避することを可能とし、その得ることのできる線状ポリエステルは、化粧品等の配合における増粘剤又は柔軟剤(softening)として使用することができる。
上記不斉ジオール2単位及び対称性ジカルボン酸1単位で構成される位置規則性の安定な中間体の合成は、酵素触媒を使用することによりその第一の工程において得られる。
その第二の工程において、上記の位置規則性の安定な中間体は、二官能性の、好ましくは対称性のアシル化剤を用いる重縮合反応において使用される。
同等の分子量で、このようにして得られる上記位置規則性ポリエステルは、無秩序構造を持ち、単一工程の重縮合により合成され、同族のポリエステルに対して、異なる物理化学的性質を示し、より高いガラス転移温度値及び部分的結晶化度を有する。
特に、工程a)の上記反応において、不斉ジオールの純粋なエナンチオマーを使用する場合においては、更に秩序のある、かつその対応する非-キラル型の位置規則性ポリエステルの値よりも高い、ガラス転移温度Tg及び考え得る結晶性相の融点により特徴付けられる、立体規則性で位置規則性のポリエステルを得ることが可能となる。
更に、上記2つの反応工程の使用が、該ポリエステルに係る2つの合成工程において使用される上記ジカルボン酸誘導体が異なっている場合において、該ジカルボン酸単位の配列を調節し得ることに留意することは重要であり、実際のところ、この場合において、本発明に従う上記方法は、その連鎖に沿った2種の異なるカルボン酸基によって特徴付けられる、そのモノマー単位の完全な交互配列を保証し、これは、得られる該ポリマーに係る全体的な秩序度を高め、そこで統計的ポリエステル(statistical polyester)は、このような単位のランダム配列を有するであろう。
従って、上述の方法は、簡単かつ持続可能なプロセス(sustainable process)を適用することにより、制御された位置規則性を有する秩序だったポリエステルを得ることを可能とし、そこにおいて、該最終生成物の物理化学的特性を制御しかつ変更することが可能となる。
本発明の目的とする上記方法の特徴をより良く理解するために、添付された図面に係る図を参照するであろうが、該図面は純粋に実例となりまた非-限定的な目的を有するものである。
特に、実施例14において記載されるように、本発明において特許請求された上記2工程合成によって、モノマー単位としての1,3-ブタンジオール及びテレフタル酸から得られる、位置規則性ポリエステルに係る1H-NMRスペクトルが、図1に報告されている:特に図1aは、その完全なスペクトルを示すものであり、一方図1bは、該ポリエステルの位置規則性に関する評価において使用された、その芳香族シグナルに関連するゾーンの拡大部を示すものである。
比較例15において説明されるように、単一工程の重縮合によって、モノマー単位としての1,3-ブタンジオール及びテレフタル酸から得られる統計的ポリエステルに係る1H-NMRスペクトルは、図2において報告されている:特に、図2aはその完全なスペクトルを示しており、一方で図2bは、該ポリエステルの位置規則性に関する評価において使用された、その芳香族シグナルに関連するゾーンの拡大部を示すものである。
比較例15(プロファイルa)、実施例14(プロファイルb及びc)及び実施例16(プロファイルd及びe)において記載されるようにして得られるポリエステルサンプルに係るDSCプロファイルは、図3において報告されている。
本件説明及び添付された特許請求の範囲に係る目的にとって、数値範囲の定義は、特に指定のない限り、常に両終点を含む。
本件説明及び添付された特許請求の範囲に係る目的とって、百分率は、特段の指定がなされている場合を除き、常に質量百分率である。
本発明の目的にとって、用語「モノマー単位(monomer unit)」とは、上記ポリマーを形成する繰返し構造単位を意味する。特に、本発明の上記ポリエステルにおいて繰返し生じる上記ジカルボン酸モノマー単位及び上記不斉ジオールモノマー単位は、交互の、遊離の又はエステル化された形状の2種のカルボン酸官能基、又は一方が一級でありかつ一方が二級である2種のアルコール官能基の存在によって区別される。
本発明の目的にとって、ポリエステル又は安定な中間体に関連して本明細書において言及される如き用語「位置規則性(regioregularity)」とは、該ポリエステル又は該安定な中間体におけるジカルボン酸モノマー単位の過剰なモル百分率(結合した全ジカルボン酸モノマー単位に対する)を意味しており、該ジカルボン酸モノマー単位は、そのカルボン酸基両者により、同一単位上に一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を有する不斉ジオールモノマー単位の、一級アルコール官能基又は二級アルコール官能基の何れかに対して結合されている。
本発明の目的にとって、上記用語「位置規則性ポリエステル(regioregular polyester)」とは、位置規則性の安定な中間体ジオールと二官能性アシル化剤との重縮合により得られ、50%を超える位置規則性(前に定義されたような)を持ち、即ち75%を超えるそのジカルボン酸モノマー単位が、規則的かつ秩序ある状態で、エステル結合によって2つの不斉ジオールモノマー単位に結合され、結果として該ジカルボン酸モノマー単位のカルボン酸基両者が、専らその一級アルコール官能基に、又は専らその二級アルコール官能基に結合しているという事実によって特徴付けられる、規則性のあるポリマー構造を意味する。好ましくは、本発明の該位置規則性ポリエステルは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも95%、より一層好ましくは97%〜100%の位置規則性を有する。
本発明の目的にとって、上記用語「立体規則性ポリエステル(stereoregular polyester)」とは、上記ジオールモノマー単位内に存在する全ての不斉炭素が同一の配置にある、秩序だったポリマー構造を意味する。
a) 攪拌下で、一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を含む不斉ジオールと、対称性ジカルボン酸又は対称性ジカルボン酸エステルとを、リパーゼの範疇に属する酵素触媒の存在下で反応させ、かくして位置規則性の安定な中間体を得る工程;
b) 工程a)において得られた該位置規則性の安定な中間体と、二官能性アシル化剤とを反応させ、かくして該位置規則性ポリエステルを得る工程。
本件出願によれば、本発明に係る上記工程a)において得られる上記位置規則性の安定な中間体は、対称性ジカルボン酸又は対称性ジカルボン酸エステルと、前に定義されたような不斉ジオールとの反応生成物であり、そこにおいて該カルボン酸官能基は、リパーゼ酵素の存在下において、少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも95%、より一層好ましくは97%〜100%の位置規則性を有するように、該ジオールの一級アルコール官能基と支配的に又は本質的に反応する。該位置規則性の安定な中間体は、通常は、2つの不斉ジオールモノマー単位のアルコール官能基に結合した一つのジカルボン酸モノマー単位を含んでいる。該中間体の位置規則性に依存して、該結合したアルコール官能基は、その一級型に比例している。該安定な中間体の位置規則性が100%である場合、該対称性ジカルボン酸又は該対称性ジカルボン酸エステルの各カルボン酸官能基は、エステル結合によって、該不斉ジオールの一級アルコール官能基に結合されている。
本発明の上記方法に係る工程a)に従う適切な不斉ジオールは、3〜10個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を含む。酸素に加えて、他のヘテロ原子も、該ジオール分子内に存在していてもよい。
好ましい一局面において、工程a)において使用される、一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を含む上記不斉ジオールは、以下の一般式(I)を有する:
本発明の目的にとって特に有用な、一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を含む不斉ジオールの具体的な例は、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,3-ヘプタンジオール、1,4-ヘプタンジオール、1,5-ヘプタンジオール、1,4-オクタンジオール、1,5-オクタンジオール、1,5-ノナンジオールである。該1,3-ブタンジオールが、特に好ましい。
工程a)における上記対称性ジカルボン酸又は上記対称性ジカルボン酸エステルは、少なくとも2つのカルボン酸官能基(酸又はエステル)を含み、かつ好ましくは2〜15個の炭素原子、より好ましくは4〜10個の炭素原子を有する化合物である。任意の有機化合物に関連して本明細書において使用されるような、該「対称性(symmetric)」という用語は、該化合物が少なくとも一つの対称軸又は対称面を含むことを意味する。
好ましい一局面において、工程a)における上記対称性ジカルボン酸又は上記対称性ジカルボン酸エステルは、以下の一般式(II)を有する:
特に、R2がシクロアルキレン又はアリーレンである場合、本発明の方法によって得られる上記ポリエステルは、特有の構造上の厳密性を有することができ、このことは、そのガラス転移温度Tgの増大の原因となり得る。
本発明の目的にとって特に有用な対称性ジカルボン酸の具体的な例は、マロン酸(プロパン二酸)、コハク酸(ブタン二酸)、グルタル酸(ペンタン二酸)、アジピン酸(ヘキサン二酸)、1,4-シクロヘキサン二酸(trans-1,4-シクロヘキサン二酸、cis-1,4-シクロヘキサン二酸及びこれらの混合物からなる群から選択される)、テレフタル酸である。コハク酸及びテレフタル酸が特に好ましい。
特に好ましい一局面において、上記対称性ジカルボン酸はテレフタル酸である。
本発明の目的にとって特に有用な対称性ジカルボン酸エステルの具体的はジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジプロピルマロネート、ジイソプロピルマロネート、ジブチルマロネート、ジイソブチルマロネート、ジ-t-ブチルマロネート、ジメチルサクシネート、ジエチルサクシネート、ジプロピルサクシネート、ジイソプロピルサクシネート、ジブチルサクシネート、ジイソブチルサクシネート、ジ-t-ブチルサクシネート、ジメチルグルタレート、ジエチルグルタレート、ジプロピルグルタレート、ジイソプロピルグルタレート、ジブチルグルタレート、ジイソブチルグルタレート、ジ-t-ブチルグルタレート、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジプロピルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ-t-ブチルアジペート、ジメチル-1,4-シクロヘキサンジオエート、ジエチル-1,4-シクロヘキサンジオエート、ジプロピル-1,4-シクロヘキサンジオエート、ジイソプロピル-1,4-シクロヘキサンジオエート、ジブチル-1,4-シクロヘキサンジオエート、ジイソブチル-1,4-シクロヘキサンジオエート、ジ-t-ブチル-1,4-シクロヘキサンジオエート、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジプロピルテレフタレート、ジイソプロピルテレフタレート、ジブチルテレフタレート、ジイソブチルテレフタレート、ジ-t-ブチルテレフタレートである。ジメチルサクシネート及びジエチルテレフタレートが特に好ましい。
本発明の方法に係る工程a)において、上記不斉ジオール及び上記対称性ジカルボン酸又は対称性ジカルボン酸エステルは、2/1〜3/1の範囲のモル比にて、及び好ましくは2/1〜2.5/1の範囲のモル比にて反応させることができる。
本発明の好ましい一局面において、本発明に従う上記方法の工程a)は以下の2つの副工程を含むことができる:
a1) 一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を含む不斉ジオールと、対称性ジカルボン酸又は対称性ジカルボン酸エステルとを、リパーゼの範疇に属する酵素触媒を含む反応混合物内で、1/1〜1.5/1の範囲のモル比:[ジオール]/[ジカルボン酸又はエステル]にて、攪拌下で接触させる工程;及びその後の
a2) 攪拌状態の下にある該反応混合物に、2/1〜3/1の範囲、及び好ましくは2/1〜2.5/1の範囲のモル比:[ジオール]/[ジカルボン酸又はエステル]が実現されるまで、更なる量の該不斉ジオールを添加し、かくして位置規則性の安定な中間体を得る工程。
少なくとも、2/1〜3/1の範囲のモル比:[ジオール]/[ジカルボン酸又はエステル]、即ち化学量論量以上のモル比の実現までの上記添加が、単一の溶液内で、又は相互に等しいか又は異なる別々の部分内で、好ましくは一定の時間間隔にて行うことができる。
上記方法の工程a)は、大気(air)の下で又は不活性(inert)雰囲気内で行うことができ、また該工程は不活性雰囲気、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、又はこれらの混合物内で行うことが好ましい。
上記方法の工程a)は、1kPa〜150kPaの範囲の圧力にて有利に行うことができ、また該工程は、好ましくは2.5kPa〜100kPaの範囲の圧力にて行われる。
本発明の目的にとって、大気圧とは、約101kPaという圧力を意味する。
上記方法の工程a)は、1時間〜72時間の範囲、好ましくは2〜48時間の範囲の期間に渡り行うことができる。
上記方法に係る工程a)が、上記2つの副工程a1)及びa2)を含む態様において、該副工程a2)は、該方法に係る工程a)が実施される期間の50%〜99%の範囲の割合に相当する期間に渡り実施される。
本発明の方法に係る上記工程a)は、「塊状で(in mass)」、即ち溶媒の不在下で、又は少なくとも1種の極性又は非極性の芳香族又は非芳香族の有機溶媒、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン又はこれらの混合物等の脂肪族飽和炭化水素;例えばシクロペンタン、シクロヘキサン又はこれらの混合物等の脂環式炭化水素;例えばベンゼン、トルエン、キシレン又はこれらの混合物等の芳香族炭化水素;例えばメチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2-ジクロロエタン又はこれらの混合物等の脂肪族塩素化炭化水素;例えばクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン又はこれらの混合物等の芳香族塩素化炭化水素;例えばジエチルエーテル、ジフェニルエーテル又はこれらの混合物等の脂肪族又は芳香族エーテル;例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジフェニルケトン及びこれらの混合物等の脂肪族又は芳香族ケトン;酢酸エチル、アセトニトリル内で行うことができる。
好ましい一局面において、上記有機溶媒はトルエン、トリクロロメタン、ジフェニルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい一局面において、リパーゼの範疇に属する上記酵素触媒は、カンジダ(Candida)属に属する微生物種を由来とするリパーゼであり得、またより一層好ましくは、これはカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)種由来のリパーゼBである。
上記固体支持体への固定化は、吸着、封入(entrapment)、共有結合による又は該固体支持体上に存在する特定の官能基に対する該酵素触媒のアフィニティーを活用する非-共有結合による架橋によって行うことができる。
上記のリパーゼの範疇に属する上記酵素触媒及び該酵素触媒自体の該固体支持体に対する固定化の型を選択することは、当業者にとって実現可能な範囲内となり、これは本発明に従う上記方法の工程a)において使用される数種の可能な反応性支持体(reaction substrates)に、最良のエステル化収率をもたらす。
好ましい一局面において、上述の方法に係る工程a)で使用される上記酵素触媒は、アクリル酸樹脂及びメタクリレートコポリマー製の微小球から選択される固体支持体上に固定化された、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)種由来のリパーゼである。
工程a)において得られる上記位置規則性の安定な中間体は、位置規則性のジエステルジオールであり、そこにおいて上記対称性ジカルボン酸又はエステルは、上記不斉ジオール2分子と、その一級アルコール官能基によりエステル化又はエステル交換され、またこれは2つの遊離の二級ヒドロキシル基を有する。
本発明の好ましい一局面において、工程a)で、一般式(I)を有する上記不斉ジオールを、一般式(II)を有する上記対称性ジカルボン酸又は上記対称性ジカルボン酸エステルと反応させる場合、工程a)の終了時点において得られる上記位置規則性の安定な中間体は、以下の一般式(III)を有するジオールを支配的に含んでいる:
本発明に従う上記方法に係る工程a)の反応に係る高い位置選択性は、該工程a)によって得た上記位置規則性の安定な中間体を、1H-NMR解析に掛けることにより確認されたが、該解析は、1Hに対する400.13MHzという共鳴周波数を使用し、300°Kという温度にて、核磁気共鳴スペクトロメータである改良ブルーカー(mod. Bruker) AC-400トップスピン(Topspin)により行われ、該解析は、溶液全質量に対して1質量%に等しい濃度を有する、重水素化されたクロロホルム又は重水素化されたDMSO内の位置特異的(regiospecific)で安定な中間体の溶液について、また基準としてテトラメチルシラン(TMS)のシグナルを使用して行われた。
上記1H-NMRスペクトルを取得するために使用された機器パラメータを以下に報告する:
・TD (タイムドメインデータサイズ(time domain data size)) (FID(「自由誘導減衰(free induction decay)」)のポイント数):16384;
・SW (スペクトル幅):5.99995 ppm;
・AQ (収集時間):3.412秒;
・D1 (緩和時間):3.0秒;
・NS (走査数(scan n°)): 64;
・O1P (スペクトル窓(spectral window)の中心):3.0 ppm;
・P1 (インパルス長さ(impulse length)):9.0μs;
・PLW1 (インパルスパワー(impulse power)):20.9 W。
前に与えられた定義に従う、このような比(「位置規則性」として定義される)は、以下のように計算することができる:
同様に、ポリエステルに係る位置規則性を決定するための13C-NMRに基く方法も、当技術において利用し得る(例えば、S. Munoz-Guerra等, Macromolecules, 2012, 45, pp.8261-8262を参照のこと)。
本発明の方法に係る上記工程a)が、不斉ジオールであって、そのジオールの光学的な純度に基いてキラル中心を含むものを使用して行われる場合、その得られる位置規則性の安定な中間体は、エナンチオマー形状であり得、即ち立体規則性であるか、又はエナンチオマー形状(公平に、右旋性又は左旋性)が、その片方について優勢である混合物の状態で、又はこれら2種の光学異性体のラセミ混合物の形状であり得る。
本発明に従う上記方法の工程a)において得られる上記位置規則性の安定な中間体は、該方法に係る工程b)の上記重縮合反応のためにそのままで使用することができ、あるいは該中間体は、当業者には公知の任意の分離技術により、例えば溶媒沈殿、カラム又は薄層クロマトグラフィー、溶媒の蒸発、濾過、その他により、又は該分離技術の任意の組合せにより予防的に(preventively)精製して、本発明の該方法に係る工程b)に従って、これを反応させる前に、その位置規則性を高めることができる。
本発明に従う上記方法に係る工程a)において得ることのできる位置規則性の安定な中間体の具体的な例は、以下の通りである:
ジ-3-ヒドロキシブチルサクシネート及びジ-3-ヒドロキシブチルテレフタレートが、特に好ましい。
上記工程b)において、上記位置規則性の安定な中間体は、二官能性で、好ましくは対称性のアシル化剤と反応させられる。
本発明の好ましい一局面では、上述の二官能性アシル化剤において、その2つのアシル化官能基は、実質的に同一の反応性を有する。好ましくは、該2つのアシル化官能基の反応性は、極短期間内に上記アルコール官能基のアシル化を促進して、その得られる位置規則性ポリエステル分子における、起こり得る立体的な再配列を回避するようなものであり、該立体的な再配列は、その同一のポリエステルに係る構造の秩序を減じる可能性がある。
好ましい一局面において、上述の、好ましくは対称性で二官能性のアシル化剤は、ジアシルジハライド、即ちジカルボン酸のジハライドであり得る。
特に好ましい一局面において、上記二官能性のアシル化剤は、ジカルボン酸のジクロリド、即ちジアシルジクロリドである。
本発明の好ましい一局面において、上記の好ましくは対称性であるアシル化剤は、以下の一般式(IV)を有する:
本発明の目的にとって特に有用な二官能性アシル化剤の具体的な例は、マロニルジクロリド、サクシニルジクロリド、グルタリルジクロリド、アジポイルジクロリド、及びテレフタロイルジクロリド、2-メチルテレフタロイルジクロリドであり得る。サクシニルジクロリド及びテレフタロイルジクロリドが特に好ましい。
好ましい一局面では、上記工程b)において、位置規則性の安定な中間体と二官能性アシル化剤との間のモル比は、0.5/1〜2/1の範囲であり得、該モル比は、より好ましく0.75/1〜1.5/1の範囲内、より一層好ましくは0.9/1〜1/1.1の範囲内にある。特に好ましい一態様において、該モル比は、実質的に1である。
好ましい一局面において、当技術において一般的に知られている技術に従う、上述の方法に係る工程b)において、位置規則性の安定な中間体と二官能性アシル化剤との反応は、窒素系有機塩基(nitrogen organic base)、例えばトリエチルアミン又はトリメチルアミン等の第三アミンの存在下で行うことができる。
特に、上記二官能性アシル化剤がジアシルジハライドである場合、上記窒素系有機塩基の機能は、縮合による酸生成物を捕捉することにある。
特に好ましい局面において、上記窒素系有機塩基はトリエチルアミンである。
上記方法に係る工程b)は、攪拌状態の下で、大気の存在下又は不活性雰囲気下で行うことができ、また好ましくは、該工程は、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム又はこれらの混合物等の不活性雰囲気の下で行われる。
上記方法に係る上記工程b)は、1kPa〜150kPaの範囲の圧力にて行うことができ、また好ましくは、該工程は2.5kPa〜100kPaの範囲の圧力にて行われる。
もう一つの好ましい局面において、上記方法に係る工程b)は、以下の2つの副工程を含むことができる:
b1) 工程a)において得られる上記安定な中間体と、対称性の二官能性アシル化剤とを、0℃〜20℃の範囲、及び好ましくは5℃〜10℃の範囲の温度にて接触させ、かくして混合物を得る工程;
b2) 該混合物を、20℃〜80℃の範囲、及び好ましくは25℃〜70℃の範囲の温度に昇温し、かつ維持する工程。
工程b)の上記2つの副工程b1)及びb2)への分割は、反応の過度の発熱性、該二官能性アシル化剤がジアシルジハライドである場合の、ガス状ハロゲン化水素酸の制御されない発生、寄生的(parasitic)反応及び/又は二次反応の発生等といった上記不可逆的アシル化反応に係る、起こり得る不都合を有利に回避又は制限することができ、これら不都合は、選択性に関する低下又はその最終的なポリマーの分子量の減少の原因となり得る。
好ましくは、上記方法に係る上記工程b)は、1時間〜8時間の範囲、より好ましくは3〜6時間という範囲の期間に渡り行われる。
上記方法に係る工程b)が、上記副工程b1)及びb2)を含む態様において、該副工程b2)は、該方法に係る該工程b)が実施される期間の50%〜99%の範囲の割合に相当する期間に渡り行われる。
好ましい一局面において、上記工程b)は、トルエン、トリクロロメタン、ジフェニルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒中で行うことができる。
本発明に従う上記方法に係る工程b)で得られる上記位置規則性ポリエステルは、当業者には公知の任意の分離技術により、例えば溶媒沈殿法、カラム又は薄層クロマトグラフィー、溶媒蒸発法、濾過その他によって、あるいは該分離技術の任意の組合せにより、単離しかつ精製することができる。
従って、本発明の方法により得ることのできる上記位置規則性ポリエステルを提供することが、本発明の第二の目的である。
上記位置規則性の安定な中間体が、キラル中心を含む不斉ジオールから、該ジオールの光学的純度に応じて得られる場合、同様にこの得られる位置規則性ポリエステルも、エナンチオピュアな(enantiopure)形状(即ち、これは立体規則性であり得る)で、又はエナンチオマー形状(無差別的に、右旋性及び左旋性)がその片方において優勢な混合物として、又はこれら2種の光学異性体のラセミ混合物の形状であり得る。特に好ましい局面において、本発明の方法により得られる該位置規則性ポリエステルは、そのエナンチオピュアな形状にある。
好ましい一局面において、上記位置規則性ポリエステルは、以下の一般式(V)を有する:
好ましい一局面において、R2及びR4は相互に等しい。
本発明の方法によって得られる上記位置規則性ポリエステルは、当業者にとっては公知の方法に従って、上述の如く1H-NMR解析により特徴付けられる。
前に説明したように、この種の解析により、得られる上記ポリエステルの位置規則性を決定することが可能であり、該位置規則性は、α-位置におけるそのジカルボン酸モノマー単位のプロトンに関連するシグナルの、その異なる位置異性体に起因するエステル基に対する相対的な比として表され、該位置異性体を通して、該ポリエステルのエステル結合が、そのポリマー鎖内で相互に追随している。
上記比は80%を超え、また好ましくは95%以上である。特に好ましい局面において、該比は97%以上であり、かつ100%以下である。この後者の場合において、該ポリエステルの位置規則性は、同様に「完全」として定義される。
本発明の方法によって得られる上記位置規則性ポリエステルに関連して、5〜10mgの位置規則性ポリエステルを、10℃/分という勾配で250℃まで加熱し、かつ20℃/分という勾配で-100℃まで冷却しつつ、窒素-流走査示差熱量計パーキン-エルマー(Perkin-Elmer) DSC6により、示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimetry) DSCによって、ガラス転移温度Tgを測定した。この使用された解析法は、当業者には公知の、標準規格ISO 11357-1:1997及びISO 11357-2:1999に係るガイドラインに従うものである。
上記解析中、以下のような実験条件を使用した:
・溶離剤:CHCl3
・流量:1 mL/分
・温度:カラムは27℃、検出器RIDは38℃
・注入体積:200μL
・サンプル濃度:CHCl3中で25質量%
・内部標準物質:トルエン
上記Mn及びMw値及び上記多分散度指数は、1,200〜2,608,000Daの範囲の分子量を有する、単分散性ポリスチレン(PS)(バリアン社(Varian Inc.))の標準サンプルに係る溶出体積に基く、分子量の検量線から得られる。
本発明の方法によって得られる上記位置規則性ポリエステルは、5×103〜5×104Daの範囲の重量平均分子量を有する。
試薬及び基本的な物質
・アセトニトリル、シグマ-アルドリッチ(Sigma-Aldrich)製:99.8%;
・塩酸、シグマ-アルドリッチ製:37%;
・コハク酸、シグマ-アルドリッチ製:≧99%;
・テレフタル酸、シグマ-アルドリッチ製:98%;
・(±)-1,3-ブタンジオール、シグマ-アルドリッチ製:≧99%;
・クロロホルム、シグマ-アルドリッチ製:≧99%;
・純粋なジブチルスズ酸化物(DBTO)、メルクミリポア(Merck Millipore)製;
・ジクロロメタン、シグマ-アルドリッチ製:≧99.8%;
・ジエチルテレフタレート、シグマ-アルドリッチ製:98%;
・ジフェニルエーテル、シグマ-アルドリッチ製:≧99%;
・ジメチルサクシネート、シグマ-アルドリッチ製:98%;
・ジメチルテレフタレート、アクロスオーガニックス(Acros Organics)製:≧99%;
・酢酸エチル、シグマ-アルドリッチ製:99.8%;
・「イモビード(Immobead) 150」上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)(CALB)由来のリパーゼ(Lipase) B、シグマ-アルドリッチ製;
・アクリル酸樹脂上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)(CALB)由来のリパーゼ(Lipase) B、ノボザイム(Novozyme) 435、アルドリッチ製;
・メタノール、シグマ-アルドリッチ製:99.8%;
・純粋なモノブチルスズ酸化物(MBTO)、メルクミリポア製;
・(R)-1,3-ブタンジオール、シグマ-アルドリッチ製:≧98%;
・サクシニルクロリド、シグマ-アルドリッチ製:95%;
・テレフタロイルクロリド、シグマ-アルドリッチ製:≧99%;
・トリエチルアミン、シグマ-アルドリッチ製:≧99%;
・無水トルエン、シグマ-アルドリッチ製:99.8%。
実施例1:本発明に従う(溶媒中で、不斉ジオール及び対称性脂肪族ジカルボン酸化合物から出発する、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)(CALB)由来のリパーゼBの存在下での、本発明の位置規則性の安定な中間体の合成及び単離):
100mMのジメチルサクシネート及び300mMの1,3-ブタンジオールを、50mLのトルエンと共に、イモビード(Immobead) 150上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼB(ジメチルサクシネートに対して1質量%)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れる。この反応は、不活性雰囲気下で、60℃にて48時間に渡り、攪拌状態の下で行われる。
上記粗製反応生成物について実施された1H-NMR解析により、97.8%に等しい上記ジメチルサクシネートの転化率及び95.8%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシル基におけるエステル化に係る位置選択度が決定された(91.6%という位置規則性)。
上記反応混合物を、上記担持された酵素触媒を除去するために濾過し、また二つの部分の水(50mL)で洗浄して、過剰量のジオールを除去する。その有機相を、無水硫酸マグネシウムを用いて無水化し、ブッフナーフィルタで濾過し、またロータリーエバポレータによる該溶媒の蒸発処理に掛けて、本発明の位置規則性の安定な中間体を単離する。
100mM(mmoles)のジメチルサクシネート及び200mMの1,3-ブタンジオールを、イモビード150上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼB(ジメチルサクシネートに対して1質量%)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れる。この反応は、不活性雰囲気下で、60℃にて20時間に渡り、攪拌状態の下で行われる。
上記粗製反応生成物について実施された1H-NMR解析により、96%に等しい上記ジメチルサクシネートの転化率及び80%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシル基におけるエステル化に係る位置選択度が決定された(60%という位置規則性)。
上記粗製反応生成物を、ジクロロメタンを用いて1:2に希釈し、上記担持された酵素触媒を除去するために濾過し、また二つの部分の水(50mL)で洗浄して、過剰量のジオールを除去する。その有機相を、無水硫酸マグネシウムを用いて無水化し、ブッフナーフィルタで濾過し、またロータリーエバポレータにより乾燥状態とし、本発明の位置規則性の安定な中間体を単離する。
100mMのジメチルサクシネート及び300mMの1,3-ブタンジオールを、イモビード150上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼB(ジメチルサクシネートに対して1質量%)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れる。この反応は、減圧下(4.5kPa)で、不活性雰囲気下で、60℃にて7時間に渡り、攪拌状態の下で行われる。
上記粗製反応生成物について実施された1H-NMR解析により、80%に等しい上記ジメチルサクシネートの転化率及び91%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシル基におけるエステル化に係る位置選択度が決定された(82%という位置規則性)。
上記粗製反応生成物を、ジクロロメタンを用いて1:2に希釈し、上記担持された酵素触媒を除去するために濾過し、また二部分の水(50mL)で洗浄して、過剰量のジオールを除去する。その有機相を、無水硫酸マグネシウムを用いて無水化し、ブッフナーフィルタで濾過し、またロータリーエバポレータにより乾燥状態とし、本発明の位置規則性の安定な中間体を単離する。
10mMのジメチルサクシネート及び100mMの1,3-ブタンジオールを、250mLのガラスフラスコに入れる。該混合物に対しては、如何なる酵素触媒も添加されない。この反応を、不活性雰囲気下で、120℃にて2時間に渡り、攪拌状態の下で実施する。
上記粗製反応生成物について実施された1H-NMR解析によれば、上記ジメチルサクシネートの転化は、全く示されない。
実施例5:比較(不斉ジオール及び対称性脂肪族ジカルボン酸化合物から出発する、MBTO触媒の存在下での、上記位置規則性の安定な中間体の合成テスト):
10mMのジメチルサクシネート及び100mMの1,3-ブタンジオールを、モノブチルスズ酸化物(MBTO、0.1mM)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れる。この反応を、不活性雰囲気下で、120℃にて2時間に渡り、攪拌状態の下で実施する。
上記粗製反応生成物について実施された1H-NMR解析によれば、上記ジメチルサクシネートの転化は、全く示されない。
実施例6:比較(不斉ジオール及び対称性脂肪族ジカルボン酸化合物から出発する、DBTO触媒の存在下での、上記位置規則性の安定な中間体の合成及び単離):
10mMのジメチルサクシネート及び100mMの1,3-ブタンジオールを、ジブチルスズ酸化物(DBTO、0.1mM)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れる。この反応を、不活性雰囲気下で、120℃にて2時間に渡り、攪拌状態の下で実施する。
上記粗製反応生成物について実施された1H-NMR解析により、78%に等しい上記ジメチルサクシネートの転化率及び70%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシル基におけるエステル化に係る位置選択度が決定された(40%という位置規則性)。このような位置選択度の値は、本発明に係る上記方法の目的にとって適切なものとは考えられない。
クロロホルム50mL中の100mMの1,3-ブタンジオール及び100mMのトリエチルアミンを、滴下ロートを備えた250mLのガラスフラスコに入れる。この混合物を、アセトン及び液体窒素からなる浴内に入れて-40℃に冷却し、かつこの温度に維持し、次いで50mMのサクシニルクロリドからなる溶液を、50mLのクロロホルム中に該滴下ロートを用いて、10分以内に滴添する。この反応を、不活性雰囲気下で、-40℃という温度にて40分間実施し、次いで攪拌状態の下にその後の4時間で室温に戻す。この得られた混合物を1MのHCl溶液(50mL)で、次いで二部分の水(50mL)で洗浄して、上記アミン及び考え得る未反応のジオールを除去する。その有機相を無水硫酸マグネシウムで無水化し、ブッフナーフィルタで濾過し、及び回転式エバポレータで乾燥状態とする。
上記有機相について行われた、1H-NMR解析により、100%に等しい上記サクシニルクロリドの転化率及び91%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシルにおけるエステル化に係る位置選択度が決定された(82%という位置規則性)。
上記中間体は、適切な位置規則性を有するが、特別に低い温度条件の下で操作しなければならなかったことに留意することは重要である。
実施例8:本発明に従う(数工程で添加される不斉ジオール及び対称性芳香族ジカルボン酸化合物から開始する、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼBの存在下かつ減圧条件下での、本発明の位置規則性の安定な中間体の合成及び単離):
50mMのジエチルテレフタレート及び50mMの1,3-ブタンジオールを、アクリル酸樹脂上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼB(1g)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れ、また1時間の反応の後に、追加の50mMの1,3-ブタンジオールを添加する。この反応は、減圧下(4.5kPa)で60℃にて、全体として8時間に渡り、攪拌状態の下で行われる。その終点において、その反応混合物をクロロホルムで1:4に希釈し、次いでその得られた有機層を濾過して、上記担持された酵素触媒を除去し、また水での洗浄処理(3回に渡る)に掛けて、残留するジオールを除去する。
上記位置規則性の安定な中間体は、シリカゲル分取プレートを使用することにより、及び90:10〜80:20の範囲の比率で混合されたクロロホルム及び酢酸エチルを用いた極性勾配中での溶出による、薄層クロマトグラフィーによって単離される。
実施例9:本発明に従う(数工程で添加される、エナンチオピュアな不斉ジオール及び対称性芳香族ジカルボン酸化合物から出発する、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼBの存在下及び減圧条件下での、本発明の位置規則性かつ立体規則性で安定な中間体の合成及び単離):
実施例8と同様な工程に従って、位置規則性かつ立体規則性で安定な中間体を、エナンチオピュアな(R)-1,3-ブタンジオールから出発して製造した。
50mMのジエチルテレフタレート及び50mMの(R)-1,3-ブタンジオールを、アクリル酸樹脂上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼB(1g)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れ、また1時間の反応の後に、追加の50mMの(R)-1,3-ブタンジオールを添加する。該反応は、減圧下(4.5kPa)で、60℃にて、全体として8時間に渡り、攪拌状態の下に行われる。その終了時点において、その反応混合物を、クロロホルムを用いて1:4に希釈し、次いで得られるその有機相を濾過して、上記担持された酵素触媒を除去し、及び水による洗浄処理(3回に渡る)に掛けて、残留している上記ジオールを除去する。
上記粗製反応混合物について実施された1H-NMR解析により、97.3%に等しい上記ジエチルテレフタレートの転化率及び100%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシルにおけるエステル化の位置選択度(100%という位置規則性)が決定された。
上記位置規則性かつ立体規則性で安定な中間体は、シリカゲル分取プレートを使用することにより、及び90:10〜80:20の範囲の比率で混合されたクロロホルム及び酢酸エチルを用いた極性勾配中での溶出による、薄層クロマトグラフィーにより単離される。
50mMのジエチルテレフタレート及び50mMの1,3-ブタンジオールを、アクリル酸樹脂上に固定化されたカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)由来のリパーゼB(1g)の存在下で、250mLのガラスフラスコ内に入れ、また1時間の反応の後に、追加の50mMの1,3-ブタンジオールを添加する。この反応は、大気圧下で80℃にて全体として11時間に渡り、攪拌状態の下で行われる。その終了時点において、該反応混合物を、クロロホルムで1:4に希釈し、次にこの得られる有機相を濾過して、該担持された酵素触媒を除去し、また水による洗浄処理(3回)に掛けて、残留するジオールを除去する。
上記粗製反応混合物について行われた1H-NMR解析によって、49%に等しい上記ジエチルテレフタレートの転化率及び100%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシルにおけるエステル化に係る位置選択度(100%という位置規則性)が決定された。
上記位置規則性の安定な中間体は、シリカゲル分取プレートを使用することによって、また90:10〜80:20の範囲の比率で混合されたクロロホルム及び酢酸エチルを用いた極性勾配における溶出による、薄層クロマトグラフィーによって単離される。
10mMのテレフタル酸及び100mMの1,3-ブタンジオールを、250mLのガラスフラスコに入れる。該混合物に対しては、如何なる酵素触媒も添加されない。この反応は、不活性雰囲気の下に、180℃にて3時間、攪拌状態の下で行われる。
上記粗製反応生成物について行われた1H-NMR解析によれば、上記テレフタル酸の転化は全く示されない。
実施例12:比較(不斉ジオール及び対称性芳香族ジカルボン酸化合物から出発する、MBTO触媒の存在下での、上記位置規則性の安定な中間体の合成):
10mMのテレフタル酸と100mMの1,3-ブタンジオールとを、モノブチルスズ酸化物(MBTO、0.1mM)の存在下で、250mLのガラスフラスコに入れる。この反応は、不活性雰囲気下で、180℃にて3時間、攪拌状態の下で行われる。
上記粗製反応生成物について行われた1H-NMR解析により、70%に等しい上記テレフタル酸の転化率及び68%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシルにおけるエステル化に係る位置選択度(36%の位置規則性)が決定された。このような位置選択度の値は、本発明に係る方法の目的にとって適切なものではないと考えられる。
50mLのクロロホルム中の100mMの1,3-ブタンジオールと100mMのトリエチルアミンとを、滴下ロートを備えた250mLのガラスフラスコに入れる。この混合物を、アセトン及び液体窒素からなる浴に入れて-40℃に冷却し、かつこの温度に維持し、次いで50mMのテレフタロイルクロリドからなる溶液を、該滴下ロートを用いて、50mLのクロロホルム中に10分以内に滴添する。この反応を、不活性雰囲気の下に、-40℃の温度にて40分間行い、次いで攪拌状態の下でその後の4時間で室温に戻す。この得られる混合物を、1M HCl溶液(50mL)、次いで二部分の水(50mL)で洗浄して、該アミン及び存在し得る未反応のジオールを除去する。その有機相を、無水硫酸マグネシウムで無水化し、ブッフナーフィルタで濾過し、及び回転式エバポレータで乾燥状態とする。
その有機相について行われた1H-NMR解析により、100%に等しい上記テレフタロイルクロリドの転化率及び95%という上記1,3-ブタンジオールの一級ヒドロキシルにおけるエステル化に係る位置選択度が決定された。
上記中間体は、適切な位置規則性を有するものの、特別に低い温度条件下で、かつ一層長い反応期間に渡り操作する必要があることに留意することが重要である。
10mMの予め蒸留されたテレフタロイルクロリド及び30mLの無水トルエンを、100mLのガラスフラスコに入れる。20mLの無水トルエン中に、先の実施例8において記載のようにして得た10mMの位置規則性の安定な中間体を含み、また同様に60mMのトリエチルアミンを含有する溶液を、この反応混合物に、滴下ロートにより滴添するが、該反応混合物は、攪拌状態の下で0℃に保たれている。
上記反応混合物を、60℃にて全体として6時間の期間に渡り加熱する。
上記反応の終了時点において、その得られる混合物を、減圧下での蒸発処理に掛ける。その残渣をクロロホルム中に可溶化させ、またその得られる有機相を、上記トリエチルアミンを除去するために2M HCl溶液で2度、次に水で更に3回洗浄する。その有機相を無水硫酸マグネシウムで無水化し、次いでメタノール(有機相1mLに対して約10mL)を添加して、室温にて該位置規則性ポリエステルを沈殿させる。
得られる上記ポリエステルの位置規則性は、前に述べた通り、1H-NMR解析により確認され、またそれが完全(100%)であることが示される。
図1a及び1bにおいて報告された1H-NMRスペクトルにおいては、上記ポリエステル分子内の対称性の存在を立証している、強度の等しい2つの単独シグナル(「シングレット」)がもたらされ、即ち換言すれば、これらシグナルは、各対称性ジカルボン酸単位内のエステル結合が、専らその一級アルコール官能基又は専らその二級アルコール官能基の何れかと関係していることを証明している。
上記ポリエステルの重量平均分子量は、9×103ダルトンである。
実施例15:比較(不斉ジオールと対称性芳香族ジカルボン酸化合物との、DBTO触媒の存在下での一工程重縮合による上記統計的ポリエステルの合成):
10mMのジメチルテレフタレート、16mMの1,3-ブタンジオール及び300ppmのジブチルスズ酸化物(DBTO)を、100mLのガラスフラスコに入れる。
上記反応混合物を、200℃にて、室圧で2時間に渡り攪拌下で加熱し、次いで減圧条件下(約4.5kPa(0.045bar))で3時間に渡り230℃の状態に置かれる。
上記反応の終了時点において、その残渣をクロロホルム中に可溶化し、またメタノール(有機相1mLにつき約10mL)を、この得られる溶液に添加して、室温にて上記ポリエステルを沈殿させる。
前に説明したように実施される1H-NMR解析は、得られた上記ポリエステルの位置規則性を考慮外とすることを可能とする。
実際に、図2a及び2bに示された、上記統計的ポリエステルに係る1H-NMRスペクトルにおいて、特定数のスプリットシグナル(「ダブレット」)の存在を強調することが可能であり、同様に該ポリマー鎖内の非対称性配列の存在の確証としての、一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基でエステル化されたジカルボン酸単位に起因するシグナルをも含む。
上記ポリエステルの重量平均分子量は、1.02×104ダルトンである。
実施例16:本発明に従う(立体規則性で位置規則的である安定な中間体と対称性芳香族二官能性アシル化剤との不可逆的重縮合による立体規則性で位置規則性のポリエステルの合成):
前に記載された10mMのテレフタロイルクロリド、及び30mLの無水トルエンを、100mLのガラスフラスコに入れる。20mLの無水トルエン中の、及び60mMのトリエチルアミンをも含む、先の実施例9において記載したようにして得られる10mMの立体規則性かつ位置規則性の安定な中間体からなる溶液を、攪拌状態の下で、0℃に維持されているこの反応混合物に滴下ロートによって滴添する。
上記の得られたポリエステルに係る位置規則性は、前に説明された如く、その1H-NMR解析によって確認された。またこれは完全である(100%)ことを明確に示している。
上記立体規則性かつ位置規則性のポリエステルに係る重量平均分子量は、8.6×103ダルトンである。
得られた上記立体規則性で位置規則性のポリエステルは、前に説明したように示差走査熱量測定法(DSC)により解析された。また、得られたそのプロファイルは、図3に報告されている(プロファイルd及びe)。そのガラス転移点Tgは51.8℃であり、同一の解析は、専らその第一の加熱勾配において記録され、数種の多形型の結晶性相の溶融に起因する、89.6℃及び111℃における2つの吸熱ピークの存在を示した。
最後に、添付された請求項の範囲内に入る、更なる変更及び変形が、本明細書において説明されまた例示された方法に対して行い得ることが意図されている。
Claims (20)
- 以下の工程、
a) 攪拌状態の下で、一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を含む不斉ジオールを、対称性ジカルボン酸又は対称性ジカルボン酸エステルと、リパーゼの範疇に属する酵素触媒の存在下で反応させて、位置規則性の安定な中間体を得る工程、
b) 工程a)において得た該位置規則性の安定な中間体を、二官能性アシル化剤と反応させて、該位置規則性ポリエステルを得る工程、
を含むことを特徴とする、位置規則性ポリエステルの合成方法。 - 前記位置規則性ポリエステルが、少なくとも80%、好ましくは95〜100%の範囲の位置規則性を有する、請求項1記載の方法。
- 工程a)における前記位置規則性の安定な中間体が、少なくとも80%、好ましくは95〜100%の範囲の位置規則性を有する、請求項1又は2の何れかに記載の方法。
- 工程a)における前記位置規則性の安定な中間体が、100%という位置規則性を有し、かつ前記対称性ジカルボン酸又は前記対称性ジカルボン酸エステルの各カルボン酸官能基が、前記不斉ジオールの前記一級アルコール官能基にエステル結合で結合されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
- 一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を含む前記不斉ジオールが、以下の一般式(I)を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
- 前記対称性ジカルボン酸又は前記対称性ジカルボン酸エステルが、以下の一般式(II)を有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
- 工程a)における前記不斉ジオール及び前記対称性ジカルボン酸又は前記対称性ジカルボン酸エステルが、2/1〜3/1のモル比で、好ましくは2/1〜2.5/1のモル比にて反応させられる、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
- 前記方法に係る工程a)が、以下の2つの副工程、
a1) 一級アルコール官能基及び二級アルコール官能基を含む不斉ジオールを、対称性ジカルボン酸又は対称性ジカルボン酸エステルと、リパーゼの範疇に属する酵素触媒を含む反応混合物内で、1/1〜1.5/1のモル比[ジオール]/[ジカルボン酸又はエステル]にて、攪拌状態の下で接触させる工程、次いで
a2) 攪拌状態の下にある該反応混合物に、2/1〜3/1の範囲、好ましくは2/1〜2.5/1のモル比[ジオール]/[ジカルボン酸又はエステル]が実現されるまで、更なる量の該不斉ジオールを添加して、位置規則性の安定な中間体を得る工程、
を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。 - 前記方法に係る工程a)が、大気又は不活性雰囲気下で、及び/又は1kPa〜150kPaの範囲の圧力にて、及び/又は20℃〜75℃の温度にて、及び/又は1時間〜72時間の期間に渡り実施される、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
- 前記リパーゼの範疇に属する酵素触媒が、カンジダ属に属する微生物種由来のリパーゼであり、好ましくはカンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)種由来のリパーゼBである、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
- 前記二官能性アシル化剤が、ジカルボン酸のジハライドである、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
- 前記二官能性アシル化剤が、以下の一般式(IV)を有する、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
- 前記二官能性アシル化剤が、対称性である、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
- 工程b)において、前記位置規則性の安定な中間体と二官能性アシル化剤との間のモル比が、0.5/1〜2/1にあり、好ましくは0.75/1〜1.5/1、より一層好ましくは0.9/1〜1/1.1にある、請求項1〜13の何れか1項に記載の方法。
- 前記方法に係る工程b)において、前記位置規則性の安定な中間体と二官能性アシル化剤との間の反応が、窒素系有機塩基の存在下で行われる、請求項1〜14の何れか1項に記載の方法。
- 前記方法に係る前記工程b)が、大気又は不活性雰囲気下で、及び/又は1kPa〜150kPaの圧力にて、及び/又は1時間〜8時間の期間に渡り、及び/又は0℃〜80℃の温度にて行われる、請求項1〜15の何れか1項に記載の方法。
- 前記方法に係る前記工程b)が、以下の2つの副工程、
b1) 工程a)で得られた前記安定な中間体を対称性の二官能性アシル化剤と、0℃〜20℃、好ましくは5℃〜10℃の温度にて接触させて、混合物を得る工程、
b2) 該混合物を、20℃〜80℃、好ましくは25℃〜70℃の温度とし、かつ該温度に維持する工程、
を含む、請求項1〜16の何れか1項に記載の方法。 - 請求項1〜17の何れか1項に記載の方法によって得ることのできる、位置規則性ポリエステル。
- 請求項1〜17の何れか1項に記載の方法によって得ることのできる、立体規則性で位置規則性のポリエステル。
- 以下の一般式(V)を有する、請求項18又は19に記載の位置規則性ポリエステル。
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