JP2019520258A - レール移送システム及びレール移送システム用のレール車両 - Google Patents
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Abstract
本発明は、走行レール(2)と走行レール(2)に沿って移動可能なレール車両(3)とを有し、走行レール(2)が中心線(21)の両側にそれぞれ走行トラック(22)と少なくとも1つのガイドトラック(22、23)とを有している、製造プロセス、組立てプロセス及び/又は補給プロセス用のレール移送システムに関する。走行トラック(22)が水平の、上方を向いた、少なくとも実質的にある高さに配置された走行トラック(22)として形成されており、走行レール(2)の少なくとも第1の側に、走行トラック(22)の上方に配置された上方の垂直のガイドトラック(23)が設けられており、かつ走行レール(2)の少なくとも第2の側に、走行トラック(22)の下方に配置された下方の垂直のガイドトラック(24)が設けられている。本発明はさらに、レール移送システム用のレール車両に関する。【選択図】図1
Description
本発明は、走行レールと、走行レールに沿って移動可能なレール車両とを有する、製造プロセス、組立てプロセス及び/又は補給プロセス用のレール移送システムに関するものであって、その場合に走行レールは中心線の両側にそれぞれ走行トラックと少なくとも1つのガイドトラックとを有している。本発明は、さらに、レール移送システム用のレール車両に関する。
レール移送システムは、たとえば特許文献1(欧州特許出願公開第0728647号明細書)から知られており、その場合に走行レールは、走行レールの横断面においてA字状に斜めに配置された2つの走行トラックを有している。付属のレール車両は、垂直の軸を中心に回転可能に配置された2つの走行車輪を有しており、それらを用いてレール車両が走行トラックに沿って走行することができる。
本発明の課題は、大きな荷重を移送するのに適した、レール移送システムを提供することである。本発明の他の課題は、この種のレール移送システム用のレール車両を提供することである。
これらの課題は、請求項1と7の特徴を有する対象によって解決される。好ましい形態が、従属請求項に記載されている。
第1の視点によれば、走行レールと走行レールに沿って移動可能なレール車両とを有するレール移送システムが提供され、その場合に走行レールが中心線の両側にそれぞれ水平の、上方を向いた走行トラックを有しており、その場合に走行トラックが少なくとも実質的にある高さに配置されており、かつその場合に走行レールの少なくとも第1の側に、走行トラックの上方に配置された上方の垂直のガイドトラック、走行レールの第2の側に、走行トラックの下方に配置された下方の垂直のガイドトラックが設けられている。
走行トラックが水平で上方を向いていることに基づいて、レール車両から走行レールへ大きな力を伝達することができる。走行トラック(その上方に少なくとも1つのガイドトラックが設けられている)は、それぞれ走行レールのプロフィール部材の、中心線から張り出したセクションに設けられている。その場合にこのセクションは、当業者によって適切に形成することができるので、このセクションは充分な曲げ剛性を有している。中心線の両側で走行トラックの上方と下方に配置された少なくとも2つのガイドトラックによって、レール車両を傾かないように、より確実に支持する可能性が提供される。
好ましい形態において、走行レールの第1の側と第2の側に、すなわち中心線の両側に、それぞれ走行トラックの上方に配置された上方の垂直のガイドトラックと、走行トラックの下方に配置された下方の垂直のガイドトラックとが設けられている。これらのガイドトラックは、好ましくは中心線に対して対称に配置されている。
走行レールは、好ましくは少なくとも1つのプロフィール部材、特に複数の、長手方向に互いに結合可能なプロフィール部材を有しており、その場合に少なくとも1つのプロフィール部材は、走行トラックを有する第1のセクションと、それに対して垂直方向に離隔した第2のセクションとを有しており、それらが垂直のウェブを介して結合されている。同時に重量を削減しながら安定性を高めるために、ウェブの幅が好ましくは第1のセクションの方向に増大しており、すなわちウェブが第2のセクションの方向に拡幅している。ウェブの幅は、好ましい形態において、連続的に増大している。
適切な形態において、少なくとも1つの下方のガイドトラックが第1のセクションの側面に、かつ/又は少なくとも1つの上方のガイドトラックが第2のセクションの側面に設けられている。好ましくはプロフィール部材に設けられたガイドトラックは、中心線に関して対称に配置されている。
レール移送システムのレール車両は、レール車両に設けられた駆動装置によって走行レールに沿って好ましくは自動的に移動可能である。駆動装置は、たとえば国際公開第2005/118365(A)号に記述されるように、燃料電池を有している。好ましい形態において、1つ又は複数のレール車両は、車両に設けられた少なくとも1つの電気駆動装置によって駆動される。レール車両のエネルギ供給のために、好ましい形態において、走行レールの第1の側又は第2の側に少なくとも1つの、好ましくは2つの平行に延びる電流ガイドレールが設けられている。少なくとも1つの電流ガイドレールは、プラス極として形成されている。好ましくはさらに、ニュートラル導体が設けられている。電流ガイドレールは、走行レールのプロフィール部材内の、たとえばT字溝として形成された切り欠き内へ挿入されている。電流ガイドレールを、走行レールの両側に設けることが、考えられる。好ましくは電流ガイドレールは、2つとも走行レールの一方の側に設けられている。走行レールの好ましい形態のために、少なくとも1つの電流ガイドレール、特に2つの電流ガイドレールが、走行トラックの上方において走行レールの第1又は第2の側に、好ましくは上方のガイドトラックと走行トラックとの間に配置されている。それによって走行レールの組立て高さを変えずに走行トラックとガイドトラックの間の間隔が最大にされる。好ましい形態において、たとえば独国特許出願公開第19837975(A1)号明細書に記述されるように、レール車両に集電器が設けられており、それが電流ガイドレールと協働する。その場合に特に、少なくとも1つのローラ、好ましくは2つのローラが設けられており、それが、プラス極及びニュートラル導体として形成された2つの平行に延びる電流ガイドレールと協働する。ある形態において、各電流ガイドレールにそれぞれ、たとえば2つ又は3つのローラを有するローラグループが対応づけられている。ローラグループのローラ又は各ローラは、電流レールに対して垂直に移動可能に支承されており、かつばね部材によって電流レールの方向へ付勢される。
好ましい形態において、走行レールは、互いに結合された複数のプロフィール部材から構成されている。その場合に適切につなげることによってレール車両用のほぼ任意の区間が形成され、その場合に区間は製造プロセス、組立てプロセス及び/又は補給プロセスのそれぞれの要請に適合可能である。プロフィール部材は、重量削減のためにそれぞれチャンバ及び/又は溝を有している。このようなプロフィール部材から構成された走行レールは、少ない重量を特徴としているので、走行レールを床側に取り付けることも、天井側に取り付けることも、あるいは互いに離隔した支柱上に取り付けることも、考えられる。
第2の視点によれば、上述した走行レールを有するレール移送システムのためのレール車両が提供され、その場合にレール車両は、走行レールの両側に配置すべき2つのサイド部分を備えた少なくとも1つの軸モジュールを有しており、その場合に各サイド部分は走行レールの走行トラックと協働する走行部材を有しており、かつその場合に少なくとも1つのサイド部分、好ましくは2つのサイド部分は、少なくとも1つの受動的なガイド部材を有しており、そのガイド部材によってレール車両が走行レールの少なくとも1つのガイドトラックに沿って案内可能である。
走行部材は、たとえば強磁性のスライドブロックとして形成されており、その場合に走行レールの領域的な磁化によって引きつけ力がレール車両へ及ぼされ、その引きつけ力がレール車両の移動をもたらす。好ましい形態において、各サイド部分が走行部材として水平の軸を中心に回転可能に軸承された走行ホイールを有しており、その場合にレール車両は走行ホイールによって走行トラックに沿って移動可能である。
好ましい形態において、駆動装置が設けられており、その場合に少なくとも1つの軸モジュールの少なくとも1つの走行ホイール、好ましくはレール車両の各走行ホイールが、走行トラックに沿ってレール車両が自動的に移動するために、駆動装置によって駆動可能である。好ましい形態において、駆動装置が少なくとも1つの電気モータを有しており、その場合に1つ又は複数の軸モジュールの走行ホイールがギア機構によって電気モータと結合されている。その場合にギア機構システムは、摩耗の少ないカーブ走行を可能にするために、ディフェレンシャルギア機構を有している。他の形態において、駆動装置は複数の駆動ユニットを有しており、その場合に各走行ホイールに専用の駆動ユニット、特に電気モータが対応づけられており、かつその場合に複数の駆動ユニットが互いに同期されている。さらに他の形態において、各軸モジュールが軸駆動装置、特に電気モータを有しており、その場合に軸モジュールの軸駆動装置が互いに同期されている。
ある形態において、受動的なガイド部材として、スライドブロック又はリニア再循環玉軸受ユニットが設けられている。好ましい形態において、少なくとも1つの受動的なガイド部材として、垂直の軸を中心に回転可能に軸承された、使用中に上方又は下方のガイドトラックに沿って転動する少なくとも1つのガイドホイールを備えたガイドホイール装置が設けられている。好ましくは各ガイドホイール装置が、軸モジュールの長手方向に変位して配置された、垂直の軸を中心に回転可能に軸承された2つのガイドホイールを有している。その場合に各軸モジュールは、走行レールの長手軸を中心とする回転に対してだけでなく、横軸を中心とする傾きに対しても確実に支持されている。
好ましい形態において、レール車両は長手方向に離隔した2つの軸モジュールを有しており、その場合にそれらの軸モジュールは走行レールの上方又は下方に配置された支持体プレートによって結合されている。支持体プレートは、それぞれ製造プロセス及び/又は組立てプロセス及び/又は補給プロセスの要請に応じて適切に形成することができる。その場合に、電気エネルギ用のエネルギ貯蔵器を有するレール車両の形態において、かつ/又は電流ガイドレールによるエネルギ供給においては、支持体プレートにおいて、回転ステーション、検査システム及び/又はベルトコンベアのような、エネルギ供給を必要とする適用も、実現可能である。
本発明の他の利点及び視点が、請求項から、かつ本発明の好ましい実施例についての以下の説明から明らかにされ、その実施例を以下で図を用いて説明する。
図1及び図2は、製造プロセス、組立てプロセス及び/又は補給プロセス用のレール移送システム1の部分区間を斜視図もしくは側面図で図式的に示している。レール移送システム1は、走行レール2と走行レール2に沿って自動的に移動可能な少なくとも1つの無人のレール車両3とを有している。好ましくは複数のレール車両3が設けられている。この種のレール移送システム1は、モノレールシステムとも称される。というのは、レール車両3が1本の走行レール2に沿って移動されるからである。
図1及び図2に示すレール車両3は、2つの軸モジュール31、32を有しており、それらが長手方向において支持体プレート30によって結合されている。図示される軸モジュール31、32は、それぞれ走行レール2の両側に配置すべき2つのサイド部分310、320を有しており、図1及び図2にはそのうちのそれぞれ1つだけが見える。その場合にサイド部分310、320は、同様に支持体プレート30を介して互いに結合されている。支持体プレート30は、図1及び図2に示す配置に対して代替的に、サイド部分310、320の下側に、したがって走行レール2の下方に配置することができる。各サイド部分310、320内に走行部材が設けられており、その場合にレール車両3は走行部材によって走行レール2に支持されている。走行部材は、走行レール2に沿ってレール車両3が移動するために、少なくとも部分的に駆動される。
軸モジュール31、32は、ある形態においては、少なくとも実質的に等しい構造である。他の形態において、軸モジュール31、32はその構造において異なっており、その場合にたとえば1つの軸モジュール31、32のみが、レール車両の移動のために駆動される走行部材を有している。
レール車両3は、走行部材とレール車両3に設けられた、図では見えない駆動装置とによって、自動的に移動可能である。駆動装置は、少なくとも1つの走行部材を駆動する少なくとも1つの駆動ユニット、好ましくは走行部材に対応づけられ、偏心して配置された複数の駆動ユニットを有している。駆動ユニットとして、好ましくは電気モータが設けられている。駆動装置の駆動は、好ましくは、レール車両3に設けられた中央の制御ユニットによって行われる。駆動装置及び/又は中央の制御ユニットのエネルギ供給のために、走行レール2の片側に2つの平行に延びる電流ガイドレール4が設けられている。レール車両3には、電流ガイドレール4と協働する、見えない集電装置が設けられている。集電装置は、たとえば独国特許出願公開第19837975(A1)号明細書に記載されているように構成されている。走行レール2の上側に、カバーストリップ5が設けられている。
図示されるレール車両3は、さらに、2つの非常ブレーキシステム6を有している。図示される実施例においては、軸モジュール31、32に対応づけられた2つの非常ブレーキシステム6が設けられており、それらがそれぞれ機械的なスイッチ60を有しており、その場合に2つの非常ブレーキシステム6は機械的なスイッチ60によって作動可能である。他の形態において、2つの非常ブレーキシステム6は共通のスイッチによって作動可能である。さらに他の形態において、1つの非常ブレーキシステム6のみが設けられている。非常ブレーキシステム6の機能については、後に詳細に説明する。
支持体プレート30の2つの端部に、それぞれ衝撃保護部材36が設けられており、それが長手方向に摺動可能に支持体プレート30と結合されている。衝撃保護部材36は、プレート形状に形成されており、好ましくは適切な復帰部材(図示せず)の力に抗して変位可能である。その場合に衝撃保護部材36は、第2のレール車両3又は周囲と衝突した場合に発生する力を軽減するための、ばね配置及び/又は緩衝配置として用いられる。さらに、好ましくはセンサが設けられており、そのセンサによって支持体プレート30に対する衝撃保護部材36の摺動が検出できるので、摺動した場合に非常ブレーキシステム6が作動可能である。
さらに、図示されるレール車両2は複数のセンサ部材8を有しており、それらのセンサ部材によってレール車両2の移動軌跡内の障害物が検出可能である。センサ部材8は、図示される実施例において衝撃保護部材36に配置されている。
サイド部分310、320はそれぞれカバーを有しており、その場合にカバーは次のように、すなわちサイド部分310、320の間及びそれに伴ってレール車両3と走行レール2の間に、好ましくは5mmより小さい間隙が残るように、形成されている。カバーは、好ましい形態において、走行レールに対するその位置が摺動可能であるので、各時点において間隔がたとえば5mmの最大の間隙大きさを上回らず、同時に、カーブなどを通過する際にカバーが走行レールに当接することが回避される。この目的のために、ある形態においては、図示されないばね付勢された圧接部材が設けられており、その場合にカバーが圧接部材によって支持されている。それによって挟み込みによる損傷の危険が回避される。さらにそれによって、移送システムの保護格子又は囲いを省くことができる。
走行レール2の区間は、それぞれの製造プロセス、組立てプロセス及び/又は補給プロセスに適合されており、その場合に区間は、それぞれ要請に応じてポイント又は分岐を有することができる。制御ユニットは、好ましい形態において、通信モジュールを有しており、それを介してポイントが個別に駆動可能である。区間は、直列に配置された複数の走行レールプロフィール部材20(図3を参照)、略してプロフィール部材、から構成されている。
図3に示す走行レールプロフィール部材20の横断面図によってもっともよく認識できるように、プロフィール部材20は、中心線21に関して対称に形成されている。走行レール2、もっと正確にはプロフィール部材20は、中心線21の両側にそれぞれ上方を向いた走行トラック22を有しており、その場合に走行トラック22は少なくとも実質的にある高さに配置されている。さらに中心線21の両側にそれぞれ、走行トラック22の上方に配置された上方の垂直のガイドトラック23と、走行トラック22の下方に配置された下方の垂直のガイドトラック24が設けられている。
プロフィール部材20は、実質的にTを逆さにした形状である。走行トラック22は、第1のセクション201の上側に設けられており、その第1のセクションは、図示される実施例においてプロフィール部材20の下方の端部における逆T字の横棒を形成している。したがってこの第1のセクション201は、中心線21の両側で側方へ張り出している。2つの下方のガイドトラック24は、第1のセクション201の2つの側面に設けられている。
プロフィール部材20は、さらに6つのT字溝25を有しており、それらの中に、図1及び図2に示す電流ガイドレール4が部分的にクリップ止めされている。図示される実施例において、電流ガイドレール4用のT字溝25は、プロフィール部材20の第1のセクション201から垂直方向に離隔した第2のセクション202に設けられている。その場合に図示される実施例において、プロフィール部材20の両側にそれぞれ3つのT字溝が設けられており、その場合に好ましくは使用において、片側に配置された2つのT字溝25内に電流ガイドレール4がクリップ止めされる。
第1のセクション201と第2のセクション202は、垂直のウェブ26を介して結合されており、そのウェブの幅は第1のセクション201の方向に増大している。
上方の2つのガイドトラック23は、T字溝25の上方において第2のセクション202の側面に設けられている。
プロフィール部材20は、重量を削減するためにウェブ26内にチャンバ27を有している。さらに、プロフィール部材20の第1のセクションの利用されない下側に、長手方向に延びる溝28が設けられている。その場合にチャンバ27及び/又は溝28の長さ及び/又は形状は、プロフィール部材20をとりたてて弱めることなしに重量を削減するために、当業者によって適切に選択可能である。
プロフィール部材20の上側と下側に溝29が設けられており、その中へ、互いに隣接するプロフィール部材20を結合するための結合部材を挿入することができる。
上で説明したように、各サイド部分310、320(図1及び図2を参照)は走行部材を有しており、その場合にレール車両3が走行部材によって走行レール2の走行トラック33に支持されている。各サイド部分は、好ましくはさらに2つのガイド部材を有しており、それらが走行レール2のガイドトラック23、24と協働する。しかし、特に複数の軸モジュールを有する車両においては、すべてのサイド部分310、320が必ずしもガイド部材をもたない形態も、考えられる。
走行部材とガイド部材は、好ましくはホイールとして形成されている。
図4及び図5は、図3に示すプロフィール部材20を、軸モジュール31の走行ホイール33及びガイドホイール34の図式的な表示と共に横断面もしくは側面で図式的に示している。
図4及び図5に示すように、走行ホイール33はそれぞれ水平の軸330を中心に回転可能に軸承されているので、レール車両3は走行ホイール33によって上方を向いた水平の走行トラック22に沿って走行することができる。
ガイドホイール34、35は、それぞれ垂直の軸340、350を中心に回転可能に軸承されており、かつガイドトラック23、24に沿って受動的に転動する。図5において認識できるように、図示される実施例にいて、ガイドホイール34、35はそれぞれ対をなして設けられている。その場合にガイドトラック23、24に対応づけられた2つのガイドホイール34、35はそれぞれ、軸モジュール31、32の長手方向に変位して配置された、垂直の軸を中心に回転可能に軸承された2つのガイドホイール34、35を備えたガイドホイール装置341、351を形成している。
すでに上で説明したように、好ましくは駆動装置がレール車両に設けられており、その駆動装置によってレール車両3の少なくとも1つの走行ホイール33が駆動可能である。好ましい形態において、レール車両3の各走行ホイール33は、レール車両3が走行トラックに沿って自動的に走行するために、駆動装置によって駆動可能である。
好ましい形態において、駆動装置は複数の駆動ユニットを有しており、それらの駆動ユニットがそれぞれサイド部分310、320内に配置されている。駆動ユニットは、たとえば電気モータとして形成されている。その場合に駆動ユニットの、特に電気モータの、駆動は、好ましくは中央の制御ユニット7を介して行われる。
図6は、図1及び図2に示す、2つの軸モジュール31、32を有するレール車両3用の中央の制御ユニット7を図式的に示しており、その場合に軸モジュール31、32は、データを交換するために制御ユニット7とワイヤレスで、あるいはワイヤ接続で接続されている。この実施例において、軸モジュール31、32につき1つのデータチャネルが示されているが、軸モジュール31、32あたり1つよりも多いデータチャネルを有する、たとえばサイド部分毎にデータチャネルを有する形態も、考えられる。中央の制御ユニット7は、説明したように、駆動ユニットを同期駆動するために用いられ、その場合に状況的にすべての走行ホイールが同一速度で、あるいは、たとえばカーブ走行のために、異なる速度で回転する。
中央の制御ユニット7には、さらに通信モジュール70が設けられており、その場合に通信モジュール70を用いて制御ユニット7が、たとえば中央のシステム制御、他のレール車両、走行区間に沿って設けられたポイントなどと、特にワイヤレスで、たとえば赤外線技術を介して、通信する。
駆動装置および制御ユニット7のエネルギ供給は、ノーマル駆動においては走行レール2に設けられた電流ガイドレール4(図1及び図2を参照)を介して行われる。電流中断をブリッジ接続するため、かつ/又は電流ガイドレールなしの部分区間におけるエネルギ供給のために、再充電可能なエネルギ蓄積ユニット9、特にスーパーコンデンサが設けられている。エネルギ蓄積ユニット9は、図示される実施例において、中央の制御ユニット7の空間的近傍に、たとえば共通のプリント基板上に、設けられている。しかしこの配置は、単なる例である。代替的に、複数の分散して配置されたエネルギ蓄積ユニット9を設けることも考えられ、それらは、たとえばサイド部分310、320内に配置されている。
レール車両3の制動は、ノーマル駆動においては同様に駆動装置を用いて行われる。そのために、図示されるレール車両3の各軸モジュール31、32は非常ブレーキシステム6を有している。その場合に非常ブレーキシステム6は、エネルギ供給が中断された場合に作動可能であるように、形成されている。図1及び図2に示すように、実施例においては各非常ブレーキシステム6に機械的なスイッチ60が対応づけられており、それを用いて非常ブレーキシステムが作動可能である。
図示される実施例において、非常ブレーキシステム6は中央の制御ユニット7と通信する。それによって非常ブレーキシステム6の情報を制御ユニット7において処理することができる。たとえば、1つの軸モジュール31、32においてのみエネルギ供給の中断がもたらされることが考えられ、その場合にこの情報は、しかるべき措置を導入するために、第2の軸モジュール32、31へ伝達される。
ある形態において、非常ブレーキシステム6の非能動化は、手動操作可能な切り替え部材61を用いて手動でのみ可能である。ある形態において、切り替え部材61は、従事者が接近できる箇所に、たとえば制御ユニット7に、あるいは制御ユニット7と接続されている他の箇所に設けられている。その場合に非能動化は、ある形態においては直接行われる。好ましい形態においては、非能動化は間接的に中央の制御ユニット7を介して行われる。また他の形態においては、中央の制御ユニット7は所定の状況において、従事者の手動の介入なしで、非能動化を電子的にもたらすことができるように、形成されている。
非常ブレーキシステム6の作動は、好ましくは、エネルギ供給が中断した場合、衝撃保護部材36が摺動した場合に、スイッチ60によって手動で、かつ/又は中央の制御ユニット7によって可能である。制御ユニット7による作動は、たとえば、第2のレール車両あるいは他の装置からレール車両3へ伝達される信号に基づいて行われる。さらに、レール車両3に設けられているセンサ部材8のセンサ信号に基づく作動も考えられる。しかしその場合には、非常制動は通常、駆動装置を介しての制動プロセスが衝突回避のために好ましく思われない場合にのみ導入される。
好ましい形態において、図1及び図2に示すレール車両3に、図には示されない操作フィールドが設けられている。操作フィールドは、少なくとも1つのスタートキー及び/又はストップキーを有しており、それを用いてレール車両3を始動させ、かつ停止させることができる。好ましい形態において、操作フィールドにマンマシンインターフェースが設けられており、それを用いて中央の制御ユニット7の報告が出力可能であり、かつ従事者によって、たとえばキー操作により確認応答することができる。特に非常ブレーキシステム6の作動は、光学的及び/又は音響的に表示可能であって、その場合に従事者は、非常ブレーキシステムを非能動化し、かつ/又は非常ブレーキシステムを作動させた問題に対処するために、必要なステップを導入することができる。その場合にこのステップの実施は、操作者によるキー操作によって確認応答することができる。その場合に好ましい形態において、非常ブレーキシステム6の非能動化は、操作フィールドを介して行われる。マンマシンインターフェースは、好ましい形態において光学的な表示ユニットを有しており、その場合にある形態においては、手動の切り替え部材が表示ユニットに内蔵されている。
図示される非常ブレーキシステム6は、図1から4に示すレール移送システムにおいてだけでなく、他のレール移送システム1、たとえば欧州特許出願公開第0728647(A1)号明細書から知られたレール移送システムにおいても、効果的に使用可能である。
Claims (11)
- 走行レール(2)と走行レール(2)に沿って移動可能なレール車両(3)とを有し、走行レール(2)が中心線(21)の両側にそれぞれ走行トラック(22)と少なくとも1つのガイドトラック(22、23)とを有している、製造プロセス、組立てプロセス及び/又は補給プロセス用のレール移送システムにおいて、
走行トラック(22)が水平の、上方を向いた、少なくとも実質的にある高さに配置された走行トラック(22)として形成されており、走行レール(2)の少なくとも第1の側に、走行トラック(22)の上方に配置された上方の垂直のガイドトラック(23)が設けられており、かつ走行レール(2)の少なくとも第2の側に、走行トラック(22)の下方に配置された下方の垂直のガイドトラック(24)が設けられている、ことを特徴とするレール移送システム。 - 走行レール(2)の第1の側と第2の側に、それぞれ、走行トラック(22)の上方に配置された上方の垂直のガイドトラック(23)と、走行トラックの下方に配置された下方の垂直のガイドトラック(24)とが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のレール移送システム。
- 走行レール(2)が、少なくとも1つのプロフィール部材(20)、好ましくは走行レール(2)の長手方向に互いに結合可能な複数のプロフィール部材(20)を有しており、少なくとも1つのプロフィール部材(20)が、走行トラック(22)を有する第1のセクション(201)と、該第1のセクション(201)に対して垂直方向に離隔した第2のセクション(202)とを有し、第1のセクション(201)と第2のセクション(202)とが垂直のウェブ(26)を介して結合されており、好ましくはウェブ(26)の幅が第1のセクション(201)の方向に増大している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレール移送システム。
- 少なくとも1つの下方のガイドトラック(24)が第1のセクション(201)の側面に設けられ、かつ/又は少なくとも1つの上方のガイドトラック(23)が第2のセクション(202)の側面に設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載のレール移送システム。
- 走行トラック(22)の上方で走行レール(2)の第1の側及び/又は第2の側に、好ましくは上方のガイドトラック(23)と走行トラック(22)との間に、少なくとも1つの、好ましくは2つの平行に延びる電流ガイドレール(4)が設けられており、好ましくは少なくとも1つの電流ガイドレール(4)が、第2のセクション(202)に設けられたT字溝(25)内へクリップ止めされている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレール移送システム。
- 少なくとも1つのプロフィール部材(20)が、それぞれ重量を削減するためのチャンバ(27)及び/又は溝(28)を有している、ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のレール移送システム。
- 走行レールを有する請求項1から6のいずれか1項に記載のレール移送システム用のレール車両において、
レール車両が、走行レールの両側に配置すべき2つのサイド部分(310、320)を備えた少なくとも1つの軸モジュール(31、32)を有しており、各サイド部分(310、320)が、走行レール(2)の走行トラック(22)と協働する走行部材を有しており、かつ少なくとも1つのサイド部分(310、320)、好ましくは両方のサイド部分(310、320)が、少なくとも1つの受動的なガイド部材を有しており、そのガイド部材によってレール車両(3)が走行レール(2)の少なくとも1つの垂直のガイドトラック(23、24)に沿って案内されている、ことを特徴とするレール移送システム用のレール車両。 - 各サイド部分(310、320)が、走行部材として水平の軸を中心に回転可能に軸承された走行ホイール(33)を有しており、レール車両(3)が走行ホイール(33)によって走行トラック(22)に沿って走行可能である、ことを特徴とする請求項7に記載のレール車両。
- 駆動装置が設けられており、レール車両(3)の少なくとも1つの走行ホイール(33)、好ましくはレール車両(3)の各走行ホイールが、レール車両(3)が走行トラック(22)に沿って自動的に移動するために、前記駆動装置によって駆動可能である、ことを特徴とする請求項8に記載のレール車両。
- 受動的なガイド部材として、垂直の軸を中心に回転可能に軸承され、使用中に上方又は下方のガイドトラック(23、24)に沿って転動する少なくとも1つのガイドホイールを有するガイドホイール装置(341、351)が設けられており、好ましくは各ガイドホイール装置(341、351)が、軸モジュール(31、32)の長手方向に変位して配置された、垂直の軸を中心に回転可能に軸承された2つのガイドホイール(34、35)を有している、ことを特徴とする請求項8、9又は10に記載のレール車両。
- レール車両(3)が、長手方向に離隔した2つの軸モジュール(31、32)を有しており、軸モジュール(31、32)が走行レールの上方又は下方に配置された支持体プレート(30)によって結合されている、ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のレール車両。
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