JP2019516212A - 外部磁界内で運転するための超電導装置 - Google Patents

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Abstract

2つの超電導接触要素(2)と、一方の接触要素(2)から他方の接触要素(2)への電流の流れ方向に相当する長手方向において両接触要素(2)を接続する、基板(8)上に形成された超電導膜を備えた電流案内部分(5)とを有し、前記超電導膜が、少なくとも部分的に長手方向において輸送電流のための電流経路を成す個々のフィラメント(3)を形成するべく空白部(4)により分割されている、外部交番磁界内で運転するための超電導装置(1a,1b)において、基板(8)上に形成されて4つの電流経路が導電接続されている交差点領域(6)では、少なくとも2つの隣接したフィラメント(3)が空白部(4)を設けないことによって導電接続されており、交差点に関して対向して位置していて膜平面の長手方向とその長手方向に対して垂直な横方向とにずらされた隣接したフィラメント(3)の電流経路に、少なくとも1つのオーム抵抗障壁(7)、特にそれぞれ1つのオーム抵抗障壁(7)が設けられている。

Description

本発明は、2つの超電導接触要素と、一方の接触要素から他方の接触要素への電流の流れ方向に相当する長手方向において両接触要素を接続する、基板上に形成された超電導膜を備えた電流案内部分とを有し、前記超電導膜が、少なくとも部分的に長手方向において輸送電流のための電流経路を成す個々のフィラメントを形成するべく空白部により分割されている、外部交番磁界内で運転するための超電導装置に関する。
超電導体の使用は、交番磁界においても、例えば超電導電気機械においても提案されている。交番磁界内で電気導体を使用する際に交番磁界損失が発生し、これらの交番磁界損失は、物理的な原因に応じて種々の成分に分類することができる。超電導体の場合には、常電導体に比べて付加的な作用/成分が存在し、さらに、低温時の使用条件下ではこれらの交番磁界損失がその用途にとって非常に邪魔で妨害的であるという別の問題が生じる。というのは、その際には室温において何倍もの量の交番磁界損失が必要とされ、このことが効率を低下させるからである。
常電導体の場合、交番磁界使用時には一般に単線ではなくて、撚線が使用されるのが有利である。これは、不利な表皮効果(電流変位)および渦電流損失という不利な作用を最小限にする。
たいていビレット又はボルトから製作される超電導体、例えばNbTi,Nb3Sn,MgB2又はBi2223の場合にも超電導フィラメントの使用が公知である。超電導体におけるフィラメントは、超電導の安定性を積極的に向上させるだけでなく、交番磁界損失を低減することもできる。
超電導体における交番磁界損失の重要な一群は所謂ヒステリシス損失であり、これらのヒステリシス損失は、導体内に侵入する磁界が外部交番磁界によりそれの方向に変化して反転磁化過程が起きざるを得ないことによって発生する。磁界に対して垂直方向の超電導体の広がりがヒステリシス損失の大きさを決定するので、薄いフィラメントを形成することが有利である。しかし、超電導体におけるフィラメントは、それらの端部において、通常、一方では強制的に電流が導入もしくは導出される接触要素を介して、また他方では場合によって(抵抗性の)常電導マトリックスを介して、電気的に互いに接続されている。それに関連した交番磁界損失は結合損失と呼ばれる。
このようにフィラメントを形成して、接触要素および/又はマトリックスを介して結合する際に、次の問題が生じる。即ち、個々のフィラメント間で結合が生じ、従って特に、フィラメントによってフィラメント間の接続と合わさって接触要素に形成される導体ループに、外部交番磁界によって電圧および電流が誘起され、それによって結合損失が生じるという問題である。従って、常電導体およびマルチフィラメント超電導体については、交番磁界に起因して生じる電界を、隣接したループにおいて互いに打ち消し合うように、常電導体とマルチフィラメント超電導体とを互いにねじることが知られている。このような考えは「ツイストペア」としても知られている。
このような構造形態は、基板上の膜として形成される膜超電導体の場合に可能でない。ヒステリシス損失を低減するために、これに関しては、もともとはその幅内で連続していた超電導体膜を長手方向に条片に、所謂「線条」に分割することが提案された。このことは、例えば非特許文献1に記載されている。そこでは、1cmまでの幅を有し得る膜超電導体が、その膜に対して垂直方向の交番磁界中での運転時に容認できないヒステリシス損失を有するという問題が出発点となっている。超電導体膜を薄い直線状のフィラメント(「線条」)に分割した場合、これらのヒステリシス損失がどのような状態になるかが調査された。これに関して磁界方向に対して垂直な方向のフィラメント寸法は所定のファクタであることから、殆どの場合に確かにヒステリシス損失が低減された。しかし、フィラメントが少なくとも始端および終端においてそれぞれ電気接触要素によって(又はマトリックスおよび分路層によって)短絡されている実際の用途においては、これらの所謂「線条導体」がフィラメント間で大きな誘導ループを有し、これらの誘導ループがまたしても交番磁界損失(結合損失)の増大の原因となる。従って、これらのフィラメントは、基本的には、接触要素への電気接続を有する「ねじられていない」部分導体に相当する。
Coleman B. Cobb等の共著の論文"Hysteretic loss reduction in striated YBCO"(線条YBCOにおけるヒステリシス損失の低減), Physica C 382 (2002), pp.52-56
本発明の課題は、個々のフィラメントに分割するべき超電導膜において結合損失を低減する可能性を提供することにある。
この課題は、本発明によれば、請求項1による超電導装置によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
冒頭に述べた種類の本発明による超電導装置は、少なくとも2つの隣接したフィラメントが、基板上に形成されて4つの電流経路を導電接続している交差点領域では、空白部を設けないことによって導電接続されており、当該交差点に関して向き合っていて膜平面の長手方向とその長手方向に対して垂直な横方向とにずらされた前記隣接したフィラメントの電流経路に、少なくとも1つの、特にそれぞれ1つのオーム抵抗障壁が設けられていることを特徴とする。
この場合、それぞれ1つの抵抗障壁の使用が好ましい。このようにして、少なくとも、1つのフィラメントの臨界電流以下では、交差点領域でフィラメントを取り換えて障壁のない電流経路を使用する電流路が生じることが達成される。従って、それらの障壁は、交差点領域においてサイドを取り換える、即ちフィラメントを取り換える電流路を強制するので、1つの交差点領域によって分離されて電流経路によって形成される導体ループにおいて、膜平面に対して垂直な方向にあって時間的に変化する外部磁界成分によって生成された電界に基づいて、1つの電流路を通してそれぞれ方向が反対で大きさが対称構造の場合に等しい電圧が生成される。換言するならば、交差点領域と抵抗障壁とを設けたことによって、交差点領域において交差する2つの電流路が生じるという結果がもたらされ、これらの電流路に沿っては、対称構造の場合、即ち4つの幾何学的に少なくとも類似の電流経路の場合、電界が(従って、誘起される電圧も)互いに相殺される。この場合に、その効果は、少なくとも、1つのフィラメントの臨界電流までの範囲においては同一であり、これは他の電流路から分離された他のフィラメントへのブリッジが設けられた場合にも生じるであろう。
つまり、換言するならば、本発明は、膜平面内で2次元的に電流路相互の「ねじれ」を実現することができる。従って、本発明の場合にも少なくとも部分的に次の効果がもたらされる。即ち、1つの電流路に沿って観察すれば、相応の対称性のもとでは電界が少なくとも大部分互いに打ち消し合うという効果である。従って、本発明による膜超電導体は、単純に複数の電流路を十分に定義する直線状のフィラメント/線条を有するだけでなく、それらの電流路が互いに膜平面内で定められたやり方で次のように交差している。即ち、それらの電流路に沿って誘起される電界が互いに少なくとも部分的に打ち消し合うように交差している。従って、定義された抵抗値の局所的領域である抵抗障壁が、それらの電流路の減結合をもたらす。確かに、幾つかの電流値についてのこの種の抵抗障壁によって、輸送電流と同相の純抵抗性の損失成分が発生するが、しかしその損失成分は、本発明によれば、これに関しては以下でさらに詳細に検討するが、純粋な線条導体における結合損失よりも少なく保たれるのが適切である。なお、純粋な線条導体の場合は位相が変わるか、あるいは変わり得る。
ここで付記しておくに、本発明による構造によって両電流路を介する非対称の電流分配が生じるので、少なくとも一時的に全電流の部分電流の非対称分配が発生する。従って、先ず、単独のフィラメントの臨界電流が到達されるまでは、抵抗障壁のない第1の電流路のみが使用され、この場合には抵抗のない電流輸送が有効に利用されている。さらに、好ましくは両抵抗障壁を越えなければならない第2の電流路が有利であることが分かった。この場合に、電流は、理想的には1つのフィラメントの臨界電流と同じくらいまで上昇する。第2の電流路は、いわば「超過分電流」を引き受けるようなものであり、それにもかかわらず、第2の電流路は、少なくとも部分的に有利な交番磁界損失低減が発生するように、誘起される電界を補償する責務を有している。
しかし、少ない交番磁界損失低減という利点には、この利点より重み付けの低い2つの制限が相対しており、それらの一方は、使用される特別な構成による超電導装置の全断面積に対する電流密度の実現可能な低減である。他方では、既に示したように、第2の電流路に関する電流輸送が好ましくは2つの抵抗障壁を介して行われ、これらの抵抗障壁はオーム抵抗とそれに伴う損失を有し得る。しかし、そのオーム抵抗とそれに伴う損失は、誘導に基づく結合損失と違って、輸送電流と同相である。
さらに指摘しておくに、少なくとも1つの抵抗障壁を片側においてのみ使用する場合には、異なる電流路への明確な分配が片側にしか存在しないが、それにもかかわらず電界の打ち消し合いが少なくとも部分的に達成される。しかし、既述のごとく、交差点領域の両側に抵抗障壁を設けることが好ましい。従って、上述のとおり以下では主としてこの実施例に関して説明する。
交差点領域を使用することによって多数のフィラメントの場合に複雑な電流路網を構成することが理論上考えられ得るが、しかし、これは最終的に不必要であり、明らかに費用がかかりすぎる。なぜならば、結合損失(交番磁界損失)の低減を達成するためには、結局、2つずつのフィラメントにより膜平面内において本発明により提案されたやり方で、「ツイストペア」、つまり互いにねじられた電流路を模造することで十分であるからである。従って、本発明の格別に有利な実施形態では、偶数個のフィラメントが設けられ、これらのフィラメントが、それぞれ2つの隣接したフィラメントを含んだ互いに別々の(交わらない)フィラメントグループに分けられ、1つのフィラメントグループのフィラメントが少なくとも1つの交差点領域、特に奇数個の交差点領域を介して接続されている。しかし、導体の長さにわたって非常に多くの個数の交差点領域が設けられる場合には、交差点領域の個数が偶数か奇数かは重要でない。従って、電流案内部分が、例えば6つのフィラメントを有する場合に、それぞれ少なくとも1つの交差点領域を有するそれぞれ隣接したフィラメントの3つのグループが発生し、従って、少なくとも1つの交差点領域において交差する2つの電流路が発生する。奇数個の交差点領域は、偶数個の導体ループが形成されることを意味し、従って、対称な実施形態では理想的に影響相殺がもたらされる。その際に、抵抗障壁は、複数の交差点領域の場合、どの抵抗障壁も経ることなく通じている1つの電流路が常に生じるように配置されるべきである。結局、この実施形態では、次のように配慮することだけが必要である。即ち、常に1つのフィラメントグループの2つのフィラメントの間で交差点領域内に電気接続が生成され、好ましくは相応にずらされて設けられた抵抗障壁が存在するように配慮することだけである。
本発明の格別に好適な発展形態では、少なくとも1つの抵抗障壁の抵抗値がそれぞれ次のように選ばれている。即ち、オーム抵抗による電力損失の大きさが、隣接したフィラメントの結合に基づく電力損失の低減よりも小さくなるように選ばれている。その場合に、それらの抵抗値は、例えば0.5nΩ以下、特に0.1nΩ以下の範囲にあるとよい。高温超電導体上で外部に形成される接触要素と共に、容易に約6nΩの範囲内になるので、個々の抵抗障壁に関する上記の低い値も容易に達成できると思われる。それゆえ結局は、結合損失(交番磁界損失)が単純に同相にあるオーム抵抗損失によって置き替えられるのではなく、実際には全体としての損失低減が行われるという利点がもたらされる。個々の抵抗障壁についての抵抗値は、交差点領域で接続されていないフィラメントを有する通常の「線条導体」と比較することにより、大まかに推定することもできる。例えば0.1mの長さと、0.012mの基板幅と、10μmのフィラメント間隔(空白部の幅)と、3μmの基板上超電導膜の厚さとを有する6つのフィラメントを前提とするならば、誘導原理から、120Aの全電流を仮定した場合に、結局10W/mの損失電力密度が生じる。(5つの隣接したフィラメント対によって)5つのこの種の「誘導ループ」が存在するのであれば、オーム抵抗による損失電力密度の最大値は、つい今しがた述べた結合損失の5倍を上回ってはならないように推定することができ、上記例では約0.6nΩが生じる。上述のごとく抵抗値はこの範囲に容易に到達可能であるので、このような導体構造が「線条導体」又は一体構造の導体に比べて有利であることは明らかである。
具体的には、それらの抵抗値は、シミュレーションによっておよび/又はモデルにおいて算定され、および/又は試験測定の評価によって、従って特に経験に基づいて決定されるとよい。実用的には、既存のプログラム化されたシミュレーション環境を利用し、最適な抵抗値を見つけ出すよう、さまざまの抵抗値において超電導装置の挙動、損失および電流を考察するとよい。
実用的には、少なくとも1つの抵抗障壁が、超電導膜のレーザ処理および/又は機械的処理および/又は超電導膜の局所的なドーピング又は空乏化によって、および/又は局所的なコーティングおよび/又は超電導を弱める構造の使用によって基板内で実現されているとよい。従って、的確にかつ局所的に僅かな抵抗の抵抗障壁をフィラメント内に生成するために、超電導技術分野において基本的には公知の多くの可能性が考えられ得る。この場合に、個別フィラメント間の空白部をレーザによって同じように生成することが公知である以上、レーザの使用が格別に好ましく、残っているフィラメント上に抵抗障壁のために設けられた空間的な抵抗領域内において(より少ない強さの)レーザを使用することによって障壁形成も実施することができる。
少なくとも1つの抵抗障壁が各交差点領域に直接隣接して配置されていると格別に好ましい。というのは、そうすれば電流路を格別に明確に定義することができるからである。
ここで指摘しておくに、本発明の範囲内で、フィラメントの直線状の連続した形態からはずれることが十分に可能であるものの、かならずしも必要ではない。実際には、フィラメント同士を互いに分離する超電導膜の空白部もしくは溝が電流案内部分の全長にわたって連続的に形成されるのではなくて所望の交差点領域に中断部を有し、それによって交差点領域が相応に生じることで、本発明を簡単に実現することができる。さらに、それにもかかわらず交差点領域の相応の横方向狭まりが望まれて設けられることも可能であることは自明である。個々のフィラメントの直線状経過からの偏差をできるだけ少なくするならば、本発明を格別に省スペースにて実現することができる。
本発明の他の利点および詳細は、以下において説明する実施例からならびに図面によりもたらされる。
図1は本発明による超電導装置の説明に使用する第1実施例を示す。 図2は異なる電流路における電流経過を示す。 図3は本発明による超電導装置の第2実施例を示す。 図4はフィラメントグループ内の複数の交差点領域を示す。
図1は、本発明による超電導装置1aを説明するのに適した非常に簡単な実施例を示しており、この超電導装置では、2つの接触要素2を接続する明らかに2つのフィラメント3が設けられており、これらのフィラメント3は空白部4によって分離されている。図1の図平面は超電導膜の膜平面である。電流案内部分5は、公知のように、2つの接触要素2の間にある。
しかしながら、ここではフィラメント3は、電流案内部分5の全体にわたって分離されているのではなくて、交差点領域6においてこれを中心として全体的には対称構造を成して導電接続されている。しかし、この対称性は、次なる抵抗障壁7によって中断される。即ち、これらの障壁7は、交差点領域6に直接隣接しており、交差点領域6に関して向かい合って位置しており、横方向および長手方向にずらされており、局所的に抵抗領域内に設けられている。抵抗障壁7は、非常に僅かの抵抗値、この場合には0.1nΩの範囲の抵抗値を持ち、レーザ処理によって生成されるが、生成のための他の可能性も考えられ得る。基板8上に配置されている超電導膜の超電導材料としては、この場合にはYBCOが使用される。
外部交番磁界は、矢印9に従って膜平面に対して垂直方向に経過し、それによって従って時間的な変化に基づいて矢印10により示されている電界が誘起される。
抵抗障壁7の配置は、先ず、実線矢印11にて示された第1の電流路の使用を強制し、従ってこの第1の電流路は交差点領域6において左のフィラメント3から右のフィラメント3へ移り、この場合は輸送電流が図1において下から上に進む状況を示している。
1つのフィラメント3の臨界電流を上回ると第2の電流路も使用され、この第2の電流路は抵抗障壁7を越えて続いており、破線矢印12によって示されている。従って、第1および第2の電流路は交差点領域6において交差しており、従って、抵抗障壁7と交差点領域6とによって、超電導体膜の膜平面内において重なり合う電流路を作り出すことができる。この電流案内の極めて重要な利点は、電界(矢印10)はそれぞれ第1の電流路および第2の電流路に沿って相殺される。というのは、容易に解るように、両「網の目」もしくは導体ループにおいて、電界(矢印10)が、電流路ごとに、ある時は部分電流の方向に誘起され、ある時はこの方向の反対の方向に誘起されるからである。これは、理想的な場合に外部交番磁界の影響が無効化され、従って結合損失が中和されることを意味する。
しかし、既に示したように、電流路の部分電流の非対称分配が、少なくとも一時的に、図2の電流経過から生じるように存在する。この場合に、曲線13は全電流に相当し、この全電流の最大値は理想的にはほぼ1つのフィラメント3の臨界電流の2倍に相当する。曲線14は、第1の電流路(図1における矢印11)についての部分電流の経過を示し、曲線15は、第2の電流路(図1における矢印12)についての部分電流の経過を示す。第1の電流路における臨界電流Icの到達までは第1の電流路における電流のみが流れ、その後に第2の電流路が超過分電流を引き受ける。低下する全電流側面ではそれに応じて逆のことが起こる。それにもかかわらず第2の電流路は誘起された電界を補償するという責務を果たすので、少なくとも部分的に有利な結合損失低減が生じる。
電流路もしくはフィラメントは、必ずしも、説明中の図1の第1実施例において示されているように非常に明確に分岐している必要はない。保証されなければならないことは、抵抗障壁7が図示の電流の流れを強制することのみである。
それに応じて図3は本発明による超電導装置1bの第2実施例を示し、簡単化のため、対応する構成要素については図1の参照符号が維持されている。図1の図示と違って、ここでは6つのフィラメント4が設けられており、これらのフィラメントは、それぞれ2つの隣接したフィラメント3からなる3つのフィラメントグループ16に分けられている。フィラメントグループ16の間では空白部4が連続しているのに対して、フィラメントグループ16の内部では交差点領域6の形成のために空白部4が中断され、抵抗障壁7の可能な形態も相応に示されている。従って、ここでも、第1の電流路(ここでは矢印17参照)による電流の流れと、第2の電流路(ここでは矢印18参照、ここでも同様に破線)による電流の流れとが強制される。交差点領域6はそれぞれ電流案内部分5の中央部にあるので、同じ長さの電流路に沿ってそれぞれ反対向きの電界が発生する。
その場合に、図4の概略的に示されたフィラメント対16が示しているように、交差点領域6の個数は必ずしも1つに限定する必要はない。図4では、3つの交差点領域6が実現されており、これらの交差点領域6は電流案内部分5の長さにわたって等距離に区分されている。従って、幾何学的に等しい電流経路から成る導体ループが生じ、従って、フィラメントを取り換える電流路に沿って最適にそれらの影響を互いに打ち消し合う誘起電界が生じる。
本発明の細部を好ましい実施例によって詳細に図示して説明したが、本発明は開示された例によって限定されることなく、これから他の変形例を当業者によって、本発明の保護範囲を逸脱することなく導き出すことができる。
1a,1b 超電導装置
2 接触要素
3 フィラメント
4 空白部
5 電流案内部分
6 交差点領域
7 抵抗障壁
8 基板
9 矢印(外部磁界)
10 矢印(電界)
11 矢印(第1の電流路)
12 矢印(第2の電流路)
13 曲線(全電流)
14 曲線(第1の電流路の部分電流)
15 曲線(第2の電流路の部分電流)
16 フィラメントグループ
17 矢印(第1の電流路)
18 矢印(第2の電流路)
それに応じて図3は本発明による超電導装置1bの第2実施例を示し、簡単化のため、対応する構成要素については図1の参照符号が維持されている。図1の図示と違って、ここでは6つのフィラメントが設けられており、これらのフィラメントは、それぞれ2つの隣接したフィラメント3からなる3つのフィラメントグループ16に分けられている。フィラメントグループ16の間では空白部4が連続しているのに対して、フィラメントグループ16の内部では交差点領域6の形成のために空白部4が中断され、抵抗障壁7の可能な形態も相応に示されている。従って、ここでも、第1の電流路(ここでは矢印17参照)による電流の流れと、第2の電流路(ここでは矢印18参照、ここでも同様に破線)による電流の流れとが強制される。交差点領域6はそれぞれ電流案内部分5の中央部にあるので、同じ長さの電流路に沿ってそれぞれ反対向きの電界が発生する。

Claims (6)

  1. 2つの超電導接触要素(2)と、一方の接触要素(2)から他方の接触要素(2)への電流流れ方向に相当する長手方向において両接触要素(2)を接続する、基板(8)上に形成された超電導膜を備えた電流案内部分(5)とを有し、前記超電導膜が、少なくとも部分的に長手方向において輸送電流のための電流経路を成す個々のフィラメント(3)を形成するべく空白部(4)により分割されている、外部交番磁界内で運転するための超電導装置(1a,1b)において、
    少なくとも2つの隣接したフィラメント(3)が、基板(8)上に形成されて4つの電流経路を導電接続している交差点領域(6)では、空白部(4)を設けないことによって導電接続されており、当該交差点に関して向き合っていて膜平面の長手方向とその長手方向に対して垂直な横方向とにずらされた前記隣接したフィラメント(3)の電流経路に、少なくとも1つの、特にそれぞれ1つのオーム抵抗障壁(7)が設けられていることを特徴とする超電導装置(1a,1b)。
  2. 偶数個のフィラメント(3)が設けられ、それらのフィラメント(3)が、それぞれ2つの隣接したフィラメント(3)を含んでいる互いに別々のフィラメントグループ(16)に分けられ、1つのフィラメントグループ(16)のフィラメント(3)が少なくとも1つの交差点領域(6)を介して、特に奇数個の交差点領域(6)を介して接続されていることを特徴とする請求項1記載の超電導装置(1a,1b)。
  3. 少なくとも1つの抵抗障壁(7)の抵抗値がそれぞれ、オーム抵抗による電力損失の大きさが隣接したフィラメント(3)の結合に基づく電力損失の低減よりも小さくなるように選ばれていることを特徴とする請求項1又は2記載の超電導装置(1a,1b)。
  4. 前記抵抗値が、シミュレーションによっておよび/又はモデルにおいて算定されること、および/又は試験測定の評価によって決定されることを特徴とする請求項3記載の超電導装置(1a,1b)。
  5. 少なくとも1つの抵抗障壁(7)が、前記超電導膜のレーザ処理および/又は機械的処理および/又は前記超電導膜の局所的なドーピング又は空乏化によって、および/又は局所的なコーティングおよび/又は超電導を弱める構造の使用によって、基板(8)内で実現されていることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の超電導装置(1a,1b)。
  6. 少なくとも1つの抵抗障壁(7)が、それぞれの交差点領域(6)に直接隣接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の超電導装置(1a,1b)。
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