JP2019515807A - 吸込ホースを有する手持ち式工作機械 - Google Patents

吸込ホースを有する手持ち式工作機械 Download PDF

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Abstract

本発明は手持ち式工作機械(10)に関し、手持ち式工作機械(10)は、作業者が把持する特に棒状のハンドル要素(12)を有しており、ハンドル要素(12)上に接合アセンブリ(13)を用いて可動に装着されており、かつ、加工工具(20)を保持する工具ホルダ(19)を駆動する電気駆動モータ(100)を有している、加工ヘッド(11)を有しており、ハンドル要素(12)の底側と加工ヘッド(11)の加工側とは、加工ヘッド(11)の基準位置において工作物(W)と対向しており、接合アセンブリ(13)は、加工ヘッド(11)の関節状の接続領域において加工ヘッド(11)に接続されており、吸気流を加工ヘッド(11)からハンドル要素(12)に伝導する可撓性吸込ホースが、ハンドル要素(12)と加工ヘッド(11)との間を延びており、吸込ホースは、第1ホース端部を用いてハンドル要素の端部領域に、かつ、第2ホース端部を用いて加工ヘッド(11)の吸込接続部(23)に、それぞれ固定されている。本発明によれば、吸込接続部(23)は、基準位置において、ハンドル要素(12)の端部領域と加工ヘッド(11)の関節状の接続領域との間に配置されている。

Description

発明の詳細な説明
本発明は手持ち式工作機械、特に研磨機に関し、該手持ち式工作機械は、作業者が把持する特に棒状のハンドル要素を有しており、又ハンドル要素上に接合アセンブリを用いて可動に装着され、かつ、加工工具を保持する工具ホルダを駆動する電気駆動モータを有している、加工ヘッドを有しており、ハンドル要素の底側と加工ヘッドの加工側とは加工ヘッドの基準位置において工作物と対向しており、接合アセンブリは加工ヘッドの関節状の接続領域で加工ヘッドに接続されており、吸気流を加工ヘッドからハンドル要素に導く可撓性吸込ホースが、ハンドル要素と加工ヘッドとの間で延びており、吸込ホースは、第1ホース端部によりハンドル要素の端部領域に、かつ、第2ホース端部により加工ヘッドの吸込接続部に、それぞれ固定されている。
このような研磨機の形態をとる手持ち式工作機械は、一例として、独国特許出願公開第10 2007 012 394(A1)号明細書に記載されている。研磨ヘッドの形態をとる加工ヘッドは、把持棒を構成する棒状ハンドル要素に対してジンバル方式で枢動できるため、作業者は、壁面を研磨するために、研磨ヘッドを壁面に沿って具合よく案内することができる。
しかしながら、このような研磨機の操作は不便な場合が多い。特に、多くの作業状況において、把持棒が長いために、壁面に対する加工ヘッド、つまり研磨ヘッドの位置調整が難しい。
よって、本発明の目的は、手持ち式工作機械、特に研磨機の改良を提供することである。
この目的を達成するために、上述の方式の手持ち式工作機械に、基準位置においてハンドル要素の端部領域と加工ヘッドの関節状の接続領域との間に吸込接続部を配置する。
底側において、ハンドル要素は、細長い設計とすることができ、かつ/あるいは、少なくとも長手方向軸に沿って延びている底側表面を有することができる。好ましくは、加工ヘッドの加工側は細長い形状である、かつ/あるいは、長手方向軸に沿って延びている加工表面を有している。好ましくは、加工ヘッドの加工側で、加工表面、一例として研磨表面、艶出し表面、又は洗浄表面が設けられている。
基準位置は、加工ヘッド及びハンドル要素の単一の相対位置であってもよい。しかしながら、この基準位置は、少なくとも1つ以上の基準位置を含む基本作業領域又は基準位置範囲の一部を構成しているならば好ましい。基本作業領域において、つまり広い範囲において、一例として加工ヘッド及びハンドル要素の互いに対する枢動範囲及び/又は摺動範囲において、ハンドル要素の底側、そして加工ヘッドの加工側が、手持ち式工作機械のいわば同一側に配置されている。このことは、一例として、以下の説明によってより明らかになる。
加工ヘッドは、一例として枢動及び/又は摺動によって、基準位置から案内可能である。一例として、ハンドル要素の底側表面と加工ヘッドの加工側に設けられた加工表面が、互いに平行又はほぼ平行である位置にあることが可能である。ほぼ平行とは、底側表面及び加工表面が正確に平行である位置から最大で10°、特に最大で5°又は3°という狭い角度範囲を意味することを意図している。この平行位置は、対応する基準位置となり得るが、基準位置が基本作業領域、一例として枢動範囲の一部を構成することも可能である。よって、加工表面は、一例として、平行位置から少なくとも一方向に、一例としてハンドル要素の底側に向かって、及び/又は、ハンドル要素の底側から離れるように、枢動してもよい。
言い換えれば、これにより、加工側の加工表面、例えば研磨表面や艶出し表面を、ハンドル要素の長手方向軸が、ほぼ直角に、特に80〜120°の範囲内で通ることも全く可能である。
よって、基準位置又は基本作業領域において、吸込ホースは、厳密には、関節状の接続領域を横切って、ハンドル要素から離れている側の加工ヘッドの前方範囲まで延びているわけではない。吸込ホースはより短くてもよい。吸込ホースは、損傷からよりしっかりと保護されている。よって、好ましくは、吸込ホースは、ハンドル要素から離れている側の加工ヘッドの前方自由端部領域ではなく、ハンドル要素に関連する加工ヘッドの後方領域上に配置される。
好適な構成では、吸込ホースは、少なくとも部分的に保護されて、支持アームに隣接して延びており、支持アームはハンドル要素から突出しており、加工ヘッドを保持している。その結果、一例として、ハンドル要素の管又は他の形状の要素内を通ってはいない吸込ホースの自由部分は、支持アームに隣接して配置され、結果として保護されている。好適な構成は、以下の例示的実施形態でも実施するような、複数の支持アーム、一例として2つの支持アームを有する構成である。
好適には、加工ヘッドを保持するハンドル要素の端部領域上には、二又アームを有している二又体が配置されており、二又アームには加工ヘッドが保持されており、その間に、又は隣接して、吸込ホースが通っている。したがって、吸込ホースを、二又アームの間の間隙に配置することが好ましい。しかしながら、吸込ホースを横方向に、二又アームの間の間隙の外側で二又アームに隣接して配置することも可能である。二又アームは、損傷から吸込ホースを保護する。しかしながら、吸込ホースの部分が二又アームから、一例として二又アーム間の間隙から、上方又は下方に突出することも可能である。二又アームは一例として支持アームである。
一例として、吸込ホースの一部分又は複数の部分が、二又アーム、又は上述の支持アーム又は二又アームの前方で、上方又は下方に突出していることも可能である。一例として、加工ヘッドの基準位置において、吸込ホースは、支持アーム又は二又アームの片側の前方で突出している湾曲部分を有している。他方の側、一例として、二又アーム又は上述の支持アームの前方において下方に突出している吸込ホースの別の部分は、一例として、加工ヘッドの吸込接続部に接続されている。
本発明の有利な実施形態では、吸込ホースは、ハンドル要素の端部領域上で、及び/又は吸込接続部上で、引張りに抵抗力を持つように、又は滑りに抵抗力を持つように、又はその両方を持つように、固定されている。有利な構成は、吸込ホースが一例として、ハンドル要素又は吸込接続部との関係で回転自在である構成である。これにより、加工ヘッドの自由度や可動度が向上できる。
しかしながら、加工ヘッドの関節状の接続領域とハンドル要素との間にある吸込ホースの好適な軌道を通じて、吸込ホースが、動けないように加工ヘッド上、及び/又はハンドル要素上で固定されている場合に、ハンドル要素に対して可動度の高い加工ヘッドも存在する。
好適には、吸込ホースはゴム及び/又はエラストマーを含む。吸込ホースには、リブや他の補強部、一例としてらせん状の補強部又は支持リング、が設けられていてもよい。
吸込ホースが、ハンドル要素に対して、長手方向軸又はハンドル要素の長手方向伸長部の方向と位置合わせをした状態で接続されているならば好ましい。さらに、吸込ホースが一例として、加工工具の加工面又は研磨面と直角をなすように加工ヘッド上に、又は、工具ホルダの回転軸と平行に延びる別の構造物内で、固定されていると有利である。したがって、ほぼ吸気流の流れる方向に延びている吸込ホースの第1ホース端部の長手方向軸は、ハンドル要素の長手方向延伸部に沿って延びているハンドル要素の長手方向軸、及び/又は、工具ホルダの回転軸にほぼ平行である、又は、加工ヘッド上の加工工具の加工面又は研磨面にほぼ直角である、ほぼ吸気流の流れる方向に延びている吸込ホースの第2ホース端部の長手方向軸、と位置合わせされていると有利である。
以下に記す手段は、可撓性を高めるのに役立てることができる。吸込ホースは、ハンドル要素と加工ヘッドの吸込接続部との間に、対向する2つの湾曲部分を有していることが有利である。好ましくは、設けられた吸込ホースの湾曲部分は、ハンドル要素と吸込接続部との間で反対方向に延びている。一例として、吸込ホースは、クエスチョンマーク又はS字カーブ形の経路を追従することができる。この湾曲した経路は、ハンドル要素に対する加工ヘッドの任意の位置に設けることができる。しかしながら、このような湾曲した経路を、ハンドル要素に対する加工ヘッドの所定の位置、一例として、基準位置、又は、外力によって荷重がかけられていないときに加工ヘッドがとる開始位置にのみ設けることも可能である。
有利な実施形態では、吸込接続部と駆動モータとの間に、加工ヘッドの関節状の接続領域が設けられている。このようにして、特に好適な重量分布が実現される。加工ヘッドは、一方では吸込ホースによって、もう一方では駆動モータによって、荷重がかけられている。吸込ホースは、両者の平衡に役立つことができる。吸込ホースは、一例として力成分を相殺可能であり、これにより加工ヘッドは、自身をハンドル要素上で支持している。吸込ホースは、ハンドル要素との関係で加工ヘッドのバランスをとるのに役立つことができる。さらに、この構造によって、又はこの構造を利用して、加工ヘッドの基準位置において、吸込ホースが駆動モータを横切って通らないようにしてもよい。
加工工具は、一例として、円形の外周部形状、及び/又は、好適には円形の加工面又は加工表面を有している。
好ましくは、吸込接続部は、加工ヘッド及び/又は加工工具の中心の外側に配置されている。一例として、吸込接続部は、加工ヘッドの略円形又は正円の外周形状部の円の中心の外側に配置されている。
好適には、吸込接続部は偏心して、特に可能な限り偏心して、配置されている。
好ましくは、吸込接続部は、加工ヘッド、一例としてモータハウジング又は加工ヘッドの取出カバーの縁部領域又は外周域内に配置されている。
好ましくは、手持ち式工作機械は、長手方向軸を有する把持棒を有しているか、又は、このような把持棒を備えており、ハンドル要素の端部領域との接続領域において、吸込ホースはこの長手方向軸に沿って延びている。可撓性の吸込ホースは、一例として把持棒上に配置されてもよい。しかしながら、ハンドル要素が、吸込ホースと連通する吸込路が加工ヘッドまで延びている剛性管状体を有することも可能である。管状体は一例として、部分管、特に剛性部分管からなる設計を有することもできる。この場合、管状体は作業者が把持するのに適している。その結果、部分管は、ハンドル要素の支持体又は重量支持要素を構成する。
好適には、ハンドル要素は、ハンドル要素の長手方向軸方向に延びており、かつ、前面において加工ヘッドに向かって対向しているハンドル要素の端部領域にてハンドル要素から開口している、少なくとも1つの吸込路を有している。そこで、吸込ホースは、加工ヘッドに向かう吸込路と接続している。
しかしながら、ハンドル要素は、少なくとも加工ヘッドに向かって対向している端部領域において、吸込管として設計されているか、又は、吸込管を有しているならば好ましい。加工ヘッドに通じる吸込ホースは、この吸込管に接続されている。
加工ヘッドは、基準位置において、ハンドル要素に対して線形構造体から離れている位置決めばね構造によって荷重がかけられていると有利である。
しかしながら、位置決めばね構造に関連して、独立発明それ自体は、手持ち式工作機械、特に研磨機、であって、作業者が把持する特に棒状のハンドル要素を有しており、ハンドル要素上に接合アセンブリを用いて可動に装着されており、かつ、加工工具を保持する工具ホルダを具備する加工ヘッドを有しており、加工工具は、特に加工ヘッド上に配置されている手持ち式工作機械の電気駆動モータによって駆動可能であり、ハンドル要素と加工ヘッドとの間には、電気及び/又は機械エネルギーを伝達し、かつ/あるいは、吸気の流れを伝導する、線形構造体が存在しており、手持ち式工作機械では、加工ヘッドが、所定の基準位置において、ハンドル要素に対して線形構造体から離れている位置決めばね構造によって荷重がかけられている、手持ち式工作機械に代表されることをさらに言及する。
この概念の有利な点は、研磨ヘッド又は加工ヘッドは、開始位置又は基準位置において、位置決めばね構造によって荷重がかけられているため、研磨ヘッド又は加工ヘッドは、ハンドル要素に対する位置が規定されてはいるが柔軟である。この基準位置から始まり、作業者は壁面に対する加工ヘッド位置を簡単に決めることができる。その結果、研磨作業は容易に行える。
線形構造体の複数の吸込ホース、一例として2つの吸込ホース、又は他のライン、一例として駆動シャフトが設けられている場合、位置決めばね構造は全ての吸込ホースから分離されている。よって、位置決めばね構造は、基準位置において、ハンドル要素に対する、加工ヘッドの緩衝又はばねによる荷重のための専用のばね構造を意味することを有利に意図している。
したがって、好適には、本発明のある実施形態では、位置決めばね構造は少なくとも1つのねじりばねを備えている。しかしながら、位置決めばね構造がゴムバッファ及び/又はプラスチックバッファを備えていることも可能である。つる巻きばねも、位置決めばね構造の、利用可能なさらなる構成要素である。任意の数の組み合わせが十分想定されており、つまり、一例として、ねじりばねがゴムバッファ又はプラスチックバッファに当たるため、ばねの効果が一緒に加えられる。しかしながら、つる巻きばねと平行なゴムバッファもまた効果的であり得る。
基板又は工作面を加工するときに、作業者が加工ヘッドを工作面に沿って具合よく案内することができるように、位置決めばね構造が変形する。
加工ヘッドは、外力によって荷重がかかっていないときには、一例として、工作物から手持ち式工作機械への反応を生じさせる、一例として作業者の作用や力の作用がないときには、基準位置をとる。
好ましくは、位置決めばね構造は、線形構造体から離れて配置されている。位置決めばね構造が、線形構造体に直接影響を与えない、かつ/あるいは、線形構造体とは別個に加工ヘッドに影響を与えるならば好ましい。
好適には、位置決めばね構造は、線形構造体とは直接の力の合成(Krafteingriff)を行ってはいない。
好適には、位置決めばね構造は線形構造体によって貫通されない。
好適には、位置決めばね構造は線形構造体とは空間的に分離されている。
好適には、位置決めばね構造は、加工ヘッド上の線形構造体を介しては、特に吸引管を介しては影響を与えない。
好ましくは、駆動モータは加工ヘッド上に直接配置されている。
工具ホルダを駆動する伝動部が加工ヘッド上に直接配置されているならば有利である。伝動部は、一例として、偏心伝動部及び/又は特に駆動モータを減速する可変速伝動部、特に歯付伝動部及び/又は工具ホルダの外転サイクロイド運動(hyperzykloider)を生じさせる伝動部を備えているか、又はこれらの伝動部であることが可能である。
駆動モータが、一例としてハンドル要素上に配置されること、及び、動力伝達構造、一例として駆動シャフトを通じて、加工ヘッド上の工具ホルダを直接、又は伝動部、特に加工ヘッド上に配置された伝動部を介して駆動することも可能である。一例として、動力伝達構造は、特に駆動モータの回転運動を工具ホルダに、又は上流の伝動部に伝達する、撓むように柔軟な動力伝達構造を備えている。好適には、この動力伝達要素は、線形構造体の一構成要素を構成している。
位置決めばね構造は、ハンドル要素に対する加工ヘッドの運動の1つ以上の自由度に関連している、又は運動の1つ以上の自由度に関連して有効であることが可能である。よって、一例として、加工ヘッドの基準位置は、1つの運動自由度、特に枢動運動の自由度又は回転自由度との関係でのみ調整可能であって、少なくとも1つの他の運動自由度、一例として、少なくとも1つの平行移動自由度及び/又は少なくとも1つの回転自由度は、位置決めばね構造による影響を受けないことが可能である。
それぞれの位置決めばねは、一方はハンドル要素に対して不動に又は可動に接続されている構成要素上で、もう一方は加工ヘッドに対して可動に又は不動に接続されている構成要素によって、支持されている。
ここで、加工ヘッドがハンドル要素に対して有している自由度がいくつかある場合、一例として、複数の枢軸が存在する場合、及び/又は、枢軸と摺動軸の組み合わせが存在する場合には、各運動自由度は、位置決めばね構造に又は位置決めばね構造の構成要素に関連づけられ得ることは明らかであることが言及されている。例えば、加工ヘッドがハンドル要素に対して多軸の枢動が可能である、一例として双軸の枢動が可能である場合に、少なくとも2つの枢軸又は各枢軸は、加工ヘッドが、両枢軸との関係で、ハンドル要素に対して固定の中央位置又は基準位置をとるように、位置決めばね又は位置決めばね構造に関連づけられることが可能である。
しかしながら、本発明の好ましい実施形態では、位置決めばね構造は、ハンドル要素に対する加工ヘッドの各運動自由度に関連して影響を与えない。好適には、加工ヘッドは、ハンドル要素に対して、接合アセンブリを用いて、第1運動自由度について、一例として第1枢軸を中心に枢動可能に支持されており、ここで、位置決めばね構造は、この第1運動自由度に関連して有効であり、一方、少なくとも1つの第2運動自由度、一例として加工ヘッドの第2枢軸を中心とした枢動可動度に関連して、位置決めばね構造は全く影響を与えない。
加工ヘッドが、ハンドル要素の長手方向軸と交差するように、特に直角に交差するように延びている枢軸との関係で、位置決めばね構造によって基準位置方向に荷重をかけられるならば好ましい。特にこの構成では、枢軸との関係で、ある場所ではハンドル要素の長手方向軸とともに延びているか、又は、長手方向軸に対して位置合わせしている、加工ヘッドが、位置決めばね構造によって基準位置方向に荷重がかけられていない、又は、自由に動くように支持されているならば有利である。ハンドル要素の長手方向延伸部又は長手方向軸に関連して、有利に、加工ヘッドは、自由に動かされる、一例として振り子のように支持されていることが可能であり、一方、この長手方向軸又は長手方向延伸部、又は、長手方向伸長部又は長手方向軸が通っている平面と交差するように、特に直角に交差するように、加工ヘッドは、基準位置において位置決めばね構造によって荷重がかけられている。
線形構造体は、一例として、電気エネルギーの伝達に役立つことができる。電気エネルギーは、一例として、加工ヘッドの駆動モータへの電力供給の機能を有している。しかしながら、電気エネルギーはまた、非常に少ない量のエネルギー、つまり、データ伝送のためのエネルギーでもあってもよい。さらに、線形構造体は、機械エネルギーの伝達、一例として、ハンドル要素上に配置されている駆動モータからの回転力を加工ヘッドへ伝達することに役立つことができる。これにより、一例として、線形構造体は可撓性回転シャフトを備えている。吸気流を導くために、吸引管を設けることができる。吸引管を介して、ダストや塵等を加工工具の範囲から除去することができる。
好ましくは、ハンドル要素は細長い設計をしている。ハンドル要素は、長手方向軸に沿って延びているか、又は、長手方向軸を有している。ハンドル要素は、長手方向軸との関係で、又は長手方向軸方向に、加工ヘッドから突出している。
ハンドル要素上には、好適には、駆動モータを通電するための通電装置が配置されている。
加工ヘッド及びハンドル要素を互いに向かって動けるように支持している接合アセンブリに関連して、多数の変形例が使用可能であり、一例としては、少なくとも1つの摺動軸受、少なくとも1つのピボット軸受、又はその両方が挙げられる。
図面に示されているように、接合アセンブリがピボット軸受構造を備えている実施形態が好ましい。接合アセンブリは、ピボット軸受構造の形態であってもよい。ピボット軸受構造を用いて、加工ヘッドは、ハンドル要素に対して少なくとも1つの枢軸を中心に枢動できるように支持されている。好ましい構造は、第1及び第2ピボット軸受を有するピボット軸受構造であり、この構造の両枢軸は互いに対して角度を成している。一例として、2つのピボット軸受の第1及び第2枢軸は、互いに対して直角である。ジンバル式ピボット軸受構造又はジンバル支持も好ましい構造である。
好ましくは、接合アセンブリは、ハンドル要素に対する加工ヘッドの直線方向の調整を行う、少なくとも1つの摺動軸受を備えている。例えば、加工ヘッドが、ハンドル要素に対して、ハンドル要素の長手方向軸に沿って調整自在であることが可能である。
位置決めばね構造が第1位置決めばねと第2位置決めばねとを備えており、これらが互いに反対の方向で、及び/又は、基準位置方向における反対側で、加工ヘッドに当たるならば好ましい。これにより、2つの位置決めばねは、いわば中央位置、つまり基準位置の方向において、それぞれ異なる側から、又は異なる作用方向で作用する。第1及び第2位置決めばねは、互いに反対向きのトルクで、それぞれ加工ヘッドに作用することが可能である。一例として、位置決めばねは、互いに反対の回転方向に、又は互いに反対の回転のような感覚で、加工ヘッドに作用する。
好適には、少なくとも1つの位置決めばねは、枢軸を中心にして少なくとも部分的に円状に、又は円状に延在しており、その枢軸を中心にして、加工ヘッドはハンドル要素に対して枢動できる。好ましくは、このような2つの位置決めばねが設けられており、一方の位置決めばねは第1回転方向で加工ヘッドに当たり、もう一方の位置決めばねは第1回転方向とは反対の第2回転方向で加工ヘッドに当たる。
好適には、第1位置決めばね及び第2位置決めばねは、互いに反対の方向に、及び/又は、基準位置方向において互いに反対側に作用しているが、互いに離れている、かつ/あるいは、互いにある距離をおいて配置されている軸受、特にピボット軸受及び/又は摺動軸受上に配置されている。一例として、第1位置決めばねは第1ピボット軸受上に、第2位置決めばねは第2ピボット軸受に、それぞれ配置可能である。好適には、加工ヘッドは両ピボット軸受の間に配置されている。したがって、例えば、各事例における2つの位置決めばねを、他の軸要素又は軸部分が貫通してもよい。
位置決めばね構造が、接合アセンブリの少なくとも1つの軸受上に、特に直接配置されているならば、これもまた好都合である。
位置決めばね構造が、接合アセンブリの軸受要素上に直接支持されている少なくとも1つの位置決めばねを備えているならば、有利である。軸受要素とは、一例として、第1枢軸又は摺動軸との関係で、加工ヘッドをハンドル要素に対して枢動あるいは摺動させるための軸受の構成要素である。一例として、このような位置決めばね、特にねじりばねが、一方では、以下により詳細に記載されている、接合アセンブリの支持アーム上か二又アーム上で、もう一方では、加工ヘッドに不動に接続されているか、又は加工ヘッド上に可動に支持されている軸受要素上で、自身を支持している。加工ヘッド上に可動に支持されている軸受要素としては、一例として、軸受要素の一部が、加工ヘッドとの関係で、別の枢軸又は摺動軸を中心に可動である軸受要素であってもよい。ハンドル部分に接続されている軸受要素としては、一例として、ピボット軸受の構成要素であってもよく、この軸受を用いて、加工ヘッドがハンドル要素に対して第1枢軸を中心に枢動可能である。
しかしながら、原理上は、この位置決めばね、又はある1つの位置決めばねが、一方では加工ヘッドの本体に、もう一方では接合アセンブリ又はハンドル要素の構成要素上に直接支持されていることも可能である。よって、位置決めばね構造が全体として、又は少なくとも1つの位置決めばねが、軸受上に、又は軸受の構成要素上に直接支持されていることは、絶対に必須ではない。位置決めばねの配置を、接合アセンブリの軸受の外側にすることも、軸受に隣接して配置することも、全く可能である。軸受の外側に配置されているこのような位置決めばねを、軸受の内側に配置されている位置決めばねに加えて設けることも可能である。
位置決めばね構造の1つの位置決めばね、又は全ての位置決めばねが、ハウジング、例えば以下に記載されている軸受ハウジング内において、全部又は一部が包囲されているならば、有利である。このように配置されている位置決めばねは、例えば、損傷及び/又は周囲環境の影響等から保護されている。
少なくとも1つの位置決めばねを、接合アセンブリの軸受内、特に軸受ハウジング内に組み込むことは有利である。好ましくは、位置決めばねを支持している軸受要素のうちの少なくとも1つは軸受ハウジングを有しており、軸受ハウジング内には少なくとも1つの位置決めばねが、完全に又は少なくとも一部が包囲されている。一例として、軸受ハウジングは、位置決めばねのための受入スリーブを備えている。特に、ねじりばねは、このような受入スリーブ内に有利に収容可能である。
少なくとも1つの位置決めばね、一例としてねじりばね又はトーションばねが、接合アセンブリの少なくとも1つの枢軸を中心に円状に延びているならば、有利である。
好適な実施形態では、位置決めばねを支持している少なくとも1つの軸受要素は、軸受シャフト部、例えば軸受ピンを備えている、もしくは、軸受要素上には軸受シャフト部が配置されているとともに、軸受要素の外周部には位置決めばねが配置されている、又は、軸受要素は位置決めばねと係合している。しかしながら、軸受シャフト部又は軸受ピンは、位置決めばねを貫通することも可能である。上述の実施形態と組み合わせて、一例として、位置決めばね、特にねじりばねを、軸受シャフト部又は軸受ピンが貫通し、かつ、少なくとも軸受要素の受入スリーブ内に配置することが可能である。
接合アセンブリは、ハンドル要素から突出している二又体を備えていると有利である。加工ヘッド又は軸受要素は、その一部が加工ヘッドに対して不動に又は可動に接続されているが、二又体の両二又アームの間において有利に保持又は配置されている。
この二又体の二又アームが、それぞれハンドル要素の長手方向軸とほぼ平行に延びているならば、有利である。
好適には、二又体の二又基部又は二又末端部は、ハンドル要素、例えば把持棒又は把持部とに対して不動に接続されている。
二又体が、その二又末端部又は二又基部上に、ハンドル要素と加工ヘッドとの間を延びている線形構造体のための通路を有しているならば、好ましい。一例として、その二又基部又は二又末端部は、ハンドル要素の輪郭及び/又は端部領域に締着する、一種の締着具として設計されている。
好ましくは、両二又アーム、いずれの場合でも少なくとも1つの二又アームは、リブ状構造で補強されている。
好適には、二又体は、位置決めばね構造、特に、位置決めばね構造の位置決めばねのうちの1つ又は全部を、ハンドル要素との関係で支持するのに役立つ。その結果、それぞれの位置決めばねは、一方は二又体、特に二又体の二又アーム上に、もう一方は加工ヘッド上に支持されている。このようにして、それぞれの位置決めばねは加工ヘッドの近くで支持されている。
好ましくは、それぞれの位置決めばねは、二又体のハンドル要素と接続する領域上の二又体上では支持されていない。
好適には、それぞれの位置決めばねは、加工ヘッドと対向している二又体の端部領域、特に二又アームの自由端部領域上の二又体上で支持されている。
好適には、基準位置におけるハンドル要素と加工ヘッドとの間には、以下のような角度関係が与えられている。
基準位置において、好適には、一方ではハンドル要素の長手方向軸、他方では工具ホルダの回転軸、及び/又は、工作物を加工するために設けられた加工工具の加工面もしくは加工ヘッドの基準面又は末端面が、互いに対して以下の範囲内となり得る角度を成して配置されている。好ましくは、その角度は0°から90°の範囲内であり得る。幾分狭めの角度、一例として20〜70°の方が好ましい。実際には、約30〜60°の角度範囲が有利であると実証されている。
多くの事例において、さらに、角度が約25〜40°の範囲内であるならば有利である。約30°の角度での基本的な設定が有利である。これらの角度、一例として約30°の角度では、加工ヘッドはハンドル要素の長手方向軸に対して斜めに傾いている。加工面、一例として加工工具の研磨面又は研磨表面は、一例として、長手方向軸又は特に把持棒として設計されたハンドル要素の長手方向に対して30°の角度で、又は上述の角度の中の1つの角度で方向づけられている。このため、作業者がハンドル要素を、約30°の角度で、又は上述の角度の中の別の角度で、加工される垂直な壁面に対して斜めに保持した場合、加工工具の加工面は壁面に平行になる。
ハンドル要素に対する加工ヘッドの枢動範囲は、一例として約180°、特に120°、好ましくは約90〜110°に制限されている。一例として、加工ヘッドは、第1変位位置と第2変位位置との間で枢動可能であり、これは同時に最大可動位置を表している。位置決めばね構造によって設定された基準位置は、これらの変位位置の間にある。これらの最大可動位置は、固定された阻止部によって規定されている必要はなく、最大可動位置又は最大変位位置は、弾性のある阻止部又は弾性のある端位置であってもよいことは明らかである。一例として、最大変位位置において、位置決めばねは、阻止部を有しているか、又は、弾性のある阻止部を構成することが可能である。しかしながら、ハンドル要素と加工ヘッドの間にある上述の線形構造体は、堅固な又は弾性のある阻止装置を有し、又は構成して、ハンドル要素に対する加工ヘッドの枢動経路又は移動経路を制限することができる。
基準位置から始まり、好適には、加工ヘッドは第1変位位置に枢動することが可能であり、そこでは、工具ホルダの回転軸は、ハンドル要素の長手方向軸に対してほぼ直角である。第1変位位置において、加工工具の加工面、一例として研磨プレートの研磨面、又は研磨プレートの下面は、ハンドル要素の長手方向軸に平行又はほぼ平行であることも可能である。基準位置から始まり、好ましくは、加工ヘッドは、約30°第1変位位置に枢動することができる。
第1変位位置とは反対側にある第2変位位置では、基準位置との関係で、加工ヘッドは、一例として基準設定又は基準位置から約60°〜80°偏向している。第2変位位置において、一例として、工具ホルダの回転軸はハンドル要素の長手方向軸にほぼ平行である。第2変位位置において、好ましくは、加工工具の加工面、特に研磨面は、ハンドル要素の長手方向軸に対してほぼ直角である。
一例として、線形構造体は、加工工具によって発生した削りくずやダスト等を除去する吸引管を備えている。好適には、吸引管は弾性があるか、又は曲がるように可撓性がある。吸引管は緩衝効果を有していてもよい。
しかしながら、線形構造体はまた、吸引管に追加して、又は吸引管の代替として、ハンドル要素から加工ヘッドへ電気エネルギーを伝達する電線を備えることも可能である。1つ以上の電線を有しているこのような線形構造体は、加工ヘッドに対して、ハンドル要素から始まるある程度の緩衝効果を有することもできる。
好適には、位置決めばね構造は、ハンドル要素との関係で加工ヘッドに荷重をかける、線形構造体のばね効果を打ち消す。このため、一例として、線形構造体自体による衝突によって、加工ヘッドが基準位置から出てしまう場合に、位置決めばね構造は相殺するように作用する。この相殺は、ハンドル要素に対する加工ヘッド1つ以上の運動自由度との関係で与えられ得る。
しかしながら、線形構造体のばね効果及び位置決めばね構造のばね効果が共同で、加工ヘッドに対して基準位置方向に荷重をかけることも可能である。一例として、線形構造体が、枢軸及び位置決めばね構造の位置決めばねとの関係で、加工ヘッドに対して第1枢動方向に荷重をかけて、この第1枢動方向に作用することが可能である。第2位置決めばねも同様に第1枢動方向に作用することが可能であるが、第1枢動方向に逆らって作用する、よって第2枢動方向に作用することも可能である。位置決めばねが、ハンドル要素と加工ヘッドとの間で、互いに反対向きの回転方向に、又は互いに反対の回転のような感覚で、作用する実施形態については、既に記載している。
また、位置決めばね構造は、線形構造体と比較して、加工ヘッドに対してばね力及び/又はばね定数が高ければ、有利である。その結果、位置決めばね構造が加工ヘッドに当たる力は、線形構造体よりも大きく、これにより、最終的には、基準位置において加工ヘッドを位置決めする際には、位置決めばね構造のばね力が決め手となる。
本発明の有利な実施形態では、接合アセンブリは、加工ヘッドの中心又は中心領域に向かう向きになっている。
接合アセンブリの少なくとも1つの枢軸、好ましくは2つの枢軸、又は全ての枢軸が、加工ヘッドの中心領域又は中央領域を通過していると有利である。
好適には、線形構造体の少なくとも1つのライン、一例として吸引管、又は線形構造体全体が、加工ヘッドの中心又は中央領域の外側にあるか、又はそこで曲げられている。よって、例えば、加工ヘッドを、その中心の領域において、接合アセンブリを用いて、ハンドル要素との関係で可動に支持し、中心の外側において、ハンドル要素から加工ヘッドへとラインを通すことができる。その結果、線形構造体は、一例として、加工ヘッドに対して偏心して作用し、位置決めばね構造は、この偏心荷重に逆らって作用する。
また、駆動モータは、加工ヘッド上に、枢軸、特にハンドル要素の長手方向軸に交差している、好ましくは直角で交差している枢軸との関係で、偏心して配置されていてもよい。この関係では、特に、他の偏心している重量荷重を伴っていても、位置決めばね構造が、重量による荷重を、加工ヘッドの枢軸、特に駆動モータを通る枢軸から偏心して、及び/又は中心を外して、相殺すると有利である。よって、位置決めばね構造は、加工ヘッドに対する加工ヘッドの重量による荷重を、基準位置において中心では作用しないように設定する。
ここで、位置決めばね構造は加工ヘッドに対して基準位置方向に作用するが、加工ヘッドの重心に依存する重力は、相対的な空間位置の関数として加工ヘッドに影響を与えるため、位置決めばね構造は、異なる力で基準位置方向の重力を打ち消すが、それにもかかわらず加工ヘッドは、その重心に依存して、ハンドル要素に対して、様々な角度位置及び/又は摺動位置をとることができることが言及されている。
本発明のある実施形態では、吸込接続部と駆動モータとは、枢軸、特にハンドル要素の長手方向軸に交差するように通る枢軸の反対側に配置されており、位置決めばね構造は、ハンドル要素に対する吸込ホース及び駆動モータを介して、加工ヘッドに対して様々に作用する力を、いわば相殺又は平衡することが可能である。
接合アセンブリは、互いに対して角度をなす、特に互いに対して直角である、第1枢軸と第2枢軸とを有していると有利である。ここでは、第1枢軸が、ハンドル要素の長手方向軸を横切って、特に直角で横切って通り、第2枢軸とハンドル要素の長手方向軸が、共通の平面内に、又は互いに平行な平面内に配置されているならば、有利である。第1枢軸は、この平面、又はこれらの平面に交差して、一例として直角で横切って通っている。このようにして、例えば、ジンバル支持が実現される。
ある実施形態では、長手方向軸を横切って通る接合アセンブリの第1枢軸、又は、ハンドル要素の長手方向に延びている軸は、ハンドル要素の長手方向軸と、第1枢軸を一例として直角で横切って通る接合アセンブリの第2枢軸との間を通っている。
好適には、ハンドル要素の長手方向軸を横切って通る第1枢軸、又はこの第1枢軸は、接合アセンブリの第1枢軸に特に直角に交差して通る接合アセンブリの第2枢軸、又はこの第2枢軸と比較して、工具ホルダからより離れている。第2枢軸は、一例として、加工工具又は工具ホルダの上面上を直接通っているため、加工ヘッド及び結果として加工工具は、この第2枢軸を中心に枢動、特に振動可能である。この結果、加工ヘッドの案内挙動が好適に行われる。よって、第2枢軸は、工作物の比較的近くにある。第2枢軸は、一例としてX軸として知られている軸である。
位置決めばね構造が、第1枢軸、又は、基準位置においてハンドル要素の長手方向軸を横切って通る枢軸との関係で、加工ヘッドに荷重をかけるならば、有利である。第2枢軸、又は枢軸の長手方向軸に平行な枢軸との関係で、好適には、加工ヘッドは、荷重を軽減される、又はいずれの場合でも、線形構造体の作用として可能な力による荷重だけがかけられる。その結果、加工ヘッドは、第2枢軸又は枢軸の長手方向軸に平行な枢軸を中心に、比較的自由に振動又は枢動可能であり、一方、第1枢軸との関係で、開始位置、つまり基準位置において、位置決めばね構造によって荷重がかけられる。
好ましくは、手持ち式工作機械は研磨機、艶出し機、又はフライス加工機である。特に好ましくは、手持ち式工作機械には、加工ヘッド又はモータハウジングから突出しているハンドル要素が備えられている。
ハンドル要素は、単一部品で形成されていてもよく、あるいは複数部品で形成されていてもよい。好ましくは、ハンドル要素は、把持棒であるか、又は把持棒を備えている。把持棒は、単一の構成要素であってもよく、あるいは、互いに分離可能な、及び/又は、軸受を用いて互いとの関係で可動な、複数の棒状部分を有していてもよく、一例として、使用しないときには、把持棒を分解及び/又は小さく折りたたむことができる。
以下において、本発明の例示的実施形態を各図面を用いて説明する。図面は以下のように表されている。
研磨機の斜視図である。 図1の研磨機の加工ヘッド、一例として研磨ヘッドの斜視図である。 加工ヘッドを有する研磨機の基準位置での側面図である。 基準位置から変位した第1変位位置の部分図である。 基準位置から変位した第2変位位置の図である。 加工ヘッドの側面図である。 研磨機の加工ヘッドの駆動部の分解図である。 接合アセンブリを有する研磨機の加工ヘッドの分解図である。 研磨機の接合アセンブリの分解図である。 保護回路を有する研磨機の駆動モータの分解図である。 図6に係る駆動モータの、横断線A−Aにほぼ沿った断面図である。 加工ヘッドのモータハウジングを斜め後方から見た平面図である。 駆動モータを有する加工ヘッドのモータアセンブリを上方から見た斜視図である。 図13の横断線F−Fにほぼ沿った断面図である。 駆動モータの制御回路である。 まだ接続されていない状態である、研磨機の把持棒の把持棒部品を斜め上方から見た斜視図である。 図16に係る構成の接続した状態の図である。 図16及び図17に示されている把持棒部品を詳細に示した斜視図である。
本例示的実施形態は、研磨機の形態をとる手持ち式工作機械10に関する。しかしながらここでは、以下の説明の数多くの態様において、手持ち式工作機械の他の実施形態、一例としてフライス加工機、艶出し機、もしくは類似の工作機械もまた可能である。さらに、例示的実施形態では細長いハンドル要素が示されているが、実際にはより短くてもあるいはより長くてもよい。各図面に係る手持ち式工作機械は、天井や壁の加工に好都合である。各図面に係る手持ち式工作機械10は天井及び/又は壁用研磨機と称することもできる。以下の設計の各態様は必ずしも研磨機、艶出し機、又はフライス加工機のみに関するもののみならず、他の手持ち式工作機械にも適用することができる。
手持ち式工作機械10は、接合アセンブリ13によりハンドル要素12上において関節状に支持されている加工ヘッド11を有しているが、本事例は、原理上は可能であると考えられる摺動によってではなく、少なくとも1つの枢軸を中心に、この特定の例示的実施形態では2つもある枢軸を中心に移動可能である。ハンドル要素12は棒状の設計であり、長手方向延長部又は長手方向軸Lを有している。長手方向に延在しているハンドル要素12は、加工ヘッド11を、使用者からの距離が遠いところで、工作物Wの工作面O、一例として壁面に沿って案内することを可能にする。
接合アセンブリ13は、第1枢軸S1を中心に旋回する第1ピボット軸受14を用いて、かつ、第2枢軸S2を中心に旋回する第2ピボット軸受15を用いて、ハンドル要素12との関係で加工ヘッド11を支持している。ピボット軸受14,15を用いることで、加工ヘッド11はハンドル要素12に対して、両枢軸S1及びS2をそれぞれ中心として枢動できるが、ここでは枢軸S1及びS2は互いに対して直角をなす。しかしながら、原理上、考えられる角度は直角だけではない。ピボット軸受14,15は、好適には、ジンバル支持部を構成している。
枢軸S1はハンドル要素12の長手方向軸Lを横切って、本事例では直角に横切って延びている。枢軸S2と長手方向軸Lとは、共通の平面内に、又は互いに平行な平面内にそれぞれが配置されていると有利である。枢軸S2と長手方向軸Lは、本事例では交わらない。
加工ヘッド11は支持体16を有し、支持体16上には駆動モータ17が保持されている。駆動モータ100は、直接、又は本事例では伝動部80を介して、回転軸Dを中心にして工具ホルダ19を駆動する。工具ホルダ19は、加工工具20を保持するために設けられており、加工工具20は、工具ホルダ19上に装着された状態では、駆動モータ100によって駆動されて回転運動することができる。工具ホルダ19は、一例として、差込口、バヨネット式形状部、ねじ山、もしくは、それ自体が加工工具を装着するためのものとして知られている他の類似するアセンブリ手段を備えている。
しかしながら、この点において、例示的実施形態の別の設計では、工具ホルダ19の回転運動の代わりに、又は回転運動に加えて、一例として、振動運動も利用可能であることが言及されている。さらに、工具ホルダ19の回転運動を重ね合わせたもの、一例として外転サイクロイド回転運動が可能であり、この場合には伝動部80は、対応するような異なる設計、一例として偏心伝動部を有している。
加工工具20は、本事例では研磨機、特に研磨プレートである。加工工具20は、複数の構成要素、一例として、上に研磨ディスク又はサンドペーパーを配置可能な研磨プレートを含み得る。このために、一例として、研磨プレートとサンドペーパーとの間に面ファスナーがあると有利である。
研磨工具として設計されている加工工具20を用いることによって、手持ち式工作機械10は研磨機10Aを構成する。よって、加工ヘッド11は研磨ヘッドと称することもできる。長手方向に延在している棒状ハンドル要素12は、作業者からは遠く離れた面、一例として壁面を加工することを容易にする。好ましくは、手持ち式工作機械10は、壁用及び/又は天井用研磨機を構成している。しかしながら、以下で説明されている設計はまた、多数の異なる設計の手持ち式工作機械、特に研磨機だけでなく、切断加工機、穿孔機、もしくは類似の工作機械にとっても有利である。
工具ホルダ19、及び結果として加工工具20は、工具ホルダ19に固定されているときには、好ましくは加工ヘッド11のカバーの下方に配置されている。例えば、カバー21が加工工具20を外周部全体と上面にわたって覆うことが可能であると考えられる。本事例では、カバー21との関係で可動であるカバー22が一例として加工ヘッド11の前面にある空き領域に、ハンドル要素12とは反対側に設けられている。カバー22は例えば、カバー21から脱着可能であり、かつ/あるいは、カバー21上の支持部により支持されていることによって、一例として枢軸S2に平行な枢軸を中心に動くことができる。カバー21上にあるカバー22の差込接続式アセンブリには、一例として差込可能な突起部22B、例えば差込フラップが設けられており、これはカバー21の差込口21B内に差し込むことができ、特に差込口21Bにロック可能である。
カバー21,22の外縁領域上には、シール22A、すなわちシール要素、例えばブラシ、シールリップ、もしくは好ましくは工作面Oに適合されている他の類似のシール要素を設けることができる。加工工具20がシール22Aを越えて突出していてもよい。
カバー21,22は、一例として、ベースプレート又は支持体16の底側に固定されているか、あるいは、支持体16の一体部分である。上面、つまり工具ホルダ19とは離れている側の面では、支持体16上に、駆動モータ100のためのモータハウジング24と吸込接続部23とが配置されている。
モータハウジング24の工具ホルダ19とは離れている側の上面には、駆動モータ100を冷却する冷却用空気を入れるために、空気吸入口又は吸気口25が配置されている。冷却用空気Kは、一例としてモータハウジング24の空気排出領域18を介して、モータハウジング24から排出される。一例として、空気排出領域18は、例えばモータハウジング24の外周部上にある、吸気口25に対して角度をなして設けられた領域に位置している。原理的には、冷却用空気Kがカバー21,22によって包囲された領域の範囲まで流入することによって、当該領域で一例として加工工具20の冷却やダストの除去にも寄与することも可能であると考えられる。
空気排出領域18は、作業方向ARにおいて前方へ、及びその横方向に、一例として各事例において作業方向ARに対して約90°横方向に角度をなす領域を通って延びている。したがって、冷却用空気Kは、作業方向ARにおいて前方にかつ作業方向ARに対して横方向に延びている作業領域ABにわたって、自由に吹き出すことができる。
吸込接続部23を介して、ダストや塵や破片は、カバー21,22で覆われた、又はカバー21,22と重なり合っている領域から除去することができる。吸込接続部23は一例としてノズル23Aを有している。
ホース端部28を有する吸込ホース26は吸込接続部23に、ホース26の他方のホース端部27はハンドル要素12に、それぞれ接続されている。
固定構造、例えば吸込接続部23及びハンドル要素12に対するホース端部27,28の接続は、ホース要素27,28上にある構造29、例えばリブによって強化される。ホース端部28を吸込接続部23に固定するために、締着具30が一例として設けられており、ねじ30Aを用いて、締着具30を、ホース端部28をノズル23Aに締着する締着位置に至らせることができる。もう一方のホース端部27には、一例として、スリーブ形状の接続部品31と、ハンドル要素12の棒状流路体33と接続する継手32が設けられているため、吸込接続部23から出てきたほこりが充満した吸気流Sがハンドル部品33の流路34内を流れることができる。
ハンドル要素12の対向する長手方向端部領域12A及び12Bにはそれぞれ、ハンドル部35と、他方の側には加工ヘッド11とが配置されている。ハンドル部35は、好ましくは作業者が把持するのに役立つ。
細長い棒状流路体33は、接合アセンブリ13とハンドル要素12のハンドル部35との間を延びている。ハンドル部35は、流路体33と流路体36との間に配置されており、流路体36には、吸引管Cと接続する吸込接続部37が設けられている。吸引管Cは、一例として、固定構造38を用いて流路体36と接続可能である。固定構造38は、一例として、ホース締着具、鉤状の構造、もしくは類似の構造を備えている。
ハンドル部35には、駆動モータ100に電源を投入するためのスイッチ39が配置されている。
ハンドル部34の領域には、駆動モータ100の励起コイル構造120を励起するための励起装置40が配置されている。
一例として、吸引管C上に配置されているか、又は吸引管C内に内蔵可能である電源線Nを介して、励起装置40は、電力供給システムV又は他の電源に接続可能である。他の電源とは、一例として、手持ち式工作機械10に搭載可能なバッテリパック又は他のエネルギー蓄積装置であってもよい。
整流器GのダイオードD1,D2,D3,D4を介して、励起装置40は、一例として、電力供給システムVによって供給された交流電圧から、既知の方法で、接地つまりU0であるベース電位に対する直流電圧UGを生成可能であり、電位UGと電位U0の間には、好適にはコンデンサC1、一例として平滑コンデンサや中間コンデンサが配置されている。
出力段E、例えば整流子は、電位U1,U0で各線に接続されており、導体L1,L2,L3を介して駆動モータ100への励起電流I1,I2,I3を供給する。出力段Eは、一例として、パワーエレクトロニクススイッチを有するスイッチ対、一例としてMosFET V1,V2、MosFET V3,V4、及びMosFET V5,V6を備えており、各対の間には導体L1,L2,L3がそれぞれハーフブリッジ方式で接続されている。
スイッチV1〜V6は、制御器170により、制御線(図示せず)を介して作動させられる。制御器170は、一例として、電流監視装置171を用いて導体L1上の電流の流れを監視する。一例として、導体L2及びL3についても、実際には別の電流監視装置を設けることができる。電流監視装置171は、一例として、導体L1上の電流の流れを記録するために適切なインダクタンスを有している。
好適には、制御器170は制御プログラム173を備えており、制御プログラム173は、制御器170のマイクロコントローラ172により実行可能なプログラムコードを備えている。このプログラムコードを実行することにより、制御器170は、導体L1〜L3上の適切な電流の流れを通じて駆動モータ100の速度及び/又は出力を設定可能にするために、スイッチV1〜V6を適切に作動させることができる。しかしながら、スイッチV1〜V6の切替挙動は、制御器170にとって、電流がもはや導体L1〜L3のうちの1つ以上を介して流れていないことの指標になり得る。
線形構造体41は電気ケーブル42を備えており、電気ケーブル42には導体L1,L2,L3が配置されている。ケーブル42は、ハンドル部35から始まり、流路体33内部又は外部を通って、加工ヘッド11とは反対側の端部領域において流路体から現れる。そこからケーブル42は、駆動モータ100の範囲までは自由に通っている。
ハンドル部34には、励起装置40が配置されるハウジング43が設けられている。パワーエレクトロニクス要素の他に、励起装置40は好適には機械要素、例えば冷却手段も有している。その結果、励起装置40はある程度の重量があるが、このことによって手持ち式工作機械の操作は妨げられない。これは励起装置40がハンドル部34に直接配置されているからであり、ハンドル部34において、作業者は通常、ハンドル要素12を少なくとも片手で把持することになる。その結果、電気駆動技術に関しては、てこという意味では、駆動モータ100のみがハンドル部34に作用し、一方、いわば駆動モータ100の電流調整部は、好適な重心がちょうどハンドル要素12のハンドル領域にある状態で位置している。
比較的敏感なもしくは塵やダストの影響を受けやすい、ハンドル部34内の電子機器をこのように配置することは、電子機器が、ダストが発生する場所である手持ち式工作機械10の領域、すなわち加工ヘッド11から可能な限り離れているという利点も有している。したがって、一例として、ハウジング43の吸気口44を通って流入し、好ましくは特に例えばファン45等の冷却手段によってさらに伝達される空気は、加工工具20からの距離が遠いために、ダストによる負荷が少ない。
手持ち式工作機械10の取り扱いやすさに寄与するのは、駆動モータ100と吸込接続部23が加工ヘッド11の関節状の接続領域46の両側にそれぞれ配置されているということであり、接合アセンブリ13は、関節状の接続領域46において、加工ヘッド11に対して柔軟に接続されている。吸込ホース26に接続されるハンドル要素12の自由端と加工ヘッド11との間において、吸込ホース26は湾曲部分、特に互いに異なる方向に湾曲している2つの湾曲部分47,48を有しているため、ハンドル要素12に対する加工ヘッド11の動きに楽に追従する。これは図3,4,5から明らかである。
工具ホルダ19は加工ヘッド11の加工側BSに配置されている。ハンドル要素12に対する加工ヘッド11の基準位置Bにおいて、加工側BS及びハンドル要素12の底側UHは、工作物Wの方を向いている。
加工ヘッド11は、基準位置B(図3)から始まり、変位位置A1(図5)と変位位置A2(図4)との間を枢動することができる。変位位置A1,A2が最大可動位置であることが有利であるが、これら変位位置A1,A2を越えて傾斜することは全く可能である。吸込ホース26が変位位置A1及び変位位置A2を越えてより大幅に変位あるいは変形する場合、変位位置A1及び変位位置A2のために弾性のある阻止部を形成していることが好都合である。
基準位置Bは、変位位置A1及び変位位置A2、場合によってはこれらの変位位置を越えたさらなる変位位置、又は変位位置A1と変位位置A2との間にある中間変位位置とともに、手持ち式工作機械10の基本作業範囲BAの一要素を構成する。加工側BS及びハンドル要素12の上面が工作物Wに向いているような、変位位置A2を越える枢動は全く可能である。この時加工ヘッド12は、一例として付加的な作業範囲ZA内に位置している。
一例として、変位位置A1では、加工工具20の加工面Eは長手方向軸Lとほぼ平行に延びており、一方、変位位置A2では、加工面Eは長手方向軸Lに対してほぼ直角である。
加工ヘッド11を保持するハンドル要素12、つまり、本事例では流路体33の端部領域には、二又体50が配置されており、二又体50の二又アーム51,52の間で加工ヘッド11が支持されているため、加工ヘッド11は枢軸S1を中心に枢動可能である。保持部分53において二又アーム51,52は、それぞれが半体のように設計されており、その間には、ハンドル要素12、特にその流路体33のための取付部54又はレセプタクルが形成されている。
取付部54は、一例として、二又アーム51,52の壁部55の間に、一例として丸みを帯びたレセプタクル輪郭をなすように構成されている。二又体50の支持構造58は、特にねじ付きボス57の形態を成していてもよいが、ハンドル要素12の長手方向軸Lとの関係で回転及び/又は変位することを防ぐために役立つ。ハンドル要素12の支持構造33A、一例として流路体33の外周部に設けられた窪み、特に溝又は長手方向の窪みは、支持構造58、一例として形状が適合している突起と係合する。支持構造58,33Aは、ハンドル要素12の長手方向軸Lとの関係で回転及び/又は変位することを防ぐ機能を果たす。
ケーブル42にかかる歪みを逃すために、二又体50にはケーブル締着具49が設けられていると有利である。ケーブル締着具49は、一例として、二又アーム51,52の各々に設けられた締着部を有しており、ハンドル要素12を固定するために二又アーム51,52を閉じると、同時に締着部がケーブル42を締着する。
二又アーム51,52は、保持部分53の前方に突出しているアーム部分60A,60B上で、一例としてリブ構造59によって特に補強されている。
保持部分53とそれぞれの自由端61との間において、二又アーム51,52は、アーム部分60A,60Bの間に角形成部62,63を有している。好ましくは、角形成部62,63は、二又アーム51,52の間の空間を最適に設計することに役立ち、かつ、二又アーム51,52の下方において加工ヘッド11の運動領域を設けることにも役立つ。
角形成部62は、端部61間の距離を拡張又は延長しているという意味で、互いに反対方向に延びている。このようにして、特に吸込ホース26と吸込接続部23の領域内で、二又アーム51,52の間の運動領域を広げることが実現できる。
角形成部63は、互いに並行して同じ方向にではあるが、ハンドル要素12から始まり、長手方向軸Lに関して加工ヘッド11から離れる方向に、そして自由端61では加工ヘッド11に又は長手方向軸Lに向かうように延びているため、特に、例えば図8に係る変位位置A1の場合、あるいは変位位置A1を越えてさらに枢動する場合に、加工ヘッド11の上側部分にとって、二又アーム51,52下方の領域BWが利用可能である。
自由端61上には、ピボット軸受14の軸受シャフト部65のための軸受座として設計された軸受要素64が設けられている。例えば、軸受ピンの形態で設計されている軸受シャフト部65は一例としてねじもしくは他の類似のボルトであり、軸受要素64の軸受座を貫通して、軸受突起として設計された軸受要素68に貫入する。
軸受要素68は、軸受体75上に設けられ、軸受体75の横梁77の前方で突出している。軸受体75は、一例として、軸受シャフト又は軸受突起のように設計されている。一例として、軸受要素68は、横梁77のそれぞれの長手方向端部領域に設けられている。一例として円弧形状の支持軸受部分78は、横梁77と支持体16との間を延びている。
支持軸受部分78は、枢軸S2を中心に枢動するピボット軸受15の構成要素を構成している。軸受シャフト76は、支持軸受部分78を貫通し、シャフト76の一部は、支持体16の前方に突出している軸受ブロック79Aの軸受座79内に収容されている。支持軸受部分78は軸受ブロック79A間に配置されている。軸受シャフト76の代わりに、一例として、軸受体75を貫通する軸受座79内に特に回転自在に収容されている軸受ピンを設けることもできることは明らかである。その結果、枢軸S2は枢軸S1と比べて支持体16により近くなるため、加工ヘッド11は、加工面Eの近くに相応して位置する枢軸S2を中心に枢動できる。加工ヘッドは、工作面Oの加工軌道を具合よく追従することができる。
加工ヘッド11は枢軸S2との関係で自在に枢動又は振動するが、吸込ホース26と線形構造体41が枢動動作を抑制又は制動する。しかしながら、ここで重要なのは、吸込接続部23は、枢軸S2の近くにあるか、又は枢軸S2が通っているため、加工ヘッド11が枢軸S2を中心に枢動自在であることをそれほど制限しないことに注目することである。
反対に、枢軸S1との関係では、基準位置Bにおいて加工ヘッド11に当たる位置決めばね構造70が設けられている。位置決めばね構造70は、軸受要素64,68上で直接支持されている位置決めばね71,72を備えている。位置決めばね71は二又アーム51と関連付けられ、一方、位置決めばね72は二又アーム52と関連付けられる。位置決めばね71,72は対向する方向で加工ヘッド11に当たる、つまり、一方の位置決めばね71は、一例として枢軸S1との関係で時計回り方向で加工ヘッド11に当たり、もう一方の位置決めばね72は反時計回り方向で加工ヘッド11に当たる。その結果、枢軸S1に関して加工ヘッド11は、いわば中央位置、つまり基準位置Bに保持される。
位置決めばね71,72はそれぞれ、軸受要素64の受座67及び軸受要素68の受座67B上にある、支持アーム73によって支持されている。位置決めばね71,72は一例としてねじりばねであり、その長手方向端部は支持アーム73として構成されている。
軸受要素68は位置決めばね71,72を貫通している。軸受要素68の外周部上には、支持形状部69、例えばリブが設けられていることが有利であり、支持形状部69上で、位置決めばね71,72は、自身の内周で以って自身を支持することができる。リブ又は支持形状部69は、好適には枢軸S1と平行に延びている。このようにすることで、位置決めばね71,72及び軸受要素68の互いに対する動きが特に良好になる。
好適には、位置決めばね71,72は保護及び包囲されており、軸受要素64,68によって提供される軸受ハウジング66,74内に収容されていると有利である。一例として、位置決めばね71,72を完全に包囲するために、軸受ハウジング66,74は、スリーブ又は差込接続式要素のように互いに補完する形状を有しているか、又は互いの内部で嵌合している。このようにすることで、これらの軸受要素は、そして特に位置決めばね71,72も、汚損されない。さらに、例えば支持アーム73等の突出する要素によるケガの危険性も低くなる。
受座67は、一例として、軸受要素64の軸受ハウジング66に設けられている。受座67Bは、軸受要素68のための軸受ハウジング74に設けられている。
枢軸S2に関しても、加工ヘッド11をハンドル要素12に対して枢軸S2に関して位置合わせする位置決めばね構造を設けることが可能なことは明らかである。一例として、軸受シャフト76が貫通しており、かつ、一方では軸受ブロック79Aに、他方では一例として、支持軸受部分78にそれぞれ支持されているねじりばねである可能性も考えられる。一例としてゴムバッファとして設計されている、別の弾性位置決めばね71A,72Aが模式的に示されており、これは、軸受15の外側で、一方では接合アセンブリ13の固定構造上、一例として支持軸受部分78に、他方では加工ヘッド11の固定構造上、一例として支持体16に支持されており、その結果、枢軸S2との関係でハンドル要素12に対する加工ヘッド11の位置決めを行えるようになっている。
駆動モータ100は、関節状の接続領域46との関係で、又は工具ホルダ19の回転軸Dとの関係で、偏心した位置に配置されている。駆動モータ100の出力部81との間の力伝達のために、伝動部80が設けられている。伝動部80は、一例として、複数の歯車からなる構成を備え、出力部81から工具ホルダ19への、速度変化、特に減速、及び/又は、力の変位をもたらす。本事例では、回転伝動の概念、つまり、工具ホルダ19が専ら回転軸Dを中心に回転するという概念が与えられている。しかしながら、一例として、図示はしていないが、回転軸Dに対して偏心的に運動する偏心運動も可能であると考えられるし、他の実施形態を示すことも考えられる。さらに、一例として、伝動部80の代わりに、又は伝動部80に加えて、適切な動力伝動部が存在するのであれば、工具ホルダ19の回転運動を偏心運動と重ね合わせることも全く可能である。最後に、工具ホルダ19が外転サイクロイド運動モードとして知られている運動を行うことも、適切な伝動部を用いて可能である。
出力部81は歯車82と噛み合い、歯車82はシャフト84を駆動し、歯車82に対してシャフト84は回転自在に連結されている。歯車83もシャフト84に対して回転自在に連結されており、歯車83は駆動輪85と噛み合う。駆動輪85はシャフト86上に回転自在に取り付けられており、シャフト86の自由端部領域には、工具ホルダ19が、回転自在に固定配置されている。
出力部81の回転軸とシャフト86とが同軸ではないため、このような歯車82,83,85の構成によって減速が、そして力の変位ももたらされる。
シャフト84は、一方では支持体16との関係で、他方では支持体16に連結されている伝動部ハウジング90との関係で、軸受87によって回転自在に支持されている。支持体16は伝動部ハウジング90のカバーを構成している。一例として支持体16及び伝動部ハウジング90上には、特に転がり軸受として設計されている軸受87のための軸受座91が設けられている。
シャフト86は、支持体16との関係では別の軸受87を介して、また、軸受ハウジング90との関係では軸受ハウジング90の軸受座92に収容される軸受88を介して、回転自在に支持されている。その結果、シャフト86,84のそれぞれの長手方向端部領域は、保護ハウジング上でピボット軸受によって支持されている。
伝動部ハウジング90は板部96を有し、板部96には軸受座91,92が設けられている。板部96の工具ホルダ19に面する底側で、軸受座92には、軸受座92を囲むシール縁部93が設けられているため、伝動部ハウジング90は伝動部80を、底部から上に向かって包囲している。軸受88は、一例として別のダストシールを用いてシール縁部93にぴったり嵌まる。
伝動部80の頂部の包囲は、好適には支持体16によって実現される。支持体16は、一例として図示していない差込口を有し、差込口内で、伝動部ハウジング90の差込可能な突起部又はねじ付きボス95が下から係合する。伝動部ハウジング90の縁部領域97は、一例としてシールを有するため、支持体16のシール領域98、一例としてシール縁部にぴったり嵌まる。
よって、支持体16は伝動部80の包囲に寄与している。支持体16は、中に駆動モータ100を収容するモータレセプタクル89は別にして、上部から伝動部ハウジング80をほぼ完全に包囲している。支持体16は一例として、伝動部ハウジング80のハウジング部、特にハウジングシェルを構成する。
支持突起99、一例としてアームは、支持体16から横方向に突出しており、一例として4つの支持突起99であり、支持突起99のそれぞれには、カバー21と接続するための取付要素94Bを収容するピン座又は取付座94が突出している。
伝動部ハウジング90上には、吸込接続部23も設けられている。吸込接続部23は、支持体16の前方において横方向に突出している。
伝動部80と同様に、駆動モータ100は、以下に説明するように、ダストから最適に保護されている。駆動モータ100は一例として回転子101を有しており、回転子101は固定子110内に内蔵されている。駆動モータ100はブラシレス式の電子整流モータであり、励起装置40によって励起可能である。
回転子101はモータシャフト102を備えており、その上には積層コア103が配置されている。積層コア103の前方に突出しているモータシャフト102の長手方向端部は、モータ軸受104によって、そして駆動軸受105、一例として転がり軸受及び/又は滑り軸受上で、固定子110との関係で回転自在に支持されている。
モータシャフト102の自由端部領域、例えばモータ軸受104上には、ファンプロペラ109を保持するファンブラケット108が設けられている。
ファンプロペラ109と工具ホルダ19とは、駆動モータ100の反対側にそれぞれ配置されている。
ファンプロペラ109により強制換気が行われ、例えば空気が、ファンプロペラ109によって吸気口25を通って、言わば吸い込まれて、固定子110を通過して流れていき、固定子110の反対側に現れてファンプロペラ109へと流れ、駆動軸受105の領域内では、固定子110から空気排出領域18へと流れ続ける。
固定子110は固定子本体111を備え、中にモータ軸受104が収容されている軸受座112を軸受カバー125A上に有している。モータシャフト102は、一例として固定子110の貫通口113を貫通し、モータ軸受104上にある端部領域により保持されている。軸受カバー125Aは一例として固定子本体111と一体的に形成されているが、以降で説明される軸受カバー125のように、固定子本体111に脱着可能に接続されている構成要素として設計することも可能である。
貫通口113に隣接して、突起114が、回転子101上の、一例として積層コア103上の、溝106と係合して設けられている。このようにしてある種のラビリンス構造が形成されており、この構造が駆動モータ100の気密性に寄与している。積層コア103は、固定子本体111の回転子レセプタクル115内に収容されている。
固定子本体111は一例としてプラスチック材料を含む。固定子本体111の支持部116上に、励起コイル構造120のコイル121が配置されている。固定子110の外周壁117は、一例としてプラスチック材料でできており、支持部116上で径方向外側に延びている。
支持部116の基部は一例として積層コア111Bの材料によって構成されており、積層コア111Bはプラスチック材料を用いてオーバーモールドされることで、固定子本体111を構成している。
励起コイル構造120は接続部122,123,124を有し、接続部122,123,124は導体L1,L2,L3と電気的に接続されている。接続部122〜124は励起コイル構造120の相P1,P2,P3に関連付けられている。接続部122〜124は一例として、固定子本体111の前方側、特に外周壁117に配置されている。
回転子レセプタクル115は軸受カバー125によって密閉されており、軸受カバー125はモータハウジング24に組み込むことができる。軸受カバー125は一例として底壁133を有し、回転子レセプタクル115を閉鎖するために、底壁133から固定用突起126が突出している。固定用突起126は突起127を有し、突起127は、回転子101の溝107、つまり積層コア103と係合する。このようにして、1つ又は複数のラビリンスシール118が形成されている。突起114,127は一例として環状突起であり、一方、溝106,107は環状溝である。溝106,107は一例として、積層コア103の前面の両側に設けられている。
底壁133及び固定用突起126は、その前面でモータ軸受105を用いて、駆動モータ100を密閉する。一例として支持体16の構成要素であり得る、伝動部ハウジング80の壁部17は、前面で駆動モータ100を閉鎖する壁部も構成している。
固定用突起126の領域には、軸受座要素130のための別のレセプタクル128が配置されている。軸受座要素130は駆動軸受105のための軸受座131を有している。軸受座要素130は、一例として、レセプタクル128のねじ山129と螺合されるか、又は、適切なスナップ留め形状部を用いてレセプタクル128に係止される。ガスケット132又は他のシール要素が軸受座要素130内に保持されている。ガスケット132は、軸受座131内で駆動軸受105を保持している。
固定子本体111の支持部116の間、したがってコイル121の間には、冷却路119が設けられており、冷却路119を通って冷却用空気Kが、固定子110及び結果として励起コイル構造120を流れることができる。冷却用空気Kは、駆動モータ100の工具ホルダ19から離れている側では冷却路119内へと流れ、また、駆動モータ100の工具ホルダ19と対向する側では冷却路119から外へ流れる。そこで空気は軸受カバー125の底壁133によって径方向外側へ逸らされ、流通室134を通過して、空気排出領域18が設けられているカバー130の外周壁135に至る。一例として、外周壁135にはリブ136が設けられており、リブ136の間には間隙又は流出口137が存在しており、流出口を通って冷却用空気Kがモータハウジング24の外に流出できる。流通室134は外周壁135と外周壁117との間に設けられている。支持リブ又は支持壁138は、外周壁117と外周壁135との間に延びていると有利である。支持壁138上には、導体L1,L2,L3を収容又は保持する導体座139が設けられていると有利である。
ケーブル42は、外周壁135上にある入口140を通って、流通室134内に導入されている。ケーブル42から、それぞれ個別の導体L1,L2,L3が引き出されて、支持壁138上、つまり導体座139に保持されて、励起コイル構造120の接続部122〜124に接続されている。
図11は、支持体16上で底壁133がどのように延びているか、そして、支持体16の前面で外周壁135がどのように突き出しているかを示している。外周壁135はその上部前面141にシール形状部142が設けられ、シール形状部142は、モータハウジング24の外周壁144の対応するシール形状部143と係合する。この結果、モータハウジング24と軸受カバー125との間で、実質的に防塵性のある接続が得られる。
モータハウジング24内には、流通ハウジング又は空気導通本体145が組み込まれており、駆動モータ100の周囲を延びている。一例として、空気導通本体145は壁部146を有しており、壁部146は駆動モータ100周辺の空気導通領域147を画定している。壁部146は、一例として、空気導通スリーブ及び/又は外周壁として、及び/又は流通ハウジングとして設計されている。どんな状況でも、複数の流路を有することもできる空気導通領域147を通って、冷却用空気Kは固定子110の外周部に沿って流れ、その部分を冷却する。壁部146は、一例として、ファンプロペラ109の領域では円筒状であり、ファンプロペラ109と同程度突出している。
これにより、壁部146は、プロペラ109のプロペラ羽根109Aが、特に効果的に駆動モータ100又は固定子110及び回転子101に向かって、冷却用空気Kをいわば押し出すのに役立つ。
空気導通本体145は、ファンプロペラ109から離れている方の長手方向端部領域(モータシャフト102の長手方向軸との関係で)に、壁部146からモータシャフト102との関係で径方向に延びている前壁部分146A,146Bを有している。前壁部分146A,146Bは空気排出領域18の上方を延びており、これにより冷却用空気Kを、モータハウジング24から径方向外側に逸らしている。
駆動モータ100は、好ましくは電磁遮蔽されている。一例として、空気導通本体145は電磁遮蔽ハウジングとして設計可能である。このためには、空気導通本体145は一例として、金属を含むか、又は金属の構成要素を有している。しかしながら、本発明の有利な実施形態において、モータハウジング24が電磁遮蔽を行うこともでき、一例として、導電性保護膜又は保護層が設けられている。
ケーブル42内の導体L1〜L3は電磁遮蔽体177内、特に編組ブレード内を延びていると有利である。遮蔽体177は好ましくは接地されている。遮蔽体177が、一例として固定子110、特に積層コア111Bを用いて、駆動モータ100に導電接続されているならば、駆動モータ100及び手持ち式工作機械の電磁適合性に対して包括的に寄与する。遮蔽体177は一例として、ばねを用いて駆動モータ100に導電するように適用されていてもよい。
空気吸入口又は吸気口25の領域では、モータハウジング24は突出壁148とカバー壁149とを有している。カバー壁149はモータハウジング24のいわば頂部を覆っているが、カバー壁149には、冷却用空気Kの空気吹出口又は空気吸入口150が存在している。
カバー壁149の領域では、濾過要素152のために凹部151が設けられており、濾過要素152はレセプタクル151に挿入されている。一例として、レセプタクル151は突出壁148の内周部によって画定されている。濾過要素152は一例として、濾布154又はその他の目の細かい濾過構造を有しており、濾布154又はその他の目の細かい濾過構造は空気吸入口150の上方に配置されている。その結果、冷却用空気Kに含まれている汚染物質、一例としてダスト等が、濾過要素152によって濾過されて取り除かれる。
好適には、濾過要素152は一例としてバネ状止め具もしくは類似の止め具を備えた止め手段153を用いて、モータハウジング24上でカチッと嵌まる。止め手段153は取付部153Aの構成部品を構成している。
モータハウジング24の上部自由端部領域上には、保護体156のためにハウジング155が設けられている。モータハウジング24は比較的硬質なプラスチックを含んでおり、駆動モータ100にとって最適な保護効果をもたらすことができる一方で、保護体156は比較すると軟質であり、あるいは弾性を有する。保護体156は一例として、ブラケット様に設計されている。保護体156は、加工ヘッド11に影響を及ぼし、結果として主に駆動モータ100を損傷するおそれのある衝撃を効果的に緩和する。
保護体156が撓むように可撓性を有することが好ましい。保護体156自体は蹄鉄形又はU字形であるが、湾曲していてもよい。その結果、一例として、自由端部領域に配置されている受座158を、モータハウジング24の支持突起159上に、いわば取り付けることができる。保護体156は、さらなる支持形状部、例えば、側縁部に沿って延びており、かつ、モータハウジング24の対応する、一例としてU字形である、支持レセプタクル159A内に引っ掛けることができる、支持突起158Aを有しているならば有利である。
駆動モータ100には保護回路160が設けられており、その場で、つまり加工ヘッド11上で、駆動モータ100を過熱や他の損傷から保護する。
保護回路160は一例として遮断スイッチ161を有している。原理上は、遮断スイッチ161を、モータハウジング内に、またどんな場合でも駆動モータ100の固定子110に直接組み込むことは可能であろう。しかしながら、本事例では、取り付けが行いやすい、あるいは容易に高性能なものに取り換え可能である、あるいは交換が容易であるという構想を選択し、遮断スイッチ161は、固定子110の外部に、しかし固定子110に直接接触できる状態で、配置されている。
遮断スイッチ161は熱作動スイッチを備えているか、又は熱作動スイッチによって形成されており、固定子110が熱くなって所定の温度を上回ると、熱作動スイッチは遮断位置へと動くが、そうでない場合は接続位置にある。接続位置では、遮断スイッチ161は、導体L1を励起コイル構造120の相と関連付けられている接続部122に接続し、一方、遮断位置では、導体L1を、接続部122から、及び結果として励起コイル構造120の相P1から遮断する。
遮断スイッチ161は、好適には、ハウジング部163A及びハウジング部163Bを有する保護ハウジング162内に配置されている。保護ハウジング162は、好適には遮断スイッチ161を完全に包囲する。図13に示されているように、空気が遮断スイッチ161に到達可能であるように、保護ハウジング162が上面では開放されていることも可能であろう。しかしながら、保護ハウジング163は好ましくは完全に密閉されているため、遮断スイッチ161は、温度変化、特に過度の高温に対して特に鋭敏かつ迅速に応答することができる。
保護ハウジング162は一例として、遮断スイッチ161が配置されているレセプタクル164、例えばチャンバを画定する。ハウジング部163A,163Bは、一例として、互いに連結され、そのために、スナップ留め形状部165が存在している。
ハウジング部163Bは断熱体を構成し、駆動モータ100に対する外部熱の影響から遮断スイッチ161を保護するため、遮断スイッチ161ではこのような熱の影響のせいによる異常動作が起こらない。
反対に、ハウジング部163Aは熱伝導性があるため、固定子110から生じる熱は、遮断スイッチ161を動作させることが可能である。有利な手段は、ヒートシンク169、一例として、固定子110からの熱を保護ハウジング162の方向に、及び結果として遮断スイッチ161の範囲まで伝導する、熱伝導パッドとして知られているものを、追加で配置することに代表される。
好ましくは、ヒートシンク169は、固定子110に対向している保護ハウジング162の前面の外形と表面積に対応する外形と表面積を有している。
ヒートシンク169はまた、保護ハウジング162及び/又は固定子110の凹凸を平坦化し、これにより、固定子110から遮断スイッチ161への熱伝達が有利に改善される。
さらに有利な手段では、遮断スイッチ161に対して固定子110の方向に荷重をかけるために、ばね168、よってばね構造が設けられている。ばね168は一例として、ハウジング部163B上、特にその前壁上に配置されている。
保護ハウジング162上において横方向に、導体L1の部分L1A及び接続部122と接続している部分L1Bのために、導体口166が設けられている。
遮断スイッチ161はまた、スイッチ161を包囲するハウジング161Bを有していると有利であり、その中には、電気機械的要素、特にバイメタル片161C、電気接点、及び類似の要素が電気的に絶縁されて収容されている。好ましくは、ハウジング161Bは防塵性を有する。ハウジング161Bは一例として、導体部分L1A,L1Bを接続する電気接点を有している。高温や低温の影響下では、バイメタル片161Cが、図10に模式的に描かれている位置の間を行ったり来たりして動くことで、電気的接続を確立したり遮断したりしている。
遮断スイッチ161が遮断位置へと動いた場合、導体L1に更なる電流は流れない。励起装置40の電流監視装置171はこのことを検出して制御器170に通知することが可能である。これにより、制御器170は、導体L1〜L3にさらなる電流が流れないように、励起装置40を完全にオフに切り替える。その結果、制御器170は駆動モータ100の不具合を、いわば分散して検出する。安全対策としては、ここで必要になるのは遮断スイッチ161のみである。このようにすることで、一例として、そうでなければ加工ヘッド11からハンドル要素12を介して制御器140へと繋げなければいけなかったと考えられるデータ伝送路を、なしで済ませられる。好ましくは、制御器170は、例えば、駆動モータ100に配置されている回転角センサから得られる駆動モータ100で生じる回転角情報がなくても、センサを用いて動作する。
一例として、回転子101の回転角位置又は速度を検出し、好ましくはハンドル要素12内を通るデータ線176(図13に模式的に図示)を介して、制御器170へと通知する回転角センサ174を、駆動モータ100上に配置することが、原則として可能であることは明らかである。このようにすることで、制御器170が、回転子101の回転角位置、及びそれに基づいた少なくとも1つの回転角情報を評価して、励起コイル構造を励起することも可能である。
他の遮断スイッチ、もしくはさらなる遮断スイッチが駆動モータ100上にあることが有利である場合もあることは明らかである。これは、例えば、導体L2の電流を検出し、電流が所定値を超えた場合には導体L2を相P2から遮断する、電源スイッチ175である。電源スイッチ175が、一例として導体L1上において、遮断スイッチ161と直列に配置されていることも全く可能であると考えられる。
図1〜15に係る例示的実施形態において、把持棒又はハンドル要素12は単一の部品であり、一例として、流路体33,36の構成部品でさえも、全体において連続した管状体であり得ることを意味している。
しかしながら、図16〜18から明らかなように、複数部品で構成されるハンドル要素も全く可能である。一例として、流路体33の代わりに、2つの部品で構成される流路体233を設けることが可能である。流路体233は一例として部分234,235を有している。部分234,235は、一例として互いに分離可能である(図16)。
流路34は、部分234,235を貫通している。
部分35の端部領域236には、一例として、ケーブル42が流路体233から引かれている。
ケーブル42は導体L1〜L3、つまり、全部で3本の電流供給導体を備えている。導体L1〜L3は、流路体233に沿って励起装置40の範囲まで引かれており、部分234と部分235との間の分離点で、互いに脱着可能に接続することができる。
部分234,235が互いに脱着可能に接続可能であるため、図16に示されている分離された位置から、図17に示されている接続された位置まで、部分234,235を引き合わせることができる。接続器具240は、部分234,235が脱着可能な接続をするのに役立つ。接続器具240は一例として、部分235に設けられた接続突起241を備えており、接続突起241は一例として、部分234上で接続突起242との突合わせ接続が可能である。この結果、連続した流路34が得られる。流路34は差込突起241と差込口242とを貫通する。
代替として、あるいは追加として、差込接続も可能であり、これは、一例として、接続突起241は差込突起を、接続突起242は差込口をそれぞれ有しており、両者を合わせて差込接続可能であることを意味している。
接続器具240はさらに、部分234上で可動に支持されているリテーナ243の形態をとる支持手段を備えており、支持手段は、部分235上にある保持凹部又は保持突起244と係合することができる。リテーナ243は一例として、ピボット軸受245上において、保持突起244から離れるように、結果として保持突起244との係合を解除するように枢動可能であるように支持されている。
保持突起244が、部分234上にある凹部又は他の保持凹部内で係合可能であるならば好適である。この結果、部分234と部分235との間にはさらに形状による嵌合が生じる。
互いに脱着可能に接続可能である電気的接触構造250,260は、部分234と部分235との間で電気的接続を行う。電気的接触構造250は一例として、導体L1〜L3に関連付けられて接続されている接点251,252,253を備えている。一例として、接点251〜253は、接点担体254上において、特に窪み内に配置されているか、そうでない場合には、機械的に保護されている。接点担体254は一例として、突起としてあるいは櫛様に設計されている。
電気的接触構造260は、同様に線又は導体L1〜L3に関連付けられている、対応する接点261〜263を備えている。電気的接触構造260は接点担体264上に配置されており、接点担体264はピボット軸受265を用いて、部分234上で枢動可能に支持されている。一例として、接点担体264は、部分234のリテーナ243とともに単一要素として形成されているか、あるいはリテーナ243に対して可動に連結されている。その結果、接点261〜263は、電気的遮断又は接続のために、接点251〜254から離れるように、又は向かうように、枢動することができる。
部分234,235間、又は接点261〜263及び接点251〜254間のこのような接続をさらに確実にするために、接点担体264上の保持凹部266を、部分235上の保持突起256と係合させることができる。
部分234と部分235との間の接続は、追加の止め手段、ねじ手段、もしくは類似の手段を使用して確実にすることができる。
この点において、電気的接触構造250,260は合計で3つの接点対のみを、つまり導体L1,L2,L3用に必要とするため、保護回路160と遮断スイッチ161を含んでいる安全性の概念について、有利さを認識されるであろう。
この特定の例示的実施形態に対する、単に有利なだけではない概念によれば、冷却用空気流の吸気口と工具ホルダ(本事例では19)を有している加工側BSとが、モータハウジング(ここでは25)又は機械ハウジングの両側に、特に前面に配置されている。
冷却用空気流Kの流出方向は、好適には加工面Eに直交して流れている。

Claims (20)

  1. 手持ち式工作機械、特に研磨機であって、
    作業者が把持する特に棒状のハンドル要素(12)を有しており、
    前記ハンドル要素(12)上に接合アセンブリ(13)を用いて可動に装着されており、かつ、加工工具(20)を保持する工具ホルダ(19)を駆動する電気駆動モータ(100)を有している、加工ヘッド(11)を有しており、
    前記ハンドル要素(12)の底側と前記加工ヘッド(11)の加工側とは、前記加工ヘッド(11)の基準位置において工作物(W)と対向しており、
    前記接合アセンブリ(13)は、前記加工ヘッド(11)の関節状の接続領域で、前記加工ヘッド(11)に接続されており、
    吸気流(S)を前記加工ヘッド(11)から前記ハンドル要素(12)に伝導する可撓性吸込ホース(26)が、前記ハンドル要素(12)と前記加工ヘッド(11)との間を延びており、前記吸込ホースは、第1ホース端部を用いて前記ハンドル要素(12)の端部領域に、かつ、第2ホース端部を用いて前記加工ヘッド(11)の吸込接続部(23)に、それぞれ固定されている、手持ち式工作機械であって、
    前記吸込接続部(23)は、前記基準位置において、前記ハンドル要素(12)の前記端部領域と前記加工ヘッド(11)の前記関節状の接続領域との間に配置されていることを特徴とする、手持ち式工作機械。
  2. 前記吸込ホース(26)は、少なくとも部分的に保護されて、特に前記接合アセンブリ(13)の構成要素を構成する支持アームに隣接して通っており、前記支持アームは前記ハンドル要素(12)から突出しており、前記加工ヘッド(11)を保持していることを特徴とする、請求項1に記載の手持ち式工作機械。
  3. 前記加工ヘッド(11)を保持する前記ハンドル要素(12)の前記端部領域上には、二又アーム(51,52)を有している二又体(50)が配置されており、前記二又アーム(51,52)には前記加工ヘッド(11)が保持されており、その間に、又は隣接して、前記吸込ホース(26)が通っていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の手持ち式工作機械。
  4. 前記吸込ホース(26)の少なくとも1つの部分、特に前記吸込ホース(26)の互いに対向している部分が、基準位置において、支持アーム又は二又アーム(51,52)の前方で横方向に突出していることを特徴とする、請求項2又は3に記載の手持ち式工作機械。
  5. 前記接合アセンブリ(13)は、互いに対して角度をなして、特に互いに対して直角である、第1枢軸及び第2枢軸を有し、前記第1枢軸は、前記ハンドル要素(12)の長手方向軸を横切って、特に直角に横切って延びており、前記第2枢軸と前記ハンドル要素(12)の前記長手方向軸とは、共通の平面内に、又は互いに平行な平面内にそれぞれが配置されていることが有利に提供されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  6. 前記基準位置は基本作業領域(AB)の一要素を構成し、前記加工ヘッド(11)は、前記ハンドル要素(12)に対して、少なくとも1つの枢軸を中心に、特に15〜30°、好ましくは90°、特に180°までの角度範囲にわたって、前記基準位置の少なくとも片側で、好ましくは両側で、枢動可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  7. 前記吸込ホース(26)は、前記ハンドル要素(12)の前記端部領域上で、及び/又は前記吸込接続部(23)上で、引張りに抵抗力を持つように、かつ/あるいは、滑りに抵抗力を持つように、固定されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  8. 前記吸込ホース(26)は、前記ハンドル要素(12)の前記端部領域上で、及び/又は前記吸込接続部(23)に、回転自在に支持されている、又は不動に固定されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  9. ほぼ吸気流(S)の流れ方向に延びている前記吸込ホース(26)の前記第1ホース端部の長手方向軸は、前記ハンドル要素(12)の長手方向延伸部に沿って延びている前記ハンドル要素(12)の長手方向軸に位置合わせされている、かつ/あるいは、ほぼ吸気流(S)の流れ方向に延びている前記吸込ホース(26)の前記第2ホース端部の長手方向軸は、前記工具ホルダ(19)の回転軸に平行又はほぼ平行である、もしくは、前記加工ヘッド(11)、特に前記加工ヘッド(11)の前記加工工具(20)の研磨面上に設けられた加工面(E)にほぼ直角であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  10. 前記吸込ホース(26)は、特に前記基準位置において、前記ハンドル要素(12)と前記加工ヘッド(11)の前記吸込接続部(23)との間に2つの対向する湾曲部分を有していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  11. 前記加工ヘッド(11)の前記関節状の接続領域は、前記吸込接続部(23)と前記駆動モータ(100)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  12. 前記吸込接続部(23)は、前記加工ヘッド(11)の、特に前記加工ヘッド(11)の取出カバーの縁部領域又は外周領域に配置されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  13. 前記ハンドル要素(12)は長手方向軸を有する把持棒を備えており、前記吸込ホース(26)は、前記長手方向軸に沿って、前記ハンドル要素(12)の前記端部領域と接続する領域内を通っていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  14. 前記ハンドル要素(12)は、特に前記ハンドル要素(12)を把持するのに適した剛性管状体内を通り、かつ、前記ハンドル要素(12)の長手方向軸方向に延び、前面において前記加工ヘッド(11)に向かって対向している前記ハンドル要素(12)の端部領域にて前記ハンドル要素(12)から開口している、少なくとも1つの吸込路を有しており、かつ/あるいは、前記ハンドル要素(12)は、前記加工ヘッド(11)に向かって対向している端部領域において、前記吸込ホース(26)を接続している吸込管を備えている、又は該吸込管によって形成されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  15. 前記接合アセンブリ(13)は、前記ハンドル要素(12)に対する前記加工ヘッド(11)の直線方向の調整を行う摺動軸受、及び/又はピボット軸受構造(14,15)を備えている、もしくは、該摺動軸受及び/又はピボット軸受構造(14,15)によって形成されており、前記加工ヘッド(11)は、ピボット軸受構造(14,15)により、前記ハンドル要素(12)に対して少なくとも1つの枢軸を中心に枢動できるように支持されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  16. 前記加工ヘッド(11)は、前記基準位置において、前記ハンドル要素(12)に対して前記吸込ホース(26)から離れている位置決めばね構造(70)によって荷重がかけられていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  17. 前記位置決めばね構造(70)は第1位置決めばね(71)と第2位置決めばね(71)とを備えており、前記第1位置決めばね(71)及び前記第2位置決めばね(71)は、前記基準位置の方向において、互いに反対方向で、及び/又は対向する側で、及び/又は互いに反対の回転方向で、前記加工ヘッド(11)に当たっていることを特徴とする、請求項16に記載の手持ち式工作機械。
  18. 前記位置決めばね構造(70)は、少なくとも1つの位置決めばね(71)を備えており、前記位置決めばね(71)は、前記接合アセンブリ(13)の軸受要素上で直接支持されていることを特徴とする、請求項16又は17に記載の手持ち式工作機械。
  19. 前記位置決めばね構造(70)の少なくとも1つの位置決めばね(71)は、軸受シャフト部、特に軸受ピンの内周部又は外周部に配置されているか、もしくは、軸受シャフト部によって貫通されている、かつ/あるいは、前記接合アセンブリ(13)の少なくとも1つの枢軸(S1,S2)を中心に円状に延びていることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
  20. 前記位置決めばね構造(70)の少なくとも1つの位置決めばね(71)は、ハウジング内、特に前記接合アセンブリ(13)の軸受要素の軸受ハウジング内で、少なくとも一部において、又は完全に包囲されていることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか1項に記載の手持ち式工作機械。
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