本発明の実施形態の主題は、法的要件を満たすように特定性を伴って本明細書に記載されるが、本説明は必ずしも将来の特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求される主題は他の方法で具体化され得、異なる要素またはステップを含み得、かつ他の既存または将来の技術と併せて使用され得る。本説明は、個々のステップの順番または要素の配列が明示的に記載されているときを除いて、様々なステップもしくは要素のうちまたは間で任意の特定の順番または配列を意味するものと解釈されるべきではない。例証的な例は、本明細書で論じる一般的な主題に読者を導くために記載されており、開示されている概念の範囲を限定するものではない。以下のセクションでは様々なさらなる実施形態を説明し、例証的な実施形態を説明するために、同様の番号が同様の要素および方向性の説明を指す図面を参照して例が使用されるが、例証的な実施形態と同様、本発明を限定するために使用されるべきではない。
そうではないことが示されていない限り、以下の明細書に記載の数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、また特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数を考慮し、通常の四捨五入を適用することによって解釈されなければならない。
本発明の広範囲を示す数値的範囲およびパラメータは近似値であるが、具体的な例に記載される数値は可能な限り正確に報告する。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値にみられる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含有する。さらに、本明細書に開示されているすべての範囲は、その範囲に含まれるありとあらゆる部分範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、記載された「1から10」の範囲は、最小値1から最大値10の間の(かつそれらを含む)ありとあらゆる部分範囲、すなわち、1以上、例えば、1から6.1の最小値で始まり、10以下、例えば、5.5から10の最大値で終わるすべての部分範囲を含むと見なされるべきである。
本明細書には、標的物質を検出するための方法および装置を記載する。いくつかの実施形態において、方法および装置は、液体中の標的化合物を検出し得る。いくつかの実施形態において、方法および装置は、固体中の標的物質を検出し得る。例えば、本明細書に記載の方法および装置は、違法薬物、例えば、アミン含有化合物もしくは薬物、ベンゾジアゼピン、アミン含有化合物もしくは薬物、分析物、乱用麻薬、アルコール、薬物、デートレイプ薬、または他の標的化合物もしくは分析物のリアルタイム検出のために使用され得る。別の例として、本明細書に記載の方法および装置は、ある種のタンパク質、糖類、またはアレルゲン、例えば、グルテン、ピーナッツタンパク質、もしくはラクトースのリアルタイム検出のために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および装置は、他の物質、例えば、殺有害生物剤、ステロイドおよびそれらの代謝産物、細菌、病原体、真菌、毒物、毒素、化学兵器剤、環境毒物、爆発物とそれらの調製に使用される出発物質、ならびに低分子の混合物、金属、揮発性有機物、および他の標的化合物のリアルタイム検出のために使用され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および装置は、ケタミン、4-ヒドロキシブタン酸(GHB)、エフェドリン、メタンフェタミン、アンフェタミン、フルニトラゼパム、エクスタシーもしくはモーリーとしても公知の3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、およびクロナゼパムなどのベンゾジアゼピンなど、ならびにその他などのうちの標的物質、分析物、または化合物のリアルタイム検出のために使用され得る。ゾルピデム、エスゾピクロン、ラメルテオン、ザレプロン、ドキセピン、トリアゾラム、テマゼパム、およびアルプラゾラムなどの記憶を損なう薬物または鎮静薬も検出され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および装置は、食品中もしくは液体中の標的物質、分析物、または化合物のリアルタイム検出のために使用され得る。
いくつかの例では、液体は、消費液体を含む。例えば、消費液体は、ビール、シードル、栄養飲料、フレーバー飲料、フルーツ飲料、リカーまたは他のアルコール飲料、乳、乳含有飲料、ソーダ、スポーツ飲料、野菜飲料、水、ワイン、およびそれらの組合せを含み得る。いくつかの例では、液体は、非消費液体(例えば、血液、非飲料水、有機溶媒、飲料水、血清、処理廃水、未処理廃水、尿、嘔吐物、汗、涙、生殖液、他の体分泌物、またはそれらの組合せ)を含む。液体は、溶液、懸濁液、またはエマルションを含み得る。いくつかの例では、液体は、その中に懸濁する固体粒子または氷を含有し得る。他の場合では、パンからグルテンを抽出するなど、固体材料中の分析物を検出するために方法および装置が使用され得る。いくつかの例では、栄養補助食品、化粧品、または土壌中の分析物を検出するために方法および装置が使用され得る。別の例では、重金属の存在を検出するために方法および装置が使用され得る。
いくつかの例では、装置は、物体の表面の上に配置され得る。いくつかの例では、装置は、物体の中に配置され得、一体化され得、または組み込まれ得る。他の例では、装置は、物体の表面の下に配置され得る。いくつかの例では、装置は、人体の上に配置され得る。いくつかの実施形態において、装置は、人体の上に接着剤と共に位置する。装置を所望の表面に接着するために、接着剤は、底層の底面と連結され得る。適した物体は、例えば、爪、人工爪、マニキュア層、ネイルシール(fingernail sticker)、ネイルデカール、カップ、バーコースター、マドラー、爪楊枝、ドリンクの飾り(例えば、傘)、鉛筆、ペン、テストストリップ、シール、デカール、ネイルラップ、メッシュネイルラップ、リング、ブレスレット、ネックレス、チャーム、紐、または他の任意の適切な表面もしくは構造を含む。いくつかの実施形態において、装置は、装置の所期の用途に適合する柔軟度を有し得る。いくつかの実施形態において、底層は、所期の用途に適合するために柔軟であり得る。いくつかの実施形態において、検出層は、所期の用途に適合するために柔軟であり得る。例えば、装置が弓状構造(例えば、爪またはストロー)の上に配置され得る場合、装置は屈曲し得、爪の弓状表面またはストローの弓状表面の上に配置され得る。
いくつかの実施形態において、装置は、最大約30mmの範囲の厚さ、例えば、約28mm、約27mm、約26mm、約25mm、約24mm、約23mmまたは約22mmの厚さを備える。いくつかの実施形態において、装置は、最大約6mm、例えば、約5.8mm、約5.6mm、約5.4mm、約5.2mm、約5mm、約4.8mm、または約4.6mmの厚さを備える。いくつかの例では、装置は、約5.8mmから約4.6mmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、最大約0.56mm、例えば、約0.55mm、約0.54mm、約0.52mm、約0.5mm、約0.48mm、約0.46mm、または約0.45mmの厚さを備える。いくつかの例では、装置は、約0.55mmから約0.45mmの厚さを有し得る。いくつかの例では、装置は、約22mmから約28mmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、約0.1mmから約10mmの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、装置は、約1mmから約5mmの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、装置は、約0.4mm以下、0.5mm以下、1mm以下、2mm以下、3mm以下、4mm以下、5mm以下、6mm以下、7mm以下、8mm以下、9mm以下、または10mm以下の厚さを有し得る。
いくつかの実施形態において、装置は、最大約250mmの範囲の長さ、例えば、約240mm、約235mm、約230mm、約225mm、約220mm、約215mm、約210mm、約205mmまたは約200mmの長さを備える。いくつかの例では、装置は、約200mmから約240mmの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、最大約170mm、例えば、約165mm、約160mm、約155mm、約150mm、約145mm、約140mmまたは約135mmの長さを備える。いくつかの例では、装置は、約135mmから約165mmの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、最大約30mm、例えば、約28mm、約27mm、約26mm、約25mm、約24mm、約23mmまたは約22mmの長さを備える。いくつかの例では、装置は、約22mmから約28mmの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、最大約10mm、例えば、約9mm、約8.5mm、約8mm、約7.5mm、または約7mmの長さを備える。いくつかの例では、装置は、約7mmから約9mmの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、約10mmから約25mm、または約10mmから約20mmの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、約10mm以下、11mm以下、12mm以下、13mm以下、14mm以下、15mm以下、16mm以下、17mm以下、18mm以下、19mm以下、20mm以下、21mm以下、22mm以下、23mm以下、24mm以下、25mm以下、26mm以下、27mm以下、28mm以下、29mm以下、または30mm以下の長さを有し得る。
いくつかの実施形態において、装置は、最大約170mmの幅、例えば、約165mm、約160mm、約155mm、約150mm、約145mm、約140mmまたは約135mmの幅を備える。いくつかの例では、装置は、約135mmから約165mmの幅を有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、約35mmの幅、例えば、約34mm、約33mm、約32mm、約31mm、約30mm、約29mm、約28mmまたは約27mmの幅くらいまでを備える。いくつかの例では、装置は、約33mmから約27mmの幅を有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、約17mmの幅、例えば、約16mm、約15.5mm、約15mm、約14.5mm、約14mm、約13.5mm、または約13mmの幅くらいまでを備える。いくつかの例では、装置は、約17mmから約13mmの幅を有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、約4mmの幅、例えば、約3.8mm、約3.6mm、約3.4mm、約3.2mm、約3mm、約2.8mm、または約2.6mmの幅くらいまでを備える。いくつかの例では、装置は、約3.8mmから約2.6mmの幅を有し得る。いくつかの実施形態において、装置は、約5mmから約150mm、例えば、約5mmから約20mm、または約10mmから約20mmの範囲の幅を備える。いくつかの実施形態において、装置は、約10mm以下、11mm以下、12mm以下、13mm以下、14mm以下、15mm以下、16mm以下、17mm以下、18mm以下、19mm以下、20mm以下、21mm以下、22mm以下、23mm以下、24mm以下、25mm以下、26mm以下、27mm以下、28mm以下、29mm以下、または30mm以下の幅を有し得る。
本明細書に記載の装置のいくつかの実施形態は、約25mm未満の長さ、約15mmの幅、および約5mmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置は、約20mm未満の長さ、約10mmの幅、および約2.5mmの厚さを有し得る。他の実施形態において、本明細書に記載の装置は、約220mm未満の長さ、約150mmの幅、および約25mmの厚さを有し得る。他の実施形態において、本明細書に記載の装置は、約150mm未満の長さ、約30mmの幅、および約5mmの厚さを有し得る。さらに他の実施形態において、本明細書に記載の装置は、約8mm未満の長さ、約3mmの幅、および約0.5mmの厚さを有し得る。
いくつかの実施形態において、装置は、使用中に気体の透過は許容することによって試験の完全性は損なわずに外部環境からの保護を提供するように、ラミネートされ得る。いくつかの実施形態において、装置は、例えば取り外し可能な層の取り外しまたはその他の方法で装置が作動するまで、防水性、または実質的に防水性であり得る。
本明細書に記載のある特定の実施形態は、液体中の化合物の存在を検出するための装置であって、検出層を含む装置を提供する。いくつかの実施形態において、検出層は、特定の媒体に曝されると標的物質の存在を検出し得る。いくつかの実施形態において、検出層は、標的物質または特定の化合物に関して試験される液体を受け入れると標的物質または特定の化合物の存在を検出し得る。例えば、検出層が当該液体に曝され得、次いで、標的物質の存在を示す検出層と液体との間の特定の相互作用が存在するか判断するために使用者によってモニタリングされ得る。いくつかの実施形態において、標的物質は、アミン含有化合物またはベンゾジアゼピンであり得る。いくつかの実施形態において、標的物質は、タンパク質または糖類であり得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、マーカー、ラテラルフローアッセイ、ナノ流体デバイス、マイクロ流体デバイス、電気化学センサ、または膜を含むマトリックスのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態において、検出層は、毛管作用により検出層を通る液体の吸い上げまたは引き入れを利用することによって作用し得る。いくつかの実施形態において、検出層は、複数のセクションを通じて流体を運ぶ一連のキャピラリーセクションに基づいて作用し得る。いくつかの実施形態において、検出層は、層内のチャネルを通る流体または特定の化合物の流れを制御し導くための少なくとも1つのチャネルを含み得る。さらにいくつかの他の実施形態において、検出層は、例えば、相分離または他の区別する印(indicia)によって、検出のために特定の化合物または標的物質を分離する膜を含み得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、物体の表面の上、中、および/または下に配置され得る。ある場合では、物体は、爪、人工爪、マニキュア層、ネイルシール、プレスオンネイル、ネイルデカール、シール、カップ、バーコースター、マドラー、爪楊枝、ドリンクの飾り、鉛筆、ペン、リング、ブレスレット、ネックレス、チャーム、紐、または他の適切な表面であり得る。
場合によっては、検出層は、吸収材をさらに含む。いくつかの実施形態において、検出層は、乾燥剤で前処理され得る。吸収材は、クロマトグラフィーペーパー、シリカゲル、またはアルミナを含み得る。
ある場合では、検出層は、ラテラルフローアッセイを含む。いくつかの例では、ラテラルフローアッセイは、複数の化合物を検出する試験のためにマルチプレックス化され得る。いくつかの実施形態において、ラテラルフローアッセイを含む装置がラミネートされ得る。いくつかの実施形態において、ラテラルフローアッセイは弓形であり得る。本装置に含まれ得るラテラルフローアッセイは、Undercover Colors, Inc.によって出願され本願と同日に出願された「Methods and Apparatus for Detecting Compounds in Liquids」と題するPCT特許出願(これは、その全体が参照により組み込まれる)にさらに説明され、記載されている。
いくつかの実施形態において、検出層は、単層、膜(film)、またはカートリッジを含む。いくつかの実施形態において、検出層は、検出層を構成する複数の層または段を含む。例えば、検出層は、液体を吸収し、その内部を液体が進み得るマトリックスを与え、かつマトリックス内部を進む液体を集めるための貯蔵部(reservoir)を与えるように構成された複数の副層または段を含み得る。いくつかのそのような実施形態において、複数の副層は検出層を含む。いくつかの実施形態において、検出層は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、もしくは7つまたはそれ以上の副層を含み得る。例えば、検出層は、最大20の副層を含み得る。いくつかの実施形態において、この検出層は、本明細書において検出サブアセンブリ(subassembly)と呼ばれ得る。
いくつかの実施形態において、サンプルパッド材料が検出層内に含まれ得る。サンプルパッドは、検出層の濡れを助け得る。サンプルパッドは、装置に流入する液体の量を制限し得る。いくつかの実施形態において、サンプルパッドが飽和すると、液体の吸収速度は低下し得、したがって、吸収される液体の量を制限して、装置への液体の流入を制限し得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、逆流あるいは試験液体中へのアッセイ成分(assay component)の移動を最小限にし、大幅に低減し、または実質的に排除するように構成され得る。この逆流、あるいは検出層から試験液体へ構成成分(constituent)が流れることの可能性は、特に消費用液体の試験において望ましくない場合がある。いくつかの実施形態において、可能性のある逆流あるいは反対流は、検出層からの試験液体および化学添加剤を含み得る。逆流の可能性に対処するため、いくつかの実施形態において、検出層は、逆流低減部品(backflow reduction component)をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、逆流低減部品は、上層内のサンプルポートまたは開口部とサンプルパッドとの間の未処理パッドであり得る。未処理パッドは、装置を試験液体に導入すると未処理パッドが飽和することによって物質が試験液体に戻る流れの可能性を最小限にし、大幅に低減し、または実質的に排除し得る。試験液体に導入されると、飽和した未処理パッドは、サンプルパッドから試験液体への勾配および流れの駆動力を最小限にすることによって逆流を抑制する役目を果たし得る。いくつかの実施形態において、飽和した未処理パッドによるこの流れの抑制は、検出層からの化学添加剤または緩衝剤と試験液体との間の可能性のある接触を少なくとも有意に低減し得る。いくつかの実施形態において、飽和した未処理パッドによる流れの抑制は、本質的に検出層からの化学添加剤または緩衝剤が試験液体と接触しないようにするのに役立ち得る。いくつかの実施形態において、試験液体への逆流を実質的に防止するために、上層と底層の設計および構成が検出層を十分に包み得る。いくつかのそのような実施形態において、液体が進入するための開口部は、装置のサイズおよび表面積と比較して小さい。例えば、装置が液体に導入されるとき、液体のための比較的小さい開口部は、唯一の可能性のある逆流路となる。実質的に小さいサイズの開口部は、逆流の可能性を低減する。いくつかの例では、逆流低減部品は、アッセイ成分の少なくとも約70%、例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%を、液体サンプル内に移動することから防ぎ得る。
いくつかの実施形態において、装置は、装置が完全に浸漬されるときその境界における液体の同伴(entrainment)を実質的に防止し得る、境界を含む。いくつかの例では、境界は、装置の周縁部または2つの連結された縁部の外周を指す。いくつかの実施形態において、装置は、装置が完全に浸漬されるとき、その境界における液体の同伴を実質的に防止するように構成され得る境界を含む。境界の構成は、接着剤、ボンド(bond)、溶接、圧縮力、嵌め合い可能な配列(スタッド/アンチスタッド)、静電的相互作用、および磁気的相互作用または他の方法のいずれか1つによって実現され得る。そのような場合、装置の液体中への完全な浸漬が検出層に影響しないようにし得る。
場合によっては、開口部の面積は、装置の上部の全表面積の約30%未満、例えば、約29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、および1%の開口部の面積を占める。いくつかの例では、開口部の面積は、約1%から30%であり得る。場合によっては、開口部の面積は、装置の上部の全表面積の約1%未満、例えば、約0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%の開口部の面積を占める。いくつかの例では、開口部の面積は、約5%から0.1%であり得る。
いくつかの実施形態において、芯(wick)または吸収層の吸収能力もまた、逆流の可能性を低減し得る。例えば、芯または吸収層は、検出層の所期のサンプル体積よりも大幅に大きい吸収パッド容量を有し得る。大幅により大きい吸収パッド容量は、実質的にすべてのサンプルおよび同伴する検出層化学物質が吸収層内に引き入れられるようにすることによって、逆流の可能性を低減し得る。いくつかの実施形態において、吸収パッドの容量は、所期のサンプル体積よりも50から100%大きくなり得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、液体の受け入れが可能で、かつ液体の移動を可能にするクロマトグラフィー膜パッドを含む。ある場合では、クロマトグラフィー膜は、少なくとも第1の場所に抗分析物抗体-粒子コンジュゲートを、少なくとも第2の場所に分析物-コンジュゲートタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜パッドはさらに、少なくとも第3の場所に抗種(抗動物種)抗体を含む。ある場合では、装置は、液体の受け入れが可能なサンプルパッドをさらに含み、場合によっては、液体が、サンプルパッドからクロマトグラフィー膜に移動する。いくつかの実施形態において、液体は、クロマトグラフィー膜から芯または吸収パッドに移動する。いくつかの実施形態において、検出層は、コンジュゲートパッドをさらに含む。いくつかの実施形態において、サンプルパッドとコンジュゲートパッドが接続され得る。他の実施形態において、サンプルパッドとコンジュゲートパッドが組み合わせられ得る。いくつかの実施形態において、サンプルパッド-コンジュゲートパッドは、クロマトグラフィー膜パッドと重なる。いくつかの実施形態において、サンプルパッド-コンジュゲートパッドと吸収パッドは接続されない。
いくつかの実施形態において、検出層は、検出層を通る液体の流れを、検出層の第1の端部から検出層の第2の端部に概して水平の向きに、例えば、実質的に単一の水平面に沿って導くように構成され得る。他の実施形態において、検出層は、検出層を通る液体の流れを概して垂直の向きに、例えば、実質的に複数の垂直面を通して、すなわち、検出層の底部から検出層の上部に導くように構成され得る。いくつかの実施形態において、検出層は、検出層を通る液体の流れを複数の経路に分割するように構成され得る。いくつかの実施形態において、液体は、第1の経路から、第1の経路と実質的に平行である第2の曲がった経路へと流れ得る。いくつかの実施形態において、この第2の経路は、第1の経路の方向に対して向流で流れ得る。
いくつかの実施形態において、検出層の構成、具体的にはクロマトグラフィー膜パッドと吸収材の互いに対する関係が、検出層の一部にある流路を事実上向流にし得る。いくつかの例では、吸収パッド内の液体の流れは、クロマトグラフィー膜パッド内の流れの方向に対して向流である。いくつかの実施形態において、検出層の構成は、検出層の長さ全体にわたって単一方向の流路を維持する従来の検出層よりも大幅に短い検出層の全長を可能にし得る。クロマトグラフィー膜パッドと吸収パッドを重ねることによって、液体の流路全体の長さを低減することなく、検出層の全長を大幅に低減し得る。いくつかの実施形態において、検出層の全長は、検出層内の向流の流路を利用することによってさらに低減し得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、クロマトグラフィー膜を覆うカバーをさらに含む。ある場合では、カバーは、気体を逃がすことができる開口部を含み得、またはカバーは気体透過性であり得る。場合によっては、カバーは、不透明なカバー、色付きのカバー、透明なカバー、または半透明なカバーであり得る。いくつかの実施形態において、カバーはステンシルパターンを画定し、これは、「yes」、「no」、「safe」、「OK」、または
などの指示を含み得る。いくつかの実施形態において、ステンシルパターンは、クロマトグラフィー膜の第2の位置の上に配置され得る。そのようなパターンは、試験結果を理解しやすくすることによって使用者にとって有用になり得る。
本明細書に記載のある特定の実施形態の検出層は、特定の化合物または標的物質が存在し得るかについて指示またはシグナル機構を使用者に示し得る。例えば、指示は、色付きのドットもしくは領域の出現、色付きの領域の出現の不在、終了線(completing line)、ロゴ、パターンもしくは記号、「SAFE」、「OK」、「YES」、もしくは「NO」などの語の印字、チェックマーク、
などのエモーティコンもしくは記号、蛍光、振動、または音を含み得る。いくつかの実施形態において、指示は、語または記号の一部の出現を含み得、例えば、指示は、語「SAFE」の文字「A」であり得る。いくつかの実施形態において、検出層は、電気化学検出、分析物の存在下での重合もしくは解重合、吸熱および発熱反応の開始、ヒドロゲル形成、ならびに例えばスマートフォンアプリケーションまたは他のデバイスを用いたデバイス支援定量化によって使用者に指示を示し得る。いくつかの実施形態において、指示の存在は、標的物質が存在し得ることを使用者に示し得る。他の実施形態において、指示の存在は、標的物質が不在であり得ることを使用者に示し得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、使用者への連絡の一部を示す、例えば、事前印刷された語または記号を完成する指示を含み得る。例えば、検出層(または他の層、例えば、上層)は、文字「S」、「F」、および「E」などの事前印刷または事前形成された字を含み得る。指示は、文字「A」を含み得、かつ事前形成された文字「S」および「F」の間に「A」の指示を表示するよう揃い得、したがって、事前印刷または事前形成された字の前後関係において、試験の結果が「S A F E」と表示される。
いくつかの実施形態において、検出層は、複数の指示またはシグナル機構を含み得る。例えば、検出層は、第1のインジケータおよび第2のインジケータを含み得る。いくつかのそのような実施形態において、第1のインジケータはコントロールに対応し得、第2のインジケータは、標的物質の肯定的または否定的な存在に対応し得る。いくつかの実施形態において、コントロールに対応する第1のインジケータが使用者から見ることができ、検出層が液体に対して適切かつ十分に配置されたことを使用者に示す。標的物質の検出に対応する第2のインジケータが見え得る。いくつかの実施形態において、第1のインジケータおよび第2のインジケータは、単一の合わせた指示を示すように相補的であり得る。例えば、限定するものと見なされるべきではないが、第1のインジケータは水平線(「─」)であり得、第2のインジケータは、第1のインジケータと交差する垂直線(「│」)であり得る。例の第1のインジケータと例の第2のインジケータの両方が見えるとき、合わせた指示または字は「プラス」または十字(「+」)として出現し得る。別の例として、限定するものと見なされるべきではないが、第1のインジケータは、文字「S」、「F」、および「E」であり得、第2のインジケータは文字「A」であり得る。例の第1のインジケータと例の第2のインジケータの両方が見えるとき、合わせた指示は「S A F E」として出現し得る。当業者なら理解する通り、第1のインジケータおよび第2のインジケータの他の組合せも利用され得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、約50ミクロンから約1000ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、検出層は、約200ミクロンから約400ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、検出層は、約100ミクロン以下、200ミクロン以下、400ミクロン以下、600ミクロン以下、800ミクロン以下、または1000ミクロン以下の厚さを有し得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、様々な表面処理にかけられる。例えば、検出層は、オゾン処理にかけられる。いくつかの実施形態において、検出層は、層の親水性を増大し得る、場合によっては、層の濡れ特性を改善し得る1つまたは複数の表面処理にかけられ得る。いくつかの実施形態において、表面処理は、装置が液体に曝されるときの開口部でのエアポケットまたは気泡の形成防止を助け得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、複数の標的物質の存在を検出するように構成され得る。例えば、検出層は、1つの特定の検出層上で複数の違法薬物を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態において、別の薬物の検出を妨害することなく複数の薬物の検出を可能にするために、検出層は物理的に分割され得る。別の例として、単一の検出層上で複数の薬物を試験するために、検出層は、ある種の成分とマルチプレックス化され得る。いくつかの実施形態において、装置は、単一の検出層を構成するように互いに隣接して位置する複数の分離した物理的なセクションを含み得る。例えば、複数のマトリックスが横に並んで配置され、各マトリックスが液体中の異なる化合物の存在を試験するように構成され得る。
いくつかの実施形態において、検出層を含む装置はまた、少なくとも1つの別の層を含み得る。いくつかの実施形態において、装置は、上層、底層、および取り外し可能な層のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態において、装置は、本明細書に記載の層の任意の組合せを含み得る。
本明細書に記載の装置はまた、検出層の上面の上に位置する上層を含み得る。いくつかの実施形態において、上層は、接着剤を使用して検出層に連結され得る。いくつかの実施形態において、接着剤は、アクリレートコポリマーマイクロスフェア、アクリル酸およびメタクリル酸エステルホモポリマーまたはコポリマー、ブチルゴムベースの系、シリコーン、ウレタン、ビニルエステルおよびアミド、オレフィンコポリマー材料、ジアルキルフマレート、天然ゴムまたは合成ゴム、ならびにホットメルト接着剤を含む同種のものを含み得る。
本明細書に記載の連結は、直接的または間接的であり得る。層は、接着剤、ボンド、溶接、圧縮力、嵌め合い可能な表面(スタッド/アンチスタッド)、静電的相互作用、磁気的相互作用によって、もしくはそうでなければ表面を覆うことによって、または当業者に公知の他の方法によって連結され得る。
他の実施形態において、上層は、それぞれの層の少なくとも一部をヒートシールすることによって、2つの層を超音波溶接することによって、紫外線硬化性接着剤の使用によって、または感圧接着剤の使用によって、検出層に連結され得る。いくつかの実施形態において、検出層を上層に連結するために、当業者に公知の他の適した結合材料または結合方法が使用され得る。
いくつかの実施形態において、上層は、それを通じて検出層の少なくとも一部が曝され得る、開口部を画定する。いくつかの実施形態において、開口部は、試験される液体がそれを通じて検出層に吸収され得る、チャネルを与える。いくつかの実施形態において、開口部は、試験される液体がそれを通じて検出層に吸収され得るチャネルを与えるために、上層の端部または境界縁部に、例えば先端部に位置し得る。
他の実施形態において、検出層は、試験される液体がそれを通じて検出層に吸収され得るチャネルを与えるために、検出層の端部または境界に、例えば先端部に開口部を含み得る。検出層の端部または境界は、装置の端部または境界に近接して位置し得る。
上層は、不透明なカバー、色付きのカバー、透明なカバー、または半透明なカバーであり得る。任意選択で、上層は、1つまたは複数の穿孔を含み得る。これらの穿孔は、装置の使用中に気体物質を逃がすことを可能にし得る。いくつかの実施形態において、上層は気体透過性膜であり得る。流体が検出層によって吸収されると、試験内の気体または空気が置き換えられ得、置き換えられた気体を逃がしたり、または抜いたりすることが必要になり得る。
上層が不透明、色付き、または半透明であり得る例では、上層は、任意選択で、上層の上に1つまたは複数の透明窓を含み得る。いくつかの実施形態において、検出層の指示またはシグナル機構が透明窓を通して目に見え得るように、透明窓は、検出層上に揃えて配置され得る。窓は、開口部、アパーチャ(aperture)、ボイド、レンズ、または同種のものを含み得る。いくつかの実施形態において、上層の透明窓は、試験の結果を使用者に示し得る「SAFE」、「OK」、「YES」、もしくは「NO」などのある種の語、チェックマーク、終了線、ロゴ、パターンまたは記号、
などのエモーティコンもしくは記号として成形され得る。
いくつかの実施形態において、上層はラミネート層を含む。いくつかの実施形態において、上層は薄膜を含む。上層は、異なる材料で構成され得る。いくつかの実施形態において、薄膜は、金属材料、ポリマー材料、セラミック材料、無機材料、および他の適した材料のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、上層は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ABS+PC(ABS+ポリカーボネートアロイ)、アセタール(POM)(ポリオキシメチレン)、LCP(液晶ポリマー)、ナイロン6-PA(ポリアミド)、ナイロン6/6-PA(ポリアミド)、ナイロン11-PA(ポリアミド)、PBTポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PETポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PPA(ポリフタルアミド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PS(ポリスチレン結晶)、HIPS(高衝撃性ポリスチレン)、PSU(ポリスルホン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、SAN(スチレンアクリロニトリル)、TPE(熱可塑性エラストマー)、TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)、それらのコポリマー、金属箔、およびそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含み得る。ポリマー材料は、熱硬化性または熱可塑性であり得る。これらのポリマーは、典型的には、1,000〜50,000psiの範囲内の引張強度;5,000から5,000,000psiの曲げ弾性率;0.1ft-lb/inノッチ付きアイゾットから30ft-lb/inノッチ付きアイゾットの衝撃強さを有する。
いくつかの実施形態において、上層は、様々な表面処理にかけられる。例えば、上層は、オゾン処理にかけられ得る。いくつかの実施形態において、上層は、層の親水性を増大し得る、場合によっては、層の濡れ特性を改善し得る1つまたは複数の表面処理にかけられ得る。いくつかの実施形態において、表面処理は、装置が液体に曝されるときの開口部でのエアポケットまたは気泡の形成防止を助け得る。
いくつかの実施形態において、上層は、約10ミクロンから約1000ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、上層は、約200ミクロンから約400ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、上層は、約100ミクロン以下、200ミクロン以下、400ミクロン以下、600ミクロン以下、800ミクロン以下、または1000ミクロン以下の厚さを有し得る。
いくつかの実施形態において、装置は、装置が所期の結果を達成するように機能しなくなるほど装置を損傷するであろう外力からの構造変化に耐える十分な構造強度を有する。いくつかの実施形態では、上層が装置の構造強度を与え、または、装置の実質的にすべての構造強度を与える。いくつかの実施形態では、(以下で説明する)底層が装置の構造強度を与え、または、装置の実質的にすべての構造強度を与える。いくつかの実施形態では、上層および底層が装置の構造強度を与える。装置の性質に応じて、装置を損傷し得る構造変化は、変形、崩壊、折れ、突き刺しおよび同種のものを含み得る。いくつかの実施形態において、装置は、変形、崩壊、折れ、または突き刺しに耐える十分な構造強度を有し得る。非限定的な例として、構造変化は:液流を制限し得る;チャネルの液体が意図しない形で流れる原因になり得る;検出物質の望ましくない蓄積の原因になり得る;または不正確な結果が生じる原因になり得る。装置を損傷し得る構造変化のタイプは、少なくとも部分的には、装置設計に依存し得る。
いくつかの実施形態において、装置の構造強度は、標的物質の存在を検出する装置の能力に影響せずに0.1ニュートンを超える軸圧縮外力(external axial compressive force)および40ニュートンを超える垂直圧縮力に耐えるのに十分であり得る。いくつかの実施形態において、装置は、標的物質の存在を検出する装置の能力に影響せずに0.25ニュートンを超える軸圧縮外力および30ニュートンを超える垂直圧縮力に耐え得る。いくつかの実施形態において、装置は、標的物質の存在を検出する装置の能力に影響せずに0.5ニュートンを超える軸圧縮外力および20ニュートンを超える垂直圧縮力に耐え得る。いくつかの実施形態において、装置は、標的物質の存在を検出する装置の能力に影響せずに20ニュートンを超える軸圧縮外力および35ニュートンを超える垂直圧縮力に耐え得る。いくつかの実施形態において、装置は、標的物質の存在を検出する装置の能力に影響せずに60ニュートンを超える軸圧縮外力および100ニュートンを超える垂直圧縮力に耐え得る。
いくつかの実施形態において、装置は、標的物質の存在を検出する装置の能力に影響せずに1000ニュートンの垂直外力に耐え得る。いくつかの実施形態において、装置は、標的物質の存在を検出する装置の能力に影響せずに2500ニュートンの外力に耐え得る。
本明細書に記載の装置はまた、検出層の底面に連結された底層を含み得る。いくつかの実施形態において、底層は、接着剤を使用して検出層に連結され得る。いくつかの実施形態において、接着剤は、アクリレートコポリマーマイクロスフェア、アクリル酸およびメタクリル酸エステルホモポリマーまたはコポリマー、ブチルゴムベースの系、シリコーン、ウレタン、ビニルエステルおよびアミド、オレフィンコポリマー材料、ジアルキルフマレート、天然ゴムまたは合成ゴム、ならびにホットメルト接着剤を含む同種のものを含み得る。
他の実施形態において、底層は、それぞれの層の少なくとも一部をヒートシールすることによって、2つの層を超音波溶接することによって、または感圧接着剤の使用によって、検出層に連結され得る。いくつかの実施形態において、検出層を底層に連結するために、当業者に公知の他の適した結合材料または結合方法が使用され得る。いくつかの実施形態において、底層は、それを通じて検出層が曝され得る開口部を画定する。いくつかの実施形態において、開口部は、試験される液体がそれを通じて検出層に吸収され得る、チャネルを与える。いくつかの実施形態において、開口部は、試験される液体がそれを通じて検出層に吸収され得るチャネルを与えるために、底層の端部または境界縁部に、例えば先端部に位置し得る。
装置が物体の上に配置され得るいくつかの実施形態において、底層は、接着剤を用いて物体に連結され得る。例えば、装置が爪の上に配置される場合、接着剤は、当業者に公知の皮膚接触用FDA認可接着剤を含み得る。
いくつかの実施形態において、底層は、所望の表面に、例えば、爪の上で使用または適用されたとき、検出層を損傷から保護するのに十分な剛性の構造を備える。いくつかの実施形態において、底層は、装置が使用され得る環境から検出層を保護する絶縁層として機能し得る。例えば、底層は、マニキュア中に存在するものなど、ある種の流体または物質に対して不透過性であり得る。いくつかのそのような実施形態において、底層は、検出層と、外部環境、例えば、使用者の爪に塗布されたマニキュアとの間の望ましくないあらゆる相互作用を排除または最小限にする層を与え得る。
いくつかの実施形態において、底層はラミネート層を含む。いくつかの実施形態において、底層は薄膜を含む。底層は、異なる材料で構成され得る。いくつかの実施形態において、薄膜は、金属材料、ポリマー材料、セラミック材料、無機材料、および他の適した材料のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、底層は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ABS+PC(ABS+ポリカーボネートアロイ)、アセタール(POM)(ポリオキシメチレン)、LCP(液晶ポリマー)、ナイロン6-PA(ポリアミド)、ナイロン6/6-PA(ポリアミド)、ナイロン11-PA(ポリアミド)、PBTポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PETポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PPA(ポリフタルアミド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PS(ポリスチレン結晶)、HIPS(高衝撃性ポリスチレン)、PSU(ポリスルホン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、SAN(スチレンアクリロニトリル)、TPE(熱可塑性エラストマー)、TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)、それらのコポリマー、金属箔、およびそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含み得る。
いくつかの実施形態において、底層は、様々な表面処理にかけられ得る。例えば、底層は、オゾン処理にかけられ得る。いくつかの実施形態において、底層は、層の親水性を増大し得る、場合によっては、層の濡れ特性を改善し得る1つまたは複数の表面処理にかけられ得る。いくつかの実施形態において、表面処理は、装置が液体に曝されるときの開口部でのエアポケットまたは気泡の形成防止を助け得る。
いくつかの実施形態において、底層は、約50ミクロンから約1000ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、底層は、約200ミクロンから約400ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、底層は、約100ミクロン以下、200ミクロン以下、400ミクロン以下、600ミクロン以下、800ミクロン以下、または1000ミクロン以下の厚さを有し得る。
本明細書に記載の装置はまた、作動手段を含み得る。いくつかの実施形態において、作動手段は、取り外し可能な層であり得る。取り外し可能な層は、装置の上に外部障壁を提供する層を与え得、次いで、特定の物質または化合物の存在を確認するときに、装置の使用前に除去され得る。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、検出層の上面に連結され得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、検出層の上面に直接的に連結され得る。他の実施形態において、取り外し可能な層は、検出層の上面に間接的に連結され得、例えば、取り外し可能な層と検出層との間に位置し得る上層に連結され得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、液体中の標的化合物の存在を検出する使用のために、検出層の少なくとも一部を曝すために装置から取り外され得る。例えば、いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、装置の残りの部分を曝しながら剥離され得、次いで、液体に挿入され得る。他の実施形態において、取り外し可能な層は、取り外し可能な層をスライドさせることによって取り外されて、装置の残りの部分を曝し得る。他の実施形態において、取り外し可能な層は、スクラッチタイプの作動によって、例えば、削り落として装置の残りの部分を曝すことができるワックス層によって取り外され得る。他の実施形態において、取り外し可能な層は、層を刺激に曝すことによって取り外され得る溶解可能な層であり得る。さらに他の実施形態において、取り外し可能な層は、取り外し可能な層の一部を切り取るか、またはポキッと折る(snapping off)ことによって取り外されて、次いで、装置の残りの部分を曝し得、例えば、マドラーの一部を折り取って、装置の残りの部分を曝して作動させる。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、剥離可能な接着剤を含む。他の実施形態において、取り外し可能な層は、装置から剥離されるように構成されたマニキュア層を含む。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、接着剤を使用して検出層または上層に連結され得る。いくつかの実施形態において、接着剤は、アクリレートコポリマーマイクロスフェア、アクリル酸およびメタクリル酸エステルホモポリマーまたはコポリマー、ブチルゴムベースの系、シリコーン、ウレタン、ビニルエステルおよびアミド、オレフィンコポリマー材料、ジアルキルフマレート、天然ゴムまたは合成ゴム、ならびにホットメルト接着剤を含む同種のものを含み得る。
他の実施形態において、取り外し可能な層は、それぞれの層の少なくとも一部をヒートシールすることによって、2つの層を超音波溶接することによって、または感圧接着剤の使用によって、検出層または上層に連結され得る。いくつかの実施形態において、検出層を底層に連結するために、当業者に公知の他の適した結合材料または結合方法が使用され得る。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層と、例えば上層との間の接着強さは、例えば上層と検出層との間または底層と検出層との間の接着強さより低くなり得る。装置内の取り外し可能な層を連結する、(他の層間の接着強さと比べて)相対的に低い接着強さは、装置の残留する層を分離することなく取り外し可能な層の取り外しを可能にし得る。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、相補的なさねはぎによって上層に連結され得る。いくつかのそのような実施形態において、取り外し可能な層の取り外しおよび検出層の曝露を可能にするために、取り外し可能な層は、取り外し可能な層を特定の方向に、すなわち、溝の平面に沿ってスライドさせることによって取り外され得る。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、例えば、爪の上で使用中でないとき、検出層または他の層を損傷から保護するのに十分な剛性の構造を備える。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、装置が用いられる前に外部環境から検出層を保護する絶縁層または障壁層として機能し得る。例えば、取り外し可能な層は、マニキュアなどのある種の流体または物質に対して不透過性であり得る。いくつかのそのような実施形態において、取り外し可能な層は、検出層と外部環境との間の望ましくないあらゆる相互作用を排除または最小限にする層を与え得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は防水性であり得る。いくつかのそのような実施形態において、取り外し可能な層は、装置を実質的に防水性にし得る。取り外し可能な層を取り外すと、装置が作動して使用可能になり得、例えば、試験される液体に曝され得る。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、その上で装置の外観を変更またはカスタマイズできる表面を与える。例えば、取り外し可能な層は、その上で製造者が、様々な設計、デカール、ロゴ、色、または他の印で外観をカスタマイズできる表面を与え得る。別の例として、取り外し可能な層は、その上に使用者がマニキュアを塗布できる表面を与え得る。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は薄膜を含む。取り外し可能な層は、異なる材料で構成され得る。いくつかの実施形態において、薄膜は、金属材料、ポリマー材料、セラミック材料、無機材料、および他の適した材料のうちの少なくとも1つが含まれ得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、それらのコポリマー、金属箔、およびそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、様々な表面処理にかけられ得る。例えば、取り外し可能な層は、オゾン処理にかけられ得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、層の親水性を改善し得る、場合によっては、層の濡れ特性を改善し得る1つまたは複数の表面処理にかけられ得る。いくつかの実施形態において、表面処理は、装置が液体に曝されるときの開口部でのエアポケットまたは気泡の形成防止を助け得る。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、約50ミクロンから約1000ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、約200ミクロンから約400ミクロンの範囲の厚さを備える。いくつかの実施形態において、取り外し可能な層は、約100ミクロン以下、200ミクロン以下、400ミクロン以下、600ミクロン以下、800ミクロン以下、または1000ミクロン以下の厚さを有し得る。
いくつかの実施形態において、装置はさらに、開口部を含む層を含み得る。層は、試験結果の分析を促進するための特定の開口部を画定し得る。例えば、開口部は、「SAFE」、「OK」、「YES」、もしくは「NO」などの語、チェックマーク、終了線、ロゴ、パターンまたは記号、
などのエモーティコンもしくは記号で構成され得る。開口部を含む層の領域にマーカーまたは他のインジケータが移動すると、試験結果の読取りを容易にする開口部を通してインジケータまたは有色色素が使用者の目に見え得る。いくつかの実施形態において、層は、別個の層であり得る。他の実施形態において、層は、他の層内、例えば、上層内で一体化され得る。
いくつかの実施形態において、装置はさらに、試験結果の分析を促進するある特定の形で位置する試薬の規定のパターンを含む層を含み得る。例えば、試薬のパターンは、「SAFE」、「OK」、「YES」、もしくは「NO」などの語、チェックマーク、終了線、ロゴ、パターンまたは記号、
などのエモーティコンもしくは記号で構成され得る。試薬のパターンを含む層の領域にマーカーまたは他のインジケータが移動すると、マーカーまたは他のインジケータが試薬と相互作用して、パターンを表示し得る。パターンが表示されると、使用者はより容易に装置の結果を分析できる。いくつかの実施形態において、層は、別個の層であり得る。他の実施形態において、層は、他の層内、例えば、上層内で一体化され得る。
いくつかの実施形態において、装置は、物体の表面の上に配置され得る。いくつかの例では、装置は、物体内に配置され得る。他の例において、装置は、物体の表面の下に配置され得る。適した物体は、例えば、爪、人工爪、マニキュア層、ネイルシール、ネイルデカール、カップ、バーコースター、マドラー、爪楊枝、ドリンクの飾り(例えば、傘)、鉛筆、ペン、テストストリップ、シール、デカール、ネイルデカール、メッシュネイルラップ、リング、ブレスレット、ネックレス、チャーム、紐、またはその他の任意の適切な表面を含む。他の適切な表面は、疑わしい液体に容易かつ慎重に接触させて、液体の消費者に対する向上した身の安全性をもたらし得る物を含む。
装置および多層検出システムの実施形態を図に示した。理解されるように、例証した実施形態は、本発明の特徴および利点を示す方法として提供されており、いずれか特定の例に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、以下の図面の簡単な説明における上部、底部および側部の使用は、理解を助けるためであって、本発明の実施形態を地理的/方向的に制限するものと解釈されるべきではない。
図面に関して、図1は、取り外し可能な層11、上層12、検出層13、および底層14を含む装置1の分解立体図を示している。図2は、取り外し可能な層11が上層12に連結されていない、部分的に組み立てられた構成の装置1を示している。
図1では、検出層13は、試験のために装置を液体に曝すと、液体が移動する方向を示している。上層12は、第1の場所に窓16、および第2の場所に開口部17を含む。窓16は、試験完了時に使用者がインジケータ15を目視できるように、検出層13と整列され得る。例えば、装置により液体中のある特定の化合物の存在が検出されなければ、窓16から指示を目視することができる。窓16は、「OK」の文字の形状であるが、他の形状の窓16が上層12に含まれてもよい。上層の開口部17は、液体または他の媒体が試験のためにそこを通って検出層13に移動することができる開口部となり得る。
図3A〜3Cは、標的物質を検出するための異なる試験の前後の、装置の平面図を示している。図3Aは、試験前の装置を示している。図3Bでは、装置は液体に曝されており、検出層は問題の液体を吸収し、次いでインジケータが検出層の長さを移動して、窓16を通して示される色が生じた試験の結果が表示される。図3Bに示される指示は、標的物質が存在しない試験に対応する。図3Cでは、装置は液体に曝されており、検出層は問題の液体を吸収し、次いでインジケータが検出層の長さを移動しなかった試験の結果が表示される。図3Cに示される指示は、標的物質が液体中に存在する試験に対応する。
図5に示されるもののような、一部の実施形態では、検出層13は、任意選択のスリット18を画定する物理的な割れ目を含む。スリット18により、例えば、検出層は二等分に分割されて、2種の標的物質を検出するために使用され得る。上層12は、第1の場所に窓26、および第2の場所に窓27を含む。窓26および窓27は、検出層13のインジケータ(図示せず)の位置と整列され得る。例えば、装置により液体中の、ある特定の化合物の存在が検出されないならば、窓26から指示を目視することができる。一部の実施形態では、任意選択の層22が、マニキュア、シール、デカール、または他の材料などの取り外し可能な層11上に適用され得る。図5も、底層14に位置された任意選択の窓23を示している。一部の実施形態では、任意選択の窓23は、検出層13のインジケータ(図示せず)の位置と整列され得る。任意選択の窓23は、底層14の異なる領域、例えば、底層14の反対側の端部に位置し得る。
図6は、本明細書に記載の一実施形態による検出層200の平面図を示している。検出層200は、吸収パッド260(芯と称することもある)およびテストストリップ280を含む。テストストリップ280は、サンプルパッド-コンジュゲートパッド250およびクロマトグラフィー膜パッド230を含む。サンプルパッド-コンジュゲートパッド250は、クロマトグラフィー膜パッドの近位端232と接触している。サンプルパッド-コンジュゲートパッド250は、吸収パッド260から分離されていてもよい。サンプル-コンジュゲートパッド250に吸収された液体は、クロマトグラフィー膜パッドの遠位端234に流れ、次いで、吸収パッド260を通して外に向かって流れ得る。クロマトグラフィー膜の遠位端234は、u字型の吸収パッド260の一部と重なっている。
図7は、図6に示される面7-7に沿った、検出層200の横断面図を示している。検出層200は、サンプルパッド-コンジュゲートパッド250、クロマトグラフィー膜パッド230、および吸収パッド260を含む。サンプルパッド-コンジュゲートパッド250は、コンジュゲート領域254で、クロマトグラフィー膜パッドの近位端232と重なっている。サンプル-コンジュゲートパッド250に吸収された液体は、クロマトグラフィー膜パッド230の遠位端234に向かって、クロマトグラフィー膜パッド230の近位端232に流れ得る。クロマトグラフィー膜の遠位端234は、u字型吸収パッド260の一部と重なっている。吸収パッド260は、使用中、クロマトグラフィー膜パッド230から液体を吸収し得る。任意選択で、検出層200は、上層270を有してもよい。一部の実施形態では、上層270は、粘着性であり得る。一部の実施形態では、上層270は、透明であり得る。一部の実施形態では、合わせたサンプルパッド-コンジュゲートパッド250は、重なっていないサンプル領域252およびコンジュゲート領域254を有する。
一部の実施形態では、検出層は、マトリックスを含む。マトリックスは、マーカーを含み得る。マーカーは、マーカーを含む組成物とマトリックスが接触することによって、マトリックスに含まれ得る。マーカーとは、標的物質の検出を促進し得る、特定の物質に連結された化合物、物質、または抗体を指す。例えば、一部の実施形態では、マーカーは、ラテックスもしくはポリマーマイクロビーズ、または金ナノ粒子に連結された抗体を含み得る。一部の実施形態では、マーカーは、カルボキシフルオレセイン、2,7-ジクロロフルオレセイン、Eosin B、Eosin Y、エリスロシン、フルオレセイン、フルオレセインアミダイト、フルオレセインイソシアネート、メルブロミン、アプタマー、抗体、フロキシンB、Rose Bengal、それらの誘導体および塩、またはそれらの組合せを含む。他の実施形態では、粒子がマーカーとして使用され得る。粒子は、金および/または色素導入ポリマーマイクロビーズなどの任意の有色ナノ粒子であり得る。
一部の実施形態では、装置は、以下の式を有するマーカーまたはその塩を含む。
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、およびR
10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロアルケニル、置換または非置換ヘテロアルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換カルボニル、置換または非置換カルボキシル、置換または非置換チオ、および置換または非置換スルホニルからなる群から選択され;R
11は、水素、または置換もしくは非置換アルキルであり;Xは、ヒドロキシル、または置換もしくは非置換アミノであり;Yは、O、またはNR
12であり、R
12は、水素、または置換もしくは非置換アルキルである。一部のそのような実施形態では、マーカーは、以下の式を有する。
他の実施形態では、マーカーは、以下の式を有する。
式中、M
+はカチオンである。一部のそのような実施形態では、M
+は、Na
+、K
+、Li
+、Cs
+、Rb
+、Ag
+、Au
+、Cu
+、Fr
+、NH
4 +、NR
4 +、およびNR
1R
2R
3 +からなる群から選択される。
他の実施形態では、マーカーは、以下の式またはその塩を有する。
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロアルケニル、置換または非置換ヘテロアルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換カルボニル、置換または非置換カルボキシル、置換または非置換チオ、および置換または非置換スルホニルからなる群から選択され;XおよびYは、それぞれ独立して、ヒドロキシル、または置換もしくは非置換アミノである。
一部の実施形態では、マーカーは、マーカーを含む組成物とマトリックスが接触することによって、マトリックスに含まれ得る。マーカーは、マトリックス上の少なくとも第1の場所に存在し得る。例えば、マーカー組成物は、図4Aの場所50でマトリックス上に負荷され得る。マトリックス上に負荷され得るマーカー組成物の量は、マトリックスに適用されるマークのサイズによって定量され得る。マーカー組成物の量は、ヒトの眼で視覚化されるのに十分大きい量であり得る。例えば、マーカー組成物は、約10mmまでの範囲(例えば、約1mm〜約10mm、または約1mm〜約5mm)の直径のドットとしてマトリックスに適用され得る。適用された組成物のサイズは、約1mm以下、2mm以下、3mm以下、4mm以下、5mm以下、6mm以下、7mm以下、8mm以下、9mm以下、または10mm以下の直径を有し得る。一部の実施形態では、マーカー組成物は、約10mmまでの範囲(例えば、約1mm〜約10mm、または約1mm〜約5mm)のラインとして適用され得る。適用された組成物のサイズは、約1mm以下、2mm以下、3mm以下、4mm以下、5mm以下、6mm以下、7mm以下、8mm以下、9mm以下、または10mm以下の高さを有し得る。
一部の実施形態では、標的物質の存在を検出するための装置は、約25ミリメートル未満の長さ、約15ミリメートルの幅、および約5ミリメートルの厚さを備える。一部の実施形態では、装置は、標的物質が1ミリリットル当たり約5ミリグラム未満の濃度で存在し得る場合に、液体中に存在する標的物質を検出するように構成され得る。一部の実施形態では、装置は、標的物質に10秒未満曝されると、標的物質の存在を検出することができる。一部の実施形態では、装置は、液体に曝された後5分未満で、標的物質の存在の指示を提供し得る。
一部の実施形態では、本明細書の記載による装置の検出層は、マトリックスを含む。マトリックスは、1種または複数のポリマーを含み得る。ある特定の実施形態では、1種または複数のポリマーは、多糖類を含む。マトリックスにおける使用に好適な多糖類には、寒天、アガロース、アルギネート、カラゲナン、セルロース、キトサン、デキストラン、コンニャク、およびそれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、マトリックスは、表面機能化セルロースを含むセルロースまたはセルロース誘導体を含む。代表的なアガロースポリマーには、例えば、カルボキシメチルアガロース、ジエチルアミノエチルアガロース、および類似の誘導体が含まれる。任意選択で、マトリックスにおける使用のためのアガロースポリマーは、Pharmacia Fine Chemicals, Inc.(Piscataway、N.J.)から市販されている。代表的なセルロースポリマーには、例えば、セルロースエステル(例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース)、カルボキシメチルセルロース、ジエチルアミノエチル(DEAE)セルロース、ニトロセルロース、ホスホセルロース、四級アンモニウム置換セルロース、およびスルホキシエチルセルロースが含まれる。任意選択で、マトリックスにおける使用のためのセルロースポリマーは、Whatman Co.(Whatman Paper Co., Ltd.、Maidstone、England)またはBioRad Corp.(Richmond、California)から市販されている。
マトリックスは、吸収剤をさらに含み得る。一部の実施形態では、マトリックスは、複数の吸収剤を含み得る。例えば、吸収剤には、クロマトグラフィー紙、濾紙、およびペーパークロマトグラフィーまたは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィーに典型的に使用される他の材料が含まれ得る。クロマトグラフィー紙および濾紙は、Whatman Co.(Whatman Paper Co., Ltd.、Maidstone、England)から市販されているクロマトグラフィー紙および濾紙などの定性的または定量的濾紙であってもよい。
任意選択で、吸収剤は、シリカゲル、アルミナ、高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)シリカゲル、ポリケイ酸、酸化アルミニウム、セルロース、ポリアミド、逆相シリカゲルC2(ジメチル結合)、逆相シリカゲルC2(エチル結合)、逆相シリカゲルC8(オクチル結合)、逆相シリカゲルC18(オクタデシル結合)、アセチル化セルロース、アミノ基で修飾されたシリカゲル、シアノ基で修飾されたシリカゲル、炭化水素で含浸された珪藻土、アニオン性およびカチオン性アニオン交換樹脂、ジエチルアミノエチルセルロース、ならびに列挙した吸着剤の混合物を含む。吸収剤は、不活性表面上に固定化され得る。
任意選択で、マトリックスは、乾燥剤をマトリックスに組み込むために、乾燥剤で前処理され得る。乾燥剤は、これらに限定されないが、モレキュラーシーブ、シリカゲル、粘土、合成ポリマー、およびデンプンを含む、当業者に公知の任意の乾燥剤であり得る。例えば、好適な乾燥剤には、アルミナ、ボーキサイト、無水硫酸カルシウム、吸水性粘土、シリカゲル、ゼオライト、およびそれらの混合物が含まれる。
任意選択で、マトリックスは、緩衝剤で前処理され得る。緩衝剤は、例えば、酢酸およびその共役塩基、クエン酸およびその共役塩基、二塩基性リン酸ナトリウム、高分子電解質ポリマー、フタル酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、およびそれらの組合せであり得る。マトリックスは、マトリックスが約3〜約8の範囲(例えば、約4〜約6、または約4.5〜約5.5)のpHで緩衝され得るように、緩衝剤で前処理され得る。例えば、緩衝剤は、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、または約9のpHをもたらすために、組成物に添加され得る。記載される装置において使用され得る緩衝液には、例えば、その全体が参照により組み込まれる、Undercover Colors, Inc.によって出願され、本出願と同日に提出された、「Methods and Apparatus for Detecting Compounds in Liquids」と題するPCT特許出願において記載され、示されているものがさらに含まれ得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および装置は、液体中のアミン含有化合物の存在を検出するために、マーカーの色変化の観察または測定に依拠しない。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および装置は、電気泳動などの他の技術に依拠しない。代わりに、一部の実施形態では、標的物質の存在は、マトリックスを通した、有色材料またはコンジュゲートの動きの変化によって示され得る。マーカーを含有するマトリックスが液体に曝される場合、液体中に標的物質が存在しないならば、マーカーの色は、溶媒前端40がマトリックスを通して前進するのにつれて、これとともに自由に動く。しかし、液体中に標的物質のうちの1種または複数が存在する場合、色は、溶媒前端40とともに前進しないか、またはブランクコントロールサンプルにおける前進の速度に対してゆっくりとのみ前進する。
検出しようとする標的物質が存在するならば、マーカーの小さなドットまたはライン44は、実質的に動かない(例えば、図4Aを参照されたい)。本明細書で定義する場合、「実質的に動かない」とは、場所50のマーカーの小さなドットまたはラインが場所50にそのまま残るか、または場所50に対する溶媒前端40の距離の約25%未満動くことを意味する。例えば、マーカーのドットまたはライン44は、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、または約0.5%未満動く。一部の例では、検出しようとする標的物質が存在し、マーカーが実質的に動かないならば、マーカーは、溶媒前端40がマトリックスの長さに沿って動くにつれて「尾部ができる(tail)」42場合がある(例えば、図4Aを参照されたい)。液体中に標的物質が検出可能な量で存在しない場合、マーカードットまたはラインは、動いているマーカードットまたはラインの後ろにいくらかの尾部46をおそらく伴って、前端40に沿って液体とともに実質的に動く(例えば、図4Bを参照されたい)。図4Aおよび4Bは、当業者に理解されるように、本明細書に記載の標的物質を検出する方法の一般化された図であることが意図されていることが認識されるべきである。
一部の実施形態では、検出層は、ラテラルフローアッセイを含む。一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、アルコールまたは非アルコール飲料中の薬物の存在を判断するために抗体-分析物相互作用に依拠し得る。一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、液体中の分析物の存在を判断するためにアプタマー-分析物相互作用に依拠し得る。一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、薬物コンジュゲートタンパク質(テストライン)および抗種抗体(コントロールライン)が固定化されたクロマトグラフィー膜を通して運ばれ得る有色粒子にコンジュゲートされた抗薬物抗体を含み得る。一部の実施形態では、有色粒子は、金ナノ粒子を含み得る。一部の実施形態では、有色粒子は、色素導入ラテックスマイクロビーズを含み得る。一部の実施形態では、クロマトグラフィー膜は、セルロース、ニトロセルロース、ガラスファイバー、類似の材料、またはそれらの材料の組合せを含み得る。記載される装置において使用され得るラテラルフローアッセイには、例えば、その全体が参照により組み込まれる、Undercover Colors, Inc.によって出願され、本出願と同日に提出された、「Methods and Apparatus for Detecting Compounds in Liquids」と題するPCT特許出願において記載され、示されているものがさらに含まれ得る。
一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイを含む検出層を飲料に曝すと、検出層によって吸収された液体は、抗薬物抗体-粒子コンジュゲートをそれとともに運んで、検出層を通して動くことができ、固定化された薬物-タンパク質コンジュゲートおよび抗種抗体を通り越す。薬物が存在しないならば、抗薬物抗体-粒子コンジュゲートは、薬物-タンパク質コンジュゲートと相互作用し、これに結合し、同様に抗種抗体とも相互作用し結合し、これが抗薬物抗体-粒子コンジュゲートを固定化させる。抗薬物抗体-粒子コンジュゲートの固定化により、薬物-タンパク質コンジュゲート(テストライン)および抗種抗体(コントロールライン)が配置された領域に色を付着させることができる。薬物が、飲料中に存在する場合、薬物は、抗薬物抗体-粒子コンジュゲートと結合し、したがって、次に抗薬物抗体-粒子コンジュゲートが薬物-タンパク質コンジュゲート(テストライン)と相互作用し結合することが妨げられる。薬物が、抗薬物抗体-粒子コンジュゲートとテストラインとの間の相互作用および結合を阻害するため、この領域には色が付着しない。抗薬物抗体-粒子コンジュゲートの抗種抗体(コントロールライン)との相互作用および結合は、薬物の存在によって影響を受けないため、コントロールライン上にはやはり色の付着が起こる。一部の実施形態では、薬物が存在しないことを示す結果は、2本のライン(テストおよびコントロールラインが着色される)からなる一方、薬物が存在することを示す結果は、1本のライン(コントロールラインが着色される)からなる。他の実施形態では、標的分析物が存在することを示す結果は、1本のライン(コントロールラインが着色される)からなる一方、分析物が存在しないことを示す結果は、2本のライン(テストおよびコントロールラインが着色される)からなる。
一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイを含む検出層は、緩衝剤を含む。緩衝剤は、吸収されるサンプルの特性を改変して、溶液を、抗体-粒子コンジュゲートと適合性にし得る。緩衝剤には、有機および無機酸、塩、イオン性および非イオン性洗浄剤、糖、ならびにタンパク質などの添加剤が含まれ得る。記載される装置において使用され得る緩衝液には、例えば、その全体が参照により組み込まれる、Undercover Colors, Inc.によって出願され、本出願と同日に提出された、「Methods and Apparatus for Detecting Compounds in Liquids」と題するPCT特許出願において記載され、示されているものが含まれ得る。一部の実施形態では、添加剤は、マトリックスを通した液体サンプルの流れのための膜を調製する機能も果たし得る。これらの添加剤は、膜を通したサンプルの流れを促進する一方、同時に、膜と抗薬物抗体-粒子コンジュゲート、薬物-タンパク質コンジュゲート、および抗種抗体との間の望ましくない相互作用を防ぎ得る。試薬の濃度および組合せは、試験されているサンプルマトリックスによって決まる傾向がある。
一部の実施形態では、検出層はラテラルフローアッセイを含み、ラテラルフローアッセイは、約13mm未満の長さ、約5mm未満の幅、および約1.5mm未満の厚さを有し得る。一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、約12mmの長さ、約4mmの幅、および約1mmの厚さを有し得る。一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、約10mmの長さ、約3mm以下の幅、および約1mm以下の厚さを有し得る。例えば、ラテラルフローアッセイの長さは、約24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mm、16mm、15mm、14mm、13mm、12mm、11mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、または5mmであり得る。他の例では、ラテラルフローアッセイの幅は、約6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、または1mmであり得る。
他の実施形態では、検出層はラテラルフローアッセイを含み、ラテラルフローアッセイは、約150mm未満の長さ、約150mm未満の幅、および約5mm未満の厚さを有し得る。一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、約80mmの長さ、約20mmの幅、および約3mmの厚さを有し得る。例えば、ラテラルフローアッセイの長さは、約400mm、390mm、380mm、370mm、360mm、350mm、340mm、330mm、320mm、310mm、300mm、290mm、280mm、270mm、260mm、250mm、240mm、230mm、220mm、210mm、200mm、190mm、180mm、170mm、160mm、150mm、140mm、130mm、120mm、110mm、100mm、90mm、80mm、70mm、60mm、50mm、40mm、30mm、または20mmであり得る。他の例では、ラテラルフローアッセイの幅は、約150mm、140mm、130mm、120mm、110mm、100mm、90mm、80mm、70mm、60mm、50mm、40mm、30mm、または20mmであり得る。
一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイを含む検出層は、直線状流れチャネルを含み得る。他の実施形態では、検出層は、非直線状の形状、例えば、カーブした形状、らせん形の形状、角のある形状、またはU字型を有するチャネルを含む。他の実施形態では、流れチャネルは、複数の経路に分割され得る。これらの実施形態の一部では、複数の経路は、カーブしている場合があり、非分割流路と実質的に平行であり得る。一部の実施形態では、複数の経路は、非分割流路に対して向流に流れ得る。
一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、単一アッセイ上に複数の薬物検出構成を含み得る。
一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイは、延長された貯蔵寿命を有し得る。一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイを含む検出層(および装置)は、使用中の通気性をもたせることによって試験の完全性を損なうことなく、外部環境からの保護をもたらすために積層され得る。
一部の実施形態では、ラテラルフローアッセイを含む装置は、試験の結果の読取り性を促進するための、上記の通りのステンシル層を含み得る。
上記のように、装置は、物体の面の上、中、および/または下に配置され得る。一部の例では、装置は、爪または人工爪に組み込まれ得る。図8〜25は、爪として組み込まれた装置の例を示している。
図8は、第1のカセット構造506のキャビティ514内にサンプルパッド-コンジュゲートパッド522およびクロマトグラフィー膜パッド524を含むテストストリップ510を含む装置500の上面透視図を示している。一部の実施形態では、第1のカセット構造506は、アーチ形の形状を有し得る。
図9は、第1のカセット構造506のキャビティ514内にサンプルパッド-コンジュゲートパッド522およびクロマトグラフィー膜パッド524を含むテストストリップ510を含む装置500の平面図を示している。一部の実施形態では、第1のカセット構造506は、アーチ形の形状を有し得る。
図10は、装置500の下面透視図を示している。一部の実施形態では、接着ストリップ516が第2のカセット構造508の背面側の中央領域520に付加されて、組み立てられた装置500を所望の使用場所に接着させ得る。一部の実施形態では、第1のカセット構造506は、アーチ形の形状を有し得る。
図11Aおよび11Bは、本明細書に記載の一実施形態による装置500の分解立体図を示している。図11Aは、上側からの分解立体図を示しており、図11Bは下側からの分解立体図を示している。吸収パッド/芯504は切断され、形成され、検出層502の第1のカセット構造506のせり上げ部518を部分的に囲む第1のカセット構造506の下側に置かれる。一部の実施形態では、第1のカセット構造506は、アーチ形の形状である。検出層502は、第2のカセット508の一部の実施形態では、底層でカバーされる。紫外線照射硬化性接着剤が、吸収パッド504を取り囲む第1のカセット506の表面で使用されて、UV照射により第2のカセット508が第1のカセット構造506に連結される。硬化すると、吸収パッド504は、第1のカセット構造506および第2のカセット構造508に連結される。
上層512は、接着性裏材を有し得る。一部の実施形態では、上層512は、開口部526および窓528を含む。上層の開口部526は、液体または他の媒体が試験のためにそれを通して検出層または検出サブアセンブリに移動することができる開口部となり得る。開口部526は、一般に、テストストリップ510のサンプルパッド-コンジュゲートパッド522と重なっている。開口部526は、一般に円形であるが、他の形状の開口部526が含まれてもよく、例えば、楕円、長方形、文字、記号、および顔文字が使用され得る。窓528は、長方形の形状であるが、他の形状の窓528が上層512に含まれてもよい。窓528は、試験完了時に使用者が窓528を通してインジケータ(図示せず)を目視できるように、検出層502または検出サブアセンブリのクロマトグラフィー膜パッド524と整列され得る。図11Aおよび11Bでは、1つの開口部526が示されており、他の実施形態では、1つよりも多い開口部、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれよりも多い開口部が含まれ得る。一部のそのような実施形態では、複数の開口部のサイズは、液体または他の媒体が試験のために検出層または検出サブアセンブリに移動するのを可能にするのに十分なサイズ、かつ開口部の美観への影響を最小にするサイズに調節され得る。
サンプルパッド-コンジュゲートパッド522およびクロマトグラフィー膜パッド524を含むテストストリップ510は、上層512の下側に接着される。上層512は接続されたテストストリップ510とともに、第1のカセット構造506のキャビティ514内に置かれる。キャビティ514およびせり上げ部518は、第1のカセット構造506において補足し合う特徴である。接着ストリップ516は第2のカセット構造508の背面側の中央領域520に付加されて、組み立てられた装置500を所望の使用場所に接着させ得る。
図12Aおよび12Bは、分解立体関係における本発明の、ある実施形態における装置の上層構成成分322および底層構成成分342を示している。検出層(図示せず)は、底層342の上面に位置し得る。底層342は、検出層を収容するチャネル414を含む。一部の実施形態では、チャネル414は、T字型であり、底層342の中心に置かれる。上層322の開口部316は、液体または他の媒体が試験のためにそれを通して検出層(図示せず)または検出サブアセンブリに移動することができる開口部となり得る。開口部316は、一般に検出層に重なっている。開口部316は、一般に長方形であるが、他の形状の開口部316が含まれてもよく、例えば、楕円、円、文字、記号、および顔文字が使用され得る。装置312の上層322は、上面の下側の領域を見ることを可能にする窓318も含み得る。窓318は、ボイド/開口部、アパーチャ、半透明固体であってもよく、光学特性、例えばレンズを備えていてもよい。図12Aでは、窓318が示されており、他の実施形態では、2つよりも多い開口部、例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれよりも多い開口部が含まれ得る。窓318は、試験完了時に使用者が窓318を通してインジケータ(図示せず)を目視できるように、検出層または検出サブアセンブリと整列され得る。一部の実施形態では、装置312は、アーチ形の形状を有し得る。
図13Aは、本発明の、ある実施形態における装置312の上層構成成分322を示している。上層構成成分322は、開口部316を含む。図13B、13C、および13Dは、上層構成成分322の異なる見方を示しており、図13Cは平面図である。開口部316は、液体または他の媒体が試験のためにそれを通して検出層(図示せず)に移動することができる開口部となり得る。開口部316は、一般に検出層に重なっている。図13では、開口部316は、長方形の形状であるが、他の形状の開口部316が上層61に含まれてもよい。一部の実施形態では、装置は、アーチ形の形状を有し得、装置312の中央におけるよりも、装置の端部でより薄くなり得る。
図14Aおよび14Bは、本発明の、ある実施形態における装置312の上層構成成分322の下側を示している。図14Aは透視図であり、図14Bは下側からの平面図を示している。上層322の下側は、装置312の他の層との相互接続を促進するように、くぼんだ領域を有して構成され得る。検出層(図示せず)が、上層322内に少なくとも部分的に入り込むことが可能になるように、チャネル/一連の溝414が設けられている。成型されたチャネル414は、検出層の形状と一致し、この実施形態では、チャネル414はT字型である。装置312の他の層からのスタッドと嵌合するように、アンチスタッド418が設けられている。この実施形態では、アンチスタッド418は、検出層についてチャネル414のいずれかの側に置かれる。アンチスタッド418の形状は、装置312の他の層のスタッドの形状に対応する。開口部316は、チャネル414の最も幅の広い部分の反対側の、上層の端部に示されている。
図15A、15B、15C、および15Dは、本発明の、ある実施形態における装置の底層構成成分342を示している。それぞれ、図15Bは側面図を示しており、図15Cは平面図を示しており、図15Dは、底層構成成分342の別の側面図を示している。図に示されるように、底層構成成分342は、装置の他の層との相互接続を促進するための、溝、スロット、切り欠き領域、およびチャネル415、ならびにスタッド416を含み得る。ある実施形態では、底層構成成分342の上面側の溝、スロット、切り欠き領域、およびチャネル415の部分は、上層構成成分322の下面側の溝、スロット、切り欠き領域、およびチャネル414の部分に対応する。同様に、底層構成成分342の上面側のアンチスタッド418の部分は、上層構成成分322の下面側のスタッド416の部分に対応する。一部の実施形態では、チャネル415は、装置312内で検出層の整列を促進し得る、せり上げ端部を有し得る。底層構成成分342の下面部分は、使用のための設置を促進するための接着剤と連結され得る。
図16は、本明細書に記載の装置の実施形態において使用され得る検出層を示している。図16Aは、検出層362を、液体を受けるのを促進するための吸収パッド364とともに示している。検出層362は、液体の移入を可能にするクロマトグラフィー膜366、およびサンプルパッド368も含む。サンプルパッド368の一部は、クロマトグラフィー膜366と重なっている。同様に、吸収パッド364の一部は、クロマトグラフィー膜366と重なっている。一部の実施形態では、吸収パッド364は、検出層にT字型の外観を付与するために、クロマトグラフィー膜366およびサンプルパッド368よりも幅が広い場合がある。図16Cに示されるように、検出層362は、裏材369を含み得る。図16Bは検出層362の平面図を示しており、図16Cは、図16Bの線B-Bに沿った、検出層362の横断面図を示している。
図17は、分解立体図での、底層構成成分342、検出層362、および上層構成成分322の下面の下面図を示している。一部の例では、検出層は、アッセイシステムであり得る。上層におけるチャネル414により、検出層362の整列および連結が可能になる。開口部316は、液体または他の媒体が試験のためにそれを通して検出層362に移動することができる開口部となり得る。
図18は、上層構成成分322、検出層362、底層構成成分342を含み、接着層382をさらに含む複数の層を含む装置312を示している。図18Aは、装置312の側面図を示している。図18Bは、層間の関係を示す、図18Aの線A-Aに沿った横断面図を示している。図18Cは、装置312の正面図を示している。外殻上部402、外殻底部406、およびテストストリップアセンブリ404が、図18Bに示されている。スタッド416およびアンチスタッド418の関係が、接続/嵌合された上層322および底層342に示されている。一部の実施形態では、装置312は、層が減少するにつれて、装置312の端部でより薄くなり得る。
図19は、分解立体関係における本発明の、ある実施形態における装置の上層構成成分322、検出層362、および底層構成成分342を示している。開口部316は、液体または他の媒体が試験のためにそれを通して検出層362に移動することができる開口部となり得る。開口部316は、一般に検出層362に重なっている。一部の実施形態では、装置は、アーチ形の形状を有し得る。
図20は、分解立体関係における本発明の、ある実施形態における装置の上層構成成分322、検出層362、および底層構成成分342を示している。一部の実施形態では、検出層362は、長方形の形状である。図に示されるように、底層構成成分342は、装置の他の層との相互接続およびアッセイの使用を促進するための、溝、スロット、切り欠き領域、およびチャネル415、ならびにスタッド416を含み得る。ある実施形態では、底層構成成分342の上面側の溝、スロット、切り欠き領域、およびチャネル415の部分は、上層構成成分322の下面側の溝、スロット、切り欠き領域、およびチャネル414の部分に対応する。底層構成成分342の下面部分は、使用のための設置を促進するための接着剤と通じ得る。
図21は、保護層412でカバーされた上層構成成分322を示している。保護層412は、透明であっても、不透明であってもよく、一部の場合には、上層構成成分322の色と一致し得る。この保護層は、装飾模様、記号、ロゴ、または他の図案を有してもよい。保護層412の形状は、上層322と実質的に同様であり、この実施形態におけるように、アーチ形であり得る。
図22は、カートリッジ422を受けるためのチャネル414を含有し得る、上層構成成分322を示している。一部の実施形態では、検出層362は、カートリッジ形態であり得る。ある実施形態では、上層構成成分322は再利用できるが、カートリッジ422は使い捨てである。テストカートリッジ422は、本明細書に記載の通りのテストストリップ404を含有し得る。
図23Aおよび23Bは、本明細書に記載の実施形態に従って使用され得る、別の装置を示している。図23Aは、上面透視図からの、上層61を有する装置60を示している。上層61は、本明細書に記載の上層の特徴を備え得る。一部の実施形態では、上層61は、装飾的な層であり得る。一部の実施形態では、任意選択の剥離可能層(図示せず)が、上層61の上側に接着されている場合がある。上層61は、窓62および2つの開口部63を含む。窓62は、長方形の形状であるが、他の形状の窓62が上層61に含まれてもよい。窓62は、試験完了時に使用者が窓62を通してインジケータ(図示せず)を目視できるように、検出層または検出サブアセンブリと整列され得る。上層の開口部63は、液体または他の媒体が試験のためにそれを通して検出層13または検出サブアセンブリに移動することができる開口部となり得る。開口部63は、一般に円形であるが、他の形状の開口部63が含まれてもよく、例えば、楕円、長方形、文字、記号、および顔文字が使用され得る。
図23Aでは、2つの開口部63が示されており、他の実施形態では、2つよりも多い開口部、例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれよりも多い開口部が含まれ得る。一部のそのような実施形態では、複数の開口部のサイズは、液体または他の媒体が試験のために検出層または検出サブアセンブリに移動するのを可能にするのに十分なサイズ、かつ開口部の美観への影響を最小にするサイズに調節され得る。図23Aおよび図23Bに示される実施形態では、検出サブアセンブリは示されていない。
図23Bは、使用者に近接する位置である装置の側である、底面透視図からの装置60を示している。装置60は、検出サブアセンブリ(図示せず)が、例えばチャネル64中に位置され得る、基板65を含む。基板65およびチャネル64の他の構成が、利用され得る。示されていないが、底層またはフィルムが、使用者に、例えば、使用者の爪上に位置され得る装置60に配置されてもよい。開口部63により、それを通して液体または他の媒体が、上層(すなわち、環境に曝される層)から検出層または検出サブアセンブリ、例えば、検出アセンブリのサンプルパッドに移動することができるチャネルが提供される。
図24Aおよび24Bは、本明細書に記載の実施形態に従って使用され得る、別の装置を示している。図24Aは、上面透視図からの、上層71を有する装置70を示している。装置は、第1の端部76および第2の端部77を有する。一部の実施形態では、使用者上に配置される場合、第1の端部76は、使用者の表皮に近接して位置され、第2の端部77は、使用者の表皮の遠位に位置される。上層71は、本明細書に記載の上層の特徴を含み得る。一部の実施形態では、上層71は、装飾的な層であり得る。一部の実施形態では、任意選択の剥離可能層(図示せず)が、上層71の上側に接着され得る。上層71は、窓72および開口部73を含む。図24Aおよび24Bに示される実施形態では、使用者の爪上に配置される場合、開口部73は、使用者の表皮に近接して第1の端部76に位置される。一部のそのような実施形態では、表皮の近くに位置されている開口部73により、試験するために装置への液体の流れが促進され得る。例えば、使用者が、その指を飲料中に置いた場合、装置70の第2の端部77は、第1の端部76の下に位置される。装置60が適用されている爪が飲料中に沈められると、液体が開口部73に進入し得る一方、検出サブアセンブリ内、例えばキャビティまたはチャネル中の気体が外に出ることも可能であり、検出サブアセンブリ中に閉じ込められない。
窓72は、長方形の形状であるが、他の形状の窓72が上層71に含まれてもよい。窓72は、試験完了時に使用者が窓72を通してインジケータ(図示せず)を目視できるように、検出層または検出サブアセンブリと整列され得る。上層の開口部73は、液体または他の媒体が試験のためにそれを通して検出層または検出サブアセンブリに移動することができる開口部となり得る。開口部73は、一般に円形であるが、他の形状の開口部73が含まれてもよく、例えば、楕円、長方形、文字、記号、および顔文字が使用され得る。
図24Aでは、単一の開口部73が示されており、他の実施形態では、1つよりも多い開口部、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれよりも多い開口部が含まれ得る。一部のそのような実施形態では、開口部のサイズは、液体または他の媒体が試験のために検出層または検出サブアセンブリに移動するのを可能にするのに十分なサイズ、かつ開口部の美観への影響を最小にするサイズに調節され得る。図24Aおよび図24Bに示される実施形態では、検出サブアセンブリは示されていない。
図24Bは、使用者に近接する位置である装置の側である、底面透視図からの装置70を示している。装置70は、検出サブアセンブリ(図示せず)が、例えばチャネル74中に位置され得る、基板75を含む。基板75およびチャネル74の他の構成が、利用され得る。示されていないが、底層またはフィルムが、使用者に、例えば、使用者の爪上に位置され得る装置70に配置されてもよい。開口部73により、それを通して液体または他の媒体が、上層(すなわち、環境に曝される層)から検出層または検出サブアセンブリ、例えば、検出アセンブリのサンプルパッドに移動することができるチャネルが提供される。
図25は、検出層の横断面図および検出層600を通る液体媒体の流れの全体的な方向を示している。液体は、開口部/サンプルポート602を通して検出層に進入する。液体は、開口部からサンプルパッド604へ、サンプルパッド604を通ってコンジュゲートパッド606へ、コンジュゲートパッド606を通ってクロマトグラフィー膜パッド608へ、クロマトグラフィー膜パッド608を通って吸収パッド610へ流れ、最終的に吸収パッド610内に拡散する。図25に示されるように、流路における後続パッドへの遷移は、コンジュゲートパッド606からクロマトグラフィー膜パッド608へ、およびクロマトグラフィー膜パッド608から吸収パッド610への流れなどのように、垂直的であり得る。
図25では、パッドの構成は、検出層の前または後続のパッドにおける流れと比較して、検出層の、ある部分において向流になっている流路ももたらし得る。例えば、吸収パッド/芯610における液体は、クロマトグラフィー膜パッド608における液体の流れの方向に対して向流に流れる。検出層のこの構成は、検出層の全長さを、検出層全体にわたって単一の流路を維持する従来の検出層よりも、実質的に短くすることを可能にし得る。この構成により、液体の全流路を短縮することなく、検出層の全長さを大幅に短縮することが可能になる。したがって、この構成により、液体の流路が、検出層の全長さよりも長い、検出層が達成され得る。一部の例では、流路の長さは、検出層の長さの2または3倍であり得る。任意選択の未処理パッド614は、未処理パッド614が完全に飽和されると、開口部602を通した逆流を大幅に低減し得る。
図26は、検出層の平面図および検出層600を通る液体の流れの方向を示している。液体は、検出層に進入し、サンプルパッド-コンジュゲートパッド616へ、サンプルパッド-コンジュゲートパッド616を通ってクロマトグラフィー膜パッド608へ、クロマトグラフィー膜パッド608を通って吸収パッド610へ流れ、最終的に吸収パッド610に拡散する。図26に示されるように、流路は、吸収パッド610を通る流れなどのように、カーブし得る。吸収パッド610が実質的にU字型である場合、液体の流路は、吸収パッド610のU字型に実質的に一致するようにカーブし得る。さらに、吸収パッド610を通る液体の流れの方向は、クロマトグラフィー膜パッド608を通る液体の流れの方向に対して向流であり得る。図26では、クロマトグラフィー膜パッド608からの液体の流れは、吸収パッド610に遷移するとき、吸収パッドの近位端618に流れる液体の部分と、吸収パッドの遠位端620に流れる液体の部分とに分割する。
図27は、装置601の一部を切り抜いた透視図および装置601を通る液体の流れの方向を示している。液体は、開口部(図示せず)を通して検出層600に進入する。液体は、サンプルパッド-コンジュゲートパッド616へ下向きに、サンプルパッド-コンジュゲートパッド616を通ってクロマトグラフィー膜パッド608へ上向きに、クロマトグラフィー膜パッド608を通って吸収パッド610へ下向きに流れ、吸収パッド610を通して拡散する。図27では、流路は、吸収パッド610においてみられるように、カーブし得る。吸収パッド610が実質的にU字型である場合、液体の流路は、吸収パッドのU字型に実質的に一致するようにカーブし得る。さらに、吸収パッド610中の液体の流れの方向は、クロマトグラフィー膜パッド608中の液体の流れの方向に対して向流であり得る。一部の場合には、吸収パッド610における液体の流れは、クロマトグラフィー膜パッド608における液体の流れと実質的に平行であり得る。
図28は、本明細書に記載の一実施形態による装置100の分解立体横断面図を示している。装置100は、サンプルパッド110、コンジュゲートパッド120、検出層130、および吸収パッドまたは芯160を含む。サンプルパッド110は、コンジュゲートパッド120の第1の部分122に隣接し、したがって、使用時、液体はサンプルパッド110からコンジュゲートパッド120に吸収される。コンジュゲートパッドの第2の部分124は、クロマトグラフィー膜130の近位端132でクロマトグラフィー膜130に隣接し、したがって、使用時、液体は近位端132でクロマトグラフィー膜に吸収され、クロマトグラフィー膜を通ってクロマトグラフィー膜130の遠位端134に向かって動く。近位および遠位端間で、クロマトグラフィー膜は、分析物-コンジュゲートタンパク質が付着する少なくとも1つのテストライン140、および抗種抗体が付着する少なくとも1つのコントロールライン150を含む。装置は、クロマトグラフィー膜130に隣接する吸収パッドまたは芯160も含み、したがって、使用時、液体は、クロマトグラフィー膜130から芯に吸収される。一部の実施形態では、複数の標的物質について試験するために、複数のテストラインが存在し得る。任意選択で、装置は、透明なカバー層170を有し得る。
装置の設計は、図面中に記載された設計に限定されない。システムは、当技術分野で公知の任意の技術によって製造され得る。
他の実施形態では、装置を製造する方法が、本明細書において記載される。一部の実施形態では、装置を製造する方法は、標的物質の存在を検出するように構成された検出層を用意すること、検出層の上面に上層を連結すること、および検出層の底面に底層を連結することを含む。一部の実施形態では、製造する方法は、上層に取り外し可能な層を連結することも含む。一部の実施形態では、上層への取り外し可能な層の連結の強度は、検出層への上層の連結の強度よりも弱い場合がある。
図11に関して、標的物質の存在を検出するための装置500を製造する方法は、切断、形成、および吸収パッド/芯504を第1のカセット構造506の下側に置くことによって、検出層502を調製することを含む。紫外線照射硬化性接着剤が、吸収パッド504を取り囲む第1のカセット506の表面に適用される。検出層502は、第2のカセット508をUV接着剤上に置くことによって、底層でカバーされる。第2のカセット508は、UV照射によって第1のカセット構造506に連結される。硬化すると、吸収パッド504は、第1のカセット構造506および第2のカセット構造508に連結される。検出層502の調製は、テストストリップ510を上層512の下側に接着し、第1のカセット506の上側に設計されたキャビティ514内に、取り付けられたテストストリップ510とともに上層512を置くことによって継続する。接着ストリップ516は、装置500を所望の使用場所に接着するために付加され得る。
装置を製造するための方法は、マーカー組成物を付与することをさらに含み得る。任意選択で、装置を製造するための方法は、マトリックスの1つを超える場所にマーカー組成物を付与することを含み得る。例えば、マーカー組成物は、マトリックスの2つの場所、マトリックスの3つの場所、マトリックスの4つの場所、マトリックスの5つの場所、マトリックスの6つの場所、マトリックスの7つの場所、マトリックスの8つの場所、マトリックスの9つの場所、またはマトリックスの10の場所に付与され得る。
マトリックスを製造する方法はさらに、マーカー組成物をマトリックス上で乾燥することを含み得る。任意選択で、乾燥ステップの湿度条件は、30%から70%の間の相対湿度(例えば、40%から50%の間の相対湿度)であり得る。マーカー組成物は、組成物を室温で乾燥させることによってマトリックス上で乾燥され得る。任意選択で、組成物は、組成物を高温に加熱することによってマトリックス上で乾燥され得る。マトリックスを乾燥するための温度は、約30℃から約100℃(例えば、約40℃から約90℃、約50℃から約80℃、または約60℃から約70℃)であり得る。例えば、マトリックスを乾燥するための温度は、約90℃以下、80℃以下、70℃以下、60℃以下、50℃以下、40℃以下、または30℃以下であり得る。
組成物は、5秒から数時間の範囲の期間、マトリックス上で乾燥され得る。例えば、組成物は、5秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、または5時間の期間、マトリックス上で乾燥され得る。
なおさらなる実施形態において、標的物質を検出するために装置を使用する方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、使用する方法は、本明細書に記載の装置を用意すること、装置の一部を媒体に曝すこと、および標的物質の有無を判定するために指示を観察することを含む。いくつかの実施形態において、使用する方法は、検出層の少なくとも一部を曝すために、装置から取り外し可能な層を取り外すことを含む。いくつかの実施形態において、使用する方法は、視覚指示を観察することを含む。いくつかの実施形態において、使用する方法は、装置を液体媒体に曝すことを含む。いくつかの実施形態において、使用する方法は、ビール、シードル、栄養飲料、フレーバー飲料、フルーツ飲料、リカーまたは他のアルコール飲料、乳、乳含有飲料、ソーダ、スポーツ飲料、野菜飲料、水、ワイン、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む媒体に曝され得る。いくつかの実施形態において、媒体は、非消費液体(例えば、血液、非飲料水、有機溶媒、飲料水、血清、処理廃水、未処理廃水、尿、嘔吐物、汗、涙、糞便、生殖液、他の体分泌物、またはそれらの組合せ)のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態において、媒体は、溶液、懸濁液、またはエマルションのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態において、媒体は、その中に浮いた固体粒子、固体材料、または氷のうちの少なくとも1つを含有し得る。いくつかの実施形態において、標的物質は、違法薬物、アミン含有化合物、ベンゾジアゼピン、分析物、麻薬、アルコール、デートレイプ薬のいずれか1つを含み得る。
いくつかの実施形態において、標的物質の存在を検出するための多層検出システムが本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、多層検出システムは、標的物質の存在に関して媒体を試験する検出手段;その内部を媒体が検出手段まで進む進入手段;少なくとも1つの外面;および標的物質が媒体中に存在するかを示すシグナルを表示するための少なくとも1つの表示領域を含み得る。
いくつかの実施形態において、検出手段は、標的物質の存在を検出し、あるいはシグナルで伝える、機械部品および/または化学部品のアセンブリを指し得る。検出手段および検出層の例は、この詳細な説明全体を通じて記載される。進入手段は、媒体の試験を開始するために、検出手段まで媒体を通す、または進ませることを可能にし得る少なくとも1つの外面内の領域を指し得る。進入手段の例は、少なくとも1つの外面のボイド、穴、穿孔領域、およびこの発明を実施するための形態を通じて記載される他の進入手段を含む。少なくとも1つの外面は、システムを取り囲む環境に曝され得る表面を指し得、例えば、表面は、人体から外向きに、または人体に向かって面し得る。少なくとも1つの外面の例は、この発明を実施するための形態を通じて記載される上層、底層、および取り外し可能な層を含む。表示領域は、目に見えるシグナルが表示され得る領域を指し得る。表示領域の例は、この発明を実施するための形態を通じて記載される透明領域または少なくとも1つの外面、窓もしくは開口部および他の表示領域を含む。
いくつかの実施形態において、多層検出システムはさらに、進入手段の少なくとも一部を覆う作動手段を含み得る。作動手段は、媒体への進入手段の意図しない曝露を防止し得、媒体の不慮の試験もしくは意図しない試験を防止し得、またはそうでなければ検出手段を損傷から保護し得る保護層を提供し得る。
多層検出システムのいくつかの実施形態において、マトリックスは検出層内にあり得る。検出層は、第1のインジケータおよび第2のインジケータを含み得、第2のインジケータは、標的物質の存在をシグナルで伝える。任意選択で、第1のインジケータおよび第2のインジケータは、第1のインジケータおよび第2のインジケータの両方が指示を示すと、合わせた指示が使用者に通知を提供するように、相補的である。第1のインジケータは、例えば、コントロールであり得る。コントロールは、検出手段が媒体に十分に曝されたことを示し得る。第1のインジケータは、語、記号、または字のうちの少なくとも1つのある部分をシグナルで伝え得、第2のインジケータは、語、記号、または字のうちの少なくとも1つの別の部分をシグナルで伝える。任意選択で、第1のインジケータのシグナルは、標的物質の存在を使用者にシグナルで伝えるのみであり、第1のインジケータおよび第2のインジケータの両方を合わせたシグナルは、標的物質の不在を使用者にシグナルで伝える。
いくつかの実施形態において、検出手段はシグナルを表示し得る。いくつかの態様において、検出手段は、検出手段の少なくとも一部が目に見えてシフトするとシグナルを表示する。場合によっては、シグナルは変色を含み得る。いくつかの態様において、シグナルは、この発明を実施するための形態を通じて記載されるインジケータを含み得る。いくつかの実施形態において、表示領域を通してシグナルが目に見え得るように、表示領域は、シグナルを表示する検出手段の一部と揃い得る。
いくつかの態様において、多層検出システムは、人体の上、例えば、爪の上に配置され得、またはパッチとして使用者の皮膚の上に配置され得る。システムは、接着剤を利用して、ヒトの上に配置され得る。いくつかの実施形態において、システムは弓状形状を有し得る。いくつかの実施形態において、多層検出システムの少なくとも1つの外面は、ヒトの付け爪の形態に成形された剛性材料であり得る。他の実施形態において、多層検出システムの少なくとも1つの外面は、ヒトのネイルデカールの形態の柔軟材料であり得る。さらに他の実施形態において、多層検出システムの少なくとも1つの外面は、コーティングとして、例えば、マニキュアに似ている液体として塗布され得る。他の実施形態において、多層検出システムの少なくとも1つの外面は、カップ、バーコースター、マドラー、爪楊枝、ドリンクの飾り、鉛筆、ペン、リング、ブレスレット、ネックレス、チャーム、および紐の形態であり得る。
いくつかの実施形態において、多層検出システムは、多層検出システムが所期の結果を達成するように機能しなくなるほど多層検出システムを損傷するであろう外力による構造変化に耐える十分な構造強度を有する。いくつかの実施形態において、多層検出システムは、圧縮力による損傷、湿気による損傷、液体による損傷、ならびに通常の摩耗および裂けを含む損傷から、収容された検出層を保護し得る。いくつかの実施形態において、多層検出システムは、検出層への影響を最小限に抑えて液体サンプル中に完全に浸漬可能であり得る。いくつかの実施形態において、多層検出システムは、検出層に影響せずに液体サンプル中に完全に浸漬可能であり得る。場合によっては、多層検出システムは、システムが完全に浸漬されたときに液体の同伴を防止する境界を有し得る。発明を実施するための形態で論じた通り、いくつかの実施形態において、多層検出システムは、標的物質の存在を検出するシステムの能力に影響せずに最大2500ニュートンの垂直外力に耐え得る。いくつかの実施形態において、多層検出システムは、標的物質の存在を検出するシステムの能力に影響せずに60ニュートンを超える軸圧縮外力に耐え得る。多層検出システムの物理的特性は、上で詳述の通り、適したポリマー材料またはポリマー材料ブレンドの選択によって選択され得る。
いくつかの実施形態において、多層検出システムの検出手段は、標的物質の存在を検出する1回の使用に限られ得る。他の実施形態において、多層検出システムの検出手段は、標的物質の存在を検出する複数回の使用に用いられ得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの外面が複数の検出手段と共に使用され得る。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの外面が複数の検出手段と共に使用され得る。例えば、少なくとも1つの外面は、第1の検出手段から取り外されて、第2の検出手段に付与され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置およびシステムはラテラルフローアッセイを含み得る。他のアッセイが本明細書に記載の装置と共に使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置およびシステムは、比色アッセイ、電気化学アッセイ、蛍光アッセイ、放射標識アッセイ、磁気アッセイ、ラテラルフローイムノアッセイまたは同種のもののうちの1つまたは複数を含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置およびシステムは、標的物質に曝されてから10秒未満で、他の実施形態において、5秒未満で、さらに他の実施形態において、3秒未満で、なおさらなる実施形態において、約1秒未満で標的物質の存在を検出し得る。
いくつかの実施形態において、標的物質に関して試験される液体に曝されてから、本明細書に記載の装置およびシステムは約5分未満で、他の実施形態において、約1分未満で、さらに他の実施形態において、約30秒未満で、なおさらなる実施形態において、約10秒未満で使用者に結果を提供し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置およびシステムは、装置が検出し得る標的物質の最低濃度によって特徴付けられ得る。例えば、ケタミンの標的物質については、装置は、ケタミンが、約5mg/mL未満、他の実施形態において、約1mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約0.5mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約0.1mg/mL未満の濃度で存在し得るとき、液体中に存在するケタミンを検出するように構成され得る。別の例として、ベンゾジアゼピンの標的物質については、装置は、ベンゾジアゼピンが、約5mg/mL未満、他の実施形態において、約1mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約0.5mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約0.05mg/mL未満、なおさらなる実施形態において、約0.005mg/mL未満の濃度で存在し得るとき、液体中に存在するベンゾジアゼピンを検出するように構成され得る。別の例として、GHBの標的物質については、装置は、GHBが、約100mg/mL未満、他の実施形態において、約50mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約25mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約10mg/mL未満の濃度で存在し得るとき、液体中に存在するGHBを検出するように構成され得る。別の例として、MDMAの標的物質については、装置は、MDMAが、約20mg/mL未満、他の実施形態において、約10mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約5mg/mL未満、さらに他の実施形態において、約1mg/mL未満、なおさらなる実施形態において、約0.5mg/mL未満の濃度で存在し得るとき、液体中に存在するMDMAを検出するように構成され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置およびシステムは、約1年に及ぶ貯蔵寿命を有し得、他の実施形態において、約60日、さらに他の実施形態において、約30日、なおさらなる実施形態において、約15日に及ぶ貯蔵寿命を有し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置およびシステムは、約50%に及ぶ市販のビール、ワイン、リカー、または他のアルコール飲料中で、他の実施形態において、約75%に及ぶ市販のビール、ワイン、リカー、または他のアルコール飲料中で、さらに別の実施形態において、約90%に及ぶ市販のビール、ワイン、リカー、または他のアルコール飲料中で、なおさらなる実施形態において、約99%に及ぶ市販のビール、ワイン、リカー、または他のアルコール飲料中で標的物質の存在を検出することができる。
本明細書に記載の装置のいくつかの実施形態は、他の検出デバイスと比べて低コストのデバイスを提供し得る。装置は、例えば、使用者の指の上に装置を配置することによって使用者が問題の物質を試験するための別個のデバイスを提供し得、使用者は、彼または彼女の場所を離れることなく、人目に付く状況でも単に爪を装置と共に液体に短時間挿入して液体を試験し得る。装置は、指示およびフィードバックを個別な様式で比較的短時間で使用者に提供し得る。本明細書に記載の装置は、結果を調べる訓練を受けた分析者を必要とせず、その代わりに、訓練を受けていない使用者または酔った使用者が装置を見て、標的物質が存在する可能性があるのか、ないのか判定できる。例えば、装置は、分析がより煩雑に、または紛らわしくなり得る定量的な測定ではなく、標的物質がないという定性的な指示を使用者に提供し得る。
いくつかの実施形態において、装置は、明確な結果を使用者に提供し得る。例えば、変色または他の指示が肯定的に示される場合、薬物は存在しない。そのような実施形態は、安全な液体の確定的な指示として使用者により大きな信頼を提供し得る。標的物質が薬物である実施形態において、薬物が存在しないことを変色によって表す指示機構は、液体の安全性に対するより大きな信頼を使用者に与え得るため、偽陽性試験を信頼する可能性を最小限にする。
この方法は、マーカーの移動を頼りにし得、マーカーの変色を頼りにし得ないため、いくつかの実施形態における方法は、色盲であり得る個体、または照明が不十分な環境にいる個体にとって有用であり得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法、システム、および装置は、例えば、本明細書に特定した標的物質のうちの1つを摂取した可能性のある人の血液、尿、嘔吐物、またはカップの中の標的物質の存在を速やかに特定して、警察官または法医学専門家の役に立つであろう法医学的予備分析を提供し得る。有利なことに、本明細書に記載の方法および装置は、液体中の違法薬物、または物質中のある種のタンパク質およびアレルゲンなどの標的物質のリアルタイム判定を可能にする。いくつかの実施形態において、試験される液体は、液体中に天然に存在し得る他の標的物質を含み得る。
いくつかの実施形態において、装置は小型ラテラルフローアッセイを含む。本明細書に記載の本発明は、ラテラルフローアッセイ技術の小型化に関連する大きな障害を克服する。例えば、小型化は、クロマトグラフィー膜にわたる液体の流速の望ましくない増加につながり得る。小型化によってもたらされる問題に加えて、一部の標的液体(例えば、飲料)は、酸性成分、高エタノール濃度、高糖濃度、および/または正確な試験結果に支障をきたし得る他の成分を含む。
ラテラルフローアッセイの小型化の別の利益は、原料使用量の低減、より多くのアッセイを輸送容器に梱包できる能力、単一の装置内のマルチプレックス化されるアッセイの数が増加すること、サンプル量を大幅に低減すること、およびより短い流動距離により迅速に試験結果を提供することを含む。
ラテラルフローアッセイの小型化の特定の利点は、試験結果の適時性である。例えば、80mm長のクロマトグラフィー膜を有する従来のラテラルフローアッセイは、試験結果の表示に最短5分必要である。対照的に、本明細書に記載の小型アッセイのいくつかの実施形態は、はるかに速く試験結果を表示する。例えば、本明細書に記載の残留緩衝液配合物を含む12mmの検出層は、試験結果の表示にわずか約30秒を必要とする。小型ラテラルフローアッセイの別の利点は、試験流体の体積の低減である。いくつかの例では、従来の80mmのラテラルフローアッセイにおける80μLと比べて、15μL以下のサンプル体積が本明細書に記載の装置には必要である。いくつかの実施形態において、サンプル体積は、40μL未満、30μL未満、20μL未満、10μL未満、または5μL未満である。いくつかの実施形態において、試験結果は、1分未満、30秒未満、15秒未満、10秒未満、または5秒未満で表示される。
本明細書に記載の装置および方法は、小型化に関連する課題ならびに飲料および他の混合物への曝露に関連する課題を克服する。いくつかの実施形態において、検出層および方法は、クロマトグラフィー膜を変更し、かつ/または液体の粘度を変更することによって液体流速を抑える。いくつかの実施形態では、検出層を調製するために緩衝溶液が使用され得、これがクロマトグラフィー膜パッド上の所望の位置に残留緩衝液成分を残し、従って使用の際には、緩衝液成分が再構成されて試験液体中の酸性成分を中和し、デバイスを通じた試験液体の進行を遅らせ、あるいは他の理由で試験方法を促進させる。いくつかの実施形態において、緩衝液または緩衝溶液は、サンプル領域、コンジュゲート領域、および/またはクロマトグラフィー膜などの検出層の様々な成分を処理するためにカスタマイズされ得る。
いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、少なくとも2センチポアズ(cP)の粘度を備え得る。いくつかの実施形態において、緩衝液または緩衝液添加剤は、分析されている液体の粘度を増加させ、それによって、クロマトグラフィー膜をわたる液体の流速を調整する。いくつかのそのような実施形態において、検出層上の残留緩衝液成分が試験液体によって再構成されると、再構成された緩衝溶液は、試験液体の粘度を増加させ、液体の流速を減速させる。
いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、試薬の調製または検出層への試薬の付与において利用され得る。いくつかの実施形態において、溶液または残留緩衝液組成物は、分析物を含有し得る液体に試験を適合させ得る。いくつかの実施形態において、特有の緩衝液成分は、液体中に見られる酸(乳酸、リンゴ酸、またはクエン酸などのアルファ-ヒドロキシ酸を含む。)などの適合しない物質を分解、結合、または排除し得る。いくつかの例では、緩衝液添加剤は、緩衝溶液中でまたはそれ自体で、検出層の成分に導入され得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液が付与された後、緩衝液液体は蒸発し得る。この場合、残留緩衝液組成物は、緩衝溶液に曝された検出層の領域上に残される。
サンプルパッドまたは領域は、いくつかの実施形態において、試験液体に曝される検出層の部品または部分である。いくつかの実施形態において、液体が酸性飲料であるとき、サンプルパッド緩衝液は試験液体を中和し得る。いくつかの実施形態において、サンプルパッド緩衝液は弱酸の塩を含み得る。いくつかの実施形態において、小型サンプルパッドでも飲料を十分に中和するために、サンプルパッド緩衝液は濃縮され得る。
いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッドは、コンジュゲートパッド緩衝液で前処理され得る。いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッドは、4mm×4mmなど、非常に小さくなり得るため、コンジュゲートパッド緩衝液はかなり濃縮され得る。いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド緩衝液は、普通なら試験結果に支障をきたし得る、液体中に見られる化合物を中和し得る。いくつかの例では、コンジュゲートパッド緩衝液は、有機ポリオールおよび/またはアミン、多価電解質ポリマー、界面活性剤、ならびにそれらの組合せを含み得る。さらに、いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド緩衝液は、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートと適合するように配合され、言い換えれば、コンジュゲートパッド緩衝液は抗分析物抗体-粒子コンジュゲートを変性させない。
いくつかの実施形態において、検出層は、不活性な基板の表面の上に位置する。いくつかの例では、クロマトグラフィー膜は、クロマトグラフィー膜緩衝剤で前処理され得る。クロマトグラフィー膜緩衝剤は、タンパク質、二塩基性リン酸ナトリウム、多価電解質ポリマー、サッカライド、またはそれらの組合せを含み得る。いくつかの例では、クロマトグラフィー膜は7から8の範囲のpHに緩衝され得る。
いくつかの実施形態において、サンプル領域は、第1の残留緩衝液組成物を含む。第1の残留緩衝液組成物は、弱酸のカリウム塩および少なくとも1つの界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態において、コンジュゲート領域は、第2の残留緩衝液組成物を含む。第2の残留緩衝液組成物は、Goodの緩衝塩ならびにタンパク質、オリゴマー、ポリマー、および界面活性剤のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜パッドは、第3の残留緩衝液組成物を含む。第3の残留緩衝液組成物は、リン酸塩ならびにサッカライド、タンパク質、オリゴマー、およびポリマーのうちの1つまたは複数を含み得る。
いくつかの実施形態において、液体中の分析物を検出する方法は、本明細書に記載の検出層を用意すること;検出層の一部を液体に曝すこと;および分析物の有無を判定するために視覚指示を観察することを含む。
いくつかの実施形態において、液体中の分析物の存在を検出するための検出層を製造する方法は、(1)(a)少なくとも1つの抗分析物抗体-粒子コンジュゲートまたは抗分析物アプタマー-粒子コンジュゲートを含むコンジュゲート領域を含むコンジュゲートパッド、(b)分析物-コンジュゲートタンパク質を含むクロマトグラフィー膜、または(c)分離したサンプルパッドまたはコンジュゲート領域から分離したコンジュゲートパッドの一部である、液体を受け入れるためのサンプル領域のうちの少なくとも1つに緩衝溶液を付与すること;(2)緩衝溶液を乾燥すること;および(3)サンプル領域が、コンジュゲート領域のある部分と接触し、コンジュゲート領域の別の部分が、クロマトグラフィー膜パッドの近位端と接触し、芯が、クロマトグラフィー膜パッドの遠位端と接触するように、コンジュゲートパッド、クロマトグラフィー膜パッド、サンプル領域および芯を組み立てることを含む。
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬が検出され得る。ベンゾジアゼピン、または「ベンゾ」は、以下の式に示す通り、ジアゼピン環に縮合されたベンゼン環を含有する化学構造を有する薬物の1クラスである。ベンゾジアゼピンは鎮静作用を有するため、被害者の能力を奪うために犯罪者によって使用される。
検出され得るベンゾジアゼピンは、アジナゾラム、アルプラゾラム、ベンタゼパム、ブレタゼニル、ブロマゼパム、ブロチゾラム、カマゼパム、クロルジアゼポキシド、シナゼパム、シノラゼパム、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼペート、クロチアゼパム、ジアゼパム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、およびチエルナルプラゾラムを含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の検出層および方法によって他の薬物が検出され得る。例えば、エストロゲン、ゲスターゲン、アンドロゲン、副腎皮質ステロイド、胆汁酸などのステロイド、ジゴキシンとジゴキシゲニン、サポニンとサポゲニンなどの強心配糖体とアグリコン、それらの誘導体および代謝産物が検出され得る。フェノバルビタールなどのバルビツレートが検出され得る。アンフェタミン;エフェドリン、L-ドーパ、エピネフリン、カルセン、パパベリンなどのカテコールアミン;およびそれらの代謝産物が検出され得る。モルヒネアルカロイドなどのアルカロイドが検出され得る。テオフィリン、カフェインなどのプリン、ならびにそれらの代謝産物および誘導体が検出され得る。カンナビノールおよびテトラヒドロカンナビノールなどのマリファナ誘導体が検出され得る。A、B(B12など)、C、D、E、K、葉酸およびチアミンなどのビタミンが検出され得る。ゾルピデム、エスゾピクロン、ラメルテオン、ザレプロン、ドキセピン、トリアゾラム、テマゼパム、およびアルプラゾラムなどの記憶を損なう薬物または鎮静薬が検出され得る。ペニシリン、クロロマイセチン、アクチノマイセチン、テトラサイクリン、テラマイシンなどの抗生物質、ならびにそれらの代謝産物および誘導体が検出され得る。加えて、抗ヒスタミン薬、メサドン、および他の薬物が検出され得る。
所望の標的物質が非液体中、例えば、固形食中にあると疑われる場合、標的物質の少なくとも一部を抽出するために適した溶媒が使用され得、その溶媒は、本明細書に記載の装置および方法を使用して試験される液体として機能し得る。同様に、任意の標的分析物を抽出するために固体を溶媒に接触させて溶媒を試験することにより、栄養補助食品、化粧品、または土壌が、重金属または望ましくない化学物質の存在に関して試験され得る。さらに、可溶な大気質汚染物質が試験のために抽出され得る。いくつかの例では、抽出には溶媒または水を用いる。
アッセイの性能を向上させるために、本明細書に記載の緩衝溶液が本明細書に記載のラテラルフローアッセイの部分に付与されてもよい。例えば、緩衝溶液は、そうでなければ分析に支障をきたすであろう成分を含有する液体に、本明細書に記載の試験検出層および方法を適合させ得る。緩衝溶液はまた、膜を通る液体の移動時間を遅らせて、任意の標的分析物と、対応する抗分析物抗体または分析物-コンジュゲートタンパク質との間の十分な反応時間を確保するために使用され得る。
本明細書に記載の緩衝溶液は、塩、酸、タンパク質、賦形剤、粘度調整剤、および/または界面活性剤を含む。本出願において、「緩衝液」、「緩衝溶液」、および「緩衝液配合物」は、少なくとも1つの緩衝化合物および水を含む溶液を表すために同義で使用され得る。任意選択で、緩衝溶液は、緩衝液添加剤をさらに含み得る。緩衝液添加剤は、必ずしも緩衝溶液の緩衝能に寄与しない化合物である(例えば、それらは緩衝溶液の酸-塩基化学に実質的に影響しない)。いくつかの実施形態において、緩衝化合物は、緩衝塩および任意選択で塩酸または水酸化ナトリウムなどの追加の酸または塩基を含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝液添加剤は、タンパク質、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)などの遮蔽剤(shielding agent);ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、もしくはオリゴマーまたはそれらのコポリマーなどの粘度改質ポリマー;サッカライド(例えば、デキストラン、トレハロース、マルトデキストロース)などの賦形剤または安定化剤;および非イオン性界面活性剤(例えば、polysorbate 20または80、Triton X-100、Triton X-305、またはPluronic F-68)などの界面活性剤を含む。
本明細書に記載の緩衝溶液において有用な緩衝塩は、弱酸および弱塩基を含む。緩衝塩は、何個のプロトンを緩衝塩が受け取ることができるかによって、一塩基性、二塩基性、三塩基性であり得、または、さらに高い塩基度を有し得る。例えば、一塩基性緩衝塩は1個のプロトンを受け取ることができて、二塩基性緩衝塩は2個のプロトンを受け取ることができる。同様に、本明細書に記載の緩衝溶液において有用な酸は、何個のプロトンを供与できるかによって、一塩基性、二塩基性、三塩基性などであり得る。
ホウ酸、炭酸、およびリン酸、ならびにそれらの対応するホウ酸塩、炭酸塩、およびリン酸塩などの従来の緩衝酸および緩衝塩基が、本明細書に記載の緩衝溶液において使用され得る。加えて、Norman Goodと同僚らによって記述されているGoodの緩衝塩、および生化学用途において一般に使用される同様の塩もまた使用され得る。本明細書に記載の緩衝溶液において有用な緩衝塩の非限定的な例は、リン酸モノナトリウム、リン酸二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸(CHES)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-4-アミノブタンスルホン酸(TABS)、ビス-トリスメタン(Bis TRIS)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、2-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]エタンスルホン酸(TES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N-(カルバモイルメチル)イミノ二酢酸(ADA)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、ビストリスプロパン、ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、3-モルホリノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、コラミン塩酸、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)タウリン(BES)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、4-(N-モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、3-[N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)、アセトアミドグリシン、トリエタノールアミン(TEA)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)水和物(HEPPSO)、3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸(HEPPS)、トリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トロメタモール(TRIZMA)、グリシンアミド、グリシルグリシン、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(4-ブタンスルホン酸)(HEPBS)、ビシン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、N-シクロヘキシル-2-ヒドロキシル-3-アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、4-(シクロヘキシルアミノ)-1-ブタンスルホン酸(CABS)、および4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)である。場合によっては有用な他の緩衝塩は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどのアミノ酸の塩である。さらに、緩衝塩は、カルニチン、ガンマ-アミノ酪酸、タウリンを含み得る。
以下の例には、いくつかの実施形態による緩衝化合物が開示されている。いくつかの例では、緩衝溶液は、TRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)および水を含む。緩衝溶液中のTRISの濃度は、最大0.3M、最大0.4M、最大0.5M、最大0.60M、最大0.7M、最大0.8M、または最大1.0Mであり得る。いくつかの実施形態において、TRIS濃度は約0.5Mである。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および検出層において有用な緩衝溶液は、二塩基性塩、一塩基性塩、および水を含む。いくつかの実施形態において、二塩基性塩および一塩基性塩は、一般的なアニオンを有する。例えば、一般的なアニオンはリン酸アニオンであり得るが、その他の任意の公知の二塩基性アニオンが使用され得る。カチオンは、カリウム、ナトリウム、またはカルシウムなどの任意の一価または二価のカチオンであり得る。いくつかの例では、緩衝溶液は、一塩基性リン酸ナトリウムおよび/または二塩基性リン酸ナトリウムを含む。
他の実施形態において、本明細書に記載の方法および検出層において有用な緩衝溶液は、1つもしくは複数のリン酸塩、1つもしくは複数の塩化物塩、またはそれらの組合せ、および水を含む。有用な塩化物塩の例は、塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウムを含む。任意選択で、1つまたは複数のリン酸塩は、リン酸二ナトリウムおよび/またはリン酸二水素カリウムを含む。任意選択で、リン酸緩衝溶液を調製するために使用される塩は水和物である。水和物は、例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、六水和物、または七水和物であり得る。いくつかの実施形態において、リン酸緩衝液を調製するために使用されるリン酸二ナトリウムは、リン酸二ナトリウム七水和物(Na2HPO4・7H2O)であり得る。リン酸塩は、緩衝液中に最大25mM、最大25mM、最大50mM、最大100mM、最大約200mM、約5から約15mL、約20から約25mM、約40から約60mM、または約80から約120mMの量で存在し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および検出層において有用な緩衝溶液は、ホウ酸塩および水を含む。任意選択で、ホウ酸塩は水和物である。上述の通り、水和物は、例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、六水和物、または七水和物であり得る。例えば、ホウ酸緩衝液を調製するために使用されるホウ酸塩は四ホウ酸塩七水和物(Na2B4O7・10H2O)であり得る。ホウ酸塩は、緩衝液中に最大25ミリモル、最大50mM、または最大100mMの量で存在し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および検出層において有用な緩衝溶液は、コハク酸塩およびクエン酸塩などの1つまたは複数のカルボン酸塩ならびに水を含む。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、炭酸カリウム(K2CO3)などの一価カチオンの炭酸塩、または炭酸カルシウム(CaCO3)などの二価カチオンの炭酸塩を含む。例えば、炭酸カリウムは、緩衝溶液中に最大500mM、最大750mM、最大1.0M、最大1.1M、最大1.2M、最大1.3M、最大1.4M、または最大1.5Mの量で存在し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の検出層および方法において有用な緩衝溶液は、任意の弱酸または塩基緩衝化合物に加えて、酸または塩基を含む。これらの追加の酸および塩基は、緩衝溶液の最終的なpHを調整するために使用され得る。いくつかの実施形態において、塩酸(HCl)または水酸化ナトリウム(NaOH)がそのような追加の酸または塩基として使用され得るが、他の酸または塩基も代わりに使用され得る。
以下の例には、いくつかの実施形態による緩衝液添加剤が開示されている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および検出層において有用な緩衝溶液は、1つまたは複数の遮蔽剤を含み得る。いくつかの実施形態において、遮蔽剤はタンパク質である。遮蔽剤の非限定的な例は、ゼラチン、カゼイン、およびウシ血清アルブミン(BSA)を含む。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液の重量に対して、1パーセント未満から10パーセント超の任意の量のBSAを含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、緩衝溶液の重量に対して、約0.1wt%、約0.2wt%、約0.5wt%、約1wt%、約3wt%、約5wt%、約8wt%、約10wt%、約12wt%、または約15wt%のBSAを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の検出層および方法において有用な緩衝溶液は、少なくとも1つの賦形剤(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の賦形剤)を含み得る。有用な賦形剤は、サッカライドおよびアミノ酸を含むが、これらに限定されない。有用なサッカライドは、例えば、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストロース、フルクトース、グルコース、マルトースおよびそれらの組合せ(これらに限定されない)などの単糖類および二糖類を含む。いくつかの例では、緩衝液には実質的に、スクロース以外のサッカライドがない(例えば、緩衝液には実質的に非スクロースポリオールがない)。非スクロースポリオールが実質的にないとは、緩衝液の重量に対して、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、0.0001%未満、または0%の非スクロースポリオールを含むことを意味する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の検出層および方法において有用な緩衝溶液は粘度調整剤を含む。適した粘度調整剤は、スクロースなどのサッカライド、およびポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、もしくはオリゴマーまたはそれらのコポリマーなどのポリマーを含むが、これらに限定されない。任意の分子量のポリマーまたはオリゴマーが使用され得る。ただし、ポリマーまたはオリゴマーは緩衝溶液に可溶であるものとする。いくつかの実施形態において、緩衝溶液の粘度を増加させるために、ポリ(ビニルピロリドン)-40(PVP-40)が使用される。いくつかの実施形態において、粘度調整剤は、緩衝溶液の総重量に対して、最大0.1wt%、最大0.2wt%、最大0.3wt%、最大0.4wt%、最大0.5wt%、最大0.6wt%、最大0.7wt%、最大0.8wt%、最大0.9wt%、最大1.0wt%、最大2.0wt%、最大3.0wt%、最大4.0wt%、または最大5.0wt%存在する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の検出層および方法において有用な緩衝溶液は、少なくとも1つの洗剤または界面活性剤を含む。洗剤および界面活性剤は、親水性部分と疎水性部分の両方を有する物質を指す。有用な界面活性剤は、イオン性および非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの例では、Triton X-35、Triton X-100、および/またはPluronic F-68が緩衝溶液中の非イオン性界面活性剤として任意選択で含まれる。1つまたは複数の界面活性剤が緩衝液中に、任意選択で緩衝液の重量に対して、1重量%未満の量で存在し得る。例えば、界面活性剤は、緩衝液中に最大3重量%、最大2重量%、最大1重量%、最大0.75重量%、最大0.5重量%、最大0.25重量%、最大0.1重量%、または最大0.05重量%(例えば、0.25重量%または0.5重量%)の量で存在し得る。
いくつかの実施形態において、界面活性剤は、脂肪族アルコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリエチレングリコールオクチル、グリセロールアルキルエステル、フェニルエーテル(Triton X-100など)、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(Brig 98など)、オクチルフェノールエトキシレート(Triton X-305など)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポリエトキシル化獣脂アミン、N,N-ビス[3-(D-グルコンアミド)プロピル]コラミド、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ジメチルデシルホスフィンオキシド、分岐鎖オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、t-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、アルキルポリグリコシド、ポリソルベート(Tweenなど)、もしくはポロキサマー(Synperonics、Pluronics、またはKolliphorなど)などの1つまたは複数の非イオン性界面活性剤であり得る。
いくつかの実施形態において、界面活性剤は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ドキュセート、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、またはステアリン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤であり得る。
いくつかの実施形態において、界面活性剤は、塩化ベヘントリモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド、オクテニジン二塩酸塩、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、ステアラルコニウムクロリド、またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのカチオン性界面活性剤であり得る。
いくつかの実施形態において、界面活性剤は、CHAPS洗剤、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、およびラウロアンホ酢酸ナトリウムなどの両性イオン性界面活性剤であり得る。他の非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性イオン性界面活性剤が使用され得るため、これらの界面活性剤の例は非限定的である。
本明細書に記載の緩衝溶液は、検出層の1つまたは複数の特定の領域を前処理して、検出層の1つまたは複数の所望の場所に緩衝化合物および緩衝液添加剤を付着させるために使用され得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、溶液または懸濁液として検出層の各部分に付与され、次いで、緩衝溶液中に存在する1つまたは複数の残留緩衝化合物を含む残留緩衝液成分および任意の残留緩衝液添加剤を残しながら、緩衝溶液の液体部分が(例えば、蒸発によって)除去される。残留緩衝液成分は、液体媒体(例えば、水)が除去された後に残る任意の緩衝液成分を含む。試験液体は、検出層を横切ると、付着した緩衝液成分および任意の残留緩衝液添加剤と接触してそれらを溶解し、緩衝溶液を本質的に再構成する。「再構成された」という用語は、試験液体中で形成された緩衝溶液が、検出層を前処理するために使用された緩衝溶液と同じ濃度を有すること、または溶液が同一であることを意味しない。再構成された緩衝溶液は、検出層を前処理するために使用された緩衝溶液と異なる濃度を有し得る。
例えば、試験結果に支障をきたし得る飲料成分を中和または抑制するために選択された緩衝化合物および緩衝液添加剤を付着させるために、第1の緩衝溶液がサンプルパッドに付与され得る。例えば、クロマトグラフィー膜を通るその移動を遅らせる目的で飲料または液体の粘度を増加させるために、別の緩衝溶液がクロマトグラフィー膜に付与され得る。いくつかの実施形態では、装置内で緩衝溶液の特定の組合せが使用され得、そこでは第1の緩衝溶液がサンプル領域に付与され、第2の緩衝溶液がクロマトグラフィー膜に付与され、かつ第1および第2の緩衝溶液が異なる。広範囲の試験液体にわたって装置および方法の性能を改善するために、緩衝溶液のそのような組合せが相乗的に使用され得る。
いくつかの実施形態において、広範囲のサンプルマトリックスにわたってアッセイの性能を改善するために、中和剤、緩衝剤、および界面活性剤の特定の組合せが相乗的に使用される。多様な組の試験液体にわたってアッセイ性能を改善するために、中和剤は、単独で、または緩衝剤と組み合わせて使用され得る。中和試薬は、Goodの緩衝塩などの従来の緩衝剤、およびサンプルが検出手段と出会う前にサンプルを処理する他の酸性または塩基性の成分を含み得る。中和試薬は、クエン酸ナトリウムなどのカルボン酸塩または炭酸カリウムからなり得る。緩衝試薬は、内部で機能するための検出手段にとって安定で一貫した環境を作り出し、イオン性または両性イオン性の緩衝塩からなり得る。単独では緩衝剤は、すべてのサンプルタイプの十分な中和をもたらさないかもしれない。中和剤のみでは酸性または塩基性になりすぎて検出手段と適合しない可能性がある。例えば、中和剤と緩衝剤の可能性のある1つの組合せは、それぞれ、指定範囲内の任意の中和剤と緩衝剤の濃度の組合せの炭酸カリウム(0.1から3M)とtris(0.1Mから3M)である。いくつかの実施形態において、中和剤の緩衝剤に対する比は2:1である。
中和剤は、コンジュゲートパッド内もしくは領域内に位置する緩衝剤から分離した、サンプルパッドまたは領域などのアッセイ部品内に位置し得る。場合によっては、中和剤は、K2CO3(0.1から3M)または他のカルボン酸塩である。場合によっては、緩衝剤は、Tris(0.1Mから3M)または他のGoodの緩衝剤である。K2CO3および抗体-金ナノ粒子コンジュゲートの場合と同様に、中和剤が抗体-粒子コンジュゲートと適合しないとき、コンジュゲートパッドからの中和剤の分離が特に重要である。中和剤は、同じアッセイ部品上だが検出手段とは別の領域内に付着し得る。場合によっては、中和剤は、K2CO3(0.1から3M)または他のカルボン酸塩である。場合によっては、緩衝剤は、Tris(0.1Mから3M)または他のGoodの緩衝剤である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の装置が広範囲の試験液体と適合することを確実にするために、非イオン性界面活性剤のある特定の組合せが特に有用である。これらの非イオン性界面活性剤は、単独で、または中和剤および緩衝剤と併せて使用され得る。いくつかの例では、各化合物について記載した範囲内の濃度の任意の組合せで、第1の非イオン性界面活性剤は、Pluronic F68(0.1%から2%)または他のポロキサマーであり、第2の非イオン性界面活性剤は、Triton X-100(0.1%から2%)または他のポリエチレンオキシドフェニルエーテルである。緩衝液配合物および残留緩衝液配合物は、各界面活性剤について記載した範囲内の濃度の任意の組合せの第1および第2の非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤は、コンジュゲートパッド内に位置し得る。非イオン性界面活性剤は、サンプルパッド内に位置し得る。1つの非イオン性界面活性剤は、サンプルパッド内に位置し得、1つの非イオン性界面活性剤は、コンジュゲートパッド内に位置し得る。
いくつかの実施形態において、中和剤、緩衝剤、および非イオン性界面活性剤の組合せはアッセイ性能を改善することが明らかになった。例えば、有用な組合せは、緩衝剤Tris(0.1Mから3M)、非イオン性界面活性剤Triton X-100(0.1から2%)、および第2の非イオン性界面活性剤Pluronic F68を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の緩衝溶液は、二塩基性塩および水を含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、一塩基性リン酸ナトリウムおよび二塩基性リン酸ナトリウムを含む。1つの具体的な例において、緩衝溶液は、5〜20グラム/リットルの量の一塩基性リン酸ナトリウムおよび540〜80グラム/リットルの量の二塩基性リン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、水は、分子生物学試薬グレードの水である。緩衝溶液は、0.7〜0.9リットルの水を容器に入れ、規定量の一塩基性塩および二塩基性塩を加え、次いで、水を1リットルまで加えることによって調製される。緩衝溶液のpHは、必要に応じてNaOHまたはHClを使用して所望のpHに調整され、緩衝溶液はミクロンフィルターを使用して濾過される。
いくつかの実施形態において、一塩基性塩は、11.4、11.2、11.0、10.8、10.6、10.4、10.2、10.0、9.8、9.6、9.4、または9.2 grams times the batch volumeで存在し得る。いくつかの実施形態において、二塩基性塩は、70、65、60、55、50、または45 grams times the batch volumeで存在し得る。一塩基性リン酸ナトリウムおよび二塩基性リン酸ナトリウム以外の塩が使用される場合、これらの量は、当業者に理解されるように調整され得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、もしくは7.8、またはこの範囲内の任意の数値のpHを有する。一塩基性リン酸ナトリウム/二塩基性リン酸ナトリウム緩衝溶液は、検出層への試薬の付与に有用である。具体的には、いくつかの実施形態において、一塩基性リン酸ナトリウム/二塩基性リン酸ナトリウム緩衝溶液は、保存されていた抗体を脱塩する溶出緩衝液として使用され得る。
本明細書に記載の緩衝溶液は、ホウ酸塩、ホウ酸、および水を含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、ホウ酸塩、ホウ酸、BSA、水、および任意選択で水酸化ナトリウムまたは塩酸を含み得る。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たり5〜20グラムの量の四ホウ酸ナトリウム十水和物および緩衝溶液1リットル当たり0.5〜2グラムの量のホウ酸を含む。いくつかの実施形態において、BSAは、緩衝溶液1リットル当たり5〜20グラムの量で存在する。いくつかの実施形態において、水は、分子生物学試薬グレードの水である。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、乾燥した試薬を測定して容器に入れ、最終体積まで水を加えることによって調製される。いくつかの実施形態において、緩衝溶液のpHは、必要に応じてNaOHまたはHClを使用して所望のpHに調整される。いくつかの例では、緩衝溶液は0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過される。
いくつかの実施形態において、四ホウ酸ナトリウム十水和物は、緩衝溶液1リットル当たり、16、14、12、11.8、11.6、11.4、11.2、11.0、10、9、もしくは8グラム、またはこの範囲内の任意の数値で存在し得る。実施形態において、ホウ酸は、緩衝溶液1リットル当たり、2.0、1.8、1.6、1.4、1.2、1.0、0.8、0.6、もしくは0.4グラム、またはこの範囲内の任意の数値で存在し得る。いくつかの例では、BSAは、緩衝溶液1リットル当たり、12、11、10、9、または8グラムで存在し得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、9.5、9.4、9.3、9.2、9.1、9.0、8.9、8.8、8.7、8.6、もしくは8.5、またはこの範囲内の任意の数値のpHを有する。このホウ酸緩衝溶液は、検出層への試薬の付与に有用である。具体的には、いくつかの実施形態において、このホウ酸緩衝溶液は、抗体-粒子コンジュゲートの調製においてコンジュゲーションブロッキング緩衝液(conjugation blocking buffer)として使用され得る。
本明細書に記載の緩衝溶液は、ホウ酸塩、ホウ酸、および水を含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、ホウ酸塩、ホウ酸、BSA、水、および任意選択で水酸化ナトリウムまたは塩酸を含み得る。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たり5〜20グラムの量の四ホウ酸ナトリウム十水和物および緩衝溶液1リットル当たり0.5〜20グラムの量のホウ酸を含む。いくつかの実施形態において、BSAは、緩衝溶液1リットル当たり50〜200グラムの量加えられる。いくつかの実施形態において、水は、分子生物学試薬グレードの水である。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、乾燥した試薬を測定して容器に入れ、最終体積まで水を加えることによって調製される。いくつかの実施形態において、緩衝溶液のpHは、必要に応じてNaOHまたはHClを使用して所望のpHに調整される。いくつかの例では、緩衝溶液は0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過される。
BSAの異なる濃度を含む他のホウ酸緩衝液もまた有用であり得る。他の実施形態において、四ホウ酸ナトリウム十水和物は、緩衝溶液1リットル当たり、16、14、12、11.8、11.6、11.4、11.2、11.0、10、9、または8グラムで存在し得る。いくつかの他の実施形態において、ホウ酸は、緩衝溶液1リットル当たり、2.0、1.8、1.6、1.4、1.2、1.0、0.8、0.6、もしくは0.4グラム、またはこの範囲内の任意の数値で存在し得る。いくつかの他の例において、BSAは、緩衝溶液1リットル当たり、120、110、100、90、または80グラムで存在し得る。いくつかの他の実施形態において、緩衝溶液は、9.5、9.4、9.3、9.2、9.1、9.0、8.9、8.8、8.7、8.6、もしくは8.5、またはこの範囲内の任意の数値のpHを有する。このその他のホウ酸緩衝溶液は、検出層への試薬の付与に有用である。具体的には、いくつかの実施形態において、この緩衝溶液は、検出層への抗体-粒子コンジュゲートの付与においてコンジュゲート希釈緩衝液として使用され得る。
本明細書に記載の緩衝溶液は、二塩基性塩および水を含み得る。いくつかの実施形態において、有用な緩衝溶液は、一塩基性リン酸ナトリウムおよび二塩基性リン酸ナトリウム;サッカライド、タンパク質、および粘度調整剤のうちの1つまたは複数;スクロース、BSA、およびポリ(ビニルピロリドン)-40(PVP-40)のうちの1つまたは複数;および任意選択で水酸化ナトリウムまたは塩酸を含む。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たり0.1〜0.5グラムの量の一塩基性リン酸ナトリウム、および緩衝溶液1リットル当たり0.5〜3グラムの量の二塩基性リン酸ナトリウムを含む。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たりスクロース0.5〜2g、緩衝溶液1リットル当たりBSA 0.5〜2g、および緩衝溶液1リットル当たりPVP-40 1〜5gをさらに含む。いくつかの実施形態において、水は、分子生物学試薬グレードの水である。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、規定量の一塩基性塩および二塩基性塩を加え、スクロース、BSA、およびPVP-40を加え、次いで、最終体積まで水を加えることによって調製される。いくつかの実施形態において、緩衝溶液のpHは、必要に応じてNaOHまたはHClを使用して所望のpHに調整される。いくつかの例では、緩衝溶液は0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過される。
いくつかの実施形態において、一塩基性塩は、緩衝溶液1リットル当たり、0.3、0.2、または0.1グラムで存在し得る。いくつかの実施形態において、二塩基性塩は、緩衝溶液1リットル当たり、2、1.8、1.6、1.4、1.2、0.8、0.6、または0.5グラムで存在し得る。一塩基性リン酸ナトリウムおよび二塩基性リン酸ナトリウム以外の塩が使用される場合、これらの量は、当業者に理解されるように調整され得る。スクロースは、緩衝溶液1リットル当たり、2、1、または0.5グラムで存在し得る。BSAは、緩衝溶液1リットル当たり、2、1、または0.5グラムで存在し得る。PVP-40は、緩衝溶液1リットル当たり、4、2、または1グラムで存在し得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、もしくは7.8、またはこの範囲内の任意の数値のpHを有する。この緩衝溶液は、検出層内の液体の流れを遅らせるのに有用である。具体的には、いくつかの実施形態において、この緩衝溶液は、検出層内のクロマトグラフィー膜用の前処理緩衝溶液として使用され得る。
本明細書に記載の緩衝溶液は、Goodの緩衝塩および水を含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、Goodの緩衝塩、タンパク質、粘度調整剤、任意選択で1つまたは複数の界面活性剤、および任意選択で1つまたは複数の別の酸もしくは塩基を含む。いくつかの例では、緩衝溶液はTRISを含む。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、TRIS、BSA、PVP-40、任意選択でTriton X-100およびPluronic F-68のうちの1つまたは複数、任意選択で水酸化ナトリウムまたは塩酸を含む。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たり50〜200グラムの量のTRISを含む。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たりBSA 20〜40g、および緩衝溶液1リットル当たりPVP-40 5〜20gをさらに含む。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たりTriton X-100 1〜5gおよび緩衝溶液1リットル当たりPluronic F-68 2〜10gをさらに含む。いくつかの実施形態において、水は、分子生物学試薬グレードの水である。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、規定量のTRISを加え、BSA、およびPVP-40、Triton X-100およびPluronic F-68を加え、次いで、最終体積まで水を加えることによって調製される。いくつかの実施形態において、緩衝溶液のpHは、必要に応じてNaOHまたはHClを使用して所望のpHに調整される。いくつかの例では、緩衝溶液は0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過される。
いくつかの実施形態において、TRISは、緩衝溶液1リットル当たり、約150、140、130、120、115、110、100、90、または80グラムで存在し得る。BSAは、緩衝溶液1リットル当たり、40、35、32、30、28または25グラムで存在し得る。PVP-40は、緩衝溶液1リットル当たり、約20、15、12、10、8または55グラムで存在し得る。Triton X-100は、緩衝溶液1リットル当たり、約5、4、3、2.8、2.5、2.3、または2グラムで存在し得る。Pluronic F-68は、緩衝溶液1リットル当たり、約8、7、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、または2グラムで存在し得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、7.6、7.8、8.0、8.2、もしくは8.4、またはこの範囲内の任意の数値のpHを有する。この緩衝溶液は、検出層の部品の前処理に有用である。具体的には、いくつかの実施形態において、この緩衝溶液は、検出層内のコンジュゲートパッド用の前処理緩衝溶液として使用され得る。
本明細書に記載の緩衝溶液は、カルボン酸塩および水を含み得る。いくつかの例では、緩衝溶液は炭酸カリウムを含む。任意選択で、緩衝溶液は、1つまたは複数の界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、カルボン酸塩(炭酸カリウムなど)、水、任意選択で1つまたは複数の界面活性剤、および任意選択で1つまたは複数の追加の酸または塩基を含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤はTriton X-305である。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たり50〜200グラムの量の炭酸カリウムを含む。いくつかの例では、緩衝溶液は、緩衝溶液1リットル当たりTriton X-305 1〜10gをさらに含む。いくつかの実施形態において、水は、分子生物学試薬グレードの水である。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、規定量の炭酸カリウムおよびTriton X-305を容器に加え、次いで、最終体積まで水を加えることによって調製される。いくつかの実施形態において、緩衝溶液のpHは、必要に応じてNaOHまたはHClを使用して所望のpHに調整される。いくつかの例では、緩衝溶液は0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過される。
いくつかの実施形態において、炭酸カリウムは、緩衝溶液1リットル当たり、約150、140、138、136、130、120、110、100、または80グラムで存在し得る。Triton X-100は、緩衝溶液1リットル当たり、約5、4、3.8、3.6、3.4、3、2.5、または2グラムで存在し得る。いくつかの実施形態において、緩衝溶液は、7.4、7.2、7.0、6.8、もしくは4.4、またはこの範囲内の任意の数値のpHを有する。この緩衝溶液は、検出層の部品の前処理に有用である。具体的には、いくつかの実施形態において、この緩衝溶液は、検出層内のサンプルパッド用の前処理緩衝溶液として使用され得る。
いくつかの実施形態において、アプタマーは、抗体の代わりに、または抗体に加えて使用され得る。議論し易くするため、抗体という用語が本出願を通じて使用されるが、本明細書を通じて、抗体およびアプタマーの両方を包含すると理解されるべきである。
本明細書に記載の実施形態に従って分析物を検出する非限定的な方法の例。方法はさらに、分析物の存在を検出するために、抗薬物抗体-粒子コンジュゲートと液体との間の相互作用が起こるかを判定することを含む。判定ステップは、以下で説明するように、テストラインが色を示すか、任意選択でコントロールラインが色を示すかを観察するために、(分析物-コンジュゲートタンパク質が位置する)テストラインをモニタリングすることを含む。したがって、判定ステップは、分析物の有無を判定するために視覚指示を観察することを含む。
液体が、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートの抗分析物抗体に適合する分析物を含有する場合、分析物は、コンジュゲートの抗分析物抗体部分に結合し、そしてコンジュゲートの抗分析物部分は分析物と結合するため分析物-コンジュゲートタンパク質とは結合することができず、テストラインに色は付着しない。しかし、液体に、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートの抗分析物抗体に適合する分析物が実質的にない場合、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、分析物-コンジュゲートタンパク質に結合し、テストラインに色が付着する。
任意選択で、クロマトグラフィー膜は、コントロールラインに抗種抗体を含み得る。分析物が抗分析物抗体-粒子コンジュゲートと結合するかに関わらず、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートが液体によってコントロールラインまで引き出されると、コントロールラインは色を示す。
いくつかの例では、競合(間接)イムノアッセイフォーマットを使用して、分析物が存在しないことを示す結果は2本のラインからなり(テストラインおよびコントロールラインが目に見える)、分析物が存在することを示す結果は1本のラインからなる(コントロールラインが目に見える)。コントロールラインを用いない他の例では、分析物が存在しないことを示す結果は1本のラインからなり(テストラインが目に見える)、分析物が存在することを示す結果はラインなしからなる。色付着領域はラインに限定されず、記号またはパターンを含み得る。「テストライン、テスト場所、テストパターン、テスト記号、およびテスト領域」という語句は同義で使用され得る。「コントロールライン、コントロール場所、コントロールパターン、コントロール記号、およびコントロール領域」という語句は同義で使用され得る。代わりに、直接イムノアッセイフォーマットが使用され得、そこでは、目に見えるテストラインの存在が、標的分析物が存在することを示す。
本明細書に記載のある特定の実施形態は、液体中の標的物質、分析物、または薬物の存在を検出するための検出層を提供し、検出層は、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、およびクロマトグラフィー膜パッド、ならびに場合によっては、吸収パッド(本明細書において芯とも呼ぶ)を含む。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜パッドは、特定の標的物質に関して試験される液体を受け入れると特定の物質の存在を検出し得る。例えば、サンプルパッドが当該液体に曝され得、次いで、標的物質の存在を示すクロマトグラフィー膜と液体との間の特定の相互作用が存在するか判定するために、検出層が使用者によってモニタリングされ得る。いくつかの実施形態において、特定の物質は、ベンゾジアゼピンまたはアミン含有化合物である。他の実施形態において、特定の物質は、タンパク質または糖類である。
他の例では、検出層は、サンプル領域、コンジュゲート領域、クロマトグラフィー膜パッド(または領域)、および吸収パッド(または領域)などの分離した領域を含む単一のパッドを含む。さらに他の例では、検出層は、サンプル領域、コンジュゲート領域、およびクロマトグラフィー膜領域などの分離した領域を含む単一のパッドを含む。
いくつかの実施形態において、検出層は、ラテラルフローアッセイ用のラテラルフローデバイスであり、それによって、分析される液体は、サンプル領域からコンジュゲート領域を通り、クロマトグラフィー膜を通り、吸収パッドに入る流体路(fluid path)に沿って移動する。標的物質または分析物は、存在する場合、抗分析物抗体と反応し、その反応の結果、標的分析物が液体中に存在するかについての視覚指示がもたらされる。いくつかの例では、アプタマーは、抗体の代わりに、または抗体に加えて使用され得る。ラテラルフローアッセイは、典型的には、検出層の長さに沿った流体路を有する。本明細書に開示のいくつかの例では、流体路の長さは、検出層の長さと同じである。他の例では、流体路の長さは、検出層の長さよりも長い。本明細書を通じて「ラテラルフロー」という用語が使用されるが、場合によっては、長さが限られる検出層内で検出結果を得るために、流体路はx-y平面内で、またはz方向に変化し得る。そのような実施形態において、流体路の長さは典型的には、検出層の長さよりも長い。いくつかの実施形態において、流体路の長さは、装置の長さよりも長い。
液体中の標的物質の存在を検出するための検出層は、サンプルパッド;抗分析物抗体-粒子コンジュゲートなどのバインダ-粒子コンジュゲートを含むコンジュゲートパッド;および分析物-コンジュゲートタンパク質を任意選択で含むクロマトグラフィー膜を含む。いくつかの実施形態において、サンプルパッドおよびコンジュゲートパッドは、サンプル領域およびコンジュゲート領域を含む単一の材料から形成される;サンプル領域とコンジュゲート領域は重ならない。いくつかの実施形態において、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートを含む組成物をコンジュゲート希釈緩衝液からクロマトグラフィー膜上に付着させることによって、コンジュゲートパッド内に含まれ得る。分析物-コンジュゲートタンパク質は、分析物-コンジュゲートタンパク質を含む組成物をクロマトグラフィー膜上に一列に、または所望のパターンで付着させることによって、テスト場所のクロマトグラフィー膜内に含まれ得る。任意選択で、抗種抗体は、抗種抗体を含む組成物とクロマトグラフィー膜を接触させることによって、コントロール場所のクロマトグラフィー膜内に含まれ得る。
吸収パッド(または芯)は、クロマトグラフィー膜内で流体を移動させ続けるための流体貯蔵部として機能する。いくつかの実施形態において、アッセイを小型化するために、吸収パッドは、折り畳まれた層で構成される(例えば、層がそれ自体の上に折り返される)。いくつかの実施形態において、吸収パッドは、U字形またはS字形である。場合によっては、吸収パッド内の流体路は、吸収パッドの形状に従って複数の平面内で、かつ/または複数の方向に曲がり得る。流体は、クロマトグラフィー膜から吸収パッドへと流れると、吸収パッド内の流体路に沿って流れ続ける。いくつかの例では、芯が、クロマトグラフィー膜の側面および/もしくは周り、または下に流体路を導き得るため、吸収パッドを通る流体路は、クロマトグラフィー膜を通る流体の経路と揃っていない。
いくつかの例では、流体路の長さが検出層の長さよりも長い結果、検出層の長さは、検出層の検出能力を損なうことなく短縮され得る。場合によっては、流体路の長さは、検出層の長さよりも5〜10%長く、検出層の長さよりも10〜20%長く、検出層の長さよりも20〜30%長く、検出層の長さよりも30〜40%長く、検出層の長さよりも50〜75%長く、検出層の長さよりも75〜100%長く、または検出層の長さよりも100〜200%長い。
いくつかの実施形態において、サンプルパッドは、サンプルパッド緩衝溶液で前処理される。前処理は、サンプルパッドをサンプルパッド緩衝溶液と接触させること、次いで、サンプルパッドを乾燥させることを含む。乾燥したサンプルパッドは残留緩衝液組成物を含む。使用中、試験液体が残留緩衝液組成物と接触すると、緩衝液が試験液体中で再構成される。いくつかの実施形態において、サンプルパッド緩衝液成分と飲料との何らかの可能性のある相互作用によって、飲料中への取り込みには不適当である材料が導入されないように、サンプルパッドは、本質的に生体適合性材料からなるサンプルパッド緩衝溶液で前処理され得る。いくつかの実施形態において、サンプルパッド緩衝液は、酸性飲料の中和を助け、また、高糖分などの他の成分の試験結果に対する影響を低減し得る。本出願において、「サンプルパッド緩衝溶液」および「サンプル領域緩衝溶液」は同義で使用され得る。
いくつかの実施形態において、サンプルパッド緩衝溶液は、炭酸カリウムおよび/または炭酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、サンプルパッド緩衝溶液は、弱酸のカルシウム塩を含む。
いくつかの実施形態において、サンプルパッド緩衝溶液は炭酸カリウムを含む。いくつかの実施形態において、炭酸カリウムは、サンプルパッド緩衝溶液中に、200から3000ミリモーラー(mM)、500から2000mM、750から1500mM、0.8から1.2モーラー(M)、0.9から1.1M、または約1Mの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、炭酸カリウムは、サンプルパッド緩衝溶液中に、少なくとも800mM、少なくとも900mM、少なくとも1.0M、少なくとも1.1M、少なくとも1.2M、または少なくとも1.3Mの濃度で存在する。任意選択で、いくつかの実施形態において、サンプルパッド緩衝溶液は、水酸化物塩、ホウ酸塩、および/または重炭酸塩を含み得る。
いくつかの例では、コンジュゲートパッドは、安定化剤および/または遮蔽剤を含むコンジュゲートパッド緩衝溶液で前処理され得る。安定化剤の例は、スクロース、フルクトース、およびトレハロースなどのサッカライドを含む。遮蔽剤の例は、ゼラチン、カゼイン、およびBSAを含む。
いくつかの例では、コンジュゲートパッド緩衝溶液は緩衝塩を含む。トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)は、中和において特に効果的であることが明らかになり、したがって、試験結果に対する酸性飲料の悪影響を軽減した。いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド緩衝溶液は、7.5から8.5、7.75から8.25、7.9から8.1、または約7.8、約8.0、もしくは約8.2のpHを有する。ホウ酸ナトリウム緩衝溶液などの他の緩衝溶液は、いくつかの例では、コンジュゲートパッドに必要な緩衝能を与える十分高い濃度で調製できなかった。コンジュゲートパッド緩衝溶液で含浸され、乾燥され、次いで、サンプル液体がコンジュゲートパッドを通して流れるときに再構成される非常に限られた面積(4×4mmコンジュゲートパッドなど)のために、通常高濃度の緩衝溶液が必要である。いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド緩衝溶液は、0.4から0.6モーラー(M)、0.423から0.575M、0.45から0.55Mの濃度のTrisを含む。いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド緩衝溶液は、約0.4M、約0.5M、または約0.6Mの濃度のTrisを含む。
いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド緩衝溶液は、タンパク質、ポリ(ビニルピロリドン)、および界面活性剤のうちの1つまたは複数をさらに含む。界面活性剤のいくつかの非限定的な例は、Aerosol OT、塩化ベンザルコニウム、BRIJ35、BRIJ 52、BRIJ98、CHEMAL-LA-9、Cremophore EL、IGEPAL CA210、Merpol A、Pluronic F68、Pluronic F127、Pluronic L64、Silwet L7600、Surfactant 10G、Synperonic F108、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールエトキシレート、Tergitol、Tetronic 90R4、Triton X-45、Triton X100、Triton X-305、Tween-20、Tween-60、およびTween-80である。いくつかの実施形態において、タンパク質はBSAであり、ポリ(ビニルピロリドン)はPVP-40である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、Triton X-100、Triton X-305および/またはPluronic F68を含む。いくつかの例では、BRIJ-98は、飲料が原因のバックグラウンドの着色を低減させることが明らかになった。理論に束縛されることは望まないが、BRIJ-98は、多くの色付きの赤ワイン成分を沈殿させる。いくつかの実施形態において、残留緩衝液組成物は、試験液体の色付きの成分の出現を実質的に低減させ得るか、または実質的に除去し得る。「実質的に低減させる、または実質的に低減させる」とは、試験液体の色が試験結果の指示に支障をきたさないことを意味する。
いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド緩衝液組成物は、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートと適合し、例えば、コンジュゲートパッド緩衝液組成物は、試験液体によって再構成されると、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートを変性させない。理論に束縛されることは望まないが、これは、コンジュゲートパッド緩衝液の高pHと、その結果としての飲料などの試験液体中の酸の中和による可能性がある。
コンジュゲートはコンジュゲートパッドと結合せず、むしろ、密着または固定され、したがって、コンジュゲートは試験液体に放出され、試験液体と共にクロマトグラフィー膜全体にわたって流れる。本発明のいくつかの実施形態において、コンジュゲートパッドおよびサンプルパッドは、ニトロセルロースなどの材料の単一片またはガラス繊維もしくはポリエステル繊維のメッシュ織物から形成される。
いくつかの実施形態において、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、市販のモノクローナル抗体および金または色素ナノ粒子材料から調製され得る。いくつかの実施形態において、抗体保存緩衝液を抗体脱塩緩衝液で置き換えるために、市販のモノクローナル抗体は、スピンカラムを使用して脱塩され得る。いくつかの実施形態において、抗体脱塩緩衝液はリン酸ナトリウム緩衝液を含む。リン酸ナトリウム抗体脱塩緩衝液は、5mM、10mM、25mM、50mM、75mM、100mM、125mM、もしくは150mM、または50〜150mM、もしくは75〜125mM、もしくは90〜110mMの濃度を有し得る。いくつかの実施形態において、抗体脱塩緩衝液は、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、または8.2など、わずかに塩基性のpHを有し得る。抗体は、脱塩されて抗体脱塩緩衝液に溶解されるとき、金または色素ナノ粒子材料とコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態において、金または色素ナノ粒子材料は、HClまたはNaOHの添加により、pH 7.05、7.1、7.15、7.2または7.25など、わずかに塩基性にpHが調整された水に溶解または懸濁させ得る。
いくつかの実施形態において、抗体を抗体脱塩緩衝液に溶解させ、金または色素ナノ粒子をわずかに塩基性の水に溶解または懸濁させた後、2つの成分は混合され、生じた混合物にコンジュゲーションブロッキング緩衝液が加えられ得る。いくつかの実施形態において、コンジュゲーションブロッキング緩衝液は、四ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、およびBSAを含む。いくつかの実施形態において、ブロッキング緩衝液は、10mM、25mM、50mM、75mM、または100mM、または10〜110mM、もしくは25〜75mM、もしくは45〜55mMの四ホウ酸ナトリウム濃度を有し得る。いくつかの実施形態において、コンジュゲーションブロッキング緩衝液は、8.2、8.4、8.6、8.8、9.0、9.2、9.4、または9.6などの塩基性のpHを有し得る。得られた抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、遠心分離によってペレットとして単離され得る。
いくつかの実施形態において、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートペレットを再構成するために使用され得るコンジュゲート希釈緩衝液から、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートがコンジュゲートパッドに付与される。いくつかの実施形態において、コンジュゲートパッド上に抗分析物抗体-粒子コンジュゲートを付着させる前に、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートをコンジュゲート希釈緩衝液に溶解させる。
いくつかの実施形態において、コンジュゲート希釈緩衝液は、弱酸の塩、タンパク質、および任意選択で、サッカライドなどの賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、コンジュゲート希釈緩衝液は、四ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩、ホウ酸、BSA、ならびに任意選択で、スクロースおよび/またはトレハロースを含む。いくつかの例では、コンジュゲート希釈緩衝液は、40〜60mM、45〜55mMまたは約50mMホウ酸塩、1〜3重量パーセント(wt.%)BSA(例えば、1wt.%、2wt%、または3wt.%)、3〜7wt.%トレハロース(例えば、4wt.%、5wt%、または6wt.%)、および15〜25wt.%スクロース(例えば、18wt.%、20wt%、または22wt.%)を含む。いくつかの実施形態において、コンジュゲート希釈緩衝液は、8.5から9.5(例えば、8.7、9.0、または9.3)のpHを有する。いくつかの実施形態において、コンジュゲート希釈緩衝液のpHは滴定される。
いくつかの例では、コンジュゲート希釈緩衝液は、40〜60mM、45〜55mMまたは約50mMホウ酸塩、1〜3重量パーセント(wt.%)BSA(例えば、1wt.%、2wt%、または3wt.%)を含み、コンジュゲートがコンジュゲート希釈緩衝液に溶解した後、スクロースおよび/またはトレハロースが加えられる。いくつかの実施形態において、スクロースは、10%、20%、または30%の量加えられ、20%は、例えば、式(コンジュゲート希釈緩衝液中のコンジュゲートの体積)(スクロース20g)/(100mL)に従って決定される。同様に、いくつかの実施形態において、トレハロースは、3%、5%、または7%の量加えられ、5%は、例えば、式(コンジュゲート希釈緩衝液中のコンジュゲートの体積)(トレハロース5g)/(100mL)に従って決定される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の緩衝溶液または緩衝液添加剤のいずれかは、少なくとも10cPの粘度を有する。他の実施形態において、緩衝液または緩衝液添加剤は、少なくとも0.5cP、少なくとも1cP、少なくとも5cP、少なくとも20cP、少なくとも30cP、少なくとも60cP、少なくとも80cP、少なくとも100cP、少なくとも1000cP、少なくとも20,000cP、または少なくとも50,000cPの粘度を備え得る。他の実施形態において、緩衝液または緩衝液添加剤は、0.5〜2cPの間、2〜5cPの間、5〜20cPの間、20〜30cPの間、30〜60cPの間、1〜100cPの間、2〜80cPの間、5〜50cPの間、10〜1000cPの間、10〜20,000cPの間、または10〜50,000cPの間の粘度を備え得る。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜は、10〜20mMまたは12〜18mMまたは約15mMリン酸ナトリウム、0.5〜1.5wt.%または0.7〜1.3wt.%、または約1wt.%スクロース、0.05〜0.15wt.%または0.7から1.2wt.%または約1wt.%BSA、および0.1〜0.3wt.%または約0.2wt.%PVP-40を含むクロマトグラフィー膜緩衝溶液で前処理され得る。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜緩衝液は、7.1から7.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜緩衝液は、7.1、7.2、7.3、7.4、もしくは7.5、または7.1〜7.5、もしくは7.2から7.4、もしくは7.25〜7.35のpHを有し得る。
いくつかの実施形態において、検出層は、電気化学検出によって使用者に指示を示し得る。いくつかの例では、検出層は、例えばスマートフォンアプリケーションまたは他のデバイスを利用したデバイス支援定量化を提供し得る。いくつかの実施形態において、検出層は、液体中の分析物の半定量的または定量的な指示を示し得る。いくつかの例では、液体中に存在する分析物の指示は、ラインのパターンを含む。例えば、1つの実施形態において、6本のテストラインが検出層上に配置され得る。直接イムノアッセイフォーマットが使用されるとき、分析物がある量で存在する場合、1本のテストラインが色を示し得る。分析物がさらに多いある量で存在する場合、さらなる複数のテストラインが色を示し得る。分析物がいっそう多くの量で存在する場合、すべてのテストラインが色を示し得る。
代わりに、間接イムノアッセイフォーマットが使用されると、分析物がある量で存在する場合、1本のテストラインが色を示し得る。分析物がさらに少ないある量で存在する場合、さらなる複数のテストラインが色を示し得る。分析物がいっそう少ない量で存在する場合、すべてのテストラインが色を示し得る。いくつかの例では、装置の組立て中、クロマトグラフィー膜を通る液流の方向に低濃度から高濃度の勾配で、緩衝溶液からテストラインが付着し、前縁(leading edge)効果を伴わずに2mmのテストラインが作り出される。「前縁効果」は、最も暗い領域がラインの前縁に沿っており、遠位縁に近づくにつれてラインの色が徐々により明るくなる、テストラインまたはコントロールラインにおける色のグラデーションの形成を指す。テスト/コントロールラインの「前縁」は、ラインのうち、流体が膜内を流れるときにその流体に最初に接触する側である。
いくつかの実施形態において、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートが使用される。本明細書に記載の抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、抗分析物抗体、色付きのナノ粒子、および任意選択で1つまたは複数の追加の成分を含む。
抗体は、細菌およびウイルスなどの病原体を同定および結合する免疫系によって使用される、形質細胞によって主に生産される大きなY字形のタンパク質である。アプタマーは、特定の標的分子に結合するオリゴヌクレオチドまたはペプチド分子である。抗分析物抗体抗分析物アプタマーは、薬物分子などの特定の分析物に結合するよう形成された抗体またはアプタマーである。当業者には理解されるように、イムノアッセイ法は、標的物質と結合する特定の抗体またはアプタマーを使用して、この「鍵と鍵穴」のアプローチを用いる。
抗分析物抗体の視認性および/または検出を増大させるために、視認性および/または検出を向上させる粒子がしばしば抗分析物抗体に結合される。有用な粒子は、色付きの化合物または蛍光化合物を含み得る。いくつかの実施形態において、粒子は、フルオレセイン、Rose Bengal、それらの誘導体および塩、もしくはそれらの組合せ、または同様のフルオロフォアを含む。他の実施形態において、ナノ粒子が粒子として使用される。ナノ粒子は、金および/または色素注入ポリマーマイクロビーズなどの任意の色付きのナノ粒子であり得る。
抗分析物抗体は、リンカーによって粒子に連結またはコンジュゲートされる。リンカーは、本発明の目的と矛盾しない任意のリンカーであり得る。リンカーの非限定的な例は、(N-(κ-マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル)(スルホ-KMUS)、(スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート))(LC-SMCC)、N-(ε-マレイミドカプロイルオキシ)-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(KMU)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(SMBP)、スクシンイミジル-6-((b-マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート)(SMPH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルナトリウム塩(スルホ-SMCC)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩(スルホ-GMBS)、4-マレイミド酪酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(GMBS)、(スクシンイミジル3-(ブロモアセトアミド)プロピオネート)(SBAP)、N-(2-カルボキシエチル)マレイミド(BMPA)、N-(α-マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル(AMAS)、N-スクシンイミジル3-(アセチルチオ)プロピオネート(SATP)、3-マレイミド安息香酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、(m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBS)、N-ε-マレイミドカプロン酸(EMCA)、N-(ε-マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド、N-スクシンイミジル6-マレイミドカプロエート(EMCS)、スクシンイミジル-(4-ビニルスルホン)ベンゾエート(SVSB)、N-スクシンイミジル3-マレイミドプロピオネート(BMPS)、またはN-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)である。いくつかの実施形態において、金ナノ粒子は、6-メルカプトヘキサン酸、8-メルカプトオクタン酸、12-メルカプトドデカン酸、または他のメルカプトカルボン酸などの化合物で官能化されている。EDCなどの試薬は、抗体をこれらの試薬に連結するために使用され得る。ポリマーマイクロビーズは、同様のカルボン酸またはアミンで官能化され得る。
抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、抗分析物抗体-粒子コンジュゲート組成物中に約0.05wt.%から約10wt.%(例えば、約0.5wt.%から約8wt.%または約0.8wt.%から約5wt.%)の量で存在し得る。例えば、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、抗分析物抗体-粒子コンジュゲート組成物中に約10wt.%以下、約9.5wt.%以下、約9wt.%以下、約8.5wt.%以下、約8wt.%以下、約7.5wt.%以下、約7wt.%以下、約6.5wt.%以下、約6wt.%以下、約5.5wt.%以下、約5wt.%以下、約4.5wt.%以下、約4wt.%、約3.5wt.%以下、約3wt.%以下、約2.5wt.%以下、約2wt.%以下、約1.5wt.%以下、約1wt.%以下、または約0.5wt.%以下の量で存在し得る。いくつかの実施形態において、抗分析物抗体-粒子コンジュゲートは、抗分析物抗体-粒子コンジュゲート組成物中に約0.05wt.%、約0.1wt.%、約0.15wt.%、約0.2wt.%、約0.25wt.%、約0.3wt.%、約0.35wt.%、約0.4wt.%、約0.45wt.%、約0.5wt.%、約0.55wt.%、約0.6wt.%、約0.65wt.%、約0.7wt.%、約0.75wt.%、約0.8wt.%、約0.85wt.%、約0.9wt.%、約0.95wt.%、約1wt.%、約1.5wt.%、約2wt.%、約2.5wt.%、約3wt.%、約3.5wt.%、約4wt.%、約4.5wt.%、または約5wt.%の量で存在し得る。
緩衝剤は、全マーカー組成物のpHが約5から約9(例えば、約6から約8または約6.5から約7.5)であるようにコンジュゲート希釈緩衝液中に存在し得る。例えば、緩衝剤は、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、または約8のpHを得るために組成物に加えられ得る。
組成物はさらに溶媒担体を含み得る。適した溶媒担体は水(例えば、脱イオン水)を含む。任意選択で、溶媒担体はさらに、アルコール、グリコール、および他の液体などの1つまたは複数の有機溶媒を含み得る。
分析物-コンジュゲートタンパク質は、検出されるべき分析物が、タンパク質にコンジュゲートまたは結合されたものを含む。適したタンパク質の例は、BSA、CRM197、KLH、チログロブリン、破傷風トキソイド、ウサギ血清アルブミン、ミオグロブリン、ツベルクリン、ポリリシン、および/またはポリグルタミン酸である。
抗種抗体は抗分析物抗体-粒子コンジュゲートと結合可能である。分析物が液体中に存在するかどうかに関わらず抗種抗体は抗分析物抗体-粒子コンジュゲートと結合するため、液体が抗分析物抗体-粒子コンジュゲートを含有すると、抗種抗体が付着した場所は色を示す。
上述の通り、検出層はクロマトグラフィー膜を含む。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜は、表面官能化セルロース、ガラス繊維、および/もしくは他の材料を含むセルロースまたはセルロース誘導体を含み、これらから本質的になり得、あるいはこれらから形成され得る。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜は多孔質クロマトグラフィー媒体を含む。典型的な孔径は約10から14μmの直径を備え得るが、他のサイズの細孔が使用され得る。クロマトグラフィー媒体は疎水性または親水性であり得、シリカ、硫酸マグネシウム、およびアルミナなどの無機粉末;天然ポリマー材料、特に、紙、例えば、濾紙またはクロマトグラフィーペーパーを含む繊維などのセルロース系材料およびセルロース由来の材料;ニトロセルロース、酢酸セルロースなどの合成ポリマーまたは修飾された天然に存在するポリマー;ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、アガロース、またはポリアクリレート;を単独で、または他の材料と組み合わせて含み得る。セラミックもまた使用され得る。任意選択で、クロマトグラフィー媒体は裏材層と結合され得る。
任意選択で、クロマトグラフィー膜は、1つまたは複数のポリマーを含み得る。任意選択で、1つまたは複数のポリマーは多糖を含む。クロマトグラフィー膜における使用に適した多糖は、寒天、アガロース、アルギネート、カラギーナン、セルロース、キトサン、デキストラン、コンニャク、およびそれらの混合物を含む。例示的なアガロースポリマーは、例えば、カルボキシメチルアガロース、ジエチルアミノエチルアガロース、および同様の誘導体を含む。任意選択で、クロマトグラフィー膜における使用のためのアガロースポリマーは、Pharmacia Fine Chemicals, Inc.(Piscataway, N.J.)から市販されている。例示的なセルロースポリマーは、例えば、セルロースエステル(例えば、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート)、カルボキシメチルセルロース、ジエチルアミノエチル(DEAE)セルロース、ニトロセルロース、ホスホセルロース、第四級アンモニウム置換セルロース、およびスルホキシエチルセルロースを含む。任意選択で、マトリックスにおける使用のためのセルロースポリマーは、Whatman Co.(Whatman Paper Co., Ltd.、 Maidstone、England)またはBioRad Corp.(Richmond、California)から市販されている。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー膜はガラス繊維を含む。ガラスおよびポリエステル繊維は、GE Healthcare(GE Healthcare、Little Chalfont、UK)製Fusion 5から得られ得る。
クロマトグラフィー膜はさらに、吸収材を含み得る。例えば、吸収材は、クロマトグラフィーペーパー、濾紙、およびペーパークロマトグラフィーまたは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィーに通常使用される他の材料を含み得る。クロマトグラフィーペーパーおよび濾紙は、Whatman Co.(Whatman Paper Co., Ltd.、 Maidstone、England)から市販されているクロマトグラフィーペーパーおよび濾紙などの定性濾紙または定量濾紙であり得る。
任意選択で、吸収材は、シリカゲル、アルミナ、高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)シリカゲル、ポリケイ酸、酸化アルミニウム、セルロース、ポリアミド、逆相シリカゲルC2(ジメチル結合)、逆相シリカゲルC2(エチル結合)、逆相シリカゲルC8(オクチル結合)、逆相シリカゲルC18(オクタデシル結合)、アセチル化セルロース、アミノ基で修飾したシリカゲル、シアノ基で修飾したシリカゲル、炭化水素を含浸させた珪藻土、アニオン性およびカチオン性陰イオン交換樹脂、ジエチルアミノエチルセルロース、ならびに記載した吸収剤の混合物を含む。吸収剤は、不活性な表面の上に固定され得る。
任意選択で、クロマトグラフィー膜に乾燥剤を組み込むために、クロマトグラフィー膜は乾燥剤で前処理され得る。乾燥剤は、モレキュラーシーブ、シリカゲル、粘土、合成ポリマー、およびデンプンを含むが、これらに限定されない当業者に公知の任意の乾燥剤であり得る。例えば、適した乾燥剤は、アルミナ、ボーキサイト、無水硫酸カルシウム、吸水性粘土、シリカゲル、ゼオライト、およびそれらの混合物を含む。
任意選択で、クロマトグラフィー膜は、上述の緩衝剤などの緩衝剤で前処理され得る。マトリックスは、マトリックスが約3から約8(例えば、約4から約6または約4.5から約5.5)の範囲のpHに緩衝されるように緩衝剤で前処理され得る。例えば、緩衝剤は、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、または約8のpHを得るために組成物に加えられ得る。
いくつかの例では、本明細書に記載の装置は、広範囲の試験流体に装置を適合させ得る残留緩衝液配合物の特定の組合せを含む。例えば、第1の残留緩衝液配合物は、酸、アルコール、および/または着色剤など、試験結果に悪影響を及ぼし得る試験流体中の成分と相互作用するために、液体流路の先頭に近い場所、例えばサンプル領域で使用され得、第2の残留緩衝液配合物は、アッセイに関与するタンパク質を変性させないようにある一定のpH付近に試験液体を緩衝するため、液体流路のさらに下流の別の場所で使用され得る。
加えて、緩衝液配合物の特定の組合せは、複数の分析物を検出するために(2つ以上のマーカー-テストラインの組合せを使用するなど)複数の検出手段の組合せを可能にし得る一方、残留緩衝液配合物の特定の組合せがない状態では、異なる検出手段は、同じ範囲の試験流体と適合しないであろう。一例において、特定の残留緩衝液配合物がない状態で、第1の分析物を検出するための第1の検出手段は、試験流体AおよびBと適合するのみであり、第2の分析物を検出するための第2の検出手段は、試験流体BおよびCと適合するのみである。その場合には、流体AおよびC中の第1および第2の分析物を同時に検出するために、第1および第2の手段を組み合わせて使用することができない。しかし、残留緩衝液配合物の適切な組合せを含む単一の装置は、流体A、B、およびCと適合し、3つすべての流体中の第1および第2の分析物を検出し得る。この「マルチプレックス化」は、異なる検出手段(異なる抗体、アプタマー、またはマーカーなど)を単一の装置で必要とし得る複数の分析物の検出に有用である。いくつかの例では、本明細書に記載の装置は、ベンゾジアゼピンおよびケタミンの両方の存在を検出し得る。
[実施例1]
一例では、方法および装置は、アミン含有化合物または薬物を検出するために使用され得る。「アミン含有」化合物または薬物とは、本明細書で言及する場合、少なくとも1種の一級、二級、および/もしくは三級アミン、ならびに/またはその塩を有する種を含む。アミン式は、NR1R2R3(式中、R1、R2、およびR3は、互いに同じであっても異なっていてもよい)によって表され得る。本明細書に記載の通りのアミン塩は、(HNR1R2R3)+X-(式中、X-は対イオンである)として表され得る。R1、R2、およびR3には、これらに限定されないが、水素、置換および非置換、直鎖または分岐C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)、置換および非置換C6〜C10アリール(例えば、ベンジル)、置換および非置換、直鎖または分岐C1〜C6アルカノール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール)、置換および非置換C6〜C10アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換C4〜C8シクロアルキル、ならびにそれらの組合せが含まれ得、ただし、R1、R2、およびR3のすべてが水素ではあり得ない。本明細書に記載の通りのアミン含有化合物は、尿素、ならびにその誘導体および塩、例えば、硝酸尿素などの、アンモニアもしくはウロニウム化合物、またはその塩を含まない。
本明細書に記載の通りのアミン含有化合物の例には、例えば、アンフェタミン、カチノン、シクロベンザプリン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、エフェドリン、ケタミン、リゼルギン酸ジエチルアミド(LSD)、ミタンフェタミン、3,4-メチレンジオキシアンフェタミン(MDA)、3,4-メチレンジオキシ-メタンフェタミン(MDMA)、メトカチノン、テトラヒドロゾリン、およびそれらの塩、ならびにそれらの組合せが含まれる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の装置を使用する方法に従って検出され得るアミン含有化合物には、例えば、麻薬、抑制剤、興奮剤、幻覚剤、カンナビノイド、およびカチノンが含まれる。麻薬の代表的な種類には、あへん剤、ヘロイン、ヒドロコドン、およびモルヒネが含まれる。代表的な抑制剤には、シクロベンザプリンが含まれる。本明細書に記載の方法による検出のための興奮剤には、コカイン、アンフェタミン、3,4-メチレンジオキシ-アンフェタミン(MDA)、および3,4-メチレンジオキシ-メタンフェタミン(MDMA)が含まれる。本明細書に記載の方法による検出のための幻覚剤には、シロシビン、リゼルギン酸ジエチルアミド(LSD)、およびフェンシクリジンが含まれる。カンナビノイドには、天然および合成カンナビノイドが含まれる。カチノンには、天然および合成カチノンが含まれる。
任意選択で、アミン含有化合物には、アンフェタミン、カチノン、シクロベンザプリン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、エフェドリン、ケタミン、リゼルギン酸ジエチルアミド(LSD)、メタンフェタミン、3,4-メチレンジオキシアンフェタミン(MDA)、3,4-メチレンジオキシ-メタンフェタミン(MDMA)、メトカチノン、テトラヒドロゾリン、およびそれらの塩、ならびにそれらの組合せが含まれる。
アミン含有化合物を検出するための装置は、マーカーを有するマトリックスを含む検出層を含み得る。一部の実施形態では、マーカーは、以下の式またはその塩を有する。
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、およびR
10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロアルケニル、置換または非置換ヘテロアルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換カルボニル、置換または非置換カルボキシル、置換または非置換チオ、および置換または非置換スルホニルからなる群から選択され;R
11は、水素、または置換もしくは非置換アルキルであり;Xは、ヒドロキシル、または置換もしくは非置換アミノであり;Yは、O、またはNR
12であり、R
12は、水素、または置換もしくは非置換アルキルである。
一部の実施形態では、マーカーは、以下の式またはその塩を有する。
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、およびR
10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロアルケニル、置換または非置換ヘテロアルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換カルボニル、置換または非置換カルボキシル、置換または非置換チオ、および置換または非置換スルホニルからなる群から選択され;R
11は、水素、または置換もしくは非置換アルキルである。
一部の実施形態では、マーカーは、以下の式を有する。
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、およびR
10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロアルケニル、置換または非置換ヘテロアルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換カルボニル、置換または非置換カルボキシル、置換または非置換チオ、および置換または非置換スルホニルからなる群から選択され;M
+はカチオンである。一部のそのような実施形態では、M
+は、Na
+、K
+、Li
+、Cs
+、Rb
+、Ag
+、Au
+、Cu
+、NH
4 +、NR
4 +、およびNR
1R
2R
3 +からなる群から選択される。
本明細書に記載のマーカー組成物における使用のためのマーカーには、以下の式によって表される化合物、またはその塩が含まれる。
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロアルケニル、置換または非置換ヘテロアルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換カルボニル、置換または非置換カルボキシル、置換または非置換チオ、および置換または非置換スルホニルからなる群から選択される。一部の実施形態では、XおよびYは、それぞれ独立して、ヒドロキシル、または置換もしくは非置換アミノである。
マーカーを含む検出層を含む装置は、液体に曝され得る。液体中にアミン含有化合物(例えば、アミン含有薬物)が存在しないならば、マーカーの色は、溶媒前端がマトリックスを通して前進するのにつれて、これとともに自由に動く。しかし、液体中に1種または複数のアミン含有化合物(例えば、アミン含有薬物)が存在する場合、色は、溶媒前端とともに前進しないか、またはブランクコントロールサンプルにおける前進の速度に対してゆっくりとのみ前進する。
検出しようとするアミン含有化合物が存在するならば、マーカーの小さなドットまたはラインは、実質的に動かない(例えば、図4Aに示されるようなものを参照されたい)。液体中にアミン含有化合物が検出可能な量で存在しない場合、マーカードットまたはラインは、動いているマーカードットまたはラインの後ろにいくらかの尾部をおそらく伴って、前端に沿って液体とともに実質的に動く(例えば、図4Bに示されるようなものを参照されたい)。本明細書に記載され、示される通り他のインジケータ、例えば、図3Bにされるような「OK」の表示が、実施形態において使用され得る。
試験しようとする物質は、他の物質を含み得るが、本明細書に記載の方法および装置は、「脱法ドラッグ」、ならびに他の幻覚剤、向精神薬、および解離性薬物を検出することができ、これはその量が、ビール、ワインなどに天然に存在し得るアミン含有化合物の量よりもはるかに多いためである。例えば、ケタミンの用量は、典型的には40〜250mgのオーダーであり、MDMAの用量は、典型的には30〜200mgであり、MDAの用量は、典型的には30〜200mgであり、メタンフェタミンの用量は、典型的には5〜150mgであり、アンフェタミンの用量は、典型的には10〜200mgである。これらの量は、飲料に入れるか、または不正に混入された場合、一部の場合には、天然に存在するアミン含有化合物よりも最大100倍(またはそれ以上)多くなり得る。
別の例では、標的物質を検出するための装置は、ラテラルフローアッセイを含む検出層、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Undercover Colors, Inc.によって出願され、本出願と同日に提出された、「Methods and Apparatus for Detecting Compounds in Liquids」と題するPCT特許出願において記載され、示されているものなどを含み得る。ある特定の実施形態では、装置により、アミン含有化合物が検出され得る。一部のそのような実施形態では、検出層は、以下のように調製され得る。
[実施例2]
本発明のラテラルフローイムノアッセイを、以下のように調製した。ベンゾテストライン溶液を、pH7.4リン酸緩衝食塩水(1x)で2mg/mLに希釈した(ベンゾジアゼピン-BSA、5:1比)溶液を使用して調製した。ベンゾコントロールライン溶液を、pH7.4リン酸緩衝食塩水(1x)で1mg/mLに希釈したヤギ抗マウス抗体溶液を使用して調製した。希釈したベンゾテストライン溶液のテストラインを、約120秒で4cmの毛管上昇時間を有する、FF120HP(GE Healthcare)ニトロセルロースストリップの底部から12mmに捺染した。希釈したベンゾコントロールライン溶液のコントロールラインをテストラインの上1.5mmに捺染した。捺染したストリップを、強制給気オーブンに入れて、湿度10%、37℃で60分間乾燥し、次いで、これを使用するまで乾燥機中、湿度20%で保管した。捺染したFF120HPニトロセルロースストリップを、Abcamイムノアッセイ緩衝液(BSAを含まない)で処理し、強制給気オーブンに入れて、湿度10%、37℃で60分間乾燥し、次いで、これを使用するまで乾燥機中、湿度20%で保管した。
モノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体溶液を、Zebaスピンカラム(Thermo Scientific、PN:89882)を使用してまず脱塩して、ストック緩衝液を100mM、pH7.4リン酸ナトリウム緩衝液で置き換えることによって、モノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体-金NPコンジュゲートを調製した。次いで、PBS中、脱塩したモノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体溶液を、50mMホウ酸ナトリウム緩衝液中、40nmコロイド状金ナノ粒子にコンジュゲートさせた。コンジュゲーション工程の間、5mMホウ酸ナトリウム緩衝液を5%BSAとともにコンジュゲーション溶液に添加した。モノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体の40nm金NPへのコンジュゲーションが完了すると、モノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体-金NPコンジュゲートを濃縮し、続けて、0.5%魚皮ゼラチンおよび0.1%Tween80を含有する100mMホウ酸ナトリウム緩衝液でOD10に希釈した。
Ahlstrom 8964ガラスファイバーパッドのストリップを、1%BSA、5%スクロース、2%トレハロース、0.25%Tween 20、および0.15M KClを含有する50mMホウ酸ナトリウムで前処理することによって、コンジュゲートパッドを調製し、次いで、前処理した6614ストリップを湿度10%、37℃で強制給気オーブンに60分間入れ、次いで使用するまで乾燥機中、湿度20%で保管した。希釈した緩衝コンジュゲート溶液を、8864ストリップにわたって連続的に、1センチメートル当たり8uLの率で捺染し、次いで、ストリップを湿度10%、40℃で強制給気オーブンに60分間入れ、次いで、乾燥機中、湿度20%で保管した。
サンプルパッドを調製するために、CF4のストリップ(GE Healthcare)を1M K2CO3で処理し、次いで、ストリップを湿度10%、40℃で強制給気オーブンに60分間入れ、次いで、乾燥機中、湿度20%で保管した。ニトロセルロースの捺染したストリップを接着性裏材に適用することによって、マスターカードを組み立てた。コンジュゲートパッドを、ニトロセルロースの底部と2mm重なるように、適用した。サンプルパッドを、コンジュゲートパッドの底部2mm重なるように、適用した。Ahlstrom 319芯パッドを、ニトロセルロースの上部と2mm重なるように、適用した。次いで、マスターカードを、4mm幅のストリップに切断した。
[実施例3]
緩衝溶液を、以下のように調製した。
抗体脱塩緩衝溶液:分子生物学試薬水(Sigma、PN:W4502)を総バッチ体積の0.80%の量で添加し、一塩基性リン酸ナトリウム(Sigma、PN:S3139)を10.2g/L×バッチ体積(L)の量で添加し、二塩基性リン酸ナトリウム(Sigma、PN:S9763)を58.91g/L×バッチ体積(L)の量で添加し、最終体積まで分子生物学試薬水(Sigma、PN:W4502)を、この順で合わせることによって、100mMリン酸ナトリウム、pH7.5緩衝液を調製した。pHを、NaOHまたは濃HClを使用して7.5に調節した。
コンジュゲーションブロッキング緩衝溶液:四ホウ酸ナトリウム十水和物(Fisher、PN:AC41945-0010):11.4g/L、ホウ酸(Fisher、PN:A74-1):1g/L、ウシ血清アルブミン(BSA、Equitech、PN:BAH64):100g/L、最終体積まで分子生物学試薬水(Sigma、PN:W4502)を、この順で合わせることによって、50mMホウ酸ナトリウム、10%BSA、pH9.0緩衝液を調製し、pHを、NaOHまたはHClを使用して9.0に調節し、次いで、緩衝液を0.2μmフィルター(VWR、PN:73520-994)を使用して濾過した。
コンジュゲート希釈緩衝溶液:四ホウ酸ナトリウム十水和物(Fisher、PN:AC41945-0010):11.4g/L、ホウ酸(Fisher、PN:A74-1):1g/L、ウシ血清アルブミン(BSA、Equitech、PN:BAH64):10g/L、スクロース(Sigma、PN:84097)、トレハロース(Sigma、PN:90210)、最終体積まで分子生物学試薬水(Sigma、PN:W4502)を、この順で合わせることによって、50mMホウ酸ナトリウム、1%BSA、5%トレハロース、および20%スクロース、pH9.0緩衝液を調製した。
クロマトグラフィー膜緩衝溶液:緩衝液1リットル当たり、一塩基性リン酸ナトリウム(Sigma、PN:S3139):0.204g、二塩基性リン酸ナトリウム(Sigma、PN:S9763):1.178g、スクロース(Sigma、PN:84097):1.0g、ウシ血清アルブミン(BSA、Equitech、PN:BAH64):1.0g、ポリ(ビニルピロリドン)-40(PVP-40、Sigma、PN:PVP-40):2.0g、1リットルまで分子生物学試薬水(Sigma、PN:W4502)を、この順で合わせることによって、10mMリン酸ナトリウム、0.1%スクロース、0.1%BSA、0.2%PVP-40、pH7.5緩衝液を、調製した。pHを、NaOHまたはHClを使用して7.2に調節し、次いで、緩衝液を0.2μmフィルター(VWR、PN:73520-994)を使用して濾過した。
コンジュゲートパッド緩衝溶液:トリス塩基(Sigma、PN:T1375):114.8g/L、ウシ血清アルブミン(BSA、Equitech、PN:BAH64):30g/L、ポリビニルピロリドン-40(PVP-40、Sigma、PN:PVP-40):10g/L、Triton X-100(Sigma、PN:T8787):2.5g/L、Pluronic F-68(Thermo Fisher、PN:24040032):5g/Lを、この順で合わせることによって、0.5Mトリス、3%BSA、1%PVP-40、0.25%Triton X-100、0.5%Pluronic F-68、pH8.0緩衝液を事前調製し、最終体積まで分子生物学試薬水(Sigma、PN:W4502)を添加した。
サンプル領域緩衝溶液:炭酸カリウム(Sigma、PN:P1472):138.2g/L、Triton X-305(Sigma、PN:X305):3.6g/Lを、この順で合わせることによって、0.25%Triton X-305を含む、1.0M炭酸カリウム(K2CO3)緩衝液、pH7.0緩衝液を事前調製し、最終体積まで分子生物学試薬水(Sigma、PN:W4502)を添加した。
[実施例4]
合わせたサンプル-コンジュゲートパッドを含む本発明のラテラルフローイムノアッセイを、以下のように調製した。ベンゾテストライン溶液を、pH7.4リン酸緩衝食塩水(1x)で4mg/mLに希釈した(ベンゾジアゼピン-BSA、5:1比)溶液を使用して、調製した。ベンゾコントロールライン溶液を、pH7.4リン酸緩衝食塩水(1x)で1mg/mLに希釈したヤギ抗マウス抗体溶液を使用して、調製した。希釈したベンゾテストライン溶液のテストラインを、約85±10秒で4cmの毛管上昇時間を有する、8mm幅のCN095(Sartorius)ニトロセルロースストリップの底部から5mmに捺染した。希釈したベンゾコントロールライン溶液のコントロールラインをテストラインの上2mmに捺染した。捺染したストリップを、強制給気オーブンに入れて、湿度10%、40℃で30分間乾燥し、次いで、これを乾燥機中、湿度20%で16時間保管した。捺染したCN095ニトロセルロースストリップ(Sartorius)を、実施例3で上記のクロマトグラフィー膜緩衝液で処理し、強制給気オーブンに入れて、湿度10%、40℃で30分間乾燥し、次いで、これを乾燥機中、湿度20%で16時間保管した。
Zebaスピンカラム(Thermo Scientific、PN:89882)を使用してモノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体溶液をまず脱塩して、ストック緩衝液を100mM、pH7.4リン酸ナトリウム緩衝液で置き換えることによって、モノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体-金NPコンジュゲートを調製した。次いで、PBS中、脱塩したモノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体溶液を、40nmコロイド状金ナノ粒子にコンジュゲートさせた。コンジュゲーション工程の間、コンジュゲーションブロッキング緩衝液を、コンジュゲーション溶液に添加した。モノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体の40nm金NPへのコンジュゲーションが完了すると、モノクロナールマウス抗ベンゾジアゼピン抗体-金NPコンジュゲートを濃縮し、続いて、実施例3で上記のコンジュゲート希釈緩衝液でOD15に希釈した。
合わせたサンプル-コンジュゲートパッドを、Ahlstrom 6614ポリエステルファイバーパッドのストリップを、実施例3で上記のコンジュゲートパッド緩衝液で前処理することによって調製し、次いで、前処理した6614ストリップを、湿度10%、40℃で強制換気オーブンに60分間入れ、次いで、乾燥機中、湿度20%で16時間保管した。合わせたサンプル-コンジュゲートパッドのサンプル領域を調製するために、Ahlstrom 6614ポリエステルファイバーパッドのサンプル領域のみを、実施例3で上記のサンプル領域緩衝液で処理した。希釈した緩衝コンジュゲート溶液を、6614のストリップにわたってコンジュゲート領域のみに連続的に、1センチメートル当たり5uLの率で捺染し、次いで、ストリップを湿度10%、40℃で強制給気オーブンに60分間入れ、次いで、乾燥機中、湿度20%で16時間保管した。
ニトロセルロースの捺染したストリップを接着性裏材に適用することによって、マスターカードを組み立てた。サンプル/コンジュゲートパッドを、ニトロセルロースの底部と2mm重なるように、適用した。Ahlstrom 319芯パッドを、ニトロセルロースの上部と2mm重なるように、適用した。次いで、マスターカードを、4mm幅のストリップに切断した。
[実施例5]
ラテラルフローアッセイ結果に対する、K
2CO
3およびTRISサンプルパッド処理の効果をここに提供する。ラテラルフローアッセイを、表1のアッセイはサンプルパッド/領域前処理を有さないこと、および表2のアッセイは、カリウムOKを含むサンプル領域緩衝溶液で前処理したことを除いて、実施例4の工程によって調製した。チェックマークは、アッセイの失敗がないことを示している。Xは、コンジュゲートのテストラインへの非特異的結合による、偽陰性結果に等しい。偽陰性結果は、ホットコーヒーでの一例を除いて、前処理によって克服された。
手順:
1.)実施例4に記載の手順に従ってアッセイを調製する。アッセイの半分は、サンプル領域緩衝液の添加なしで調製する。
2.)列挙した各飲料の個別のスパイク溶液を調製する。飲料を、最終濃度1000ng/mLまでのアルプラゾラム、ジアゼパム、またはフルニトラゼパムのいずれかでスパイクする。
3.)示された飲料当たり3つのアッセイの未処理サンプル領域に、20μLの示されたブランク飲料を付着させ、1分の時点での結果を記録する。
4.)示された飲料当たり3つのアッセイの未処理サンプル領域に、20μLの示されたスパイク飲料を付着させ、1分の時点での結果を記録する。
5.)示された飲料当たり3つのアッセイの処理サンプル領域に、20μLの示されたブランク飲料を付着させ、1分の時点での結果を記録する。
6.)示された飲料当たり3つのアッセイの処理サンプル領域に、20μLの示されたスパイク飲料を付着させ、1分の時点での結果を記録する。
[実施例6]
比較アッセイと比べた本発明のアッセイにおける試験結果の迅速な生成を提供する。ラテラルフローアッセイを、実施例4の工程によって調製し、試験液体に曝した30秒後に、市販のラテラルフローアッセイ(DBZ-114、Innovacon、San Deigo、CAによって流通)と比較した。本発明のアッセイ結果は、30秒までに完全に生成されるが、比較アッセイは、30秒の時点では完全には生成されていなかった。
手順:
1.)実施例3に記載の手順に従ってアッセイを調製する。直線状アッセイを調製するために、長方形Ahlstrom 319芯を使用する。小型化アッセイを調製するために、U字型Ahlstrom 319芯を使用する。
2.)小型化および直線状アッセイを、試験シートに配置する。
3.)ブランクと印をつけた直線状アッセイのサンプル領域に、20μLのブランクCoronaビールを付着させる。
4.)直線状アッセイのサンプル領域に、フルニトラゼパム1000ng/mLでスパイクした20μLのCoronaビールを付着させる。
5.)ブランクと印をつけたU芯アッセイのサンプルパッドに、20μLのブランクCoronaビールを付着させる。
6.)U芯アッセイのサンプルパッドに、フルニトラゼパム1000ng/mLでスパイクした20μLのCoronaビールを付着させる。
7.)30秒の時点で写真を撮る。
結果を図29に示す。左に示されるのが実施例4によって調製したラテラルフローアッセイであり、右に示されるのが市販のラテラルフローアッセイである。
[実施例7]
飲料構成成分により、比較アッセイにおいては偽陰性結果が生じたが、本発明のアッセイでは生じなかった。実施例6において使用した通りの、市販の比較アッセイは、市販のアッセイの仕様のために、ウィスキーおよびモスカートで生成5分後に失敗している(偽陰性による)。市販のアッセイは、ダイキリで完全に実行を失敗し、5分後、結果が目視できない。本発明のアッセイ(実施例4の通りに調製)は、すべての場合に成功裡に実施され、偽陰性結果はなかった。
手順:
1.)実施例3に記載の手順に従って小型アッセイを調製する。
2.)小型化および市販のアッセイを、試験シートに配置する。
3.)ブランクと印をつけた小型アッセイのサンプル領域に、20μLの示したブランク飲料を付着させる。
4.)小型アッセイのサンプル領域に、フルニトラゼパム1000ng/mLでスパイクした20μLの示した飲料を付着させる。
5.)ブランクと印をつけた市販のアッセイのサンプルパッドに、100μLの示したブランク飲料を付着させる。
6.)市販のアッセイのサンプルパッドに、フルニトラゼパム1000ng/mLとともに100μLの示した飲料を付着させる。
7.)市販のアッセイが完全に生成する時間を待って、5分の時点で写真を撮る。
ダイキリ、ウィスキー、および水についての結果を図30に示し、Corona、オレンジジュース、およびモスカートについては図31に示す。いずれの図においても、上の6つが市販のアッセイであり、下の6つが本発明のアッセイである。
[実施例8]
U字型芯により、性能に影響を及ぼすことなくアッセイ長が短縮される。液体路が、アッセイ長よりも長い、U字型芯を有する本発明のアッセイ(実施例4の通りに調製)(右に示される)は、流体路がアッセイ長と等しい、直線状芯を有する本発明のアッセイ(実施例4の通りに調製)(左に示される)と、まったく同じように実施される。
手順:
1.)実施例3に記載の手順に従ってアッセイを調製する。直線状アッセイを調製するために、長方形Ahlstrom 319芯を使用する。小型化アッセイを調製するために、U字型Ahlstrom 319芯を使用する。
2.)小型化および直線状アッセイを、試験シートに配置する。
3.)ブランクと印をつけた直線状アッセイのサンプル領域に、20μLのブランクCoronaを付着させる。
4.)直線状アッセイのサンプル領域に、フルニトラゼパム1000ng/mLでスパイクした20μLのCoronaを付着させる。
5.)ブランクと印をつけたU芯アッセイのサンプルパッドに、20μLのブランクCoronaを付着させる。
6.)U芯アッセイのサンプルパッドに、フルニトラゼパム1000ng/mLでスパイクした20μLのCoronaを付着させる。
7.)30秒の時点で写真を撮る。
結果を図32に示す。右がU字型芯アッセイであり、左が直線状芯アッセイである。
添付の特許請求の範囲の装置、システム、および方法は、特許請求の範囲の数個の態様の例示として意図される、本明細書に記載の特定の装置、システム、および方法によって範囲が限定されず、機能的に同等な任意の装置、システム、および方法が、特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。本明細書に示され、記載されるものに加えて、装置、システム、および方法の様々な変更形態が添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。さらに、ある特定の代表的な装置およびシステム要素および方法ステップのみが、本明細書で開示され、具体的に記載されているが、装置およびシステム要素および方法ステップの他の組合せも、たとえ具体的に示されていなくても、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。したがって、ステップ、成分、構成成分、または構成要素の組合せが、本明細書で明示的に記述され得るが、ステップ、成分、構成成分、および構成要素の他の組合せが、たとえ明示的に述べられていなくても、含まれる。本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」およびその変化形は、用語「含む(including)」およびその変化形と同義に使用され、オープンで、非限定的な用語である。用語「含む(comprising)」および「含む(including)」は、本明細書において、様々な実施形態を記載するために使用されているが、用語「から本質的になる」および「からなる」を、本発明のより特定の実施形態を提供するために「含む(comprising)」および「含む(including)」の代わりに使用することができ、これもまた開示される。