JP2019511965A - 前処理組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、有機マトリックス中に酸無水物を含む、実質的に水を含まない前処理組成物に関する。本発明はさらに、前記前処理組成物と、印刷時に本質的に劣った耐水性を有するインク組成物とを含むパーツのキットであって、前記インクが、アルカリ性環境(インク自体)に可溶性であり、且つ、中性及び/又は酸性環境において不溶性である化合物を含む、キットに関する。本発明はまた、本発明による前処理組成物を用いることにより、本質的に低い耐水性を有するインクで作られた印刷物の耐水性を改良するための印刷方法にも関する。

Description

発明の分野
本発明は、水性インクジェット印刷プロセスに使用するための前処理組成物に関する。
背景技術
特に機械でコーティングされた印刷媒体上で印刷品質を改善するために、水性インクジェット印刷において印刷媒体(例えば、紙)の前処理を使用することが当該技術分野で知られている。公知の前処理組成物は、水と、顔料粒子を不安定化及びピン止めするため、及び/又はフィルム形成を容易にするために分散ポリマー粒子(例えば、ラテックス)の不安定化のための凝集剤(an aggregation agent)と、を含む。凝集剤の例はまた、当該技術分野で公知であり、酸性化合物、(多価)金属化合物及びオリゴマー有機ポリカチオンを含むが、これらに限定されない。
アルカリ可溶性ラテックスを含む水性インクも当該技術分野において知られている。アルカリ可溶性ラテックスは、低いpH(酸性)で分散状態にあり、その状態でインク組成物に添加することができる。前記インクのpHがより高いpH(アルカリ性)に調整される場合、前記アルカリ可溶性ラテックス樹脂は、前記インク組成物の吐出性を維持又は向上させながら、前記インク中にポリマー増粘剤を形成するように、前記インク組成物中に(少なくとも部分的に)溶解する。
しかしながら、一旦印刷され、乾燥されると、印刷された表面に水を再導入する際に、前記アルカリ可溶性ラテックス樹脂の溶解性のために、前記印刷物は水感受性である(すなわち、劣った耐水性(water fastness)を有する)というのが、このようなインク組成物の欠点である。
既知の酸性前処理組成物を、アルカリ可溶性ラテックス樹脂を含むインク組成物と組み合わせて使用する場合、上記の欠点を克服するか、又は少なくとも軽減することができる。しかし、許容可能な耐水性を達成するために、非常に低いpHを有する酸性前処理組成物が必要とされ得る。
このような低pH前処理組成物の欠点は、それらがプリンタにおいて、特にプリントヘッドにおいて使用される材料に対して腐食性であることである。したがって、このような材料で作られたプリントヘッドを包含するプリンタのパーツは、そのような強い(低pH)酸性前処理組成物と接触すると、そのようなプリンタのパーツは影響を受けるか、又は永久的に損傷する可能性さえある。
従って、本発明の目的は、前記プリンタにおける使用された材料に対して非腐食性であるアルカリ可溶性ラテックス樹脂を含む水性インク組成物で作られた印刷物の耐水性を改良するための、及び、印刷品質を付与しない、前処理組成物を提供することである。
発明の概要
本発明の第1の態様では、この目的は、アルカリ可溶性ラテックス樹脂及び/又は15mg KOH/g〜130mg KOH/gの酸価を有するラテックス樹脂を含む水性アルカリ性インク組成物と組み合わせて使用するための前処理組成物であって、当該前処理組成物は、
・水と混和性である少なくとも1つの有機溶媒を含む有機マトリックスと;
・前記有機マトリックスに可溶性である酸及び/又は酸無水物と;
を含み、当該前処理組成物は実質的に水を含まない、前処理組成物、を提供することにより部分的に達成することができる。
本発明による前処理組成物は、酸もしくは酸無水物、又は水なしで有機マトリックス中に溶解された酸及び/もしくは酸無水物の混合物を含むので、当該システムは原則的に中性かつ非腐食性である。酸官能基は水との接触時にのみ回復することができるので、酸無水物又はその混合物が好ましい。したがって、本発明による前処理組成物において(酸ではなく)酸無水物が使用される場合、痕跡量の水は、最初は実質的な酸解離を伴わずに前記酸無水物と最初に反応する。本発明による前処理組成物は噴射可能であり、及び従ってインクジェット法により受容媒体上に適用することができる。
本発明による前処理された受容媒体の上に水性インクを印刷する場合、前記酸は水性インク層中に溶解することによって活性化されるか、又は前記酸性無水物は前記インク組成物からの水と反応し、前記受容媒体の上に酸性前処理プライマーをin-situで形成する。インク組成物中に存在するアルカリ可溶性ラテックス樹脂及び/又は15mg KOH/g〜130mg KOH/gの酸価を有するラテックス樹脂を、その/それらの酸性(不溶性)状態にすると、それにより、印刷物の耐水性が向上する。前記インク組成物中に存在する顔料粒子も、低いpHでの不安定化に対して敏感であり、それにより、前記顔料粒子のピンニング(pinning)が促進される。したがって、本発明による前記前処理組成物はまた、(カラー間)ブリーディング(bleeding)、デウェッティング(de-wetting)及び合体(coalescence)を防止するか、又は少なくとも緩和する。
従って、本発明は、プリンタに使用される材料に対して非腐食性であり、印刷品質を付与せず、印刷物の耐水性を改善する前処理組成物を提供する。
本発明による前記前処理組成物の更なる利点は、印刷媒体の表面上の全水負荷(すなわち、前処理組成物及びインク)が著しく減少し、それにより、媒体の変形を著しく低減することができるか、又は防止することできることである。
また、本発明の更なる利点は、アルカリ可溶性ラテックス樹脂を含むインク組成物と組み合わせて本発明の前処理組成物を用いて製造された印刷物は、アルカリ性物質(例えば溶液)を塗布すること(例えば、すすぎ、浸漬、噴霧など)により、印刷物の耐水性を低下させることにより容易にリサイクル(脱インク)することができる。
一実施形態では、前記有機マトリックスの前記少なくとも1つの有機溶媒は、2,5,7,10−テトラ−オキサ−ウンデカン(TOU);イソソルビド;ジメチルエーテル;n−ブチルピロリドン(例えば、TamiSolve(商標)NxGとして市販されている);1−メチル−2−ピロリドン;ジエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸プロピレン;ジメチルスルホキシド;及びジメチルホルムアミド;からなる群から選択される。
一実施形態では、前記酸は、p−トルエンスルホン酸;マレイン酸;シュウ酸;酒石酸;オリゴ乳酸;からなる群から選択され、及び/又は前記酸無水物は、ジグリコール酸無水物、無水安息香酸;無水マレイン酸、無水グルタル酸及び無水コハク酸;からなる群から選択される。
一実施形態では、前記前処理組成物は、前記有機マトリックスにおいて溶解する粘度調整剤などの添加剤、例えばポリビニルピロリドン;ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)及び;モル質量範囲が200〜10000g/molである(ジメチル)ポリエチレングリコール(PEG)、を含む。
本発明による前処理組成物中の前記酸及び/又は酸無水物と組み合わせて使用される溶媒、結合剤及び他の添加剤は、前記酸及び酸無水物と非反応性であることが好ましい。
本発明による前処理組成物中の前記酸及び/又は酸無水物と組み合わせて使用される溶媒、結合剤及び他の添加剤は、非プロトン性化合物であることが好ましい。
別の態様では、本発明は、本発明の第1の態様による前処理組成物と、アルカリ可溶性ラテックス樹脂及び/又は15mg KOH/g〜130mg KOH/gの酸価を有するラテックス樹脂を含む水性インク組成物とを含む、パーツのキットであって、前記インク組成物は7より高いpHを有する、キットに関する。前記インク組成物が(アルカリ可溶性ラテックスの代わりに、又はアルカリ可溶性ラテックスに加えて)ラテックス樹脂を含む場合、酸価は前記範囲内にあるが、好ましくは30mg KOH/gを超え、より好ましくは50mg KOH/gを超え、さらにより好ましくは70mg KOH/gを超える。
さらに別の態様では、本発明は、以下のステップ:
a)水と混和性である少なくとも1つの有機溶媒を含む有機マトリックスと、前記有機マトリックスに可溶性である酸及び/又は酸無水物とを含む、実質的に水を含まない前処理組成物を提供するステップと、
b)アルカリ可溶性ラテックス樹脂及び/又は15mg KOH/g〜130mg KOH/gの酸価を有するラテックス樹脂を含む水性インク組成物を提供するステップであって、前記インク組成物は7より高いpHを有する、ステップと、
c)印刷媒体を提供するステップと、
d)前処理組成物を前記印刷媒体上に適用するステップと、
e)前記水性インク組成物で画像を前記前処理された印刷媒体上に印刷するステップと、
を含む印刷方法に関する。
一実施形態では、当該方法は、以下のステップ:
f)ステップdで得られた前記前処理された印刷媒体を乾燥するステップ、
をさらに含む。
一実施形態では、当該方法は、以下のステップ:
g)ステップeで得られた前記印刷された及び前処理された印刷媒体を乾燥するステップ、
をさらに含む。
一実施形態では、当該方法は、ステップf及びgを含む。
一実施形態では、前記前処理組成物をインクジェット印刷で塗布する(ステップd)。
一実施形態では、前記前処理組成物は室温で印刷される。
これの必要条件は、前記前処理組成物が吐出可能である(液体であり、選択されたプリントヘッドの使用のために特定された範囲内の粘度などの適切な特性を有する)ことである。
しかし、本発明による前記前処理組成物は、室温で固体であっても、高温で液体であってもよい。このような組成物は、高温で噴射することができる。
一実施形態では、ステップdで適用される前記前処理組成物のカバレッジ(coverage)は、15%〜85%、好ましくは25%〜80%、より好ましくは35%〜75%の範囲で選択される。
前記前処理組成物の最適なカバレッジは、選択された印刷媒体及び前記印刷媒体上の前記前処理組成物の広がり特性に依存する(a.o.)。
上記範囲内であれば、前記印刷物の最適な耐水性を得ることができる。正確な最適範囲は、各前処理組成物及びインクの組み合わせについて決定される必要がある。
図面の簡単な説明
本発明は、本明細書の以下の詳細な説明及び説明のみのために与えられ、本発明を限定するものではない添付の概略図からより完全に理解されるであろう。
図1は、インクジェット印刷システムの概略図を示す。 図2A、図2B、図2Cはそれぞれ、インクジェットマーキング装置の概略図を示す。: A)及びB)インクジェットヘッドのアセンブリ;C)前記インクジェットヘッドアセンブリの一部の詳細図。 図3Aは、前処理組成物の印刷画像を示す 図3Bは、図3Aによる前処理組成物の前記印刷画像と、前記前処理組成物の上に塗布されたインク組成物ロッドとを有する印刷物のリンスされたサンプルを示す。 図4は、比較例A及び実施例1の結果を示す写真である。 図5は、インク及び先行技術による前処理組成物で作製された印刷(左)、ならびに前記インク及び本発明による前処理組成物で作製された印刷(右)の耐水性を示している。
詳細な説明
前処理組成物
有機マトリックス
前記有機マトリックスは、前記前処理組成物中に存在する前記酸無水物と前記インク組成物中に存在する水との間の反応を促進するために、前記インク組成物と前記プライマー組成物との混合を促進するために、水と混和性である有機溶媒を含む。
前処理組成物に使用される適切な有機溶媒は、原則として、酸及び/又は酸無水物と反応しないすべての溶媒、例えば非プロトン性溶媒である。
好ましいクラスの溶媒は、エーテル、アセタール、ピロリドン誘導体、(環状)エステルである。
有機溶媒の適切な例は、2,5,7,10−テトラ−オキサ−ウンデカン(TOU);イソソルビド;ジメチルエーテル;n−ブチルピロリドン(例えば、TamiSolve(商標)NxGとして市販されている);ジエチレングリコールジメチルエーテル;1−メチル−2−ピロリドン;炭酸プロピレン;ジメチルスルホキシド(DMSO);ジメチルホルムアミド(DMF);である。
凝固剤
原則として、前記選択された有機マトリックス中に溶解することができる全ての酸及び酸無水物は、本発明による前処理組成物に使用するのに適している。
前処理組成物に使用される好適な酸は、p−トルエンスルホン酸;マレイン酸;シュウ酸;酒石酸及びオリゴ乳酸である。
前処理組成物に使用される好適な酸無水物は、水と容易に反応して酸を生成する酸無水物、例えば(これに限定されないが)、ジグリコール酸無水物;無水安息香酸;無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水コハク酸である。
その他の添加剤
本発明による前記前処理組成物は、カール防止剤、粘度調整剤及び界面活性剤などのさらなる添加剤を含んでいてもよい。原則として、前記添加剤は、本発明による前記前処理組成物と相溶性である(compatible)限り、いかなる種類又は種類にも限定されず、本発明による前処理組成物の使用の意図された効果は、有意な影響はない。
本発明による前記前処理組成物の前記有機マトリックスにおいて溶解する好適な粘度調整剤の例は、(これに限定されるものではないが)ポリビニルピロリドン;ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン);及びモル質量範囲が200〜10000g/molである(ジメチル)ポリエチレングリコール(PEG)である。
PEGに関しては、これらの化合物は末端−OH基を含有し、及びしたがって酸及び酸無水物と(少ない程度で)反応することができることに留意する。従って、PEGの非プロトン性(例えば、ジメチル)誘導体が好ましい。
本発明による前処理組成物は、室温又は高温でそれぞれ印刷することができるように、室温で液体又は固体であってもよい。本発明による前記前処理組成日津の意図された効果が少なくとも部分的に達成される限り、本発明による前処理組成物と組み合わせて使用されるインクにおいて使用される多くの成分が、前記前処理組成物において使用されるのに好適であり得ることに、さらに留意する。インク成分は、次のセクションで開示される。
インク組成物
インク組成物と組み合わせて使用することができる本発明による前記前処理組成物は、アルカリ可溶性ラテックス樹脂、ラテックス樹脂、水分散性着色剤、水、共溶媒、界面活性剤及び場合により他の添加剤を含むことができる。
(アルカリ可溶性)ラテックス樹脂
原則的に、前記インク中の他の成分と相溶性である全てのラテックス組成物は、インク組成物中での使用に適している。しかしながら、水性(ラテックス)インク組成物の耐水性を改良するための前処理組成物に関する本発明の文脈において、例えば、アルカリ性インク組成物に使用されるアルカリ可溶性ラテックス樹脂及び前記ラテックス樹脂が比較的高い酸価を有するラテックス組成物のような、本質的に十分な耐水性を提供しないラテックスが使用される場合、本発明の最大効果が得られる。したがって、本発明の利点は、インク組成物中での使用に適したラテックスの範囲が、そのようなインクで作られた印刷物の耐水性を維持しながら、又は改善しながら、増大することである。
本発明によるインクジェットインクは、記録媒体への顔料の定着性の観点から、水分散性樹脂を含有する。前記水分散性樹脂としては、高い耐水性及び高い画像濃度(高い発色能力)を有する画像を記録する場合に、造膜性(画像形成性)に優れ、高い撥水性、高い耐水性、及び高い耐候性を有する水分散性樹脂が有用である。前記水分散性樹脂の例としては、合成樹脂や天然高分子化合物が含まれる。
前記合成樹脂の例としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂及びコポリマー、例えばスチレン−アクリル酸コポリマー樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー樹脂が含まれる。
前記天然高分子化合物の例としては、セルロース、ロジン、及び天然ゴムが含まれる。
一実施形態では、本発明に用いられる前記水分散性樹脂は、カルボキシル基又はスルホン酸基などの水溶性官能基を有する樹脂で構成されていてもよい。
市販の水分散性樹脂エマルションの例としては、Joncryl 537及び7640(Johnson Polymer Co., Ltd.製スチレン−アクリル樹脂エマルション)、Microgel E−1002及びE−5002(スチレン−アクリル樹脂エマルション、Nippon Paint Co., Ltd.製)、Voncoat 4001(Dainippon Ink and Chemicals Co., Ltd.製アクリル樹脂エマルション)、Voncoat 5454(Dainippon Ink and Chemicals Co., Ltd.製スチレン−アクリル樹脂エマルション)、SAE−1014(Zeon Japan Co., Ltd.製スチレン−アクリル樹脂エマルション)、Jurymer ET−410(Nihon Junyaku Co., Ltd.製アクリル樹脂エマルション)、Aron HD−5及びA−104(Toa Gosei Co., Ltd.製アクリル樹脂エマルション)、Saibinol SK−200(アクリル樹脂エマルション、Saiden Chemical Industry Co., Ltd.製)、及びZaikthene L(Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd.製アクリル樹脂エマルション)、DSM Neoresinsのアクリルコポリマーエマルション、例えばNeoCrylプロダクトライン、特にアクリルスチレンコポリマーエマルションNeoCryl A−662、NeoCryl A−1131、NeoCryl A−2091、NeoCryl A−550、NeoCryl BT−101、NeoCryl SR−270、NeoCryl XK−52、NeoCryl XK−39、NeoCryl A−1044、NeoCryl A−1049、NeoCryl A−1110、NeoCryl A−1120、NeoCryl A−1127、NeoCryl A−2092、NeoCryl A−2099、NeoCryl A−308、NeoCryl A−45、NeoCrylA−615、NeoCryl BT−24、NeoCryl BT−26、NeoCryl BT−36、NeoCryl XK−15、NeoCryl X−151、NeoCryl XK205、NeoCryl XK−232、NeoCryl XK−234、NeoCryl XK−237、NeoCryl XK−238、NeoCryl XK−86、NeoCryl XK−90及びNeoCryl XK−95が含まれる。しかしながら、前記水分散性樹脂エマルションはこれらの例に限定されるものではない。
前記フッ素系樹脂としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましい。なかでも、フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位とを含有するフッ素含有樹脂微粒子が特に好ましい。前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、−CFCF−、−CFCF(CF)−、及び−CFCFCl−が含まれる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、−C(R)HC(OR)−が含まれる。式中、Raは水素原子又はメチル基であり、Rは、−CH、−C、−C、−C及び−C10からなる群から選択されてもよく、Rは、水素原子(−H)、ヒドロキシ基(−OH)又はカルボン酸基(−COOH)からなる群から選択される。
フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位とを含む前記フッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位とが交互に共重合された交互共重合体が好ましい。このようなフッ素系樹脂微粒子としては、好適に合成された化合物を用いることができ、市販品を用いることができる。前記市販品の例としては、Dainippon Ink and Chemicals Co., Ltd.製のFLUONATE FEM−500及びFEM−600、DICGUARD F−52S、F−90、F−90M、F−90N及びAQUAFURFURAN TE−5A;Asahi Glass Co., Ltd.製LUMIFLON FE4300、FE4500、FE4400、ASAHI GUARD AG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、及びAG−1100が含まれる。
一実施形態において、本発明による前記インク組成物は、上記合成樹脂、合成コポリマー樹脂及び天然高分子化合物から選択された2以上の水分散性樹脂を互いに混合して含む。
アルカリ可溶性ラテックスの例は、Carboset GA2363E、Carboset GA1594、Carboset CR510(全てLubrizolから得られる)である。
ラテックスの例は、Neocryl BT9、Neocryl BT107s、Neocryl XK205(DSM Neoresinsから入手した、酸価17mg KOH/g);Neocryl A662(DSM Neoresinsから入手した、酸価10mg KOH/g);Mitsuiから入手したTacklac W5661である。
水分散性着色剤
水分散性着色剤は、前記着色剤が水分散性である限り、顔料又は顔料の混合物、染料又は染料の混合物、又は顔料及び染料を含む混合物であってもよい。
本発明による前記インクジェット用インクにおいて、耐候性の観点から顔料を主に水分散性着色剤として使用し、色調を制御する目的で、耐候性を損なわない範囲で染料を含有させることができる。前記顔料としては、特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択することができる。
本発明に用いることのできる前記顔料の例としては、特に制限はなく、公知のものが含まれ、水分散性顔料又は油分散性顔料のいずれかを使用することができる。例えば、不溶性顔料又はレーキ顔料等の有機顔料、並びに、カーボンブラック等の無機顔料が好ましく使用することができる。
前記不溶性顔料の例は特に制限はないが、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、又はジケトピロロピロール染料が好ましい。
例えば、ブラックインク及びカラーインク用の無機顔料及び有機顔料が例示される。これらの顔料は、単独で又は組み合わせで使用することができる。前記無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド及びクロムイエローの他に、公知の方法、例えば接触法、ファーネス法及びサーマル法等で製造されたカーボンブラックを使用することができる。
前記有機顔料としては、アゾ系顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合系顔料、キレートアゾ系顔料等を包含する)、多環系顔料(例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、及びキノフタロン顔料)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、及び酸性染料型キレート)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックを使用することができる。これらの中でも、特に、水との高い親和性を有する顔料が好ましくは使用される。
好ましく使用できる特定の顔料を以下に列挙する。
マゼンタ又はレッドの顔料の例は、C.I. Pigment Red 1、 C.I. Pigment Red 2、 C.I. Pigment Red 3、 C.I. Pigment Red 5、 C.I. Pigment Red 6、 C.I. Pigment Red 7、 C.I. Pigment Red 15、 C.I. Pigment Red 16、 C.I. Pigment Red 17、 C.I. Pigment Red 22、 C.I. Pigment Red 23、 C.I. Pigment Red 31、 C.I. Pigment Red 38、 C.I. Pigment Red 48:1、 C.I. Pigment Red 48:2 (Permanent Red 2B(Ca))、 C.I. Pigment Red 48:3、 C.I. Pigment Red 48:4、 C.I. Pigment Red 49:1、 C.I. Pigment Red 52:2; C.I. Pigment Red 53:1、 C.I. Pigment Red 57:1 (Brilliant Carmine 6B)、 C.I. Pigment Red 60:1、 C.I. Pigment Red 63:1、 C.I. Pigment Red 64:1、 C.I. Pigment Red 81. C.I. Pigment Red 83、 C.I. Pigment Red 88、 C.I. Pigment Red 101(colcothar)、 C.I. Pigment Red 104、 C.I. Pigment Red 106、 C.I. Pigment Red 108 (Cadmium Red)、 C.I. Pigment Red 112、 C.I. Pigment Red 114、 C.I. Pigment Red 122 (キナクリドンマゼンタ)、 C.I. Pigment Red 123、 C.I. Pigment Red 139、 C.I. Pigment Red 44、 C.I. Pigment Red 146、 C.I. Pigment Red 149、 C.I. Pigment Red 166、 C.I. Pigment Red 168、 C.I. Pigment Red 170、 C.I. Pigment Red 172、 C.I. Pigment Red 177、 C.I. Pigment Red 178、 C.I. Pigment Red 179、 C.I. Pigment Red 185、 C.I. Pigment Red 190、 C.I. Pigment Red 193、 C.I. Pigment Red 209、 C.I. Pigment Red 219 and C.I. Pigment Red 222、 C.I. Pigment Violet 1(ローダミンレーキ)、 C.I. Pigment Violet 3、 C.I. Pigment Violet 5:1、 C.I. Pigment Violet 16、 C.I. Pigment Violet 19、 C.I. Pigment Violet 23及びC.I. Pigment Violet 38を包含する。
オレンジ又はイエローの顔料の例は、C.I. Pigment Yellow 1、C.I. Pigment Yellow 3、C.I. Pigment Yellow 12、C.I. Pigment Yellow 13、C.I. Pigment Yellow 14、C.I. Pigment Yellow 15、C.I. Pigment Yellow 15:3、C.I. Pigment Yellow 17、C.I. Pigment Yellow 24、C.I. Pigment Yellow 34、C.I. Pigment Yellow 35、C.I. Pigment Yellow 37、C.I. Pigment Yellow 42 (黄酸化鉄)、C.I. Pigment Yellow 53、C.I. Pigment Yellow 55、C.I. Pigment Yellow 74、C.I. Pigment Yellow 81、C.I. Pigment Yellow 83、C.I. Pigment Yellow 93、C.I. Pigment Yellow 94、C.I. Pigment Yellow 95、C.I. Pigment Yellow 97、C.I. Pigment Yellow 98、C.I. Pigment Yellow 100、C.I. Pigment Yellow 101、C.I. Pigment Yellow 104、C.I. Pigment Yellow 408、C.I. Pigment Yellow 109、C.I. Pigment Yellow 110、C.I. Pigment Yellow 117、C.I. Pigment Yellow 120、C.I. Pigment Yellow 128、C.I. Pigment Yellow 138、C.I. Pigment Yellow 150、C.I. Pigment Yellow 151、C.I. Pigment Yellow 153 and C.I. Pigment Yellow 183; C.I. Pigment Orange 5、C.I. Pigment Orange 13、C.I. Pigment Orange 16、C.I. Pigment Orange 17、C.I. Pigment Orange 31、C.I. Pigment Orange 34、C.I. Pigment Orange 36、C.I. Pigment Orange 43、及びC.I. Pigment Orange 51を包含する。
グリーン又はシアンの顔料の例は、C.I. Pigment Blue 1、C.I. Pigment Blue 2、 C.I. Pigment Blue 15、C.I. Pigment Blue 15:1、C.I. Pigment Blue 15:2、C.I. Pigment Blue 15:3(フタロシアニンブルー)、C.I. Pigment Blue 16、C.I. Pigment Blue 17:1、C.I. Pigment Blue 56、C.I. Pigment Blue 60、C.I. Pigment Blue 63、C.I. Pigment Green 1、C.I. Pigment Green 4、C.I. Pigment Green 7、C.I. Pigment Green 8、C.I. Pigment Green 10、C.I. Pigment Green 17、C.I. Pigment Green 18及びC.I. Pigment Green 36を包含する。
上記顔料の他に、レッド、グリーン、ブルー又は中間色が要求される場合には、以下の顔料を単独又はそれらの組み合わせで用いることが好ましい。使用可能な顔料の例は、C.I. Pigment Red 209、224、177、and 194、C.I. Pigment Orange 43、C.I. Vat Violet 3、C.I. Pigment Violet 19、23、and 37、C.I. Pigment Green 36、及び7、C.I. Pigment Blue 15:6を包含する。
さらに、黒色顔料の例は、C.I. Pigment Black 1、C.I. Pigment Black 6、C.I. Pigment Black 7及びC.I. Pigment Black 11を包含する。本発明に用いることができるブラックカラーインクの顔料の具体例は、カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャネルブラック);(C.I.Pigment Black 7)又は金属系顔料(例えば、どう、鉄(C.I. Pigment Black 11)、及び酸化チタン;及び有機顔料(例えば、アニリンブラック(C.I.Pigment Black 1))を包含する。
前記インクジェットインクに含まれる水不溶性顔料の含有量は、固形分として、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは0.8〜10重量%、さらにより好ましくは1〜6重量%である。前記水不溶性顔料の含有量が0.5重量%未満であると、前記インクの発色性及び画像濃度が低下することがある。15重量%を超えると、好ましくないことに、前記インクの粘度が高くなり、インクの吐出安定性が低下する。
溶媒
水は、環境に優しく、従って望ましい溶媒として挙げられている。本発明において、インク全体に対する水の含有量は、好ましくは20重量%〜80重量%である。水の含有量は、30重量%〜75重量%、さらにより好ましくは40重量%〜70重量%であることがさらに好ましい。
共溶媒
前記インクの溶媒としては、前記インクの吐出性を向上させたり、前記インクの物性を調整したりする目的で、前記インクは好ましくは、水以外に水溶性の有機溶剤を含有する。本発明の効果を損なわない範囲で、特に前記水溶性有機溶剤の種類に制限はない。
前記水溶性有機溶剤の例は、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、多価アルコールアリールエーテル、窒素含有複素環化合物、アミド、アミン、アンモニウム化合物、硫黄含有化合物、炭酸プロピレン、及び炭酸エチレンを包含する。
前記溶媒の例は、グリセリン(グリセロールともいう)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、好ましくは分子量200g/モル〜1000g/モルを有するポリエチレングリコール(例えば、PEG 200、PEG 400、PEG 600、PEG 800、PEG 1000)、グリセロールエトキシレート、ペンタエリトリトール(petaerythritol)エトキシレート、好ましくは分子量200g/モル〜1000g/モルを有するポリエチレングリコール(ジ)メチルエーテル、トリメチロールプロパン、ジグリセロール(ジグリセリン)、トリメチルグリシン(ベタイン)、N−メチルモルホリンN−オキシド、デカグリセロール(decaglyserol)、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−ピロリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、3−メチル2,4−ペンタンジオール、ジエチレングリコール−モノエチルエーテルアセテート、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール及び1,2−ブタンジオールを包含する。
前記多価アルコールの具体例は、ジプロピレングリコール(bp 232℃)、1,5−ペンタンジオール(bp 242℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp 203℃)、プロピレングリコール(bp 187℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp 197℃)、エチレングリコール(bp 196℃〜198℃)、トリプロピレングリコール(bp 267℃)、ヘキシレングリコール(bp 197℃)、ポリエチレングリコール(粘度制御された液体から固体まで)、ポリプロピレングリコール(bp 187℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp 253℃〜260℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp 178℃)、トリメチロールエタン(固体、融点(mp)199℃〜201℃)、及びトリメチロールプロパン(固体、mp 61℃)を包含する。
前記多価アルコールアルキルエーテルの例は、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp 135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp 171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp 194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp 197℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp 231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp 229℃)、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル(bp 132℃)を包含する。
前記多価アルコールアリールエーテルの例は、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp 237℃)、及びエチレングリコールモノベンジルエーテルを包含する。
前記窒素含有複素環化合物の例は、2−ピロリドン(bp 250℃、mp 25.5℃、ewc 47質量%〜48質量%)、N−メチル−2−ピロリドン(bp 202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp 226℃)、ε−カプロラクタム(bp 270℃)、及びv−ブチロラクトン(bp 204℃〜205℃)を包含する。
前記アミドの例は、ホルムアミド(bp 210℃)、N−メチルホルムアミド(bp 199℃〜201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp 153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp 176℃〜177℃)を包含する。
前記アミンの例は、モノエタノールアミン(bp 170℃)、ジメタノールアミン(bp 268℃)、トリエタノールアミン(bp 360℃)、N,Ν−ジメチルモノエタノールアミン(bp 139℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp 243℃)、N−メチルエタノールアミン(bp 159℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp 282℃〜287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp 169℃)、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルモノエタノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−エチル−モノエタノールアミン、N,N−ジ−n−ブチルモノエタノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、N−n−ブチルモノエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン及びジグリコールアミンを包含する。
前記硫黄含有化合物の例は、ジメチルスルホキシド(bp 139℃)、スルホラン(bp 285℃)、及びチオジグリコール(bp 282℃)を包含する。
その他の固体水溶性有機溶媒としては、糖類が好ましい。前記糖類の例は、単糖類、二糖類、オリゴ糖(三糖類及び四糖類を包含する)、及び多糖類を包含する。
これらの具体例は、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びマルトトリオースを包含する。ここで、上記多糖類(polysaccharides)とは、シクロデキストリン及びセルロースなどの天然に広く存在する物質を包含し得る広義の糖類(saccharides)を意味する。これらの糖類の誘導体は、糖類の還元糖(例えば、一般式: HOCH(CHOH)CHOHで表される糖アルコール、式中、nは2〜5の整数である)、酸化糖(例えば、アルドン酸及びウロン酸)、アミノ酸及びチオ酸を包含する。これらの中でも、糖アルコールが好ましい。糖アルコールの具体例は、マルチトール及びソルビトールを包含する。
一実施形態では、前記水溶性有機溶媒の混合物は、本発明によるインク組成物内に含まれていてもよい。前記個々の有機溶媒は、総インク組成に対して、好ましくは1重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜40重量%、さらにより好ましくは1重量%〜25重量%の量で存在する。
一実施形態では、前記インク組成物に含まれる水溶性有機溶媒の前記混合物を、水溶性有機溶媒のこのような混合物を含むインク組成物の安定性(信頼性)を最適化するために、且つ、印刷品質を改善するために、例えば、インク滴が前記媒体上に広がっている間に、又は、前記インクを乾燥する間に生じる、表面張力に関連する駆動力に結びつく、特に無極性媒体上の縞入り(streakiness)及び/又は合体(coalescence)及び/又はパドリング(puddling)及び/又はデウェッティングのような問題を解決するか、又は少なくとも緩和するのに、使用することができる。
一実施形態では、前記インク組成物は、少なくとも1つのオリゴマー又はポリマー共溶媒、特に、上で定義されたポリエチレングリコール及びポリエチレングリコール(ジ)メチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つを含む。そのような共溶媒のさらなる利点は、それらが、(水の蒸発による)乾燥時のインク滴に粘度増加をもたらすことである。このような粘度上昇は、広がるインク滴が隣接するインク滴と合体することを防止する。
パドリング及びデウェッティングのような印刷アーチファクトは、前記インク組成物中にこのようなオリゴマー及び/又はポリマー共溶媒を用いることによって防止されるか、又は少なくとも緩和される。この実施形態のさらなる利点は、媒体のカールが効果的に低減されることである。
オリゴマー及びポリマー共溶媒は、好ましくは0重量%〜30重量%、より好ましくは2重量%〜27重量%、及びさらにより好ましくは5重量%〜25重量%の量で存在する。
前記インク組成物に含まれる前記水溶性有機溶剤の総量は特に限定されないが、インク組成物全体に対して、好ましくは0〜75重量%、より好ましくは10〜70重量%、さらにより好ましくは15〜60重量%である。前記水溶性有機溶剤の量が80重量%を超えると、前記インク組成物の乾燥時間が長くなりすぎる。前記量が10重量%未満であると、前記インク組成物中の水がより迅速に蒸発し得る。これは、前記インク組成物の安定性を著しく低下させる可能性がある。
前記インクジェットインク中の前記水分散性着色剤と前記水溶性有機溶剤との質量比は、インクジェットヘッドから吐出されるインクの吐出安定性に影響を与える。例えば、前記水溶性有機溶剤の添加量が、前記水分散性着色剤の高い固形分にかかわらず低い場合には、ノズルのインクメニスカス近傍の水の蒸発が進み、吐出不良を引き起こされるおそれがある。前記インクジェットインクに含まれる前記水溶性有機溶剤の総量は、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%である。前記水溶性有機溶剤の量が20重量%未満であると、吐出安定性が低下し、インク吐出装置のメンテナンスに使用する機器に廃インクが付着することがある。対照的に、前記水溶性有機溶剤の量が50重量%を超えると、紙に印刷されるインクの乾燥性が低下したり、さらに普通紙に印刷される文字の質が低下することがある。
一実施形態では、アミノアルコール、特にN−アルキルジアルカノールアミンが、共溶媒として少量、すなわち、総インク組成物に対して3重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは約0.5重量%で使用される。そのようなインク配合物においては、(前記インクジェットヘッドにおける)インクの安定性及び受容媒体の上での拡展性を損なうことなく、安定化共溶媒の総フラクションを有意に減少させることができる(例えば、40重量%から20重量%〜30重量%まで)。本実施形態によるインク組成物は、好ましくは、0重量%〜40重量%、好ましくは10重量%〜35重量%、より好ましくは20重量%〜30重量%の共溶媒の総量を含む。
好適なアミノアルコールの例は、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチル−モノエタノールアミン及びN−n−ブチル−ジエタノールアミンである。
界面活性剤
本発明の前記インクは、記録媒体表面のインク吐出性及び/又は濡れ性、及び形成される画像の画像濃度及び彩度を向上させ、及びその中の白点を低減するために、界面活性剤を含有することが好ましい。記録媒体の表面へのインクの広がりを改善するため、パドリングを低減するためには、前記インク組成物の動的表面張力(10Hzで測定)を、前記表面活性剤により35mN/m以下、好ましくは34nN/m以下、より好ましくは33mN/m以下、さらにより好ましくは32mN/m以下に調整することが好ましい。前記インク組成物の静的表面張力は、好ましくは30mN/m未満である(0.1Hzで測定)。
界面活性剤の例は特に限定されない。以下を挙げることができる。
前記界面活性剤の例は、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、特にベタイン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、及びフルオロケミカル界面活性剤を包含する。特に、表面張力を30mN/m以下に下げることができる、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフルオロケミカル界面活性剤から選択される少なくとも1つを好ましくは使用する。
カチオン性界面活性剤の例は、脂肪族アミン塩、脂肪族第4アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩を包含する。
アニオン界面活性剤の例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリン酸塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸の塩、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩(例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(DSS);代替名: ドキュセートナトリウム、Aerosol OT及びAOT)、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、スルホン化油、高級アルコール硫酸塩、第2高級アルコール硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリセルサルフェート、脂肪酸アルキロールアミドサルフェート塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、及びアルキルリン酸エステル塩を包含する。
両性界面活性剤の例は、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタインを包含する。
ノニオン界面活性剤の例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン第二アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サトウキビ蔗糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキシド、アセチレングリコール、エトキシル化アセチレングリコール、アセチレンアルコールを包含する。
これらの界面活性剤の一部は、表面張力低下の観点から、フッ素原子又はケイ素原子でさらに置換されていることが好ましい。
前記フルオロケミカル界面活性剤としては、2〜16個のフッ素置換炭素原子を有する界面活性剤が好ましく、4〜16個のフッ素置換炭素原子を有する界面活性剤がより好ましい。フッ素置換炭素数が2未満であると、フルオロケミカル界面活性剤特有の効果が得られないことがある。16を超えると保存安定性等の低下を招くおそれがある。
前記フルオロケミカル界面活性剤の例は、ノニオン系フルオロケミカル界面活性剤、アニオン系フルオロケミカル界面活性剤、両性フルオロケミカル界面活性剤を包含する。
前記非イオン性フルオロケミカル界面活性剤の例は、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物を包含する。中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は、発泡性が低いため好ましい。
前記フルオロケミカル界面活性剤としては、市販品を用いることができる。
前記市販品の例は、SURFLON S−Hl、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141及びS−145(全て、Asahi Glass Co., Ltd.製)、FLUORAD FC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430及びFC−431 (全て、Sumitomo 3M Limited製)、MEGAFAC F−470、F−1405及びF−474(全て、Dainippon Ink Chemical Industries Co., Ltd.製)、ZONYL TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300及びUR(全て、E. I. du Pont de Nemours and Company製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT− 150及びFT−400SW(全て、Neos Company Limited製)、及びPOLYFOX PF−136A、PF−156A、PF−151N、PF−154、及びPF−159(全て、OMNOVA Solutions Inc.製)を包含する。これらの中でも、ZONYL FS−300(E. I. du Pont de Nemours and Company製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(Neos Company Limited製)、POLYFOX PF−151 N(OMNOVA Solutions Inc.製)が、印刷品質、特に発色性及び染料レベリング性に優れる点で好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤は、特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択することができる。
前記シリコーン系界面活性剤の例は、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、及び側鎖/両末端変性ポリジメチルシロキサンを包含する。変性基としてポリオキシエチレン基又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン界面活性剤は、これらが水系界面活性剤として優れた物性を呈するため、特に好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤は、適宜合成してもよく、又は市販品を用いてもよい。前記市販品は、BYK Chemie GmbH、Shin−Etsu Chemical Co., Ltd.、TORAY Dow Corning Silicone Co., Ltd.、Nihon Emulsion Co., Ltd.、Kyoeisha Chemical Co., Ltd.等から容易に入手可能である。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択することができる。それらの例は、ジメチルポリシロキサンのSi側鎖に式1で表されるポリアルキレンオキシド構造を導入した化合物を包含する。
Figure 2019511965

式中、X = −R(CO)(CO)R’
式1において、x、y、a及びbは整数であり;Rはアルキル基を表し、R’はアルキレン基を表す。
前記ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤としては市販品を用いることができる。
前記市販品の例は、KF−618、KF−642及びKF−643(Shin−Etsu Chemical Co., Ltd.製);EMALEX−SS−5602及びSS− 1906EX (Nihon Emulsion Co.,Ltd.製);FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163及びFZ−2164(TORAY Dow Corning Silicone Co.,Ltd.製);及びBYK−33、BYK 331、BYK 341、BYK 348、BYK 349、BYK 3455、BYK−387(BYK Chemie GmbH製);Tegowet 240、Tegowet 245、Tegowet 250、Tegowet 260 (Evonik製);Silwet L−77(Sabic製)を包含する
この項に記載の界面活性剤はすべて単独で使用してもよいし、又は複数を組み合わせて使用してもよい。
一実施形態では、界面活性剤は、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(AOT)などのジアルキルスルホスクシネート塩、Dynol 607(Air Products)などのエトキシル化アセチレングリコール及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。これらの界面活性剤は、本発明による水性ラテックスインク組成物の動的表面張力を35mN/m未満に低下させることができる。ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(AOT)は、10Hzで非常に低い動的表面張力を与えることができる(30mN/m未満)。ただし、多量に使用すると、デウェッティングのために印刷品質が低下することがある。代替物は、Dynol 607のようなエトキシル化アセチレングリコールである。
エトキシル化アセチレングリコールは、式2に示すような一般構造を有する。
Figure 2019511965



式中、R及びRは、炭素原子数3〜10、好ましくは3〜6を有する同一又は異なるアルキル基であり、好ましくはR及びRは同一であり、R及びRは同一又は異なっており、メチル及びエチルから選択され、好ましくは、R及びRの両方がメチルであり、x及びyはともに整数であり、1〜60の範囲の合計を有する。
エトキシル化アセチレングリコールの具体例は、エトキシル化3−メチル−1−ノニン−3−オール、エトキシル化7,10−ジメチル−8−ヘキサデシン−7,10−ジオール、エトキシル化4,7−ジメチル−5−デシン−4,5−ジオール、エトキシル化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及びエトキシル化2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールである。これらは、互いに組み合わせて使用することができる。
印刷媒体
上記の前処理組成物及びインク組成物で印刷することができる印刷媒体の範囲は、いかなる種類にも限定されない。特に興味深いのは、当業界で知られている普通紙及びマシンコート(すなわちオフセットコート)紙である。
印刷プロセス
本発明による前記インクを好適に用いることができる印刷処理について、図1及び図2に示す添付図面を参照して説明する。図1及び図2は、それぞれインクジェット印刷システム及びインクジェットマーキング装置の概略図を示す。
図1は、受容媒体のシート、特にマシンコート媒体Pが、矢印50,51で示されるように搬送機構12を用いて搬送方向に搬送されることを示している。搬送機構12は、(図1に示されているように)1つ又はそれより多くのベルトを含む駆動ベルトシステムであり得る。あるいは、これらのベルトの1つ以上を1つ以上のドラムと交換することができる。搬送機構は、前記印刷プロセスの各ステップにおけるシート搬送の要件(例えばシートレジストレーション精度)に応じて適切に構成することができ、したがって1つ以上の駆動ベルト及び/又は1つ以上のドラムを含むことができる。受容媒体の前記シートを適切に搬送するためには、前記シートを前記搬送機構に固定する必要がある。固定の方法は特に限定されず、静電固定、機械的固定(例えば、クランプ)及び真空固定から選択することができる。これらのうち、真空固定が好ましい。
以下に記載する印刷プロセスは、以下のステップ: 媒体前処理、画像形成、乾燥及び定着、及び場合により後処理、を含む。
媒体前処理
前記受容媒体上の、特に機械吸収媒体のような遅い吸収媒体上の、前記インクの広がり及びピンニング(すなわち、顔料及び水分散ポリマー粒子の固定)を改善するために、前記受容媒体は前処理、即ち、前記媒体上に画像を印刷する前に処理されてもよい。前記前処理ステップは、以下のうちの1つ以上を含むことができる。:
−使用済みインクの前記受容媒体への広がりを向上させるため、及び/又は使用済みインクの前記受容媒体への吸収を高めるために前記受容媒体の予熱;
−前記使用済みのインクによる前記受容媒体の濡れ性を改善するため、及び前記インク組成物の分散された固形分率(solid fraction)(すなわち、顔料及び分散ポリマー粒子)の安定性を制御するために、受容媒体の表面張力を増加させるためのプライマー前処理。プライマー前処理は、気相中で、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸及び乳酸などのガス状の酸を用いて、又は前処理液で前記受容媒体をコーティングすることによって液相中で、行うことができる。前記前処理液は、溶媒としての水、1以上の共溶媒、界面活性剤などの添加剤、及び多価金属塩、酸及びカチオン樹脂から選択される少なくとも1つの化合物を含むことができる。;
−コロナ又はプラズマ処理。
プライマーの前処理
前記前処理液の塗布方法としては、いずれの従来公知の方法を用いることができる。塗布方法の具体例は、ローラーコーティング、インクジェット塗布、カーテンコーティング、及びスプレーコーティングを包含する。前記前処理液の塗布回数に特に制限はない。一度に塗布してもよいし、又は2回以上塗布してもよい。2回以上塗布することが好ましい場合がある。被覆された印刷用紙のコックリング(cockling)を防止することができるためと、前記表面前処理液により形成された被膜が2ステップ上で塗布することにより、しわのない均一な乾燥面を形成するためである。
特に、ローラーコーティング(図1の14参照)が好ましい。なぜなら、このコーティング法は吐出特性を考慮する必要がなく、記録媒体に前記前処理液を均一に塗布することができるためである。また、ローラーで、又はその他の手段で前記塗布された前処理液の量は、前記前処理液の物理的性質と;ローラーコーターにおけるローラーの前記記録媒体への接触圧と、前記前処理液のコーターに用いられるローラーコーターにおけるローラーの回転速度と、を制御することにより好適に調節することができる。前記前処理液の塗布領域としては、印刷部のみに適用してもよいし、又は印刷部と非印刷部の両方の全表面に適用してもよい。しかしながら、印刷部のみに前記前処理液を塗布した場合には、前記塗布領域と、前記前処理液中の水による前記被覆された印刷用紙に含まれるセルロースの膨潤、続く乾燥により生じた非塗布領域との間に不均一が生じることがある。そして、均一に乾燥させる観点から、被覆された印刷用紙の全表面に前処理液を塗布することが好ましく、前記全表面に対するコーティング方法としてはローラーコーティングを好ましくは用いることができる。前記前処理液は、水性前処理液であってもよい。
コロナ又はプラズマ処理
受容媒体のシートをコロナ放電又はプラズマ処理に曝すことによって、コロナ処理又はプラズマ処理を前処理ステップとして使用することができる。特に、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム及びマシンコート媒体のような媒体に対して使用される場合、前記媒体の表面エネルギーを増加させることによって前記インクの接着及び広がりを改善することができる。マシンコート媒体では、水の吸収が促進され得、画像のより速い固定、及び前記受容媒体上でのより少ないパドリングを誘発することができる。前記受容媒体の表面特性は、前記コロナ処理又はプラズマ処理において異なるガス又はガス混合物を媒体として使用することによって調整することができる。例は、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、メタン、フッ素ガス、アルゴン、ネオン及びそれらの混合物である。空気中でのコロナ処理が最も好ましい。
図1は、受容媒体Pのシートが、第1の前処理モジュール13に搬送されて、且つ、通過することができることを示している。前記モジュールは、予熱器、例えば輻射ヒータ(radiation heater)、コロナ/プラズマ処理ユニット、ガス状酸処理ユニット、又は上記のいずれかの組み合わせを含むことができる。場合によって、及び、続いて、前記前処理液の所定量を前処理液付与部材14においける前記受容媒体Pの表面に塗布する。具体的には、前記前処理液は、前記貯前処理液の貯留槽15から、二重ロール16,17からなる前記前処理液付与部材14に供給される。前記二重ロールの各表面は、スポンジ等の多孔質樹脂材料で覆われていてもよい。先ず、補助ロール16に前記前処理液を供給した後、前記処理液を主ロール17に転写し、所定量を前記受容媒体Pの表面に塗布する。その後、前記目処理液の水分量を所定の範囲に減少させるため、前記前処理液付与部材14の下流側に設置された乾燥用ヒータからなる乾燥部材18により、その上に前処理液が供給された前記塗工印刷用紙Pを、場合によって加熱及び乾燥してもよい。前記受容媒体P上に設けられた前記提供前処理液中の全水分量に対して、1.0重量%〜30重量%の量で前記水分量を減少させることが好ましい。
搬送機構12が前処理液で汚染されないようにするために、クリーニングユニット(図示せず)を設置してもよいし、及び/又は前記搬送機構を上記のように複数のベルト又はドラムで構成してもよい。後者の手段は、前記搬送機構の上流部分の、特に前記印刷領域における前記搬送機構の、汚染を防止する。
画像形成
画像形成は、インクジェットインクを搭載したインクジェットプリンタを用いると、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから記録媒体にインク滴が吐出されることにより行われる。
画像形成には、シングルパスインクジェット印刷とマルチパス(すなわち、走査)インクジェット印刷の両方を使用することができるが、シングルパスインクジェット印刷を好ましくは用いる。なぜなら、高速印刷を行うことが有効であるためである。シングルパスインクジェット印刷はインクジェット記録方法である。それにより、インクジェットマーキングモジュールの下側の受容媒体の一回の通過によって画像の全画素を形成するため、インク滴を受容媒体上に堆積させる。
図1において、11は、それぞれが異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクを吐出するように構成された、111,112,113及び114で示される4つのインクジェットマーキング装置を含むインクジェットマーキングモジュールを表す。(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー及びblacK)。各ヘッドのノズルピッチは、例えば約360dpiである。本発明において、「dpi」は2.54cmあたりのドット数を示す。
シングルパスインクジェット印刷で使用するためのインクジェットマーキング装置111,112,113,114は、二重矢印52で示される所望の印刷範囲の少なくとも幅の長さLを有し、前記印刷範囲は、矢印50及び51で示される媒体搬送方向に垂直である。前記インクジェットマーキング装置は、前記所望の印刷範囲の少なくとも幅の長さを有するシングルプリントヘッドを含むことができる。前記インクジェットマーキング装置はまた、2つ以上のインクジェットヘッドを組み合わせることにより、構成されることができる。それにより、前記個々のインクジェットヘッドの合わせた長さが前記印刷範囲の全幅をカバーする。このように構成されたインクジェットマーキング装置は、プリントヘッドのページワイドアレイ(PWA)とも呼ばれる。図2Aは、2つの平行な列に配列された7つの個々のインクジェットヘッド(201,202,203,204,205,206,207)を含むインクジェットマーキング装置111(112、113、114は同一であってもよい)を示す。第1の列は4つのインクジェットヘッド(201〜204)を含み、第2の列は、前記第1の列に対してねじれ型(staggered)の構成で配置された3つのインクジェットヘッド(205〜207)を含む。前記ねじれ型の配置は、前記インクジェットマーキング装置の長さ方向に実質的に等距離であるノズルのページワイドアレイを提供する。前記ねじれ型の構成はまた、前記第1の列と前記第2の列のインクジェットヘッドが重なる領域においてノズルの冗長を提供し得る(図2Bの70を参照)。ねじれ型にすること(staggering)を、例えば、インクジェットヘッドの前記第2の列を配置することにより、前記インクジェットマーキング装置の長さ方向に前記ノズルピッチを減少させるのに使用することができる(従って、印刷解像度を高める)。それにより、前記第2の列の前記インクジェットヘッドのノズルの位置は、ノズルピッチの半分だけ前記インクジェットマーキング装置の長さ方向にずれている。前記ノズルピッチは、インクジェットヘッドにおける隣接するノズル間の距離、dnozzleである(図2Bの80の詳細図を表す図2Cを参照)。インクジェットヘッドのより多くの列を使用することによって解像度をさらに高めることができる。各列の前記ノズルの位置が他の全ての列の前記ノズルの位置に対して長さ方向にずれるように、列の各々が配置されている。
インクを吐出して画像を形成する場合、インクジェットヘッド(すなわち、プリントヘッド)は、オンデマンド型であってもよいし、連続型のインクジェットヘッドであってもよい。インク吐出方式としては、電気−機械変換システム(シングルキャビティタイプ、ダブルキャビティタイプ、ベンダータイプ、ピストンタイプ、せん断モードタイプ、もしくは共用壁タイプ)か、又は電気熱変換システム(例えば、サーマルインクジェットタイプ、もしくはBubble Jetタイプ(登録商標))のいずれかが使用可能であり得る。これらの中でも、現在の画像形成方法では、直径30μm以下のノズルを有するピエゾ型のインクジェット記録ヘッドを用いることが好ましい。
図1は、前処理後、前記受容媒体Pが前記インクジェットマーキングモジュール11の上流側部分に搬送されるのを示す。そして、前記受容媒体Pの全幅が覆われるように配置された各インクジェットマーキング装置111,112,113及び114から吐出された各カラーのインクによって画像形成が行われる。
場合によって、前記画像形成は、前記受容媒体が温度制御されている間に実施されてもよい。この目的のために、温度制御装置19を、前記インクジェットマーキングモジュール11の下の前記搬送機構(例えば、ベルト又はドラム)の表面の温度を制御するように配置することができる。前記温度制御装置19を、例えば30℃〜60℃の範囲内の前記受容媒体Pの表面温度を制御するため、使用してもよい。前記温度制御装置19は、前記範囲内の前記受容媒体の表面温度を制御するために、輻射ヒータなどのヒータと、例えばコールドブラストなどの冷却手段とを含むことができる。その後、印刷中、前記受容媒体Pは、前記インクジェットマーキングモジュール11の前記下流部分に搬送される。
乾燥と定着
画像が前記受容媒体上に形成された後、プリントは乾燥されなければならず、前記画像は前記受容媒体上に定着されなければならない。乾燥は、溶媒、特に、前記選択された受容媒体に関して劣った吸収特性を有する溶媒の蒸発を含む。
図1は、乾燥及び定着ユニット20を概略的に示しており、前記乾燥及び定着ユニット20は、ヒータ、例えば輻射ヒータを含むことができる。画像が形成された後、プリントは前記乾燥及び定着ユニット20に運ばれ、通過する。前記プリントは、印刷された画像に存在する溶剤、大部分は水分、が蒸発するように加熱される。前記乾燥及び定着ユニット20における空気リフレッシュ率を上げることにより、蒸発速度が速くなり、従って乾燥が促進される。同時に前記インクの膜形成が生じる。なぜなら、プリントが最低造膜温度(MFT)以上の温度に加熱されるためである。前記乾燥及び定着ユニット20におけるプリントの滞留時間及び前記乾燥定着ユニット20が動作する温度は最適化される。それにより、前記プリントが前記乾燥及び定着ユニット20を離れるとき、乾いた堅牢なプリントが得られた。上述したように、定着及び乾燥ユニット20における前記搬送機構12は、前記印刷装置の前記前処理及び印刷セクションの前記搬送機構とは分離していてもよく、ベルト又はドラムを含んでもよい。
後処理
プリントの堅牢性又はプリントのその他の特性、例えば光沢レベルなど、を高めるために、前記プリントを後処理してもよい。これは前記印刷プロセスにおける任意のステップである。
一実施形態では、前記プリントは、前記プリントを積層加工する(laminating)ことによって後処理されてもよい。
一実施形態では、前記後処理ステップは、前記印刷された記録媒体の上に透明保護層を形成するように、その上に前記インクジェットインクが塗布されたコーティング層の表面に後処理液を(例えば、噴射することにより)塗布するステップを含む。前記後処理ステップでは、前記処理液を前記記録媒体上の画像の全表面に塗布してもよいし、又は、画像表面の特定部分のみに塗布してもよい。前記後処理液の塗布方法は特に限定されず、前記後処理液の種類に応じて種々の方法から選択される。しかしながら、前記前処理液のコーティング方法において使用されるのと同一の方法又はインクジェット印刷方法が好ましくは使用される。これらの方法のうち、印刷画像と使用済みの後処理液体アプリケータとの間の接触を回避すること;使用されるインクジェット記録装置の構成;及び前記の後処理液の保存安定性、の観点から、インクジェット印刷法が特に好ましい。前記後処理ステップでは、透明樹脂を含有する後処理液が形成された画像の表面に塗布される。それにより、前記後処理液の乾燥後付着量は0.5g/m〜10g/m、好ましくは2g/m〜8g/mであり、これにより、前記記録媒体上に保護層を形成する。前記乾燥付着量が0.5g/m未満である場合、画質(画像濃度、彩度、光沢度及び定着性)における向上が殆ど得られない。前記乾燥付着量が10g/mを超える場合、コスト的に不利である。なぜならば、前記保護層の乾燥が低下し、画質向上の効果が飽和するためである。
後処理液としては、記録媒体上に透明保護層を形成可能な成分(例えば、水分散性樹脂、界面活性剤、水、及び必要に応じて添加剤)を含む水溶液を好ましくは用いる。前記後処理液に含まれる前記水分散性樹脂は、好ましくは−30℃以上の、及びより好ましくは−20℃〜100℃の範囲のガラス転移温度(T)を有する。前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は、この膜は50℃以下、及びより好ましくは35℃以下である。前記水分散性樹脂は、前記画像の光沢性及び定着性を向上させるために放射線硬化性であってもよい。
前記水分散性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが好ましく用いられる。前記水分散性樹脂は、前記インクジェットのために使用される材料と同一の材料から適宜選択することができる。前記保護層中の固形分として含まれる前記水分散性樹脂の量は、好ましくは1質量%〜50質量%である。前記後処理液に含まれる前記界面活性剤は、特に制限はなく、前記インクジェットインクに用いられるものの中から適宜選択することができる。前記後処理液のその他の成分の例は、防黴剤、消泡剤、及びpH調整剤を包含する。
これまで、画像形成ステップを、前記前処理ステップ(例えば、(水性)前処理液の塗布)と乾燥・定着工程とインラインで(in-line with)行い、いずれも同一の装置で行った(図1参照)、前記印刷プロセスが記載された。ベルトコンベア、ドラムコンベアもしくはローラを介して2台以上のマシンを接続する方法と、前処理液を塗布するステップと、コーティング溶液を乾燥させる(任意の)ステップと、画像を形成するため、インクジェットインクを吐出するステップと、印刷された画像を乾燥もしくは定着するステップとが行われる。しかしながら、上記のようなインライン画像形成方法で画像形成を行うことが好ましい。
実施例
材料
当該実施例で使用した全ての化学物質は、別段の記載がない限り、Sigma Aldrichから入手した。
使用した印刷媒体は、以下から得られた:
Sappiから得られたTriple star gloss及びTriple star matt;
Oceから得られたTCPro−silk及びTCPro gloss。
印刷物の耐水性を決定する方法
本発明の効果を示すために、以下の実施例に記載の前処理組成物を、例えば図3Aに示すパターンで、25℃で操作したKyoceraプリントヘッド型KJB4で印刷した。ここで、グレースケールは、前記前処理組成物による印刷媒体のカバレージの表示である。500,501,502及び503で示される領域は、それぞれ印刷ヘッド設定DS1(ドットサイズ)、DS2、DS3及びDS4に対応し、これらの領域は100%カバレッジ(coverage)で印刷される。隣接領域504(図3Aの左手側)は、0%カバレッジ(すなわち、505で示されるプライマーなし)から100%カバレッジ(すなわち、506で示されるプライマーによる全面印刷)までのDS3で、等距離のカバレッジステップ(すなわち、100/(60−1) ≒ ステップ当たり1.7%)で印刷された10×6の四角形を含む。
第2のステップでは、14μmインク層をロッドコーティングすることによってインク層を塗布した。
第3のステップでは、前記プリントを70℃の温度で2秒間乾燥させた。
第4のステップでは、前記印刷物を暖かい(50〜60℃)タブ水ですすいだ。
結果の一例を図3Bに示す。最後に、本発明の文脈において、すすぎ後の前記インク層の外観を目視で検出した。
製造例i: 先行技術による前処理組成物の調製
30g硝酸マグネシウム六水和物(Mw=256.4g/mol)(17.4gのMgNO(Mw=148.3g/mol)及び12.6gの水に相当する);39.2g水;30gグリセリン、1.3g Tomamine(登録商標)(CAS nr 64972−19−6、デシクリロキシプロピル−3−イミノジプロピオン酸の一ナトリウム塩、Air productsから)及び0.5g Dynol 607(AirProductsから得たポリエーテル変性アセチレングリコール界面活性剤)を混合し、以下の組成:
17.2重量%のMgNO;51.3重量%の水;29.7重量%のグリセリン;1.3重量%のTomamine(登録商標);及び0.5重量%のDynol 607;
を有する噴射可能な前処理組成物を得るため、1μmのPallフィルターで濾過した。
製造例ii: 本発明による前処理組成物の調製
80g 2,5,7,10−テトラ−オキサ−ウンデカンTOU(供給業者: Lambiotte);400g/molのモル質量を有するポリエチレングリコール20g(PEG400、供給業者: Fluka)及び20g ジグリコール酸無水物を混合し、以下の組成:
66.7重量%のTOU;16.7重量%のPEG400及び16.6重量%のジグリコール酸無水物;
を有する噴射可能な前処理組成物を得るため、1μmのPallフィルターで濾過した。
得られた前処理組成物は、25℃で噴射することができる。
製造例iii: モデル液体の調製
15gのCarboset GA2363E(Lubrizolから入手した水中の40wt%アルカリ可溶性アクリルコポリマーエマルション)及び85gの脱塩水を混合し、混合物のpHが8.0になるまでVantex(登録商標)−T(Tamincoから入手したアルカノールアミン)を添加した。
製造例iv〜vi: インク組成物1〜3の調製
下記の表1に示す成分を混合し、表1に示す組成を有する噴射可能なインク組成物を得るため、1μmのPallフィルターで濾過した。
比較例A: 先行技術による前処理組成物と接触させたときのアルカリ可溶性ラテックス樹脂の溶解性。
製造例iiiで得られたモデル液体5gをジャー内で撹拌し、撹拌しながら製造例iで得られた前処理組成物0.1gを添加した。この結果は、図4に示す写真の左側のジャー600に示されている。沈殿物は形成されず、これは、モデル液体中に存在するアルカリ可溶性樹脂が、従来技術による前処理組成物を添加した後でも、溶解したままであることを示す。したがって、アルカリ可溶性ラテックス樹脂を含むインクと従来の前処理組成物との組み合わせは、そのような前処理組成物及びインクで作製された印刷物の耐水性の顕著な改善を提供することができない。
実施例1: 本発明の前処理組成物と接触させた場合のアルカリ可溶性ラテックス樹脂の溶解性。
比較例Aを繰り返した。但し、製造例iで得られた前処理組成物の代わりに製造例iiで得られた前処理組成物を用いた。
この結果は、図4に示す写真の右側のジャー601に示されている。沈殿物602が形成された。これは、モデル液体中に存在するアルカリ可溶性樹脂が、本発明による前処理組成物を添加した後に溶液から分離することを示す。したがって、アルカリ可溶性ラテックス樹脂を含むインクと本発明による前処理組成物との組み合わせは、そのような前処理組成物及びインクにより作成された印刷物の(前記アルカリ可溶性ラテックス樹脂の低下した溶解性に起因する)耐水性の有意な改善を提供する。
表1: 製造例iv〜viにおいてそれぞれ調製したインク1〜3の組成
Figure 2019511965
1 DSMから得られた、40重量%のポリマーを含む。
2 DSMから得られた、40重量%のポリマーを含む。
3 Lubrizolから得られた、40重量%の固形分を含む。
4 FujiFilmから得られた、15重量% シアン顔料分散液。
5 Michelmanから得られた、35重量% ML190Eワックス分散液。
6 Weifan Sunwinから得られたトリメチルグリシン。
7 Tamincoから得られたpH調整添加剤(アルカノールアミン)。
8 総インク組成に対する重量%固形分(すなわち、樹脂、顔料)。
9 分散液(ラテックス、顔料及びワックス)由来の水を包含する。
比較例B: 先行技術による前処理組成物によるプリントの調製
製造例iで得られた前処理組成物の4μm層をTriple star glossプリント基板上にロッドコーティングした。続いて、製造例viで得られたインク組成物(インク3)の14μmの層をプライマーの最上部に、及び直接媒体上に塗布した。乾燥させることなく、前処理組成物及びインクを含むサンプルを直ちに温かい(50〜60℃)タブ水ですすぐ。
実施例2: 本発明の前処理組成物によるプリントの調製
比較例Bを、製造例iの前処理組成物の代わりに製造例iiで得られた前処理組成物を用いて繰り返した。
図5は、比較例(左、700)と実施例2(右、701)の結果を示す。図5において、前処理組成物が塗布されなかった領域は、すすぎ後にほぼ完全にブランクであることがわかる。従って、使用済みインク自体は低い耐水性を有する。先行技術による前処理組成物を使用する場合(図5の左側)、耐水性はほとんど改善されない(例えば、殆どすべてのインクが洗い流され、すすぎ後に低い光学濃度(OD)が残る)。本発明による前処理組成物を使用する場合(右側)、印刷物の耐水性が著しく向上する(例えば、インクが洗い流されず、すすぎ後に高いODが残る)。
従って、本質的に低い耐水性を有するインクと組み合わせて本発明による前処理組成物を使用する場合、プリントを最初に乾燥させることなく、耐水性が著しく改善される。
如何なる理論にも縛られることを望まないが、これは、水と接触したときに、前処理組成物中の酸無水物から遊離された酸とラテックス樹脂が反応することによって引き起こされ、それにより、比較例A及び実施例1において実証されるように、ラテックス樹脂が可溶性形態から不溶性形態に変化すると考えられる。
実施例3: 最大耐水性を得るための最適な前処理カバレッジを決定する。
上記の印刷物の耐水性を決定する方法は、製造例ii及びインク2で得られた本発明による前処理組成物を用いて行った(表1参照)。
前処理カバレッジにおいて最適な範囲があることが分かる。非常に低いカバレッジ(すなわち、25%以下、DS3、図3A及び図3Bの左手側を参照)では、インクは少なくとも部分的に洗い流される(低い耐水性)。非常に高いカバレッジ(すなわち、≒85〜100%、DS3、図3A及び図3Bの左手側、及び図3Aにおける502、及び図3Bにおける図3Bにおける対応する印刷領域を参照)で、インクの汚れが検出され、これは、耐水性が最適ではないか、又は堅牢性(例えばスミア耐性)が劣ることを示す。
前処理組成物によるカバレッジの最適範囲は、選択された媒体、前処理組成物及びインク組成物の組合せに依存する。
本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示する。しかしながら、開示された実施形態は、本発明の単なる例示であり、様々な形態で実施することができることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、限定として解釈されるのではなく、特許請求の範囲の基礎として、そして当業者に実質的に任意の適切な詳細構造で様々に本発明を使用することを教示するための代表的基礎として解釈される。特に、別個の従属請求項に提示され、記載されている特徴は、組み合わせて適用されてもよく、そのような請求項の任意の有利な組み合わせがここに開示される。
さらに、本明細書で使用される用語及び語句は、限定することを意図するものではない。むしろ、本発明の理解可能な説明を提供する。本明細書で使用する「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、1つ又は1つより多いものとして定義される。
このように本発明を説明したが、これは多くの点で変更可能であることは明らかである。そのような変形は、本発明の精神及び範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、当業者に明らかであるようなそのような変更のすべては、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。

Claims (12)

  1. アルカリ可溶性ラテックス樹脂及び/又は15mg KOH/g〜130mg KOH/gの酸価を有するラテックス樹脂を含む水性アルカリ性インク組成物と組み合わせて使用するための前処理組成物であって、当該前処理組成物は、
    ・水と混和性である少なくとも1つの有機溶媒を含む有機マトリックスと;
    ・前記有機マトリックスに可溶性である酸及び/又は酸無水物と;
    を含み、当該前処理組成物は実質的に水を含まない、前処理組成物。
  2. 請求項1に記載の前処理組成物であって、前記有機マトリックスの前記少なくとも1つの有機溶媒が、2,5,7,10−テトラ−オキサ−ウンデカン;イソソルビド;ジメチルエーテル;n−ブチルピロリドン;1−メチル−2−ピロリドン;ジエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸プロピレン;ジメチルスルホキシド;及びジメチルホルムアミド;からなる群から選択される、前処理組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれか一項に記載の前処理組成物であって、前記酸が、p−トルエンスルホン酸;マレイン酸;シュウ酸;酒石酸;及びオリゴ乳酸;からなる群から選択される、前処理組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の前処理組成物であって、前記酸無水物が、無水ジグリコール酸;無水安息香酸;無水マレイン酸、無水グルタル酸、及び無水コハク酸;からなる群から選択される、前処理組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の前処理組成物であって、ポリビニルピロリドン;ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン);及び(ジメチル)ポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択される少なくとも1つの粘度調整剤を、200〜10000g/molのモル質量範囲で含む、前処理組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の前処理組成物と、アルカリ可溶性ラテックス樹脂及び/又は15mg KOH/g〜130mg KOH/gの酸価を有するラテックス樹脂を含む水性インク組成物とを含む、パーツのキットであって、前記インク組成物は7より高いpHを有する、キット。
  7. 印刷する方法であって、以下のステップ:
    a)水と混和性である少なくとも1つの有機溶媒を含む有機マトリックスと、前記有機マトリックスに可溶性である酸無水物とを含む、実質的に水を含まない前処理組成物を提供するステップと、
    b)アルカリ可溶性ラテックス樹脂及び/又は15mg KOH/g〜130mg KOH/gの酸価を有するラテックス樹脂を含む水性インク組成物を提供するステップであって、前記インク組成物は7より高いpHを有する、ステップと、
    c)印刷媒体を提供するステップと、
    d)前処理組成物を前記印刷媒体上に適用するステップと、
    e)前記水性インク組成物で画像を前記前処理された印刷媒体上に印刷するステップと、
    を含む方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、以下のステップ:
    f)ステップdで得られた前記前処理された印刷媒体を乾燥するステップ、
    をさらに含む方法。
  9. 請求項7〜8のいずれか一項に記載の方法であって、以下のステップ:
    g)ステップeで得られた前記印刷された及び前処理された印刷媒体を乾燥するステップ、
    をさらに含む方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法であって、前記前処理組成物がインクジェット印刷で塗布される、方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法であって、前記前処理組成物が室温で印刷される、方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法であって、前記前処理のカバレッジが15%〜85%の範囲で選択される、方法。
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