JP2020128030A - インクセット、液体吐出ユニット、液体吐出装置、印刷方法、及び印刷装置 - Google Patents
インクセット、液体吐出ユニット、液体吐出装置、印刷方法、及び印刷装置 Download PDFInfo
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Abstract
Description
屋内屋外で掲示される広告などのサイングラフィックス分野においては、広幅のインクジェット印刷装置が上市されているが、生産性の向上に対して高い要求がある。広幅インクジェット装置においては、ヘッドがメディア幅方向(主走査方向)に走査し、メディアがヘッド走査方向に対して垂直(副走査方向)に搬送されるマルチパス方式が一般的である。
本発明の液体吐出ユニットは、少なくとも1種類の画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出するノズル孔を主走査方向に直交する副走査方向に複数設けたノズル列と、少なくとも1種類のプロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル孔を副走査方向に複数配列したノズル列と、を有するノズル群を複数備え、前記プロセスカラーの液体がシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットであって、前記インクセットの各色の顔料含有量が2.9質量%以下であり、前記各ノズル群は、少なくとも1種類の前記プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル列が副走査方向に3以上配置され、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記各ノズル群は、少なくとも1種類の前記プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル列が副走査方向に4以上配置されることが、高い生産性の点から好ましい。
前記インクセットにおいて、シアンインクの顔料含有量は0.8質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。前記シアンインクの顔料含有量が0.8質量%以上1.5質量%以下であると、更に色ムラを抑制することができる。
顔料含有量を一定値以下とすることによって色ムラの発生を抑制することができ、特に色ムラが目立ちやすいシアンインクの顔料含有量を0.8質量%以上1.5%質量%以下とすることにより、色ムラのない良好な画像を得ることができる。
[遠心分離]
・装置:日立工機株式会社製himac CS150GX
・回転速度:150,000rpm
・回転時間:1hour
[GC−MS]
・装置:株式会社島津製作所製QP5000
・カラム:Ultra ALLOY−5L=30m、ID=0.25mm Film=0.25μm
・カラム昇温:50℃〜330℃
・カラム流量:1.0ml/min
・Split:1:100
・イオン化法:EI法(70eV)
・測定質量範囲:m/z33〜600
・データ解析、解析ソフト:株式会社島津製作所製GCMSsolution
シアンインクとしてはシアン顔料を含有するインクを用いる。シアンインクにはライトシアンインクのようなシアン顔料の濃度を変更したインクが含まれる。同様に、マゼンタインクとしてはマゼンタ顔料を含有するインクを用い、イエローインクとしてはイエロー顔料を含有するインクを用い、ブラックインクとしてはブラック顔料を含有するインクを用い、ホワイトインクとしてはホワイト顔料を含有するインクを用いる。
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
本発明に使用する有機溶剤としては、特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物を含むことにより、インクの乾燥工程における樹脂の造膜が促進されるため乾燥性を高めることができる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、ホワイト顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
ホワイトインクの白色度の基準としては、ISO−2469(JIS−8148)があり、一般的にはその値が70以上の場合、白色の色材として用いられる。
ホワイトインクに用いる金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、チタン酸鉄(鉄とチタンの複合酸化物)などが挙げられる。他にも、中空粒子を白色の色材として用いてもよい。中空粒子としては、樹脂中空粒子、無機中空粒子を用いることができる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えば、カーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂株式会社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−シリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学株式会社などから入手できる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、下記一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤がより好ましい。
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業株式会社製、RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
記録媒体としては、特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
本発明に関するインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明の液体吐出装置は、本発明の液体吐出ユニットと、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御部と、を備え、更に必要に応じてその他の部を備える。
本発明の印刷方法は、本発明の液体吐出ユニットを用いて液体を吐出する液体吐出工程と、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御手段と、を備え、更に必要に応じてその他の手段を備える。
本発明のインクセットは、本発明の印刷装置に用いられるインクセットであって、
プロセスカラーの液体がシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットであり、前記インクセットの各色の顔料含有量が2.9質量%以下である。
前記インクセットの各インクが、水、有機溶剤、色材、樹脂粒子及びシロキサン化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記インクセットは、前記プロセスカラーの液体とは異なる色の液体としてホワイトインクを有することが好ましい。
図1は、インクジェット記録装置1の構成を示す模式図である。液体吐出装置であるインクジェット記録装置1は、シリアル型のインクジェット記録装置である。図1に示すように、インクジェット記録装置1は、所要の画像を印字する画像形成部2と、乾燥装置3と、ロールメディア収納部4と、搬送機構5と、を備えている。ロールメディア収納部4は、ロールメディア(記録用メディア)40を収納する。なお、ロールメディア収納部4は、幅方向のサイズが異なる記録用メディア40を収納可能である。記録用メディア40は、PVC(塩化ビニル)やPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの非浸透メディアや布や合成紙などの浸透メディアでもよい。
制御する。
或いはプロセスカラーなどの色味を持つインクを印刷し、更にその上にホワイトインクを印刷することにより、基材側から見たときに白色を背景とした画像を形成することができる。
また、プロセスカラーなどの色味を持つインクを印刷し、その上にホワイトインクを印刷し、更にその上に再度プロセスカラーなどの色味を持つインクを印刷することにより、白を背景として見る側によって異なる画像を形成することができる。
<シアン顔料分散液の調製>
以下の処方の材料を混合し、更にディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.3mmのジルコニアボール)で7時間循環分散させて、顔料分散液を得た(顔料固形分15質量%)。
[処方]
・ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製):15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製):2質量部
・イオン交換水:83質量部
<マゼンタ顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製例1において、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)を、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液を調製した(顔料固形分15質量%)。
<イエロー顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製例1において、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)を、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液を調製した(顔料固形分15質量%)。
<ブラック顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製例1において、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)をカーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、ブラック顔料分散液を調製した(顔料固形分15質量%)。
<ホワイト顔料分散液の調製>
酸化チタン(商品名:STR−100W、堺化学工業株式会社製)25質量部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5質量部、及び水70質量部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、ホワイト顔料分散液を得た(顔料固形分25質量%)。
<ポリエステルポリオールの合成>
0.5Lのセパラブルフラスコに、窒素を導入しながら、BA−2(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、日本乳化剤株式会社製)343g、及びイソフタル酸ジメチル137gを仕込み、130℃で溶融した。これらが溶融したところで、チタンテトライソプロポキシド0.14gを加え、撹拌しながら230℃まで3時間〜4時間かけて昇温し、230℃で更に2〜3時間反応させた。その後、チタンテトライソプロポキシド0.07gを追加して2時間保持した後、窒素導入を止め、1kPa減圧下で更に2時間反応させることで、ポリエステルポリオール1を得た。得られたポリエステルポリオール1の数平均分子量は1,646、水酸基価は95.6mgKOH/gであった。
撹拌翼、温度計、及び還流管を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに、窒素を導入しながら、ポリエステルポリオール1 100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(2,2−ジメチロールプロピオン酸)5.4g、トリエチルアミン4.1g、及びアセトン78gを仕込み、40℃に加熱して原材料を溶解させた。
次いで、イソホロンジイソシアネート35g、2−エチルヘキサン酸すず(II)を1滴加え、80℃に昇温し、4時間反応させた。その後、40℃まで降温し、水268gを加えて微粒子化し、更にジエチレントリアミン2.3gを加え、4時間反応させた。最後に、アセトンを除去することにより、固形分濃度35質量%のウレタン樹脂エマルション1を得た。
<インクセット1の作製>
以下のようにして調製した、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、及びホワイトインクを組み合わせてインクセット1とした。
調製したシアン顔料分散液11質量%、調製したウレタン樹脂粒子液16質量%、1,2−ブタンジオール20質量%、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド12質量%、シロキサン化合物(商品名:FZ2110、東レ・ダウ株式会社製、有効成分濃度100質量%)1質量%、及び合計100質量%となるようにイオン交換水を残量混合撹拌し、平均孔径0.2μmのポリプロピレンフィルターで濾過することにより、シアンインクを作製した。シアンインク中のシアン顔料含有量は1.7質量%であった。
シアンインクの調製において、シアン顔料分散液11質量%を、調製したマゼンタ顔料分散液19質量%に変更した以外は、シアンインクの調製と同様にして、マゼンタインクを作製した。
シアンインクの調製において、シアン顔料分散液11質量%を、調製したイエロー顔料分散液19質量%に変更した以外は、シアンインクの調製と同様にして、イエローインクを作製した。
シアンインクの調製において、シアン顔料分散液11質量%を、調製したブラック顔料分散液15質量%に変更した以外は、シアンインクの調製と同様にして、ブラックインクを作製した。
シアンインクの調製において、シアン顔料分散液11質量%を、調製したホワイト顔料分散液15質量%に変更した以外は、シアンインクの調製と同様にして、ホワイトインクを作製した。
<インクセット2〜6の作製>
実施例1において、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、及びホワイトインクの組成及び含有量を表2から表6に示す組成及び含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4及び比較例1〜2のインクセット2〜6を得た。
前記インクジェット記録装置を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(TP−188、株式会社きもと製)に印刷した。
図1に示すインクジェット記録装置の液体吐出ユニットとしては、図3に示すような、少なくとも1種類の画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出するノズル孔を主走査方向に直交する副走査方向に複数設けたノズル列と、少なくとも1種類のプロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル孔を副走査方向に複数配列したノズル列と、を有するノズル群を複数備え、前記各ノズル群は、少なくとも1種類の前記プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル列が副走査方向に3以上配置されるように、配設される液体吐出ユニットを用いた。
なお、第1ノズル群20a及び第3ノズル群20cの「NW」、「NC」、「NM」、「NY」では各インクセットの「ホワイトインク」、「シアンインク」、「マゼンタインク」、「イエローインク」を用いた。
第2ノズル群20bでは「NO」を「NW」、「NG」を「NK」に変更して、「NW」、「NK」では各インクセットの「ホワイトインク」、「ブラックインク」を用いた。
出力画像は100%ベタチャートから0%まで階調を変化させた4Cコンポジット画像であり、この4Cコンポジット画像を目視観察し、以下の基準に基づき、画像の色ムラを評価した。なお、△以上が実使用可能レベルである。結果を表1から表6に示した。
[評価基準]
◎:画像から30cm未満の距離で色ムラが認識されない
〇:画像から30cm以上1m未満の距離で色ムラが認識されない
△:画像から1m以上3m未満の距離で色ムラが認識されない
×:画像から3m以上の距離で色ムラが認識できる
<1> 少なくとも1種類の画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出するノズル孔を主走査方向に直交する副走査方向に複数設けたノズル列と、少なくとも1種類のプロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル孔を副走査方向に複数配列したノズル列と、を有するノズル群を複数備え、
前記プロセスカラーの液体がシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットであって、
前記インクセットの各色の顔料含有量が2.9質量%以下であり、
前記各ノズル群は、少なくとも1種類の前記プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル列が副走査方向に3以上配置されることを特徴とする液体吐出ユニットである。
<2> 前記シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットにおいて、前記シアンインクの顔料含有量が0.8質量%以上1.5質量%以下である前記<1>に記載の液体吐出ユニットである。
<3> 前記シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットにおいて、
顔料含有量の大小関係がマゼンタインク>シアンインク、及びイエローインク>シアンインクを満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体吐出ユニットである。
<4> 前記プロセスカラーとは異なる色の液体としてホワイトインクを有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の液体吐出ユニットである。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体吐出ユニットと、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体吐出ユニットを用いて液体を吐出する液体吐出工程と、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする印刷方法である。
<7> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体吐出ユニットからなる液体吐出手段と、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置である。
<8> 前記<7>に記載の印刷装置に用いられるインクセットであって、
プロセスカラーの液体がシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットであり、
前記インクセットの各色の顔料含有量が2.9質量%以下であることを特徴とするインクセットである。
<9> 前記シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットにおいて、前記シアンインクの顔料含有量が0.8質量%以上1.5質量%以下である前記<8>に記載のインクセットである。
<10> 前記シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットにおいて、
顔料含有量の大小関係がマゼンタインク>イエローインクである前記<7>から<10>のいずれかに記載のインクセットである。
<11> 前記プロセスカラーの液体とは異なる色の液体としてホワイトインクを有する前記<7>から<10>のいずれかに記載のインクセットである。
<12> 前記インクセットの各インクが、水、有機溶剤、色材、樹脂粒子及びシロキサン化合物を含有する前記<7>から<11>のいずれかに記載のインクセットである。
10 制御部
20 記録ヘッド
20a、20b、20c ノズル群
Claims (10)
- 少なくとも1種類の画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出するノズル孔を主走査方向に直交する副走査方向に複数設けたノズル列と、少なくとも1種類のプロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル孔を副走査方向に複数配列したノズル列と、を有するノズル群を複数備え、
前記プロセスカラーの液体がシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットであって、
前記インクセットの各色の顔料含有量が2.9質量%以下であり、
前記各ノズル群は、少なくとも1種類の前記プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出するノズル列が副走査方向に3以上配置されることを特徴とする液体吐出ユニット。 - 前記シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットにおいて、前記シアンインクの顔料含有量が0.8質量%以上1.5質量%以下である請求項1に記載の液体吐出ユニット。
- 前記シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットにおいて、
顔料含有量の大小関係がマゼンタインク>シアンインク、及びイエローインク>シアンインクを満たす請求項1から2のいずれかに記載の液体吐出ユニット。 - 前記プロセスカラーとは異なる色の液体としてホワイトインクを有する請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出ユニット。
- 請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出ユニットと、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出ユニットを用いて液体を吐出する液体吐出工程と、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする印刷方法。 - 請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出ユニットからなる液体吐出手段と、
前記液体吐出ユニットのノズル列に対し、画像形成用のプロセスカラーの液体を吐出して形成される画像の層である画像層に対して、プロセスカラーとは異なる色の液体を吐出して形成される補助的な層である補助層を先刷り、後刷り、及び間刷りのいずれかとして配置することができるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項7に記載の印刷装置に用いられるインクセットであって、
プロセスカラーの液体がシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを1種類ずつ含むインクセットであり、
前記インクセットの各色の顔料含有量が2.9質量%以下であることを特徴とするインクセット。 - 前記プロセスカラーの液体とは異なる色の液体としてホワイトインクを有する請求項8に記載のインクセット。
- 前記インクセットの各インクが、水、有機溶剤、色材、樹脂粒子及びシロキサン化合物を含有する請求項8から9のいずれかに記載のインクセット。
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