JP2019511605A - 発電機およびモーターのためのエポキシ樹脂基剤の電気絶縁系 - Google Patents

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Abstract

BF4−、PF6−、SbF6−、SbF5(OH)−、AsF6−およびAl[OC(CF3)3]4−(I)BF4−、PF6−、SbF6−、SbF5(OH)−、AsF6−および[Al[OC(CF3)3)4] (II)【化1】熱硬化性エポキシ樹脂配合物を使用する減圧含浸により含浸可能であり、そして、前記減圧含浸工程中にマイカペーパーもしくはマイカテープおよびエンジンの構成部分により取り込まれる、前記エポキシ樹脂を硬化するために十分量の、1個もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF4−、PF6−、SbF6−、SbF5(OH)−、AsF6−およびAl[OC(CF3]3]4−からなる群から選択される錯体アニオンとの1種以上の第四アンモニウム塩からなる、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤を含む、前記エンジンの運転中に通電可能な電気式エンジンの部品を包むためのマイカペーパーもしくはマイカテープが開示される。更に、それに加えて無水物非含有絶縁系が記載される。

Description

本発明は、熱硬化性エポキシ樹脂を基剤とする、電気機器、とりわけ大型電気機器の減圧(vacuum pressure)含浸(impregnation)のための、新規の、電気絶縁系に関する。本発明は更に、前記の絶縁系と一緒の使用のための特定のマイカペーパーもしくはマイカテープおよび、電気式発電機またはモーターの回転子もしくは固定子の製造における前記の絶縁系の使用に関する。
発電所に使用される発電機または大型電気式モーターのような電気式エンジンは、相互に対して、そして/または、それなくしては、それらが直接接触すると考えられるエンジンの、別の導電性部品に対して、電気絶縁される必要がある通電性部品、例えばワイヤおよび/またはコイルを含む。中程度の電圧または高電圧のエンジンにおいては、この絶縁は典型的には、マイカペーパーもしくはマイカテープにより提供される。その通電性部品を前記マイカペーパーもしくはマイカテープで巻いた後に、機器全体またはその一部のみを、前記マイカペーパーもしくはマイカテープをも透過する、硬化性の、しばしばエポキシ基剤の液体樹脂配合物で含浸させる。この含浸は好都合には、いわゆる減圧含浸(VPI)法を使用して実施される場合がある。この目的のために、含浸されなければならない前記エンジンの構成部品は容器内に挿入されて、次に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープ中の透き間および空隙(voids)を含む、前記容器内の構成部品のすべての透き間および空隙から湿度および空気を除去するように排気される(evacuated)。次に含浸配合物は、前記の排気された容器中に供給され、その後、適当な期間内に適当な含浸を可能にするのに十分に前記含浸配合物の粘度を低下させるために、場合により注意深い加熱下で、前記構成部品を含む前記容器に対して、例えば乾燥した空気もしくは窒素の過圧をかける期間が続き、そして前記の配合物は、前記マイカペーパーもしくはマイカテープ並びに、前記構成部品にかけられる真空と高圧との間の圧力差により形成される、前記構成部品内に存在する前記透き間および前記空隙を透過する。その後、前記の残留含浸配合物は前記容器から貯蔵槽に除去され、場合により新配合物を再補充され、そしてその次の使用のために、しばしば冷却下で保存される。前記の含浸された構成部品もまた、前記容器から取り出され、そして前記構成部品のマイカを巻かれた通電性部品を、相互に機械的に固定しそして/またはこれらの部品または前記構成部品全体を電気絶縁ポリマー塊(mass)中に埋封するために熱硬化される。構成部品の含浸と、更なる使用までの前記含浸配合物の暫定的貯蔵とのこのサイクルは通常、前記配合物の硬化後に、適切な電気絶縁を確保するための適当な期間内に、前記配合物が前記構成部品の間隙にもはや透過することができない程度まで十分に、前記含浸配合物の粘度が高まるまで反復される。
特に大型電気式エンジンまたはそれらの構成部品の優れた工業的減圧含浸のための材料の適合性(suitability)に関する、幾つかの重要な様相(aspects)が存在する。
前記含浸配合物の粘度は、大部分、前記配合物の含浸効力および能力(capability)を決定する。前記配合物の粘度が低いほど、それは前記の含浸された構成部品中そして前記マイカペーパーもしくはマイカテープ中の透き間および空隙を、より効完全に、より急速に充填する場合がある。
更に、前記配合物の前記の初期粘度、すなわち前記配合物が最初に使用されるときの配合物粘度は、前記配合物を使用する含浸並びに、前記配合物がかなりの含浸効力および能
力を維持し、そしてかなり長期間にわたり新配合物で置き換えられなくてもよく、そしてこれは好ましくは、それが使用されていないときは前記配合物を冷却する必要がないように、その後の使用の間の、前記配合物の保存のために適用される温度において、時間をかけて非常に緩徐にのみ増加されなければならない。
これに反して、含浸後の前記配合物の急速な硬化を確保するために、前記含浸配合物の反応性は好ましくは、より高温において高くなければならない。
作業環境に対する、有害な可能性がある化合物の放出を意味する作業衛生は、含浸配合物の取り扱いに関連する更なる重要な様相(aspect)である。
前記エンジンの含浸された構成部品の長期の耐久性および耐用年数を確保するためには、前記の硬化される含浸配合物の長期の熱安定性、その電気的特性およびその機械的特性は更に良好でなければならない。
ポリマー基剤の電気絶縁系の、特に重要な記述子(descriptor)は、20年の作業年数に対して確立された絶縁系に適用可能な、最大の連続作業温度に従って、前記の系またはその硬化されたポリマー配合物を分類する、前記の系またはその硬化ポリマー配合物の「熱による等級(thermal class)」である。モーターまたは発電機のような、中型および大型の電気式エンジンに対する、2つの特に重要な熱による等級は「等級F」および「等級H」であり、それぞれ155℃および180℃の前記硬化絶縁材の最大到達可能な連続使用温度を可能にする。
硬化された電気絶縁材の、別の、特に重要なパラメーターは、交流電場における、通常、熱の形態の、前記絶縁材に対して固有に喪失される電気エネルギーを数値で表わすパラメーターである、その誘電正接(dielectric dissipation factor)tanδである。それは印加電力に対する前記絶縁材中に喪失される電力の比率に相当し、従ってしばしば、百分率として表わされ、例えば0.1のtanδはこの表記に従うと10%に相当する。低い誘電正接は概括的に、運転中の絶縁材の温度上昇を低下させ、従って、その熱による分解および破壊を低下させるために望ましい。前記誘電正接は、前記絶縁材の化学的組成に左右されるのみならずまた、前記絶縁材の硬化度、その空隙、湿度および不純物等の含量、のような幾つかの処理パラメーターにより左右され、従って電気絶縁の実際的条件の有用な指標である。一定の周波数に対するポリマー材の誘電正接は、前記材料の温度とともに増加する。前記エンジンの適切な絶縁を確保し、その損傷を防止するために、前記材料の前記絶縁等級に従う前記の最高の許容可能な作業温度においても、それは一般に、約10%未満でなければならない。
それらの一般的に良好な全体的特性および特徴のおかげで、電気工学のための高品質の絶縁系の調製のためには、エポキシ樹脂配合物がしばしば使用される。
電気的構成部品の減圧含浸絶縁のために近年最も広範に使用されるエポキシ樹脂配合物は、硬化剤(curing agent)(硬化剤(hardener))としてのビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFのジグリシジルエーテルおよび/または脂環式エポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロフタール酸無水物(MHHPA)またはヘキサヒドロフタール酸無水物(HHPA)並びに例えば、ナフテン酸亜鉛のような適切な硬化触媒(硬化促進剤)を基剤にする。これらの配合物を基剤にした絶縁体は通常、等級H絶縁体であると分類される。更に、これらの配合物は極めて低い初期粘度を有し、従って極めて良好な含浸効力を提供する。更に、少なくとも、(前記の残留配合物浴から前記構成部品を取り出し後に、その効率的な熱による硬化を可能にするために、含浸される構成部品により取り込まれる前記配合物のその部分に対して、前記含浸工程中に、十分な硬化触媒
が放出されることを確保する量の)前記硬化触媒が、前記マイカペーパーもしくはマイカテープ中に取り込まれるときに、前記硬化触媒が前記マイカに巻かれた構成部品と接触する前に、前記浴配合物中に、硬化触媒が全く存在しないか、または極めて境界的残留量のみの硬化触媒が存在するために、長時間にわたり、このような含浸浴の粘度の増加は合理的な限界内に維持される場合がある。従って、これらの配合物基剤の含浸浴は一般に良好な保存寿命(shelf life)を有する。しかし、それらが使用されないときは、これらの配合物を冷却することが推奨される。
しかし、化学薬品に対する進展している規制枠のおかげで、呼吸器感作物質としてのそれらのR42ラベルのために、エポキシ樹脂配合物中への無水物硬化剤の使用は、近い将来制限されることが予期される。従って、幾つかの無水物は、REACH規制のSVHC候補のリスト(極めて高い憂慮物質)上にすでに載せられている。すべての、既知の無水物はR42ラベルされ、そして未知の無水物でも、毒物学者によりR42ラベルされると予期されているので、数年後には、エポキシ樹脂および前記のもののような無水物硬化剤を基剤にした含浸配合物はもはや、特別の許可なしには使用されないかもしれない。
無水物硬化剤を含まない減圧絶縁用のエポキシ樹脂基剤の配合物はすでに知られている。例えばARALDITE(登録商標) XD 4410のような、ビスフェノールAジグリシジルエーテルまたはビスフェノールFジグリシジルエーテルまたはそれらの混合物および単独重合のための潜在的(latent)硬化触媒に基づく一成分エポキシ樹脂組成物は市販されている。これらのような含浸配合物は、末端使用者が前記エポキシ樹脂を前記無水物硬化剤と混合するための混合装置を現場に所有する必要がないという、更なる利点を有するが、他方で、通常、有意に低い粘度を有し従って無水物含有配合物の全体的粘度を低下させる無水物基剤の絶縁配合物の無水物成分がこれらの系中に含まれないために、前記含浸浴はかなり高い初期粘度を有する、という欠点がある。従って、この種の配合物は通常、十分な含浸効果を達成するために、約60℃の温度に加熱されなければならない。その結果、非使用期間中のこれらの配合物の粘度の上昇もまた比較的高い。
更に、これらの系の熱等級Fはもはや、多くのエンジンに対して適切であるとは考えられない。
従って、とりわけ減圧含浸に適する、改善された無水物非含有エポキシ樹脂の絶縁系の需要がいまだ存在する。従って、とりわけ、含浸効力、貯蔵安定性、硬化速度、達成可能な熱等級および長期の熱的、機械的および、とりわけ等級Fおよび等級Hの絶縁系に許容され得るすべての運転温度において十分に低い誘電正接を含む電気的特性に関する、液体エポキシ樹脂および無水物硬化剤を基剤にした、減圧含浸のための、前記の、現代の「最も基準になる(gold−standard)」系のものに匹敵する処理の特徴、またはそれを超える特性を有する、このような絶縁系を提供することが本発明の目的である。
今や、前記の目的は、例えば部品の対応するキットの形状の、電気式エンジンの通電性構成部品のための無水物非含有絶縁系により解決されることが見いだされ、該系は、
(A)熱硬化性エポキシ樹脂配合物を使用する減圧含浸により含浸可能であり、そして、前記工程後の前記減圧含浸工程中に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するために十分量の、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの1種以上の第四アンモニウム塩を含む、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤を含む、前記エンジンの運転中に通電可能である、前記電気式エンジンの部品を包むためのマイカペーパーもしくはマイカテープと、
(B)実質的にまたは好ましくは、とりわけ1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの第四アンモニウム塩の、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤を全く含まない、1種以上のエポキシ樹脂を含む減圧含浸のための熱硬化性浴配合物と、
(C)式:
Figure 2019511605
[式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立してC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同じ意味を有する]
の、ジアリールエタン誘導体から選択される、前記熱活性化性硬化開始剤のための1種以上の共開始剤:を含み、1種以上の該共開始剤(C)は、前記の系の前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)中に含まれ、そして/または1種以上の前記の共開始剤(C)は、前記の系の熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)中に含まれ、そして前記の工程後の減圧含浸期間中に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するために十分な総量で、前記のマイカペーパーもしくはマイカテープ(A)および/または前記の熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)中に存在する。
エポキシ樹脂並びに、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの少なくとも1種の第四アンモニウム塩を含む混合物からなる、前記エポキシ樹脂の重合のための熱活性化性開始剤、並びに式:
Figure 2019511605
[式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立して、C−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはAr自体と同一の意味を有する]
のジアリールエタン誘導体から選択される、少なくとも1種の熱によるラジカル形成剤、を含むエポキシ樹脂配合物は既知であり、そして例えば、該開示全体が、参照することにより本説明中に取り入れられたこととされる、米国特許第4,393,185号および同第6,579,566号明細書中並びに国際公開第00/04075号パンフレット中に記載された。これらの先行技術の参考文献はまた、数あるなかで(to be among)、これらの配合物を、電気絶縁組成物として一般に有用なものとして開示している。
米国特許第6,579,566号明細書は更に、細流含浸(trickle impregnation)または熱浸漬ロール(hot−dip rolling)による、例えば電気式エンジンのローターの電気コイルの巻き付け体の固定に有用であるとして前記のエポキシ配合物を開示している。しかし、細流含浸および熱浸漬ロールは、含浸される巻き付け体を含む前記構成部品が、それを前記含浸配合物と接触させる前に、110ないし200℃の温度まで、すなわち既に前記含浸配合物の急速な硬化が起こる温度まで加熱される、絶縁配合物による前記巻き付け体の含浸の手順である。従って、前記含浸が実際に起こらなければならない前記構成部品の領域(すなわち、前記巻き付け体の内部)における含浸条件は、米国特許第6,579,566号明細書中に言及された通りの(例えば、前記配合物の粘度に関する限り)細流含浸または熱浸漬ロール法においては、前記含浸配合物の温度が高くないか、または前記含浸配合物の粘度の低下が必要な場合には、例えば約60℃まで少しだけ高い、減圧含浸による構成部分の含浸期間中に必要な条件とは極めて異なり、そして前記絶縁配合物の全体的硬化は、前記構成部分の含浸の終結後にのみ起こることは明白である。従って、細流含浸または熱浸漬ロール含浸のためのこれらのエポキシ樹脂配合物の知られた適合性は、当業者に、米国特許第6,579,566号明細書中に言及された化合物のセットはまた、米国特許第6,579,566号明細書に記載のエポキシ配合物中に使用される化合物を基剤にした、減圧含浸のための絶縁系を設計するために使用されてもよいことを予測させなかった。
前記減圧含浸工程中に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂配合物中の硬化開始剤の量は、硬化される前記エポキシ樹脂浴配合物の性質および所望される前記重合条件に左右される。適量は、幾つかの試験的試みを使用して当業者により決定される場合がある。前記の量は好ましくは、前記エポキシ樹脂に基づいて、約0.05ないし約15重量パーセント、より好ましくは約0.1ないし約10重量パーセント、最も好ましくは約0.1ないし約5重量パーセントである。
前記減圧含浸工程中に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂配合物中の共開始剤の量もまた、硬化される前記エポキシ樹脂浴配合物の性質および所望される前記重合条件に左右される。適量は幾つかの試験的試みを使用して当業者により決定される場合がある。前記の量は好ましくは、前記エポキシ樹脂の重量に基づいて、約0.05ないし約15重量パーセント、より好ましくは約0.1ないし約10重量パーセント、最も好ましくは約0.1ないし約5重量パーセントである。
前記減圧含浸工程中に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂配合物中の、前記硬化開始剤と前記共開始剤との間の重量比は、かなりばらつく場合がある。前記の比率は好ましくは、約0.05:約1ないし約1:約0.05、より好ましくは約0.5:約2ないし約2:約0.5である。硬化開始剤と共開始剤の特定の対に対する重量比の適量は、必要な場合には、幾つかの試験的試みを使用して当業者により容易に決定される場合がある。
マイカペーパーおよびマイカテープは当該技術分野で周知である。
本発明の目的のために、用語マイカペーパーは、場合により、特定の時間にわたり(例えば、約5分ないし1時間)、約550ないし約850℃の温度まで加熱されてそれらが一部脱水され、そして水溶液中で微細粒子に粉砕され、次に従来の製紙技術によりマイカペーパーに形成される、雲母粒子、とりわけリシア雲母(lepidolite)または、より好ましくは白雲母(muscovite)または金雲母(phlogophite)粒子の、シート様集合体を表わすためのその通常の意味で使用される。
本願に使用される通りの用語マイカテープは、少量の(マイカペーパーの約1ないし約10g/m)の樹脂、好ましくはエポキシもしくはアクリル樹脂またはそれらの混合物を使用する、シート様支持材料、通常、ガラスもしくはアルミナ織物のような非金属の無機織物あるいはポリエチレン・テレフタレートまたはポリイミドのようなポリマーフィルムにのり付けされた、前記の通りの、1枚以上のマイカペーパーからなるシート様複合材を表わす。前記マイカペーパーと前記織物との凝集は好都合には、接着性樹脂の融点を超える温度で、成形機(press)または圧延カレンダー中で実施される。
次に前記マイカペーパーもしくはマイカテープは、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの1種以上の第四アンモニウム塩を含む前記熱活性化性硬化開始剤、並びに場合により、式:
Figure 2019511605
[式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立して、C−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同一の意味を有する]
のジアリールエタン誘導体から選択される、前記の熱活性化性硬化開始剤のための1種以上の共開始剤、を使用して含浸される。
前記の化合物で含浸されるマイカペーパーおよびマイカテープはまだ新規であり、従って本発明の更なる主題である。
本発明に従うマイカペーパーもしくはマイカテープの調製のために、前記熱活性化性硬化開始剤および、場合により、前記の熱活性化性硬化開始剤のための1種以上の前記の共開始剤は、例えば、メチルエチルケトン等のような、適切な低沸点溶媒中に溶解される。前記マイカペーパーもしくはマイカテープは、例えば、その中への浸漬により、または噴霧により前記溶液と接触され、そして溶媒を除去されて、前記マイカペーパーもしくはマイカテープの構造物上そして/またはその内部に、前記の熱活性化性硬化開始剤および、場合により1種以上の前述の共開始剤を残す。前記マイカペーパーもしくはマイカテープが前記の熱活性化性硬化開始剤と1種以上の前記共開始剤とで含浸される場合は、前記マ
イカペーパーもしくはマイカテープを、前記硬化開始剤のみを含む溶液および、1種以上の前記共開始剤を含む別の溶液を使用して、同時にまたは連続して含浸することはもちろん可能であるが、通常、この含浸は、前記硬化開始剤と前記共開始剤とを含む溶液を使用して実施されることが好ましい。前記溶液中の前記硬化開始剤と任意に使用される共開始剤の濃度は重要ではなく、例えば硬化開始剤で約0.1ないし約25重量パーセント、および共開始剤で0ないし約25重量パーセント、とばらつく場合がある。前記含浸溶液中の硬化開始剤と任意使用的共開始剤の濃度が高いほど、前記含浸工程中に達成される前記マイカペーパーもしくはマイカテープの最終充填量(final load)は高い。
本発明に従うマイカペーパーもしくはマイカテープは、前記減圧含浸期間中に前記マイカペーパーもしくはマイカテープにより、そして最終的には前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するために十分な量の、前記熱活性化性硬化開始剤を含有しなければならない。この目的のために、前記マイカペーパーもしくはマイカテープは好ましくは、マイカペーパーもしくはマイカテープの、約0.1ないし約15g/m、より好ましくは約0.2ないし約7.5g/mの量の前記熱活性化性硬化促進剤および、0ないし約15g/m、好ましくは0ないし7.5g/mの量の前記共開始剤を含み、より少量の1種以上の共開始剤が前記エポキシ浴配合物中に取り込まれることが意図されるほど、前記マイカペーパーもしくはマイカテープ中に取り込まれる共開始剤の量は多くなければならない。前記絶縁系のエポキシ浴配合物が共開始剤を全く含まない場合は、前記マイカペーパーもしくはマイカテープは好ましくは、約0.05:約1ないし約1:約0.05の重量比、より好ましくは約0.5:約2ないし約2:約0.5の重量比の、硬化開始剤と共開始剤を含む。
好ましい実施態様において、共開始剤(C)の総量は、前記の系の前記熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)中に含まれる。
熱活性化性開始剤として有用な第四アンモニウム塩は例えば、既述された通りの米国特許第A−4393158号明細書、国際公開第A−0004075号パンフレットおよび米国特許第A−6579566号明細書中に開示されている。それらは非求核性の、例えば、BF (テトラフルオロボレート)、PF (ヘキサフルオロホスフェート)、SbF (ヘキサフルオロアンチモネート)、SbF(OH)(ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート)、AsF (ヘキサフルオロアルセネート)およびAl[OC(CF (テトラキス1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロ−1−エトキシアルミネート)のような錯体アニオンとの芳香族−複素環式窒素塩基との塩である。
適切な第四アンモニウム塩の個々の例は、1−メチルキノリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、1−メチルキノリニウム・ヘキサフルオロアルセネート、1−メチルキノリニウム・ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート、1−メチルキノリニウム・テトラフルオロボレート、1,2−ジメチルキノリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−エチルキノリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−ブチルキノリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンゾイルメチルキノリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンゾイルメチルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、1−メチル−2,3−ジフェニルピリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1,2−ジメチル−3−フェニルピリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンゾイルメチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−エトキシエチルキノリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、2−メチルイソキノリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、10−メチルアクリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、10−ベンゾイルメチルアクリジニ
ウム・ヘキサフルオロホスフェート、10−ブチルアクリジニウム・ヘキサフルオロアルセネート、5−メチルフェナントリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、5−ベンゾイルメチルフェナントリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチルナフチリジウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−2,3−ジフェニルキノキサリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1,2,3−トリメチルキノキサリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1,2,4,6−テトラメチルピリミジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−2,4−ジフェニルピリミジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−3−フェニルピリダジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−2,5−ジフェニルピリダジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチルフェナントロリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、5−ブチルフェナジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−メチルキノキサリニウム・ヘキサフルオロホスフェートおよび1−ベンゾイルメチルキノキサリニウム・ヘキサフルオロホスフェート、好ましくは1−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネート(N−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネート)を含む。
N−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネートは本願の目的のために特に好ましい硬化開始剤である。
本発明に従う前記減圧含浸のための前記熱硬化性浴配合物(B)中に含まれる前記エポキシ樹脂は、原則的に、約20ないし約60℃のような周囲温度またはやや高温において液体である、エポキシ樹脂の技術分野で一般に使用されるあらゆる化合物である場合がある。適切なエポキシ樹脂の代表的例は、
I) 該分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を含む化合物と、エピクロロヒドリンもしくはβ−メチルエピクロロヒドリンとを反応させることにより得られる、ポリグリシジルおよびポリ(β−メチルグリシジル)エステル。前記反応は好都合には、塩基の存在下で実施される。
該分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を含む化合物は適切には、脂肪族ポリカルボン酸の場合がある。このようなポリカルボン酸の例は、蓚酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、アセライン酸または二量体化もしくは三量体化リノール酸である。しかし更に、テトラヒドロフタール酸、4−メチルテトラヒドロフタール酸、ヘキサヒドロフタール酸または4−メチルヘキサヒドロフタール酸のような脂環式ポリカルボン酸を使用することも可能である。芳香族のポリカルボン酸、典型的にはフタール酸、イソフタール酸およびテレフタール酸もまた使用される場合がある。
II) アルカリ性条件下、または酸触媒の存在とその後のアルカリによる処理における、少なくとも2個の遊離アルコールのヒドロキシル基および/またはフェノールのヒドロキシル基を含む化合物と、エピクロロヒドリンもしくはβ−メチルエピクロロヒドリンとを反応させることにより得られる、ポリグリシジルまたはポリ(β−メチルグリシジル)エーテル。
この種のエーテルは非環式アルコールから、典型的にはエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびより高級ポリ(オキシエチレン)グリコール、1,2−プロパンジオールもしくはポリ(オキシプロピレン)グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールから、並びにポリエピクロロヒドリンから誘導される場合がある。それらはまた、1,3−もしくは1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンまたは1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキセ−3−エンのような脂環式アルコールから誘導される場合があるか、またはそれらは、N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリンまたはp,p’−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ジフェニルメタンのような芳香族核を含む。
前記エポキシ化合物はまた、単核フェノールから、典型的にはレゾルシノールまたはヒドロキノンから誘導される場合があるか、あるいは、それらはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのような多核フェノールから、並びにホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロラールまたはフルフルアルデヒドのようなアルデヒドと、好ましくはフェノールまたはクレゾールのようなフェノールと、あるいは、塩素原子またはC−Cアルキル基により核内で置換されたフェノール、例えば4−クロロフェノール、2−メチルフェノールまたは4−tert−ブチルフェノールとの縮合により得られる、あるいは前記に引用されたタイプのビスフェノールとの縮合により得られるノボラック、から誘導される。
III) 少なくとも2個のアミノ水素原子を含むアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物の脱塩酸化(dehydrochlorination)により得られるポリ−(N−グリシジル)化合物。これらのアミンは典型的には、アニリン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、m−キシレンジアミンまたはビス(4−メチルアミノフェニル)メタンである。ポリ(N−グリシジル)化合物はまた、トリグリシジルイソシアヌレート、エチレン尿素または1,3−プロピレン尿素のようなシクロアルキレン尿素のN、N’−ジグリシジル誘導体および、ヒダントインの、典型的には5,5−ジメチルヒダントインのジグリシジル誘導体を含む。
IV) ポリ(S−グリシジル)化合物、好ましくは1,2−エタンジオールまたはビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテルのようなジチオールから誘導されるビス(S−グリシジル)誘導体。
V) 脂環式エポキシ樹脂、すなわち、例えばビニルシクロヘキセンまたはジシクロヘキサジエンまたはジシクロペンタジエンのジエポキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,3−エポキシシクロペンチルグリシジルエーテル、1,2−ビス(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)エタン、3,4−エポキシシクロヘキシル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートまたは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのような、前記エポキシ樹脂の分子中の脂環式環に縮合された少なくとも1個のエポキシ基を含むエポキシ樹脂。
前記1,2−エポキシ基が異なるヘテロ原子または官能基に結合されたエポキシ樹脂を使用することも可能である。これらの化合物は典型的には、4−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、N−グリシジル−N’−(2−グリシジルオキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントインまたは2−グリシジル−オキシ−1,3−ビス(5,5−ジメチル−1−グリシジルヒダントイン−3−イル)プロパンを含む。
更に、ビスフェノールのジグリシジルエーテル、好ましくはビスフェノールAもしくはビスフェノールFのジグリシジルエーテル基剤のエポキシ樹脂が本発明のために使用される場合がある。
更に、ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、好ましくはジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレートまたはトリグリシジルトリメリテート基剤のエポ
キシ樹脂も、成分Aとしての使用に適切である。
別の適切なエポキシ樹脂は、トリメチロールプロパン・トリグリシジルエーテルまたは脂環式エポキシ樹脂基剤である。
前記エポキシ樹脂浴配合物は、好ましくは25℃で約5000mPa.s以下、より好ましくは25℃で約1000mPa.s以下の低粘度を有しなければならない。
ヘキサヒドロフタール酸もしくは4−メチルヘキサヒドロフタール酸のジグリシジルエステルのような脂環式ポリカルボン酸から誘導されるエポキシ樹脂並びに、例えば、ビニルシクロヘキセンもしくはジシクロヘキサジエンもしくはジシクロペンタジエンのジエポキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,3−エポキシシクロペンチルグリシジルエーテル、1,2−ビス(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)エタン、3,4−エポキシシクロヘキシル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートまたは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのような、前記エポキシ樹脂の分子内の脂環式環に縮合された、少なくとも1個のエポキシ基、好ましくは2個のエポキシ基を含む前記の化合物のような脂環式エポキシ樹脂は、本発明の目的に特に好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、一方で、約20℃ないし約60℃の室温もしくはやや高温において非常に低い粘度を有し、そして他方で、本発明に従う硬化開始剤/共開始剤系を使用して熱硬化されるときに、絶縁等級FまたはHの硬化絶縁材をもたらす、すなわち、該絶縁材が更に、155℃で有意に10%未満の優れた誘電正接(tanδ)を示す、それぞれ155℃および180℃の最大連続使用温度を可能にする。
本発明の目的のために最も好ましいエポキシ樹脂は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサン−カルボキシレートである。
これらの薬剤が、例えばその粘度または保存寿命に対して、そして/または最終的に得られる硬化絶縁材の特性に対して、とりわけその誘電正接およびその熱分類(絶縁等級)に対するような、硬化前の前記配合物の特性に対して不都合な影響を与えない限りは、本発明に従う前記の系の前記熱硬化性浴配合物(B)に、更なる補助剤を添加することは、好ましくはなく、また通常不要ではあるが、本発明の範囲内にある。このような補助剤は例えば、可塑化剤、増量剤(extenders)、顔料、染料並びに難燃剤、消泡剤、接着促進剤、抗酸化剤等を含む。
式:
Figure 2019511605
[式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立してC−Cアルキルまたはフェニルであり、
そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同じ意味を有する]
の、1,2−ジアリールピナコール誘導体、1,2−ジアリールピナコールエーテル誘導体および1,2−ジアリールピナコールエステルもしくはシリル誘導体は、本発明に従う減圧含浸のための前記無水物非含有絶縁系の共開始剤成分(C)を形成する。適切な化合物はまた、例えば、既述された米国特許第4,393,185号および同第6,579,566号明細書並びに国際公開第00/04075号パンフレット中に記載されている。
共開始剤として適切に使用される場合があるピナコールもしくはピナコール誘導体の説明に役立つ実例は、1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオール(ベンゾピナコール)、ベンゾピナコールジメチルエーテル、ベンゾピナコールジエチルエーテル、ベンゾピナコールジイソプロピルエーテル、ベンゾピナコールジアセテート、ベンゾピナコールジプロピオネート、ベンゾピナコールジブチレート、ベンゾピナコールジカプリレートまたはベンゾピナコールジベンゾエート、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)テトラフェニルエタン、アセトフェノンピナコールジメチルエーテル、アセトフェノンピナコールジプロピルエーテル、アセトフェノンピナコールジアセテート、アセトフェノンピナコールジバレレート、アセトフェノンピナコールジベンゾエート、プロピオフェノンピナコールジメチルエーテル、プロピオフェノンピナコールジブチルエーテル、プロピオフェノンピナコールジアセテート、2,3−ジフェニル−2,3−ビス(トリフェニルシロキシ)ブタンまたは3,4−ジフェニル−3,4−ビス(トリメチルシロキシ)ヘキサン、好ましくはアセトフェノンピナコール、または1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオール(ベンゾピナコール)およびそれらの混合物である。
とりわけ、硬化開始剤としてのN−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネートと一緒に使用されるときの最も好ましい共開始剤は、1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオール(ベンゾピナコール)である。
1種以上の前記共開始剤(C)は、本発明に従う前記絶縁系の前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)中、または前記の系の前記熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)中、または前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)と前記熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)両方中、のいずれかに含まれる場合がある。
本発明に従う前記絶縁系の前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)が共開始剤を含まないときは、前記浴中の1種以上の前記エポキシ樹脂に基づいた前記浴配合物に、好ましくは、約0.05ないし15重量パーセント、好ましくは約0.1ないし約5重量パーセントの1種以上の共開始剤(C)を添加すべきである。反対に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)が、前記減圧含浸工程期間中に前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するために十分な、1種以上の前記共開始剤(C)の量を含む場合は、その後の熱硬化工程において、前記エポキシ浴配合物はもちろん、共開始剤を含まない場合がある。その他の点では、本発明に従う前記絶縁系の成分(A)と(B)間の1種以上の前記共開始剤の量的分布は全く重要でなく、そして前記工程後の前記減圧含浸工程期間中に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するために十分な総量の、1種以上の前記共開始剤(C)が、前記の系の前記成分(A)および/または(B)中に存在する限り、自由に選択されてもよい。前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)および/または前記エポキシ浴配合物(B)中に取り込むための共開始剤の適量は、必要な場合には、これも幾つかの試験的試みを使用して当業者により容易に決定される場合がある。
本発明に従う特に好ましい絶縁系は、
前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)は前記熱活性化性硬化開始剤としてN−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネートを含み、
前記熱硬化性浴配合物(B)は、好ましくは唯一の前記エポキシ樹脂として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサン−カルボキシレートを含み、そして、
とりわけ前記熱硬化性浴配合物が前記共開始剤(C)の総量を含む場合は、前記共開始剤(C)は1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオールである、
系である。
本発明に従う絶縁系は、電気式発電機またはモーター、とりわけ大型発電機またはモーターの回転子もしくは固定子の製造における使用に特に適する。従って、この用途は本発明の別の主題である。
本発明に従う電気絶縁系は例えば、
(a)回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分の通電可能な部品は、熱硬化性エポキシ樹脂配合物を使用する減圧含浸により含浸可能であり、そして、減圧含浸工程期間に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するための十分量を、前記マイカペーパーもしくはマイカテープにより含まれる、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物とBF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの1以上の第四アンモニウム塩からなる、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤、並びに、場合により、式:
Figure 2019511605
[式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立してC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同じ意味を有する]
のジアリールエタン誘導体から選択される、前記熱活性化性硬化開始剤が前記エポキシ樹脂配合物を硬化するために必要な1種以上の共開始剤の少なくとも一部の量、を含むマイカペーパーもしくはマイカテープで巻かれ、
(b)前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分は容器中に挿入され、
(c)前記容器は排気され(evacuated)、
(d)実質的にまたは好ましくは、とりわけ、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの第四アンモニウム塩の、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤を全く含まず、そして前記熱活性化性硬化開始剤が前記エポキシ樹脂配合物を硬化するために必要な1種以上の前記共開始剤の量の残りを含む、1種以上のエポキシ樹脂を含む熱硬化性浴配合物は、前記の排気された容器内に供給され、その後、前記配合物が前記マイカペーパーもし
くはマイカテープ並びに、構成部品(components)にかけられる真空と高圧との間の圧力差により形成される、前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分の構造物内に存在する透き間および空隙を所望時間内に透過することを可能にするために十分に前記容器内の前記熱硬化性浴配合物の粘度を低下させるために、場合により注意深い加熱下で、前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分を含む前記容器に、例えば、乾燥空気または窒素の過圧をかける期間が与えられ、
(e)前記残留熱硬化性浴配合物は前記容器から取り出され、そして
(f)前記熱硬化性浴配合物で含浸された前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分は前記容器から取り出され、そして前記容器から除去後に、前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分により含まれる前記熱硬化性浴配合物を硬化するために加熱される、
工程に従って、電気式発電機またはモーターの回転子もしくは固定子の製造に使用される場合がある。
本発明に従う無水物非含有絶縁系を使用するための対応する方法は、本発明の更なる主題である。
前記容器に過圧をかける期間の長さは例えば、前記熱硬化性浴配合物の粘度、使用される前記マイカペーパーもしくはマイカテープの構造および含浸性、含浸されるべき前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分のサイズ並びにそれらの構成の複雑さ、に応じて当業者により選択される場合があり、また一般に約1ないし約6時間の範囲である。
前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分により含まれる前記熱硬化性浴配合物の硬化を実施するために、それらは加熱される。前記硬化温度は、適用される前記エポキシ樹脂配合物および適用される1種以上の特定の硬化開始剤および共開始剤に左右され、そして一般に、約60ないし約200℃、好ましくは約90ないし約160℃の範囲である。
回転子、固定子またはそれらの構成部品の製造における本発明に従う前記絶縁系を使用するための前記方法の特に好ましい実施態様において、前記熱硬化性浴配合物は貯蔵槽から、前記の排気された容器中に供給され、そして前記容器からの取り出し後に、前記貯蔵槽に再度戻され、そして、更なる使用のために、場合により冷却下で前記の槽中に貯蔵される。更なる使用の前に、前記使用済み浴配合物は新配合物を再補充される場合がある。
更なる様相において、本発明は、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの1種以上の第四アンモニウム塩からなる熱活性化性硬化開始剤を含む前記の絶縁系とともに使用のためのマイカペーパーもしくはマイカテープに関する。
前記マイカペーパーもしくはマイカテープは好ましくは、前記マイカペーパーもしくはマイカテープの約0.1ないし約15g/m、好ましくは約0.2ないし約7.5g/mの量の前記熱活性化性硬化促進剤を含む。
本発明に従う前記マイカペーパーもしくはマイカテープの特別の実施態様は更に、好ましくは、0.1ないし約15g/m、好ましくは約0.2ないし約7.5g/mの量の、式:
Figure 2019511605
[式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立してC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同じ意味を有する]
のジアリールエタン誘導体から選択される、前記の熱活性化性硬化開始剤のための1種以上の共開始剤を含む。
本発明に従う前記マイカペーパーもしくはマイカテープの好ましい実施態様は、
前記熱活性化性硬化開始剤がN−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネートであり、
前記共開始剤が1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオールであり、そして
前記熱活性化性硬化開始剤のための共開始剤を含まない、
マイカペーパーもしくはマイカテープ、を含む。
以下の実施例は本発明を例示する役割を有する。別記されない限り、温度は摂氏度数で提示され、部は重量部であり、そして百分率は重量パーセント(重量パーセント)に関連する。重量部はリッターに対するキログラムの比率における容量部に関連する。
(A)実施例中に使用される成分の説明
CY 179:ビス−(エポキシシクロヘキシル)−メチルカルボキシレート、供給会社、Huntsman,Switzerland、
FKXB 6079A:N−ベンジルキノリニウムヘキサフルオロアンチモネート、供給会社、Huntsman,Switzerland、
ベンゾピナコール:1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオール、供給会社、Natland,USA、
MY 790−1CH:蒸留ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)、エポキシ当量:5.7ないし5.9当量/kg、供給会社、Huntsman,Switzerland、
HY 1102:メチルヘキサヒドロフタール酸無水物、供給会社:Huntsman,Switzerland、
XD 4410:BADGE、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(BFDGE)および2,3−エポキシプロピル−o−トリルエーテル基剤の一成分エポキシ基剤VPI−樹脂、
DY 9577:ボロントリクロリド−オクチルジメチルアミン付加物(1:1)基剤のエポキシ無水物硬化剤系のための硬化促進剤、供給会社:Huntsman,Switzerland、
DY 073−1:第三アミンを基剤にしたエポキシ無水物硬化剤系のための硬化促進剤。
マイカテープは、場合により、前記マイカペーパーと、機械的支持のための非反応性もしくは反応性接着剤により前記マイカペーパーに接着された、E−ガラスから製造された軽量のガラス織物またはポリマーフィルムとの圧密化(consolidation)のための1種以上の添加剤または樹脂を含むマイカペーパーからなる。以下のテープは実施例中に使用された:
XB 6079Aを含む新規の、本発明のマイカテープ、供給会社:Isovolta,Austria、
Poroband ME 4020:亜鉛ナフテネートを含むマイカテープ、供給会社:Isovolta,Austria、
Poroband 0410:促進剤を含まないマイカテープ、供給会社:Isovolta,Austria。
(B)テープを含まない、対照配合物および発明の配合物の特性の比較:
a)比較例1(MY 790−1CH/HY 1102/DY 9577/DY 073)
前記の硬化された生の(neat)樹脂(マイカテープを含まない)の特性を比較するために本比較例を実施する。Zn−ナフテネートは前記エポキシ/無水物混合物中に均一に分散させることが極めて困難であるために、比較例1の硬化のために、Zn−ナフテネート(典型的な市販のテープ中に含まれる)の代わりに、少量の硬化促進剤DY 9577およびDY 073−1が使用される。
23℃における前記浴の安定性を試験するために、1kgのMY 790−1CHおよび1kgのHY 1102を、アンカー撹拌機を備えた鋼容器中で、周囲温度で5分間一緒に混合する。次にこの混合物を23℃で80日間、浴安定性に関する貯蔵試験のために、不活性ガラスビン内に保持する。
前記混合物の粘度を、60℃の測定温度において前記貯蔵の前後に測定する。60℃における初期粘度は32mPasであるが、前記粘度は80日の貯蔵期間中に12%だけ増加した。
前記硬化材のすべての、別の特性を試験するために、1kgの前記の混合物に、通常含浸テープの硬化を促進すると考えられる前記Zn−ナフテネートの代替物として、0.8gのDY 9577および0.2gのDY 073−1を添加し、更に10分間、混合する。次に本混合物を金型中で、対応する厚さに成形して、前記の様々な試験用のプレートを調製する。前記材料を前記金型に注入後、これらを90℃で16時間、そして140℃で10時間、オーブン内に入れる。
b)比較例2(XD 4410)
本例は、前記組成物中に前記触媒を含む単独重合性芳香族エポキシ系(一成分系)に関する。それは通常、触媒を含まないマイカテープと適合する。
市販品ARALDITE(登録商標) XD 4410を直接使用して、23℃で409日間にわたり前記貯蔵安定性を測定する。XD 4410は78mPasの粘度(60℃における初期値)および409日間で6%未満の増加を示す。
本混合物の反応性を80℃および140℃においてゲルタイマーを使用して測定する。
別の試験用のプレートを製造するために、それを、対応する厚さの金型に注入して、前記の様々な試験用のプレートを調製する。前記金型中への前記材料注入後、これらを12
5℃で4時間、そして170℃で12時間オーブン内に入れる。
c)発明の実施例1
本発明の系に従う絶縁系のための熱硬化性浴配合物(B)の実施例は、996.2gの樹脂CY 179および2.2gのベンゾピナコールの混合物(80℃で10分間溶解された)である。
この浴配合物の安定性を、23℃で180日間の貯蔵期間にわたり測定する。46mPasの初期粘度は23℃で180日間の貯蔵期間中6.5%だけ増加する。
マイカテープを含まない試験プレートを製造するために、0.8gのN−ベンジル−キノリニウム−ヘキサフルオロアンチモネートを499.2gの前記の浴配合物、すなわち996.2gの樹脂CY 179中に2.2gのベンゾピナコールの前述の溶液中に40℃で溶解する(生成される絶縁系は、CY 179中に、0.22%のベンゾピナコールおよび0.16%のN−ベンジルキノリニウム−ヘキサフルオロアンチモネートを含む)。
本混合物の反応性を、80℃および140℃においてゲルタイマーを使用して測定する。
前記の別の試験用プレートを製造するために、前記配合物を対応する厚さの金型中に注入して、前記の様々な試験用プレートを調製する。前記金型中に前記材料を注入後、これらを、90℃で2時間、130℃で2時間、そして180℃で2時間、オーブン内に入れる。
d)試験結果
比較例1および2並びに本発明の実施例1の前記硬化性エポキシ浴配合物を使用する前述の試験結果は、以下の表1に要約される(テープを含まずに測定されたデータは、このような絶縁系のエポキシマトリックスの特性を示す目的のみのためである)。
Figure 2019511605
はISO 6721/94に従って決定;
誘電正接 tanδは IEC 60250に従って決定;
(TGA 20K/分)における5重量%のロス:記載の温度は、20K/分の加熱速度でサンプルを加熱中、前記重量ロスが丁度5%に到達する温度である。
C)本発明に従うマイカペーパーおよびマイカテープの調製並びにそれらの適用試験
160g/mの面積重量をもつ未焼結雲母片を基剤とするマイカペーパーのシートを200×100mmサイズの長方形に切断する。マイカペーパーの含浸のために0.25重量%のXB 6079Aを含む、メチルエチルケトン(MEK)中XB 6079Aの溶液を調製する。前記マイカシートを2.0gの溶液で含浸し、該溶媒を120℃のオーブン中で1分間除去する。
処理されたマイカペーパーをそのまま使用するか、またはガラス織物と合わせる。その
場合、3g/mのエポキシ/アクリル樹脂混合物で前以て被覆されたガラス織物スタイル792(23g/m、26×15の、5.5tex/5.5tex)を、約100℃の融点を有する固体エポキシ樹脂を使用して前記マイカテープに付着させる。この目的のために、前記固体エポキシ樹脂は、処理された前記マイカペーパー上に均一に分散される。次に、前記ガラス織物をその上に配置する。該試料片を、加熱された成形機中にいれて、前記エポキシ樹脂を融解する(130℃で30秒)。前記ガラス織物と前記マイカペーパーは成形機から取り出し後、粘着する。
得られたマイカペーパーのシートおよびガラス/マイカペーパーの試料片を半分に切断して、100×100mmのサンプルを与える。層間に、それぞれ1.5gの均一に分布された含浸樹脂を伴った、4層のマイカペーパーを重ねて、4.5gの総樹脂重量を与える。
前記含浸試験片は、Tettex装置中での硬化期間中、前記誘電正接tanδをモニターするために使用されるか、または加熱された成形機中で硬化される。前記Tettex装置中の硬化およびtan(δ)測定は、155℃で実施される。前記の熱い成形機中の硬化は、次の温度サイクル:2bar、90℃で2時間−2bar、130℃で2時間−圧力なし、180℃で10時間に従って実施する。過剰の樹脂は硬化期間中に前記積層品からはみ出して急冷される。
硬化された前記複合体は、155℃におけるtanδ測定に供され、そして、IEC 61006に従うDMA(動的機械分析)、三点曲げモードによるT測定用試験片を50mm×10mmの形状に切断する。
Poroband ME 4020(対照系1)を使用する(DY 9577および073−1を含まない)比較例1と、Poroband 0410(対照系2)を使用する比較例2と、本発明の実施例1の前記硬化性エポキシ浴配合物とによる前述の試験結果は以下の表2に要約される。
Figure 2019511605
誘電正接tanδは、400V/50Hzにおけるガードリング電極を使用してTettex装置においてIEC 60250に従って決定された。
は、Tとして最大tanδを使用し、IEC 61006に従って、DMA、三点曲げモード、加熱速度5K/分を使用して決定された。
(D)上記実施例からの結論:
a)テープを使用しない比較例に基づく結論;
作業衛生の第1の重要な様相に関して、前記無水物非含有の本発明の実施例は、それが呼吸器感作物質を含まず、従ってSVHCと見なされないために、古典的な無水物基剤の
対照例より優れている。
前記無水物基剤の対照例は極めて低い粘度を有するが、比較例2に従う既存の無水物非含有溶液(XD 4410)は、比較的高粘性であり、従って、前記マイカテープおよび前記巻き付け体中に含浸することがより困難である。本発明の浴配合物は、前記無水物基剤の対照例に極めて類似する粘度レベルを有し、そしてXD 4410基剤の前記無水物非含有の対照浴配合物よりもより良く含浸される場合がある。
前記の浴の安定性に関しては、前記無水物基剤の対照例は23℃で80日間のみの間に、すでに12%だけ粘度を増加する。この問題を克服するために、通常、冷蔵が適用される。前記無水物非含有対照浴配合物(XD 4410)は極めて安定で、従って冷却を必要としない。驚くべきことには、CY 179およびベンゾピナコール基剤の新規の浴系により、前記浴の安定性は極めて良好である(180日間に6.5%の増加)。従って、本発明の浴組成物に対しては典型的には、冷却は必要でないと考えられる。
前記の伝統的な対照例に対する本発明の系の更なる利点は、それが一成分製品として適用される場合があるので、前記の浴を更新するときに、二成分を混合する必要がない点である。該適用工程期間に、前記の浴から一部分が蒸発し、従って、前記対照例により最適な混合比率に影響を与える可能性がある無水物が存在しないので、この問題は本発明の実施例により発生せず、より良い一貫性の品質をもたらす。
本発明の製品の反応性は、80℃までの温度で極めて低いが、約140℃の温度では急速である。これは、本系が極めて潜在的(latent)であり、従って、貯蔵温度においては安定であるが、より高温では極めて反応性であることを意味する。
比較例2に従う一成分の対照例もまた、80℃で極めて緩徐であるが、それは高い硬化温度においてもまだ遅い(140℃で30分のゲル化時間)。
本発明の系のTは極めて高い。それは155℃の適用臨界温度にまだ、より距離があるので、有望である。
最も有望で驚くべき所見は、155℃における誘電正接tanδは更に低く、従って硬化促進剤として第三アミンまたはボロントリクロリド−オクチルジメチルアミン付加物を含む無水物基剤の対照例の値よりも優れている点である。
それは前記の表に与えられる重量ロスの短期実験による温度安定性において、更に優れているかも知れないが、155℃における>10%の誘電正接tanδは、比較例2の前記無水物非含有対照例(XD 4410)の主要論点で、このような系が等級Hの適用には使用不可能であろうという理由である。この点で、本発明の実施例は未変更の対照例と少なくとも同様に安定である。
従って結論として、前記の新規発明の絶縁系は驚くべきことには、減圧含浸のための伝統的な絶縁系の問題と、無水物/SVHC/REACHの問題と、高い粘度、高温における低い反応性、等級Fに対する制約および10%を超える高すぎる誘電正接tanδのような、既知の無水物非含有系の問題とをすべて解消する。
b)含浸マイカペーパーおよびマイカテープの比較に基づく結論
実験は、低温における前記マイカペーパーとガラス/マイカテープ試験片の良好な含浸性を示す。更に、前記含浸マイカペーパーとガラス/マイカテープ組み合わせ物の機械的増強のために使用される場合がある、ポリエステル−ポリオールとの適合性が示される場
合がある。前記ポリエステル−ポリオールはごく僅かに高いtanδ値をもたらし、Tはポリエステル−ポリオールを含まないサンプルに等しい。
異なるレベルのN−ベンジル−キノリニウム−ヘキサフルオロアンチモネート(0.12ないし0.5g/m)で含浸されたマイカペーパーを使用する試験は、前記絶縁材のtanδおよびT値に対する濃度の影響をほとんど示さない。

Claims (15)

  1. (A)熱硬化性エポキシ樹脂配合物を使用する減圧含浸により含浸可能であり、そして、前記減圧含浸工程中にマイカペーパーもしくはマイカテープおよびエンジンの構成部分により取り込まれるエポキシ樹脂を硬化するために十分量の、1個もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの1種以上の第四アンモニウム塩を含む、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤を含む、前記エンジンの運転中に通電可能な前記電気式エンジンの部品を包む(wrap)ためのマイカペーパーもしくはマイカテープと、
    (B)実質的にまたは好ましくは、とりわけ、1個もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの第四アンモニウム塩の、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤を全く含まない、1種以上のエポキシ樹脂を含む、前記減圧含浸のための熱硬化性浴配合物と、
    (C)前記の系(system)の前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)中に含まれる場合があり、そして/または前記の系の前記熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)中に含まれる場合がありそして、前記の工程後の前記減圧含浸期間中に、前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの前記構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するために十分な総量で、前記のマイカペーパーもしくはマイカテープ(A)中そして/または前記の熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)中に存在する、式:
    Figure 2019511605
    [上記式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立してC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同じ意味を有する]
    の、ジアリールエタン誘導体から選択される、前記熱活性化性硬化開始剤のための1種以上の共開始剤と:
    を含む、電気式エンジンの通電性構成部品のための無水物非含有絶縁系。
  2. 前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)は、前記マイカペーパーもしくはマイカテープの約0.1ないし約15g/m、好ましくは約0.2ないし約7.5g/mの量の前記熱活性化性硬化促進剤を含む、請求項1記載の絶縁系。
  3. 前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)は、0ないし約15g/mの量の1種以上の共開始剤(C)を含む、請求項2記載の絶縁系。
  4. 1種以上の共開始剤(C)の総量は、前記の系の前記マイカペーパーもしくはマイカテープ(A)中に含まれる、請求項3記載の絶縁系。
  5. 共開始剤(C)の総量は、前記の系の前記熱硬化性エポキシ樹脂浴配合物(B)中に含
    まれる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の絶縁系。
  6. 前記熱硬化性浴配合物(B)の1種以上のエポキシ樹脂は、脂環式ポリカルボン酸および/または前記エポキシ樹脂の分子中の脂環式環に縮合された少なくとも1個のエポキシ基、好ましくは2個のエポキシ基を含む脂環式エポキシ樹脂から誘導される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の絶縁系。
  7. 前記熱活性化性硬化開始剤は、N−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネートを含むか、または好ましくは、N−ベンジルキノリニウム・ヘキサフルオロアンチモネートである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の絶縁系。
  8. 1種以上の前記共開始剤(C)は、1、1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオール(ベンゾピナコール)を含むか、または好ましくは、前記共開始剤は、1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオールである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の絶縁系。
  9. 前記熱硬化性浴配合物は、前記共開始剤(C)を含む、請求項1記載の絶縁系。
  10. 1個もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの1種以上の第四アンモニウム塩からなる熱活性化性硬化開始剤を含む、マイカペーパーもしくはマイカテープ。
  11. 前記マイカペーパーもしくはマイカテープの約0.1ないし約15g/m、好ましくは約0.2ないし約7.5g/mの量の前記熱活性化性硬化促進剤を含む、請求項10記載のマイカペーパーもしくはマイカテープ。
  12. 更に、式:
    Figure 2019511605
    [式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立してC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同じ意味を有する]
    のジアリールエタン誘導体から選択される、前記熱活性化性硬化開始剤のための1種以上の共開始剤を含む、請求項10または11記載のマイカペーパーまたはマイカテープ。
  13. 電気式発電機またはモーターの回転子または固定子の製造における,請求項1ないし9のいずれか1項に請求される通りの部品のキットの形状の、電気式エンジンの通電性構成部品のための無水物非含有絶縁系の使用。
  14. 電気式発電機またはモーターの回転子もしくは固定子の製造における、請求項1ないし9のいずれか1項に請求の通りの電気式エンジンの通電性構成部品のための無水物非含有
    絶縁系か、請求項10ないし12のいずれか1項に記載のマイカペーパーもしくはマイカテープかを使用する方法であって、
    (a)前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分の通電可能な部品は、熱硬化性エポキシ樹脂配合物を使用する減圧含浸により含浸可能であり、そして、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物とBF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、AsF およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの1種以上の第四アンモニウム塩からなる、前記エポキシ樹脂配合物のための、減圧含浸工程期間に前記マイカペーパーもしくはマイカテープおよび前記エンジンの構成部分により取り込まれる前記エポキシ樹脂を硬化するための十分量で前記マイカペーパーもしくはマイカテープにより含まれる、熱活性化性硬化開始剤と、場合により、式:
    Figure 2019511605
    [式中、Arはフェニル、ナフチルまたはC−Cアルキル−もしくはクロロ−置換フェニルであり、R1はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−O−CO−R3または−OSiR4R5R6であり、R3はC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR4、R5およびR6はそれぞれ相互に独立してC−Cアルキルまたはフェニルであり、そしてR2はC−Cアルキルまたはシクロヘキシルであるか、あるいはArと同様な意味を有する]
    のジアリールエタン誘導体から選択される、前記熱活性化性硬化開始剤が前記エポキシ樹脂配合物を硬化するために必要な1種以上の共開始剤との少なくとも一部の量を含む、マイカペーパーもしくはマイカテープで包まれ、
    (b)前記回転子、固定子またはそれらの構成部分は容器内に挿入され、
    (c)前記容器は排気され、
    (d)実質的にまたは好ましくは、とりわけ、1もしくは2個の窒素原子を含む芳香族−複素環式化合物と、BF 、PF 、SbF 、SbF(OH)、およびAl[OC(CF からなる群から選択される錯体アニオンとの第四アンモニウム塩の、前記エポキシ樹脂配合物のための熱活性化性硬化開始剤を全く含まず、そして前記熱活性化性硬化開始剤が前記エポキシ樹脂配合物を硬化するために必要な1種以上の共開始剤の量の残りを含む、1種以上のエポキシ樹脂を含む熱硬化性浴配合物が、前記の排気された容器中に供給され、その後、前記マイカペーパーもしくはマイカテープと、該構成部品に適用される真空と高圧との間の圧力差により形成される、前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分の構造物中に存在する透き間および空隙とを、前記配合物が所望時間内に透過することを可能にするために十分に前記容器内の熱硬化性浴配合物の粘度を低下させるために、場合により注意深い加熱下で、前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分を含む前記容器に、例えば乾燥空気または窒素の過圧をかける期間が続き、
    (e)前記残留熱硬化性浴配合物を前記容器から取り出し、そして
    (f)前記熱硬化性浴配合物で含浸された前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分は前記容器から取り出され、そして前記容器から取り出し後に、前記回転子もしくは固定子またはそれらの構成部分により含まれる前記熱硬化性浴配合物を硬化するために加熱される、方法。
  15. 1種以上のエポキシ樹脂を含む前記熱硬化性浴配合物は、貯蔵槽から、工程(d)において、前記の排気された容器中に供給され、そして工程(e)において前記容器から取り
    出し後に再度、前記の貯蔵槽に戻され、そして更なる使用のために、場合により冷却下で、前記貯蔵槽内に貯蔵される、請求項14記載の方法。
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