JP2019510345A - セパレータ付き電極を製造するためのシステムおよび方法 - Google Patents

セパレータ付き電極を製造するためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

電極上にセラミック系セパレータを設けるためのシステム及び方法が開示されている。セパレータは、セラミック系セパレータの電極への乾式無溶媒塗布によって電極上に形成される。電極は、フィード機構を介して塗布領域へ提供され、次いで当該電極にはセパレータ層が適用され、それは、熱可塑性材料および熱硬化性材料の少なくとも1つを含む結合剤と非導電性セパレータ材料とからなるものである。セパレータ層は乾式分散塗布によって電極に塗布される。【選択図】図7

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2012年5月16日に出願された米国仮特許出願第61/647773号の非仮出願であり、且つその優先権を主張するものであるところの、2012年9月14日に出願された米国特許出願第13/617162号の一部継続出願であり、その優先権を主張するものであり、これらの開示はその全体が本明細書に組み入れられる。
発明における政府の権利
米国政府は、この発明における支払済み実施権を有し、限定された状況において特許所有者に対して、アメリカ国防兵站局によって与えられたSP4701−09−D−0049 CLIN 0002およびHQ0147−140−C−8307の条項によって規定される妥当な条件で、他者に実施権を提供することを要求する権利を有するものである。
[技術分野]
本発明の実施形態は概して、電極を製造するための乾式無溶媒の方法および装置に関し、より詳細には、電極上にセパレータ層を形成するための方法および装置に関する。
通常、バッテリ、コンデンサ、燃料電池などの電源は、正および負の電極を含む。電源の化学的性質によって、製造方法が異なる。Liイオン産業で使用されるような多くの方法は、溶媒を使用して、活物質、導電材および結合剤を湿潤スラリー中で混合すること、および基板に塗布することを含む。この塗布は、ドクターブレード、ロール転写被覆、スロットダイまたは押出によるものであってもよい。
次いで、キャスト電極を乾燥炉で乾燥させるが、溶媒は、フューム(fume)が環境中に逃げないように再捕獲されるか、または溶媒は乾燥機の補助燃料として使用される。このプロセスは時間がかかり費用が高くつく。乾燥炉は通常、非常に大きく、長く、高価で場所をとる。溶媒は、通常、可燃性であり、その化学構造から除去するのが困難であり、環境に悪影響を及ぼし、環境的にも安全性の観点からも、正しく取り扱うのに費用がかかる。溶媒の回収が必要な場合は、溶媒を捕獲し、濃縮し、浄化し、再使用または廃棄のために準備する必要がある。
電源製造のいくつかの公知の方法は、一方の電極上では溶媒スラリーから離れているが、他方の電極上では依然として溶媒系の方法を使用している。非溶媒法は、通常、活物質、導電材および結合剤の混合物を電極に圧入または押出し、その後基板または集電体に付着させることを含む。したがって、今日の製造技術はスループットを制限し、そのような電極のコストは過大となりうる。
溶媒キャスティングおよびこれに続く抽出によって作製される電極は、通常、乾燥した電極が機械的に圧印(coin)されるときに、集電体に対する良好な接着性を示す。溶媒キャスティングおよびこれに続く抽出の作用により、結合剤および電極構造体は、スポンジ構造と同様に開放したままになる。圧印操作により、30〜50%の気孔率を残して電極構造体が押し潰される。電解質で浸潤すると、この押し潰されたスポンジ状構造は緩和し、一般に電極の膨潤と呼ばれる様相を呈する。PVDF―ポリビニリデンフルオライドすなわちポリビニリデンジフルオライドとして知られる典型的な陽極結合剤は、ビニリデンジフルオライド(フッ化ビニリデン)の重合によって製造される高度に非反応性で純粋な熱可塑性フルオロポリマー(フッ素樹脂)である。これは、陽極のリチウム電位において容易に反応しない数少ない公知の結合剤の1つであり、よって典型的にはLiイオンバッテリにおける結合剤(バインダー)として好適である。
製造業者の中には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用し、結合剤をフィブリル化して自立膜を作製する方法の開発を試みているものがある。次いで、この活物質を担持した自立膜を集電体に圧し付けて電極が作製される。PTFEはリチウムイオン陽極電位において安定ではないので、その使用は陰極結合剤の使用に限定される。他の製造業者は、水系結合剤を使用してリチウム電極構造体を作製しようと試みている。それらの製造業者は、水分がリチウム塩と反応し、得られるバッテリの性能に悪影響を与えるのを防ぐために電極を完全に乾かすのに苦労している。
よって、Liイオンバッテリを製造する好適な方法は、典型的には、少なくとも一方の電極について、多くを要求する性能要件を満たすと同時に(基材への十分な接着性を示すことによって)多くを要求しかつ厳密な寿命要件も満たす溶媒系の方法を含む。しかし、これらの環境に害を及ぼす溶媒の取り扱い、再生、および最終的な処分と関連付けられるコストのために、Liイオンおよび他の溶媒系電極を製造するコストは過大となりうる。
バッテリ製造はまた、バッテリの電極にバッテリセパレータを設けることも含み、バッテリセパレータは、バッテリの陽極と陰極との間に配置されて、電気的短絡を防止するために2つの電極を離して保持すると同時に、電気化学セルで電流が流れる間に回路を閉じるために必要なイオン電荷キャリアの輸送も可能にする。既存のバッテリセパレータの製造および適用方法には多くの欠点が伴うことが認められている。すなわち、セル面積が小さく、多くの電極が積層されたバッテリでは、組立中のアライメント(alignment)および積層に関する問題、ならびに短絡の問題が発生し、全体的な電池収率が低下する。個々の電極のタビング(Tabbing)およびセパレータの配置は、バッテリ製造に課題を提示し、電極の端部にセパレータを熱ステーキング(heat staking)するなどの技法は有用であるが、全体のアライメントおよび短絡の課題に完全には対処するものではない。
典型的なバッテリセパレータ製造および適用方法では、バッテリセパレータは、セパレータ材料をポアフォーミングオイルと混合し、続いてブロー、キャスト、および抽出/カレンダ加工を行ってセパレータを微多孔体として残すことによって形成される、独立したシート/層として形成される。セラミックセパレータはポリオレフィン基材を使用し、基材にセラミック粒子を添加して、高ポリマー(15〜35%)担持型のセラミックセパレータを得る。セパレータ材料をロール上に保管し、その後、特定のセルおよびバッテリタイプごとのセパレータを製造するために、スリッティング/サイズカッティングを行う必要があり、次いで、セル/バッテリの実際の製造時に、スリッティング/カッティング済みのセパレータをアライメントし、セル/バッテリに適用する。
従って、電極を製造するための無溶媒の方法および装置を提供することが望ましい。セパレータの調製および適用と関連付けられる追加的なスリッティング、サイズカッティングおよびアライメントのステップを除くべく、セパレータを電極に直接設けるための方法を提供することも望ましい。
(特になし)
本発明は、電極を製造するための方法および装置、より詳細には、電極用のセラミック系セパレータを形成するための方法および装置を対象とする。
本発明の一態様によれば、電極に乾式無溶媒のセラミック系セパレータを塗布する方法は、フィード機構を介して電極を塗布領域に提供するステップと、乾式分散塗布によって電極に、結合剤と非導電性セパレータ材料とからなるセパレータ層を塗布するステップであって、前記結合剤は熱可塑性材料および熱硬化性材料のうちの少なくとも1つを含む、セパレータ層を塗布するステップと、を含む。
本発明の別の態様によれば、電極とセパレータとを含むバッテリセルを製造する方法は、電極を提供するステップと、電極を塗布領域の方へ送るステップと、セパレータ層を形成するべく、乾式無溶媒被覆法により塗布領域で電極上に、非導電性セラミック系セパレータ材料と結合剤の混合物を被覆するステップと、を含む。
本発明の更に別の態様によれば、バッテリセルは、電極と、その電極に接着されたセパレータ層とを備えてなり、前記セパレータ層が、熱可塑性材料および熱硬化性材料のうちの少なくとも1つを含む結合剤と、非導電性セラミック系セパレータ材料と、を含み、セパレータ層の結合剤は重量比で2〜30%の範囲である。
様々な他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなるであろう。
図面に、本発明を実施するために現在企図されている好ましい実施形態を示す。
本発明の一実施形態による、電極基板上に電極活物質を形成するためのシステムの構成要素を示す図である。 発明の実施形態による、電極基板にベース層を塗布し、そこに1つまたは複数の活物質層の電極層を塗布するためのステップを示す図である。 本発明の一実施形態を使用してその上に電極が形成されたベース層を示す図である。 本発明の一実施形態による、電極基板の両側(両サイド)に電極活物質を形成するためのシステムの構成要素を示す図である。 本発明の実施形態を使用して電極基板の両側(両サイド)に電極が形成されたベース層を示す図である。 本発明の一実施形態による、セパレータシステムが図1のシステムと一体化されている、電極にセパレータ層を塗布するためのセパレータシステムの構成要素を示す図である。 本発明の一実施形態による、電極上にバッテリセパレータを設けるための乾式無溶媒の方法を示す図である。 本発明の一実施形態による、陽極・セパレータ構造体と陰極・セパレータ構造体とを組み合わせることによって得られる電気化学セルを示す図である。
本発明の実施形態によれば、リチウム・イオン・バッテリなどのエネルギー蓄積(貯蔵)装置用の電極が、無溶媒の方法および装置を使用して製造され、セパレータ層は、乾式分散法によって電極に対して設けられる。
図1に、基板102(完成した電極における集電体としても知られる)の片側に結合剤(バインダー)および電極活物質を堆積させることによって電極を製造するシステム100を示す。基板102は、一例では、陽極集電体としての銅または陰極集電体としてのアルミニウムを含むことができる。別の例では、陽極集電体は、例えば鋼を含む複合材である。他の例として、基板102は、これに限定されないが、ニッケルメッキ鋼、繊維状炭素の複合材、二酸化スズ(SnO)を含むこともでき、例えば、打抜きソリッドシートや膨張した複合材(すなわち、重量を低減し、またはより高い機械的または材料充填を可能にするために基板の開放膨張を可能にする)とすることもできる。しかし、本発明はこれに限定されず、当技術分野で公知であるように、任意の基板または集電材を使用して、他の(1または複数の)活物質を有する電極が形成されてもよい。活物質または活物質混合物には、チタン酸リチウム酸化物(LTO)、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、ニッケルコバルトマンガン酸化物、リン酸鉄、酸化鉄、炭素およびケイ素が含まれるが、これに限定されない。
基板102は、基板102の材料を提供すると共に逆回転する(二つの)ガイドマンドレル108によって案内されるフィードマンドレル106を有するフィード機構またはローラシステム104を介して供給される。本発明の実施形態では、基板102は、単一の電極シートであってもよく、その連続フィードであってもよい。基板102は、第1の塗布領域110および第2の塗布領域112を介して供給され、その間、結合剤、活物質、および導電材を含みうる混合物が基板102上に塗布されるかまたは噴霧される。熱は、さらに後述するように、塗布領域110、112内で、及び/または領域を通過した後に、電極材料の結合および形成を実施するために加えられる。基板は、電極活物質が結合された基板を収集マンドレル116の方へ案内する第2のガイドマンドレルのセット114を通過する。本発明によれば、第2のガイドマンドレルのセット114は、その上に電極を有する基板102を最終的な所望の一貫した厚さに圧縮するために、その間に動作中に維持される空間またはギャップを持たせて設計されうる。
第1の塗布領域110は、基板102上に材料混合物の第1層またはベース層を噴霧120するように構成された噴霧機構(スプレーガンや噴霧を生じさせる他の公知の装置など)を含む、基板102に第1層を塗布するための装置118を含む。一般に、第1の塗布領域110は、材料を基板上に塗布するための噴霧機構またはスプレーガンを有するものとして説明されており、「噴霧120」として図示されているが、材料の塗布には、例えば、塗装、ブラッシング、粉体被覆、流動床の使用、ドクターブレード法、ウエスでの拭き取りを含む任意の機構を使用されうることが企図されている。実際、記載されているこの塗布領域および後続の全塗布領域においては、基板102への第1層および後続層の塗布にスプレーガンまたは他の公知の噴霧装置が用いられてもよく、または、上述したように、材料の塗布に任意の機構が使用されてもよいこと、および「噴霧」という用語は、表面へ液体を塗布するために使用される任意の機構または手段に適用されうることが企図されている。
本発明によれば、装置または噴霧機構118は、噴霧120を約2〜20psiで放出させる。本発明によれば、噴霧120は、結合剤、導電性炭素、および電極活物質の混合物を含む。結合剤は、一実施形態によれば、熱可塑性材料または熱硬化性材料を含み、これは、一実施形態では、噴霧120中の全材料の6〜85重量%の範囲のポリビニリデンフルオライド(ポリフッ化ビニリデン)(PVDF)である。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、1%程度の低いレベルや100%程度の高い結合剤レベルが使用されてもよい。さらに、本発明は、PVDFに限定されるものではなく、本発明の実施形態による、かつ前述した、熱可塑性材料および熱硬化性材料を含む、当技術分野で公知の任意の結合剤が含まれていてもよい。当技術分野で公知であるように、熱可塑性樹脂は、ある温度を超えると軟らかくなり、冷却すると固体に戻るポリマーである。対照的に、またやはり当技術分野で公知であるように、熱硬化性材料は、硬化プロセス中に不可逆的化学結合を形成し、溶融時に分解する(冷却時に再形成されない)。本発明の実施形態によれば、結合剤は、例えば、PVDFまたはその任意の誘導体、またはPTFEまたはその任意の誘導体であってもよい。本発明の別の実施形態によれば、結合剤に構造的完全性を付加するために、結合剤に超高分子量ポリエチレン材料が含まれていてもよい。導電性炭素は、当技術分野において公知であるように、電極内粒子間の電気的接触を生じさせ、または高めるために含まれていてもよい。
噴霧120はまた、TIMREX(登録商標)KS6(TIMREXは、スイス国所在のTimcalSAの登録商標である)などのグラファイトを包含すべく概して4〜8%の導電性炭素も含んでいてもよい(ただし、本発明によれば、17%以上まで、および最大例えば40%までの増量された導電性炭素が使用されてもよい)。噴霧120の残量%は、LTO、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、ニッケルコバルトマンガン酸化物、リン酸鉄、酸化鉄、炭素およびケイ素を含むがこれらに限定されない電極活物質である。一例として、噴霧120は、重量比で13%の結合剤および8%の導電性炭素を含み、噴霧120の残量は79%の活物質である。
本発明によれば、第1の塗布領域110内で基板102上に堆積された噴霧120は、第1層混合物の基板102への結合を開始するために加熱される。一実施形態では、ヒータ122が装置118に対向して位置決めされ、基板の温度を約100゜F(約37.8℃)から500°F(約260℃)まで、一実施形態では300゜F(約148.9℃)までの範囲内に上昇させるに十分な電力がヒータ122に供給される。しかし、別の実施形態では、ヒータ124は、噴霧120が当てられる基板102の面とは反対側の基板102の面を加熱するように位置決めされる。この実施形態においても、ヒータ124は、基板の温度を約100゜F(約37.8℃)から500゜F(約260℃)まで、一実施形態では300゜F(約148.9℃)までの範囲内に上昇させるように給電される。また、熱は、一実施形態ではヒータ126を介してベース層へ、第1の塗布領域110を通過後、少なくとも第1層が塑性状態に到達するまで加えられてもよく、この後第1層は、後続層の電極材料を塗布する前に冷却されてよい。よって、本発明によれば、電極材料の第1層またはベース層が基板102に塗布され、基板102への結合が一方または両方のヒータ122、124を介して開始される。またベース層の結合剤も、ベース層を融解させて基板102上に均一に形成させるために、ヒータ126を使用して全体にわたって融解されてよい。ヒータ122、124および126は、任意の数の公知の機構によって熱を加えてもよい。例えば、ヒータ122〜126には、赤外線(IR)ヒータ、対流ヒータ、伝導ヒータ、放射ヒータ(例えば、IRスペクトル外)または誘導ヒータが含まれうる。
ヒータ122/124およびヒータ126は、一般に異なる目的を果たす。例えば、ヒータ122/124は、基板102と接触している結合剤材料を塑性状態に変化させて(しかし、結合剤が容易に溶融して流れる点まで加熱せずに)、基板102に付着するように、基板102に向けられた熱を提供する。他方で、ヒータ126は、全体として、ベース層を形成する噴霧された材料の大部分を加熱するように向けられている。本発明によれば、このようにして、基板102のいずれかの面に熱を供給することができ、ヒータ122、124は、噴霧120内の結合剤の量などの要因に応じて、装置118に対して異なる位置に設けることができる。よって、異なるタイプのヒータを、異なる所望のタイプの加熱を行うために使用することができる。例えば、ヒータ122および/またはヒータ124は、主として基板102を加熱させる誘導ヒータであってもよく、ヒータ126は、IRヒータ、対流ヒータまたは放射ヒータであってもよい。別の例では、1つまたはすべてのヒータ(122および/または124、および126)がIRヒータである。実際、本発明によれば、行われるべき加熱の所望のタイプ(基板と塗布物質層との関係)に応じて、任意の組合せのヒータが使用されうる。
当技術分野で公知であるように、一般には、電極内の活物質の量を最大にすることが望ましい。よって、同時に噴霧120で使用される結合剤の量を最小限に抑えることも望ましいが、これには、第1の塗布領域110において基板102上に噴霧されるベース層において十分な結合が得られるというガイドラインによる制約がある。噴霧材料120の第1層の結合は、ヒータのタイプ、得られた温度などだけでなく、噴霧120に存在する結合剤、導電性炭素、および活物質の量によっても影響される。当技術分野で公知であるように、粒径は、形成される電極のタイプに基づいて積極的に選択されてもよく、ナノメートルサイズの低粒子から数百ミクロン以上までの範囲であってもよい。粒径は、電極の深さ全体にわたって変えられてもよい。よって、活物質の粒径は、ベース層に堆積されうる活物質の量だけでなく、結合剤の量、およびベース層の結合を開始するために加えられる熱の量にも影響する。
本発明によれば、装置118は、噴霧120内の粒子を基板102に向けて案内し、加速するために、静電荷が印加されたスプレーガンを含んでいてもよい。公知の噴霧機構は、ノズル128から放出された粒子が電荷を与えられて、ノズル128と基板102との間に静電電圧差を形成させるように、典型的にはスプレーガン118のノズル128に近接して印加される静電荷を含む。一実施形態によれば、ノズル128に印加される静電電圧は25kVであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明によれば、噴霧120が基板102に均一に塗布されるように、25kVを上回る、または下回る任意の電圧、例えば100kVが印加されてもよい。電圧差は、噴霧120が向けられる基板102の領域を接地することによって高められてもよい。基板102は、第1の塗布領域110を絶え間なく通過するため、基板102を直に接地することは不都合でありうる。よって、本発明によれば、その上を基板102が通過する支持構造体130が設けられてもよい。支持構造体130は固定され、基板102と電気的に接触しており、よって、基板102の接地は、支持構造体130に接続された接地線132を設けることによって実施されうる。一実施形態によれば、基板102を噴霧120が当たる場所に近接してより均一に接地するために、複数の接地線が含まれていてもよい(第2の接地線134で表されているが、本発明によれば、多数が含まれていてもよい)。
システム100は、第2層を基板102上に堆積させる第2の塗布領域112を含む。第2の塗布領域112は、噴霧138を基板102に向けて放出させ、第1の塗布領域110で塗布された第1層上に落とさせ、または当てさせる装置136(上述したように、スプレーガンや噴霧を生じさせる他の公知の装置など)を含む。ある電極層から次の電極層への接着は、基板102への最初のベース層の接着と比べて達成しやすい傾向があるため、第2の電極層および任意の後続電極層のための噴霧138は、通常、より少ない結合剤を含む。よって、本発明の一実施形態によれば、噴霧138は、重量比で80〜90%の活物質(LTO、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、ニッケルコバルトマンガン酸化物、リン酸鉄、酸化鉄、炭素およびケイ素を含むが、これに限定されない)、重量比で4〜8%の導電性炭素、および残量の結合剤(一実施形態ではPVDF)を含む。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、第2の電極層(および任意の後続層)における結合剤レベルもまた、1%程度の低いレベルや100%程度の高いレベルとすることもできる。実際、本発明によれば、第1層と、第1層に塗布される第2層および後続層とには、任意の組成及び比率の活物質及び結合剤が含まれていてもよい。
本発明によれば、基板102に熱を提供する一つまたは両方のヒータ140が含まれていてもよい。しかし、基板102は、第1の塗布領域110ですでにベース層を塗布されているため、ベース層も形成されるべき断熱バリアを提供するという理由で、ヒータ140が不要になる場合がある。また、ある電極層から次の電極層への結合はより効果的である可能性があり、噴霧138からの後続の電極材料を塑性状態に到達させるにはヒータ142からの熱で十分となりうるという理由で、ヒータ140が含まれない場合もある。
ヒータ140(使用される場合)およびヒータ142は、例えば、IRヒータ、対流ヒータ、放射ヒータまたは誘導ヒータを含む、任意の数の公知の方法で熱を供給してもよい。さらに、装置136も、25kVなどの静電荷が印加されうるノズル144を有する噴霧機構を含んでいてもよい。塗布領域112は、支持体146と、前に塗布されたベース層上への噴霧138の堆積を高めるための1つまたは複数の接地線148とを含んでいてもよい。
本発明によれば、システム100は、コントローラ152を介して制御コマンドを実行する命令を含むコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を備えたコンピュータ150を含む。このようにして、コントローラ152に、噴霧ステーション、ヒータおよびローラ機構の動作を、当技術分野で公知であり、上記の動作に従って記載されるように制御させることができる。
図1のシステム100の動作は、図2に示すようなブロック図200内の一連のステップとして要約することができる。ステップ202から開始して、基板材料が供給され204、ステップ206で、結合剤、導電性炭素および活物質の第1層またはベース層が基板上に塗布される。熱は、ステップ208で基板の非噴霧側へ加えられ、上述したように、ステップ206での噴霧の位置の真向かいにヒータを含んでいてもよく、かつ/または熱は、基板の非噴霧側に、基板にベース層が塗布される領域またはゾーンを通過させた後に加えられてもよい。次いでステップ210で噴霧側が加熱されてよく、この後、基板上に第1層が形成される。ステップ212では、結合剤、導電性炭素および活物質の第2層が第1層上に噴霧される。上述したように、非噴霧側が、図1のヒータ140によって表されるように、第2の噴霧領域の真向かいに、またはそのすぐ後に位置するヒータで加熱されてよい(ステップ214)。熱は、第2層の結合剤を塑性状態に到達させるために、噴霧側(216)にも加えられてよい。示唆されるように、上述したプロセスを繰り返すことによって後続層が電極層へ塗布されてよい。すなわち、図1を参照すると、追加層を加えるために、第2の塗布領域112などの追加の噴霧ステーションがシステム100内に、概ね無制限に含まれていてもよい。よって、ステップ218で、追加層が求められる場合(220)、ブロック図200には、後続層が追加されうるように戻り(222)が示されている。言い換えれば、戻り(222)は、部品を第2の塗布領域112を通して物理的に戻すことを表すものではなく、システム100が所望の最終的な厚さを得るためにその設計に多数の噴霧ステーションを含みうることを示している。
やはり示唆されるように、後続噴霧ステーションは各々、所望の最終的な電極の設計に応じて、異なる量の結合剤、導電性炭素および活物質の噴霧混合物を含んでいてもよい。当技術分野で公知であるように、一例では、電極深度内に、最小の活物質粒子は基板の最も近くに存在し、最大の活物質粒子は電極外面の近くに存在するような粒径の勾配を有することが望ましい場合がある。逆に、基板に近接してより大きい粒子を有し、電極外面の近くにより小さい粒子を有することが望ましい場合もある。あるいは、電極全体にわたって均一な活物質粒径を有することが望ましい場合もある。このような設計は、当技術分野で一般に理解され、すべて本発明の実施形態に従って形成されうる。すなわち、各層の厚さ、ならびに各層内の粒径は、電極内で所望の活物質の粒径勾配が達成されるように、電極の形成中に後続層が追加される際に選択され、制御されてもよい。
電極内に様々な材料粒径の、または異なる活物質を有するアモルファス層を堆積できることには、いくつかの利点が存在しうる。一例では、集電体へ近いほど大きい粒径を層化し、電極厚さの構築が集電体から離れるにつれて段階的により小さい粒径を層化することにより、所与の結合剤を用いた溶媒キャスト法によって処理された単一、バイモーダル(bimodal)、またはトリモーダル(trimodal)の粒径分布から構築された電極と比較して、より高い電力およびより高いエネルギー密度およびサイクル寿命が可能になりうる。また、記載のプロセスは、所定の用途に合わせて電極の性能を最適化するために、必要に応じて結合剤および導電性添加剤を変えることも可能にするであろう。これにより、電極活物質マトリクスは、アモルファス層から、優れた界面伝導性を有する多少なりとも離散的な層に変更されることになる。
界面抵抗を生じさせることなく層化できることは、従来の溶媒系技術および他の公知の方法に優る大きな改善である。本発明に記載される層化方法は、当業者が予想するほど界面抵抗が明らかではない類のものである。実際、抵抗またはインピーダンスは予想より少なく、開示の方法が、活物質を集電体へ塗布する溶媒系方法より優れており、当技術分野にとって大きな改善であることを実証している。
次に、図3を参照すると、電極300は、図1の基板102に対応する基板302を含む。電極300は、結合剤304内に活物質混合物の1または複数の層を含み、上述したように、その厚さ306全体にわたって粒子厚さの勾配を含みうる。また電極300は、適切な数の層を選択的に塗布すると共に、図1に示されているように、最終製品がガイドマンドレル114を通過する際に基板および層を圧縮することによって制御される全体厚さ308を有していてもよい。したがって、本発明によれば、厚さ0.0005インチ(約0.00127cm)から0.015インチ(約0.0381cm)またはそれ以上の最終的な片側電極が製造されうる。実際、原則として、電極の薄さまたは厚さをどの程度としうるかに制限はない。薄さに関して言えば、単一の活物質サイズと同程度の薄さの層が得られてもよい。厚さに関して言えば、制限は単に塗布ステーションの数のみに基づくものであり、おそらくは、電気化学的性能に関連づけられるより基本的な制限に基づくものである。
図1及び図2に関連して上述した原理は、両側電極の製造にも適用することができる。すなわち、基板は、基板の両側に活物質を堆積するために基板および後続層の両側に噴霧が当てられるシステムを通過させることができる。次に図4を参照すると、両側被覆システム400においては、基板102は、基板102の両側に最初の層を噴霧するために、第1の両側被覆ステーション402に通すことができる。システム400は、ヒータ404と、それぞれの噴霧ステーション406に対応する追加のヒータ408と併用できるステーションを例示する第2の噴霧ステーション406とを含む。言い換えれば、図1のシステム100の場合と同様に、システム400には、両側電極の構築に際して複数の後続層を形成するために複数の噴霧ステーションが含まれていてもよい。システム400は、基板の片側または両側に、基板を予熱させて、ベース層を両側に噴霧する前に基板の加熱を増強し、これにより基板102へのベース層の接着を強化するヒータ410を含んでもよい。噴霧機構412は、静電荷を含む場合も含まない場合もあり、1つまたは複数の対応する接地線414も含まれていてよい。本発明によれば、ヒータ410および噴霧ステーション412は、互い違いにされて互いからオフセットされてもよく、または、一方のヒータ410が一方の噴霧ステーション412に対向し、他方のヒータ410が他方の噴霧ステーション412に対向するように位置決めされてもよい。第2の噴霧ステーション406も同様に、静電的に制御される場合もされない場合もあり、接地線により基板に接地される(噴霧ステーション406には図示されていない)噴霧機構416を含む。
このようにして、基板102と、基板上に形成された第1の活物質層502及び第2の活物質層504とを有する両側電極500が形成されうる(図5参照)。片側の実施形態の場合と同様に、粒径勾配および全体の厚さを、各噴霧ステーション内で適切な粒径を使用し、圧縮マンドレル418を使用して制御することができる。したがって、本発明によれば、厚さ0.0010インチ(約0.00254cm)から0.030インチ(約0.0762cm)またはそれ以上の最終的な両側電極が製造されうる。
一実施形態によれば、図1のシステム100などの被覆システムに金属ベルト154が追加されてもよい。金属ベルトは、基板が通されるシステムの長さを延長しうる。すなわち、基板が移動する際の(1または複数の)噴霧領域内での接地が強化するために、個々の支持構造体130および146を使用する代わりに、単一のベルトが設けられてもよい。これは、薄い金属、複合構造体、目の粗い基板、泡状の基板、または不織基板などの低導電性材料が使用される場合に、特に興味深いものとなりうる。また、少製造ロットの電極が所望される場合、鋼ベルトが所定位置にある状態で、マシンを反転させて、最終的な電気化学的性能を高めるべく、電極活物質の厚さを増大させ、または、おそらくは異なる活物質を層化することもできる。ベルトマシンを使用する別の利点は、この方法を使用して、活物質の自立膜を作製することにより、これらの膜を、製品設計において基板または集電体への強力な結合がさほど必要とされない他の用途で使用できるようにすることが可能になることであろう。また、ベルトマシンは、電極タイプのより迅速な切り替えも可能にするであろう。
二重被覆は、活物質を一度に両側に塗布すること(すなわち、図4)によって、または、ウェブを回転させ、もしくは裏返して片側被覆を繰り返し(すなわち、基板102の裏面が被覆された状態で図1の実施形態を再度通して実行し)、垂直方式であれ水平方式であれ、塗布ゾーンを反復し、もしくは塗布ゾーンを再度通すことによって達成することができる。すなわち、図1および図4には、地球の重力場に直交して通過する基板102が例示されているが、本発明によれば、基板は、重力場と共線的に通されてもよい。言い換えれば、被覆のためのシステムは、本発明の実施形態により、基板を垂直方向で駆動してもよい。同じことを行う他の方法は、より多くのステーションを有するより長いマシンを作製すること、または同方向に通過するウェブを巻き付け、再度巻き戻すこと、またはスペースを節約するためにマシン上にウェブを戻すことであろう。したがって、リチウムイオン電極は、溶媒なしで製造され、その性能は、溶媒法を使用して従来作製される電極と同程度に良好である。電極は、任意の厚さ、密度で、任意の公知の活物質を用いて製造することができる。
また、電極密度もまた調整可能/制御可能である。溶媒キャスト電極は、通常、性能を得る、または向上させるための圧印(coining)を含む。本発明によれば、圧印電極と非圧印電極のどちらも、性能の明らかな違いを伴わずにこのプロセスから製造される。溶媒キャストシステムは、通常、圧印後30〜40%の開放構造体を目標とし、サイクリングおよびポリマー溶媒和による緩和によって気孔率は50%の範囲まで戻る。しかし、本明細書に例示するプロセスは、二次圧印ありでも二次圧印なしでも15%〜50%の気孔率を作り出す。よって、圧印および電解質添加による溶媒和後の緩和を経ずとも、全体サイクル寿命が改善される。さらに、溶媒キャストシステムと比較して、活物質の内部構造における結合剤の量が低減される。溶媒キャストシステムでは、ポリマー結合剤はしばしば、活物質の内部構造に入る。しかし、記載のプロセスでは、結合剤の大部分が活物質の外側に維持され、溶媒キャストシステムと比較して活物質の利用度がより高くなる。
溶媒キャストラインでは、溶媒、通常はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)またはメチルエチルケトン(MEK)または他の公知の溶媒が、通常は活物質に添加され、次いでキャスト電極の亀裂や剥離を生じさせない速度で除去される。これは、典型的には、大規模な乾燥炉および溶媒回収システムを含む。場合によっては、炉を加熱するための燃料の一部として溶媒が使用される。どちらにしても、溶媒を除去しなければならないため、200フィート(約60.96メートル)を超える長大な乾燥炉および他の化学処理設備の必要が生じる。また、キャストプロセスで溶媒を除去することにより、適切なエアリング時間が得られない場合に電解質およびセルを汚染する可能性も低減される。
最後に、本明細書で例示するプロセスは、既存のバッテリの化学的性質を変えない。従来の溶媒系方法と同じ結合剤、活物質および導電性添加剤が使用され、他の成分は添加されない。すなわち、抵抗、電力および減衰率に関する電極の性能は、溶媒系システムにおいて形成されるバッテリに匹敵する。
本明細書で例示するプロセスは、極薄電極だけに限定されない。完成した電極の厚さ範囲が0.0005インチ(約0.00127cm)〜0.015インチ(0.0381cm)(片側電極、両側電極の場合はこの厚さの約2倍)およびそれ以上の電極が可能であり、層化ステーションの数によってのみある程度まで制限される。さらに、このプロセスは、バッテリ電極に限定されず、同様なセパレータ層の製造に拡張されてもよく、ジャストインタイム納品能力に迫る、1ライン上でフルセルが製造されることを可能にする。
本発明の一実施形態によれば、上述した無溶媒電極被覆プロセスで使用されるのと同じプロセス、結合剤、温度、および動作条件を利用する、電極上にセパレータ層を形成する方法が提供される。この方法では、電極の表面に対して/表面上にセラミックセパレータを取り付け/形成して、セラミックセパレータが電極と一緒に屈曲し、典型的な電極と同様に圧延または切断することができ、したがって、別の/異なるポリオレフィンセパレータを使用/製造する必要がなくなるようにする。この方法は、充電式リチウムセルまたは一次電池の両方と共に使用することができ、どちらかの電極または両方の電極に、すなわち陽極および/または陰極上に配置することができる。
次に図6を参照すると、一実施形態による、電極上にバッテリセパレータを製造し、適用するためのシステム600および関連付けられる方法が示されている。図6には、セパレータシステム600が、基板または集電体の一方の側に結合剤および電極活物質を堆積させることによって電極を製造するためのシステム(すなわち、図1のシステム100)と一体化されているものとして示されているが、セパレータシステム600は、システム100とは別の独立型システムとして設けることもできることを理解されたい。よって、続いてその上にセパレータを塗布/形成するために溶媒キャスト電極または噴霧電極をシステム600に提供することができる。
セパレータシステム600は、セパレータ層が適用されるシステムの塗布領域604に完成した電極(例えば、溶媒キャスト電極や噴霧電極)を提供するフィード機構(ローラ/マンドレル114として図6に示されている)を含む。塗布領域には、製造された電極にセパレータ層を塗布するための装置606が設けられており、この装置は、電極上に材料混合物の層を噴霧608するように構成された噴霧機構(スプレーガンや噴霧を生じさせる他の公知の装置など)を含む。一般に、装置606は、電極上に材料を塗布するための噴霧機構またはスプレーガンとして説明されており、「噴霧608」として図示されているが、セパレータ層を電極に塗布する任意の乾式分散塗布機構技術が用いられうることが企図されている。セパレータ材料を塗布するのに使用されるそのような乾式分散技術には、例えば、ブラッシング、粉体被覆、流動床の使用、ドクターブレード法、ウエスでの拭き取りが含まれうる。
例示的な実施形態によれば、装置または噴霧機構606は、噴霧608を約2〜20psiで放出させる。噴霧608は、結合剤と非導電性セラミックセパレータ材料とからなるセラミック系セパレータ噴霧混合物である。本発明の一実施形態によれば、結合剤は、もっぱら熱可塑性材料または熱硬化性材料からなっていてよく、この材料は、例示的な実施形態では、ポリビニリデンフルオライド(ポリフッ化ビニリデン)(PVDF)またはその任意の誘導体であるが、代わりにPTFEまたはその任意の誘導体でありうることも想定される。本発明の別の実施形態によれば、結合剤は、結合剤に構造的完全性を付加するために、ポリオレフィン充填剤材料(ポリエチレンやポリプロピレンなど)と共に熱可塑性材料または熱硬化性材料(PVDFなど)を含んでいてもよい。PVDFは、噴霧608中の全材料の2〜30重量%の範囲であってよいが、正確なパーセンテージは、セパレータ材料の表面積および細孔径と、融解または軟化するときの結合剤の特性(すなわち、それが充填剤も含むかどうか)に(一部)依存することを理解されたい。当技術分野で公知であるように、熱可塑性樹脂は、ある温度を超えると軟らかくなり、冷却すると固体に戻るポリマーである。対照的に、またやはり当技術分野で公知であるように、熱硬化性材料は、硬化プロセス中に不可逆的化学結合を形成し、溶融時に分解する(冷却時に再形成されない)。
噴霧混合物のセラミックセパレータ材料は、アルミナ、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム、酸化スズまたは他のセラミックのうちの1または複数を含む、1または複数のセラミック粉末を含み、(1または複数の)セラミック粉末の粒径は、1〜25μmの範囲である。上記の材料の代替として他の絶縁セラミック材料を使用できることが認められる。一例として、二酸化ケイ素(SiO)系材料が使用されてもよいが、SiOは、特に高温では、負極材料と接触すると安定しないことが認定されている。
一実施形態では、噴霧608は、電極の上面および/または底面(下面)だけでなく、電極の縁部にも当てられる。セラミック・ポリマーセパレータ混合物を電極の縁部に当てる際に、装置または噴霧機構606は、電極対の縁部の周りの短絡を防止するように、電極を重ね塗りして電極の縁部に境界を形成する噴霧608を提供するように制御される。セパレータ重なりは0.039インチ(約1mm)未満が典型的であるが、重なり縁部は最大0.125インチ(約3.2mm)であってもよい。
本発明によれば、電極はセラミック・ポリマーセパレータ混合物の電極への結合を開始するために加熱される。一実施形態では、ヒータ610が装置606に対向して位置決めされ、利用されるポリマー結合剤に基づいて、電極の温度を約150℃〜300℃に上昇させるために、ヒータ610に十分な電力が供給される。しかし、別の実施形態では、ヒータ612は、噴霧608が当てられる電極の面とは反対側の電極の面を加熱するように位置決めされる。よって、本発明によれば、セパレータ材料の層が電極に塗布され、電極への結合が一方または両方のヒータ610、612を介して開始される。ヒータ610、612は、赤外線(IR)ヒータ、対流ヒータ、伝導ヒータ、放射ヒータ(例えば、IRスペクトル外)または誘導ヒータを含む、任意の数の公知の機構を介して熱を加えることができる。ヒータ610(および任意選択でヒータ612)は、結合剤中のポリマーが軟化するがポリマーが容易に流動する点まで加熱されないように結合剤をある温度(すなわち、150℃〜300℃)に加熱するように作用するように動作する。というのは、ポリマーが容易に流動しすぎると、セパレータ材料の粒子細孔内に入り、接着力および粘着力が失われることが認められるからである。
セラミック・ポリマーセパレータ混合物を、噴霧608(または別の適切な塗布手段)を介して電極上に塗布し、これと関連付けられた加熱を行うことによってセパレータ層が形成される。図6に示すように、セパレータシステム600はまた、噴霧を堆積させ、加熱した後にセパレータ層にギャップ有りのカレンダ加工を与えるために、その間に動作中に維持される空間またはギャップを有するように設計された1組のマンドレルまたはローラ614を含み、カレンダ加工により、セパレータ層の滑らかで均一な仕上げおよび厚さが保証される。よって、マンドレル614は基板層を圧縮、カレンダ加工して、最終的な所望の一貫した厚さ、密度、気孔率および屈曲度にする。例示的な実施形態によれば、セパレータ層の目標とされる厚さは、セラミック粒子粒径の範囲内にあり、セパレータ層は、理想的には、そのインピーダンスを低減するために可能な限り薄く、利用されるセラミックセパレータ材料の単一粒子の粒度の厚さに対応する厚さに基づいて25μm未満の厚さが達成可能である。セパレータ層の具体的な屈曲度および気孔率は、噴霧およびその後のカレンダ加工の正確な設定によって制御される。
図6に示すように、当技術分野で公知であり且つ上記の操作に従って記載されるように、噴霧ステーション606、ヒータ610、612、およびローラ機構614の動作を制御するコントローラ152が設けられている。コントローラ152は、システム100とセパレータシステム600の両方に共通であるものとして図示されているが、セパレータシステム600を動作させるために別個のコントローラ(システム100と関連付けられたコントローラとは異なる)を使用することもできることが理解される。
次に図7を参照すると、一実施形態による、バッテリセパレータを電極上に適用するための乾式無溶媒の方法700が示されている。ステップ702で、電極が最初に設けられ、セパレータ塗布領域の方へ送られる。このような電極は、(上記で詳細に説明したように)溶媒キャスト電極または噴霧電極として製造される。ステップ704で、電極の表面は、例えば、赤外線(IR)加熱、対流加熱、伝導加熱、放射加熱(例えば、IRスペクトル外)または誘導加熱を含むいくつかの公知の方法のいずれかによって加熱される。
電極表面が加熱されると、ステップ706で、セラミック系セパレータ混合物が乾式無溶媒塗布法により電極に塗布され、混合物は電極の表面を覆うように塗布される。セラミックセパレータ混合物は、結合剤(バインダー)と非導電性セラミックセパレータ材料とから構成され、結合剤およびセパレータ材料は、本明細書では1回の塗布によって一緒に適用される「混合物」として記載されているが、セラミック結合剤とセラミックセパレータ材料は、同時に別々の塗布によって適用することもできることが認められる。本発明の一実施形態によれば、結合剤は、もっぱら熱可塑性材料または熱硬化性材料からなっていてよく、この材料は、例示的な実施形態では、ポリビニリデンフルオライド(ポリフッ化ビニリデン)(PVDF)またはその任意の誘導体である。本発明の別の実施形態によれば、結合剤は、結合剤に構造的完全性を付加するために、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、またはそれらの繊維であってよい、ポリオレフィン充填剤材料と共に熱可塑性材料または熱硬化性材料(PVDFなど)を含んでいてもよい。PVDFは、セパレータ混合物中の全材料の2〜30重量%の範囲であってよいが、正確なパーセンテージは、セラミックセパレータ材料の表面積および細孔径と、融解または軟化するときの結合剤の特性(すなわち、それが充填剤も含むかどうか)に(一部)依存することを理解されたい。
セパレータ混合物のセラミックセパレータ材料は、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズまたは他のセラミックのうちの1または複数を含む、1または複数のセラミック粉末を含み、(1または複数の)セラミック粉末の粒径は、1〜25μmの範囲である。上記の材料の代替として他の絶縁セラミック材料を使用できることが理解される。本発明の例示的な実施形態によれば、セラミック材料は、セラミック系セパレータ混合物が適用される電極が陰極であるかそれとも陽極であるかに依存しうる。一例として、電極が陰極である場合にはセラミックセパレータ材料は酸化マグネシウムであってよく、電極が陽極である場合にはセラミックセパレータ材料は酸化アルミニウムであってよい。
結合剤がもっぱらPVDF(または別の熱可塑性材料または熱硬化性材料)からなる実施形態では、セパレータ混合物は、3%〜20%のPVDFと97%〜80%のセラミックセパレータ材料とからなる。結合剤がPVDF(または別の熱可塑性材料または熱硬化性材料)と充填剤材料とからなる場合、セパレータ混合物は、3%〜15%のPVDF、5%〜40%の充填剤材料(ポリプロピレンまたはポリエチレン)、および45%〜92%のセラミックセパレータ材料とからなる。
ステップ706で行われる電極へのセラミック系セパレータ混合物の乾式無溶媒塗布に関しては、セパレータ混合物が電極の上面および/または底面に塗布されるだけでなく、電極の縁部にも塗布される重ね塗りが行われてもよい。セラミック系セパレータ混合物を電極の縁部に当てる際に、その塗布は、電極対の縁部の周りの短絡を防止するように、電極を重ね塗りして電極の縁部に境界を形成する噴霧を提供するように制御される。
図7を更に参照して、電極へのセラミック系セパレータ混合物の乾式無溶媒塗布が完了すると、ステップ708で、ギャップ有りのカレンダ加工が行われて、塗布されセラミック系セパレータが、最終的な所望の一貫した厚さ、密度、気孔率および屈曲度に圧縮、カレンダ加工される。このようにして得られた構造体は、電極の表面に電極と一緒に屈曲することができるセラミックセパレータを提供し、ステップ710で得られたセパレータ・電極を圧延および/または切断する後続のステップは、それが典型的な電極の圧延および/または切断と同様のものであるため、容易になる。加えて、任意の任意選択の圧延および/または切断が行われると、セパレータのアライメント不整に起因する亀裂や短絡の両方が最小化/除去されうる電気化学セルを形成するために、ステップ712で得られるセパレータ・電極構造体が接合されうる(すなわち、陽極と陰極とが接合されうる)。このような接合から得られる電気化学セル800が図8に示されており、銅集電体804、陽極活物質806、およびセラミックセパレータ808を含む陽極構造体802が、アルミニウム集電体812、陰極活物質814、およびセラミックセパレータ816を含む陰極構造体810に接合されていることがわかる。
有益なことに、上述した方法によりセラミック・ポリマーセパレータ混合物を電極に適用すると、既存のバッテリセパレータに優る改善された性能を示すバッテリセパレータが提供される。セラミック・ポリマーセパレータ混合物は、従来の市販のバッテリセパレータよりも少ない量の結合剤(すなわち、2〜30重量%)を含み、これは、結合剤の量が少ないほど熱暴走事象時の熱上昇の可能性が低くなるため、バッテリ産業にとって有利である。すなわち、セパレータ中のポリマー結合剤の量を減らすと、電解質分解を開始するために利用可能な即時エネルギーが減少することによって熱暴走の開始が抑制され、そのため、セラミックセパレータ構造体が崩壊し、短絡の発生をさらに低減させる。ポリマー結合剤は、加熱されると、セパレータ材料(MgOなど)の細孔に引き込まれ、熱暴走反応への関与から隔離される。したがって、本発明のバッテリセパレータ(およびその形成方法)は、熱暴走事象時の熱上昇の可能性を低減させ、そのような事象を起こりにくくするか、または最低でも最大の壊滅的なエネルギー放出に達しないように熱上昇を十分に鈍化させ、バッテリシステムが消散する必要があるエネルギーの量を最小限に抑え、バッテリの全体的な安全性を大幅に改善する。
上述した方法によってセラミック・ポリマーセパレータ混合物を電極に適用することのさらなる利点は、このような適用により、バッテリを組み立てる際の電極対のコストが低減され、取り扱いが容易になることである。すなわち、滑りやすく、適切に巻くために一定の張力を必要とする個々のセパレータとは異なり、上述した方法によって適用されたセラミックセパレータは電極に付着したままである。これにより、フラット巻にせよ、個々の電極構成要素を利用するにせよ、筒型セル用ゼリーロールの作製や、角型セルやパウチ型セルを作製する際のセルスタッキングなどの操作時にアライメントを行う場合のウェブ制御がより容易になる。
開示の方法および装置の技術的貢献は、バッテリセパレータを電極に適用するためのコンピュータ実装方法およびコンピュータ実装装置を提供することであり、より詳細には、セラミックセパレータを製造し、またはセラミックセパレータをリチウムイオン(Liイオン)バッテリ内のリチウム電気化学セルに適用するための方法および装置に対するものである。
本発明の実施形態は、コンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体にインターフェースされ、それによって制御されうることを当業者は理解するであろう。コンピュータ可読記憶媒体は、電子構成要素、ハードウェア構成要素、および/またはコンピュータソフトウェア構成要素のうちの1つまたは複数といった複数の構成要素を含む。これらの構成要素には、シーケンスの1または複数の実施態様または実施形態のうちの1または複数の部分を実行するためのソフトウェア、ファームウェアおよび/またはアセンブリ言語などの命令を一般に格納する1または複数のコンピュータ可読記憶媒体が含まれうる。これらのコンピュータ可読記憶媒体は、一般に、非一時的であり、及び/又は有形である。そのようなコンピュータ可読記憶媒体の例には、コンピュータおよび/または記憶装置の記録可能なデータ記憶媒体が含まれる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気的、電気的、光学的、生物的、および/または原子的なデータ記憶媒体のうちの1または複数を使用することができる。さらに、そのような媒体は、例えば、フロッピーディスク(フレキシブルディスク)、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスクドライブ、および/または電子メモリの形態をとりうる。記載されていない非一時的および/または有形のコンピュータ可読記憶媒体の他の形態が本発明の実施形態と共に用いられてもよい。
システムの実施態様においていくつかのそのような構成要素を結合または分割することができる。さらに、そのような構成要素は、当業者には理解されるように、いくつかのプログラミング言語のいずれかで書かれた、またはそれらのプログラミング言語で実装されたコンピュータ命令セットおよび/または一連のコンピュータ命令を含んでいてもよい。加えて、搬送波などの他の形態のコンピュータ可読媒体を用いて、1または複数のコンピュータによって実行されると、1または複数のコンピュータに、シーケンスのうちの1または複数の実施態様または実施形態の1または複数の部分を実行させる命令シーケンスを表すコンピュータデータ信号が具現化されてもよい。
本発明の一実施形態によれば、電極に乾式無溶媒のセラミック系セパレータを塗布する方法は、フィード機構を介して電極を塗布領域に設けるステップと、乾式分散塗布によって電極に結合剤と非導電性セパレータ材料とからなるセパレータ層を塗布するステップであって、結合剤は熱可塑性材料および熱硬化性材料のうちの少なくとも1つを含む、セパレータ層を塗布するステップと、を含む。
本発明の別の実施形態によれば、電極とセパレータとを含むバッテリセルを製造する方法は、電極を設けるステップと、電極を塗布領域の方へ送るステップと、セパレータ層を形成するように、乾式無溶媒被覆法により塗布領域で電極上に非導電性セラミック系セパレータ材料と結合剤の混合物を被覆するステップと、を含む。
本発明の更に別の実施形態によれば、バッテリセルは、電極と、電極に接着されたセパレータ層であって、そのセパレータ層が、熱可塑性材料および熱硬化性材料のうちの少なくとも1つを含む結合剤と、非導電性セラミック系セパレータ材料と、を含み、セパレータ層の結合剤は重量比で2〜30%の範囲である、セパレータ層と、を含む。
本明細書では、例を用いて、最良の形態を含む本発明を開示し、また、当業者が、任意の装置またはシステムを作製、使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、本発明を実施することができるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、これには当業者が思い付く他の例が含まれうる。このような他の例は、請求項に記載された文言と相違しない構造的要素を有している場合、または請求項に記載された文言と実質的に相違しない均等な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
102 基板
104 フィード機構またはローラシステム
110,112 第1及び第2塗布領域
300 電極
302 基板
304 結合剤(バインダー)
500 両側電極
502 第1の活物質層
504 第2の活物質層
604 塗布領域
606 電極にセパレータ層を塗布するための装置
800 電気化学セル
802 陽極構造体
804 (銅)集電体
806 陽極活物質
808 セラミックセパレータ
810 陰極構造体
812 (アルミニウム)集電体
814 陰極活物質
816 セラミックセパレータ

Claims (21)

  1. 電極に乾式無溶媒のセラミック系セパレータを適用する方法であって、当該方法は、
    フィード機構を介して電極を塗布領域に提供するステップと、
    乾式分散塗布によって前記電極に、結合剤と非導電性セパレータ材料とで構成されたセパレータ層を塗布するステップであって、前記結合剤は熱可塑性材料および熱硬化性材料のうちの少なくとも1つを含んでなる、ステップと、
    を備えてなることを特徴とする方法。
  2. 前記電極を加熱するステップと、
    所望の均一な厚さ、密度、気孔率および屈曲度を有するセパレータ層を形成すべく、前記セパレータ層をギャップ有りでカレンダ加工するステップと、
    を更に備えてなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記セパレータ層は、35μm未満の厚さを有するセパレータ層を形成するように、塗布され且つカレンダ加工される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記セパレータ層の結合剤は、重量比で2〜30%の範囲である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記結合剤はポリフッ化ビニリデン(PVDF)から構成される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記セパレータ層は、3%〜20%のPVDFと、97%〜80%の非導電性セパレータ材料とを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記結合剤は、ポリプロピレンおよびポリエチレンのうちの1つを含む充填剤を更に含んでなる、請求項5に記載の方法。
  8. 前記セパレータ層は、3%〜15%のPVDFと、5%〜40%のポリプロピレンまたはポリエチレンと、45%〜92%の非導電性セパレータ材料とを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記非導電性セパレータ材料は、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、または酸化スズのうちの少なくとも一種を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記電極が陰極である場合、前記非導電性セパレータ材料は酸化マグネシウムを含み、
    前記電極が陽極である場合、前記非導電性セパレータ材料は酸化アルミニウムを含む、
    請求項7に記載の方法。
  11. 前記乾式分散塗布は、粉体被覆塗布を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 電極とセパレータとを含むバッテリセルを製造する方法であって、当該方法は、
    電極を提供するステップと、
    前記電極を塗布領域の方へ送るステップと、
    セパレータ層を形成すべく、乾式無溶媒被覆法により前記塗布領域にて前記電極上に、非導電性セラミック系セパレータ材料と結合剤との混合物を被覆するステップと、
    を備えてなることを特徴とする方法。
  13. 基板上に前記混合物を被覆する前記ステップは、前記電極上に、前記セパレータ材料と前記結合剤との前記混合物を粉体被覆するステップを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記結合剤はポリフッ化ビニリデン(PVDF)から構成される、請求項12に記載の方法。
  15. ポリプロピレンおよびポリエチレンのうちの1つを含む充填剤を更に含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記セラミック系セパレータ材料は、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、または酸化スズのうちの少なくとも一種を含む、請求項12に記載の方法。
  17. 前記セパレータ層を前記電極に接着するために、前記電極および前記セパレータ層のうちの少なくとも一方を加熱するステップと、
    所望の均一な厚さ、密度、気孔率および屈曲度を有するセパレータ層を形成すべく、前記セパレータ層をギャップ有りでカレンダ加工するステップと、
    を更に備えてなる、請求項12に記載の方法。
  18. 前記セパレータ層は、35μm未満の厚さを有するセパレータ層を形成するように、塗布され且つカレンダ加工される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記セパレータ層の結合剤は重量比で2〜30%の範囲である、請求項12に記載の方法。
  20. 電極と、
    前記電極に接着されたセパレータ層と
    を備えたバッテリセルであって、
    前記セパレータ層が、
    熱可塑性材料および熱硬化性材料のうちの少なくとも1つを含む結合剤と、
    非導電性セラミック系セパレータ材料と、
    を含み、
    前記セパレータ層の結合剤が重量比で2〜30%の範囲である、ことを特徴とするバッテリセル。
  21. 前記セパレータ層の厚さは35μm未満である、請求項20に記載のバッテリセル。
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