JP2019509703A - Wi−Fiネットワークのクラウドベース制御 - Google Patents

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Abstract

クラウドベースのコントローラーによって実行される、複数のアクセスポイントを有するWi−Fiネットワークを制御するシステム及び方法であって、Wi−Fiネットワークから測定値を取得すること、前記測定値に基づいてWi−Fiネットワークの構成を決定すること、及び、前記構成を実行するために前記Wi−Fiネットワークに提供すること、を備える。前記構成は、前記Wi−Fiネットワークのトポロジーを含む。前記トポロジーは、複数のバックホールリンクを介して選択的に相互接続された前記複数のアクセスポイントを含む。

Description

本開示は、広くは、無線ネットワーキングシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、Wi−Fiネットワークのクラウドベース制御に関する。
関連出願との相互参照
本特許出願は、以下の米国特許仮出願(いずれも2016年3月18日に出願)の優先権を主張するものであり、これらを各々参照により援用する。
Wi−Fiネットワーク(すなわち、IEEE802.11規格に基づく無線ローカルエリアネットワーク(WLAN))が広く普及している。人々は、家、職場(仕事部屋)、及び公共の場で、例えば学校やカフェ、公園でもWi−Fiネットワークを使用している。Wi−Fiは、ケーブルを排除し移動性を可能にすることによって、高い利便性を提供する。消費者がWi−Fiで実行する各種アプリケーションは拡大の一途を辿っている。今日、人々は、ビデオトラフィック、オーディオトラフィック、電話での通話、ビデオ会議、オンラインゲーム、及び防犯カメラの映像など、あらゆる種類のメディアの伝送にWi−Fiを使用している。ウェブ閲覧、ファイルのアップロード/ダウンロード、ディスクドライブのバックアップ、及びいくつかのモバイルデバイス用アプリケーションなどの従来のデータサービスも同時に使用されることが多い。実際、Wi−Fiは、家又は他の場所で、ユーザーデバイスとインターネットとの主接続となっている。接続されたデバイスの大半が、主ネットワーク接続性のためにWi−Fiを使用している。
Wi−Fiの人気及び高普及率にもかかわらず、消費者の多くは尚もWi−Fiで苦労している。上述したようなリアルタイムのメディアアプリケーションを供給する難題によって、Wi−Fiのスループット、待機時間、ジッター、及び堅牢性に負担が増大している。調査によると、サービスプロバイダーを介するインターネットへのブロードバンドアクセスは、99.9%を越える確率で高データレートである。ところが、インターネットが消費者の家の境界まで確実且つ高速に届くにもかかわらず、家の中でWi−Fiを介して接続を単純に分配することの確実性はかなり低く、ユーザー体験満足度が低くなる。
一般的なWi−Fiシステムは、(i)干渉、(ii)輻輳、及び(iii)カバレッジを含むいくつかの問題により、良好な動作が妨げられる。干渉については、Wi−Fiの拡大に伴い、重複する異なるWi−Fiネットワーク間の干渉も拡大している。互いの範囲内にある2つのネットワークが高レベルのトラフィックを伝送する場合、互いに干渉して、両ネットワークで実現可能なスループットを低下させる。輻輳については、1つのWi−Fiネットワーク内でいくつかの通信セッションが稼働していることがある。いくつかの要求度の高いアプリケーション、例えば高解像度のビデオストリームが稼働しているとき、ネットワークは飽和状態に達し、ビデオストリームをサポートする十分な容量がなくなることがある。
カバレッジについては、Wi−Fi信号は距離につれて、また壁及び他の物体を通過する際に減衰する。多くの環境、例えば住居で、確実なWi−Fiサービスが全ての部屋で得られるとは限らない。基本的な接続が全ての部屋で得られる場合であっても、そうした場所の多くは弱いWi−Fi信号のせいで低性能となる。住居内の様々な物体、例えば壁、ドア、鏡、人間、及びその辺にあるような物は全てWi−Fi信号に干渉して減衰させ、データレートを低下させる。
一般的なWi−Fiシステムの性能を改善するために、2つの一般的手法が試されている。第1の手法は、単純に、より強力な単一アクセスポイントを確立して、ある場所をより高い信号強度でカバーしようというものであり、そうすることで所与の場所でより完全なカバレッジ、及びより高いデータレートを提供する。しかし、この手法は、許容送信電力(transmit power)の規制上の限界、及び基本的な自然法則の両方により制限される。そのような強力なアクセスポイントを作成する難易度は、電力の増強によるものであれ、送受信アンテナ数の増加によるものであれ、実現される改善とともに幾何級数的に上昇する。こうした技法を用いた現実的な改善は、6〜12dBの範囲である。しかし、追加の壁1枚で12dB減衰することもある。したがって、12dBのリンクバジェットを得るための相当な難易度及び費用にも関わらず、結果としてのシステムは追加の壁の1枚さえも通過して送信できない可能性がある。もとからあり得たカバレッジの穴は尚も全て存在し、低スループットのデバイスは尚も比較的低いスループットしか実現できず、全体的なシステム容量はごく僅かしか改善されないことになる。それに加えて、この手法は、干渉及び輻輳に関する状況を何ら改善しない。実のところ、送信電力を増強することにより、ネットワーク間の干渉量は上昇する。
第2の手法は、リピーター又はWi−Fiデバイスのメッシュを用いて、ある場所全体でWi−Fiデータをリピートすることである。この手法は、基本的に、より良いカバレッジを実現するより良い手法である。家の中心に1つのリピーターノードを配置するだけでも、1つのWi−Fi送信波が移動しなければならない距離を半分に減じることができ、Wi−Fi信号の各ホップが移動(横断)しなければならない壁の数も半分になる。こうすればリンクバジェットの変化を40dB以上とすることができ、これは上述した単一アクセスポイントの増強により得ることができる6〜12dBのタイプの改善と比べて大きな変化である。メッシュネットワークは、Wi−Fiリピーターを用いるシステムと同様の特性を有する。完全に相互接続されたメッシュは、全リピーターが互いに通信できる能力を追加し、パケットがネットワーク中の任意の経路を複数のホップを介して送達される可能性を開く。
最先端のメッシュ又はリピーターシステムにも多くの限界はある。このようなシステムはローカル制御に依存するので、リピーター又はメッシュノード間で全バックホール通信に同じ周波数を用いるように自己構成する。このため深刻なシステム容量の問題が生じる。パケットを目的地に届けるのに、ネットワーク内で3ホップを要求するシステムがあるとする。3ホップは全て同じ周波数チャンネル上にあるので、また、範囲(範囲は、サポートされる最も低いデータレートの長いレンジによって決定される)内の複数のデバイス中、所与のチャンネルで一度に1つのWi−Fi電波しか送信できないので、一度に1つのホップしか有効にできない。したがって、この例では、3ホップを介してパケットを送達することは、当該1つのチャンネルでパケットを直接送達する場合の3倍の通信時間がかかることになる。第1のホップでは、パケットがWi−Fiゲートウェイから第1のメッシュノードへと移動しているとき、この家の他の全てのリンクは沈黙していなければならない。同様に、後にパケットが第1のメッシュノードから第2のメッシュノードへと送られるとき、その家の他のどのWi−Fiデバイスも送信することができない。最後に、パケットが第2のメッシュノードから最終目的地へと移動するときも同じである。結局、3ホップのリピートを使用することで、ネットワーク容量が3分の1に減じたことになる。また、単一アクセスポイントの場合と同様に、リピーター又はメッシュ手法は、干渉又は輻輳の問題については役に立たない。前述のように、この技法は、1つのパケット送信が3つの別個の送信となり、全部で3倍の通信時間がかかり、近隣のWi−Fiネットワークに対し3倍の干渉を生じるので、実は干渉を増加させるものである。
一例示的実施形態では、最適化のためにWi−Fiシステム内のアクセスポイントを使用して最適化処理のためのデータを収集する方法であって、定期的に、又はクラウドベースのシステムから受信した命令に基づいて、ホームチャンネルにおいて演算処理が行われている間にオンチャンネルスキャニングデータを収集することと、ホームチャンネルを切断して1つ又は複数のオフチャンネルのためにオフチャンネルスキャニングデータを取得することと、の1つ又は複数を実行すること、及び、Wi−Fiシステムの最適化処理に使用するために、オンチャンネルスキャニングデータとオフチャンネルスキャニングデータとの1つ又は複数に基づいて測定データをクラウドベースのシステムに提供すること、を含み、測定データは、生データと処理済みデータとの1つ又は複数を含む。測定データが処理済みデータである場合、本方法は、ホームチャンネルが分割される時間分割を、直接測定値と当該直接測定値に基づく演算との組合せに基づいて決定することを更に含むことができる。測定データが処理済みデータである場合、本方法は、Wi−Fiシステム上のパケットの遅延を、アクセスポイントにおける遅延の直接測定値及び統計値の1つによって判定することを更に含むことができる。測定データは、複数の受信信号強度インジケーター(RSSI)、実現可能なデータレート、容量、負荷、エラーレート、遅延、干渉、及び送受信に要した時間の割合を含むことができる。
本開示は、本明細書において様々な図面を参照して例示され説明され、図面中、適宜、類似の参照番号が類似のシステムの構成要素/方法ステップを表示するのに用いられる。
クラウドベースの制御を有する分散Wi−Fiシステムのネットワーク図である。 一般的な単一アクセスポイントシステム、Wi−Fiメッシュネットワーク、及びWi−Fiリピーターシステムに対する、図1の分散Wi−Fiシステムの動作の違いを示すネットワーク図である。 図1の分散Wi−Fiシステムの構成及び最適化処理のフローチャートである。 図3の構成及び最適化処理の一部としての最適化への入力及び出力のブロック図である。 図1の分散Wi−Fiシステム内のアクセスポイントの機能的構成要素のブロック図である。 図1の分散Wi−Fiシステムで用いることができる、サーバー、Wi−Fiクライアントデバイス、又はユーザーデバイスの機能的構成要素のブロック図である。 図1の分散Wi−Fiシステム内のアクセスポイントによるデータ収集処理のフローチャートである。 ホームチャンネルなどのチャンネルに関する時間割合のグラフである。 図1の分散Wi−Fiシステム内のアクセスポイントが、クラウド内の構成サービス及び統計サービスと通信している、ネットワークのネットワーク図である。 図1の分散Wi−Fiシステムが初めに外部サービスに接続される、ネットワークのネットワーク図である。 外部サービスによってゲートウェイアクセスポイントが構成される、図10Aのネットワークのネットワーク図である。 ゲートウェイアクセスポイントが他のアクセスポイントをオンボード化し、Wi−Fiサービスの供給(プロビジョニング)を開始する、図10A及び図10Bのネットワークのネットワーク図である。 別のアクセスポイントが他のアクセスポイントをオンボード化し、Wi−Fiサービスの供給を開始する、図10A、図10B、及び図11Aのネットワークのネットワーク図である。 別のアクセスポイントが追加のアクセスポイントをオンボード化し、Wi−Fiサービスの供給を開始する、図10A、図10B、図11A、及び図11Bのネットワークのネットワーク図である。 分散Wi−Fiシステム内の通信を確立するための、Wi−Fi設定処理のフローチャートである。 クラウドサービスへの指向性のために、中央管理されるレジストリに接続する様々な分散Wi−Fiシステムのネットワーク図である。 分散Wi−Fiシステムが中に構成された2軒の隣接する住居のネットワーク図である。 分散Wi−Fiシステムのために無線デバイスを要求するための設定のネットワーク図である。 ユーザーデバイスを用いて分散Wi−Fiシステム内のアクセスポイントを要求する要求方法のフローチャートである。 アクセスポイント(「ポッド」)を探しているモバイルアプリのスクリーンショットである。 複数のアクセスポイントを見つけたモバイルアプリのスクリーンショットである。 1つのアクセスポイントを探し、当該アクセスポイントを一意に識別することを目的とする、モバイルアプリのスクリーンショットである。 当該アクセスポイントを一意に命名するモバイルアプリのスクリーンショットである。 各アクセスポイントが一意に要求され命名されている分散Wi−Fiシステムの現在の構成を示しているモバイルアプリのスクリーンショットである。 第1のトポロジー状態及び第2のトポロジー状態にある3ノードWi−Fiネットワークのネットワーク図である。 第1のトポロジー状態及び第2のトポロジー状態にある6ノードWi−Fiネットワークのネットワーク図である。 操作を順次実行する、図24のWi−Fiネットワークのトポロジー変更の第1の処理のフローチャートである。 並列の変更を実行する、図24のWi−Fiネットワークのトポロジー変更の第2の処理のフローチャートである。 図24のWi−Fiネットワーク及び図26の第1の処理の例示的操作のネットワーク図である。 図24のWi−Fiネットワーク及び図26の第2の処理の例示的操作のネットワーク図である。 1つ又は複数の分散Wi−Fiシステムに接続されたクラウド構成サービスを介してのファームウェアアップデートのネットワーク図である。 分散Wi−Fiネットワークのファームウェアアップグレード処理のフローチャートである。 複数の時間スケールで実行される分散Wi−Fiネットワークの最適化方法のフローチャートである。 最適化と関連付けられる低速及び高速制御ループを実施するためのクラウドシステムのブロック図である。 2つのアクセスポイント同士の相対的な容量負荷のグラフである。 最適化のための混合整数線形計画(MILP)の一例の方程式である。 まとめて最適化される家の数を減じ、それによって演算の複雑性を管理可能なものにするためのクラスター化の一例の図である。 例示的な場所における最適化の出力のサンプルのグラフである。 ツリー構造の最適化の出力のグラフである。 L2トンネルを用いて2つのアクセスポイント間に形成されたバックホールリンクを有するWi−Fiネットワークのネットワーク図である。 図38のWi−Fiネットワークのトンネル確立方法のフローチャートである。 L2トンネルでブリッジインターフェースを接続する図38のWi−Fiネットワークのネットワーク図である。 Wi−Fiクライアントデバイス間のデータ経路を例示する、図38のWi−Fiネットワークのネットワーク図である。 任意の分散Wi−Fiネットワークでクライアント関連付けを遠隔で制御するために使用されるクライアントステアリング処理のフロー図である。 クラウドコントローラーによる、分散Wi−FiシステムなどのWi−Fiネットワークの推定及び学習処理のフローチャートである。 家庭用のWi−Fiネットワークのネットワーク図である。 図44のWi−Fiネットワークの視覚化及びトラブルシューティングのためにモバイルアプリケーション又はウェブページと関連付けられたGraphical User Interface(GUI)のスクリーンショットである。 図44のWi−Fiネットワークのゲストアクセス処理のフローチャートである。 図44のWi−Fiネットワークの、管理者によって開始されるゲストアクセス処理のフローチャートである。
ここでまた、様々な例示的実施形態では、本開示は、分散Wi−Fiネットワークの最適化を可能にするデータ収集システム及び方法に関する。システム及び方法の目的は、単一AP(アクセスポイント)、リピーター、又は複数のメッシュノードを有するWi−Fiネットワークよりも優れた性能を有するWi−Fiネットワークを提供することである。システム及び方法は、クラウドベースの制御に基づき自己最適化する複数のアクセスポイント(ノード)を有する分散Wi−Fiシステムを含む。この自己最適化は、動作環境に基づきリアルタイムで複数のアクセスポイントのトポロジー及び構成を適合させる。複数のアクセスポイントは、バックホールリンクを介して互いに、及び、クライアントリンクを介してWi−Fiクライアントデバイスと通信し、各バックホールリンク及び各クライアントリンクは、最適化に基づき異なるチャンネルを使用することができるので、前述のWi−Fiメッシュ又はリピーターシステムの限界を回避することができる。一例示的態様では、分散Wi−Fiシステムは、(Wi−Fiメッシュ又はリピーターシステムなどの一般的な展開に対し)比較的多数のアクセスポイントを含む。例えば、多数のアクセスポイントは、典型的な住居では、6〜12以上であってもよい。多数のアクセスポイントがあれば、アクセスポイントとWi−Fiクライアントデバイスとの間の距離と同様のスケールで、任意の2つのアクセスポイント間の距離が短くなる。したがって、カバレッジの問題を回避しながら信号強度が維持され、また、トポロジー及び構成の最適化により輻輳及び干渉が最小化される。このように、分散Wi−Fiシステムは、前述の一般的なWi−Fiシステムにおける3種の限界の全てに対処するものである。
分散Wi−Fi設定システム及び方法は、アクセスポイント、すなわち分散Wi−Fiシステム内のノードを、いかにしてネットワークにアクセスさせるかについて、様々な手法を説明する。つまり、分散Wi−Fi設定システム及び方法は、ノードがいかにしてクラウドと最初に通信するかを説明する。分散Wi−Fi設定システム及び方法は、分散Wi−Fiシステム内のノードのオンボード化処理を説明する。分散Wi−Fi設定システム及び方法は、外部プロビジョニングアプリケーションによって、クラウドから制御される分散Wi−Fiソリューション内のノード間の安全且つ確実な接続を確立する問題に対処する。これはいくつかの場面で適用可能である。これは分散Wi−Fiシステムを確立する初期処理で使用することができる。これは新たなノードが既存のネットワークに加わるときに使用することができる。これは、ノード間の接続が再組織されるので、ネットワークのトポロジーを変更するときに使用することができる。また、これはネットワークが停電又は他の事象により中断された場合に、ネットワークを再確立するために用いることができる。
分散Wi−Fi設定システム及び方法は、アクセスポイント、すなわち分散Wi−Fiシステム内のノードが、いかにして分散Wi−Fiシステム内で発見され、要求され、区分されるかについて、様々な手法を説明する。具体的には、本システム及び方法は、モバイルデバイス、ユーザーデバイス、Wi−Fiクライアントデバイス等(まとめてモバイルデバイスと呼ばれる)を用いて分散Wi−Fiシステム内の各ノード(アクセスポイント)を発見し、要求し、分散Wi−Fiシステムのクラウドコントローラーとして働くクラウドサービスと通信する。モバイルデバイスは、Bluetooth(ブルートゥース、登録商標)などのローカル又はパーソナル無線エリアネットワークによりノードと、またロングタームエボリューション(LTE)などの別のネットワークによりクラウドコントローラーと、通信することができる。
最適化システム及び方法は、分散Wi−Fiシステムからの入力を受信し、最適化を実行し、分散Wi−Fiシステムの動作パラメーターを含む出力を提供する。入力は、各Wi−Fiクライアントデバイスにより要求される複数のトラフィック負荷、各可能なリンクの信号強度及びデータレート、各リンクのパケットエラーレート、ネットワーク内インターフェアラー(interferer)の強度及び負荷、並びにネットワーク外インターフェアラーの強度及び負荷を含むことができる。出力は、複数のチャンネル及び帯域幅(BW)の選択、経路及びトポロジー、送信要求/送信可(RTS/CTS)設定、送信機(TX)電力、クリアチャンネル評価、クライアント関連付けステアリング、帯域ステアリング、拡張分散調整機能(EDCF)優先度及びArbitration Inter−Frame Spacing(AIFS)などのQoSパラメーター、並びにWi−Fiコンテンションウィンドウ設定を含むことができる。最適化は、入力に基づいて、多様な方法で定めることができる目的関数を最大化し、実際の性能(リアルワールドパフォーマンス(Real World Performance))及び使用の好みを反映することができる。特に、各Wi−Fiクライアントデバイスが所望する負荷を考慮して、負荷比の余剰容量を最大化する目的関数が有益である。最適化の目的は、実施するとWi−Fiネットワークの動作を混乱させるような新トポロジーの不利益も含む場合がある。オプティマイザーの出力は、最適化に基づくWi−Fiシステムの動作パラメーターを含むことができる。
分散Wi−Fiシステム
図1を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、クラウド12ベースの制御を有する分散Wi−Fiシステム10を説明する。分散Wi−Fiシステム10は、IEEE802.11プロトコル及びその変更された形態にしたがって動作することができる。分散Wi−Fiシステム10は、ある場所、例えば住居、職場その他などの全体に分散させることができる複数のアクセスポイント14(アクセスポイント14A〜14Hと表示する)を含む。つまり、分散Wi−Fiシステム10は、単一アクセスポイント、リピーター、又はメッシュシステムによるサービスが非効率又は非実用的なあらゆる物理的な場所での動作を意図している。本明細書で説明するように、分散Wi−Fiシステム10は、ネットワーク、システム、Wi−Fiネットワーク、Wi−Fiシステム、クラウドベースのシステム等と呼ばれることもある。アクセスポイント14は、ノード、アクセスポイント、Wi−Fiノード、Wi−Fiアクセスポイント等と呼ばれることもある。アクセスポイント14の目的は、Wi−Fiクライアントデバイス16(Wi−Fiクライアントデバイス16A〜16Eと表示する)へのネットワーク接続性を提供することである。Wi−Fiクライアントデバイス16は、クライアントデバイス、ユーザーデバイス、クライアント、Wi−Fiクライアント、Wi−Fiデバイス等と呼ばれることもある。
典型的な住居での展開では、分散Wi−Fiシステム10は、1軒の家の中に3〜12のアクセスポイントを含むことができる。多数のアクセスポイント14(分散Wi−Fiシステム10内のノードと呼ばれることもある)によって、任意のアクセスポイント14間の距離が、Wi−Fiサービスを必要とする任意のWi−Fiクライアントデバイス16までの距離と同様、常に短いことが保証される。つまり、分散Wi−Fiシステム10の1つの目的は、アクセスポイント14間の距離が、各Wi−Fiクライアントデバイス16と関連付けられたアクセスポイント14との間の距離と同様のサイズとなることである。このような短距離によって、消費者の家が隅々まで良好にWi−Fi信号にカバーされることが保証される。また、分散Wi−Fiシステム10内の任意の所与のホップが短距離になりほとんど壁を貫通しないことも保証される。その結果、分散Wi−Fiシステム10内の各ホップの信号強度は非常に高くなり、高データレートの使用が可能になり、堅牢な動作が提供される。尚、当業者であれば、Wi−Fiクライアントデバイス16が、モバイルデバイス、タブレット、コンピューター、家電、家庭用エンターテメントデバイス、テレビ、又は任意のネットワーク可能デバイスであってもよいことを認識しよう。外部ネットワーク接続性のために、1つ又は複数のアクセスポイント14がモデム/ルーター18に接続されていてもよく、当該モデム/ルーター18はケーブルモデム、デジタル加入者ループ(DSL)モデム、又は分散Wi−Fiシステム10と関連付けられた物理的な場所への外部ネットワーク接続性を提供する任意のデバイスであってもよい。
優れたカバレッジを提供する一方で、多数のアクセスポイント14(ノード)には同調の問題がある。全てのアクセスポイント14を正しく構成させ高効率で通信させるには、中央制御が必要である。この制御は、好ましくはサーバー20で実行され、当該サーバー20にはインターネット(クラウド12)経由で到達でき、ユーザーデバイス22で稼動するアプリケーション(「アプリ」)を通じるなどして遠隔アクセスが可能である。分散Wi−Fiシステム10を稼働させることは、したがって、「クラウドサービス」として一般的に知られているものとなる。サーバー20は、クラウド12を通じて、測定データを受信し、この測定データを分析し、それに基づき分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14を構成するように、構成されている。サーバー20はまた、どのアクセスポイント14が各Wi−Fiクライアントデバイス16と接続(関連)するかを決定するように構成されることができる。つまり、一例示的態様では、分散Wi−Fiシステム10は、アクセスポイント14及びWi−Fiクライアントデバイス16の動作を最適化し、構成し、監視する、(クラウドベースのコントローラー又はクラウドサービスによる)クラウドベースの制御を含む。このクラウドベースの制御は、アクセスポイントにローカルでログインするなどによる、ローカル構成に依存する一般的な動作とは対照的である。分散Wi−Fiシステム10では、制御及び最適化はアクセスポイント14へのローカルログインを必要とせず、ユーザーデバイス22(又はローカルWi−Fiクライアントデバイス16)が、別個のネットワーク(分散Wi−Fiシステム10とは異なるネットワーク)(例えば、LTE、別のWi−Fiネットワーク等)を介するなどして、クラウド12内のサーバー20と通信する。
アクセスポイント14は、接続性のために無線リンク及び有線リンクの両方を含むことができる。図1の例では、アクセスポイント14Aは、モデム/ルーター18への例示的なギガビットイーサネット(GbE、イーサネットは登録商標)の有線接続を有する。任意選択により、アクセスポイント14Bもまた、重複又は負荷のバランスをとるためなどに、モデム/ルーター18への有線接続を有している。アクセスポイント14A、14Bはまた、モデム/ルーター18への無線接続を有することができる。アクセスポイント14は、クライアント接続性のための無線リンク(クライアントリンクと呼ばれる)、及びバックホールのための無線リンク(バックホールリンクと呼ばれる)を有することができる。分散Wi−Fiシステム10が一般的なWi−Fiメッシュネットワークと異なる点は、クライアントリンクとバックホールリンクとが必ずしも同じWi−Fiチャンネルを共有しないので、干渉が低下することである。つまり、アクセスポイント14は少なくとも2つのWi−Fi無線チャンネルをサポートすることができ、これらのチャンネルはクライアントリンク又はバックホールリンクのどちらにも対応できるように自在に用いることができ、また、モデム/ルーター18への接続性のために、又は他のデバイスに接続するために、少なくとも1つの有線ポートを有していてもよい。分散Wi−Fiシステム10では、小サブセットのアクセスポイント14だけがモデム/ルーター18への直接的な接続性を必要とし、接続されていないアクセスポイント14は接続しているアクセスポイント14へのバックホールリンクを通じてモデム/ルーター18と通信している。
分散Wi−Fiシステムの一般的なWi−Fiシステムとの比較
図2を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、一般的な単一アクセスポイントシステム30、Wi−Fiメッシュネットワーク32、及びWi−Fiリピーターネットワーク33に対する分散Wi−Fiシステム10の動作の違いを説明している。単一アクセスポイントシステム30は、ある場所(例えば家)にある全てのWi−Fiクライアントデバイス16に対応するように中心部に配置され得る単一の強力なアクセスポイント34に依存する。また、本明細書で先に説明したように、典型的な住居では、単一アクセスポイントシステム30は、アクセスポイント34とWi−Fiクライアントデバイス16との間に、いくつかの壁、床等を有し得る。それに加えて、単一アクセスポイントシステム30は単一チャンネルで動作するので、近隣システムからの干渉が生じ得る。Wi−Fiメッシュネットワーク32は、Wi−Fiカバレッジを分散する複数メッシュノード36を有することにより、単一アクセスポイントシステム30の問題の一部を解決する。具体的には、Wi−Fiメッシュネットワーク32は、完全に相互接続されているメッシュノード36に基づき動作し、チャンネルXなどのチャンネルを各メッシュノード36とWi−Fiクライアントデバイス16との間で共有している。つまり、Wi−Fiメッシュネットワーク32は、完全に相互接続されたグリッドであり、同じチャンネルを共有し、メッシュノード36とWi−Fiクライアントデバイス16との間で複数の異なる経路を可能にしている。しかし、Wi−Fiメッシュネットワーク32は同一のバックホールチャンネルを用いるので、ソースポイント間で全てのホップが、データ送達に必要なホップ数によってネットワーク容量を分割する。例えば、ビデオをWi−Fiクライアントデバイス16にストリーミングするのに3ホップを要する場合、Wi−Fiメッシュネットワーク32には1/3の容量しか残らない。Wi−Fiリピーターネットワーク33は、Wi−Fiリピーター38に無線接続されたアクセスポイント34を含む。Wi−Fiリピーターネットワーク33は、アクセスポイント14とWi−Fiクライアントデバイス16との間に最大で1つのWi−Fiリピーター38が存在しているスター状トポロジーである。チャンネルの観点からは、アクセスポイント34は第1のチャンネル、Ch.XでWi−Fiリピーター38と通信でき、Wi−Fiリピーター38は第2のチャンネル、Ch.YでWi−Fiクライアントデバイス16と通信できる。
分散Wi−Fiシステム10は、全接続に同一チャンネルを要するWi−Fiメッシュネットワーク32の問題を、様々なホップに異なるチャンネル又は帯域を用いることにより解決し(尚、一部のホップが同じチャンネル/帯域を使用してもよいが、必須ではない)、Wi−Fi速度の低下を防止する。例えば、分散Wi−Fiシステム10は、アクセスポイント14間で、及びWi−Fiクライアントデバイス16との間で異なるチャンネル/帯域(例えば、Ch.X、Ch.Y、Ch.Z、Ch.A)を使用することができ、また、分散Wi−Fiシステム10は、クラウド12による構成及び最適化に基づき、必ずしも全てのアクセスポイント14を使用しなくてよい。分散Wi−Fiシステム10は、複数のアクセスポイント14を提供することにより、単一アクセスポイントシステム30の問題を解決する。分散Wi−Fiシステム10は、Wi−Fiクライアントデバイス16とゲートウェイとの間に最大でも2つの無線ホップしか許可しないWi−Fiリピーターネットワーク33のようなスター状トポロジーに縛られない。また、分散Wi−Fiシステム10は、Wi−Fiクライアントデバイス16とゲートウェイとの間に1つの経路があるツリー型トポロジーを形成するが、Wi−Fiリピーターネットワーク33とは違って複数の無線ホップを可能とする。
Wi−Fiは、共有型単信プロトコル、つまりネットワーク内ではいかなるときも2つのデバイス間の1つの会話だけが発生可能であり、1つのデバイスが発信している間、その他のデバイスはリッスンしていなくてはならない。異なるWi−Fiチャンネルを用いることにより、分散Wi−Fiシステム10内で複数の同時の会話が同時に生じることが可能になる。アクセスポイント14間で異なるWi−Fiチャンネルを選択することにより、干渉及び輻輳が回避される。サーバー20は、クラウド12を通じて、最適化されたチャンネルホップソリューションのアクセスポイント14を自動的に構成する。分散Wi−Fiシステム10は、消費者及び彼らのWi−Fiクライアントデバイス16の常に変化し続ける需要をサポートするように、経路及びチャンネルを選択することができる。分散Wi−Fiシステム10の手法は、Wi−Fi信号がバックホール接続性でもクライアント接続性でも遠方まで移動する必要がないことを保証するものである。したがって、Wi−Fi信号は強いままであり、Wi−Fiメッシュネットワーク32又はWi−Fiリピーターのように同じチャンネルで通信することによる干渉が回避される。一例示的態様では、クラウド12内のサーバー20は、最高のユーザー体験のためにチャンネル選択を最適化するように構成されている。
分散Wi−Fiシステムの構成及び最適化処理
図3を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが分散Wi−Fiシステム10の構成及び最適化処理50を説明する。具体的には、構成及び最適化処理50は、分散Wi−Fiシステム10の高効率な動作を可能にする様々なステップ51〜58を含む。これらのステップ51〜58は、適宜、異なる順で、場合によっては繰り返し実行して、変化する条件に分散Wi−Fiシステム10を適合させることができる。第1に、各アクセスポイント14が電気ソケットに挿し込まれ、オンボード化される(ステップ51)。分散Wi−Fiシステム10では、サブセットのアクセスポイント14だけがモデム/ルーター18に有線接続され(又は任意選択によりモデム/ルーター18に無線接続され)、有線接続性のないアクセスポイント14は、クラウド12に接続するためにオンボード化されなくてはならない。オンボード化ステップ51は、新たにインストールされたアクセスポイント14が分散Wi−Fiシステム10に確実に接続して、このアクセスポイントがコマンドを受信でき、データをサーバー20に提供できるようにする。オンボード化ステップ51は、正しいサービスセット識別子(SSID)(ネットワークID)及び関連付けられたセキュリティ鍵を有するアクセスポイントを構成することを含むことができる。一例示的実施形態では、オンボード化ステップ51は、アクセスポイント14とユーザーデバイス22との間で、Bluetooth又は同等の接続性により実行されて、ユーザーがSSID、セキュリティ鍵等を提供することを可能にする。オンボード化されると、アクセスポイント14は、構成のために、分散Wi−Fiシステム10経由でサーバー20との通信を開始することができる。
第2に、アクセスポイント14は、測定値を取得し情報を収集して、ネットワーキング設定の最適化を可能にする(ステップ52)。収集された情報は、全ノード間の、並びに全ノードと全Wi−Fiクライアントデバイス16との間の、信号強度及びサポート可能なデータレートを含むことができる。具体的には、測定ステップ52は、各アクセスポイント14がデータを収集することにより実行される。干渉量、分散Wi−Fiシステム10上で動作する異なるアプリケーションにより要求される負荷(スループット)等の様々な追加の測定を実行することができる。第3に、測定ステップ52からの測定値及び収集された情報がクラウド12内のサーバー20に提供される(ステップ53)。ステップ51〜53は、分散Wi−Fiシステム10の場所で実行される。
ステップ52、53のこれらの測定値は、各クライアントにより要求されるトラフィック負荷、各ノード間で及び各ノードから各クライアントへの間で維持され得るデータレート、ノード間の及びノードとクライアントとの間のリンクのパケットエラーレート等を含むことができる。それに加えて、ノードは、ネットワークに影響する干渉レベルの測定を行う。これは、他のクラウド制御の分散Wi−Fiシステム(「ネットワーク内インターフェアラー」)からの干渉、及び制御可能なネットワークの一部ではないデバイスからの干渉(「ネットワーク外インターフェアラー」)を含む。これらのタイプのインターフェアラーを区別することは重要である。ネットワーク内インターフェアラーは、クラウドシステムにより制御可能なので、ネットワーク内システム全体の大きな最適化に含まれ得る。ネットワーク外インターフェアラーは、クラウドからは制御できないので、これらの干渉を別のチャンネルに移動させたり別途変更したりすることはできない。システムはこれらを変更するのではなく、これらに適合しなければならない。これらのネットワーク外インターフェアラーは、クラウド制御されないWi−Fiネットワーク、及びWi−Fiにより使用される周波数で送信するBluetoothデバイス、ベビーモニター、コードレス電話その他などの非Wi−Fiデバイスを含む。
別の重要な入力は、ネットワークを移動するパケットの遅延である。これらの遅延は、直接の測定値から、Wi−Fiネットワークのゲートウェイに到着したパケットをタイムスタンプし、それらが最後のノードを離れるまでの経過時間を測定することによって導出することができる。しかし、そのような測定は、ノード間のある程度の時刻同期を要することになる。別の手法は、各ノードを通過する遅延の統計値を個々に測定する、というものになる。次に、ネットワーク全体の総遅延の平均及び何らかの仮定を与えられた遅延の分布を各ノードの個々の遅延統計値に基づき計算することができる。こうして、遅延は、最適化において最小化されるべきパラメーターとなることができる。また、各ノードが送信及び受信に費やす時間を把握することも最適化にとっては有用である。これは、送信又は受信された情報の量とともに、様々なリンクが維持している平均データレートを判定するために用いることができる。
第4に、クラウド12内のサーバー20は、これらの測定値を用いて、分散Wi−Fiシステム10の最適化アルゴリズムを実行する(ステップ54)。最適化アルゴリズムは、ネットワーク動作にとって最良のパラメーターを出力する。これらは、各ノードがクライアントリンク及びバックホールリンク用に動作すべきチャネルの選択、ノードが使用すべきこれら各チャンネルの帯域幅、ノード間の接続のトポロジー及びそのトポロジーによるネットワーク内の任意のソースから任意の目的地へのパケットの経路、各クライアントが接続すべき適切なノード、各クライアントが接続すべき帯域等を含む。
具体的には、最適化は、ノードからの測定値を、最大化される目的関数への入力として用いる。各リンクの容量は、移動したデータの量(負荷)、及び干渉のせいでメディアがビジーである時間の量を検証することによって導出することができる。これはまた、リンクを通過して移動したデータと送信キューがビジーだった時間割合との比をとることによって導出することもできる。この容量は、リンクに飽和状態になるまで負荷がかかり、可能な限りのデータ量を移動させると仮定した場合に実現され得る仮想スループットを表す。
第5に、最適化の出力が、分散Wi−Fiシステム10を構成するのに用いられる(ステップ55)。ノード及びクライアントデバイスは、最適化の出力に基づきクラウドから構成される必要がある。特定の技法が用いられて速やかに構成がなされ、既に動作しているネットワークの中断が最小化される。最適化の出力は、分散Wi−Fiシステム10の動作パラメーターである。これには、各ノードが動作する周波数チャンネル、及び使用されるチャンネルの帯域幅が含まれる。802.11ac規格は、チャンネル帯域幅20、40、80、及び160MHzを可能にする。使用する帯域幅の選択は、分散Wi−Fiシステム10において、より高いデータレート(広いチャンネル帯域幅)をサポートすることと、用いる異なる非干渉チャンネルの数が多いこととの間のトレードオフである。最適化は、様々なユーザーのアプリケーションにより要求される負荷をサポートする可能な限り低いチャンネル帯域を各リンクで使用させようとする。必要十分な最狭のスループットチャンネルを用いることにより、分散Wi−Fiシステム10内の他のリンク用に最大数の非干渉チャンネルが残される。
最適化は、上述したように目的関数を最大化することにより、入力から出力を生成する。多くの異なる可能な目的関数がある。1つの目的は、全てのクライアントに提供される総スループットを最大化することであり得る。このゴールの短所は、最大の総スループットの実現が、既に良好に通信中のクライアントの性能を改善するために一部のクライアントを完全に枯渇させて、なされ得ることである。別の目的は、最悪の状況にあるネットワーク内のクライアントの性能をできる限り高めることであり得る(クライアントへの最小のスループットの最大化)。このゴールは、公平性を高めるのには役立つが、最悪のクライアントで漸増的な改善を得るために多大な総容量を引き換えにする場合がある。好ましい手法は、ネットワーク内の各クライアントの所望の負荷を考慮し、その負荷比の余剰容量を最大化することである。最適化は、容量を改善できるとともに、2つのAP間で容量を変えることもできる。望ましい最適化は、負荷比の方向に余剰容量を最大化するものである。このことは、分散Wi−Fiシステム10に望ましい負荷を伝送する最大のマージンを与えて、それらの性能をより堅牢にし、より少ない待機時間及びより少ないジッターとすることを表す。この厳格な最適化は、可変スケールで容量割当に重み付けするよりソフトな最適化関数を提供することにより、さらに強化することができる。要求された負荷よりも高いスループットとすることには高い利用価値が置かれよう。要求された負荷を上回るスループットをクライアント又はノードに提供することは尚も利点とみなされようが、全てのクライアント/ノードにそれらが要求している負荷を与えることよりは、重み付けは相当低くなる。そのようなソフトな重み付けの最適化関数は、デバイス間の余剰性能のより有益なトレードオフを可能にする。
別のセットの最適化の出力は、分散Wi−Fiシステム10のトポロジー、つまりどのノードが他のどのノードと接続するかを定める。分散Wi−Fiシステム10を通る2つのクライアント間又はクライアントとインターネットゲートウェイ(モデム/ルーター18)との間の実際の経路もまた、最適化の出力である。ここでまた、最適化は経路内の最良のトレードオフを選択しようとする。一般に、より多くのホップを移動するほど、各ホップの範囲は短くなり、データレートが高くなり、より堅牢になる。しかし、ホップが多いと、待機時間及びジッターが増え、チャンネル周波数割り当てによってはシステムの残りからより多くの容量が奪われる。
第6に、学習アルゴリズムをクラウド記憶データに適用して、傾向及びパターンを判定することができる(ステップ56)。尚、サーバー20は、ノードからの測定値、最適化の結果、及び関連のある最適化後の後続の測定値を記憶することができる。このデータを用いて、様々な目的のために傾向及びパターンを決定し分析することができる。ネットワークの再構成には時間がかかり、有効な通信を少なくとも部分的には必ず中断するので、そのピーク負荷に達する前に、ピーク負荷のためのネットワークを構成することが有益である。既に取り込まれている履歴のデータから学習することにより、将来起こる使用及び干渉を予測することが可能である。取り込みデータの学習のその他の用途は、バグを特定し、クライアントデバイスの挙動におけるバグを発見することを含む。クライアントデバイスの挙動にバグが発見されると、ネットワークのインフラストラクチャー側からのツール及びコマンドを用いてそれらのバグを回避することが可能であり得る。
第7に、ネットワークの性能を評価し、ユーザー又はWi−Fi上でサービスを稼働させているサービスプロバイダーに報告することができる(ステップ57)。第8に、アプリケーション(例えばユーザーデバイス22で動作するモバイルアプリ)がユーザーにネットワーク動作の可視性を提供することができる(ステップ58)。これは、ネットワーク活動及び性能メトリクスの表示を含む。モバイルアプリは、ユーザーに情報を送り、測定を行い、ユーザーがWi−Fiネットワークの動作の特定の側面を制御することを可能にするために用いることができる。モバイルアプリはまた、セルラーシステム経由でインターネットと通信して、ノードが最初に設定される際のオンボード化を支援する。携帯電話アプリはまた、セルラーシステムを使用して、ユーザーの正常なインターネット接続が機能していないときに、Wi−Fiネットワークがインターネット及びクラウドと通信する方法を提供する。このセルラーベースの接続は、状況を知らせ、サービスプロバイダー及び他のユーザーに通知するために用いることができ、また、ユーザーの正常なインターネット接続が不調の際、データを家からインターネットへと伝送するのに用いることもできる。
構成及び最適化処理50は、本明細書では例示的実施形態としての分散Wi−Fiシステム10を参照して説明されている。当業者であれば、構成及び最適化処理50は、Wi−Fiメッシュネットワーク32、Wi−Fiリピーターネットワーク33等を含むあらゆるタイプの複数ノードWi−Fiシステム(すなわち分散Wi−Fiネットワーク又はWi−Fiシステム)で動作可能であることを認識しよう。例えば、クラウドベースの制御をWi−Fiメッシュネットワーク32、Wi−Fiリピーターネットワーク33等で実施することもでき、ここでも本明細書で説明する様々なシステム及び方法は、クラウドベースの制御及び最適化のために動作することができる。また、「分散Wi−Fiネットワーク」及び「Wi−Fiシステム」という用語は、Wi−Fiメッシュネットワーク32、Wi−Fiリピーターネットワーク33等にも適用可能であるが、分散Wi−Fiシステム10は分散Wi−Fiネットワークの特定の実施形態である。つまり、分散Wi−Fiシステム10は、複数ノードをサポートする点ではWi−Fiメッシュネットワーク32、Wi−Fiリピーターネットワーク33等と同様であるが、各々と関連のある限界を克服する前述した特徴を有している。
最適化
図3を参照すると、一例示的実施形態では、ブロック図が、最適化70への入力60及び出力62を説明する。入力60は、例えば、各クライアントにより要求されるトラフィック負荷、ノード間及びアクセスポイント14(ノード)とWi−fiクライアントデバイス16との間の信号強度、ネットワーク内の各可能なリンクのデータレート、各リンクのパケットエラーレート、ネットワーク内インターフェアラーの強度及び負荷、並びにネットワーク外インターフェアラーの強度及び負荷を含むことができる。ここでまた、これらの入力は、複数のアクセスポイント14により収集された測定値及びデータに基づき、クラウド12内のサーバー20に通信される。サーバー20は、最適化70を実施するように構成されている。最適化70の出力は、例えば、チャンネル及び帯域幅(BW)の選択、経路及びトポロジー、送信要求/送信可(RTS/CTS)の設定、送信機(TX)電力、クリアチャンネル評価閾値、クライアント関連付けステアリング、並びに帯域ステアリングを含む。
アクセスポイント
図5を参照すると、一例示的実施形態では、ブロック図が、分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14の機能的構成要素を説明する。アクセスポイント14は、プロセッサー102、複数の無線機104、ローカルインターフェース106、データ記憶領域108、ネットワークインターフェース110、及び電源112を収容する物理的なフォームファクター100を含む。当業者であれば、図5は、アクセスポイント14を簡略化して示したものであり、実際の実施形態は、追加の構成要素及び好ましく構成された処理論理(processing logic)を含んで、本明細書で説明する特徴、又は既知の若しくは本明細書では詳述していない一般的な動作特徴をサポートすることができることを理解すべきである。
一例示的実施形態では、フォームファクター100は、小型の物理的実装体であり、アクセスポイント14は電気ソケットに直接挿し込まれ、当該電気ソケットとの電気プラグ接続により物理的にサポートされる。この小型の物理的実装体は、住居全体に分散する多数のアクセスポイント14には理想的である。プロセッサー102は、ソフトウェア命令を実行するハードウェアデバイスである。プロセッサー102は、あらゆる特別仕様の、又は市販されているプロセッサー、中央処理装置(CPU)、モバイルデバイス300と関連付けられたいくつかのプロセッサーのうちの補助プロセッサー、(マイクロチップ又はチップセットの形態の)半導体ベースのマイクロプロセッサー、又は一般にソフトウェア命令を実行するあらゆるデバイスであってよい。アクセスポイント14の動作中、プロセッサー102は、メモリー又はデータ記憶領域108内に記憶されたソフトウェアを実行し、メモリー又はデータ記憶領域108と互いにデータを送受信し、ソフトウェア命令に従ってアクセスポイント14の動作を広く制御するように構成されている。一例示的実施形態では、プロセッサー102には、移動用/携帯用に最適化されたプロセッサー、例えば消費電力及びモバイルアプリケーションが最適化されたプロセッサーが含まれることがある。
無線機104は、分散Wi−Fiシステム10内の無線通信を可能にする。無線機104は、IEEE802.11規格にしたがい動作することができる。無線機104は、分散Wi−Fiシステム10での適切な通信を可能にするアドレス、制御部、及び/又はデータ接続を含む。本明細書で説明するように、アクセスポイント14は、異なるリンク、すなわちバックホールリンク及びクライアントリンクをサポートする複数の無線機を含む。最適化70は、無線機104の帯域幅、チャンネル、トポロジーその他などの構成を決定する。一例示的実施形態では、アクセスポイント14は、2.4GHzについては20/40MHz、5GHzについては20/40/80MHzの動作帯域幅を有する2.4GHz及び5GHzの2x2 MIMO 802.11b/g/n/acの電波を同時に操作するデュアルバンドの動作をサポートする。例えば、アクセスポイント14は、IEEE802.11AC1200ギガビットWi−Fi(300+867Mbps)をサポートすることができる。
ローカルインターフェース106は、アクセスポイント14へのローカル通信用に構成され、有線接続でも、Bluetoothその他などの無線接続でもよい。アクセスポイント14はクラウド12を介して構成されるので、新たにオンになったアクセスポイント14の接続性を確立するために、最初にオンボード化処理が必要である。一例示的実施形態では、アクセスポイント14はまた、ユーザーデバイス22上のアプリを通じるなどして分散Wi−Fiシステム10にオンボードするために、ユーザーデバイス22(又はWi−Fiクライアントデバイス16)への接続性を可能にするローカルインターフェース106を含むことができる。データ記憶領域108は、データを記憶するのに用いられる。データ記憶領域108は、揮発性メモリー素子(例えば、ランダムアクセスメモリー(RAM、例えばDRAM、SRAM、SDRAM等))、不揮発性メモリー素子(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROM等)、及びそれらの組合せをどれでも含むことができる。さらに、データ記憶領域108は、電子、磁気、光学、及び/又は他のタイプの記憶領域媒体を組み込むことができる。
ネットワークインターフェース110は、アクセスポイント14に有線接続性を提供する。ネットワークインターフェース104は、アクセスポイント14がモデム/ルーター18と通信するのを可能にするために用いることができる。また、ネットワークインターフェース104は、Wi−Fiクライアントデバイス16又はユーザーデバイス22にローカル接続性を提供するために用いることができる。例えば、デバイスにおけるアクセスポイント14への有線接続は、Wi−Fiをサポートしていないデバイスにネットワークアクセスを提供することができる。一例示的実施形態では、分散Wi−Fiシステム10内の全てのアクセスポイント14がネットワークインターフェース110を含む。別の例示的実施形態では、モデム/ルーター18に接続するか又はローカル有線接続を要求する選択アクセスポイント14が、ネットワークインターフェース110を有する。ネットワークインターフェース110は、例えば、イーサネットカード又はアダプター(例えば、10BaseT、Fast Ethernet、ギガビットイーサネット、10GbE)を含むことができる。ネットワークインターフェース110は、ネットワーク上の適切な通信を可能にするアドレス、制御部、及び/又はデータ接続を含むことができる。
プロセッサー102及びデータ記憶領域108は、アクセスポイント14の動作を基本的に制御するソフトウェア及び/又はファームウェア、データ収集及び測定の制御、データ管理、メモリー管理、及びクラウドを介してのサーバー20との通信及び制御インターフェースを含むことができる。プロセッサー102及びデータ記憶領域108は、本明細書で説明する様々な処理、アルゴリズム、方法、技法等を実施するように構成されていることができる。
クラウドサーバー及びユーザーデバイス
図6を参照すると、一例示的実施形態では、ブロック図が、サーバー20、Wi−Fiクライアントデバイス16、又は分散Wi−Fiシステム10で使用され得るユーザーデバイス22の機能的構成要素を説明する。図6は、Wi−Fiクライアントデバイス16、サーバー20、ユーザーデバイス22、又は任意の汎用処理デバイスのどれでも形成することができる機能的構成要素を説明する。サーバー20は、ハードウェアアーキテクチャとして、一般にプロセッサー202、入力/出力(I/O)インターフェース204、ネットワークインターフェース206、データ記憶領域208、及びメモリー210を含む、デジタルコンピューターであってもよい。当業者であれば、図6は、サーバー20を簡略化して示したものであり、実際の実施形態は、追加の構成要素及び好ましく構成された処理論理を含んで、本明細書で説明する特徴、又は既知の若しくは本明細書では詳述していない一般的な動作特徴をサポートすることができることを理解すべきである。
構成要素(202、204、206、208、及び210)は、ローカルインターフェース212を介して通信可能に接続されている。ローカルインターフェース212は、例えば、限定ではないが、当業界で知られているように、バス又は他の有線若しくは無線接続の1つ又は複数であってもよい。ローカルインターフェース212は、簡潔さを期して省略されているが、コントローラー、バッファー(キャッシュ)、ドライバー、リピーター、及びレシーバー(他にも多種ある)などの通信を可能にする追加の素子を有していてもよい。さらに、ローカルインターフェース212は、前述の構成要素間の適切な通信を可能にするアドレス、制御部、及び/又はデータ接続を含むことができる。
プロセッサー202は、ソフトウェア命令を実行するハードウェアデバイスである。プロセッサー202は、あらゆる特別仕様の、又は市販されているプロセッサー、中央処理装置(CPU)、サーバー20と関連付けられたいくつかのプロセッサーのうちの補助プロセッサー、(マイクロチップ又はチップセットの形態の)半導体ベースのマイクロプロセッサー、又は一般にソフトウェア命令を実行するあらゆるデバイスであってよい。サーバー20の動作中、プロセッサー202は、メモリー210内に記憶されたソフトウェアを実行し、メモリー210と互いにデータを送受信し、ソフトウェア命令に従ってサーバー20の動作を広く制御するように構成されている。I/Oインターフェース204は、デバイス又は構成要素の1つ又は複数からのユーザー入力を受信し、及び/又はデバイス又は構成要素の1つ又は複数へのシステム出力を提供するのに用いることができる。ユーザー入力は、例えば、キーボード、タッチパッド、及び/又はマウスを介して提供されることがある。システム出力は、ディスプレイデバイス及びプリンター(図示せず)を介して提供されることがある。I/Oインターフェース204には、例えば、シリアルポート、パラレルポート、small computer system interface(SCSI)、シリアルATA(SATA)、ファイバーチャンネル、Infiniband、iSCSI、PCI Express interface(PCI−x)、赤外線(IR)インターフェース、高周波(RF)インターフェース、及び/又はユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースが含まれることがある。
ネットワークインターフェース206は、サーバー20がクラウド12などのネットワーク上で通信可能とするために用いることができる。ネットワークインターフェース206は、例えば、イーサネットカード又はアダプター(例えば、10BaseT、Fast Ethernet、ギガビットイーサネット、10GbE)又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)カード又はアダプター(例えば、802.11a/b/g/n/ac)を含むことができる。ネットワークインターフェース206は、ネットワーク上の適切な通信を可能にするアドレス、制御部、及び/又はデータ接続を含むことができる。データ記憶領域208は、データを記憶するのに用いることができる。データ記憶領域208は、揮発性メモリー素子(例えば、ランダムアクセスメモリー(RAM、例えばDRAM、SRAM、SDRAM等))、不揮発性メモリー素子(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROM等)、及びそれらの組合せをどれでも含むことができる。さらに、データ記憶領域208は、電子、磁気、光学、及び/又は他のタイプの記憶領域媒体を組み込むことができる。一例では、データ記憶領域208は、例えば、サーバー20内でローカルインターフェース212に接続されている内部ハードドライブなどの、サーバー20の内部に配置されてもよい。それに加えて、別の実施形態では、データ記憶領域208は、例えば、I/Oインターフェース204に接続(例えば、SCSI又はUSB接続)された外部ハードドライブなどの、サーバー20の外部に配置されてもよい。さらなる実施形態では、データ記憶領域208は、例えば、ネットワークに接続したファイルサーバーなど、ネットワークを通じてサーバー20に接続されていてもよい。
メモリー210は、揮発性メモリー素子(例えば、ランダムアクセスメモリー(RAM、例えばDRAM、SRAM、SDRAM等))、不揮発性メモリー素子(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROM等)、及びそれらの組合せをどれでも含むことができる。さらに、メモリー210は、電子、磁気、光学、及び/又は他のタイプの記憶領域媒体を組み込むことができる。尚、メモリー210は、分散アーキテクチャを有することができ、その場合、様々な構成要素は互いに離れて配置されているが、プロセッサー202によってアクセス可能である。メモリー210内のソフトウェアは、1つ又は複数のソフトウェアプログラムを含むことができ、各々が論理関数を実施するための順序付き実行命令リストを含む。メモリー210内のソフトウェアは、好ましいオペレーティングシステム(O/S)214及び1つ又は複数のプログラム216を含む。オペレーティングシステム214は、他のコンピュータープログラム、例えば1つ又は複数のプログラム216の実行を基本的に制御し、スケジューリング、入力−出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリー管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。1つ又は複数のプログラム216は、本明細書で説明する例えば最適化70に関する様々な処理、アルゴリズム、方法、技法等を実施するように構成されていてもよい。
データ収集
ここでまた、様々な例示的実施形態では、システム及び方法が、構成及び最適化処理50で最適化70に用いるために、分散Wi−Fiシステム10内でデータ及び測定値を収集する技法を提供する。本明細書で説明するように、アクセスポイント14からの測定値及び収集データは、まとめて測定値又はデータと呼ばれることがある。このデータは、限定ではないが、異なるクライアントからの/異なるクライアントへのトラフィック、異なるクライアントから/異なるクライアントへと用いられる信号強度及びデータレート、Wi−Fiチャンネルの条件、異なるトラフィックフローによりもたらされる性能、アクセスポイント14の輻輳レベル等を含むことができる。このデータは、クラウド12へ、そしてサーバー20へと定期的及びイベント駆動式の両方で報告される。イベント駆動型の報告は、絶対閾値又は相対閾値を超えることに基づくことができる。さらに、報告の頻度は、測定されているパラメーターの閾値又はレベルに基づき動的に調節されることができる。アクセスポイント14は、データを生データとして報告することができ、又はデータが大容量の場合は、平均値、中央値、偏差その他などの統計的測定値によって圧縮して報告することもできる。データ収集の1つの目的は、アクセスポイント14によって伝送されている有効なトラフィックフローの性能への影響を最小化しながら、収集及び報告を実行することである。
図7を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14によるデータ収集処理300を説明する。データ収集処理300は、分散Wi−Fiシステム10内のホームチャンネルで動作中にオンチャンネルスキャニングデータを取得すること(ステップ301)、定期的に又はクラウドベースのシステムからのコマンドに基づきホームチャンネルをオフに切り換え、1つ又は複数のオフチャンネルのオフチャンネルスキャニングデータを取得すること(ステップ302)、及び、オンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングに基づく測定データを、分散Wi−Fiシステム10の最適化に使用するようにクラウドベースのシステムに提供すること(ステップ303)を含む。本明細書で説明するように、ホームチャンネルは、現在の構成に基づき(例えば直前の最適化70又は初期構成に基づき)関連付けられた無線機104が現在動作中であるチャンネルである。ホームチャンネルはまた、クライアントリンク用又はバックホールリンク用であってもよい。つまり、アクセスポイント14は、ホームチャンネルで、クライアント16とクライアントリンクで通信するように動作することができ、また、別のホームチャンネルで、分散Wi−Fiシステム10内の他のアクセスポイント14と通信する、すなわちバックホールリンクで動作することもできる。クラウドベースのシステムは、クラウド12内のサーバー20の場合がある。
データ収集処理300はさらに、オンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータを処理して測定データを決定すること(ステップ304)を含むことができる。この処理は、アクセスポイント14にローカルで実行されて測定値を決定し、次いで当該測定値をサーバー20に送信する。別の例示的実施形態では、アクセスポイント14は、オンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータを処理せず生データとして送信するだけでよい。しかし処理は、分散Wi−Fiシステム10上のデータ収集処理300に必要な帯域幅要件を軽減する。また処理は、単に、オンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータをサーバー20に送信する前に圧縮することを含むことができる。処理は、ホームチャンネルが直接測定値と直接測定値に基づく演算との組合せに基づき分割される時間分割を決定することを含むことができる。処理することは、アクセスポイントにおける遅延の直接測定値及び統計値の1つにより、分散Wi−Fiシステム上のパケットの遅延を判定することを含むことができる。最後に、データ収集処理300はさらに、オフチャンネルスキャニングデータの取得後、再びホームチャンネルに切り換えること(ステップ305)を含むことができる。
例示のため、分散Wi−Fiシステム10を参照しながらデータ収集処理300を説明する。当業者であれば、データ収集処理300は、Wi−Fiメッシュネットワーク32、Wi−Fiリピーターネットワーク33その他などの他のタイプのWi−Fiシステムでも動作できることを認識しよう。つまり、データ収集処理300は、あらゆる複数アクセスポイント14、34システムでの動作を広く意図するものであり、メッシュノード36、アクセスポイント34、リピーター38等により実施可能である。ここでまた、データ収集処理300は、クラウド制御されたWi−Fiシステムのインテリジェントな遠隔制御及び最適化を可能とするのに有利である。
一例示的実施形態では、オンチャンネルスキャニングデータ又はオフチャンネルスキャニングデータのどちらのスキャニングも、異なるチャンネル帯域幅(例えば、20、40、80.160MHz)で実行し報告することができる。例えば、オンチャンネルスキャニングは、ホームチャンネルで現在構成されているものとは異なるチャンネル帯域幅で実行可能である。さらに、オフチャンネルスキャニングは、異なるチャンネル帯域幅のどれに設定してもよい。例えば、定期的スキャニングは、異なるチャンネル帯域幅の間を巡回して、Wi−Fiシステムがいかに動作しているかに関するより代表的な詳細をクラウドベースのシステムに提供することができる。
測定データは、複数の受信信号強度インジケーター(RSSI)、実現可能なデータレート、容量、負荷、エラーレート、遅延、及び送受信にかかった時間割合を含むことができる。オフへの切換は、アクセスポイント14の負荷に基づき決定することができる。例えば、処理300は、アクセスポイント14内のキューの状況を監視して、オフへの切換を決定するために、いつ負荷が低いかを決定することを含むことができる。処理300はさらに、時刻同期機能(TSF)タイマーからのオフセットにより、分散Wi−Fiシステム10内の他のアクセスポイントに、ビーコン内のブロードキャストフレーム及び情報要素の1つを介して、オフへの切換を通知することを含むことができる。任意選択により、アクセスポイント14は、分散Wi−Fiシステム10内の少なくとも1つの追加のアクセスポイント14と比べて軽負荷であり、当該アクセスポイント14は、当該少なくとも1つの追加のアクセスポイント14のオフチャンネルスキャニングデータの取得を実行するように構成されている。オフチャンネルスキャニングデータのためのアクセスポイント14は、受信するプローブ応答の数を減じるために、信号強度の測定に用いられる特定のサービスセット識別子(SSID)についてのプローブ要求を特定の近隣機器(neighbor)に対して送信することができる。オフチャンネルスキャニングデータのためのアクセスポイント14は、近隣のアクセスポイント及びクライアントからの応答を促すために、別のネットワーク内基本サービスセット(BSS)を模したフレームを送信することができる。処理300は、最適化に基づいてクラウドベースのシステムから構成データを受信することを更に含むことができ、測定データを提供することは、統計チャンネルを通じて実行されるとともに、構成データを受信することは、統計チャンネルと異なる構成チャンネルを通じて実行される。
別の例示的実施形態では、分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14が、分散Wi−Fiシステム上で通信する複数の無線機、及び前記複数の無線機と通信可能に接続され、複数の無線機のうち1つ又は複数の無線機に、分散Wi−Fiシステム内のホームチャンネルで動作中に、オンチャンネルスキャニングデータを取得させるプロセッサーを含み;定期的に又はクラウドベースのシステムからのコマンドに基づき1つ又は複数の無線機にホームチャンネルをオフに切り換えさせ、1つ又は複数のオフチャンネルのオフチャンネルスキャニングデータを取得させ;オンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータに基づく測定データを、分散Wi−Fiシステム10の最適化に使用するように、クラウドベースのシステムに提供するように構成されている。
さらなる例示的実施形態では、分散Wi−Fiシステム10は、互いに通信可能に接続されている複数のアクセスポイント14、並びに当該分散Wi−Fiシステム10に外部通信を提供しクラウドベースのシステムに通信を提供するゲートウェイと通信可能に接続されている少なくとも1つのアクセスポイントを含み、複数のアクセスポイント14は各々、分散Wi−Fiシステム内のホームチャンネルで動作中にオンチャンネルスキャニングデータを取得し;定期的に又はクラウドベースのシステムからのコマンドに基づきホームチャンネルをオフに切り換え、1つ又は複数のオフチャンネルのオフチャンネルスキャニングデータを取得し;オンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータに基づく測定データを、分散Wi−Fiシステム10の最適化に使用するように、クラウドベースのシステムに提供するように構成されている。
さらに別の例示的実施形態では、Wi−Fiシステム内のアクセスポイント14、34、又はメッシュノード36、又はリピーター38によりデータを収集する方法が、定期的に又はクラウドベースのシステムからのコマンドに基づき、(i)ホームチャンネルで動作中にオンチャンネルスキャニングデータを取得すること、及び(ii)ホームチャンネルをオフに切り換え、1つ又は複数のオフチャンネルのオフチャンネルスキャニングデータを取得することの1つ又は複数を実行すること;並びにオンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータの1つ又は複数に基づく測定データを、Wi−Fiシステムの最適化に使用するように、クラウドベースのシステムに提供することを含み、測定データは生データ及び処理済みデータの1つ又は複数を含む。
さらに別の例示的実施形態では、最適化のためのデータを収集するように構成されているアクセスポイント14、34、メッシュノード36、又はリピーター38が、Wi−Fiシステム上で通信する複数の無線機、及びプロセッサーを含み、当該プロセッサーは、複数の無線機と通信可能に接続され、定期的に又はクラウドベースのシステムからのコマンドに基づき1つ又は複数の無線機に(i)ホームチャンネルで動作中にオンチャンネルスキャニングデータを取得させること、及び(ii)ホームチャンネルをオフに切り換え、1つ又は複数のオフチャンネルのオフチャンネルスキャニングデータを取得させることの1つ又は複数を実行させ、並びにオンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータに基づく測定データを、分散Wi−Fiシステムの最適化に使用するように、クラウドベースのシステムに提供するように構成されており、測定データは生データ及び処理済みデータの1つ又は複数を含む。
さらに別の例示的実施形態では、最適化のためのデータを収集するように構成されているWi−Fiシステムが、互いに通信可能に接続されている複数のアクセスポイントで、そのうち少なくとも一つは当該Wi−Fiシステムに外部通信を提供するゲートウェイと通信可能に接続されているアクセスポイントを含み、複数のアクセスポイントは各々、定期的に又はクラウドベースのシステムからのコマンドに基づき(i)ホームチャンネルで動作中にオンチャンネルスキャニングデータを取得すること、及び(ii)ホームチャンネルをオフに切り換え、1つ又は複数のオフチャンネルのオフチャンネルスキャニングデータを取得することの1つ又は複数を実行し;並びにオンチャンネルスキャニングデータ及びオフチャンネルスキャニングデータに基づく測定データを、Wi−Fiシステムの最適化に使用するように、クラウドベースのシステムに提供するように構成されており、測定データは生データ及び処理済みデータの1つ又は複数を含む。
アクセスポイント14は、定期的に又はクラウド12からコマンドを受信すると、そのホームチャンネルではない、異なるチャンネル幅(例えば20、40、80、及び160MHz)のチャンネルに、短い間だけ切り換え、それを監視することによって、無線機104を用いてオフチャンネルスキャンを実行することができる。スキャニング期間の際、アクセスポイント14は、Wi−Fi送信及び非Wi−Fi送信の両方によるチャンネルのビジー度に関する情報を収集し、近隣の各基本サービスセット(BSS)による利用度レベルを特定することができる。アクセスポイント14はまた、ビーコンなどの管理フレーム並びにデータフレームを受信することによって、近隣アクセスポイント14及び関連付けられていないクライアント16からの信号強度を測定することもできる。ネットワーク内アクセスポイント14(分散Wi−Fiシステム10の一部であるもの)及びクライアント16からのデータ収集の効率を高めるために、スキャンを実行しているアクセスポイント14は、近隣のアクセスポイント又はクライアントからの応答を促すために、別のネットワーク内BSSを模したフレームを送信することができる。あるいは、近隣ネットワーク内アクセスポイント14に、それらが関連付けられたクライアント16に送信して応答を促すように命令し、この応答を、スキャンしているアクセスポイント14によって測定するようにしてもよい。アクセスポイント14は、近隣アクセスポイント14とそれらのクライアント16間で使用されている変調コーディングスキーム(Modulation and Coding Scheme;MCS)を測定することもできる。
分散Wi−Fiシステム10を最適化するために、全クライアント16から全アクセスポイント14への信号強度を把握することは有益であり、全アクセスポイント14は各々、クライアント16が関連付けられ得る潜在的な場所である。しかし、一部のアクセスポイント14は、それらと関連付けられていないクライアント16の信号強度を受信し記録することが困難である。この問題を回避するための一方法は、(オフチャンネルでもオンチャンネルでも)スキャンを行うアクセスポイント14を多重BSSIDモードにし、近隣アクセスポイント14のBSSIDをアクセスポイントリストに加えることである。次に、このアクセスポイント14は、確認応答を送信しないように、構成されるべきである。この一対の行為は、当該アクセスポイント14が、全クライアントの送信を、当該アクセスポイント14と関連付けられていないクライアント16からの送信でさえも、沈黙してリッスンすることを可能にする。一例示的実施形態では、測定アクセスポイント14による測定が所望されるWi−Fiクライアントデバイス16からの送信が、既に当該Wi−Fiクライアントデバイス16に接続しているアクセスポイント14からパケットを送信することでトリガされ得、すなわち、アクセスポイント14同士の同調が、当該Wi−Fiクライアントデバイス16をトリガして、異なるアクセスポイント14のうちどれが当該Wi−Fiクライアントデバイス16をリッスンしているかを送信させる。
オフチャンネルスキャンを実行する際、アクセスポイント14はそのホームチャンネルで送信も受信もできず、潜在的にトラフィックフローの動作が中断する可能性がある。中断を緩和するために、アクセスポイント14は、アイドル時又は軽負荷時のみスキャンを実行することができる。ここでまた、このことは、アクセスポイント14と関連するキューを監視することに基づき得る。実際に、家の中の複数のアクセスポイント14を利用して、測定値に高い相関のある近傍のアイドル中又は軽負荷のアクセスポイント14から、重負荷のノードの干渉を推量することができる。その場合、重負荷のアクセスポイント14は、スキャンのためにオフチャンネルとなる必要は皆無であるが、それは、このアクセスポイント14のために周囲の軽負荷のアクセスポイント14がオフチャンネルのスキャニングを行うからである。さらに、アクセスポイント14は、スキャニング期間内に到着するデータのバッファーに利用可能なフリーメモリーについての情報を用いてパケット喪失の確率を推定し、それに基づいてスキャンの省略又は延期を決定することができる。アクセスポイント14はまた、時刻同期機能(TSF)タイマーからのオフセットにより、ビーコン内のブロードキャストフレーム又は情報要素を用いて、それらの計画された不在をネットワーク内の他のアクセスポイント14に通知することもできる。こうすれば、アクセスポイント14がそのホームチャンネル上にないときに他のネットワーク内アクセスポイント14が送信を試みないことが保証される。オフチャンネルスキャン中は関連付けられたクライアントデバイス16を近くの異なるアクセスポイント14に強制的に接続し、スキャンが完了すると元のアクセスポイント14に戻されることも可能である。アクセスポイント14がそのホームチャンネルから離れている時間を減じるために、チャンネルを順次スキャンし、次のスキャンとの間にホームチャンネルに戻ることができる。アクセスポイント14は、信号強度を測定するための特定のSSIDのプローブ要求を特定の近隣機器に送信することにより、指定スキャンを実行することもできる。こうすれば、アクセスポイントがオフチャンネルでいなければならない時間は減少するが、アクセスポイントが把握しようとしている近隣機器からの素早い応答がトリガされる。それに加えて、プローブ要求を特定のSSIDに送信することで、受信するプローブ応答の数が減少し、ひいては送信のオーバーヘッドが低下するので、データを収集することで生じるチャンネルへの干渉も低下する。さらに、アクセスポイント14は、オフチャンネルの切換えに先立ち、任意の関連付けられたクライアント16を他のアクセスポイント14に移動させることができる。また、このことは、クラウドベースのシステムにより行うことができる。関連付けられたクライアント16なしで、アクセスポイント14は、ネットワークを中断することなくオフチャンネルスキャニングを実行することができる。
アクセスポイント14は、関連付けられたクライアント16と送受信しているホームチャンネルにある際(又は他のアクセスポイント14と送受信している間バックホールリンクにある際は)、各クライアント16に送信した、及びそれらから受信したトラフィック、並びに使用されたMCSレート、各集計におけるMedia Access Control(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)の数、パケットエラーレート、消失した確認応答の数等を測定する。ホームチャンネル上にある際、アクセスポイント14は、動作している異なるアクセスポイント14と関連のある同一チャンネル上で、送信をリッスンすることもできる。ホームチャンネル上にある間、アクセスポイント14は、正常に動作し任意の関連付けられたWi−Fiクライアントデバイス16に対応しながら、無線波の範囲内にある、その同じチャンネルで動作している全デバイスについての測定値を収集することもできる。これには、Wi−Fiクライアントデバイス16、並びに他のアクセスポイント14が含まれる。
別の重要な収集すべきデータの一部は、ネットワーク内を移動するパケットの遅延である。これらの遅延は、直接の測定値から、分散Wi−Fiシステム10のゲートウェイ(モデム/ルーター18)に到着したパケットをタイムスタンプし、それらが最後のアクセスポイント14を離れるまでの経過時間を測定することによって導出することができる。しかし、そのような測定は、アクセスポイント14間のある程度の時刻同期を要する。別の手法は、各アクセスポイント14を通過する遅延の統計値を個々に測定する、というものになる。次に、分散Wi−Fiシステム10全体の総遅延の平均及び何らかの仮定を与えられた遅延の分布を各アクセスポイント14の個々の遅延統計値に基づき計算することができる。こうして、遅延は、最適化70において最小化されるべきパラメーターとなることができる。これらの遅延は、分散Wi−Fiシステム10内の各クライアント16への経路から取得されるか又は導出されるべきである。
アクセスポイント14は、キュー長さ、すなわち送信キューの経時的なバックログ、並びにキュー利用率、すなわちキューが空ではない時間割合を測定して、送信キューの利用度を測定する。これらの測定値は、アクセスポイント14によって伝送されるトラフィックフローによりもたらされる性能と高い相関性がある。アクセスポイント14により実現され得る最大のスループットは、このアクセスポイント14が伝送するトラフィックがスケールアップされると仮定すると、アクセスポイント14のスループットとキュー利用率との比として決定することができる。
図8を参照すると、一例示的実施形態では、グラフが、ホームチャンネルなどのチャンネルに関連する時間割合を説明する。アクセスポイント14は、そのホームチャンネル上で、近隣ネットワーク内のWi−Fi送信機の活動によりチャンネルがビジーである、すなわち干渉の時間割合(ビジー%)、アクセスポイント14が送信に費やす時間割合(送信%)、アクセスポイント14が関連付けられたクライアント16からの受信に費やす時間割合(受信%)、チャンネルがアイドル状態でありノードがその送信キューにパケットを有するときにアクセスポイント14がそのコンテンションウィンドウのカウントダウンに費やす時間割合(バックオフ%)、チャンネルがアイドル状態でありアクセスポイント14が空の送信キューを有する時間割合(アイドル%)を測定/推量することもできる。図8は、チャンネルの一例を説明する。これらのカテゴリーにいかに時間が配分されているかを理解することは非常に有用である。アクセスポイント14のスループットとその送信時間割合との比は、アクセスポイント14がチャンネルへのアクセスを得たときに実現される有効なデータレートに対応する。アイドル%は、アクセスポイント14がデータを送信するのに仮想的に使い得る時間に対応し、そのアクセスポイント14が利用可能な余剰容量を反映している。しかし、実装上の限界により、これらの時間割合が全てアクセスポイント14で直接測定できるとは限らない。送信%、受信%、及びビジー%は、ドライバーによって直接報告され得るが、バックオフ%とアイドル%とは区別不可能である。一定の期間にわたってキュー利用度及びチャンネル時間割合を一緒に測定することで、二者間の関係を利用して、異なる時間割合を別々に推定することが可能になる。図8を参照されたい。例えば、バックオフ%は、キュー利用率*(100−受信%−ビジー%)−送信%として計算することができる。
中央制御可能な分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14による干渉と、分散Wi−Fiシステム10外のノードによる干渉とを区別することも有用である。ある期間にわたり複数のアクセスポイント14から一緒に収集されたデータを用いて、近隣ノードにより報告される送受信活動並びにノード間の信号強度を用いてネットワーク内干渉を推定することができる。したがって、ネットワーク外干渉は、アクセスポイント14で測定された総合的な干渉からネットワーク内干渉を差引くことにより推定することができる。そのような計算の一例は、家の中の1つのアクセスポイント14の総ビジー時間の測定である。家の中の分散Wi−Fiシステム10内の他のアクセスポイント14は、それらが送信に費やした時間を報告することができる。家の中の分散Wi−Fiシステム10内の他の全てのアクセスポイント14が送信に費やす時間を、対象とするアクセスポイント14のビジー時間から差引くことができる。こうすれば、家の分散Wi−Fiシステム10の一部である他のアクセスポイント14と関連のある全てのトラフィックが除去されて、近所の家のネットワークからの送信により消費された通信時間だけが残る。上述の処理が成功するには、全アクセスポイント14について同一期間にわたりチャンネル時間割合を測定又は推定しなければならない。使用可能な一技法は、分散Wi−Fiシステム10内の全アクセスポイント14のデータ報告を同期させて、全アクセスポイント14に同一のタイムスライスについての統計値を報告させることである。使用可能な別の技法は、全アクセスポイント14から十分な期間のデータを集計し、この期間のチャンネル時間割合の統計的測定値を計算して、推定に用いることである。こうすれば、アクセスポイント14全体のデータ収集を同期させる必要性が軽減される。
クラウドベースのシステム、すなわちサーバー20は、一般には、分散Wi−Fiシステム10の制御及び最適化に使用する測定データを使用するように構成されている。一例示的実施形態では、サーバー20は、複数のアクセスポイント14からの測定データの一括分析を実行して、他の測定データを導出するように構成されることがある。例えば、このことは、アクセスポイント14のTX時間から別のアクセスポイント14のRX時間を差引くことを含むことができる。ここで、複数のアクセスポイント14からの測定データは、時刻同期されていて、クラウド12における比較、分析等のためのアラインメントを可能にすることができる。あるいは、複数のアクセスポイント14からの測定データは、例えば時刻同期の不確定性よりもはるかに長い期間の平均をとり、これらの経時的な平均値を操作して、異なるアクセスポイント14の測定値から差引くか又はそうでなければ結果を導出して、粗く時刻同期されているだけでもよい。
アクセスポイント14から収集されるデータの量を減じるために、冗長情報を省略することができ、例えば、1対のアクセスポイント14間の通信データは、その一方、いわば送信機によって報告されるだけでよい。データは、生データの代わりに平均、移動平均、ヒストグラムその他などの統計値を送信することによって圧縮することもできる。生データを送信する場合、報告を長期間でバッチ化し、圧縮形式で報告することができる。データの量は、定期的報告の頻度を減じ、代わりにイベント駆動型の報告とすることにより、さらに減じることができる。クラウド12は異なる量(負荷、容量、受信信号強度インジケーター(RSSI)等)の絶対閾値などのパラメーターを有するノードを構成することができ、アクセスポイント14はこの閾値を超えたときだけデータを報告することができる。相対的閾値もまた、新規報告が過去に送信されたものと少なくとも特定のマージンだけ異なる場合のみアクセスポイント14が報告を送信するのに用いられることがある。あるいは、閾値は、アクセスポイント14がデータを収集し報告する頻度を変えるポリシーを特定するのに用いられることがある。侵入的又はそうではなく計算が煩雑な一部の測定(例えばオフチャンネルスキャン)は、異なるパラメーターが特定の閾値を超えたときだけトリガされることもある。それに加えて、一部の統計値は、クラウド12により明確に要求されたときだけ測定され報告されることがある。こうすれば、データ測定及び報告により課せられるオーバーヘッドによるあらゆるコストを抑えることができる。
一例示的実施形態では、アクセスポイント14は、毎分又は何らかの他の構成可能な期間などの継続的な測定を行うことができるが、クラウドベースのシステムへの報告はバッチで行うことができる。例えば、X期間の測定値を取得し、Xセットの測定値を一括で報告する。この手法により、クラウド12への通信頻度が減る一方で、クラウドベースのシステムは尚も最適化に必要な全ての測定値を得られることが保証される。さらに、アクセスポイント14は、測定データを圧縮してからクラウド12に送信するように構成されて、全般的に必要な帯域幅を減じることができる。別の例示的実施形態では、報告用の帯域幅をさらに減じるために、アクセスポイント14間で、例えば重複を減じるために、何を報告するかについての同調があり得る。例えば、所与のリンクについてのTX統計値だけを報告すればよく、当該リンクのパートナーノードからの対応するRX統計値を報告する必要はない。これは、所与のリンクのTX統計値はRX統計値と同じになり、同じ情報を提供するからである。
統計チャンネルと構成チャンネルとの分離
図9を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、クラウド12内の構成サービス402及び統計サービス404と通信している分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14を有するネットワーク400を説明する。分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14によって上述したようにして収集されたデータは、クラウド12内に移動させなくてはならない。このことは、アクセスポイント14を構成し制御するのに用いられるチャンネルとは別のチャンネル経由で行うのが有益である。それは、クラウド12からのアクセスポイント14の管理は、データ収集とは別個のトラフィックパターンを有するからである。アクセスポイント14の構成は、頻繁には行われず、信頼性が高くトランザクション可能でなくてはならないが、アクセスポイント14からサービス402、404への統計値報告は大容量なので高効率でなくてはならず、多少のデータ消失に適応可能である。したがって、アクセスポイント14は、構成と統計とに異なる通信チャンネル及び手法を、すなわち構成サービス402への構成チャンネル406と、統計サービス404への統計チャンネル408とを実装できる。
構成サービス402及び統計サービス404が、クラウド12内で、同じか又は異なるサーバー20上などで展開される。サービス402、404は、クラウド12内のサーバー20で動作可能なクラウドベースのシステムと呼ばれることがある。これらのサービス402、404は、異なるプロトコルを介して、並びに異なる場所で、通信可能である。分散Wi−Fiシステム10内の各アクセスポイント14は、サービス402、404の両方とそれぞれ構成チャンネル406経由、統計チャンネル408経由で通信するように構成されている。構成チャンネル406は、Open vSwitch Database Management Protocol(OVSDB)などのトランザクション指向の信頼性の高い通信プロトコルにより、構成サービス402とやり取り(相互作用)することができる。統計チャンネル408は、ProtoBuf over Message Queue Telemetry Transport(MQTT)などの高効率で軽量の通信プロトコルにより、統計値(測定データ)を統計サービス404に報告することができる。
この手法はいくつかの利点を提供する。アクセスポイント14の構成は重要な活動であり、統計チャンネル408内のトラフィックの飽和又は高容量関連の問題に影響されることがない。統計通信プロトコルを高効率性で選択することができるので、アクセスポイント14の管理オーバーヘッドは最小化される。
通信を確立するためのWi−Fi設定
ここでまた、より具体的には、分散Wi−Fiシステム及び方法は、分散Wi−Fiシステム10内のWi−Fiクライアントのアクセスサービスを提供する全アクセスポイント14が、Wi−Fiネットワークを通して、クラウド12に接続しているゲートウェイ18を通過する安全で信頼性の高い1つのデータ経路をもつことを保証する。メッシュ、リピーター、又は一般的な分散Wi−Fi手法の問題の一つは、初期ネットワーク設定である。典型的には、Wi−Fiネットワークの設定は、何らかの種類の手動のユーザーとのやり取りを必要とし、それは典型的には、ノード間接続に用いられるWi−FiネットワークSSID及びパスワードを入力することである。この手順は煩雑であり、間違いやすい。メッシュ、リピーター、又は分散Wi−Fi手法のように複数ノードを設定しなければならない場合、問題は増大する。それに加えて、Wi−Fi可能な標準クライアントで各ノードに接続することが厄介な場合もあるが、それは基本サービスセット識別子(BSSID、特定のノード又はアクセスポイントのMACアドレスに相当)に基づき接続するデバイスの選択の機会を全てのWi−Fiクライアントがユーザーに提供するわけではないからである。具体的には、Microsoft Windows(登録商標)は、BSSID又は他の手段を介し接続する特定のAPの選択を許可しない。こうした制限は、限られた技術的スキルしかないユーザーにとってさらなる重荷となり、初期ネットワーク設定を完了するのに要する時間を増やすだけである。
初期ネットワーク設定に関連する1つの問題は、ユーザーが入力しなければならないデータの量である。現在のソリューションの一部は、48ビットの一意の物理(PHY)層識別子(MACアドレス)をWi−Fiネットワークの一部となる各デバイスについて入力することを要求する。そのような操作は煩雑であるばかりか、入力ミスが起きやすく、大変な失敗(サービスが利用できない)につながりかねない。したがって、分散Wi−Fiシステム及び方法の1つの目的は、より単純でよりユーザーに優しい手法を提供することである。
図10A、10B、11A、11B、及び12を参照すると、例示的実施形態では、ブロック図が、分散Wi−Fiシステム10内のWi−Fi設定用のネットワーク500を説明する。Wi−Fi設定は、ブートストラップ処理でWi−Fiインフラストラクチャーモード接続を用い、簡単で手早く高効率である。Wi−Fi設定は、分散Wi−Fiシステム10にネットワーク506(例えばインターネット、クラウド、インターネットサービスプロバイダー(ISP)ネットワーク等)を介して接続する2つの外部サービス502、504を含む。外部サービス502、504は、分散Wi−Fiシステム10の一部になることが認証される全てのWi−Fiアクセスポイント14が利用できる。外部サービス502、504は、遠隔デバイス認証サーバー、及び遠隔分散Wi−Fiネットワークコントローラー(クラウド)を含む。外部サービス502、504を使用することで、分散Wi−Fiシステム内の通信を確立するためのユーザーとのやりとりが、一般的な手法よりも相当軽減されることになる。
図10Aは、分散Wi−Fiシステム10が最初に外部サービス502、504に接続されるネットワーク500を説明する。図10Bは、ゲートウェイアクセスポイント14−1が外部サービス502、504により構成されるネットワーク500を説明する。図11Aは、ゲートウェイアクセスポイントが他のアクセスポイント14−2、14−2をオンボード化し、Wi−Fiサービスの供給を開始するネットワーク500を説明する。図11Bは、アクセスポイント14−3が他のアクセスポイントをオンボード化し、Wi−Fiサービスの供給を開始するネットワーク500を説明する。図12は、アクセスポイント14−3がアクセスポイント14−4、14−5をオンボード化し、Wi−Fiサービスの供給を開始するネットワーク500を説明する。
Wi−Fi設定は、ネットワーク506と接続するモデム/ルーター18と接続するゲートウェイアクセスポイント14−1を含む。接続されると、ゲートウェイアクセスポイント14−1は外部サービス502、504と接続し、ユーザーにWi−Fiサービスの供給を開始する。ループを含まないWi−Fiネットワークトポロジーは、本明細書で説明するブートストラップ処理により確保される。
本明細書で説明するように、分散Wi−Fiシステム10は、1つのエンティティにより制御されるいくつかの(通常は最大で15の)Wi−Fiアクセスポイント14(「AP」)の同調動作に基づき動作する。分散Wi−Fiシステム10のゴールは、標準的な単一ポイントのインフラストラクチャーモードのWi−Fiソリューションの場合と同様のスループットレートを保持しながら、より良好なカバレッジを提供することである。簡潔さを期して、1つの有線ネットワークアクセスのみの、すなわちモデム/ルーター18を介するネットワークアクセスが分散Wi−Fiシステム10で利用可能と仮定する。これは、分散Wi−Fiシステム10が動作する住居にインターネット接続性を提供するDSL又はケーブル接続であり得る。1つの(無作為に選択された)アクセスポイント14−1は、当該アクセスポイント14−1と関連付けられたイーサネット有線接続により、ISPネットワーク506に接続されることになる。全ての他のアクセスポイント14−2、14−3、14−4、14−5(ノードと呼ばれる場合もある)は、最高品質のサービス規格に基づき、ゲートウェイアクセスポイント14−1又は他のアクセスポイントの1つに接続される。上流のアクセスピアに接続するとき、各アクセスポイント14はWi−Fi STA(ステーション)クライアントとして動作し、親機ノードはインフラストラクチャーモードのアクセスポイント14として動作する。したがって、1つのアクセスポイント14は、分散Wi−Fiシステム10内でのその役割に基づき、ゲートウェイノード(GW)とWi−Fiノード(ノード)という2つの可能な役割の1つを有することができる。
ゲートウェイノードは、単一有線ワイドエリアネットワーク(WAN)接続を有するアクセスポイント14−1である。このノードは、分散Wi−Fiシステム10内で重要な役割を果たす。それは、分散Wi−Fiシステム10に接続したあらゆるWi−Fiクライアントにより開始される全ユーザートラフィックがこのゲートウェイノードを通過するからである。ゲートウェイノードはまた、標準的な単一エンティティのWi−Fiソリューションの場合と同様、インフラストラクチャーモードのWi−FiサービスをユーザーWi−Fiクライアントに提供する。また、ユーザーの設定によるが、ファイヤーウォール及びネットワークアドレス変換(NAT)のようなサービスを提供することができる。Wi−Fiノードの役割は、全Wi−FiクライアントにWi−Fiインフラストラクチャーモードのアクセスを提供すること、並びに他のWi−Fiアクセスポイント14にWi−Fiインフラストラクチャーモードのアクセスを提供することである。場合によっては、ユーザートラフィックをゲートウェイノード及び外部ネットワークへ又はそれらから転送するための、親機ノードへの単一のデュアルバンドWi−Fi STA接続になる。
分散Wi−Fiシステム10では、1つのWi−Fiネットワークが、いくつかの独立したアクセスポイント14を含む。全アクセスポイント14の動作を同調させるために、各個々のアクセスポイント14が接続される1つの制御エンティティが利用される。本明細書で説明するように、この制御エンティティは、Wi−Fiソリューションの外部で稼動する独立したサービス、すなわち外部サービス502、504として実装され、このサービスは(理論的には)無数の分散Wi−Fiシステム10間で共有される。この制御エンティティは、クラウド12と呼ばれることがある。その役割は、Wi−Fiインフラストラクチャーモードのパラメーターを供給すること、個々のアクセスポイント14の動作を同調させること、アクセスポイント14が他のプライベートネットワークの一部となるのを防止すること、及び可能な限り最高のネットワーク性能を保証することである。アクセスポイント14の動作の多くの側面がクラウドサービス502、504によって制御されるので、クラウド支援なしに各個々のアクセスポイント14のクラウド接続性を確立すること(以後、ブートストラップ処理と呼ぶ)が重要である。
ブートストラップ処理で対処が必要な主な事項は、ノードの役割を決定すること、すなわちノードがゲートウェイノードかどうかを発見すること;親機がクラウドサービスに到達でき一般的なインターネットアクセスをWi−Fiクライアントに提供できるようになるまでは、ノード間接続(親機−子機の関係)が決して確立されないようにすること;及びどのノードもゲートウェイノードへの単一経路のデータ経路接続を有することを保証すること、である。
図13を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、分散Wi−Fiシステム10内の通信を確立するためのWi−Fi設定処理550を説明する。Wi−Fi設定処理550は1つのアクセスポイント14に関して説明されているが、当業者であれば、全アクセスポイント14がWi−Fi設定処理550を実行可能であることを認識しよう。パワーオンリセット(例えば、アクセスポイント14の差込み)後、アクセスポイント14はスキャンモードを開始する(ステップ551)。アクセスポイント14がスキャンモードにあるとき、それは既定のSSIDで両方の無線波帯域でWi−Fiネットワークを探し、また、スキャンモードにあるとき、アクセスポイント14は有線接続の利用可能性をチェックする(ステップ552)。
アクセスポイント14が既定のSSIDでWi−Fiネットワークの存在を検出し、それに接続できた場合(ステップ553)、このアクセスポイント14はWi−Fiノードの役割を担う(ステップ554)。アクセスポイント14が有線接続の存在を検出し(ステップ553)、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)プロトコルを用いてネットワークを構成することができ、クラウドコントローラーとの接続が確立できた場合(すなわちサービス504)、このアクセスポイント14はゲートウェイの役割を担う(ステップ555)。スキャンモード中、アクセスポイント14はクライアントにWi−Fiサービスを提供しないし、他のノードにもWi−Fiサービスを提供しないことを強調することは重要である。このため、クラウドサービスに到達できる前にユーザークライアント接続及びノード間接続が確立されることが防止される。
ゲートウェイノードがクラウドサービス504への接続を確立する(ステップ556)とすぐに、クラウドサービス504はゲートウェイが適切に動作するための全ての必要な設定、すなわちパラメーターを送信し、アクセスポイント14がこれらの設定を受信する(ステップ557)。パラメーターには、Home Wi−Fiサービス(Wi−Fiクライアントデバイス16の接続を可能にするユーザーWi−Fiサービス)、Inter−connections Wi−Fiサービス(ノード間接続に用いられる)、認証サービス502のIPアドレス、ゲートウェイノードでのユーザートラフィックの正しい転送及びルーティングに必要な全てのネットワーク構成、正しいソリューション動作のために必要な全ての設備設定(例えばDHCPサーバー、DHCPクライアント設定等)、このプライベートネットワークへの接続が許可されるノードのホワイトリスト等が含まれる。これらの設定は、ゲートウェイノードが受信するとすぐにデバイスのソフトウェアに適用され、他のノード及びユーザークライアントの両方に対するWi−Fiサービスが可能になる(ステップ558)。
Wi−Fiノードは、既定のSSIDでWi−Fiネットワークを検知すると、Wi−Fi Protected Access(WPA)−EngerpriseモードのWi−Fi保護アクセスプロトコルを用いてそれに接続しようとする(ステップ559)。親機アクセスポイント14(当該Wi−FiノードがWi−Fiで接続している)はまず、そのWi−Fiノードがネットワークホワイトリスト(リストはクラウドサービス504により提供される)に載っているかどうかをチェックする(ステップ560)。そのWi−Fiノードが許可されたデバイスのリストに載っていなければ、親機アクセスポイント14はクライアント接続を切断する。そのWi−FiノードがこのWi−Fiネットワークへの接続が許可されたデバイスのリストに載っていれば、その認証情報が親機アクセスポイント14によって認証サービス502に送信される。ここで、接続しているデバイスの認証情報が確認される。認証結果は、Remote Authentication Dial−In User Service(RADIUS)プロトコルを用いて親機アクセスポイント14に戻され共有される。認証が成功した場合、Wi−Fiノードは親機アクセスポイント14への接続を許可されるが、認証が失敗した場合、Wi−Fiノードはブラックリストに載せられ、接続を拒否される。接続が許可されると、Wi−Fiノードはクラウドサービス504によってゲートウェイノードに提供された設定を受信する(ステップ561)。
Wi−Fi設定処理550は、その特定の分散Wi−Fiシステム10の一部となる予定のノードだけが接続を許可されることを保証する。永続記憶領域に適切な認証情報が存在しているノードだけが認証処理を成功裏に通過し、分散Wi−Fiシステム10への接続を許可される。ノード間接続は常に暗号化されるので、あらゆるユーザートラフィックが保護される。
分散Wi−Fiシステム10に接続しようとするノードは、代替帯域で同じ親機ノード(同じBSSID)と接続しようとすることがある。その代替帯域ネットワークに到達できない場合、ノードは当該代替無線帯域で接続しようとしない。ノードは、分散Wi−Fiシステム10内のノードの1つとクライアントWi−Fi接続を確立するとすぐにスキャンモードを終了し、通常動作モードを開始する。
通常動作モードでは、アクセスポイント14がクラウドサービス504に接続しようとする。クラウドサービス504への接続が確立されると、ゲートウェイノード及び場合によっては他のノードを通じて、ゲートウェイノードと同じセットのパラメーター及び構成を受信することになる。全ての必要なデータをクラウドサービス504から受信して初めて、この新規接続ノードはWi−Fiサービスをユーザークライアント及び分散Wi−Fiシステム10内の他のノードの両方に供給する。
Wi−Fi設定処理550は、代替ノード−ノード接続の確立を防止し、分散Wi−Fiシステム10内の個別のノードとゲートウェイノードとの間に単一のデータ経路だけがあることを保証する(ツリー型ネットワークトポロジーを生成する)。そのようなトポロジーは、ネットワークトポロジーを発見するための追加のネットワークプロトコルの必要性がないことを保証する。各親機は接続しているクライアントのリストを有し、このリストをクラウドサービス504に送信する。クラウドサービス504は分散Wi−Fiシステム10内の全ノードから接続しているクライアントのリストを受信するので、ネットワークトポロジーを決定しその変更に対処するのに必要な全情報を有している。
分散Wi−Fiシステム10が稼働するようになると、分散Wi−Fiシステム10を中断し得るいくつかの事象がある。分散Wi−Fiシステム10は、その性能を改善するためにクラウドサービス504によって課せられるポリシーの変更を有することがある。そのようなトポロジーの変更は、一定量の変更を段階的なセットで実施することができる。しかし、ネットワークを完全に分解し、Wi−Fi設定処理550で説明される手順に従いネットワークを再編させることにより実施してもよい。別の中断源は、停電であり得る。停電からの回復に、いくつかのよい技法を用いることができる。第1に、分散Wi−Fiシステム10は、停電前の最後の既知の良好な状態に復帰することができる。その利点は、インターネットへのアクセスが再確立されていなくても動作することである。その欠点は、クラウドなしにネットワークを再確立するために、アクセスポイント14が状態を記憶する必要があり、ある量の内蔵制御を有することが必要であり得ることである。停電後の他の手法は、Wi−Fi設定処理550で説明したように、ノードに初期オンボード化シーケンスを通過させることである。これはクラウドサービス504により制御されるので、このようにしてネットワークを再編するのにノードは何ら特別な収集情報を必要としない。
Wi−Fi設定処理550を図10A、10B、11A、11B、及び12に示す。図10Aでは、認証サービス502及びクラウドサービス504は、インターネット及びネットワーク506に接続されている。アクセスポイント14−1、14−2、14−3は電源オンの状態である。ゲートウェイアクセスポイント14−1は、そのネットワーク506への有線接続に基づき、それがゲートウェイノードであると判定する。図10Bでは、ゲートウェイアクセスポイント14−1がクラウドサービス504に接続し、設定を受信し、構成する。ゲートウェイアクセスポイント14−1は、既定のSSIDで他のアクセスポイント14−2、14−3に対し、及び構成に基づくホームSSIDでWi−Fiクライアントに対し、Wi−Fiサービスを開始する。
図11Aでは、アクセスポイント14−2、14−3が、既定のSSIDでゲートウェイアクセスポイント14−1に接続することにより、Wi−Fiノードとしてのオンボード化処理中である。図11Bでは、ゲートウェイアクセスポイント14−1が認証サービス502に接続して、アクセスポイント14−2、14−3を確認している。アクセスポイント14−3は、ゲートウェイアクセスポイント14−1との既定のSSIDでの接続に基づき、クラウドサービス504と通信し、設定を受信し、既定のSSID及びホームSSIDを含むそのWi−Fiサービスを構成する。
図12では、アクセスポイント14−2、14−3がオンボード化され、両方が既定のSSID及びホームSSIDでWi−Fiサービスを提供している。新アクセスポイント14−4、14−5がアクセスポイント14−2に既定のSSIDで接続し、設定を受信し、既定のSSID及びホームSSIDを含むそのWi−Fiサービスを構成する。
レジストリ
図14を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、中央管理されるレジストリ565に接続している様々な分散Wi−Fiシステム10を説明する。本明細書で説明するように、アクセスポイント14は、それらが接続しなければならないクラウドサービス502、504のアドレスを把握しているものと仮定する。このことは概念的には簡単であるが、実際には、全てのタイプ及び世代のアクセスポイント14が必要なサービス502、504を得るために接続可能な常在の場所を維持することは困難であり得る。この問題は、サービス502、504の場所の中央管理されるレジストリ565によって克服することができる。例えば、消費者の複数の住居572の多数のアクセスポイント14が複数の異なるネットワーク574で展開されており、これらのアクセスポイント14はそれらのライフサイクルにわたってパブリッククラウド内でホストされている異なるサービス502、504に接続しなくてはならない。本明細書で説明するように、これらのサービスは、認証サービス502、クラウド構成サービス504、統計サービス576、ログ収集サービス578等を含むことができる。さらに、異なる場所で稼動する異なる環境570A、570B、570C(例えば開発、品質保証(QA)、及び製造、又は特定のISPの異なるオペレーター系列)がある。アクセスポイント14のファームウェア内にサービス場所を固定的に構成することは、不便(各環境570A、570B、570C用に特別構築される時間構成を要する)且つ融通が利かない(サービス場所をファームウェアに焼き込んでしまうと変更不可、又は、異なる場所に接続するにはファームウェアの再フラッシュが必要)。
これらの問題に対処するため、中央管理されるレジストリ565は公知の安定した固定の場所で稼動する。中央管理されるレジストリ565は、アドミン582によりアドミンユーザーインターフェース(UI)、ツール、又はアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を用いて構成されて、様々なノードをそれらが接続すべきサービス場所にマッピングする。中央管理されるレジストリ565は、全てのアクセスポイント14内で、ファームウェアのインストール中に構成される。アクセスポイント14が起動しWi−Fi設定処理550を実行するとき、アクセスポイント14はまず、中央管理されるレジストリ565との接続を確立する。中央管理されるレジストリ565は、アクセスポイント14に、シリアルナンバー、ファームウェアのバージョン、パブリックIPアドレス(それからアクセスポイント14の位置情報を大まかに推定できる)などのメタデータ情報を問い合わせる。中央管理されるレジストリ565はこれらのメタデータを内部構成されたマップと突き合わせて、アクセスポイント14が接続すべき様々なサービス504、576、578の場所を決定する。アクセスポイント14上にサービスの場所を設定するのは中央管理されるレジストリ565であり、アクセスポイント14はこれらの場所を用いてクラウド12内のサービス504、576、578に接続する。アクセスポイント14が(可能性として、クラウドコントローラーからのコマンドに応じて)リブートするときはいつでもこの同じ処理を通過し、そうすることでアドミン582が時間の経過とともにサービス場所を変更し、バージョニング、アップグレード、スケーラビリティ、高利用性その他などのためにアクセスポイント14を一方のサービス場所から他方へと移動させることが可能になる。この手法を図14に説明する。
レジストリベースの再指定手法は、アクセスポイント14のファームウェア内に単一のサービス場所、すなわち中央管理されるレジストリ565を構成することを可能にし、そうすることでアクセスポイント14のファームウェアを、時間の経過とともに変化し得る、又は異なる環境570A、570B、570Cによって相違し得るサービス場所から解放する。中央管理されるレジストリ565は、クラウドベースのサービスが、時間の経過とともに移動して、同時に展開されサポートされる複数アクセスポイントのファームウェアのバージョンに対応することを可能にする。中央管理されるレジストリ565は、クラウドベースのサービスが、アクセスポイント14のグループを特定のサービス事例に割り当てることによって水平方向にスケールアウトすることを可能にする。アクセスポイント14が元のサービスを利用できなくなると別の場所を探すために中央管理されるレジストリ565に戻ることができるので、中央管理されるレジストリ565によってクラウドベースのサービスの利用可能性が高まる。
ノードの制限
図15を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、分散Wi−Fiシステム10が中に各々構成された隣接する2軒の住居572A、572Bを説明する。分散Wi−Fiシステム10は、H1.N1、H1.N2.、…、H2.N1、H2.N2、…と表示される様々なアクセスポイント14を含み、ここでHIは住居502A、H2は住居572B、Nxはその中のアクセスポイントx(x=1、2、3、…)である。どの分散Wi−Fiシステム10でも、起動時の主な関心事は、アクセスポイント14を正しいネットワークに接続することである。無線信号は隣の住居572A、572Bまで飛ぶことがあるので、アクセスポイント14が隣家のネットワークに接続する危険がある。したがって、アクセスポイント14が隣家のネットワークに接続しないように制限するシステムを確立することは有益である。図15では、アクセスポイント14を制限するための、クラウド12(インターネット)に接続されたバックホールネットワーク構成サービス595を説明する。
Wi−Fi設定処理550で説明したように、アクセスポイント14は、当該ゲートウェイアクセスポイント14が有線接続を介しクラウド12に接続した状態で住居572内の他のアクセスポイント14に既定のSSIDで接続することよって、分散Wi−Fiシステム10を形成する。既定のSSIDはバックホールSSIDと呼ばれることがある。分散Wi−Fiシステム10を形成するために、同じバックホールSSID及び当該SSIDの認証機構が全アクセスポイント14で用いられる。分散Wi−Fiシステム10を有する隣同士の住居572が互いに近接している場合、一顧客に属する一方の住居572Aのアクセスポイント14(H1.N1..H1.N6)は、隣の住居572Bのアクセスポイント14(H2.N1..H2.N6)からのSSIDブロードキャストを見て接続することができる場合がある。このことは、一顧客のトラフィックを別の顧客のインターネット接続を通じて稼働させることになるので、望ましくなく、回避しなければならない。
バックホールネットワーク構成サービス595は、クラウド12内でホストされ稼働し、例えばその場所は中央管理されるレジストリ565により把握されている。バックホールネットワーク構成サービス595及びクラウドサービス504は、全アクセスポイント14がバックホールネットワーク構成サービス595により構成可能であることを保証する。ユーザーが複数のアクセスポイント14を取得すると、Wi−Fi設定処理550の前に、ユーザーは、モバイルデバイス、移動アプリケーション(例えば、iOS又はAndroid(登録商標))、及びアクセスポイント14が発するBluetoothビーコンを用いてアクセスポイント14を「要求」することができる。この情報によって、バックホールネットワーク構成サービス595はどのアクセスポイント14がどの分散Wi−Fiシステム10に属するかを把握し、バックホールネットワーク構成サービス595は、たとえ既定のSSIDが可視/接続可能であっても、そのアクセスポイント14が隣家のノードに接続しないよう徹底できる。各住居572A、572Bについて要求されたノードは、バックホールネットワーク構成サービス595により登録され、したがってバックホールネットワーク構成サービス595はどのアクセスポイント14がどちらの住居572A、572Bに属するかを把握する。尚、この登録は、分散Wi−Fiシステム10とは別のネットワーク、例えばLTE、3G、他のWi−Fiネットワーク等で実行することができ、すなわち、モバイルデバイスは、要求されたノードを、モバイルアプリを介してバックホールネットワーク構成サービス595に通信することができる。
図15で、次に例示的動作を説明する。第1のアクセスポイント14Hl.Nlはゲートウェイノードであり、モデム/ルーター18及びクラウド12に接続して、バックホールネットワーク構成サービス595に接続している。要求処理に基づき、バックホールネットワーク構成サービス595は、候補アクセスポイント14のリストを第1のアクセスポイント14Hl.Nlに提出することができる。例えば、リストは、各アクセスポイント14(H1.N2..H1.N6)のMACアドレスに基づくことができる。このリストにより、アクセスポイント14Hl.Nlは、これらのノードだけに接続を許可すべきことを把握する、すなわちホワイトリストである。アクセスポイント14Hl.Nlは、既定のSSID(バックホールSSID)でWi−Fiサービスを開始する。アクセスポイント14H1.N2..H1.N6が起動して既定のSSIDのサーチを開始し、既定のSSIDをホストしているアクセスポイント14Hl.Nlを見出す。アクセスポイント14H1.N2..H1.N6はアクセスポイント14Hl.Nlに接続し、そうすることが許可されるが、それはアクセスポイント14Hl.Nlがそれらのバックホールネットワーク構成サービス595へのアクセスを許可するように事前構成されているからである。バックホールネットワーク構成サービス595は、ゲートウェイノードを通じてアクセスポイント14H1.N2..H1.N6を構成することができる。
次に、隣の住居572Bのアクセスポイント14H2.N4が、住居572Aのアクセスポイント14H1.N3からの既定のSSIDブロードキャストを見ることができ、接続を試みると仮定する。アクセスポイント14H1.N3は、住居572Bのアクセスポイント14H2.N4へのアクセスを拒否するが、それは自体の住居572A内のコホートノードへのアクセスだけを許可するように構成されているからである。当然ながら、逆方向でも同じことになる。
バックホールネットワーク構成サービス595により、たとえ隣同士の住居572のアクセスポイント14が互いのバックホールSSIDを見ることができるとしても、要求処理に基づいて自らの住居572内のアクセスポイント14にだけ接続するように制限されている。こうすれば、一顧客のデバイスからのインターネットトラフィックが保証され、ノードはこの顧客が自分の住居に関して所有し要求するノード上だけを移動し、トラフィックが隣家のノード上を移動することは絶対にないので、データプライバシーの危険がなくなる。
サービス502、504、576、578、595は、クラウド12内のサーバー20又は複数のサーバー20上で操作されることができる。本明細書で説明するように、アクセスポイント14は、モデム/ルーター18への有線接続及び既定のSSIDにより、クラウド12及びサービス502、504、576、578、595に到達することができる。全てのアクセスポイント14は設定後も引き続き既定のSSIDに対応することができるが、この既定のSSIDはオープンではない。具体的には、既定のSSIDは、アクセスポイント14内の証明書を要求する。証明書は各アクセスポイント14で記憶され、どのアクセスポイント14がクラウド12に到達できるかを制限するのに用いられる。バックホールネットワーク構成サービス595は、どのアクセスポイント14がどの分散Wi−Fiシステム10に加わることができるかを制限するのに用いられる。これらの技法は、停電等からの回復のために用いることもできる。
無線機の要求
ここでまた、分散Wi−Fiシステム10は、ゲートウェイ動作モードでもブリッジ動作モードでも動作可能な複数のアクセスポイント14を含む。ゲートウェイノードは、モデム/ルーター18に接続されたアクセスポイント14を含むが、分散Wi−Fiシステム10内の残りのアクセスポイント14は、ブリッジノードである。分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14と、関連付けられたWi−Fiクライアントデバイス16とが一緒に「ホームネットワーク」を構成している。つまり、アクセスポイント14、及び関連付けられたWi−Fiクライアントデバイス16は、典型的には1軒の家又はマンションの部屋に属し、各アクセスポイント14はデータ及び管理プレーン内で、互いに又は当該ホームネットワークに属するWi−Fiクライアントデバイス16と通信可能である。アクセスポイント14間又はWi−Fiクライアントデバイス16との通信は、無線技術又は有線技術のどちらを使用してもよい。有線技術は、典型的には、物理的な性質上ホームネットワーク内に限られるが、無線通信は、壁、床、屋根等を通過して他の隣家にまで拡散する無線通信能力によって、ホームネットワークと他のネットワーク/場所との間の送信が可能である。したがって、ホームネットワーク、及びそのホームネットワークに属するアクセスポイント14又はWi−Fiクライアントデバイス16の境界を定める機構が必要である。
Bluetoothビーコン
Bluetooth Low Energyは、無線パーソナルエリアネットワーキングプロトコルであり、送信デバイスについての特定の情報を含む一方向のビーコンを送信して、受信デバイスに送信デバイスの状況、識別子その他などの情報を伝えることができる。Bluetoothビーコンは、デバイスから送信される、一意識別子(UUID)マーカー(例えば、シリアルナンバー)及び送信デバイスの製品分類(例えば、UUID)が状況表示とともに含まれるデータパケット又は一連のデータパケットである。状況表示は、送信デバイスの動作状態、通信ポートの性能及び状況、並びにトラブルシューティング又は不良の状態に関する情報を提供することができる。iBeacon(Apple社)及びEddystone(Google社)などの規格は、そのようなビーコンを送信する標準化されたフレームフォーマットであるが、諸特許にある手法も、同等の機能性を有して使用できることもある。
アクセスポイント14、又は別のそのようなネットワーキングデバイスは、様々な電力レベル(power level)でBluetoothビーコンを送信して、リッスン中のデバイスに送信デバイスの識別及び状況を知らせることができる。無線ビーコンの電力レベルは、壁を通過して又はその部屋の外部に送信されないような強度に設定することができ、したがって隣家又はマンションの隣の部屋内のデバイスがそのビーコン情報を受信する機会を制限することができる。この拡散距離の制限は、ホームネットワークの発見範囲を、家又はマンションの部屋などの限られた空間に隔離するのに役立つ。Bluetoothビーコンは、典型的には、リッスン中のデバイスに送信デバイスの識別表示を通知する一意識別子を含む。それに加えて、同じ又は後続のビーコンが、送信デバイスの動作又は状態に関する状況情報を含むことができる。電話又はコンピューターなどのリッスン中のデバイスは、ビーコンを処理して、送信デバイスのプロビジョニング(供給)及び監視を支援することができる。
分散Wi−Fiネットワーク内のデバイスの要求
図16を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、分散Wi−Fiシステム10又は他の分散Wi−Fiネットワークの無線デバイス14、16を要求する設定600を説明する。設定600は、アクセスポイント14又はWi−Fiクライアントデバイス16及びインターネット620経由のクラウドコントローラー610の両方と通信しているユーザーデバイス22(これはWi−Fiクライアントデバイス16の1つであってもよい)を含む。クラウドコントローラー610は、分散Wi−Fiシステム10内のクラウド12及びサーバー20であってもよい。ユーザーデバイス22は、図6に示すものと同様のアーキテクチャを含む。ユーザーデバイス22は、モバイルアプリケーション(「アプリ」)630、第1のインターフェース640、及び第2のインターフェース650を含む。図6では、アプリ630はプログラム216の1つであってもよく、インターフェース640、650はネットワークインターフェース206の一部であってもよい。第1のインターフェース640は、Bluetoothなどの無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)インターフェースであってもよい。第2のインターフェース650は、LTE、3G、Wi−Fiその他などのワイドエリアネットワーク(WAN)又はローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェースであってもよい。第2のインターフェース650がWi−Fiである場合、分散Wi−Fiシステム10以外の異なるWi−Fiネットワークでも動作可能であるが、それは、ここではユーザーデバイス22が、分散Wi−Fiシステム10を設定するためノードを要求するのに用いられるからである。アプリ630は、(クラウドコントローラー610により)分散Wi−Fiシステム10内のデバイスを発見し、要求し、分割する、本明細書で説明する様々な機能を実行するように構成されている。
図17を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、ユーザーデバイス22を用いて分散Wi−Fiシステム10内のアクセスポイント14を要求する要求方法400を説明する。図18〜図22を参照すると、例示的実施形態では、スクリーンショットが、モバイルアプリ630における動作を説明する。図18は、複数のアクセスポイント14(「ポッド」)を探しているモバイルアプリ630のスクリーンショットであり、図19は、複数のアクセスポイント14を見つけたモバイルアプリ630のスクリーンショットであり、図20は、アクセスポイント14を一意に識別する目的で、1つのアクセスポイント14を探しているモバイルアプリ630のスクリーンショットであり、図21は、アクセスポイント14を一意に命名するモバイルアプリ630のスクリーンショットであり、図22は、各アクセスポイント14が一意に要求され命名されている分散Wi−Fiシステム10の現在の構成を示しているモバイルアプリ630のスクリーンショットである。
図17では、まず、ユーザーデバイス22は、新たに電源オンになったアクセスポイント14を発見することができる(ステップ671)。新たに電源オンになったアクセスポイント14の発見には、Bluetooth又は本明細書で説明するような何らかの他の無線PAN接続を用いることができる。一例示的実施形態では、アクセスポイント14は、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、又は何らかの他の無線PANインターフェースによりユーザーデバイス22に一方向の情報をブロードキャストするように構成されている。ここでまた、一方向の情報は、アクセスポイント14の状況、識別子等を含むことができる。別の例示的実施形態では、新たに電源オンになったアクセスポイント14の発見には、既定のSSIDを介することがあり、この場合、新たに電源オンになったアクセスポイント14は、単に一方向の情報を通信する。例えば、モバイルアプリ630は、ユーザーデバイス22に一方向の情報について既定のSSIDを監視させるように構成されることがある。また、モバイルアプリ630は、新たに電源オンになったアクセスポイント14に通信して、一方向の情報が受信されたという確認応答を提供することができ、また、任意選択により、新たに電源オンになったアクセスポイント14は、既定のSSIDでの送信を切断することができる。さらなる例示的実施形態では、新たに電源オンになったアクセスポイント14は、モバイルアプリ630によって、ユーザーデバイス22と関連付けられたカメラを用いて発見されることがある。例えば、ユーザーは、新たに電源オンになったアクセスポイント14にカメラを向けることができ、これらのアクセスポイント14は、アクセスポイント14上の発光ダイオード(LED)などの状況表示の一意的変調を通じて一方向の情報を提供することができる。新たに電源オンになったアクセスポイント14を発見することには、他の技法も意図される。
要求方法670は、モバイルアプリ630を操作するユーザーデバイス22により実行される。ステップ671の新たに電源オンになったアクセスポイント14の発見は、モバイルアプリ630を通じて実行される。新たに電源オンになったアクセスポイント14の発見は、分散Wi−Fiシステム10の住居、家、場所等、ローカルで実行される。図18では、ユーザーは、アクセスポイント14である「残りのポッドを点在させる」ように指示され、モバイルアプリ630は新たに電源オンになったアクセスポイント14を探す、すなわち発見するように構成される。図19では、モバイルアプリ630は視覚表示を提供している7つのアクセスポイント14を発見している。尚、右上のアクセスポイント14は、これがモデム/ルーター18に接続しているゲートウェイノードであることを示す地球儀のアイコンを含み、残りのアクセスポイント14は、これらがモデム/ルーター18に接続していないWi−Fiノードであることを示すチェック印のアイコンを有する。
新たに電源オンになったアクセスポイント14が発見されると(ステップ671)、新たに電源オンになったアクセスポイント14はユーザーデバイス22を用いて要求される(ステップ672)。アクセスポイント14を要求する処理は、アクセスポイント14の所有権を分散Wi−Fiシステム10に割り当てる。具体的には、要求されたアクセスポイント14だけが、分散Wi−Fiシステム10内で通信し動作することを許可される。一例示的実施形態では、アクセスポイント14は、発見及び関連のある一方向の情報に基づき自動的に要求される。ここで、モバイルアプリ630は、一方向の情報の受信に基づきアクセスポイント14を自動的に要求することができる。任意選択により、要求されたアクセスポイント14を、モバイルアプリ630を介して承諾する選択枝がユーザーに与えられることがある。尚、発見及びそれに基づく自動的な要求は、アクセスポイント14に分散Wi−Fiシステム10内のメンバーシップを割り当てることができるが、これらの手法は必ずしも各アクセスポイント14の正確な物理的位置を提供するものではない。
要求方法670は、任意選択により、各新たに発見されたアクセスポイント14の位置判別を含むことができる。一例示的実施形態では、位置判別は、要求ステップ672に続いて実行される。別の例示的実施形態では、アクセスポイント14は、位置判別を通じて要求される。どちらの手法でも、位置判別は、モバイルアプリ630を用いての処理であり、各アクセスポイント14はその位置に基づき一意に特定される。位置判別処理は、モバイルアプリ630が、あるアクセスポイント14の近傍にあること、及びユーザーが当該近傍アクセスポイント14についての位置特定情報を入力することを含むことができる。例えば、モバイルアプリ630は、ユーザーデバイス22と関連付けられたカメラを用いて近傍アクセスポイント14を特定することができる。例えば、近傍アクセスポイント14は、アクセスポイント14上の状況表示(LED)の何らかの一意の情報の変調に基づき、カメラによって特定されることができる。
図20は、一意の判別のためにユーザーデバイス22のカメラを用いるモバイルアプリ630を説明する。例えばユーザーは、新たに電源オンになったか又は発見されたアクセスポイント14がカメラの視野に入るように、ユーザーデバイス22を物理的に移動させることで、新たに電源オンになったか又は発見されたアクセスポイント14をモバイルアプリ630の六角形のアイコンの視野に入れるように、モバイルアプリ630によって指示される。視野に入ると、アクセスポイント14は、Bluetooth通信、無線PAN通信、状況表示の変化等を通じるなどして、一意に自己特定することができる。Bluetooth通信又は無線PAN通信の場合、通信は低電力かつアクセスポイント14から外方に向かうことができるので、ユーザーデバイス22は、アクセスポイント14に近接しているときだけそれを認識できる。近接していることは、モバイルアプリの六角形のアイコン内にアクセスポイントを示すことによって、ユーザーに示される。
アクセスポイント14の位置が一意に判別されると、モバイルアプリ630は、ユーザーが、一意の名前、例えば部屋の名前、位置、又はユーザーにとって一意的な任意の他の識別情報を入力することを許可することができる。図21は、アクセスポイント14を命名するスクリーンショットのモバイルアプリ630である。ここで、ユーザーはモバイルアプリ630を用いて一意の名前、例えば、部屋10、を与えることができる。
図17に戻ると、要求ステップ672の後、モバイルアプリ630は、要求された新たに電源投入されたアクセスポイント14を、別ネットワークを介してクラウドコントローラー610、クラウドサービス、サーバー20等へと中継するように構成されている(ステップ673)。本明細書で説明するように、別ネットワークは、分散Wi−Fiシステム10以外の任意のネットワーク、又は要求された新たに電源投入されたアクセスポイント14と関連付けられた分散Wi−Fiネットワークである。中央クラウドベース又はローカル管理システムからのWi−Fiアクセスポイント又はネットワーキングデバイスの用意には、新デバイスをクラウドコントローラー610と安全に関連付けるための重要な構成情報を渡すために2つの別々の通信ネットワーク同士の接続を要することがある。例えば、2つの別々の通信ネットワークは、ユーザーデバイス22がアクセスポイント14と通信し、それを発見し、要求するための第1のネットワーク(例えば、PAN、Bluetooth等)、及び要求されたアクセスポイント14をクラウドコントローラー610に通信するための第2のネットワーク(例えば、LTE、3G、Wi−Fi等)を含むことができる。別々の通信ネットワークの一例は、インターネットゲートウェイとのBluetooth無線接続及びLTEセルラー接続である。Bluetooth無線接続は、Wi−Fiアクセスポイント又はネットワーキングデバイスをLTEセルラー又はWi−Fi可能デバイス、例えばユーザーデバイス22と接続するポイントツーポイント通信プロトコルである。ユーザーデバイス22は、別々のネットワークの両方のインターフェースと、これらのネットワーク同士をつないで2つの別々のネットワーク間でメッセージを渡すことができるソフトウェア、すなわちモバイルアプリ630とを有する。プロトコル及びメッセージフォーマットは別々のネットワーク間で異なっていてもよく、その場合、メッセージ及びプロトコルフォーマットを別ネットワーク要件に合うように変換するためのソフトウェア又はハードウェアのトランスレーターが必要となる。これはモバイルアプリ630を介して実施することができる。
最後に、クラウドコントローラー610は、要求された新たに電源投入されたアクセスポイント14を用意するように構成されることができる(ステップ674)。構成は、分散Wi−Fiシステム10又は分散Wi−Fiネットワークにおける適切な動作のための動作パラメーターを含むことができる。それに加えて、構成には、要求された新たに電源投入されたアクセスポイント14が、確実に、適切なWi−Fiネットワーク内の通信だけサポートすることが含まれる。
構成された「パック」
Wi−Fiアクセスポイント、又はホームネットワーク内の他のネットワーキングデバイスは、デバイスの「パック」として構成されて、ホームネットワークに属するグループを形成することができる。このグループは、一意識別子で結ばれた2つ以上のデバイスを含むことができる。このパックのデバイスは、事前構成された同パックの他のデバイスとだけ通信するように制限することができ、このことは、通信を制限する、及び、クラウドコントローラー610への通信を可能にする、という2つの主要な機能において役立つことができる。例えば、構成されたパックは、ホームネットワークの通信をパック内のデバイスのみに制限することができるので、ホームネットワーク外の他のデバイスの参加を防止できる。これにより、望ましくないデバイスがホームネットワークに意図的に又は偶然参加することが防止されるレベルの安全性が提供される。構成されたパックはまた、ホームネットワークのパックに属するデバイスだけに関連するパラメーター及び統計値を適用するか又は読み取る、クラウドコントローラー610によるクラウドベース又はローカルベースの用意及び監視を可能にする。
ホームネットワークを構成している「パック」には、モバイルアプリ630、ウェブポータル等を介するなどして、新しいデバイスの一意識別子をパック定義に加えることによって、1つ又は複数のデバイスをいつでも加えることができる。ホームネットワークに属する一意識別子のパック定義は、クラウドコントローラー610又はローカル管理システムに存在することがある。ホームネットワークの管理者/所有者により注文された、ホームネットワークに加えられることがわかっている新Wi−Fi又は他のネットワーキングデバイスは、工場、販売又は小売のサプライチェーンで、新規又は既存のホームネットワークに属するように事前構成されてもよい。そうすれば、この事前構成されたデバイスは、管理者/所有者による入力なしに、既定のホームネットワークと自動的に関連し認証でき、また、自動的に加えられ、用意(プロビジョニング)され、監視されることができる。事前構成されたプロビジョニング情報は、Wi−Fiアクセスポイント14又はネットワーキングデバイスの代わりに、クラウドコントローラー610又はローカル管理システムに直接供給されてもよい。関連付けられたWi−Fiアクセスポイント14又はネットワーキングデバイスがホームネットワーク管理プレーンにより発見されると、一意識別子が、クラウドコントローラー610又はローカル管理システム上に保存されている事前構成された設定のプロビジョニングプロファイルと照合され、ひいてはホームネットワークにおける当該デバイスの正しいプロビジョニング及び監視が可能になる。このゼロタッチのオンボード化により、大幅に操作し易くなる。例えば、新たに注文されたアクセスポイント14は、クラウドコントローラー610のアカウントを通じるなどして、それを注文したユーザーに一意にタグ付けされることができる。
事前構成
新デバイスの事前構成は、最終管理者/所有者が注文する際、又は最終ホームネットワークが判明している電子商取引、商取引若しくはロジスティクス処理のどこかの段階で、決定することができる。ここでまた、この新デバイスは、クラウドコントローラー610のアカウントを介するなどして管理者/所有者とつながることができる。事前構成がなされ得る適時としては、デバイス製造時、梱包出荷施設(pack-out facility)に輸送する準備中のデバイスの梱包時、梱包出荷施設における最終的な顧客用の包装前等が挙げられる。事前構成はさらに、販売業者又は小売パートナーに輸送される前になされることもあるが、それは最終顧客用包装として包装した後である。このことは、包装内容物の一意識別子を把握し、クラウドコントローラー610又はホームネットワークのローカルベースの管理サーバーでデバイスを事前構成することにより、実現可能である。事前構成はさらに、小売店で清算処理の際になされることもあり、この場合、包装内容物の一意識別子を、クラウドコントローラー610又はホームネットワークのローカルベースの管理サーバーでのデバイスの事前構成に結びつけることができる。
事前構成は、2つの関連するシナリオであり得る。第1に、アクセスポイント14のパックを構成することができ、その結果としてパックの全アクセスポイント14が互いに接続するように事前構成されるが、特定のユーザー又はネットワークに対して事前構成されるものではない。ここで、1つのアクセスポイント14だけが、特定のユーザー又はネットワークと関連付けるために、要求される必要がある。残りのアクセスポイント14は、パック内の要求されたアクセスポイント14の事前構成に基づき、特定のユーザー又はネットワークに自動的に要求されることができる。第2に、パックは、互いに接続するだけでなく、特定のユーザー又はネットワークと事前に関連付けられるように、事前構成されることができ、この場合、アクセスポイントの要求にユーザーの介入は必要ない。第1の筋書は、パックが小売業者から購入される場合に機能し、第2の筋書は、特定のアカウントと関連してパックが注文される場合に機能する。
Wi−Fiトポロジー
本明細書で説明するシステム及び方法は、複数の分散アクセスポイント14を含むWi−Fiネットワークの初期トポロジーからの目標トポロジーの実現を調整する技法を提供する。例えば、システム及び方法は、分散Wi−Fiシステム10、並びにWi−Fiメッシュネットワーク32、Wi−Fiリピーターネットワーク33その他などの他の分散Wi−Fiネットワークでの操作を意図している。本明細書で説明するように、Wi−Fiネットワークのトポロジーは、1セットのノードすなわちアクセスポイント14の互いの親機−子機の関係により説明することができる。トポロジーはまた、任意選択により、アクセスポイント14とWi−Fiクライアントデバイス16との親機−子機の関係を含むことができる。親機−子機の関係は、バックホールリンクであってもよく、例えば、各リンクの周波数帯域、チャンネル、及びチャンネル幅を含むことができる。トポロジーの変更は、クラウド12、クラウドコントローラー、クラウドベースのサービスその他などによって1セットのコマンドをノードに対して発行し、望ましい状態が実現されるように無線機104を構成するようアクセスポイント14に指令することにより実現可能である。また、コマンドをWi−Fiクライアントデバイス16に送信して、チャンネルの変更又は異なるアクセスポイント14への接続を誘導することもできる。
図23を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、第1のトポロジー状態702及び第2のトポロジー状態704にある3ノードのWi−Fiネットワーク700を説明する。Wi−Fiネットワーク700は、各々が2.4G無線機104及び5G無線機104を操作する、ノードA、B、Cと表示される3つのアクセスポイント14を含む。第1のトポロジー状態702では、ノードAは、2.4G無線機、Ch.1、20MHzのバックホールリンクでノードBに接続され、5G無線機、Ch.40、40MHzのバックホールリンクでノードCに接続された親機ノードである。Wi−Fiネットワーク700はそのトポロジーを第2のトポロジー状態704に変更し、ここではノードAはノードBに対し2.4G無線機、Ch.6、20Hzのバックホールリンクで親機ノードであり、ノードBはノードCに対し5G無線機、Ch.149、80MHzのバックホールリンクで親機ノードである。
Wi−Fiトポロジーの変更処理
図24を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、第1のトポロジー状態752及び第2のトポロジー状態754にある6ノードのWi−Fiネットワーク750を説明する。Wi−Fiネットワーク750は、A〜Fの6ノードを含む。図25を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、Wi−Fiネットワーク750におけるトポロジーを変更するための、操作を順次実行する第1の処理780を説明する。図26を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、Wi−Fiネットワーク750におけるトポロジーを変更するための、並列の変更を実行する第2の処理790を説明する。図27を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、Wi−Fiネットワーク750及び第1の処理780の例示的操作を説明する。図28を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、Wi−Fiネットワーク750及び第2の処理790の例示的操作を説明する。
第1の処理780は、各ノードで、最初に、それらの親機を目標トポロジーすなわち第2のトポロジー状態754の望ましい親機ノードに変更すること(ステップ781)を含む。必要があれば、無線機、チャンネル、及びチャンネル幅の構成を、親機変更コマンドの一部として、目標親機の現在の構成と合うようにアップデートする(ステップ782)。第1の処理780は、次のノードに移動してステップ781、782を繰り返す前に、親機の変更が終わるまで待機すること(ステップ783)を含む。全ノードが各々の望ましい親機に固定されると、望ましい無線機、チャンネル、及びチャンネル幅の構成が全てのノードに適用される(ステップ784)。ルートノード/インターネットへの(すなわちゲートウェイノードへの)経路がない閉ループの形成を回避するために、親機の変更は、ルートまで最大数のホップを有するノードから順に開始することができる(ステップ785)。
第2の処理790は第1の処理780と同様であるが最適化を有する。具体的には、第2の処理790は、各ノードで、最初に、それらの親機を目標トポロジーすなわち第2のトポロジー状態754の望ましい親機ノードに変更すること(ステップ791)を含む。必要があれば、無線機、チャンネル、及びチャンネル幅の構成を、親機変更コマンドの一部として、目標親機の現在の構成と合うようにアップデートする(ステップ792)。ステップ791、792の操作を順次すなわち「一度に1つずつ」実行する代わりに、第2の処理790は、目標トポロジー状態754の実現にかかる全体時間を減じるように最適化を含む。第2の処理790は、複数セットの互換性操作を並列で実行すること(ステップ793)を含む。1セットの親機変更操作は、操作対象のノードのセットについて、現トポロジーでも目標トポロジーでも、どのノードも別ノードのルートまでの経路に存在できない場合に、互換性がある。これによって、各ノードが各操作の直前直後にインターネット接続性を維持することが保証される。全ノードが各々の望ましい親機に固定されると、望ましい無線機、チャンネル、及びチャンネル幅の構成が全てのノードに適用される(ステップ794)。ルートノード/インターネットへの(すなわちゲートウェイノードへの)経路がない閉ループの形成を回避するために、親機の変更は、ルートまで最大数のホップを有するノードから順に開始することができる(ステップ795)。
図27は、第1の処理780の操作を説明する。初めに、Wi−Fiネットワーク750は、第1のトポロジー状態752にある。第1の処理780では、Wi−Fiネットワーク750は、第1のトポロジー状態752と第2のトポロジー状態754との間でステップ801、802、803、804の4ステップを通過する。第1に、ステップ801では、第1の選択ノード、ノードDが、その現親機ノードCからその新親機ノードEに切り換えられる。第2に、ステップ802では、第2の選択ノード、ノードCが、その現親機ノードBからその新親機ノードAに切り換えられる。第3に、ステップ803では、第3の選択ノード、ノードFが、その現親機ノードEからその新親機ノードAに切り換えられる。最後に、ステップ804では、第4の選択ノード、ノードBが、その現親機ノードAからその新親機ノードFに切り換えられる。ステップ804の後、Wi−Fiネットワーク750は、今や目標トポロジーすなわち第2のトポロジー状態754にある。尚、ノードは、子機ノードがない場合は、現親機ノードから新しい望ましい親機ノードに切り換えられる。ノードは順次、一度に1つずつ移動させられる。第1の処理780は、各ステップで移動させる各ノードを、子機のない、ルートから(ホップの数だけ)最も離れたノードを選択することにより、選択することができる。
図28は、第2の処理790の操作を説明する。ここでまた、Wi−Fiネットワーク750は、第1のトポロジー状態752から開始する。第2の処理790では、Wi−Fiネットワーク750は、第1のトポロジー状態752と第2のトポロジー状態754との間でステップ811、812、813の3ステップを通過する、すなわち、第2の処理790は、最適化により、第1の処理780からステップを1つ除去する。第1に、ステップ811では、ノードD、Fを含むノードのグループが同時に移動するように選択されるが、それはもとのトポロジーでも最終トポロジーでも、ノードDもノードFもルートノードAへの同じ経路上にないからである。ノードD、Fは、それらの新親機ノードAへと移動させられる。第2に、ステップ812では、ノードC、Dを含むノードのグループが同時に移動するように選択されるが、それはノードCもノードDもルートノードAへの同じ経路上にないからである。最後に、ステップ812では、ノードBが選択され、その新親機ノードFへと移動させられる。ステップ813の後、Wi−Fiネットワーク750は、今や目標トポロジーすなわち第2のトポロジー状態754にある。
ステップ784、794に関して、一例示的実施形態では、ステップ783、793でのノード移動は、初めに、子機ノードを現在の設定、すなわち、無線機、チャンネル、及びチャンネル幅で、新親機ノードに関連付けるか又は接続することにより実行することができる。新たに選択される設定、すなわち、無線機、チャンネル、及びチャンネル幅は、Wi−Fiネットワーク750が新トポロジー状態752にある間に一括で適用することができる。したがって、トポロジー変更処理780、790中もWi−Fiネットワーク750内の接続性が存続する。つまり、ノードは子機1つずつ移動させられ、子機は移動の際に自体の子機を持たずに移動させられるので、Wi−Fiネットワーク750内には常にルートへの経路が存在する。また、クラウドサービス及び/又はWi−Fiネットワーク750は、任意のWi−Fiクライアントデバイス16を移動させてからノードを移動させることができるので、トポロジーの変更のせいでデータ消失がないようにさらに保証される。さらに、トポロジー変更処理780、790は、低負荷時、例えば夜遅い時間に実施することができる。
ファームウェア/ソフトウェアのアップデート
図29を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、1つ又は複数の分散Wi−Fiシステム10に接続されたクラウド構成サービス504を介してのファームウェアアップデートを説明する。トポロジー変更についての問題と密接に関連する問題は、いかにしてネットワーク(例えば、分散Wi−Fiシステム10又は任意の他の分散Wi−Fiネットワーク)内の全デバイスのファームウェア/ソフトウェアをアップデートするか、ということである。トポロジー変更についての問題と同様に、決して手順の途中でネットワークに割り込まれないように、又は一部のノードがアップデート処理から漏れないように、デバイスのファームウェア/ソフトウェアを順次アップデートすることが重要である。
図29では、2つの場所572A、572B、すなわち住居等があり、各々が複数のアクセスポイント14(ノードH1.N1、HI、N2等(Hは家、Nはノード番号)と表示されるノード)を有する分散Wi−Fiシステム10を有する。ここでまた、本明細書で説明する様々なシステム及び方法は、分散Wi−Fiシステム10並びに他のタイプのWi−Fiネットワークでの使用を意図している。分散Wi−Fiネットワークは、場所572A、572Bで、クラウド構成サービス504によって管理され、家の中では調和して動作しなければならないが、場合によっては家間で協同して動作する、いくつかのノードによって提供される。バージョンのミスマッチに関する問題をなくすために、ある場所(例えば572A、572B)内の、また場合によっては複数の場所にまたがる全てのノードのファームウェアのバージョンが、全てか無かのトランザクションでアップグレードされることが必須である。したがって、この手法は「1つとしてノードの漏れがない」ことを徹底しなければならない。
図30を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、分散Wi−Fiネットワークのファームウェアアップグレード処理850を説明する。ファームウェアのアップデートは、クラウド12を介してクラウド構成サービス504により提供される。これらのアップグレードは、場所572内の全ノードに対するOver The Air(OTA)ファームウェアアップグレードと呼ばれることがある。ファームウェアアップグレード処理850は、2段階コミットの概念を用い、より複雑で失敗しやすい第1段階(コミット準備)が全ノードで完了してから、第2段階が、失敗の確率を最小化する順番で全ノードに次々と適用される極めて高速のトランザクションコミットを実行する。
クラウド構成サービス504はまた、OTAファームウェアアップデートサービス(又は単に、OTAサービス)と呼ばれるか又はそれを含むことができる。クラウド構成サービス504は、どのノードH1.N1等が一緒に場所572に属するかについて、演繹的知識を有する。つまり、クラウド構成サービス504は、どのWi−Fiネットワークがその制御下にあるかについての、どのノードが各Wi−Fiネットワークと関連付けられているかについての、及びファームウェア/ソフトウェアの現在のバージョンを含むノードの動作パラメーターの、レジストリ又はデータベースを含むことができる。
アップグレード処理850は、利用可能になるファームウェア/ソフトウェアの新バージョン、及びどのノードがこのバージョンを要求するかを認識しているクラウド構成サービス504を含む(ステップ851)。例えば、管理者は、新バージョン(例えば、v0.2)を準備し、OTAサービス処理を開始して、ノードを旧バージョン(例えば、v0.l)から新バージョン(例えば、v0.2)へとアップグレードする。クラウド構成サービス504は、Wi−Fiネットワーク内の全ノードにファームウェア/ソフトウェアアップデートを強要する(ステップ852)。アップグレード処理650は、異なる場所572A、572Bで同時に動作可能である。例えば、OTAサービスはまず、ファームウェアアップデートのイメージを全ノードに送りつけるが、これは失敗しやすい、時間のかかる活動である。これは「コミット準備」すなわち2段階コミットプロトコルの第1段階に相当する。
クラウド構成サービス504は、Wi−Fiネットワーク内の全ノードでファームウェア/ソフトウェアアップデートのダウンロードが成功したと、全ノードから通知されるのを待機する(ステップ853)。これは「コミット準備済み」すなわち2段階コミットプロトコルの第1段階の成功裏の完了に相当する。尚、いずれかのノードがファームウェア/ソフトウェアアップデートのダウンロードに失敗した場合、アップグレード処理850はそのWi−Fiネットワーク内のどのノードもアップグレードしない。例えば、いずれかのノードがダウンロードに失敗した場合、アップグレード処理850は、ステップ852から繰り返すことができる。
全ノードが2段階コミットプロトコルの第1段階の完了を成功裏に通知すると、クラウド構成サービス504は、順次又はグループで、アップグレードメッセージを各ノードに送信し、当該送信はWi−Fiネットワークのノード接続ツリーに基づき最下位のリーフから親機まで上方向に移動する(ステップ854)。このアップグレードメッセージの送信の移動は、2段階コミットプロトコルの第2段階でどのノードも切断しないことを保証する。全ノードがアップグレードメッセージを受信し、当該アップグレードを同時に実行し、新バージョンへとリブートする(ステップ855)。
場所572内の全ノードは、クラウド12内で稼働している同バージョンのサービス504と共働しなければならない。クラウドサービスバージョンが進化すると、全ノードのファームウェア/ソフトウェアもクラウドサービスの能力に合わせて進化しなければならない。この2段階コミットアップグレード処理850は、場所572内の全ノードが同じバージョンに一緒にアップグレードされ、バージョンのミスマッチによりノードが失敗する危険性が最小化されるか又はなくなることを保証する。
複数の時間スケールでの分散Wi−Fiネットワークの最適化
図31を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、複数の時間スケールで実行される分散Wi−Fiネットワークの最適化方法900を説明する。図32を参照すると、一例示的実施形態では、ブロック図が、最適化900と関連する低速及び高速制御ループを実施するクラウドシステム1000を説明する。最適化方法900は、あらゆる分散Wi−Fiネットワークを最適化するためのクラウドシステム1000(すなわち、クラウドサービス、クラウドコントローラー等)による操作を意図している。ここでまた、分散Wi−Fiネットワークは、分散Wi−Fiシステム10、Wi−Fiメッシュネットワーク32、Wi−Fiリピーターネットワーク33等を含むことができる。本明細書で説明するように、分散Wi−Fiネットワークは、最適化70に基づき調節可能なトポロジーで相互接続されている複数のノードを含む。トポロジーは、アクセスポイント14を互いに無線接続する複数のバックホールリンクにより形成される。最適化70は、ノード接続性、無線波(2.4G/5G)、チャンネル、チャンネル幅等の点で最適なトポロジーを決定するため、定期的に実行することができる。
最適化方法900は、データ収集ステップ910、高速制御ループ920、及び低速制御ループ930を含む。最適化方法900は、事前対応型の長期最適化(低速ループ制御930)及び短期最適化(高速ループ制御920)を含む複数の時間スケールで最適化70を実行する。低速ループ制御930は定期的に実行される。低速最適化ループの一利点は、その結果を直ちに適用する必要がないことである。むしろ、低速ループ最適化の結果は、Wi−Fiネットワークの負荷が低いときに適用することができる。さらに、低速ループ最適化自体、スケジュールに則り実行してもよいし、又は最適化を行うのに都合がよくなるまで延期してもよい。例えば、最適化は、演算リソースの負荷がより低くなるまで、又は演算コストがより低くなるまで延期することができる。低速ループ制御930の長期最適化は、急変動しない挙動傾向に基づく。低速ループ制御930の長期最適化は、Wi−Fiネットワークをより細かい時間スケールの長期予測の変動に適応させる短期最適化(高速ループ制御930)により補完される。短期最適化の一利点は、急速に変化するネットワーク条件に反応できることであり、したがって最適化が完了した後直ちに適用することができる。高速ループ制御920と低速制御ループ930とは、特定のネットワークパラメーターの新セットが原因となるWi−Fiネットワークの中断の量に関し、異なる目的関数重み付けを用いることができる。
データ収集ステップ910は、アクセスポイント14が、それが現在動作しているホームチャンネルの測定値及び統計値を収集するインサービスオンチャンネル測定951、及び、アクセスポイント14がホームチャンネルを定期的にオフに切り換え、他のチャンネル(すなわち、ホームチャンネルではないチャンネル)を測定することができるオフチャンネル測定952を含む。データ収集ステップ910は、データの前処理及びクラウド転送(ステップ953、954)を含むことができ、データ(測定値、統計値等)はアクセスポイント14からクラウドシステム1000に提供される。測定値は定期的に取得することができる(ステップ955)。
測定値は、クラウドシステム1000において、構造化データベース1002の構造化クラウド記憶領域に記憶される(ステップ956)ことができ、また、非構造化データベース1004の非構造化クラウド記憶領域に記憶される(ステップ957)ことができる。構造化クラウド記憶領域は、メトリクスの演算に用いる(ステップ958)ことができ、当該メトリクスは再最適化閾値の決定のために報告され及び/又は使用される(ステップ959)ことがある。非構造化記憶領域は、ビッグデータを用いる分析、機械学習その他などのオフライン学習(ステップ960)に用いることができる。
再最適化閾値(ステップ959)は、Wi−Fiネットワークが急速に変化する条件に基づく再最適化すなわち高速ループ制御920を現在必要としていると、メトリクスが示しているかどうかを判定する。そうであれば、再クラスター化ヒューリスティックを用いて(ステップ961)、高速ループ最適化ができる(ステップ962)。定期的に、例えば1日1回(ステップ963)、クラスター化を実行して(ステップ964)、低速ループ最適化ができる(ステップ965)。クラスター化ステップにより、一緒に最適化されるデバイスの数を少なく維持することの利点と、物理的領域内の全デバイスを考慮した場合にネットワークの近隣部分を別々に最適化して全体的最適状態に達する能力を低下させることの欠点との均衡がとれる。
長期最適化は、単に時間制として、ある時間が経つとトリガされるようにすることができる。例えば、1日1回、深夜、つまり最適化のためのより高い演算負荷がより低く、且つ、最適化の結果をユーザーのネットワークに展開する際に何らかの中断があってもさほど混乱しないときに、トリガすることができる。長期最適化は、短期最適化をトリガするいくつかの方法と同様、何らかのタイプの閾値を超える測定値によりトリガされることもできる。しかし、長期最適化の閾値は異なることもある。短期最適化をあまりたびたびトリガするのは望ましくないが、それは、直ちに稼働するので、演算負荷が生じ何度も中断する可能性があるためである。しかし、長期最適化を便利なときたまにしか稼働しないように制限してしまうことは、よりはるかに望ましくない。したがって、長期最適化を後回しに待機させ行列に入れる可能性のあるトリガをタイトにして、ネットワークが経時的に真の最適な状態に近づくように徹底することができる。
長期最適化(低速ループ制御930)は、ネットワークトラフィック、アクセスポイント14間の容量、アクセスポイント14とWi−Fiクライアントデバイス16との間の容量、チャンネル利用可能性等の履歴及び数時間先の予想により起動することができる。予想は、数週間から数か月にわたる履歴データから取得された、ピーク期間の特徴付け、クライアント容量及びチャンネルビジー度の統計値を含むことができる。長期最適化は、1軒の家での活動がいくつかの隣家の性能に及ぼす高度な影響に基づきグループ化(すなわち、クラスター化)された当該いくつかの隣家でも実行することができる。長期最適化の出力は、単一ネットワーク構成の形態、又は、異なる時間区分に用いるべき構成を特定する複数ネットワーク構成のスケジュールの形態であってもよい。
短期最適化(高速ループ制御920)は、数十秒から数分という時間スケールのネットワークトラフィック負荷及び干渉条件の変動に適合する。最適化は、フィルタリングされ集計された短期データを用いてネットワーク条件の変化及び性能の低下を検出することによって、又は長期予想からのずれがメトリクスに基づき観察されたときに、トリガされることができる。高速ループ制御920は、直近の過去に収集された測定値に基づく短期的視点での予想、並びに長期履歴データ及び低速ループ制御930の結果に基づき起動される。高速ループ制御920は、低速ループ制御930よりもローカル化されることがあり、演算時間を減じ、ネットワークのほぼリアルタイムの制御を可能にするために、1軒の家又はより少数の家のグループの構成を決定するように実行することができる(再クラスター化ヒューリスティック)。しかし、高速ループ制御920は、低速ループ制御930で用いられるより大きな家クラスターに及ぼすあらゆる変更の影響を考慮に入れることができる。
高速ループ制御920の一部として最適化されるネットワークパラメーターは、低速ループ制御930と同一である必要はない。高速ループ制御920は、演算及び制御をより高効率とするためのパラメーターのサブセットを考慮することができ、又は、低速ループ制御930によって設定されない他のパラメーターを考慮することができる。例えば、高速ループ制御920は、トポロジー変更ではなく、チャンネル割当及びチャンネル帯域幅に焦点を当てることができる。高速ループ制御920はまた、ビジー期間中にネットワーク構成を変更する際に課せられるオーバーヘッド及び中断を考慮に入れることができる。種々の構成変更に、制御操作に基づき異なるコストを割り当てることができ、最適化は、実現される性能の改善と新構成への移行コストとの均衡がとれる新構成を見出すことができる。
図32は、クラウドベースのシステム1000を説明する。一例示的実施形態では、クラウドベースのシステム1000は、OpenFlowインターフェース及びOpen vSwitch Database Management Protocol(OVSDB)インターフェースを有するSoftware Defined Networking(SDN)コントローラー1010を含むことができる。SDNコントローラー1010は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)及びサービス1020に接続することができる。非構造化データベース1004は、API及びサービス1020に接続し、低速制御ループ930を実施するように構成され得るオフライン予測可能分析サービス1030に接続することができる。リアルタイムフィルタリング及び集計サービス1032は、API及びサービス1020に接続することができ、高速制御ループ920を実施することができる。構造化データベース1002は、高速制御ループ920及びオフライン予測可能分析サービス430からデータを受信することができ、リアルタイム分析及び制御サービス1034、消費者アプリ及び制御インターフェース1036、並びにデータ調査及び提示サービス1038に入力を提供することができる。
最適化処理
ここでまた、図4を参照すると、最適化70は、ある場所に展開しているアクセスポイント14の各々によってなされる測定を入力60として取る。このような測定値には、限定ではないが、各クライアント16により要求されるトラフィック負荷、各アクセスポイント14間で、及び各アクセスポイント14から各クライアント16までの間で維持され得る信号強度及びデータレート、アクセスポイント14間、及びアクセスポイント14とクライアント16との間のリンクにおけるパケットエラーレート等が含まれることがある。それに加えて、アクセスポイント14は、分散Wi−Fiシステム10に影響する干渉レベルの測定をする。これには、他のクラウド制御の分散Wi−Fiシステム10からの干渉(「ネットワーク内インターフェアラー」)、及び制御可能なネットワークの一部ではないデバイスからの干渉(「ネットワーク外インターフェアラー」)が含まれる。これらのタイプのインターフェアラーを区別することは重要である。ネットワーク内インターフェアラーは、クラウドシステムにより制御可能なので、ネットワーク内システム全体の大きな最適化に含まれ得る。ネットワーク外インターフェアラーは、クラウドからは制御できないので、これらの干渉を別のチャンネルに移動させたり別途変更したりすることはできない。分散Wi−Fiシステム10はこれらを変更するのではなく、これらに適合しなければならない。これらのネットワーク外インターフェアラーは、クラウド制御されないWi−Fiネットワーク、及びWi−Fiにより使用される周波数で送信するBluetoothデバイス、ベビーモニター、コードレス電話その他などの非Wi−Fiデバイスを含む。各リンクの容量は、移動したデータの量(負荷)、及び干渉のせいでメディアがビジーである時間の量を検証することによって導出することができる。これはまた、リンクを通過して移動したデータと送信キューがビジーだった時間割合との比をとることによって導出することもできる。この容量は、リンクに飽和状態になるまで負荷がかかり、可能な限りのデータ量を移動させると仮定した場合に実現され得る仮想スループットを表す。
別の重要な入力は、分散Wi−Fiシステム10を移動するパケットの遅延である。これらの遅延は、直接の測定値から、分散Wi−Fiシステム10のゲートウェイアクセスポイント14(モデム/ルーター18に接続されている)に到着したパケットをタイムスタンプし、それらが当該アクセスポイント14を離れるまでの経過時間を測定することによって導出することができる。しかし、そのような測定は、アクセスポイント14間のある程度の時刻同期を要することになる。別の手法は、各アクセスポイント14を通過する遅延の統計値を個々に測定する、というものになる。次に、分散Wi−Fiシステム10全体の総遅延の平均及び何らかの仮定を与えられた遅延の分布を各アクセスポイント14の個々の遅延統計値に基づき計算することができる。こうして、遅延は、最適化70において最小化されるべきパラメーターとなることができる。また、各アクセスポイント14が送信及び受信に費やす時間を把握することも最適化70にとっては有用である。これは、送信又は受信された情報の量とともに、様々なリンクが維持している平均データレートを判定するために用いることができる。
最適化70の出力62は、分散Wi−Fiシステム10の動作パラメーターである。これには、各アクセスポイント14が動作する周波数チャンネル、及び使用されるチャンネルの帯域幅が含まれる。802.11ac規格は、チャンネル帯域幅20、40、80、及び160MHzを可能にする。使用する帯域幅の選択は、より高いデータレート(広いチャンネル帯域幅)をサポートすることと、分散Wi−Fiシステム10で用いる異なる非干渉チャンネルの数が多いこととの間のトレードオフである。最適化70は、様々なユーザーのアプリケーションにより要求される負荷をサポートする可能な限り低いチャンネル帯域を各リンクで使用させようとする。必要十分な最狭のスループットチャンネルを用いることにより、分散Wi−Fiシステム10内の他のリンク用に最大数の非干渉チャンネルが残される。
別のセットの最適化70の出力62は、分散Wi−Fiシステム10のトポロジー、つまりどのアクセスポイント14が他のどのアクセスポイント14と接続するかを定める。分散Wi−Fiシステム10内の2つのクライアント間又はクライアントとインターネットゲートウェイ(モデム/ルーター18)との間の実際の経路もまた、最適化70の出力である。ここでまた、最適化70は経路内の最良のトレードオフを選択しようとする。一般に、より多くのホップを移動するほど、各ホップの範囲は短くなり、データレートが高くなり、より堅牢になる。しかし、ホップが多いと、待機時間及びジッターが増え、チャンネル周波数割り当てによっては分散Wi−Fiシステム10の残りからより多くの容量が奪われる。後に説明する最適化方法は、これらすべてを考慮に入れ、真に最適な構成に想到する。
最適化70はまた、分散Wi−Fiシステム10内のどのリンクがRTS/CTSプロトコルを使用して隠れノードの問題を回避するかを決定することができ、各アクセスポイント14の送信電力レベルを調節することができる。送信電力がより高いと、そのアクセスポイント14からのリンクのデータレート及びスループットが増加するが、分散Wi−Fiシステム10内の他のアクセスポイント14及び近隣システムへの干渉がより高くなる。送信電力の変更と密接に関連して、最適化70はまた、そこで電波上のトラフィックに譲るか又はそのまま他の送信と重なって送信するかのどちらかとなるクリアチャンネル評価閾値を設定することができる。これは、近隣ネットワークからの送信を無視し、他の信号と重なって送信するのが条件的に可能であれば送信を遅延しない、有効な方法である。
家の中でどのアクセスポイント14に各Wi−Fiクライアントデバイス16が接続するかを最適化70が選択することが可能であれば、システム性能は多大な恩恵を受けることができる。この能力は、いくつかの事項に役立つ。第1に、Wi−Fiクライアントデバイス16は、それらが接続されているアクセスポイント14から、移動してより近くなり得たアクセスポイント14へのローミングが上手くできないことが多い。こうした「粘着性」のクライアントは、距離が離れすぎているアクセスポイント14と通信しようとして、不必要に低いスループットをもたらすことになる。クライアントの関連付けを制御することの別の利点は、分散Wi−Fiシステム10内の特定のアクセスポイント14での輻輳を回避することである。例えば、家の中の全てのWi−Fiクライアントデバイス16が、1つの特定のアクセスポイント14と最も近い場所にある場合がある。それらのスループットは、この1つのアクセスポイント14の総容量を共有することにより、限られたものになる。この場合、Wi−Fiクライアントデバイス16の一部を異なるアクセスポイント14と強制的に関連付けると、それらのアクセスポイント14が多少遠くにあるとしても、うまくいく。その時点で各アクセスポイント14の容量はより少数のWi−Fiクライアントデバイス16の間で共有されるので、各々のスループットはより高くなる。Wi−Fiクライアントデバイス16を移動させるさらに別の理由は、バックホールリンクにおける輻輳の緩和である。Wi−Fiクライアントデバイス16がアクセスポイント14間に程よく点在したとしても、それらのアクセスポイント14の全てがバックホールで1つのアクセスポイント14に接続することもあり得る。この場合、バックホールに輻輳が生じる。ここでまた、Wi−Fiクライアントデバイス16を、バックホールの異なる経路を有する他のアクセスポイント14に移動させることで、輻輳を緩和することができる。
Wi−Fiクライアントデバイス16をどこに関連付けるかのステアリングと密接に関連するのが、クライアントがどの周波数帯域に接続するかのステアリングである。多くのシステム及び好ましい実装形態では、アクセスポイント14は、2つ以上の周波数帯域で同時に動作することができる。例えば、一部のアクセスポイント14は、2.4GHz帯域と5GHz帯域とで同時に動作することができる。
最適化70は、上述したように目的関数を最大化することにより、入力60から出力62を生成する。多くの異なる可能な目的関数がある。1つの目的は、全てのWi−Fiクライアントデバイス16に提供される総スループットを最大化することであり得る。このゴールの短所は、最大の総スループットの実現が、既に良好に通信中のWi−Fiクライアントデバイス16の性能を改善するために一部のWi−Fiクライアントデバイス16を完全に干上がらせることにより、なされ得ることである。別の目的は、最悪の状況にあるネットワーク内のWi−Fiクライアントデバイス16の性能をできる限り高めることであり得る(Wi−Fiクライアントデバイス16への最小のスループットの最大化)。このゴールは、公平性を高めるのには役立つが、最悪のWi−Fiクライアントデバイス16で漸増的な改善を得るために多大な総容量を引き換えにする場合がある。
図33を参照すると、一例示的実施形態では、グラフが、2つのアクセスポイント14の互いに対し相対的な容量負荷を説明する。好ましい方法は、ネットワーク内の各Wi−Fiクライアントデバイス16の所望の負荷を考慮し、その負荷比の余剰容量を最大化する。図33は、2つの異なるアクセスポイント14の容量要件を示して、この手法を説明する。最適化は、容量を改善できるとともに、2つのアクセスポイント14間で容量を変えることもできる。望ましい最適化70は、負荷比1150の方向に余剰容量を最大化するものである。このことは、システムに望ましい負荷を伝送する最大のマージンを与えて、それらの性能をより堅牢にし、より少ない待機時間及びより少ないジッターとすることを表す。この厳格な最適化は、可変スケールで容量割当に重み付けするよりソフトな最適化関数/最適化機能を提供することにより、さらに強化することができる。要求された負荷と等しいか又はそれよりも少し高いスループットとすることには高い利用価値が置かれよう。要求された負荷を上回るスループットをWi−Fiクライアントデバイス16又はアクセスポイント14に提供することは尚も利点とみなされようが、全てのWi−Fiクライアントデバイス16/アクセスポイント14にそれらが要求している負荷を与えることよりは、重み付けははるかに低くなる。そのようなソフトな重み付けの最適化関数は、デバイス間の余剰性能のより操作容易なトレードオフを可能にする。
前述の手法が強調するのは、望ましい負荷の知識を有しての最適化である。アクセスポイント14が望ましい負荷を把握している場合は、それを直接通信することができる。直近の期間(例えば過去数分間)で、推定することもできる。負荷はまた、長期履歴データから推定することができる。例えば、過去30日間で記録された負荷を用いて予期される負荷を決定することができ、次いでそれを最適化70に用いる。こうして、予期される最悪の場合の負荷について、ネットワークが事前構成される。
しかし、負荷を把握し得ないときもあり得る。例えば、新ネットワークを立ち上げた直後は、長期負荷履歴も短期(例えば5分)負荷要件もなく、アクセスポイント14もその環境でWi−Fiクライアントデバイス16がどういった負荷を要求するかについて何の知識もない。この場合、負荷情報なしで最適化する必要がある。合理的な手法は、各アクセスポイント14の負荷要件が均等であるという仮定の下で最適化することである。
負荷を把握している場合でも、負荷を人工的に操作することは有益であり得る。例えば、最近の履歴から、又は長期履歴からであっても、特定のアクセスポイント14の負荷がゼロになることを予測することができる。しかし、誰かがその部屋に入って、分散Wi−Fiシステム10でWi−Fiクライアントデバイス16にデータを取り込もうとする機会は尚もある。したがって、各Wi−Fiクライアントデバイス16又はアクセスポイント14で最低限の負荷を保留しておくことは有益であり、稀な事態に難なく対処できるように少なくとも多少の容量が全ての場所に存在することが保証される。
他の要因を目的関数に入れることができる。例えば、分散Wi−Fiシステム10に対する特定のタイプの変更は極めて混乱を招きやすく、変更中に分散Wi−Fiシステム10内のトラフィックを遮断する。分散Wi−Fiシステム10に対し特定のタイプの変更を行うことの不利益を表す目的関数にコストを追加することができる。このコスト対他の要因を適切に重み付けすることによって、利得が大きいときは最適化70に分散Wi−Fiシステム10の構成を変更させるが、少々の利得しかない場合は分散Wi−Fiシステム10はそのままにしておくように、目的関数を調節することができる。同様に、ヒステリシス閾値を最適化70の出力に適用して、状況の微小な変化で分散Wi−Fiシステム10が2つの構成間を行き来するのではなく、比較的安定していることを保証することができる。
図34を参照すると、一例示的実施形態では、方程式が、最適化70のための混合整数線形計画(MILP)の一例を説明する。入力60があって、目的関数がわかっていれば、目的関数を最大化する出力62のセットを見出すことは数学的な問題となる。これを行う極めて高効率な方法は、MILPとして問題を公式化することである。この公式にはいくつかの利点がある。第1に、連続変数と離散変数との両方が関与するので、問題の性質に合う。例えば、チャンネル選択は整数の変数である。第2に、MILPの問題を解く高効率な方法が公知である。第3に、公式はかなり包括的であり、多様な目的関数及び解の制約に対応する。図34は、MILPの公式の一例の数学的表示を示し、注釈が方程式の様々な要素を説明している。
理想的には、この最適化は、1軒の家だけでなく、互いにWi−Fi範囲内にある全ての家で行われ、したがって互いに干渉が生じる。当然ながら、第1の家に干渉する家にも、さらに遠く離れたインターフェアラーが存在する。このように進行していくと、1回の最適化だけで非常に多数の家、例えばマンハッタン中の全ての家を最適化しようとすることになる。MILPの解の演算時間は、最適化の対象のパラメーターの数とともに幾何級数的に増加し、また、1回の最適化を実行する家の数とともに幾何級数的に増加する。この解決策は、クラスター化を行うことである。
図35を参照すると、一例示的実施形態では、図が、一緒に最適化される家の数を減じ、それによって演算の複雑性を管理可能なものにするためのクラスター化の一例を説明する。別々のクラスターがそれらの境界で尚も高レベルな重複を有する場合、反復手法を適用することができる。第1回目は、クラスター間に干渉がないものと仮定することができる。第2回目は、第2のクラスターから第1のクラスターへの干渉を計算することができ、次いでその情報を用いて第1のクラスターの最良の構成を再計算することができる。次に、第1のクラスターからの新たな干渉を計算に入れて、第2のクラスターを再最適化することができる。クラスターのサイズは演算を幾何級数的に増加させるが、反復は演算負荷を直線的に増加させるので、数回の反復により、全問題をまとめて解くよりも、はるかに演算が少なくなる。
最適化70には複雑さがあり得る。いくつかの最適化パラメーターは、最適化70への入力そのものを変える。例えば、帯域又はチャンネルの変更は、そのアクセスポイント14が出力する送信電力を変更することがあり、ひいては当該アクセスポイント14が他のアクセスポイント14に対し示す干渉が変更される。同様に、異なるデータレートは多くの場合異なる電力レベルで送信されるので、Wi−Fiクライアントデバイス16又はアクセスポイント14の関連付けが変更されると、干渉効果も再計算されなくてはならない。
また、考慮すべきWi−Fiクライアントデバイス16の特定の挙動もある。例えば、一部のWi−Fiクライアントデバイス16は、異なる送信帯域幅(20、40、80MHz等)をパケットによって動的に切り換える。他のWi−Fiクライアントデバイス16はそれほど柔軟ではなく、40MHzのチャンネルを使用するように指示されると、40MHzのパケットしか送らない。第1のグループのWi−Fiクライアントデバイス16は、40MHzの帯域幅のチャンネルの割当の恩恵をほぼ常に受けるが、それは、可能なときにはそれを使用するが、40MHzチャンネルの一部に干渉がある場合は、より低い帯域幅モードでも送信するからである。後者の分類のWi−Fiクライアントデバイス16は、40MHzチャンネルの恩恵を、そのチャンネルのどこかに微小な干渉しかない場合だけ受けることができる。Wi−Fiクライアントデバイス16の挙動の違いは、クラウドサービスに報告されてくるネットワークの測定値から経時的に学習することができるものである。
図36を参照すると、一例示的実施形態では、グラフが、例示的な場所における最適化70の出力62のサンプルを説明する。最適化された分散Wi−Fiシステム10の一意性が、最適化70の結果に表れているいくつかの特性からわかる。図36はこれらのタイプのネットワークの3つの重要な側面を強調しており、それらはリピーター又はメッシュネットワークを使用する従来技術のWi−Fiシステムでは現れない。第1に、全部のアクセスポイント14を使用するわけではない。既存のシステムでは、リピーター又はメッシュノードからマスターノードへの通信がとにかく可能ならば、また、いずれかのクライアントがそれと関連する場合(他のどのノードよりもそのノードが近いからという理由のこともある)、その経路は使用されることになる。しかし、その経路は極めて性能が低い経路であり得る。消費者が、ゲートウェイ/マスターノードからかなり離れた自宅の片隅にリピーターを1つ配置するとする。このリピーターは、その家全体で最も接続し難い最低データレートのデバイスとなる。実のところ、その家のどのクライアントと直接通信するよりも、そのリピーターに達するほうが困難であろう。しかし、既存のシステムでは、トラフィックはそのデバイスを通ってルーティングされることになる。分散Wi−Fiシステム10では、最適化が当然このアクセスポイント14をネットワークから外し、どの親機ノードにも接続せず、又は全クライアントの関連付けをそのデバイスから移動させる。
図36に示す第2の重要な側面は、バックホールリンク(アクセスポイント14を一緒に接続し、(モデム/ルーター18に接続されている)マスターゲートウェイアクセスポイント14からの及びそれへのトラフィックを伝送するリンク)は、全てが同じ周波数チャンネル上にあるわけではない。こうすれば、異なる周波数の送信は干渉しないので、ネットワークのバックホール部分で複数の送信を同時に行うことが可能になる。リピーター又はメッシュネットワークを使用する既存のWi−Fiシステムは、バックホールに1つの周波数チャンネルを用いる。したがって、バックホールシステム全体で、常に1つの通信だけが可能となり、スループット及び容量が限られる。
図36に示す第3の重要な側面は、Wi−Fiクライアントデバイス16が、そのWi−Fiクライアントデバイス16に最も近いアクセスポイント14ではないアクセスポイント14に接続するように、多くの場合に指令されることである。こうすれば、必要に応じてリーフノードでもバックホールでも負荷のバランスをとることができる。リピーター及びメッシュネットワークを有するシステムなどの現在のWi−Fiシステムは、クライアントをどこに関連付けるかを制御しないので、輻輳するポイントを有し、性能が低下する。
図37を参照すると、一例示的実施形態では、グラフが、ツリー構造の最適化70の出力を説明する。上に示す最適化70の出力はツリー構造をとっている。各アクセスポイント14には親機が1つまでしかない。しかし、より完全に相互接続されたグラフを形成することができる。図37は、グラフ構造の一例を示す。この図でAP3と表示されるアクセスポイント14には、2つの親機デバイス、AP4及びAP0がある。このことは、AP4及びAP0の2つの並列リンクから、そのうちの一方だけが接続されている場合に提供され得るよりも高い総スループットをAP3に提供することができるという点で役に立ち得る。このことを有効にするためには、複数の並列リンクを活用することができるネットワーキングプロトコルを用いなければならない。そのようなプロトコルの一例は、Multi−Path Transmission Control Protocol(Multi−Path TCP)である。このプロトコルは、複数経路の通信のために特別に設計されており、複数の並列経路の帯域幅を集計する需要に非常に役立つ。
Wi−Fiクライアントのブリッジング用L2トンネル
一般的なIEEE802.11では、分散Wi−Fiネットワーキングには限界があり、規格の非標準的手法への修正、又はネットワークルーティングプロトコルの使用のどちらかを必要とする。様々な例示的実施形態では、分散Wi−Fiネットワーキングをサポートして、全既存のWi−Fiクライアントが分散Wi−Fiネットワークに接続できることを保証できるように、システム及び方法は、Layer 2(L2)ネットワークトンネル、及びソフトウェアブリッジインターフェースを用いる。これらのインターフェースは、分散Wi−Fiネットワークの一部となるアクセスポイントの各々に存在する。全クライアントに十分なネットワークサービスを保証するために、システム及び方法は、Wi−Fiで稼働するL2ネットワークトンネルによってWi−Fiアクセスポイント同士を互いに接続し、L2インターフェースを、各アクセスポイントで稼動するブリッジインターフェースに接続する。この手法は、分散Wi−Fiネットワークに接続する全クライアントが、L2又は高次ネットワークプロトコルを用いて、互いに通信できることを保証する。また、全てのクライアントがゲートウェイノードを介してあらゆるパブリックネットワークサービスに到達できることを保証する。論理的には、システム及び方法は、分散Wi−Fiソリューションを単一Wi−Fiアクセスポイントソリューションと完全に等価とする。具体的には、システム及び方法は、Wi−FiクライアントとWi−Fiアクセスポイントとの接続を、当該ブリッジデバイスを通じて確立する際に、中間Wi−Fiクライアントをネットワークブリッジとして用いるという問題を解決する。システム及び方法は、あらゆるIEEE802.11ネットワークに適用可能であるが、特に、分散Wi−Fiネットワークソリューション(複数のアクセスポイント)にとって有用である。システム及び方法は、それに接続された全クライアントについて、これらのクライアントのトラフィックが中間Wi−Fiデバイスを通じて複数のホップを介して移動する場合でも、十分なネットワーク接続性を保証する。
図38を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、L2トンネルを用いて2つのアクセスポイント14間に形成されたバックホールリンク1202を有するWi−Fiネットワーク500を説明する。Wi−Fiネットワーク500は、分散Wi−Fiシステム10を含むことができる。Wi−Fiネットワーク500は、インターネットサービスプロバイダー(ISP)ネットワークなどのネットワーク308を介して接続されたクラウド12内の認証サービス502及びクラウド構成サービス504を通してなどの、アクセスポイント14のクラウドベースの制御を含むことができる。図38の例では、2つのアクセスポイント14A、14Bがあり、ゲートウェイアクセスポイント14Aはネットワーク508に接続され、アクセスポイント14Bはバックホールリンク1202を介してゲートウェイアクセスポイント14Aに接続されている。Wi−Fiクライアントブリッジモード、すなわちアクセスポイント14間のバックホールリンク1202などのバックホール接続を可能にするために、システム及び方法は、任意のL2トンネルを利用する(例えば、どのイーサネット−オーバー−IPトンネルプロトコルを用いてもよい)。
一例示的実施形態では、Wi−Fiネットワークは、Generic Routing Encapsulation(GRE)及びその変更形態、例えばGREtapを用いることができる。GREプロトコルは基本的に、そのインターフェースに送信された任意のイーサネットパケットのトンネル他端までのトンネリングを可能にする。したがってこの技法は、あらゆるポイントツーポイントLayer 3(L3)プロトコルで用いることができる。図38では、バックホールリンク1202が既定のSSID1210でGREトンネルとして形成される。既定のSSID1210は、バックホールリンク1202を形成するためのアクセスポイント14間のWi−Fiクライアントブリッジングに用いられる。尚、既定のSSID1210は、Wi−Fiクライアントデバイス16がWi−Fiネットワーク500に接続するためのホームSSID1212とは異なる。一般に、GREトンネルを確立するには、トンネルの両端で、(i)ローカルインターフェースIPアドレス、(ii)遠隔インターフェースIPアドレス、及び(iii)遠隔側はローカルユニットから到達できなくてはならないし逆もまた然り、という前提条件を要する。
Wi−Fiネットワーク500、分散Wi−Fiシステム10、又は別の分散Wi−Fiネットワークでは、リピーターノード、すなわちゲートウェイノードではないアクセスポイント14Bは、少なくとも1つの親機ノード及び1つの子機ノード又はWi−Fiクライアントデバイス16と一緒になる。したがって、リピーターノード(アクセスポイント14B)は2つ以上のインターフェースを有する。第1のインターフェースは、ノードの親機デバイスに接続し、クライアント又はSTAモードインターフェースとして機能し、すなわち、第1のインターフェースはバックホールリンク1202を提供する。第2のインターフェースは、子機又はWi−Fiクライアントデバイス16に接続し、当該インターフェースがAPモードインターフェースとして機能する。
図39を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、Wi−Fiネットワーク500のトンネル確立方法1250を説明する。ここでまた、確立方法1250はGREを例示的L2トンネルとして用いるが、当業者であれば、あらゆるL2トンネリングプロトコルが意図されることを認識しよう。さらに、図39の確立方法1250ステップは、本明細書では図7のWi−Fiネットワーク500を参照して説明するが、分散Wi−Fiシステム10、又は別の分散Wi−Fiネットワークでも動作できる。
確立方法1250は、クラウド構成サービス504に接続した後、親機ノード(例えば、アクセスポイント14A)が既定のSSIDでインフラストラクチャーモードWi−Fiサービスをイネーブルすることを含む(ステップ1251)。クラウド構成サービス504は、APモードインターフェースの固定のIPアドレスを親機ノードアクセスポイント14Aに提供する(ステップ1252)。具体的には、クラウド構成サービス504はこのIPアドレスを親機デバイスに転送し、親機デバイスはこのIPアドレス及び関連するネットワーク設定をAPモードネットワークインターフェース、例えばアクセスポイント14AのホームSSID1212に割り当てる。動作については、Wi−Fiネットワーク500は、APモードインターフェースが常に特定のフォーマットのIPアドレス、例えば、プライベートIPv4アドレスのプールからどのIPv4アドレスのサブネットが選ばれても1つ又は一部の他の一意の取り決めで終わるIPアドレスを有するような、合意された取り決めを含むことができる。例えば、有効なAPモードネットワークインターフェースアドレスは、192.168.3.1、192.168.77.1、192.168.116.1等であり得る。例えば、図38では、アクセスポイントは、APモードネットワークインターフェースのIPアドレス1214を有する。
クラウド構成サービス504は、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サービス構成を新たに作成されたAPモードインターフェース(IPアドレス1214)に提供する(ステップ1253)。DHCPサービスは、親機デバイスのその特定のインターフェース、すなわち新たに作成されたAPモードインターフェースで開始される(IPアドレス1214)。既定のSSIDでネットワークに接続し、ネットワーク認証を成功裏に通過すると、子機デバイス(アクセスポイント14B)が、DHCPを用いてIPアドレスを取得する(ステップ1254)。これには、DHCP発見パケットを送信し、DHCPプロトコルを用いることによってIPアドレスを取得することが含まれることがあり、子機Wi−Fiネットワークインターフェースは、親機デバイスと同じサブネットから同じネットワークマスクを有する1つのIPアドレス1216を割り当てられる。用語法の観点から、親機ノード又はデバイスは、ネットワーク508に接続されたゲートウェイであり、子機ノード又はデバイスは、アクセスポイント14B、又はネットワーク508に直接接続しているのではなくバックホールリンク1202又は複数のバックホールリンクを通じて接続している任意の他のアクセスポイント14である。DHCPプロトコルは、親機ノード(アクセスポイント14A)により操作される。
親機ノードは、子機ノードに割り当てられたIPアドレスをクラウド構成サービス504と共有する(ステップ1255)。子機ノードに割り当てられたIPアドレスにより、クラウド構成サービス504は、親機ノードと子機ノードとの間にトンネルを確立させる(ステップ1256)。アクセスポイント14(親機ノード及び子機ノード)内のプロセッサー102上で実行されるマネージャーアプリケーションが、トンネルを確立する(ステップ1257)。具体的には、クラウド構成サービス504は、親機ノードと子機ノードとの間にダウンリンクGREトンネルを確立する要求を発行することができる。親機ノードのマネージャーアプリケーションは、GREトンネルを親機ノード上に確立することができる。次に、子機ノード上で稼働しているマネージャーアプリケーションが、割り当てられたIP及び割り当てられたサブネットマスク情報に基づきIPアドレスサブネット情報を抽出する。子機ノードで稼働しているマネージャーアプリケーションは、APモードインターフェースのIPアドレス1214に関し合意された取り決めに基づき、アップリンクGREトンネルを確立する。例えば、合意された取り決めが、1で終わるIPアドレス、と仮定すると、子機ノードは、親機側の確立されたWi−Fiインターフェースの接続IPアドレスが「SUBNET_IP_ADDRESS OR 1」に該当するので、アップリンクGREトンネルを確立する。
この時点で、親機Wi−Fiアクセスポイントデバイスと子機Wi−Fiアクセスポイントデバイスとの間に、十分に機能するトンネルが確立されている(ステップ1258)。各デバイスで、新たに作成されたGRETAPネットワークインターフェース1220が利用可能である。このトンネルの一方の側のネットワークインターフェースに入るどのイーサネットパケットも、確立されたトンネルの他方の側まで無修正のまま通される。パケットごとの少々の追加処理以外のこのトンネルの唯一のコストは、転送される各パケットにGREヘッダーとして付加される追加バイトである。GREプロトコルの場合、この追加コストはちょうど36バイトである。このトンネルでノード接続すると、Maximum Transmission Unit(MTU)のサイズは、少なくとも所与のバイト量の分は正確に増加しなければならない。
親機と子機ノードとの間のL2ネットワーク確立
図40を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、L2トンネルでブリッジインターフェースを接続するWi−Fiネットワーク500を説明する。ネットワークデバイスをターゲットとする現代のほとんどのオペレーティングシステムは、L2学習Media MACブリッジ(以後、ブリッジインターフェース1260と呼ぶ)のソフトウェアの実装を有する。分散Wi−Fiネットワーク(すなわち、Wi−Fiネットワーク500、分散Wi−Fiシステム10等)に接続される全Wi−Fiクライアントデバイス16に対する十分なネットワークサービスを可能にするためには、全インフラストラクチャーモードインターフェースが「ブリッジ」とならなくてはならず、すなわち、同じブリッジインターフェース1260に接続されるか、又は透過的に相互接続される一連のブリッジインターフェースに接続されなくてはならない。
従来の単一APのWi−Fiソリューションでは、インフラストラクチャーモードのWi−Fiインターフェースは既にローカルでブリッジされており、すなわち、デバイス上に存在する同じブリッジインターフェースに接続されている。これは、全てのデュアルバンドWi−Fiアクセスポイントが、各々1帯域用の2つのWi−Fiインターフェースを有しているからである。それに加えて、Wi−Fiルーターが有線のIEEE802.3ローカルエリアネットワーク(LAN)ポートを有する場合、これらのポートもWi−Fiインターフェースへとブリッジされている。これによって、同じルーターに接続されている全デバイスが十分なL2ネットワーク可視性を有することができ、つまり全てのL2プロトコルがデバイス間に適用できるようになる。
本明細書で開示する分散Wi−Fiネットワークの場合、ブリッジインターフェース1260に接続しなければならないLANポートが存在しない場合がある。しかし、いくつかのWi−Fiインフラストラクチャーモードインターフェース1262、1264が存在し、各デュアルバンドアクセスポイントに2つずつ存在して分散Wi−Fiシステム10内のリピーターの役割を果たしている。各ノードで、ブリッジインターフェース1260が作成されて、デバイスのWi−Fiインターフェース1262、1264の両方に接続されなくてはならない。それに加えて、これらのブリッジ1260は、何らかの方法で接続される必要がある。この目的のために、前述したL2トンネルが用いられる。
両端にL2トンネルが確立されるとすぐ、GREトンネルインターフェースがブリッジインターフェース1260に加えられ、すなわち、GRETAPネットワークインターフェース1220をブリッジインターフェース1260に加えることができる。Wi−Fiネットワークの一部であるデバイスの全てでこの処理を繰り返すことで、ゲートウェイアクセスポイント14Aを通じて、Wi−Fiネットワーク500内の任意の2つのクライアント間の十分なL2ネットワーク接続性、並びに任意のクライアントに対し十分なネットワーキングサービスが保証される。
図41を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、Wi−Fiクライアントデバイス16間のデータ経路を例示するWi−Fiネットワーク500を説明する。ここで、Wi−Fiネットワーク500は、ゲートウェイノードとしての、及び子機ノードであるアクセスポイント14B、14Cの親機ノードとしての、アクセスポイント14Aを有している。各アクセスポイント14A、14B、14Cはブリッジインターフェース1260を含み、アクセスポイント14A、14B間にL2トンネル1270があり、アクセスポイント14A、14C間にL2トンネル1270がある。
同じアクセスポイント14CにWi−Fi接続されている2つのクライアント16−1、16−2が互いに通信する場合、クライアント16−1によってクライアント16−2へと送信されるパケットはローカルブリッジインターフェース1260に入り、クライアント16へと直接転送され、その一方、データ経路1280として図示されるように逆もまた然りである。クライアント16−2、16−3が互いに通信する必要がある場合、データ経路1282として図示されるように、クライアント16−3により作成されたパケットはローカルブリッジインターフェース1260に入り、クライアント16−2のローカルブリッジインターフェース1260へと転送され、次いでクライアント16−3へと転送される。パケットの目的地がネットワーク又はサービス502、504の外部である場合、パケットはゲートウェイアクセスポイント14Aへと転送される。ゲートウェイアクセスポイント14Aで、データ経路1284として図示されるように、このパケットはルーター鎖内の次のルーターへと送られる。ゲートウェイノードに入るパケットは、目的地のMACアドレスに基づき、逆の方向における場合と同じデータ経路を使って転送されることになる。
クライアントステアリング
ここでまた、構成及び最適化処理50の出力の1つは、分散Wi−Fiシステム10(又は任意の他のWi−Fiネットワーク)と関連付けられたWi−Fiクライアントデバイス16を構成することである。本明細書ではそれを「クライアントステアリング」と呼ぶことがある。一般的なシステムでは、Wi−Fiクライアントデバイス16は、どのアクセスポイントと関連するかをローカルで決定する。したがって、一般的なクライアント関連付けは分散される。本明細書で説明するシステム及び方法では、クライアントの関連付けは、構成及び最適化処理50の一部であってクラウドコントローラーによって制御されることができる。つまり、分散Wi−Fiシステム10又は任意の他のWi−Fiネットワークは、クライアント関連付けの決定を、クラウド12において遠隔的になされることができる。クライアントステアリングの主な原則は、結果としてWi−Fiクライアントデバイス16のWi−Fi接続性の中断量が最低となり、大半のWi−Fiクライアントデバイス16で有効であるべき、ということである。
図42を参照すると、一例示的実施形態では、流れ図が、任意の分散Wi−Fiネットワークでクライアント関連付けを遠隔で制御するために使用されるクライアントステアリング処理1300を説明する。クライアントステアリング処理1300は、クラウド12内のクラウドコントローラー1310、Open vSwitch Database(OVSDB)1312、アクセスポイント14と関連付けられたWi−Fiマネージャー1314、及びやはりアクセスポイント14と関連付けられたWi−Fiドライバー316を参照して説明される。クラウドコントローラー1310は、クラウド12内のサーバー20であってもよい。OVSDB1312は、Software Defined Networking(SDN)環境の管理プロトコルである。ほとんどのネットワークデバイスは、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)などのレガシープロトコルによる遠隔構成が可能である。OVSDBの重点は、現代的な、プログラムに基づく管理プロトコルインターフェースを作成することであった。OVSDB1312は、RFC7047「The Open vSwitch Database Management Protocol」(12/2013)に基づくことができ、その内容を参照により本明細書に援用する。アクセスポイント14はプロセッサー102を介するなどしてWi−Fiマネージャー1314を実行することができ、Wi−Fiドライバー1316によって無線機104のWi−Fiインターフェースを制御することができる。クライアントステアリング処理1300は堅牢で、ほぼ全てのWi−Fiクライアントデバイス16で有効である。
例示の目的で、ノード1からノード2(すなわち、アクセスポイント14)へと誘導されている1つのクライアントを参照してクライアントステアリング処理1300を説明する。尚、アクセスポイント14は、Wi−Fiマネージャー314と関連付けられており、Wi−Fiドライバー316は現在Wi−Fiクライアント16、すなわちノード1と関連付けられており、クラウドコントローラー1310はクライアントステアリング処理1300によって当該クライアントを別のアクセスポイント14、すなわちノード2(図42では示さず)へと誘導している。しかし、ノード2は、同様のWi−Fiマネージャー1314及びWi−Fiドライバー1316を有する。当業者であれば、クライアントステアリング処理1300は、複数のWi−Fiクライアントデバイス16及び複数のWi−Fiネットワークで用いることができることを認識しよう。クラウドコントローラー1310は、構成及び最適化処理50に基づきWi−Fiクライアントデバイス16を誘導する必要性を判定することができる。しかし、Wi−Fiクライアントデバイス16は、負荷バランシング、最適化、メンテナンス、オフチャンネルスキャニング等を含む何らかの理由により誘導されることがある。
クラウドコントローラー1310は、クライアント(すなわちWi−Fiクライアントデバイス16)をノード1からノード2へと誘導する必要があると判定する。具体的には、クラウドコントローラー1310は、その制御下にある各アクセスノード14のAssociated Client List(ACL)テーブルを維持することができる。クライアントステアリング処理1300では、クラウドコントローラー1310は、特定のWi−Fiクライアントデバイス16を、関連付けられたアクセスポイント14のACLテーブルに追加する/そこから除去することができる(ステップ1320、1321)。例えば、クライアントAをノード1から離れてノード2へと誘導するには、クラウドコントローラー1310はクライアントAをノード1のACLテーブルから除去し、当該クライアントをノード2のACLテーブルに追加する。
クライアントステアリング処理1300では、クラウドコントローラー1310は、Wi−Fiネットワーク内の様々なノードに、使用されるステアリング技法のタイプとともに、ステアリングが必要なクライアントの詳細を含むメッセージを送信する。一例示的実施形態では、クラウドコントローラー1310は、そのようなメッセージをノードに送るのにOVSDB1312を使用することができる。例えば、クラウドコントローラー1310は、OVSDB1312を介して、各ノードにACLテーブルのアップデートを提供することができる。アクセスポイント14(ノード)は、アップデートに基づいて動作することができ、すなわち、除去されたクライアントからの関連付けを解除し、追加されたクライアントから関連付けられようとする。
クラウドコントローラー1310がACLテーブルからの/へのノードAの除去/追加を実行するとき(ステップ1320、1321)、アップデート通知メッセージをノード1及びノード2の両方のWi−Fiマネージャー1314に送信することができる(ステップ1322)。ノード1は、そのACLリストを消去して(ステップ1323)、ブラックリストモードをイネーブルし(ステップ1324)、クライアントAのMedia Access Control(MAC)アドレス(又は何らかの他の一意識別子)をACLリストのブラックリストに追加することができる(ステップ1325)。次に、ノード1のWi−Fiマネージャー1314は、OVSDB312からの変更があるまで待機する状態に進む(ステップ1326)。ノード1のWi−Fiマネージャー1314は、Wi−Fiドライバー1316(例えばInput/Output Control(IOCTL))にコールすることができる。
このコールを受信すると、クライアントAが現在関連付けられているノード1は、次のことを行う。クライアントAに関連付け解除要求を送信し(ステップ1327)、当該クライアントAからのプローブ要求への応答を停止し(ステップ1328)、クライアントが尚も関連しようとした場合は理由コード34とともに認証失敗を送信する(ステップ1329)。また、ACLリストにクライアントAが載っていないWi−Fiネットワーク内の他のノード及びノード1は、クライアントAからのプローブ要求に応答しない。反対に、クライアントAが誘導されているノード2は、当該クライアントAからのプローブ要求に応答する。
Wi−Fiクライアントデバイス16を1つのアクセスポイント14から別のアクセスポイント14へと誘導(ステアリング)するのに使用できる方法は他にもある。これらの手法はさほど一般的ではないかもしれないが、はるかに高速に動作することもあり、Wi−Fiクライアントデバイス16がその関連付けを1つのアクセスポイント14から別のアクセスポイント14へと移動している際のネットワークの中断時間を減じることができる。そのような機構の1つは、Channel Switch AnnouncementすなわちCSAを使用することである。IEEE802.11標準化チャンネル切換えアナウンスメントを理解するクライアントは、その命令に従い同意された時間で非常に速やかにチャンネル移動する。しかし、CSAは高速チャンネル切換えを誘導しはするが、それ自体ではデバイスを新アクセスポイント14へローミングさせない。CSAによってWi−Fiクライアントデバイス16を速やかにチャンネル移動させたら、Wi−Fiクライアントデバイス16に関連付け解除メッセージを送信することによって、実際にローミングさせることができる。このメッセージは、新チャンネル上の新アクセスポイント14によって送信されることができ、旧チャンネル上の旧アクセスポイント14としてのアクセスポイント14が、旧アクセスポイント14の基本サービスセット識別子(BSSID)を妨害することによって自己妨害している、というものである。明確な関連付け解除メッセージなしでも、一部のWi−Fiクライアントデバイス16はそれらの旧接続を時間切れとして、CSAが送信されないときよりも手早く新アクセスポイント14を発見する。一部のWi−Fiクライアントデバイス16は、スキャンして関連付け解除メッセージに従って新チャンネル上の新アクセスポイント14を発見するのは非常に遅い。
IEEE802.11k規格のローミング支援及びIEEE802.llv規格のマルチキャスト指定内で、Wi−Fiクライアントデバイス16を1つのアクセスポイント14から別のアクセスポイント14へとローミングさせる機構もある。これらの機構は、サービスの中断がより少なく、より手早くWi−Fiクライアントデバイス16を新アクセスポイント14へと移動させることができるので、有利である。しかし、全てのWi−Fiクライアントデバイス16がこれらの動作モードをサポートするわけではない。同様に、高速ローミングプロトコルであるIEEE802.llrの使用も、1つのアクセスポイント14から別のアクセスポイント14への移動を加速するのに用いることができる。しかし、IEEE802.11k及びIEEE802.llvと同様に、この手法は全てのWi−Fiクライアントデバイス16にサポートされるわけではない。
尚、クラウドコントローラー1310は、クライアントステアリング処理1300、CSAアナウンスメント、IEEE802.llr規格の高速ローミング、IEEE802.11k規格のローミング支援、及びIEEE802.llv規格のマルチキャスト指定等を使用することができる。本明細書で説明するように、クラウドコントローラー1310は、クライアントステアリング処理1300、CSAを含む複数のステアリング手法を利用することができ、アクセスポイント14に関連付けを解除させ、アクセスポイントのACLリスト中のクライアントをブラックリスト化させる。
全ての手法(CSA、IEEE802.11k及びIEEE802.llv規格の高速ローミング)が全てのWi−Fiクライアントデバイス16にサポートされるわけではなく、また、手法によっては一部のWi−Fiクライアントデバイス16では高速だがそれ以外ではそうではないので、どのWi−Fiクライアントデバイス16がどの手法をサポートし、どの手法が所与のWi−Fiクライアントデバイス16でネットワーク中断を最短とするかを、クラウドコントローラー1310が学習することが重要になる。どの手法がうまくいくかを学習することに加えて、所与の手法をどのくらいの頻度で使用すべきかを学習することも必要である。デバイスによっては、一定数の関連付け解除しか許容しないことで、対象となるネットワークを放棄して再接続を拒否する。特定クライアントに対し、上述したどのタイプのステアリングコマンドにも数及び頻度の制限を設けなければならない。これらの制限は、クライアントのタイプごとに特異的であり、一定の期間にわたり多くの数のデバイスの挙動を観察することによって学習されなくてはならない。クラウドコントローラー1310を基礎とする学習システムは、このことを実施するには良い方法である。そのようなシステムは、多数のWi−Fiクライアントデバイス16の挙動の可視性を有し、どのWi−Fiクライアントデバイス16がどの手法で最良に動作するかを理解するのに必要な統計値を当該システムが抽出することが可能になる。
これを行うための一手法は、ネットワーキングノード(アクセスポイント14)に、異なるステアリングアルゴリズムに対する様々なWi−Fiクライアントデバイス16の挙動をクライアントMACアドレス及びクライアント名を用いて把握させておき、それらをクラウドコントローラー1310に報告させることである。クライアントに特異的なその他の情報、例えばデバイスが使用しているDNS機構、プロトコルスタックバージョン等もコントローラーに報告して、管理しているデバイスのタイプの特定に役立てることができる。このことは、システムがクライアントステアリングアルゴリズムの変更形態を異なるクライアントデバイスの誘導に用いることができるように、クライアントの挙動を学習するのに役立つ。どの手法が最もうまくいくかを学習することと合わせて、システムは、各手法をある特定のWi−Fiクライアントデバイス16に関していかにして最適化できるかについて具体的な詳細を学習することができる。例えば、関連付け解除要求を送ること、及びプローブ要求に応答しないことは、ほとんどのWi−Fiクライアントデバイス16を誘導するのに十分な場合もあるが、誘導の認証失敗を送ることを要求し得るWi−Fiクライアントデバイス16の特定のセットがあってもよい。
推定及び学習に基づく最適化
図43を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、クラウドコントローラーによる、分散Wi−Fiシステム10などのWi−Fiネットワークの推定及び学習処理1400を説明する。ここでまた、本明細書で説明するように、アクセスポイント14(ノード)は、測定区間におけるWi−Fiシステムの様々なパラメーターについて、平均値、分散、及びヒストグラムなどの統計的データを収集し報告する(ステップ1401)。これらのパラメーターは、限定ではないが、スループット、アプリケーションのタイプ、ネットワーク内の全てのノードから/へのクライアントへのトラフィックを消費する信号の強度、空間ストリームの数、チャンネル幅、MCSその他などのクライアントの能力を含む。
クラウドコントローラーは、収集され報告された統計的データを処理するように構成されている(ステップ1402)。データは時系列として収集され、ある場所の全ノードでコレートされて、ネットワーク負荷の全貌が把握される。このデータは、例えば週の曜日、一日の時刻等に基づいて、時間を類似の負荷特徴を有する期間に分割するのに用いられる。それに加えて、データは、時間の相関構造、すなわち自己回帰的特徴を決定するのに用いられる。
処理された統計的データは、クラウドコントローラーが予想、予測、傾向、及び/又は干渉を決定するのに用いられる(ステップ1403)。次に、数分から数時間先、又は数日先の将来の期間の予想を立てることができ、確率的負荷(負荷予測)の代表セットが類似期間の履歴データ並びに過去データを用いて抽出される。負荷予測は、トラフィックの量、並びにアプリケーションのタイプ、及びWi−Fiクライアントデバイス16が異なるノードから取得可能な理論的データレートを含む。このデータは、ネットワークスパンの推量、すなわちWi−Fiクライアントデバイス16がそこからサービスを要求する場所の範囲(ネットワークノードへの信号強度のベクトルにより特定される)を特徴付けるのにも用いられる。Wi−Fiネットワークのスパン及び境界を特定することにより、送信電力、サポートされるデータレートのセットその他などの動作パラメーターの最適化70が可能になる。データはまた、ネットワーク内の冗長ノード、ネットワーク内の配置が悪いノード、並びに負荷に適切に対応するために追加のノードが要求される場合を特定するのに用いられる。
ネットワーク外からの干渉は、全てのノードの全てのチャンネルから時系列として測定又は推量され、収集される。集計干渉レベル並びに特定の干渉アクセスポイント14からの干渉の両方が追跡される。時系列データを時間で分割して、類似の特徴を有する期間を決定する。傾向、定期性、及び自己回帰的特徴が抽出され、数分から数時間先、又は数日先の範囲の、将来の期間の干渉レベルの分布を予測するのに用いられる。ある場所の全ノードで報告された干渉データは、当該場所の異なるノードにより検出された干渉の相関を決定するのに用いられる。相関行列に基づき、あるノードの干渉予想を、全ノードで測定値を加重し合計する予測変数によって、改善することができる。
ノードとそれらに関連付けられているクライアントとの間の信号強度のマトリックスによっては、近隣ノードの送信活動及び近隣クライアントの受信活動は、ノードの性能に変動的な影響を及ぼし得る。送信活動及び受信活動の両方、並びに性能(パケットエラーレート、キュー利用、容量、キュー長さ、パケット遅延、チャンネルビジー度等)に関する時系列データが収集される。いかなるときでも、ノードの性能は、全ての近隣ノード及びWi−Fiクライアントデバイス16の総合的な活動により影響を受ける。しかし、経時的に、当然ながら変化する活動レベルによって、各近隣ノードの活動とノードの異なる性能特徴との関係を司る関数の推量が可能になる。例えば、パケットエラー及び確認応答消失を、近隣ノード又はそのクライアントの活動と相関させることで、隠れノードが検出可能になる。同様に、パケット遅延、ジッター、容量、チャンネルビジー度に影響する関係を各々決定することができ、したがって、あるノードの活動が別のノードの性能に及ぼす影響を決定する重み又は関数によりノード間のエッジがパラメーター化された関係性グラフが構築される。
ネットワーク内のあるクライアントと全ノードとの間の信号強度のベクトルについて収集された時系列データは、ノード軌線の抽出、すなわち直近の過去の軌線に基づき、ノードの(信号強度の空間における)将来の場所の予測を可能にする。このデータは、近い将来の有望なハンドオフ候補を予測するのに用いられる。Wi−Fiクライアントデバイス16の軌線も、それらの移動特徴(例えば静止性、遊動性、移動性、及び多移動性クライアントで区別される)に基づきクライアントを分類するのに用いられる。この分類は、周波数帯域の選択並びにWi−Fiクライアントデバイス16に対応するノードを通知するのに用いられる。
Wi−Fiクライアントデバイス16から収集されたデータはまた、異なるクライアントを特徴付けとプロファイル化し、それらを類似の特徴をもつグループに分類するのに用いられる。クライアントから測定した信号強度、並びにクライアントが使用するMCSレート及びノードが使用するMCSレートが記録されたデータが、パケットエラーレート情報とともに、クライアントとノードとの間の信号強度と可能な容量との関係を推量し較正するのに用いられる。クライアントと対応アクセスポイント14並びに非対応アクセスポイント14との間の、関連付け及びプローブ要求並びにクライアントのハンドオーバーが記録されたデータとともに信号強度情報が、ローミング、アクセスポイントの選択、及びクライアントデバイスの関連付け挙動を分類するのに用いられる。
それに加えて、ノードによってクラウド12に転送されたデータは、異常挙動又はバグを探すために分析されることがある。これらのバグは、分散Wi−Fiシステム10の動作と関連していることもあるし、又は特定のWi−Fiクライアントデバイス16の挙動と関連していることもある。見つかるバグ又は異常挙動は、その挙動を有するWi−Fiクライアントデバイス16のMedia Access Control(MAC)アドレスを検証することによって、特定のタイプのクライアントと関連付けることができる。MACアドレスからデバイスタイプへのマッピングは、どのデバイスタイプにどの問題があるかを理解するために用いることができる。多数のネットワークで挙動に関する統計値を収集することによって、異常蔓延度の正確な統計が含まれる、Wi−Fiクライアントデバイス16の挙動の大規模なデータベースを形成することができる。
推定及び学習処理1400は、最適化70が、決定された予想、予測、傾向、及び/又は干渉に基づき実行されることを可能にする(ステップ1404)。上述した分析は全て、公知の機械学習アルゴリズム及び技法を用いて実施することができる。例えば、異常挙動の調査は、様々なクラスター化アルゴリズム、例えばk平均法、外れ値検出、又は多変量正規分布により行うことができる。この学習は、教師なし学習(異常挙動は未知であり、何でも「正常ではない」ものを探す)でも、教師あり学習(正及び不正の挙動は既知)でもよい。
ホームネットワークの視覚化
ここでまた、Wi−Fiネットワーク、又は他の同様の無線技術は、広く普及している。人々は、自宅、職場、及び公共の場で、例えば学校やカフェ、更には公園でもそれらを使用している。Wi−Fiは、ケーブルを排除し移動性を可能にすることによって、高い利便性を提供する。消費者がWi−Fiで実行する各種アプリケーションは拡大の一途を辿っている。今日、人々は、ビデオトラフィック、オーディオトラフィック、電話での通話、ビデオ会議、オンラインゲーム、及び防犯カメラの映像など、あらゆる種類のメディアの伝送にWi−Fiを使用している。ウェブ閲覧、ファイルのアップロード/ダウンロード、ディスクドライブのバックアップ、及びいくつかのモバイルデバイス用アプリケーションなどの従来のデータサービスも同時に使用されることが多い。
Wi−Fiの人気及び高普及率にもかかわらず、消費者の多くは尚もWi−Fiで苦労している。上述したようなリアルタイムのメディアアプリケーションを供給する難題は、Wi−Fiのスループット、待機時間、ジッター、及び堅牢性に大きな負担をかける。無線ネットワークの性能に対処する定評のある一つの解決策は、より多くの無線機をより密な空間内で提供して、受信デバイスと送信デバイスとの間の無線信号のスペクトル密度及び高周波(RF)信号強度を高めることである。家の中の無線ネットワークを監視することは、環境が動的であることが多く、また、ユーザーの技術知識も限られることがあるため、難しい。したがって、データ視覚化及びネットワークトラブルシューティングのための様々な機構を実装して、分散Wi−Fiシステム10の使い勝手を改善する。この情報は、ユーザーに、web Graphical User Interface(GUI)、又はユーザーデバイス22上で動作するモバイルアプリケーションの一部などであるモバイルGUIフォーマットを通じて提供されることがある。
図44を参照すると、一例示的実施形態では、ネットワーク図が、家庭用のWi−Fiネットワーク1500を説明する。Wi−Fiネットワーク1500は、分散Wi−Fiシステム10等であり得る。Wi−Fiネットワーク1500は、典型的には、インターネット620及びDomain Name System(DNS)1504などのサービスに接続しているゲートウェイノード14Aと、ゲートウェイノード14Aに接続してインターネット620にアクセスし、Wi−Fiクライアントデバイス16にサービスを提供するノード14B、14Cの1つ又は複数と、データを消費及び生成するエンドデバイスであるWi−Fiクライアントデバイス16A、16B、16Cの1つ又は複数と、Wi−Fiクライアントデバイス16のオペレーターであるユーザーと、を含む。ユーザーは人間でも機械でもよい。
ゲートウェイノード14Aは、ノード14B、14Cと同じであり、さらに、モデム/ゲートウェイ18を介してインターネット620に接続している。それに加えて、ゲートウェイノード14Aは、Wi−Fiネットワーク1500とインターネット620との間のインターフェースを管理することができる。ノード14A、14B、14Cは、Wi−Fiネットワーク1500のコアを形成するのに使用され、Wi−Fiクライアントデバイス16と他のノード14との間で、又はノード14から他のノード14へ、又は他のノード14からゲートウェイノード14Aへ、データを渡す中継機能として動作する。Wi−Fiクライアントデバイス16は、ノード14に接続してWi−Fiネットワーク1500へのアクセスを得る。Wi−Fiクライアントデバイス16はアプリケーションを実行し、Wi−Fiネットワーク1500上のデータの生成者及び消費者である。それらはWi−Fiネットワーク1500内の最終接続である。ユーザーは、Wi−Fiネットワーク1500内でWi−Fiクライアントデバイス16を制御する機械又は人間である。ユーザーの一例は、携帯電話(Wi−Fiクライアントデバイス16)を使ってウェブページにアクセスするか、又はモバイルアプリを使用する人である。
Wi−Fiネットワーク1500の異なる構成要素の視覚化は、Wi−Fiネットワーク1500を監視する管理者又は所有者が、大量のデータを視覚的に消費して、Wi−Fiネットワーク1500の状況、性能、及び動作を速やかに理解することを助けるために重要である。したがって、Wi−Fiネットワーク1500の視覚化及びトラブルシューティングを表示するためのシステム及び方法が本明細書で説明される。
図45を参照すると、一例示的実施形態では、スクリーンショットが、Wi−Fiネットワーク1500の視覚化及びトラブルシューティングのためにモバイルアプリケーション又はウェブページと関連付けられたGUI1600を説明する。本明細書で説明するシステム及び方法は、ユーザーデバイス22で動作するモバイルアプリケーションを通じて実現することができる。また、システム及び方法は、任意のウェブブラウザーからアクセス可能なウェブページ、例えばHTMLを通じて実現することができる。GUI1600は、分散Wi−Fiシステム10などのWi−Fiネットワーク1500の視覚化を提供する。
GUI1600では、Wi−Fiネットワーク1500は、Wi−Fiネットワーク1500を、ゲートウェイノード14Aを中心とする配置にすることで、視覚的に表示することができる。ゲートウェイノード14Aは、インターネット620との接続を管理しているので、ほぼ全てのデータのシンク及びソースである。GUI1600では、ゲートウェイノード14Aを円又は他の形状で示して、Wi−Fiネットワーク1500内の1つのエンティティを表示することができる。典型的には、地球又は地球儀の形状の、インターネット接続が当該地球儀を取り囲んでいるアイコンによって、全インターネット接続データのソース及びシンクとしてのゲートウェイノード14Aの機能を表示することができる。つまり、GUI1600ではそれを他のノードと区別するための何らかの指示法がある。ネットワークは1つ又は複数のゲートウェイノード14Aを有することができる。
任意選択により、ノード14B〜14Hの1つ又は複数がゲートウェイノード14Aに接続されて、Wi−Fiネットワーク1500を形成する。ゲートウェイノード14Aと、隣接するノード14B、14C、14E、14Gとの間の接続は、コネクター1602により表示される。コネクター1602は、典型的には、異なる色、透明度、長さ、及び連続性の線である。コネクター1602は、ゲートウェイノード14Aと、隣接するノード14B、14C、14E、14Gとの間のデータ接続を表す。ノードは、ネットワークを延長するために、他のノードへのコネクター1604も有することができる。コネクター1602と同様に、コネクター1604は、異なる色、透明度、長さ、及び連続性を有することができる。具体的には、異なる色、透明度、長さ、及び連続性は、コネクター1602、1604のデータレート、負荷、チャンネル、帯域幅、信号強度その他などの動作的側面を視覚的に示すことができる。
コネクターはまた、それがなければ別々の2つのWi−Fiネットワーク(図45では示さず)間に存在することができる。ネットワーク間のコネクターは、2つの物理的又は論理的に別のWi−Fiネットワークを、場所間でデータを転送する経路を用いて論理的に接続するのに用いられる。ノード14は、別のゲートウェイノード14A又はノード14へのコネクター1602、1604の1つ又は複数を有することができる。
GUI1600では、ゲートウェイノード14A及びノード14B〜14Hのデータ視覚化は、次の特徴を有することができる。アイコンの形状及びイラストレーションは、ノードのタイプを表示することができる。例えば、ゲートウェイノード14Aは、インターネット620への接続を表示するアイコンとして示すことができるが、ノード14B〜14Hは、内部接続だけをサポートすることを示すことができる。アイコンの色は、状況を表示することができる。例えば、赤色は問題を表示するが、白色又は緑色は良好に動作中のノード又はゲートウェイを表示する。
アイコンの透明度は、Wi−Fiネットワーク1500上のノード又はゲートウェイのデータ送信活動を表示することができる。ゲートウェイ又はノードが見つからない場合、見つからないという状況(例えば、切断、電源喪失、装置の障害等)を示すために、元のアイコンの輪郭が違う色で示されることがある。アイコンのサイズは、データ送信活動、又は接続されている他のWi−Fiクライアントデバイス16若しくはノード14の数に基づき、より大きく、又はより小さく示されることがある。
ゲートウェイ又はノードの名前又はニックネームをテキスト形式で示すことができる。名前は、Wi−Fiネットワークの管理者又は所有者が決定することもできるし、接続しているWi−Fiクライアントデバイス16を検証して突き止めることもできる。例えば、典型的な居間のクライアントであるWi−Fiクライアントデバイス16との接続を有するノードは「居間」と名付けられて、ゲートウェイ又はノードが配置されている空間を表示することができる。
コネクター1602、1604は、状況を伝える異なる属性、例えばコネクター1602、1604の長さ、コネクター1602、1604の色、透明度、形状、及び厚さ、並びにコネクター1602、1604のアニメーションで示すことができる。コネクター1602、1604の長さは、ゲートウェイ又はノード間の物理的距離、又はコネクター1602、1604の各端部の信号レベルによって測定される論理的距離を伝えることができる。コネクター1602、1604の色、透明度、形状、及び厚さは、接続の強度を表示することができる。コネクター1602、1604のアニメーションは、活動を示すために膨張又は脈動により表される、コネクター1602、1604上を送信されているデータのアニメーションを含むことができる。
Wi−Fiクライアントデバイス16は、1つのノード又はゲートウェイとの関連付けを有する。Wi−Fiクライアントデバイス16は、異なる可能な接続の利用可能性及び接続の性能に基づき、例えば最適化70又は他の動作条件に基づき、同じWi−Fiネットワーク内のノード又はゲートウェイの間で接続を移動することができる。Wi−Fiクライアントデバイス16のノード又はゲートウェイへの接続は、月が惑星の周りで軌道を描くのと同じように、より大きいオブジェクト(すなわちノード14のアイコン)の周りで軌道を描くオブジェクト1610として視覚化することができる。軌道を描くオブジェクトはWi−Fiクライアントデバイス16であり、惑星はゲートウェイ又はノードである。
Wi−Fiクライアントデバイス16とノード/ゲートウェイとの関係は、次の属性により視覚化することができる。クライアントの色を用いて、Wi−Fiクライアントデバイス16の状況又はタイプを伝えることができる。ノード又はゲートウェイの周りのオブジェクト1610の軌道の形状は、消費又は生成されているアプリケーショントラフィックの活動又はタイプを表示することができる。オブジェクト1610のサイズは、Wi−Fiクライアントデバイス16の能力又は活動を伝えることができる。オブジェクト1610からノード又はゲートウェイまでの距離は、接続の強度又は質を表示することができる。オブジェクト1610の軌道の速度は、活動又は速度を示すことができる。オブジェクト1610の透明度は、活動又はノード若しくはゲートウェイに接続された時間を示すことができる。ネットワークのゲストとして属するWi−Fiクライアントデバイス16は、異なるアイコン、色、透明度、軌道、又はゲストクライアントをホームクライアントと区別する別の識別可能な特徴として示してもよい。Wi−Fiネットワーク1500のユーザーは、いくつかのWi−Fiクライアントデバイス16を所有することがあるので、Wi−Fiネットワーク1500に接続されているクライアントは、クライアントアイコンの代わりにユーザーを表すアイコンとして表してもよい。
アイコン、コネクター1602、1604、及びオブジェクト1610は、視覚化においてそれらと関連付けられた1つ又は複数の視覚表示を有することができる。本明細書で説明するように、異なるアイコン、色、形状、サイズ、透明度、軌道、又は別の識別可能な特徴を用いて、Wi−Fiネットワーク1500の動作と関連する通知をユーザーに伝えることができる。それに加えて、他の通知、例えば特定の警告又は通知(例えば、インターネット接続性の喪失、ゲストのアクセス要求、DNSの問題等)、数値情報(例えば、帯域幅、クライアント接続/切断の数、スループット、負荷)、視覚化(例えば、カバレッジのヒートマップ、干渉等)も意図される。
ヒートマップ
ヒートマップは、ゲートウェイ、ノード、又はクライアントの周りの色又は透明度の階調によって表示され、所与の時間のデバイスの性能又は可能な性能を表示するために用いることができる。ヒートマップは、Wi−Fiネットワーク1500内のデバイスを他のデバイスと比較して相対的な性能を知らせる手早い方法である。比較される性能特徴は、信号強度、信号の質、速度、遅延、パケット消失、ジッター、又は他の類似の統計値に関連し得る。
外部干渉のヒートマップも視覚化することができる。無線ネットワークへの干渉は、特にWi−Fiネットワーク1500のような免許不要の無線ネットワークではよくあることである。無線干渉の持続時間及び強度は、ヒートマップ又は離散数の形態で視覚化して、Wi−Fiネットワーク1500への干渉量を管理者に知らせることができる。干渉を受けているノード、ゲートウェイ、又はクライアントは、例えば、より高い階調の色度によって説明することができる。干渉レベルが低いデバイスは、より低い階調の濃度によって説明することができる。
低性能の領域
Wi−Fiネットワーク1500の一部分が低性能である場合、Wi−Fiネットワーク1500の被影響領域を空白又は対照的な色で示すイラストレーションにより視覚化することができる。Wi−Fiネットワーク1500の被影響領域は、空間における物理的場所又は論理的場所に関連し得る。被影響領域は、信号強度、信号の質、速度、遅延、パケット消失、ジッター、又は他の類似の統計値で相対的に低い性能に関連し得る。
時間スケール
ゲートウェイ、ノード、クライアント、及びユーザーのデータの視覚化は、ネットワークの活動とともに変化する動的な環境である。Wi−Fiネットワーク1500内の変化は、定められた制限時間に基づき、又はイベントに基づき記録され再生されることができる。開始時間及び終止時間を有する制限時間が定められている場合、Wi−Fiネットワーク1500の変化は、異なる再生速度で視覚的に示すことができる。同様に、Wi−Fiネットワーク1500内のイベント又は大きな変化を隔離し再生して、ユーザー又は管理者のためにネットワークの変化及び活動を視覚化することができる。
冗長接続による、インターネット接続不良からの回復
携帯電話及び他の類似のクライアントなどのユーザーデバイス22は、Wi−Fi及びセルラーなどの複数の通信インターフェースを有する。各インターフェースはインターネット接続を同時にサポートすることができるが、クライアントのオペレーティングシステム(OS)は典型的には、コスト、電源、性能、又は他の類似の理由のため、ある接続をその他の接続よりも選好する。Wi−Fiネットワークでは、Wi−Fiへの接続は、必ずしもインターネット620への接続を意味しない。多くの場合、携帯電話のOSは上流のインターネット不良の場合にWi−Fi接続を切断するツールを備えておらず、Wi−Fiクライアントデバイス16は、Wi−Fiネットワーク1500には成功裏に接続しているのにインターネット620に接続できないままになる。ゲートウェイを監視する制御を有するネットワークの場合、インターネットの停止が監視される。
Wi−Fiネットワーク1500内で検出されたインターネット停止の結果、次の動作となる。第1に、やはりインターネット620にアクセス可能な代替(alternate)データ接続を有すると考えられるあらゆるWi−Fiクライアントデバイス16を切断する。この切断の結果、セルラークライアントは、セルラーインターフェースを通じてインターネット620への接続を確立する。第2に、Wi−Fiクライアントデバイス16又はユーザーデバイス22に、Wi−Fiネットワーク1500を監視するモバイルアプリケーションを操作してプッシュ通知を送って、インターネット停止を知らせることができる。Wi−Fiクライアントデバイス16はインターネット接続性のためにセルラー接続に接続されているので、プッシュ通知は受信される。
あるいは、ネットワークゲートウェイのインターネット停止の場合、同時のインターフェースのインターネット接続をサポートする能力のあるクライアント又はノードデバイスは、Wi−Fiネットワーク1500へのゲートウェイとして動作するように動作を変更することができる。したがって、このクライアント又はノードは、Wi−Fiネットワーク1500内の他のノード及びクライアントに対しゲートウェイ機能を提供することになる。インターネット接続性が、新たに形成されたゲートウェイによって確立され共有され、Wi−Fiネットワーク1500に冗長的インターネットアクセスが提供される。要するに、これはゲートウェイフェイルオーバー機構である。
障害の隔離及び分割
Wi−Fiネットワーク1500内の障害は、多数の監視拠点を通じて測定することができる。次の事項を監視して、GUI1600、モバイルアプリケーション、プッシュ通知等を通じるなどして管理者又はユーザーに報告することができる。例えば、ブロードバンドISP接続の速度及び遅延を提供することができる。速度が低速であるか、又は遅延が長い場合、結果としてエンドクライアント及びユーザーにとって低性能となる。DNS情報を提供することができる。DNS情報は、Uniform Resource Locator(URL)をインターネット620での通信のためにインターネットプロトコル(IP)アドレスに変換するのに用いられる。DNSが正しく動作しなければ、エンドユーザーはほとんどのインターネットサービスを利用できない。特定されたDNSが動作しない場合、DNSサーバーのアドレスは、システムによって自律的に、URLからIPアドレスへの変換処理のための既知の有効なDNSに切り換えられることがある。これはDNSフェイルオーバー機構である。
Wi−Fiネットワーク1500内のモデム/ゲートウェイ18は、インターネット接続とホームネットワーク接続とを分ける役割を果たす。モデム/ゲートウェイ18が応答しないか、又はインターネット620への接続維持に失敗した場合、モデムサービスを回復する動作が必要になる。インターネット620上でウェブサイト又は他のコンテンツに通信できないことで示されるインターネット停止は、公知の外部インターネットアドレスへの接続性をチェックすることによって、Wi−Fiネットワーク1500内部を監視することからの検出であり得る。
スループット、遅延、及びパケット消失は、正しい量の性能が異なるノード又はクライアントに送達されているかどうかを判定するための基本的な測定パラメーターである。ホームネットワーキングシステムは、各Key Performance Indicator(KPI)を測定する能力をもつべきであり、相対的又は絶対的性能が基準性能を下回る場合は、問題を解決する処置をとることができる。
クライアントが無効な認証情報のせいでWi−Fiネットワーク1500に接続できないことは、セキュリティ攻撃の兆候であり得る。失敗した攻撃を管理者に通知し、被害にあったクライアントによるアクセスのブロックを実施して、望ましくないアクセスの回避に役立てることができる。
ゲストアクセス
図46を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、Wi−Fiネットワーク1500のゲストアクセス処理1700を説明する。ゲストは、Wi−Fiネットワーク1500の所有者又は管理者によって提供される必要な許可を得て、Wi−Fiネットワーク1500にアクセスすることができる。ゲストアクセスのために、Wi−Fiネットワーク1500は、オープンサービスセット識別子(オープンSSID)を含むことができ、ゲストはこのオープンSSIDに加わることができる(ステップ1701)。クライアントデバイスは、ゲストに、自らがウェブページを介するなどしてWi−Fiネットワーク1500にアクセスしようとしているゲストであることを知らせることができる。Wi−Fiネットワーク1500へのアクセス要求は管理者に送信される。所望により又は必要に応じて、要求しているゲストは、ゲストの名前及びWi−Fiネットワーク1500へのアクセス要件などの、要求についての詳細を追加することができる。
管理者は、ゲストアクセスに関する通知を受信する(ステップ1702)。通知は、モバイルアプリケーション、テキスト、電子メール、又は他の機構を用いることができる。クライアントタイプ、及びクライアントのホストネームなどの、ゲストに関する詳細も示されることがある。それに加えて、ユーザーが追加したあらゆる詳細が管理者に表示されることがある。管理者は、提供された情報に基づきWi−Fiネットワーク1500へのアクセスを許可又は拒否することができる(ステップ1703)。許可した場合、管理者は制限時間を設定することができ、また、ゲストがWi−Fiネットワーク1500上で他のクライアントにアクセスする能力を限定することができる。それに加えて、管理者は、クライアントが実行するアプリケーションを限定することができる。
アクセスを認められると、ゲストクライアントデバイスはWi−Fiネットワーク1500へのアクセスを取得する(ステップ1704)。クライアントデバイスは、ゲストクライアントデバイスに証明書をインストールすることにより接続を安全なものにするオプションを表示する。承認されると、証明書がインストールされ、ゲストクライアントデバイスは安全な暗号化された接続で同じSSIDに再接続される。管理者はいつでも許可を変更するか、又はゲストクライアントデバイスに対しアクセスをブロックすることができる(ステップ1705)。
管理者によって開始されるアクセス
図47を参照すると、一例示的実施形態では、フローチャートが、管理者によって開始されるWi−Fiネットワーク1500のゲストアクセス処理1800を説明する。また、管理者は、テキスト、電子メール、アプリ内メッセージを送信すること、又は他の類似の通信技法によって、ゲストがWi−Fiネットワーク1500にアクセスするように招待することがある。管理者は、ゲストデバイスのアクセスを要求し、ゲストにプロファイルを適用する(ステップ1801)。このプロファイルは、許可されるゲストクライアントの数、制限時間、他のクライアントへのアクセスレベル、帯域幅の限界及び速度、暗号化の要件、許可されるアプリケーション、並びに他の類似のネットワークアクセスの限界についての情報を提供する。ゲストへの招待状が、URLリンク、ユーザーネーム、及びパスワード、又はアクセス証明書のいずれかと一緒にユーザーに送信される。
ゲストに証明書が送信されると、証明書はクライアントデバイスにインストールされる(ステップ1802)。クライアントデバイスがWi−Fiネットワーク1500の範囲内にあるとき、クライアントデバイスは、証明書に埋め込まれた認証情報により、安全にWi−Fiネットワーク1500に加わる。ゲストクライアントデバイスに証明書がインストールされていない場合は、ゲストは、クライアントデバイスに送信された招待状中に提供されるオープンSSIDに加わる(ステップ1803)。ゲストクライアントは次に、ユーザー名/パスワードで接続するオプションを表示するか、又は単に招待状中に提供されたURLを訪れてアクセスすることができる。招待状中に提供された一意のURLへの訪問は、ネットワークへのエントリーの「チケット」として用いられる。
アクセスを認められると、ゲストクライアントデバイスはWi−Fiネットワーク1500へのアクセスを取得する(ステップ1804)。クライアントデバイスは、ゲストクライアントデバイスに証明書をインストールすることにより接続を安全なものにするオプションを表示する。承認されると、証明書がインストールされ、ゲストクライアントデバイスは安全な暗号化された接続で同じSSIDに再接続される。管理者はいつでも許可を変更するか、又はゲストクライアントデバイスに対しアクセスをブロックすることができる(ステップ1805)。任意選択による方法として、管理者は、テキストメッセージ、電子メール、アプリ内招待状、又は別のそのような機構を送信して、ゲストネットワークのSSID及びPre−Shared Key(PSK)を共有することができる。そのような招待により、ゲストはWi−Fiネットワーク1500のSSID及びPSKに簡単に加わることができる。
証明書に基づく認証
様々な制御レベルのWi−Fiネットワーク1500へのアクセスを取得するために、証明書をクライアントデバイスにインストールすることができる。証明書には、Wi−Fiネットワーク1500に加わるための認証要件が含まれ、クラウド12内などの中央サーバーによって制御される。証明書からのプロファイルは、制限時間、他のクライアントへのアクセスレベル、帯域幅の限界及び速度、暗号化の要件、並びに他の類似のネットワークアクセスの限界についての情報を提供する。証明書は、クライアントの製造又は販売の際も含め、いつでもクライアントデバイスにインストールしてよい。クライアントが目的のWi−Fiネットワーク1500の範囲内にあるとき、安全に自動接続することができ、中央サーバーによって管理されるプロファイルに従うことができる。プロファイルはいつでも変更又は破棄され得る。
管理者による認証及び要求のために、2ステップの処理を実施することができる。この場合、Wi−Fiネットワーク1500へのアクセスが証明書により実現された後、管理者は、Wi−Fiネットワーク1500へのフルアクセスを取得するために、クライアントに一意的なコードを入力することによって第2のステップの認証を実行することを要求されることがある。
適合性セキュリティ
Wi−Fiネットワーク1500内の各クライアントに適合性ファイヤーウォール設定を適用することができる。ラップトップコンピューター又は携帯電話などの一部のクライアントは、無数のアプリケーションを実行するために多数のポート及びIPアドレスへのアクセスを要求する。Internet of Things(IoT)センサーなどの他のデバイスがそれらの情報を外部サーバーに渡すためには、狭小な通常は固定されているポート範囲及びIPアドレス接続性しか必要としない。Wi−Fiネットワーク1500は、クライアントがゲートウェイを通じて通信することが許可されるポート及びURL又はIPアドレスを制限することによって、これらのセキュリティ設定を適合的に変更することができる。これらのセキュリティ設定は、経時的に学習されることもあるし、各クライアント接続につき初期接続の際に適用されることもある。クライアントが規定のファイヤーウォール設定から逸脱しようとすると、管理者に警告を送って危険を評価することができる。それに加えて、管理者は、いつでも中央サーバーからファイヤーウォール設定を変更することができる。
本明細書で説明するいくつかの例示的実施形態は、一般又は専用プロセッサー(「1つ又は複数のプロセッサー」)の1つ又は複数、例えばマイクロプロセッサー;中央処理装置(CPU);デジタル信号プロセッサー(DSP):カスタム化プロセッサー、例えばネットワークプロセッサー(NP)又はNetwork Processing Unit(NPU)、Graphics Processing Unit(GPU)等;Field Programmable Gate Array(FPGA)等を、それらを制御するための一意の記憶されたプログラム命令(ソフトウェア及びファームウェアの両方を含む)とともに含んで、特定の非プロセッサー回路と関連して、本明細書で説明する方法及び/又はシステムの一部、ほとんど、又は全部の機能を実装することができることを理解されよう。あるいは、一部又は全部の機能は、プログラム命令が記憶されていない状態のマシンによって実装されるか、又は特定用途向け集積回路(ASIC)の1つ又は複数に実装されてもよく、各機能又は特定の機能の何らかの組合せがカスタム論理又は回路として実装される。当然ながら、前述の手法を組合せて使用してもよい。本明細書で説明する例示的実施形態の一部では、ハードウェアであって任意選択によりソフトウェア、ファームウェア、及びそれらの組合せを有するものに、対応するデバイスは、1セットの動作、ステップ、方法、処理、アルゴリズム、機能、技法等を、デジタル及び/又はアナログ信号で、様々な例示的実施形態について本明細書で説明するようにして実行する「ように構成されているか又はそのようにされている回路」、「ように構成されているか又はそのようにされている論理」等と呼ばれることがある。
さらに、いくつかの例示的実施形態は、本明細書で説明し特許請求する機能を実行するプロセッサーを各々含むことができるコンピューター、サーバー、アプライアンス、デバイス、プロセッサー、回路等をプログラムするためのコンピューター可読コードが記憶されている非一過性コンピューター可読記憶媒体を含むことができる。そのようなコンピューター可読記憶媒体の例としては、限定ではないが、ハードディスク、光学記憶装置、磁気記憶装置、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリー等が挙げられる。非一過性コンピューター可読媒体に記憶される場合、ソフトウェアは、プロセッサー又はデバイス(例えば、任意のタイプのプログラム可能回路又は論理)により実行命令を含むことができ、当該命令は、そのような実行に応答して、様々な例示的実施形態について本明細書で説明するような1セットの動作、ステップ、方法、処理、アルゴリズム、機能、技法等を当該プロセッサー又はデバイスに実行させるものである。
本開示を好ましい実施形態及びそれらの具体的な例を参照して例示し説明してきたが、当業者であれば、他の実施形態及び例も同様に機能し且つ/又は同様の結果を実現することができることは容易に理解できる。そのような均等の実施形態及び例は全て、本開示の趣旨及び範囲内であり、本開示の趣旨及び範囲によって意図されるものであり、以下の特許請求の範囲によって保護されるものとする。

Claims (20)

  1. クラウドベースのコントローラーによって実行される、複数のアクセスポイントを含むWi−Fiネットワークを制御する方法であって、
    前記Wi−Fiネットワークから測定値を取得すること、
    前記測定値に基づいて前記Wi−Fiネットワークの構成を決定すること、及び、
    前記Wi−Fiネットワークを実現するために、前記Wi−Fiネットワークに前記構成を提供すること、を備え、
    前記構成が、前記Wi−Fiネットワークのトポロジーを含むとともに、
    前記トポロジーが、複数のバックホールリンクを介して選択的に相互接続された前記複数のアクセスポイントを含む、方法。
  2. 前記複数のバックホールリンクは、それぞれ1つのチャンネルと1つのチャンネル幅との1つ又は複数を含み、前記構成は、前記測定値に基づいて前記1つのチャンネルと前記1つのチャンネル幅との1つ又は複数を前記バックホールリンクごとに決定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記選択的に相互接続された複数のアクセスポイントは、直接相互に接続されていない少なくとも2つのアクセスポイントが、1つのチャンネルと1つのチャンネル幅との1つ又は複数を含む少なくとも2つのバックホールリンクを介して接続されてなり、前記少なくとも2つのバックホールリンクは、それぞれ異なる動作パラメーターを有している、請求項1に記載の方法。
  4. 前記構成は、前記クラウドベースのコントローラーが実行する最適化処理に基づいて決定されている、請求項1に記載の方法。
  5. 複数のWi−Fiネットワークから追加の測定値を取得することと、前記測定値及び前記追加の測定値を分析し又は学習することと、前記分析又は学習を前記決定することに利用することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記クラウドベースのコントローラーを通じたオンボード化処理によって前記複数のアクセスポイントを最初に構成することを更に含み、前記オンボード化処理は、前記Wi−Fiネットワークと異なる第2のネットワークの前記クラウドベースのコントローラーへの接続を部分的に利用する、請求項1に記載の方法。
  7. 1つのウェブページと1つのモバイルアプリケーションとの1つ又は複数を介して関連する動作状態を伝達するために、前記Wi−Fiネットワークの前記トポロジーの視覚化処理を提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 複数のアクセスポイントを含むWi−Fiネットワークを制御するように構成されているクラウドベースのコントローラーであって、
    前記Wi−Fiネットワークに通信可能に接続されているネットワークインターフェースと、
    前記ネットワークインターフェースに通信可能に接続されている1つ又は複数のプロセッサーと、
    命令が格納されているメモリーと、を備え、
    前記命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサーに、
    前記Wi−Fiネットワークから測定値を取得させ、
    前記測定値に基づき前記Wi−Fiネットワークの構成を決定させ、
    前記構成を前記Wi−Fiネットワークに提供させ、
    前記構成は、前記Wi−Fiネットワークのトポロジーと、バックホールリンクを介して選択的に相互接続された前記複数のアクセスポイントと、を含む、
    クラウドベースのコントローラー。
  9. 前記バックホールリンクは、それぞれ1つのチャンネルと1つのチャンネル幅と1つの帯域幅との1つ又は複数を含み、前記構成は、前記測定値に基づいて前記1つのチャンネルと1つのチャンネル幅と1つの帯域幅との1つ又は複数をバックホールリンクごとに決定することを更に含む、請求項8に記載のクラウドベースのコントローラー。
  10. 前記選択的に相互接続された複数のアクセスポイントは、直接相互に接続されていない少なくとも2つのアクセスポイントが、1つのパラメーターと1つのチャンネル幅と1つの帯域幅との1つ又は複数を含む少なくとも2つのバックホールリンクを介して接続されてなり、前記少なくとも2つのバックホールリンクは、それぞれ異なる動作パラメーターを有している、請求項8に記載のクラウドベースのコントローラー。
  11. 前記構成は、前記クラウドベースのコントローラーによって実行される最適化処理に基づいて決定されている、請求項8に記載のクラウドベースのコントローラー。
  12. 前記メモリーが命令を格納しており、前記命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサーに対して、複数のWi−Fiネットワークから追加の測定値を取得させる処理と、前記測定値及び前記追加の測定値の分析又は学習をさせる処理と、前記決定することに前記分析処理又は学習処理の結果を利用させる処理と、を更に実行させる、請求項8に記載のクラウドベースのコントローラー。
  13. 前記メモリーが命令を格納しており、前記命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサーに対して、前記クラウドベースのコントローラーを通じたオンボード化処理によって前記複数のアクセスポイントを最初に構成させる処理を更に実行させ、前記オンボード化処理は、前記Wi−Fiネットワークと異なる第2のネットワークの前記クラウドベースのコントローラーへの接続を部分的に利用する、請求項8に記載のクラウドベースのコントローラー。
  14. 前記メモリーが命令を格納しており、前記命令は、実行されると、1つのウェブページと1つのモバイルアプリケーションとの1つ又は複数を介して関連する動作状態を伝達するために、前記1つ又は複数のプロセッサーに対して、前記Wi−Fiネットワークの前記トポロジーの視覚化を提供する処理を更に実行させる、請求項8に記載のクラウドベースのコントローラー。
  15. クラウドベースのコントローラーによって制御されるWi−Fiネットワークであって、
    モデム又はルーターに接続される少なくとも1つのゲートウェイノードと、
    前記少なくとも1つのゲートウェイノードを通じて前記モデム又はルーターに接続される1つ又は複数のWi−Fiノードと、を含む複数のアクセスポイントを備え、
    前記複数のアクセスポイントは、それぞれプロセッサーと、命令を格納しているメモリーと、を含み、
    前記命令は、実行されると、前記プロセッサーに、前記Wi−Fiネットワークからの測定値を実行させ、前記測定値を前記クラウドベースのコントローラーに送信させ、前記クラウドベースのコントローラーから前記測定値に基づく動作パラメーターを受信して実行させ、
    前記クラウドベースのコントローラーは、前記測定値に基づいて前記Wi−Fiネットワークの構成を決定し、
    前記構成は、前記Wi−Fiネットワークのトポロジーからなるとともに、前記トポロジーは、複数のバックホールリンクを介して選択的に相互接続された前記複数のアクセスポイントを含む、
    Wi−Fiネットワーク。
  16. 前記複数のバックホールリンクは、それぞれ1つのチャンネルと1つのチャンネル幅と1つの帯域幅との1つ又は複数を含み、前記構成は、前記測定値に基づいて、前記1つのチャンネルと1つのチャンネル幅と1つの帯域幅との1つ又は複数をバックホールリンクごとに決定することを更に含む、請求項17に記載のWi−Fiネットワーク。
  17. 前記選択的に相互接続された複数のアクセスポイントは、直接相互に接続されていない少なくとも2つのアクセスポイントが、1つのチャンネルと1つのチャンネル幅と1つの帯域幅との1つ又は複数を含む少なくとも2つのバックホールリンクを介して接続されてなり、前記少なくとも2つのバックホールリンクは、それぞれ異なる動作パラメーターを有している、請求項17に記載のWi−Fiネットワーク。
  18. 前記構成は、前記クラウドベースのコントローラーが実行する最適化処理に基づいて決定される、請求項17に記載のWi−Fiネットワーク。
  19. 前記複数のアクセスポイントは、前記クラウドベースのコントローラーを通じたオンボード化処理によって最初に構成され、前記オンボード化処理は、前記Wi−Fiネットワークと異なる第2のネットワークの前記クラウドベースのコントローラーへの接続を部分的に利用する、請求項17に記載のWi−Fiネットワーク。
  20. ウェブページとモバイルアプリケーションとの1つ又は複数を介して関連する動作状態を伝達するために、前記Wi−Fiネットワークの前記トポロジーの視覚化処理が提供されている、請求項17に記載のWi−Fiネットワーク。
JP2018568184A 2016-03-18 2017-03-20 Wi−Fiネットワークのクラウドベース制御 Active JP6820954B2 (ja)

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