JP7370815B2 - 通信装置、制御方法、およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、通信に用いるリンクの確立に関する。
ネットワークを構築する基地局として動作する複数のアクセスポイント(AP)が夫々構築したネットワークを包括して一つのネットワークとして扱う技術がある。このような、複数のAPが構築したネットワークを包括したネットワークを、Multi-APネットワーク(MAPネットワーク)という。MAPネットワークには、MAPネットワーク全体を制御する制御装置が含まれる。このような制御装置をMulti-AP Controller(コントローラ)という。また、MAPネットワークに属し、コントローラによって制御されるAPを、Multi-AP Agent(エージェント)という。
コントローラとエージェント、およびエージェントとエージェントは、バックホールリンクという通信リンクを確立してバックホール通信を行う。コントローラは、MAPネットワークに属するエージェントからバックホール通信を介して取得した情報を用いて、該MAPネットワークに属する複数のエージェント間の効率的なネットワーク制御を実現することができる。
特許文献1には、バックホール通信を介して接続された複数のエージェントから成るネットワークを制御することが開示されている。
特表2019-509703号公報
MAPネットワークのエージェントとして動作するAPが、複数の無線I/F(Interface)を持つことで、同時に複数の周波数帯における無線ネットワークを構築することができる場合がある。同時に複数の周波数帯における無線ネットワークを複数構築できるAPは、同一のAPとの間にバックホール通信のためのバックホールリンクを複数確立することができる場合がある。このような場合に、MAPネットワークにおいてコントローラはMAPネットワーク全体を制御する装置であるので、MAPネットワークにおけるバックホールリンクの確立を制御することが好ましい。
上記を鑑み、本発明は、基地局の間で複数のリンクを確立する場合に、複数の基地局から構成されるネットワークを制御する通信装置が該リンクの確立を制御できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の1つの側面としての通信装置は、通信装置であってネットワークを構築する機能を有する基地局と通信する通信手段と、前記通信手段によって通信する基地局を含む、複数の基地局によって構成されるネットワークを制御する制御手段と、前記制御手段によって制御するネットワークに含まれる第1の基地局と第2の基地局との間に、通信に用いるリンクが複数確立されるように、前記第1の基地局と前記第2の基地局との少なくとも一方にメッセージを送信する第1の送信手段と、を有し、前記メッセージは、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に第1の周波数帯域の第1のリンクと、前記第1の周波数帯域とは周波数帯域が異なる第2のリンクを含む複数のリンクの確立を引き起こすためのメッセージであり、前記通信装置は更に、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に複数のリンクが確立されている場合に、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に前記複数のリンクが必要かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって、前記複数のリンクが必要ないと判定された場合に、前記複数のリンクの内の一方を停止させるための第2のメッセージを送信する第2の送信手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、基地局の間で複数のリンクを確立する場合に、複数の基地局から構成されるネットワークを制御する通信装置が該リンクの確立を制御できる。
AP101、AP102、およびAP103が参加するネットワークの構成を示す図である。 AP101のハードウェア構成を示す図である。 AP102およびAP103がバックホールリンクを複数確立する場合に実行する処理の一例を示すシーケンス図である。 AP102およびAP103の間に複数のバックホールリンクを確立させる際にAP101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 AP102およびAP103の間に複数のバックホールリンクを確立させるかを判定する際にAP101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 AP103と複数のバックホールリンクを確立する際にAP102が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 AP102およびAP103の間に確立された複数のバックホールリンクの内、所定のバックホールリンクを停止する際に、AP101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 AP102およびAP103がバックホールリンクを複数確立する場合に実行する処理の別の一例を示すシーケンス図である。
以下、添付の図面を参照して実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
図1に本実施形態に係るアクセスポイント(AP)101が参加するネットワークの構成を示す。AP101、102、および103は、夫々ネットワーク(BSS, Basic Service Set)を構築する機能を有するアクセスポイントである。AP101はネットワーク106を、AP102はネットワーク107および108を、AP103はネットワーク109を夫々構築している。STA104、および105は、ネットワークに参加する機能を有するステーションである。STA104はネットワーク106に、STA105はネットワーク109にそれぞれ参加している。なお、AP101は、WAN(Wide Area Network)110に接続しており、インターネット等の外部のネットワークとの通信が可能である。
本実施形態において、ネットワーク106、107、108、および109は、IEEE802.11シリーズ規格に準拠した無線LANのネットワークである。具体的には、各ネットワークは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be規格の少なくとも何れか一つに対応するネットワークである。なお、IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略である。
あるいは、各ネットワークは、IEEE802.11シリーズ規格に加えて、Bluetooth(登録商標)、NFC、UWB、ZigBee、MBOAなどの他の通信規格に対応していてもよい。なお、UWBはUltra Wide Bandの略であり、MBOAはMulti Band OFDM Allianceの略である。また、NFCはNear Field Communicationの略である。UWBには、ワイヤレスUSB、ワイヤレス1394、WiNETなどが含まれる。また、IEEE802.11シリーズ規格に加えて、Wi-Fi Allianceが策定したWi-Fi Direct規格などの規格に対応していてもよい。また、有線LANなどの有線通信の通信規格に対応していてもよい。
また、本実施形態において、AP102は、複数の無線インターフェースを有しており、同時に複数のネットワーク(ネットワーク107、および108)を構築することができる。この場合に、ネットワーク107および108は、利用する周波数帯域が異なる。例えばネットワーク107が2.4GHz帯を利用している場合、ネットワーク108は5GHz帯を利用する。あるいは、ネットワーク107と108とは、利用する周波数帯域が同じであっても、干渉が少ない周波数チャネルを利用すればよい。例えば、ネットワーク107が5GHz帯におけるW52に属するチャネルを利用する場合、ネットワーク108はW53に属するチャネルを利用すればよい。このように、AP102は複数のネットワークを同時に維持することができる。
本実施形態において、AP101、102、および103はWi-Fi EasyMesh規格に対応している。この場合に、ネットワーク106、107、108、および109を包括したネットワークを、MAP(Multi-AP)ネットワーク111とする。MAPネットワーク111は、AP101、102、および103を含むネットワークである。AP101は、MAPネットワーク111全体を制御する役割を有するMulti-APコントローラ(コントローラ)として動作する。また、AP102、および103は、MAPネットワーク111においてコントローラからの制御指示に基づいて動作する役割を有するMulti-APエージェント(エージェント)として動作する。なお、AP101は、コントローラとしての機能だけではなく、エージェントとしての機能を有していてもよい。この場合に、AP101のコントローラとエージェント間は内部的なデータのやりとりで制御処理を行う。なお、本実施形態において、MAPネットワーク111のコントローラは、APとしての機能も有しているとしたが、これに限らず、APとしての機能を有していなくてもよい。
コントローラであるAP101と、エージェントであるAP102および103は、MAPネットワーク111を介して通信することができる。具体的には、エージェントであるAP102は、コントローラであるAP101が構築したネットワーク106にSTAとして参加するためのバックホールSTA機能を有している。エージェントであるAP102がバックホールSTA機能によって、コントローラであるAP101が構築したネットワーク106に参加することで、AP101とAP102とが通信することができる。なお、AP102がAPとしてSTAと接続するための機能はフロントホールAP機能という。AP102が構築したネットワーク107にAP103がSTAとして参加することで、AP103はAP102を介してAP101と通信することができる。このように、エージェントであるAP102および103は、APとしてネットワークを構築するのと同時に、STAとして別のAPが構築したネットワークに参加することで、MAPネットワーク111に参加することができる。エージェントであるAP102あるいは103がSTAとして参加する別のAPが構築したネットワークは、AP102あるいは103からみた場合、バックホールBSSとよぶ。一方、AP102あるいは103がAPとしてSTAまたは別のAPを参加させるネットワークは、AP102あるいは103からみた場合、フロントホールBSSとよぶ。つまり、同一のネットワークについて、該ネットワークを構築したAPから見た場合はフロントホールBSSとよぶが、該ネットワークに参加したAPから見た場合はバックホールBSSとよぶ。
なお、エージェントであるAPが、別のAPが構築したネットワークに参加した際に確立した、該別のAPとの通信に用いるリンクをバックホールリンクという。この場合に、自装置が構築したネットワークに参加したAPとバックホールリンクを確立したAPによっては、該バックホールリンクはフロントホールBSSを介して確立されたことになる。一方、別のAPが構築したネットワークに参加し、該別のAPとバックホールリンクを確立したAPにとっては、該バックホールリンクはバックホールBSSを介して確立されたことになる。
なお、コントローラやエージェントは、通常のSTAが参加するネットワークと、エージェントが参加するネットワークとを区別してもよいし、同一のネットワークとしてもよい。
また、エージェントやコントローラがSTAと確立するリンクは、フロントホールリンクという。
コントローラであるAP101は、MAPネットワーク111内のエージェントやSTAを管理および制御する。例えば、コントローラであるAP101は、バックホールリンクを介して所定の制御メッセージを送信することで、エージェントであるAP102やAP103が構築するネットワークの周波数チャネルや送信電力を制御することができる。これに加えて、あるいは代えて、コントローラであるAP101は、エージェントであるAP102またはAP103を異なるネットワークへ移行させてもよい。あるいは、AP101はこれらに加えて、あるいは代えて、STAのステアリングを制御することができる。例えばAP101は、MAPネットワーク111に属するAP103が構築しているネットワーク109に参加しているSTA105の接続先を、AP101が構築しているネットワーク106に移行させるローミングを行うことができる。あるいは、AP101はこれらに加えて、あるいは代えて、AP-STA間あるいはAP-AP間のデータトラフィックを制御や、各ネットワークの診断などを行うことができる。また、AP101は、これらに加えて、あるいは代えて、エージェントであるAP102や103から、バックホールリンクを介してネットワークに関する情報を取得することができる。
エージェントであるAP102および103は、コントローラであるAP101に、バックホールリンクを介してネットワークに関する情報を通知することができる。AP102や103が通知するネットワーク情報とは、例えばエージェント自身の能力情報(HT Capabilityや、VHT Capabilityなど)や、エージェントに接続しているSTAやAPの能力情報である。あるいは、エージェントの能力情報として、エージェント自身の無線インターフェース(無線I/F)に関する情報を、コントローラに通知してもよい。無線I/Fに関する情報とは、例えば、エージェントが有する無線I/FのMACアドレスや、エージェントが対応している無線LANの通信方式などである。なお、エージェントが無線I/Fを複数有している場合、夫々の無線I/Fに関する情報をコントローラに通知してもよいし、一部の無線I/Fに関する情報のみを通知してもよい。また、無線I/Fに限らず、エージェントが有線インターフェース(有線I/F)を有している場合は有線I/Fの能力情報も含めるようにしてもよい。有線I/Fの能力情報とは、例えば有線I/FのMACアドレスや有線における物理リンクレートの情報などを指す。
コントローラであるAP101からの制御指示は、バックホールリンクを経由して各エージェント(AP102およびAP103)に送受信される。本実施形態ではAP101とAP102間、AP102とAP103間でバックホールリンクが確立され、通信が行われる。具体的には、AP102はネットワーク107および108を構築しつつ、AP101が構築したネットワーク106にバックホールSTAとして接続することができる。このとき、AP101からみたネットワーク106はフロントホールBSSとよぶが、AP102からみたネットワーク106はバックホールBSSとよぶ。AP101とAP102との間には、ネットワーク106を介してバックホールリンクが確立される。AP103においても同様に、ネットワーク109を構築しつつ、AP102の構築するネットワーク107および108の少なくとも一方に、バックホールSTAとして接続することができる。この場合、AP102からみたネットワーク107および108はフロントホールBSSとよぶが、AP103からみたネットワーク107および108はバックホールBSSとよぶ。これにより、AP102とAP103の間でバックホールリンクが確立される。本実施形態においては、AP102とAP103との間には、ネットワーク107および108の夫々を介したバックホールリンクが確立されてもよいものとする。つまり、AP102とAP103との間で複数のバックホールリンクが確立されてもよい。この場合に、ネットワーク107とネットワーク108とはそれぞれ干渉が小さい周波数帯域を利用するネットワークであるものとする。例えば、一方の周波数帯域が2.4GHz帯域であって、他方の周波数帯域が5GHz帯域である。
本実施形態では、コントローラとしての機能を有する装置として、APを例としたが、これに限らず、PCやタブレット、スマートフォン、携帯電話、テレビなどの通信装置であってもよい。エージェントとしての機能を有する装置についても同様である。何れの装置も、図2に示したハードウェア構成を満たすものであればよく、これらに限定されない。
図2にAP101のハードウェア構成を示す。AP101は電源部201、入力部202、出力部203、通信部204、アンテナ205、記憶部206、および制御部207を備える。
電源部201は、後述の各ハードウェアに電源を供給する電源部である。電源部201は、例えばAC(Alternating Current)電源あるいはバッテリから電力を取得する。
入力部202はユーザからの各種操作の受付を行う。例えば、ボタンやキーボードなどのモジュールが含まれる。出力部203はユーザに対して各種出力を行う。ここで出力部203による出力とは、例えば、LEDへの表示や画面上の表示、スピーカによる音声出力、振動出力などの少なくとも1つを含む。なお、タッチパネルのように入力部202と出力部203の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。また、入力部202および出力部203は、夫々AP101と一体であってもよいし、別体であってもよい。
通信部204は、IEEE802.11シリーズ規格に準拠した無線通信の制御を行う。これに加えて、あるいは代えて、通信部204は、IEEE802.3準拠によって規定される有線LAN等の有線通信の制御や、IP通信の制御を行ってもよい。通信部204は、アンテナ205を介して無線信号の送受信を行う。なお、AP101が複数のネットワークを同時に構築できる場合、AP101は通信部204およびアンテナを複数有していてもよい。
また、通信部204は無線I/Fを含む。無線I/FにはRF(Radio Frequency)回路や無線LANチップ等が含まれる。通信部204は、複数の無線I/Fを含んで良く、例えば2.4GHz帯に対応した無線I/Fと5GHz帯に対応した無線I/Fをそれぞれ含んで構成するようにしてもよい。本実施形態においては、AP101は1つの無線I/Fを有し、AP102およびAP103は2つの無線I/Fを有するものとする。
記憶部206はROMやRAM等の1以上のメモリにより構成され、後述する各種動作を行うためのコンピュータプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の各種情報を記憶する。ROMはRead Only Memoryの、RAMはRandom Access Memoryの夫々略である。なお、記憶部206として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。また、記憶部206が複数のメモリ等を備えていてもよい。
制御部207は、例えばCPUやMPU等の1以上のプロセッサにより構成され、記憶部206に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、AP101全体を制御する。なお、制御部207は、記憶部206に記憶されたコンピュータプログラムとOS(Operating System)との協働により、AP101全体を制御するようにしてもよい。また、制御部207は、他の通信装置との通信において送信するデータや信号を生成する。なお、CPUはCentral Processing Unitの、MPUは、Micro Processing Unitの略である。また、制御部207がマルチコア等の複数のプロセッサを備え、複数のプロセッサによりAP101全体を制御するようにしてもよい。
また、制御部207は、記憶部206に記憶されたMAP(Multi-AP)コントローラ部208、およびMAPエージェント部209として制御部207を機能させるプログラムを実行する。MAPコントローラ部208は、AP101をMAPネットワーク111のコントローラとして動作させるためのプログラムである。また、MAPエージェント部209は、AP101をMAPネットワーク111のエージェントとして動作させるためのプログラムである。AP101がコントローラの役割とエージェントの役割を両方同時に担う場合、MAPコントローラ部208とMAPエージェント部209との両方の機能が実行される。AP101がコントローラの役割のみを担う場合、つまりエージェントの役割は担わない場合には、MAPコントローラ部208の機能のみが実行される。この場合、MAPエージェント部209の機能は無効化されていてもよい。同様にAP101がエージェントの役割のみを担う場合、つまりコントローラの役割は担わない場合には、MAPエージェント部209の機能のみが実行される。この場合、MAPコントローラ部208の機能は無効化されてもよい。
また制御部207は、記憶部206に記憶されたプログラムを実行することで、バックホールリンクを確立するために、WPSに準拠した無線LANのパラメータの設定処理を実行する。WPSとは、Wi-Fi Allianceによって策定されたWi-Fi Protected Setup規格のことである。AP101は、WPSに準拠したパラメータの設定処理を行うことで、バックホールリンクを確立するための通信パラメータを、他のAPと共有することができる。なお、通信パラメータには、SSID(Service Set Identifier)と、暗号化方式と、暗号鍵と、認証方式と、認証鍵との少なくとも何れか一つが含まれる。また、通信パラメータに加えて、使用する周波数帯域の情報などが含まれてもよい。また、制御部207は、記憶部206に記憶されたプログラムを実行することで、WPSに加えて、あるいは代えて、よりセキュリティの高いDPPに準拠した通信パラメータの設定処理を実行できてもよい。なお、DPPとはWi-Fi Allianceによって策定されたDevice Provisioning Protocol規格の略である。
AP102および103もAP101と同様のハードウェア構成を有する。なお、AP102および103は、コントローラとしての機能を有さなくてもよい。この場合、制御部207は、MAPコントローラ部208の機能を有さなくてもよい。
図3は、AP102およびAP103がバックホールリンクを複数確立する場合に実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
本実施形態ではまず、AP101が構築しているネットワーク106にAP102がバックホールSTAとして接続し、バックホールリンクを確立し、AP101に対してエージェントとして登録される。これにより、AP101とAP102とが含まれるMAPネットワーク111が構築される。次に、AP103がMAPネットワーク111に参加するためにAP102が構築しているネットワーク107に接続し、AP102とのバックホールリンクを確立する。AP103はAP102とのバックホールリンクを確立すると、AP102を介してAP101にエージェントとして登録される。その後、コントローラであるAP101の制御により、AP102とAP103との間に、ネットワーク108を介して二つ目のバックホールリンクを確立する。以上の流れを図3で示したシーケンス図に沿って説明する。
本シーケンスは、AP101が構築したネットワーク106にAP102がバックホールSTAとして参加している状態で開始される。AP102は、ネットワーク106に参加すると、コントローラを探索する探索信号として、IEEE1905.1のAP-Autoconfiguration Searchメッセージをマルチキャストで送信する(F301)。
AP101は、AP102から送信された探索信号を受信すると、コントローラとして動作している場合、応答信号としてAP-Autoconfiguration ResponseメッセージをAP102に送信する(F302)。
AP102は、応答信号を受信すると、自装置をコントローラであるAP101に登録するための登録要求信号として、AP-Autoconfiguration WSCメッセージをAP101に送信する(F303)。このメッセージには、WSC(Wi-Fi Simple Configuration)規格に準拠したM1メッセージに相当するメッセージが含まれる。具体的には、このメッセージには、AP102のMACアドレスや、デバイス名などの情報が含まれる。また、これに加えて、登録要求信号には、AP102の無線通信に関する能力情報が含まれる。具体的には、無線通信に関する能力情報として、AP102が利用可能な周波数帯域(2.4GHzおよび5GHzの少なくとも一方)に関する情報や、利用可能な周波数チャネルに関する情報が含まれる。また、これらの情報に加えて、あるいは代えて、AP102が参加しているネットワーク106を、MAPネットワーク111内で一意に識別するための識別子が含まれてもよい。
なお、この登録要求信号を拡張して、AP102に含まれるバックホールSTAとして動作可能な無線I/Fに関する情報を含めるようにしてもよい。無線I/Fに関する情報とは、具体的には無線I/FのMACアドレスである。また、登録要求信号を拡張することで、AP102が構築可能なフロントホールBSSの内、他のAPが参加可能なBSSに関する情報を含めるようにしてもよい。BSSに関する情報とは、具体的には、該BSSのBSSIDである。また、他のAPが参加可能なBSSに関する情報として、該当のBSSを構築済みか、あるいは未構築かの情報を含んでもよい。更に、登録要求信号を拡張することで、AP102がバックホールリンクを同時に複数確立できるか否かの能力情報を含めてもよい。
AP101は、登録要求信号を受信すると、登録応答信号として、AP-Autoconfiguration WSCメッセージをAP102に送信する(F304)。AP101においてエージェントとして登録に成功した場合、登録応答信号にはWSCのM2メッセージに相当するメッセージが含まれる。この場合、登録応答信号には、AP101のデバイス名と、エラーが発生しなかったことを示す情報が含まれる。また、登録応答信号には、ネットワーク106をMAPネットワーク111内で一意に識別するための識別子が含まれる。登録応答信号に含まれる識別子は、登録要求信号に含まれる識別子と同一であってもよい。なお、AP101において、AP102の登録に何らかのエラーが発生し、失敗した場合、エラーが発生したことを示す登録応答信号が送信される。
なお、AP102は、F304でAP101から受信した登録応答信号に応じた通知をユーザに行ってもよい。例えば、AP102はエラーが発生しなかったことを示す情報を含む登録応答信号を受信した場合、登録に成功したことをユーザに通知する。あるいは、AP102は、MAPネットワーク111に参加したことをユーザに通知してもよい。一方、AP102はエラーが発生したことを示す情報を含む登録応答信号を受信した場合、登録に失敗したことをユーザに通知する。あるいは、MAPネットワーク111に参加できなかったことをユーザに通知してもよい。また、登録応答信号にエラーの原因を示す情報が含まれている場合、エラーの原因をユーザに通知してもよい。
なお、本実施形態では、AP102の無線I/Fに関する情報や、他のAPが参加可能なBSSに関する情報が、AP102から送信される登録要求信号に含まれるとしたが、これに限らない。AP101は、F304までの処理が完了した後で、AP102にこれらの情報を問い合わせるためのクエリメッセージを送信し、その応答メッセージを受信することで、これらの情報をAP102から取得するようにしてもよい。同様に、AP102がバックホールリンクを同時に複数確立できるか否かの能力情報もクエリメッセージを送信し、その応答メッセージを受信することで取得するようにしてもよい。
あるいは、Wi-Fi EasyMesh規格の複数のバージョンの内、複数のバックホールリンクの確立に対応可能なバージョンがある場合、AP102が対応する該規格のバージョンを問い合わせてもよい。この場合、AP101は、AP102が対応するWi-Fi EasyMesh規格のバージョン情報に基づいて、AP102が複数のバックホールリンクを確立可能か判定することができる。
上記の処理を行うことで、コントローラであるAP101に、MAPネットワーク111のエージェントとしてAP102が登録される。また、AP101は、AP102の無線I/Fや他のAPが参加可能なBSSに関する情報、およびAP102の複数バックホールリンク確立に関する能力情報を取得することができる。
続いて、AP102とAP103間でバックホールリンクを確立する。この場合に、エージェント間でOSI参照モデルのレイヤ2(データリンク層)におけるリンクを確立する処理をオンボーディング処理という。ここでは、AP102および103の間でオンボーディング処理を実施することでMAPネットワーク111にAP103を追加することができる。図3に示したフローでは、WPS規格に準拠した方法によるオンボーディング処理を行う。
まず、AP102とAP103においてオンボーディング処理を開始するために、ユーザはそれぞれに備えられたボタンを押下する。このボタンはWPS規格に準拠したPBC(Push Button Configuration)方式による通信パラメータの設定処理に用いられるボタンと併用であってもよい。
AP102とAP103において、ボタンが押下されると、WPS規格に準拠した方法によるオンボーディング処理が開始される。まず、AP102はWPS処理を開始していることを示す情報を含んだBeaconを送信する。AP103はAP102の送信するBeaconを受信することで、WPSを実施しているAPとしてAP102を検出する。あるいは、AP103はProbe Requestを送信し、その応答であるProbe ResponseをAP102から受信することで、AP102を検出してもよい。
AP103はWPSを実施しているAPとしてAP102を検知すると、Association RequestをAP102に送信する(F305)。その際、Association RequestにはMAP IE(Multi-AP Information Element)を付加して送信する。MAP IEは、Wi-Fi EasyMesh規格に準拠した情報要素であって、AP103がバックホールSTAとしてAssociation Requestを送信していることを示す情報が含まれる。
AP102はAssociation Requestを受信すると、その応答としてAssociation ResponseをAP103に送信する(F306)。Association ResponseにもMAP IEが含まれる。AP102から送信されるMAP IE内には、接続先のネットワーク107が他のAPが接続可能なBSSであることを示す情報が含まれる。
なお、AP102および103は、夫々Association Request、およびAssociation Responseに、自装置が複数バックホールリンクを確立可能かを示す情報を含めて送信するようにしてもよい。
AP103はAssociation Responseを受信すると、AP102との間でWPS処理を実施し、AP103が参加可能なAP102のフロントホールBSSの通信パラメータを共有する(F307)。本実施形態では、ここで、AP102からAP103に、AP103が参加可能なAP102のフロントホールBSSの通信パラメータとしてネットワーク107の通信パラメータが提供されるものとする。なお、WPS処理で送受信される無線LANのフレームにはMAP IEが含まれる。また、AP103からみた場合、ネットワーク107はバックホールBSSとよばれる。
AP103がWPS処理によってAP102と通信パラメータを共有すると、AP102とAP103との間の通信リンクは一度切断される。その後、AP103はWPS処理によって取得したAP102のフロントホールBSSの通信パラメータを用いて、AP102に対してAssociation Requestを送信する(F308)。
AP102はAssociation Requestを受信すると、AP103に対して応答としてAssociation Responseを送信する(F309)。なお、Association Request、およびAssociation Responseの夫々には、MAP IEが付加されて送信される。以上の処理により、AP102とAP103との間でバックホールリンクが確立される。その後、必要に応じて4way-Handshakeによりバックホールリンクの暗号化の処理がなされる。
次に、エージェントAP103をコントローラであるAP101に登録する。具体的には、AP103がコントローラを探索し、登録要求を送信する。F310~F313の処理は、前述のF301~F304の処理と同様であるため、説明は省略する。また、AP101は、AP102の時と同様に、AP103の無線I/Fや他のAPが参加可能なBSSに関する情報、およびAP103の複数バックホールリンク確立に関する能力情報を取得する。
本実施形態において、AP101は、AP102およびAP103の無線I/Fや他のAPが参加可能なBSSに関する情報、および複数バックホールリンク確立に関する能力情報を取得できたものとする。ここで、AP101は、AP102とAP103との間に複数バックホールリンクを確立させるかの判定処理を実施する(F314)。AP101が実施する判定処理の詳細は、後述の図5で説明する。ここでは、AP101は、AP102とAP103との間で、バックホールリンクを複数確立させると判定したものとする。
AP101は、判定結果に応じて、複数バックホールリンクの確立を開始するための開始メッセージであるバックホール確立開始メッセージをAP102に送信する(F315)。このメッセージはバックホールリンクを確立する際に利用するBSSとして指定されたネットワークを示す情報を含む。具体的には、指定されたネットワークのBSSIDを含む。あるいは、指定されたネットワークをAP101とAP102との間で一意に識別可能にする識別子を含んでもよい。本実施形態では、AP102が構築したネットワーク108がバックホールリンクを確立する際に利用されるネットワークとして指定される。なお、ネットワーク108は、AP102からみた場合はフロントホールBSSとよばれるが、AP103からみた場合はバックホールBSSとよばれる。また、これに加えて、指定されたネットワークが利用する周波数帯域、および周波数チャネルを示す情報を含んでも良い。さらに、新たなバックホールリンクを確立するために、AP102とAP103との間で通信パラメータの設定処理を行う必要がある場合、設定処理の方式を指定する情報が開始要求に含まれてもよい。通信パラメータの設定処理の方式としてはWPS方式あるいはDPP方式が選択される。なお、AP102から取得した情報に基づき、新たにバックホールリンクを確立するために利用されるネットワークが未構築であると判定された場合は、該ネットワークを構築するように指示する情報が開始要求に含まれていてもよい。
AP102は、AP101から開始要求を受信すると、指定されたネットワークを介したバックホールリンクの確立が可能かを判定する。AP102は判定結果を示す情報を含む開始応答メッセージであるバックホール確立開始応答メッセージをAP101に送信する(F316)。なお、指定されたネットワークを介したバックホールリンクの確立ができないと判定されるのは、例えば以下のような場合である。バックホールリンクの確立にWPS方式による通信パラメータの設定処理が必要な場合であって、既にAP102が他の装置とのWPS方式による通信パラメータの設定処理を実行中である場合、バックホールリンクの確立が実行できないと判定される。なお、AP102がバックホールリンクの確立を実行できないと判定する場合は、これに限らない。
AP101はAP102から受信したバックホール確立開始応答メッセージに、AP102がバックホールリンクを確立可能であると示す情報が含まれている場合、AP103に対しても開始メッセージを送信する(F317)。ここでAP103に送信される開始メッセージは、F315でAP102に送信された開始メッセージと同様である。なお、F315で開始メッセージに含まれていた情報に代えて、あるいは加えて、AP103においてバックホールSTAとして動作する無線I/Fを指定するための情報が含まれていてもよい。
AP103は、バックホール確立開始メッセージを受信すると、AP102と同様にバックホールリンクを確立可能かを判定し、判定結果を含むバックホール確立開始応答メッセージをAP101に送信する(F318)。ここでは、AP103は、AP101にバックホールリンクを確立可能であることを示す開始応答メッセージを送信したものとする。
AP101はAP103から受信した開始応答メッセージに、AP103がバックホールリンクを確立可能であると示す情報が含まれる場合、AP102とAP103との間で新たなバックホールリンクが確立されるかを待ち受ける。なお、受信した開始応答メッセージに、AP103がバックホールリンクを確立可能ではないと示す情報が含まれていた場合、AP102に対してバックホールリンクの確立をキャンセルするためのメッセージを送信する。この場合に、AP102およびAP103における二つ目のバックホールリンクの確立処理は停止される。あるいはこれに限らず、AP101は一定時間経過した後に、再度AP103にバックホール確立開始メッセージを送信するようにしてもよい。
尚、本実施形態ではバックホール確立開始メッセージを、F315およびF317において、AP102およびAP103に順に送信したが、順番はこれに限らない。AP102およびAP103に同時に送信してもよいし、送信順が逆であってもよい。あるいは、MAPネットワーク111内でブロードキャスト、あるいはマルチキャストでバックホール確立開始メッセージを同報送信するようにしてもよい。
一方、AP102およびAP103は、夫々F316およびF318でバックホールリンクの確立が可能であることを示す開始応答メッセージを送信した後、バックホールリンクの確立処理を開始する。なお、AP102において、指定されたネットワークを未構築である場合、AP102はまず該当のネットワークを構築する。本実施形態においては、指定されたネットワークがネットワーク108であるものとする。AP102およびAP103は、前述のF305~F309で行ったオンボーディング処理と同様の処理を、ネットワーク108について実行する(F319~F323)。
AP102および103においてオンボーディング処理が完了し、AP102およびAP103の間に二つ目のバックホールリンクが確立されると、AP102はバックホール確立完了メッセージをAP101に対して送信する(F324)。同様に、AP103も、AP101にバックホール確立完了メッセージを送信する(F326)。
AP101はバックホール確立完了メッセージを受信すると、AP102およびAP103に対してバックホール確立確認メッセージを送信する(F325、F327)。なお、バックホール確立確認メッセージには新たに確立されたバックホールリンクを、MAPネットワーク111内において一意に識別可能な識別子を含んでもよい。AP101は、以降この識別子を用いて該当のバックホールリンクの制御をエージェントに指示することができる。
なお、バックホールリンクの確立に失敗した場合は、バックホールリンクの確立の失敗を示す情報を含むバックホール確立エラーメッセージを、バックホール確立完了メッセージに代えてAP101に送信してもよい。AP101は、AP102および103の少なくとも一方からバックホール確立エラーメッセージを受信した場合、AP102および103にバックホールリンクの確立を停止させるための停止メッセージを送信する。
また、バックホール確立完了メッセージおよびバックホール確立エラーメッセージについて、AP102とAP103の両方からAP101に送信するとしたが、これに限らず何れか一方からのみ送信されるようにしてもよい。
また、本実施形態ではF315~F318、およびF324~F327で通信されたメッセージはIEEE1905.1規格に準拠したフォーマットで送信されるが、これに限らず、異なるフォーマットのメッセージであってもよい。
以上の処理を行うことで、AP102とAP103との間で複数のバックホールリンクを確立することができる。このように、エージェント間で複数のバックホールリンクを確立する場合は、コントローラがバックホールリンクの確立を指示することで、複数のバックホールリンクの確立をコントローラに制御させることができる。
また、図3に示したように、AP102とAP103との間の二つ目のバックホールリンクの確立は、AP101から送信されたバックホール確立開始メッセージをトリガーに実行される。これにより、AP102とAP103との間の二つ目のバックホールリンクを確立する際に、ユーザはAP102とAP103のボタンを押す必要がなくなるため、便利である。
なお、図3では、AP102とAP103とはバックホールリンクを確立する度にWPS方式によって通信パラメータの共有処理を行ったが、これに限らない。AP102とAP103とは初回の共有処理(F305~F309)において、他のバックホールリンクの確立の際に使用する通信パラメータも共有するようにしてもよい。この場合に、AP102とAP103とは、F321の処理を省略してもよい。
図4は、AP101が他のAP間に複数のバックホールリンクを確立させる際に、記憶部206に記憶されたコンピュータプログラムを制御部207が読み出し、実行することで実行される処理を示すフローチャートである。
AP101は、自装置が制御するMAPネットワークに新規のエージェントが参加してきた際に本フローチャートの処理を開始する。あるいは、AP101は、ユーザからの指示に基づいて本フローチャートの処理を開始してもよいし、MAPネットワーク内のトポロジーの変更を検知したことに基づいて本フローチャートの処理を開始してもよい。あるいは、AP101は、MAPネットワークに参加しているエージェントから、複数のバックホールリンクの確立を要求されたことに基づいて、本フローチャートの処理を開始してもよい。
まず、AP101はMAPネットワーク111のエージェントの情報を取得する(S401)。ここで取得されるエージェントの情報は図3に記載のAP-Autoconfigurationメッセージ(F303,F312)によって通知される情報である。これに加えて、あるいは代えて、AP101はエージェントからバックホールリンクを介して通知されるネットワーク情報を取得してもよい。あるいは、AP101はエージェントに対して問い合わせメッセージであるクエリメッセージを送信し、その応答としてエージェントから情報を取得してもよい。例えば、AP101がWi-Fi EasyMesh規格においてAPの能力情報を問い合わせるクエリメッセージとして規定されているAP Capability Queryメッセージを送信してもよい。この場合AP101は応答であるAP Capability ReportメッセージをAP102から受信することで、AP102の能力情報を取得することができる。なお、これに限らずAP101は他のクエリメッセージを併用することで、エージェントの情報を取得するようにしてもよい。本実施形態では、エージェントの情報の取得はMAPネットワークに参加する全てのエージェントに対して実施するものとするが、これに限るものではない。コントローラであるAP101は、任意のエージェントの情報のみ取得するようにしてもよい。
AP101は、MAPネットワーク111内の任意の2つのエージェント間で複数のバックホールリンクを確立できるかを判定する(S402)。複数のバックホールリンクの確立能力があるか否かは、S401でエージェントから取得した情報を基に判定される。本実施形態では、AP102とAP103との間で複数のバックホールリンクを確立できるかを判定するものとする。AP101は、S401でAP102およびAP103から取得した、夫々が利用可能な周波数帯域の情報に基づいて、本判定を行う。具体的には、AP101は、AP102およびAP103の両方が、2.4GHzと5GHzの両方を利用可能な場合、本ステップでYesと判定する。一方、AP101は、AP102あるいはAP103の少なくとも何れか一方が、2.4GHzあるいは5GHzの一方の周波数帯域しか利用可能でない場合、本ステップでNoとする。これに代えて、あるいは加えて、AP101がS401においてAP102およびAP103からバックホールSTAとして動作可能な無線I/Fに関する情報を取得していた場合、該情報に基づいて本ステップの判定を行ってもよい。具体的には、AP101は、AP102およびAP103の両方が、バックホールSTAとして動作可能な無線I/Fとして、既に利用中の無線I/Fとは異なる無線I/Fを通知してきた場合、本ステップでYesと判定する。一方、AP101は、AP102あるいはAP103の少なくとも一方が、バックホールSTAとして動作可能な無線I/Fとして、既に利用中の無線I/Fのみを通知してきた場合、あるいは無線I/Fを通知してこなかった場合、本ステップでNoと判定する。あるいは、これらに代えて、あるいは加えて、AP101がS401においてAP102およびAP103から、バックホールリンクを同時に複数確立できるか否かの能力情報を取得していた場合、該能力情報に基づいて本ステップの判定を行ってもよい。具体的には、AP101は、AP102およびAP103の両方が、バックホールリンクを同時に複数確立できる場合は、本ステップでYesと判定する。一方、AP101は、AP102あるいはAP103の少なくとも一方が、バックホールリンクを同時に複数確立できない場合、本ステップでNoと判定する。本ステップでYesと判定された場合、AP101はS403の処理を行う。一方、本ステップでNoと判定された場合、AP101は処理を終了する。
なお、本ステップにおいて、AP101は、MAPネットワーク111内の特定の2つのエージェントに対してのみ判定を行ってもよい。あるいはMAPネットワーク111でバックホールリンクを確立しているエージェント間の組み合わせ全てに対して判定を行ってもよい。なお、バックホールリンクを確立している全てのエージェントの組み合わせに対して判定を行う場合、組み合わせ毎にS403以降の処理を行う。
続いて、AP101は複数バックホールリンクの要否判定を行う(S403)。本ステップでは、S402でYesと判定されたエージェント間において、バックホールリンクを複数確立する必要があるか否かの判定を行う。本ステップの処理の一例を、図5に示した。
AP101は、対象である2つのエージェント間のバックホールリンクの通信状況を取得する(S501)。本実施形態では、AP101は、AP102およびAP103の間で既に確立されているバックホールリンクの通信状況を取得する。AP101は、エージェントからバックホールリンクの通信状況に関する情報を通知されることで取得する。あるいは、AP101は、バックホールリンクの通信状況を問い合わせるクエリメッセージをAP102およびAP103の少なくとも一方に送信し、その応答メッセージとして通信状況を取得するようにしてもよい。例えば、AP101はバックホールリンクのリンクメトリクスの情報を問い合わせるためのクエリメッセージを送信し、その応答メッセージに含まれるリンクメトリクスの情報を取得することで、通信状況を取得するようにしてもよい。リンクメトリクスは、例えばAP102およびAP103の少なくとも一方のスループットに関する能力情報や、対象となるバックホールリンクの物理レートや通信量に関する情報によって示される。本実施形態では、リンクメトリクスはバックホールリンクの通信量に関する情報であるリンク使用率によって示されるものとする。なお、本ステップにおいて、AP101は、AP102およびAP103の少なくとも一方のRSSIや、周波数チャネルの状態などによって示される電波状況も取得するようにしてもよい。なお、RSSIはReceived Signal Strength Indicatorの略であり、受信信号強度を示すものである。
AP101は、対象のバックホールリンクの通信量(リンク使用率)が所定の閾値以上か否かを判定する(S502)。本ステップでは、AP101がS501において取得したエージェント間の通信状況に基づいて、該エージェント間でバックホールリンクを複数確立する必要があるかを判定する。本実施形態ではAP101は通信状況としてAP102とAP103間のバックホールリンクの通信量(リンク使用率)を取得したため、該通信量(リンク使用率)に基づいて本ステップの判定を行う。AP101は、S501で取得した通信量(リンク使用率)が所定の閾値以上の場合は本ステップでYesと判定し、S503の処理を行う。一方、AP101はS501で取得した通信量(リンク使用率)が所定の閾値未満の場合は本ステップでNoと判定し、S506の処理を行う。なお、本判定で使用する閾値はAP101に予め設定されていてもよいし、MAPネットワーク111全体のリンクメトリクスなどからAP101が算出するようにしてもよい。あるいは、ユーザによって設定されてもよい。
なお、本実施形態では、AP101が本ステップで通信量に基づいて判定を行うようにしたが、これに限らない。AP101がS501で、通信状況として対象のバックホールリンクの物理レートを取得している場合、AP101はS502で物理レートに基づいて判定を行ってもよい。この場合、AP101は本ステップで物理レートが所定の閾値以下であるかを判定する。あるいは、AP101がS501で、通信状況としてAP102およびAP103の少なくとも一方のスループットに関する能力情報を取得している場合、AP101はS502でスループットに基づいて判定を行ってもよい。この場合、AP101はS502において、スループットが所定の閾値以下であるかを判定する。
次にAP101は、MAPネットワーク111全体の通信状況を取得する(S503)。AP101は、本ステップにおいてMAPネットワーク111内の全てのエージェントに対して、構築しているネットワークのリンクメトリクスなどの通信状況の取得を行う。具体的には、AP101はMAPネットワーク内の全てのエージェントが構築しているネットワークの通信量や、物理レート、あるいはスループットを取得する。AP101は、S501と同様にリンクメトリクスの情報を取得するクエリメッセージを送信し、その応答メッセージから通信状況を取得するようにしてもよい。また、AP101は、各エージェントが確立しているネットワークの周波数チャネルを把握していない場合、本ステップで周波数チャネルに関する情報を取得するようにしてもよい。
AP101は、S503で取得したMAPネットワーク111全体の通信状況を基に、対象のエージェント間で複数のバックホールリンクを確立することが、MAPネットワーク111の他の通信に影響するかを判定する(S504)。例えば新規のバックホールリンクを確立するために、ネットワーク108を新たに確立すると、Beacon等の無線フレームやバックホールリンク間のデータ通信が、ネットワーク108と同一の周波数チャネル上に送信されることになる。このように、新たにバックホールリンクを確立することで、既存の通信に干渉が発生し、既存の通信のデータ通信速度が低下する、あるいはパケットロスが発生するといった影響がでる虞がある。本判定を行うことで、新規のバックホールリンクが、MAPネットワーク111内で既に確立されている他のリンクを介した通信に干渉してしまうことを防ぐことができる。
本ステップにおいて、AP101は具体的には、新たに確立されるバックホールリンクと同一の周波数チャネル上に他のリンクが存在するかを判定する。他のリンクが存在する場合、AP101は本ステップでYesと判定し、S506の処理を行う。一方、他のリンクが存在しない場合、AP101は本ステップでNoと判定し、S505の処理を行う。なお、本ステップでYesと判定した場合、AP101は更に同一の周波数チャネル上に存在する他のリンクの通信状況に基づく判定を行ってもよい。具体的には、AP101は、該当の他のリンクの通信量(リンク使用率)が所定の閾値以下である場合、新規に確立するバックホールリンクが既存のリンクに影響を及ぼさないとしてS505の処理を行う。一方、AP101は、該当の他のリンクの通信量(リンク使用率)が所定の閾値より大きい場合、新規に確立するバックホールリンクが既存のリンクに影響を及ぼす虞があるとして、S506の処理を行う。
なお、S503およびS504は省略されてもよい。この場合、S502でYesと判定された場合にはAP101はS505の処理を行う。
AP101は、バックホールリンクが複数必要であるとする(S505)。具体的には、AP101は、対象のエージェント間にはバックホールリンクが複数必要であるという情報を記憶する。一方、S506では、AP101は、バックホールリンクは複数必要ではないとする。具体的には、対象のエージェント間にはバックホールリンクが複数必要ではないという情報を記憶する。AP101は、S505あるいはS506の処理を行うと、本フローを終了する。
なお、図5に示した判定処理は一例であり、これに限るものではない。本実施形態では、対象となるエージェント間と通信状況と、MAPネットワーク全体の通信状況とに基づいて判定を行ったが、これに限らず、ユーザによる選択に基づいて複数バックホールリンクの要否を決定してもよい。この場合、S501~S504の処理は省略されてもよい。例えば、MAPネットワーク111における複数バックホールリンクの確立が許可されるようにユーザによって設定されている場合は、AP101はS505の処理を行う。一方、MAPネットワーク111における複数バックホールリンクの確立が許可されないようにユーザによって設定されている場合は、AP101はS506の処理を行う。あるいは、特定のエージェント間における複数バックホールリンクの確立を許可するか否かをユーザが設定できてもよい。ユーザによる設定は、AP101と有線LANまたは無線LANによって接続されたSTAを介して行われてもよいし、AP101の入力部を介して行われてもよい。あるいは、AP101が接続している外部ネットワークを介して接続する他の装置を介して行われてもよいし、MAPネットワーク111内のネットワークに参加しているSTAを介して行われてもよい。
あるいは、AP101は、図5の判定を、既存のバックホールリンクの電波状況に基づいて行ってもよい。具体的には、AP101は、AP102のRSSIあるいはAP103のRSSIの少なくとも一方が所定の閾値より低い場合、AP102およびAP103間に、バックホールリンクを複数確立するように、S505の処理を行う。なお、RSSIが所定の閾値より高い場合は、AP101はS506の処理を行う。このように、AP102およびAP103間の既存のバックホールリンクに関するRSSIが低い場合、複数バックホールリンクを確立することで、バックアップとしてのバックホールリンクを確立することができる。
図4の説明に戻る。AP101は、エージェント間で複数のバックホールリンクの確立が必要かを判定する(S404)。AP101は、S403における判定の結果に基づいて、本判定を行う。具体的には、AP101は、図5のS505の処理を行った場合は本判定でYesと判定し、図5のS506の処理を行った場合は本判定でNoと判定する。本判定でNoと判定された場合、AP101はS403の処理に戻る。なお、タイマを設定し、例えば最初にS404でNoと判定されてから所定の時間が経過するまでにS404でYesと判定されなかった場合、AP101は本フローを終了するようにしてもよい。あるいは、S404において所定の回数連続でNoと判定された場合、AP101は本フローを終了するようにしてもよい。S404でYesと判定された場合、AP101はS405の処理を行う。
AP101は、対象のエージェント(AP102およびAP103の少なくとも一方)に対し、バックホール確立開始メッセージを送信する(S405)。ここで送信されるバックホール確立開始メッセージは図3のF315、F317で示したメッセージである。
続いてAP101は、対象エージェント(AP102およびAP103の少なくとも一方)からのバックホール確立開始応答メッセージを受信したかを判定する(S406)。ここで受信されるバックホール確立開始応答メッセージは、図3のF316、F318に示したメッセージである。本ステップにおいてAP101は、S406においてバックホール確立開始メッセージを送信したエージェントからのバックホール確立開始応答メッセージの受信を待ち受ける。AP101は、バックホール確立開始応答メッセージを受信しなかった場合、本ステップでNoと判定し、再度S406の処理を行う。なお、S405においてバックホール確立開始メッセージから所定の時間が経過してもバックホール確立開始応答メッセージを受信しなかった場合、AP101は本フローを終了してもよい。AP101は、バックホール確立開始応答メッセージを受信した場合は本ステップでYesと判定し、S407の処理を行う。
AP101は、対象エージェント間(AP102およびAP103間)で新規のバックホールリンクを確立可能かを判定をする(S407)。具体的には、S406で受信したバックホール確立開始応答メッセージに、新規のバックホールリンクを確立可能であると示す情報が含まれていたかを判定する。AP101は、AP102およびAP103の両方から受信したバックホール確立開始応答メッセージに、新規のバックホールリンクを確立可能であると示す情報が含まれていた場合は本ステップでYesと判定し、S408の処理を行う。一方、AP102あるいはAP103の少なくとも一方から受信したバックホール確立開始応答メッセージに、新規のバックホールリンクの確立が不可であると示す情報が含まれていた場合、AP101は本ステップでNoと判定し、S409の処理を行う。
新規のバックホールリンクの確立が可能ではない場合、AP101は新規のバックホールリンクの確立のキャンセル処理を行う(S409)。具体的にはAP101は、AP102とAP103との少なくとも一方に、バックホールリンクの確立処理を停止する旨の停止メッセージを送信する。AP101は、停止メッセージを、新規のバックホールリンクを確立可能であると示す情報を含むバックホール確立開始応答メッセージを送信してきたエージェントにのみ送信してもよい。なお、AP101からAP102に対して、新規バックホールリンクの確立のために、ネットワーク108を構築するように指示をしていた場合、AP102にネットワーク108を停止するように指示してもよい。AP101はS409を実行後、本フローを終了する。
一方、新規のバックホールリンクの確立が可能である場合、AP101は対象のエージェントから新規バックホールの確立完了メッセージを受信したかを判定する(S408)。ここで受信するバックホール確立完了メッセージは、図3のF324、F326に示したメッセージである。AP101は、該当のメッセージをAP102およびAP103の少なくとも一方から受信すればよい。
なお、本実施形態では、AP101がバックホール確立開始応答メッセージを受信するとしているが、これに限らない。AP101は、バックホール確立開始メッセージを送信後、タイマを開始させ、所定の時間が経過するまでにバックホール確立完了メッセージを受信したかを判定するようにしてもよい。つまり、S405を実行後にS406およびS407の処理がスキップされ、S408の処理が実行されるようにしてもよい。この場合、所定の時間が経過するまでにバックホール確立完了メッセージを受信しなかった場合、AP101はS409の処理を行い、受信した場合、AP101はS410の処理を行う。
AP101は、バックホール確立確認メッセージを対象のエージェント(AP102およびAP103の少なくとも一方)に送信する(S410)。本ステップで送信されるバックホール確立確認メッセージは、図3のF325、F327に示したメッセージである。なお、本ステップは省略されてもよい。AP101は本ステップの処理を行うと、本フローを終了する。
図4に示したように、エージェント間で複数のバックホールリンクを確立するかをコントローラが制御することで、MAPネットワーク内の他の通信への影響も考慮してバックホールリンクを確立することができる。
図6は、AP102がAP103との間に複数のバックホールリンクを確立させる際に、記憶部206に記憶されたコンピュータプログラムを制御部207が読み出し、実行することで実行される処理を示すフローチャートである。
AP102は、自装置が制御する別のエージェントと新規にバックホールリンクを確立した際に本フローチャートの処理を開始する。あるいは、AP102は、ユーザからの指示に基づいて本フローチャートの処理を開始してもよい。
AP102は、コントローラであるAP101からバックホール確立開始メッセージを受信したかを判定する(S601)。ここで受信するバックホール確立開始メッセージは、図3のF315で示したメッセージである。AP102は、バックホール確立開始メッセージを受信しなかった場合、本判定でNoと判定し、再度S601の処理を行う。なお、本フローを開始してから所定の時間が経過するまでにバックホール確立開始メッセージを受信しなかった場合、AP102は本フローを終了する。一方、AP102はバックホール確立開始メッセージを受信した場合、本判定でYesと判定し、S602の処理を行う。
AP102は、自装置において新規のバックホールリンクの確立が可能かを判定する(S602)。判定処理の詳細については図3のF316において説明したため、省略する。AP102は新規のバックホールリンクの確立が可能な場合、本ステップでYesと判定し、S603の処理を行う。一方、新規のバックホールリンクの確立が不可能な場合、AP102は本ステップでNoと判定し、S604の処理を行う。
自装置における新規のバックホールリンクの確立が不可能な場合、AP102は、バックホールリンクの確立が不可であることを示す情報を含むバックホール確立開始応答メッセージをコントローラであるAP101に送信する(S604)。AP102はS604の処理を行うと、本フローを終了する。
一方、自装置における新規のバックホールリンクの確立が可能な場合、AP102はバックホールリンクの確立が可能であることを示す情報を含むバックホール確立開始応答メッセージをコントローラであるAP101に送信する(S603)。ここで送信されるバックホール確立開始応答メッセージは、図3のF316で示したメッセージである。
AP102は、AP103との新規のバックホールリンクの確立処理を行う(S605)。本実施形態において、AP101は図3のF319~F323において示した、WPS方式を用いた確立処理をAP103と行う。
次に、AP101は新規のバックホールリンクの確立に成功したかを判定する(S606)。AP102は、AP103との新規のバックホールリンクの確立に成功した場合、本ステップでYesと判定しS608の処理を行う。一方、AP102はAP103との新規のバックホールリンクの確立に失敗した場合、本ステップでNoと判定し、S607の処理を行う。
AP103との新規のバックホールリンクの確立に失敗した場合、AP102はバックホール確立失敗メッセージをコントローラであるAP101に送信する(S607)。AP102はS607の処理を行うと、本フローを終了する。
一方、AP103との新規のバックホールリンクの確立に成功した場合、AP102はバックホール確立完了メッセージをコントローラであるAP101に送信する(S608)。ここで送信されるバックホール確立完了メッセージは、図3のF324に示したメッセージである。
次に、AP102は、コントローラであるAP101からバックホール確立確認メッセージを受信したかを判定する(S609)。なお、前述の通り、バックホール確立確認メッセージはAP101から送信されなくてもよく、その場合、本ステップは省略される。ここで受信されるバックホール確立確認メッセージは、図3のF325で示したメッセージである。AP102は、AP101からバックホール確立確認メッセージを受信しなかった場合、本ステップでNoと判定し、再度S609の処理を行う。一方、AP102は、AP101からコントローラからのバックホール確立確認メッセージを受信する本ステップでYesと判定し、本フローを終了する。
以上、図6には、AP102がAP103と複数のバックホールリンクを確立する際に実行する処理を示した。本処理によって、エージェント間において複数のバックホールリンクを確立する場合に、コントローラからの指示に基づいて確立することができる。
図7は、AP101がAP102とAP103との間のバックホールリンクを停止させる際に、記憶部206に記憶されたコンピュータプログラムを制御部207が読み出し、実行することで実行される処理を示すフローチャートである。ここでは、AP102とAP103との間に複数のバックホールリンクが確立された後、対象のエージェント間で複数バックホールリンクが不要になった場合に、一方のバックホールリンクをコントローラが停止させる。
AP101は、AP102とAP103との間で複数のバックホールリンクが確立された際に本フローチャートの処理を開始する。あるいは、AP101は、ユーザからの指示に基づいて本フローチャートの処理を開始してもよい。
まず、AP101は所定のエージェント間での複数バックホールリンクが必要か否かを判定する(S701)。本ステップでは図5に示したフローと類似の処理が行われる。具体的には、AP101はAP102とAP103との間に確立されている複数のバックホールリンクの夫々の通信量(リンク使用率)が、所定の閾値以下であるかを判定する。なお、本ステップの閾値は、S502の閾値より小さいものとする。何れか一方のバックホールリンクの通信量(リンク使用率)が所定の閾値以下の場合、AP101はAP102とAP103との間での複数バックホールリンクは不要であると判定する。一方、何れのバックホールリンクの通信量(リンク使用率)も所定の閾値より高い場合、AP101はAP102とAP103との間での複数バックホールリンクは必要であると判定する。これに代えて、あるいは加えて、AP101は、MAPネットワーク111内の通信状況に基づいて判定を行ってもよい。具体的には、AP102とAP103との間で確立されている複数のバックホールリンクの何れか一方と周波数チャネルを同じくするMAPネットワーク111内の他のリンクにおける通信量(リンク使用率)に基づいて判定を行う。他のリンクにおける通信量(リンク使用率)が所定の閾値以上の場合、AP101はAP102とAP103との間での複数バックホールリンクは不要であると判定する。一方、他のリンクにおける通信量(リンク使用率)が所定の閾値より低い場合、AP101はAP102とAP103との間での複数バックホールリンクは必要であると判定する。あるいは、AP101は、ユーザによる指示に基づいて判定を行ってもよい。具体的には、ユーザによってMAPネットワーク111内の複数バックホールリンクの実行が不可であると設定された場合、AP101はAP102とAP103との間での複数バックホールリンクは不要であると判定する。あるいは、ユーザによってAP102とAP103との間での複数バックホールリンクの終了を指示された場合も同様に判定する。
あるいは、エージェント間においてバックホールリンクのバックアップを目的として複数のバックホールリンクを確立している場合、主用途で使用しているバックホールリンクの電波状況に基づいて判定を行ってもよい。具体的には主用途で使用しているバックホールリンクにおけるRSSIが所定の閾値以上の場合、AP101はAP102とAP103との間での複数バックホールリンクは不要であると判定する。一方、主用途で使用しているバックホールリンクにおけるRSSIが所定の閾値より低い場合、AP101はAP102とAP103との間での複数バックホールリンクは必要であると判定する。
AP101はS701で行った判定の結果に基づき、所定のエージェント間における複数バックホールリンクが必要かを判定する(S702)。S701において、AP102とAP103との間で複数バックホールリンクが必要と判定された場合は本ステップでYesと判定し、本フローを終了する。これにより、AP102とAP103との間の複数バックホールリンクは維持される。一方、S701において複数バックホールリンクが不要と判定された場合は、本ステップでNoと判定し、AP101はS703の処理を行う。
AP101は、所定のエージェント(AP102およびAP103の少なくとも一方)に対象のバックホールリンクの停止を指示する停止メッセージを送信する(S703)。ここで停止されるバックホールリンクは、S701において、通信量(リンク使用率)が所定の閾値以下であると判定されたものである。なお、両方のバックホールリンクの通信量(リンク使用率)が所定の閾値以下であった場合、何れのバックホールリンクを停止されるかはAP101に予め設定されてもよい。この場合、AP101は、バックホールリンクが確立されている周波数帯域(2.4GHzあるいは5GHz)に基づいて決定してもよいし、通信量(リンク使用率)が多いほうを残すように決定してもよい。あるいは何れのバックホールリンクを残すかはユーザによって選択されてもよい。なお、停止メッセージは停止されるバックホールリンクとは異なる方のバックホールリンクを介して送信されるものとする。AP101はS703の処理を実行後、本フローを終了する。
なお、AP102およびAP103の少なくとも一方は、AP101から停止メッセージを受信した場合、該当のバックホールリンクを停止する。該当のバックホールリンクが確立されているネットワーク108を構築しているAP102は、ネットワーク108上で他の通信が実行されていない場合、ネットワーク108を停止してもよい。ネットワーク108の停止は、AP102が自律的に行ってもよいし、AP101がAP102に指示してもよい。
以上、図7には、エージェント間における複数バックホールリンクが不要となった場合に、コントローラによる制御によって、一方のバックホールリンクを停止される方法を示した。バックホールリンクにおける通信量の変化や、MAPネットワーク内における通信の状況の変化に応じて、コントローラがエージェント間の複数のバックホールリンクを制御することができる。
本実施形態では、バックホールリンクを確立する際に、WPS方式を用いるとしたが、これに限らず、DPP方式を用いてもよい。DPP方式では、Wi-Fi DPP規格に準拠した方式で通信パラメータが共有される。Wi-Fi DPP規格に準拠した通信パラメータの共有処理では、通信パラメータを提供する役割を担う装置をConfigurator、通信パラメータを取得する役割を担う装置をEnrolleeという。EnrolleeはConfiguratorから取得した通信パラメータを用いてネットワークに参加することができる。Configuratorは、STAだけでなく、APに通信パラメータを提供することで、提供した通信パラメータを利用するネットワークをAPに構築させることができる。
図8は、DPP方式を用いてAP102およびAP103がバックホールリンクを複数確立する場合に実行する処理の一例を示すシーケンス図である。本実施形態では、AP101がConfiguratorとして動作し、AP102、AP103はEnrolleeとして動作するものとする。また、図8のシーケンスが開始された時点で、AP101はAP102と既にDPP方式によって通信パラメータを共有しており、AP101が構築したネットワーク106にAP102が参加している状態である。
まず、AP102は、MAPネットワーク111内のコントローラを探索するために、AP-Autoconfiguration Searchメッセージを送信する(F801)。本処理は、図3のF301と同様である。
AP101は、AP102から探索信号を受信すると、コントローラとして動作しているため、AP-Autoconfiguration ResponseメッセージをAP102に送信する(F802)。本処理は図3のF302と同様である。
なお、図3においてはWPS方式を用いていたため、AP101とAP102、およびAP101とAP103間で、AP-Autoconfiguration WSCメッセージを送受信した(図3のF303、F304、F312、F313)。しかし、DPP方式を用いる場合、該メッセージの送受信は不要である。そのため、本処理では、AP102およびAP103の無線通信に関する能力情報や、無線I/Fや他のAPが参加可能なBSSに関する情報を含むメッセージを、WSCメッセージの代わりに送信する。あるいは、これらの情報は、AP102やAP103から送信されるAP-Autoconfiguration Searchメッセージに含まれていてもよい。あるいは、AP101がこれらの情報の取得を要求するためのクエリメッセージを送信し、AP102およびAP103は該クエリメッセージへの応答メッセージに該当の情報を含めて送信するようにしてもよい。
次に、AP103が新たにAP102とバックホールリンクを確立するために、まずAP101とAP103との間でDPP共有処理を行う(F803)。DPP共有処理にはBootstrapping処理と、Authentication処理と、Configuration処理とが含まれる。
まず、AP101とAP103はBootstrapping処理を行う。Bootstrapping処理では、ConfiguratorとEnrolleeとの間で公開鍵情報が共有される。具体的には、Enrolleeに関連したQRコード(登録商標)に含まれる公開鍵情報を、Configuratorがカメラ機能を用いて撮影し、共有する。これに限らず、公開鍵情報は、Bluetooth通信によって共有されてもよいし、NFC通信によって共有されてもよい。あるいは、ConfiguratorとEnrolleeとで共通の文字列を用いて公開鍵情報を共有するPKEX方式によって共有されてもよい。
次に、AP101とAP103とはAuthentication処理を行う。Authentication処理とはConfiguratorとEnrolleeとの間で行われる認証処理である。本処理において、ConfiguratorとEnrolleeとは、認証要求、認証応答、認証確認の各フレームをやり取りし、相手装置を認証する。
次に、AP101とAP103とは、Configuration処理を行う。Configuration処理では、ConfiguratorからEnrolleeに対して、通信パラメータであるConnectorが提供される。Connectorとは、Wi-Fi DPP規格が定めた認証プロトコルや鍵交換アルゴリズムで使用する各種情報である。本実施形態では、Connectorは、AP102が構築するネットワーク107に参加するための情報である。Configuration処理において、AP101から提供される情報には、接続先となるAPのSSIDなどの、通信パラメータを用いた接続先を識別するための情報が含まれていてもよい。
AP103は、AP101から取得したConnectorを用いてDPP接続処理を行う(F804)。具体的には、AP103は、取得したConnectorを用いて、AP102が構築したネットワーク107に参加し、バックホールリンクを確立する。
AP103はAP101にAP-Autoconfiguration Searchメッセージを送信する(F805)。また、AP101はそれに対する応答としてAP-Autoconfiguration ResponseメッセージをAP103に送信する(F806)。なお、これらの処理は、図3のF310およびF311と同様である。また、F801およびF802の処理と同様に、AP103の無線通信に関する能力情報や、無線I/Fや他のAPが参加可能なBSSに関する情報については、F805で送信してもよいし、別途メッセージを用いて送信してもよい。
AP101は、AP102とAP103との間で複数のバックホールリンクを確立するかを判定する(F807)。本処理は、図3のF314と同様である。本実施形態では、AP101はAP102とAP103との間にバックホールリンクを複数確立させると判定したものとする。
図8のF808~F811は、図3のF315~F318と同様の処理である。なお、本処理においては、バックホール確立開始メッセージ(F808、F810)に、DPP方式での新規バックホールリンクの確立を指示する情報が含まれているものとする。
AP102およびAP103は、新規のバックホールリンクを確立するため、DPP共有処理を実行する(F812)。ここで実行される処理は、F803と同様である。なお、F812でAP101から提供されるConnectorは、AP102が構築するネットワーク108に参加するための通信パラメータである。なお、AP102とAP103とはF803で既にDPP共有処理を行っているため、省略できる処理については省略してもよい。具体的には、Bootstrapping処理を省略してもよい。あるいは、Bootstrapping処理と、Authentication処理とを省略し、Configuration処理のみ実行するようにしてもよい。
AP103はF812で取得したConnectorを用いて、DPP接続処理を行う(F813)。これにより、AP103は、AP102のネットワーク108に参加し、AP102と二つ目のバックホールリンクを確立することができる。
図8のF814~F817の処理は、図3のF324~F327の処理と同様である。
以上、図8に示したように、AP102とAP103とはDPP方式によるオンボーディング処理を実施することができる。なお、図8では、複数のバックホールリンクを確立する際に、再度DPP共有処理(F812)を行ったが、これに限らず、最初のDPP共有処理(F803)において、バックホールリンクの確立に用いる全てのConnectorを提供するようにしてもよい。具体的には、F803において、AP101が、AP102が構築するネットワーク107と108の両方に参加するためのConnectorをAP103に提供するようにしてもよい。この場合、AP101はAP102とAP103にバックホール確立開始メッセージを送信する際に、何れのコネクタを用いてバックホールリンクを確立するかを指定する情報を含めてもよい。また、AP103はF812の処理を省略する。
なお、本実施形態では、複数のAPが無線ネットワークを介して接続し、無線通信を行う場合について説明したが、これに限らず、少なくとも一部のAP同士が有線ネットワークを介して接続し、有線通信を行ってもよい。また、複数のバックホールリンクを確立する場合に、一方は有線通信を、他方は無線通信を介して確立されるようにしてもよい。
また、AP101、AP102、およびAP103は、通信パラメータを共有する相手装置が、WPS方式とDPP方式の両方に対応している場合、よりセキュリティの高いDPP方式を選択するようにしてもよい。あるいは、ユーザ選択によって何れの共有処理を行うかを決定してもよい。あるいは、相手装置が一方の方式のみ対応している場合は、該方式を選択する。
なお、図4、図5、図6、および図7に示したAP101およびAP102のフローチャートの少なくとも一部または全部をハードウェアにより実現してもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各ステップを実現するためのコンピュータプログラムからFPGA上に専用回路を生成し、これを利用すればよい。FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略である。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現するようにしてもよい。また、図4、図5、図6、および図7に示したフローチャートの各ステップを不図示の複数のCPUもしくは装置で分散して行うようにしてもよい。図3および図8のシーケンスについても同様である。
以上、実施形態を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)などとしての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、撮像装置、webアプリケーションなど)から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101 AP
102 AP
103 AP
104 STA
105 STA
106 ネットワーク
107 ネットワーク
108 ネットワーク
109 ネットワーク
110 WAN
111 MAPネットワーク

Claims (23)

  1. 通信装置であって、
    ネットワークを構築する機能を有する基地局と通信する通信手段と、
    前記通信手段によって通信する基地局を含む、複数の基地局によって構成されるネットワークを制御する制御手段と、
    前記制御手段によって制御するネットワークに含まれる第1の基地局と第2の基地局との間に、通信に用いるリンクが複数確立されるように、前記第1の基地局と前記第2の基地局との少なくとも一方にメッセージを送信する第1の送信手段と、
    を有し、
    前記メッセージは、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に第1の周波数帯域の第1のリンクと、前記第1の周波数帯域とは周波数帯域が異なる第2のリンクを含む複数のリンクの確立を引き起こすためのメッセージであり、
    前記通信装置は、
    前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に複数のリンクが確立されている場合に、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に前記複数のリンクが必要かを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段によって、前記複数のリンクが必要ないと判定された場合に、前記複数のリンクの内の一方を停止させるための第2のメッセージを送信する第2の送信手段とを更に有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記第1の基地局と前記第2の基地局とが、通信に用いるリンクを複数確立することができるかを判定する第の判定手段を更に有し、
    前記第1の送信手段は、前記第の判定手段によって前記第1の基地局と前記第2の基地局との少なくとも一方が、通信に用いるリンクを複数確立できないと判定された場合、前記メッセージを送信しないことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記第の判定手段によって前記第1の基地局と前記第2の基地局との両方が通信に用いるリンクを複数確立できると判定された場合に、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に、通信に用いるリンクを複数確立させるかを判定する第の判定手段を更に有し、
    前記第1の送信手段は、前記第の判定手段によって前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に通信に用いるリンクを複数確立させると判定された場合に、前記メッセージを送信することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に確立されている、通信に用いる第1のリンクに関する情報を取得する第1の取得手段を更に有し、
    前記第の判定手段は、前記第1のリンクに関する情報に基づいて判定を行うことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 前記第1の取得手段によって、前記第1のリンクの通信量に関する情報を取得し、
    前記第の判定手段は、前記第1のリンクの通信量が所定の閾値以上の場合は、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に通信に用いるリンクを複数確立させると判定することを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  6. 前記制御手段によって制御されているネットワークに関する情報を取得する第2の取得手段を更に有し、
    前記第の判定手段は、前記第1のリンクに関する情報と前記制御手段によって制御されているネットワークに関する情報とに基づいて判定することを特徴とする請求項4または5に記載の通信装置。
  7. 前記第2の取得手段によって、前記制御手段によって制御されているネットワーク内に、新たに前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に確立されるリンクと同じ周波数チャネルを用いる他のリンクが存在するかに関する情報を取得し、
    前記第の判定手段は、前記第1のリンクの通信量が所定の閾値以上の場合であって、前記他のリンクが存在しない場合は、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に通信に用いるリンクを複数確立させると判定し、
    前記第1のリンクの通信量が所定の閾値以上の場合であっても、前記他のリンクが存在する場合は、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に通信に用いるリンクを複数確立させないと判定することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  8. 前記第2の取得手段は、前記他のリンクの通信量に関する情報を更に取得し、
    前記第の判定手段は、前記第1のリンクの通信量が前記所定の閾値以上であって、前記他のリンクが存在する場合であっても、前記他のリンクの通信量が前記所定の閾値より低い場合は、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に通信に用いるリンクを複数確立させると判定することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
  9. 前記第1の基地局が、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に新規に確立されるリンクのためのネットワークを未構築の場合、前記第1の基地局に前記ネットワークの構築させるためのメッセージを送信する第の送信手段を更に有することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の通信装置。
  10. 前記通信装置は、アンテナを有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置。
  11. 前記複数のリンクの通信量に関する情報を取得する第3の取得手段を更に有し、
    前記第の判定手段は、前記複数のリンクの少なくとも何れか一方の通信量が所定の閾値より低い場合、前記複数のリンクは必要ないと判定し、
    前記第の送信手段は、前記複数のリンクの内、通信量が所定の閾値より低いリンクを停止させる前記第2のメッセージを送信することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の通信装置。
  12. 前記第1の基地局と前記第2の基地局との間のリンクは、Wi-Fi Protected Setup規格に準拠した通信パラメータの共有処理を行うことで確立されることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の通信装置。
  13. 前記第1の基地局と前記第2の基地局との間のリンクは、Device Provisioning Protocol規格に準拠した通信パラメータの共有処理を行うことで確立されることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の通信装置。
  14. 前記通信装置はWi-Fi EasyMesh規格におけるコントローラの役割を有し、
    前記第1の基地局および前記第2の基地局は、Wi-Fi EasyMesh規格におけるエージェントの役割を有することを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の通信装置。
  15. 前記第1の基地局と前記第2の基地局とは、通信に用いるリンクとして、Wi-Fi EasyMesh規格に準拠するバックホールリンクを確立することを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の通信装置。
  16. 前記第1の送信手段は、前記通信装置が確立した第1の無線ネットワークに参加する前記第1の基地局に、前記第1の無線ネットワークを介した無線通信によって前記メッセージを送信することを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の通信装置。
  17. 前記第1の送信手段は、前記通信装置と有線ネットワークを介して接続している前記第1の基地局に、有線通信によって前記メッセージを送信することを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の通信装置。
  18. 前記第1の送信手段によって送信される前記メッセージは、前記第1の基地局から、前記第1の基地局が確立した第2の無線ネットワークに参加する前記第2の基地局に、前記第2の無線ネットワークを介して無線通信によって送信されることを特徴とする請求項16または17に記載の通信装置。
  19. 前記第1の送信手段によって送信される前記メッセージは、前記第1の基地局から、前記第1の基地局と有線ネットワークを介して接続する前記第2の基地局に、有線通信によって送信されることを特徴とする請求項16または17に記載の通信装置。
  20. 前記第1の送信手段は、前記メッセージとして、通信に用いる複数のリンクの確立を開始させるためのバックホール確立開始メッセージを送信することを特徴とする請求項1から19の何れか1項に記載の通信装置。
  21. 前記第1の周波数帯域は、2.4GHz帯域であり、第2の周波数は5GHz帯域であることを特徴とする請求項1から20の何れか1項に記載の通信装置。
  22. 通信装置の制御方法であって、
    ネットワークを構築する機能を有する基地局と通信する通信工程と、
    前記通信工程において通信する基地局を含む、複数の基地局によって構成されるネットワークを制御する制御工程と、
    前記制御工程において制御するネットワークに含まれる第1の基地局と第2の基地局との間に、通信に用いるリンクが複数確立されるように、前記第1の基地局と前記第2の基地局との少なくとも一方にメッセージを送信する第1の送信工程と、
    を有し、
    前記メッセージは、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に第1の周波数帯域の第1のリンクと、前記第1の周波数帯域とは周波数帯域が異なる第2のリンクを含む複数のリンクの確立を引き起こすためのメッセージであり、
    前記制御方法は更に、
    前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に複数のリンクが確立されている場合に、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に前記複数のリンクが必要かを判定する判定工程と、
    前記判定工程によって、前記複数のリンクが必要ないと判定された場合に、前記複数のリンクの内の一方を停止させるための第2のメッセージを送信する第2の送信工程と、を有することを特徴とする制御方法。
  23. 請求項1から21の何れか1項に記載の通信装置としてコンピュータを動作させるためのプログラム。
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