JP2019508008A5 - - Google Patents

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エネルギー回生型整流装置とその運転方法
本発明は、交流系統接続用の整流装置に関する。エネルギー回生型の(エネルギー回生能力をもつ)本発明に係る整流装置は、エネルギー回生型整流器を備えており、具体的には工業設備の構成要素である。本発明はさらに、エネルギー回生型整流装置の運転方法及びエネルギー回生型整流装置を含む工業設備も対象とする。
工業設備は通常、多数の駆動装置を有し、この駆動装置のそれぞれが電動機を備える。このような設備において、電動機の給電は、整流器及び中間回路とインバータとを有する電力変換装置により行われる。インバータは、電動機に電気的に接続されており、電動機の回転数及び出力の調節を担う。これに対して整流器は、それぞれが交流電流を導く三相の交流系統(交流電力系統)に接続されており、その個々の相は通常、互いに120°ずれている。最も簡単な形態において整流器は、互いに電気的に接続されていわゆるブリッジ回路をなす6つのダイオードを有する。このブリッジ回路の直流側は中間回路コンデンサと並列接続されており、当該中間回路コンデンサは、整流器とインバータとの間に生じる中間回路電圧の安定化を目的とする。
工業設備の運転時には、電動機を制動しなければならない期間が発生する。この場合に工業設備の比較的効率的な運転を保証するために、電動機は発電機として運転され、その結果、回転エネルギーが電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーにより、中間回路コンデンサへの給電が行われる。これを発展させて、整流器にエネルギー回生能力をもたせ、回収される電気エネルギーを改めて交流系統へ戻し、結果、交流系統における他の負荷に使用することを可能とした方式のものがある。この方式によれば、中間回路コンデンサの小型化が可能となる。
整流器にエネルギー回生能力をもたせるため、ダイオードが半導体スイッチにより橋絡されていて、つまりダイオードに半導体スイッチが並列に接続されている。電流は、できるだけ大きなエネルギー伝送を可能にするべく、交流系統の三相のうち最も高い電圧を有する相に供給される。その結果、1つの相から他の相への切り換え(転流)が行われるときに比較的大きな電流の切り換えが発生する。比較的急峻な切り換えや、場合によっては存在し得るインダクタンスに起因して、回生電流の範囲内で望ましくない振動の生成も起こり得る。
特許文献1には、系統側及び負荷側電流コンバータを備えた高電圧整流器が開示されている。系統側電流コンバータと負荷側電流コンバータとは、昇圧コンバータにより電気的に接続される。引用文献2は、周波数コンバータにおける漏洩電流の低減方法を開示する。蛍光管の制御回路が特許文献3により周知である。特許文献4は、ソフトスイッチング変換装置を開示する。
欧州特許公開EP1760870A2 独国特許公開DE102011078A1 米国特許公開US2014/0055033A1 米国特許公開US2010/0259955A1
本発明の課題は、好ましくは運転時に回生電流の範囲内での振動の生成が低減される、格別に適切なエネルギー回生型(エネルギー回生能力をもつ)整流装置、さらには、格別に適切なエネルギー回生型整流装置の運転方法と格別に適切なエネルギー回生型整流装置を有する工業設備を提供することにある。
上記課題は、本発明によれば、方法に関しては請求項1に係る特徴によって、エネルギー回生型整流装置に関しては請求項8に係る特徴によって、工業設備に関しては請求項13に係る特徴によって、解決される。有益な発展態様及び実施態様が各引用形式請求項の主題である。
本発明に係る方法は、例えば工業設備の構成要素であって交流系統に接続するのに適した、好ましくは交流系統に接続するべく構成されて提供されるエネルギー回生型整流装置の運転に、適用される。このエネルギー回生型整流装置は、エネルギー回生型整流器と、該エネルギー回生型整流器の直流側に並列に接続されたバッファキャパシタンスとを含み、装置設置後にはエネルギー回生型整流器の交流側が交流系統に電気的に接続される。
本発明に係る方法では、エネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間を流れる電流を転流の時点で制限(低減)する。ここにおける転流とは、具体的に言えば、エネルギー回生型整流器のブリッジ回路の1つのアームから他のアームへ電流の流れが移行すること、又は、中間回路の一方の枝路と交流系統の相の1つとの電気的接続が変化すること、あるいはそれら両方を意味する。転流のために、エネルギー回生型整流器の整流器スイッチ素子のスイッチング過程が行われ、例えば、整流器スイッチ素子の1つがオフされて他の1つがオンされることによって、中間回路の枝路の一方が電気的に低抵抗の状態で交流系統の他の1つの相と電気的に接続される。
例えば、転流時点で、直流側からバッファキャパシタンスへ流れる電流、又はバッファキャパシタンスから直流側へ流れる電流を制限する。好ましくは、直流側からバッファキャパシタンスへ流れる電流も、バッファキャパシタンスから直流側へ流れる電流も、転流時点で制限する。特に、エネルギー回生時にはバッファキャパシタンスから直流側への電流が優勢であり、転流時点でその電流を制限し、例えば0A(ゼロアンペア)に制限する。
当該電流制限に基づいて、転流時にはスイッチングされる電流が比較的小さくなり、スイッチング損失が低減される。交流系統の範囲における振動伝播も低減される。好適には、転流時点前の所定期間及び転流時点後の所定期間、電流を制限し、これは、例えば継続して実行する。この方法により、電気的な振動の伝播がさらに低減される。例えば、当該期間は、2ms以下で0.01ms以上、好適には1ms以下で0.1ms以上である。
エネルギー回生型整流器は系統周波数で運転するのが適切である。言い換えると、エネルギー回生型整流器の整流器スイッチ素子は、交流系統の有する周波数に同期して駆動制御する。上記電流はパルス周波数にて規制又は制御することが適切である。言い換えると、上記電流は、パルス周波数に同期して調節し、これにより上記制限を行う。この方法により、上記電流の比較的正確な調節を可能とする。この場合、上記電流の調節を行う周波数は、例えば150kHz前後とする。
バッファキャパシタンスに生じる中間回路電圧は、エネルギー回生型整流器の直流側に生じる出力電圧に比べて昇圧するのが適切である。この方法により、バッファキャパシタンスからエネルギー回生型整流器へ流れる電流の制御又は規制が、常に、交流系統の現在転流中の電流相の現在位相角に関係なく可能である。言い換えると、現在転流中の相が最大の電圧を有するときであってもエネルギー回生が可能である。
本発明の特に好ましい態様では、系統側電圧を監視し、系統側の電圧ディップ(低下)時に、エネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間に流れる電流を制限(低減)する。系統側の電圧ディップは、例えば交流系統の少なくとも1つの相の比較的短時間の電圧低下を意味する。このときの該電圧は、目標値(公称値)から、規定のしきい値以上、例えば10V以上逸脱する。特に、エネルギー回生型整流器からバッファキャパシタンスへ流れる電流を制限することで、交流系統からさらにエネルギーを摂取することがない。これにより、交流系統にかかる負荷が軽減される。その一方で安全且つ高信頼の運転を維持できるようにするために、好ましくはバッファキャパシタンス内に蓄積された電気エネルギーを利用する。系統側の電圧ディップが現れるときの電流の制限は、転流時点での電流の制限から独立しており、特に独立した発明とみなされる。
エネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間に流れる電流は、すなわち、エネルギー回生型整流器からバッファキャパシタンスへ流れる電流とその逆に流れる電流とは、所定値に制限することが好ましい。この値は、エネルギー回生型整流器及びバッファキャパシタンスの間における無制限の(制限してない)電流と変調度との積である。エネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間に流れる無制限電流とは、電流の規制又は制御(あるいは規制及び制御)を全く行わない場合に生じる、エネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間に流れ得る最大電流のことである。言い換えると、無制限電流は、エネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間に流れる電流のピーク値に相当する。印加される交流電圧に従って、この無制限電流は一定ではなく、零よりも常に大きい2つの限度値の間でアーチ状に脈動する。この場合、電流が制限されていなければ、最小電流は転流の時点で発生するはずである。この場合の最大値は、転流中の相の電圧が最大値をもつときに発生し得る。特に、変調度は0と1の間にあって、転流の時点でエネルギー回生型整流器を介し殆ど電流が流れないようにするために、転流の時点で変調度を0に等しくすることが好ましい。電流は、好ましくは転流の時点で最小値をもつ変調度と無制限電流との積へ常に規制又は制御することが適切である。
変調度を使用することにより、個々の相の位相角を認識するだけでよいから、電流の調節が簡素化される。変調度を決定するために定数関数を使用すれば、電流の急変発生が回避され、これにより、交流系統の範囲内での望ましくない振動の伝播が防止される。例えば、変調度は、交流系統の相の電圧に基づいて算定し、しかも複数の相が存在する場合には、転流の時点を電圧に基づいて算定し、且つ転流の時点で変調度が1より小さいことを保証する、適切で例えば周期的な関数を使用する。変調度を電圧に基づいて導き出せば、比較的安定した、エラーを起こし難い変調度を決定することができる。
好ましくは、変調度として、(DCA−DCAmin)と(DCAmax−DCAmin)との商と「1」とのうちの小さいほうの要素を使用する。言い換えると、変調度は、
min(1;(DCA−DCAmin)/(DCAmax−DCAmin))
に等しい。
ここで、minは最小関数に相当し、DCAは無制限電流、すなわちエネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間に流れる電流の制御又は規制を行わない場合に生じるであろう電流に相当する。DCAminは、転流の時点での無制限電流、すなわち制限がなかった場合は切り換えられたであろう電流に相当する。DCAmaxとしては、時間的に平均化した無制限電流を使用可能であり、すなわち、転流の時点で制限を行わなかった場合にエネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間において時間的に平均して得られたであろう電流を使用できる。この場合、電流は交流電流の少なくとも1つの周期にわたって時間的に平均化する。言い換えると、時間的に平均するために使用する期間の長さは、少なくともエネルギー回生型整流器の交流側に生じる交流電流の周期の長さ、一例として交流系統が50Hzの周波数をもつ場合には少なくとも0.02秒に相当する。当周期の整数倍を使用するのがよい。
無制限電流は、本態様において、エネルギー回生型整流器の最大負荷が使われていて、すなわち例えば、エネルギー回生型整流器により供給される最大の直流電圧が取り出されていて、又は、直流側に生じる最大の直流電流が交流系統に回生されていて、つまり、例えばバッファキャパシタンス内に存在する全電気エネルギーが可能な限り最短の時間で回生されていて、転流の時点で電流の制限が起きないとして、求められる。このようにして変調度を求めることは、比較的簡単であり、多数のセンサや計算規則なしで実現することができる。
エネルギー回生型整流装置は、好適には工業設備の構成要素であり、例えば5kW〜20kW、好ましくは10kWを越える出力をもつ。エネルギー回生型整流装置は、交流系統への接続に適し、このことを見込んで設計するのが得策であり、この場合の交流系統は、具体的には二相又は三相で実施される。交流系統は120°ずつ互いにずれている三相をもち、各相が正弦波状の電流波形をもつのが好ましい。周波数は、例えば50Hz又は60Hzである。好ましくは各相が等しい周波数で正弦波状の交流電圧を有し、振幅が325Vであるとよい。特に、エネルギー回生型整流装置は工業設備内で使用される。
エネルギー回生型整流装置は、直流側及び交流側を備えたエネルギー回生型整流器を含む。その交流側は、装置設置後には交流系統に電気的に接続される。これら直流側と交流側との間に、ブリッジ回路、例えばB4回路又はB6回路が好ましくは設けられる。ブリッジ回路の各ブリッジアームにダイオードがあり、このダイオードと並列に、半導体スイッチ/パワー半導体スイッチであるスイッチ素子(整流器スイッチ素子)が接続される。これらダイオード及び半導体スイッチは、単一のモジュール内にまとめてあるのが実用的である。各ブリッジアームは、整流器スイッチ素子としてIGBTモジュール又はMOSFETを有するのが好適である。
エネルギー回生型整流装置は、さらにバッファキャパシタンス(キャパシタ)を含み、このバッファキャパシタンスは、上述の直流側に並列に接続されている。バッファキャパシタンスとエネルギー回生型整流器との間には昇圧コンバータが接続される。昇圧コンバータは、直流電圧を、より高い別の直流電圧に変換するDC/DCコンバータである。したがって、運転時にバッファキャパシタンスは、整流器側(上記直流側)に生じる出力電圧に比べて昇圧された中間回路電圧を有する。例えば、エネルギー回生型整流器は、直流側に中間回路コンデンサ、つまり他のキャパシタンスを含み、このキャパシタンスに出力電圧が生じる。当該中間回路コンデンサは比較的小さく、特に、少なくともバッファキャパシタンスよりは小さく形成することができる。バッファキャパシタンスと昇圧コンバータとにより中間回路(DCリンク)が形成され、該中間回路は、運転時にほぼ一定の中間回路電圧を有するので、一方が正側であり他方が負側である2つの枝路を含む。正側枝路は負側枝路に比べて高い電位を有する。ただし、最小限で中間回路はバッファキャパシタンスと昇圧コンバータからなる。
バッファキャパシタンスに生じる高い中間回路電圧のおかげで、バッファキャパシタンスと上述の交流側との間の電流の流れを調節することができ、これにインダクタンスは要求されない。したがって、適切に制御すれば、回生電流における振動の生成を回避することができるか、又は少なくとも低減することができる。
昇圧コンバータは、正側枝路の電位が昇圧コンバータにより高められるように、正側枝路に対し付設するのがよい。中間回路の負側枝路は、エネルギー回生型整流器のダイオードにより交流系統へ電気的に接続されることが好ましく、この場合に、(エネルギー回生型)整流器は、例えば、その交流側において、静電容量的に(容量を介して)基準電位、特にアースに導かれる。したがって、中間回路の負側枝路は基本的にアースへ導かれており、このことが基本的な障害の抑制をもたらし、結果的に電磁適合性が高められる。そのうえこの方式によって漏洩電流がアースへ導かれる。
好ましくは、エネルギー回生型整流器は、モジュールとして、特に、スリムライン中間回路を有するいわゆる電圧中間回路形コンバータ(電圧形インバータ)として提供され実施される。このモジュールは、例えば、中間回路コンデンサが設けられていれば、これを含む。このモジュールに、別のモジュールを電気的に接続することができ、当該別のモジュールがバッファキャパシタンスと昇圧コンバータとを含み、したがって当該別のモジュールは、エネルギー回生型整流器の中間回路コンデンサがある場合はこれを除いて、基本的に中間回路を形成する。このように、エネルギー回生型整流装置のモジュール構造が可能にされており、これによって製造コストが低減される。さらに、場合によっては既存のモジュールを用いることもできる。
例えば、バッファキャパシタンスはコンデンサ、例えば電解コンデンサを含む。好ましくは、バッファキャパシタンスは、該コンデンサの予備充電回路を有し、この予備充電回路により、エネルギー回生型整流装置の運転開始時にコンデンサの予備充電が行われる。この場合例えば、いわゆる待機モードにおいて、コンデンサに生じている電圧が維持される。これにより、エネルギー回生型整流装置の運転モードの切り換えが速やかに実行可能となり、バッファキャパシタンスの予備充電をエネルギー回生型整流器を介して行う必要がない。したがって、バッファキャパシタンスに比較的大きな静電容量を備えることができる一方で、エネルギー回生型整流装置はほぼ遅延なく応答する。
バッファキャパシタンスと上述の直流側との間には、第1の可制御スイッチ素子を接続するのが好ましい。この場合、好ましくは、第1の可制御スイッチ素子により、整流器側(上述の直流側)からバッファキャパシタンスへ流れる電流と、バッファキャパシタンスから上述の直流側へ流れる電流とを制御できるように、電気的接続が行われる。第1の可制御スイッチ素子は、例えば昇圧コンバータの構成要素か又は正側枝路の構成要素であり、あるいは、昇圧コンバータ及び正側枝路の構成要素である。具体例として第1の可制御スイッチ素子は半導体スイッチ素子/パワー半導体スイッチであり、例えばIGBT又はMOSFET、特にSiC−MOSFETとする。第1の可制御スイッチ素子は双方向構成であることが好ましい。要するに、第1の可制御スイッチ素子は双方向スイッチであり、例えば第1の可制御スイッチ素子は1つのトランジスタにより提供され、該トランジスタに好ましくはダイオードが並列接続され、該ダイオードにより、整流器側からバッファキャパシタンスへの一定の電流の流れが可能にされている。この場合、第1の可制御スイッチ素子のダイオードを介して、例えば整流器側に生じている出力電圧又はこれに比べて昇圧された中間回路電圧が現れるように、昇圧コンバータにより好ましくは昇圧が行われる。
第1の可制御スイッチ素子はパルス周波数で駆動制御することができ、その最大のスイッチング周波数は、例えば10kHzより大きく、好ましくは20kHz〜150kHzである。該方式に代えて、又は好適には該方式との組み合わせで、エネルギー回生型整流器の整流器スイッチ素子を系統周波数で駆動制御することができる。これによると、エネルギー回生型整流器の整流器スイッチ素子を比較的少ない導通状態損失へ最適化することができる。他方、第1の可制御スイッチ素子は、少ないスイッチング損失へ最適化されるので好適であり、それ故にエネルギー回生型整流装置の効率が向上する。
上記制御に基づいて、エネルギー回生型整流器の直流側に生じる出力電圧は、実質的に系統周波数でしか変化せず、その変化の振幅は低減される。要するに、バッファキャパシタンスとエネルギー回生型整流器との間を流れる電流は、第1の可制御スイッチ素子により調節されるということであり、これは、昇圧された中間回路電圧の結果、各相の電流の現在の位相角にほぼ関係なく行うことができる。
概して言えば、エネルギー回生型整流器の特に系統周波数で作動させる整流器スイッチ素子を適切に駆動制御すれば、別のインダクタンスが存在しないことから、第1の可制御スイッチ素子と昇圧コンバータとにより、システム振動が回避される。エネルギー回生型整流器のダイオードにより、中間回路の負側枝路が、例えば静電容量的に、アースに通じていれば、中間回路電圧/出力電圧も、接地に対して系統周波数の3倍の周波数で変化するだけである。その結果、アースへの漏洩電流が減少する。例えば、上記電流の流れを調節するために、制御器が使用される。言い換えれば、第1の可制御スイッチ素子は、制御器、特にPI制御器により制御される。
一例として、昇圧コンバータが昇圧チョッパ回路を含み、好ましくは中間回路の枝路の一方がインダクタンスを含む。具体的には、正側枝路が、例えばダイオードに直列に接続されたインダクタンスを、例えばコイル又はリアクトルの形態で有する。例えば、当該ダイオード及びインダクタンスは別のダイオード及び可変抵抗により橋絡されており、該可変抵抗は、例えば調節可能である。両枝路自体は第2の可制御スイッチ素子により短絡可能である。第2の可制御スイッチ素子は、好ましくは半導体スイッチ素子、特にパワー半導体スイッチであり、例えば電界効果トランジスタ、特にMOSFET又はIGBTである。第2の可制御スイッチ素子を設ける場合は、好適には第1の可制御スイッチ素子と同設計とする。
運転時には第2の可制御スイッチ素子のオン(閉)により中間回路の両枝路が短絡され、したがってインダクタンスが充電される。第2の可制御スイッチ素子のオフ(開)時にはインダクタンスがダイオードを介してバッファキャパシタンスヘ向けて放電させられる。この種の昇圧チョッパ回路により、比較的少ない部品で昇圧コンバータが実現されており、このことが比較的低コストでロバストな昇圧コンバータをもたらす。
これに対する代案では、昇圧コンバータが電子回路平滑インダクタを含み、特に中間回路の枝路の一方が電子回路平滑インダクタを含む。電子回路平滑インダクタ(ESI)はブリッジ回路を有し、該ブリッジ回路の2つの出力端が、コンデンサ、特に電解コンデンサとしてのコンデンサにより、互いに電気的に接続されている。この場合に昇圧コンバータは、同様にコイル又はリアクトル、あるいはコイル及びリアクトルのようなインダクタンスを含むことが好ましく、該インダクタンスは、ブリッジ回路の一方の側、すなわちエネルギー回生型整流器の方を向いた側に、配置される。例えば双方向の電子回路平滑インダクタのB4回路の全てのブリッジアームがそれぞれ可制御スイッチ素子を有するようにして、電子回路平滑インダクタにより第1の可制御スイッチ素子も提供され、これら可制御スイッチ素子は例えば半導体スイッチにより実施される。運転時には可制御スイッチ素子の制御により先ず電子回路平滑インダクタのコンデンサが充電され、そして、該コンデンサは、制御の変更に応じバッファキャパシタンスへ向けて放電させられ、その際に電圧が昇圧される。
好ましくは昇圧コンバータがリアクトルを含み、該リアクトルによりインダクタンスが提供される。この場合のリアクトルは電気エネルギーの蓄積器として用いられ、そのエネルギーが、昇圧のために、好ましくは適切なスイッチ素子によりバッファキャパシタンスへ放出される。リアクトルは、例えば100μH〜500μHのインダクタンスを有する。このインダクタンスは、好ましくは500μH、400μH、300μHよりも小さい。この種のリアクトルは、5kW〜10kWのエネルギー回生型整流装置の定格出力において使用されるのが適切である。このようにして比較的スペースを節約した昇圧コンバータが実現される。
好ましくは、バッファキャパシタンスが、直列接続された2つのバッファコンデンサ要素を含み、これらバッファコンデンサ要素のそれぞれは、例えば電解コンデンサとして実施される。この直列接続回路に基づいて、中間回路電圧が比較的高い場合であっても、耐圧の比較的小さいコンデンサを使用することができ、このことが製造コストを低減する。当該直列接続回路の中間接続点、すなわちバッファコンデンサ要素の互いに電気的に接続された2つの電極は、好ましくはアースに、特に静電容量的に、導かれている。言い換えると、両コンデンサ要素間に生成される電位は静電容量的にアースに導かれ、好ましくはアースに等しい。この方式により、エネルギー回生型整流装置のさらなる障害抑制が提供されるので、電磁適合性がさらに高められる。
本発明に係る工業設備は、交流系統に接続するためのエネルギー回生型整流装置を有する。本エネルギー回生型整流装置により、余剰の電気エネルギーを交流系統へ回生することが可能になる。エネルギー回生型整流装置は、エネルギー回生型整流器と、該エネルギー回生型整流器の直流側に並列接続されたバッファキャパシタンスとを含む。バッファキャパシタンスとエネルギー回生型整流器との間には昇圧コンバータが接続されている。これに代えて、又はこれとの組み合わせで、エネルギー回生型整流器とバッファキャパシタンスとの間に流れる電流が転流の時点で制限される。したがって、エネルギー回生型整流装置により、出力定格が比較的大きい場合であっても、エネルギー回生型整流装置のエネルギー回生に起因した交流系統における振動生成が防止される。当該工業設備は、例えば5kW〜250kWの出力能力を有する。工業設備の出力能力は、好ましくは例えば10kW以上且つ200kW以下である。
エネルギー回生型整流装置の運転方法と関連させて説明した態様及び提示した発展態様は、同様にエネルギー回生型整流装置及び工業設備にも転用が可能であり、且つその逆も可能である。
次の図面を参照して本発明の実施形態につき詳細に説明する。
エネルギー回生型整流装置を備えた工業設備を示す概略図。 エネルギー回生型整流装置の第1実施形態を示す回路図。 エネルギー回生型整流装置の第2実施形態を示す回路図。 エネルギー回生型整流装置のバッファキャパシタンスを示す回路図。 エネルギー回生型整流装置の運転方法を示すフローチャート。 エネルギー回生型整流装置内の無制限電流を示す波形図。 変調度及び相電圧の時間変化と無制限電流を示す波形図。
図面において、互いに対応する部分には同じ参照符号を付してある。
図1には、10kWよりも大きく、例えば100kWに等しい出力定格をもつ電力変換装置4を有する工業設備2が示されている。電力変換装置4により電動機6が運転される。電動機6は、工業設備2のアクチュエータ(図示略)を駆動するべく使用される。電力変換装置4は電動機6と交流系統8との間に電気的に接続されており、交流系統8は、L1、L2、L3とも称する第一相10、第二相12及び第三相14を有する。3つの相10,12,14のそれぞれは、50Hzの周波数を有する正弦波形の交流電圧及び交流電流を導き、三相10,12,14はそれぞれ互いに120°ずつずれている。正弦波形の交流電流を生じさせる正弦波形の交流電圧の振幅はそれぞれ325Vである。
電力変換装置4はエネルギー回生型整流装置16を有し、該整流装置16は交流系統8の三相10,12,14と電気的に直接接続されている。したがってエネルギー回生型整流装置16は、交流系統8と電力変換装置4のインバータ18との間に接続されている。エネルギー回生型整流装置16により直流電流が供給され、この直流電流がインバータ18により交流電流に変換され、そして該交流電流が電動機6の運転に使用される。インバータ18により生成される交流電流は、電動機6の回転数及び出力に合わせられる。
エネルギー回生型整流装置16は、図2に詳細を示すとおり、第1のモジュール20及び第2のモジュール22を含む。第1のモジュール20は、エネルギー回生型整流器24を含み、この整流器24はB6回路で構成される。B6回路は、6つの整流器スイッチ素子26により構成されており、これらの整流器スイッチ素子26は、それぞれが並列接続されたフリーホイールダイオードを備えたSiC−MOSFETである。本形態において、相10,12,14のそれぞれに2つずつ整流器スイッチ素子26が電気的に接続されており、相10,12,14により導かれて交流側28に生じる交流電圧がダイオードにより直流電圧に整流される。該直流電圧がエネルギー回生型整流器24の直流側30に生じ、該電圧は出力電圧Uに等しい。つまり、B6回路は交流側28と直流側30との間にある。
第1のモジュール20は、相対的に小さい容量をもつ中間回路コンデンサ32を有する。交流側28では、各相10,12,14が、それぞれ1つの接地コンデンサ34により静電容量的にアース36に導かれている。さらに第1のモジュール20は、駆動回路38を含み、この駆動回路38から、整流器スイッチ素子26にスイッチング信号が提供される。この駆動制御は、電動機6に対する現在の要求と、各相10,12,14により導かれる交流電流(又は場合によってはその交流電圧)の位相角とに応じて行われる。駆動回路38により整流器スイッチ素子26のスイッチング状態が変化させられ、各フリーホイールダイオードの逆方向バイアスの向きで順方向バイアスも可能となる。この制御は、好ましくは系統周波数に同期して行われる。第1のモジュール20は、いわゆるF3Eトポロジーにより実施することができ、相対的に小さい中間回路コンデンサ32、つまりスリムライン中間回路(DCリンク)を備える。
直流側30において中間回路コンデンサ32に第2のモジュール22が並列接続されており、この第2のモジュール22は、基本的に、中間回路コンデンサ32を備えた電力変換装置4の中間回路40を形成している。中間回路40は負側枝路42と正側枝路44とを有し、正側枝路44により導かれる電位が負側枝路42の電位よりも高い。負側枝路42の電位は、エネルギー回生型整流器24のフリーホイールダイオードと接地コンデンサ34とにより、アース36の電位にほぼ等しい。
負側枝路42と正側枝路44との間にバッファキャパシタンス46が接続されており、したがってこのバッファキャパシタンス46は、エネルギー回生型整流器24の直流側30に対して並列に接続されている。バッファキャパシタンス46は、本実施形態において、第1の電解コンデンサ48を有する。バッファキャパシタンス46には予備充電回路50が備えられ、この予備充電回路50により、第1のモジュール20に関係なく第1の電解コンデンサ48を充電することができる。第2のモジュール22は、昇圧チョッパ回路54を備えた昇圧コンバータ52を含み、この昇圧コンバータ52が正側枝路44に接続されているリアクトル56を有し、当該リアクトル56が150μHのインダクタンスをもつ。リアクトル56とバッファキャパシタンス46との間に第1の可制御スイッチ素子58が接続されており、したがって第1の可制御スイッチ素子58はリアクトル56と直列に接続されている。SiC−MOSFETである第1の可制御スイッチ素子58は、バッファキャパシタンス46と直流側30との間に接続されていることになる。
第1の可制御スイッチ素子58とリアクトル56との間に第2の可制御スイッチ素子60の一端が電気的に接続されており、該第2の可制御スイッチ素子60の他端は負側枝路42に電気的に接続されている。第2の可制御スイッチ素子60は、第1の可制御スイッチ素子58と構造的に等しく、且つ第1の可制御スイッチ素子58と同様に、PI制御器を含む制御回路62からのスイッチング信号で駆動制御される。
リアクトル56及び第1の可制御スイッチ素子58は、ダイオード64及びこれに直列接続された可変抵抗66により橋絡されている。ダイオード64と、双方向スイッチ素子である第1の可制御スイッチ素子58とは、オフ(開)状態でバッファキャパシタンス46から整流器側30(すなわち整流器24の直流側)へ流れる電流を阻止する。昇圧コンバータ52により運転時に昇圧が行われるので、直流側30に生じて中間回路コンデンサ32に印加される出力電圧Uは、バッファキャパシタンス46に生じる中間回路電圧Uよりも小さい。
昇圧チョッパ回路54の運転時には、先ずバッファキャパシタンス46が出力電圧Uまで充電され、その際にリアクトル56も充電される。第1の可制御スイッチ素子58は、整流器側30からバッファキャパシタンス46へのみ電流が流れるように制御される。言い換えると、第1の可制御スイッチ素子58はオフ(開)状態にある。次に、正側枝路44及び負側枝路42を短絡するように第2の可制御スイッチ素子60が駆動制御される。その結果、電流が流れてリアクトル56が充電される。リアクトル56が充電されるとすぐに、第2の可制御スイッチ素子60がオフ(開)状態にされる。その結果、リアクトル56が、第1の可制御スイッチ素子58を介してバッファキャパシタンス46へ向けて放電し、該バッファキャパシタンス46の電圧が昇圧される。
図3に、エネルギー回生型整流装置の変形例が示されているが、第1のモジュール20については変更されていない。また、バッファキャパシタンス46にも変更はない。すなわち、昇圧コンバータ52のみを変更してあって、本実施形態の昇圧コンバータ52は、昇圧チョッパ回路54の代わりに、正側枝路44中に挿入接続された双方向の電子回路平滑インダクタ(Electronic Smoothing Inductor)68を有し、この電子回路平滑インダクタ68がB4回路を含んでいて、B4回路がリアクトル56(変更なし)と直列に接続されている。電子回路平滑インダクタ68は、ブリッジ回路のために第1の半導体スイッチ70と第2の半導体スイッチ72とを有し、これら第1及び第2の半導体スイッチ70,72は互いに直列に接続されて、第3の半導体スイッチ74及び第4の半導体スイッチ76に対して並列に接続されており、これら第3及び第4の半導体スイッチ74,76も互いに直列に接続されている。電子回路平滑インダクタ68のこのように形成された2つの枝路は、コンデンサ78により互いに電気的に接続されており、該コンデンサ78の一方の電極が第1及び第2の半導体スイッチ70,72に電気的に接続され、他方の電極が第3及び第4の半導体スイッチ74,76に電気的に接続されている。
第1、第2、第3及び第4の半導体スイッチ70,72,74,76は第1の可制御スイッチ素子58でもあり、当該第1の可制御スイッチ素子58は、バッファキャパシタンス46と整流器側30との間に流れる電流の調節を可能にする。半導体スイッチ70,72,74,76は、上記同様に制御回路62からのスイッチング信号で駆動制御される。出力電圧Uに比べて昇圧した中間回路電圧Uを発生させるために、例えば全ての半導体スイッチ70,72,74,76が電気的に導通状態に切り換えられると、リアクトル56が充電される。この場合にはコンデンサ78は充電されない。これに続いて第2及び第3の半導体スイッチ72,74が電気的に非導通状態に切り換えられると、コンデンサ78がダイオード74の作用で充電される。リアクトル56が放電するとすぐに、第2及び第3の半導体スイッチ72,74が導通状態に切り換えられると共に第1及び第4の半導体スイッチ70,76が非導通状態に切り換えられ、これによりコンデンサ78がバッファキャパシタンス46へ向けて放電する結果、昇圧された中間回路電圧Uが得られる。
図4に、バッファキャパシタンス46の他の実施形態を示す。予備充電回路50は図示していないが、これも存在し得る。バッファキャパシタンス46は、第1の電解コンデンサ48及び第2の電解コンデンサ80を有し、これら電解コンデンサ48,80は互いに直列に接続されていて、バッファキャパシタンス46のバッファコンデンサ要素を形成している。これらバッファコンデンサ要素の間に中間点82が形成されており、該中間点82の電位は2つのバッファコンデンサ要素48,80の一方の電極の電位に相当する。中間点82は第2の接地コンデンサ84により静電容量的にアース36へ導かれている。
図5には、エネルギー回生型整流装置16の運転方法86が示されている。第1運転ステップ88において、エネルギー回生型整流器24の直流側30に現れる出力電圧Uが、昇圧コンバータ52により中間回路電圧Uへ昇圧され、このために電子回路平滑インダクタ68又は昇圧チョッパ回路54が適切に駆動される。この駆動のために制御回路62が使用される。第2の可制御スイッチ素子60又は半導体スイッチ70,72,74,76はこのためにパルス周波数で変調制御されることが好ましい。
次の第2運転ステップ90では、エネルギー回生型整流器24によってバッファキャパシタンス46から交流系統8への逆方向電流を発生すべきことが決定される。正側枝路44及び負側枝路42は、整流器スイッチ素子26の1つにより相10,12,14のうちの1つに電気的に接続する。第3運転ステップ91では、無制限電流DCAを決定する。この電流DCAは図6に時間の関数として示してある。無制限電流DCAは、相10,12,14の間で厳密に転流が起こるように整流器スイッチ素子26を制御した場合にもたらされる。言い換えると、それぞれ時点92を生じるということで、該時点92で、整流器スイッチ素子26により正側枝路44又は負側枝路42を相10,12,14の1つから他の相10,12,14へ切り換え、該他の相と正側枝路44又は負側枝路42との間に低抵抗の電気的な接続を生成する。この転流の瞬間(転流時点)92で、整流器スイッチ素子26により切り換えられた無制限電流DCAminが生じ、これは100A(アンペア)までの値であり得る。無制限電流DCAは、無制限電流DCAminとピーク値94との間で経過し、その時間的経過は、基本的に交流系統8の系統周波数の3倍の周波数で変化する。無制限電流DCAの時間的平均値をDCAmaxとして用いる。求めたDCA、DCAmin、DCAmaxに基づいて、図7に示す変調度96を算定する。この変調度96は、次式に基づいて決定される。
min(1;(DCA−DCAmin)/(DCAmax−DCAmin))
式中の「min」は最小関数を表す。変調度96は従って常に0と1の間にある。
第4運転ステップ98では、無制限電流DCAと変調度96との積である値100を生成する。制御回路62により、バッファキャパシタンス46とエネルギー回生型整流器24の直流側30との間に流れる電流がこの値100へ規制され、この目的のために第1の可制御スイッチ素子58が適切に制御される。第1の可制御スイッチ素子58は、例えばパルス周波数で駆動制御することにより、電流を比較的精密に調節することが可能になる。使用する周波数は0kHzと150kHzとの間にある。
電流が、時間的に平均化した無制限電流DCAmaxより大きければ、第1の可制御スイッチ素子58は、該電流を制限しないように制御する。言い換えると、第1の可制御スイッチ素子58は電気的に導通状態におく。無制限電流DCAが、時間的に平均化した無制限電流DCAmaxより小さくなるとすぐに、制御回路62により、変調度96に基づいて実際の電流をより強く低下させ、この目的のために所定のパルス周波数を第1の可制御スイッチ素子58に印加して駆動制御する。中間回路コンデンサ32及びリアクトル56が平滑作用を担うので、実際に流れる電流はほぼ連続的に低下する。
第5運転ステップ102で転流92が行われる。整流器スイッチ素子26を駆動回路38が制御し、今まで電気的に導通していた整流器スイッチ素子26を電気的非導通の状態に移行させ、他の2つの整流器スイッチ素子26を電気的導通状態に移行させる。変調度96に基づいて、この時点92で実際の電流は0Aであるので、エネルギー回生型整流器24においてスイッチング損失は実質的に発生しない。
第6運転ステップ104では、変調度96が再び0より大きいことから、再度電流が増大する。エネルギー回生中には、整流器スイッチ素子26を系統周波数で動作させる。言い換えると、整流器スイッチ素子26のスイッチング状態変化は転流の時点92でのみ行われる。エネルギー回生が続くかぎり、その電流は制御回路62により値100に規制され、変調度96が相応に変化する。
系統側の電圧ディップ106、一例を図7に示してあって第二相12に比較的短時間の電圧低下が現れている、が発生する場合、無制限電流DCAを変調度96の算定に使用していることから、値100は0A(ゼロアンペア)に等しい。したがって、バッファキャパシタンス46が交流系統8により実際に給電されているときであっても、交流系統8から取り出される電気エネルギーはない。その結果、交流系統8の負荷が低減される。
エネルギー回生型整流装置16の電力消費は、変調度96を使用することにより、一方では、存在する電流高調波が比較的低いから、交流系統8にかかる負荷という点では比較的少ない。他方では、系統側の電圧ディップ106が存在する場合にも、模擬的な「抵抗(オーミック)」特性により、交流系統8に負荷がかかることはない。電動機6の運転はバッファキャパシタンス46により可能である。
要するに、第1のモジュール20の整流器スイッチ素子26は、系統と実質的に同期してスイッチングされることから、比較的少ない導通状態損失を目指して最適化することができる。これに対して第2のモジュール22は、パルス周波数でクロック制御され、できるだけ少ないスイッチング損失を目指して最適化される。そして、負側枝路42がダイオード及び接地コンデンサ34によりアース36に導かれているから、エネルギー回生型整流装置16により、アース36に対する中間回路電圧Uは系統周波数の3倍の周波数でのみ変化する。その変化の振幅は比較的小さく、漏洩電流は同様にアース36へ導かれる。
本発明は、ここに説明した実施形態に限定されない。当分野で通常の知識をもつ者であれば、本発明の他の異なる形態も、本発明の技術的思想から逸脱することなくここから導き出すことができる。特に、個々の実施形態と結びつけて説明した個々の特徴はすべて、本発明の技術的思想から逸脱することなく、別の手法で互いに組み合わせることができる。
2 工業設備
4 電力変換装置
6 電動機
8 交流系統
10 第一相
12 第二相
14 第三相
16 エネルギー回生型整流装置
18 インバータ
20 第1のモジュール
22 第2のモジュール
24 エネルギー回生型整流器
26 整流器スイッチ素子
28 交流側
30 直流側(整流器側)
32 中間回路コンデンサ
34 接地コンデンサ
36 アース(接地)
38 駆動回路
40 中間回路
42 負側枝路
44 正側枝路
46 バッファキャパシタンス
48 第1の電解コンデンサ(バッファコンデンサ)
50 予備充電回路
52 昇圧コンバータ
54 昇圧チョッパ回路
56 リアクトル
58 第1の可制御スイッチ素子
60 第2の可制御スイッチ素子
62 制御回路
64 ダイオード
66 可変抵抗
68 電子回路平滑インダクタ
70 第1の半導体スイッチ
72 第2の半導体スイッチ
74 第3の半導体スイッチ
76 第4の半導体スイッチ
78 コンデンサ
80 第2の電解コンデンサ(バッファコンデンサ)
82 中間点
84 第2の接地コンデンサ

Claims (14)

  1. 交流系統(8)へ接続されるエネルギー回生型整流装置(16)であり、エネルギー回生型整流器(24)と、該エネルギー回生型整流器(24)の直流側(30)に並列接続されたバッファキャパシタンス(46)とを含むエネルギー回生型整流装置(16)の運転方法であって、
    前記エネルギー回生型整流器(24)と前記バッファキャパシタンス(46)との間の電流を転流の時点(92)で制限することを特徴とする、運転方法。
  2. 前記バッファキャパシタンス(46)から前記直流側(30)へ流れる電流を制限する、請求項1に記載の運転方法。
  3. 前記電流を0A(アンペア)に制限する、請求項2に記載の運転方法。
  4. 前記バッファキャパシタンス(46)に生じる中間回路電圧(U)が、前記直流側(30)で前記エネルギー回生型整流器(24)に生じる出力電圧(U)に比べて昇圧してある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転方法。
  5. 系統側の電圧ディップ(106)が発生したときに、前記エネルギー回生型整流器(24)と前記バッファキャパシタンス(46)との間の電流を制限する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転方法。
  6. 前記エネルギー回生型整流器(24)と前記バッファキャパシタンス(46)との間の電流を、変調度(96)と無制限電流(DCA)との積である値(100)に制限する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転方法。
  7. 1と商(DCA−DCAmin)/(DCAmax−DCAmin)とから、小さい値の方を選んで前記変調度(96)として使用し、前記式中、DCAは無制限電流に該当し、DCAminは転流の時点(92)の無制限電流に該当し、DCAmaxは時間的に平均化した無制限電流に該当する、請求項6に記載の運転方法。
  8. 交流系統(8)へ接続されるエネルギー回生型整流装置であって、
    エネルギー回生型整流器(24)と、該エネルギー回生型整流器(24)の直流側(30)に並列接続されたバッファキャパシタンス(46)とを含み、
    前記バッファキャパシタンス(46)と前記エネルギー回生型整流器(24)との間に昇圧コンバータ(52)が接続され
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の運転方法により運転される、エネルギー回生型整流装置。
  9. 前記バッファキャパシタンス(46)と前記直流側(30)との間に、第1の可制御スイッチ素子(58)が接続されている請求項8に記載のエネルギー回生型整流装置。
  10. 前記第1の可制御スイッチ素子(58)がパルス周波数で駆動される、請求項9に記載のエネルギー回生型整流装置。
  11. 前記昇圧コンバータ(52)が、昇圧チョッパ回路(54)又は電子平滑インダクタ(68)か、又は、100μH〜500μHのインダクタンスをもつリアクトル(56)を、少なくとも含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載のエネルギー回生型整流装置。
  12. 前記バッファキャパシタンス(46)が、直列接続された2つのバッファコンデンサ要素(48,80)を含み、これらバッファコンデンサ要素(48,80)の中間点(82)が静電容量的にアース(36)に導かれている、請求項8〜11のいずれか1項に記載のエネルギー回生型整流装置。
  13. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の運転方法(86)に従って運転されるエネルギー回生型整流装置(16)を備えた工業設備であって、5kW〜250kWの出力をもつ工業設備。
  14. 10kW〜200kWの出力をもつ、請求項13に記載の工業設備。
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