JP2019506383A - 潰瘍性大腸炎を治療するための製剤および方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ドルカナチドを患者に投与する工程を含む、潰瘍性大腸炎の症状を予防、治療、または緩和するための組成物および方法を提供する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2016年1月11日に出願された米国特許仮出願第62/277,329号の恩典を主張し、それはすべての目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本出願は、2016年1月11日に出願された米国特許仮出願第62/277,329号の恩典を主張し、それはすべての目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
配列表の参照による援用
2017年1月11日に記録された105 KBのサイズである「SYPA_015_001WO_SeqList_ST25.txt」と名付けられたテキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
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発明の分野
本発明は、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の治療のための、グアニル酸シクラーゼC(GC-C)アゴニストの治療的使用に関する。該アゴニストは、潰瘍性大腸炎の1つまたは複数の症状を予防、治療、または緩和するために、単独で、または追加の活性剤と同時もしくは順次のいずれかで、使用され得る。
本発明は、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の治療のための、グアニル酸シクラーゼC(GC-C)アゴニストの治療的使用に関する。該アゴニストは、潰瘍性大腸炎の1つまたは複数の症状を予防、治療、または緩和するために、単独で、または追加の活性剤と同時もしくは順次のいずれかで、使用され得る。
発明の背景
潰瘍性大腸炎(UC)は、主に結腸粘膜および粘膜下組織に影響を及ぼす炎症性腸疾患である。潰瘍性大腸炎の最も一般的な症状は、血性下痢、膿の排泄、粘液、および排便時の異常な痙攣の症状につながる、結腸の内壁の潰瘍および炎症である。現在、疾患を治癒するための有効な治療法は存在しない。したがって、治療は主に症状の低減に依拠する。軽症または中等症の潰瘍性大腸炎を有する人々の多くは、炎症を低減して症状を軽減するために、コルチコステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、およびヒドロコルチゾン)で治療される。症状を治療するために典型的に用いられる他の薬物には、免疫調節物質(アザチオプリンおよび6-メルカプト-プリン)およびアミノサリチル酸が含まれる。これらの薬物の多くには、非常に多くの副作用が伴う。デキサメタゾンは、例えば、肝臓および腎臓の機能に対して多くの副作用を有する。
潰瘍性大腸炎(UC)は、主に結腸粘膜および粘膜下組織に影響を及ぼす炎症性腸疾患である。潰瘍性大腸炎の最も一般的な症状は、血性下痢、膿の排泄、粘液、および排便時の異常な痙攣の症状につながる、結腸の内壁の潰瘍および炎症である。現在、疾患を治癒するための有効な治療法は存在しない。したがって、治療は主に症状の低減に依拠する。軽症または中等症の潰瘍性大腸炎を有する人々の多くは、炎症を低減して症状を軽減するために、コルチコステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、およびヒドロコルチゾン)で治療される。症状を治療するために典型的に用いられる他の薬物には、免疫調節物質(アザチオプリンおよび6-メルカプト-プリン)およびアミノサリチル酸が含まれる。これらの薬物の多くには、非常に多くの副作用が伴う。デキサメタゾンは、例えば、肝臓および腎臓の機能に対して多くの副作用を有する。
副作用なく潰瘍性大腸炎の1つまたは複数の症状を治療、予防および緩和する組成物および方法の必要性が存在する。
本発明は、ドルカナチド(dolcanatide)(すなわち、SP-333またはSEQ ID NO:9)を含む組成物の治療的有効量を、それを必要とする対象に直腸投与する工程による、潰瘍性大腸炎の症状を予防、治療または緩和するための方法を提供する。有効量は1用量あたり約1 mg〜10 mgである。好ましくは、用量は6 mgである。組成物は1日1回投与される。好ましくは、組成物は28日間1日1回投与される。組成物は就寝前に投与される。組成物は浣腸剤または坐剤として投与される。任意で、組成物の放出は時間依存的である。本発明によって、SEQ ID NO:9のペプチドを含む、直腸投与用の製剤も提供され、ここで、該ペプチドは(4,12:7,15)二環である。製剤は生理食塩水などの液体である。あるいは、製剤は浣腸剤または坐剤である。別の局面では、本発明は、6 mgのドルカナチド(SEQ ID NO:9)を含む直腸製剤を提供する。製剤は水性である。
詳細な説明
「a」、「an」、および「the」などの単数形が、便宜上、本出願全体にわたって使用されるが、文脈または明確な陳述が別のように示している箇所を除いて、単数形は、複数を含むように意図されることが、理解されるべきである。さらに、本明細書において言及されるあらゆる学術誌の論文、特許、特許出願、刊行物などは、その全体がすべての目的で参照により本明細書に組み入れられる。すべての数値範囲は、数値範囲内の各々のかつあらゆる数値点を含むと理解されるべきであり、各々のかつあらゆる数値点を個々に列挙すると解釈されるべきである。同じ構成成分または特性に向けられているすべての範囲の終点は、包括的であり、独立して組み合わせ可能であるように意図される。
「a」、「an」、および「the」などの単数形が、便宜上、本出願全体にわたって使用されるが、文脈または明確な陳述が別のように示している箇所を除いて、単数形は、複数を含むように意図されることが、理解されるべきである。さらに、本明細書において言及されるあらゆる学術誌の論文、特許、特許出願、刊行物などは、その全体がすべての目的で参照により本明細書に組み入れられる。すべての数値範囲は、数値範囲内の各々のかつあらゆる数値点を含むと理解されるべきであり、各々のかつあらゆる数値点を個々に列挙すると解釈されるべきである。同じ構成成分または特性に向けられているすべての範囲の終点は、包括的であり、独立して組み合わせ可能であるように意図される。
「約」は、参照値と実質的に同じ効果を有するか、または実質的に同じ結果を提供するすべての値を含む。したがって、「約」という用語によって包含される範囲は、その中で用語が使用される文脈、例えば、参照値が関連するパラメータに応じて変動するであろう。したがって、文脈に依存して、「約」は、例えば、±15%、±10%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、または±1%未満を意味することができる。重要なことに、「約」という用語が先行する参照値の列挙のすべては、参照値単独の列挙でもあるように意図される。
本発明は、グアニル酸シクラーゼ-C(GC-C)のアゴニストの開発に基づく。アゴニストは、ウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、および大腸菌(E. coli)STペプチドのアナログである。
具体的には、本発明は、ドルカナチド(本明細書においてSP-333またはSEQ ID NO:9とも呼ばれる)またはプレカナチド(Plecanatide)(本明細書においてSP-304またはSEQ ID NO:1とも呼ばれる)の直腸送達が潰瘍性大腸炎の症状を改善するという発見に基づく。ドルカナチドは、腸管におけるプロテアーゼによる標準的な消化分解に対する耐性が増強されている、ウログアニリンのアナログである。以前に、いくつかの前臨床モデルにおいて、大腸炎におけるウログアニリンおよびウログアニリンのアナログの抗炎症の役割の可能性が実証されている。これらの初期の動物試験では、ドルカナチドによる経口治療が、マウスモデルにおいてDSSおよびTNBS誘発性の急性大腸炎を改善することが示された。ウログアニリンのアナログは、T細胞受容体αノックアウトマウスにおいて特発性大腸炎を改善することも示された。
軽症から中等症の潰瘍性大腸炎を有する28人の患者を評価する4週間の二重盲検プラセボ対照試験が実施された。患者は、生理食塩水で溶解した6 mg ドルカナチドを、28日間毎晩、直腸内に投与された。データの分析は、プラセボで治療した対象と比較して、ドルカナチドで治療した患者において明確な改善のシグナルを示す。具体的には、ドルカナチドで治療した患者は、28日間の治療後に自身の潰瘍性大腸炎症状から寛解した。ドルカナチドはまた、安全でありかつ耐容性良好であった。
したがって、本発明は、治療的有効量のドルカナチドまたはプレカナチドを、それを必要とする対象に直腸投与する工程により、潰瘍性大腸炎の症状を予防、治療または緩和するための方法を提供する。いくつかの態様では、対象は軽症から中等症の潰瘍性大腸炎を有する。潰瘍性大腸炎の症状には、例えば、血液および粘液が混じった下痢、および表1に記載されている症状が含まれる。いくつかの態様では、潰瘍性大腸炎は、表1にしたがってスコア化される。
本発明には、下記の表2〜8に要約される式I〜XXならびにアミノ酸配列によって表されるいずれかのGC-Cアゴニストの直腸製剤も含まれる。本発明によるGC-Cアゴニストは、本明細書において「GCRAペプチド」と総称される。いくつかの態様では、GC-Cアゴニストは、SEQ ID NO:1(SP-304)、SP-333(SEQ ID NO:9);SP373(SEQ ID NO:104)、SP364(SEQ ID NO:100)、SP366(SEQ ID NO:102)、またはSED ID NO:250の配列を有する。
いくつかの態様では、提供されるGC-Cアゴニスト製剤は、急性オピオイドの使用を経験している対象への投与に有用である。いくつかの態様では、提供されるGC-Cアゴニスト製剤は、手術後の胃腸機能障害、腸機能障害、または呼吸抑制を患う患者への投与に有用である。
GCRAペプチド
本発明のGCRAペプチドは、ウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、およびSTペプチドのアナログである。「ペプチド」という用語は特定の長さを意味しない。いくつかの態様では、GCRAペプチドは、25アミノ酸長未満、例えば、20、15、14、13、12、11、10、または5アミノ酸長以下である。
本発明のGCRAペプチドは、ウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、およびSTペプチドのアナログである。「ペプチド」という用語は特定の長さを意味しない。いくつかの態様では、GCRAペプチドは、25アミノ酸長未満、例えば、20、15、14、13、12、11、10、または5アミノ酸長以下である。
本発明による好ましいGCRAペプチドはSP-333(SEQ ID NO:9)である。いくつかの態様では、GCRAペプチドはSP-333(SEQ ID NO:9)であり、該ペプチドは(4,12;7,15)二環である。いくつかの態様では、GCRAペプチドはSP-304(SEQ ID NO:1)である。いくつかの態様では、GCRAペプチドはSP-304(SEQ ID NO:1)であり、該ペプチドは(4,12;7,15)二環である。
GCRAペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸、または両方の組み合わせのポリマーであることができる。例えば、様々な態様では、当該ペプチドは、D-レトロ-インベルソペプチドである。「レトロ-インベルソ異性体」という用語は、配列の向きが逆で、各アミノ酸残基のキラリティーが逆転している線状ペプチドの異性体を表す。例えば、Jameson et al., Nature, 368, 744-746 (1994); Brady et al., Nature, 368, 692-693 (1994)を参照されたい。D-鏡像異性体と逆合成との組み合わせの最終結果は、各アミド結合におけるカルボニル基の位置とアミノ基の位置が入れ替わっており、一方で各α炭素における側鎖基の位置は維持されていることである。特に具体的に述べない限り、本発明の任意の所与のL-アミノ酸配列は、対応するネイティブなL-アミノ酸配列についての配列の逆を合成することによってD-レトロ-インベルソペプチドを生成し得ることが推定される。例えば、GCRAペプチドには、式I〜XXによって定義される配列および表2〜8に列挙された配列が含まれる。
cGMP産生の誘導は、GCRAペプチドが細胞内cGMPの産生を誘導することを意味する。細胞内cGMPは、当技術分野において公知の方法によって測定される。例えば、本発明のGCRAペプチドは、天然型GC-Cアゴニストと比較して、5%、10%、20%、30%、40%、50% 、75%、90%、またはそれより強く、細胞内cGMPを刺激する。さらなる態様では、GCRAペプチドは、アポトーシス(例えば、プログラムされた細胞死)を刺激するか、または嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)を活性化する。
本明細書で使用される場合、PEG3、3PEGは、アミノエチルオキシ-エチルオキシ-酢酸(AeeA)などのポリエチレングリコールを示すことを意図している。
本明細書で使用される場合、「アミド」という用語は、末端カルボン酸がアミド基によって置換されている、すなわち末端COOHがCONH2で置換されていることを示すことを意図している。
本明細書で使用される場合、「pyGlu」という用語は、ピログルタミン酸を示す。
本明細書で(例えば、式I〜XXにおいて)使用される場合、Xaaは、任意の天然、非天然のアミノ酸またはアミノ酸アナログであり;Maaは、システイン(Cys)、ペニシラミン(Pen)、ホモシステイン、または3-メルカプトプロリンである。Xaan1は、1、2、または3残基長の任意の天然、非天然のアミノ酸またはアミノ酸アナログのアミノ酸配列を意味することを意図しており;Xaan2は、0または1残基長の任意の天然、非天然のアミノ酸またはアミノ酸アナログのアミノ酸配列を意味することを意図しており;Xaan3は、0、1、2、3、4、5、または6残基長の任意の天然、非天然のアミノ酸またはアミノ酸アナログのアミノ酸配列を意味することを意図している。さらに、Xaaによって表される任意のアミノ酸は、L-アミノ酸、D-アミノ酸、メチル化アミノ酸、フッ化アミノ酸、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。好ましくは、N末端、C末端、または両末端のアミノ酸はD-アミノ酸である。任意で、式I〜XXによって表される任意のGCRAペプチドは、N末端、C末端、または両末端に1つまたは複数のポリエチレングリコール残基を含有してもよい。例示的なポリエチレングリコールには、アミノエチルオキシ-エチルオキシ-酢酸およびそのポリマーが含まれる。
本発明の方法および製剤に使用できるGCCアゴニストの具体例には、表2〜8より選択されるペプチドが含まれる。
いくつかの態様では、GCCアゴニストペプチドには、式Iのアミノ酸配列を有するペプチドが含まれ、式Iの少なくとも1つのアミノ酸は、D-アミノ酸もしくはメチル化アミノ酸であり、かつ/または位置16のアミノ酸はセリンである。好ましくは、式Iの位置16のアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。例えば、式Iの位置16のアミノ酸は、d-ロイシンまたはd-セリンである。任意で、式Iの位置1〜3のアミノ酸の1つまたは複数は、D-アミノ酸もしくはメチル化アミノ酸、またはD-アミノ酸もしくはメチル化アミノ酸の組み合わせである。例えば、式IのAsn1、Asp2、またはGlu3(またはそれらの組み合わせ)は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式Iの位置Xaa6のアミノ酸は、ロイシン、セリン、またはチロシンである。
代替態様では、GCCアゴニストペプチドには、式IIのアミノ酸配列を有するペプチドが含まれ、式IIの少なくとも1つのアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式IIのXaan2で示されるアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。いくつかの態様では、式IIのXaan2で示されるアミノ酸は、ロイシン、d-ロイシン、セリン、またはd-セリンである。好ましくは、式IIのXaan1で示される1つまたは複数のアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式IIの位置Xaa6のアミノ酸は、ロイシン、セリン、またはチロシンである。
いくつかの態様では、GCCアゴニストペプチドには、式IIIのアミノ酸配列を有するペプチドが含まれ、式IIIの少なくとも1つのアミノ酸は、D-アミノ酸もしくはメチル化アミノ酸であり、かつ/またはMaaはシステインではない。好ましくは、式IIIのXaan2で示されるアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。いくつかの態様では、式IIIのXaan2で示されるアミノ酸は、ロイシン、d-ロイシン、セリン、またはd-セリンである。好ましくは、式IIIのXaan1で示される1つまたは複数のアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式IIIの位置Xaa6のアミノ酸は、ロイシン、セリン、またはチロシンである。
他の態様では、GCCアゴニストペプチドには、式IVのアミノ酸配列を有するペプチドが含まれ、式IVの少なくとも1つのアミノ酸は、D-アミノ酸もしくはメチル化アミノ酸であり、かつ/またはMaaはシステインではない。好ましくは、式IVのXaan2は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。いくつかの態様では、式IVのXaan2で示されるアミノ酸は、ロイシン、d-ロイシン、セリン、またはd-セリンである。好ましくは、式IVのXaan1で示されるアミノ酸の1つまたは複数は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式IVのXaa6で示されるアミノ酸は、ロイシン、セリン、またはチロシンである。
さらなる態様では、GCCアゴニストペプチドには、式Vのアミノ酸配列を有するペプチドが含まれ、式Vの少なくとも1つのアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式Vの位置16のアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。例えば、式Vの位置16のアミノ酸(すなわちXaa16)は、d-ロイシンまたはd-セリンである。任意で、式Vの位置1〜3のアミノ酸の1つまたは複数は、D-アミノ酸もしくはメチル化アミノ酸、またはD-アミノ酸もしくはメチル化アミノ酸の組み合わせである。例えば、式VのAsn1、Asp2、またはGlu3(またはその組み合わせ)は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式VのXaa6に示されたアミノ酸は、ロイシン、セリン、またはチロシンである。
追加態様では、GCRAペプチドには、式VI、VII-a、VII-b、VIII、またはIXのアミノ酸配列を有するペプチドが含まれる。好ましくは、式VI、VII-a、VII-b、VIII、またはIXの位置6のアミノ酸は、ロイシン、セリン、またはチロシンである。いくつかの局面では、式VI、VII-a、VII-b、VIII、またはIXの位置16のアミノ酸は、ロイシンまたはセリンである。好ましくは、式VI、VII-a、VII-b、VIIIまたはIXの位置16のアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。
追加態様では、GCRAペプチドには、式X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、またはXVIIのアミノ酸配列を有するペプチドが含まれる。任意で、式X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、またはXVIIの1つまたは複数のアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。好ましくは、式X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、またはXVIIによるペプチドのカルボキシル末端のアミノ酸は、D-アミノ酸またはメチル化アミノ酸である。例えば、式X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、またはXVIIによるペプチドのカルボキシル末端のアミノ酸はD-チロシンである。
好ましくは、式XIVのXaa6で示されるアミノ酸は、チロシン、フェニルアラニン、またはセリンである。最も好ましくは、式XIVのXaa6によって示されるアミノ酸は、フェニルアラニンまたはセリンである。好ましくは、式XV、XVI、またはXVIIのXaa4で示されるアミノ酸は、チロシン、フェニルアラニン、またはセリンである。最も好ましくは、式XV、XVI、またはXVIIの位置Xaa4のアミノ酸は、フェニルアラニンまたはセリンである。
いくつかの態様では、GCRAペプチドには、式XVIIIのアミノ酸配列を含有するペプチドが含まれる。好ましくは、式XVIIIの位置1のアミノ酸は、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミンまたはリジンである。好ましくは、式XVIIIの位置2および3のアミノ酸は、グルタミン酸またはアスパラギン酸である。好ましくは、位置5のアミノ酸はグルタミン酸である。好ましくは、式XVIIIの位置6のアミノ酸は、イソロイシン、バリン、セリン、トレオニン、またはチロシンである。好ましくは、式XVIIIの位置8のアミノ酸は、バリンまたはイソロイシンである。好ましくは、式XVIIIの位置9のアミノ酸はアスパラギンである。好ましくは、式XVIIIの位置10のアミノ酸は、バリンまたはメチオニンである。好ましくは、式XVIIIの位置11のアミノ酸はアラニンである。好ましくは、式XVIIIの位置13のアミノ酸はトレオニンである。好ましくは、式XVIIIの位置14のアミノ酸はグリシンである。好ましくは、式XVIIIの位置16のアミノ酸は、ロイシン、セリン、またはトレオニンである。
代替態様では、GCRAペプチドには、式XIXのアミノ酸配列を含有するペプチドが含まれる。好ましくは、式XIXの位置1のアミノ酸は、セリンまたはアスパラギンである。好ましくは、式XIXの位置2のアミノ酸は、ヒスチジンまたはアスパラギン酸である。好ましくは、式XIXの位置3のアミノ酸は、トレオニンまたはグルタミン酸である。好ましくは、式XIXの位置5のアミノ酸はグルタミン酸である。好ましくは、式XIXの位置6のアミノ酸は、イソロイシン、ロイシン、バリン、またはチロシンである。好ましくは、式XIXの位置8、10、11、または13のアミノ酸はアラニンである。好ましくは、式XIXの位置9のアミノ酸はアスパラギンまたはフェニルアラニンである。好ましくは、式XIXの位置14のアミノ酸はグリシンである。
さらなる態様では、GCRAペプチドには、式XXのアミノ酸配列を含有するペプチドが含まれる。好ましくは、式XXの位置1のアミノ酸はグルタミンである。好ましくは、式XXの位置2または3のアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸である。好ましくは、式XXの位置5のアミノ酸はグルタミン酸である。好ましくは、式XXの位置6のアミノ酸は、トレオニン、グルタミン、チロシン、イソロイシン、またはロイシンである。好ましくは、式XXの位置8のアミノ酸はイソロイシンまたはバリンである。好ましくは、式XXの位置9のアミノ酸はアスパラギンである。好ましくは、式XXの位置10のアミノ酸はメチオニンまたはバリンである。好ましくは、式XXの位置11のアミノ酸はアラニンである。好ましくは、式XXの位置13のアミノ酸はトレオニンである。好ましくは、式XXの位置1のアミノ酸はグリシンである。好ましくは、式XXの位置15のアミノ酸はチロシンである。任意で、式XXの位置15のアミノ酸は、2アミノ酸長であり、システイン(Cys)、ペニシラミン(Pen)、ホモシステイン、または3-メルカプトプロリンと、セリン、ロイシン、またはトレオニンとである。
特定の態様では、GCRAペプチドの1つまたは複数のアミノ酸は、非天然アミノ酸または天然もしくは非天然アミノ酸アナログに置き換えられることができる。標準的な20種(Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、およびVal)以外に多くのアミノ酸がある。天然型もあれば、天然型でないものもある。(例えば、Hunt, The Non-Protein Amino Acids: In Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids, Barrett, Chapman and Hall, 1985を参照)。例えば、芳香族アミノ酸は、3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン、3-ヨード-L-チロシン、トリヨードチロシン、L-チロキシン、フェニルグリシン(Phg)、またはノル-チロシン(norTyr)に置き換えられることができる。PhgおよびnorTyrならびにPheおよびTyrを含む他のアミノ酸は、例えば、ハロゲン、-CH3、-OH、-CH2NH3、-C(O)H、-CH2CH3、-CN、-CH2CH2CH3、-SH、または別の基に置換され得る。任意のアミノ酸は、D型アミノ酸に置換され得る。
非天然アミノ酸または天然および非天然アミノ酸アナログに関して、本明細書に記載されているポリペプチドおよびアゴニストに、単独または組み合わせでいくつかの置換がある可能がある。
例えば、グルタミン残基は、γ-ヒドロキシ-Gluまたはγ-カルボキシ-Gluで置換され得る。チロシン残基は、L-α-メチルフェニルアラニンなどのα置換アミノ酸で置換され得、または3-アミノ-Tyr;Tyr(CH3);Tyr(PO3(CH3)2);Tyr(SO3H);β-シクロヘキシル-Ala;β-(1-シクロペンテニル)-Ala;β-シクロペンチル-Ala;β-シクロプロピル-Ala;β-キノリル-Ala;β-(2-チアゾリル)-Ala;β-(トリアゾール-1-イル)-Ala;β-(2-ピリジル)-Ala;β-(3-ピリジル)-Ala;アミノ-Phe;フルオロ-Phe;シクロヘキシル-Gly;tBu-Gly;β-(3-ベンゾチエニル)-Ala;β-(2-チエニル)-Ala;5-メチル-Trp;およびA-メチル-Trpなどのアナログに置換され得る。プロリン残基は、ホモプロ(L-ピペコリン酸);ヒドロキシ-Pro;3,4-デヒドロ-Pro;4-フルオロ-Pro;もしくはα-メチル-Pro;または構造:n=0、1、2、3を有するN(α)-C(α)環化アミノ酸アナログで置換され得る。アラニン残基は、α-アミノイソ酪酸(aib)、L/D-α-エチルアラニン(L/D-イソバリン)、L/D-メチルバリン、もしくはL/D-α-メチルロイシンなどのα-置換アミノ酸もしくはN-メチル化アミノ酸、またはβ-フルオロ-Alaなどの非天然アミノ酸で置換され得る。アラニンは、また、n=0、1、2、3で置換され得る。グリシン残基は、α-アミノイソ酪酸(aib)またはL/D-α-エチルアラニン(L/D-イソバリン)で置換され得る。
非天然アミノ酸のさらなる例には、アラニンの非天然型アナログ(例えば、L-1-NalまたはL-2-Nal);チロシンの非天然型アナログ;グルタミンの非天然型アナログ;フェニルアラニンの非天然型アナログ;セリンの非天然型アナログ;トレオニンの非天然型アナログ;アルキル、アリール、アシル、アジド、シアノ、ハロ、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドロキシル、アルケニル、アルキニル、エーテル、チオール、スルホニル、セレノ、エステル、チオ酸、ボラート、ボロナート、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、複素環式、エノン、イミン、アルデヒド、ヒドロキシルアミン、ケト、もしくはアミノ置換アミノ酸、またはそれらの任意の組み合わせ;光で活性化され得る架橋剤を有するアミノ酸;スピンラベルされたアミノ酸;蛍光アミノ酸;新規な官能基を有するアミノ酸;別の分子と共有結合的または非共有結合的に相互作用するアミノ酸;金属結合性アミノ酸;自然にはアミド化されていない部位でアミド化されているアミノ酸、金属含有アミノ酸;放射性アミノ酸;光ケージ化(photocaged)および/または光異性化アミノ酸;ビオチンまたはビオチンアナログ含有アミノ酸;グリコシル化されたまたは糖質で改変されたアミノ酸;ケト含有アミノ酸;ポリエチレングリコールまたはポリエーテルを含むアミノ酸;重原子置換アミノ酸(例えば、重水素、トリチウム、13C、15N、または18Oを含有するアミノ酸);化学切断可能または光切断可能なアミノ酸;伸長した側鎖を有するアミノ酸;毒性基を含有するアミノ酸;糖置換アミノ酸(例えば、糖置換セリンなど);炭素結合糖含有アミノ酸;酸化還元活性のあるアミノ酸;α-ヒドロキシ含有酸;アミノチオ酸含有アミノ酸;α、α-二置換アミノ酸;β-アミノ酸;プロリン以外の環状アミノ酸;O-メチル-L-チロシン;L-3-(2-ナフチル)アラニン;3-メチル-フェニルアラニン;p-アセチル-L-フェニルアラニン;O-4-アリル-L-チロシン;4-プロピル-L-チロシン;トリ-O-アセチル-GlcNAcβ-セリン;L-ドーパ;フッ化フェニルアラニン;イソプロピル-L-フェニルアラニン;p-アジド-L-フェニルアラニン;p-アシル-L-フェニルアラニン;p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン;L-ホスホセリン;ホスホノセリン;ホスホノチロシン;p-ヨードフェニルアラニン;4-フルオロフェニルグリシン;p-ブロモフェニルアラニン;p-アミノ-L-フェニルアラニン;イソプロピル-L-フェニルアラニン;L-3-(2-ナフチル)アラニン;D-3-(2-ナフチル)アラニン(dNal);アミノ-、イソプロピル-、またはO-アリル含有フェニルアラニンアナログ;ドーパ、O-メチル-L-チロシン;グリコシル化アミノ酸;p-(プロパルギルオキシ)フェニルアラニン;ジメチル-リジン;ヒドロキシ-プロリン;メルカプトプロピオン酸;メチル-リジン;3-ニトロ-チロシン;ノルロイシン;ピログルタミン酸;Z(カルボベンゾキシル);ε-アセチル-リジン;β-アラニン;β-アスパラギン酸;β-シクロヘキシルアラニン;アミノベンゾイル誘導体;アミノ酪酸(Abu);シトルリン;アミノヘキサン酸(Ahx);アミノイソ酪酸(AIB);シクロヘキシルアラニン;d-シクロヘキシルアラニン;シクロヘキシルグリシン;ヒドロキシプロリン;ニトロ-アルギニン;ニトロ-フェニルアラニン;ニトロ-チロシン;ノルバリン;オクタヒドロインドールカルボキシラート;オルニチン(Orn);ペニシラミン(PEN);テトラヒドロイソキノリン;ジアミノ酪酸;ジアミノピメリン酸;ピログルタミン酸;ホモシステイン;ホモセリン;N-ε-ジニトロフェニルリジン;N-ε-メチルリジン;N-ε-ジメチルリジン;N,N,N-ε-トリメチルリジン;アセトアミドメチル保護アミノ酸、およびPEG化アミノ酸が含まれる。非天然アミノ酸およびアミノ酸アナログのさらなる例は、US20030108885、US20030082575、US20060019347(段落410〜418)、およびその中で引用された参考文献から見出すことができる。本発明のポリペプチドは、US20060019347、段落589に記載されている改変を含むさらなる改変を含むことができる。
本明細書で使用される「Nal」は、L-1-ナフチルアラニン(L-1-Nal)およびL-2-ナフチルアラニン(L-2-Nal)の両方を表す。
いくつかの態様では、アミノ酸は、天然の非必須アミノ酸、例えば、タウリンに置換され得る。
あるいは、GCRAペプチドは環状ペプチドである。GCRA環状ペプチドは、当技術分野において公知の方法によって調製される。例えば、大環状化は、多くの場合に、ペプチドのN末端とC末端との間、側鎖とN末端もしくはC末端との間[例えば、pH8.5でK3Fe(CN)6を用いる](Samson et al., Endocrinology, 137: 5182 5185 (1996))、または2個のアミノ酸側鎖(例えば、システイン)の間でアミド結合を形成させることによって達成される。例えば、DeGrado, Adv Protein Chem, 39: 51-124 (1988)を参照されたい。いくつかの態様では、本発明のGCRAペプチドは二環性ペプチドである。様々な局面で、GCRAペプチドは[4,12;7,15]二環である。
いくつかのGCRAペプチドにおいて、通常はジスルフィド結合を形成するCys残基の1対または両方の対の1方または両方のメンバーは、ホモシステイン、ペニシラミン、3-メルカプトプロリン(Kolodziej et al. 1996 Int J Pept Protein Res 48:274);β,β-ジメチルシステイン(Hunt et al. 1993 Int JPept Protein Res 42:249)またはジアミノプロピオン酸(Smith et al. 1978 J Med Chem 2 1:117)に置換されて、通常のジスルフィド結合の位置に代替的な内部架橋を形成させることができる。
加えて、1つまたは複数のジスルフィド結合は、代替的な共有架橋結合、例えば、アミド結合(-CH2CH(O)NHCH2-もしくは-CH2NHCH(O)CH2-)、エステル結合、チオエステル結合、ラクタム架橋、カルバモイル結合、尿素結合、チオ尿素結合、ホスホン酸エステル結合、アルキル結合(-CH2CH2CH2CH2-)、アルケニル結合(-CH2CH=CHCH2-)、エーテル結合(-CH2CH2OCH2-もしくは-CH2OCH2CH2-)、チオエーテル結合(-CH2CH2SCH2-もしくは-CH2SCH2CH2-)、アミン結合(-CH2CH2NHCH2-もしくは-CH2NHCH2CH2-)、またはチオアミド結合(-CH2CH(S)HNHCH2-もしくは-CH2NHCH(S)CH2-)に置換され得る。例えば、Leduら(Proc Nat'l Acad. Sci. 100:11263-78, 2003)は、ラクタム架橋およびアミド架橋を調製するための方法を記載している。ラクタム架橋を含む例示的なGCRAペプチドには、例えば、SP-370が含まれる。
GCRAペプチドは、1つまたは複数の従来型のポリペプチド結合が代替結合に置換されていてもよい。そのような置換は、ポリペプチドの安定性を増大させることができる。例えば、アミノ末端残基と芳香族残基(例えば、Tyr、Phe、Trp)との間のポリペプチド結合を代替結合に置換することで、カルボキシペプチダーゼによる切断を減少させることができ、かつ消化管内での半減期を延長し得る。ポリペプチド結合と置換され得る結合には、レトロ-インベルソ結合(NH-C(O)の代わりにC(O)-NH);還元アミド結合(NH-CH2);チオメチレン結合(S-CH2またはCH2-S);オキソメチレン結合(O-CH2またはCH2-O);エチレン結合(CH2-CH2);チオアミド結合(C(S)-NH);trans-オレフィン結合(CH=CH);フルオロ置換trans-オレフィン結合(CF=CH);ケトメチレン結合(C(O)-CHRまたはCHR-C(O)[式中、RはHまたはCH3である]);およびフルオロ-ケトメチレン結合(C(O)-CFRまたはCFR-C(O)[式中、RはHまたはFまたはCH3である])が含まれる。
GCRAペプチドは、標準的な改変を用いて改変することができる。改変は、アミノ(N-)末端、カルボキシ(C-)末端、内部、または前記のいずれかの組み合わせで起こり得る。本明細書に記載されている一局面では、ポリペプチド上に1種を超える改変があり得る。改変には、非限定的に、アセチル化、アミド化、ビオチニル化、シンナモイル化、ファルネシル化、ホルミル化、ミリストイル化、パルミトイル化、リン酸化(Ser、Tyr、またはThr)、ステアロイル化、スクシニル化、スルフリル化、および環化(ジスルフィド架橋またはアミド環化を介する)、ならびにCys3またはCys5による改変が含まれる。本明細書に記載されているGCRAペプチドは、2,4-ジニトロフェニル(DNP)、DNP-リジン、7-アミノ-4-メチル-クマリン(AMC)による改変、フルオレセイン、NBD(7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾール)、p-ニトロ-アニリド、ローダミンB、EDANS(5-((2-アミノエチル)アミノ)ナフタレン-1-スルホン酸)、ダブシル(dabcyl)、ダブシル(dabsyl)、ダンシル、テキサスレッド、FMOC、およびTamra(テトラメチルローダミン)によっても改変され得る。本明細書に記載されているGCRAペプチドは、また、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);アルキル基(例えば、C1〜C20直鎖または分岐アルキル基);脂肪酸基;PEG、アルキル基、および脂肪酸基の組み合わせ(米国特許第6,309,633号;Soltero et al., 2001 Innovations in Pharmaceutical Technology 106-110を参照);BSAおよびKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)にコンジュゲーションされ得る。本発明のポリペプチドを改変するために使用できるPEGおよび他のポリマーの付加は、US2006019347の第IX節に記載されている。
一局面では、本発明は、例えば、その全体がすべての目的で参照により本明細書に組み入れられるWO20140151206において教示されているようなAad-GCRAペプチドを提供する。WO20140151206の表1には、GCRAペプチドの様々なα-アミノアジピン酸誘導体の例が開示されている。Aad-GCRAペプチドは、ウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、およびSTペプチドのアナログである。特に、これらのアナログは、好ましくは、各ペプチドのN末端から3番目の位置に、または最初のシステイン(「Cys」)残基に隣接するN末端側の位置に、α-アミノアジピン酸(Ad)を含有する。例えば、Aad-GCRAペプチドには、α-アミノアジピン酸を含むことができる、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VII、VIII、IX、XVIII、またはXXIによって定義される配列が含まれる。
本明細書に記載されているペプチドと生物学的または機能的に等価のペプチドも、本発明に含まれる。「生物学的に等価」または「機能的に等価」という用語は、本発明の組成物がcGMP産生調節効果の一部または全てを呈し得ることを示すことを意図している。
GCRAペプチドには、特定のアミノ酸が欠失または置換されているGCRAペプチドのハイブリッド形態および改変形態、ならびに1つまたは複数のアミノ酸が改変アミノ酸または異常アミノ酸に変更された改変、ならびにグリコシル化などの改変を含む(当該改変形態がGCRAペプチドの生物学的活性を保持する限り)ことを意図している、GCRAペプチド誘導体も含まれ得る。生物学的活性を保持するとは、必ずしも天然型GCRAペプチドの場合と同じレベルでは特定されないものの、GCRAペプチドによってcGMPおよび/またはアポトーシスが誘導されることを意味する。
好ましい変異体は、1つまたは複数の予測される非必須アミノ酸残基で行われた保存的アミノ酸置換を有する変異体である。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基と置換された置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β-分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。したがって、GCRAポリペプチド中の予測される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の態様では、変異は、GCRAコード配列の全部または一部に沿ってランダムに、例えば、飽和変異誘発によって導入することができ、結果として生じた変異体をスクリーニングして活性を保持する変異体を特定することができる。
「から本質的になる」という用語には、列挙されている配列(表2〜表8由来のいずれか1つ)と同一であるペプチド、および、構造または機能のいずれかに関して実質的に異ならない他の配列が含まれる。本出願の目的で、ペプチドは、その構造が、表2〜表8由来のいずれか1つのペプチドから3アミノ酸より多く変動している場合、またはその細胞cGMP産生の活性化が、50%より多く低減または増強されている場合は、実質的に異なっている。好ましくは、実質的に類似しているペプチドでは、異なるのはせいぜい2アミノ酸であるべきであり、cGMP産生の活性化について異なるのは約25%以内であるべきである。
GCRAペプチドに対する抗体との交叉反応性のおかげで単離され得る任意のGCRAペプチドも、「実質的に相同な」の意味の中に含まれる。
GCRAペプチドの調製
GCRAペプチドは、最新のクローニング技術を用いて容易に調製されるか、または固相法もしくは部位特異的変異誘発によって合成し得る。GCRAペプチドには、ドミナントネガティブ型ポリペプチドが含まれ得る。例示的なGCRAペプチド調製方法には、WO/2012/118972およびWO/2013/138352(それらの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)に開示された方法が含まれる。
GCRAペプチドは、最新のクローニング技術を用いて容易に調製されるか、または固相法もしくは部位特異的変異誘発によって合成し得る。GCRAペプチドには、ドミナントネガティブ型ポリペプチドが含まれ得る。例示的なGCRAペプチド調製方法には、WO/2012/118972およびWO/2013/138352(それらの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)に開示された方法が含まれる。
化学合成は、一般に、水分子の脱離を伴う、1個のアミノ酸のアミノ基と別のアミノ酸のカルボキシル基との直接縮合によりペプチド結合が生じる、標準的な液相または固相ペプチド合成技術を用いて実施し得る。上記のように説明された直接縮合によるペプチド結合の合成は、第1アミノ酸のアミノ基および第2アミノ酸のカルボキシル基の反応性を抑制することを必要とする。マスキング置換基は、不安定なペプチド分子の分解を誘導することなく、即座に除去可能でなければならない。
液相合成では、多種多様なカップリング法および保護基を使用し得る(Gross and Meienhofer, eds., "The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology," Vol. 1-4 (Academic Press, 1979); Bodansky and Bodansky, "The Practice of Peptide Synthesis," 2d ed. (Springer Verlag, 1994)を参照)。加えて、中間精製および線形のスケールアップが可能である。当業者は、溶液合成には、主鎖保護基および側鎖保護基の配慮ならびに活性化法が必要であることを理解するであろう。加えて、セグメント縮合中のラセミ化を最小限にするために、慎重なセグメント選択が必要である。溶解性の考慮も一要因である。固相ペプチド合成は、有機合成中の支持体用に不溶性ポリマーを使用する。ポリマーに支持されたペプチド鎖は、中間段階での手の掛かる精製の代わりに、簡単な洗浄段階および濾過段階を用いることを可能とする。固相ペプチド合成は、概して、保護されたアミノ酸を使用して樹脂支持体上での線状ペプチド鎖の構築を含む、Merrifield et al., J. Am. Chem. Soc., 1963, 85:2149の方法により実施し得る。固相ペプチド合成は、典型的には、当技術分野において周知のBoc法またはFmoc法のいずれかを利用する。
当業者は、固相合成において脱保護反応およびカップリング反応が完結しなければならず、側鎖ブロッキング基が合成を通して安定でなければならないと認識している。加えて、ペプチドを小規模に作ろうとする場合、固相合成が一般に最も適切である。
N末端のアセチル化は、最終的なペプチドを無水酢酸と反応させ、その後樹脂から切断することによって果たすことができる。C-アミド化は、メチルベンズヒドリルアミン樹脂などの適切な樹脂を使用してBoc法を用いて達成される。
あるいは、GCRAペプチドは、最新のクローニング技術によって産生される。例えば、GCRAペプチドは、非限定的に大腸菌を含む細菌またはポリペプチドもしくはタンパク質産生のための他の既存のシステム(例えば、枯草菌(Bacillus subtilis)、ショウジョウバエ(Drosophila)Sf9細胞を使用するバキュロウイルス発現システム、酵母もしくは糸状菌発現システム、哺乳動物細胞発現システム)のいずれかで産生され、またはそれらのペプチドは、化学合成することができる。GCRAペプチドまたは変異型ペプチドを細菌、例えば、大腸菌において産生させようとするならば、ポリペプチドをコードする核酸分子は、細胞からの成熟ポリペプチドの分泌を可能にするリーダー配列もコードし得る。したがって、ポリペプチドをコードする配列は、例えば、天然型細菌STポリペプチドのプレ配列およびプロ配列を含み得る。分泌された成熟ポリペプチドは、培地から精製することができる。
本明細書に記載されているGCRAペプチドをコードする配列は、細菌細胞中に核酸分子を送達および維持することができるベクター内に挿入することができる。DNA分子は、自律複製ベクター内に挿入され得る(適切なベクターには、例えば、pGEM3ZおよびpcDNA3、ならびにそれらの誘導体が含まれる)。ベクター核酸は、細菌性DNAまたはバクテリオファージDNA(例えば、バクテリオファージλもしくはM13、およびそれらの誘導体)であってもよい。本明細書に記載されている核酸を含有するベクターの構築に続いて、細菌などの宿主細胞の形質転換を行うことができる。適切な細菌宿主には、非限定的に、大腸菌、枯草菌、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonella)が含まれる。遺伝子構築物は、コード核酸分子に加えて、プロモーターおよび調節配列などの発現を可能にするエレメントも含む。発現ベクターは、転写開始を制御する、プロモーター、エンハンサー、オペレーター、およびリプレッサー配列などの転写制御配列を含有してもよい。
多様な転写制御配列が当業者に周知である。発現ベクターは、翻訳調節配列も含むことができる(例えば、非翻訳5'配列、非翻訳3'配列、または配列内リボソーム進入部位)。ベクターは、自律複製能力をもつことができ、またはベクターは、ポリペプチド産生中の安定性を確保するために宿主DNA内に組み込むことができる。
本明細書に記載されているGCRAペプチドを含むタンパク質をコードする配列は、精製を促進するために、ポリペプチドアフィニティータグ、例えば、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、プロテインA、FLAGタグ、ヘキサヒスチジン、mycタグ、またはインフルエンザHAタグをコードする核酸と融合させることもできる。アフィニティータグまたはレポーター融合体は、関心対象のポリペプチドのリーディングフレームを、アフィニティータグをコードする遺伝子のリーディングフレームに連結することにより、翻訳融合体が生成される。融合遺伝子の発現は、関心対象のポリペプチドおよびアフィニティータグの両方を含む単一のポリペプチドの翻訳を招く。アフィニティータグが利用されるいくつかの場合で、プロテアーゼ認識部位をコードするDNA配列が、アフィニティータグについてのリーディングフレームと関心対象のポリペプチドについてのリーディングフレームとの間に融合される。
細菌以外のタンパク質発現システムにおける本明細書に記載されている未熟および成熟型のGCRAペプチドおよび変異体の産生に適切で当業者に周知の遺伝子構築物および方法も、生物学的システムでポリペプチドを産生させるために使用することができる。
本明細書開示のペプチドは、体内での半減期の延長などの、ペプチドに所望の特性を付与する第2の分子を結合させることによって、例えば、PEG化によって、改変し得る。そのような改変も、本明細書で使用される場合、「変異体」という用語の範囲内に入る。
「阻害する」または「阻害」または「低減する」は、GCRAペプチドが、タンパク質の活性および/または産生を、GCRAペプチドを伴わないタンパク質の活性および/または産生と比べて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%、またはそれより多く減少させることを意味する。
「誘導する」は、GCRAペプチドが、タンパク質の活性および/または産生を、GCRAペプチドを伴わないタンパク質の活性および/または産生と比べて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%、またはそれより多く増大させることを意味する。
「治療」または「治療する」という用語は、対象において症状を低減もしくは緩和すること、症状の悪化もしくは進行を予防すること、および/または疾患を有していない対象においてその疾患を予防することを表す。所与の対象について、症状の改善、悪化、後退、または進行は、任意の客観的または主観的な尺度によって判定され得る。治療の有効性は、罹患率または死亡率の改善(例えば、選択された集団についての生存曲線の延長)として測定され得る。したがって、有効な治療には、既存の疾患の治療、その進行を減速もしくは停止させることによる疾患の制御、疾患発生の予防、症状の数もしくは重症度の低減、またはそれらの組み合わせが含まれる。その効果は、1つまたは複数の統計学的に有意な基準を用いて、対照研究において示され得る。
所与の疾患または障害に関する「予防」という用語は、何も起きていない場合に疾患発症の開始を予防すること、障害もしくは疾患に罹患しやすい可能性があるが、障害もしくは疾患を有するとまだ診断されていない対象において疾患もしくは障害の発生を予防すること、および/または、既に存在する場合にさらなる疾患/障害の発症を予防することを意味する。
細胞内cGMPは、曝露すること、例えば、組織(例えば、胃腸組織;肺組織、食道組織)または細胞をGCRAアゴニストに接触させることによって産生される。誘導するは、GCRAペプチドまたは変異体と接触されていない組織または細胞と比較したcGMP産生の増加を意味する。組織または細胞は、GCRAペプチドまたは変異体と直接接触される。あるいは、GCRAペプチドまたは変異体は、全身投与される。GCRAペプチドまたは変異体は、細胞内cGMP濃度を増大させるのに十分な量で投与される。cGMP産生は、当技術分野において公知の細胞ベースのアッセイによって測定される。
障害の治療、予防、または緩和は、治療的有効用量のGCRAペプチドを、対象、例えば、それを必要とするヒトなどの哺乳動物に投与することによって行われる。GCRAペプチドは、1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤と一緒に、単位剤形中の薬学的組成物中に存在し得る。「単位剤形」という用語は、単一の薬物送達実体、例えば、錠剤、カプセル剤、液剤、または吸入製剤を指す。存在するペプチドの量は、患者に投与された際にプラスの治療効果を有するのに十分であるべきである。典型的には、治療的有効量は、0.1 mg〜10 mgの単位剤形である。好ましくは、単位剤形は1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10 mgである。より好ましくは、単位用量は3 mgまたは6 mgである。最も好ましくは、単位用量は6 mgである。「プラスの治療効果」を構成するものは、治療される特定の状態に依存し、当業者に容易に認識される状態における任意の有意な改善を含むことになる。
GCRAペプチドは、単独で、または別の治療剤(例えば、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の症状を治療、予防、または改善する治療剤)との組み合わせで投与することができる。例示的な治療剤には、ブデソニド、イクロスポリン(iclosporin)、タクロリムス、フェキソフェナジン、スルファサラジン、およびメサラジンなどの5-ASA薬、プレドニゾンなどのコルチコステロイド、アザチオプリンなどの免疫抑制医薬、ならびにインフリキシマブおよびアダリムマブなどの生物学的作用物質が含まれるが、これらに限定されない。
あるいは2種以上の異なるGCRAペプチドが投与される。例えば、SP-333は、SEQ ID NO:1 (SP-304)、SP373 (SEQ ID NO.:104)、SP364 (SEQ ID NO.:100)、SP366 (SEQ ID NO.:102)、またはSED ID NO:250と一緒に投与される。好ましくは、SP-333は直腸投与される。例えば、SP-304もまた、SEQ ID NO:9 (SP-333)、SP373 (SEQ ID NO.:104)、SP364 (SEQ ID NO.:100)、SP366 (SEQ ID NO.:102)またはSED ID NO:250と一緒に投与される。好ましくは、SP-304は直腸投与される。
「併用療法」という用語は、2種以上の活性剤を同時にまたは順次に投与することを意味する。同時投与は、2種以上の活性剤が混合されている製剤によって、または個別に製剤化された2種以上の活性剤の同時投与によって達成され得る。2種以上の活性剤の順次投与は、個別に製剤化された2種以上の活性剤が、ある薬剤が最初に投与された後に、第1の薬剤から数秒、数分、数時間または数日後に第2の薬剤が投与されるよう順次投与されることによって達成され得る。
併用療法は、2種以上の薬剤、例えば、本明細書に記載されているGCRAペプチドまたは本明細書に記載されている組成物および別の化合物を投与することによって(それぞれ別々に製剤化および投与される)、または2種以上の薬剤を単一の製剤として投与することによって達成することができる。他の組み合わせも併用療法に包含される。例えば、2種の薬剤を一緒に製剤化し、第3の薬剤を含有する別の製剤と共に投与することができる。併用療法で2種以上の薬剤を同時に投与することができるものの、必ずしもそうである必要はない。例えば、第1の薬剤(または薬剤の組み合わせ)の投与を、第2の薬剤(または薬剤の組み合わせ)の投与の数分、数時間、数日、または数週間前に実施することができる。したがって、2種以上の薬剤は、互いに数分以内、または互いに1、2、3、6、9、12、15、18、もしくは24時間以内、または互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14日以内、または互いに2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10週間以内に投与されることができる。場合によっては、より長い間隔でさえ可能である。多くの場合に、併用療法に使用される2種以上の薬剤が、患者の体内に同時に存在することが望ましいものの、これは必ずしもその必要はない。
標的組織または器官におけるcGMPのレベルをさらに増大させるために、本明細書に記載されているGCRAペプチドは、ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えば、スルホン化スリンダク、ザプリナスト、シルデナフィル、バルデナフィルまたはタダラフィルと組み合わされ得る。
併用療法は、組み合わせて使用される1種または複数種の薬剤の2回以上の投与も含み得る。例えば、薬剤Xおよび薬剤Yを組み合わせて使用する場合、それらを任意の組み合わせで順次に1回または複数回、例えば、X-Y-X、X-X-Y、Y-X-Y、Y-Y-X、X-X-Y-Yなどの順序で投与することもできる。
併用療法は、異なる経路または部位を介して2種以上の薬剤を投与することを含むこともできる。例えば、GCRAペプチド(好ましくはSP-333)は直腸投与され、他の薬剤は経口投与、皮下投与、または静脈内投与される。あるいは、GCRAペプチドおよび他の薬剤の両方が直腸投与される。それぞれの場合に、薬剤は、同時または順次のいずれかであることができる。本明細書に記載されている併用療法薬剤のいくつかについてのおおよその投与量は、WO01/76632の11〜17頁にある表の「BNF推奨用量(BNF Recommended Dose)」の列に見出され(表中のデータは、2000年3月のイギリス国民医薬品集(British National Formulary)に属する)、他の標準的な処方集および他の薬物処方指導書にも見出すことができる。いくつかの薬物については、ある適応に対する慣例的な処方用量は、国によっていくらか異なる。
GCRAペプチドは、単独または組み合わせで任意の薬学的に許容される担体または媒体と組み合わせることができる。したがって、それらは、患者に投与されたときに、有害反応、アレルギー反応、または別の望まれない反応を生じない物質と組み合わせることができる。使用される担体または媒体は、溶媒、分散剤、コーティング剤、吸収促進剤、制御放出剤、および1種または複数種の不活性な賦形剤(これらには、デンプン、ポリオール、造粒剤、微結晶セルロース(例えば、Celphere、Celphereビーズ(登録商標))、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる)などを含むことができる。所望であれば、開示された組成物の錠剤の投与量は、標準的な水性技術または非水技術によってコーティングすることができる。
本発明の薬学的組成物は、目的の投与経路と適合性であるように製剤化される。投与経路の例には、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮的(局所的)、経粘膜的、および直腸投与が含まれる。非経口、皮内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の構成成分を含むことができる:滅菌された希釈剤(例えば、注射用水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン);酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩);および張度調整剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基を用いて調整することができる。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチックで作られたアンプル、使い捨てシリンジ、または複数回用バイアルの中に封入することができる。
注射可能な用途に適した薬学的組成物には、無菌水溶液(水溶性の場合)または無菌注射用溶液または分散液を即時調製するための分散液および無菌粉末が含まれる。静脈内投与に適した担体には、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF, Parsippany, N.J.)、またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。全ての場合において、本組成物は無菌でなければならないし、シリンジ通過が容易な程度に流動性であるべきである。本組成物は、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならないし、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適当な混合物を含有する溶媒または分散媒であることができる。適正な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散液の場合は必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持することができる。微生物の作用を防止することは、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合において、本組成物中に、等張剤、例えば、糖、多価アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール)、塩化ナトリウムを含めることが好ましい。注射用組成物の吸収延長は、本組成物中に、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含めることによってもたらすことができる。
無菌注射液は、必要な量の活性化合物(例えば、GCRAアゴニスト)を、必要に応じて、上に列挙した成分の1種または組み合わせと共に適切な溶媒中で混合した後、濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散物は、基本分散媒および上に列挙した成分のうちの必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル中に活性化合物を混合することによって調製される。無菌注射液調製用の無菌粉末の場合、調製方法は真空乾燥および凍結乾燥であり、それによって、活性成分および任意の追加の所望の成分の粉末が、それらの予め濾過滅菌された溶液から得られる。
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。例えば、マンニトール、フラクトオリゴ糖、ポリエチレングリコール、および他の賦形剤。それらは、ゼラチンカプセル内に封入することができ、または錠剤に圧縮することができる。経口治療投与のために、活性化合物を、賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤、またはカプセルの形態で使用することができる。経口組成物は、うがい薬として使用するために液体担体を用いて調製することもでき、該液体担体中の化合物を経口適用し、口をすすぎ、喀出または嚥下する。薬学的に適合性の結合剤および/または佐剤材料は、組成物の一部として含まれることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分のいずれかまたは類似の性質の化合物を含有することができる:結合剤(例えば、微結晶セルロース、トラガカントゴム、またはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogel、またはトウモロコシデンプン);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはSterotes);流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料)。
吸入による投与の場合、化合物は、エアロゾルスプレーの形態で、適切な高圧ガス(例えば、二酸化炭素またはネブライザーなどのガス)を含有する加圧された容器(コンテナ)またはディスペンサーから送達される。
全身投与もまた、経粘膜的または経皮的な手段によることができる。経粘膜的投与または経皮的投与の場合、透過されるべき障壁に適した浸透剤を製剤中に用いる。そのような浸透剤は、通常、当該分野で公知であり、それらには、例えば、経粘膜投与のために、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、スプレー式点鼻薬または坐剤を使用することによって達成され得る。経皮投与の場合、活性化合物は、一般に当技術分野で公知のような軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化される。
いくつかの態様では、化合物は直腸投与される。直腸投与される薬物は概して、経口投与される薬物より作用発現が早く、バイオアベイラビリティが高く、ピークが短く、かつ持続時間が短い。直腸投与された薬物はまた、変質が少なくより高い濃度で循環系に到達し、それによって、薬効が増大される。
化合物はまた、直腸送達のために坐剤(例えば、カカオ脂および他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いて)または停留浣腸剤の形態でも調製することができる。いくつかの態様では、化合物は水性製剤で調製される。いくつかの態様では、化合物は液体製剤で調製される。いくつかの態様では、化合物は生理食塩水で調製される。
一態様では、活性化合物は、身体の急速な排出から化合物を保護する、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む放出制御製剤などの担体を用いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生分解性で生体適合性のポリマーを使用することができる。そのような製剤を調製するための方法は、当業者に明らかであろう。これらの材料は、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.からも商業的に入手することもできる。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いて感染細胞にターゲティングされたリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば、参照により完全に本明細書に組み入れられる米国特許第4,522,811号に記載されているような、当業者に公知の方法により調製することができる。
投与を簡便にするため、および投与量を均一にするために、経口組成物または非経口組成物を単位剤形で製剤化することが、特に有利である。本明細書で使用される場合、単位剤形は、処置されるべき対象に対する単位投与量として適した、物理的に別個の単位を表し、各単位は、必要な薬学的担体と関連して所望の治療効果をもたらすと計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の単位剤形に関する詳細は、活性化合物の固有の特徴および達成されるべき特定の治療効果によって決定づけられ、それらに直接依存する。
薬学的組成物は、投与のための説明書と共に、容器、パック、またはディスペンサー内に包含されることができる。
本発明の組成物は、任意で、他の治療成分、固結防止剤、保存剤、甘味剤、着色剤、香料、乾燥剤、可塑剤、色素、流動促進剤、付着防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(湿潤剤)、酸化防止剤、フィルムコーティング剤なども含み得る。いかなるそのような任意の成分も、製剤の安定性を保証するために本明細書に記載されている化合物と適合性でなければならない。
組成物は、必要に応じて、例えば、ラクトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、ラフィノース、マルチトール、メレジトース、スタキオース、ラクチトール、パラチニット、デンプン、キシリトール、マンニトール、ミオイノシトールなど、およびそれらの水和物、ならびにアミノ酸(例えば、アラニン、グリシン、およびベタイン)、ならびにポリペプチドおよびタンパク質(例えば、アルブミン)を含む、他の添加物を含有してもよい。
薬学的に許容される担体および薬学的に許容される不活性担体および上記のさらなる成分として用いるための賦形剤の例には、非限定的に、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、抗菌剤、およびコーティング剤が含まれ、例えば、以下が含まれる:結合剤:トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、他のデンプン、ゼラチン、天然および合成ガム、例えば、アカシア、キサンタン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギネート、粉末トラガカント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン(例えば、ポビドン、クロスポビドン、コポビドンなど)、メチルセルロース、Methocel、アルファ化デンプン(例えば、Colorcon, Ltd販売のSTARCH 1500(登録商標)およびSTARCH 1500LM(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース(FMC Corporation, Marcus Hook, PA, USA)、またはそれらの混合物;充填剤:タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、リン酸水素カルシウム、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、デキストロース、フルクトース、ハチミツ、無水ラクトース、ラクトース一水和物、ラクトースおよびアスパルテーム、ラクトースおよびセルロース、ラクトースおよび微結晶セルロース、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、微結晶セルロースおよびグアーガム、糖蜜、スクロース、またはそれらの混合物;崩壊剤:寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、バレイショもしくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム(ジェランのような)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、またはそれらの混合物;滑沢剤:ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、植物系脂肪酸滑沢剤、タルク、水素添加植物油 (例えば、ラッカセイ油、綿実油、サンフラワー油、ゴマ油、オリブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、Syloidシリカゲル(AEROSIL 200, W.R. Grace Co., Baltimore, MD USA)、合成シリカの凝固性エアロゾル(Deaussa Co., Piano, TX USA)、発熱性二酸化ケイ素(CAB-O-SIL, Cabot Co., Boston, MA USA)、またはそれらの混合物;固結防止剤:ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、またはそれらの混合物;抗菌剤:ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、塩化セチルピリジニウム、クレゾール、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメロサール、チモ(thymo)、またはそれらの混合物;ならびにコーティング剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースアセテートフタレート、エチルセルロース、ゼラチン、医薬用グレーズ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテートフタレート、シェラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバロウ、マイクロクリスタリンワックス、ジェランガム、マルトデキストリン、メタクリレート、微結晶セルロースおよびカラギーナン、またはそれらの混合物。
製剤には、また、非限定的に、L-ヒスチジン、Pluronic(登録商標)、ポロキサマー(例えば、Lutrol(登録商標)およびポロキサマー188)、アスコルビン酸、グルタチオン、透過性亢進剤(例えば、脂質、コール酸ナトリウム、アシルカルニチン、サリチラート、胆汁酸塩混合系、脂肪酸ミセル、キレート剤、脂肪酸、サーファクタント、中鎖グリセリド)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ダイズトリプシン阻害剤、有機酸)、pH低下剤、ならびにバイオアベイラビリティの促進に有効な吸収促進剤(US6086918 およびUS5912014に記載されているものを非限定的に含む)、クリームおよびローション(マルトデキストリンおよびカラギーナンのような);咀嚼錠用の材料(デキストロース、フルクトース、ラクトース一水和物、ラクトースおよびアスパルテーム、ラクトースおよびセルロース、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、微結晶セルロースおよびグアーガム、ソルビトール結晶のような);非経口剤(マンニトールおよびポビドンのような);可塑剤(セバシン酸ジブチル、コーティング用可塑剤、ポリビニルアセテートフタレートのような);粉末滑沢剤(ベヘン酸グリセリンのような);ゼラチン軟カプセル(ソルビトール特殊溶液のような);コーティング用球状物(白糖球状顆粒のような);球形化剤(ベヘン酸グリセリンおよび微結晶セルロースのような);懸濁化/ゲル化剤(カラギーナン、ジェランガム、マンニトール、微結晶セルロース、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、キサンタンガムのような);甘味剤(アスパルテーム、アスパルテームおよびラクトース、デキストロース、フルクトース、ハチミツ、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、糖蜜、ソルビトール結晶、ソルビトール特殊溶液、スクロースのような);湿式造粒剤(炭酸カルシウム、無水ラクトース、ラクトース一水和物、マルトデキストリン、マンニトール、微結晶セルロース、ポビドン、デンプンのような)、カラメル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、チェリークリーム香料およびチェリー香料、無水クエン酸、クエン酸、製菓用砂糖、D&CレッドNo.33、D&CイエローNo.10アルミニウムレーキ、エデト酸二ナトリウム、エチルアルコール15%、FD&CイエローNo.6アルミニウムレーキ、FD&CブルーNo.1アルミニウムレーキ、FD&CブルーNo.1、FD&Cブルーno.2アルミニウムレーキ、FD&CグリーンNo.3、FD&CレッドNo.40、FD&CイエローNo.6アルミニウムレーキ、FD&CイエローNo.6、FD&CイエローNo.10、パルミトステアリン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセリン、インジゴカルミン、レシチン、マンニトール、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、グリチルリチン酸モノアンモニウム、天然および人工オレンジ香料、医薬用グレーズ、ポロキサマー188、ポリデキストロース、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリビドン、アルファ化トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、赤色酸化鉄、サッカリンナトリウム、カルボキシメチルエーテルナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、イチゴ香料、合成黒色酸化鉄、合成赤色酸化鉄、二酸化チタン、および白ロウを含む他の賦形剤およびその部類を含むことができる。
固形経口剤形は、任意で、コーティングシステム(例えば、Opadry(登録商標)fxフィルムコーティングシステム、例えば、Opadry(登録商標)青色(OY-LS-20921)、Opadry(登録商標)白色(YS-2-7063)、Opadry(登録商標)白色(YS-1-7040)、および黒色インキ(S-1-8106))で処理してもよい。
これらの薬剤は、遊離形態または塩としてのいずれかで、ポリ乳酸-グリコール酸(PLGA)、ポリ-(I)-乳酸-グリコール酸-酒石酸(P(I)LGT)(WO01/12233)、ポリグリコール酸(US3,773,919)、ポリ乳酸(US4,767,628)、ポリ-ε-カプロラクトン、およびポリアルキレンオキシド(US20030068384)などのポリマーと組み合わせて徐放製剤を作ることができる。このような製剤は、ポリマー、ポリマーの粒子サイズ、およびインプラントのサイズに依存して数日間、数週間、または数ヶ月にわたってポリペプチドまたは別の作用物質を放出するインプラントに使用することができる(例えば、U.S. 6,620,422を参照)。使用するための他の徐放製剤およびポリマーは、EP0467389A2、WO93/24150、US5,612,052、WO97/40085、WO03/075887、WO01/01964A2、US5,922,356、WO94/155587、WO02/074247A2、WO98/25642、US5,968,895、US6,180,608、US20030171296、US20020176841、US5,672,659、US5,893,985、US5,134,122、US5,192,741、US5,192,741、US4,668,506、US4,713,244、US5,445,832 US4,931,279、US5,980,945、WO02/058672、WO97/26015、WO97/04744、およびUS20020019446に記載されている。そのような徐放製剤では、ポリペプチドのミクロパーティクル(Delie and Blanco-Prieto 2005 Molecule 10:65-80)が、ポリマーのミクロパーティクルと組み合わされる。1つまたは複数の徐放性インプラントは、大腸、小腸、またはその両方に置くことができる。US6,011,0 1およびWO94/06452は、ポリエチレングリコール(すなわちPEG300およびPEG400)またはトリアセチンのいずれかを提供する徐放製剤を記載している。WO03/053401は、バイオアベイラビリティーを高めるのみならず、GI管内での薬剤の制御放出を提供し得る製剤を記載している。追加的な制御放出製剤は、WO02/38129、EP326151、US5,236,704、WO02/30398、WO98/13029;US20030064105、US20030138488A1、US20030216307A1、US6,667,060、WO01/49249、WO01/49311、WO01/49249、WO01/49311、およびUS5,877,224に記載されている。WO04041195に記載されたものを含み得る材料(本明細書に記載されているシールおよび腸溶コーティングを含む)ならびにUS4,910,021およびWO9001329に記載されたものを含む、結腸中への送達を達成するpH感受性コーティング。US4910021は、カプセルをコーティングするためにpH感受性材料を使用することを記載している。WO9001329は、酸含有ビーズ上にpH感受性コーティングを用いることを記載しており、その際、ビーズコア中の酸がpH感受性コーティングの溶解を延長する。米国特許第5,175,003号は、薬物送達システムで使用するためのpH感受性腸溶材料および腸溶材料に透過性を付与できるフィルム形成性可塑剤から構成された二重メカニズムポリマー混合物;薬物透過性で、時には薬学的に中性の核を覆う二重メカニズムポリマー混合物から構成されるマトリックスペレット;同じまたは異なる組成の二重メカニズムポリマー混合物のエンベロープでコーティングされたマトリックスペレットを含む、膜でコーティングされたペレット;ならびにマトリックスペレットを含有する薬学的剤形を開示している。マトリックスペレットは、酸性pHでの拡散により、および名目上は約5.0以上のpHレベルでの崩壊により、酸可溶性薬物を放出する。
いくつかの態様では、本明細書に記載されている組成物は、pH依存性放出形態で製剤化される。あるいは、そのような組成物は、当該ペプチドを胃腸(GI)管(例えば、十二指腸、空腸、回腸、回腸終末部、または上行結腸)の特定領域で放出する形態に製剤化される。当該製剤は、組成物でコーティングされた不活性担体と、当該ペプチドを特定pH(例えば、pH5またはpH7)で放出する腸溶コーティングとを含有し得る。十二指腸または空腸での放出のために好ましいpHは、pH4.5〜5.5またはpH5.5〜6.5である。回腸、回腸終末部、または上行結腸での放出のために好ましいpHは、pH5.5〜6.5またはpH6.5〜7.5である。好ましくは、不活性担体は、マンニトール、ラクトース、微結晶セルロース、またはデンプンより選択される。
本明細書に記載されているGCRAペプチドは、WO04052339に記載された、pHによってトリガーされる標的化制御放出システムに製剤化され得る。本明細書に記載されている薬剤は、WO03105812(水和可能押出ポリマー);WO0243767(酵素切断可能な膜トランスロケーター);WO03007913およびWO03086297(粘膜付着性システム);WO02072075(pH低下剤および吸収促進剤を含む二層積層製剤);WO04064769(アミド化ポリペプチド);WO05063156(融解時にシュードトロピー(pseudotropic)および/またはチキソトロピー(thixotropic)特性を有する固形脂質懸濁物);WO03035029およびWO03035041(侵食性の胃内滞留性剤形);US5007790およびUS5972389(徐放剤形);WO04112711(経口延長放出組成物);WO05027878、WO02072033、およびWO02072034(天然または合成ガムを有する遅延放出組成物);WO05030182(放出速度が漸増する制御放出製剤);WO05048998(マイクロカプセル化システム);米国特許第5,952,314号(バイオポリマー);US5,108,758(ガラス状アミロースマトリックスの送達);US5,840,860(加工デンプンベースの送達);JP10324642(キトサンおよびコムギグリアジンまたはゼインなどの胃耐性材料を含む送達システム);US5,866,619およびUS6,368,629(糖類含有ポリマー);US6,531,152(水溶性コア(ペクチン酸Caまたは他の水不溶性ポリマー)および破裂する外側コート(例えば、疎水性ポリマーであるオイドラギット)を含有する薬物送達システムを記載している);US6,234,464;US6,403,130(カゼインおよび高メトキシペクチンを含有するポリマーを用いたコーティング;WO0174175(メイラード反応生成物);WO05063206(溶解性増強製剤);WO04019872(トランスフェリン融合タンパク質)のいずれかに記載された方法論により製剤化され得る。
直腸製剤
好ましい態様では、GCCアゴニストは直腸送達用に製剤化される。より好ましくは、SP-333またはSP-304は直腸送達用に製剤化される。例えば、GCCアゴニストは、浣腸剤、坐剤、直腸カテーテル、またはリポソームによって直腸投与される。いくつかの態様では、組成物の放出は時間依存的である。
好ましい態様では、GCCアゴニストは直腸送達用に製剤化される。より好ましくは、SP-333またはSP-304は直腸送達用に製剤化される。例えば、GCCアゴニストは、浣腸剤、坐剤、直腸カテーテル、またはリポソームによって直腸投与される。いくつかの態様では、組成物の放出は時間依存的である。
具体的には、直腸投与用の組成物には、溶液およびエマルジョンが含まれる。
本発明の組成物はまた、水性媒体、非水性媒体、または混合媒体中の懸濁剤としても製剤化され得る。好ましい水溶液には生理食塩水が含まれる。水性懸濁剤は、例えば、カルボキシメチルセルロールナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストラン等を含む、懸濁剤の粘度を増大させる物質をさらに含み得る。懸濁剤はまた安定剤も含み得る。いくつかの態様では、製剤は水性製剤である。いくつかの態様では、製剤は液体製剤である。いくつかの態様では、液体は生理食塩水である。
いくつかの態様では、直腸投与用の製剤はSEQ ID NO:9のペプチドを含み、ここで、該ペプチドは(4,12:7,15)二環である。いくつかの態様では、直腸投与用の製剤はSEQ ID NO:1のペプチドを含み、ここで、該ペプチドは(4,12:7,15)二環である。いくつかの態様では、製剤は生理食塩水などの液体である。いくつかの態様では、製剤は水性である。いくつかの態様では、直腸投与用の製剤は6 mgのドルカナチド(SEQ ID NO:9)を含む。
いくつかの態様では、製剤は浣腸剤または坐剤である。直腸投与用の製剤は坐剤として提供されてもよく、該製剤は、GCCアゴニスト、好ましくはSP-333を、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤用ワックス、またはサリチル酸塩などを含む1種または複数種の適した非刺激性の担体と混合することによって調製されてもよく、室温では固体だが体温では液体であり、そのために、適切な体腔内で溶けて、カプセル化された化合物および組成物を放出する。坐剤および浣腸剤。
投薬量
薬学的組成物中の活性成分の投薬量レベルもまた、対象において、特に、炎症または疾患領域の部位内および部位周囲において、化合物の一過性または持続性の濃度を達成する、ならびに所望の反応をもたらすように、多様であることができる。所望の効果を達成するために必要な用量よりも低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に上げていくことは、十分に当技術分野の技術の範囲内である。任意の特定の対象に対する特定の用量レベルは、体重、全般的な健康状態、食事、疾患の自然歴、投与経路および投与計画、1種または複数種の他の薬物との組み合わせ、ならびに疾患の重症度を含む、多様な要因に依存することが理解されるであろう。
薬学的組成物中の活性成分の投薬量レベルもまた、対象において、特に、炎症または疾患領域の部位内および部位周囲において、化合物の一過性または持続性の濃度を達成する、ならびに所望の反応をもたらすように、多様であることができる。所望の効果を達成するために必要な用量よりも低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に上げていくことは、十分に当技術分野の技術の範囲内である。任意の特定の対象に対する特定の用量レベルは、体重、全般的な健康状態、食事、疾患の自然歴、投与経路および投与計画、1種または複数種の他の薬物との組み合わせ、ならびに疾患の重症度を含む、多様な要因に依存することが理解されるであろう。
組成物の有効な投薬量は、典型的には、0.1 mg〜10 mgである。投薬量の調整は、当技術分野において日常的な方法を用いて行われ、使用される特定の組成物および臨床上の考慮に基づく。
本発明の方法に使用するためのGCRアゴニストの投薬量レベルは、典型的には、1日あたり約0.1 mgから約10 mgである。例えば、本発明の方法に使用するためのGCRAペプチド(例えば、SP-333またはSP-304)の有効投薬量は、1日当たり約0.1〜100 mgであり、または1日2回であってもよい。いくつかの態様では、本発明の方法に使用するためのCGRAペプチド(例えば、SP-333またはSP-304)の有効投薬量は、1日当たり、約0.1、約0.2.約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約 6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約100 mgであり、または1日2回であってもよい。好ましくは、GCRAペプチドは、晩に、例えば夕食後または就寝前に与えられる。いくつかの態様では、GCRAペプチドはSP-333であり、かつ約2 mg〜約8 mgの用量で投与される。いくつかの態様では、GCRAペプチドはSP-333であり、かつ約2.7 mg、約3 mg、約5.7 mg、または約6 mgの用量で投与される。いくつかの態様では、GCRAペプチドはSP-304であり、かつ約2 mg〜約10 mgの用量で投与される。いくつかの態様では、GCRAペプチドはSP-304であり、かつ約3 mg、約6 mg、または約9 mgの用量で投与される。
いくつかの態様では、GCRアゴニストは、週に1回、1日に1回、または1日に複数回(multi-daily)投与される。好ましい態様では、GCRアゴニストは1日1回投与される。
GCRAペプチドは、潰瘍性大腸炎の症状が改善するまで投与することができる。いくつかの態様では、GCRAペプチドは約1日〜約10年間投与される。いくつかの態様では、GCRAペプチドは、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週、約3 週、約4週、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約1年、約2年、約5年、またはそれより長い間にわたって投与される。いくつかの態様では、GCRAペプチドは28日間投与される。
GCRAペプチドは、潰瘍性大腸炎の症状が改善するまで1日1回投与することができる。いくつかの態様では、GCRAペプチドは約1日〜約10年間にわたって1日1回投与される。いくつかの態様では、CGRAペプチドは、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週、約3週、約4週、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約1年、約2年、約5年、またはそれより長い間にわたって投与される。いくつかの態様では、GCRAペプチドは28日間にわたって1日1回投与される。いくつかの態様では、SP-333が28日間にわたって1日1回投与される。
各阻害剤の合計1日用量は、単回用量、または複数の分割用量で患者に投与することができる。好ましくは、合計1日用量は単回用量として投与される。典型的には、分割用量は、1日あたり2〜6回、好ましくは1日あたり2〜4回、なおより好ましくは1日当たり2〜3回投与することができる。用量は、医学的状態に対して所望の制御を得るのに十分に有効な即時放出形態または徐放形態であることができる。
本発明の組み合わせおよび組成物を用いて医学的状態もしくは障害を予防、治療、緩和、もしくは改善する、または別の方法で医学的状態から保護する、もしくはそれを治療する投与計画が、様々な要因に従って選択される。これらの要因には、非限定的に、対象のタイプ、年齢、体重、性別、食事、および医学的状態、疾患の重症度、投与経路、薬理学的な考慮事項、例えば、採用される特定の阻害剤の活性、有効性、薬物動態および毒性プロファイル、薬物送達システムが利用されるかどうか、ならびに阻害剤が他の活性成分と共に投与されるかどうかが含まれる。したがって、実際に採用される投与計画は、ばらつきが大きい可能性があり、そのために、上記に示した好ましい投与計画から逸脱する可能性がある。
実施例1−ドルカナチドの直腸送達は潰瘍性大腸炎の症状を改善した
4週間の二重盲検プラセボ対照試験を実施し、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎を有する28人の患者を評価した。対象を生理食塩水(プラセボ)またはドルカナチド(SP-333;SEQ ID NO:9)のいずれかで治療した。6 mgのドルカナチドを生理食塩水で溶解し、28日間毎晩、直腸内に投与した。治療の終わりに、ドルカナチドで治療した患者は、プラセボで治療した対象と比較して、明らかな改善のシグナルを示した。具体的には、ドルカナチドで治療した患者は、28日間の治療後に自身の潰瘍性大腸炎の症状から寛解した。
4週間の二重盲検プラセボ対照試験を実施し、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎を有する28人の患者を評価した。対象を生理食塩水(プラセボ)またはドルカナチド(SP-333;SEQ ID NO:9)のいずれかで治療した。6 mgのドルカナチドを生理食塩水で溶解し、28日間毎晩、直腸内に投与した。治療の終わりに、ドルカナチドで治療した患者は、プラセボで治療した対象と比較して、明らかな改善のシグナルを示した。具体的には、ドルカナチドで治療した患者は、28日間の治療後に自身の潰瘍性大腸炎の症状から寛解した。
実施例2−プレカナチドの直腸送達は潰瘍性大腸炎の症状を改善した
軽症から中等症の潰瘍性大腸炎を有する対象は、少なくとも28日間、生理食塩水、または3 mg、6 mg、もしくは9 mgのプレカナチド(SP-304;SEQ ID NO:1)のいずれかの直腸内投与を受ける。治療の最後に、プラセボで治療した対象と比較して、プレカナチドで治療した対象における潰瘍性大腸炎の症状の存在および重症度について、対象を評価する。
軽症から中等症の潰瘍性大腸炎を有する対象は、少なくとも28日間、生理食塩水、または3 mg、6 mg、もしくは9 mgのプレカナチド(SP-304;SEQ ID NO:1)のいずれかの直腸内投与を受ける。治療の最後に、プラセボで治療した対象と比較して、プレカナチドで治療した対象における潰瘍性大腸炎の症状の存在および重症度について、対象を評価する。
Claims (15)
- 潰瘍性大腸炎の症状を予防、治療、または緩和するための方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の、ドルカナチド(dolcanatide)(SEQ ID NO:9)を含む組成物を直腸投与する工程を含む、前記方法。
- 前記有効量が用量あたり約1 mg〜10 mgである、請求項1記載の方法。
- 用量が6 mgである、請求項1記載の方法。
- 前記組成物が1日1回投与される、請求項1記載の方法。
- 前記組成物が就寝前に投与される、請求項4記載の方法。
- 前記組成物が28日間にわたって1日1回投与される、請求項1記載の方法。
- 前記組成物が浣腸剤である、請求項1記載の方法。
- 前記組成物が坐剤である、請求項1記載の方法。
- 前記組成物の放出が時間依存的である、請求項1記載の方法。
- SEQ ID NO:9のペプチドを含む直腸投与のための製剤であって、該ペプチドが(4,12:7,15)二環である、前記製剤。
- 液体である、請求項8記載の製剤。
- 前記液体が生理食塩水である、請求項9記載の製剤。
- 浣腸剤である、請求項10記載の製剤。
- 坐剤である、請求項10記載の製剤。
- 6 mgのドルカナチド(SEQ ID NO:9)を含む、直腸製剤。
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