[0006] 本開示は、熱電素子、デバイス及びシステムと、かかる素子、デバイス及びシステムを形成するための方法と、を提供する。
[0007] 現在利用可能な熱電デバイスがあるものの、本明細書では、このような熱電デバイスに伴う様々な限界を認める。例えば、現在入手可能な熱電デバイスの中には、フレキシブルでなく、各種の形状の物体に適合させることができず、熱伝導のための表面積を最大限にすること困難なものがある。他の例として、現在利用可能な熱電デバイスの中には、実質的に厚く、より小型の熱電デバイスを必要とする電子機器で使用するのに適さないものもある。
[0008] 本開示は、熱電素子、デバイス、及びシステムと、かかる熱電素子、デバイス、及びシステムを形成するための方法と、を提供する。本開示の熱電素子及びデバイスは、フレキシブルであり、各種の形状、大きさ、及び構成の物体に適合させることができ、かかる素子及びデバイスは、民生用及び産業用等、様々な現場での使用に適したものとなる。本開示の熱電素子及びデバイスは、排熱を収集するための表面に適合させて、排熱の少なくとも一部を利用可能なエネルギーに変換することができる。場合によっては、排熱は化学的、電気的及び/又は機械的エネルギー変換プロセス中に生成される可能性がある。
[0009] 本開示の態様において、少なくとも約0.25の性能指数(ZT)を有する熱電素子を形成するための方法は、(a)半導体基板と、半導体基板の第1表面と電気通信する作用電極と、半導体基板の第2表面と接触するエッチング液(例えば、電解質)と、エッチング液内の対極と、を含み、半導体基板の第1表面及び第2表面は実質的に金属コーティングを持たない反応空間を提供することと、(b)電極と対極を使って、(i)少なくとも約0.1mA/cm2の電流密度で半導体基板に電流を誘導し、(ii)半導体基板の第2表面をエッチング液でエッチングし、半導体基板内に穴のパターンを形成することにより、少なくとも約0.25のZTを有する熱電素子を形成することと、を含み、エッチングは、半導体基板とエッチング液を通じて少なくとも約1ボルト(V)の電位で実行され、エッチングは25℃で少なくとも約1ナノメートル(nm)毎秒のエッチング速度を有する。ある実施形態において、電位は、作用電極、エッチング液、及び対極を通じて少なくとも約1ボルト(V)である。
[0010] ある実施形態において、電位は交流(AC)電圧である。ある実施形態において、電位は直流(DC)電圧である。
[0011] ある実施形態において、作用電極は第1表面と接触している。ある実施形態おいて、作用電極は第1表面とオーム接触している。ある実施形態において、半導体基板は作用電極の一部である。
[0012] ある実施形態において、エッチング速度は少なくとも約10nm毎秒である。ある実施形態において、エッチング速度は少なくとも約100nm毎秒である。ある実施形態において、エッチング速度は少なくとも約1000nm毎秒である。
[0013] ある実施形態において、電流密度は少なくとも約1mA/cm2である。ある実施形態において、電流密度は少なくとも約10mA/cm2である。ある実施形態において、電流密度は約10mA/cm2〜50mA/cm2、10mA/cm2〜30mA/cm2、又は10mA/cm2〜20mA/cm2である。ある実施形態において、電流密度は約100mA/cm2又は50mA/cm2以下である。ある実施形態において、半導体基板は、その電流密度の交流電流でエッチングされる。
[0014] ある実施形態において、作用電極はエッチング中、陽極である。ある実施形態において、方法はさらに、(b)の後に半導体基板をアニーリングすることをさらに含む。ある実施形態において、方法は(b)の前にエッチング液を、25℃を超える温度まで加熱することをさらに含む。ある実施形態において、半導体基板は、金属触媒のない状態で(すなわち、その助けを借りずに)エッチングされる。
[0015] ある実施形態において、穴のパターンは穴の無秩序パターンを含む。ある実施形態において、作用電極はエッチング液と接触しない。
[0016] ある実施形態において、エッチング液は酸を含む。ある実施形態において、酸はHF、HCl、HBr、及びHIからなる群より選択される。ある実施形態において、エッチング液はアルコール添加物を含む。ある実施形態において、エッチングは半導体基板を照明せずに実行される。
[0017] ある実施形態において、ZTは25℃で少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1である。ある実施形態において、半導体基板はシリコンを含む。
[0018] 他の態様において、性能指数(ZT)が少なくとも0.25の熱電素子を形成する方法は、(a)エッチング液(例えば、電解質)を含む反応空間の中に半導体基板を提供することと、(b)半導体基板に、少なくとも約0.1mA/cm2の電流密度で電流の流れを誘導することと、(c)エッチング液を使って、少なくとも約0.1mA/cm2の電流密度で半導体基板をエッチングし、半導体基板に無秩序の穴パターンを形成することにより、ZTが少なくとも約0.25の熱電素子を形成することと、を含み、エッチングは、(i)金属触媒が存在しない状態で、(ii)半導体基板とエッチング液を通じた少なくとも約1ボルト(V)の電位で実行され、エッチングは25℃で少なくとも約1ナノメートル(nm)毎秒のエッチング速度を有する。
[0019] ある実施形態において、電位は交流(AC)電圧である。ある実施形態において、電位は直流(DC)電圧である。
[0020] ある実施形態において、エッチング速度は少なくとも約10nm毎秒である。ある実施形態において、エッチング速度は少なくとも約100nm毎秒である。ある実施形態において、エッチング速度は少なくとも約1000nm毎秒である。
[0021] ある実施形態において、電流密度は少なくとも約1mA/cm2である。ある実施形態において、電流密度は少なくとも約10mA/cm2である。ある実施形態において、電流密度は約10mA/cm2〜50mA/cm2、10mA/cm2〜30mA/cm2、又は10mA/cm2〜20mA/cm2である。ある実施形態において、電流密度は約100mA/cm2又は50mA/cm2以下である。ある実施形態において、半導体基板は、その電流密度の交流電流でエッチングされる。
[0022] ある実施形態において、エッチング液は酸を含む。ある実施形態において、酸はHF、HCl、HBr、及びHIからなる群より選択される。ある実施形態において、エッチング液はアルコール添加物を含む。ある実施形態において、エッチングは半導体基板を照明せずに実行される。
[0023] ある実施形態において、方法は、(c)の後に半導体基板をアニーリングすることをさらに含む。ある実施形態において、方法は、(c)の前に、エッチング液を25℃より高い温度まで加熱することをさらに含む。ある実施形態において、半導体基板はシリコンを含む。
[0024] 本開示の他の態様は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサにより実行されると、上述の、又は本明細書中の他の箇所の方法の何れかを実行する、機械実行可能なコードを含むコンピュータ可読媒体を提供する。
[0025] 本開示の他の態様は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ及びそこに連結されたメモリを含むコンピュータ制御システムを提供する。メモリは、1つ又は複数のコンピュータプロセッサにより実行されると、上述の又は本明細書中の他の箇所の方法の何れかを実行する機械実行可能なコードを含む。
[0026] 本開示の他の態様において、半導体基板を含む少なくとも1つのフレキシブル熱電素子を含む熱電デバイスであって、半導体基板の表面の金属含有率は、X線光電子分光装置(XPS)を用いた測定により約1%未満であり、フレキシブル熱電素子の性能指数(ZT)は25℃で約0.25未満であり、フレキシブル熱電素子のヤング係数は、熱電層の電界偏向の測定により25℃で約1×106ポンド毎平方インチ(psi)以下である。
[0027] いくつか実施形態において、半導体基板の表面粗さは、透過型電子顕微鏡法(TEM)を用いた測定により約0.1ナノメートル(nm)〜50nmである。ある実施形態において、表面粗さは、TEMを用いた測定により約1nm〜20nmである。ある実施形態において、表面粗さはTEMを用いた測定により約1nm〜10nmである。
[0028] ある実施形態において、金属含有率は、XPSを用いた測定により約0.001%以下である。ある実施形態において、ヤング係数は25℃で約800,000psi以下である。ある実施形態において、性能係数は少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1である。
[0029] ある実施形態において、半導体基板はn型又はp型に化学ドーピングされる。ある実施形態において、半導体基板はシリコンを含む。
[0030] ある実施形態において、熱電素子は穴のパターンを含む。ある実施形態において、穴のパターンは多分散である。ある実施形態において、穴のパターンは穴の無秩序パターンを含む。ある実施形態において、穴の無秩序パターンは多分散である。
[0031] ある実施形態において、熱電素子はワイヤのパターンを含む。ある実施形態において、ワイヤのパターンは多分散である。ある実施形態において、ワイヤのパターンはワイヤの無秩序パターンを含む。ある実施形態において、ワイヤの無秩序パターンは多分散である。
[0032] 本開示の他の態様は、ハンド体基板を含むフレキシブル熱電素子を含む電子機器を提供し、半導体基板の表面の金属含有率は、X線光電子分光装置(XPS)を用いた測定により約1%未満であり、フレキシブル熱電素子の性能指数(ZT)は25℃で少なくとも約0.25であり、フレキシブル熱電素子は、3点曲げ試験を用いた測定により20%未満の可塑変形で測定面に関して少なくとも約10°の角度で曲がる。
[0033] ある実施形態において、半導体基板の表面粗さは、透過型電子顕微鏡法(TEM)を用いた測定により約0.1ナノメート(nm)〜50nmである。ある実施形態において、表面粗さはTEMを用いた測定により約1nm〜20nmである。ある実施形態において、表面粗さはTEMを用いた測定により約1nm〜10nmである。
[0034] ある実施形態において、金属含有率は、XPSを用いた測定により約0.001%以下である。ある実施形態において、フレキシブル熱電素子は、測定面に関して少なくとも約20°の角度で曲がる。ある実施形態において、性能指数は少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1である。
[0035] ある実施形態において、電子機器はウォッチ、健康もしくはフィットネストラッキングデバイス又は排熱回収ユニットである。電子機器は、例えば他の電子機器及び制御モジュールを含む、より大型のシステムの一部とすることができる。他の電子機器が使用されてもよく、これらは例えば、冷蔵庫、オーブン、電子レンジ、コンピュータプロセッサ、車両用エンジン、パイプもしくはその他の導管(例えば、排気管)、モータ又は排熱等のその他の熱源である。
[0036] ある実施形態において、半導体基板はn型又はp型に化学ドーピングされる。ある実施形態において、半導体基板はシリコンを含む。
[0037] ある実施形態において、電子機器は複数の熱電素子を含む。複数の熱電素子の各々は、上述の、又は本明細書の他の箇所に記載されているものとすることができる。ある実施形態において、複数の熱電素子はn型及びp型へと反対に化学ドープされる。
[0038] ある実施形態において、熱電素子は穴のパターンを含む。ある実施形態において、穴のパターンは多分散である。ある実施形態において、穴のパターンは穴の無秩序のパターンを含む。ある実施形態において、穴の無秩序のパターンは多分散である。
[0039] ある実施形態において、熱電素子はワイヤのパターンを含む。ある実施形態において、ワイヤのパターンは多分散である。ある実施形態において、ワイヤのパターンはワイヤの無秩序のパターンを含む。幾つか実施形態において、ワイヤの無秩序パターンは多分散である。
[0040] 本開示の他の態様は発電システムを提供し、これは、流体を案内するための流体流路と、流体流路の少なくとも一部に隣接する少なくとも1つのフレキブル熱電素子を含む熱電デバイスと、を含み、フレキシブル熱電素子のヤング係数は25℃で約1×106ポンド毎平方インチ(psi)以下であり、フレキシブル熱電素子は、流体流路に熱連通する第1表面と、ヒートシンクに熱連通する第2表面と、を有し、熱電デバイスは、流体流路から熱電デバイスを通ってヒートシンクへと熱が流れると電力を生成する。
[0041] ある実施形態において、熱電デバイスは、n型及びp型へと反対に化学ドーピングされた少なくも2つの熱電素子を含む。ある実施形態において、ヤング係数は、25℃で約800,000psi以下である。
[0042] ある実施形態において、熱電素子は半導体材料を含む。ある実施形態において、半導体材料はシリコンを含む。
[0043] ある実施形態において、フレキシブル熱電素子は実質的に、流体流路の形状に適合する。ある実施形態において、流体流路はパイプである。ある実施形態において、流体流路は円筒形である。
[0044] 本開示のその他の態様は、熱電電源管理システムを提供する。熱電電源管理システムはユーザインタフェースを含む電子機器と、電気機器と共に筐体内に統合される熱電デバイスと、を含む。熱電デバイスは、使用者の体表面の付近に設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、熱電ユニットに連結された少なくとも1つの固定部材又は固定具と、を含む。少なくとも1つの固定部材又は固定具は、熱電デバイスを使用者の体表面に固定し、熱電ユニットと熱連通する少なくとも1つのパイプを含む放熱ユニットを含む。使用中、熱電ユニットは、熱伝導表面から放熱ユニットへと熱エネルギーが流れると電力を生成することができる。
[0045] ある実施形態において、電子機器はウォッチである。ある実施形態において、ユーザインタフェースはグラフィカルユーザインタフェースである。ある実施形態において、熱電デバイスは、熱電ユニットに連結された複数の固定部材又は固定具を含み、複数の固定部材又は固定具は、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する。ある実施形態において、電子機器はエネルギー貯蔵ユニットを含む。ある実施形態において、熱電電源管理システムは、熱電ユニットと電気通信するインダクタユニットを含む。インダクタユニットは、熱電ユニットにより生成された電力を電子機器に結合する。ある実施形態において、固定部材又は固定具は熱伝導表面を含む。
[0046] 本開示のその他の態様は、熱電電源管理システムを提供する。熱電電源管理システムは、ユーザインタフェースと、熱電デバイスを含む電子機器と、を含む。熱電デバイスは、使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、熱電ユニットを電子機器に取り外し可能に固定する固定部材又は連結具と、熱電ユニットに連結される少なくとも1つの固定部材又は固定具であって、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する少なくとも1つの固定部材又は固定具と、熱電ユニットと熱連通する別個の放熱ユニットと、を含む。使用中、熱電ユニットは、熱エネルギーが熱伝導表面から別個の放熱ユニットに流れると電力を生成することができる。
[0047] ある実施形態において、別の放熱ユニットは、熱電ユニットと熱連通する少なくとも1つのヒートパイプを含む。ある実施形態において、固定部材又は固定具は放熱ユニットを含む。ある実施形態において、固定部材又は固定具は、熱伝導表面を含む。ある実施形態において、電子機器はウォッチである。ある実施形態において、ユーザインタフェースはグラフィカユーザインタフェースである。ある実施形態において、熱電ユニットは、熱電ユニットに連結された複数の固定部材又は固定具を含み、複数の固定部材又は固定具は、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する。ある実施形態において、電子機器はエネルギー貯蔵ユニットを含む。ある実施形態において、固定部材又は連結具は磁気を有するものである。ある実施形態において、熱電電源管理システムは、熱電ユニットと電気通信するインダクタユニットをさらに含む。インダクタユニットは、熱電ユニットにより生成された電力を電子機器に結合する。
[0048] 本開示の他の態様は、熱電電源管理システムを提供する。熱電電源管理システムは、ユーザインタフェースを含む電子機器と、熱電デバイスと、を含む。熱電デバイスは、使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、熱電ユニットを電子機器に固定する固定部材又は連結具と、(iii)熱電ユニットに連結された少なくとも1つの固定部材又は固定具であって、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する少なくとも1つの固定部材又は固定具と、熱電ユニットと熱連通する別個の放熱ユニットと、を含み、熱電ユニットは体表面とマッチされたインピーダンスである。使用中、熱電ユニットは、熱エネルギーが熱伝導表面から別個の放熱ユニットに流れると電力を生成することができる。
[0049] ある実施形態において、別個の放熱ユニットは、熱電ユニットと熱連通する少なくとも1つのヒートパイプを含む。ある実施形態において、固定部材又は固定具は、放熱ユニットを含む。ある実施形態において、固定部材又は固定具は、熱伝導表面を含む。ある実施形態において、電子機器はウォッチである。ある実施形態において、ユーザインタフェースはグラフィカルユーザインタフェースである。ある実施形態において、熱電デバイスは、熱電ユニットに連結された複数の固定部材又は固定具を含み、複数の固定部材又は固定具は、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する。ある実施形態において、電子機器はエネルギー貯蔵ユニットを含む。ある実施形態において、固定部材又は連結具は磁気を有するもものである。ある実施形態において、熱電電源管理システムは、熱電ユニットと電気通信するインダクタユニットを含む。インダクタユニットは、熱電ユニットにより生成された電力を電子機器に結合することができる。
[0050] 本開示の他の態様は、熱電電源管理システムを提供する。熱電電源管理システムは、流体がその中を流れる導管と熱電デバイスとを含む。熱電デバイスは、(i)導管と熱連通する第1熱伝導表面と、(ii)第1熱伝導表面と熱連通する熱電材料と、(iii)熱電材料と熱連通する第2熱伝導表面と、を含む。使用中、熱電デバイスは、熱エネルギーが導管から第1熱伝導表面を通って第2熱伝導表面へと流れると電力を生成する。熱電電源管理システムは、熱電デバイスに電気的に連結された電子機器も含むことができ、これは、使用中、熱電デバイスにより生成された電力によって、少なくとも部分的に(例えば、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60、70%、80%、90%、95%、99%)又は全面的に電源供給される。
[0051] ある実施形態において、電子機器はユーザインタフェースを含む。ある実施形態において、流体は気体である。ある実施形態において流体は液体である。ある実施形態において、導管はパイプである。ある実施形態において、導管はベントである。ある実施形態において、第1熱伝導表面及び/又は第2熱伝導表面はヒートシンクを含む。ある実施形態において、ヒートシンクは1つ又は複数のフィン(又はヒートフィン)を含む。
[0052] ある実施形態において、使用中、熱電デバイスは、熱エネルギーが第2熱伝導表面から第1熱伝導表面を通り、導管へと流れると電力を生成する。ある実施形態において、第2熱伝導表面は、熱エネルギーを周囲環境から電熱材料へと伝導する。ある実施形態において、第1熱伝導表面及び/又は第2熱伝導表面は、熱電材料から1つ又は複数の熱伝導層により物理的に分離され、1つ又は複数の熱伝導層は、熱電デバイスを通る熱エネルギーの流れを少なくとも部分的に調整する。ある実施形態において、熱電デバイスは、導管とマッチされたインピーダンスである。
[0053] 本開示の他の態様は、熱電電源管理システムを提供し、これは、ユーザインタフェースを含む電子機器と、筐体の中に電子機器と統合される熱電デバイスであって、(i)使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、(ii)熱電ユニットに連結された少なくとも1つの固定具と、を含む熱電デバイスと、を含み、少なくとも1つの固定具は、熱電デバイスを使用者の体表面に固定し、少なくとも1つの固定具は、熱電ユニットと熱連通する少なくとも1つのヒートパイプを含む放熱ユニットを含み、使用中、熱電ユニットは、熱エネルギーが熱伝導表面から放熱ユニットへと流れると電力を生成する。
[0054] ある実施形態において、電子機器はウォッチである。ある実施形態において、ユーザインタフェースはグラフィカルユーザインタフェースである。ある実施形態において、熱電デバイスは、熱電ユニットに連結された複数の固定具を含み、複数の固定具は、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する。ある実施形態において、電子機器はエネルギー貯蔵ユニットを含む。ある実施形態において、熱電電源管理システムは、熱電ユニットと電気連通するインダクタユニットをさらに含み、インダクタユニットは熱電ユニットにより生成された電力を電子機器に結合する。ある実施形態において、固定具は熱伝導表面を含む。
[0055] 本開示の他の態様は、熱電電源管理システムを提供し、これは、ユーザインタフェースを含む電子機器と、(i)使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、(ii)熱電ユニットを電子機器に取り外し可能に固定する連結具と、(iii)熱電ユニットに連結された少なくとも1つの固定具であって、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する少なくとも1つの固定具と、(iv)熱電ユニットと熱連通する別個の放熱ユニットと、を含む熱電デバイスと、を含み、使用中、熱電ユニットは、熱エネルギーが熱伝導表面から別個の放熱ユニットに流れると電力を生成する。
[0056] ある実施形態において、別個の放熱ユニットは、熱電ユニットと熱連通する少なくとも1つのヒートパイプを含む。ある実施形態において、固定具は放熱ユニットを含む。ある実施形態において、固定具は熱伝導表面を含む。ある実施形態において、電子機器はウォッチである。ある実施形態において、ユーザインタフェースはグラフィカルユーザインタフェースである。ある実施形態において、熱電デバイスは、熱電ユニットに連結された複数の固定具を含み、複数の固定具は熱電デバイスを使用者の体表面に固定する。ある実施形態において、電子機器はエネルギー貯蔵ユニットを含む。ある実施形態において、連結具は磁気を有するものである。ある実施形態において、熱電電源管理システムは、熱電ユニットと電気通信するインダクタユニットをさらに含み、インダクタユニットは、熱電ユニットにより生成された電力を電子機器に結合する。
[0057] 本開示の他の態様は、熱電電源管理システムを提供し、これは、ユーザインタフェースを含む電子機器と、(i)使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、(ii)熱電ユニットを電子機器に固定する連結具と、(iii)熱電ユニットに連結された少なくとも1つの固定具であって、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する少なくとも1つの固定具と、(iv)熱電ユニットと熱連通する別個の放熱ユニットと、を含む熱電デバイスと、を含み、使用中、熱電ユニットは、熱エネルギーが熱伝導表面から別個の放熱ユニットに流れると電力を生成する。
[0058] ある実施形態において、別個の放熱ユニットは、熱電ユニットと熱連通する少なくとも1つのヒートパイプを含む。ある実施形態において、固定具は放熱ユニットを含む。ある実施形態において、固定具は熱伝導表面を含む。ある実施形態において、電子機器はウォッチである。ある実施形態において、ユーザインタフェースはグラフィカルユーザインタフェースである。ある実施形態において、熱電デバイスは、熱電ユニットに連結された複数の固定具を含み、複数の固定具は熱電デバイスを使用者の体表面に固定する。ある実施形態において、電子機器はエネルギー貯蔵ユニットを含む。ある実施形態において、連結具は磁気を有するものである。ある実施形態において、熱電電源管理システムは、熱電ユニットと電気通信するインダクタユニットをさらに含み、インダクタユニットは、熱電ユニットにより生成された電力を電子機器に結合する。
[0059] 本開示の他の態様は熱電電源管理システムを提供し、これは、流体を流れるようにする導管と、(i)導管と熱連通する第1熱伝導表面と、(ii)第1熱伝導表面と熱連通する熱電材料と、(iii)熱電材料と熱連通する第2熱伝導表面と、を含む熱電デバイスであって、使用中、熱エネルギーが導管から、第1熱伝導表面を通り、第2熱伝導表面へと流れると電力を生成する熱電デバイスと、熱電デバイスに電気的に連結された電子機器と、を含み、使用中、熱電デバイスは、電子機器の電力需要の少なくとも一部を満たすのに十分な電力を生成する。
[0060] ある実施形態において、電子機器はユーザインタフェースを含む。ある実施形態において、流体は気体である。ある実施形態において、流体は液体である。ある実施形態において、導管はパイプである。ある実施形態において、導管はベントである。ある実施形態において、第1熱伝導表面及び/又は第2熱伝導表面はヒートシンクである。ある実施形態において、ヒートシンクは1つ又は複数のフィンを含む。ある実施形態において、使用中、熱電デバイスは、熱エネルギーが第2熱伝導表面から第1熱伝導表面を通って導管へと流れると、電力を生成する。ある実施形態において、第2熱伝導表面は、熱エネルギーを周囲環境から熱電材料へと伝導する。ある実施形態において、第1熱伝導表面及び/又は第2熱伝導表面は、熱電材料から1つ又は複数の熱伝導層により物理的に分離され、1つ又は複数の熱伝導層は、熱電デバイスを通る熱エネルギーの流れを少なくとも部分的に調整する。ある実施形態において、熱電デバイスは、導管とマッチされたインピーダンスである。ある実施形態において、使用中、熱電デバイスは、電子機器の電力需要の全部を満たすのに十分な電力を生成する。
[0061] 本開示の他の態様は電力を生成する方法を提供し、これは、(a)(i)ユーザインタフェースを含む電子ユニットと、(ii)筐体内に電子機器と統合された熱電ユニットと、を含む熱電電源管理デバイスを作動させることであって、熱電デバイスは、(1)使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、(2)熱電ユニットに連結された少なくとも1つの固定具であって、熱電デバイスを使用者の体表面に固定し、また熱電ユニットと熱連通する少なくとも1つのヒートパイプを含む放熱ユニットを含む少なくとも1つの固定具と、を含むような、作動させることと、(b)熱電ユニットを使って、熱エネルギーが熱伝導表面から放熱ユニットへと流れたときに電力を生成することと、を含む。
[0062] 本開示の他の態様は電力を生成する方法を提供し、これは、(a)(i)ユーザインタフェースを含む電子ユニットと、(ii)(1)使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、(2)熱電ユニットを電子機器に取り外し可能に固定する連結具と、(3)熱電ユニットに連結される少なくとも1つの固定具であって、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する少なくとも1つの固定具と、(4)熱電ユニットと熱連通する別個の放熱ユニットと、を有する熱電ユニットと、を含む熱電電源管理デバイスを作動させることと、(b)熱電ユニットを使って、熱エネルギーが熱伝導表面から別個の放熱ユニットへと流れたときに電力を生成することと、を含む。
[0063] 本開示の他の態様は、電力を生成する方法を提供し、これは、(a)(i)ユーザインタフェースを含む電子ユニットと、(ii)(1)使用者の体表面に隣接して設置される熱伝導表面を有する熱電ユニットと、(2)熱電ユニットを電子機器に固定する連結具と、(3)熱電ユニットに連結される少なくとも1つの固定具であって、熱電デバイスを使用者の体表面に取り外し可能に固定する少なくとも1つの固定具と、(4)熱電ユニットと熱連通する別個の放熱ユニットと、を有する熱電ユニットと、を含み、前記熱電ユニットは体表面とマッチされたインピーダンスである熱電電源管理デバイスを作動させることと、(b)熱電ユニットを使って、熱エネルギーが熱伝導表面から別個の放熱ユニットへと流れたときに電力を生成することと、を含む。
[0064] 本開示の他の態様は、電力を生成する方法を提供し、これは、(a)(i)流体が流れるようにする導管と、(ii)(1)導管と熱連通する第1熱伝導表面と、(2)第1熱伝導表面と熱連通する熱電材料と、(3)熱電材料と熱連通する第2熱伝導表面とを含む熱電ユニットであって、使用中、熱電デバイスは、熱エネルギーが導管から第1熱伝導表面を通って第2熱伝導表面に流れたときに電力を生成する熱電ユニットと、(iii)熱電ユニットに電気的に連結された電子ユニットと、を含む熱電電源管理デバイスを作動させることと、(b)熱電ユニットを使って電力を生成することと、(c)電力を電子ユニットに提供することであって、その電力は電子ユニットの電力需要の少なくとも一部を満たす、提供することと、を含む。
[0065] ある実施形態において、電力は、電子ユニットの電力需要の全部を満たすのに十分である。
[0066] 本開示の他の態様と利点は、当業者にとって、以下の詳細な説明から容易に明らかとなり、その中には本開示の例示的な実施形態だけが示され、説明されている。当然のことながら、本開示は他の異なる実施形態もとることができ、その幾つかの詳細は各種の自明な点において変更することができ、これらはすべて本開示から逸脱しない。従って、図面と説明は限定的ではなく例示的な性質であるとみなされるものとする。
参照による援用
[0067] 本明細書で述べられているすべての出版物、特許、及び特許出願は、それぞれの個別の出版物、特許、又は特許出願が参照により援用されると明示的に個別に示されたかの如く、参照によって本願に援用される。
図面の簡単な説明
[0068] 本発明の新規な特徴は、特に付属の特許請求の範囲に記載されている。本発明の特徴と利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明と、下記のような添付の図面(本明細書では「図」とも呼ばれる)を参照することにより、よりよく理解される。
[00108] 本明細書では本発明の各種の実施形態が図示され、説明されているが、当業者にとっては、かかる実施形態は例として提供されているにすぎないことは明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱しない多くの変形、変更、及び置換の着想を得るかもしれない。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する各種の代替案が利用されてよいことが理解されるべきである。
[00109] 「ナノ構造」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、大きさが約1マイクロメートル(「ミクロン」)である、第1軸に沿った第1寸法(例えば、幅)を有する構造を指す。第1軸に垂直な第2軸に沿って、このようなナノ構造は、ナノメートル又はそれ以下からミクロン、ミリメートル、又はそれ以上の第2寸法を有することができる。場合によっては、寸法(例えば、幅)は約1000ナノメートル(「nm」)、又は500nm、又は100nm、又は50nm、又はそれより小さい値未満である。ナノ構造は、基板材料に形成された穴を含むことができる。穴は、穴の配列を有するメッシュを形成することができる。他の場合に、ナノ構造は、ワイヤ等の棒状の構造、円筒、又はボックス状構造を含むことができる。棒状構造は、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、又はその他の断面を有することができる。
[00110] 「ナノホール」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、充填された又はされていない、幅又は直径が約1000ナノメートル(「nm」)、又は500nm、又は100nm、又は50nm、又はそれより小さい値以下の穴を指す。金属、半導体、又は絶縁材料で充填されたナノホールは、「ナノインクルージョン」と呼ぶことができる。
[00111] 「ナノワイヤ」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、幅又は直径が約1000nm、又は500nm、又は100nm、又は50nm、又はそれより小さい値以下のワイヤ又はその他の長尺状の構造を指す。
[00112] 「n型」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、n型ドーパントで化学ドーピングされた材料を指す。例えば、シリコンは、リン又はヒ素を使ってn型にドープすることができる。
[00113] 「p型」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、p型ドーパントでドーピングされた材料を指す。例えば、シリコンは、ボロン又はアルミニウムを使ってp型にドープすることができる。
[00114] 「金属性」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、金属の特性を示す物質を指す。金属性材料は、1つ又は複数の元素金属を含むことができる。
[00115] 「単分散」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、形状、大きさ(例えば、幅、断面積、体積)又は分散状態(例えば、隣接粒子間間隔、中心間間隔)が相互に類似した特徴物を指す。ある例において、単分散特徴物(例えば、穴、ワイヤ)の形状又は大きさの相互の偏差は、最大で約20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%である。場合によっては、単分散特徴物は実質的に単分散である。
[00116] 「エッチング材料」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、エッチング材料に隣接する基板(例えば、半導体基板)のエッチングを促進する材料を指す。ある例では、エッチング材料はエッチング材料が酸化剤及び化学エッチャントに曝露されたときに基板のエッチングを触媒する。
[00117] 「エッチング層」とは、本明細書で使用されるかぎり、エッチング材料を含む層を指す。エッチング材料の例には、銀、プラチナ、クロム、モリブデン、タングステン、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銅、ニッケル、及びその他の金属(例えば、貴金属)、もしくはそれらの組合せ、又は例えば銅、ニッケル、もしくはそれらの組合せ等の化学酸化体の堆積を触媒することのできるあらゆる非貴金属が含まれる。
[00118] 「エッチブロック材料」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、エッチブロック材料に隣接する基板のエッチングを阻止、又はそれ以外に阻害する材料を指す。エッチブロック材料は、エッチング材料に関連する基板エッチング速度に関して低下された、又は場合によっては実質的に低下された基板エッチング速度を提供するかもしれない。「エッチブロック層」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、エッチブロック材料を含む層を指す。エッチブロック材料は、エッチング材料のそれより低いエッチング速度を有することができる。
[00119] 「反応空間」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、熱電デバイス又は熱電デバイスの構成要素の形成に適したあらゆる環境を指す。反応空間は、基板に隣接する材料フィルム又は薄いフィルムの堆積、又は材料フィルム又は薄いフィルムの物性の測定に適したものとすることができる。反応空間はチャンバを含んでいてもよく、これは複数のチャンバを有する系の中のチャンバであってもよい。系は、流体的に分離された(又は隔離された)複数のチャンバを含んでいてもよい。系は、複数の反応空間を含んでいてもよく、各反応空間は他の反応空間から流体的に分離される。反応空間は、基板又は基板に隣接して形成された薄いフィルムの測定を実行するのに適していてもよい。
[00120] 「電流密度」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、基板の断面積等、単位断面積あたりの電流(electric又はelectrical current)を指す。ある例において、電流密度は、半導体基板の単位表面積あたりの電流である。
[00121] 「隣接する」又は「〜に隣接する」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、「〜の隣に」、「近接する」、「〜と接触する」、及び「〜の付近にある」を含む。ある例では、隣接する構成要素は1つ又は複数の仲介層により相互に分離されている。1つ又は複数の仲介層の厚さは、約10マイクロメートル(「ミクロン」)、1ミクロン、500ナノメートル(「nm」)、100nm、50nm、10nm、1nm、0.5nm、又はそれより小さい値未満であってもよい。例えば、第2層に隣接する第1層は、第2層と直接接触することがあり得る。他の例として、第2層に隣接する第1層は、少なくとも第三の層によって第2層から分離されることがあり得る。
[00122] 「ヒートパイプ」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、一般に、熱伝導性及び相間移動の原理を組み合わせて2つの界面間(例えば、2つの固体界面間)の熱伝導を管理する熱伝導装置又はユニットを指す。ある例において、ヒートパイプの高温界面において、熱伝導性固体表面と接触する液体が、表面から熱を吸収することによって水蒸気となる。すると、水蒸気はヒートハイプに沿って低温界面へと移動し、再び凝縮して液体となり、潜熱を放出する。すると、液体は、例えば毛細管作用、遠心力、又は重力を通じて高温界面へと戻り、このサイクルが繰り返されるかもしれない。このようなヒートパイプは、最高約0.01kW/(m・K)、0.1kW/(m・K)、0.5kW/(m・K)、1kW/(m・K)、10kW/(m・K)、20kW/(m・K)、30kW/(m・K)、40kW/(m・K)、50kW/(m・K)、又は100kW/(m・K)の有効熱伝導率を提供するかもしれない。
熱電素子、デバイス、及びシステム
[00123] 本開示は、加熱及び/又は冷却用途、発電、民生用途、及び産業用途をはじめとする各種の用途での使用に供することのできる熱電素子、デバイス、及びシステムを提供する。ある例において、熱電材料は民生用電子機器(例えば、スマートウォッチ、携帯電子機器、及び健康状態/フィットネストラッキングデバイス)で使用される。他の例として、本開示の熱電材料は、熱損失が発生する場所などの産業分野で使用されることができる。このような場合では、熱は熱電デバイスで捕捉し、発電に使用できる。
[00124] 本開示の熱電デバイスは、このようなデバイスに温度勾配を加えて電力を生成するために使用できる。このような電力は、民生用電子機器等、様々な種類の機器に電気エネルギーを提供するために使用できる。
[00125] 本開示の熱電デバイスは、限定されない様々な利点や利益を有することがあり得る。場合によっては、熱電デバイスは、実質的に高いアスペクト比、穴又はワイヤの均一性、及び性能指数ZTを有することができ、これらは熱電デバイスの最適な性能に適したものとすることができる。性能指数に関して、Zは熱電デバイスの成績係数(COP)及び効率の指標とすることができ、Tは熱電デバイスの高温及び低温側の平均温度とすることができる。ある実施形態において、熱電素子又は熱電デバイスの性能指数(ZT)は25℃で少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9又は3.0である。場合によっては、性能指標は、25℃で約0.01〜3、0.1〜2.5、0.5〜2.0又は0.5〜1.5である。
[00126] 性能指数(ZT)は、温度の関数とすることができる。場合によっては、ZTは温度と共に上昇する。例えば、ZTが25℃で0.5の熱電体は100℃であればより高いZTを有することがあり得る。
[00127] 本開示の熱電デバイスは、各々がナノ構造(例えば、穴又はワイヤ)の配列を含む電極を有することができる。ナノ構造の配列は、ワイヤ(例えば、ナノワイヤ)等の複数の穴又は長尺状の構造を含むことができる。穴又はワイヤは、整列され、均質な大きさと分布を有することができる。代替案として、穴又はワイヤは秩序的でなく、均一な分布を持たなくてもよい。ある実施例において、穴又はワイヤに関する距離秩序がない。場合によっては、穴又はワイヤは、ランダムな方向に相互に交差してもよい。ナノ構造(例えば、穴又はワイヤ)のパターン付きの、又は無秩序のパターンを形成するための方法は、本明細書の他の箇所で提供する。
[00128] 本開示は、フレキシブル又は実質的にフレキシブルとすることのできる熱電素子を提供する。フレキシブル材料は、可塑変形することなく、ある形状に適合させ、ねじり、又は曲げることのできる材料とすることができる。これによって、熱電素子は、熱源又はヒートシンクとの接触面積が重要な場合等、各種の場合で使用することが可能となる。例えば、フレキシブル熱電素子は、例えば熱電素子を熱源又はヒートシンクの周囲に巻き付けること等によって、熱源又はヒートシンクと効率的に接触させることができる。
[00129] 熱電デバイスは、1つ又は複数の熱電素子を含むことができる。熱電素子はフレキシブルとすることができる。個々の熱電素子は少なくとも1つの半導体基板を含むことができ、これはフレキシブルとすることができる。場合によっては、熱電素子の個々の半導体基板は剛体であるが、実質的に薄く(例えば、500nm〜1mm、又は1マイクロメートル〜0.5mm)することができ、それによってこれらは、相互に隣接して配置されたときにフレキシブル熱電素子を提供する。同様に、熱電デバイスの個々の熱電素子は剛体であるが、実質的に薄くすることができ、それによってこれらは、相互に隣接して配置されたときにフレキシブル熱電デバイスを提供する。場合によっては、熱電素子の半導体基板はシリコン(例えば、単結晶シリコン)を含む。
[00130] 図1は、本開示のある実施形態による熱電デバイス100を示す。熱電デバイス100は、熱電デバイス100の第1群の電極103と第2群の電極104との間に配置されたn型素子101及びp型素子102を含む。第1群の電極103は、図のように、隣接するn型素子101とp型素子102とを接続する。
[00131] 電極103及び104は、それぞれ高温側材料105と低温側材料106と接触している。ある実施形態において、高温側材料105と低温側材料106は電気的に絶縁されているが、熱は伝導する。電位を電極103及び104に印加すると電流が流れ、これは熱電デバイス100を通じた温度勾配(ΔT)を生じさせる。温度勾配(ΔT)は、高温側材料105における第1温度(平均)T1から低温側材料106における第2温度(平均)T2へと延び、T1>T2である。温度勾配は加熱及び冷却目的に使用できる。
[00132] 熱電デバイス100のn型素子101とp型素子102とは、ナノ構造等、ナノメートルからマイクロメートルの寸法を有する構造から形成できる。状況によっては、ナノ構造は穴又はインクルージョンであり、これらは穴の配列(すなわち、メッシュ)で提供できる。他の状況では、ナノ構造は、ナノワイヤ等、棒状構造である。場合によっては、棒状構造は横方向に相互に分離される。
[00133] 場合によっては、n型素子101及び/又はp型素子102は、温度勾配の方向に沿って配向されたワイヤ又は穴の配列から形成される。すなわち、穴又はワイヤは、第1群の電極103から第2群の電極104へと延びる。他の場合では、n型素子101及び/又はp型素子102は、温度勾配に関して約0°〜90°の角度の方向に沿って配向された穴又はワイヤの配列から形成される。ある例では、穴の配列は温度勾配に垂直である。穴又はワイヤは、場合によっては、ナノメートル乃至ナノメートルのオーダの寸法を有する。場合によっては、穴はナノメッシュを画定することができる。
[00134] 図2は、本開示のある実施形態による穴の配列201を有する熱電素子200の概略斜視図である。穴のアレイは本明細書において、「ナノメッシュ」と呼ぶことができる。図3及び図4は、熱電素子200の上面斜視図及び側面斜視図である。素子200は、本明細書の他の箇所に記載されているn型又はp型素子とすることができる。穴の配列201は、数ナノメートル以下からミクロン、ミリメートル、又はそれ以上までの幅を有することのできる個々の穴201aを含む。ある実施形態において、穴の幅(又は、円形であれば直径)(「d」)は、約1nm〜500nm、又は5nm〜100nm、又は10nm〜30nmである。穴の長さ(「L」)は、約数ナノメートル以下からミクロン、ミリメートル、又はそれ以上とすることができる。幾つの実施形態おいて、穴の長さは約0.5ミクロン〜1センチメートル、又は1ミクロン〜500ミリメートル、又は10ミクロン〜1ミリメートルである。
[00135] 穴201aは基板200aに形成される。場合によっては、基板200aはソリッドステート材料、例えば炭素(例えば、グラファイト又はグラフィン)、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、シリサイド、シリコンゲルマニウム、テルル化ビスマス、テルル化鉛、酸化物(例えばSiOxであり、「x」は0より大きい数である)、窒化ガリウム、及びテルル化銀ゲルマニウムアンチモン(TAGS)含有合金である。例えば、基板200aは、IV族材料(例えば、シリコン又はゲルマニウム)、又はIII−V族材料(例えば、ガリウムヒ素)とすることができる。基板200aは、1つ又は複数の半導体を含む半導体材料から形成されてもよい。半導体材料は、それぞれn型又はp型素子用としてn型又はp型にドープすることができる。
[00136] 場合によっては、穴201aは、He、Ne、Ar、N2、H2、CO2、O2、又はそれらの組合せで充填される。他の場合に、穴201aは真空下にある。あるいは、穴は半導体材料、絶縁(もしくは誘電)材料、又は気体(例えば、He、Ar、H2、N2、CO2)で充填(例えば、部分的に充填、又は完全に充填)されていてもよい。
[00137] 素子200の第1端202及び第2端203は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)又はシリサイド等の半導体含有材料を有する基板と接触することができる。基板、各端202及び203で電極との電気接触を提供するのを支援できる。あるいは、基板は排除でき、第1端202及び第2端203は、それぞれ第1電極(図示せず)及び第2電極(図示せず)と接触することができる。
[00138] ある実施形態において、穴201aは実質的に単分散である。単分散の穴は、実質的に同じ大きさ、形状、及び/又は分散状態(例えば、断面分散)を有していてもよい。他の実施形態において、穴201aは様々な大きさの穴の種類内で分散され、それによって穴201aは必ずしも単分散であるとはかぎらない。例えば、穴201aは多分散であってもよい。多分散の穴の有する形状、大きさ、及び/又は向きの相互の偏差は少なくとも約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、又は50%とすることができる。状況によっては、デバイス200は、第1直径の第1群の穴と、第2直径の第2群の穴を含む。第1直径は第2直径より大きい。他の例では、デバイス200は異なる直径の2つ又はそれ以上の群の穴を含む。
[00139] 穴201aは、各種の充填配置を有することができる。場合によっては、穴201aは、上から見たときに(図3参照)、六方密充填配置を有する。
[00140] ある実施形態において、穴の配列201の中の穴201aの中心間間隔は、約1nm〜500nm、又は5nm〜100nm、又は10nm〜30nmである。場合によっては、中心間間隔は同じであり、これは単分散の穴201aの場合であってもよい。他の場合では、中心間間隔は、様々な直径及び/又は配置を持つ穴の集合ごとに異なっていることも可能である。
[00141] 穴201の寸法(長さ、幅)及び充填配置と、素子200の材料及びドーピング構成は、素子200及び素子200を有する熱電デバイスの所定の導電性及び熱伝導性を実現するように選択できる。例えば、穴201の直径及び充填構成は、熱伝導性を最小にするように選択でき、ドーピング構成は、素子200の伝導性を最大にするように選択できる。
[00142] 基板200aのドーピング濃度は、少なくとも約1018cm−3、1019cm−3、1020cm−3、又は1021cm−3とすることができる。ドーピング濃度は、熱電素子として使用するのに適した抵抗を提供するように選択できる。基板200aの抵抗は、少なくとも約0.001ohm−cm、0.01ohm−cm、又は0.1ohm−cm、及び場合によっては、約1ohm−cm、0.5ohm−cm、0.1ohm−cm以下とすることができる。ある例では、基板200aの抵抗は、約0.001ohm−cm〜1ohm−cm、0.001ohm−cm〜0.5ohm−cm、又は0.001ohm−cm〜0.1ohm−cmとすることができる。
[00143] 穴の配列201のアスペクト比(例えば、素子200の長さを個々の穴201aの幅で割ったもの)は、少なくとも約1.5:1、又は2:1、又は5:1、又は10:1、又は20:1、又は50:1、又は100:1、又は1000:1、又は5,000:1、又は10,000:1、又は100,000:1、又は1,000,000:1、又は10,000,000:1、又は100,000,000:1、又はそれ以上とすることができる。
[00144] 穴201は、秩序的で、均一な大きさと分布とを有するようにすることができる。代替案として、穴201は、秩序的でなく、均一な分布を持たなくてもよい。例えば、穴201は無秩序で、穴201のパターンには距離秩序を持たないようにすることができる。
[00145] ある実施形態において、熱電素子はワイヤの配列を含むことができる。ワイヤの配列は、例えば棒状構造である個々のワイヤを含むことができる。
[00146] 素子200の穴の配列の代替案として、穴は秩序的でなくてもよく、均一な分布を持たなくてもよい。ある例では、穴に関して距離秩序がない。場合によっては、穴はランダムな方向に相互に交差してもよい。穴は、様々な方向に穴から突出する二次的な穴等、交差する穴を含んでいてもよい。二次的な穴は、さらに二次的な穴を有していてもよい。穴は、様々な大きさであってもよく、ランダムであって均一でなくてもよい様々な方向に沿って整列されてもよい。
[00147] 図5は、本開示のある実施形態による熱電素子500の概略斜視図である。図6は、熱電素子500の上面概略斜視図である。熱電素子500は、本明細書で提供されるデバイス、システム、及び方法と使用されてよい。素子500は、個々のワイヤ501aを有するワイヤの配列501を含むことができる。ある実施形態において、ワイヤの幅(又は、円形の場合は直径)(「d」)は約1nm〜500nm、又は5nm〜100nm、又は10nm〜30nmとすることができる。ワイヤの長さ(「L」)は、約数ナノメートル以下からミクロン、ミリメートル、又はそれ以上とすることができる。ある実施形態において、ワイヤの長さは約0.5ミクロン〜1センチメートル、又は1ミクロン〜500ミリメートル、又は10ミクロン〜1ミリメートルである。
[00148] ある実施形態において、ワイヤ501aは実質的に単分散とすることができる。単分散のワイヤは、実質的に同じ大きさ、形状、及び/又は分布(例えば、断面分布)を有していてもよい。他の実施形態において、ワイヤ501aは様々な大きさのワイヤの種類内で分散され、それによってワイヤ501aは必ずしも単分散であるとはかぎらない。例えば、ワイヤ501aは多分散であってもよい。多分散のワイヤの有する形状、大きさ、及び/又は向きの相互の偏差は少なくとも約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、又は50%とすることができる。
[00149] ある実施形態において、ワイヤの配列501の中のワイヤ501aの中心間間隔は約1nm〜500nm、又は5nm〜100nm、又は10nm〜30nmとすることができる。場合によっては、中心間間隔は同じとすることができ、これは単分散のワイヤ501の場合であってもよい。他の場合では、中心間間隔は、様々な直径及び/又は配置を持つワイヤの集合ごとに異なっていることも可能である。
[00150] 場合によっては、ワイヤ501aはソリッドステート材料、例えば半導体材料、例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、シリサイド合金、シリコンゲルマニウムの合金、テルル化ビスマス、テルル化鉛、酸化物(例えばSiOxであり、「x」は0より大きい数である)、窒化ガリウム、及びテルル化銀ゲルマニウムアンチモン(TAGS)含有合金で形成できる。ワイヤ501aは、本明細書に開示されている他の材料で形成することもできる。ワイヤ501aは、n型ドーパント又はp型ドーパントでドープできる。ドーピング濃度は、少なくとも約1018cm−3、1019cm−3、1020cm−3、又は1021cm−3とすることができる。ある例において、ドーピング濃度は少なくとも約1018〜1021cm−3、又は1019〜1020cm−3とすることができる。半導体材料のドーピング濃度は、熱電素子として使用するのに適した抵抗を提供するように選択できる。半導体材料の抵抗は、少なくとも約0.001ohm−cm、0.01ohm−cm、又は0.1ohm−cm、及び場合によっては、約1ohm−cm、0.5ohm−cm、0.1ohm−cm以下とすることができる。ある例では、半導体材料の抵抗は、約0.001ohm−cm〜1ohm−cm、0.001ohm−cm〜0.5ohm−cm、又は0.001ohm−cm〜0.1ohm−cmとすることができる。
[00151] ある実施形態において、ワイヤ501aは、素子500の第1端502及び第2端503において半導体基板に付着させることができる。半導体基板は、個々のワイヤ501aのn型又はp型ドーピング構成を有することができる。他の実施形態において、第1端502及び第2端503においてワイヤ501aは、半導体基板ではなく電極に付着されてもよい。例えば、第1電極(図示せず)は、第1端502と電気的に接触することができ、第2電極は第2端503と電気的に接触することができる。
[00152] 図6を参照すると、ワイヤ501a間の間隔504は、真空又は各種の材料で充填されてもよい。ある実施形態において、ワイヤは、例えば化学気相成長法又は原子層堆積法等の気相堆積法を用いて堆積された電気的絶縁材料、例えば二酸化シリコン、二酸化ゲルマニウム、ガリウムヒ素酸化物、スピンオングラス、及びその他の絶縁体によって相互から横方向に分離できる。他の実施形態において、ワイヤは、真空又は気体、例えばHe、Ne、Ar、N2、H2、CO2、O2、又はそれらの組合せによって相互から横方向に分離できる。
[00153] ワイヤの配列501のアスペクト比、すなわち、素子500の長さを個々のワイヤ501aの幅で割ったもの)は、少なくとも約1.5:1、又は2:1、又は5:1、又は10:1、又は20:1、又は50:1、又は100:1、又は1000:1、又は5,000:1、又は10,000:1、又は100,000:1、又は1,000,000:1、又は10,000,000:1、又は100,000,000:1、又はそれ以上とすることができる。場合によっては、素子500の長さと個々のワイヤ501aの長さは実質的に同じとすることができる。
[00154] 本明細書で提供される熱電素子は、冷却及び/又は加熱と、場合によっては発電において使用する熱電デバイスの中に組み込むことができる。ある例において、機器100は発電機として使用されてもよい。ある例において、機器100は、機器100の電極と熱電素子との間に温度勾配を提供することによって発電に使用される。
[00155] 素子500のワイヤの配列の代替案として、ワイヤは秩序的でなくてもよく、均一な分布を持たなくてもよい。ある例では、ワイヤに関して距離秩序がない。場合によっては、ワイヤはランダムな方向に相互に交差してもよい。ワイヤは、様々な大きさであってもよく、ランダムであって均一でなくてもよい様々な方向に沿って整列されてもよい。
[00156] 図7は、本開示のある実施形態による、n型素子701とp型素子702とを有する熱電デバイス700を示す。n型素子701及びp型素子702は各々、ナノワイヤ等のワイヤの配列を含むことができる。ワイヤの配列は、複数のワイヤを含むことができる。n型素子701は、n型(又はnドープ)ワイヤを含むことができ、p型素子702はp型ワイヤを含むことができる。ワイヤはナノワイヤ又はその他の棒状構造とすることができる。
[00157] 隣接するn型素子701とp型素子702とは、電極703及び704を使ってそれぞれの端で相互に電気的に接続することができる。デバイス700は、素子701及び702のそれぞれ反対の端に第1熱伝導性の電気絶縁層705と、第2熱伝導性の電気絶縁層706と、を含むことができる。
[00158] デバイス700は、電極703及び704と電気通信する端子707及び708を含むことができる。端子707及び708の間に電位を印加することにより、n型及びp型素子701及び702にそれぞれ電子と正孔の流れを生じさせることができ、これは素子701及び702間に温度勾配を発生させることができる。第1熱伝導性の電気絶縁層705は、デバイス700の低温側であってもよく、第2熱伝導性の電気絶縁層706はデバイス700の高温側であってもよい。低温側は高温側より低温である(すなわち、より低い動作温度を有する)。
[00159] 図8は、本開示のある実施形態によるn型素子801及びp型素子802を有する熱電デバイス800を示す。n型素子801及びp型素子802は、それぞれn型及びp型半導体基板内に形成できる。各基板は、ナノホール等の穴の配列を含むことができる。穴の配列は複数の穴を含むことができる。個々の穴は、n型又はp型素子の長さ全体にわたることができる。穴は他分散とすることができ、この場合、穴の寸法と中心間間隔は実質的に同じであってもよい。場合によっては、穴の配列は中心間間隔と穴寸法(例えば、幅又は直径)が異なっていてもよい。このような場合、穴は単分散ではなくてもよい。
[00160] 選択されたn型素子801及びp型素子802は、電極803及び804によりそれぞれの端で相互に電気的に接続できる。デバイス800は、第1熱伝導性の電気絶縁層(「第1層)」805と第2熱伝導性の電気絶縁層(「第2層」)806を素子801及び802のそれぞれ反対の端に含むことができる。
[00161] デバイス800は、電極803及び804と電気通信する端子807及び808を含むことができる。端子807及び808間に電位を印加することにより、n型及びp型素子801及び802にそれぞれ電子と正孔の流れを生じさせることができ、これは素子801及び802の間に温度勾配を発生させることができる。第1熱伝導性の電気絶縁層805は、デバイス800の低温側であってもよく、第2熱伝導性の電気絶縁層806はデバイス800の高温側であってもよい。低温側は高温側より低温である(すなわち、より低い動作温度を有する)。
[00162] 熱電デバイス800は、第2熱伝導性の電気絶縁層806から第1熱伝導性の電気絶縁層805への温度勾配を有していてもよい。場合によっては、穴は、第1層805から第2層806に向けられたベクトルに平行に配置されることができる。他の場合では、穴はそのベクトルに関して0°より大きい角度で配置できる。例えば、穴はベクトルに関して少なくとも約1°、10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°、80°、又は90°の角度に配置されることができる。
[00163] 図9は、n型素子901及びp型素子902を有する熱電デバイス900を示し、素子はn型及びp型素子基板内に形成された穴を有する。穴は、デバイス900の電極903及び904に垂直なベクトル(「V」)に垂直に配向される。
[00164] 本明細書で提供される熱電素子のワイヤ又は穴は、基板内に形成され、電極等の支持構造に実質的に逆平行に形成されてもよい。ある例において、ワイヤ又は穴は、支持構造に関して0°、又は10°、又は20°、又は30°、又は40°、又は50°、又は60°、又は70°、又は80°、又は85°より大きい角度で配向される。ある例において、ワイヤ又は穴は、支持構造に関して約90°の角度で配向される。電極は、熱電デバイスの電極であってもよい。場合によっては、ワイヤ又は穴は電極に対して実質的に平行に配向されてもよい。
[00165] 図7〜9のデバイスの代替案として、熱電デバイスは、個々の穴又はワイヤの大きさ及び/又は分布の異なる穴又はワイヤの配列を持つ熱電素子を有することができる。穴又はワイヤの配列は、秩序的でなくてもよく、均一な分布を有していなくてもよい。ある例において、穴又はワイヤに関する距離秩序がない。場合によっては、穴又はワイヤはランダムな方向に相互に交差してもよい。穴又はワイヤは、他の穴又はワイヤから様々な方向に突出する二次的な穴又はワイヤ等、交差する穴又はワイヤを含んでいてもよい。穴又はワイヤは、様々な大きさを有していてもよく、ランダムであって均一でなくてもよい様々な方向に沿って配列されてよい。他の代替案として、熱電デバイスは、秩序的な穴又はワイヤの配列を持つ少なくとも1つの熱電素子(p又はn型)と、無秩序な穴又はワイヤの配列を持つ少なくとも1つの熱電素子(p又はn型)を含むことができる。無秩序の穴又はワイヤの配列は、秩序的でなく、均一な分布を持たない穴又はワイヤを含んでいてもよい。
[00166] 本開示の穴又はワイヤは、最適化された熱電デバイス性能にとって適当な表面粗さを有していてもよい。場合によっては、穴又はワイヤの二乗平均平方根表面粗さは、約0.1nm〜50nm、又は1nm〜20nm、又は1nm〜10nmとすることができる。粗さは、透過方電子顕微鏡(TEM)又は、原子力顕微鏡法(AFM)もしくは走査型トンネル顕微鏡(STM)等その他の表面解析技術により特定されることができる。表面粗さは、表面凹凸により特徴付けられてもよい。
熱電素子の形成方法
[00167] 本開示は、熱電素子を形成するための各種の方法を提供する。熱電素子は、電気化学エッチングを使って形成できる。場合によっては、熱電素子は、陰極又は陽極エッチングにより、場合によっては、触媒を利用せずに形成されることができる。熱電素子、金属性触媒を使用せずに形成されることができる。熱電素子は、エッチング対象の基板表面上に金属性コーティングを提供せずに形成されることができる。これはまた、純粋に電気化学陽極エッチング及び適当なエッチング液と電解質を使って実行されることができる。代替案として、熱電素子は、適当なエッチング液と電解質内での金属触媒電気化学エッチングを使って形成されることができ、これは例えば、2012年7月17日に出願されたPCT米国特許出願第2012/047021号、2013年1月17日に出願されたPCT米国特許出願第2013/021900号、2013年8月16日に出願されたPCT米国特許出願第2013/055462号、2013年10月29日に出願されたPCT米国特許出願第2013/067346号に記載されており、その各々の全体を参照によって本願に援用する。
[00168] 本明細書においては、熱電素子を形成するために触媒を使用しないことの様々な利益が認識される。ある例において、非金属触媒エッチでは、金属(又は金属性)触媒を不要とすることができ、これによって、エッチング後に熱電素子から金属触媒を取り除くためのクリーンアップステップを含め、処理ステップを減らすことができる。これはまた、金属触媒は高価であり得るため、製造コストも削減できる。金属触媒は、希少及び/又は高価な金属性材料(例えば、金、銀、プラチナ、又はパラジウム)を含み得るため、金属性触媒の使用を排除することにより、有利な点として、熱電素子を形成するためのコストを削減できる。それに加えて、非触媒プロセスは、より再現可能かつ制御可能とすることができる。場合によっては、本明細書に記載の非触媒プロセスは、熱電素子の比較的小さい生産規模から熱電素子の比較的大きい生産規模へと拡張することができる。
[00169] 本開示は、民生用途及び産業用途等、様々な用途に使用するための熱電材料を形成する方法を提供する。ある例において、熱電材料は民生用電子機器(例えば、スマートウォッチ、携帯電子機器、及び健康/フィットネストラッキングデバイス)で使用される。他の例として、本開示の熱電材料は、熱損失がある場所等、産業現場で使用されることができ、この熱を捉えて発電に使用されることができる。
[00170] 本開示は、フレキシブル又は実質的にフレキシブルな熱電材料を形成する方法を提供する。フレキシブル材料は、可塑変形又は破断を生じることなく、測定面に関して約1°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、又は180°の角度で曲がる材料とすることができる。フレキシブル材料は、フレキシブル材料のある面積に力(すなわち、圧力)を加えると曲がり得る。塑性変形は、例えば3点曲げ試験(例えば、インストロン伸展)、又は引張り試験によって測定できる。代替案として、又はそれに加えて、フレキシブル材料は、3点曲げ試験(例えば、インストロン伸展)又は引張り試験を用いた測定により、約20%、15%、10%、5%、1%、又は0.1%以下の塑性変形で、少なくとも約1°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、又は180°の角度で曲がる材料とすることができる。フレキシブル材料は、実質的に柔軟な材料とすることができる。フレキシブル材料は、表面に適合し、又はぴったりすることのできる材料とすることができる。このような材料は、民生用及び産業用現場等、様々な現場用として利用可能である。本明細書に記載の方法により形成された熱電素子は、様々な形状及び構成に形成できる。このような形状は、例えばある物体に適合させる等、使用者の希望に応じて変えることができる。熱電素子は第1形状を有することができ、ある形状又は構成に形成された後に、熱電素子は第2形状を有することができる。熱電素子は、第2形状から当初の(すなわち、第1)形状に変形できる。
[00171] 本開示のある態様において、熱電デバイス(又は材料)は、陽極エッチングを使って形成される。陽極エッチングは、電気化学エッチングセルの中で実行でき、これはエッチング対象基板(例えば、ソリッドステート材料を含む基板、半導体基板、シリコンを含む半導体基板、単結晶シリコンを含む半導体基板)に電気接続、エッチング液又は電解質を基板と接触した状態に保つ1つ又は複数のタンク、及びエッチング工程を分析するために測定又はモニタするアクセスを提供する。エッチング液及び/又は電解質は水溶液を含むことができる。エッチング液及び/又は電解質は、塩基性、中性、又は酸性液とすることができる。エッチング液の例は、フッ化水素酸(HF)、塩酸(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、又はそれらの組合せなどを含む。さらに、電解質を溶液で提供でき、これは例えば、フッ化電解質又はフッ化電解質溶液である。フッ化電解質溶液は、HF、フッ化アンモニウム、テトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸リチウム、及び溶媒(例えば、アルコール(例えば、エタノール)、水、アセトニトリル)のうちの1種又は複数を含むことができる。エッチング液及び/又は電解質は、導電性液とすることができる。一例において、エッチングセルは、電解質を含む溶液を収容した上側タンクを含む。上側タンクは、エッチング対象基板に隣接して(例えば、その上に)配置できる。エッチング対象基板には、触媒材料であってもよい1種又は複数の金属性材料が実質的に用いられなくてもよい。エッチング対象基板には金属性コーティングがなくてもよい。ある例において、エッチング対象基板の金属含有率(例えば、基板表面上)は、X線光電子分光法(XPS)を用いた測定により、約25%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、又は000001%未満とすることができる。
[00172] エッチング液は、酸(例えば、HF)又は、約70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%(重量で)以下、場合によっては約1%、10%、20%、又は30%以上の酸濃度(重量パーセント)を含むことができる。ある例において、濃度(重量で)は約1%〜60%、又は10%〜50%、又は20%〜45%である。エッチング液の残りは溶媒(例えば、水)と添加物、例えばアルコール、カルボキシル酸、ケトン、及び/又はアルデヒドを含むことができる。ある例において、添加物はアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、又はそれらの組合せを含むことができる。添加物により、本開示の熱電素子で使用するのに適した特性、例えば無秩序パターンを有する穴の実質的に均一な分布等を有するナノ構造(例えば、穴)を形成しながら、より低い電流密度の使用を可能にすることができる。添加物により、本開示の熱電素子で使用するのに適した特性、例えば2つ又はそれ以上の穴間の間隔の制御しやすさを有するナノ構造(例えば、穴)を形成しながら、より低い電流密度の使用を可能にすることができる。添加物により、本開示の熱電素子で使用するのに適した特性、例えば最大約5nmの2つ又はそれ以上の穴間の間隔を有するナノ構造(例えば、穴)を形成しながら、より低い電流密度の使用を可能にすることができる。添加物により、本開示の熱電素子で使用するのに適した特性、例えば最大約20nmの2つ又はそれ以上の穴間の間隔を有するナノ構造(例えば、穴)を形成しながら、より低い電流密度の使用を可能にすることができる。添加物により、本開示の熱電素子で使用するのに適した特性、例えば最大約100nmの2つ又はそれ以上の穴間の間隔を有するナノ構造(例えば、穴)を形成しながら、より低い電流密度の使用を可能にすることができる。
[00173] 電流は、エッジコンタクト又は裏面コンタクトを使って基板に及び/又は基板を通じて、溶液/電解質を通じて、対極へと供給できる。対極は、上側タンクと電気通信することができ、場合によっては、上側タンク内に位置付けることができる。場合によっては、対極は基板の上面に隣接しているか、又はそれと接触することができる。エッチングセルの本体は、エッチング液又は電解質に対して不活性な材料(例えば、PTFE、PFA、ポリプロピレン、HDPE)から製造できる。エッジ又は裏面コンタクトは、基板上の金属コンタクトを含むことができ、又は、適当な電解質を用いた液体コンタクトとすることができる。対極は、適当な電極材料から構成されるワイヤ又はメッシュを含むことができる。エッチングセルは、溶液を常に流動させるための機械的パドルもしくは超音波撹拌機を含むことができ、又はセル全体を旋回させ、回転させ、又は振動させてもよい。ある例において、エッチング前及び/又はエッチング中に溶液を攪拌することにより、エッチングの均一性を改善できる。これによって、エッチング中に電解質の循環を可能にすることができる。他の例において、エッチングセルは、1種又は複数の溶液/電解質の入った1つ又は複数の再循環式タンク及びエッチングチャンバを含むことができる。
[00174] ある例において、パターン付きでない基板が、最大で5つ又はそれ以上の電極コネクタが提供された反応空間の中に装填される。電極の1つは、基板の裏面とオーム接触させることができ(作用電極)、エッチャント電解質から絶縁されてもよい。電極の1つは、基板の裏面とオーム接触させることができ(作用電極)、エッチャント電解質と接触していなくてもよい。他の電極(対極)は、電解質の中にしずめるが、基板と直接接触しないようにし、電解質を通じて基板の作用電極に電流を供給するために使用できる。他の電極(参照電極)は、電解質中に浸漬し、作用電極及び対極のどちらからも、場合によってはフリットを使って絶縁し、既知の、又は所定の参照基準を使ってエッチングセルの動作電位を感知するために使用できる。他の2つ又はそれ以上の電極は、反応空間の外に設置して、外部電界を生じさせてもよい。場合によっては、少なくとも2つの電極、すなわち作用電極と対極が必要とされてもよい。
[00175] 反応空間は、様々な方法で使用されることができる。1つの方式では、反応空間は、基板の裏面を介して適当な電解質の中に陽極電流を通すことにより、2電極構成で使用できる。電解質は例えば、水等の希釈剤、又はフッ化水素酸等のフッ化物含有試薬、又は過酸化水素等の酸化剤を含む液体混合物とすることができる。電解質は、界面活性剤及び/又は変性剤を含むことができる。作用電位は、3電極構成における対極を使って陽極酸化中に感知できる。陽極酸化は、反応空間の外に設置された電極を使って、DC又はAC外部電界が存在する中で実行できる。
[00176] 陽極エッチング中、半導体の電圧/電流支援エッチングにより、半導体を電圧/電流に依存する速度でエッチングできる。エッチング速度、エッチング深度、エッチング形態、空孔数密度、空孔構造、内部表面積、及び表面粗さは、電圧/電流、エッチング液/電解質の組成物及びその他の添加物、圧力/温度、前面/裏面照明、並びにかき混ぜ/攪拌により制御できる。これらはまた、半導体の結晶軸方向、ドーパントの型、抵抗(ドーピング濃度)、及び成長工程(例えば、フローティングゾーン法又はチョクラルスキー成長法)によっても制御できる。半導体の抵抗は、少なくとも約0.001ohm−cm、0.01ohm−cm、又は0.1ohm−cm以下、及び場合によっては、約1ohm−cm、0.5ohm−cm、0.1ohm−cm以下とすることができる。ある例において、半導体の抵抗は、約0.001ohm−cm〜1ohm−cm、0.001ohm−cm〜0.5ohm−cm、又は0.001ohm−cm〜0.1ohm−cmとすることができる。
[00177] 電圧/電流制御を用いた半導体基板のエッチング中、下地電極を使って電位又はバイアス(例えば、直流バイアス)を基板に印加できる。これにより、半導体基板をエッチングできる。陽極エッチングの結果として、半導体の熱伝導率は有意に低下する可能性がある。ある例において、印加されたバイアスを利用することにより、空隙率(質量損失)を制御及び調整でき、従って、熱及び電気特性を制御できる。他の例では、特定のエッチング液/電解質組成物及び/又は添加物を利用することにより、空隙率を制御できる。また別の例では、すでに挙げた幾つの変数を使用しても、空隙率を制御できる。
[00178] 場合によっては、半導体基板はパターン付きでなくてもよく、場合によっては、パターン付きであってもよい。パターン付きでないエッチングにおいて、基板はセル内で直接エッチングされることができる。パターン付きエッチングの場合、エッチングを防止するブロック層を最初に半導体の上に設置し、その後、特定の位置において除去することができる。この層は、何れかの適当な方法(例えば、化学気相成長法、スピンコーティング、酸化)によって形成され、その後、後続のステップにおいて、適当なマスクを使って(例えば、フォトリソグラフィ)所望の位置で除去されてよい(例えば、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、スパッタリング)。あるいは、ブロック層は直接堆積させることができる(例えば、ディップペンリソグラフィ、インクジェットプリンティング、ステンシルを通じたスプレーコーティング)。その後、陽極エッチング中にブロック層のパターンのネガティブレプリカを基板に転写できる。
[00179] エッチングは、適当なエッチング液/電解質の存在中で半導体基板に電位(electrical potential)(「電位(potential)」)を印加することによって実行できる。電位は例えば、アース等の基準に関して少なくとも約+0.01V、+0.02V、+0.03V、+0.04V、+0.05V、+0.06V、+0.07V、+0.08V、+0.09V、+0.1V、+0.2V、+0.3V、+0.4V、+0.5V、+0.6V、+0.7V、+0.8V、+0.9V、+1.0V、+2.0V、+3.0V、+4.0V、+5.0V、+10V、+20V、+30V、+40V、又は+50Vとすることができる。ある例において、電位は、基準に関して約+0.01V〜+20V、+0.1V〜+10V、又は+0.5V〜+5Vとすることができる。ある例において、電位は、約+0.01V〜+0.05V、+0.06V〜+0.1V、+0.2V〜+0.5V、+0.6V〜+1.0V、+2.0V〜+5.0V、+10V〜+20V、+20V〜+30V、+30V〜+40V、又は+40V〜+50の範囲とすることができる。ある例において、電位は約+0.5V〜5V、又は+1V〜+5Vとすることができる。
[00180] エッチングは、場合によっては適当なエッチング液/電解質の存在中で電流(electrical current)(「電流(current)」)を半導体基板に、又はそれを通して印加し、又は生成することによって実行されることができる。電流は、基板に電位を印加すると基板に印加されることができる。電流の電流密度は例えば、少なくとも約+0.01ミリアンペア毎平方センチメートル(mA/cm2)、+0.1mA/cm2、+0.2mA/cm2、+0.3mA/cm2、+0.4mA/cm2、+0.5mA/cm2、+0.6mA/cm2、+0.7mA/cm2、+0.8mA/cm2、+0.9mA/cm2、+1.0mA/cm2、+2.0mA/cm2、+3.0mA/cm2、+4.0mA/cm2、+5.0mA/cm2、+6.0mA/cm2、+7.0mA/cm2、+8.0mA/cm2、+9.0mA/cm2、+10mA/cm2、+20mA/cm2、+30mA/cm2、+40mA/cm2、+50mA/cm2、+60mA/cm2、+70mA/cm2、+80mA/cm2、+90mA/cm2、+100mA/cm2、+200mA/cm2、+300mA/cm2、+400mA/cm2、+500mA/cm2、+600mA/cm2、+700mA/cm2、+800mA/cm2、+900mA/cm2、+1000mA/cm2とすることができる。ある例において、電流密度は約0.01mA/cm2〜20mA/cm2、0.05mA/cm2〜10mA/cm2、又は0.01mA/cm2〜5mA/cm2の範囲とすることができる。ある例において、電流密度は約+0.1mA/cm2〜+0.5mA/cm2、+0.6mA/cm2〜+1.0mA/cm2、+1.0mA/cm2〜+5.0mA/cm2、+5.0mA/cm2〜+10mA/cm2、+10mA/cm2〜+20mA/cm2、+20mA/cm2〜+30mA/cm2、+30mA/cm2〜+40mA/cm2、+40mA/cm2〜+50mA/cm2、+50mA/cm2〜+60mA/cm2、+60mA/cm2〜+70mA/cm2、+70mA/cm2〜+80mA/cm2、+80mA/cm2〜+90mA/cm2、+90mA/cm2〜+100mA/cm2、+10mA/cm2〜+200mA/cm2、+20mA/cm2〜+300mA/cm2、+300mA/cm2〜+400mA/cm2、+40mA/cm2〜+500mA/cm2、+500mA/cm2〜+600mA/cm2、+600mA/cm2〜+700mA/cm2、+700mA/cm2〜+800mA/cm2、+800mA/cm2〜+900mA/cm2、又は+900mA/cm2〜+1000mA/cm2の範囲とすることができる。ある例において、電流密度は、約1mA/cm2〜30mA/cm2、5mA/cm2〜25mA/cm2、又は10mA/cm2〜20mA/cm2とすることができる。このような電流密度は、本明細書に記載の電位、例えば約+0.5V〜+5V、又は+1V〜+5Vの範囲の電位で実現されてもよい。
[00181] 電位(又は電圧)は、例えば電圧計を使って測定できる。電圧計は基板と並列とすることができる。例えば、電圧計は、基板の両側間の電位又は作用電極と溶液中の対極との間の電位を測定できる。電流密度は、電流計を使って測定できる。電流計は、電源及び基板と直列とすることができる。例えば、電流計は基板の裏面に連結できる。
[00182] 本開示の熱電素子は、ナノ構造(例えば、穴又はワイヤ)の配列を提供するために選択されたエッチング時間で形成できる。エッチング時間は、1秒〜2日、1分〜1日、1分〜12時間、10分〜6時間、又は30分〜3時間の範囲とすることができる。ある例において、エッチング時間は30分〜6時間、又は1時間〜6時間とすることができる。場合によっては、エッチング時間は少なくとも約1秒、10秒、30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は1日とすることができる。このようなエッチング時間は、本開示の印加電圧及び/又は電流と組み合わせて使用できる。
[00183] 場合によっては、半導体基板に印加されるバイアスは、エッチング中に変化させて、エッチング速度、エッチ深度、エッチング形態、空孔数密度、空孔構造、半導体基板の内部表面積及び表面粗さを調整することができ、これには半導体基板のナノ構造の密度と位置が含まれる。場合によっては、エッチング液/電解質組成物及び/又は添加物をエッチング中に変化させることができる。場合によっては、圧力/温度もしくは照明又はかき混ぜ/攪拌を変化させることができる。あるいは、これらの変数のうちの複数を同時に変化させて、所望のエッチング特性を得てもよい。
[00184] 基板のエッチング期間中に、電位は一定、可変、又はパルス式とすることができる。ある例において、電位はエッチング期間中、一定である。他の例において、電位はエッチング期間中、オンとオフの、又はプラスからマイナスへのパルス式である。他の例において、電位はエッチング期間中に変化させられ、例えば、第1値から第2値へと徐々に変化させられ、この第2値は第1値より小さく、又は大きくすることができる。次に電位は第2値から第1値へ、等々と変化させることができる。また別の例において、バイアス/電流は、正弦波/三角波/任意波形に従って変動してもよい。場合によっては、バイアス/電流は少なくとも約0.001サイクル毎秒(Hertz(Hz))、0.01Hz、0.1Hz、1Hz、10Hz、1000Hz、5000Hz、10000Hz、50000Hz、又は100000Hzの周波数のパルス状とすることができる。
[00185] さらに、基板は一定の電流密度で電気化学的にエッチングされてもよい。一定の電流密度でのエッチングにより、均一な空孔幅の多孔質構造を得ることができる。さらに、エッチングがより深い深度まで進められる場合、空孔幅は深度に応じて増大するかもしれず、それによって材料の均一性は低下する。このような場合、エッチングは、空孔幅の増大を補償するために電流密度を小さくしながら実行されてもよい。場合によっては、オン及びオフ時間が設定されたパルス式電流密度を印加できる。パルス式電流密度方式では、深さの増大に伴う不均一なエッチングを含む、不均一エッチングの可能性を低減できる。さらに、周期的な電流密度波形をエッチング中に基板に印加して、空隙率が交互に異なる複数の層を持つ構造を形成してもよい。例えば、方形波形(例えば、ブラッグスタックを生成する)、正弦波形((例えば、ルゲートを生成する)、又は組合せが利用されてよい。
[00186] バイアス及び/又は電流は、DCでもACでも、又はDCとACの組合せでもよい。DCオフセットを含むACバイアス及び/又は電流により、DCバイアス/電流を用いてエッチング速度を制御し、またACバイアス/電流を用いてイオンを制御できる。ACバイアス/電流は、エッチング速度を交互に上昇及び低下させ、又は空隙率/表面粗さを増大/減少させ、又は形態と構造を周期的又は非周期的に変調させることができる。ACバイアス/電流の振幅と周波数は、エッチング速度、エッチング深度、エッチング形態、空孔数密度、空孔構造、内部表面積及び表面粗さを調整するために使用できる。
[00187] 状況によっては、エッチング中に電位を半導体基板に印加することにより、あるエッチング速度を提供できる。ある例において、基板は25℃で少なくとも約0.1ナノメートル(nm)/秒(s)、0.5nm/s、1nm/s、2nm/s、3nm/s、4nm/s、5nm/s、6nm/s、7nm/s、8nm/s、9nm/s、10nm/s、20nm/s、30nm/s、40nm/s、50nm/s、60nm/s、70nm/s、80nm/s、90nm/s、100nm/s、200nm/s、300nm/s、400nm/s、500nm/s、600n/s、700nm/s、800nm/s、900nm/s、1000nm/s、又は10,000nm/sの速度でエッチングできる。他の場合では、エッチング速度は、圧力/温度、溶液/電解質組成物及び/又は添加物、照明、かき混ぜ/攪拌の変化により上昇/低下されてもよい。
[00188] 印加された電位又は電流密度を用いたエッチング中の半導体基板の空隙率により、様々な用途に適した熱電素子を提供できる空隙率(質量損失)を有する基板を提供できる。ある例において、空隙率は少なくとも約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、又は60%である。空隙率は、約0.01%〜99.99%、0.1%〜60%、又は1%〜50%とすることができる。場合によっては、印加される電流密度は基板の空隙率を制御できる。
[00189] 基板は、様々な用途に適した熱電素子を得るために選択された厚さを有することができる。厚さは、少なくとも約100ナノメートル(nm)、500nm、1マイクロメートル(ミクロン)、5ミクロン、10ミクロン、100ミクロン、500ミクロン、1ミリメートル(mm)、又は10mmとすることができる。ある例において、厚さは約500nm〜1mm、1ミクロン〜0.5mm、又は10ミクロン〜0.5mmとすることができる。
[00190] エッチングは、基板の厚さ全体にわたって完全に実行されても、又は何れかの深度で終了されてもよい。完全エッチングにより、エッチングされていない下地基板を持つ自立式ナノ構造材料を得ることができる。不完全エッチングにより、エッチングされていない下地基板上にナノ構造材料の層を得ることができる。ナノ構造の厚さは、少なくとも約10ナノメートル(nm)、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1マイクロメートル(μm)、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm,600μm、700μm、800μm、900μm、1ミリメートル(mm)、2ミリメートル(mm)、3ミリメートル(mm)、4ミリメートル(mm)、5ミリメートル(mm)、6ミリメートル(mm)、7ミリメートル(mm)、8ミリメートル(mm)、9ミリメートル(mm)、10ミリメートル(mm)、又はそれ以上であってもよい。場合によっては、ナノ構造層の厚さは、エッチングの持続時間によって制御される。例えば、エッチング時間を長くすると、ナノ構造層の厚さをより厚くすることができる。
[00191] ナノ構造層は、基板上に残されても、又は様々な方法で基板から分離されてもよい。層は、基板から機械的に分離されてもよい(例えば、ダイヤモンドソーの使用、スクライブ及びクリーブ作業、レーザ研削、剥離)。あるいは、層の基底部におけるエッチング前端部に電界研磨条件を生じさせることによって層を基板から分離できる。これらの条件は、圧力変化、温度変化、溶液組成の変化、電解質組成の変化、添加物の使用、照明、かき混ぜ、及び/又は攪拌によって、又は十分な時間(例えば、約1日より長い時間)だけ待機することによって実現できる。場合によっては、部分的又は不完全分離が望ましいかもしれず、その場合、層が依然として弱い力で基板に付着している。これは、通常のエッチング条件と電界研磨とを切り換えることによって実現できる。すると、完全な分離はその後の作業で実現できる。
[00192] エッチングの後、材料を化学的に改質させて、機能的に動態又は不動態の表面を得てもよい。例えば、材料を改質させて、化学的不動態表面、又は電子的不動態表面、又は生物学的不動態表面、又は熱的に安定した表面、又は上記の組合せを得てもよい。これは、様々な方法を使って達成でき、そのような方法の非限定的な例としては、(1)熱酸化、(2)熱シラン処理、(3)熱炭素処理、(4)ヒドロシリル化、(5)グリニャール試薬、及び(6)エレクトログラフティングが含まれる。場合によっては、上記の方法の1つ又は複数を使って、所望の、又はそれ以外の所定の特性の組合せを有する表面を得てもよい。
[00193] 改質後、材料内の空隙にも充填材料を完全又は部分的に含浸させてよい。例えば、充填材料は導電性であっても、又は断熱性であっても、又は機械的に強化するものであっても、上記の組合せであってもよい。適当な充填材料としては以下の群、すなわち絶縁体、半導体、半金属、金属、ポリマ、気体、又は真空のうちの1種又は複数を含んでいてもよい。充填は様々な方法、例えば原子層堆積法、化学気相成長法、化学浴もしくは重合浴からの堆積、電気化学堆積法、ドロップキャスト法もしくはスピンコーティング、又は浸漬及びその後の溶媒和充填材料の蒸発乾燥を用いて達成できる。場合によっては、上記の方法の1つ又は複数を使い、所望の特性の組合せを有する充填材料を得てもよい。
[00194] 充填後、材料はまた、キャッピング材料でシールされてもよい。例えば、キャッピング材料は気体、又は液体、又はそれらの両方に対して不浸透性であってもよい。適当な充填材料としては以下の群、すなわち絶縁体、半導体、半金属、金属、又はポリマのうちの1種又は複数を含んでいてもよい。キャッピングは様々な方法、例えば原子層堆積法、化学気相成長法、化学浴もしくは重合浴からの堆積、電気化学堆積法、ドロップキャスト法もしくはスピンコーティング、又は浸漬及びその後の溶媒和充填材料の蒸発乾燥を用いて達成できる。場合によっては、上記の方法の1つ又は複数を使い、所望の、又は所定の特性の組合せを有するキャッピング材料を得てもよい。
[00195] 材料の表面は、材料に加えられる1つ又は複数の構造変化を介してシールすることもでき、それによって材料表面のシールの材料の電気的、熱的、及び熱電気的特性の安定性を実現又は改善する。場合によっては、材料は光を援用して、例えばレーザ又はUVランプフラッシュアニーリングを通じてシールできる。シーリングに適した光源の非限定的な例には、エキシマ、ソリッドステートダイオード、レーザ(例えば、CO2ガスレーザ)、及び紫外線(UV)ランプが含まれる。光源はまた、光源からの光を操作及び/又は集光して適当なビームにすることのできる1つ又は複数の光学構成要素を含み、又はそれに連結されてもよい。光源は、材料表面を何れかの適当な温度(例えば、少なくとも約100℃、少なくとも約200℃、少なくとも約300℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、少なくとも約900℃、少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃、少なくとも約1400℃、少なくとも約1500℃、又はそれ以上)に、何れかの適当な貫通深度(例えば、少なくとも約1ナノメートル(1nm)、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1マイクロメートル(μm)、少なくとも約10μm、少なくとも約100μm、又はそれより深く)加熱してもよい。
[00196] エッチングの後、材料は適当なすすぎ液(例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、ヘキサン等)で洗浄し、乾燥させる(例えば、ブロー乾燥、蒸発乾燥、オーブン/炉乾燥、真空乾燥、臨界点乾燥、又は空気乾燥)ことができる。すすぎ液は、乾燥方法に応じて選択できる。
[00197] エッチングの後、材料は、材料の導電性を高めることのできるドーピング物質の添加を通じてドープされてもよい。ドーピングは、本明細書の他の箇所に記載されている種類の表面改質を含め、完了される何れの表面改質の前、後、又はそれと同時にも実行できる。ドーピングはn型でもp型でもよい。n型ドーピングの場合、ドーピング物質は、n型スピンオングラス(SOG)又はスピンオンドーパント(SOD)、一級、二級、及び三級アミン及びアミンオキシド、一級、二級、及び三級ホスフィン及びホスフィンオキシド、リン酸及びその塩、五酸化リン、五塩化リン、一級、二級、及び三級アルシン及びアルシンオキシド、及びアルシン酸の純粋形又は適当な溶媒に溶解させたものを含んでいてもよい。p型ドーピングの場合、ドーピング物質は、p型スピンオングラス(SOG)又はスピンオンドーパント(SOD)、一級、二級、及び三級ボラン(例えば、BCl3、BBr3)、アルカリ及びアルカリ土類ボラン塩、ホウ酸、及び水素化ホウ素ナトリウムの純粋形又は適当な溶媒に溶解されたものを含んでいてもよい。ドーピング物質は、何れの適当な方法で材料に添加されてもよく、その非限定的な例にはスピンコーティング、キャスティング、ブラッシング、及び化学気相成長法が含まれる。ドーピング物質を添加した後、材料は空気、酸素、窒素、フォーミングガス、水素のうちの1種又は複数を含む雰囲気下で適当な時間(例えば、少なくとも約1秒、少なくとも約1分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間)にわたり加熱する(例えば、200〜1200℃の温度)ことによってアニーリングを行うことができ、又は真空内でインキュベートすることができる。場合によっては、材料には複数のアニーリングサイクルを実行してもよい。アニーリング後、余剰のドーパントを取り除いてもよい。
[00198] 陽極エッチングの後、半導体の熱及び電気的特性はさらに、熱及び時間をかけることを通じた半導体ナノ構造(例えば、空孔又は穴の形態、密度、構造、内部表面積、及び表面粗さ)の結晶粗大化又はアニーリングにより制御又は調整されてもよい。約50℃〜1500℃、又は100℃〜1300℃の温度と約1秒〜約1週間の時間を、半導体の熱及び電気的特性の制御に利用できる。場合によっては、時間は少なくとも約1秒、10秒、30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は1日である。アニーリングは、真空下(例えば、約1×10−10トール〜<760トールの圧力)で、又は適当な気体(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、水素、窒素、フォーミングガス、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水蒸気、空気、メタン、エタン、プロパン、六フッ化硫黄、及びそれらの組合せ)の存在下で実行されてもよい。気体は、不活性ガスとすることができる。アニーリングは、部分的又は完全にエッチングされた基板、エッチングされていない基板上の完全に分離されたエッチング層、エッチングされていない基板上の部分的に分離されたエッチング層、又はエッチングされていない基板上の分離されていないエッチング層に対して実行することができる。場合によっては、エッチングされていない基板上の層がアニーリングされる場合、半導体結晶粗大化は、層をエッチングされていない基板から分離するような方法で進められてもよい。これは、層分離を行うのに好都合であり得る。
[00199] 半導体材料の1つ又は複数の層は、製造中にアニーリング及び/又は熱処理されてもよい。場合によっては、アニーリング及び/又は熱処理は、半導体中に熱応力を生成するために使用できる。場合によっては、熱応力は材料中に欠陥及び/又は転位を形成することができる。場合によっては、熱応力は、半導体の熱伝導率を下げることを目的として、材料中に欠陥及び/又は転位を形成することができる。場合によっては、熱応力は材料の電気抵抗及びゼーベック係数に影響を与えることなく、半導体の熱伝導率を下げることを目的として、材料中に欠陥及び/又は転位を形成することができる。場合によっては、半導体材料には、光を援用して、例えばレーザで加工することを通じてアニーリング及び/又は熱処理を行うことができる。場合によっては、レーザは、材料の電気抵抗及びゼーベック係数に影響を与えることなく、半導体の熱伝導率を下げることを目的として、材料中に熱応力を生じさせることによって欠陥及び/又は転位を形成するために使用されてもよい。光源がレーザである場合、レーザはパルスレーザであってもよく、又はこれは連続波(CW)レーザであってもよい。光源がレーザである場合、レーザの出力は、少なくとも約1ワット(W)、5W、10W、15W、20W、25W、30W、35W、40W、45W、50W、55W、60W、65W、70W、75W、80W、85W、90W、95W、又は100W、又はそれと等しくすることができる。ある例において、レーザの出力は、約10W〜100W、20W〜80W、20W〜50W、又は20W〜40Wとすることができる。光源がレーザの場合、レーザの定格出力のうち使用されるパーセンテージは、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%、又はそれと等しくすることができる。ある例において、レーザの定格出力のうち使用されるパーセンテージは、約10%〜90%、10%〜60%、10%〜40%、又は10%〜20%とすることができる。光源がレーザの場合、レーザの波長は、少なくとも約100ナノメートル(nm)、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1マイクロメートル(μm)、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、又は20μm、又はそれと等しくすることができる。ある例において、レーザの波長は、約500nm〜15μm、800nm〜12μm、又は900nm〜11μmの範囲とすることができる。光源がレーザの場合、レーザのビームサイズは少なくとも0.1ミリメートル(mm)、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mm、又はそれと等しくてもよい。ある例において、レーザのビームサイズは約0.1mm〜10mm、1mm〜10mm、1mm〜8mm、2mm〜6mm、又は4mm〜6mmの範囲とすることができる。光源がレーザの場合、レーザの走査速度は、少なくとも約0.01ミリメートル毎秒(mm/sec)、0.1mm/sec、0.2mm/sec、0.5mm/sec、1mm/sec、10mm/sec、20mm/sec、30mm/sec、40mm/sec、50mm/sec、60mm/sec、70mm/sec、80mm/sec、90mm/sec、又は100mm/sec、又はそれと等しくてもよい。ある例において、レーザの走査速度は約0.01mm/sec〜100mm/sec、0.01mm/sec〜50mm/sec、0.1mm/sec〜10mm/sec、又は0.01mm/sec〜1mm/secの範囲とすることができる。光源がパルスレーザの場合、パルスレーザの周波数は、少なくとも約1KHz、2KHz、5KHz、10KHz、20KHz、50KHz、75KHz、100KHz、125KHz、150KHz、175KHz、又は200KHz、又はそれと等しくてもよい。ある例において、パルスレーザの周波数は、約1KHz〜200KHz、1KHz〜100KHz、10KHz〜100KHz、10KHz〜50KHz、又は10KHz〜30KHzの範囲とすることができる。光源がレーザの場合、材料中へのレーザの浸透深さは、少なくとも約1ナノメートル(nm)、2nm、5nm、10nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1マイクロメートル(μm)、10μm、100μm、200μm、300μm、400μm、又は500μm、又はそれと等しくてもよい。ある例において、材料中へのレーザの浸透深さは、約1nm〜500μm、1nm〜400μm、1nm〜300μm、1nm〜200μm、1nm〜100μm、10nm〜100μm、又は10nm〜50μmの範囲とすることができる。アニーリン及び/又は熱処理が行われる半導体材料の厚さは、少なくとも約1マイクロメートル(μm)、10μm、50μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、又は500、又はそれと等しくてもよい。ある例において、アニーリング及び/又は熱処理が行われる半導体材料の厚さは、約1μm〜500μm、10μm〜500μm、又は100μm〜500μmの範囲位の厚さを有していてもよい。アニーリング及び/又は熱処理が行われる半導体材料は、処理中、少なくとも約100℃、200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃、1300℃、1400℃、又は1500℃、又はそれと等しい温度とされてもよい。場合によっては光源を介して、及び光源がレーザの場合のアニーリング及び/又は熱処理のプロセスは、半導体材料の熱伝導率を、少なくとも約0.1WmK、0.2WmK、0.5WmK、1WmK、2WmK、3WmK、4WmK,5WmK、6WmK、7WmK、8WmK、9WmK、又は10WmK、又はそれと等しい量だけ低下させてもよい。ある例において、半導体材料の熱伝導率の低下は、約0.1W/mK〜10W/mK、1W/mK〜10W/mK、2W/mK〜8W/mK、又は3W/mK〜6W/mKの範囲で減少してもよい。
[00200] 電気コンタクトは、標準的な堆積技術(例えば、シルクスクリーニング、インクジェット成膜、塗布、スプレー、ディップコーティング、はんだ、金属スパッタリング、金属蒸着)を使ってナノ構造材料の上又はその付近に堆積されてもよい。これらは、金属コンタクト(例えば、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ガリウム、鉛含有はんだ、無鉛はんだ、又はこれらの組合せ)であってもよく、適当な接着層(例えば、チタン、クロム、ニッケル、又はこれらの組合せ)があってもなくてもよい。あるいは、これらはシリサイドコンタクト(例えば、チタンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、パラジウムシリサイド、プラチナシリサイド、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイド等)であってもよい。バリア層(例えば、プラチナ、パラジウム、窒化タングステン、窒化チタン、窒化モリブデン等)は、シリコンとコンタクトとの間、コンタクト層間、又は各層間の相互拡散を防止するために挿入されてもよい。他の例において、これらは金属及びシリサイドコンタクトの両方の組合せであってもよい。シリサイドコンタクトは、金属コンタクトと基板との間の接触抵抗を低下させるために提供できる。シリサイドの例は、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、及びニッケルシリサイドを含む。その後のアニーリングステップは、コンタクトを形成するため、及びその特性を改善するために使用されてもよい。例えば、アニーリングによって、接触抵抗を低下させることができ、これはオーミックコンタクトを提供できる。場合によっては、電気コンタクト(複数の場合もある)を形成する前に、後でコンタクトがその上に形成されることになる材料は、プラズマツール(例えば、O2又はH2Oを流すプラズマツール)で処理されてもよく、場合によっては、その後、化学エッチング(例えば、フッ化水素酸(HF))によって材料の表面がクリーニングされてもよい。
[00201] 電気コンタクトが形成された後に、材料は、p型及びn型熱電素子(又はレッグ)を含む熱電デバイスに組み立てることができる。熱電デバイスは、相互に電気的に直列に、熱的に並列に接続されたp型及びn型レッグを含むことができる。これらは、電気的に絶縁性で熱的に伝導性の剛体プレート(例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリコンカーバド、窒化シリコン等)の上に構築でき、レッグ間の電気接続は金属配線(例えば、銅、アルミニウム、金、銀等)で提供される。他の例において、熱電材料はフレキシブル絶縁材料(例えば、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート等)の上に組み付けられてもよい。レッグ間の電気接続は、フレキシブル材料上に集積された金属配線を介して提供できる。その結果得られる熱電材料は、シート状、ロール状、又はテープ状であってもよい。所望の大きさの熱電材料をこのシート、ロール、又はテープから裁断し、デバイスに組み立ててもよい。
[00202] 本明細書の中で提供される処理条件(例えば、印加される電圧及び電流密度)は、様々な予想外の利点を有し、これは例えば、例えばZTが25℃で約0.01〜3、0.1〜2.5、0.5〜2.0、又は0.5〜1.5の熱電素子等、本開示の熱電素子及びデバイスに向上した、又はそれ以外に改善された特性を提供する向き及び構成を有するナノ構造(例えば、穴)が形成されることである。このような処理条件は、基板内にアレイ状のナノ構造を形成できる。ナノ構造の配列は、無秩序のパターンを有することができる。このような処理条件は、フレキシブル熱電素子又はデバイスを形成できる。
[00203] 図10は、複数の熱電素子を含むフレキシブル熱電デバイスを製造する方法を概略的に示す。例えば、本明細書の他の箇所に記載の無触媒方式(例えば、陽極エッチング)を使って加工されたp型又はn型シリコン基板は、両面が適当なコンタクト材料、例えばチタン、ニッケル、クロム、タングステン、アルミニウム、金、プラチナ、パラジウム、又はこれらの何れかの組合せで被覆することができる。その後、基板を少なくとも約250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、950℃、又は1000℃の温度まで加熱し、例えば、ダイヤモンドカッタ、ワイヤソー、又はレーザカッタを使って複数の切片に切断できる。
[00204] 次に、金属被覆作業の中で、切断された基板の個々の切片は、約30センチメートル(cm)の幅の上側及び下側テープの上にセットできる。テープは、例えばポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はコポリマ等のポリマ材料、混合物並びにこれら及び他のポリマの合成物で形成できる。
[00205] 次に、個々の切片にはんだコートを行い、そのテープを横断するように個々の切片に直列接続部を形成することができる。その後、テープは1つ又は複数のローラ(2つのローラが図示されている)を通して接合できる。熱伝導接着剤をテーブル周辺に提供して、テープ間の個々の切片をシールするのに役立てることができる。
[00206] 本明細書で提供される方法により形成された熱電素子、デバイス、及びシステムは、様々な物理的特徴を有することができる。本開示の熱電デバイスの性能は、熱電素子の穴及び/又はワイヤの特性及び特徴に関係していてもよい。場合によっては、最適なデバイス性能は、穴又はワイヤを有する素子で、個々の穴又はワイヤの表面粗さが、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた測定により、約0.1nm〜50nm、又は1nm〜20nm、又は1nm〜10nmである素子について実現されるかもしれない。場合によっては、熱電素子の残留金属含有率は、X線光電子分光器(XPS)を用いた測定により、約0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、又は25%以下であってもよい。
[00207] 本開示の熱電素子は、最適化された熱電デバイスの性能にとって適当な表面粗さを有していてもよい。場合によっては、穴又はワイヤの二乗平均平方根粗さは、約0.1nm〜50nm、又は1nm〜20nm、又は1nm〜10nmとすることができる。粗さは、透過型電子顕微鏡(TEM)又は、原子力顕微鏡(ARM)もしくは走査型トンネル顕微鏡(STM)等、他の表面解析法により特定できる。表面粗さは、表面の凹凸により特徴付けられてもよい。
熱電素子の利用
[00208] 本開示の熱電素子、デバイス、及びシステムは、様々な現場で使用するために利用でき、又は様々な用途に利用できる。現場としては、医療、民生、及び産業現場を含むことができるが、これらに限定されない。このような用途には、フレキシブルヒートシンクを備えるフレキシブル熱電テープ、体熱を動力源とするウェアラブル電子機器、発電用排熱回収ユニット(例えば、車両又は化学プラントの排熱回収ユニット)及び他の電子機器との通信(例えば、他の電子機器との無線通信の送受信)が含まれるが、これらに限定されない。
[00209] 場合によっては、本明細書に記載の電子機器は、装用可能、又は生物体に取付け可能であってもよい。他の場合では、本明細書に記載の電子機器は、無生物体に取り付けれ、又はその中に組み込まれてもよい。一般に、本明細書に記載の電子機器は、発熱する、又は熱源もしくは温度勾配の付近にある物体に取り付けられてもよい。
[00210] 本明細書に記載の電子機器は、全部もしくは部分的に熱(例えば、熱から生成された電力)によって電源供給されても、又は電源の様々な組合せ(例えば、熱電及びバッテリ)を使って電源供給されてもよい。場合によっては、本明細書に記載の電子機器は、その位置を報告し(例えば、物理的位置を通る電子機器の移動を相関させ、管理し、又は指揮するため)、周辺環境に関する測定を実行及び/又は報告し、又はその他の情報を測定及び/又は報告してもよい。機器はまた、使用者に対して通知又はその他の通信情報を表示するために使用されてもよい。場合によっては、本明細書に記載の電子機器は、ユーザ情報及び/又はその他の識別情報(例えば、住所、電話番号、クレジットカード番号等)を記憶するために使用されてもよい。場合によっては、本明細書に記載の電子機器は、リモートコンピュータシステム(例えば、無線ネットワーク/移動体通信ネットワーク等のネットワークを介してアクセス可能)から識別情報を受信し、リモートコンピュータシステムに検索クエリ又はその他のデータを送信してデータベースを検索し、及び/又はリモートコンピュータシステムとその他の情報を交換してもよい。電子機器はまた、リモートコンピュータシステムからデータを受信可能であってもよい。
[00211] 例えば、本明細書に記載の電子機器は、ヘルスケアの現場において対象者により装用されてもよい。このような電子機器は、患者の識別情報、医学的情報(疾病情報、診断情報、治療情報、処方情報、患者に対する警告等)及び/又はその他の医療関連情報を記憶することができる。場合によっては、このような電子機器はリモートデータベースに検索クエリを提供するか、又は電子機器に記憶されたデータを(例えば、無線ネットワーク等のコンピュータネットワークを介して)送信してもよく、リモートデータベースは(例えば、無線ネットワーク等のコンピュータネットワークを介して)医療記録、医療情報等を検索する。このような電子機器はまた、その位置を報告してもよく、この位置はその後、患者による医療施設内での移動を相関させ、管理し、又は指揮するために使用されてもよい。
[00212] 他の例において、本明細書に記載の電子機器は、会議の現場において対象者により装用されてもよい。このような電子機器は、会議参加者の識別情報、所属先(例えば、職場、所属する学術機関、所属する利益集団、所属する教会等)、参加者の専門分野、参加者の会議スケジュール、及び/又はその他の関連情報を記憶することができる。場合によっては、このような電子機器は、リモートデータベースに検索クエリを提供するか、電子機器に記憶されたデータを送信してもよく、リモートデータベースは(例えば、無線ネットワーク等のコンピュータネットワークを介して)他の参加者に関する情報、参加者の記録等を検索し、このような情報を(例えば、無線ネットワーク等のコンピュータネットワークを介して)電子機器に再び送信してもよい。このような電子機器はまた、その位置を報告してもよく、その後、この位置は会議の会場又は施設内の参加者の移動を相関させ、管理し、又は指揮するために使用されてもよい。
[00213] ヒートシンクは、熱の収集また散逸を支援できる。ヒートシンクは1つ又は複数のフィンを含むことができ、これは熱伝導表面積を増大させるような大きさ及び配置とすることができる。
[00214] 図11は、フレキシブル熱電デバイス1101を示す。フレキシブル熱電デバイス1101は、直列構成の熱電素子1102を含むことができる(例えば、図1参照)。フレキシブル熱電デバイスのヤング率は、25℃で約30×106ポンド毎平方インチ(psi)、20×106psi、10×106psi、5×106psi、2×106psi、1×106psi、900,000psi、800,000psi、700,000psi、600,000psi、500,000psi、400,000、300,000、又は200,000psi以下とすることができる。ヤング率は、熱電素子の電界偏向により測定できる。ヤング率は、引張り試験により測定できる。
[00215] 場合によっては、フレキシブル熱電デバイスは、ヒートシンク及び電気配線と共に使用できる。デバイスは、テープ、フィルム、又はシートの形態の形状とすることができる。デバイスは実質的に平坦でフレキシブルとすることができ、これによって、デバイスが表面とのより大きい接触表面積を持つことを可能にすることができる。
[00216] ヒートシンクは何れのフレキシブル材料であってもよく、これは低い内部熱抵抗を提供するのに十分な熱伝導性を有し、柔軟に曲げるのに十分な薄さとすることができる。場合によっては、ヒートシンクの厚さは約0.1ミリメートル(mm)〜100mm、又は1mm〜10mmとすることができる。ヒートシンクは、本明細書に記載の電熱素子を、母材又は基板の中又はそれと接触して含むことができる。母材又は基板は、ポリマフォイル、エラストマポリマ、セラミックフォイル、半導体フォイル、絶縁体フォイル、絶縁金属フォイル、又はこれらの組合せとすることができる。効果的な熱伝導のために環境に呈される表面積を大きくするために、母材又は基板はくぼみ、波形、ピン、フィン、又はリブでパターン化されてもよい。
[00217] 図12は、ヒートシンク1201と、ヒートシンク1201に隣接する熱電材料を有する熱電デバイス1202を示す。熱電材料は、本明細書において開示されている熱電素子を含むことができる。熱電デバイス1202は、嵌合表面1203に隣接されることができ、これは例えばパイプ又は電子機器(例えば、コンピュータプロセッサ)等の物体と嵌合させるために使用できる。熱電材料は、フレキシブルで、成形面の形状に適合可能とすることができる。ヒートシンク1201は、ヒートシンク1201が物体に固定されることを可能にすることができる取付部材1204を含むことができる。
[00218] 一体化された、又は自立型の熱電デバイスを備えるヒートシンクは、他の物体、例えば温度勾配を提供できる表面を有する物体と共に使用できる。例えば、ヒートシンクは、産業現場等、各種の現場で利用されてもよいパイプと共に使用できる。図13は、一体化された熱電デバイスとヒートシンクを有する溶接可能なパイプ1301を示す。低温側ヒートシンク1302はパイプ1301の外側に位置付けられてもよく、高温側ヒートシンク1303はパイプ1301の内部に位置付けられてもよい。パイプ1301は金属性又は金属含有材料から形成できる。熱電材料を含む熱電デバイス1304は、パイプの外部、パイプと低温側ヒートシンクとの間に配置されてもよい。
[00219] 図14A及び図14Bは物体1402の周囲に巻き付けられたフレキシブルヒートシンク1401を示しており、これは例えば高温又は低温の流体を担持するパイプとすることができる。図14Bは、図14Aの断面側面図である。ヒートシンクは、熱電デバイス層1403の中に熱電素子を含むことができ、これは本明細書において提供された熱電素子を含むことができる。物体1402は、高温又は低温表面を有することができ、これは熱電デバイス層1403の片面の付近に位置付けることができる。熱電デバイス層の反対側は、その表面より高温又は低温の環境に隣接して位置付けることができ、それによって温度差が提供される。熱電素子は、本明細書に記載されているように電気通信し(例えば、図1参照)、及び熱電デバイス層1403の端に配置されてもよい電気ワイヤ1404a及び1404bと電気通信することができる。
[00220] 代替案として、ヒートシンクは熱電デバイス層から分離されることができる。熱電デバイス層はテープの形態とすることができ、これを物体の周囲に巻き付けることができる。ヒートシンクはその後、熱電デバイス層に適用されることができる。
[00221] 熱電デバイスは、両面がヒートシンクに取り付けられていても、又は一方の面のみがヒートシンクに取り付けられていても、又は何れの面もヒートシンクに取り付けられていなくてもよい。熱電デバイスは、両面が接着剤で被覆されていても、又は一方の面のみが接着剤で被覆されていても、又は何れの面も接着剤で被覆されていなくてもよい。接着剤は、熱電デバイスを物体及び/又は1つ又は複数のヒートシンクにしっかりと連結可能にできる。接着剤は、十分な熱伝導性を有することができる。
[00222] ヒートシンク基板又は母材は、何れのフレキシブル電気絶縁材料であってもよく、これは低い温度抵抗を呈するのに十分な薄さとすることができる。例には、ポリマフォイル(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド等)、弾性ポリマフォイル(例えば、ポレジメチルシラザン、ポレイソプレン、天然ゴム等)、織物(例えば、従来の布、ファイバグラスのマット等)、セラミック、半導体、又は絶縁体フォイル(例えば、ガラス、シリコン、シリコンカーバイド、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等)、絶縁金属フォイル(例えば、陽極酸化アルミニウム又はチタン、被覆銅又はスチール等)、又はこれらの組合せが含まれる。基板は、弾性材料が使用される場合、柔軟かつ引き伸ばし可能とすることかできる。
[00223] 図15は、一体化されたヒートシンクを備えるフレキシブル熱電テープを示す。テープは、フレキシブルヒートシンク1501と、ヒートシンクに隣接する熱電材料1502を含む。ヒートシンク1501は、くぼみのパターンを含んでいてもよく、これは熱伝導のための改善された表面積を提供できる。テープは、熱電材料1502の電極に連結された電気ワイヤを含むことができる。ワイヤは、テープの端に位置付けることができる。
[00224] テープは、平坦な、又は平坦でない物体等、様々な物体に適用できる。ある例において、テープはパイプの周囲に巻き付けられる。テープはロールから巻き出され、ロールから物体に適用されることができる。
[00225] 本開示の熱電素子、デバイス、及びシステムは、電気配線と共に使用されることができる。電気配線は、何れのフレキシブル導電材料であってもよく、これは低い電気抵抗を示すのに十分な薄さとすることができる。例には、金属並びにそれらの合金及び中間金属(例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ニクロム、タンタル、ハフニウム、ニオビウム、ジルコニウム、バナジウム、タングステン、インジウム、銅、銀、プラチナ、金等)、シリサイド(例えば、チタンシリサイド、ニッケルシリサイド、クロムシリサイド、タンタルシリサイド、ハフニウムシリサイド、ジルコニウムシリサイド、バナジウムシリサイド、タングステンシリサイド、銅シリサイド)、導電性セラミック(例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル等)、又はこれらの組合せが含まれる。熱電素子は、フレキシブル基板、例えばフレキシブルであるのに十分に薄い材料で形成されてもよい。このような材料の例には、テルル化ビスマス、テルル化鉛、ハーフホイスラ、スクテルド鉱、シリコン、及びゲルマニウムが含まれる。ある例において、熱電素子はナノ構造半導体(例えば、シリコン)から形成され、これはフレキシブルであるのに十分な薄さとすることができる。ナノ構造半導体の厚さは、約100マイクロメートル(ミクロン)、10ミクロン、1ミクロン、0.5ミクロン、又は0.1ミクロン以下とすることができる。図16は、上側配線1602及び下側配線1603と共に使用される熱電素子1601を有する電子機器を示す。熱電素子1601は、上側配線1602と下側配線1603の少なくとも一部の間に位置付けることができる。配線1602及び1603と熱電素子1601は、基板1604の上に配置できる。配線1602及び1603は、線形パターン1605又はジグザグパターン1606を有することができる。
[00226] 場合によっては、使用される構成要素材料の組合せに応じて、フレキシブル熱電デバイスは、室温で、ほぼ室温で、又は室温より実質的に低い温度で、又は室温より実質的に高い温度で最適に使用されてもよい。熱電素子にナノ構造半導体を選択することにより、少なくとも約−273℃〜1000℃超に及ぶ広い温度範囲でデバイスの有効な動作が可能となる。
[00227] それに加えて、電力定格に応じて、配線パターンは異なっていてもよい。例えば、デバイスの大きさが一定であるとすると、出力電流は、熱電素子が並列の線形チェーンに接続されている場合に最大化されることができる。他の例として、出力電流は、熱電素子がジグザグパターンで接続されている場合に(図16参照)半分となり、出力電圧が2倍になる。多くの配線パターンが考えられる。それに加えて、外部回路又はスイッチを使って、特定の配線セグメントのオン/オフを切り替え、配線ネットワークの経路を変更し、又は出力電圧もしくは電流の上昇/低下を行ってもよい。
[00228] 熱源(例えば、周囲環境、体表面)が比較的一定の温度に保たれる場合、熱電デバイスを通じて明確な温度勾配を生じさせることができる。しかしながら、場合によっては、熱源の温度は時間と共に変化する可能性があり、それゆえ、熱電デバイス内の温度勾配もまた、時間と共に変化する可能性がある。ある実施形態において、温度変化は特徴的な頻度で存在し得る。例えば、屋外環境では、周囲温度は時間と共に変化する可能性がある。他の例では、空気調整が行われた環境での周囲温度は、関連するサーモスタットがより長い期間の変動(例えば、毎日)に合わせて作動するたびに変動するかもしれない。他の例では、体表面の温度は1日の中の時刻(例えば、睡眠中の対象者と起きている対象者)、1年の中の時期(例えば、より寒い月とより暖かい月)、及び/又は対象者が関係する環境と共に変動する可能性がある。
[00229] 熱が可変的な温度の熱源(例えば、周囲環境、体表面)から収集される場合、熱電素子を含むデバイスは、熱インピーダンスネットワーク(例えば、抵抗、インダクタンス、及びキャパシタンス素子)を含んでいてもよく、その動作及び/又は構成は熱源の温度変動にマッチさせることができる。インピーダンスマッチングは、時間に応じてデバイス内の温度変動をシフトさせることができ、その結果、デバイスと熱源との間の周期的な温度差が生じる。この温度差は、熱電発電に使用できる。熱インピーダンスネットワークを含むデバイスの例は、図32Aに概略的に示されている。実際に、1つ又は複数のデバイス構成要素の熱源(例えば、周囲環境、体表面)とのインピーダンスマッチングは、本明細書の他の箇所に記載されている何れのウェアラブルデバイスでも実装できる。
[00230] 図32Aに示されるように、デバイス3200は熱電デバイス3201を含むことができ、これは本明細書の他の箇所に記載されている熱電デバイスとすることができる。熱伝導層3202は、熱電デバイス3201の上面及び下面の付近に位置付けることができ、熱電デバイス3201と熱接触することができる。熱伝導層3202は、熱電デバイス3201との熱伝導を支援及び/又は調整できる。場合によっては、熱伝導層3202の一方又は両方は、比較的熱伝導率の高い材料(例えば、熱導体)を含んでいてもよい。場合によっては、熱伝導層3202の一方又は両方は、比較的熱伝導率の低い材料(例えば、断熱体)を含んでいてもよい。熱電デバイス3201と熱伝導層3202は、蓄熱ユニット3203の上に位置付けることができる。蓄熱ユニットは、熱源(例えば、周囲環境、体表面)からデバイス3200に伝達された熱を貯蔵することができる。熱電デバイス3201、熱伝導層3202、及び蓄熱ユニット3203は、断熱材3205と共に筐体3204の中に一緒にパッケージでき、その例示的な構成が図32Aに示されている。筐体3204の長さは少なくとも約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、又は100mm、又はそれ以上とすることができ、及び/又は長さは少なくとも約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、又はそれ以上とすることができる。筐体3204の設置面積は、少なくとも約100mm2、200mm2、300mm2、400mm2、500mm2、600mm2、700mm2、800mm2、900mm2、1000mm2、又はそれ以上とすることができる。
[00231] さらに、デバイス3200はまた、熱伝導ユニット3206も含むことができ、これは筐体3204の付近に位置付けられ、熱電デバイス3202に(例えば、図32Aに示されるように、熱伝導層3202を介して)熱的に連結できる。熱伝導ユニット3206は、熱がデバイス3200の中を流れる方向に応じて、集熱器又は放熱器として機能することができる。集熱器として機能するとき、熱伝導ユニット3206は、熱源(例えば、周囲環境、体表面)から熱を収集し、この熱を熱電デバイス3201に(例えば、熱伝導層3202を介して)供給し、それによってこれが熱の少なくとも一部を電気エネルギーに変換する。熱電デバイス3201を通過した残りの熱は、将来使用するために蓄熱ユニット3203に伝送されることができる。放熱器として機能するとき、熱伝導ユニット3206はデバイス3200から熱を除去し、それをデバイス3200の構成要素より低温の熱源(例えば、周囲環境、体表面)に供給する。蓄熱節ユニット3203は、貯蔵してあった熱を熱電デバイス3201に(例えば、電伝導層3202を介して)供給でき、これが熱の少なくとも一部を電気エネルギーに変換する。熱電デバイス3201を通る残りの熱は、熱伝導ユニット3206に(例えば、熱伝導層3202を介して)伝導でき、これはすると、熱を熱源(例えば、周囲環境、体表面)に供給する。熱をデバイス3200の中へと、及びそこから伝導するプロセスの結果として、デバイス3200を通じた熱の流れを変動させ、蓄熱ユニット3203を含むデバイスの各種の構成要素の温度を変動させることができる。
[00232] 同等の熱回路3220は、熱キャパシタ3321と熱抵抗3222を含むことができる。熱回路3220は、熱キャパシタ3321と熱抵抗3222を含むことができる。熱キャパシタ3321は、デバイス3200の蓄熱ユニット3203を表し、熱抵抗3222は熱伝導ユニット3206、熱伝導層3202、及び熱電デバイス3201の組合せに関連する熱抵抗の全部を含む。
[00233] 熱インピーダンスネットワークの構成要素(例えば、熱伝導ユニット3206、熱電デバイス3201、熱伝導層3202、及び蓄熱ユニット3203)は、それらを通じた変動温度が熱源(例えば、周囲環境、体表面)の温度変動と少なくとも部分的に位相をずらして調整されるように選択し、配置できる。場合によっては、調整は、1つ又は複数のデバイス構成要素の温度変動と熱源(例えば、周囲環境、体表面)の温度変動が完全に位相ずれとなるようにすることもできる。位相の差は、熱電デバイス3201により電気エネルギーを生成するために使用される温度勾配を生じさせることができる。
[00234] 図32Bは、このような動作の例をグラフで示している。図32Bは、熱源温度3230及び蓄熱ユニットの温度3240のデータを用いた温度対時間のプロットを示している。関係するデバイス(例えば、図32Aに示されるデバイス3200)は、その蓄熱ユニット(例えば、図32Aに示される蓄熱ユニット3203)の最大温度が、熱源温度が最低であるときに現れるよう調整されることができる。蓄熱ユニットと熱源との間の温度差3250は、熱が蓄熱ユニットから関連する熱電デバイス(例えば、図32Aに示される熱電デバイス3201)を通り、関連する熱伝導ユニット(例えば、図32Aに示される熱伝導ユニット3206)から出るように駆動することができる。蓄熱ユニットの温度がその貯蔵された熱の放出から低下し、熱源の温度が通常の温度変動によって上昇することにより、熱伝導ユニットは機能を「切り換えて」、集熱器として機能することができる。集熱器は、熱源から熱を収集し、熱源と蓄熱ユニットとの間の温度差によって、熱を熱電デバイスを通じて、蓄熱ユニットへと駆動することができる。
[00235] 図32Bに示される例において、デバイス(例えば、図32Aに示されるデバイス3200)は、その蓄熱ユニット(例えば、図32Aに示される蓄熱ユニット3203)の最低温度が熱源の最大温度と一致するように調整される。この温度差3260は温度勾配を生成し、それが熱を熱源から熱電デバイスへ、及び蓄熱ユニットへと駆動する。図32Bに示されるように、蓄熱ユニットの温度変動は規則的な周期(例えば、熱源の温度変動と同じ周期)で繰り返してデバイス内に電気エネルギーを生成し、エネルギーはデバイスの中へ、及びそこから外へと両方に伝達される。
[00236] 図32Bに示される例示的な動作は、熱源の温度変動と蓄熱ユニットの温度変動とが完全に位相ずれの状態であることを示しているが、位相にいくらかでも差があれば、デバイスの中への、及びそこから外への熱の流れを駆動できる温度差を生じさせることができる。図32Bに示される例は、限定的ではないものとする。さらに、場合によっては、デバイス内に複数のステージ(例えば、各ステージは熱電デバイス、熱伝導層、及び/又は蓄熱ユニットを有する)を含めて、特定の調整を実現することもできる。各ステージは、種類及び/又は数において同じ構成要素を含んでいても、又は種類及び/又は数において異なる構成要素を含んでいてもよい。一般に、複数のステージが使用される場合、各ステージはデバイス内の温度変動をある程度位相シフトさせ、位相シフトの組合せの結果として所望の調整が得られるようにすることもできる。
[00237] 熱インピーダンスネットワークを含み、空気流ネットワーク(例えば、加熱システム、冷却システム(例えば、空調機))で使用するように設計された電源装置の他の例が、図36A及び図36Bに異なる種類の図で概略的に示されている。図36A及び図36Bに示されているように、装置3600は熱インピーダンスアセンブリ3601を含むことができ、これは本明細書の他の箇所に記載されている熱電デバイスとすることのできる熱電デバイス3602を含むことができる。熱伝導層は、熱電デバイス3602の上面及び下面に隣接して、熱電デバイス3602と熱接触した状態で位置付けることができる。熱伝導層は、熱電デバイス3602への、及びそこからの熱伝導を支援及び/又は調整する。場合によっては、熱伝導層の一方又は両方は、比較的高い熱伝導率を有する材料(例えば、熱導体)を含むことができる。場合によっては、熱伝導層の一方又は両方は、比較的低い熱伝導率を有する材料(例えば、断熱材)を含むことができる。熱電デバイス3602と熱伝導層は、2つの熱伝導ユニット3603a及び3603b間に挟むことができる。
[00238] 熱伝導ユニット3603a及び3603bは、それぞれの熱伝導層(又は熱電デバイス3602のそれぞれの側)に隣接して位置付けることができ、各々、熱電デバイス3602と(例えば、熱伝導層を介して)熱的に連結できる。熱伝導ユニット3603a及び3603bは各々、装置3600内の熱の流れの方向に応じて集熱器又は放熱器の一方として機能することができる。熱伝導ユニット3603a及び3603bの一方又は複数は、ヒートシンク、ヒートパイプ、又は本明細書に記載されている他の種類の熱伝導テバイスを含むことができる。場合によっては、熱伝導ユニット3603a及び3603bの一方又は両方は、熱伝導を改善するフィンを含むことができる。このようなフィンは、中実材料であってもよく、又は孔が開いていてもよい。
[00239] 装置3600はまた、ベントアセンブリ3604を含むことができ、これは伝導部材3605に連結することができ、これは熱伝導ユニット3603bに熱的に連結でき、熱伝導ユニット3603bへ/そこからエネルギーを伝達できる。さらに、装置3600はまた、ドライブ及び電子部品アセンブリ3606も含むことができ、これは熱インピーダンスアセンブリ3601から受け取られ、電源供給対象電子機器(例えば、モータ)に供給される電気の流れを制御するためのドライブを含むことができる。ドライブ及び電子部品アセンブリ3606は、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及び電力貯蔵モジュール(例えば、バッタ、コンデンサ)のうちの1つ又は複数を含むことができる。場合によっては、装置3600はまた、装置3600を通る空気の流れを制御する1つ又は複数の電気機械アクチュエータも含んでいてよい。
[00240] 動作中、加熱源(例えば、炉、ラジエータ、暖房システム)又は冷却源(例えば、空調システム)からの空気の流れはベント3604を通って流れることができる。気温に関する「加熱」サイクル(例えば、ヒータの動作、空調機の不動作)中、熱インピーダンスアセンブリ3601内に適当な温度勾配が存在すると、熱はベント3604の周囲から伝導部材3605へと、及び熱伝導ユニット3603bへと流れることができる。この場合、熱伝導ユニット3603bは集熱器として機能できる。熱伝導ユニット3603bは、空気流から受け取った熱を収集し、この熱を熱電デバイス3602に(例えば、熱伝導層を介して)供給でき、それによってこれは熱の少なくとも一部を電気エネルギーに変換できる。生成された電気エネルギーは、熱電デバイス3602からドライブ及び電子部品アセンブリ3606へと流れ、ここでこれは電源供給対象デバイスへと伝送され、及び/又は貯蔵されることができる。電気エネルギーに変換されなかった残りの熱は、熱電デバイス3602を通過し、熱伝導ユニット3603aに伝送され、熱伝導ユニット3603aを取り巻く周囲環境へと排出されることができる。
[00241] 気温に関する「冷却」サイクル(例えば、空調機の動作、ヒータの不動作)中、適切な温度勾配が存在すると、熱は熱伝導ユニット3603aを取り巻く周囲環境から流れることができる。この場合、熱伝導ユニット3603aは集熱器として機能できる。熱伝導ユニット3603aは、その周囲の環境から熱を収集し、この熱を熱伝導デバイス3602に(例えば、熱伝導層を介して)供給し、それによってこれは熱の少なくとも一部を電気エネルギーに変換できる。生成された電気エネルギーは、熱電デバイス3602からドライブ及び電子部品アセンブリ3606へと流れることができ、そこでこれは電源供給対象機器へと伝送され、及び/又は貯蔵されることができる。電気エネルギーに変換されなかった残りの熱は熱電デバイス3602を通って流れ、熱伝導ユニット3603bに伝送され、伝導部材3605に伝送され、最終的にベント3604の周囲環境へと排出されることができる。熱インピーダンスアセンブリ3601の中へ、及びそこからの熱伝導プロセスの結果として、装置3600内の熱の流れはベント3604の中の環境(例えば、空気)の温度変化に対応して変動可能である。
[00242] 熱インピーダンス3601アセンブリの構成要素及び/又は伝導部材3605は、その中の変動する温度がベント3604内の環境(例えば、空気)の温度変動と少なくとも部分的に位相をずらして調整されるように選択及び配置できる。ある例では、調整は、1つ又は複数の装置構成要素の温度変動とベント3604内の温度変動が完全に位相がずれるようにすることができる。位相の差は、熱電デバイスの熱インピーダンスアセンブリ3601によって電気エネルギーを生成するために使用される温度勾配を生じさせることができる。
[00243] 熱インピーダンスネットワークを含み、流体流ネットワークに使用するように設計される電源装置の他の例が、図37に概略的に示されている。図37に示されるように、装置3700は熱インピーダンスアセンブリ3701を含むことができ、これは、本明細書の他の箇所に記載されている熱電デバイスとすることのできる熱電デバイス3702を含むことができる。熱伝導層は、熱電デバイス3702の上面及び下面に隣接して、熱電デバイス3702と熱接触した状態に位置付けることができる。熱伝導層は、熱電デバイス3702への、及びそこからの熱伝導を支援及び/又は調整できる。場合によっては、熱伝導層の一方又は両方は、比較的高い熱伝導率を有する材料(例えば、熱導体)を含むことができる。場合によっては、熱伝導層の一方又は両方は、比較的低い熱電度率を有する材料(例えば、断熱材)を含むことができる。熱電デバイス3702と熱伝導層は、2つの熱伝導ユニット3703a及び3703bの間に挟むことができる。
[00244] 熱伝導ユニット3703a及び3703bは、それぞれの熱伝導層(又は、熱電デバイス3602のそれぞれの側に隣接して位置付けることができ、各々、熱電デバイス3702に(例えば、熱伝導層を介して)熱的に連結できる。図37に示されるように、熱伝導ユニット3703bは、その中を流体が流れることのできるパイプ3704に隣接して位置付けることができ、熱伝導ユニット3703bは、熱伝導ユニット3703aに、熱電デバイス3702及びそれに関連する熱伝導層を介して熱的に結合される。熱伝導ユニット3703bはまた、パイプ3704の内部空間(例えば、パイプ3704の中の流体)に熱的に結合することもできる。熱伝導ユニット3703及び3703bは各々、装置3700を通る熱の流れの方向に応じて集熱器又は放熱器の一方として機能できる。熱伝導ユニット3703a及び3703bの一方又は両方は、ヒートシンク、ヒートパイプ、又は本明細書に記載の他の種類の熱伝導デバイス(例えば、熱導管)を含むことができる。場合によっては、熱伝導ユニット3703a及び3703bの一方又は両方は、熱伝導を改善するためのフィンを含むことができる。このようなフィンは、中実の材料であってもよく、又は穴が開いていてもよい。図37に示されるように、熱伝導ユニット3703aはフィン付きのヒートシンクを含むことができ、その一方で、熱伝導ユニット3703bは中実材料を含むことができる。
[00245] さらに、装置3700はまた、電子部品アセンブリも含むことができ、これは熱インピーダンスアセンブリ3701から受け取られ、電源供給対象の電子機器に供給される電気の流れを制御するための装置を含むことができる。電子部品アセンブリは、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及び電力貯蔵モジュール(例えば、バッタ、キャパシタ)のうちの1つ又は複数を含むことができる。
[00246] 動作中、「高温」流体又は「低温」流体の供給源からの流体は、パイプ3704を通って流れることができる。「高温」サイクル中、熱インピーダンスアセンブリ3701内に適当な温度勾配が存在すると、熱はパイプ3704の内部から(例えば、パイプ3704内の高温流体から)熱伝導ユニット3703bへと流れることができる。この場合、熱伝導ユニット3703bは集熱器として機能できる。熱伝導ユニット3703bは、パイプ3704の内部から受け取った熱を収集し、この熱を熱電デバイス3702に(例えば、熱伝導層を介して)供給でき、それによってこれは熱の少なくとも一部を電気エネルギーに変換できる。生成された電気エネルギーは、熱電デバイス3702から電子部品アセンブリへと流れることができ、ここでこれは電源供給対象機器へと伝送され、及び/又は貯蔵されることができる。電気エネルギーに変換されなかった残りの熱は、熱電デバイス3702を通過し、熱伝導ユニット3703aに伝送され、熱伝導ユニット3703aを取り巻く周囲環境へと排出されることができる。
[00247] 「低温」サイクル中、適切な温度勾配が存在すると、熱は、熱伝導ユニット3703aを取り巻く周囲環境から流れることができる。この場合、熱伝導ユニット3703aは集熱器として機能できる。熱伝導ユニット3703aは、その周囲の環境から熱を収集し、この熱を熱伝導デバイス3702に(例えば、熱伝導層を介して)供給し、それによってこれは熱の少なくとも一部を電気エネルギーに変換できる。生成された電気エネルギーは、熱電デバイス3702から電子部品アセンブリへと流れることができ、そこでこれは電源供給対象機器へと伝送され、及び/又は貯蔵されることができる。電気エネルギーに変換されなかった残りの熱は熱電デバイス3702を通って流れ、熱伝導ユニット3703bに伝送され、その後、グ3704内の環境(例えば、流体)の中に排出されることができる。熱インピーダンスアセンブリ3701の中へ、及びそこからの熱伝導プロセスの結果として、装置3700内の熱の流れはパイプ3704の内部の温度変化に対応して変動可能である。
[00248] 熱インピーダンス3701アセンブリの構成要素は、その中の変動する温度がパイプ3704内の変動する温度と少なくとも部分的に位相をずらして調整されるように選択及び配置できる。ある例では、調整は、1つ又は複数の装置構成要素の温度変動とパイプ3704の温度変動が完全に位相がずれるようにすることができる。位相の差は、熱電デバイスの熱インピーダンスアセンブリ3701によって電気エネルギーを生成するために使用される温度勾配を生じさせることができる。
[00249] ある実施形態において、本明細書において提供される熱電素子、デバイス、及びシステムは、ウェアラブル電子機器の中で、又はそれと共に使用できる。このようなウェアラブル電子機器は、少なくとも部分的に体熱(例えば、体熱を使って熱電デバイスにより生成される電力)により電源供給できる。体熱は、ウェアラブル電子機器の電力要求又は需要の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は100%を満たすのに十分な電力を生成するために使用できる。それ以上の出力が必要である場合は、例えばエネルギー貯蔵ユニット(例えば、バッテリ)又は、例えば太陽電池等のその他の代替的電源を使って補足されてもよい。
[00250] 例えば、熱電デバイスは、シャツやジャケットの裏地の中に提供されることができ、これは使用者の体と外部環境との温度差を使った発電に役立つ。これは、電子機器(例えば、ウェアラブル電子機器又はモバイルデバイス)に電力を直接供給するため、又は電子機器の充電式バッテリを充電するために使用されることができる。
[00251] 熱電材料は、電子回路に電源供給することを目的として、体熱を電気に変換する装置の中に組み込むことができる。装置は、熱電デバイス(例えば、本明細書に記載の熱電デバイス)及び、電源供給対象電子機器(例えば、ウェアラブル電子機器)に統合でき、これには、ウォッチ(例えば、アナログウォッチ、デジタルウォッチ、スマートウォッチ)、スマートグラス、装着式もしくはイヤフォン型メディアプレイヤ、民生用健康モニタ(例えば、歩数計、フィットネストラッカ、又はベビーモニタ)、補聴器、医療機器(例えば、心拍数モニタ、血圧モニタ、脳波(EEG)モニタ、心電図(EKG)モニタ、パルスオキシメータ、インスリンモニタ、インスリンポンプ、ペースメーカ、着用型除細動器)が含まれるが、これらに限定されない。場合によっては、電源供給対象電子機器は、ユーザインタフェース(例えば、ウォッチの文字盤、電子機器のディスプレイ等)、例えばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)(例えば、スマートフォンのGUI、スマートウォッチのGUI、民生用ヘルスモニタのGUI等)を含む。
[00252] さらに、熱電ユニット及び/又は電源供給対象電子機器は、熱電デバイスを使用者の体表面に固定する少なくとも1つの固定装置、固定具、又は連結具(例えば、ストラップ、バックル、ブレスレット、タイ、クリップ、留め金、クランプ、接着剤等)を含むことができる。固定部材又は固定具は、装置の1つ又は複数の構成要素(熱電デバイス、集熱器、放熱器等)を含むことができる。それに加えて、場合によっては、電源供給対象電子機器は、熱電デバイス及び/又は他の何れかのデバイス構成要素に対して取り外し可能に位置付けられてもよい。このような場合、熱電デバイスは、電源供給対象電子機器を熱電デバイスに対して固定する(例えば、取り外し可能に固定する)1つ又は複数の固定部材又は連結具(例えば、クリップ、留め金、穴、コネクタ、ペグ、磁石、接着剤、ベルクロ(登録商標)等)を含むことができる。場合によっては、電源供給対象電子機器は、熱電デバイスと共に筐体内に統合されてもよい。
[00253] 電源供給対象電子機器は、熱電デバイスに直接及び/又は間接的に電気的に連結されてもよい。例えば、熱電デバイスは1つ又は複数の電気出力ポートを含んでいてもよく、そこに電源供給対象電子機器を嵌合させることができる。出力ポート又はコネクタを介して、電力が熱電デバイスから機器に供給される。他の場合では、装置はインダクタユニットを含んでいてもよく、これは、熱電デバイスと電気通信し、熱電デバイスにより生成された電力を関係する電源供給対象電子機器に結合する。場合によっては、熱電デバイスにより生成された電力を関係する電源供給対象電子機器に誘電結合することは、電気ポート又はコネクタを使用せずに(例えば無線で)行われる。
[00254] 装置は自立式の装置とすることができ、これは移動式電子機器等の電子機器に電源を供給するために使用でき、これにはスマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標))又はラップトップコンピュータが含まれるがこれらに限定されない。装置は、電子的に補足された衣類又はボディアクセサリの中に組み込むことができ、これにはスマートクロージング(clothing)、スマートジュエリ(例えば、ブレスレット、バングル、指輪、イヤリング、スタッド、ネックレス、リストバンド、又はアンクレット)が含まれるが、これらに限定されない。装置は唯一の電力源として使用されてもよく、少なくとも1μW、10μW、100μW、1mW、10mW、20mW、30mW、40mW、50mW、100mW、1W、場合によっては1μW〜10mWを生成する。これはまた、他の電源(例えば、バッテリ、コンデンサ、超コンデンサ、光起電パネル、運動エネルギー、又は壁から再充電可能)により補足又は補助されることもできる。
[00255] ある例において、装置は集熱器、放熱器、及びそれらの間に挟まれて熱の主要流路の途中に設置される熱電デバイスを含んでいてもよい。他の例では、装置は電源管理回路(例えば、逓昇変圧器、直流(DC)−DC変換、トリクル充電回路等)、又は電力貯蔵(バッテリ、コンデンサ、超コンデンサ等)と一体化されてもよい。また別の例では、装置はさらに、センサ、データストレージ、通信及び/又は表示回路、及びマイクロプロセッサシステムと統合されてもよい。
[00256] 集熱器は、使用者の体から熱を吸収し、熱を熱電デバイスに運ぶことができる。これは、その目的に適した何れの形態をとってよく、体から熱を吸収し、熱を熱電デバイスへと運ぶのに十分な熱伝導率を有することができる。場合によっては、集熱器はスラブ、板、リング、又は環である。集熱器は、導電性金属、セラミック、又はプラスチックで形成できる。ある例において、集熱器は金属性バンドである。他の例において、集熱器はヒートパイプと一体化されてもよい。集熱器は、物理的に挿入すること、緩く、又はきつく取り付けること、摩擦、又は接着によって体表面に保持されてもよい。場合によっては、固定部材又は固定具は集熱器を含んでいてもよい。
[00257] 場合によっては、放熱器は熱電デバイスから熱を除去し、熱を環境中に排出できる。放熱器は何れの形状、形態、又は構成をとることもでき、例えばクラブ、板、リング、又は環である。放熱器は、熱電デバイスから熱を除去し、それを環境中に排出するのに十分な熱伝導率を有することができる。場合によっては、放熱器は、導電性金属、セラミック、又はプラスチックで形成されてもよい。ある例において、放熱器は金属性ヒートシンクである。他の例において、放熱器はヒートパイプと一体化されてもよい。場合によっては、固定部材又は固定具は集熱器を含んでいてもよい。
[00258] 熱電デバイスは、熱を電気に変換することができ、剛体でも、半剛体でも、又はフレキシブルでもよい。場合によっては、フレキシブル熱電デバイスの場合、装置の製造及び組立が簡単となり得る。ある例において、これはフレキシブル熱電デバイスの1つ又は複数の層であり、集熱器と放熱器との間に、熱伝導性接着剤、機械的予備整形、又は機械的締付けを用いて取り付けられてもよい。
[00259] 場合によっては、熱電デバイスは熱を電気に変換してもよく、これが回収され、エネルギー貯蔵システム(例えば、バッテリ、コンデンサ等)を介して貯蔵できる。熱電デバイスが熱に曝されると、熱電デバイスは熱を電気エネルギーに変換でき、これはその後、関連する回路を通じて関連するエネルギー貯蔵システムへと運搬できる。貯蔵された電気エネルギーは、熱源がない場合に関連する電子機器に電力を供給するため、及び/又は熱がある場合に熱電デバイスにより提供される電力を補足するために利用できる。さらに、関連するエネルギー貯蔵システム内に貯蔵されるエネルギーは、熱電デバイスによってのみ生成されてもよく、又は誘導性エネルギー源及び/又は有線エネルギー源を含む他の電源により供給される電気エネルギーを補足してもよい。
[00260] 場合によっては、熱電デバイスを含む装置は、ヒートパッドを介して充電及び/又は電源供給されることができる。ヒートパッドは、熱電デバイスに熱的に連結されることができる加熱面を含む何れの適当な装置とすることもできる。場合によっては、ヒートパッドは加熱プレートであってもよい。ヒートパッドは、熱電デバイス(又は熱電デバイスを含む装置)を、それが熱電デバイスに熱的に連結されるように固定することができる1つ又は複数の部材を含んでいてもよい。ヒートパッド固定部材又は連結具の例には、クリップ、留め金、ストラップ、及び磁石が含まれる。場合によっては、ヒートパッドは、有線電源(例えば、壁のコンセント)を介して電源供給でき、及び/又は、バッテリ等の無線電源により電源供給されてもよい。場合によっては、熱電デバイスを充電できるヒートパッドは、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、又はそれ以上まで加温することができる。ヒートパッドにより生成される熱は、熱電電気デバイス内に温度差を生じさせることかでき、これは、電子機器に電源供給するために使用され、及び/又は後で使用するために関連するエネルギー貯蔵システムに貯蔵されることが可能である。
[00261] 熱電デバイスを含む装置は、装着型とすることができる。場合によっては、装置はブレスレット又は指輪の形態をとってもよい。場合によっては、装置は手首装着用、腕部装着用、脚部装着用、手部装着用、足部装着用、手指装着用、足指装着用、又は頭部装着用デバイスであってもよく、その例には腕時計(例えば、アナログウォッチ、デジタルウォッチ、スマートウォッチ等)、行動モニタ、フィットネスモニタ、又は他のあらゆる種類の電力式ジュエリが含まれる。他の実施例において、装置は眼鏡フレームの形態をとってもよい。また別の実施形態において、装置は人間の胸部、背中、又は胴体に、接着剤又は取付ストラップを使って取り付けられるパッチの形態をとってもよい。また別の実施例において、装置は、移植可能フィルム、ディスク、又はプレートの形態をとってもよい。装置は、熱電デバイスから、少なくとも約1mV、2mV、3mV、4mV、5mV、10mV、20mV、30mV、40mV、50mV、100mV、200mV、300mV、400mV、500mV、1V、2V、3V、4V、5V、又は10V、場合によっては約10mV〜10Vの電圧で、少なくとも約1マイクロワット(μw)、10μw、100μw、1ミリワット(mW)、20mW、30mW、40mW、50mW、100mW、又は1ワット(W)、場合によっては1μW〜10mWの出力パワーを提供できる。状況によっては、より低い電圧は、DC−DC変換器及び関連する電源管理回路を使って、少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換でき、回路に直接電源供給するため、又はバッテリ等の電力貯蔵ユニットをトリクル充電するために使用できる。バッテリ等の補助電源はまた、体との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、又は電力消費量が増大したときに貯蔵電力を提供するために装置の中に含めることができる。装置はまた、情報を測定、記憶、及び表示するためにセンサ、ディスプレイ、及び通信回路のセットを含むことができる。
[00262] 図17A〜図17Dは、ベビーモニタの様々な図を示す。ベビーモニタは、少なくとも部分的に、赤ちゃんの体熱等の体熱により電源供給できる。ベビーモニタは、バンド又はベルト1701と、集熱器及び放熱器、熱電材料を有する熱電デバイス、電源管理電子部品及びエネルギー貯蔵部、センサ、通信インタフェース(例えば、他の電子機器との無線通信用)、及びコンピュータプロセッサと一体化できるバックル又はハーネス部品1702と、を含むことができる。
[00263] 図18A〜図18Dは、体熱により電源供給されるペースメーカシステムの様々な図を示す。システムは、ペースメーカ1801と、本開示の熱電デバイスを含む移植可能な熱電モジュール1802と、電源リード1803と、を含む。熱電モジュール1802は、例えばフィルム、ディスク、又はプレートの形態とすることができる。
[00264] 図19A及び図19Bは、体熱により電源供給され、使用者により(例えば、ジュエリとして)装着可能な電子機器を概略的に示す。機器1901は、センサディスプレイ、通信インタフェース、及びコンピュータプロセッサを有する制御モジュール1902を含んでいてもよく、これらは相互に電気通信可能である。機器1901は、放熱器1903と、熱電材料を有する熱電デバイス1904と、集熱器1905と、電源管理電子部品とエネルギー貯蔵システムを有する電源モジュール1906と、をさらに含んでいてもよい。エネルギー貯蔵システムは、充電式バッテリ等のバッテリとすることができる。熱電デバイス1904は、制御モジュール1902と電気通信可能である。制御モジュール1902への電力は、少なくとも部分的に(例えば、電源要求又は需要の少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%)、又は完全に熱電デバイス1904によって制御モジュール1902に直接供給できるか、又は電源モジュール1906の中のエネルギー貯蔵システムを充電するために使用できる。図19Bは、使用者の手1907の周囲に配置された機器1901を示す。
[00265] 図27A及び図27Bは、発電モジュールを含む例示的な手首装着型機器2700の図を概略的に示す。発電モジュールは、熱電デバイス(例えば、本明細書の他の箇所に記載された熱電デバイス)2701と、集熱器2702と、放熱器(例えば、2703及び2707)と、を含むことができる。場合によっては、発電モジュールはまた、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及びオンボードエネルギー貯蔵部のうちの1つ又は複数も含むことができる。機器2700はまた、ストラップ2704とバックル2705を含むことができ、これらは発電モジュールを対象者の手首に固定するために使用できる。
[00266] 集熱器2702は、中実材料、ヒートパイプ、又はこれらの組合せであってもよい。適当なヒートパイプの非限定的な例には、単純なヒートパイプ、ダイオードヒートパイプ、真空チャンバ、及び熱サイホンが含まれる。図27Bに示されるように、集熱器2702は、発電モジュールの底部に位置付けることができ、ここではそれが対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。場合によっては、集熱器2702は、熱電デバイス2701の表面、又は熱電デバイス2701の表面と熱接触する別の表面とすることができる。
[00267] さらに、放熱器は1つ又は複数のヒートパイプ2707を含んでいてもよく、これは機器2700の本体を超えて延びることのできるヒートシンク2703と一体化される。ヒートシンク2703は、インクルージョン又は突起のパターンを付けることのできる熱交換器とすることができる。放熱器は、熱電デバイス2701から熱を除去することができ、それによって熱電デバイス2701内の集熱器2702と放熱器との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器2702、熱電デバイス2701、及び放熱器のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/それからの熱伝導速度を高めるのを支援する表面処理を有していてもよい。このような表面処理は、化学的、電気機械的、機械的、化学機械的、物理的、又はこれらの組合せとすることができる。熱伝導速度を高めるのを支援できる表面処理の非限定的な例としては、ブランチング、艶出し、肌焼き、セラミックグレージング、クラディング、コロナ処理、浸炭、窒化、電気めっき、亜鉛めっき、箔置き、グレージング、ローレット加工、塗装、パシベーションコーティング、ピックリング、プラズマスプレ、パウダコーティング、薄膜堆積、介在膜又は層の塗布又は堆積、化学機械的平坦化、電子研磨、フレーム研磨、工業エッチング、レーザアブレーション、レーザ彫刻、磁界援用仕上げ、ショットピーニング、レーザピーニング、吹付け加工、サンドブラスト、研削、ベルトサンディング、タンブル仕上げ、振動仕上げ、研磨、バフリング、ラップ仕上げ、超仕上げが含まれる。場合によっては、複数の種類の表面処理を適用して、熱伝導速度を高めてもよい。
[00268] 集熱器2702を介して、対象者から生成された熱は発電モジュールに提供でき、それによってこれは熱電デバイス2701の中で、それが集熱器2702から放熱器へと流れることによって電気エネルギーに変換できる。場合によっては、発電モジュールからの電気出力は電源バスに連結でき、これは機器2700に接続でき、それが発電モジュールに電気的に連結される電動式機器に電気エネルギーを供給できる。場合によっては、電動式機器は、発電モジュール及び/又は発電モジュールの熱電デバイス2701と共に筐体内に統合できる。さらに、場合によっては、機器2700また、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の補助エネルギー貯蔵ユニット2706を含んでいてもよい。補助エネルギー貯蔵ユニット2706は、機器2700と対象者の体表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給できる。
[00269] 図28A及び図28Bは、発電モジュールを含む例示的な手首装着型機器2800の図を概略的に示す。発電モジュールは、熱電デバイス(例えば、本明細書の他の箇所に記載の熱電デバイス)2801と、集熱器2802と、放熱器2803と、を含むことができる。場合によっては、発電モジュールは、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及びオンボードエネルギー貯蔵部のうちの1つ又は複数も含むことができる。
[00270] 集熱器2802は、中実材料、ヒートパイプ(例えば、本明細書の他の箇所に記載の種類のヒートパイプ)、又はこれらの組合せであってもよい。図28A及び図28Bに示されるように、集熱器2802は、発電モジュールの底部に位置付けることができ、ここではそれが対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。場合によっては、集熱器2802は、熱電デバイス2801の表面、又は熱電デバイス2801の表面と熱接触する別の表面とすることができる。
[00271] さらに、図28A及び図28Bに示されるように、放熱器2803はストラップの構成とすることができ、ヒートシンクと一体化された1つ又は複数のヒートパイプを含んでいてもよい。図28A及び図28Bに示される例において、機器2800の放熱器2803は、中実のヒートシンクフィンを備える1つの平坦なヒートパイプを含む。放熱器2803は、熱電デバイス2801から熱を除去することができ、それによって熱電デバイス2801の中で集熱器2802と放熱器2803との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器2802、熱電デバイス2801、及び放熱器2803のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/そこからの熱伝導速度を高めるのを支援する表面処理を有していてもよい。他の箇所に記載されている熱伝導速度を高めるのを支援できる表面処理の例は、集熱器2802、熱電デバイス2801、及び放熱器2803のうちの1つ又は複数に適用できる。場合によっては、複数の表面処理を適用して、熱伝導速度を高めてもよい。
[00272] 集熱器2802を介して、対象者から生成された熱は、パワー熱電デバイス2801に供給でき、それによってこれは、それが集熱器2802から放熱器2803に流れることにより電気エネルギーに変換されることができる。場合によっては、発電モジュールからの電気出力は電源バスに連結でき、これは機器2800に接続でき、それが発電モジュールに電気的に連結される電動式機器に電気エネルギーを供給できる。場合によっては、電動式機器は、発電モジュール及び/又は発電モジュールの熱電デバイス2801と共に筐体内に統合できる。さらに、場合によっては、機器2800また、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の補助エネルギー貯蔵ユニット2804を含んでいてもよい。補助エネルギー貯蔵ユニット2804は、機器2800と対象者の皮膚又はその他の体外表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給できる。
[00273] 機器2800はストラップ2805と嵌合させることができ、これは中空の内部を含み、それによって放熱器2803の構成要素が収容される。ストラップ2805を備える構成の機器2800は、図28Cの機器2810として示されている。ストラップ2805は、放熱器を完全に覆うことができ、又は、図28Cに示されるように、放熱器からの熱伝導を改善するために穴が開いていてもよい。さらに、ストラップ2805はバックル2806を含むことができ、これは電源モジュールを対象者の手首に固定するために使用できる。
[00274] 図29Aは、電源モジュールを含む例示的な手首装着型機器2900を概略的に示す。発電モジュールは、熱電デバイス(例えば、本明細書の他の箇所に記載の熱電デバイス)2901と、集熱器2902と、放熱器2903と、を含むことができる。場合によっては、発電モジュールは、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及びオンボードエネルギー貯蔵部のうちの1つ又は複数も含むことができる。
[00275] 集熱器2902は、中実材料、ヒートパイプ(例えば、本明細書の他の箇所に記載の種類のヒートパイプ)、又はこれらの組合せであってもよい。図29Aに示されるように、集熱器2902は、発電モジュールの底部に位置付けることができ、ここではそれが対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。場合によっては、集熱器2902は、熱電デバイス2901の表面、又は熱電デバイス2901の表面と熱接触する別の表面とすることができる。
[00276] さらに、図29Aに示されるように、放熱器2903はストラップの構成とすることができ、ヒートシンクと一体化された1つ又は複数のヒートパイプを含んでいてもよい。図29Aに示される例において、機器2900の放熱器2903は、穴の開いたヒートシンクフィンを備える二重円筒ヒートパイプを含むことができる。放熱器2903は、熱電デバイス2901から熱を除去することができ、それによって熱電デバイス2901の中で集熱器2902と放熱器2903との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器2902、熱電デバイス2901、及び放熱器2903のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/そこからの熱伝導速度を高めるのを支援する表面処理を有していてもよい。他の箇所に記載されている熱伝導速度を高めるのを支援できる表面処理の例は、集熱器2902、熱電デバイス2901、及び放熱器2903のうちの1つ又は複数に適用できる。場合によっては、複数の表面処理を適用して、熱伝導速度を高めてもよい。
[00277] 集熱器2902を介して、対象者から生成された熱は、発電モジュール2901に供給でき、それによってこれは、それが集熱器2902と放熱器2903との間で流れることにより電気エネルギーに変換されることができる。場合によっては、発電モジュールからの電気出力は電源バスに連結でき、これは、機器2900に接続でき、それが発電モジュールに電気的に連結される電動式機器に電気エネルギーを供給できる。場合によっては、電動式機器は、発電モジュール及び/又は発電モジュールの熱電デバイス2901と共に筐体内に統合できる。さらに、場合によっては、機器2900また、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の補助エネルギー貯蔵ユニット2904を含んでいてもよい。補助エネルギー貯蔵ユニット2904は、機器2900と対象者の皮膚又はその他の体外表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給できる。
[00278] 図29B及び図29Cの図に示されているように、機器2900はストラップ2905と嵌合させることができ、そこに放熱器2903の端を固定できる。図の構成において、放熱器2903はストラップの付近に、その外表面の1つが完全に露出するように位置付けることができる。放熱器2903を完全に露出させることは、放熱器2903からの熱の伝導を支援できる。さらに、ストラップ2905は留め金2906を含むことができ、これは発電モジュールを対象者の手首に固定するために使用できる。
[00279] 図30A〜図30Cは、相互に連結され、ストラップとして構成される複数の発電モジュール3010を含むことのできる例示的な手首装着型機器3000の図を概略的に示す。発電モジュール3010の数は、個々の発電モジュールを追加又は除去し、及び/又は個々の発電モジュールを電気的に無効化することによって調節できる。このような調節は、関連する機器の電力需要により密接に適合するために必要であるかもしれない。さらに、各発電モジュール3010は、熱電デバイス(例えば、本明細書の他の箇所に記載されている熱電デバイス)3001、集熱器3002、及び放熱器3003を含むことができる。場合によっては、発電モジュールは、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及びオンボードエネルギー貯蔵部のうちの1つ又は複数も含むことができる。
[00280] 集熱器3002は、中実材料、ヒートパイプ(例えば、本明細書の他の箇所に記載の種類のヒートパイプ)、又はこれらの組合せであってもよい。図30A及び図30Cに示されるように、集熱器3002は、発電モジュール3010の底部に位置付けることができ、ここではそれが対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。場合によっては、集熱器3002は、発電モジュールの熱電デバイス3001の表面、又は熱電デバイス3001の表面と熱接触する別の表面とすることができる。
[00281] さらに、放熱器3003は、ヒートシンクと一体化された1つ又は複数のヒートパイプを含むことができ、及び/又は図30A及び図30Cに示されるように、平坦な表面を有していてもよい。あるいは、放熱器3003は、インクルージョン(例えば、スロット、穴、凹部)又は突起(例えば、フィン、ピン、出っ張り)でパターンが付けられてもよい。各放熱器3003は、発電モジュールの熱電デバイス3001から熱を除去することができ、それによって熱電デバイス3001の中で集熱器3002と放熱器3003との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器3002、熱電デバイス3001、及び放熱器3003のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/そこからの熱伝導速度を高めるのを支援する表面処理を有していてもよい。他の箇所に記載されている熱伝導速度を高めるのを支援できる表面処理の例は、集熱器3002、熱電デバイス3001、及び放熱器3003のうちの1つ又は複数に適用できる。場合によっては、複数の表面処理を適用して、熱伝導速度を高めてもよい。
[00282] さらに、個々の発電モジュール3010は相互に連結し、留め金を含むストラップ小片3005に連結きる。ストラップ小片3005とその留め金により、機器3005を対象者の手首に固定することが可能となるかもしれない。
[00283] 集熱器3002を介して、対象者から生成された熱は、発電モジュール3010に供給でき、それによってこれは、それが集熱器3002と放熱器3003との間で流れることにより電気エネルギーに変換されることができる。場合によっては、個々の発電モジュールの各々からの電気出力は電源バスに連結でき、これは機器3000に接続でき、発電モジュール3010に連結される電動式機器に電気エネルギーを供給できる。さらに、場合によっては、機器3000はまた、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の補助エネルギー貯蔵ユニット3004を含んでいてもよい。補助エネルギー貯蔵ユニット3004は、機器3000と対象者の皮膚又はその他の体外表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給できる。
[00284] 図31Aは、電気的な電源供給対象モジュール3102(例えば、図31Aに示されている時計モジュール)に関連する発電モジュール3101を含むことのできる例示的な手首装着型機器3100を概略的に示す。機器3100はまた、ストラップ3103も含むことができ、これは機器3100を対象者の手首に固定するために使用できるバックル3104を含むことができる。図31Bは、発電モジュール3101とそれに関連する電源供給対象電子機器3102の分解側面図を概略的に示す。場合によっては、発電モジュール3101と電源供給対象の電子機器3102は、筐体内で相互に統合することができる。図31Bに示されるように、発電モジュール3101は、熱電材料3105(例えば、本明細書に記載の種類の熱電材料)と、集熱器3106と、放熱器3107と、を含むことができ、これらは発電モジュール3101の本体中に統合できる。発電モジュール3101はまた、ストラップ3103のピースを発電モジュール3101に連結する取付点3108も含むことができる。場合によっては、発電モジュール3101はまた、DC−DC変換器、電源管理電子部品3109、及び、オンボードエネルギー貯蔵部3110のうちの1つ又は複数も含むことができる。
[00285] 集熱器3106は、中実材料、ヒートパイプ(例えば、本明細書の他の箇所に記載の種類のヒートパイプ)、又はこれらの組合せであってもよい。図31Bに示されるように、集熱器3106は、発電モジュール3101の底部に位置付けることができ、ここではそれが対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。さらに、図31Bに示されるように、集熱器3106は熱電材料3105と熱接触できる。
[00286] さらに、図31Bに示されるように、放熱器3107は、発電モジュール3101の本体の中に統合できる。放熱器3107は、熱電デバイス材料3105を通る熱を除去することができ、それによって集熱器3106と放熱器3107との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器3106と放熱器3107と熱電材料3105のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/そこからの熱伝導速度を高めるのを支援する表面処理を有していてもよい。他の箇所に記載されている熱伝導速度を高めるのを支援できる表面処理の例は、集熱器3106、熱電材料3105、及び放熱器3107のうちの1つ又は複数に適用できる。場合によっては、複数の表面処理を適用して、熱伝導速度を高めてもよい。
[00287] 集熱器3106を介して、対象者から生成された熱は、熱電材料3105に供給でき、それによってこれは、それが集熱器3106と放熱器3107との間で流れることにより電気エネルギーに変換されることができる。場合によっては、発電モジュール3101からの電気出力は電源バスに連結でき、これは、発電モジュール3101に接続でき、電源供給対象の機器3102に電気エネルギーを供給できる。さらに、場合によっては、発電モジュール3101はまた、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の補助エネルギー貯蔵ユニット3111を含んでいてもよい。補助エネルギー貯蔵ユニット3111は、発電モジュール3101と対象者の皮膚又はその他の体外表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給できる。
[00288] 図33A及び図33Bは、例示的な手首装着型機器3300の異なる図を概略的に示す。機器3300は発電モジュールを含むことができ、これは熱電材料3301(例えば、本明細書に記載されている種類の熱電材料)、集熱器3302、及び放熱器3303を含んでいてもよい。発電モジュールの構成要素は、ストラップ(例えば、固定部材又は固定具)3304の中に統合でき、これは電源管理モジュール3305と電源供給対象モジュール3306(例えば、時計モジュール)に電気的に連結できる。場合によっては、電源供給対象モジュール3306は、固定部材又は連結具を介して電源管理モジュール3305に/それに対して取り外し可能に固定できる。場合によっては、電源供給対象モジュール3306は、電源管理モジュール3305と共に筐体内に統合できる。電源管理モジュール3305は、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及びオンボードエネルギー貯蔵部のうちの1つ又は複数を含むことができる。
[00289] 集熱器3302は中実材料、ヒートパイプ(例えば、本明細書の他の箇所に記載の種類のヒートパイプ)、又はこれらの組合せであってもよい。図33A及び図33Bに示されるように、集熱器3302は、ストラップ3304の底部に位置付ける(例えば、ストラップ3304の底部に組み込む)ことができ、ここではそれがより広い面積(例えば、集熱器の面積)にわたり対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。さらに、図33Bに示されるように、集熱器3302は、熱電材料3301の表面と熱接触できる。
[00290] さらに、図33Bに示されるように、放熱器3303は、ストリップ3304の上に位置付けられ(例えば、ストラップ3304の上部に統合され)、ストラップ3304の面積にわたって延びる。場合によっては、放熱器はヒートシンク(図33A及び図33Bでは図示せず)と一体化された1つ又は複数のヒートパイプを含むことができ、これは機器3300の本体を超えて延びていてもそうでなくてもよい。場合によっては、ヒートシンクは、インクルージョン又は突起でパターンを付けることができる。場合によっては、ヒートシンクは、放熱器3303からの熱伝導を改善する中実のフィン及び/又は穴の開いたフィンを含むことができる。さらに、放熱器はストラップ3304によって完全に覆われても、ストラップ3304によって部分的に覆われても、又はストラップ3304によってまったく覆われなくても(例えば、完全に露出していても)よい。
[00291] 放熱器3303は、熱電材料3301を通過する熱を除去することができ、それによって集熱器3302と放熱器3303との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器3302、放熱器3303、及び熱電材料3301のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/そこからの熱伝導速度を高めるのを支援する表面処理を有していてもよい。本明細書の他の箇所に記載されている熱伝導速度を高めるのを支援できる表面処理の例は、集熱器3302、熱電材料3301、及び放熱器3303のうちの1つ又は複数に適用されることができる。場合によっては、複数の表面処理を適用して、熱伝導速度を高めてもよい。
[00292] 集熱器3302を介して、対象者から生成された熱は、熱電材料3301に供給されることができ、それによってこれは、それが集熱器3302と放熱器3303との間で流れることにより電気エネルギーに変換されることができる。場合によっては、発電モジュールからの電気出力は電源バスに連結でき、これは、電源管理モジュール3305に接続でき、電気エネルギーを電源供給対象モジュール3306に供給できる。さらに、場合によっては、電源管理モジュール3305はまた、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の1つ又は複数の補助エネルギー貯蔵ユニットも含んでいてよい。補助エネルギー貯蔵ユニットは、発電モジュールと対象者の皮膚又はその他の体外表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給されることができる。
[00293] 筐体が実装される場合、筐体は何れの適当な長さを有することもできる。例えば、筐体の長さは少なくとも約1mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mmm、90mm、又は100mm、又はそれ以上、幅は少なくとも約1mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mmm、90mm、又は100mm、又はそれ以上とすることができる。場合によっては、筐体の設置面積は、少なくとも約1mm2、10mm2、100mm2、200mm2、300mm2、400mm2、500mm2、600mm2、700mm2、800mm2、900mm2、1000mm2、又はそれ以上とすることができる。
[00294] 図34A及び図34Bは、発電モジュールを含む例示的な手首装着型機器3400の図を概略的に示す。発電モジュールは、熱電デバイス(例えば、本明細書の他の箇所に記載されている熱電デバイス)3401、集熱器3402、及び放熱器3403を含んでいてもよい。場合によっては、発電モジュールはまた、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及びオンボードエネルギー貯蔵部のうちの1つ又は複数も含むことができる。これらの補助的な構成要素は電気管理ユニット3404の中に提供でき、これはまた、電子機器又は電子機器の構成要素(例えば、電子ディスプレイ)のための1つ又は複数の取付点も含むことができる。機器3400はまた、ストラップ3405とバックル3406も含むことができ、これらは発電モジュールを対象者の手首に固定するために使用できる。
[00295] 集熱器3402は中実材料、ヒートパイプ、又はこれらの組合せであってもよい。適当なヒートパイプの非限定的な例には、単純なヒートパイプ、ダイオードヒートパイプ、真空チャンバ、及び熱サイホンが含まれる。図34A及び図34Bに示されるように、集熱器3402は、発電モジュールの底部に位置付けることができ、ここではそれが対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。場合によっては、集熱器3402は、熱電デバイス3401の表面又は、熱電デバイス3401の表面と熱接触する別の表面とすることができる。
[00296] さらに、放熱器3403は、それに隣接して(その上、横、下に)取り付けられた他の機器構成要素(例えば、図34A及び図34Bに示される電気管理ユニット3404、電源供給対象電子機器、エネルギー貯蔵構成要素)を有することができ、及び/又は中実材料、ヒートパイプ、及び/又はヒートシンクを含んでいてもよい。放熱器3403がヒートシンクを含む場合、ヒートシンクは熱伝導を改善するためにヒートパイプ、ベイパチャンバ及び/又はフィンと一体化されていてもよい。関連するヒートシンクフィンは中実とすることができ、又はこれらは穴が開いていてもよい。放熱器3403は、熱電デバイス3401から熱を除去することができ、それによって、集熱器3402と放熱器3403との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器3402、熱電デバイス3401、及び放熱器3403のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/そこからの熱伝導速度を高めるのを支援する1つ又は複数の表面処理を有していてもよく、そのような表面処理の例は本明細書の他の箇所に記載されている。
[00297] 集熱器3402を介して、対象者から生成された熱は発電モジュールに供給でき、それによってこれは、熱電デバイス3401の中で、それが集熱器3402と放熱器3403との間で流れることにより電気エネルギーに変換されることができる。場合によっては、発電モジュールからの電気出力は電源バスに連結でき、これは、機器3400に接続でき、それが電気エネルギーを発電モジュールに電気的に連結された電動式機器に供給できる。場合によっては、電動式機器は、発電モジュール及び/又は発電モジュールの熱電デバイス3401と共に筐体内に統合できる。場合によっては、電動式機器は電気管理ユニット3404に取り付けることができる。さらに、場合によっては、機器3400はまた、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の補助エネルギー貯蔵ユニットも含んでいてよい。補助エネルギー貯蔵ユニットは、機器3400と対象者の体表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給できる。
[00298] 以上、図27A〜図27B、図28A〜図28C、図29A〜図29C、図29A〜図29C、図30A〜図30C、図31A〜図31B、図33A〜図33B、及び図34A〜図34Bに示される例示的な機器は対象者の手首に関して説明したが、例は限定的ではないものとする。例示的な機器は、これらを対象者の体に固定されることができる何れの適当な体の領域にも適用できる。このような体の領域の非限定的な例には、腕、脚、胴体、頭、膝、肘、腰、腿、足首、手、足、手指、足指、及び対象者の頭頂部が含まれる。
[00299] 図35は、発電モジュールを含むことのできる例示的な手指装着型機器3500を概略的に示す。発電モジュールは、熱電デバイス(例えば、本明細書の他の箇所に記載の熱電デバイス)3501、集熱器3502、及び放熱器3503を含むことができる。場合によっては、発電モジュールはまた、DC−DC変換器、電源管理電子部品、及びオンボードエネルギー貯蔵部のうちの1つ又は複数も含むことができる。集熱器3502は、機器3500のバンドと一体化されてもよい。
[00300] 集熱器3502は中実材料、ヒートパイプ、又はこれらの組合せであってもよい。適当なヒートパイプの非限定的な例には、単純なヒートパイプ、ダイオードヒートパイプ、真空チャンバ、及び熱サイホンが含まれる。図35に示されるように、集熱器3502は、発電モジュールの底部に位置付けることができ、ここではそれが対象者の皮膚又はその他の体外表面と接触することができる。場合によっては、集熱器3502は、熱電デバイス3501の表面又は、熱電デバイス3501の表面と熱接触する別の表面とすることができる。
[00301] さらに、放熱器3503は、それに隣接して(その上、横、下に)取り付けられた他の機器構成要素(例えば、電源管理構成要素、エネルギー貯蔵構成要素、電源供給対象電子機器等)を有することができ、及び/又は中実材料、ヒートパイプ、及び/又はヒートシンクを含んでいてもよい。放熱器3503がヒートシンクを含む場合、ヒートシンクは熱伝導を改善するためにヒートパイプ、ベイパチャンバ及び/又はフィンと一体化されていてもよい。関連するヒートシンクフィンは中実とすることができ、又はこれらは穴が開いていてもよい。放熱器3503は、熱電デバイス3501から熱を除去することができ、それによって、熱電デバイス3501の中で集熱器3502と放熱器3503との間に温度勾配を生じさせる。本明細書の他の箇所に記載されているように、このような温度勾配は、電気エネルギーを生成するために使用できる。場合によっては、集熱器3502、熱電デバイス3501、及び放熱器3503のうちの1つ又は複数は、それぞれの構成要素への/そこからの熱伝導速度を高めるのを支援する1つ又は複数の表面処理を有していてもよく、そのような表面処理の例は本明細書の他の箇所に記載されている。
[00302] 集熱器3502を介して、対象者から生成された熱は発電モジュールに供給でき、それによってこれは、熱電デバイス3501の中で、それが集熱器3502と放熱器3503との間で流れることにより電気エネルギーに変換されることができる。場合によっては、発電モジュールからの電気出力は電源バスに連結でき、これは、機器3500に接続でき、それが電気エネルギーを発電モジュールに電気的に連結された電動式機器に供給できる。場合によっては、電動式機器は、発電モジュール及び/又は発電モジュールの熱電デバイス3501と共に筐体内に統合できる。さらに、場合によっては、機器3500はまた、バッテリ又はコンデンサ(例えば、超コンデンサ)等の補助エネルギー貯蔵ユニットも含んでいてよい。補助エネルギー貯蔵ユニットは、機器3500と対象者の体表面との接触が間欠的であるとき、電力出力が減少したとき、及び/又は電力消費が増大したときに留保電力を供給できる。
[00303] 図20は、少なくとも部分的に(例えば、電力要求又は需要の少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%)又は完全に体熱から生成される電力で動作するように構成できるアイウェア2001を示す。アイウェア2001は制御モジュール2002を含んでいてもよく、これはセンサ、通信インタフェース、及びコンピュータプロセッサを含むことができ、これらは相互に電気通信できる。アイウェア2001は、放熱器2003、熱電デバイス2004、集熱器2005、及び電源管理電子部品とエネルギー貯蔵システムを有する電源モジュール2006と、をさらに含んでいてよい。熱電デバイス2004は、制御モジュール2002と電気通信できる。制御モジュール2002への電力は、少なくとも部分的に(例えば、電力要求又は需要の少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%)又は完全に熱電デバイス2004によって制御モジュール2002に直接供給されるか、又は場合によっては、電源モジュール2006の中のエネルギー貯蔵システムを充電するために使用されることが可能で、これがその後、制御モジュール2002に電力を供給できる。
[00304] 制御モジュール2002は、例えばアイウェア2001のガラス2007の少なくとも1つの上で使用者に対してコンテンツを提示するように構成できる。コンテンツは、テキストメッセージや電子メール、地理的ナビゲーション情報、ネットワークコンテンツ(例えば、World Wide Webからのコンテンツ)、及び文書(例えば、テキスト文書)等の電子通信を含むことができる。
[00305] 図21A及び図21Bは、少なくとも部分的に(例えば、電力要求又は需要の少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%)又は完全に体熱から生成される電力で動作するように構成できる医療機器2101を示す。医療機器2101は、本明細書の他の箇所に記載されているように、制御モジュールと電源モジュールを含んでいてもよい。医療機器2101は、一方の表面上の放熱器2102と反対の表面の集熱器2103、及び放熱器と集熱器の間の熱電材料を有する熱電デバイス2104をさらに含んでいてもよい。熱電デバイス2104は、制御モジュール及び電源モジュールと電気通信できる。図21Bは、使用者の体2105に隣接して配置された医療機器2101を示す。
[00306] 場合によっては、熱電デバイスを有する機器の使用中、物体(例えば、使用者の体)からの熱は集熱器から放熱器への温度勾配(高温から低温)を生じさせることができる。集熱器は熱を収集してもよく、放熱器は熱を排出してもよい。温度勾配は、集熱器と放熱器の間の熱電デバイスを使用して電力を生成するために使用できる。
[00307] さらに、図20、図21A〜図21B、図27A〜図27B、図28A〜図28C、図29A〜図29C、図29A〜図29C、図30A〜図30C、図31A〜図31B、図33A〜図33B、及び図34A〜図34Bに示される例示的機器及び本明細書に記載されているその他のものは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することに関して説明されているが、例示的機器はまた、加熱及び冷却用としても使用できる。図20、図21A〜図21B、図27A〜図27B、図28A〜図28C、図29A〜図29C、図29A〜図29C、図30A〜図30C、図31A〜図31B、図33A〜図33B、及び図34A〜図34Bに示される熱電デバイス及び本明細書に記載されているその他のものは、電気エネルギー源に接続できる。電流が電気エネルギー源を介して熱電デバイスを通過すると、熱電デバイス内に温度勾配を確立できる。この温度勾配を介して、「高温」及び「低温」表面を放熱器と集熱器に生成できる。表面のどちらが「高温」及び「低温」であるかは、熱電デバイスに供給される電流の方向に依存し得る。これらの「高温」及び「低温」表面は、それぞれ加熱及び冷却に使用できる。
[00308] 本明細書に記載の熱電素子、デバイス、及びシステムは、車両排熱回収において、例えば熱電材料を使って車両の排熱を電気(又は電力)に変換する装置において使用できる。装置は、エンジンブロック、熱交換器、ラジエータ、触媒コンバータ、マフラ、排気管、及び車の室内の各種の構成要素、例えば暖房及び/又は空調ユニットを含むがこれらに限定されない自動車に一般的な構成要素又は、タービンブロック、エンジンブロック、交換機、ラジエータ、反応室、煙突及び排気管を含むがこれらに限定されない産業施設に一般的な構成要素に統合できる。装置は、車両又は車両の電気構成要素(例えば、ラジオ、暖房もしくは空調ユニット、又は制御システム)への唯一の電力源として使用されてもよく、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000Wの電力、場合によっては約100W〜1000Wの電力を生成する。装置からの電力は、他の電源により補足又は補助できる。例えば、自動車に関して、電力はバッテリ、オルタネータ、回生ブレーキ、又は車両充電ステーションからの電力で補足又は補助できる。他の例として、産業又は民生用施設に関して、電力はバッテリ、発電機、送電網、タービンブロック、エンジンブロック、熱交換器、ラジエータ、反応室、煙突及び排気管、及び/又は再生可能エネルギー源、例えば太陽光発電、風力発電、波力発電、及び地熱発電のうちの1つ又は複数からの電力により補足又は補助できる。
[00309] フレキシブル熱電デバイスは、その中を高熱の流体が流れることのできるパイプの周囲に巻き付けることができる。巻き付けられたパイプはまた、熱伝導を高めるために、さらにヒートシンクと一体化させてもよい。高温流体は、高温の排気、高温の水、高温のオイル、高温の空気等であってもよい。巻き付けられたパイプの周囲に低温流体を流すことができる。低温流体は、低温の排気、低温の水、低温のオイル、低温の空気等であってもよい。巻き付けられたパイプは、冷媒流体を周囲環境から隔離すべきである場合、その中に冷媒流体が流される筐体内に格納されてもよい。これらは、冷媒流体が周辺の空気又は水である場合、環境に露出されてもよい。
[00310] ある実施例において、熱から発電する装置は、発電パイプラッピングである。高温流体(例えば、高温の排気)は、熱電デバイスが巻き付けられたパイプの中を通過してもよい。熱電デバイスの高温側は、熱伝導を高めるために、チューブ/パイプの外面に物理的又は化学的に結合されてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝導を高めるためにヒートシンクと物理的又は化学的に結合されてもよい。低温流体(例えば、空気又は水)を巻き付けられたパイプの周囲に流し、高温流体から熱を抽出する。熱の流路内に点在する熱電デバイスは、熱を電気に変換でき、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000Wの電力、場合によっては約100W〜1000Wの電力を生成する。希望により、DC−DC変換器及び関連する電源管理回路を使って、より低い電圧を少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換でき、回路に直接電源供給するため、又はバッテリ等の電力貯蔵部をトリクル充電するために使用できる。
[00311] 他の実施例において、熱から発電する装置は発電排気管である。高温流体(例えば、高温の排気ガス)は、熱電デバイスが巻き付けられたパイプを通過できる。熱電デバイスの高温側は、熱伝導を高めるためにチューブ/パイプの外面に物理的又は化学的に結合されてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝導を高めるためにヒートシンクと物理的又は化学的に結合されてもよい。パイプの表面積をさらに増大し、熱伝導を高めるために、パイプの内面はくぼみ、波形、ピン、フィン、又はリブを有するように成型されてもよい。パイプは、容易に溶接可能、延伸可能、機械加工可能、成形可能な材料、例えばスチール、アルミニウム等から製作されてもよい。低温流体(例えば、空気又は水)を巻き付けられたパイプの周囲に流し、高温流体から熱を抽出できる。熱の流路内に点在する熱電デバイスは、熱を電気に変換でき、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000Wの電力、場合によっては約100W〜1000Wの電力を生成する。希望により、DC−DC変換器及び関連する電源管理回路を使って、より低い電圧を少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換でき、回路に直接電源供給するため、又はバッテリ等の電力貯蔵部をトリクル充電するために使用されることができる。
[00312] また別の実施例において、熱から発電する装置は排気管に、又は何れかの高温表面に取り付けられる離散型の発電ユニットである。高温表面は、熱電デバイスを含む装置と接触させることができる。嵌合面を提供でき、これは何れかの適当な技術(例えば、ボルト、ストラップ、溶接、ろう付け、又ははんだによる)によって高温表面に密接に物理的に接触するように取り付けることができる。熱電デバイスの高温側は、熱伝導を高めるために嵌合面の反対側に物理的又は化学的に結合されてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝導を高めるためにヒートシンクと物理的又は化学的に結合されてもよい。低温流体(空気等)をユニットの周囲に流し、高温表面から熱を抽出できる。熱の流路内に点在する熱電デバイスは、熱を電気に変換でき、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000Wの電力、場合によっては約100W〜1000Wの電力を生成する。希望により、DC−DC変換器及び関連する電源管理回路を使って、より低い電圧を少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換でき、回路に直接電源供給するため、又はバッテリ等の電力貯蔵部をトリクル充電するために使用できる。
[00313] 図22は、車両の排気からの熱電電力回収を概略的に示す。熱回収の他の目装置は、排気管2201の様々な位置に取り付けることができ、例えば触媒コンバータの周囲に取り付けられ2202、直列に溶接され2203、及び/又は排気管2201の少なくとも一部において巻き付けられる2204。
[00314] 使用中、排気ガスはマニホルド2205からパイプ2201を通ってマフラ2206へと誘導される。排気ガスの排熱は、排熱から電力を生成されることができる熱回収用の1つ又は複数の装置を使って電力を生成するために使用できる。
[00315] 他の実施例において、熱から発電する装置は、発電ラジエータユニットである。高温流体(高温の水又は蒸気、高温のオイル等)は熱電デバイスが巻き付けられた一連のパイプを通過することができる。熱電デバイスの高温側は、熱伝導を高めるためにチューブの外面に物理的又は化学的に結合されてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝導を高めるためにヒートシンクと物理的又は化学的に結合されてもよい。低温流体(空気等)を巻き付けられたパイプの周囲に流し、高温流体から熱を抽出されることができる。熱の流路内に点在する熱電デバイスは、熱を電気に変換されることができ、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000Wの電力、場合によっては約100W〜1000Wの電力を生成する。希望により、DC−DC変換器及び関連する電源管理回路を使って、より低い電圧を少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換でき、回路に直接電源供給するため、又はバッテリ等の電力貯蔵部をトリクル充電するために使用されることができる。
[00316] 図23A及び図23Bは、ラジエータ2301の中に取り付けられた熱回収と発電のための装置を示し、これは冷却ファン2304に加えて、高温流体出口2303と流体連通する高温流体入口2302を含んでいてもよい。ラジエータ2301は、車両の一部とすることができる。ラジエータの高温パイプには少なくとも部分的に、フレキシブルヒートシンクを備えるフレキシブル熱電デバイスを含む熱回収装置2305が巻き付けられていてもよい。フレキシブル熱電デバイスは、本明細書で開示されている熱電素子を含むことができる。
[00317] 使用中、高温流体は高温流体入口2302から高温流体出口2303へと誘導できる。流体内の排熱は、排熱から発電できる熱回収用装置2305を使って電力を生成するために使用されることができる。
[00318] 他の実施例において、熱から発電する装置は発電交換ユニットである。高温流体(高温の水又は蒸気、高温のオイル等)は、熱電デバイスが巻き付けられた一連のパイプを通過することができる。熱電デバイスの高温側は、熱伝導を高めるためにチューブの外面に物理的又は化学的に結合されてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝導を高めるためにヒートシンクと物理的又は化学的に結合されてもよい。低温流体(例えば、低温の水又は低温のオイル)を巻き付けられたパイプの周囲に送出し、高温流体から熱を抽出できる。熱の流路内に点在する熱電デバイスは、熱を電気に変換されることができ、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000Wの電力、場合によっては約100W〜1000Wの電力を生成する。希望により、DC−DC変換器及び関連する電源管理回路を使って、より低い電圧を少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換でき、回路に直接電源供給するため、又はバッテリ等の電力貯蔵部をトリクル充電するために使用されることができる。
[00319] 図24A及び図24Bは、熱交換器2401の中に取り付けられた熱回収と発電のための装置を示し、これは、高温流体出口2403と流体連通する高温流体入口2402と、低温流体出口2405と流体連通する低温流体入口2404と、を含んでいてもよい。熱交換器2401は、低温流体の流れを誘導するためのバッフル2406と、フレキシブル熱電デバイスが巻き付けられた高温パイプ2407と、をさらに含んでいてもよい。
[00320] 使用中、高温流体(例えば、蒸気)が高温流体入口2402から高温流体出口2403へと誘導されてもよく、低温流体(例えば、液体の水)が低温流体入口2404から低温流体出口2405へと誘導されてもよい。高温流体は、高温パイプ2407の中を流れ、低温流体入口2404から低温流体出口2405に誘導される低温流体へと熱を放散させることができる。流体中の排熱は、高温パイプ2407に巻き付けられたフレキシブル熱電デバイスを使って電力を生成するために使用されることができる。
コンピュータ制御システム
[00321] 本開示は、熱電素子の製造等、本開示の各種の方法を実行するようにプログラムでき、又はそれ以外に構成できるコンピュータ制御システムを提供する。図25は、本開示の熱電デバイスの形成を容易にするようにプログラムされ、又はそれ以外に構成されたコンピュータシステム(本明細書では「システム」ともいう)2501を示す。システム2501は、本明細書に記載の方法を実施するようにプログラム、又はそれ以外に構成できる。システム2501は、中央処理ユニット(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」ともいう)を含むことができ、これはシングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、又は並行処理のための複数のプロセッサとすることができる。システム2501はまた、メモリ2510(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット2515(例えば、ハードディスク)、1つ又は複数の他のシステムと通信するための通信インタフェース2520(例えば、ネットワークアダプタ)、及びキャッシュ、その他のメモリ、データストレージ、及び/又は電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス2525も含むことができる。メモリ2510、記憶ユニット2515、インタフェース2520、及び周辺テバイス2525は、マザーボード等の通信バス(実線)を通じてCPU 2505と通信できる。記憶ユニット2515は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(又はデータレポジトリ)とすることができる。システム2501は、通信インタフェース2520を援用してコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)2530に動作的に連結できる。ネットワーク2530は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、又はインターネットと通信するイントラネット及び/又はエクストラネットとすることができる。ネットワーク2530は、場合によっては、電気通信及び/又はデータネットワークとすることができる。ネットワーク2530は、1つ又は複数のコンピュータサーバを含むことができ、これは、クラウドコンピューティング等、分散型コンピューティングを可能にすることができる。ネットワーク2530は、場合によっては、システム2501を援用してピアツーピアネットワークを実装することができ、これによってシステム2501に連結されたデバイスをクライアント又はサーバとして機能できるようにしてもよい。
[00322] システム2501は、本開示の熱電素子及びデバイスを形成するための処理システム2535と通信できる。処理システム2535は、本明細書において提供される熱電デバイスを形成するための様々な作業を実施するように構成でき、これは例えば、熱電素子を形成すること、及び熱電素子から熱電デバイス(例えば、熱電テープ)を形成することを含む。処理システム2535は、ネットワーク2530を通じて、又は直接(例えば、有線、無線)接続を通じてシステム2501と通信できる。ある例において、処理システム2535は、電気化学エッチングシステムである。他の例において、処理システム2535はドライボックスである。
[00323] 処理システム2535は、基板2540から熱電素子を形成するための反応空間を含むことができる。反応空間は、電解質で満たすことができ、エッチングの(例えば、陰極又は陽極エッチング)ための電極を含むことができる。
[00324] 本明細書に記載の方法は、システム2501の電子記憶場所、例えばメモリ2510又は電子記憶ユニット2515に記憶された機械(又はコンピュータプロセッサ)により実行可能なコード(又はソフトウェア)によって実装できる。使用中、コードはプロセッサ2505により実行できる。ある例において、コードは、記憶ユニット2515から検索して、プロセッサ2505が容易にアクセスできるようにメモリ2510上に記憶することができる。状況によっては、電子記憶ユニット2515は、不要とすることができ、機械実行可能命令はメモリ2510上に記憶できる。
[00325] コードは、コードを実行するようになされたプロセッサを有する機械で使用するように事前コンパイルされ、構成でき、又はランタイム中にコンパイルできる。コードはプログラミング言語で供給でき、これはコードがプレコンパイルの状態又は同時コンパイルの状態で実行できるように選択できる。
[00326] 本明細書で提供されるシステムと方法の態様、例えばシステム2501は、プログラミングで具現化できる。技術の様々な態様は、「製品」又は「製造品」と考えられてもよく、これは典型的に、ある種類の機械可読媒体上に担持され、又はその中で具現される機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又は関連データの形態である。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスク等の電子記憶ユニット上に記憶することができる。「記憶」型媒体は、コンピュータ、プロセッサ、もしくはその他の有形メモリ、又はその関連するモジュール、例えば各種の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、及びその他の何れか又は全部を含むことができ、これらはソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶を提供してよい。ソフトウェアの全部又は一部は時々、インターネット又は他の各種の電気通信ネットワークを通じて通信されてよい。このような通信は例えば、ソフトウェアを1つのコンピュータ又はプロセッサから別のものに、例えば管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへとロードすることを可能にしてもよい。それゆえ、ソフトウェア要素を担持してもよい他の種類の媒体には、例えばローカルデバイス間の物理的インタフェースを通じて、有線及び光陸上通信ネットワーク、及び各種のエアリンクを通じて、光波、電波、及び電磁波を含む。このような波を担持する物理的要素、例えば有線又は無線リンク、光リンク、又はその他もまた、ソフトウェアを担持する媒体と考えられてよい。本明細書で使用されるかぎり、非一時的有形「記憶」媒体に限定されていないかぎり、このようなコンピュータ又は機械「可読媒体」等の用語は、実行されるためにプロセッサに命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。
[00327] 従って、コンピュータ実行可能コード等の機械可読媒体は何れの形態をとってもよく、これには有形記憶媒体、搬送波媒体、又は物理的伝送媒体が含まれるが、これらに限定されない。不揮発性記憶媒体は例えば、光又は磁気ディスクを含み、これは例えば、図に示されているようにデータベース等を実装するために使用されるあらゆるコンピュータ又はその他の記憶デバイスの何れでもよい。揮発性記憶媒体は、このようなコンピュータプラットフォームのメインメモリ等、ダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は同軸ケーブル、銅線、光ファイバを含み、これにはコンピュータシステム内のバスを含むワイヤが含まれる。搬送波伝送媒体は、電気もしくは電磁信号、又は無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響、もしくは光波の形態をとってもよい。従って、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えばフロッピディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他のあらゆる磁気媒体、CD−ROM、DVD、又はDVD−ROM、他のあらゆる光媒体、パンチカードペーパテープ、穴パターンを有する他のあらゆる物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROM、及びEPROM、FLASH−EPROM、及び他のあらゆるメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を運ぶ搬送波、このような搬送波を輸送するケーブルもしくはリンク、又は、そこからコンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み出してもよい他のあらゆる媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くが、実行のためにプロセッサに1つ又は複数の命令の1つ又は複数の連続を搬送することに係ってもよい。
[00328] 本明細書に記載の方法は、記憶場所を有し、機械実行可能コードがその中に提供される方法を実装するコンピュータシステムと、機械実行可能コードを実行するためのプロセッサを援用して自動化できる。
実施例1
[00329] 熱電素子は、フッ化水素酸を約10%〜50%(重量)HFの濃度で含むエッチング液を有する反応チャンバの中に半導体基板を提供することによって形成される。半導体基板のドーパント濃度は、半導体基板の抵抗が約0.001ohm−cm〜0.1ohm−cmとなるような程度とする。エッチング液は、温度約25℃である。作用電極を基板の裏面と接触させ、対極をエッチング液の中に、基板の前面と対向するようにしずめる。対極は、基板と接触しない。次に、電源を使って、電流密度を約10mA/cm2〜20mA/cm2とし、これは作用電極と対極との間に約1Vの電位を生じさせる。印加される電位と電流の流れは、約1時間にわたり保持される。これは、基板中に穴の無秩序パターンを形成する。
実施例2
[00330] 熱電素子は、実施例1に記載した方法により形成される。図26A及び図26Bは、それぞれ熱電素子のSEM顕微鏡写真とXRDスペクトルを示す。SEM顕微鏡写真は以下の条件下で得られる:5キロボルト(kV)及び作動距離5ミリメートル。SEM顕微鏡写真は、シリコン中の穴の無秩序パターンを示す。XRDスペクトルは2つのピークを示す。高い方のピーク(左)は多孔質シリコンのものであり、低い方のピーク(右)はバルクシリコンのものである。
実施例3
[00331] 厚さ100マイクロメートル(μm)〜500μmで、抵抗が0.002〜0.02ohm−cmのp型又はn型単結晶シリコンウェハを使用する。20KHzで動作する、波長1064nm、ビームサイズ5mm、30ワットのパルス式レーザにより、ウェハを0.2mm/秒の速度と20%のパワーで走査する。抵抗が0.003ohm−cmのサンプルでは、熱伝導率はレーザ処理の後5W/mKに低下する。
[00332] 本明細書で提供されるデバイス、システム、及び方法は、他のデバイス、システム、及び方法、例えば米国特許第7,309,830号、Boukaiらの米国特許第9,263,662号、Fukutaniらの米国特許出願公開第2006/0032526号、Boukaiらの米国特許出願公開第2009/0020148号、Boukaiらの米国特許出願第13/550,424号、2012年7月17日に出願されたPCT米国出願第2012/047021号、2013年1月17日に出願されたPCT米国出願第2013/021900号、2013年8月25日に出願されたPCT米国出願第2013/055462号、2005年7月12日に出願されたPCT米国出願第2005/024541号、2013年10月29日に出願されたPCT米国出願第2013/067346号に記載されているデバイス、システム、及び/又は方法と組み合わせられても、それらによって変更されてもよく、これらの各々の全体を参照によって本願に援用する。
[00333] 本願では、本発明の好ましい実施形態が図示され、説明されているが、当業者にとっては、かかる実施形態は例として提供されているにすぎないことは明らかであろう。本発明は明細書中に提供された具体的な例により限定されることは意図されていない。本発明は、上記の明細書に関して説明されているが、本願における実施形態の説明と例示は限定的な意味で解釈されるものではない。ここで、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換の着想を得るであろう。さらに、本発明のすべての態様が、本明細書に記載されている具体的な図、構成、又は相対的な配置に限定されるとはかぎらないと理解すべきであり、これらは各種の条件や変数によって異なる。本明細書に記載の本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明を実施する中で使用されてもよいと理解すべきである。従って、本発明はまた、かかる変形、変更、改変、又は均等物のすべてもカバーすることが意図される。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法と構造及びその均等物もそれによってカバーされることが意図される。