JP2019502917A - 原子炉用吸収棒アセンブリおよび吸収棒 - Google Patents

原子炉用吸収棒アセンブリおよび吸収棒 Download PDF

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Abstract

本発明は、各々が中性子吸収要素(20)を含む少なくとも第1の吸収体アセンブリ(22)および第2の吸収体アセンブリ(24)を含む吸収棒集合体に関連しており、第1の吸収体アセンブリ(22)および第2の吸収体アセンブリ(24)の各々の吸収体要素(20)は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウムおよび六ホウ化サマリウムで作られる中性子吸収材料の群から選択される単一の材料または単一の材料の組み合わせから作られ、第1の吸収体アセンブリ(22)の吸収体要素(20)は、第2吸収体アセンブリ(24)の吸収体要素(20)の断面構造と異なる断面構造を有している。

Description

本発明は、加圧水型原子炉用の吸収体クラスタの分野に関する。
加圧水型原子炉(PWR)は、原子炉容器内に並置された複数の核燃料アセンブリを含む炉心を備えている。
核燃料アセンブリは、支持構造体内に挿入された燃料棒の束を含み、支持構造体は、これらの間に燃料棒が配置される下部ノズルおよび上部ノズルと、下端部および上端部を接続する案内管と、案内管に固定されて、上部ノズルおよび下部ノズルの間の案内管に沿って分配されたスペーサグリッドとを含み、スペーサグリッドは燃料棒を保持している。
案内管の目的は、支持構造体の剛性を確保し、原子炉の炉心の反応度を緩和するために使用される中性子吸収棒が核燃料アセンブリに挿入されることを可能にすることである。
吸収棒は、その上端で支持体によって互いに接続されている。支持体と、支持体によって支えられる吸収棒の束とによって形成されるアセンブリは、吸収体クラスタと呼ばれる。支持体は、一般に星形を有しており、時にはスパイダと呼ばれ、または支持プレートまたはプレートと呼ばれる実質的に正方形の穿孔された形状を有している。
制御クラスタまたは調整クラスタとも呼ばれる可動吸収体クラスタを提供することが可能であり、その各々は、それぞれのスパイダによって原子炉のクラスタ制御機構の制御棒に吊り下げられており、原子炉の炉心の反応度を調整するために、核燃料アセンブリの案内管内で吸収棒を大なり小なり降ろすために、原子炉の通常運転中に垂直に移動可能である。
これらの制御クラスタは、原子炉の炉心の反応度を増大させるために引き上げられ、原子炉の炉心の反応度を低減させるために降ろされる。
これらの制御クラスタは、原子炉を停止させるために吸収棒を迅速かつ完全に核燃料アセンブリに降ろすために、制御棒から分離されている。
原子炉炉心の異なる領域において、異なる種類の制御クラスタ、例えば、高吸収性制御クラスタまたはブラッククラスタ、および吸収率の低い制御クラスタまたはグレークラスタを提供することが可能である。吸収体のグレークラスタは通常、その吸収力が、要求されるレベルに適合した吸収棒を有しており、一般には鋼で作製された不活性棒である。
炉心の反応度を制限することが望まれる領域において、支持プレートによって支えられているロッドは、原子炉の通常運転中に対応する核燃料集合体に挿入されたままである固定された吸収体クラスタを提供することも可能である。
そのように固定された吸収体クラスタは、中性子活性を低減し、および容器の照射を制限するために、例えば原子炉炉心の周辺に配置された核燃料集合体に配置される。
固定された吸収体クラスタは、その吸収性が要求されるレベルまで適合された吸収棒と、場合によっては一般に短い鋼のバーの形態にある不活性棒とを有する。
吸収体クラスタが固定されているか可動であるかに関わらず、その吸収棒は一般に、管状のシースと、中性子吸収材料で作られた円筒形の吸収体要素のスタックによって形成された吸収体カラムとを含む。吸収体要素は一般に、10から20mmの高さ、7から9mmの直径を有する円筒形のペレットの形態で、またはその長さが数センチメートルまたは数メートルにさえ、すなわち吸収体カラムの全長に達し得るペレットの直径と実質的に同一の直径を有する円筒形のバーの部分の形態で提供される。いくつかの場合において、吸収棒は、未被覆のバーによって直接構成され、吸収性材料で作られてもよい。
吸収体クラスタの吸収棒の吸収体カラムの高さは、原子炉炉心に十分に挿入されたときに固定吸収体クラスタおよび可動吸収体クラスタの吸収体カラムによる核分裂カラムの完全な回収を可能とするように、燃料棒に含まれる核分裂性物質のカラムの高さに少なくとも等しい。
固定吸収体クラスタの吸収棒は一般に、管の形態にあるガラス化ホウケイ酸塩を含む鋼シースからなる。
銀−インジウム−カドミウム(SIC)で作られた吸収体要素、チタン酸ジスプロシウムで作られた吸収体要素、ハフニウム酸ジスプロシウムで作られた吸収体要素および/または炭化ホウ素(BC)で作られた吸収体要素を含む被覆吸収棒、または可動吸収体クラスタ用の未被覆のハフニウムベースの吸収棒を使用することができる。
特に、銀−インジウム−カドミウム(SIC)で作られた吸収体要素をその上部に、炭化ホウ素(BC)で作られた吸収体要素をその下部に含む吸収棒を使用することが可能である。
これは、一方では、制御クラスタが全く挿入されていないか、またはわずかしか挿入されていないときに、または、制御クラスタが完全に挿入されたときに吸収棒におけるより高い中性子吸収の結果として原子炉が停止するときに、原子炉の通常運転に適合した中性子効率を有することを可能にさせ、他方では、原子炉の緊急停止の事象における安全規則により課せられる時間内で制御クラスタを降ろすことを確実にするのに十分大きな質量を有することを可能にさせている。
しかしながら、SICの成分は、希少材料(インジウム)、毒性材料(カドミウム)であるか、または照射後に重要な放射能活性へと導く(銀)。加えて、照射の影響の下では、SICが膨張し、シースの変形やひび割れを引き起こす可能性がある。
加えて、炭化ホウ素は、照射の下でヘリウムおよびガス状トリチウムを生成する。トリチウムは、鋼シースを通って一次回路へ移動する。850℃から、炭化ホウ素はシースの鋼と反応し始める。反応は1150℃から顕著になり、シースが脆くなる。
本発明の目的の1つは、十分な中性子吸収および質量特性を有し、銀−インジウム−カドミウム合金の使用を回避し、可能であれば炭化ホウ素の使用を制限または回避する吸収体クラスタを提供することであり、照射下でほとんどまたは全く膨張しない吸収材料を使用する。
この目的のために、本発明は、吸収棒の束を含む加圧水型原子炉用の吸収体クラスタを提供し、各吸収棒は、管状のシースと、管状のシースの内部に受け入れられた中性子吸収体要素のスタックによって形成された吸収体カラムとを含み、各吸収体体要素は、長手方向軸に沿って延在しており、吸収体要素の断面形状、組成および多孔度によって決定される断面構造を有しており、吸収体カラムは少なくとも2つの吸収体アセンブリを含み、各吸収体アセンブリは同じ断面構造を有する複数の吸収体要素からなり、クラスタは少なくとも第1の吸収体アセンブリと第2の吸収体アセンブリとを含み、同時に、第1の吸収体アセンブリおよび第2の吸収体アセンブリの各々の吸収体要素は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウムおよび六ホウ化サマリウムからなる中性子吸収材料の群から選択される同じ材料または材料の同じ組み合わせから作られ、第1の吸収体アセンブリの吸収体要素は第2の吸収体アセンブリの吸収体要素の断面構造と異なる断面構造を有している。
吸収体クラスタは、個々にまたは任意の技術的に実現可能な組み合わせで、以下の特徴の1つまたは複数を任意に含む。
− 第1のハフニウム酸サマリウムは、8%から20%の酸化サマリウムのモル含有量を有しており、第2のハフニウム酸サマリウムは、50%から60%の酸化サマリウムのモル含有量を有している。
− 第1のハフニウム酸ユーロピウムは、43%から54%の酸化ユーロピウムのモル含有量を有しており、第2のハフニウム酸ユーロピウムは、19%から26%の酸化ユーロピウムのモル含有量を有する。
− 少なくとも1つの吸収体アセンブリの吸収体要素は、第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムから作られる。
− 第1の吸収体アセンブリの吸収体要素は、専ら第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作製され、一方、第2の吸収体アセンブリの吸収体要素は、専ら炭化ハフニウムで作製される。
− 第1の吸収体アセンブリの吸収体要素および第2の吸収体アセンブリの吸収体要素は、別個の吸収棒に配置されている。
− 第2の吸収体アセンブリの吸収体要素を受け入れる吸収棒と同じ量の、第1の吸収体アセンブリの吸収体要素を受け入れる吸収棒を含む。
− 第1の吸収体アセンブリの吸収体要素および第2の吸収体アセンブリの吸収体要素は、2つずつ隣接する別個の吸収棒内に配置されている。
− 第1の吸収体アセンブリおよび第2の吸収体アセンブリを専ら含む。
− 専ら炭化ホウ素、六ホウ化サマリウム、または第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムから作製される吸収体要素を含む第3の吸収体アセンブリを含む。
− 第3の吸収体アセンブリの吸収体要素は、第1の吸収体アセンブリおよび第2の吸収体アセンブリの吸収体要素を受け入れる吸収棒内に、好ましくは吸収棒の上部に配置される。
− 第1の吸収体アセンブリおよび第2の吸収体アセンブリのうちの少なくとも1つの吸収体要素は、材料の群の複数の異なる材料を含み、および/または第1の吸収体アセンブリおよび第2の吸収体アセンブリのうちの少なくとも1つの吸収体要素は、材料の群の1つの材料のみを含む。
− 専ら同じ吸収体アセンブリの吸収体要素を含む少なくとも一つの吸収体カラムおよび/または少なくとも2つの別個の吸収体アセンブリの吸収体要素を含む少なくとも1つの吸収体カラムを含む。
− 第1の吸収体アセンブリ及び第2の吸収体アセンブリの吸収体要素は、同じ材料から、または材料の群の同じ材料の組み合わせから作られ、それらの断面の幾何学的形状および/または多孔率は異なる。
− 少なくとも1つの吸収体アセンブリの吸収体要素は、専ら第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムを含む。
− 少なくとも1つの吸収体アセンブリは、各々が1つの材料から、または材料の群からの材料の組み合わせから構成される複数の層を含む多層断面構造を有する吸収体要素を有しており、各吸収体要素は、別個の組成および/または別個の多孔性レベルの少なくとも二つの層を含む。
− 吸収体カラムに沿って繰り返しパターンで分布される、第1の吸収体アセンブリの吸収体要素および第2の吸収体アセンブリの吸収体要素を含む少なくとも1つの吸収体カラムを含む。
− 第1の吸収体アセンブリおよび第2の吸収体アセンブリの吸収体要素に含まれる第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウムおよび/、または六ホウ化サマリウムは、立方晶相にある。
本発明はまた、管状のシースと、シースの内部に収容された中性子吸収体要素のスタックによって形成された吸収体カラムとを含む、加圧水型原子炉用の吸収棒に関し、吸収体カラムは、少なくとも2つの吸収体要素を含み、各吸収体要素は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウムおよび六ホウ化サマリウムからなる中性子吸収材料の群から選択される材料または材料の組み合わせで作られ、吸収体要素は断面構造が異なる。
本発明およびその利点は、添付の図面を参照して、例としてのみ与えられる以下の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
核燃料アセンブリに部分的に挿入された、加圧水型原子炉用の本発明による可動吸収体クラスタの斜視図を示している。 図1のクラスタの吸収棒の軸方向断面における部分図を示している。 図2の棒に挿入され得る吸収体要素の断面図を示している。 図2の棒に挿入され得る吸収体要素の断面図を示している。 図2の棒に挿入され得る吸収体要素の断面図を示している。 本発明による固定吸収体クラスタの斜視図を示している。
図1に示す吸収体クラスタ2は、支持体4、および支持体4によって支持された吸収棒6の束を含む。
支持体4は、束の形態で吸収棒6を保持しており、吸収棒6は互いに平行であり、核燃料アセンブリ10の案内管8に嵌合するように配置されている。
運転中、吸収棒6は実質的に垂直に延在する。これ以降、「垂直」および「高さ」という用語は、吸収棒6の垂直に延在する方向を指す。
図1の吸収体クラスタ2の支持体4は星形をしている。これは、中央ポメル12を含み、そこから一般にフィンと呼ばれるアーム14が星形で延在している。各アーム14は、1つ以上の吸収棒6を支えている。
図2に示すように、各吸収棒6は、管状のシース16と、管状のシース16の内部に収容された吸収体カラム18とを含む。
吸収体カラム18は、中性子吸収材料で作られた吸収体要素20のスタックによって形成される。吸収体要素20は、管状のシース16内に垂直に積み重ねられている。
各吸収体要素20は、円筒形状を有しており、長手方向軸Aに沿って延在している。長手方向軸Aは、吸収体要素20が管状のシース16内に受け入れられるときに実質的に垂直である。
吸収体要素20は、円筒状ペレットまたは円筒形バーの部分または「バー(bars)」の形状を有している。好ましくは、吸収体要素20は円筒形のペレットである。
各吸収体要素20は、その長手方向軸Aに沿って取られる高さを有している。
各吸収体要素20は、吸収体要素20の長手方向軸Aに対して垂直に取られる断面を有している。
断面は特定の幾何学的形状を有している。断面は、例えば、管状または中実である。断面は、特に、外径、および必要に応じて内径によって特徴付けられる。
各吸収体要素20は、少なくとも1つの層を含む。各吸収体要素20は、長手方向軸Aに中心を合わせた単一または複数の同心の層を含む。層の数および層の厚さはまた、吸収体要素20の断面の形状を決定する。
吸収体要素20の2つの別個の層は、それらの組成(すなわち、これらの層を構成する材料または材料の組み合わせ)および/またはそれらの層の多孔率が異なる。
各吸収体要素20は、単一の材料または異なる材料の組み合わせから作られる。別個の材料は、別個の層に配置されるか、または同じ層に混合される。
各吸収体要素20は、断面の形状(中実、管状、外径、内径、層数、各層の厚さなど)、組成(材料または各層を構成する材料の組み合わせ)および多孔率(各層の多孔率)によって決定される断面構造を有している。
2つの吸収体要素20は、吸収体要素20が複数の層を含むときに、これらの断面構造が各層について同じ断面形状、組成、および多孔率を有する場合、同一の断面構造を有する。
2つの吸収体要素20は、吸収体要素がいくつかの層を含む場合、少なくとも1つの層について、それらが断面形状、組成および/または多孔率の少なくともいずれかによって異なる場合、異なる断面構造を有している。
吸収体クラスタ2の吸収体カラム18は、少なくとも2つの吸収体アセンブリ22、24、26を含み、各吸収体アセンブリ22、24、26は、同じ断面構造を有する複数の吸収体要素20からなる。
同じ吸収体アセンブリ22、24、26の吸収体要素20は、同じ断面構造を有するが、任意で異なる高さを有していてもよい。同じ吸収体アセンブリの吸収体要素20は、同一であるか、またはそれらの高さにおいてのみ異なる。
吸収体カラム18は、少なくとも第1の吸収体アセンブリ22および第2の吸収体アセンブリ24を含む。
第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウム、および六ホウ化サマリウムからなる中性子吸収材料の群から選択される同じ材料または材料の同じ組み合わせから作られる。
第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20はまた、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウムおよび六ホウ化サマリウムからなる中性子吸収材料の群から選択される同じ材料または材料の同じ組み合わせから作られる。
第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20は、それらの断面構造、すなわち、断面形状、組成および/または多孔率の少なくともいずれかによって、第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20と異なる。
「材料の組み合わせから作られた吸収体要素20」という表現は、一般に、吸収体要素20が、吸収体要素20の同じ層内で混合されている、および/または例えば、異なる吸収性材料で作られている吸収体要素20の別々の層で分離された複数の材料を含むことを意味する。
ここで使用される「同一」、「同じ材料」または「材料の同じ組み合わせ」、「同じ断面構造」、「同じ断面形状」および「同じ多孔率」という表現は、必要な製造公差または測定公差を含むことまで及ぶ。
ここで使用される「吸収体カラム18は、少なくとも2つの吸収体アセンブリ22、24、26を含む」という表現は、吸収体アセンブリ22、24、26が、総体的には吸収体クラスタ2の吸収体カラム18内に存在することを意味する。
各吸収体アセンブリ22、24、26は、同じ吸収体カラム18に配置されるいくつかの吸収体要素20および/または吸収体クラスタ2のいくつかの吸収体カラム18に分布されるいくつかの吸収体要素20を含む。
2つの吸収体アセンブリ22、24、26の吸収体要素20が別個のそれぞれの吸収体カラム18に含まれている、および/または2つの吸収体アセンブリ22、24、26の吸収体要素20が同じ吸収体カラム18に含まれていることが可能である。
「第1のハフニウム酸ユーロピウム」および「第2のハフニウム酸ユーロピウム」という表現は、酸化ハフニウム(HfO)と、異なる組成、および特に、別々の範囲に置かれるユーロピウムのモル含有量を有する酸化ユーロピウム(Eu)との間の反応によって形成される、2つの規定された化合物を意味する。
「規定された化合物」は、相変化が一定温度である化合物であることに留意されたい。相図上の垂直線は、規定された化合物の存在を示している。
好ましくは、第1のハフニウム酸ユーロピウムは、43%から54%の酸化ユーロピウムのモル含有量を有しており、一方、第2のハフニウム酸ユーロピウムは、19%から26%の酸化ユーロピウムのモル含有量を有している。これらの2つの材料は、異なる吸収容量および密度を有している。これらの2つの範囲において、照射下で膨張がないかまたはほとんどないという利点を有する立方晶相のハフニウム酸ユーロピウムを得ることが可能である。
同じ寸法の焼結ペレットの形態にあるハフニウム酸ユーロピウムは、炭化ホウ素よりもわずかに吸収性があり、および約4倍高密度である。
ハフニウム酸ユーロピウムは、ガス状の照射生成物を発生させず、鋼の溶融温度の規模である、少なくとも1300℃までステンレス鋼と反応せず、水との発熱反応を引き起こさない。
「第1のハフニウム酸サマリウム」および「第2のハフニウム酸サマリウム」という表現は、酸化ハフニウム(HfO)と、異なる組成、および特に、別々の範囲に置かれるサマリウムのモル含有量を有する酸化サマリウム(Sm)との間の反応によって形成される、2つの規定された化合物を意味する。
好ましくは、第1のハフニウム酸サマリウムは8%から20%の酸化サマリウムのモル含有量を有しており、一方、第2のハフニウム酸サマリウムは50%から60%の酸化サマリウムのモル含有量を有している。これらの2つの範囲において、照射下で膨張がないかまたはほとんどないという利点を有する立方晶相のハフニウム酸サマリウムを得ることが可能である。
ハフニウム酸サマリウムは、ガス状の照射生成物を発生させず、少なくとも1300℃までステンレス鋼と反応せず、水との発熱反応を引き起こさない。ハフニウム酸サマリウムは、SICバーと同じ寸法の焼結ペレットのスタックの形態にあるSICより密度が低く、ハフニウム酸サマリウムの理論密度は、SICの理論密度より約20%低い。
同じ大きさの焼結ペレットの形態では、第1のハフニウム酸サマリウムは、SICよりもいくらか少ない中性子を吸収し、一方、第2のハフニウム酸サマリウムは、SICよりもいくらか多い中性子を吸収し、吸収差はそれぞれ10%程度である。
第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび第2のハフニウム酸ユーロピウムは、互いに混和性であり、同様の焼結条件を有するので、これらの吸収体材料の2つ以上は、同じ焼結吸収体要素20において一緒に混合することができる。
同等の幾何学的形状において、炭化ハフニウム(HfC)は、5%の程度で、SICよりわずかに吸収性が低い。炭化ハフニウムの理論密度は、SICの理論密度より約20%高い。
炭化ハフニウムはガス状の照射生成物を発生させず、1300℃未満においてステンレス鋼のシースと反応せず、水との発熱反応を起こさず、自然には立方相である。
同じ寸法の焼結ペレットの形態では、六ホウ化サマリウム(SmB)は、炭化ホウ素よりもわずかに吸収性であり、3倍密度が高く、自然には立方相にある。
一実施形態において、ペレットは、必要であれば、多孔率を調整するための気孔形成剤および/または焼結添加剤の添加と共に、粉末焼結によって得られる。焼結は、1400℃から1700℃の温度で、ハフニウム酸ユーロピウムまたはハフニウム酸サマリウムについては空気の下で、六ホウ化サマリウムについては真空下または中性ガスの下で、連続的に、またはバッチで実行される。焼結は、炭化ハフニウムについては真空下で1900℃から2200℃の温度で、バッチ式に、または微粉砕された粉末(結晶子<50μm、好ましくは<20μm)から、または炭化ハフニウムを焼結するための1から2%のMoSiを添加することによって、実行される。
一実施形態では、吸収体クラスタ2の吸収体カラム18は、異なる第1の吸収体アセンブリ22および第2の吸収体アセンブリ24を含み、その吸収体要素20は、組成において、すなわち、材料の群から選択されるそれらの材料または材料の組み合わせによって異なる。
第1の吸収体アセンブリ22および第2の吸収体アセンブリ24は、1つまたは複数の吸収体カラム18に含まれる。
それぞれの吸収体カラム18において第1の吸収体アセンブリ22および第2の吸収体アセンブリ24を配置すること、または少なくとも1つの同じ吸収体カラム18において異なる第1の吸収体アセンブリ22および第2の吸収体アセンブリ24を有することが可能である。
第1の吸収体アセンブリ22および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素を含む少なくとも1つの吸収体カラム18を設けることが可能である。
第1の吸収体アセンブリ22または第2の吸収体アセンブリ24のいずれかのみの吸収体要素20をそれぞれ含む少なくとも2つの吸収体カラム18を設けることも可能である。
一実施形態では、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20は、専ら第1のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸サマリウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムの材料の群の中から作られ、一方、第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、専ら炭化ハフニウムで作られている。
一実施形態では、吸収体クラスタ2は、材料の群の中から、専ら第1のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸サマリウム、および/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られる第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20のみを含む吸収体カラム18と、材料の群の中から、専ら炭化ハフニウムで作られる第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20のみを含むもう一つの吸収体カラム18と、を含む。
二つの別個のカラムにおける、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20の配置は製造を容易にする。
これらの2つの吸収体カラム18は、好ましくは、SICを含む2つの同一の吸収体カラムの中性子吸収と実質的に等しい中性子吸収を得るために、吸収体クラスタ2の2つの隣接する吸収棒6の吸収体カラムである。
一般に、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、別個で隣接している二つ一組の吸収棒6に配置されている。第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20を含む各吸収棒6は、第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20を含む吸収棒6に隣接している。代替的にまたは任意に、少なくとも1つの吸収体カラム18は、一方では、材料の群から、専ら第1のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸サマリウムおよび/または第2のハフニウム酸サマリウムハフニウムで作られる第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20と、他方では、材料の群から、専ら炭化ハフニウムで作られた吸収体アセンブリ24の吸収体要素20とを含む。
一実施形態では、そのような吸収体カラム18において、第1の吸収体アセンブリ22の吸収要素20および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、吸収体カラム18に沿って分布されている。
この場合、好ましくは、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、吸収体カラム18において繰り返しパターンで分布されている。
第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20の異なる繰り返しパターンが考えられる。好ましくは、繰り返しパターンは、吸収体カラム18の全長にわたって所望の平均線形中性子吸収を得るために選択される。
第2のハフニウム酸サマリウムは、SICよりも吸収性ではあるが密度が低く、同時に炭化ハフニウムはSICよりも吸収性は低いが高密度であるので、この実施形態は、従って、SICの中性子吸収および質量と実質的に等しい中性子吸収および質量を有する既存の原子炉において、適切な割合で、第2のハフニウム酸サマリウム(第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素)および炭化ハフニウム(第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素)を混合することによって、SICを置き換えるために使用され得る。
新規な原子炉の場合、各吸収体材料の割合の調整は、原子炉の設計者によって定められる必要性に適合した質量および吸収を有する吸収体カラム18を得ることを可能にしている。
一実施形態では、図2に示すように、例えば専ら第1のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸サマリウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られる吸収体要素20によって形成される第1の吸収体アセンブリ22、および例えば専ら炭化ハフニウムで作られる吸収体要素20によって形成される第2の吸収体アセンブリ24に加えて、吸収体カラム18は、例えば専ら炭化ホウ素で作られる吸収体要素20によって形成される第3の吸収体アセンブリ26を含む。
そのような吸収体クラスタ2は、例えば、既存の原子炉において、その吸収体カラムがSICおよび炭化ホウ素を含有する吸収体クラスタを置き換えることを可能にしており、ここで、SICは、第1のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸サマリウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られた吸収体要素、および炭化ハフニウムで作られた吸収体要素の組み合わせによって置き換えられ、炭化ホウ素は保存される。
第1のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸サマリウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られた吸収体要素20(第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20)および/または炭化ハフニウムで作られた吸収体要素20(第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20)および炭化ホウ素で作られた吸収体要素20(第3の吸収体アセンブリ26の吸収体要素20)を含む吸収体カラム18において、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20および/または第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、好ましくは、吸収体カラム18の下部に配置され、一方、第3の吸収体アセンブリ26の吸収体要素20は、吸収体カラム18の上部に配置される。
一実施形態では、吸収体クラスタ2は、底部に第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20と、頂部に第3の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20を含む吸収体カラム18と、下部に第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20と、上部に第3の吸収体要素26の吸収体要素20を含む別の吸収体カラム18を含む。
これらの2つの吸収体カラム18は、好ましくは、吸収体クラスタ2の2つの隣接する吸収棒6の吸収体カラムである。
六ホウ化サマリウムは、少なくとも同等の吸収性に対するより高いクラスタ質量から恩恵を受けるために、第3の吸収体アセンブリ26内の炭化ホウ素を置換するために有利に使用され得る。
このようにして、上に示した様々な実施形態において、炭化ホウ素の全部または一部は、六ホウ化サマリウムで置き換えられてもよい。
代替的に、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、または目的とする質量および吸収性を達成するのに適切な組成である第1のハフニウム酸ユーロピウムと第2のハフニウム酸ユーロピウムとの組み合わせは、第3の吸収体アセンブリ26の吸収体要素20において炭化ホウ素の全部または一部を置き換えるために使用される。
特に、一実施形態では、吸収体クラスタ2の吸収体カラム18は、第1のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸サマリウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られた第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20と、炭化ハフニウムで作られた第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20とを含み、第1の吸収体アセンブリ22および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、吸収体カラム18の下部に配置され、第3の吸収体アセンブリ26は、吸収体カラム18の上部に配置され、および炭化ホウ素、六ホウ化サマリウムまたは第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび第2のハフニウム酸ユーロピウムから選択される材料または材料の組み合わせで作られる吸収体要素20からなる。
第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび第2のハフニウム酸ユーロピウムは、異なる吸収容量および異なる密度を有している。このようにして、それらの組み合わせは、全体として吸収体クラスタ2の中性子吸収と質量との間で満足のいく妥協を得ることを可能にしており、後者は、原子炉の緊急停止の場合における安全規則によって課される時間内に制御クラスタの降下を確実にするための制御クラスタの場合において十分となる。
一実施形態では、吸収体クラスタ2は、その吸収体要素20が専ら炭化ハフニウムで作られる第1の吸収体アセンブリ22と、その吸収体要素20が第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られる第2の吸収体アセンブリ24とを含む。第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、吸収棒6内で混合されるか、または吸収体クラスタ2の別個の吸収棒6に分配される。任意に、吸収体クラスタ2は、その吸収体要素20が六ホウ化サマリウムまたは第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られる第3の吸収体アセンブリ26をさらに含み、第3の吸収体アセンブリ26の吸収体要素20は、吸収体クラスタ2の各吸収棒6の上部に配置される。
吸収体クラスタ2の様々な吸収棒6の中性子吸収および/または質量を調整するために、吸収体要素20の断面の形状を変更することにより、および/または吸収体要素を構成する吸収性材料の理論密度に対する密度を調整するために吸収性材料の多孔率を変更することにより、吸収体要素20の断面構造を適合させることが可能である。
材料の群の中から同じ材料または材料の同じ組み合わせで作られているが、その断面構造は異なる幾何学的形状および/または異なる多孔率(それ故、密度)を有する吸収体要素20からなる吸収体アセンブリ22、24、26を準備することも可能であり、吸収体アセンブリの吸収体要素20は、材料の群の中から同じ材料または材料の同じ組み合わせで作られているにも関わらず、別の吸収体アセンブリの吸収体要素20のものとは異なる中性子吸収容量および/または質量を有している。
1つの吸収体要素20において、中性子はまず吸収体要素の周辺区域によって吸収され、次いで中心区域に達するまで中間区域を漸進的に通る。
一実施形態では、図3に示すように、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20は中実の円柱形であり、第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、図4に示すように管状の円筒形である。実施形態の変形では、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20および第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20は、同じ材料または材料の組み合わせから作られる。
択一的または任意的に、第1の吸収体アセンブリ22の吸収体要素20は、図3および図4に示すように、第2の吸収体アセンブリ24の吸収体要素20の外径D2より厳密に大きい外径D1を有している。
一実施形態では、少なくとも1つの吸収体アセンブリは、材料の群からの少なくとも2つの材料を含む吸収体要素20を含む。
一実施形態では、少なくとも1つの吸収体アセンブリは、第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび第2のハフニウム酸ユーロピウムの組み合わせ、または第1のハフニウム酸サマリウムおよび第2のハフニウム酸サマリウムの組み合わせを含む吸収体要素20を含むか。
一実施形態では、少なくとも1つの吸収体アセンブリは、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウムおよび第2のハフニウム酸サマリウムから選択される少なくとも2つのハフニウム酸塩を組み合わせて含む吸収体要素20を含む。
そのような吸収体要素20を得るために、様々な実施形態を実施することができる。
一実施形態では、吸収体要素20は均質であり、異なるハフニウム酸塩の粉末の所望の割合を有する混合物の中実の、または管状のペレットとして焼結することによって得られる。
一の実施形態では、図5に示すように、吸収体要素20は、例えば、少なくとも二つの重畳層は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウムおよび第1のハフニウム酸サマリウムおよび第2のハフニウム酸サマリウムの中から選択される異なるハフニウム酸塩で構成される。
図5に示した例では、吸収体要素20は、円柱状コア28上に配置された第1のハフニウム酸ユーロピウムE1で作られた層、第2のハフニウム酸ユーロピウムE2で作られた層、および第1のハフニウム酸サマリウムS1で作られた層、および第2のハフニウム酸サマリウムS2で作られた層を含む。層はここでは、同心であり、円筒形ペレットの形態にある吸収体要素20の軸Aを中心とする。
例えば層E1、E2、S1および/またはS2は、例えば、気相堆積または付加製造によって、円筒形コア28上に連続的に堆積される。コア22は、例えば、吸収性材料(HfO、HfC、・・・)または非吸収性材料(ZrO、C、・・・)で作られる。
代替的に、吸収体要素20は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウムおよび第2のハフニウム酸サマリウムの中から選択された異なるハフニウム酸塩からなる少なくとも二つの重畳層からなる管状の円筒形ペレットの形態で提供され、中央のコアはない。そのような吸収体要素20の層は、例えば付加製造により、任意でその後除去される可溶性コアまたは犠牲コア上に形成される。
連続する層の、断面形状(内径、外径、層数、各層の厚さ)、多孔率(密度)および組成(材料または材料の組み合わせ)は、その寿命を通してクラスタに要求される質量および中性子吸収を得るように適応される。
吸収棒6の管状のシース16は、好ましくはステンレス鋼シース、例えばAISI304またはAISI316Lのシース、またはハフニウムベースのシースである。
図1で示された吸収体クラスタ2は、原子炉炉心の反応度を調節することができるようにその吸収棒6を多かれ少なかれ核燃料アセンブリ10内へと運ぶように通常の原子炉運転の間に垂直に移動可能である可動吸収体クラスタ、若しくは制御または調整クラスタである。より低い吸収性を必要とする炉心内の位置については、クラスタ2の吸収棒のいくつかは鋼の棒で置き換えることができる。
あるいは、吸収体クラスタ2は、固定吸収体クラスタであり、その吸収棒6は、原子炉の通常運転の間に核燃料アセンブリ10内で永久的に降下されたままであり、核燃料アセンブリ10は、例えば、原子炉炉心の周囲に配置される。
そのような固定吸収体クラスタ2が図6に示されている。支持プレートの形態の支持体4によって支えられた吸収棒6を含む。支持バー42、および支持体4と支持バー42との間に介在された2つの同軸巻きばね44、46を含むプッシャーアセンブリ40も含む。ばね44、46は、支持バー42を支えることによって支持体4を下方に押すように設計されており、後者は原子炉の上部炉心プレートを支えている。
吸収棒6の数、吸収体カラム18の長さ、および吸収体材料(材料の群の吸収体または吸収体材料の組み合わせ)の性質は、所望の位置で目標の中性子吸収を得るように適合されている。固定吸収体クラスタの他のロッドは、例えば、プラグロッド48と呼ばれる短い鋼のロッドである。図6に示した吸収体クラスタ2は、吸収棒6およびプラグロッド48を備える。
本発明のおかげで、SICおよび/または炭化ホウ素を用いた吸収棒の中性子吸収容量と少なくとも等しい十分な中性子吸収能力を有する吸収棒6を得ること、同時に、いくつかの条件の下で可動クラスタの降下を確実にするために相当な質量を有する可動吸収体クラスタ2を得ることが可能である。
加えて、材料の群の吸収性材料は、特に原子炉内または工場製造内での事故およびアクシデントの場合に、より興味深い性能を得ることを可能にしている。
実際、これらの材料は、六ホウ化サマリウム(SmB6)とともに、ガス状の照射生成物を生成せず、高温よりも下でステンレス鋼のシースと反応せず、吸収棒の漏れの場合には水との発熱反応を有さない。
2 吸収体クラスタ
4 支持体
6 吸収棒
8 案内管
10 核燃料集合体
12 ポメル
14 アーム
16 管状のシース
18 吸収体カラム
20 吸収体要素
22 第1の吸収体アセンブリ
24 第2の吸収体アセンブリ
26 第3の吸収体アセンブリ
28 円筒状コア
42 支持バー
44 同軸巻きばね
46 同軸巻きばね
48 プラグロッド

Claims (19)

  1. 加圧水型原子炉用の吸収体クラスタ(2)であって、吸収棒(6)のクラスタを含み、各吸収棒(6)は、管状のシース(16)と、前記管状のシース(16)内に受け入れられる中性子吸収体要素(20)のスタックによって形成される吸収体カラム(18)とを含み、各吸収体要素(20)は、長手方向軸Aに沿って延在しており、且つ前記吸収体要素(20)の断面形状、組成および多孔率によって決定される断面構造を有しており、前記吸収体カラム(18)は、少なくとも二つの吸収体アセンブリ(22、24、26)を含み、各吸収体アセンブリ(22、24、26)は、同じ断面構造を有する複数の吸収体要素(20)からなり、
    前記クラスタは、少なくとも第1の吸収体アセンブリ(22)および第2の吸収体アセンブリ(24)を含み、同時に、前記第1の吸収体アセンブリ(22)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)のそれぞれの前記吸収体要素(20)は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウムおよび六ホウ化サマリウムからなる中性子吸収材料の群から選択される同じ材料または材料の同じ組み合わせから形成され、
    前記第1の吸収体アセンブリ(22)の前記吸収体要素(20)は、前記第2の吸収体アセンブリ(24)の前記吸収体要素(20)の断面構造とは異なる断面構造を有している、クラスタ。
  2. 前記第1のハフニウム酸サマリウムは、8%から20%の酸化サマリウムのモル含有量を有しており、一方、前記第2のハフニウム酸サマリウムは、50%から60%の酸化サマリウムのモル含有量を有している、請求項1に記載のクラスタ。
  3. 前記第1のハフニウム酸ユーロピウムは、43%から54%の酸化ユーロピウムのモル含有量を有しており、一方、前記第2のハフニウム酸ユーロピウムは、19%から26%の酸化ユーロピウムのモル含有量を有している、請求項1または2に記載のクラスタ。
  4. 少なくとも1つの吸収体アセンブリ(22、24、26)の前記吸収体要素(20)は、前記第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムから作られる、請求項1から3のいずれか一項に記載のクラスタ。
  5. 前記第1の吸収体アセンブリ(22)の前記吸収体要素(20)は、専ら第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られ、一方、前記第2の吸収体アセンブリ(24)の前記吸収体要素(20)は、専ら炭化ハフニウムで作られる、請求項1から4のいずれか一項に記載のクラスタ。
  6. 前記第1の吸収体アセンブリ(22)の前記吸収体要素(20)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)の前記吸収体要素(20)は、別個の吸収棒に配置されている、請求項5に記載のクラスタ。
  7. 前記第1の吸収体アセンブリ(22)の吸収体要素(20)を受け入れる吸収棒(6)を、前記第2の吸収体アセンブリ(24)の前記吸収体要素(20)を受け入れる吸収棒(6)と同じ量で含む、請求項6に記載のクラスタ。
  8. 前記第1の吸収体アセンブリ(22)の吸収体要素(20)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)の吸収体要素(20)は、二つ一組で隣接する別個の吸収棒に配置されている、請求項5から7のいずれか一項に記載のクラスタ。
  9. 専ら前記第1の吸収体アセンブリ(22)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)を含む、請求項5から8のいずれか一項に記載のクラスタ。
  10. 専ら炭化ホウ素、六ホウ化サマリウム、または第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムで作られる吸収体要素(20)を含む第3の吸収体アセンブリ(26)を含む、請求項5から9のいずれか一項に記載のクラスタ。
  11. 前記第3の吸収体アセンブリ(26)の前記吸収体要素(20)は、前記第1の吸収体アセンブリ(22)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)の前記吸収体要素(20)を受け入れる前記吸収棒に、好ましくは前記吸収棒の上部に配置されている、請求項10に記載のクラスタ。
  12. 前記第1の吸収体アセンブリ(22)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)の少なくとも1つの前記吸収体要素(20)は、材料の群の中から複数の異なる材料を含み、および/または前記第1の吸収体アセンブリ(22)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)の少なくとも1つの前記吸収体要素(20)は、材料の群の単一の材料を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のクラスタ。
  13. 同一の吸収体アセンブリ(22、24、26)の吸収体要素(20)を専ら含む少なくとも一つの吸収体カラム(18)および/または少なくとも二つの別個の吸収体アセンブリ(22、24、26)の吸収体要素(20)を含む少なくとも一つのカラム吸収体要素(18)を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のクラスタ。
  14. 前記第1の吸収体アセンブリ(22)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)の前記吸収体要素は、材料の群の同じ材料または材料の同じ組み合わせから作られており、それらの断面の形状および/または多孔率は異なっている、請求項1から13のいずれか一項に記載のクラスタ。
  15. 少なくとも1つの吸収体アセンブリ(22、24、26)の前記吸収体要素(20)は、専ら前記第1のハフニウム酸ユーロピウムおよび/または第2のハフニウム酸ユーロピウムを含む、請求項1ないし14のいずれか一項に記載のクラスタ。
  16. 少なくとも1つの吸収体アセンブリ(26)は、各々が材料の群の中からの一つの材料または材料の組み合わせで作られた複数の層を含む多層断面構造を有している吸収体要素(20)を有しており、各吸収体要素(20)は、別個の組成および/または別個の多孔率の少なくとも2つの層を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のクラスタ。
  17. 前記吸収体カラム(18)に沿って繰り返しパターンで分布されている、前記第1の吸収体アセンブリ(22)の吸収体要素(20)および前記第2の吸収体アセンブリ(24)の吸収体要素(20)を含む少なくとも1つの吸収体カラム(18)を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のクラスタ。
  18. 前記第1の吸収体アセンブリおよび前記第2の吸収体アセンブリ(22、24)の前記吸収体要素(20)に含まれる前記第1のハフニウム酸ユーロピウム、前記第2のハフニウム酸ユーロピウム、前記第1のハフニウム酸サマリウム、前記第2のハフニウム酸サマリウム、前記炭化ハフニウムおよび/または前記六ホウ化サマリウムが立方晶相にある、請求項1から17のいずれか一項に記載のクラスタ。
  19. 加圧水型原子炉用の吸収棒(6)であって、管状のシース(16)と、前記シース内に受け入れられる中性子吸収体要素(20)のスタックによって形成される吸収体カラム(18)とを含み、前記吸収体カラム(18)は、少なくとも二つの吸収体要素(20)を含み、各吸収体要素(20)は、第1のハフニウム酸ユーロピウム、第2のハフニウム酸ユーロピウム、第1のハフニウム酸サマリウム、第2のハフニウム酸サマリウム、炭化ハフニウムおよび六ホウ化サマリウムからなる中性子吸収材料の群から選択される材料または材料の組み合わせで作られており、前記吸収体要素(20)は、それらの断面構造が異なる。
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