JP2019501266A - アルカリ金属水酸化物の使用と、非水性変換剤の遅延添加とによるカルシウムスルホネートグリースの製造 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2016年4月15日に出願された米国特許出願第15/130,422号と、2016年1月7日に出願された米国特許出願第14/990,473号とについて優先権を主張しており、米国特許出願第13/664,768号(現在は、2016年10月4日に発行された米国特許第9,458,406号)と米国特許出願第13/664,574(現在は、2016年3月1日に発行された米国特許第9,273,265号)の一部継続出願である。これら2つの米国特許出願は共に、2012年10月31日に出願されており、2011年10月31日出願の米国特許仮出願第61/553,674号の利益を主張している。
本発明は、アルカリ金属水酸化物を添加して作られる過塩基性カルシウムスルホネートグリースに関しており、増ちょう剤収率(thickener yield)と滴点によって表される期待高温実用性の双方について、グリースを製造するために使用された油溶性過塩基性カルシウムスルホネートが低品質と認められる場合でさえも改善するものである。本発明は更に、付加アルカリ金属水酸化物と、非水性変換剤の遅延添加とを両方用いて製造された過塩基性カルシウムスルホネートグリースに関する。
過塩基性カルシウムスルホネートグリースは、長年にわたって確立されているグリースのカテゴリである。そのようなグリースを製造する1つの公知の方法は、「促進(promotion)」及び「変換(conversion)」の工程を含む二工程処理である。一般に、第1の工程(「促進」)は、塩基源としての酸化カルシウム(CaO)又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の化学量論過剰量を、アルキルベンゼンスルホン酸、二酸化炭素(CO2)、及び他の成分と反応させて、非晶性炭酸カルシウムが分散した油溶性過塩基性カルシウムスルホネートを生成するものである。これらの過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、一般に、澄明で輝いており、ニュートンレオロジーを有している。それらは、僅かに濁っている場合もあるが、そのようなばらつきは、過塩基性カルシウムスルホネートグリースの調製における使用を妨げるものではない。本開示の目的に関して、「過塩基性油溶性カルシウムスルホネート」及び「油溶性過塩基性カルシウムスルホネート」並びに「過塩基性カルシウムスルホネート」の用語は、カルシウムスルホネートグリースを製造するのに好適な任意の過塩基性カルシウムスルホネートを指す。
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、コンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物は、以下の成分を含む:(1)(最終グリースの重量比で)45%未満の過塩基性カルシウムスルホネート;(2)カルシウムヒドロキシアパタイト、付加炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、又は、それらの任意の組合せ;及び(3)アルカリ金属水酸化物。より好ましくは、コンプレックスカルシウムスルホネートグリースは更に、(4)1又は複数種の変換剤;及び(5)1又は複数種のコンプレックス化酸を含む。別の好ましい実施形態によれば、1又は複数種の変換剤は、水と、プロピレングリコール又はヘキシレングリコールのような少なくとも1種の非水性変換剤とを含む。必要に応じて、グリース組成物は、促進酸(facilitating acid)を含んでいてもよい。このような促進酸は、グリース構造形成を助ける。変換剤及びカルシウム含有塩基を含む、特定の成分の幾つか又は全ては、製造中における蒸発、揮発又は他の成分との反応に起因して最終製品に含まれなくてもよい。
カルシウムスルホネートグリース組成物は、好ましくは、本明細書に記載の本発明の方法に従って製造される。ある好ましい実施形態では、この方法は、(1)過塩基性カルシウムスルホネートと基油を混ぜる工程と、(2)アルカリ金属水酸化物を水に溶解させて、他の成分と混ぜる工程と、(3)1又は複数種のカルシウム含有塩基を添加して混ぜる工程と、(4)1又は複数種の変換剤を添加して混ぜる工程であって、変換前に添加されている場合には、工程cからの水を含んでよい、工程と、(5)1又は複数種のコンプレックス化酸を添加して混ぜる工程と、(6)変換が起こるまで、これらの成分の幾つかの組合せを加熱する工程と、を含む。この好ましい実施形態では、変換剤としての水の添加(水が変換剤として使用される場合)と、任意の非水性変換剤の任意の部分の添加(非水性変換剤が使用される場合)との間に遅延はない。別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、これらと同じ工程を含んでいるが、変換剤が水と少なくとも1種の非水性変換剤とを含んでおり、変換前の水の添加と、1又は複数種の他の非水性変換剤の少なくとも一部の添加との間に1又は複数の遅延期間が存在する点で異なる。言及を容易にするために、用語「アルカリ添加法(alkali addition method)」は、アルカリ金属水酸化物が非水性変換剤の遅延添加なしに添加される、本発明による方法の全ての好ましい実施形態を記載するために使用される。そして、用語「アルカリ/遅延添加法(alkali/delayed addition method)」は、アルカリ金属水酸化物の両方が添加され、変換剤としての水の添加と非水性変換剤の少なくとも一部の添加との間に少なくとも1つの遅延期間が存在するような、本発明による方法の全ての好ましい実施形態を記載するために使用される。用語「遅延添加法(delayed addition method)」は、アルカリ金属水酸化物添加を伴わない‘476出願の遅延非水性変換剤法を示すために使用される。
の前に、コンプレックス化酸の少なくとも一部が添加される。別の好ましい実施形態によれば、加熱の前に全てのコンプレックス化酸が添加される。アルカリ添加法とアルカリ/遅延添加法の更に別の好ましい実施態様によれば、付加炭酸カルシウムは、コンプレックス化酸と反応する付加カルシウム含有塩基として添加される場合、コンプレックス化酸の前に添加される。アルカリ添加法及びアルカリ/遅延添加法の更に別の好ましい実施形態によれば、カルシウムヒドロキシアパタイト、付加水酸化カルシウム及び付加炭酸カルシウムは全て、コンプレックス化酸と反応するカルシウム含有塩基として使用される。この実施形態では、コンプレックス化酸が変換前に添加される場合には、任意のコンプレックス化酸を添加する前に、カルシウムヒドロキシアパタイトと水酸化カルシウムの少なくとも一部とを添加し、コンプレックス化酸の少なくとも一部を添加した後に炭酸カルシウムを添加することが最も好ましい。アルカリ添加法及びアルカリ/遅延添加法の別の好ましい実施形態によれば、アルカリ金属水酸化物が溶解した水は、カルシウム含有塩基が添加された後に及び/又は変換前にコンプレックス化酸の一部が添加された後に添加される。別の好ましい実施形態によれば、溶解したアルカリ金属水酸化物(又は別々に添加されたアルカリ金属水酸化物)を有する水は、1又は複数種のコンプレックス化酸の少なくとも一部を添加する前に添加される。
(c)微粉カルシウムヒドロキシアパタイト及び水酸化カルシウムと、及び/又は、酸化カルシウムとを、後で添加されるコンプレックス化酸と完全に反応して中和するのに十分な量で混ぜる工程であって、水酸化カルシウム及び/又は酸化カルシウムは、好ましくは、付加水酸化カルシウム及び/又は酸化カルシウムとカルシウムヒドロキシアパタイトとの総量によって与えられる水酸化物等価塩基性(hydroxide equivalent basicity)の75%以下の量で存在する、工程;(d)本発明の別の実施形態に基づいて、付加炭酸カルシウムを変換後に混ぜる工程;(e)本発明の更に別の実施形態に基づいて、変換後のカルシウムヒドロキシアパタイトを、変換後に添加された任意のコンプレックス化酸と完全に反応して中和するのに十分な量で混ぜる工程;(f)不油溶性固体カルシウム含有塩基として微粉炭酸カルシウムを変換前に混合し、その後に添加されたコンプレックス化酸と十分に反応して中和するには不十分な量で微粉水酸化カルシウムアパタイト及び水酸化カルシウムと及び/又は酸化カルシウムとを混ぜる工程であって、水酸化カルシウム及び/又は酸化カルシウムは、好ましくは、付加水酸化カルシウム及び/又は酸化カルシウムとカルシウムヒドロキシアパタイトとの合計との総量で与えられる水酸化物等価塩基性の75%以下の量で存在しており、予め添加された炭酸カルシウムは、その後に添加される任意のコンプレックス化酸における、カルシウムヒドロキシアパタイト及び水酸化カルシウムと及び/又は酸化カルシウムとによって中和されていない部分と完全に反応して中和するのに十分な量で添加される、工程。
‘768出願の組成物に基づくカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを以下のように作製した。264.61グラムの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて、100Fで約600SUSの粘度を有する327.55gの溶剤中性グループ1パラフィン系基油と、100℃で4cStの粘度を有する11.70gのPAOと加えた。400TBN過塩基性油溶性のカルシウムスルホネートは、768出願の実施例10及び実施例11で以前に記載及び使用されたものと同様な低品質カルシウムスルホネートであった。加熱せずに混合は、遊星撹拌パドル(planetary mixing paddle)を用いて開始した。次に、23.94グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、約1乃至5ミクロンの平均粒子サイズを有する50.65グラムのカルシウムヒドロキシアパタイトと、約1乃至5ミクロンの平均粒子サイズを有する3.63グラムの食品グレード純度水酸化カルシウムとを添加し、30分間混ぜた。別個の成分として添加された水酸化カルシウムの量は、過塩基性スルホン酸カルシウム中に含まれる残留水酸化カルシウムの量に足される。次に、0.88グラムの氷酢酸と、10.53グラムの12−ヒドロキシステアリン酸を添加して、10分間混ぜた。次に、約1乃至5ミクロンの平均粒子サイズを有する55.03グラムの微粉炭酸カルシウムを添加し、5分間混ぜた。別個の成分として添加された炭酸カルシウムの量は、過塩基性スルホン酸カルシウムに含まれる分散炭酸カルシウムの量に足される。次に、13.20グラムのヘキシレングリコール(非水性変換剤)と、38.22グラムの水とを実質的に同時に(遅延期間なしで)添加した。温度が190Fに達するまで、混合物を加熱した。フーリエ変換赤外(FTIR)分光法が非晶質炭酸カルシウムの結晶性炭酸カルシウム(カルサイト)への変換が起こることを示すまで、190Fと200Fの間に温度を45分間保持した。
実施例1Aのグリースと同じ装置、原料、量及び製造方法を用い別のカルシウムコンプレックスグリースを作製したが、非水系変換剤(ヘキシレングリコール)の添加を遅延させた。他の開始成分(水を含む)を混合し、約190°Fの温度に加熱し(第1温度調節遅延期間)、190°Fに達した直後にヘキシレングリコールを添加した(保持遅延期間なし)。ヘキシレングリコールを添加すると、変換が急に起こった。190乃至200Fでグリースを更に45分間保持した。その後の残りのプロセスは、先の実施例1のグリースと同じとした。最終的なグリースの60往復混和ちょう度は、290であった。最終グリース中の過塩基性油溶性スルホン酸カルシウムの割合は21.4%であった。滴点は、>650Fであった。このように、この実施例のグリースは、混和ちょう度と比較して過塩基性カルシウムスルホネートの最終割合がより低いことによって立証されるように、先の実施例1のグリースと比較して改善された増ちょう剤収率を有していた。
アルカリ金属水酸化物を水に添加する以外は、非水系変換剤の添加を遅延させることを含めて実施例1Bのグリースと同様にして、別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。グリースを次のように作製した。240.35gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約600SUSの粘度を有する345.33gの溶剤中性グループ1パラフィン系基油と、100℃で4cStの粘度を有する10.79グラムのPAOとを添加した。400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、米国特許出願第13/664,768号の実施例10及び11において以前に記載及び使用されたものと同様な低品質のカルシウムスルホネートであった。加熱せずに混合を、遊星撹拌パドルを用いて開始した。次に、21.81グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する46.14グラムのカルシウムヒドロキシアパタイトと、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する3.34グラムの食品グレード純度水酸化カルシウムとを添加し、30分間混ぜた。次に、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する50.20グラムの微粉炭酸カルシウムを添加し、5分間混ぜた。次に、0.41グラムの水酸化ナトリウム粉末が溶解した35グラムの水を添加した。
先の実施例2のグリースと同様に他のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。唯一の有意な違いは、(如何なる加熱の前において)混合物がまだ周囲の実験室温度であった間に、プロセスの開始時に、コンプレックス化酸の酢酸及び12−ヒドロキシステアリン酸の最初の部が添加されたことであった。先の実施例2のグリースと同様に、このグリースはアルカリ/遅延添加法の実施形態を使用した。更に、バッチが最終加熱工程中に過熱されないように注意した。
別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを、先の実施例のグリースと同様な方法で作製したが、異なる基油を使用し、異なる非水系変換剤を使用し、ホウ酸を使用せず、アルカリ金属水酸化物を添加せず、水の添加と非水系変換剤の添加の間に遅延時間はなかった。この実施例のグリースは、アルカリ金属水酸化物が添加され、水の添加と非水性変換剤の添加の間に少なくとも1つの遅延期間が存在する、本明細書に記載の他の例のグリースとの比較の基準として役立つ。
別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを、前の実施例4のグリースと同様にして作製したが、アルカリ金属水酸化物を添加し、水の添加と非水性変換剤の添加の間に遅延があった。使用したアルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウムであり、最終グリース中のその濃度は0.03%であった。また、非水性変換剤(プロピレングリコール)の量は、アルカリ/遅延添加法の実施形態が使用された先の実施例2及び実施例3のグリースで実測したものと一致しており、前の実施例4のグリースに比べて約2倍であった。
水酸化ナトリウムの量を2倍にしたこと以外は、先の実施例5のグリースと同様にして、別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。最終グリース中の水酸化ナトリウム濃度は、0.06%であった。グリースを次のようにして調製した。297.40グラムの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約352SUSの粘度を有する360.93gのUSP純度白色パラフィン系鉱基油を加えた。過塩基性カルシウムスルホネートは、NSF H−1認可食品グレードのグリースを製造するのに適したNSF HX−1食品グレード認可過塩基性カルシウムスルホネートであり、‘768出願で定義されたように高品質であった。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、27.13グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混合した後、5ミクロン未満の平均粒径を有する50.63グラムのカルシウムヒドロキシアパタイトと、5ミクロン未満の平均粒径を有する4.20グラムの食品グレード純度水酸化カルシウムとを添加し、30分間混ぜた。次に、0.95グラムの氷酢酸と、11.92グラムの12−ヒドロキシステアリン酸とを加えて、15分間混ぜた。次に、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する55.14グラムの微粉炭酸カルシウムを添加し、5分間混ぜた。次に、0.88gの水酸化ナトリウム粉末が溶解した水39.2gを添加した。温度が190〜200Fに達するまで、撹拌を続けながら混合物を加熱した(第1温度調節遅延期間)。温度が約184Fに達すると、ホイップクリームの外観が観察されたことが認められた。190乃至200Fで35分間混合した後(第1保持遅延期間)、蒸発により失われた水と置き換わる水20mlを追加した。その後まもなく、ホイップクリームの外観が治まって、30.25gのプロピレングリコールを非水性変換剤として添加した。目に見える変換と増粘が20分後に始まった。蒸発損失のために10mlの水を更に加えた。
先の実施例6のグリースと同様にして別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。このグリースと先の実施例6のグリースとの間の唯一の有意な違いは、このグリースが最初の加熱期間中に160乃至170Fで1時間保持されたことであった。グリースを、次のようにして調製した。297.79gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約352SUSの粘度を有する362.02gのUSP純度白色パラフィン系鉱基油を加えた。過塩基性カルシウムスルホネートは、NSF H−1認可食品グレードのグリースを製造するのに適したNSF HX−1食品グレード認可過塩基性カルシウムスルホネートであり、‘768出願で定義されたように高品質であった。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、27.01グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する50.64グラムのカルシウムヒドロキシアパタイトと、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する4.14グラムの食品グレード純度水酸化カルシウムを添加し、30分間混ぜた。次に、0.94グラムの氷酢酸と、11.92グラムの12−ヒドロキシステアリン酸を添加し、15分間混ぜた。次に、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する55.37グラムの微粉炭酸カルシウムを添加し、5分間混ぜた。次に、0.88gの水酸化ナトリウム粉末が溶解した水39.1gを添加した。温度が160乃至170Fになるまで、混ぜ続けながら混合物を加熱した(第1温度調節遅延時間)。この間、ホイップクリームの外観がもたらされたことが認められた。160乃至170Fで1時間混合した後(第1保持遅延期間)、190乃至200Fに加熱し(第2温度調節遅延時間)、30.14グラムのプロピレングリコールを非水系変換剤として添加した。
水酸化ナトリウムの代わりに水酸化アルカリ一水和物をアルカリ金属水酸化物として使用した以外は、実施例6のグリースと同様にしてカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。最終グリースにおける一水和物形態に基づく水酸化リチウム濃度は0.06%であった。グリースを次のように作製した。298.61gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加えて、続いて100Fで約352SUSの粘度を有する362.54グラムのUSP純度白色パラフィン系鉱基油を加えた。過塩基性カルシウムスルホネートは、NSF H−1認可食品グレードグリースを製造するのに適したNSF HX−1食品グレード認可過塩基性カルシウムスルホネートであり、‘768出願で定義されたように高品質であった。混合を加熱なしで、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、27.03グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混合した後、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する50.62グラムのカルシウムヒドロキシアパタイトと、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する4.11グラムの食品グレードの純度水酸化カルシウムとを添加して、30分間混ぜた。次に、0.97グラムの氷酢酸と、11.96グラムの12−ヒドロキシステアリン酸とを添加し、15分間混ぜた。次に、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する55.05グラムの微粉炭酸カルシウムを添加し、5分間混ぜた。次に、0.88グラムの水酸化リチウム一水和物粉末が溶解した39.55グラムの水を添加した。温度が190乃至200Fに達するまで、混ぜながら混合物を加熱した(第1温度調節遅延期間)。温度が約170Fに達すると、ホイップクリームの外観が観察されたことが認められた。190乃至200Fで45分間混ぜた後(第1保持遅延期間)、蒸発により失われた水と置き換わる30mlの水を追加し、30.01gのプロピレングリコールを添加した。また、その時点でホイップクリームの外観が治まっていることが観察された。
付加アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを使用したことを除いて、先の実施例6のグリースと同様の方法で、別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。水酸化カリウムを47.9%水溶液の形で導入した。この溶液の添加量は、水酸化カリウムの濃度と、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの分子量の差の両方を補償するように調整された。これは、実施例6のグリースと同様に、このグリースの付加水酸化物のモル量をほぼ同じにするように行った。最終グリースの水酸化カリウム濃度は0.20%であった。グリースを以下のようにして調製した。302.52gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加えて、続いて100Fで約352SUSの粘度を有する357.60gのUSP純度白色パラフィン系鉱基油を加えた。過塩基性カルシウムスルホネートは、NSF H−1認可食品グレードのグリースを製造するのに適したNSF HX−1食品グレード認可過塩基性カルシウムスルホネートであって、‘768出願で定義されたように高品質であった。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、27.04グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、5ミクロン未満の平均粒径を有する50.63グラムのカルシウムヒドロキシアパタイトと、5ミクロン未満の平均粒径を有する4.09グラムの食品グレード純度水酸化カルシウムを添加し、30分間混ぜた。次に、0.96グラムの氷酢酸及び11.94グラムの12−ヒドロキシステアリン酸を添加し、15分間混ぜた。次に、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する55.00グラムの微粉炭酸カルシウムを添加し、5分間混ぜた。その後、2.67gの47.9%水酸化カリウム水溶液を混合した水39.00gを添加した。
別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを、先の実施例6のグリースと同様に作製したが、より多くの基油を最初に添加し、過塩基性カルシウムスルホネート、C12アルキルベンゼンスルホン酸、プロピレングリコール変換剤、12−ヒドロキシステアリン酸及び酢酸の量は、付加水酸化カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、付加炭酸カルシウム及びリン酸の量と比較して相対的に低減した。グリースを以下のように製造した。233.60gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約352SUSの粘度を有する422.48gのUSP純度白色パラフィン系鉱基油を加えた。過塩基性カルシウムスルホネートは、NSF H−1認可食品グレードグリースを製造するのに適したNSF HX−1食品グレード認可過塩基性カルシウムスルホネートであり、‘768出願で定義されたように高品質であった。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、21.04グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する50.69gのカルシウムヒドロキシアパタイトと、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する4.10gの食品グレード純度水酸化カルシウムを添加し、30分間混ぜた。次に、0.72グラムの氷酢酸と9.32グラムの12−ヒドロキシステアリン酸とを添加し、15分間混ぜた。次に、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する55.22gの微粉炭酸カルシウムを添加し、5分間混ぜた。次に、0.88gの水酸化ナトリウム粉末を溶解した水39.1gを添加した。温度が190乃至200Fに達するまで、混ぜ続けながら混合物を加熱した(第1温度調節遅延期間)。温度が約180Fに達すると、ホイップクリームの外観が観察されたことが認められた。190乃至200Fで40分間混合した後(第1保持遅延期間)、蒸発により失われた水と置き換わる20mlの水を追加し、23.13gのプロピレングリコールを添加した。この時点でホイップクリームの外観が治まっていることも観察された。
別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを米国特許第4,560,489号(1985年12月24日にWitco Corporationに発行)の実施形態と似たように、‘476出願の実施例18に記載されているように作製した。‘489特許に開示されているように、このグリースにおけるコンプレックス化酸との反応のために添加された唯一のカルシウム含有塩基は水酸化カルシウムであった。このグリースは、次の2つの実施例の基準として働く。
先グリースと同様の方法で別のグリースを作製したが、このグリースでは、混合物が190乃至200Fに加熱されるまで、非水性変換剤のヘキシレングリコールの添加を遅らせた。更に、このグリースは、最初の変換が起こった後であって、水酸化カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸、又は酢酸が添加される前に、190乃至200Fで添加された水の第2の部に少量の水酸化ナトリウムが溶解していた。最終グリース中の水酸化ナトリウム濃度は0.08%であった。グリースを以下のように作製した。430.36グラムの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100°Fで約600SUSの粘度を有する383.79グラムの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を加えた。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。400TBNの過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768出願の実施例4及び実施例12で以前に記載及び使用されたものと同様の高品質のカルシウムスルホネートであった。次に、17.64グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。
前のグリースと同様の方法で別のグリースを作製し、混合物が190乃至200Fに加熱されるまで、非水性変換剤であるヘキシレングリコールの添加を遅延させた(第1温度調節遅延時間)。しかしながら、このグリースでは、少量の水酸化ナトリウムを、バッチの加熱が始まる前に周囲温度で添加された水の最初の部に溶解させた。ここでも、最終グリース中の水酸化ナトリウム濃度は0.08%であった。グリースを以下のように製造した。440.24gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約600SUSの粘度を有する385.62gの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を添加した。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。400TBNの過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768出願の実施例4及び実施例12で以前に記載及び使用されたものと同様な高品質のカルシウムスルホネートであった。次に、17.61グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、44.48グラムの水に0.88グラムの水酸化ナトリウム粉末が溶解したものを添加した。その後、温度が190乃至200Fに達するまで、混ぜながらバッチを加熱した(第1温度調節遅延期間)。温度が190Fに達すると、5.50グラムの氷酢酸を加え、5分間混ぜた。次に、温度を190乃至200Fに保持しながら、14.64グラムのヘキシレングリコールを添加した。ここでも、190乃至200Fの第1温度範囲に達してから非水性変換剤を添加するまでの5分間のインターバルは非常に短いので、保持遅延期間とはみなされない。グリース構造への目に見える変換が観察されると、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法が非晶質炭酸カルシウムの結晶性炭酸カルシウム(カルサイト)への変換が起こることを示すまで、190F乃至200Fで45分間温度を保持した。
付加炭酸カルシウムがグリース中に別個に添加された成分である米国特許第9,273,265号に開示された組成物及び方法に従って、カルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。このグリースは、アルカリ金属水酸化物の添加又は遅延期間を含まなかった。このグリースは次のグリースと共に、比較の基準として働く。グリースを以下のように作製した。310.25グラムの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約600SUSの粘度を有する368.14グラムの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を添加した。400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768出願の実施例4及び実施例12において先に記載及び使用されたものと同様な高品質のカルシウムスルホネートであった。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、31.31グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する75.03gの微粉結晶性炭酸カルシウムを添加し、20分間混ぜた。この炭酸カルシウムは、過塩基性カルシウムスルホネートに含まれる非晶質炭酸カルシウムの量に加えて添加された。次に、0.85グラムの氷酢酸と、8.09グラムの12−ヒドロキシステアリン酸とを添加した。混合物を10分間撹拌した。次に、15.83グラムのヘキシレングリコールと40.1グラムの水とを添加し(遅延期間なし)、混ぜ続けながら、190F乃至200Fの温度に混合物を加熱した。加熱工程の間に、混合物は約160Fでグリース構造に見るからに変換したことが認められた。グリースが190乃至200Fに達すると、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法は蒸発のために水の大半が失われたことを示した。水20mlを更に加えた。
別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを、先の実施例14のグリースと同じ方法及び同じ組成に基づいて作製した。この実施例15のグリース及び前の実施例14のグリースは、次の2つのグリースの比較の基準を提供する。グリースを次のように作製した。310.19gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約600SUSの粘度を有する367.82gの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を加えた。400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768の実施例4及び実施例12で以前に記載及び使用されたものと同様な高品質のカルシウムスルホネートであった。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、31.28グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する75.31グラムの微粉結晶性炭酸カルシウムを添加し、20分間混ぜた。この炭酸カルシウムは、過塩基性カルシウムスルホネートに含まれる非晶質炭酸カルシウムに加えて添加された。次に、0.84グラムの氷酢酸と8.10グラムの12−ヒドロキシステアリン酸とを添加した。混合物を10分間撹拌した。次に、15.73グラムのヘキシレングリコールと41.2グラムの水とを加えて混ぜながら、混合物を190F乃至200Fの温度に加熱した。加熱工程の間に、混合物は約170°でグリース構造に見るからに変換したことが認められた。グリースが190乃至200Fに達すると、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法は、蒸発のために水の大半が失われたことを示した。水20mlを更に加えた。
別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを、先の2つのグリースと同様に作製した。しかしながら、非水性変換剤であるヘキシレングリコールは、水と共に最初に添加されなかった。代わりに、混合物を190乃至200Fに加熱し(第1温度調節遅延期間)、その温度範囲で1時間保持した後に(第1保持遅延期間)添加した。このグリースにはアルカリ金属水酸化物を添加しなかった。グリースを次のようにして調製した。310.27gの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約600SUSの粘度を有する368.06gの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を加えた。400TBNの過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768出願の実施例4及び実施例12にて以前に記載及び使用されたものと同様の高品質のカルシウムスルホネートであった。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。次に、31.18グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する75.29gの微粉結晶性炭酸カルシウムを添加し、20分間混ぜた。この炭酸カルシウムは、過塩基性カルシウムスルホネートに含まれる非晶質炭酸カルシウムに加えて添加された。次に、0.85グラムの氷酢酸と8.11グラムの12−ヒドロキシステアリン酸とを添加した。混合物を10分間撹拌した。その後、41.2グラムの水を変換剤として添加し、混合物を混ぜながら190F乃至200Fの温度まで加熱した(第1温度調節遅延期間)。混合物をこの温度範囲で1時間混ぜた(第1保持遅延時間)。その間、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法は、蒸発により水が失われていることを示した。30mlの水を更に添加した。
別のカルシウムスルホネートコンプレックスグリースを、前の実施例16と同様に作製した。しかしながら、このグリースは、アルカリ/遅延添加法の実施形態を使用した。非水系変換剤であるヘキシレングリコールを、水と共に最初に加えず、190乃至200Fに混合物を加熱した後に添加した(第1温度調節遅延期間)。また、最初に添加された水は、非常に少量の水酸化ナトリウムを含んでいた。最終グリース中の水酸化ナトリウム濃度は0.08%であった。このグリースのバッチサイズを、実施例14乃至16のグリースと比較して50%増加させたことに留意のこと。しかしながら、各成分の割合とその他のプロセス工程の詳細とには、有意な違いはなかった。
米国特許第5,308,514号及び米国特許第5,338,467号(夫々、1994年5月3日と1994年8月16日にWitco Corporationに対して発行)の範囲に従って、カルシウムスルホネートコンプレックスグリースを作製した。これら特許では、長鎖脂肪酸の少なくとも一部が変換前に添加され、変換剤として作用でき、そして、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムのみが、コンプレックス化酸と反応するカルシウム含有塩基として添加される(‘768出願のようなカルシウムヒドロキシアパタイト又は付加炭酸カルシウムはない)。この実施例は、‘476出願の実施例6Aと同じであり、12−ヒドロキシステアリン酸の総量の54.1%と氷酢酸の全てとを変換前に添加した。残りの量の12−ヒドロキシステアリン酸を、変換後に添加し、続いて水酸化カルシウムとホウ酸水混合物とを添加した。また、アルカリ金属水酸化物は添加されず、水の添加と主たる非水性変換剤の添加の間に遅延はなかった。このグリースは比較の基準として働く。
実施例18のグリースと同じ装置、原料、量及び製造プロセスを用いて別のカルシウムコンプレックスグリースを作製したが、水の添加と非水性変換剤としてのヘキシレングリコールの添加の間に、第1温度調節遅延期間(190乃至200への加熱)と第1保持遅延期間(190乃至200での1時間の保持)とが存在した。アルカリ金属水酸化物を添加しなかった。ヘキシレングリコールを添加すると、変換が完了したように見えるまで190F乃至200Fにグリースを保持した。その後の残りのプロセスは、先の実施例18のグリースと同じであった。最終的なグリースの60往復混和ちょう度は281であった。最終グリース中の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートの割合は27.60%であった。滴点は>650Fであった。このように、この実施例のグリースは、本質的に同じ割合の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを有しているにも拘わらず、ちょう度がより硬いことによって証明されるように、先の実施例18のグリースに比べて改善された増ちょう剤収率を有していた。実際に、混和ちょう度と過塩基性カルシウムスルホネートの濃度の割合との間の慣習的な逆線形関係を用いると、十分な基油で希釈して、実施例18のグリースと同じ混和ちょう度を得るならば、実施例19のグリース中の過塩基性カルシウムスルホネートの予測される割合は24.2%であろう。
混合物が190乃至200Fに加熱されるまで、非水性変換剤であるヘキシレングリコールの添加が遅延するという点で先の実施例19のグリースと同様な方法で別のグリースを作製した。しかしながら、このグリースでは、バッチの加熱が始まる前に周囲温度で添加された水の最初の部に少量の水酸化ナトリウムが溶解していた。また、190乃至200Fの温度範囲に達すると、1時間の保持遅延時間がなかった。代わりにその温度範囲が達成されると、ヘキシレングリコールを直ぐに添加した。これは、先の実施例7のグリースで観察されたものである。当該グリースでは、アルカリ金属水酸化物を更に添加した場合にて、非水系変換剤についての保持温度遅延は増ちょう剤収率の最も高い改善をもたらさないことが観察されている。
別のグリースを、先の実施例20のグリースとほぼ同じように作製した。唯一の有意な違いは、変換が完了した後、水酸化ナトリウムの水との混合物を加えたことである。次に、12−ヒドロキシステアリン酸の第2の部と、ホウ酸の熱湯との混合物とを添加した。最終的なグリースの60往復混和ちょう度が285であった。滴点は、>650Fであった。最終グリース中の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートの割合は27.40%であった。最終グリース中の水酸化ナトリウムの濃度は0.06%であった。このように、実施例19、実施例20、及び実施例21のグリースの増ちょう剤収率は、全て実施例18の基準グリースよりも顕著に優れていた。しかしながら、高品質の過塩基性カルシウムスルホネートを使用した場合には、アルカリ/遅延添加法の実施態様の使用は、‘476出願の遅延添加法だけで得られたものを大きく超える増ちょう剤収率の向上をもたらさなかった。これは、高品質の過塩基性カルシウムスルホネートの代わりに低品質の過塩基性カルシウムスルホネートを使用する場合に、アルカリ金属水酸化物添加及び/又は遅延非水性変換剤法で増ちょう剤収率を最も改善できることを示すようである。
米国特許第3,377,283号及び米国特許第3,492,231号(夫々、1968年4月9日及び1970年1月27日にLubrizol Corporationに発行された)の範囲に従って、遅延又はアルカリ金属水酸化物の添加なしに、次の3つのグリースの比較の基準として使用するために、単純カルシウムスルホネートグリースを作製した。グリースを以下のように製造した。496.49グラムの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約600SUSの粘度を有する394.45グラムの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を添加した。混合を加熱せずに、遊星混合パドルを用いて開始した。400TBNの過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768出願の実施例4及び実施例12で以前に記載及び使用されたものと同様の高品質のカルシウムスルホネートであった。次に、20.23グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、44.23グラムの水を加え、続いて16.57グラムのヘキシレングリコール(主変換剤)を添加した。次に、温度が190Fに達するまで、混ぜながらバッチを加熱した。温度が190Fに達すると、6.20グラムの氷酢酸を添加した。グリース構造への目に見える変換が観察されると、過塩基性スルホン酸カルシウム中に含まれている非晶質炭酸カルシウムの結晶性炭酸カルシウム(カルサイト)への変換が起こったことをフーリエ変換赤外(FTIR)分光法が示すまで、温度を190F乃至200Fの間で45分間保持したこの間に、10mlの水を更に加えた。次に、得られたグリースを330Fに加熱した。次に、加熱マントルを取り外し、グリースを外気中で攪拌し続けて冷却した。温度が200Fに達すると、2.34グラムのアリールアミン系酸化防止剤を添加した。グリースが170Fに冷めると、それをミキサーから取り出し、3本ロールミルに3回通過させて、滑らかで均一な質感を最終的に達成した。このグリースの60往復混和ちょう度は331であった。最終グリース中の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートの割合は、53.03%であり、滴点は、>650Fであった。
別の単純カルシウムスルホネートグリースを、水の添加と非水性変換剤の添加の間に遅延期間が存在することを除いて、先の実施例22のグリースと同様にして作製した。この実施例では、アルカリ金属水酸化物を添加しなかった。グリースを以下のように作製した。495.41グラムの400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、続いて100Fで約600SUSの粘度を有する391.96グラムの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を加えた。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。400TBN過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768出願の実施例4及び実施例12で以前に記載及び使用されたものと同様の高品質のカルシウムスルホネートであった。次に、19.65グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混ぜた後、44.42グラムの水を添加した。その後、混合物を160Fに加熱し(第1温度調節遅延期間)、160Fと170Fの間で2時間30分保持した(第1保持遅延期間)。この時間中に、最初に添加された水の大半が蒸発したので、50mlの水が更に加えられた。その後、バッチを190F(第2温度調節遅延時間)に加熱し、16.53グラムのヘキシレングリコール(主変換剤)を、続いて6.34グラムの氷酢酸を添加した。
別の単純カルシウムスルホネートグリースを、先の実施例23のグリースと同様の方法で作製したが、水の添加と非水性転変換剤との添加の間で異なる遅延時間を使用し、また、少量の水酸化ナトリウムを添加した。最終グリース中の水酸化ナトリウムの濃度は0.09%であった。グリースを次のように作製した。495.18gの400TBNの過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを開放混合容器に加え、100Fで約600SUSの粘度を有する392.56gの溶剤中性グレード1パラフィン系基油を加えた。混合を加熱することなく、遊星混合パドルを用いて開始した。400TBNの過塩基性油溶性カルシウムスルホネートは、‘768出願の実施例4及び実施例12で以前に記載及び使用されたものと同様な高品質のカルシウムスルホネートであった。次に、20.31グラムの主C12アルキルベンゼンスルホン酸を添加した。20分間混合した後、0.88グラムの水酸化ナトリウム粉末を44.0グラムの水に溶解させ、得られた溶液を添加した。次に、混合物を190Fに加熱し(第1温度調節遅延期間)、16.73グラムのヘキシレングリコール及び6.16グラムの氷酢酸を添加した。
Claims (44)
- コンプレックス過塩基性カルシウムスルホネートグリースを製造する方法であって、
非晶質炭酸カルシウムが分散した或る量の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを、基油及び1又は複数種の変換剤と混合して変換前混合物を形成する工程と、
非晶質炭酸カルシウムの結晶性炭酸カルシウムへの変換が起こるまで加熱することによって、変換前混合物を変換混合物に変換する工程と、
或る量のアルカリ金属水酸化物を、変換前混合物、変換混合物、又はそれらの両方と混ぜる工程と、
或る量の1又は複数種のコンプレックス化酸を、変換前混合物、変換混合物、又はそれらの両方と混合する工程と、
を含んでおり、
過塩基性油溶性カルシウムスルホネートの量は約10%乃至45%である、方法。 - アルカリ金属水酸化物の量が約0.005%乃至5%である、請求項1に記載の方法。
- 変換前混合物、変換混合物、又は、それらの両方と、カルシウムヒドロキシアパタイト、付加水酸化カルシウム、付加酸化カルシウム、又は付加炭酸カルシウムの1又は複数、又は、それらの任意の組合せとを混合する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
- アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、又は、それらの組合せである、請求項1に記載の方法。
- アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムであり、水酸化ナトリウムの混合物の量が約0.01乃至0.4%である、請求項2に記載の方法。
- アルカリ金属水酸化物を水に溶解させて溶液を形成し、当該溶液が、変換前混合物、変換混合物、又は、それら両方と混合する、請求項1に記載の方法。
- 過塩基性カルシウムスルホネートが低品質のカルシウムスルホネートであり、グリースは少なくとも575Fの滴点を有する、請求項1に記載の方法。
- 変換剤は、水及び1又は複数種の非水性変換剤を含んでおり、
過塩基性カルシウムスルホネート及び基油と水とを混合して第1の混合物を形成する工程と、
1又は複数の遅延期間中又はそれらの後に、1又は複数種の非水性変換剤の少なくとも一部を第1の混合物と混合して変換前混合物を形成する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。 - アルカリ金属水酸化物が、変換剤として使用される水に溶解して溶液を形成し、当該溶液が過塩基性カルシウムスルホネート及び基油と混合して第1の混合物を形成する、請求項8に記載の方法。
- アルカリ金属水酸化物を水の第2の部に溶解させて溶液を形成し、当該溶液が第1の混合物、変換前混合物、変換混合物、又は、それらの組合せと混合される、請求項8に記載の方法。
- 或るコンプレックス化酸の少なくとも全部又は一部が第1の混合物又は変換前混合物と混合して、同じ又は異なるコンプレックス化酸の少なくとも全部又は一部が変換混合物と混合する、請求項8に記載の方法。
- 或るコンプレックス化酸の少なくとも一部が、加熱の前に第1の混合物又は変換前混合物と混合される、請求項11に記載の方法。
- 前記変換する工程は、
開放容器については約190F乃至230Fの変換温度範囲に、又は、密閉容器については変換が生じる他の温度範囲に、変換前混合物を加熱する工程と、
非晶質炭酸カルシウムの結晶性炭酸カルシウムへの変換が起こるまで、その範囲で温度を維持する工程と、
を含む、請求項8に記載の方法。 - 1又は複数種のコンプレックス化酸は、酢酸及び12−ヒドロキシステアリン酸を含んでおり、それら両方の酸の一部が第1の混合物又は変換前混合物と混合され、それら両方の酸の別の部が変換混合物と混合される、請求項11に記載の方法。
- 1又は複数種のコンプレックス化酸は、ホウ酸、リン酸、又は、それらの両方を更に含んでおり、ホウ酸、リン酸、又は、それらの両方の全てが変換混合物と混合される、請求項14に記載の方法。
- 非水性変換剤がヘキシレングリコールであって、温度調節遅延期間後に第1の混合物と混合される、請求項14に記載の方法。
- アルカリ金属水酸化物が第1の混合物と混合される、請求項14に記載の方法。
- カルシウムスルホネートグリースが少なくとも575Fの滴点を有しており、過塩基性カルシウムスルホネートの量が約10%乃至32%である、請求項1に記載の方法。
- カルシウムスルホネートグリースが少なくとも575Fの滴点を有しており、過塩基性カルシウムスルホネートの量が約10%乃至32%である、請求項8に記載の方法。
- 1又は複数種の非水性変換剤の少なくとも一部を、任意の遅延期間前の第1の混合物、遅延期間中又は遅延期間後の第1の混合物、及び、1又は複数の遅延期間中又はそれらの後の変換前混合物の1又は複数に加える工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
- 全ての遅延期間中に酢酸が非水性転変換剤として添加されない、請求項20に記載の方法。
- 第1の混合物、変換前混合物、変換混合物、又は、それらの任意の組合せと、カルシウムヒドロキシアパタイト、付加水酸化カルシウム、付加酸化カルシウム、付加炭酸カルシウム、又は、それらの任意の組合せの1又は複数とを混合する工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
- 1又は複数種の非水性変換剤の少なくとも1つは、グリコール、グリコールエーテル、又は、グリコールポリエーテルである、請求項8に記載の方法。
- グリコールがヘキシレングリコールである、請求項20に記載の方法。
- 全ての遅延期間の前に、ヘキシレングリコールの一部が第1の混合物と混合されて、1又は複数の遅延期間の後又はそれらの間に、ヘキシレングリコールの別の部が第1の混合物又は変換前混合物と混合される、請求項24に記載の方法。
- 少なくとも2つの遅延期間があり、それら遅延期間のうちの1つは、第1の混合物又は変換前混合物が加熱又は冷却される温度調節遅延期間であり、少なくとも1つの他の遅延期間は、第1の混合物又は変換前混合物が或る温度又は温度範囲内に或る期間維持される保持遅延期間である、請求項8に記載の方法。
- 過塩基性カルシウムスルホネートは、低品質の過塩基性カルシウムスルホネートである、請求項8に記載の方法。
- 過塩基性カルシウムスルホネートは、約0%乃至8%の残留水酸化カルシウム及び/又は酸化カルシウムを含んでおり、付加酸化カルシウム又は水酸化カルシウムは、コンプレックス化酸と反応させるためのカルシウム含有塩基として添加されない、請求項22に記載の方法。
- 1又は複数種の非水性変換剤の少なくとも1つは、メタノール、イソプロピルアルコール、又は、他の低分子量アルコールである、請求項8に記載の方法。
- メタノール、イソプロピルアルコール、又は、他の低分子量アルコールが、非水性変換剤として使用されない、請求項8に記載の方法。
- 過塩基性カルシウムスルホネートの量が約10%乃至22%である、請求項1に記載の方法。
- 約10%乃至45%の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートと、アルカリ金属水酸化物とを成分として含む、コンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 約10%乃至36%の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートと、約0.005%乃至0.5%のアルカリ金属水酸化物とを含んでおり、
1又は複数種のコンプレックス化酸と、
1又は複数種のコンプレックス化酸と反応する1又は複数種のカルシウム含有塩基として、カルシウムヒドロキシアパタイト、付加水酸化カルシウム、付加酸化カルシウム、付加炭酸カルシウム、又は、それらの任意の組合せと、
を更に含む、請求項32に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。 - 1又は複数種のコンプレックス化酸と、
1又は複数種のコンプレックス化酸と反応する1又は複数種のカルシウム含有塩基として、カルシウムヒドロキシアパタイト、付加水酸化カルシウム、付加酸化カルシウム、付加炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せと、
を更に含む、請求項32に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。 - 265乃至295の60往復混和ちょう度と、575F以上の滴点とを有する、請求項34に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 約10%乃至30%の過塩基性油溶性カルシウムスルホネートを含む、請求項34に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 過塩基性カルシウムスルホネートは低品質である、請求項36に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 促進酸を更に含む、請求項34に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 付加水酸化カルシウム及び付加酸化カルシウムが成分から除外されている、請求項34に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 1又は複数種の変換剤を更に含む、請求項34に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 1又は複数種の変換剤は、水と1又は複数種の非水性変換剤とを含む、請求項40に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
- 1又は複数種の非水性変換剤は、アルコール、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、グリコールポリエーテル、カルボン酸、無機酸、及び有機硝酸塩からなる群から選択され、
1又は複数種のコンプレックス化酸は、長鎖カルボン酸、短鎖カルボン酸、ホウ酸、及びリン酸からなる群から選択される、請求項41に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。 - 約1%乃至20%のカルシウムヒドロキシアパタイトと、
約1.5%乃至10%の水と、
約0.005%乃至0.5%のアルカリ金属水酸化物と、
総量で0.1%乃至5%の1又は複数種の非水性変換剤と、
総量で2.8%乃至11%の1又は複数種のコンプレックス化酸と、
を含む、請求項40に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。 - アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、又は、それらの組合せを含む、請求項43に記載のコンプレックスカルシウムスルホネートグリース組成物。
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