JP2019219585A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置、および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の表面層が、
硬化樹脂と、
フッ素原子含有樹脂粒子と、
分散剤として、下記式(1)で示される構造単位および下記式(a)で示される構造単位を有する重合体と、
下記式(2)で示される化合物と、
を含有し、前記式(2)で示される化合物の含有量が、前記表面層の全質量に対して5ppm以上1000ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
該製造方法が、前記フッ素原子含有樹脂粒子、前記重合体、前記式(2)で示される化合物、および溶剤を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成する工程を有し、
前記表面層用塗布液中の前記式(2)で示される化合物の含有量が、前記フッ素原子含有樹脂粒子の質量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
上記特定の重合体は、下記式(1)で示される構造単位を有する。
上記式(d)中、R3、R6は、上記式(a)中のR3、R6と同じであり、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。上記式(d)中、R4、R5は、上記式(a)中のR4、R5と同じであり、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。上記式(d)中、R7は、上記式(a)中のR7と同じであり、アルキル基を示す。nは1以上の整数を示す。
すなわち、測定対象の重合体や樹脂(測定対象物)をテトラヒドロフラン中に入れ、数時間放置した後、振盪しながら測定対象物とテトラヒドロフランとをよく混合し(測定対象物の合一体がなくなるまで混合し)、さらに12時間以上静置する。
測定用の電子写真感光体から、カミソリ等を用いて表面層を含む層を剥離した後、表面層以外の層が付着している側面をメチルエチルケトンでふき取った。なお、FTIR測定方法の中のATR法(全反射法)によって電荷輸送層および電荷発生層の成分が観測されないことを確認した。このようにして得られた表面層の重量を測定し、ヘッドスペース用バイアルに入れ、その後、バイアルをセプタムを用いてシールした。シールしたヘッドスペース用バイアルを150℃で60分間加熱し、気化した上記式(2)で示される化合物をGC/MSを用いて下記条件で測定し、得られた全イオンクロマトグラムにおいて上記式(2)で示される化合物が検出されるピーク面積を求めた。次にヘッドスペース法で検出された上記式(2)で示される化合物を検量線用基準物質として検量線を作成し、先のピーク面積から上記式(1)で示される化合物の量(質量%)を算出した。
ヘッドスペースサンプラー;TurboMatrixHS40(パーキンエルマー社製)
抽出条件;150℃×60分
GC;TRACEGCULTRA(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
MS;ISQ
分離カラム;HP−5MS(60m×0.25mmID、Df=0.25μm)
カラム温度;40℃で3分間保持したのち、2℃/分の昇温速度で70℃まで加熱した。さらに、5℃/分の昇温速度で150℃まで加熱し、10℃/分の昇温速度で300℃まで加熱した。その後300℃で1分間ホールドした。
イオン室温度;280℃
GC/MSインターフェース温度;280℃
キャリアガス;He150KPa
イオン化モード;EI、70eV
スキャン範囲;質量数m/z=40〜460
注入方式;スプリット(スプリットフロー10mL/分、カラム流量1mL)
電子写真感光体の表面層に用いるフッ素原子含有樹脂粒子としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂粒子、三フッ化エチレン樹脂粒子、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂粒子、フッ化ビニル樹脂粒子、フッ化ビニリデン樹脂粒子、二フッ化二塩化エチレン樹脂粒子などが挙げられる。また、それら樹脂の共重合体の粒子も挙げられる。これらの中でも、四フッ化エチレン樹脂粒子が好ましい。
本発明の電子写真感光体の表面層に含有される硬化樹脂は、重合性官能基を有する結着樹脂、または、重合性官能基を有するモノマー(反応性モノマー)もしくはオリゴマーを硬化させることによって合成することができる。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
連鎖重合性官能基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。
本発明の電子写真感光体は、支持体、支持体上の感光層、および感光層上の表面層(硬化表面層)を有する。支持体と感光層との間には、導電層や下引き層を有してもよい。
図1中、電子写真感光体は、支持体111、下引き層112、電荷発生層113、電荷輸送層114、および、表面層115を有する。
各層の形成方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
<支持体>
本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレス鋼や、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その芯材粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
本発明において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミニウムなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層である。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この感光層用塗布液の塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
本発明の一態様に係る電子写真感光体は、前記感光層上に、硬化型表面層を有する。硬化型表面層には、硬化樹脂、フッ素原子含有樹脂粒子、本発明に係る重合体、及び、上記式(2)で示される化合物を特定量含有する。
前記フッ素原子含有樹脂粒子、前記重合体、前記式(2)で示される化合物、および溶剤を混合し、分散処理を行う工程(i)、
該工程(i)の後、硬化樹脂を生成するための反応性モノマーを混合して、表面層用塗布液を調製する工程(ii)、ならびに、
該工程(ii)の後、該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜中の該反応性モノマーを硬化させて前記表面層を形成する工程(iii)
を有する。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。尚、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
特許文献1の「合成例(E−3)」に記載の方法で、上記式(3−10)で示される化合物が主成分である生成物を得た。
続いて、特許文献1の「製造例(A−1)」に記載の方法で、下記式(d−1)で示される化合物を得た。
上記式(d−1)で示される化合物 70部
上記式(3−10)で示される化合物が主成分である生成物 30部
トリフルオロトルエン 270部
アゾビスイソブチロニトリル 0.35部
上記各成分を導入した上記フラスコに窒素ガスを導入し、還流下(約100℃に加熱)に、14時間反応させた。この反応液を10倍量のメタノール中に投入、沈澱させ、濾過を行った。
得られた濾物1部を、メタノール43部およびイオン交換水17部の混合溶液中にて10℃で15分撹拌した後、ポリプロピレンフィルターにて遠心濾過を行った。得られた濾物にさらにメタノール40部を加え、10℃で40分撹拌した後、ポリプロピレンフィルターにて遠心濾過を行った。得られた濾物を8時間以上風乾した後、撹拌機付き減圧乾燥機にて、70℃、内圧260mmHg以下で3時間、減圧乾燥した。このようにして、上記式(1−10)で示される繰り返し構造単位、および、上記式(d−1)で示される構造由来の繰り返し構造単位(式(a)に相当)を有する重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)の重量平均分子量は、60,000であった。
製造例1−1の製造条件を変更して、同様の手順で反応させ、処理し、上記式(1−10)で示される繰り返し構造単位、および、上記式(d−1)で示される構造由来の繰り返し構造単位を有する重合体(A−2)を得た。重合体(A−2)の重量平均分子量は、129,000であった。
製造例1−1の製造条件を変更して、同様の手順で反応させ、処理し、上記式(1−10)で示される繰り返し構造単位、および、上記式(d−1)で示される構造由来の繰り返し構造単位を有する重合体(A−3)を得た。重合体(A−3)の重量平均分子量は、91,000であった。
特許文献1の「合成例(E−1)」に記載の方法で、上記式(3−2)で示される化合物が主成分である生成物を得た。
続いて、同じく特許文献1の「製造例(A−1)」に記載の方法で、製造例1−1と同様に、上記式(d−1)で示される化合物を得た。
次に、製造例1−1の製造条件を変更して、同様の手順で反応させ、処理し、上記式(1−2)で示される繰り返し構造単位、および、上記式(d−1)で示される構造由来の繰り返し構造単位を有する重合体(B−2)を得た。重合体(B−2)の重量平均分子量は、109,000であった。
特許文献1の「合成例(E−4)」に記載の方法で、上記式(3−11)で示される化合物が主成分である生成物を得た。
続いて、同じく特許文献1の「製造例(A−1)」に記載の方法で、製造例1−1と同様に、上記式(d−1)で示される化合物を得た。
次に、製造例1−1の製造条件を変更して、同様の手順で反応させ、処理し、上記式(1−11)で示される繰り返し構造単位、および、上記式(d−1)で示される構造由来の繰り返し構造単位を有する重合体(C−1)を得た。重合体(C−1)の重量平均分子量は、45,000であった。
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、
ポリオールとしてのポリビニルブチラール(重量平均分子量:40000、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部、および、
ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化コベストロウレタン(株)製)15部を、
メチルエチルケトン73.5部および1−ブタノール73.5部の混合溶剤に溶解させて溶解液を得た。この溶解液に上記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、および、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加えた。これらを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、23±3℃の雰囲気下で3時間分散処理した。
分散処理後、
シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.01部、および、
架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)製、一次粒子の平均粒径:3μm)5.6部、
を加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、および、
下記式(A)で示される化合物0.04部
分散処理後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.19μmの電荷発生層を形成した。
下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.2部
この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
続いて、上記式(H−5)で示される正孔輸送性化合物70部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部および1−プロパノール30部を上記第2の分散液に加えた。そして、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行うことによって、表面層用塗布液を調製した。
この表面層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧60kV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が130℃になる条件で1分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から1分間の加熱処理までの酸素濃度は15ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で1時間加熱処理を行い、膜厚5μmである表面層(硬化型表面層)を形成した。
実施例1において、表面層用塗布液に用いた四フッ化エチレン樹脂粒子の使用量、重合体(A−1)およびその使用量、上記式(2)で示される化合物およびその使用量を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜13に係る電子写真感光体を製造した。
電荷輸送層の形成までは、実施例1と同様にして行った。
次に、
下記式(F)で示される化合物であるビニルエステル化合物0.6部(東京化成工業(株)製)、重合体(A−1)1.8部、及び、上記式(2−1)で示される化合物0.48部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)39部および1−プロパノール51部の混合溶剤に溶解させた。その後、四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部を加えた液を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics(株)製)に入れた。そして、40MPaの圧力で6回通過させて、分散液を得た。
電荷輸送層の形成までは、実施例1と同様にして行った。
次に、
重合体(A−2)1.8部、及び、上記式(2−1)で示される化合物0.48部を、酢酸イソブチル4.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)38.1部、および1−プロパノール47.7部の混合溶剤に溶解させた。その後、四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部を加えた液を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics(株)製)に入れた。そして、40MPaの圧力で6回通過させて、分散液を得た。
続いて、実施例1と同様にして表面層用塗布液を調製し、膜厚5μmである表面層を形成した。このようにして、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および表面層を有する電子写真感光体を製造した。表面層における上記式(2−1)で示される化合物量を定量した結果、表面層の全質量に対して75ppmであった。
実施例15において、酢酸イソブチル4.2部を、シクロペンタノン4.2部に変更した以外は、実施例15と同様にして電子写真感光体を製造した。表面層における上記式(2−1)で示される化合物量を定量した結果、表面層の全質量に対して62ppmであった。
評価用の電子写真装置として、キヤノン(株)製の複写機(商品名:imageRUNNER iR−ADVC5051)の改造機を使用した。
各実施例の電子写真感光体を上記複写機とともに温度30℃/湿度80%RHの環境下で2日間放置した後、使用した。
電子写真感光体の表面電位の測定は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入することで行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の母線方向の中央とした。
電位の測定は、まず、初期暗部電位が−600Vとなるように印加電圧を調整した。一定の露光量にて780nmレーザー露光照射を行い、初期明部電位(「初期VL」と表記する。)を測定した。
続いて、現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、20000枚の画像出力を行った。20000枚の画像出力後、5分間放置し、現像用カートリッジを電位測定装置に付け替え、繰り返し使用後における各電子写真感光体の明部電位(「耐久後VL」と表記する。)を測定した。なお、各電子写真感光体において、初期に設定した帯電条件のもとで電位測定を行った。各電子写真感光体の評価結果を表1に示す。
112 下引き層
113 電荷発生層
114 電荷輸送層
115 表面層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (6)
- 支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、
硬化樹脂、
フッ素原子含有樹脂粒子、
分散剤として、下記式(1)で示される構造単位および下記式(a)で示される構造単位を有する重合体、
及び、下記式(2)で示される化合物
を含有し、
該式(2)で示される化合物の含有量が、表面層の全質量に対して5ppm以上1000ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
Rfは炭素原子数4〜6のパーフルオロアルキル基を示す。)
- 前記式(2)で示される化合物の含有量が、表面層の全質量に対して100ppm以上1000ppm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記式(2)で示される化合物の含有量が、表面層の前記フッ素原子含有樹脂粒子の全質量に対して100ppm以上4000ppm以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記重合体の重量平均分子量が、60,000以上129,000以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 硬化型表面層を有する請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法において、
該製造方法が、前記フッ素原子含有樹脂粒子、前記重合体、前記式(2)で示される化合物、および溶剤を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成する工程を有し、
前記表面層用塗布液中の前記式(2)で示される化合物の含有量が、前記フッ素原子含有樹脂粒子の質量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 硬化型表面層を有する請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法において、
該製造方法が、前記フッ素原子含有樹脂粒子、前記重合体、前記式(2)で示される化合物、および溶剤を混合し、分散処理を行う工程(i)、
該工程(i)の後、硬化樹脂を生成するための反応性モノマーを混合して、表面層用塗布液を調製する工程(ii)、ならびに、
該工程(ii)の後、該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜中の該反応性モノマーを硬化させて前記表面層を形成する工程(iii)
を有し、
前記工程(i)の表面層用塗布液における前記式(2)で示される化合物の含有量が、前記フッ素原子含有樹脂粒子の質量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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JP2018077450A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-17 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置および電子写真感光体の製造方法 |
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JP2018077450A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-17 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置および電子写真感光体の製造方法 |
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