JP2019218917A - フィルタ取り外し検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で粒子状物質除去フィルタが取り外されたことを検出することができるフィルタ取り外し検出装置を提供する。【解決手段】第1温度検出装置によって検出される粒子状物質除去フィルタの上流側の第1温度の前回の検出値に対する今回の検出値の温度変化量を算出して、この温度変化量の絶対値を順次積算して記憶する第1積算部と、第1温度と第2温度検出装置によって検出される粒子状物質除去フィルタの下流側の第2温度との前回の温度差に対する今回の温度差の温度差変化量を算出して、この温度差変化量の絶対値を順次積算して記憶する第2積算部と、第1積算部によって積算された第1積算値と、第2積算部によって積算された第2積算値とに基づいて、粒子状物質除去フィルタが取り外されているか否かを判定するフィルタ判定部と、を有するように構成する。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関から排出される粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタが取り外されたことを検出するフィルタ取り外し検出装置に関する。
ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、排気ガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して除去する粒子状物質除去フィルタ(通常、Diesel Particulate Filterと呼ばれ、以下、「DPF」という。)等の浄化処理部材を備えている。ここで、排気ガスを浄化処理するDPFは、排気ガス中の粒子状物質を捕集するものであることから、環境保全の観点から、DPFが取り外された状態で走行した場合に、DPFが取り外されていることを検出することが望まれている。そこで、DPFが取り外されたことを検出する技術が種々提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載された粒子フィルタを監視するための装置では、排ガス通路内で内燃機関の後に三元触媒が配置されており、三元触媒の後ろに粒子フィルタが配置されている。排気ガスの温度は、粒子フィルタの前に配置された第1の温度センサと、粒子フィルタの後ろに配置された第2の温度センサによって決定される。第1の温度センサ及び第2の温度センサは、制御ユニットに接続されており、この制御ユニット内で各温度センサの信号が評価され、その結果から、粒子フィルタの存在が監視される。
具体的には、内燃機関の冷間始動後の粒子フィルタの前の温度は、内燃機関の始動に伴って、上昇し、最大値を過ぎてから運転温度に調整される。粒子フィルタの後の温度は、粒子フィルタの熱容量によって規定された遅延を伴って、粒子フィルタの前の温度変化よりも小さい、温度変動の振幅を有している。一方、粒子フィルタが排ガス通路から取り除かれると、この遅延時間は無くなり、粒子フィルタの後の温度は、ほんの少しだけ遅れて追従して上昇し運転温度に達する。このように、粒子フィルタの前の温度上昇に対して、粒子フィルタの後の温度上昇が、規定された遅延を伴って、粒子フィルタの前の温度変化よりも小さい、温度変動の振幅の時に、制御ユニット内で、粒子フィルタが正しく組み込まれていると推定するように構成されている。
特表2016−535831号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載された粒子フィルタを監視するための装置では、内燃機関の過渡運転時における粒子フィルタの前の温度上昇に対する、粒子フィルタの後の温度上昇の遅延時間を検出する必要がある。このため、一定周期(例えば、1秒〜5秒間隔等)で粒子フィルタの前の温度と後の温度をそれぞれ検出した場合には、過渡運転の時間が短いため、過渡運転を過ぎて、一定状態の運転時に粒子フィルタの前と後の温度を測定してしまい、測定誤差が大きくなる虞がある。そのため、内燃機関の複数回の過渡運転時において計測し、判定する必要がある。
また、粒子フィルタの前と後の温度変動の振幅を測定する必要があるが、測定間隔(例えば、1秒〜5秒間隔等)が大きい場合には、振幅の最大値の測定誤差が大きくなる虞がある。更には、粒子フィルタの前の温度を検出した後、所定時間だけ遅延した時刻まで粒子フィルタの後の温度を検出して、この前の温度と後の温度とを比較する必要がある。このため、測定間隔が大きい場合(例えば、1秒〜5秒間隔等)には、粒子フィルタの後の温度の測定誤差が大きくなる、つまり、粒子フィルタの後の温度の測定漏れが発生する虞がある。その結果、粒子フィルタが組み込まれていないにも関わらず、粒子フィルタが組み込まれていると誤判定される虞がある。
そこで、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、簡易な構成で粒子状物質除去フィルタが取り外されたことを検出することができるフィルタ取り外し検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、内燃機関の排気ガス通路に配置されて粒子状物質を捕集する粒子状物質除去フィルタの上流側の第1温度を所定時間毎に検出して時系列的に記憶する第1温度検出装置と、前記粒子状物質除去フィルタの下流側の第2温度を前記所定時間毎に検出する第2温度検出装置と、前記第1温度検出装置によって検出された前記第1温度と、前記第2温度検出装置によって検出された前記第2温度とに基づいて前記粒子状物質除去フィルタが取り外されているか否かを判定する判定装置と、を備え、前記判定装置は、前記第1温度検出装置によって検出された前記第1温度の前回の検出値に対する今回の検出値の温度変化量を算出して、前記温度変化量の絶対値を順次積算して記憶する第1積算部と、前記第1温度検出装置によって検出された前記第1温度と前記第2温度検出装置によって検出された前記第2温度との温度差を前記所定時間毎に算出して時系列的に記憶する温度差算出部と、前記温度差算出部によって算出された前回の前記温度差に対する今回の前記温度差の温度差変化量を算出して、前記温度差変化量の絶対値を順次積算して記憶する第2積算部と、前記第1積算部によって積算された第1積算値と、前記第2積算部によって積算された第2積算値とに基づいて、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されているか否かを判定するフィルタ判定部と、を有する、フィルタ取り外し検出装置である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係るフィルタ取り外し検出装置において、前記フィルタ判定部は、前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部によって前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第2積算値が所定の第2積算閾値未満であるか否かを判定する第2判定部と、を有し、前記第2判定部によって前記第2積算値が所定の第2積算閾値未満であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第2判定部によって前記第2積算値が所定の第2積算閾値以上であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、フィルタ取り外し検出装置である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明に係るフィルタ取り外し検出装置において、前記フィルタ判定部は、前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したか否かを判定する第3判定部と、前記第3判定部によって前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第1積算値が所定の第4積算閾値より大きいか否かを判定する第4判定部と、を有し、前記第4判定部によって前記第1積算値が所定の第4積算閾値より大きいと判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第4判定部によって前記第1積算値が所定の第4積算閾値以下であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、フィルタ取り外し検出装置である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明に係るフィルタ取り外し検出装置において、前記フィルタ判定部は、前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部によって前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第1積算値に対する前記第2積算値の比率を算出する比率算出部と、前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であるか否かを判定する第5判定部と、を有し、前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値以上であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、フィルタ取り外し検出装置である。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明に係るフィルタ取り外し検出装置において、前記フィルタ判定部は、前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したか否かを判定する第3判定部と、前記第3判定部によって前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第1積算値に対する前記第2積算値の比率を算出する比率算出部と、前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であるか否かを判定する第5判定部と、を有し、前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値以上であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、フィルタ取り外し検出装置である。
第1の発明によれば、粒子状物質除去フィルタ(以下、「DPF」という。)の上流側の第1温度が第1温度検出装置によって所定時間毎に検出されて時系列的に記憶される。そして、DPFの上流側の第1温度の前回の検出値に対する今回の検出値の温度変化量を算出して、この温度変化量の絶対値を順次積算した第1積算値が記憶される。また、DPFの下流側の第2温度が第2温度検出装置によって所定時間毎に検出されて、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との温度差が算出されて時系列的に記憶される。そして、前回の温度差に対する今回の温度差の温度差変化量を算出して、この温度差変化量の絶対値を順次積算した第2積算値が記憶される。続いて、第1積算値と第2積算値とに基づいてDPFが取り外されているか否かが判定される。
これにより、第1温度検出装置と第2温度検出装置をDPFの上流側と下流側に配置する簡易な構成で、DPFが取り外されたことを検出することができる。また、DPFの上流側の第1温度の前回の検出値に対する今回の検出値の温度変化量と、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との前回の温度差に対する今回の温度差の温度差変化量と、に基づいてDPFが取り外されているか否かが判定されるため、第1温度検出装置及び第2温度検出装置のセンサばらつきの影響を抑止することができる。また、DPFが取り外されているか否かを、第1積算値と第2積算値とに基づいて1回で判定できるため、DPFが取り外されたことを迅速に検出することができる。
第2の発明によれば、DPFの上流側の第1温度の前回の検出値に対する今回の検出値の温度変化量を算出して、この温度変化量の絶対値を順次積算した第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達した場合に、第2積算値が所定の第2積算閾値未満であるか否かが判定される。
これにより、DPFの上流側の第1温度が安定した際における第1積算値と、DPFが装着されているときと、取り外されているときの各第2積算値を予め実測又はCAE(Computer Aided Engineering)解析等によって取得する。そして、この第1積算値を所定の第1積算閾値して設定し、DPFが装着されているときと、取り外されているときの各第2積算値から所定の第2積算閾値を設定することにより、DPFの上流側の第1温度が安定した状態において、DPFが取り外されたか否かを判定することができる。その結果、DPFの上流側の第1温度が安定した際における第2積算閾値を設定することができ、当該第2積算閾値の精度の向上を図って、DPFが取り外されたことを高精度に判定することが可能となる。
第3の発明によれば、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との前回の温度差に対する今回の温度差の温度差変化量を算出して、この温度差変化量の絶対値を順次積算した第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達した場合に、第1積算値が所定の第4積算閾値より大きいか否かが判定される。
これにより、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との温度差が安定した際における第3積算値と第4積算値を予め実測又はCAE解析等によって取得して、それぞれを所定の第3積算閾値、所定の第4積算閾値として設定することにより、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との温度差が安定した状態において、DPFが取り外されたか否かを判定することができる。その結果、第4積算値の精度の向上を図ることができ、DPFが取り外されたことを高精度に判定することが可能となる。
第4の発明によれば、DPFの上流側の第1温度の前回の検出値に対する今回の検出値の温度変化量を算出して、この温度変化量の絶対値を順次積算した第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達した場合に、第1積算値に対する第2積算値の比率が所定の比率閾値未満であるか否かが判定される。
これにより、DPFの上流側の第1温度が安定した際における第1積算値と第1積算値に対する第2積算値の比率とを予め実測又はCAE解析等によって取得して、それぞれを所定の第1積算閾値、比率閾値として設定することにより、DPFの上流側の第1温度が安定した状態において、DPFが取り外されたか否かを判定することができる。その結果、DPFの上流側の第1温度が安定した際における比率閾値を設定することができ、当該比率閾値の精度の向上を図って、DPFが取り外されたことを高精度に判定することが可能となる。
第5の発明によれば、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との前回の温度差に対する今回の温度差の温度差変化量を算出して、この温度差変化量の絶対値を順次積算した第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達した場合に、第1積算値に対する第2積算値の比率が所定の比率閾値未満であるか否かが判定される。
これにより、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との温度差が安定した際における第3積算値と、第1積算値に対する第2積算値の比率と、を予め実測又はCAE解析等によって取得して、それぞれを所定の第3積算閾値、比率閾値として設定することにより、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との温度差が安定した状態において、DPFが取り外されたか否かを判定することができる。その結果、DPFの上流側の第1温度とDPFの下流側の第2温度との温度差が安定した際における比率閾値を設定することができ、当該比率閾値の精度の向上を図って、DPFが取り外されたことを高精度に判定することが可能となる。
第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関を示す図である。 第1実施形態に係る制御装置が実行する、DPFの取り外しを検出する第1フィルタ取り外し検出処理を示すフローチャートである。 DPFが装着されているときと、取り外されているときにおけるDPFの上流側の各温度の温度変化の一例を示す図である。 DPFが装着されているときと、取り外されているときにおけるDPFの下流側の各温度の温度変化の一例を示す図である。 DPFが装着されているときにおけるDPFの上流側の5秒毎に算出された温度変化量の絶対値を積算した一例を示す図である。 DPFが装着されているときと、取り外されているときにおけるDPFの上流側と下流側の排気温度差の一例を示す図である。 DPFが装着されているときと、取り外されているときにおける図6に示す排気温度差の5秒毎に算出された温度差変化量の一例を示す図である。 図7に示すDPFが装着されているときと、取り外されているときにおける5秒毎に算出された温度差変化量の絶対値を積算した一例を示す図である。 DPFが装着されているときと、取り外されているときにおける、上流側の5秒毎に算出された温度変化量の絶対値の積算と、上流側と下流側の排気温度差の5秒毎に算出された温度差変化量の絶対値の積算との相関関係の一例を示す図である。 第2実施形態に係る制御装置が実行する、DPFの取り外しを検出する第2フィルタ取り外し検出処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る制御装置が実行する、DPFの取り外しを検出する第3フィルタ取り外し検出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るフィルタ取り外し検出装置を具体化した第1実施形態乃至第3実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態について図1乃至図9に基づいて説明する。図1は、第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10の構成の一例を示している。内燃機関10は、ディーゼルエンジンである。尚、以下の説明において、DPF43は、粒子状物質除去フィルタ(Diesel Particulate Filter)に相当している。また、DPF43よりも下流側の排気通路に配置されて窒素酸化物(NOx)を無害化する選択還元触媒等については、記載を省略している。
[第1実施形態]
図1に示すように、内燃機関10の排気通路(排気ガス通路)12には、排気ガス浄化装置41が設けられている。また、排気ガス浄化装置41の内部には、上流側から、酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)42、DPF43が設けられている。排気ガス浄化装置41は、排気ガス通路を構成し、上流側から下流側に排気ガスが通過する間に、排気ガスに含まれる有害物質を除去するものである。ここで、内燃機関10は、高効率で耐久性にも優れているが、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等の有害物質を、排気ガスと一緒に排出してしまうものである。
酸化触媒42は、セラミック製の円柱状等に形成されたセル状筒体からなり、その軸方向には多数の貫通孔が形成され、内面に白金(Pt)等の貴金属がコーティングされている。そして、酸化触媒42は、所定の温度下で多数の貫通孔に排気ガスを通すことにより、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去する。
DPF43は、セラミックス材料等からなる多孔質な部材によって円柱状等に形成され、軸方向に多数の小孔が設けられたハニカム構造のセル状筒体をなし、各小孔は、隣同士で交互に異なる端部が目封じ部材によって閉塞されている。そして、DPF43は、上流側から各小孔に流入する排気ガスを多孔質材料に通すことで粒子状物質(PM)を捕集し、排気ガスのみを隣の小孔を通じて下流側へと流出させる。
酸化触媒42の上流側(排気ガス浄化装置41の上流側)には、燃料添加弁28と、排気温度検出装置36A(例えば、排気温度センサ)と、が設けられている。燃料添加弁28は、微粒子が堆積したDPF43を再生する際(粒子状物質を燃焼焼却する際)に、酸化触媒42内で排気ガスと反応させて排気ガスの温度を上昇させるための燃料を噴射する。また、酸化触媒42の下流側、且つ、DPF43の上流側には、排気温度検出装置36B(例えば、排気温度センサ)(第1温度検出装置)が設けられている。尚、排気温度検出装置36Bは、排気ガスの流れ方向において、DPF43の前端に配置してもよい。
DPF43の下流側には、排気温度検出装置36C(例えば、排気温度センサ)(第2温度検出装置)が設けられている。尚、排気温度検出装置36Cは、排気ガスの流れ方向において、DPF43の後端に配置してもよい。また、排気ガス浄化装置41内における、酸化触媒42の下流側、且つ、DPF43の上流側の排気圧力(排気管内圧力に相当)と、DPF43の下流側の排気管内圧力と、の差圧(圧力差)を検出する差圧検出装置35(例えば、差圧センサ)が設けられている。
燃料添加弁28は、制御装置(ECU:Electronic Control Unit)50からの制御信号にて駆動される。制御装置50は、CPU、RAM、ROM、タイマ、不図示のバックアップRAM等を備えた公知のものである。CPUは、ROMに記憶された各種プログラムやマップに基づいて、種々の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各検出装置から入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは、例えば、内燃機関10の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する。
また、排気温度検出装置36Aは、酸化触媒42の上流側の排気管内の排気ガスの温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また、排気温度検出装置36Bは、酸化触媒42の下流側、且つ、DPF43の上流側を流れる排気ガスの温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また、排気温度検出装置36Cは、DPF43の下流側の排気ガスの温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。差圧検出装置35は、酸化触媒42の下流側、且つ、DPF43の上流側の排気圧力(排気管内圧力に相当)と、DPF43の下流側の排気管内圧力と、の差圧に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
制御装置50には、吸気通路11に設けられた吸入空気流量検出装置31(例えば、エアフローメーター)の検出信号、水温検出装置32(例えば、水温センサ)の検出信号、アクセル開度検出装置33の検出信号、回転検出装置34の検出信号、のそれぞれが入力されている。また、制御装置50には、車両の外気温を検出する外気温センサ18の検出信号が入力されている。
また、制御装置50には、上述した各排気温度検出装置36A、36B、36Cの検出信号、差圧検出装置35の検出信号が入力されている。そして制御装置50は、これらの検出装置からの検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を検出することができる。また制御装置50は、検出した内燃機関10の運転状態や、アクセル開度検出装置33からの検出信号に基づいた運転者からの要求に応じて、各インジェクタ14A〜14Dから内燃機関10のシリンダ内に噴射する燃料量や、燃料添加弁28から噴射する燃料量を制御する制御信号を出力する。
燃料添加弁28から排気ガス中に噴射された燃料は、酸化触媒42によって排気ガス中に残った酸素との酸化反応が生じて燃焼し、その発熱により排気ガス温度が上昇する。この高温になった排気ガスによりDPF43の床温が上昇して、所定温度以上(例えば、590℃以上)になると、DPF43内に堆積した粒子状物質(PM)が燃焼焼却される。このような状態を所定の時間、維持することによってDPF43内に堆積した粒子状物質を燃焼させて除去し、排気ガス中の粒子状物質(PM)を捕集するというDPF43の捕集機能を回復(再生)させることができる。
吸入空気流量検出装置31(例えば、吸気流量センサ)は、内燃機関10の吸気通路11に設けられて内燃機関10が吸入した空気の流量に応じた検出信号を制御装置50に出力する。水温検出装置32(例えば、水温センサ)は、例えば、内燃機関10の冷却水の水温に応じた検出信号を制御装置50に出力する。アクセル開度検出装置33(例えば、アクセル開度センサ)は、運転者が操作するアクセルの開度(すなわち、運転者の要求負荷)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。回転検出装置34(例えば、回転センサ)は、例えば内燃機関10のクランクシャフトの回転数(すなわち、エンジン回転数)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
また、図1に示す例では、制御装置50は、後述のように、DPF43が取り外されたことを検出した際に点灯するフィルタ警告ランプ15の点灯/消灯が可能である。フィルタ警告ランプ15は、例えば、車両のインスツルメントパネル内に設けられている。また、制御装置50は、別体の車両診断ツール61を接続するためのコネクタ16に接続されている。車両診断ツール61がコネクタ16に接続された場合、制御装置50と車両診断ツール61は、種々の情報やコマンド等を送受信することができる。
次に、上記のように構成された内燃機関10において、制御装置50によるDPF43の取り外しを検出する第1フィルタ取り外し検出処理の一例について図2乃至図9に基づいて説明する。尚、制御装置50(判定装置)は、内燃機関10の運転中に、所定時間間隔(例えば、約5秒間隔)にて、図2のフローチャートで示される制御処理を繰り返し実行する。図2にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置50のROMに予め記憶されている。
図2に示すように、先ず、ステップS11において、制御装置50は、RAMからDPF取り外しフラグを読み出し、「OFF」に設定されているか否かを判定する。そして、DPF取り外しフラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S11:NO)、制御装置50は、DPF43が取り外されていると判定して、当該処理を終了する。尚、DPF取り外しフラグは、制御装置50の起動時に、「OFF」に設定されてRAMに記憶されている。後述のように、DPF43が取り外されていると判定された場合には、制御装置50はDPF取り外しフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定して、再度RAMに記憶する(ステップS20参照)。
一方、上記ステップS11でDPF取り外しフラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S11:YES)、制御装置50は、ステップS12に進む。ステップS12において、制御装置50は、各排気温度検出装置36B、36CによってDPF43の上流側の排気ガスの温度T1(第1温度)と、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2(第2温度)を測定(検出)して、各温度T1、T2をそれぞれ時系列的にRAMに記憶する。尚、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1だけを時系列的にRAMに記憶し、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2は、今回の測定値だけをRAMに記憶するようにしてもよい。
ここで、前記ステップS12で測定したDPF43の上流側の排気ガスの温度T1と、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2のそれぞれの温度変化の一例について図3及び図4に基づいて説明する。尚、DPF43の上流側と下流側の排気ガスの各温度T1、T2の測定は、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して測定した。
図3に示すように、DPF43が装着されている際の、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1と、DPF43が取り外されている際の、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1は、ほぼ同じ温度で上昇又は下降して変化している。また、図4に示すように、DPF43が取り外されている際の、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2は、DPF43が取り外されている際の、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇又は下降に対して、ほぼ同じ温度で上昇又は下降して変化している。
一方、図4に示すように、DPF43が装着されている際の、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2は、DPF43が装着されている際の、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇又は下降に対して、所定のむだ時間遅れて追従し、更に、温度上昇がほぼ安定するまで少し低い温度で上昇又は下降している。つまり、DPF43が装着されている際の、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2は、DPF43が取り外されている際の、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2の上昇又は下降に対して、所定のむだ時間遅れて追従し、更に、温度上昇がほぼ安定するまで少し低い温度で上昇又は下降している。
続いて、図2に示すように、ステップS13において、制御装置50は、今回測定(検出)して記憶したDPF43の上流側の排気ガスの温度T1(t)と、前回測定(検出)して記憶した(例えば、5秒前に記憶した)DPF43の上流側の排気ガスの温度T1(t−1)とをRAMから読み出す。そして、制御装置50は、DPF43の上流側における排気ガスの前回(例えば、5秒前)の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1を下記式(1)にて算出する。
ΔT1(t)=T1(t)−T1(t−1) ・・・(1)
そして、ステップS14において、制御装置50は、上記式(1)で算出した、DPF43の上流側における排気ガスの前回の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を下記式(2)にて積算し、積算値Σ|ΔT1|をRAMに記憶した後、ステップS15に進む。尚、制御装置50の起動時に、積算値Σ|ΔT1|には「0」が代入されて、初期化される。
Σ|ΔT1|=Σ|ΔT1|+|ΔT1(t)| ・・・(2)
ここで、DPF43の上流側における排気ガスの前回(5秒前)の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1(5秒温度変化量)の絶対値|ΔT1|を積算した一例について図5に基づいて説明する。尚、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1は、図3に示すように、DPF43が装着されている際と、DPF43が取り外されている際において、ほぼ同じ温度で変化しているため、DPF43が装着されている際の温度変化量ΔT1を用いた。従って、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|の積算は、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して測定した状態に対応している。
図5に示すように、DPF43が装着されている際において、DPF43の上流側における排気ガスの前回(5秒前)の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|は、時間の経過に従って、ほぼ直線状に増加している。尚、DPF43が取り外されている際においても、DPF43の上流側における排気ガスの前回(例えば、5秒前)の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|は、時間の経過に従って、図5に示されるように、ほぼ直線状に増加する。
続いて、図2に示すように、ステップS15において、制御装置50は、前記ステップS12で今回測定(検出)して記憶したDPF43の上流側の排気ガスの温度T1(t)と、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2(t)とをRAMから読み出す。そして、制御装置50は、DPF43の下流側の排気ガスの温度T2(t)に対するDPF43の上流側の排気ガスの温度T1(t)の排気温度差TD(t)を下記式(3)にて算出して、時系列的に記憶した後、ステップS16に進む。
TD(t)=T1(t)−T2(t) ・・・(3)
ここで、ステップS15で算出して、時系列的に記憶した排気温度差TD(t)の一例について図6に基づいて説明する。尚、DPF43の上流側と下流側の排気ガスの各温度T1、T2の測定値は、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、DPF43が装着されている際と、DPF43が取り外されている際のそれぞれについて測定した上記図3、図4に示す測定値である。
図6に示すように、DPF43が装着されている際の排気温度差TD<DPF有時>は、時間の経過に従って大きな振幅で連続的に変動している。一方、DPF43が取り外されている際の排気温度差TD<DPF無時>は、DPF43が装着されている際の排気温度差TD<DPF有時>と比較して、小さな振幅で連続的に変動している。
そして、図2に示すように、ステップS16において、制御装置50は、上記式(3)により、今回算出して記憶した排気温度差TD(t)と、前回算出して記憶した(例えば、5秒前に記憶した)排気温度差TD(t−1)と、をRAMから読み出す。そして、制御装置50は、前回(例えば、5秒前)の排気温度差TD(t−1)に対する今回の排気温度差TD(t)の温度差変化量ΔTD(t)を下記式(4)にて算出して、時系列的に記憶する。
ΔTD(t)=TD(t)−TD(t−1) ・・・(4)
ここで、ステップS16で算出して、時系列的に記憶した温度差変化量ΔTD(t)の一例について図7に基づいて説明する。尚、図6に示すDPF43が装着されている際の排気温度差TD<DPF有時>と、DPF43が取り外されている際の排気温度差TD<DPF無時>を用いて、DPF43が装着されている際と、DPF43が取り外されている際のそれぞれについての温度差変化量ΔTD(t)を算出した。
図7に示すように、DPF43が装着されている際の温度差変化量ΔTD(t)<DPF有時>は、大きなピーク値を有するスパイク状に変動している。一方、DPF43が取り外されている際の温度差変化量ΔTD(t)<DPF無時>は、DPF43が装着されている際の温度差変化量ΔTD(t)<DPF有時>と比較して、小さなピーク値を有するスパイク状に変動している。
続いて、図2に示すように、ステップS17において、制御装置50は、上記式(4)で算出した、前回(例えば、5秒前)の排気温度差TD(t−1)に対する今回の排気温度差TD(t)の温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を下記式(5)にて積算し、積算値Σ|ΔTD|をRAMに記憶した後、ステップS18に進む。尚、制御装置50の起動時に、積算値Σ|ΔTD|には「0」が代入されて、初期化される。
Σ|ΔTD|=Σ|ΔTD|+|ΔTD(t)| ・・・(5)
ここで、ステップS17で算出して、記憶した前回の排気温度差TD(t−1)に対する今回の排気温度差TD(t)の温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|の一例について図8に基づいて説明する。尚、図7に示すDPF43が装着されている際の温度差変化量ΔTD<DPF有時>と、DPF43が取り外されている際の温度差変化量ΔTD(t)<DPF無時>を用いて、DPF43が装着されている際と、DPF43が取り外されている際のそれぞれについての温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した。従って、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|は、過渡試験モード(例えば、NRTCモード)で内燃機関10を運転して測定した状態に対応している。
図8に示すように、DPF43が装着されている際に、5秒毎に算出された温度差変化量ΔTD(t)<DPF有時>の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>は、時間の経過に従って、大きな傾きでほぼ直線状に増加している。一方、DPF43が取り外されている際に、5秒毎に算出された温度差変化量ΔTD(t)<DPF無時>の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD|<DPF無時>は、時間の経過に従って、積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>よりも小さな傾きでほぼ直線状に増加している。
そして、図2に示すように、ステップS18において、制御装置50は、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|(ステップS14参照)をRAMから読み出し、第1積算閾値TJ1以上か否かを判定する。尚、第1積算閾値TJ1は、予め制御装置50のROMに記憶されている。
ここで、第1積算閾値TJ1について図3及び図5に基づいて説明する。図3に示すように、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定する経過時間は、DPF43が装着されている際、及び、DPF43が取り外されている際において、P1(秒)、例えば、750(秒)である。
そして、図5に示すように、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、経過時間がP1(秒)、例えば、750(秒)に達した際の、温度変化量ΔT1(5秒温度変化量)の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|は、「約20000℃」である。従って、「20000℃」が第1積算閾値TJ1に設定され、予め、制御装置50のROMに記憶されている。
続いて、図2に示すように、前記ステップS18において、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|が第1積算閾値TJ1未満である、例えば、「20000℃」未満であると判定された場合には(S18:NO)、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇が未だ安定していないと判定して、当該処理を終了する。
一方、前記ステップS18において、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|が第1積算閾値TJ1以上、例えば、「20000℃」以上であると判定された場合には(S18:YES)、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定したと判定して、ステップS19に進む。ステップS19において、制御装置50は、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|(ステップS17参照)をRAMから読み出し、第2積算閾値TJ2未満であるか否かを判定する。尚、第2積算閾値TJ2は、予め制御装置50のROMに記憶されている。
ここで、第2積算閾値TJ2について図5、図8及び図9に基づいて説明する。図9は、5秒毎に算出される温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|を横軸としている。また、図9は、5秒毎に算出される温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|を縦軸としている。
そして、図9の横軸を構成する各積算値Σ|ΔT1|に対応する図5の経過時間を読み出し、この経過時間を図8の横軸を構成する経過時間として、各積算値Σ|ΔT1|に対応する図8の5秒毎に算出された温度差変化量ΔTD(t)<DPF有時>の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>と、5秒毎に算出された温度差変化量ΔTD(t)<DPF無時>の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD|<DPF無時>とを、順次読み出し、図9上にプロットする。
これにより、図9に示すように、DPF43が装着されているときと、取り外されているときにおける、DPF43の上流側の5秒毎に算出された温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|と、DPF43の上流側と下流側の排気温度差の5秒毎に算出された各温度差変化量ΔTD(t)<DPF有時>、ΔTD(t)<DPF無時>のそれぞれの絶対値|ΔTD(t)|を積算した各積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>、Σ|ΔTD|<DPF無時>との相関関係を得ることができる。
そして、図9に示すように、各温度差変化量ΔTD(t)<DPF有時>、ΔTD(t)<DPF無時>のそれぞれの絶対値|ΔTD(t)|を積算した各積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>、Σ|ΔTD|<DPF無時>は、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|の増加に従って、それぞれほぼ直線状に増加している。また、積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>の直線の傾きは、積算値Σ|ΔTD|<DPF無時>の傾きよりも大きい。
また、図9に示すように、第1積算閾値TJ1である積算値Σ|ΔT1|の「20000℃」に対応する積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>は、「約18500℃」であり、積算値Σ|ΔTD|<DPF無時>は、「約9000℃」である。その結果、「9000℃」よりも大きく、且つ、「18500℃」未満の積算値Σ|ΔTD|、例えば、「12000℃」が第2積算閾値TJ2に設定され、予め、制御装置50のROMに記憶されている。従って、第2積算閾値TJ2は、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して設定される。
続いて、図2に示すように、前記ステップS19において、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|が第2積算閾値TJ2以上、例えば、「12000℃」以上であると判定された場合には(S19:NO)、制御装置50は、DPF43が排気ガス浄化装置41に装着されていると判定して、後述のステップS21に進む。
一方、前記ステップS19において、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|が第2積算閾値TJ2未満、例えば、「12000℃」未満であると判定された場合には(S19:YES)、制御装置50は、ステップS20に進む。つまり、制御装置50は、DPF43が排気ガス浄化装置41から取り外されていると判定して、ステップS20に進む。ステップS20において、制御装置50は、RAMからDPF取り外しフラグを読み出し、「ON」に設定して再度RAMに記憶した後、ステップS21に進む。尚、DPF取り外しフラグは、制御装置50の起動時に、「OFF」に設定されてRAMに記憶されている。
続いて、ステップS21において、制御装置50は、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|と、温度差変化量ΔTDの絶対値|ΔTD|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|と、をRAMから読み出し、それぞれに「0」を代入して初期化して、再度RAMに記憶した後、当該処理を終了する。
尚、制御装置50は、図示省略した別の処理にて、DPF取り外しフラグが「ON」に設定された場合、フィルタ警告ランプ15(図1参照)を点灯させる。また、DPF取り外しフラグは、例えば、車両診断ツール61をコネクタ16に接続した場合(図1参照)、この車両診断ツール61からのDPF取り外しフラグのクリアコマンドによって、「OFF」に再設定することができる。また、フィルタ警告ランプ15は、点灯されると、車両診断ツール61からの消灯コマンドによって消灯するように設定することができる。
ここで、制御装置50と排気温度検出装置36Bは、第1温度検出装置の一例として機能する。制御装置50と排気温度検出装置36Cは、第2温度検出装置の一例として機能する。制御装置50は、判定装置、第1積算部、温度差算出部、第2積算部、フィルタ判定部、第1判定部、第2判定部の一例として機能する。制御装置50、各排気温度検出装置36B、36C、排気ガス浄化装置41、及び、DPF43は、フィルタ取り外し検出装置の一例を構成する。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る内燃機関10では、制御装置50は、各排気温度検出装置36B、36CをDPF43の上流側と下流側に配置する簡易な構成で、DPF43が取り外されたことを検出することができる。また、DPF43の上流側における排気ガスの前回(例えば、5秒前)の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1と、前回(例えば、5秒前)の排気温度差TD(t−1)に対する今回の排気温度差TD(t)の温度差変化量ΔTDと、に基づいてDPF43が取り外されているか否かが判定されるため、各排気温度検出装置36B、36Cのセンサばらつきの影響を抑止することができる。
また、DPF43が取り外されているか否かを、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|と、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|と、に基づいて1回で判定できるため、DPF43が取り外されたことを迅速に検出することができる。
また、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定した経過時間に対応する上記式(2)で算出される積算値Σ|ΔT1|から第1積算閾値TJ1が設定される(図5参照)。また、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定した経過時間に対応する上記式(5)で算出される積算値Σ|ΔTD(t)|<DPF有時>と、積算値Σ|ΔTD(t)|<DPF無時>とから第2積算閾値TJ2が設定される(図9参照)。これにより、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定した際における第2積算閾値TJ2を設定することができ、当該第2積算閾値TJ2の精度の向上を図って、DPF43が取り外されたことを高精度に判定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係るフィルタ取り外し検出装置を具体化した第2実施形態について図4、図8〜図10に基づいて説明する。尚、以下の説明及び図10において、第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10、排気ガス浄化装置41、制御装置50の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10、排気ガス浄化装置41、制御装置50の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10の構成及び制御処理等は、第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10の構成及び制御処理等とほぼ同じである。但し、第2実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10において、制御装置50は、図2に示す第1フィルタ取り外し検出処理に替えて、図10に示す第2フィルタ取り外し検出処理を実行する点で異なっている。
次に、制御装置50によるDPF43の取り外しを検出する第2フィルタ取り外し検出処理の一例について図10に基づいて説明する。尚、制御装置50(判定装置)は、内燃機関10の運転中に、所定時間間隔(例えば、約5秒間隔)にて、図10のフローチャートで示される制御処理を繰り返し実行する。図10にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置50のROMに予め記憶されている。
図10に示すように、制御装置50は、前記ステップS11〜ステップS17の処理を実行する。そして、制御装置50は、前記ステップS18の処理に替えて、ステップS31の処理を実行する。ステップS31において、制御装置50は、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|(前記ステップS17参照)をRAMから読み出し、第3積算閾値TJ3以上であるか否かを判定する。尚、第3積算閾値TJ3は、予め制御装置50のROMに記憶されている。
ここで、第3積算閾値TJ3について図4及び図8に基づいて説明する。図4に示すように、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定する経過時間は、DPF43が装着されている際、及び、DPF43が取り外されている際において、P2(秒)、例えば、810(秒)である。
そして、図8に示すように、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、経過時間がP2(秒)、例えば、810(秒)に達した際の、5秒毎に算出された温度差変化量ΔTD(t)<DPF無時>の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD|<DPF無時>は、「約10000℃」である。従って、「10000℃」が第3積算閾値TJ3に設定され、予め、制御装置50のROMに記憶されている。
続いて、図2に示すように、前記ステップS31において、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|が第3積算閾値TJ3未満である、例えば、「10000℃」未満であると判定された場合には(S31:NO)、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差が未だ安定していないと判定して、当該処理を終了する。
一方、前記ステップS31において、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|が第3積算閾値TJ3以上、例えば、「10000℃」以上であると判定された場合には(S31:YES)、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定したと判定して、ステップS32に進む。
ステップS32において、制御装置50は、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|(前記ステップS14参照)をRAMから読み出し、第4積算閾値TJ4より大きいか否かを判定する。尚、第4積算閾値TJ4は、予め制御装置50のROMに記憶されている。
ここで、第4積算閾値TJ4について図9に基づいて説明する。図9に示すよう、第3積算閾値TJ3である積算値Σ|ΔTD|の「10000℃」に対応する積算値Σ|ΔT1D|<DPF有時>は、「約10770℃」であり、積算値Σ|ΔT1|<DPF無時>は、「約22600℃」である。その結果、「10770℃」よりも大きく、且つ、「22600℃」未満の積算値Σ|ΔT1|、例えば、「17000℃」が第4積算閾値TJ4に設定され、予め、制御装置50のROMに記憶されている。従って、第4積算閾値TJ4は、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して設定される。
続いて、図10に示すように、前記ステップS32において、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|が第4積算閾値TJ4以下である、例えば、「17000℃」以下であると判定された場合には(S32:NO)、制御装置50は、DPF43が排気ガス浄化装置41に装着されていると判定して、上記ステップS21以降の処理を実行する。
一方、前記ステップS32において、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|が第4積算閾値TJ4より大きい、例えば、「17000℃」より大きいと判定された場合には(S32:YES)、制御装置50は、DPF43が排気ガス浄化装置41から取り外されていると判定して、上記ステップS20以降の処理を実行する。
尚、制御装置50は、図示省略した別の処理にて、DPF取り外しフラグが「ON」に設定された場合、フィルタ警告ランプ15(図1参照)を点灯させる。また、DPF取り外しフラグは、例えば、車両診断ツール61をコネクタ16に接続した場合(図1参照)、この車両診断ツール61からのDPF取り外しフラグのクリアコマンドによって、「OFF」に再設定することができる。また、フィルタ警告ランプ15は、点灯されると、車両診断ツール61からの消灯コマンドによって消灯するように設定することができる。
ここで、制御装置50と排気温度検出装置36Bは、第1温度検出装置の一例として機能する。制御装置50と排気温度検出装置36Cは、第2温度検出装置の一例として機能する。制御装置50は、判定装置、第1積算部、温度差算出部、第2積算部、フィルタ判定部、第3判定部、第4判定部の一例として機能する。制御装置50、各排気温度検出装置36B、36C、排気ガス浄化装置41、及び、DPF43は、フィルタ取り外し検出装置の一例を構成する。
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る内燃機関10では、制御装置50は、各排気温度検出装置36B、36CをDPF43の上流側と下流側に配置する簡易な構成で、DPF43が取り外されたことを検出することができる。また、DPF43の上流側における排気ガスの前回(例えば、5秒前)の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1と、前回(例えば、5秒前)の排気温度差TD(t−1)に対する今回の排気温度差TD(t)の温度差変化量ΔTDと、に基づいてDPF43が取り外されているか否かが判定されるため、各排気温度検出装置36B、36Cのセンサばらつきの影響を抑止することができる。
また、DPF43が取り外されているか否かを、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|と、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|と、に基づいて1回で判定できるため、DPF43が取り外されたことを迅速に検出することができる。
また、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定した状態に対応する上記式(5)で算出される積算値Σ|ΔTD(t)|<DPF無時>から第3積算閾値TJ3が設定される(図8参照)。また、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定した状態に対応する上記式(2)で算出される積算値Σ|ΔT1|<DPF有時>と、積算値Σ|ΔT1|<DPF無時>とから第4積算閾値TJ4が設定される(図9参照)。
これにより、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定した状態において、DPF43が取り外されたか否かを判定することができる。その結果、当該第4積算閾値TJ4の精度の向上を図って、DPF43が取り外されたことを高精度に判定することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明に係るフィルタ取り外し検出装置を具体化した第3実施形態について図9及び図11に基づいて説明する。尚、以下の説明及び図11において、第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10、排気ガス浄化装置41、制御装置50の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10、排気ガス浄化装置41、制御装置50の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第3実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10の構成及び制御処理等は、第1実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10の構成及び制御処理等とほぼ同じである。但し、第3実施形態に係るフィルタ取り外し検出装置を適用した内燃機関10において、制御装置50は、図2に示す第1フィルタ取り外し検出処理に替えて、図11に示す第3フィルタ取り外し検出処理を実行する点で異なっている。
次に、制御装置50によるDPF43の取り外しを検出する第3フィルタ取り外し検出処理の一例について図11に基づいて説明する。尚、制御装置50(判定装置)は、内燃機関10の運転中に、所定時間間隔(例えば、約5秒間隔)にて、図11のフローチャートで示される制御処理を繰り返し実行する。図11にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置50のROMに予め記憶されている。
図11に示すように、制御装置50は、前記ステップS11〜ステップS18の処理を実行する。そして、制御装置50は、前記ステップS18において、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|が第1積算閾値TJ1未満である、例えば、「20000℃」未満であると判定された場合には(S18:NO)、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇が未だ安定していないと判定して、当該処理を終了する。
一方、前記ステップS18において、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|が第1積算閾値TJ1以上、例えば、「20000℃」以上であると判定された場合には(S18:YES)、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定したと判定して、前記ステップS19の処理に替えて、ステップS41の処理を実行する。
ステップS41において、制御装置50は、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|(前記ステップS17参照)と、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|(前記ステップS14参照)をRAMから読み出す。続いて、制御装置50は、積算値Σ|ΔTD(t)|を積算値Σ|ΔT1|で割り算し、積算値Σ|ΔT1|に対する積算値Σ|ΔTD(t)|の比率を算出する。そして、制御装置50は、積算値Σ|ΔT1|に対する積算値Σ|ΔTD(t)|の比率が比率閾値KJ1未満であるか否かを判定する。尚、比率閾値KJ1は、予め制御装置50のROMに記憶されている。
ここで、比率閾値KJ1について図9に基づいて説明する。図9に示すように、比率閾値KJ1は、積算値Σ|ΔT1|及び積算値Σ|ΔTD(t)|が共に「0」の点と、積算値Σ|ΔT1|が第1積算閾値TJ1で、積算値Σ|ΔTD(t)|が第2積算閾値TJ2の点と、を通る直線65の傾きの値である。つまり、比率閾値KJ1は、第1積算閾値TJ1に対する第2積算閾値TJ2の比率であり、例えば、12000℃÷20000℃=0.6である。
従って、図9に示すように、直線65の傾きである比率閾値KJ1は、積算値Σ|ΔTD|<DPF無時>の直線の傾きよりも大きく、且つ、積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>の直線の傾きよりも小さくなるように設定される。例えば、第1積算閾値TJ1である積算値Σ|ΔT1|の「20000℃」に対応する積算値Σ|ΔTD|<DPF有時>は、「約18500℃」であり、積算値Σ|ΔTD|<DPF無時>は、「約9000℃」である。その結果、例えば、9000℃÷20000℃=0.45よりも大きく、且つ、18500℃÷20000℃=0.93未満の「0.6」が比率閾値KJ1に設定され、予め、制御装置50のROMに記憶されている。つまり、比率閾値KJ1は、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して設定される。
続いて、図11に示すように、前記ステップS41において、積算値Σ|ΔT1|に対する積算値Σ|ΔTD(t)|の比率が比率閾値KJ1以上である、例えば、「0.6」以上であると判定された場合には(S41:NO)、制御装置50は、DPF43が排気ガス浄化装置41に装着されていると判定して、上記ステップS21以降の処理を実行する。
一方、前記ステップS41において、積算値Σ|ΔT1|に対する積算値Σ|ΔTD(t)|の比率が比率閾値KJ1未満である、例えば、「0.6」未満であると判定された場合には(S41:YES)、制御装置50は、DPF43が排気ガス浄化装置41から取り外されていると判定して、上記ステップS20以降の処理を実行する。
尚、制御装置50は、図示省略した別の処理にて、DPF取り外しフラグが「ON」に設定された場合、フィルタ警告ランプ15(図1参照)を点灯させる。また、DPF取り外しフラグは、例えば、車両診断ツール61をコネクタ16に接続した場合(図1参照)、この車両診断ツール61からのDPF取り外しフラグのクリアコマンドによって、「OFF」に再設定することができる。また、フィルタ警告ランプ15は、点灯されると、車両診断ツール61からの消灯コマンドによって消灯するように設定することができる。
ここで、制御装置50と排気温度検出装置36Bは、第1温度検出装置の一例として機能する。制御装置50と排気温度検出装置36Cは、第2温度検出装置の一例として機能する。制御装置50は、判定装置、第1積算部、温度差算出部、第2積算部、比率算出部、フィルタ判定部、第1判定部、第5判定部の一例として機能する。制御装置50、各排気温度検出装置36B、36C、排気ガス浄化装置41、及び、DPF43は、フィルタ取り外し検出装置の一例を構成する。
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係る内燃機関10では、制御装置50は、各排気温度検出装置36B、36CをDPF43の上流側と下流側に配置する簡易な構成で、DPF43が取り外されたことを検出することができる。また、DPF43の上流側における排気ガスの前回(例えば、5秒前)の温度T(t−1)に対する今回の温度T(t)の温度変化量ΔT1と、前回(例えば、5秒前)の排気温度差TD(t−1)に対する今回の排気温度差TD(t)の温度差変化量ΔTDと、に基づいてDPF43が取り外されているか否かが判定されるため、各排気温度検出装置36B、36Cのセンサばらつきの影響を抑止することができる。
また、DPF43が取り外されているか否かを、温度変化量ΔT1の絶対値|ΔT1|を積算した積算値Σ|ΔT1|と、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|と、に基づいて1回で判定できるため、DPF43が取り外されたことを迅速に検出することができる。
また、過渡試験モード(NRTCモード)で内燃機関10を運転して、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定した経過時間に対応する上記式(2)で算出される積算値Σ|ΔT1|から第1積算閾値TJ1を設定することができる(図5参照)。また、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定した経過時間に対応する上記式(5)で算出される積算値Σ|ΔTD(t)|<DPF有時>と、積算値Σ|ΔTD(t)|<DPF無時>とから第2積算閾値TJ2を設定することができる(図9参照)。
そして、第1積算閾値TJ1に対する第2積算閾値TJ2の比率が比率閾値KJ1として設定される。その結果、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1の上昇がほぼ安定した際における比率閾値KJ1を設定することができ、当該比率閾値KJ1の精度の向上を図って、DPF43が取り外されたことを高精度に判定することができる。
本発明のフィルタ取り外し検出装置は、前記第1実施形態乃至第3実施形態で説明した構成、構造、外観、形状、処理手順等に限定されることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変更、改良、追加、削除が可能である。尚、以下の説明において上記図1〜図11の前記第1実施形態乃至第3実施形態に係る内燃機関10等と同一符号は、前記第1実施形態乃至第3実施形態に係る内燃機関10等と同一あるいは相当部分を示すものである。
(A)例えば、前記ステップS12において、制御装置50は、DPF43の上流側の温度T1を、排気温度検出装置36Bに替えて、内燃機関10の下記の運転条件パラメータから推定(算出)して時系列的にRAMに記憶するようにしてもよい。これにより、排気温度検出装置36Bを削減することが可能となる。運転条件パラメータには、回転検出装置34によって検出される内燃機関10のエンジン回転数、各インジェクタ14A〜14Dによる燃料噴射量、外気温センサ18によって検出される外気温、水温検出装置32によって検出される内燃機関10の冷却水の水温、不図示のターボチャージャによる吸気の過給圧、DPF43に堆積した粒子状物質(PM)を燃焼焼却するDPF43の再生の有無、などのうち、少なくとも1つが含まれる。
(B)また、例えば、制御装置50は、図示省略した別の処理にて、DPF取り外しフラグが「ON」に設定された場合、所定時間毎(例えば、1分毎)に不図示のスピーカを介して、DPF43が取り外された旨を知らせる音声案内を所定回数(例えば、5回)ずつ行うようにしてもよい。
(C)また、例えば、図11に示す第3フィルタ取り外し検出処理のステップS18の処理に替えて、制御装置50は、図10に示す第2フィルタ取り外し検出処理のステップS31の処理を実行するようにしてもよい。具体的には、制御装置50は、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|(前記ステップS17参照)をRAMから読み出し、前記第3積算閾値TJ3(図8、図9参照)以上であるか否かを判定するようにしてもよい。尚、第3積算閾値TJ3は、予め制御装置50のROMに記憶されている。
そして、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|が第3積算閾値TJ3未満である、例えば、「10000℃」未満であると判定された場合には、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差が未だ安定していないと判定して、当該第3フィルタ取り外し検出処理(図11参照)を終了するようにしてもよい。
一方、温度差変化量ΔTD(t)の絶対値|ΔTD(t)|を積算した積算値Σ|ΔTD(t)|が第3積算閾値TJ3以上、例えば、「10000℃」以上であると判定された場合には、制御装置50は、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定したと判定して、ステップS41以降の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定した経過時間に対応する上記式(5)で算出される積算値Σ|ΔTD(t)|<DPF有時>と、積算値Σ|ΔTD(t)|<DPF無時>とから第2積算閾値TJ2を設定することができる(図9参照)。そして、第1積算閾値TJ1に対する第2積算閾値TJ2の比率が比率閾値KJ1として設定される。その結果、DPF43の上流側の排気ガスの温度T1とDPF43の下流側の排気ガスの温度T2との温度差がほぼ安定した際における比率閾値KJ1を設定することができ、当該比率閾値KJ1の精度の向上を図って、DPF43が取り外されたことを高精度に判定することができる。
10 内燃機関
12 排気通路
36B、36C 排気温度検出装置
41 排気ガス浄化装置
43 粒子状物質除去フィルタ(DPF)
50 制御装置

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気ガス通路に配置されて粒子状物質を捕集する粒子状物質除去フィルタの上流側の第1温度を所定時間毎に検出して時系列的に記憶する第1温度検出装置と、
    前記粒子状物質除去フィルタの下流側の第2温度を前記所定時間毎に検出する第2温度検出装置と、
    前記第1温度検出装置によって検出された前記第1温度と、前記第2温度検出装置によって検出された前記第2温度とに基づいて前記粒子状物質除去フィルタが取り外されているか否かを判定する判定装置と、
    を備え、
    前記判定装置は、
    前記第1温度検出装置によって検出された前記第1温度の前回の検出値に対する今回の検出値の温度変化量を算出して、前記温度変化量の絶対値を順次積算して記憶する第1積算部と、
    前記第1温度検出装置によって検出された前記第1温度と前記第2温度検出装置によって検出された前記第2温度との温度差を前記所定時間毎に算出して時系列的に記憶する温度差算出部と、
    前記温度差算出部によって算出された前回の前記温度差に対する今回の前記温度差の温度差変化量を算出して、前記温度差変化量の絶対値を順次積算して記憶する第2積算部と、
    前記第1積算部によって積算された第1積算値と、前記第2積算部によって積算された第2積算値とに基づいて、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されているか否かを判定するフィルタ判定部と、
    を有する、
    フィルタ取り外し検出装置。
  2. 請求項1に記載のフィルタ取り外し検出装置において、
    前記フィルタ判定部は、
    前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したか否かを判定する第1判定部と、
    前記第1判定部によって前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第2積算値が所定の第2積算閾値未満であるか否かを判定する第2判定部と、
    を有し、
    前記第2判定部によって前記第2積算値が所定の第2積算閾値未満であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第2判定部によって前記第2積算値が所定の第2積算閾値以上であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、
    フィルタ取り外し検出装置。
  3. 請求項1に記載のフィルタ取り外し検出装置において、
    前記フィルタ判定部は、
    前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したか否かを判定する第3判定部と、
    前記第3判定部によって前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第1積算値が所定の第4積算閾値より大きいか否かを判定する第4判定部と、
    を有し、
    前記第4判定部によって前記第1積算値が所定の第4積算閾値より大きいと判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第4判定部によって前記第1積算値が所定の第4積算閾値以下であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、
    フィルタ取り外し検出装置。
  4. 請求項1に記載のフィルタ取り外し検出装置において、
    前記フィルタ判定部は、
    前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したか否かを判定する第1判定部と、
    前記第1判定部によって前記第1積算値が所定の第1積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第1積算値に対する前記第2積算値の比率を算出する比率算出部と、
    前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であるか否かを判定する第5判定部と、
    を有し、
    前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値以上であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、
    フィルタ取り外し検出装置。
  5. 請求項1に記載のフィルタ取り外し検出装置において、
    前記フィルタ判定部は、
    前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したか否かを判定する第3判定部と、
    前記第3判定部によって前記第2積算値が所定の第3積算閾値以上に達したと判定された場合に、前記第1積算値に対する前記第2積算値の比率を算出する比率算出部と、
    前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であるか否かを判定する第5判定部と、
    を有し、
    前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値未満であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが取り外されていると判定し、一方、前記第5判定部によって前記比率算出部によって算出された前記比率が所定の比率閾値以上であると判定された場合には、前記粒子状物質除去フィルタが装着されていると判定する、
    フィルタ取り外し検出装置。
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