JP2019218490A - 材料改質用変性粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オレフィン重合体粒子を、効率よく、主として表面または特定の部位を変性した材料改質用変性粒子の製造方法を提供する。【解決手段】1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、平均粒子径が1〜200μmのオレフィン重合体粒子を変性してなる材料改質用変性粒子の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、材料改質用変性粒子の製造方法に関する。
オレフィン重合体は、その産業上利用価値の高さから、種々の方法で工業的に製造され、年間1億トンを超える生産量があるとされている。オレフィン重合体は、炭素と水素を主成分とするので、安定、安価な材料であることが特徴でもある。一方で、オレフィン重合体における官能基を有さない構造は、極性を有する材料との親和性に乏しく、着色性、接着性などの改質を行い難い性質を併せ持っている。
オレフィン重合体の変性方法(官能基の導入方法)としては、ラジカル発生剤を用いて、無水マレイン酸をグラフト反応させる方法が知られているが、分子量の低下や、架橋反応を伴う場合があり、その導入量にも限界がある。
この解決方法として、固相反応での変性方法の例がある(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2015/166939号
しかしながら、オレフィン重合体の分子量の低下などの問題の解決は充分とは言えないのが現状のようである。分子量の低下は、材料としての強度の低下などの様々なマイナス要因につながる恐れがある。
一方、オレフィン重合体の用途によっては、オレフィン重合体からなる粒子や成形体の表面だけ変性されていれば良い場合がある。例えば、接着剤、塗料、接着用原体、塗装用原体の他、ワイパーやウェザーストリップなどの自動車用材料に用いられる摺動性改良粒子などがある。本発明者らは、オレフィン重合体粒子における主として表面または特定の部位を変性できれば、粒子としての強度の低下を抑制しつつ、当該粒子を各種材料に添加したときの材料改質効果を高めることが可能となることが期待できると考えた。
そこで、本発明は、オレフィン重合体粒子を、効率よく、主として表面または特定の部位を変性した材料改質用変性粒子の製造方法を提供することを目的とする。
前記の課題を達成するために、本発明者らが研究を進めた結果、以下に示すような手段によって、オレフィン重合体粒子の主として表面または特定の部分を変性させることが可能となり、新たな材料改質用オレフィン重合体粒子を提供することが可能となった。すなわち本発明は、以下の通りである。
[1]1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、平均粒子径が1〜200μmのオレフィン重合体粒子を変性してなる材料改質用変性粒子の製造方法。
[2]前記工程1が、前記オレフィン重合体粒子と前記ラジカルとが共存する環境において、前記ラジカルに光を照射して前記オレフィン重合体粒子を変性する工程である前記[1]に記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
[3]前記工程1が、前記オレフィン重合体粒子および前記ラジカルに光を照射する工程である前記[2]に記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
[4]前記オレフィン重合体粒子の平均粒子径が、1〜60μmである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
[5]前記ラジカルが、二酸化塩素ラジカルである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
[6]前記材料改質用変性粒子が、塗料改質用変性粒子である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の改質材料の製造方法。
本発明の製造方法によれば、オレフィン重合体粒子の主として表面または特定の部位を変性することが可能であることが期待される。それゆえ、基材であるオレフィン重合体の分子量の低下を抑制出来、粒子本来の特性を生かしつつ、材料改質性に優れたオレフィン重合体粒子を提供することができると考えられる。
図1は、実施例におけるオレフィン重合体粒子を変性する際の概略模式図である。 図2は、実施例および参考例における親水性評価の写真である。
以下、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
≪材料改質用変性粒子の製造方法≫
本発明に係る材料改質用変性粒子の製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、
1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、
平均粒子径が1〜200μmのオレフィン重合体粒子を変性してなる材料改質用変性粒子の製造方法である。
前記工程1は、好ましくは、前記オレフィン重合体粒子と前記ラジカルとが共存する環境において、前記ラジカルに光を照射して前記オレフィン重合体粒子を変性する工程である。
前記工程1において、好ましくは、前記オレフィン重合体粒子および前記ラジカルに光が照射される。「前記オレフィン重合体粒子および前記ラジカルに光が照射される」とは、前記オレフィン重合体粒子、前記ラジカルに対してそれぞれ独立に光を照射することを意図したものではなく、たとえば1つの光源からの光によって前記オレフィン重合体粒子および前記ラジカルが照射されることを意味する。また、前記オレフィン重合体粒子と、前記ラジカルへの光照射は同時に行われることが好ましい。
本発明の製造方法としては、前記ラジカルを含む系に光を照射した後、この系と前記オレフィン重合体粒子とを接触させて前記オレフィン重合体粒子を変性するという態様も挙げられる。
以下、本方法で得られる材料改質用変性粒子を単に「本発明の変性粒子」または「本発明の改質剤粒子」ということがある。
このような本方法によれば、オレフィン重合体粒子の主として表面または特定の部位を効率よく変性することができる。本方法によれば、オレフィン重合体粒子の主として表面または特定の部位を変性できるため、変性が必要な箇所を効率よく変性できるといえるし、このように変性することで、変性前の粒子を構成するオレフィン重合体の分子量の低下を抑制しつつ、変性効果を高めることができる。
本方法によれば、前記ラジカルに光照射するのみの極めて簡便な方法で、また、例えば、常温および常圧等のきわめて温和な条件下でも、オレフィン重合体粒子を効率よく変性(例:酸化処理)することができる。さらに、本方法によれば、例えば、取扱い温度において不安定な場合がある過酸化物やアゾ化合物などのラジカル発生剤を用いずに、オレフィン重合体粒子を効率よく変性(例:酸化反応)することができる。
<工程1>
前記工程1は、1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程である。
前記工程1では、少なくとも前記ラジカルに光が照射されればよく、前記オレフィン重合体粒子には、光が照射されても、されなくてもよい。
本発明において、光を前記オレフィン重合体粒子に照射することは、直接的に前記オレフィン重合体粒子への変性反応に関わらない可能性がある。しかしながら、一般的なラジカルの寿命や前記オレフィン重合体粒子の特定部位への変性を行う場合などを考慮すると、実質的に光を前記オレフィン重合体粒子にも照射することが好ましい方法となる。
前記工程1は、前記ラジカルを含む水相および/または有機相に前記粒子を浸漬または接触させて行う、液相方法でもよく、前記ラジカルを含む水相および/または有機相と、前記粒子とを接触させずに行う、気相方法でもよく、前記ラジカルおよび前記粒子を含む気相で行う、気相方法でもよい。例えば、水や溶媒の残留による影響が厳しく制限される用途の場合は、気相での反応が好ましい。
前記ラジカルは、1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを特定の組成比で含む。
前記ラジカルは、15族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、16族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、15族元素および16族元素の原子をそれぞれ1種以上含んでいてもよく、17族元素の原子を2種以上含んでいてもよい。ただし、これらの場合、前記原子数比は、15族元素および16族元素の原子の合計数と17族元素の原子の合計数との比である。
原子(α)としては、好ましくは、窒素、酸素、硫黄が挙げられ、特に好ましくは酸素である。
原子(β)としては、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素、臭素がより好ましい。これらの中でも、塩素を含むラジカルが、入手ないし発生が容易であるため、塩素がより好ましい。塩素を含むラジカルを用いる場合、照射する光としては、紫外線を含む光が好ましく、臭素やヨウ素を含むラジカルを用いる場合、紫外線より長波長の光も用いることができると考えられる。従って、光の選択自由度や、原料となる重合体に光劣化の可能性がある場合等、状況によっては臭素、ヨウ素が好ましい。
前記ラジカルにおける前記原子数比(原子(α):原子(β))は、好ましくは1:1〜2:1、より好ましくは2:1である。
前記ラジカルとしては、二酸化塩素ラジカルが好ましい。例えば、二酸化塩素ラジカルに光が照射されることで、塩素ラジカル(Cl・)および酸素分子(O2)が発生すると考えられる。
本発明の製造方法において、例えば、原料の位置づけとなるオレフィン重合体粒子は、公知のものを制限なく用いることができる。オレフィン重合体粒子を構成するオレフィン重合体としては、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、オクテンなどの1種または2種以上のオレフィンから得られる単独または共重合体を例示することができる。
前記オレフィン重合体としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体を好ましい例として挙げることができ、それらの中でもエチレン系重合体、プロピレン系重合体が好ましい例である。
オレフィン重合体粒子としては、エチレン系重合体粒子が特に好ましく、それらの中でも摺動性の改善等に優れた効果を示す、超高分子量エチレン系重合体の粒子が好ましい。前記超高分子量エチレン系重合体は、135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が好ましくは4〜35dl/g、より好ましくは5〜25dl/g、さらに好ましくは5〜20dl/g、特に好ましくは5〜18dl/gの範囲にある。
また本発明に用いられるオレフィン重合体粒子の平均粒子径は1〜200μm、好ましくは1〜60μmである。粒子径が小さい方が後述する塗料などのための改質剤としては好ましい場合が多い傾向がある。このような基材となるオレフィン重合体としては、三井化学からは、エチレン系重合体としては、ハイゼックス(登録商標)、ハイゼックスミリオン(登録商標)、ミペロン(登録商標)などの商標名で市販されている。特にミペロンは、その粒子径が小さい(平均粒子径が60μm以下)ことを特徴とする製品である。
本発明でのオレフィン重合体粒子の平均粒子径は、常法により求められる。
前記平均粒子径は、具体的には、60μm以上の粒子径領域であれば、多段に組んだ目開き径の異なる篩を用いて粒度分布をもとめ、その中央値(d50)とする。例えば、以下のような方法である。目開き径45μm〜850μmの7種の篩を用い、帯電防止剤として極少量のカーボンブラックを混合したオレフィン重合体粒子5gを分級して粒度分布を求め、その中央値(d50)を平均粒子径とする。
一方、前記平均粒子径について、60μm以下の粒子径領域の場合は、コールターカウンター法が好ましくは用いられる。具体的には、ベックマン社製マルチサイザー3型装置を用いて、常法により決定される。(上記の機種と同様の結果となることが確認されている装置であれば、別の機種の測定結果を用いてもよいことは言うまでもない。)
このようなオレフィン重合体粒子を得る手段としては多くの報告があり、それらを制限なく採用することができる。例えば、分子量の高いエチレン重合体粒子を提供する方法は、国際公開第2008/013144号、国際公開第2016/136540号などに開示がある。
本方法において、例えば、前記オレフィン重合体粒子の原料におけるオレフィンとして、スチレンなどの芳香族ビニル化合物や、(メタ)アクリル酸およびそのエステル類等が用いられてもよい。
オレフィン重合体は通常、遷移金属を含む触媒を用いた低圧重合法で製造されることが多くなっているが、上記のような共重合体を得る方法としては、高圧ラジカル法も有力な方法である。
オレフィン重合体粒子は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合体、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤などの各種安定剤、帯電防止剤、親水剤、撥水剤、核剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、抗菌剤、難燃剤などの添加剤を含んでいてもよい。
前記光照射に使用する光(の波長)は、用いるラジカルによって適宜選択すればよい。具体的には、赤外線領域から紫外線領域まで幅広い領域を選択可能であるが、例えば200nm以上であり、例えば800nm以下である。光照射時間は特に限定されないが、例えば1分以上であり、例えば1000時間以下である。
前記光照射における光源は特に限定されないが、簡便さの点から、例えば、太陽光等の自然光が挙げられる。また、例えば、前記自然光に代えて、またはこれに加え、キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、水銀ランプ等の光源を適宜用いてもよい。さらに、必要により、必要波長以外の波長をカットするフィルターを適宜用いてもよい。
前記工程1を行う際の温度、圧力、雰囲気も特に制限されないが、反応温度は、例えば0℃以上であり、例えば100℃以下であり、圧力は、例えば0.1MPa以上であり、100MPa以下であり、雰囲気は、例えば、空気雰囲気、不活性ガス雰囲気が挙げられる。
本方法は、例えば、後述の実施例に示すように、加熱、加圧、減圧等を一切行わずに、大気中、常温(例:5〜35℃)および常圧(大気圧)下で行なうことも可能である。
前記光照射は、例えば、水相、有機相および/または気相中に存在する前記ラジカルに対して行われる。環境への負荷や人体への影響を低減させる等の点を重視する場合は、水相や気相に存在するラジカルに対して行うことが好ましい。工程1は、一実施態様では、水相、有機相および気相のうちの二相以上の層が存在する環境下であってもよい。また、例えば、前記ラジカルが液相に存在している場合、前記変性の対象となるオレフィン重合体粒子も液相に存在していてもよいが、それ以外の相、例えば気相に存在していてもよい。
一実施態様において、前記水相および/または有機相中における、原子(α)および原子(β)を含むラジカルの濃度は特に限定されないが、例えば0.0001mol/L以上であり、例えば1mol/L以下である。
工程1は、一実施態様では、前記オレフィン重合体粒子と前記ラジカルとを含む液相(水相および/または有機相)に光照射してもよい。前記液相中における、原料(基質)であるオレフィン重合体粒子の濃度は、特に限定されないが、例えば、1g/L以上であってもよく、10g/L以下であってもよい。
前記水相は、水を含めば特に制限されない。
前記有機相は、有機溶媒を含めば特に制限されない。
前記有機溶媒は特に制限されないが、例えば、炭化水素溶媒、ハロゲン化溶媒が挙げられる。
前記有機溶媒は、1種類でもよく、2種類以上でもよい。
前記炭化水素溶媒としては特に限定されないが、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンが挙げられる。
前記ハロゲン化溶媒としては特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、フルオラス溶媒が挙げられる。
前記フルオラス溶媒は、炭化水素の水素原子の全てまたは大部分がフッ素原子に置換された溶媒をいう。前記フルオラス溶媒は、例えば、炭化水素の水素原子数の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上または90%以上がフッ素原子に置換された溶媒であってもよい。
前記フルオラス溶媒としては、例えば、CF3−(CF2n−CF3(nは4〜7)、N−((CF2nCF33(nは1または4)、ヘキサフルオロベンゼン、1−(トリフルオロメチル)ウンデカフルオロシクロヘキサン、1−(トリフルオロメチル)ペンタフルオロベンゼン、オクタデカフルオロデカヒドロナフタレンが挙げられ、その中でも、例えば、CF3(CF24CF3が好ましい。
フルオラス溶媒は、例えば、溶媒自体の反応性が低いために、副反応を抑制または防止できるという利点がある。前記副反応としては、例えば、溶媒の酸化反応、ラジカルによる溶媒の水素引き抜き反応や塩素化反応、前記原料(基質)由来のラジカルと溶媒との反応が挙げられる。
前記水相および/または有機相は、前記ラジカル以外の他の成分を含んでいてもよい。なお、他の成分は前記水相および/または有機相中に分散したり沈殿したりしていてもよい。
前記他の成分としては、特に限定されないが、例えば、前記ラジカルの発生源、ブレンステッド酸、ルイス酸、酸素(O2)が挙げられる。
これらはそれぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記他の成分は、水相および/または有機相に溶解してもよいが、溶解していなくてもよい。
なお、1つの物質がルイス酸およびブレンステッド酸を兼ねていてもよい。「ルイス酸」は、前記ラジカルの発生源に対してルイス酸として働く物質をいう。
前記ラジカルの発生源は特に限定されないが、前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである場合、例えば、亜塩素酸(HClO2)またはその塩が挙げられる。亜塩素酸の塩としては特に限定されないが、例えば、金属塩が挙げられる。該金属塩は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、希土類塩が挙げられる。
前記二酸化塩素ラジカルの発生源は、より具体的には、例えば、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)、亜塩素酸リチウム(LiClO2)、亜塩素酸カリウム(KClO2)、亜塩素酸マグネシウム(Mg(ClO22)、亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO22)が挙げられる。これらの中でも、コスト、取扱い易さ等の点から、亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
前記水相および/または有機相中における、前記ラジカルの発生源の濃度は特に限定されないが、例えば0.0001mol/L以上であり、例えば1mol/L以下である。
前記ルイス酸は特に制限されず、例えば、有機物質でも、無機物質でもよい。
前記有機物質としては、例えば、アンモニウムイオン、有機酸(例:カルボン酸)が挙げられる。
前記無機物質は、金属イオンおよび非金属イオンの一方または両方を含んでいてもよい。前記金属イオンは、典型金属イオンおよび遷移金属イオンの一方または両方を含んでいてもよい。
前記無機物質は、例えば、アルカリ土類金属イオン(例えばCa2+等)、希土類イオン、Mg2+、Sc3+、Li+、Fe2+、Fe3+、Al3+、ケイ酸イオンおよびホウ酸イオンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
前記アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムまたはラジウムのイオンが挙げられ、より具体的には、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびRa2+が挙げられる。
前記「希土類」は、スカンジウム、イットリウムの2元素と、ランタンからルテチウムまでの15元素(ランタノイド)の計17元素の総称である。希土類イオンとしては、例えば、3価の陽イオンが挙げられる。
また、前記ルイス酸がイオンである場合、前記ルイス酸は、該イオンのカウンターイオンを有する物質であってもよく、該カウンターイオンとしては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO-)、酢酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオンが挙げられる。
また、前記ルイス酸は、AlCl3、AlMeCl2、AlMe2Cl、BF3、BPh3、BMe3、TiCl4、SiF4およびSiCl4からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。なお、これらのうち、「Ph」はフェニル基を表し、「Me」はメチル基を表す。
前記ルイス酸のルイス酸性度は、例えば、0.4eV以上であるが、これには限定されない。前記ルイス酸性度の上限値は特に限定されないが、例えば、20eV以下である。なお、前記ルイス酸性度は、例えば、Ohkubo, K.; Fukuzumi, S. Chem. Eur. J., 2000, 6, 4532、J. AM. CHEM. SOC. 2002, 124, 10270-10271、またはJ. Org. Chem. 2003, 68, 4720-4726に記載の方法により測定することができる。
前記ブレンステッド酸としては特に限定されないが、例えば、無機酸、有機酸が挙げられ、具体的には、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸が挙げられる。
前記ブレンステッド酸の酸解離定数pKaは、例えば10以下である。前記pKaの下限値は、特に限定されないが、例えば、−10以上である。
前記水相および/または有機相中における、前記ルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方の濃度は特に限定されず、適宜設定することができるが、例えば1mg/L以上であり、例えば1g/L以下である。
例えば、水相および/または有機相に、空気または酸素ガスを吹き込むことにより、水相および/または有機相中に酸素(O2)を溶解させることができる。このとき、例えば、水相および/または有機相を、酸素(O2)で飽和させてもよい。水相および/または有機相が前記酸素(O2)を含むことで、例えば、オレフィン重合体粒子の変性(酸化反応)を促進させることができる。
<ラジカル生成工程>
本方法は、前記ラジカルを生成する工程(ラジカル生成工程)を含んでいてもよく、具体的には、前記ラジカル発生源から前記ラジカルを生成する工程が挙げられる。
前記ラジカル生成工程は特に限定されないが、例えば、水相が前記ラジカル発生源を含み、前記ラジカル発生源から前記ラジカルを生成させてもよい。具体的には、前記ラジカル発生源(例:亜塩素酸またはその塩)を水に溶解させて静置し、ラジカル発生源から前記ラジカルを自然発生させることで行なうことができる。このとき、例えば、前記水中に前記ルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方が存在することで、前記ラジカルの生成を促進することができる。また、例えば、前記ラジカル発生源を水に溶解させた水相に光照射することで前記ラジカルを生成させることもできる。この光照射は、前記工程1における光照射であってもよく、つまり、ラジカルを生成させながら、そのラジカルに光照射してもよい。
例えば、亜塩素酸イオンから二酸化塩素ラジカルが発生するメカニズム(機構)は、例えば、下記スキーム1のように推測される。ただし、下記スキーム1は、推測されるメカニズムの一例であり、本発明をなんら限定しない。
下記スキーム1の第1の(上段の)反応式は、亜塩素酸イオン(ClO2 -)の不均化反応を示し、この反応系中にルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方が存在することで、平衡が右側に移動しやすくなると考えられる。
下記スキーム1中の第2の(中段の)反応式は、二量化反応を示し、不均化反応で生成した次亜塩素酸イオン(ClO-)と亜塩素酸イオンとが反応して二酸化二塩素(Cl22)が生成する。この反応は、水中にプロトンH+が多いほど、すなわち酸性であるほど進行しやすいと考えられる。
下記スキーム1中の第3の(下段の)反応式は、ラジカル生成を表す。この反応では、二量化反応で生成した二酸化二塩素が、亜塩素酸イオンと反応して二酸化塩素ラジカルを生成する。
以下、前記ラジカル生成工程に使用する反応系として、有機相と水相とを含む二相反応系を例にあげて説明するが、本方法はこの系に限定されるわけではない。まず、前記工程1を行なうに先立ち、水相と有機相との二相を接触させる。このとき、水相と有機相とを混合してエマルジョン等の状態にしてもよく、撹拌等をしながら反応を行なうこともできる。また、単に、水層(前記水相)と有機層(前記有機相)との二層が分離し、互いに界面のみで接触した状態でもよい。
ここでは、亜塩素酸イオン(ClO2 -)および酸を含む水層と、オレフィン重合体粒子を含む有機層とからなる二層分離の態様を説明するが、本方法はこの態様に限定されるわけではない。反応系は、反応容器中において、水層(前記水相)と有機層(前記有機相)との二層が分離し、互いに界面のみで接触している。一方の層が水層(前記水相)であり、他方の層が有機層(前記有機相)である。水層(水相)中の亜塩素酸イオン(ClO2 -)が酸と反応して、二酸化塩素ラジカル(ClO2・)が発生する。二酸化塩素ラジカル(ClO2・)は水に難溶であるため、有機層中に溶解する。
つぎに、二酸化塩素ラジカル(ClO2・)を含む有機層に少なくとも光照射することで、有機層中の二酸化塩素ラジカル(ClO2・)が分解して塩素ラジカル(Cl・)および酸素分子(O2)が発生する。これにより、有機層(有機相)中の基質(オレフィン重合体粒子)が酸化される。
ただし、上記過程は推測されるメカニズムの一例であり、本発明をなんら限定しない。
なお、前記工程1において、有機相のみを含む一相反応系を使用する場合は、例えば、二酸化塩素ラジカルの発生源を含む水相で前記二酸化塩素ラジカルを発生させ、発生した前記二酸化塩素ラジカルを前記有機相に抽出した後、前記水相を除去し、前記二酸化塩素ラジカルを含む前記有機相を前記一相反応系として、前記工程1に供すればよい。この態様において、オレフィン重合体粒子(基質)は、前記二酸化塩素ラジカルの抽出に先立ち前記有機相中に添加してもよく、前記二酸化塩素ラジカルの抽出と同時に、または、抽出後に前記有機相中に添加してもよい。その後、前記水相と前記有機相とが分離され(前記有機相単独の)、かつ、例えば、前記有機相が前記オレフィン重合体粒子および前記二酸化塩素ラジカルを含む状態で、前述のように光照射を行なう。
便宜上、エタンの酸化反応を例としてエタノールが生成される推定メカニズム(機構)は、以下のように考えられる。まず、二酸化塩素ラジカルが光照射により分解されて塩素ラジカル(Cl・)と酸素分子(O2)が発生する。前記塩素ラジカルは、エタンに対して水素引き抜き剤として働いてエチルラジカル(CH3CH2・)を発生させる。そして、前記酸素分子が、前記エチルラジカルを酸化してエタノールを生成させる。ただし、これは、推測されるメカニズムの一例であり、本発明をなんら限定しない。
本発明では、上記メカニズムにおける前記原料(基質)は、オレフィン重合体粒子であり、前記オレフィン重合体は、エタンなどと同様、炭素−水素単結合を有する構造を持つので、前述と同様の機構で反応が進行するものと推測出来る。しかも本発明に用いられる反応は、光を介して進行するので、光の当たった場所、すなわち主としてオレフィン重合体粒子表面を反応させることが期待される。この性質を利用すれば、仮に変性反応によってオレフィン重合体分子の切断や架橋が起こったとしても粒子表面付近にとどまり、オレフィン重合体粒子の強度等の性能に関わる粒子内部の性能への影響は最小限とできる可能性があるので、粒子強度などを保持するうえで有利である。
また、光を粒子の片側だけに照射すれば、表面の半分だけ変性した粒子や、フォトマスクを使用すれば、特定の粒子だけ変性することも可能となり、変性粒子と未変性粒子の比率を自由に制御することもできると期待される。
本発明の製造方法を用いれば、変性粒子を得ることが出来る(制御できる)割合は、ある特定の範囲の粒子全体を100%(個数基準または面積基準)として、好ましい下限値は、1%、5%、10%、20%、30%、50%の順に好ましく、好ましい上限値は100%であり、より好ましくは90%である。変性された粒子の範囲や、一粒子中の変性された面積は、例えば、極性を持つインクと前記粒子とを接触させた後、電子顕微鏡にて任意の数か所を観察し、インクが付着した粒子の数や、粒子中のインクが付着した面積を測定することで評価することができる。
前記変性は、前記ラジカルに光が当たって発生する17族元素のラジカルを起点に反応が進行すると考えられる。当然ながら、当該ラジカルが原料である前記オレフィン重合体粒子と接触した部分で変性が起こると考えられる。
<回収工程>
さらに、前記工程1後、必要に応じて、前記変性粒子の回収工程を行なう。前記回収工程は、常法によって行われる。すなわち、変性粒子をろ過や遠心分離法で、他の成分や分散媒などから分離し、さらに前記の水または有機溶媒を用いて、数回洗浄操作を行ったのち、乾燥工程を経て目的物を得るのが好ましい方法である。
《変性粒子》
前記変性により、前記ラジカルに含まれる原子(α)を含む官能基がオレフィン重合体粒子に導入される場合もあるが、空気中の酸素などの15族、16族元素を含む官能基が導入される場合もある。この際に、前記ラジカルに含まれる原子(β)もオレフィン重合体粒子に導入される可能性がある。本方法によれば、このように原子(β)もオレフィン重合体粒子に導入される場合があると考えられるため、本発明の変性粒子には、原子(β)の有する効果も期待できる場合がある。
前記原子(α)を含む官能基としては、前記ラジカルが酸素を含む場合、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルデヒド基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、−C(=O)OOH、および−O−O−が挙げられる。
本方法を用いれば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルデヒド基、カルボニル基等に限定されず、17族元素、代表例として塩素も同時に基質であるオレフィン重合体粒子に導入させることができることがある。もちろん使用するラジカルの種類を変えることで、塩素だけでなく臭素やヨウ素の導入も可能である。前記ラジカルを用いて、アルカンなどの低分子炭化水素化合物を変性する場合、17族元素の導入が抑制されることが報告されているが、本方法によれば、17族元素も15,16族元素と併せて、オレフィン重合体粒子に導入できる場合がある。これは、メタンやエタンなどの低分子を変性する場合に比して、オレフィン重合体の炭素−水素結合の存在密度が高くなる傾向にあると考えられることや、ラジカルが重合体と相互作用を持つことで安定して寿命が長くなる可能性がその一因ではないかと本発明者らは考えている。ただ、この推測によって、本発明は制限されない。
前記オレフィン重合体粒子に原子(β)が導入される場合、前記オレフィン重合体粒子に導入される、原子(α)の合計量[Cα]と、原子(β)の合計量[Cβ]との比率([Cα]/[Cβ])の下限値は、好ましくは、ゼロを超え、より好ましくは0.01、さらに好ましくは0.1、特に好ましくは0.5であり、上限値は、好ましくは5000、より好ましくは100、さらに好ましくは20である。前記の[Cα]、[Cβ]値は、XPS法によって特定される値である。測定は、製品名AXIS−Nova(KRATOS社製)を用い常法で実施される。
前記表面とは、前記変性粒子の表面からの深さがその直径の1/10以下、より好ましくは1/20以下の領域をいう。この変性される部分の深さは、例えば、XPS法で確認することができる。
《用途》
本方法で得られる材料改質用変性粒子は、各種の用途に好ましく適用できることが期待される。本発明の変性粒子は、例えば、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、スチレン系塗料等の塗料に、主として摺動性や耐久性を付与する改質剤として好適であると考えられる。また、本発明の変性粒子は、特に環境負荷の少ないとされる水系の塗料に用いても好適な分散性を示すことが期待できると共に、他の成分との界面強度の改善も期待できる。また、本発明の変性粒子を構成するオレフィン重合体の分子量低下が少なく、耐久性などの面での改善も期待できる。
本発明の変性粒子の他の期待される用途としては、ワイパーブレードのゴムやウェザーストリップスポンジ、グラスランチャネルなどのゴム製品やブレーキパッド材料と併用する改質剤がある。これらの材料は、主材であるゴム成分のほかに色素やフィラー等の多種類の成分を併用する場合が多い。本発明の変性粒子は、これらの成分との親和性に優れ、分散性や界面強度にも優れることが期待される。
また、本発明の製造方法で得られる変性粒子は、粒子自身同士の相互作用も改善される可能性が高いので、焼結フィルターなどのフィルターの原料としても好適であると期待される。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例には限定されない。
[ポリエチレン粉体の酸化]
スターラーバーを入れた110mLスクリュー管に、亜塩素酸ナトリウム(Sigma−Aldrich社製)0.4gと、超純水25mLとを入れ、亜塩素酸ナトリウムを超純水に溶解させた。次いで、パーフルオロヘキサン(Oakwood chemical社製)25mLと35〜37%塩酸水溶液(富士フイルム和光純薬社製)60μLとを加えた。この条件で二酸化塩素ラジカルが発生することは事前にESR法で確認しておいた。この混合液にポリエチレン粉体(ミペロン(登録商標)、三井化学社製)1gをさらに加え、スターラーで全体を攪拌した。本実施例で用いたミペロンは、コールターカウンター法で測定した平均粒子径が25μm、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]は13dl/gであった。撹拌後、図1に示すように、スクリュー管内の液は水層と有機層との2層に層分離していた。このポリエチレン粉体を含む溶液に対して、パイフォトニクス(株)製ホロライト・カク DC12Vで波長365nmの光を5分間、20mW/cm2の条件で、図1に示すように前記スクリュー管の横から照射した。その後、ポリエチレン粉体を含む液体を濾紙を設置した漏斗で濾過し、水と分離するパーフルオロヘキサン及び混合液によって着色した黄色が目視で落ちるまでポリエチレン粉体を超純水で洗浄した。次いで、ポリエチレン粉体を減圧乾燥し、実施例1の酸化ポリエチレン粉体を得た。
[ポリエチレン粉体の電子線照射]
ポリエチレン粉体(ミペロン(登録商標)、三井化学社製)100gに照射線量200kGyの電子線を照射することによって、電子線を照射したポリエチレン粉体(電子線照射品)を得た。
[ポリエチレン粉体の親水性評価]
未処理のポリエチレン粉体(参考例1)、電子線を照射したポリエチレン粉体(参考例2)、および酸化ポリエチレン粉体(実施例1)をそれぞれ水が入ったスクリュー管に入れ、攪拌直後のポリエチレン粉体の分散状態(図2参照)を目視で確認した。結果を表1に示す。尚、用いたポリエチレン紛体は、いずれも前記のミペロンである。

Claims (6)

  1. 1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、
    平均粒子径が1〜200μmのオレフィン重合体粒子を変性してなる材料改質用変性粒子の製造方法。
  2. 前記工程1が、
    前記オレフィン重合体粒子と前記ラジカルとが共存する環境において、
    前記ラジカルに光を照射して前記オレフィン重合体粒子を変性する工程である
    請求項1に記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
  3. 前記工程1が、前記オレフィン重合体粒子および前記ラジカルに光を照射する工程である請求項2に記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
  4. 前記オレフィン重合体粒子の平均粒子径が、1〜60μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
  5. 前記ラジカルが、二酸化塩素ラジカルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料改質用変性粒子の製造方法。
  6. 前記材料改質用変性粒子が、塗料改質用変性粒子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の改質材料の製造方法。
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