JP2019218476A - 重合性組成物、位相差膜、その製造方法、液晶表示素子、及び有機発光表示素子 - Google Patents

重合性組成物、位相差膜、その製造方法、液晶表示素子、及び有機発光表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2019218476A
JP2019218476A JP2018117031A JP2018117031A JP2019218476A JP 2019218476 A JP2019218476 A JP 2019218476A JP 2018117031 A JP2018117031 A JP 2018117031A JP 2018117031 A JP2018117031 A JP 2018117031A JP 2019218476 A JP2019218476 A JP 2019218476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
carbon atoms
polymerizable
polymerizable liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018117031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7091867B2 (ja
Inventor
美花 高崎
Mika TAKASAKI
美花 高崎
桑名 康弘
Yasuhiro Kuwana
康弘 桑名
浩一 延藤
Koichi Nobuto
浩一 延藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2018117031A priority Critical patent/JP7091867B2/ja
Publication of JP2019218476A publication Critical patent/JP2019218476A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7091867B2 publication Critical patent/JP7091867B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】基質上に均一にムラなく塗布することができ、且つ、基質への塗布後にハイブリッド配向状態を活性エネルギー線を照射して固定化しうる塗膜を形成可能な重合性液晶組成物を提供する。【解決手段】2種以上の分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)、光重合開始剤(III)、フッ素系界面活性剤(IV)を含有する重合性液晶組成物であって、前記(II)が一般式(II−A)【化1】で表される化合物であり、前記光重合開始剤(III)が一般式(III−a)【化2】で表される化合物を含有する。【選択図】 なし

Description

本願発明は、液晶表示素子、有機発光表示素子等の表示素子を製造する際に用いる重合性組成物を含有する重合性液晶組成物、前記重合性液晶組成物の重合体からなる位相差膜、及び、位相差膜上に接着剤又は粘着剤を積層した積層体、及び、位相差膜や該積層体を用いた表示素子に関する。
重合性基を有する液晶性化合物(重合性液晶化合物)は種々の光学材料に使用される。例えば、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を液晶状態で配列させた後、重合させることにより、均一な配向を有する重合体を作製することが可能である。このような重合体は、ディスプレイに必要な偏光板、位相差板等に使用することができる。多くの場合、要求される光学特性、重合速度、溶解性、融点、ガラス転移温度、重合体の透明性、機械的強度、表面硬度、耐熱性及び耐光性を満たすために、2種類以上の重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物が使用される。
一方、前記重合体単独では、ディスプレイに必要な要求特性を全て満たすことはできないため、他の部材との積層が必要となる。その際、前記重合体上に直接塗布することにより積層する場合もあれば、粘着剤、接着剤等で貼り合せる場合もある。積層体として、機械的強度、耐久性等が求められる。
特許文献1では、ベンゼン環、シクロヘキサン環等の環数を4つ以上有する液晶化合物を使用することで、位相差膜形成後の焼成処理において、耐熱性に優れる位相差膜を作成できることが開示されている。しかしながら、液晶組成物によっては、配向性が悪化する結果であった。また、特許文献2では、耐熱性に優れ、高温雰囲気下において位相差値の変化が少ない重合性液晶組成物が開示されている。しかしながら、実際に液晶表示装置、画像表示装置、プロジェクター装置等の中には、前記焼成工程の後工程として接着剤層や粘着剤層の形成、さらなる焼成工程があり、接着剤層や粘着剤層の形成後のさらなる焼成工程の位相差膜の耐熱性に関しては開示されていなかった。一方、特許文献3では、耐光性の良好な重合性液晶組成物が開示されているが、配向性が良好で、かつ上記のさらなる焼成工程の耐熱性および耐光性を満足できる重合性液晶組成物は開示されていなかった。
特開2011−148761号公報 WO10/074048号公報 WO09/145321号公報
本発明が解決しようとする課題は、位相差膜が良好なハイブリッド配向性を示し、かつ、位相差膜形成後の後工程における耐熱性、耐光性が良好な重合性液晶組成物を提供し、併せて、当該重合性液晶組成物を用いた重合体層を有する積層体、該積層体を用いた液晶表示素子、有機発光表示素子を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2個の重合性官能基を有する、特定の重合性液晶化合物、及び、特定の光重合開始剤、及び、フッ素系界面活性剤を含有する重合性液晶組成物を重合させて得られるハイブリッド配向の位相差膜が優れた配向性、耐光性、耐熱性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、2種以上の分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)、光重合開始剤(III)、フッ素系界面活性剤(IV)を含有する重合性液晶組成物であって、
前記分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)が、一般式(II−A)
Figure 2019218476
(式中、W及びWはそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y及びYはそれぞれ独立的に−COO−又は−OCO−を表し、p及びqはそれぞれ独立的に2〜13の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物であり、
前記光重合開始剤(III)が一般式(III−a)
Figure 2019218476
(式中、Ra及びRaはそれぞれ独立して、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜3のアルキル基、又はシクロヘキシル基を表し、これらのアルキル基又はシクロヘキシル基の炭素原子上の水素原子はヒドロキシル基に置換されていてもよく、X又はXはそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物を含有する重合性液晶組成物に関する。
本発明は、更に、前記重合性液晶組成物の重合体から得られる、ハイブリッド配向を示す位相差膜に関する。
本発明は、更に、前記重合性液晶組成物を、基材上に塗布、乾燥させた後、紫外線照射することを特徴とする、ハイブリッド配向を示す位相差膜の製造方法に関する。
本発明は、更に、前記位相差膜上に接着剤又は粘着剤を塗布させた後、紫外線照射、熱処理することを特徴とする、積層体の製造方法に関する。
本発明は、更に、前記位相差膜又は積層体を用いた表示装置に関する。
本発明の重合性液晶組成物を用いることで、配向性、耐熱性、耐光性が良好な位相差膜に適した重合性液晶組成物を提供し、合わせて、当該重合性液晶組成物を用いた重合体から得られる位相差膜、及び、位相差膜上に接着剤層又は粘着剤層を有する積層体、該積層体を用いた液晶表示素子、有機発光表示素子を提供できる。
以下に本発明による光学異方体の最良の形態について説明するが、本発明において、光学異方体を作製する時に用いる重合性液晶組成物の「液晶」とは、重合性液晶組成物を基材に塗布後、有機溶剤を除去した状態において液晶性を示すことを意図する。また、本発明において、重合性液晶化合物の「液晶」とは、用いる重合性液晶化合物1種のみの化合物で液晶性を示すことを意図する場合や、その他の液晶化合物と混合し混合物とした場合に液晶性を示すことを意図する。なお、重合性液晶組成物を紫外線等の光照射、加熱又はそれらの併用によって重合処理を行うことでポリマー化(フィルム化)することができる。
(2官能重合性液晶化合物)
本発明の光学異方体は、分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)を含有する重合性液晶組成物を用いて作製される。当該分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)は、具体的には以下の一般式(II−A)で表される化合物が好ましい。
一般式(II−A)
Figure 2019218476
(式中、W及びWはそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y及びYはそれぞれ独立的に−COO−又は−OCO−を表し、p及びqはそれぞれ独立的に2〜13の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)
一般式(II)において、W及びWは−O−を表し、Yは−COO−を表し、Yは−OCO−を表し、p及びqはそれぞれ独立的に3〜12の整数である化合物が溶解安定性や配向性の点からより好ましく、p=q=6又はp=q=3である化合物が特に好ましい。
一般式(II−A)で表される化合物はさらに具体的には、一般式(II−A−1)〜一般式(II−A―8)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
(式中、p及びqは一般式(II−A)における意味と同じである。)
一般式(II−A−1)〜一般式(II−A−8)において、p及びqはそれぞれ独立的に3〜12の整数であることが溶解安定性及び配向性の点から好ましい。
一般式(II−A)で表される化合物は、室温にて安定して液晶相を発現させるため、また結晶化を避けるために、2種以上含有させることが好ましく、一般式(II−A−1)〜一般式(II−A−8)において、p=q=3又はp=q=6の化合物を2種以上含有することが配向性の点から特に好ましい。
上記一般式(II−A)で表される、分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物の合計含有量は、本発明の光学異方体を作製する際に使用される重合性液晶組成物に用いる重合性液晶化合物の合計含有量の内、40〜100質量%含有することが好ましく、45〜100質量%含有することがより好ましく50〜100質量%含有することが特に好ましい。得られる塗膜の硬化性を重視する場合には下限値を40質量%以上にすることが好ましく、50質量%以上にすることがより好ましい。
(光重合開始剤)
本発明における重合性液晶組成物は光重合開始剤を少なくとも1種、又は2種以上含有する。本発明における光重合開始剤とは、
下記一般式(III−a)
Figure 2019218476
(式中、Ra及びRaはそれぞれ独立して、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜3のアルキル基、又はシクロヘキシル基を表し、これらのアルキル基又はシクロヘキシル基の炭素原子上の水素原子はヒドロキシル基に置換されていてもよく、X又はXはそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物であり、斯かる前記一般式(III−a)で表される具体的な化合物としては、式(III−a−1)〜式(III−a−4)が挙げられる。
Figure 2019218476
これらのなかでも式(III−a−1)及び式(III−a−2)で表される化合物が、長波長の吸収が小さいために耐光性の改善効果がより顕著なものとなる点から特に好ましい。
光重合開始剤の使用量は、硬化性及びフィルムの耐光性の観点から重合性液晶組成物中に含有する重合性液晶化合物の含有量100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、0.15〜3質量部であることがより好ましく、0.2〜1質量部であることが特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用してもよい。
(フッ素系界面活性剤)
本発明の重合性液晶組成物には、フッ素系界面活性剤(IV)を含有するが、当該フッ素系界面活性剤を用いることにより、本発明の重合性液晶組成物は重合性液晶化合物と当該フッ素系界面活性剤の相溶性が良好なため溶液安定性に優れ、光学異方体とした場合の配向性に優れる。
前記フッ素系界面活性剤(IV)は、炭素原子、水素原子、酸素原子、フッ素原子、窒素原子のみから構成されていることが好ましい。これらの原子から構成されている界面活性剤は、本発明において用いる重合性化合物の末端部分(末端基)以外の構造(スペーサ(Sp)部分や、メソゲン(MG)部分)を構成する原子と同一であることから、重合性化合物との相溶性が増すためと考察される。
また、前記フッ素系界面活性剤は、−(XO)−(Xは炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、Sは1以上の整数である。)で表される基を有すると、光学異方体とした場合の表面平滑性(耐ハジキ性)に優れるため好ましい。Xはアルキレン基を表すが、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、テトラメチレン基が好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基がさらに好ましい。なお、本発明において、「ブチレン」とは炭素原子数4つの分岐状のアルキレンをいい、「テトラメチレン」とは炭素原子数4つの直鎖状のアルキレンをいう。
本発明に用いるフッ素系界面活性剤(IV)としては、配向性の観点から、重量平均分子量(Mw)が2000〜30000のものを用いることが好ましく、2000〜10000のものを用いることがより好ましく、2000〜5000のものを用いることが特に好ましい。重量平均分子量が2000未満のフッ素系界面活性剤を用いると、当該化合物を含有する重合性液晶組成物を基材に塗布して光学異方体とした場合の表面平滑性(ハジキ性)の改善に大きな効果を示さず、また、重量平均分子量が30000より高いフッ素系界面活性剤を用いると、重合性液晶組成物への相溶性が低下するため表面平滑性に悪影響を及ぼすおそれがある。また、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比率で表される分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜5.00であることが好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
測定条件:カラム温度 40℃、展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、流速1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
[分散ポリスチレン]
東ソー株式会社製「A−500」、東ソー株式会社製「A−1000」、東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」、東ソー株式会社製「F−1」、東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」、東ソー株式会社製「F−10」、東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」、東ソー株式会社製「F−80」、東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」、東ソー株式会社製「F−550」
フッ素系界面活性剤(IV)の添加量は、配向性の観点から、重合性液晶組成物中に含有する重合性液晶化合物の含有量100質量部の内、0.005〜5質量%であることが好ましく、0.01〜3質量%であることがより好ましく、0.02〜2.0質量%であることがさらに好ましい。なお、フッ素系界面活性剤の添加量は配合するフッ素系界面活性剤の分子量を考慮して適宜調節することが好ましく、一般的に分子量が低いフッ素系界面活性剤を用いた場合は、分子量が高いフッ素系界面活性剤を用いた場合より、多く添加することが望まれるが、上記重量平均分子量(Mw)が2000〜30000程度のフッ素系界面活性剤を用いる場合は、上記の範囲とすることが好ましい。
前記フッ素系界面活性剤(IV)としては、−(XO)−(Xは炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、sは1以上の整数である。)で表されるオキシアルキレン基を有することが好ましい。該オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基が好ましい。
また、前記フッ素系界面活性剤(IV)には、フルオロアルキル基、フルオロアルケニル基及び/又はフルオロアルキレンエーテル基を有していても良い。該フルオロアルキル基、フルオロアルケニル基及び/又はフルオロアルキレンエーテル基としては、部分的にフッ素化されているかまたは全てフッ素化され、炭素数3〜12個程度の直鎖または分岐のフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基及び/又はフルオロアルキレンエーテル基を挙げることができる。
発明に用いるフッ素系界面活性剤の具体的例としては、炭素原子数4〜6のフルオロアルキル基(ただし、前記アルキル基は酸素原子によるエーテル結合を有するものも含む。)を有する重合性単量体(A)、下記一般式(B)で表されるオキシアルキレン基を必須の単量体として共重合させた共重合体(IV−1)が挙げられる。
前記重合性単量体(A)としては、例えば、下記一般式(A1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2019218476
(上記一般式(A1)中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、ベンジル基又は−C2n−Rf’(nは1〜8の整数を表し、Rf’は下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。)を表し、Lは、下記式(L−1)〜(L−10)のいずれか1つの基を表し、Rfは下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。)
Figure 2019218476
(上記式(L−1)、(L−3)、(L−5)、(L−6)及び(L−7)中のnは1〜8の整数を表す。上記式(L−8)、(L−9)及び(L−10)中のmは1〜8の整数を表し、nは0〜8の整数を表す。上記式(L−6)及び(L−7)中のRf’’は下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。)
Figure 2019218476
(上記式(Rf−1)〜(Rf−4)中のnは4〜6の整数を表す。上記式(Rf−5)中のmは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、かつm及びnの合計は4〜5である。上記式(Rf−6)中のmは0〜4の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは0〜4の整数であり、かつm、n及びpの合計は4〜5である。)
また、上記重合性単量体(A)のより好ましい具体的な例として、下記の単量体(A−1)〜(A−15)等が挙げられる。なお、これらの単量体(A)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
Figure 2019218476
前記重合性単量体(B)は、オキシアルキレン鎖を有する単量体である。前記単量体としては、一般式(B)で表されるものが挙げられる。
Figure 2019218476
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、X、Y、及びZはそれぞれ独立のアルキレン基であり、sは、1以上の整数であり、t及びuはそれぞれ0又は1以上の整数であり、Wは水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基である。)
なお、上記一般式(B)中のX、Y、及びZはアルキレン基であるが、このアルキレン基は、置換基を有していてもよい。−O−(XO)s−(YO)t−(ZO)u−部分の具体例としては、繰返し単位数sが3以上の整数でt、uが0であり、かつXがプロピレンであるポリオキシプロピレン、繰返し単位数sが3以上の整数でt、uが0であり、かつXがブチレンであるポリオキシブチレン、繰返し単位数sが3以上の整数でt、uが0であり、かつXがテトラメチレンであるポリオキシテトラメチレン、繰返し単位数s及びtがともに1以上の整数でuが0であり、かつX又はYがエチレンで他方がプロピレンであるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポリオキシアルキレン、繰返し単位数s及びtがともに1以上の整数でuが0であり、かつX又はYがプロピレンで他方がブチレンであるプロピレンオキサイドとブチレンオキサイドとの共重合体であるポリオキシアルキレン、繰返し単位数s及びtがともに1以上の整数でuが0であり、かつX又はYがエチレンで他方がテトラメチレンであるエチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体であるポリオキシアルキレン、繰返し単位数s及びtがともに1以上の整数でuが0であり、かつX又はYがプロピレンで他方がテトラメチレンであるプロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体であるポリオキシアルキレン、繰返し単位数s、t及びuがともに1以上の整数であり、かつX及びZがエチレンで、Yがプロピレンである、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの共重合体であるポリオキシアルキレンが挙げられる。
なお、これらのポリオキシアルキレンの重合度、すなわち一般式(B)中のsとtとuとの合計が3〜50のものが好ましい。なお、Xを含む繰返し単位とYを含む繰返し単位とZを含む繰返し単位とは、ランダム状に配置されてもブロック状に配置されても構わない。
前記単量体(B)が有するポリオキシアルキレン鎖の中でも、少なくともポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖又はポリオキシテトラメチレン鎖を有するものは、本発明の重合性液晶組成物に添加した場合に、より優れた耐ハジキ性を発揮することから好ましい。少なくともポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖又はポリオキシテトラメチレン鎖を有するものとしては、これらのポリオキシアルキレン鎖を単独で有するものでも、他のポリオキシアルキレン鎖との共重合体であっても構わない。
前記単量体(B)は、上記の繰返し単位数sが3以上の整数でt、uが0である場合は、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル、このポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸エステルではない末端が炭素原子数1〜6のアルキル基によって封止されたもの等が挙げられる。
前記単量体(B)のより具体的な例としては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテ
トラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・ブチレングリコール
)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラエチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(トリメチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(ブチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体(B)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。なお、「ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのランダム共重合物を意味し、「ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合物を意味し、他のものも同様である。
前記共重合体には、アルキル基を有する重合性単量体(C)を含有してもよい。前記単量体(C)としては、例えば、下記一般式(C−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2019218476
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状又は環構造を有するアルキル基である。)
なお、上記一般式(C−1)中のRは炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状又は環構造を有するアルキル基であるが、このアルキル基は、脂肪族又は芳香族の炭化水素基、水酸基等の置換基を有していてもよい。上記アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数が1〜18のアルキルエステル;ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜18の橋架け環状アルキルエステルなどが挙げられる。これらの単量体(C)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
さらに、本発明のフッ素系界面活性剤の原料として、前記単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)以外の単量体として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類などを用いることもできる。
本発明の重合性液晶組成物のレベリング性能およびハイブリッド配向性を良好なものとするために、フッ素系界面活性剤の原料である前記単量体(A)の質量割合は、フッ素系界面活性剤を構成する単量体合計中の30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、フッ素系界面活性剤の重量平均分子量は、15000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、5000以下がさらに好ましい。また、前記単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)以外の単量体を用いる場合は、全単量体中20質量%以下とすることが好ましい。さらに、フッ素系界面活性剤の含有量は、重合性液晶組成物の総量に対し、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.015〜2.0質量%がより好ましく、0.02〜1.0質量%が特に好ましい。
(その他の重合性液晶化合物)
(単官能重合性液晶化合物)
本発明の光学異方体は、分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)を含有する重合性液晶組成物を用いて作製されるが、当該重合性液晶組成物には、任意成分として、分子内に1個の重合性官能基を有する単官能重合性液晶化合物を含有しても良い。当該分子内に1個の重合性官能基を有する単官能重合性液晶化合物として、下記一般式(II−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019218476
一般式(II−1)中、P211は重合性官能基を表し、
一般式(II−1)中、X211は−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し(ただし、P211−Sp211、及びSp211−X211は、−O−O−、−O−NH−、−S−S−及び−O−S−基を含まない。)、
一般式(II−1)中、q211は0又は1を表し、
一般式(II−1)中、R211は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い、炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルケニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基の有する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基によって置換されても良く、複数置換されている場合それぞれ同一であっても、異なっていても良く、
一般式(II−1)中、Sp211は炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し(該アルキレン基中の水素原子は、1つ以上のハロゲン原子、又はCN基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、−O−、−COO−、−OCO−又は−OCO−O−により置き換えられていても良い。)を表し、
一般式(II−1)中、MGはメソゲン基を表し、当該メソゲン基としては、一般式(II−1−b)
Figure 2019218476
(上記一般式(II−1−b)中、B11、B21及びB31はそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基(当該アルキル基中の水素原子は、1つ以上のフェニル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、−O−、−COO−、−OCO−又は−OCO−O−により置き換えられていても良い。)、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1〜8のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、及び/又は、炭素原子数2〜8のアルケノイル基を有していても良い。また、上記一般式(II−1−b)中、Z11及びZ21はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2CH2−、−C=N−、−N=C−、−CONH−、−NHCO−、−C(CF−、ハロゲン原子を有してもよい炭素原子数2〜10のアルキル基又は単結合を表し、r11は0、1、2又は3を表し、B11、及びZ11が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても、異なっていても良い。)で表されるが、Z11、Z21が単結合を表す場合、上記B11、B21、B31のうち、隣接して存在する2つの環構造がそれぞれ有する置換基が結合して環状基を形成しても良い。
上記一般式(II−1)中、P211は一般式(P−1)〜(P−20)で表され、重合性を高める観点から、一般式(P−1)、(P−2)、(P−7)、(P−12)、(P−13)が好ましく、式(P−2)、(P−2)、(P−7)がより好ましい。
Figure 2019218476
上記一般式(II−1)中、Sp211は、保存安定性を高める観点から、それぞれ独立して、炭素原子数1〜14のアルキレン基を表すことが好ましく、当該アルキレン基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、−O−、−COO−又は−OCO−により置き換えられていても良い。また、Sp211は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜12のアルキレン基を表すことがより好ましく、当該アルキレン基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基は−O−により置き換えられていても良い。
上記一般式(II−1)中、X211は、それぞれ独立して、−O−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合を表すことが好ましく、−O−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことがより好ましい(ただし、P211−Sp211、及びSp211−X211は、−O−O−、−O−NH−、−S−S−及び−O−S−基を含まない。)。
上記一般式(II−1)中、R211は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、又は−C≡C−によって置換されても良い、炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルケニル基を表すことが好ましく、該アルキル基、アルケニル基の有する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基によって置換されても良く、複数置換されている場合それぞれ同一であっても、異なっていても良い。また、R211は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、又は−C≡C−によって置換されても良い、炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素原子数1から8の直鎖又は分岐アルケニル基を表すことがより好ましく、該アルキル基、アルケニル基の有する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基によって置換されても良く、複数置換されている場合それぞれ同一であっても、異なっていても良い。
上記一般式(II−1−b)中、B11、B21及びB31はそれぞれ独立的に、上述した置換基を有しても良い、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基を表すことが好ましいが、配向性に優れる点からB11、B21及びB31の少なくとも一つは、1,4−フェニレン基であることが好ましい。また、Z11及びZ21はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−C=N−、−N=C−、又は単結合を表すことが好ましく、r11は0又は1を表すことが好ましい。
一般式(II−1)の例として、下記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)で表される化合物を挙げることができるが、下記の一般式に限定されるわけではない。
Figure 2019218476
上記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)中、P211、Sp211、X211、及び、q211は、それぞれ、上記一般式(II−1)の定義と同じものを表し、
上記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)中、B111、B112、B113、B21、B31は、上記一般式(II−1−b)のB11〜B31の定義と同じものを表し、好ましい基もB11〜B31の定義と同じものを表し、それぞれ、同一であっても、異なっていても良く、
上記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)中、Z111、Z112、Z113、Z21は、上記一般式(II−1−b)のZ11〜Z21の定義と同じものを表し、好ましい基もZ11〜Z21の定義と同じものを表し、それぞれ、同一であっても、異なっていても良く、
上記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)中、R211は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い、炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルケニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基の有する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基によって置換されても良く、複数置換されている場合それぞれ同一であっても、異なっていても良い。
上記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)のうち、重合後の配向性の観点から、一般式(II−1−1)〜一般式(II−1−2)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)で表される化合物としては、以下の式(II−1−1−1)〜式(II−1−1−27)で表される化合物を例示されるが、これらに限定される訳ではない。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは0〜18の整数を表し、nは0又は1を表し、R211は、上記一般式(II−1−1)〜(II−1−4)の定義と同じものを表すが、R211は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、1個の−CH−が−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、によって置換されても良い、炭素原子数1から6の直鎖アルキル基又は炭素原子数1から6の直鎖アルケニル基を表すことが好ましく、
上記環状基は、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1〜8のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケノイル基、炭素原子数2〜8のアルケノイルオキシ基を有していても良い。
上記一般式(II−1−1−1)〜一般式(II−1−1−27)で表される化合物はさらに具体的に以下の一般式(II−1−2−1)〜一般式(II−1−2−39)で表される化合物を例示できるが、これらに限定される訳ではない。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
本発明の光学異方体は、分子内に2個以上の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)を含有する重合性液晶組成物を用いて作製されるが、当該重合性液晶組成物には、任意成分として分子内に1個の重合性官能基を有する単官能重合性液晶化合物を含有していても良く、分子内に1個の重合性官能基を有する単官能重合性液晶化合物の合計含有量は、使用される重合性液晶組成物に用いる重合性液晶化合物の合計含有量の内、60質量%以下となる割合で含有することが好ましく、50質量%以下となる割合で含有することがより好ましく、50質量%以下となる割合で含有することが特に好ましい。得られる塗膜の硬化性を重視する場合には上限値を50質量%以下とすることが好ましく、40質量%以下とすることがより好ましい。また、下限値は特に制限されるものではないが、5質量%、特に10質量%であることが特に好ましい。
(多官能重合性液晶化合物)
本発明の光学異方体は、分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)を含有する重合性液晶組成物を用いて作製されるが、当該重合性液晶組成物には、3個以上の重合性官能基を有する多官能重合性液晶化合物を含有していても良い。3個以上の重合性官能基を有する多官能重合性液晶化合物としては、下記一般式(II−3−1)〜一般式(II−3−2)で表される化合物を例示できる。
Figure 2019218476
上記一般式(II−3−1)及び一般式(II−3−2)中、P231、X231、q231、X232、q232、P232、P233、X233、q234、q233、X234、q236、q235、P234、X235、q238、q237、P235は、それぞれ、上記一般式(II)、一般式(II−a)、一般式(II−c)中のP21、X21、q21、X22、q22、P22、P23、X23、q24、q23、X23、q24、q23、P23、X23、q24、q23、P23の定義と同じものを表し、
Sp231、Sp232、Sp233、Sp234及びSp235はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し(該アルキレン基中の水素原子は、1つ以上のハロゲン原子、又はCN基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、−O−、−COO−、−OCO−又は−OCO−O−により置き換えられていても良い。)を表し、
j3は0又は1を表し、
MGはメソゲン基を表し、当該メソゲン基としては、一般式(II−3−b)
Figure 2019218476
(上記一般式(II−3−b)中、B11、B21及びB31はそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基(当該アルキル基中の水素原子は、1つ以上のフェニル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、−O−、−COO−、−OCO−又は−OCO−O−により置き換えられていても良い。)、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1〜8のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、及び/又は炭素原子数2〜8のアルケノイル基を有していても良く、
Z11及びZ21はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2CH2−、−C=N−、−N=C−、−CONH−、−NHCO−、−C(CF−、ハロゲン原子を有してもよい炭素原子数2〜10のアルキル基又は単結合を表し、r11は0、1、2又は3を表し、B11、及びZ11が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても、異なっていても良い。)で表されるが、Z11、Z21が単結合を表す場合、上記B11、B21、B31のうち、隣接して存在する2つの環構造がそれぞれ有する置換基が結合して環状基を形成しても良く、
231、P232、P233、P234、及びP235は上述の一般式(P−1)〜(P−20)を表すが、重合性を高める観点から、それぞれ独立して、上述の式(P−1)、(P−2)、(P−7)、(P−12)、(P−13)が好ましく、式(P−1)、(P−2)がより好ましい。
上記一般式(II−3−1)及び一般式(II−3−2)中、Sp231、Sp232、Sp233、Sp234及びSp235は、保存安定性を高める観点から、それぞれ独立して、炭素原子数1〜14のアルキレン基を表すことが好ましく、当該アルキレン基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、−O−、−COO−又は−OCO−により置き換えられていても良い。また、Sp231、Sp232、Sp233、Sp234及びSp235は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜12のアルキレン基を表すことがより好ましく、当該アルキレン基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基は−O−により置き換えられていても良い。
上記一般式(II−3−1)及び一般式(II−3−2)中、X231、X232、X233、X234及びX235は、それぞれ独立して、−O−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合を表すことが好ましく、−O−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことがより好ましい(ただし、P231−Sp231、Sp231−X231、P232−Sp232、Sp232−X232、P233−Sp233、Sp233−X233、P234−Sp234、Sp234−X234、P235−Sp235、及びSp235−X235は、−O−O−、−O−NH−、−S−S−及び−O−S−基を含まない。)。
上記一般式(II−3−b)中、B11、B21及びB31はそれぞれ独立的に、上述した置換基を有しても良い、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基を表すことが好ましく、Z11及びZ21はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−C=N−、−N=C−、又は単結合を表すことが好ましく、r11は0又は1を表すことが好ましい。
上記一般式(II−3−1)中、MGにおいて、−(X233q234−(Sp233q233−P233基で表される重合性基を有する基は、MG中の存在するB11、B21及び/又はB31の置換基として置換される。
上記一般式(II−3−2)中、Sp基において、−(X234q236−(Sp234q235−P234基、及び、存在する−(X234q236−(Sp234q235−P234基で表される重合性基を有する基は、Sp基中に存在するアルキレン基中の水素原子に置換される。
上記一般式(II−3−1)〜一般式(II−3−2)で表される化合物の例として、下記一般式(II−3−3−1)〜(II−3−3−10)で表される化合物を挙げることができるが、下記の一般式に限定されるわけではない。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
上記一般式(II−3−3−1)〜(II−3−3−10)において、P231〜P235、Sp231〜Sp235、X231〜X235、q231〜q238、MGは、それぞれ、上記一般式(II−3−1)及び一般式(II−3−2)の定義と同じものを表す。
上記一般式(II−3−3−1)〜(II−3−3−10)において、B111とB112とB113、B21、B31は、それぞれ、上記一般式(II−3−b)のB11、B21、B31の定義と同じものを表し、好ましい基もB11〜B31の定義と同じものを表し、それぞれ、同一であっても、異なっていても良い。
上記一般式(II−3−3−1)〜(II−3−3−10)において、Z111とZ112とZ113、Z21は、それぞれ、上記一般式(II−3−b)のZ11、Z21の定義と同じものを表し、好ましい基もZ11〜Z21の定義と同じものを表し、それぞれ、同一であっても、異なっていても良い。
上記一般式(II−3−3−1)〜(II−3−3−10)で表される化合物としては、以下の式(II−3−3−3−1)〜式(II−3−3−3−6)で表される化合物を例示されるが、これらに限定される訳ではない。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
式中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を表し、これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよく、上記環状基は、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1〜8のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケノイル基、炭素原子数2〜8のアルケノイルオキシ基を有していても良い。
m4〜m9はそれぞれ独立して0〜18の整数を表し、n4〜n9はそれぞれ独立して0又は1を表す。
3個以上の重合性官能基を有する多官能重合性液晶化合物は、1種又は2種以上用いることができる。
本発明の光学異方体は、分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)を含有する重合性液晶組成物を用いて作製されるが、当該重合性液晶組成物中、分子内に3個以上の重合性官能基を有する多官能重合性液晶化合物の合計含有量は、使用される重合性液晶組成物に用いる重合性液晶化合物の合計含有量の内、0〜20質量%含有することが好ましく、0〜30質量%含有することがより好ましく0〜40質量%含有することが特に好ましい。得られるフィルムの表面硬度を重視する場合には、下限値を10質量%以上にすることが好ましく、20質量%以上にすることがより好ましく、25質量%以上にすることが特に好ましく、一方、得られるフィルムの配向性を重視する場合には、上限値を40量%以下とすることが好ましく、35質量%以下とすることがより好ましく、30質量%以下とすることが特に好ましい。
(重合性液晶組成物に含有するその他の化合物)
本発明の重合性液晶組成物中には、本発明の性質を損なわない限りその他の化合物及び添加剤を配合することができる。
(その他の液晶化合物)
本発明の重合性液晶組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、重合性基を有さないメソゲン基を含有する化合物を添加しても良く、通常の液晶デバイス、例えばSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)液晶や、TN(ツイステッド・ネマチック)液晶、TFT(薄膜トランジスター)液晶等に使用される化合物が挙げられる。
重合性官能基を有さないメソゲン基を含有する化合物は、具体的には以下の一般式(5)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019218476
MG3で表されるメソゲン基又はメソゲン性支持基は、一般式(5−b)
Figure 2019218476
(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CF、OCF、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基、アルケノイルオキシ基を有していても良く、
Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH CH−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CHCHCOO−、−CHCHOCO−、−COOCHCH−、−OCOCHCH−、−CONH−、−NHCO−、炭素数2〜10のハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を有してもよいアルキレン基又は単結合を表し、
は0、1又は2を表し、
51及びR52はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH基又は隣接していない2つ以上のCH基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。)で表される化合物が挙げられる。
具体的には、以下に示されるが、これらに限定される訳ではない。
Figure 2019218476
Ra及びRbはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルケニル基、シアノ基を表し、これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
メソゲン基を有する化合物の総含有量は、重合性液晶組成物の総量に対して0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、用いる場合は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましく、また、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが好ましい。
(有機溶剤)
本発明における重合性液晶組成物には塗布性を上げるために有機溶剤を添加してもよい。用いる有機溶剤としては特に限定はないが、重合性液晶化合物が良好な溶解性を示す有機溶剤が好ましく、150℃以下の温度で乾燥できる有機溶剤であることが好ましい。そのような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン等の芳香族系炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、等のアミド系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン及びクロロベンゼン等が挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできるが、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤及び芳香族炭化水素系溶剤のうちのいずれか1種類以上を用いることが溶液安定性の点から好ましい。
本発明に用いられる重合性液晶組成物は有機溶剤を用いた溶液とすると基板に対して塗布することができ、重合性液晶組成物に用いる有機溶剤の比率は、塗布した状態を著しく損なわない限りは特に制限はないが、重合性液晶組成物中に含有する有機溶剤の合計量が10〜95質量%であることが好ましく、12〜90質量%であることが更に好ましく、15〜85質量%であることが特に好ましい。
有機溶剤に重合性液晶組成物を溶解する際には、均一に溶解させるために、加熱攪拌することが好ましい。加熱攪拌時の加熱温度は、用いる組成物の有機溶剤に対する溶解性を考慮して適宜調節すればよいが、生産性の点から15℃〜110℃が好ましく、15℃〜105℃がより好ましく、15℃〜100℃がさらに好ましく、20℃〜90℃とするのが特に好ましい。
また、溶剤を添加する際には分散攪拌機により攪拌混合することが好ましい。分散攪拌機として具体的には、ディスパー、プロペラ、タービン翼等攪拌翼を有する分散機、ペイントシェイカー、遊星式攪拌装置、振とう機、シェーカー又はロータリーエバポレーター等が使用できる。その他には、超音波照射装置が使用できる。
溶剤を添加する際の攪拌回転数は、用いる攪拌装置により適宜調整することが好ましいが、均一な重合性液晶組成物溶液とするために攪拌回転数を10rpm〜1000rpmとするのが好ましく、50rpm〜800rpmとするのがより好ましく、150rpm〜600rpmとするのが特に好ましい。
(重合禁止剤)
本発明における重合性液晶組成物には、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては、フェノール系化合物、キノン系化合物、アミン系化合物、チオエーテル系化合物、ニトロソ化合物、等が挙げられる。
フェノール系化合物としては、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2.2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2.2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4.4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4−メトキシ−1−ナフトール、4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビ−1−ナフトール、等が挙げられる。
キノン系化合物としては、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニルベンゾキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等が挙げられる。
アミン系化合物としては、p−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N.N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1.3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N.N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4.4'−ジクミル−ジフェニルアミン、4.4'−ジオクチル−ジフェニルアミン等が挙げられる。
チオエーテル系化合物としては、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。
ニトロソ系化合物としては、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルナフチルアミン、N−ニトロソジナフチルアミン、p−ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール等、N、N−ジメチルp−ニトロソアニリン、p−ニトロソジフェニルアミン、p−ニトロンジメチルアミン、p−ニトロン−N、N−ジエチルアミン、N−ニトロソエタノールアミン、N−ニトロソジ−n−ブチルアミン、N−ニトロソ−N−n−ブチル−4−ブタノールアミン、N−ニトロソ−ジイソプロパノールアミン、N−ニトロソ−N−エチル−4−ブタノールアミン、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、N−ニトロソモルホリン、N−二トロソーN−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、2,4.6−トリーtert−ブチルニトロンベンゼン、N−ニトロソ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−ニトロソ−N−エチルウレタン、N−ニトロソ−N−n−プロピルウレタン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソー1−ナフトール、1−ニトロソ−2−ナフトール−3,6−スルホン酸ナトリウム、2−ニトロソ−1−ナフトール−4−スルホン酸ナトリウム、2−ニトロソ−5−メチルアミノフェノール塩酸塩、2−ニトロソ−5−メチルアミノフェノール塩酸塩等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は重合性液晶組成物に対して0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。
(熱重合開始剤)
本発明における重合性液晶組成物には、前記重合性組成物に含有する光重合開始剤とともに、熱重合開始剤を併用してもよい。熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。具体的には、和光純薬工業株式会社製の「V−40」、「VF−096」、日本油脂株式会社(現日油株式会社)の「パーへキシルD」、「パーへキシルI」等が挙げられる。
熱重合開始剤の使用量は重合性液晶組成物中に含有する重合性液晶化合物の含有量100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
(連鎖移動剤)
本発明における重合性液晶組成物は、光学異方体とした場合の基材との密着性をより向上させるため、連鎖移動剤を添加することも好ましい。連鎖移動剤としては、チオール化合物が好ましく、モノチオール、ジチオール、トリチオール、テトラチオール化合物がより好ましく、トリチオール化合物が更により好ましい。具体的には下記一般式(8−1)〜(8−13)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
式中、R65は炭素原子数2〜18のアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であっても良く、該アルキル基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、R66は炭素原子数2〜18のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよい。
連鎖移動剤の添加量は重合性液晶組成物中に含有する重合性液晶化合物の含有量100質量部の内、0.5〜10質量部であることが好ましく、1.0〜5.0質量部であることがより好ましい。
(光安定剤)
本発明の重合性組成物には、光学異方体とした場合の耐光性をより向上させるため、光安定剤を添加してもよい。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。具体的には、下記一般式(G)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019218476
(一般式(D)中の、Rは、水素原子、−O・、−OH、炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF−又は−CFO−に置換されてもよく、
、R、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF−又は−CFO−に置換されてもよく、RとR及び/又はRとRは互いに結合して環を形成してもよく、
及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF−又は−CFO−に置換されてもよく、
はn価の有機基を表し、複数存在するR、R、R、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、
nは1〜4の整数を表す。)
一般式(G)において、Rは耐光性能を高めるには水素原子、−O・、−OHであることが好ましく、水素原子及び/又は−O・であることが更に好ましく、水素原子が特に好ましい。また、重合性液晶化合物との相溶性を高めるためには炭素原子数1〜12の無置換のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基又は炭素原子数3〜12のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜8の無置換のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数3〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜4の無置換のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数3又は4のアルケニル基であることが更に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
一般式(G)において、R,R,R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。R,R,R及びRのいずれか1個以上がメチル基であることが更に好ましく、R,R,R及びRの全てがメチル基を表すことが特に好ましい。また、RとR,及び/又はRとRは互いに結合して環構造を形成してもよい。環構造を形成する場合は、5員環又は6員環であることが好ましい。
一般式(G)において、R及びRは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
一般式(G)において、Mはn価の有機基(n=1〜4)であればよいが、一般式(G−M−1)〜一般式(G−M−5)で表される構造であることが、他の成分との相溶性、及び、耐光性のバランスがとれている点で好ましい。
Figure 2019218476
(一般式(G−M−1)〜一般式(G−M−5)中の、Pはアクリル基又は(メタ)アクリル基から選択される重合性基を表し、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF−、−CFO−、−NH−又は単結合を表し、Sp、Sp、Sp及びSpはそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF−又は−CFO−に置換されてもよく、
Figure 2019218476
(式中の、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、−OH又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、−O−CO−に置換されてもよい。また、環状構造中の水素原子はハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよい。)から選ばれる基を表し、
Figure 2019218476
(式中の、R10は、水素原子、−OH又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、−O−CO−に置換されてもよい。また、環状構造中の水素原子はハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよい。)から選ばれる基を表し、
Figure 2019218476
で表される基を表す。)
一般式(G−M−1)〜一般式(G−M−5)中、Z、Z、Z及びZの少なくとも1個以上は−O−、−CO−O−又は単結合を表すことが好ましく、Z、Z及びZの全てが−O−、−CO−O−又は単結合を表すことが特に好ましい。また、Sp、Sp、Sp及びSpは、単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を表すことがより好ましい。該アルキレン基は無置換であるか、又はアルキレン基中に存在する1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−に置換されていることが好ましく、無置換であることがより好ましい。具体的には、炭素原子数1〜4の無置換のアルキレン基又は単結合であることが特に好ましい。
−Sp−Z−は、CH=CH−CO−O−又はCH=CH(CH)−CO−O−が好ましく、Sp−Z−は、CH−(CH−CO−O−(nは1から4の整数を表す)であることが好ましい。
また、−Sp−Z−、−Sp−Z−、−Sp−Z−及び−Sp−Z−は、それぞれ独立して−CO−O−、−(CH−CO−O−、−CO−O−(CH−、−(CH−O−、−O−(CH−、−O−CO−O−、−(CH−O−CO−O−又は−O−CO−O−(CH−(nは1から4の整数を表す)であることが好ましく、−CO−O−、−CH−CO−O−又は−CH−CH−CO−O−であることがより好ましい。
一般式(G)で表される化合物において、一般式(G−1)〜(G−18)で表される化合物が好ましく、一般式(G−1)〜(G−6)、(G−17)〜(G−18)で表される化合物がより好ましく、一般式(G−1)、(G−2)、(G−4)、(G−17)及び(G−18)で表される化合物である事が特に好ましい。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
(式中のR11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して一般式(G)中のRと同じ意味を表す。)
なお、一般式(G)中に存在する隣接する2個以上の−CH−がそれぞれ独立して−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF−又は−CFO−に置換されることはない。
本発明の重合性組成物に含有させる成分(G)の含有量は、当該重合性組成物を重合した場合に耐光性が良好な重合体となるため、重合性組成物に含まれる重合性化合物中の0.01質量%〜1質量%が好ましく、0.01質量%〜0.5質量%がよりに好ましく、0.01質量%〜0.1質量%がさらに好ましい。
(酸化防止剤)
本発明の重合性組成物には、光学異方体とした場合の耐熱性をより向上させるため、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が好ましいが、フェノール系酸化防止剤がより好ましい。具体的には、下記一般式(H)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019218476
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、RH1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表すが、基中に存在する1個の−CH−又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよい。更に具体的には、炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数2から7のアルコキシル基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数3から7のアルキル基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であることが更に好ましい。
一般式(H−4)中、MH4は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−に置換されていてもよい。)、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、単結合、1,4−フェニレン基(1,4−フェニレン基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されていてもよい。)又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すが、炭素原子数1から14のアルキレン基であることが好ましく、揮発性を考慮すると炭素原子数は大きい数値が好ましいが、粘度を考慮すると炭素原子数は大き過ぎない方が好ましいことから、炭素原子数2から12が更に好ましく、炭素原子数3から10が更に好ましく、炭素原子数4から10が更に好ましく、炭素原子数5から10が更に好ましく、炭素原子数6から10が更に好ましい。
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、1,4−フェニレン基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH=は−N=によって置換されていてもよい。また、1,4−フェニレン基中の水素原子はそれぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、1,4−シクロヘキシレン基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−は−O−又は−S−によって置換されていてもよい。また、1,4−シクロヘキシレン基中の水素原子はそれぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
更に具体的には、例えば、式(H−11)から式(H−15)が挙げられる。
Figure 2019218476
本発明の重合性組成物に含有させる成分(H)の含有量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物中の0.01質量%以上、好ましくは0.01質量%以上〜1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上〜0.5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上〜0.1質量%以下とすることで、当該重合性組成物を重合した場合に耐熱性が良好な重合体となるため好ましい。
(その他の添加剤)
更に物性調整のため、目的に応じて、液晶性のない重合性化合物、チキソ剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、表面処理剤等の添加剤を液晶の配向能を著しく低下させない程度添加することができる。
(積層体からなる光学異方体の製造方法)
(光学異方体)
本発明の重合性液晶組成物を用いて作製した光学異方体は、基材、必要に応じて配向膜、場合により前記重合性組成物の重合体及び、本発明の重合性液晶組成物の重合体を順次積層したものである。
(基材)
本発明の積層体からなる光学異方体に用いられる基材は、液晶デバイス、ディスプレイ、光学部品や光学フィルムに通常使用する基材であって、本発明の重合性液晶組成物の塗布後の乾燥時における加熱に耐えうる耐熱性を有する材料であれば、特に制限はない。そのような基材としては、ガラス基材、金属基材、セラミックス基材やプラスチック基材等の有機材料が挙げられる。特に基材が有機材料の場合、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート(アクリル樹脂)、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン又はポリスチレン等が挙げられる。中でもポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネート等のプラスチック基材が好ましく、ポリアクリレート、ポリオレフィン、セルロース誘導体等の基材がさらに好ましく、ポリオレフィンとしてCOP(シクロオレフィンポリマー)を用い、セルロース誘導体としてTAC(トリアセチルセルロース)を用い、ポリアクリレートとしてPMMA(ポリメチルメタクリレート)を用いることが特に好ましい。基材の形状としては、平板の他、曲面を有するものであっても良い。これらの基材は、必要に応じて、電極層、反射防止機能、反射機能を有していてもよい。
本発明の重合性液晶組成物の塗布性や接着性向上のために、これらの基材の表面処理を行っても良い。表面処理として、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、シランカップリング処理などが挙げられる。また、光の透過率や反射率を調節するために、基材表面に有機薄膜、無機酸化物薄膜や金属薄膜等を蒸着など方法によって設ける、あるいは、光学的な付加価値をつけるために、基材がピックアップレンズ、ロッドレンズ、光ディスク、位相差フィルム、光拡散フィルム、カラーフィルター、等であっても良い。中でも付加価値がより高くなるピックアップレンズ、位相差フィルム、光拡散フィルム、カラーフィルターは好ましい。
(配向処理)
また、上記基材としては、本発明の重合性液晶組成物を塗布乾燥した際に重合性液晶組成物が配向するように、ガラス基材単独、あるいは基材上に配向膜が設けられていても良い。配向処理としては、延伸処理、ラビング処理、偏光紫外可視光照射処理、イオンビーム処理等が挙げられる。配向膜を用いる場合、配向膜は公知慣用のものが用いられる。そのような配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、レシチン、水酸基、カルボン酸基またはスルホン酸基を含有する親水性ポリマーや、また親水性の無機化合物、光配向膜などが利用できる。親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸、ポリアルギン酸ソーダ、ポリカルボキシメチルセルロースソーダ塩、プルラン、ポリスチレンスルホン酸が挙げられる。また、親水性の無機化合物としては、Si、Al、Mg、Zr等の酸化物やフッ化物等の無機化合物が上げられる。親水性の基材は光学異方体の光学軸を基材に対して法線方向にほぼ平行に配向させるために有効なものであるため、ポジティブCプレートの光学異方体を得るために好ましいが、親水性の基材にラビング処理した場合には水平配向膜として作用するため、親水性ポリマー層においてラビング処理は垂直配向性に悪影響を及ぼすためポジティブCプレートの光学異方体を得るためには好ましくない。
(塗布)
本発明の積層体からなる光学異方体を得るための塗布法としては、アプリケーター法、バーコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、フレキソコーティング法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ディップコーティング法、スリットコーティング法等、公知慣用の方法を行うことができる。重合性液晶組成物を塗布後、必要に応じて重合性液晶組成物に含有される溶剤を加熱乾燥させる。
(重合工程)
本発明の重合性液晶組成物の重合操作については、重合性液晶組成物中の液晶化合物が基材に対してハイブリッド配向状態で一般に紫外線等の光照射、あるいは加熱によって行われる。重合性液晶組成物は、通常、昇温過程において、C(固相)−N(ネマチック)転移温度(以下、C−N転移温度と略す。)から、N(ネマチック)−I(等方相)転移温度(以下、N−I転移温度と略す。)範囲内で液晶相を示す。一方、降温過程においては、熱力学的に非平衡状態を取るため、C−N転移温度以下でも凝固せず液晶状態を保つ場合がある。この状態を過冷却状態という。本発明においては、過冷却状態にある液晶組成物も液晶相を保持している状態に含めるものとする。重合を光照射で行う場合は、具体的には390nm以下の紫外光を照射することが好ましく、250〜370nmの波長の光を照射することが最も好ましい。但し、390nm以下の紫外光により重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、390nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。この光は、拡散光で、かつ偏光していない光であることが好ましい。紫外線照射強度は、0.05kW/m2〜10kW/m2の範囲が好ましい。特に、0.2kW/m2〜2kW/m2の範囲が好ましい。紫外線強度が0.05kW/m2未満の場合、重合を完了させるのに多大な時間がかかる。一方、2kW/m2を超える強度では、重合性液晶組成物中の液晶分子が光分解する傾向にあり、重合性液晶のオーダーパラメーターが変化して、重合後のフィルムのリタデーションに狂いが生じる可能性がある。
マスクを使用して特定の部分のみを紫外線照射で重合させた後、該未重合部分の配向状態を、電場、磁場又は温度等をかけて変化させ、その後該未重合部分を重合させると、異なる配向方向をもった複数の領域を有する光学異方体を得ることもできる。
また、マスクを使用して特定の部分のみを紫外線照射で重合させる際に、予め未重合状態の重合性液晶組成物に電場、磁場又は温度等をかけて配向を規制し、その状態を保ったままマスク上から光を照射して重合させることによっても、異なる配向方向をもった複数の領域を有する光学異方体を得ることができる。
本発明の重合性液晶組成物を重合させて得られる光学異方体は、基板から剥離して単体で光学異方体として使用することも、基板から剥離せずにそのまま光学異方体として使用することもできる。特に、他の部材を汚染し難いので、被積層基板として使用したり、他の基板に貼り合わせて使用したりするときに有用である。
(接着剤や粘着剤の重合方法)
本発明の重合性組成物は、基材等と重合性液晶組成物の重合体等との接着剤層や粘着剤層を形成する重合体として使用することができる。本発明の重合性組成物を重合させる方法としては、活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等が挙げられるが、加熱を必要とせず、室温で反応が進行することから活性エネルギー線を照射する方法が好ましく、中でも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。
(光学フィルム)
光学フィルム(位相差膜)は、通常の光学異方体の製造方法と同様にして作製される。得られる位相差膜は、ハイブリッド液晶フィルム等として使用することができる。液晶デバイス、ディスプレイ、光学素子、光学部品、着色剤、セキュリティ用マーキング、レーザー発光用部材、光学フィルム、及び、補償フィルム等の用途に応じて、用途に適した形で形成される。
そのような位相差膜としては、例えば、基材に対して棒状液晶性化合物がハイブリッド配向したポジティブOプレートを適用できる。液晶表示素子に用いた場合は、視野角依存性を改善するものであれば、特に限定なく様々な配向モードが適用できる。
(位相差パターニング膜)
位相差パターニング膜は、基材、配向膜、必要に応じて本発明の重合性組成物の重合体、及び、重合性液晶組成物の重合体を順次積層したものであるが、重合工程において、部分的に異なる位相差が得られるようにパターニングされたものである。パターニングは、線状のパターニング、格子状のパターニング、円状のパターニング、多角形状のパターニング等、異なる方向の場合もある。液晶デバイス、ディスプレイ、光学素子、光学部品、着色剤、セキュリティ用マーキング、レーザー発光用部材、光学フィルム、及び、補償フィルム等の用途に応じて、適用される。
部分的に異なる位相差を得る方法としては、基材に配向膜を設け、配向処理する際に本発明の重合性液晶組成物を塗布乾燥した際に重合性液晶組成物がパターニング配向するように処理する。そのような配向処理は、微細ラビング処理、フォトマスクを介しての偏光紫外可視光照射処理、微細形状加工処理等が挙げられる。配向膜は、公知慣用のものが用いられる。そのような配向膜としては、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等の化合物が挙げられる。微細ラビングにより配向処理する化合物は、配向処理、もしくは配向処理の後に加熱工程を入れることで材料の結晶化が促進されるものが好ましい。ラビング以外の配向処理を行う化合物の中では光配向材料を用いることが好ましい。
(反射防止膜)
本発明の反射防止膜は、偏光板に更に位相差板が積層されてなる円偏光板である。直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。上記した位相差板としては、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどが挙げられる。位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
(視野角補償膜)
視野角補償膜は、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるための膜である。このような視野角補償膜としては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持したものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムや一軸配向した液晶ポリマー膜が用いられるのに対し、視野角補償膜として用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えば、液晶ポリマーを斜め配向させたものや重合性液晶を斜め配向させた状態で紫外線等の活性エネルギー線により重合したポリマー膜などが挙げられる。液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いる。
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの傾斜配向膜からなる光学的異方性層を光学フィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いられる。
以下に本発明を合成例、実施例、及び、比較例によって説明するが、もとより本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(重合性液晶組成物(1)の調製)
式(A−1)で表される化合物50部、式(A−2)で表される化合物50部の合計値100部に対して、パラーメトキシフェノール(MEHQ)(C−1)0.1部、式(D−1)の化合物0.5部、及び式(E−1)の化合物0.1部を用い、これらの化合物の全合計量が20質量%となるように、有機溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(G−1)を用い、攪拌プロペラを有する攪拌装置を使用し、攪拌速度が300rpm、溶液温度が70℃の条件下で1時間攪拌後、0.2μmのメンブランフィルターで濾過して重合性液晶組成物(1)を得た。
(実施例1)
配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することによりポリイミド塗膜を得た。得られた塗膜を市販のラビング装置を用いてラビング処理した。
ラビングしたガラス基材に本発明の重合性液晶組成物(1)をスピンコート法で塗布し、70℃で5分乾燥した。得られた塗膜を室温まで冷却した後、高圧水銀ランプを用いて、10mW/cmの強度で60秒間紫外線を照射して光学異方体(1)を得た。得られた光学異方体(1)の配向状態を評価したところ、目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くなかった。空気界面での液晶分子配向チルト角を評価したところ、空気界面と液晶分子のなす角度が56度であり、ハイブリッド配向状態であった。透過率を紫外可視分光光度計V−560(日本分光株式会社製)にて測定したところ、99.0%であった。
(配向欠陥)
◎:目視で欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くない。
〇:目視では欠陥がないが、偏光顕微鏡観察で一部に無配向部分が存在している。
△:目視では欠陥がないが、偏光顕微鏡観察で無配向部分が多数存在している。
×:目視で一部欠陥が生じており、偏光顕微鏡観察でも無配向部分が全体的に存在している。
(ハイブリッド配向性)
位相差測定装置RETS−100(大塚電子(株)製)を用いて、入射光の角度−50度〜+50度の範囲における位相差を測定し、入射光の角度が0度の位相差値と±50度の位相差値から空気界面での液晶分子配向チルト角を算出した。チルト角が40°〜70°の範囲のとき、ハイブリッド配向しているとした。
(透過率)
得られた光学異方体(1)の透過率は、紫外可視分光光度計V−560(日本分光株式会社製)を用いて測定し、波長400〜800nmの平均透過率として算出した。なお、光学異方体(1)を形成する前のガラス基板の平均透過率をベースラインとした。
(耐光試験)
得られた光学異方体(1)を、i線領域の照度が1W/cmのメタルハライドランプに紫外線吸収フィルター(商品名:SC−39、富士フィルム株式会社製)を介して、120℃で加熱した状態で紫外可視領域の光を200時間照射した。耐光試験後の光学異方体(1)の透過率を測定したところ、98.5%であった。
(耐熱性試験)
(重合性組成物(U1)の調整)
<ウレタンアクリレートUA1の合成>
攪拌羽根のついたフラスコにIPDI(イソホロンジイソシアネート)444部(2モル)を仕込み、攪拌を行いながらポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)1000部(1モル)を発熱に注意しながら仕込み、70℃まで昇温した。この温度で反応を7時間行い、NCO%を測定したところ、3.58%であった。ついで2−ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116)232部(2モル)を仕込み、この温度で更に7時間反応を行った。赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認して取り出し、ウレタンアクリレートUA1(数平均分子量1676)を得た。前記ウレタンアクリレートUA1を31.3重量部、EO(エチレンオキサイド)変性トリメチロールプロパントリアクリレート3重量部、ラウリルアクリレート31.3重量部、Tinuvin765を0.3重量部、イルガキュア184を0.8重量部、ノニルフェノールEO(エチレンオキサイド)変性アクリレート33.3重量部、を攪拌装置に入れた後、攪拌速度500rpm、温度60℃の条件で1時間撹拌し、化合物が全て溶解したのを確認した。その後、1.0μmのメンブランフィルターでろ過して重合性組成物(U1)を得た。
次に、得られた光学異方体(1)に重合性組成物(U1)をスピンコーターで塗布し、高圧水銀ランプを用いて、UV強度10mW/cmになるように調整した後、窒素雰囲気下で90秒間、室温で照射して、光学異方体(1)と重合性組成物(U1)の積層体(1−U)を得た。
得られた光学異方体(1−U)を85℃で500時間保持し、加熱試験前後の入射光θ=50°の波長550nmでの位相差をRETS−100(大塚電子株式会社製)にて測定し、加熱後の位相差変化率(%)を下記の式(A)にて算出したところ、7%であった。
位相差変化率(%)=((加熱試験後の入射光θ=50°の波長550nmでの位相差)−(加熱試験前の入射光θ=50°の波長550nmでの位相差))/(加熱試験前の入射光θ=50°の波長550nmでの位相差) 式(A)
(重合性組成物(2)〜(29)および(C1)〜(C5)の調整)
下記表に示す各化合物をそれぞれ下記表に示す割合に変更した以外は重合性組成物(1)の調整と同一条件で、本発明の重合性組成物(2)〜(29)、及び、比較用重合性組成物(C1)〜(C5)を得た。
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
パラーメトキシフェノール(C1)
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
Figure 2019218476
BYK−333(E−4)
アデカスタブLA82(F−1)
TINUVIN765(F−2)
アデカスタブ2112(F−3)
アデカスタブAO−412S(F−4)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(G−1)
シクロペンタノン(G−2)
Figure 2019218476
上記の結果のとおり、本発明の重合性液晶組成物は、配向欠陥、ハイブリッド配向性、透過率、耐光性、位相差耐熱性が良好である。そのうち、特に、2個の重合性官能基を有する、特定の重合性液晶化合物、特定の光重合開始剤、およびフッ素系界面活性剤を用いた重合性液晶組成物は、配向欠陥がないハイブリッド配向であり、耐光性、位相差耐熱性が非常に良好な結果となった。一方、2種の特定の分子構造を有する重合性液晶化合物と特定の分子構造を有する光重合開始剤を用いない場合では、配向欠陥、透過率、耐光性が劣る結果となった。

Claims (8)

  1. 2種以上の分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)、光重合開始剤(III)、フッ素系界面活性剤(IV)を含有する重合性液晶組成物であって、
    前記分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)が、一般式(II−A)
    Figure 2019218476

    (式中、W及びWはそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y及びYはそれぞれ独立的に−COO−又は−OCO−を表し、p及びqはそれぞれ独立的に2〜13の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物であり、
    前記光重合開始剤(III)が一般式(III−a)
    Figure 2019218476

    (式中、Ra及びRaはそれぞれ独立して、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜3のアルキル基、又はシクロヘキシル基を表し、これらのアルキル基又はシクロヘキシル基の炭素原子上の水素原子はヒドロキシル基に置換されていてもよく、X又はXはそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物を含有する重合性液晶組成物。
  2. 2種以上の分子内に2個の重合性官能基を有する重合性液晶化合物(II)に加え、1個の重合性官能基を有する液晶化合物、又は3個の重合性官能基を有する液晶化合物を含有する請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  3. 前記フッ素系界面活性剤(IV)が、炭素原子数4〜6個のフルオロアルキル基(ただし、前記アルキル基は酸素原子によるエーテル結合を有するものも含む。)を有する重合性単量体(A)、オキシアルキレン基を有する重合性単量体(B)を必須の単量体として共重合させた共重合体からなる化合物である請求項1〜2のいずれか一つに記載の重合性液晶組成物。
    Figure 2019218476
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、X、Y、及びZはそれぞれ独立のアルキレン基であり、sは、1以上の整数であり、t及びuはそれぞれ0又は1以上の整数であり、Wは水素原子又は炭素原子数4のアルキル基である。)
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の重合性液晶組成物の重合体からなり、ハイブリッド配向を示す位相差膜。
  5. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の重合性液晶組成物を基材上に塗布、溶剤を乾燥させた後、紫外線照射することを特徴とする、ハイブリッド配向を示す位相差膜の製造方法。
  6. 請求項4に記載の位相差膜上に、接着剤又は粘着剤を塗布させた後、紫外線照射、熱処理することを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 請求項5〜6のいずれか一つに記載の位相差膜を用いた液晶表示素子。
  8. 請求項5〜6のいずれか一つに記載の位相差膜を用いた有機発光表示素子。
JP2018117031A 2018-06-20 2018-06-20 重合性組成物、位相差膜、その製造方法、液晶表示素子、及び有機発光表示素子 Active JP7091867B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018117031A JP7091867B2 (ja) 2018-06-20 2018-06-20 重合性組成物、位相差膜、その製造方法、液晶表示素子、及び有機発光表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018117031A JP7091867B2 (ja) 2018-06-20 2018-06-20 重合性組成物、位相差膜、その製造方法、液晶表示素子、及び有機発光表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019218476A true JP2019218476A (ja) 2019-12-26
JP7091867B2 JP7091867B2 (ja) 2022-06-28

Family

ID=69096131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018117031A Active JP7091867B2 (ja) 2018-06-20 2018-06-20 重合性組成物、位相差膜、その製造方法、液晶表示素子、及び有機発光表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7091867B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138142A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Chisso Corp 重合性液晶組成物および光学異方性薄膜
JP2010211110A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Konica Minolta Opto Inc 光学補償フィルムの製造方法
WO2011010551A1 (ja) * 2009-07-22 2011-01-27 コニカミノルタオプト株式会社 光学異方性フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2012003114A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Konica Minolta Opto Inc 光学異方性フィルム、偏光板及び液晶表示装置
WO2015056600A1 (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 Dic株式会社 重合性液晶組成物の製造方法
WO2015076031A1 (ja) * 2013-11-20 2015-05-28 Dic株式会社 重合性液晶組成物及び該組成物を用いて作製した光学異方体、位相差膜、反射防止膜、液晶表示素子
WO2018047806A1 (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 Dic株式会社 重合性液晶組成物、及び、それを用いた光学フィルム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138142A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Chisso Corp 重合性液晶組成物および光学異方性薄膜
JP2010211110A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Konica Minolta Opto Inc 光学補償フィルムの製造方法
WO2011010551A1 (ja) * 2009-07-22 2011-01-27 コニカミノルタオプト株式会社 光学異方性フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2012003114A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Konica Minolta Opto Inc 光学異方性フィルム、偏光板及び液晶表示装置
WO2015056600A1 (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 Dic株式会社 重合性液晶組成物の製造方法
WO2015076031A1 (ja) * 2013-11-20 2015-05-28 Dic株式会社 重合性液晶組成物及び該組成物を用いて作製した光学異方体、位相差膜、反射防止膜、液晶表示素子
WO2018047806A1 (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 Dic株式会社 重合性液晶組成物、及び、それを用いた光学フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7091867B2 (ja) 2022-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6525031B2 (ja) 重合性組成物及びそれを用いた光学異方体
JP5858316B2 (ja) 重合性液晶組成物及び該組成物を用いて作製した光学異方体、位相差膜、反射防止膜、液晶表示素子
JP6226090B2 (ja) 重合性液晶組成物及び該組成物を用いて作製した光学異方体、位相差膜、反射防止膜、液晶表示素子
JP6156581B2 (ja) 積層体、およびそれを使用した光学フィルムまたは液晶配向膜
JP2010024438A (ja) 光学フィルム、偏光板、表示装置及び光学フィルムの製造方法
JPWO2018003653A1 (ja) 重合性液晶組成物、それを用いた光学異方体及び液晶表示素子
JP6299884B2 (ja) 重合性液晶組成物及び該組成物を用いて作製した光学異方体、位相差膜、反射防止膜、液晶表示素子
JP2021002026A (ja) 重合性液晶組成物、光学異方体及びその製造方法
JP6288536B2 (ja) 重合性組成物及びそれを用いた光学異方体
JP6675596B2 (ja) 重合性液晶組成物、光学異方体及びその製造方法
JP7091867B2 (ja) 重合性組成物、位相差膜、その製造方法、液晶表示素子、及び有機発光表示素子
JP2021001972A (ja) 光学異方体、およびその製造方法
JP2021001270A (ja) 重合性組成物、それを用いた光学異方体
JP2021080330A (ja) 重合性液晶組成物および液晶重合膜

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190624

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220530

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7091867

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151