JP2019217701A - 成形用型の製造方法 - Google Patents
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Description
1分子中に15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、
融点および/またはガラス転移温度が70℃以上300℃以下のオレフィン重合体を含む成形用型基材を変性してなる成形用型の製造方法。
前記工程1が、
前記成形用型基材と前記ラジカルとが共存する環境において、
前記ラジカルに光を照射して前記成形用型基材を変性する工程である
前記[1]の成形用型の製造方法。
前記工程1が、前記成形用型基材および前記ラジカルに光を照射する工程である前記[2]の成形用型の製造方法。
前記成形用型の一部が未変性状態である前記[1]〜[3]のいずれかの成形用型の製造方法。
前記オレフィン重合体がフッ素含有オレフィン重合体である前記[1]〜[4]のいずれかの成形用型の製造方法。
前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである前記[1]〜[5]のいずれかの成形用型の製造方法。
前記成形用型がナノインプリント成形用の型である前記[1]〜[6]のいずれかの成形用型の製造方法。
本発明において、シートという語はフィルムの意味を含むことがある。
1分子中に15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、
融点および/またはガラス転移温度が70℃以上300℃以下のオレフィン重合体を含む成形用型基材を変性してなる成形用型の製造方法である。
なお、本発明においては、便宜的に変性前の成形用型を「成形用型基材」と称し、変性後の成形用型を「成形用型」と称することとする。
工程1において、好ましくは、前記成形用型基材および前記ラジカルに光が照射される。
本発明の製造方法としては、前記ラジカルを含む系に光を照射した後、この系と前記成形用型基材とを接触させて前記成形用型基材を変性するという態様も挙げられる。
前記ラジカルは、15族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、16族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、15族元素および16族元素の原子をそれぞれ1種以上含んでいてもよく、17族元素の原子を2種以上含んでいてもよい。ただし、これらの場合、前記原子数比は、15族元素および16族元素の原子の合計数と17族元素の原子の合計数との比である。
17族元素としては、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素、臭素がさらに好ましい。塩素を含むラジカルが、入手ないし発生が容易なこともあって、より好ましい。塩素を含むラジカルを用いる場合、工程1で照射する光としては紫外線を含む光が好ましく、臭素やヨウ素を含むラジカルを用いる場合、紫外線より長波長の光でも反応を進行させることができると考えられる。従って、光の選択自由度や、成形用型基材を構成するオレフィン重合体に光劣化が生じる可能性がある場合等、状況によっては臭素、ヨウ素が好ましい。
前記の融点やガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(DSC装置)を使用して以下の方法またはこれと同等の方法で測定した場合のものである。
前記オレフィン重合体としては、具体的にはポリ4−メチル−1−ペンテンなどの分岐構造を有するオレフィン系重合体、環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体、ならびに環状オレフィンの開環メタセシス重合体(開環オレフィンメタセシス重合体)、およびその水素添加体等を例示することができる。
前記有機相は、有機溶媒を含めば特に制限されない。
前記有機溶媒は、1種類のみ用いても複数種類併用してもよい。前記有機溶媒としては、例えば、炭化水素溶媒、ハロゲン化溶媒が挙げられる。
前記フルオラス溶媒は、炭化水素の水素原子の全てまたは大部分がフッ素原子に置換された溶媒をいう。前記フルオラス溶媒は、例えば、炭化水素の水素原子数の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上がフッ素原子に置換された溶媒であってもよい。
前記他の成分は、水相および/または有機相に溶解してもよいが、溶解していなくてもよい。
なお、1つの物質がルイス酸およびブレンステッド酸を兼ねていてもよい。「ルイス酸」は、前記ラジカルの発生源に対してルイス酸として働く物質をいう。
前記ルイス酸は、例えば、有機物質でもよく、無機物質でもよい。
前記無機物質は、金属イオンおよび非金属イオンの一方または両方を含んでいてもよい。前記金属イオンは、典型金属イオンおよび遷移金属イオンの一方または両方を含んでいてもよい。
前記水相および/または有機相中における、前記ルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方の濃度は、特に限定されず、適宜設定することができるが、例えば1mg/L以上であってもよく、1g/L以下であってもよい。
本発明の製造方法は、前記ラジカルを生成させる工程(ラジカル生成工程)、具体的には、前記ラジカル発生源から前記ラジカルを生成させる工程を含んでいてもよい。
工程1を行う際の雰囲気圧は、特に限定されないが、例えば、0.1MPa以上であってもよく、100MPa以下であってもよい。
本発明において、光を成形用型基材に照射することは、直接的に成形用型基材への変性反応に関わらない可能性がある。しかしながら、一般的なラジカルの寿命や成形用型基材の特定部位への変性を行う場合などを考慮すると、実質的に光を成形用型基材にも照射することが好ましい方法となる。
本発明によれば、例えば、二酸化塩素ラジカル水溶液に光照射するのみの極めて簡便な方法で、塩素原子ラジカルCl・および酸素分子O2を発生させ、成形用型基材を構成するオレフィン重合体の酸化反応を行なうことができる。そして、そのような簡便な方法で、例えば、常温および常圧等のきわめて温和な条件下でも、オレフィン重合体を含む成形用型基材を効率よく変性して成形用型を製造することが可能である。
[実施例1、2]
(ナノインプリント成形用型の製造)
直径約9cmの円形シャーレに、表1に記載された量の亜塩素酸ナトリウム(Sigma−Aldrich社製)、および超純水45mLを入れ、亜塩素酸ナトリウムが超純水に溶解してから35〜37%塩酸水溶液(富士フイルム和光純薬(株)製)60μLを加えた。この条件で、二酸化塩素ラジカルが発生することは、事前にESR法で確認した。次いで、得られた混合液が入ったシャーレを、約10cm×10cm×50μmの大きさの、下式:
次いで、シートで密封したシャーレの上からパイフォトニクス(株)製ホロライト・カク DC12Vで、表1に記載された所定の時間、照度14mW/cm2、波長365nmの光を照射した。その後、シートを剥がし、シート表面全体を洗瓶で超純水をかけて洗浄し、次いでシートを減圧乾燥し、シート(以下「酸化シート」とも記載する。)を得た。前記フッ素含有オレフィンポリマーシートが、混合液と向き合う側の表面に微細パターンが形成されたもの(すなわち、ナノインプリント成形用型基材)であれば、得られる酸化シートは、ナノインプリント成形用型として好適であると言える。
約8cm×8cm×50μmの大きさのフッ素含有オレフィンポリマー(FROMP(登録商標)、三井化学(株)製)シートを準備し、このシートに対しては変性処理を何も施さなかった。
(フッ素含有オレフィンポリマーシートのUVオゾン処理)
約8cm×8cm×50μmの大きさのフッ素含有オレフィンポリマー(FROMP、三井化学(株)製)シートに、UVオゾン洗浄装置(岩崎電気(株)製)を使用して温度25℃、湿度54%の環境条件下、20W(低圧水銀灯、λ=254nm)の光源出力で5分間UVを照射した(UVオゾン処理を実施した)。
UVの照射時間を15分間に変更したこと以外は比較例2と同様にして、UVオゾン処理を実施した。
UVの照射時間を30分間に変更したこと以外は比較例2と同様にして、UVオゾン処理を実施した。
固体表面エナジー解析装置CA−XE型(協和界面科学(株)製)を使用して、温度23℃、湿度54%の環境条件下、実施例等で得られたシートの表面および裏面の水接触角を0.6μLの水滴量で測定した。測定結果を表2に示す。なお、実施例1、2では、シートの面のうちシャーレを密封した際に混合液側に向けた面を表面、その反対の面を裏面と定義し、比較例2〜4では、シートの面のうちUVオゾン処理の際にUV光源側に向けた面を表面と、その反対の面を裏面と定義した。なお、実施例1、2では、シートの表面のうち、シャーレ内の気相と接していた領域の水接触角を測定した。
酸化シートの外観を目視で、強度を引張感から評価した。また、比較例として処理を施していないシートの外観を目視で、強度を引張感から評価した。
評価基準の詳細は以下のとおりである。
《外観》
○:比較例1のシートを基準として、目視で黄変や白点などの相違がない。
×:比較例1のシートを基準として、目視で黄変や白点などが認識される。
《強度》
○:比較例1のシートを基準として、手で引っ張った際の強度が同等以上
×:比較例1のシートを基準として、手で引っ張った際の強度が明らかに低下
Claims (7)
- 1分子中に15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1〜4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、
融点および/またはガラス転移温度が70℃以上300℃以下のオレフィン重合体を含む成形用型基材を変性してなる成形用型の製造方法。 - 前記工程1が、
前記成形用型基材と前記ラジカルとが共存する環境において、
前記ラジカルに光を照射して前記成形用型基材を変性する工程である
請求項1に記載の成形用型の製造方法。 - 前記工程1が、前記成形用型基材および前記ラジカルに光を照射する工程である請求項2に記載の成形用型の製造方法。
- 前記成形用型の一部が未変性状態である請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形用型の製造方法。
- 前記オレフィン重合体がフッ素含有オレフィン重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形用型の製造方法。
- 前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである請求項1〜5いずれか一項に記載の成形用型の製造方法。
- 前記成形用型がナノインプリント成形用のである請求項1〜6いずれか一項に記載の成形用型の製造方法。
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