JP2019216231A - n型熱電変換材料及び熱電変換素子 - Google Patents

n型熱電変換材料及び熱電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2019216231A
JP2019216231A JP2018222286A JP2018222286A JP2019216231A JP 2019216231 A JP2019216231 A JP 2019216231A JP 2018222286 A JP2018222286 A JP 2018222286A JP 2018222286 A JP2018222286 A JP 2018222286A JP 2019216231 A JP2019216231 A JP 2019216231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric conversion
type thermoelectric
sulfide
base material
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018222286A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7537858B2 (ja
Inventor
威夫 赤塚
Takeo Akatsuka
威夫 赤塚
是史 久保田
Korefumi Kubota
是史 久保田
大 三輪
Masaru Miwa
大 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Publication of JP2019216231A publication Critical patent/JP2019216231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7537858B2 publication Critical patent/JP7537858B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】優れた熱電変換性能を有するn型熱電変換材料を提供する。【解決手段】本発明のn型熱電変換材料は、n型熱電変換特性を有する硫化物を母材とし、(a)前記母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ減らした割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素(ただし、前記母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、及び/又は、(b)前記母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ前記母材の結晶の電気的中性を保つように典型金属元素(ただし、前記母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、で表される。本発明のn型熱電変換材料は、前記典型金属元素を硫化物組成全体の3モル%以上含む。【選択図】なし

Description

本発明は、n型熱電変換材料及び熱電変換素子に関する。
熱電変換材料は、熱エネルギーを電気エネルギーに変化する材料であり、排熱再利用への適用等、その潜在的な可能性から近年幅広く研究が行われている。
熱電変換材料は、ゼーベック効果により材料両端の温度差によって電圧を生じさせ、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する、又は、ペルチェ効果により電気エネルギーによって温度差を生じさせる材料である。熱電変換材料には、p型及びn型の2種類がある。p型熱電変換材料では、正孔が高温から低温に運ばれることによって起電力が生じる。n型熱電変換材料では、電子が高温から低温に運ばれることによって起電力が生じる。
近年、熱電変換材料の中で、比較的安全で、かつ安価な材料である硫化物が注目されている。しかし、n型熱電変換特性を有する硫化物は、その種類が限られている。主に研究されている、硫化物であるn型熱電変換材料として、例えば、カルコパイライトCuFeS2(例えば非特許文献1)及びチオスピネルCu2MTi38(M=Mn、Fe、Co、Ni)が挙げられる。以下、硫化物であるn型熱電変換材料を、「n型硫化物熱電変換材料」、硫化物であるp型熱電変換材料を「p型硫化物熱電変換材料」ということがある。
辻井直人、他1名、「鉱物由来の鉄硫化物に着目した熱電材料開発」、粉体及び粉末冶金、64巻 4号(2017年4月)
現在報告されているn型硫化物熱電変換材料は、p型硫化物熱電変換材料と比べると熱電変換性能が低い。したがって、n型熱電変換材料には、熱電変換性能を向上させることが求められている。そこで、本発明は、従来のn型熱電変換材料について熱電変換性能を向上させて、優れた熱電変換性能を有するn型熱電変換材料を提供する。
本発明の第1の態様は、
n型熱電変換特性を有する硫化物を母材とし、
(a)前記母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ減らした割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素(ただし、前記母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、及び/又は
(b)前記母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ前記母材の結晶の電気的中性を保つように典型金属元素(ただし、前記母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、
で表され、
前記典型金属元素を硫化物組成全体の3モル%以上含む、
n型熱電変換材料を提供する。
本発明の第2の態様は、
n型熱電変換特性を有する第1硫化物を構成する第1硫化物構成元素と、典型金属元素(だたし、前記第1硫化物構成元素を除く)と、を含む第2硫化物からなるn型熱電変換材料であって、 前記第2硫化物は、
(A)前記第1硫化物の元素割合を表す第1組成式において、前記第1硫化物構成元素のうち硫黄を除く少なくとも1つの元素の割合が低減され、かつ低減された割合と実質的に同じ割合で前記典型金属元素が含まれた第2組成式で表される組成、及び/又は、
(B)前記第1硫化物の元素割合を表す第1組成式において、前記第1硫化物構成元素のうち硫黄を除く少なくとも1つの元素の割合が低減され、かつ前記第1硫化物の結晶の電気的中性を保つように前記典型金属元素が含まれた第2組成式で表される組成、
を有し、
前記第2硫化物は、前記典型金属元素を、前記第2硫化物の組成全体の3モル%以上含む、
n型熱電変換材料を提供する。
本発明の第3の態様は、
Cu1-xFe1-yAlz2で表される組成を有する硫化物であって、
x及びyが、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0<z≦x+y、及びx+y≠0を満たす、
n型熱電変換材料を提供する。
本発明の第4の様態は、
Cu2-pTr1-qTi3-rAls8で表される組成を有する硫化物であって、
前記組成において、
Trは、遷移金属元素から選択される少なくとも1つの元素であり、
p、q、r及びsが、0≦p≦1、0≦q≦0.5、0≦r≦1.5、0<s≦8/3、及びp+q+r≠0を満たす、
n型熱電変換材料を提供する。
本発明の第5の態様は、
上記の第1〜第4の態様のいずれか1つに係るn型熱電変換材料を備えた、熱電変換素子を提供する。
本発明によれば、優れた熱電変換性能を有するn型熱電変換材料を提供できる。
図1Aは、本発明に係る熱電変換素子の一例を示す断面図である。 図1Bは、本発明に係る熱電変換素子の別の一例を示す断面図である。 図2Aは、実施例1に係るサンプルのX線回折パターンを示す。 図2Bは、比較例1に係るサンプルのX線回折パターンを示す。 図3Aは、実施例1に係るサンプルの電気伝導率及び電気抵抗率の温度変化を示すグラフである。 図3Bは、比較例1に係るサンプルの電気伝導率及び電気抵抗率の温度変化を示すグラフである。 図4Aは、実施例1に係るサンプルのゼーベック係数及びパワーファクターの温度変化を示すグラフである。 図4Bは、比較例1に係るサンプルのゼーベック係数及びパワーファクターの温度変化を示すグラフである。 図5Aは、実施例1に係るサンプルの熱伝導率、電子熱伝導率、及び格子熱伝導率の温度変化を示すグラフである。 図5Bは、比較例1に係るサンプルの熱伝導率、電子熱伝導率、及び格子熱伝導率の温度変化を示すグラフである。 図6Aは、実施例1に係るサンプルの無次元性能指数を示すグラフである。 図6Bは、比較例1に係るサンプルの無次元性能指数を示すグラフである。 図7Aは、実施例2に係るサンプルのX線回折パターンを示す。 図7Bは、比較例2に係るサンプルのX線回折パターンを示す。 図8Aは、実施例2に係るサンプルの電気伝導率及び電気抵抗率の温度変化を示すグラフである。 図8Bは、比較例2に係るサンプルの電気伝導率及び電気抵抗率の温度変化を示すグラフである。 図9Aは、実施例2に係るサンプルのゼーベック係数及びパワーファクターの温度変化を示すグラフである。 図9Bは、比較例2に係るサンプルのゼーベック係数及びパワーファクターの温度変化を示すグラフである。 図10Aは、実施例2に係るサンプルの熱伝導率、電子熱伝導率、及び格子熱伝導率の温度変化を示すグラフである。 図10Bは、比較例2に係るサンプルの熱伝導率、電子熱伝導率、及び格子熱伝導率の温度変化を示すグラフである。 図11Aは、実施例2に係るサンプルの無次元性能指数を示すグラフである。 図11Bは、比較例2に係るサンプルの無次元性能指数を示すグラフである。 図12Aは、実施例3に係るサンプルのX線回折パターンを示す。 図12Bは、比較例3に係るサンプルのX線回折パターンを示す。 図13Aは、実施例3に係るサンプルの電気伝導率及び電気抵抗率の温度変化を示すグラフである。 図13Bは、比較例3に係るサンプルの電気伝導率及び電気抵抗率の温度変化を示すグラフである。 図14Aは、実施例3に係るサンプルのゼーベック係数及びパワーファクターの温度変化を示すグラフである。 図14Bは、比較例3に係るサンプルのゼーベック係数及びパワーファクターの温度変化を示すグラフである。 図15Aは、実施例3に係るサンプルの熱伝導率、電子熱伝導率、及び格子熱伝導率の温度変化を示すグラフである。 図15Bは、比較例3に係るサンプルの熱伝導率、電子熱伝導率、及び格子熱伝導率の温度変化を示すグラフである。 図16Aは、実施例3に係るサンプルの無次元性能指数を示すグラフである。 図16Bは、比較例3に係るサンプルの無次元性能指数を示すグラフである。
まず、熱電変換材料について説明する。熱電変換材料は、ゼーベック効果により材料両端の温度差によって電圧を生じさせ熱エネルギーを電気エネルギーに変換する、又は、ペルチェ効果により電気エネルギーによって温度差を生じさせる材料である。熱電変換材料としては、熱エネルギーの高い方から低い方へ電子の移動により電流が生じるn型熱電変換材料と、正孔の移動により電流が生じるp型熱電変換材料とが存在する。
熱電変換材料の性能を示す指標として下記の式(1)で定義される無次元性能指数ZTがある。ここで、Sはゼーベック係数を示し、σは電気伝導率を示し、Tは絶対温度を示し、κは熱伝導率を示す。式(1)に示す通り、無次元性能指数ZTを高めるためには、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが大きく、熱伝導率κが低いことが有利である。
ZT=S2σT/κ (1)
一方、熱伝導率κは、下記の式(2)に示す通り、電子熱伝導率κelと格子熱伝導率κlatとの和で表される。電子熱伝導率κelは、Wiedemann-Franzの法則として知られている式(3)のように表される。ここで、Lは、ローレンツ数であり、金属材料に対しては定数として扱うことができるが、半導体材料では金属材料で用いられる定数よりも小さくなることが知られており、Applied Physics Letters, (米), 2015, Vol.3, 041506によれば、式(4)のようにLを定めることが提唱されている。式(4)におけるSは、ゼーベック係数である。
κ=κel+κlat (2)
κel=LσT (3)
L=1.5+exp(−│S│/116) (4)
このように、電子熱伝導率κelが低いと電気伝導率σも低い傾向にあり、電子熱伝導率κelが低いことは無次元性能指数ZTを高める観点から必ずしも有利であるとは限らない。一方、格子熱伝導率κlatは、電気伝導率σと正比例の関係にはなく、格子熱伝導率κlatが低いことは無次元性能指数ZTを高める観点から有利である。
上述のとおり、近年、n型熱電変換材料の中で、比較的安全で、かつ安価な材料であるn型硫化物熱電変換材料が注目されている。しかし、そもそもn型の熱電変換特性を示す物質は、p型の熱電変換特性を示す物質に比べて非常に少ないことが知られており、n型の熱電変換特性を示す物質の探索は非常に難しい。そこで、本発明者らは、n型熱電変換特性を有する公知のn型硫化物熱電変換材料について、その熱電変換性能を向上させるために鋭意研究を行った。この鋭意研究の結果、本発明者らは、公知のn型硫化物熱電変換材料を母材とする、以下の本発明のn型熱電変換材料に到達した。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施形態1>
実施形態1では、本発明のn型熱電変換材料の一実施形態について説明する。本実施形態に係るn型熱電変換材料は、n型熱電変換特性を有する硫化物を母材とし、
(a)母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ減らした割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素(ただし、母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、及び/又は、
(b)母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ母材の結晶の電気的中性を保つように典型金属元素(ただし、母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、
で表される。本実施形態のn型熱電変換材料は、上記典型金属元素を硫化物組成全体の3モル%以上含む。本実施形態のn型熱電変換材料は、300Kにおいて、上記母材よりも低い格子熱伝導率を有することが好ましい。
ここで、上記(a)において、組成式におけるある元素の割合とは、その組成式で表される物質における当該元素の原子数の比率のことである。さらに、母材の組成式において、割合が減らされた母材構成元素に代えて増やされる典型金属元素の割合が、減らされた母材構成元素の割合と実質的に同じであるとは、上記組成式において減らされた母材構成元素の割合(割合A)に対する、増やされた典型金属元素の割合(割合B)の比率(割合B/割合A)が、0.9以上1.1以下の範囲内であることを意味する。割合B/割合Aは、0.95以上1.05以下の範囲内が好ましく、1であることがより好ましい。
また、上記(b)において、組成式におけるある元素の割合とは、その組成式で表される物質における当該元素の原子数の比率のことである。さらに、母材の結晶の電気的中性を保つように典型金属元素の割合が増やされるとは、母材から割合が減らされた母材構成元素が担っていた電荷条件を補うように典型金属元素の割合を増加させて、この材料系の電気的中性を保たせることである。例えば、母材の組成式から1価の母材構成元素の割合が減らされ、3価の典型金属元素の割合が増加される場合、母材から減らされる1価の母材構成元素の割合と増加される3価の典型金属元素の割合との比(母材から減らされる1価の母材構成元素の割合:増加される3価の典型金属元素の割合)は、3:1となる。
本実施形態のn型熱電変換材料は、換言すると、母材において、硫黄以外の少なくとも1つの母材構成元素の少なくとも一部が、典型金属元素で置換された組成で表されるものである、ということができる。
本実施形態のn型熱電変換材料は、上記構成、すなわち、n型熱電変換特性を有する硫化物を母材とし、上記(a)及び/又は上記(b)の組成で表され、かつ上記典型金属元素を硫化物組成全体の3モル%以上含む構成により、例えば300Kにおいて上記母材よりも低い格子熱伝導率を有することができ、熱電変換性能に優れるものとなる。
本実施形態のn型熱電変換材料は、上記構成により、熱電変換性能が向上する。したがって、本実施形態に係るn型熱電変換材料は、母材よりも優れた熱電変換性能を有することができる。
本実施形態に係るn型熱電変換材料における熱電変換性能の向上は、例えば、母材から硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合が減らされて、かつ減らされた割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素(ただし、母材構成元素を除く)の割合が増やされること、及び/又は、母材から硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合が減らされて、かつ母材の結晶の電気的中性を保つように典型金属元素(ただし、母材構成元素を除く)の割合が増やされることで母材の格子熱伝導率が低減されることによって、実現される。この場合、換言すると、本実施形態に係るn型熱電変換材料の格子熱伝導率は、母材の格子熱伝導率よりも低いということになる。母材において母材構成元素の割合を減らし、かつ典型金属元素の割合を増やすこと、すなわち母材構成元素を典型金属元素で置換することで格子熱伝導率が低減される理由として、以下の2つが考えられる。
(i)結晶格子中の母材構成元素が典型金属元素によってランダムに置換されることで、フォノンが効果的に散乱されること。
(ii)結晶格子中の母材構成元素がサイズの異なる元素によって置換されることで、結晶格子に歪が生じ、格子振動が起こりにくくなって熱が伝わりにくくなる。
上述のとおり、格子熱伝導率が低減することは、無次元性能指数ZTを高める観点から有利である。したがって、格子熱伝導率の低減により、本実施形態に係るn型熱電変換材料は非常に優れた熱電変換性能を有することができる。
また、遷移金属元素が置換されたn型熱電変換材料における熱電変換性能の向上は、電気伝導率の向上及びゼーベック係数の絶対値の上昇によって、実現されることもある。遷移金属元素が置換されることによって、キャリア濃度が最適化されれば、電気伝導率が向上する。また、遷移金属元素が置換されることでバンド構造が変化する。伝導帯のバンド構造が、例えばより急峻な形に変化することによって、ゼーベック係数の絶対値が大きくなることが予想される。
元素置換に用いられる典型金属元素は、母材を構成している元素以外であれば、いずれの元素も使用し得る。その中でも、用いることができる典型金属元素は、母材の結晶構造によって異なるが、組成式上の電荷バランスが合い、母材の結晶構造中の被置換元素と同じ配位数を取りうることが望ましい。また、効率的に格子熱伝導率を低減するために、母材を構成する元素と原子サイズの差が大きい典型金属元素を用いることで、より大きな格子熱伝導率の低減が期待できる。13族元素の典型金属元素は、4、6、もしくは8配位数を取りうるため、様々な結晶構造中の原子と置換することができる。このことから、典型金属元素の中でも、13族元素が好ましく、さらにその中でもイオン半径が小さく、原子サイズの差を作りやすいAlが特に好ましい。
n型熱電変換特性を有する母材には、公知のn型硫化物熱電変換材料を用いることができる。母材として使用できるn型硫化物熱電変換材料として、例えば、CuFeS2、Cu2TrTi38(Tr=遷移金属元素(例えば、Mn、Fe、Co、Ni等)から選択される少なくとも1つの元素)、TiS2、TiS2の層間に金属が挿入されたインターカレーション化合物、TiS3、TiSe0.51.5、Cu4Sn716、Bi23、Bi2SeS2、AgBiS2、AgBi35、Bi443、BiAgSeS、KBi2CuS4、La23、La34、LaBiS3、LaGaS3、La1.2CrS3.2、Sc23、Er23、Lu23、NdGdS3、SmS、ZnIn24、In23、NiCrS2、NiCr24、CuCrS2、PbS、PbSnS2、MoS2、WS2、AgCuS、CoSbS、及びSb23が挙げられる。なお、n型熱電変換特性を示す限り、これらの材料を基本構造として、一部の元素が遷移金属元素等の他の元素で置換された材料であってもよい。
Cu2TrTi38は、チオスピネル構造を有し、大きさの異なる2種類のサイトを有する。したがって、Cu2TrTi38は、元素置換を行いやすく、その格子熱伝導率を下げることができる可能性がある。例えば、本実施形態のn型熱電変換材料は、Cu2TrTi38が母材として用いられ、このCu2TrTi38において、Cu、Tr及びTiからなる群から選択される少なくとも1つの元素の一部が、典型金属元素によって置換された組成を有していてもよい。Trは、例えばNi又はCoである。すなわち、Cu2TrTi38は、例えば、Cu2NiTi38又はCu2CoTi38である。例えば、本実施形態のn型熱電変換材料は、Cu2NiTi38が母材として用いられ、このCu2NiTi38において、Cu、Ni及びTiからなる群から選択される少なくとも1つの元素の一部が、典型金属元素で置換された組成を有していてもよい。また、本実施形態のn型熱電変換材料は、Cu2CoTi38が母材として用いられ、このCu2CoTi38において、Cu、Co及びTiからなる群から選択される少なくとも1つの元素の一部が、典型金属元素で置換された組成を有していてもよい。Cu2NiTi38又はCu2CoTi38が母材である場合に用いられる典型金属元素は、Al及びInの少なくとも1つがより好ましく、Alが特に好ましい。具体的には、本実施形態のn型熱電変換材料は、Cu2NiTi38において、Ni及びTiの一部がAlで置換された、例えばCu2Ni2/3Ti8/3Al2/38の組成を有していてもよい。また、別の例として、本実施形態のn型熱電変換材料は、Cu2CoTi38において、Co及びTiの一部がAlで置換された、例えばCu2Co2/3Ti8/3Al2/38の組成を有していてもよい。さらに別の例として、本実施形態のn型熱電変換材料は、Cu2CoTi38においてCu及びCoの一部がAlで置換された、例えばCu3/2Co1/2Ti3Al1/28の組成を有していてもよい。
TiS2は層状構造化合物であり、化学的もしくは電気化学的手法によって、層間に金属が挿入されることが可能である。TiS2の層間に挿入されている金属が置換されることによって、TiS2の平面構造が変化し、その結果、格子熱伝導率が低減する可能性が考えられる。
母材は、母材構成元素としてCu、Fe、及びSを含むものであってもよい。CuFeS2は、パワーファクターは優れているが、格子熱伝導率が高い。したがって、CuFeS2が本実施形態のn型熱電変換材料の母材として用いられる場合、格子熱伝導率の低下が効果的に実現され得るので、熱電変換性能向上について特に高い効果が得られる。すなわち、CuFeS2は、本実施形態のn型熱電変換材料の母材として好適に用いられる。
CuFeS2の結晶構造は、閃亜鉛鉱型構造をc軸方向に2倍周期にしたものである。閃亜鉛鉱型の結晶構造は、アニオンの立方最密充填格子を広げた構造であり、アニオンからなる四面体の空隙のうちの半分がカチオンで占められた構造である。そのため、閃亜鉛鉱型の結晶構造において、カチオンサイトが大きさの異なる元素で置換されたとしても、カチオンで占有されていない残り半分の空隙が構造の歪を緩衝する。このため、閃亜鉛鉱型の結晶構造において特定の割合以下の元素がカチオンを置換できると考えられる。CuFeS2を母材とする場合、本実施形態のn型熱電変換材料は、CuFeS2において、Cu及びFeの少なくとも1つの元素の一部が典型金属元素によって置換された組成を有する。CuFeS2が母材である場合に用いられる典型金属元素は、Al及びInの少なくとも1つがより好ましく、Alが特に好ましい。本実施形態のn型熱電変換材料は、例えば、Cu1-xFe1-yAlz2で表される組成を有する硫化物であって、かつx及びyが、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0<z≦x+y、及びx+y≠0を満たすものであってもよい。
本実施形態のn型熱電変換材料は、上述のとおり、上記典型金属元素を硫化物組成全体の3モル%以上含み、好ましくは3.5モル%以上含み、特に好ましくは4モル%以上含む。本実施形態のn型熱電変換材料において、上記典型金属元素は、例えば硫化物組成全体の15モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下である。
例えば、上記母材が「第1硫化物」であり、かつ本実施形態のn型熱電変換材料が「第2硫化物」からなるとの観点から、本実施形態のn型熱電変換材料は、以下に示す表現によっても特定され得る。なお、本実施形態において、以下に示す表現で特定されるn型熱電変換材料を、本実施形態のn型熱電変換材料の第2例と記載することがある。さらに、この第2例と区別するために、上記の「母材」の用語を用いて特定された本実施形態のn型熱電変換材料を、本実施形態のn型熱電変換材料の第1例と記載することがある。
本実施形態のn型熱電変換材料の第2例は、n型熱電変換特性を有する第1硫化物を構成する第1硫化物構成元素と、典型金属元素(だたし、第1硫化物構成元素を除く)と、を含む第2硫化物からなるn型熱電変換材料である。第2硫化物は、
(A)第1硫化物の元素割合を表す第1組成式において、第1硫化物構成元素のうち硫黄を除く少なくとも1つの元素の割合が低減され、かつ低減された割合と実質的に同じ割合で上記典型金属元素が含まれた第2組成式で表される組成、及び/又は、
(B)第1硫化物の元素割合を表す第1組成式において、第1硫化物構成元素のうち硫黄を除く少なくとも1つの元素の割合が低減され、かつ第1硫化物の結晶の電気的中性を保つように典型金属元素が含まれた第2組成式で表される組成、
を有する。第2硫化物は、上記典型金属元素を、第2硫化物の組成全体の3モル%以上含む。本実施形態のn型熱電変換材料の第2例のn型熱電変換材料では、第2硫化物の300Kにおける格子熱伝導率が、第1硫化物の300Kにおける格子熱伝導率よりも低いことが好ましい。
本実施形態のn型熱電変換材料の第2例は、上記構成、すなわち、n型熱電変換特性を有する第1硫化物を構成する第1硫化物構成元素と、典型金属元素(だたし、前記第1硫化物構成元素を除く)と、を含む第2硫化物からなり、第2硫化物が上記(A)及び/又は上記(B)の組成を有し、さらに第2硫化物が上記典型金属元素を第2硫化物の組成全体の3モル%以上含む構成により、例えば第2硫化物の300Kにおける格子熱伝導率を第1硫化物の300Kにおける格子熱伝導率よりも低くすることができ、熱電変換性能に優れるものとなる。
なお、上述のとおり、本実施形態のn型熱電変換材料の第2例における第1硫化物は、本実施形態のn型熱電変換材料の第1例における母材に相当するので、ここでは詳細な説明を省略する。また、実施形態のn型熱電変換材料の第2例における典型金属元素の説明も、実施形態のn型熱電変換材料の第1例における典型金属元素の説明と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態のn型熱電変換材料の第2例において、第1組成式におけるある元素の割合とは、第1組成式で表される物質における当該元素の原子数の比率のことであり、第2組成式におけるある元素の割合とは、第2組成式で表される物質における当該元素の原子数の比率のことである。さらに、第2組成式において、第1組成式から低減された元素の割合と、第1組成式に対して増やされた典型金属元素の割合とが実質的に同じであるとは、第1組成式から減らされた第1硫化物構成元素の割合(割合C)に対する、増やされた典型金属元素の割合(割合D)の比率(割合D/割合C)が、0.9以上1.1以下の範囲内であることを意味する。割合D/割合Cは、0.95以上1.05以下の範囲内が好ましく、1であることがより好ましい。
本実施形態のn型熱電変換材料の第2例では、上述のとおり、上記典型金属元素を第2硫化物の組成全体の3モル%以上含み、好ましくは3.5モル%以上含み、特に好ましくは4モル%以上含む。本実施形態のn型熱電変換材料の第2例において、上記典型金属元素は、例えば第2硫化物の組成全体の15モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下である。
次に、本実施形態のn型熱電変換材料の製造方法について説明する。本実施形態のn型熱電変換材料の第1例及び第2例は、例えば、母材構成元素の原料粉末と、元素置換に用いられる典型金属元素の原料粉末とを固相法によって反応させることによって製造できる。固相法には、例えば、ボールミル等の公知の装置を使用できる。また、製造した粉体を焼結する方法は、例えば、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)又はホットプレスである。焼結温度は、例えば、150℃〜1500℃であり、望ましくは、200℃〜1000℃である。焼結時間は、例えば、0分〜10分であり、望ましくは、0〜5分である。また、焼結工程の開始から焼結工程中の最高温度に到達するまでに必要な昇温時間は、例えば、2分〜10分である。例えば、粉体が充填されたダイの内部の温度を上記の昇温時間で最高温度まで昇温させ、ダイの内部の温度を最高温度で所定の時間(焼結時間)保ち、その後加熱を停止して焼結体を自然冷却させる。焼結工程中に粉体を加圧する圧力は、例えば、0.5MPa〜100MPaであり、望ましくは、5MPa〜50MPaである。ペレットのサイズが大きい場合又はペレットの機械的強度を高くする必要がある場合には、均一な焼結体を得るために、焼結時間又は昇温時間をさらに長くすることが好ましい。この焼結工程は、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気において行うことができる。この焼結工程は、望ましくは真空雰囲気で行われる。
本実施形態のn型熱電変換材料の第1例及び第2例は、溶融法、水熱合成法、又は液相還元法等の方法によって合成されてもよい。特に、液相還元法によって合成されたナノメートルオーダー(例えば、100nm以下の粒子径を有する)のn型熱電変換材料の粒子は、その粒子径を調節することによって効率的にフォノンを散乱して、低い格子熱伝導率を示すことが期待される。
溶融法は、原料を高温で反応させ、目的の化合物を得る方法である。溶融法の一例は、目的とする材料の物質量比となるように原料を石英管等に真空封入し、例えば、電気炉等の加熱装置を用いて、所定の反応温度で原料を反応させる方法である。
<実施形態2>
実施形態2では、本発明のn型熱電変換材料の別の実施形態について説明する。
実施形態2に係るn型熱電変換材料は、Cu1-xFe1-yAlz2で表される組成を有する硫化物であって、x及びyが、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0<z≦x+y、及びx+y≠0を満たす。この実施形態2に係るn型熱電変換材料は、従来のn型硫化物熱電変換材料であるCuFeS2よりも優れた熱電変換性能を有することができる。
本実施形態のn型熱電変換材料は、例えば、構成元素であるCu、Fe、Al、及びSの原料粉末を固相法によって反応させることによって製造できる。固相法には、例えば、ボールミル等の公知の装置を使用できる。また、製造した粉体を焼結する方法は、例えば、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)又はホットプレスである。焼結温度は、例えば、150℃〜1500℃であり、望ましくは、200℃〜1000℃である。焼結時間は、例えば、0分〜10分であり、望ましくは、0〜5分である。また、焼結工程の開始から焼結工程中の最高温度に到達するまでに必要な昇温時間は、例えば、2分〜10分である。例えば、粉体が充填されたダイの内部の温度を上記の昇温時間で最高温度まで昇温させ、ダイの内部の温度を最高温度で所定の時間(焼結時間)保ち、その後加熱を停止して焼結体を自然冷却させる。焼結工程中に粉体を加圧する圧力は、例えば、0.5MPa〜100MPaであり、望ましくは、5MPa〜50MPaである。ペレットのサイズが大きい場合又はペレットの機械的強度を高くする必要がある場合には、均一な焼結体を得るために、焼結時間又は昇温時間をさらに長くすることが好ましい。この焼結工程は、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気において行うことができる。この焼結工程は、望ましくは真空雰囲気で行われる。
本実施形態のn型熱電変換材料は、溶融法、水熱合成法、又は液相還元法等の方法によって合成されてもよい。特に、液相還元法によって合成されたナノメートルオーダー(例えば、100nm以下の粒子径を有する)のn型熱電変換材料の粒子は、その粒子径を調節することによって効率的にフォノンを散乱して、低い格子熱伝導率を示すことが期待される。
<実施形態3>
実施形態3では、本発明のn型熱電変換材料のさらに別の実施形態について説明する。
実施形態3に係るn型熱電変換材料は、Cu2-pTr1-qTi3-rAls8で表される組成を有する硫化物である。前記組成において、Trは、遷移金属元素から選択される少なくとも1つの元素である。さらに、p、q、r及びsは、0≦p≦1、0≦q≦0.5、0≦r≦1.5、0<s≦8/3、及びp+q+r≠0を満たす。この実施形態3に係るn型熱電変換材料は、従来のn型硫化物熱電変換材料であるCu2TrTi38よりも優れた熱電変換性能を有することができる。
実施形態3に係るn型熱電変換材料の上記組成において、Trは、例えばNi又はCoである。すなわち、実施形態3に係るn型熱電変換材料は、例えば、Cu2-pNi1-qTi3-rAls8又はCu2-pCo1-qTi3-rAls8であってよい。具体例として、Cu2Ni2/3Ti8/3Al2/38、Cu2Co2/3Ti8/3Al2/38、及びCu3/2Co1/2Ti3Al1/28等が挙げられる。
本実施形態のn型熱電変換材料は、例えば、構成元素であるCu、Tr、Ti、Al、及びSの原料粉末を固相法によって反応させることによって製造できる。固相法には、例えば、ボールミル等の公知の装置を使用できる。また、製造した粉体を焼結する方法は、例えば、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)又はホットプレスである。焼結温度は、例えば、150℃〜1500℃であり、望ましくは、200℃〜1000℃である。焼結時間は、例えば、0分〜10分であり、望ましくは、0〜5分である。また、焼結工程の開始から焼結工程中の最高温度に到達するまでに必要な昇温時間は、例えば、2分〜10分である。例えば、粉体が充填されたダイの内部の温度を上記の昇温時間で最高温度まで昇温させ、ダイの内部の温度を最高温度で所定の時間(焼結時間)保ち、その後加熱を停止して焼結体を自然冷却させる。焼結工程中に粉体を加圧する圧力は、例えば、0.5MPa〜100MPaであり、望ましくは、5MPa〜50MPaである。ペレットのサイズが大きい場合又はペレットの機械的強度を高くする必要がある場合には、均一な焼結体を得るために、焼結時間又は昇温時間をさらに長くすることが好ましい。この焼結工程は、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気において行うことができる。この焼結工程は、望ましくは真空雰囲気で行われる。
本実施形態のn型熱電変換材料は、溶融法、水熱合成法、又は液相還元法等の方法によって合成されてもよい。特に、液相還元法によって合成されたナノメートルオーダー(例えば、100nm以下の粒子径を有する)のn型熱電変換材料の粒子は、その粒子径を調節することによって効率的にフォノンを散乱して、低い格子熱伝導率を示すことが期待される。
<実施形態4>
実施形態4では、本発明の熱電変換素子の一実施形態について説明する。本実施形態の熱電変換素子は、実施形態1(第1例又は第2例)、実施形態2、又は実施形態3の熱電変換材料を備える。
例えば、本実施形態の熱電変換素子は、実施形態1(第1例又は第2例)、実施形態2、又は実施形態3のn型熱電変換材料と、このn型熱電変換材料に接続された導体とを備えている。図1Aに示す通り、熱電変換素子1は、例えば、複数の第一熱電変換材料10と、第一熱電変換材料10と交互に配置された複数の第二熱電変換材料20と、隣り合う第一熱電変換材料10と第二熱電変換材料20とを接続する導体30とを備えている。例えば、複数の第一熱電変換材料10及び複数の第二熱電変換材料20は、導体30によって直列に接続されている。第一熱電変換材料10は、実施形態1(第1例又は第2例)、実施形態2、又は実施形態3のn型熱電変換材料である。一方、第二熱電変換材料20は、熱電変換素子に使用可能な公知のp型半導体である。図1Aに示す通り、導体30は、例えば所定の基板40a又は基板40b上に配置されている。基板40a及び基板40bのそれぞれは、例えば高い熱伝導率を有するセラミック製の基板である。
図1Bに示す通り、熱電変換素子2は、例えば、複数の第一熱電変換材料50と、隣り合う第一熱電変換材料50同士を接続する導体60とを備えている。例えば、複数の第一熱電変換材料50は、導体60によって直列に接続されている。第一熱電変換材料50は、実施形態1(第1例又は第2例)、実施形態2、又は実施形態3のn型熱電変換材料である。図1Bに示す通り、導体60は、例えば所定の基板70a又は基板70b上に配置されている。基板70a及び基板70bのそれぞれは、例えば高い熱伝導率を有するセラミック製の基板である。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明の一例であり、本発明は以下の実施例に限定されない。
<実施例1>
銅の粉末0.8199g、鉄の粉末0.9607g、アルミニウムの粉末0.1160g、及び硫黄の粉末1.1034gをレッチェ社製の遊星ボールミルに仕込み、400rpm(revolutions per minute)で9分間回転した後1分間停止する動作を3時間繰り返して混合粉体を得た。得られた混合粉体を放電プラズマ焼結装置(シンターランド社製、型番:LABOX-125)で焼結した。この焼結は、直径10mmのダイに0.75gの混合粉体を充填し、ダイの内部の温度を800℃まで100℃/分の速度で上昇させ、その後ダイの内部の温度を800℃で2分間保つことによって行われた。その後、ダイの内部から取り出した焼結品であるペレットの両面を、JIS R 6001:1998に基づく粒度が#2000である研磨紙を用いて研磨し、実施例1に係るサンプルを得た。サンプルの厚さは約2mmであった。原料である混合粉末における元素比率から求められた実施例1に係るサンプルの組成は、Cu0.75FeAl0.252であった。すなわち、実施例1のn型熱電変換材料は、CuFeS2を母材とし、この母材の元素割合を示す組成式CuFeS2においてCu元素の割合を0.25減らし、減らした割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素であるAl元素の割合を増やした組成で表される材料であった。さらに、得られたCu0.75FeAl0.252は、母材であるCuFeS2の結晶の電気的中性を保つものでもあった。また、別の観点から説明すると、実施例1のn型熱電変換材料は、CuFeS2を第1硫化物とし、この第1硫化物の元素割合を示す第1組成式CuFeS2においてCu元素の割合が0.25低減され、かつ低減された割合と実質的に同じ割合で典型金属元素であるAl元素が含まれた第2組成式Cu0.75FeAl0.252で表される組成を有する第2硫化物からなるものであった。実施例1のn型熱電変換材料である硫化物組成全体(第2硫化物の組成全体)において、典型金属元素Alは6.25モル%含まれていた。
<比較例1>
上記の粉末に代えて、銅の粉末1.0388g、鉄の粉末0.9128g、及び硫黄の粉末1.0484gを用いて混合粉体を得た以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係るサンプルを得た。原料である混合粉末における元素比率から求められた比較例1に係るサンプルの組成は、CuFeS2であった。
<実施例2>
銅の粉末0.6708g、ニッケルの粉末0.2065g、チタンの粉末0.6738g、アルミニウムの粉末0.0949g、及び硫黄の粉末1.3540gをレッチェ社製の遊星ボールミルに仕込み、400rpm(revolutions per minute)で9分間回転した後1分間停止する動作を3時間繰り返して混合粉体を得た。得られた混合粉体を放電プラズマ焼結装置(シンターランド社製、型番:LABOX-125)で焼結した。この焼結は、直径10mmのダイに0.75gの混合粉体を充填し、ダイの内部の温度を650℃まで100℃/分の速度で上昇させ、その後ダイの内部の温度を650℃で2分間保つことによって行われた。その後、ダイの内部から取り出した焼結品であるペレットの両面を、JIS R 6001:1998に基づく粒度が#2000である研磨紙を用いて研磨し、実施例2に係るサンプルを得た。サンプルの厚さは約2mmであった。原料である混合粉末における元素比率から求められた実施例2に係るサンプルの組成は、Cu3NiTi4AlS12、すなわちCu2Ni2/3Ti8/3Al2/38であった。すなわち、実施例2のn型熱電変換材料は、Cu2NiTi38を母材とし、この母材の元素割合を示す組成式Cu2NiTi38においてNi元素及びTi元素の割合をそれぞれ1/3減らし、減らした割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素であるAl元素の割合を増やした組成で表される材料であった。さらに、得られたCu2Ni2/3Ti8/3Al2/38は、母材であるCu2NiTi38の結晶と電気的中性を保つものでもあった。また、別の観点から説明すると、実施例2のn型熱電変換材料は、Cu2NiTi38を第1硫化物とし、この第1硫化物の元素割合を示す第1組成式Cu2NiTi38においてNi元素及びTi元素の割合がそれぞれ1/3低減され、かつ低減された割合と実質的に同じ割合で典型金属元素であるAl元素が含まれた第2組成式Cu2Ni2/3Ti8/3Al2/38で表される組成を有する第2硫化物からなるものであった。実施例2のn型熱電変換材料である硫化物組成全体(第2硫化物の組成全体)において、典型金属元素Alは4.76モル%含まれていた。
<比較例2>
上記の粉末に代えて、銅の粉末0.6507g、ニッケルの粉末0.3005g、チタンの粉末0.7354g、及び硫黄の粉末1.3135gを用いて混合粉体を得、さらにダイの内部温度を600℃にした以外は、実施例2と同様にして、比較例2に係るサンプルを得た。原料である混合粉末における元素比率から求められた比較例2に係るサンプルの組成は、Cu2NiTi38であった。
<実施例3>
上記の粉末に代えて、銅の粉末0.6706g、コバルトの粉末0.2073g、チタンの粉末0.6736g、アルミニウムの粉末0.0949g、及び硫黄の粉末1.3536gをレッチェ社製の遊星ボールミルに仕込み、400rpm(revolutions per minute)で9分間回転した後1分間停止する動作を3時間繰り返して混合粉体を得た。得られた混合粉体を放電プラズマ焼結装置(シンターランド社製、型番:LABOX-125)で焼結した。この焼結は、直径10mmのダイに0.75gの混合粉体を充填し、ダイの内部の温度を700℃まで100℃/分の速度で上昇させ、その後ダイの内部の温度を700℃で2分間保つことによって行われた。その後、ダイの内部から取り出した焼結品であるペレットの両面を、JIS R 6001:1998に基づく粒度が#2000である研磨紙を用いて研磨し、実施例1に係るサンプルを得た。サンプルの厚さは約2mmであった。原料である混合粉末における元素比率から求められた実施例3に係るサンプルの組成は、Cu3CoTi4AlS12、すなわちCu2Co2/3Ti8/3Al2/38であった。すなわち、実施例3のn型熱電変換材料は、Cu2CoTi38を母材とし、この母材の元素割合を示す組成式Cu2CoTi38においてCo元素及びTi元素の割合をそれぞれ1/3減らし、減らした割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素であるAl元素の割合を増やした組成で表される材料であった。さらに、得られたCu2Co2/3Ti8/3Al2/38は、母材であるCu2CoTi38の結晶と電気的中性を保つものでもあった。また、別の観点から説明すると、実施例2のn型熱電変換材料は、Cu2CoTi38を第1硫化物とし、この第1硫化物の元素割合を示す第1組成式Cu2CoTi38においてCo元素及びTi元素の割合がそれぞれ1/3低減され、かつ低減された割合と実質的に同じ割合で典型金属元素であるAl元素が含まれた第2組成式Cu2Co2/3Ti8/3Al2/38で表される組成を有する第2硫化物からなるものであった。実施例2のn型熱電変換材料である硫化物組成全体(第2硫化物の組成全体)において、典型金属元素Alは4.76モル%含まれていた。
<比較例3>
上記の粉末に代えて、銅の粉末0.6504g、コバルトの粉末0.3016g、チタンの粉末0.7351g、及び硫黄の粉末1.3129gを用いて混合粉体を得、さらにダイの内部温度を600℃にした以外は、実施例3と同様にして、比較例3に係るサンプルを得た。原料である混合粉末における元素比率から求められた比較例3に係るサンプルの組成は、Cu2CoTi38であった。
<X線回折測定>
X線回折装置(リガク社製、製品名:MiniFlex600)を用いて、実施例1〜3及び比較例1〜3に係るサンプルのX線回折パターンを得た。X線としてCuKα線を用いた。実施例1及び比較例1に係るサンプルのX線回折パターンを、図2A及び図2Bに示す。実施例2及び比較例2に係るサンプルのX線回折パターンを、図7A及び図7Bに示す。実施例3及び比較例3に係るサンプルのX線回折パターンを、図12A及び図12Bに示す。
<電気伝導率及びゼーベック係数の測定>
熱電特性評価装置(オザワ科学社製、製品名:RZ2001i)を用いて、実施例1〜3及び比較例1〜3に係るサンプルの電気伝導率σを測定した。実施例1に係るサンプルについては、この測定を、300K〜700Kの範囲での昇温時及び降温時で複数回行った。実施例2及び3、並びに、比較例1〜3に係るサンプルについては、300Kから700Kへの昇温時に測定を行った。実施例1の結果を図3Aに示し、比較例1の結果を図3Bに示す。実施例2の結果を図8Aに示し、比較例2の結果を図8Bに示す。実施例3の結果を図13Aに示し、比較例3の結果を図13Bに示す。なお、図3A、図3B、図8A,図8B、図13A及び図13Bには、それぞれのサンプルの電気伝導率σの逆数をとって求められた電気抵抗率ρも示されている。上記の熱電特性評価装置を用いて実施例1〜3及び比較例1〜3に係るサンプルのゼーベック係数Sを測定した。実施例1の結果を図4Aに示し、比較例1の結果を図4Bに示す。実施例2の結果を図9Aに示し、比較例2の結果を図9Bに示す。実施例3の結果を図14Aに示し、比較例3の結果を図14Bに示す。なお、図4A、図4B、図9A,図9B、図14A及び図14Bには、それぞれのサンプルにおいて、ゼーベック係数S及び電気伝導率σから下記の式(5)に基づいて求められたパワーファクターPFも示されている。
PF=S2σ (5)
<熱伝導率の測定>
実施例1〜3及び比較例1〜3に係るサンプルを用いて300〜700Kの範囲の複数の温度における熱伝導率κを測定した。熱伝導率κの測定には、レーザーフラッシュ法熱物性測定装置(京都電子工業社製、製品名:LFA-502)を用いた。実施例1の結果を図5Aに示し、比較例1の結果を図5Bに示す。実施例2の結果を図10Aに示し、比較例2の結果を図10Bに示す。実施例3の結果を図15Aに示し、比較例3の結果を図15Bに示す。
<電子熱伝導率及び格子熱伝導率の決定>
実施例1〜3及び比較例1〜3に係るサンプルに関するゼーベック係数Sの測定結果から、上記の式(4)を用いてローレンツ数Lを決定した。決定したローレンツ数Lと電気伝導率σの測定結果から、上記の式(3)を用いて実施例1〜3及び比較例1〜3に係るサンプルの熱伝導率の測定温度における電子熱伝導率κelを算出した。各サンプルの熱伝導率の測定温度における格子熱伝導率κlatを、式(2)に従って、熱伝導率κから電子熱伝導率κelを差し引いて決定した。実施例1の結果を図5Aに示し、比較例1の結果を図5Bに示す。実施例2の結果を図10Aに示し、比較例2の結果を図10Bに示す。実施例3の結果を図15Aに示し、比較例3の結果を図15Bに示す。
<無次元性能指数>
図3A及び図3B、図4A及び図4B、並びに図5A及び図5Bに示す結果から、実施例1及び比較例1に係るサンプルに関する無次元性能指数ZTを求めた。実施例1の結果を図6Aに示し、比較例1の結果を図6Bに示す。図8A及び図8B、図9A及び図9B、並びに図10A及び図10Bに示す結果から、実施例2及び比較例2に係るサンプルに関する無次元性能指数ZTを求めた。実施例2の結果を図11Aに示し、比較例2の結果を図11Bに示す。図13A及び図13B、図14A及び図14B、並びに図15A及び図15Bに示す結果から、実施例3及び比較例3に係るサンプルに関する無次元性能指数ZTを求めた。実施例3の結果を図16Aに示し、比較例3の結果を図16Bに示す。
図5A及び図5Bから、実施例1のn型熱電変換材料では、比較例1の材料(実施例1のn型熱電変換材料の母材に相当)よりも熱伝導率及び格子熱伝導率が低いことが確認される。したがって、実施例1のn型熱電変換材料は、比較例1の材料よりも優れた熱電変換性能を有することができる。このことは、図6A及び図6Bに示された結果からも明らかであり、実施例1のn型熱電変換材料は、比較例1の材料よりも優れた熱電変換性能を有していた。
図10A及び図10Bから、実施例2のn型熱電変換材料では、比較例2の材料(実施例2のn型熱電変換材料の母材に相当)よりも熱伝導率及び格子熱伝導率が低いことが確認される。したがって、実施例2のn型熱電変換材料は、比較例2の材料よりも優れた熱電変換性能を有することができる。このことは、図11A及び図11Bに示された結果からも明らかであり、実施例2のn型熱電変換材料は、比較例2の材料よりも優れた熱電変換性能を有していた。
図15A及び図15Bから、実施例3のn型熱電変換材料と比較例3の材料(実施例3のn型熱電変換材料の母材に相当)とは、熱伝導率及び格子熱伝導率が同程度であることが確認される。しかし、実施例3のn型熱電変換材料は、比較例3の材料よりも、ゼーベック係数Sが高く、パワーファクターPFの値も大きかった。したがって、図16A及び図16Bに示された無次元性能指数ZTからも明らかであるように、実施例3のn型熱電変換材料は、比較例3の材料よりも優れた熱電変換性能を有していた。
以上の結果から、母材としてのn型硫化物熱電変換材料に含まれる母材構成元素の一部を典型金属元素で置換することにより、n型熱電変換材料としての性能を向上させることができることがわかる。
本発明によれば、性能が向上したn型熱電変換材料を提供でき、このn型熱電変換材料は、排熱の再利用等のあらゆる分野への利用が期待される。
1,2 熱電変換素子
10,50 第一熱電変換材料(n型熱電変換材料)
20 第二熱電変換材料(p型熱電変換材料)
30,60 導体
40a,40b,70a、70b 基板

Claims (13)

  1. n型熱電変換特性を有する硫化物を母材とし、
    (a)前記母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ減らした割合と実質的に同じ分だけ典型金属元素(ただし、前記母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、及び/又は、
    (b)前記母材の元素割合を表す組成式において、硫黄を除く少なくとも1つの母材構成元素の割合を減らし、かつ前記母材の結晶の電気的中性を保つように典型金属元素(ただし、前記母材構成元素を除く)の割合を増やした組成、
    で表され、
    前記典型金属元素を硫化物組成全体の3モル%以上含む、
    n型熱電変換材料。
  2. 前記典型金属元素は、13族元素である、請求項1に記載のn型熱電変換材料。
  3. 前記典型金属元素がAlである、請求項2に記載のn型熱電変換材料。
  4. 前記母材は、前記母材構成元素として、Cu、Fe、及びSを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のn型熱電変換材料。
  5. 前記母材の前記組成式が、CuFeS2で表され、
    前記n型熱電変換材料は、前記母材において、Cu及びFeの少なくとも1つの元素の一部が、前記典型金属元素によって置換された組成を有する、
    請求項4に記載のn型熱電変換材料。
  6. 前記母材の前記組成式が、Cu2TrTi38表され、
    前記組成式において、Trは、遷移金属元素から選択される少なくとも1つの元素であり、
    前記n型熱電変換材料は、前記母材において、Cu、Tr及びTiからなる群から選択される少なくとも1つの元素の一部が、前記典型金属元素によって置換された組成を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のn型熱電変換材料。
  7. 前記組成式において、Trは、Ni又はCoである、
    請求項6に記載のn型熱電変換材料。
  8. 前記典型金属元素がAlである、請求項5〜7のいずれか1項に記載のn型熱電変換材料。
  9. n型熱電変換特性を有する第1硫化物を構成する第1硫化物構成元素と、典型金属元素(だたし、前記第1硫化物構成元素を除く)と、を含む第2硫化物からなるn型熱電変換材料であって、
    前記第2硫化物は、
    (A)前記第1硫化物の元素割合を表す第1組成式において、前記第1硫化物構成元素のうち硫黄を除く少なくとも1つの元素の割合が低減され、かつ低減された割合と実質的に同じ割合で前記典型金属元素が含まれた第2組成式で表される組成、及び/又は、
    (B)前記第1硫化物の元素割合を表す第1組成式において、前記第1硫化物構成元素のうち硫黄を除く少なくとも1つの元素の割合が低減され、かつ前記第1硫化物の結晶の電気的中性を保つように前記典型金属元素が含まれた第2組成式で表される組成、
    を有し、
    前記第2硫化物は、前記典型金属元素を、前記第2硫化物の組成全体の3モル%以上含む、
    n型熱電変換材料。
  10. Cu1-xFe1-yAlz2で表される組成を有する硫化物であって、
    x及びyが、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0<z≦x+y、及びx+y≠0を満たす、
    n型熱電変換材料。
  11. Cu2-pTr1-qTi3-rAls8で表される組成を有する硫化物であって、
    前記組成において、
    Trは、遷移金属元素から選択される少なくとも1つの元素であり、
    p、q、r及びsが、0≦p≦1、0≦q≦0.5、0≦r≦1.5、0<s≦8/3、及びp+q+r≠0を満たす、
    n型熱電変換材料。
  12. 前記組成において、Trは、Ni又はCoである、
    請求項11に記載のn型熱電変換材料。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のn型熱電変換材料を備えた、熱電変換素子。
JP2018222286A 2018-06-08 2018-11-28 n型熱電変換材料及び熱電変換素子 Active JP7537858B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018110526 2018-06-08
JP2018110526 2018-06-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019216231A true JP2019216231A (ja) 2019-12-19
JP7537858B2 JP7537858B2 (ja) 2024-08-21

Family

ID=68918899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018222286A Active JP7537858B2 (ja) 2018-06-08 2018-11-28 n型熱電変換材料及び熱電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7537858B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111403586A (zh) * 2020-03-30 2020-07-10 自贡新洲实业有限公司 一种N型TiS2基热电材料及其制备方法
CN116598489A (zh) * 2023-07-17 2023-08-15 帕瓦(长沙)新能源科技有限公司 钠离子电池的负极材料及其制备方法、应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013219218A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Hitachi Ltd 熱電変換材料及び熱電変換素子並びに熱電変換モジュール
JP2016178176A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 古河機械金属株式会社 熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュール、熱電発電装置、熱電変換システム、および熱電変換材料の製造方法
JP2016181590A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 株式会社栗本鐵工所 熱電変換用摺動部材及びそれを用いた熱電変換摺動装置
JP2018078219A (ja) * 2016-11-10 2018-05-17 国立研究開発法人物質・材料研究機構 p型熱電半導体、その製造方法及びそれを用いた熱電発電素子

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013219218A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Hitachi Ltd 熱電変換材料及び熱電変換素子並びに熱電変換モジュール
JP2016178176A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 古河機械金属株式会社 熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュール、熱電発電装置、熱電変換システム、および熱電変換材料の製造方法
JP2016181590A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 株式会社栗本鐵工所 熱電変換用摺動部材及びそれを用いた熱電変換摺動装置
JP2018078219A (ja) * 2016-11-10 2018-05-17 国立研究開発法人物質・材料研究機構 p型熱電半導体、その製造方法及びそれを用いた熱電発電素子

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
辻井直人,森孝雄: "鉱物由来の鉄硫化物に着目した熱電材料開発", 粉体および粉末冶金, vol. 第64巻,第4号, JPN6022037463, 15 April 2017 (2017-04-15), pages 173 - 179, ISSN: 0005141443 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111403586A (zh) * 2020-03-30 2020-07-10 自贡新洲实业有限公司 一种N型TiS2基热电材料及其制备方法
CN116598489A (zh) * 2023-07-17 2023-08-15 帕瓦(长沙)新能源科技有限公司 钠离子电池的负极材料及其制备方法、应用
CN116598489B (zh) * 2023-07-17 2023-10-24 帕瓦(长沙)新能源科技有限公司 钠离子电池的负极材料及其制备方法、应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP7537858B2 (ja) 2024-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zheng et al. Defect engineering in thermoelectric materials: what have we learned?
Tan et al. Enhanced thermoelectric properties of earth-abundant Cu2SnS3 via In doping effect
JP6127281B1 (ja) 熱電変換材料
Tan et al. Thermoelectrics with earth abundant elements: low thermal conductivity and high thermopower in doped SnS
Lan et al. Enhanced thermoelectric properties of Pb‐doped BiCuSeO ceramics
JP4468044B2 (ja) 熱電材料および熱電変換素子
Weller et al. Thermoelectric performance of tetrahedrite synthesized by a modified polyol process
US8828277B2 (en) Nanocomposite thermoelectric conversion material and method of producing the same
Xu et al. Synergistic role of Ni-doping in electrical and phonon transport properties of Cu2Sn1-xNixS3
JP6608961B2 (ja) P型スクッテルダイト熱電材料、その製造方法およびこれを含む熱電素子
JP6054606B2 (ja) 熱電半導体
JP2019216231A (ja) n型熱電変換材料及び熱電変換素子
Wang et al. Right heterogeneous microstructure for achieving excellent thermoelectric performance in Ca0. 9R0. 1MnO3− δ (R= Dy, Yb) ceramics
KR20190127378A (ko) 반-호이슬러계 열전 재료, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 열전 소자
Novitskii et al. Mechanochemical synthesis and thermoelectric properties of TiFe2Sn Heusler alloy
JP6869593B2 (ja) カルコゲン化合物、その製造方法、およびこれを含む熱電素子
JP2021015862A (ja) 熱電材料、その製造方法、および、熱電発電素子
JP2018019014A (ja) 熱電変換材料及びこれを用いた熱電変換モジュール
WO2022054577A1 (ja) 熱電材料、その製造方法、および、熱電発電素子
Shanubhogue et al. Enhanced power factor and thermoelectric efficiency in Cu2Sn1-xYxSe3 system: A low-temperature study
Kumar et al. Influence of synthesis method and processing on the thermoelectric properties of CoSb3 skutterudites
Cho et al. Electrical and thermal transport properties of Cr2Se3-Cr2Te3 solid-solution alloy system and estimation of optimal thermoelectric properties
Al Qori’ et al. The Effect of Ti Doping on the Thermoelectric Performance of Bi2Te3 and Its Chemical Stability
JP6749831B2 (ja) 熱電変換材料
JP2021044424A (ja) 熱電変換材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230606

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230614

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20230901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240605

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20240605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7537858

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150