JP2019215934A - 煙感知器シールドおよび関連する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光の透過を遮断または最小限にするための煙感知器シールドおよび使用方法を提供する。【解決手段】 一実施形態によれば、煙感知器を遮蔽するための方法は、部屋の範囲内に作動的に配設された煙感知器の少なくとも一部を遮蔽することと、続いて、煙感知器を遮蔽している間に、その部屋の範囲内に配置された発光装置を作動させることと、を含む。部屋の範囲内で照明および/または通信目的で一般的に使用される発光装置を除外するために、本方法に記載の発光装置は、約1W/sr超の放射強度で赤外光を発するように、および/または約1W/sr超の放射強度で紫外光を発するように、および/または約3000ルーメン超の光束で可視光を発するように、構成されたものである。本明細書では、そのような光の透過を阻む煙感知器シールドの実施形態を提示し、これにより、シールド付き煙感知器で、そのような光が煙感知器ハウジングを透過することを阻止する。【選択図】図7

Description

本発明は、広くは、煙感知器用のシールドに関するものである。
以下の説明および例は、このセクションに記載があることによって、先行技術であると認めるものではない。
光電式煙感知器は、その周囲に煙が存在するかどうかを検出するために、光源と光電受光器を使用する。光電受光器における受光量の変化が所定値を超えているときに、煙が存在すると判断される。煙が存在すると煙感知器が判断すると、火災報知器が作動する。スポット型煙感知器と呼ばれることもある一部の煙感知器は、煙感知対象場所である閉所のための煙感知器内の室内に配置された光源および光電受光器を有する。他の煙感知器は、煙を検出するための光線を煙感知器の外に投射する。これは、一般的に、講堂のような大きく開放された広い空間で使用される。一方、スポット型煙感知器は、一般的に、住宅、オフィスビル、または病院で典型的に見られる部屋のような比較的小さい広さの部屋で使用される。どちらのタイプでも、光源は、通常、赤外光源、紫外光源、または可視光源である。
場合によっては、煙感知器の光電受光器は、煙感知器が配設された部屋の中の周辺光から遮蔽されないことがあり、このため、部屋の中の外部源からの赤外光、紫外光、可視光の比較的大きな変化、または特に高強度の可視光が原因となって、煙感知器が誤った火災報知を発することがある。そのような赤外光、紫外光、および/または可視光の外部源を構成し得る装置およびシステムの例として、殺菌光消毒システム、手術室照明、光線療法システム、紫外線硬化システム、および電子機器のリモコンを含み得るが、ただし、これらに限定されない。煙感知器を取り外すこと、またはその電源を切ることは、一般的に防火規則に反するため、どちらも、部屋の中で赤外光、紫外光、および/または可視光の外部源の作動中に起こり得る火災誤報知を軽減するための選択肢にはならない。
よって、煙感知器が配設された部屋の周囲で発生する光から、スポット型煙感知器の光電受光器を遮蔽する装置を開発することが有益であろう。
煙感知器シールドの種々の実施形態および使用方法についての以下の説明は、添付の請求項の主題を限定するものと決して解釈されてはならない。
本明細書では、光の透過を遮断または最小限にするように構成された煙感知器シールドおよび使用方法を提供する。一実施形態によれば、煙感知器シールドは、煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成されたシュラウドを備え得る。シュラウドは、赤外光、紫外光、および/または可視光の透過を遮断する1つ以上の材料を含み得る。一実施形態では、シュラウドを形成するのに使用される材料は、赤外光の透過を遮断するように特化して構成されてよい。
一実施形態では、煙感知器シールドのシュラウドは、主に、第1端と、第1端と反対の第2端と、第1端と第2端との間に延在する1つ以上の側壁と、シールと、を有し得る。第1端は、表面(例えば、部屋の天井または壁)に取り付けられた煙感知器を受容するよ
うに寸法構成された開口を有し得る。場合によっては、シュラウドの第1端の開口は、直径が約4インチ〜約12インチの範囲であり得る。シュラウドの第2端は、受容した煙感知器の1つ以上の煙流入口を露出させるように寸法構成された開口を有し得る。場合によっては、シュラウドの第2端の開口は、直径が約2インチ〜約10インチの範囲である。シュラウドの1つ以上の側壁は、共同で、露出した煙流入口を覆うことなく、受容した煙感知器の一部を取り囲むように構成されてよい。場合によっては、1つ以上の側壁の高さは、約1インチ〜約6インチの範囲であり得る。
場合によっては、シュラウドの第1端と第2端は両方とも、略硬質材料を含み得る。他の場合には、シュラウドの第1端は略軟質材料を含んでよく、シュラウドの第2端は略硬質材料を含んでよい。略硬質材料の例として、変性ポリフェニレンエーテル/オレフィン樹脂ブレンド(例えば、Noryl(登録商標)樹脂)、ポリ(メチルメタクリレート)(別名、Plexiglas(登録商標))、ポリカーボネート、木材、および各種金属または金属化材料(例えば、金、アルミニウムなど)が含まれるが、ただし、これらに限定されない。略軟質材料の例として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(別名、Mylar(登録商標))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(別名、Teflon(登録商標))、およびシリコーンが含まれるが、ただし、これらに限定されない。場合によっては、材料の配合、組成、厚さなどに応じて、軟質として上記で挙げた材料の1つ以上を、硬質に構成してよい(そして、逆の場合も同様である)。場合によっては、略硬質の基材に略軟質材料を注入またはコーティングすることで、その合わせたものを略硬質にしてよい。
第1端と第2端が同じ材料を含むか異なる材料を含むか、または略硬質材料を含むか略軟質材料を含むかに関わりなく、シュラウドは、赤外光および/または紫外光および/または可視光の透過を遮断するように構成された材料を含むことが好ましい。赤外光を遮断するように構成された材料の例として、変性ポリフェニレンエーテル/オレフィン樹脂ブレンド(例えば、Noryl(登録商標)樹脂)、約0.118インチ超の厚さを有するポリ(メチルメタクリレート)(別名、Plexiglas(登録商標))、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(別名、Mylar(登録商標))、および各種金属または金属化材料(例えば、金、アルミニウムなど)が含まれるが、ただし、これらに限定されない。紫外光を遮断するように構成された材料の例として、ポリ(メチルメタクリレート)(別名、Plexiglas(登録商標))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(別名、Teflon(登録商標))、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(別名、Mylar(登録商標))、ポリカーボネート、木材、シリコーン、および各種金属または金属化材料が含まれるが、ただし、これらに限定されない。また、上記で挙げた材料のいくつかは、可視光の透過を遮断するように構成されることもある。
場合によっては、シュラウドは、シュラウドの第2端の開口の周縁に沿って少なくとも配置されたシールを有し得る。シールは、煙感知器の外面に適合するように寸法構成されてよい。場合によっては、シールは、ガスケットであり得る。他の場合には、シールは、弾性材または弾性バンドを含み得る。いずれの場合も、シールは、煙感知器の外面において光密かつ/または気密なシールを提供するように、シュラウドの第2端の開口の周縁に沿って配置されてよい。
いくつかの実施形態では、煙感知器シールドは、シュラウドに結合されてシュラウドの下方に延出する2つ以上の懸架部材と、それらの懸架部材に結合された構成部材であって、シュラウドとその構成部材との間に間隙が存在するように結合された構成部材と、をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、その構成部材の下面は、ポールに結合するためのコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、煙感知器シールドは、ポールをコネクタから切り離すための1つ以上のクイックリリース装置をさらに備え得る。
他の実施形態によれば、本明細書において、煙感知器を遮蔽するための装置を提供し、この装置は、煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成されたシュラウドと、シュラウドに結合された第1端および第1端と反対の第2端を有するポールと、を備える。場合によっては、ポールは、少なくとも約3.0フィートの、ある長さを有してよく、または、ある長さまで延長するように構成されてよい。他の場合には、ポールは、少なくとも約5.0フィートの、ある長さを有してよく、または、ある長さまで延長するように構成されてよい。場合によっては、ポールは、固定長のポールであり得る。他の場合には、ポールは、テレスコープ式伸縮ポールであり得る。場合によっては、ポールをシュラウドから取り外すため、および/またはポールを2つ以上の部分片に分解するための、1つ以上のクイックリリース装置を含んでよい。
いくつかの実施形態では、この装置は、この装置を略水平面上で支持するために、ポールの第2端付近に結合された支持ベースを備え得る。場合によっては、支持ベースは、折り畳み式三脚であり得るが、支持ベースはこれに限定されない。場合によっては、支持ベース、シュラウド、およびポールは、この装置の高さが、少なくとも約7フィート、少なくとも約9フィート、または少なくとも約12フィートに達することが可能であるように、構成可能であってよい。また、この装置は、その他の高さに達することが可能であってもよい。場合によっては、支持ベースを省いてよく、そしてポールの第2端を、この装置を略水平面上で支持するように構成してよい。
いくつかの実施形態では、シュラウドは、煙感知器が表面(例えば、部屋の天井または壁)に取り付けられている場合に、その煙感知器の全体を被包するように構成されてよい。他の実施形態では、シュラウドは、煙感知器の1つ以上の煙流入口をシュラウドで覆わないまま残しつつ、煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成されてよい。いくつかの実施形態では、シュラウドは、煙感知器が取り付けられた面への取り付け用に構成された上面を有し得る。他の実施形態では、シュラウドは、煙感知器への取り付け用に構成された上面を有し得る。
本明細書では、さらに、煙感知器を遮蔽するための例示的な方法を提供する。そのような方法は、本明細書に記載の煙感知器シールドの実施形態のいずれかを用いて実施してよい。そのような方法は、主に、部屋の範囲内に作動的に配設された煙感知器の少なくとも一部を遮蔽することと、煙感知器の少なくとも一部を遮蔽している間に、その部屋の範囲内に配置された発光装置を作動させることと、を含み得る。場合によっては、この方法は、発光装置を非作動にすることと、その後、煙感知器の遮蔽を解除することと、を含み得る。他の場合には、発光装置を非作動にした後に、煙感知器を遮蔽したままとしてよい。
部屋の範囲内で照明および/または通信目的で一般的に使用される発光装置を除外するために、発光装置は、約1W/sr超の放射強度で赤外光を発するように、および/または約1W/sr超の放射強度で紫外光を発するように、および/または約3000ルーメン超の光束で可視光を発するように、構成されたものであってよい。一例では、発光装置は、殺菌光消毒装置であり得る。そのような例では、発光装置を作動させるステップは、その部屋の外から発光装置を遠隔操作で作動させることを含み得る。場合によっては、発光装置が殺菌光消毒装置であるときには、煙感知器シールドを煙感知器の周囲に位置決めした後に、発光装置を作動させる前に、その部屋を排気してよい。
本発明の他の目的および効果は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読解することで、明らかになるであろう。
図1は、煙が煙感知器シールドに進入するための蛇行空気路を有する、煙感知器シールドの第1の実施形態の斜視図を示している。 図2は、煙感知器に位置合わせされた、図1に示す煙感知器シールドの分解図である。 図3は、煙感知器の周囲に設置された、図1に示す煙感知器シールドの断面図を示している。 図4は、第2の実施形態による、蛇行空気路を有する別の煙感知器シールドの概略断面図を示している。 図5は、第3の実施形態による、蛇行空気路を有する別の煙感知器シールドの概略断面図を示している。 図6は、第4の実施形態による、蛇行空気路を有する別の煙感知器シールドの概略断面図を示している。 図7は、シュラウドと支持ベースとテレスコープ式伸縮ポールとを備えた、煙感知器シールドの第5の実施形態の斜視図を示している。 図8は、そのテレスコープ式伸縮ポールが収縮位置にある、図7に示す煙感知器シールドを示している。 図9は、収縮位置で、容器に納められた、図7に示す煙感知器シールドを示している。 図10Aは、第6の実施形態による、シュラウドと支持ベースとテレスコープ式伸縮ポールとを備えた、別の煙感知器シールドの斜視図を示している。 図10Bは、図10Aに示すシュラウドの拡大図を示している。 図11Aは、煙感知器の1つ以上の煙流入口をシュラウドで覆わないまま残しつつ、煙感知器の少なくとも一部を覆うように構成されたシュラウドを備えた、煙感知器シールドの第7の実施形態の斜視図を示している。 図11Bは、図11Aに示す煙感知器シールドの拡大図を示している。 図11Cは、図11Aに示す煙感知器シールドの分解図を示している。 図12は、ベースに結合された煙感知器を有する例示的な煙報知器の斜視図を示している。 図13は、図12に示す煙報知器の断面図である。
本発明は、種々の変形および代替形態が可能であるが、その具体的な実施形態について、図面に例として示すとともに、本明細書において詳細に説明する。ただし、それらの図面およびその詳細な説明は、開示される特定の形態に本発明を限定するものではなく、むしろ、添付の請求項で規定する本発明の趣旨および範囲に含まれるあらゆる変形、均等物、および代替案を包括することを意図するものであることは、理解されるべきである。
本明細書では、煙報知器および/または火災報知器に一般的に付属する煙感知器の誤作動を軽減するための、煙感知器シールドおよび方法を提供する。本明細書で使用される場合の「煙報知器」という用語は、少なくとも1つの煙感知装置と、少なくとも1つの可聴報知器と、少なくとも1つの電源(例えば、バッテリ、または商用電源への接続)と、を備える装置またはシステムを指す。逆に言えば、本明細書で使用される場合の「煙感知器」という用語は、煙感知装置のみを指す。報知器とは異なり、「煙感知器」は、可聴報知器や専用の電源を含まないので、その周囲環境における煙の存在を検出して警告するためには、そのようなものを含む他の装置またはシステムに結合されなければならない。
場合によっては、煙感知器は、可聴報知器と電源と含むベースに電気的に結合されることがある。そのような場合、煙感知器とベースを合わせたものによって、煙の存在を検出して警告するための単独自立型の煙報知器を提供し得る。煙感知器とベースの両方を含む自立型の煙報知器の一例を、図12および13に示しており、以下でさらに詳細に説明す
る。他の場合には、ベースを伴うことなく煙感知器を、限定するものではないが防火報知盤のような報知システムに結合してよく、報知システムは、複数の煙感知器に共通であり得るとともに/または可聴報知を発すること以外の様々な(例えば、可視報知を作動させる、スプリンクラシステムを作動させる、および/もしくは火災対応チームに警告する)追加機能を有し得る。さらに他の場合には、ベースを伴って(可聴報知器および/または電源をベース内に有する)煙感知器を、複数の煙感知器に共通である報知システムに結合してよく、このように、図12および13に示す装置は、複数の煙報知器に接続されたシステム内に統合された煙報知器を表す場合もある。
以下でさらに詳細に説明するように、本明細書に記載の煙感知器シールドおよび方法の実施形態により、煙感知器/報知器が作動的に配設された部屋の中の周辺光から、煙感知器の少なくとも一部または煙報知器の煙感知装置の少なくとも一部を遮蔽することで、煙感知器の誤作動は軽減し得る。本明細書で使用される場合の「作動的に配設された」とは、煙感知器が、煙の存在を検出するために、部屋の範囲内に配設されるとともに、(バッテリまたは商用電源のような)電源に接続されていることを意味する。
煙感知器は、熱を感知するもの、電離状態の変化を検出するもの、または光の変化を検出するものなど、多くの異なるタイプのものがある。光電式煙感知器と呼ばれる後者のタイプの煙感知器は、主に、光を発するように構成された光源と、光を検出すると光電流を発生するように構成された光電受光器と、光電流を信号電圧に変換するように構成された回路と、を備える。光電式煙感知器において発射および/または検出される光は、赤外光、紫外光、および/または可視光を含み得る。
スポット型光電式煙感知器と呼ばれる一部のタイプの光電式煙感知器では、光源と光電受光器は、煙感知器ハウジング内に収容されており、このため、光源からの光は、そのハウジング内で投射されて、光電受光器で検出される。このような煙感知器では、煙感知器ハウジング内の光源と光電受光器の相対配置に応じて、光散乱原理または光遮蔽原理に基づいて、ハウジング内に存在する煙粒子を検出し得る。
一実施形態によれば、本明細書に記載の煙感知器シールドおよび方法は、スポット型光電式煙感知器の誤作動を軽減するように特化して構成されてよい。より具体的には、本明細書に記載の煙感知器シールドは、光電式煙感知器が、特に光電式煙感知器のハウジング内に設けられた光電受光器が、部屋の中の周辺光を受光および検出することを、防ぐように構成されてよい。
本明細書で使用される場合の「周辺光」という用語は、煙感知器の外の部屋の中に発光または伝達される光を指す。周辺光は、任意の種類またはスペクトルの光であってよく、それには、限定するものではないが、赤外光、紫外光、および/または可視光が含まれる。周辺光は、(例えば、太陽のような)自然源によって、または煙感知器の外の他の光源によって、発生することがある。赤外光、紫外光、および/または可視光の外部源を提供し得る装置およびシステムの例として、殺菌光消毒システム、手術室照明、光線療法システム、紫外線硬化システム、および電子機器のリモコンを含み得るが、ただし、これらに限定されない。
スポット型光電式煙感知器が光散乱原理によって機能するように構成されている場合には、光源と光電受光器は、典型的には、煙感知器の煙感知室内の共通面上に設置される。多くの場合、光源は、スペクトル的に適合した光電受光器に対してある角度で位置決めされて、煙感知室内に光線を投射するように構成される。理想的には、「煙がない」状態のときには、室壁から反射された光のみが、光電受光器に入射し得るとともに、小さい光電流として現れ得る。一方、煙粒子が、煙感知室に進入して、投射光線を横切ると、散乱に
よって、より多くの光粒子が光電受光器に到達する。この結果、より大きい光電流が発生し、これを受光器回路によって信号電圧に変換する。この信号電圧は、さらなる処理のためにデジタル化されて火災報知システムに伝送されるか、またはその信号電圧が閾値レベルをまたいだ場合に報知を発するために使用されるか、いずれかであり得る。
スポット型光電式煙感知器が光遮蔽原理によって機能するように構成されている場合には、光源は、典型的には、煙感知器の煙感知室内に設置される一方、光電受光器は、煙感知室の外に設置される。場合によっては、光電受光器は、光源が設置される面に対向する面に設置されてよく、さらに光源が投射する光線の経路内に位置決めされてよい。煙粒子が、煙感知室に進入して、投射光線を横切ると、光は散乱されて、光電受光器から離れるようにリダイレクトされ、その結果、光電流が減少する。光電受光器で発生する光電流は、受光器回路によって信号電圧に変換されて、その信号電圧は、さらなる処理のためにデジタル化されて火災報知システムに伝送されてよく、またはその信号電圧が閾値レベルをまたいだ場合に報知を通知するために使用されてよい。
ここで図面を参照すると、図12は、ベース報知器204に結合されたスポット型光電式煙感知器202を有する例示的な煙報知器200の斜視図を示している。図示の実施形態では、煙感知器202は、煙感知器ハウジング206内に設けられており、ベース報知器204は、ベースハウジング208内に設けられている。場合によっては、ベースハウジング208は、図13に示すように、インタロック結合機構によって煙感知器ハウジング206に結合されてよい。また、他の取り付け手段を用いてもよい。他の場合には、ベースハウジング208は、煙感知器ハウジング206と一体形成されてよい。どちらの場合も、煙粒子が煙感知器202の(煙感知室と別称される)内室に進入することを可能とするために、複数の煙流入口210が、煙感知器ハウジング206の範囲内に一般的に設けられる。なお、煙流入口の構成および数は、図12に示す実施形態に限定されないことは理解されるべきである。他の実施形態では、煙流入口は、煙感知器ハウジングの略平坦な面の範囲内に形成された複数の打抜き孔を含み得る。
図13は、一実施形態により、煙報知器の内装部品をさらに詳細に示すために、図12に示す煙報知器200の断面図を提示している。図13に示すように、煙感知器202は、内部の煙感知室220を有し、その境界は、有孔側壁222とキャップ224とボトム230によって、少なくとも部分的に画定されている。有孔側壁222は、煙感知器ハウジング206の煙流入口210に進入する空気および煙粒子が、内室220に流入すること(および、そこから外に戻ること)を可能としている。内室220の範囲内に、その室内に光線を投射するための光源226が配置されている。図13に示す特定の実施形態では、光源226からの(さらに場合によっては、煙感知器202の外の他の光源からの)発光を検出するための光電受光器228は、内室220の外側かつ下方に、特に内室220のボトム230の下方に、配置されている。図13には示していないが、煙感知器202は、さらに、光電受光器228で発生する光電流を信号電圧に変換するための回路を有してよく、その信号電圧は、さらなる処理のためにデジタル化されて火災報知システムに伝送されてよく、またはその信号電圧が所定レベルに達したときに報知を通知するために使用されてよい。
光源226は、(例えば、赤外光、紫外光、および/または可視光のような)1種以上の光を発するように一般的に構成されてよい。場合によっては、光源226は、複数種類の光を(すなわち、赤外光、紫外光、および/または可視光に、任意の種類の光を加えて)発するように構成されてよい。他の場合には、光源226は、1種類の光のみ(例えば、赤外光のみ、紫外光のみ、または可視光のみ)を発するように構成されてよく、さらに場合によっては、その種類の光の全スペクトルに及ばないものであってよい。場合によっては、光源226は、ピークスペクトル発光を有する光を発するように構成されてよい。
具体的な一例では、光源226は、約880ナノメートル(nm)または約950nmのピークスペクトル発光を有する赤外線(IR)発光ダイオード(LED)であってよい。しかしながら、光源226は、LEDや特定のピークスペクトル波長に限定されることなく、代替的に、他の光源で実現されてよく、さらに/または他の波長(群)の光を発するように構成されてよい。
光電受光器228は、(例えば、赤外光、紫外光、および/または可視光のような)1種以上の光を検出するように一般的に構成されてよい。場合によっては、光電受光器228は、光源226による発光スペクトル内の光を検出するように構成されてよく、または光源226による発光スペクトルのうちの所定領域内の光を検出するものであってよい。これらの場合のいくつかでは、光電受光器は、所定領域の光のみを、特に所定領域の赤外光、紫外光、または可視光のみを、収集するように構成されてよい。場合によっては、光電受光器228は、光源226のピークスペクトル発光に特化したものであってよい。代替的に、光電受光器は、これが光源226から受光する予定の光スペクトルに特化されないものであってよく、概ねあらゆるスペクトルの光を検出するように構成されてよい。場合によっては、光電受光器228は、比較的広い波長範囲に及ぶ光を収集するように構成された広帯域スペクトル受光器であってよい。
煙感知器202の内室220の進入光量または漏出光量を最小限とするために、多くの場合、内室は、これを通した光の透過または特定の波長群の光の透過を遮断するように構成された材料で製造される。一例では、内室220の(有孔壁222を含む)側壁およびキャップ224は、所定のスペクトル内の、特に光電受光器228および/または光電受光器に付属する回路が煙の存在を通知するための電圧信号を生成するために使用するスペクトル内の、光の大部分を反射および/または吸収するように構成された材料で形成されてよい。
このアプローチによって、煙感知器の光電受光器が内室220の範囲内に配置されている場合の、煙報知器の誤作動は低減し得るものの、本発明者らは、様々に異なるタイプの煙感知器についての広範囲にわたる試験によって、図12および13に示す煙感知器の場合のように、光電受光器228が内室220の外側に配置されているときには、煙報知器の誤作動は抑制されないことを、確認している。光電受光器228が内室220の外側に配置されているときには、ある種の周辺光を光電受光器が受光および検出し得ることを、本発明者らは確認している。具体的には、光電受光器228は、内室220の遮光材によって保護されていないときには、この煙報知器200が配置されている周囲環境からの紫外光、赤外光、および/または比較的高強度の可視光を受光および検出し得ることを、本発明者らは確認している。特に、一部の種類の周辺光(例えば、紫外光、赤外光、および/または比較的高強度の可視光)は、煙感知器ハウジング206および/またはベースハウジング208を透過して、光電受光器228に当たり、その結果、より高い光電流が発生して、誤報知となることが確認された。従って、本発明者らは、外部光源から受光しないように光電受光器228を保護するため、および煙報知器200の誤作動を防ぐために、追加の遮蔽が必要であると結論した。このような目的のために、本明細書では、様々な実施形態の煙感知器シールドおよび関連する方法を提示する。
本明細書に記載の煙感知器シールドのいくつかの実施形態では、空気(よって、さらに存在する場合の煙粒子)がシールド付き煙感知器の煙流入口に誘導されることを可能とするために、シールドを通り抜ける空気路を備える。このように、煙感知器シールドが煙感知器に取り付けられている場合であっても、煙感知器は、依然として、部屋の中の煙を検出して、報知を発するように機能し得る。場合によっては、煙感知器シールドを通り抜ける光の透過を最小限とするために、その空気路は、蛇行路を含み得る。他の場合には、煙感知器シールドは、煙感知器の1つ以上の煙流入口をシールドで覆わないまま残しつつ、
煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成されてよい。そのような場合には、シールド付き煙感知器の煙流入口への、妨げのない空気路を提供し得る。
本明細書に記載の煙感知器シールドの他の実施形態では、表面に煙感知器が設置または取り付けされている場合に、煙感知器シールドが煙感知器の全体を包囲および封入するように構成することで、煙感知器の周囲に光密かつ/または気密なシールを提供し得る。このようなシールドは、限られた時間のような一時的使用に限ったものとして検討されることがあり、あるいは、部屋の中で、紫外光、赤外光、および/もしくは比較的高強度の可視光を発生する、かつ/またはそれらのスペクトル領域の光のいずれか1種以上に顕著な差が生じるように紫外光、赤外光、および/もしくは可視光を発生する、発光装置を作動させる予定がある場合に検討されることがある。これに限定するものではないが、一時的使用のための煙感知器シールドは、部屋の床に立っている個人が迅速かつ容易に(例えば、煙感知器に手が届くように踏み台を使用する必要なく)シールドを設置可能であるように構成されてよい。加えて、本明細書に記載の煙感知器シールドの実施形態は、容易に持ち運びできるように構成されてよい。
なお、留意されるのは、本明細書に記載の煙感知器シールドは、図面に示す実施形態のみに限定されるべきではないということである。特に、図1〜11に示す煙感知器シールドのいずれも、図面に明示されていない追加の構成要素を備えてよい。さらに、図1〜11に示す煙感知器シールドのいずれも、図1〜11を参照して説明されるのと同じ目的を達成する部品の再配置(図示せず)を含み得る。また、図1〜11の図面は、必ずしも正確な縮尺で描かれてはいない。さらに、図1〜11に示す煙感知器シールドの構成要素のサイズおよび形状、ならびにシールド自体のサイズおよび形状は、例示的なものとみなされる。一例として、図1〜3は、概ね直角円筒形状の煙感知器シールドの一実施形態を示しており、図7〜9は、概ね円錐形状の煙感知器シールドの一実施形態を示しているが、どちらの実施形態についても、他の任意の形状が考えられてよい。図10A〜Bおよび11A〜Bは、図1〜3および7〜9に記載されているのと同一または類似の目的を達成する、別の形状および/または構成を有する煙感知器シールドの追加的な例を提示している。
本明細書に記載の煙感知器シールドのいくつかの実施形態は、1つ以上のファスナを用いて、煙感知器に装着もしくは固定されるように、または煙感知器が設置される面に装着もしくは固定されるように構成される。ただし、本明細書に記載の煙感知器シールドは、図面に示すタイプおよび位置のファスナを有するものに限定されないことは理解されるべきである。特に、図1〜3では、部屋の天井(または代替的に、壁)に装着される煙感知器シールドを示しているものの、本明細書に記載の煙感知器シールドの実施形態は、代替的に、それが遮蔽するように構成された対象の煙感知器に装着されるように構成されてよい。他の実施形態では、煙感知器シールドは、煙感知器または取り付け面に装着または固定されないものであってよく、その代わりに、煙感知器の少なくとも主要部を取り囲んで、取り付け面において光密かつ/または気密なシールを提供するために、取り付け面に密着させて押し当てるように構成されてよい。
再び図面を参照すると、図1〜3は、ベース板22と、内装スリーブ24と、外装スリーブ26と、を備える煙感知器シールド20の第1の実施形態を示している。図示のように、内装スリーブ24は、ベース板22から上方に延出しており、外装スリーブ26は、内装スリーブ24を取り囲んでいる。内装スリーブ24は、突起23が外装スリーブ26のノッチ25内にスライド係合することによって、外装スリーブに結合され得る一方、限定するものではないが、ネジ、接着剤、磁石、クランプ、または当技術分野で周知の他の任意の固定手段のような、他の結合機構を採用してよい。いずれの場合も、図3の煙感知器20の断面図に示すように、ベース板22を伴う内装スリーブ24への外装スリーブ2
6の組み付けによって、開端キャビティ28を形成し、これにより、図2および3に示す煙感知器30のような煙感知器を受容する。
一般的に、内装スリーブ24は、煙感知器の少なくとも一部を、特に煙感知器の光電受光器が位置する部分を、収容するようにサイズ設定されてよい。場合によっては、内装スリーブ24は、煙感知器シールド20が煙感知器30の周囲に固定されたときに、その光電受光器が位置する煙感知器の部分の上方に少なくとも1インチ、より具体的には少なくとも2または3インチ延出するように、特にサイズ設定されてよい。いずれの場合も、内装スリーブ24は、煙感知器30の近くを空気が通過するための特定の容積を提供するように、追加的にサイズ設定されてよい。開端キャビティ28が提供するように構成され得る容積は、受容する煙感知器のサイズおよび煙感知器付近の所望の空気量に応じて大きく異なり得るが、開端キャビティ28が提供し得る容積の例示的な範囲は、約50立方インチ〜約300立方インチの間であり得る。
いずれの場合も、煙感知器シールド20は、図1〜3には示していないが、煙感知器シールドを煙感知器の周囲に固定するための1つ以上のファスナを含み得る。それらのファスナは、外装スリーブ26を、特に外装スリーブ26のタブ32において、煙感知器30が装着される部屋の天井または壁に固定するために使用されることがある。他の実施形態では、煙感知器シールド20は、外装スリーブ26を煙感知器30に固定するためにファスナが使用されるように構成されてよい。さらに他の場合には、煙感知器シールド20は、内装スリーブ24が煙感知器30に固定される構成を有し得る。そのような変形に応じた煙感知器シールドの代替構成の例を、図4〜6に示しており、さらに詳細に後述する。いずれの場合も、煙感知器シールド20は、このシールドを煙感知器の周囲に固定するために使用される構成部材に沿って、限定するものではないが図1〜3の外装スリーブ26に示すOリング34のような、Oリングをオプションとして備え得る。
図1および3に示すように、突起23とノッチ25の位置を除いて、外装スリーブ26の側壁は、内装スリーブ24の側壁から離間している。場合によっては、外装スリーブ26と内装スリーブ24との間の空間の容積を増加させるために、外装スリーブ26と内装スリーブ24の一方または両方に、図1〜3の外装スリーブ26に示すような1つ以上の凹部を有し得る。一方、他の場合には、外装スリーブ26および内装スリーブ24は、凹部がないものであってよい。また、図1〜3の図面にそのように示してはいるものの、外装スリーブ26、内装スリーブ24、ベース板22は、円形である必要はなく、互いに同じ形状である必要もない。特に、外装スリーブ26、内装スリーブ24ベース板22は、任意の形状を有し得る。外装スリーブ26と内装スリーブ24の間の間隔は、シールドの設計仕様に応じて異なり得るが、間隔の例示的な範囲は、約0.5インチ〜約3インチの間であり得る。
いずれの場合も、外装スリーブ26と内装スリーブ24の間の間隔は、図3に点線36で示すように、煙感知器シールド20の外から開端キャビティ28に至る、さらにはその逆の、蛇行空気路を提供する。より具体的には、外装スリーブ26は、その下縁が内装スリーブ24の下縁から上方に離間した状態で、内装スリーブ24から間隔をあけて配置されてよく、これにより、煙感知器シールド20の底部に空気流入口を提供し、外装スリーブ26と内装スリーブ24の長さの大部分に沿って空気路を提供する。なお、留意されるのは、ベース板22は、内装スリーブ24を越えて外に延出している必要はないということであり、ましてや、その縁が外装スリーブ26の外縁と揃った位置である必要はないということである。いずれの場合も、図3にさらに示すように、内装スリーブ24は、煙感知器30から間隔をあけて配置されるようにサイズ設定されており、これにより、外装スリーブ26と内装スリーブ24の間からの空気路は、内装スリーブの上縁の上を通って、開端キャビティ28内へと続いている。
開端キャビティ28内への空気流、およびその逆の空気流をさらに増加させるために、外装スリーブ26は、1つ以上のエアスリット38を有し得る。一般的に、エアスリット38は、外装スリーブ26に沿った任意の位置に配設してよく、従って、それらの位置は、図1〜3に示す位置に限定されるべきではない。さらに他の場合には、外装スリーブ26からエアスリット38を省いてよい。いくつかの実施形態では、内装スリーブ24は、追加的または代替的に、1つ以上のエア開口を有し得るが、さらに他の場合には、内装スリーブ24に、エア開口はなくてよい。場合によっては、煙感知器シールド20は、蛇行空気路36に空気を引き込むための1つ以上のファンを備え得る。その1つ以上のファンは、蛇行空気路36に沿った任意の位置に配設されてよい。場合によっては、ファンは、特に、この煙感知器シールド20が配設される部屋の中で発生する光によって、光駆動されるものであってよい。例えば、外装スリーブ26は、光エネルギーを電気に変換する1つ以上の集光セルを有することができる。一方、他の実施形態では、煙感知器シールド20は、ファンを備えなくてよい。場合によっては、煙感知器シールド20は、開端キャビティ28への空気流を増加させるために、1つ以上のバッフル、蛇行チャネル、または角度付き流入口を備え得る。例えば、ベース板22の底にバッフル21を備える煙感知器シールド20を、図1および2に示している。バッフル21は、開端キャビティ28の下のベース板22の範囲内の他の位置、または外装スリーブ26もしくは内装スリーブ24に沿った他の位置を含む、煙感知器シールド20の範囲内の他の位置に配設されてよい。いずれの場合も、バッフル21は、開端キャビティ28への独自の蛇行空気路を提供するように構成されてよい。一方、他の実施形態では、煙感知器シールド20からバッフル21を省いてよい。
いずれの場合も、蛇行空気路36は、煙感知器シールド20の周囲から開端キャビティ28への透過光を最小限とする一方で、それでも煙感知器が煙を検出し得るように空気流の通り抜けを許すように、構成される。場合によっては、そのような光の開端キャビティ28への透過をさらに最小限にするため、および、そのような光を煙感知器30の光電受光器が受けることを防ぐために、外装スリーブ26の内面および/または内装スリーブ24の外面は、赤外光、紫外光、および/または可視光を吸収する1種以上の材料を含み得る。そのような材料の例は、イスラエル国、Kiryat−GatのAcktar社から入手可能なSpectral Black(登録商標)もしくはSpectral Black HP(登録商標)、またはオランダ国のKriya Materials社から入手可能な太陽熱コーティング製品であり得る。さらに他の実施形態では、外装スリーブ26の内面および/または内装スリーブ24の外面は、特別な光吸収材料を含まなくてよい。一例では、煙感知器シールド20の開端キャビティ28への、そのような光の透過をさらに最小限とするために、外装スリーブ26および/または内装スリーブ24は、赤外光、紫外光、および/または可視光を反射する1つ以上の材料で形成および/またはコーティングされてよい。そのような反射材料の例として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(別名、Mylar(登録商標))、アルミニウム箔、および他の放射バリア箔が含まれるが、ただし、これらに限定されない。
内装スリーブと外装スリーブのそれぞれの長さの大部分に沿って誘導される蛇行空気路36を、図3に示しているが、煙感知器シールド20は、必ずしも、このように限定されるわけではない。例えば、シールドの中央部分に沿って配設された空気取入口を有する、別の煙感知器シールド40の概略図を図4に示している。特に、ベース板42を備え、そこから上方に内装スリーブ44および外装スリーブ46が延出している、煙感知器シールド40を示している。図1〜3の煙感知器シールド20について記載したようなシールド46の底部に空気流入口を有することなく、空気が内装スリーブ44と外装スリーブ46の間の間隙を通って流れることを可能とするために、外装スリーブ46は、1つ以上のエア開口を有する。代替的な実施形態では、外装スリーブ46は、ベース板42まで及ばな
いものであってよく、より具体的には、空気が内装スリーブ44と外装スリーブ46の間の間隙に入ることが可能な位置である図4に示す開口まで及んでいるだけでよい。そのような場合、ベース板42は、その周縁に沿って、空気が内装スリーブ44と外装スリーブ46の間の間隙に入ることが可能な位置である図4に示す開口まで及ぶ上向きリップを有し得る。そのような場合、外装スリーブ46は、ベース板42に対して直接的に結合されていなくてよく、図3を参照して説明した煙感知器シールド20について記載したような、対応するノッチと突起(またはその逆)によって内装スリーブ44に結合されることにより、間接的にベース板42に結合されてよい。
さらに、留意されるのは、煙感知器シールド20および40は、それぞれ、ベース板22および42から上方に延出する内装スリーブ24および44を有するものに限定されないということである。例えば、それぞれ、上板53および63から下方に延在して、ベース板52および62から上方に離間した内装スリーブ54および64を有する、別の煙感知器シールド50および60の概略図を図5および6に示している。このように、蛇行空気路59および69は、図1〜3の煙感知器シールド20を参照して記載したように、その内装スリーブの上縁の上を通る経路をとるのではなく、それぞれ、内装スリーブ54および64の下縁の下を通って開端キャビティ58および68内に至る経路をとり得る。図5の実施形態では、蛇行路59への空気流入口を提供するシールド外側の開口は、場合によっては、外装スリーブ56の範囲内のエアスリットであり得る。そのような場合、外装スリーブ56は、上方に上板53まで延出している。他の場合には、外装スリーブ56は、上板53から分離していてよく、従って、蛇行路59への空気流入口を提供するシールド外側の開口は、これら2つの構成要素の間の間隙であり得る。そのような場合、内装スリーブ54は、図3を参照して煙感知器シールド20について記載したような、対応するノッチと突起(またはその逆)によって外装スリーブ56に結合されてよい。同様に、図6の煙感知器シールド60の内装スリーブ64は、対応するノッチと突起(またはその逆)によって外装スリーブ66に結合されてよい。図5および6の煙感知器シールド50および60は、さらに、内装スリーブ54および64に結合された上板53および63が、天井(もしくは壁)および/または煙感知器への取り付け用に構成されている点で、図1〜4の煙感知器シールド20および40とは異なる。
上述のように、本明細書に記載の煙感知器シールドは、図示のものに限定されない。よって、留意されるのは、図1〜6を参照して説明したものと同様の機能を提供する他の煙感知器シールド構成を考えてよいということである。特に、煙感知器を受容するための開端キャビティと、煙感知器シールドの外から開端キャビティに至る蛇行空気路と、煙感知器シールドを煙感知器の周囲に固定するための1つ以上のファスナと、を提供する他の煙感知器シールド構成を考えてよい。一例では、図1〜6に示す蛇行空気路は、煙感知器シールド20、40、50、60のいずれからも省いてよく、独自の蛇行空気路を提供するチャネル、バッフル、または角度付き流入口で置き換えてよい。
なお、留意されるのは、本明細書に記載の煙感知器シールドは、空気および煙粒子を煙感知器の煙流入口に誘導する蛇行空気路を提供するものに限定されないということである。本明細書で開示する他の実施形態では、煙感知器シールドは、表面(例えば、部屋の天井または壁)に取り付けられた煙感知器の全体を包囲および封入するように構成されてよく、これにより、煙感知器の周囲に略光密かつ/または略気密なシールを提供する。上述のように、このような実施形態は、シールド付き煙感知器の煙流入口への空気および煙粒子の進入を略阻止することによって、煙感知器の機能性に悪影響を及ぼすので、一時的使用に限ったものとして検討されることがある。本明細書で開示する他の実施形態では、煙感知器シールドは、煙感知器の1つ以上の煙流入口をシールドで覆わないまま残しつつ、設置済み煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成されてよい。このような実施形態では、煙感知器シールドは、煙感知器の煙流入口への妨げのない空気路を提供しつつ
、煙感知器の光電受光器による周辺光の受光および検出を防ぎ得ることで、遮蔽されている間の煙感知器の完全な機能性を維持する。
図7〜9を参照すると、部屋の天井に取り付けまたは設置された煙感知器の全体を包囲および封入するように構成されたものとして、別の煙感知器シールドの一例を示している。特に、図7〜9は、部屋の床に立っている個人が、煙感知器に手が届くように踏み台を使用する必要なく、煙感知器の周囲に煙感知器シールドを設置可能であるように、特別に構成された煙感知器シールド70を示している。さらに、煙感知器シールド70は、容易に持ち運びできるように構成されている。図7〜9の実施形態に示すように、煙感知器シールド70は、支持ベース72と、シュラウド76と、支持ベース72とシュラウド76との間に結合されたポール74と、を備え得る。支持ベース72は、図7〜9に三脚として示しているが、ポール74およびシュラウド76を支持するのに十分であるとともに、煙感知器シールド70を容易に持ち運び可能かつ自立式のユニットとしてさらに助長する、他のタイプの支持ベースを考えてよい。考え得る他のタイプの支持構造の例として、限定するものではないが、任意の形状(例えば、円筒形、円形、円錐形など)の中実塊状体が含まれる。いくつかの実施形態では、支持ベース72は、安定性を向上させるために重りを付加されてよい。他の実施形態では、支持ベース72は、例えば図9に示すような折り畳み式三脚であってよい。このような構成によって、煙感知器シールド70の運搬は容易となり得る。しかしながら、いずれの実施形態においても、支持ベース72が、折り畳み式であることは必須ではなく、さらには煙感知器シールド70の構成要素として含まれることも必須ではない。従って、図7〜9に示す支持ベースは、煙感知器シールド70のオプションの構成要素の例示的な構成であると考えられる。
いくつかの実施形態では、煙感知器シールド70から支持ベース72を省いてよい。このような実施形態では、ポール74は、煙感知器の周囲にシュラウド76を位置決めしつつ、部屋の略水平面(例えば、部屋の床、部屋の中に配置されたテーブルまたはドレッサのような家具、部屋に運び込まれた移動カートなど)の上に煙感知器シールド70を支持するように構成されてよい。このような実施形態では、ポール74は、シュラウド76に結合された第1端と、第1端と反対の第2端と、を有し得る。支持ベース72を省いている場合には、ポール74の第2端は、ポール74の第2端を水平面に対して滑ることなく保持するための、滑り止め面(例えば、1つ以上のゴム足)または他の手段を含み得る。支持ベース72(または他の支持構造)を備える場合には、ポール74の第2端は、支持ベースに対して、さらに/または部屋の範囲内に存在する略水平面に対して、結合されてよい。
いくつかの実施形態では、ポール74は、変更できない固定長、または伸長および/もしくは収縮できる調整可能な長さ、を有し得る。いくつかの実施形態では、ポール74は、少なくとも約3.0フィートの、ある長さを有してよく、または、ある長さまで延長するように構成されてよい。他の実施形態では、ポール74は、少なくとも約5.0フィートの、ある長さを有してよく、または、ある長さまで延長するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ポール74は、支持ベース72を必要とすることなく、部屋の天井と床に対する反力によってポールを定位置に保持するのに十分な張力が付与されるような、ある長さを有してよく、または、ある長さまで延長するように構成されてよい。そのような実施形態では、ポール74の第2端を略水平面に対して滑ることなく保持するための、滑り止め面(例えば、1つ以上のゴム足)または他の手段を、ポール74の第2端に設けてよい。
ポール74は、そのように厳しく限定されるわけではないが、図7〜9の例示的な実施形態に示すように、テレスコープ式伸縮ポールであり得る。このような実施形態では、煙感知器シールド70の設計仕様、部屋の範囲内(例えば、部屋の壁もしくは天井)での特
定の煙感知器の配置、および/または部屋の1つ以上の寸法に応じて、テレスコープ式伸縮ポール74は、概ね任意の寸法に収縮および伸長するように構成されてよい。テレスコープ式伸縮ポールとして構成される場合、ポール74は、部屋の範囲内に設置された煙感知器の周囲にシュラウド76を位置決めするための所望の長さにポールを伸長してからポールを所望の長さに固定またはロックするための、1つ以上のロック機構78を有し得る。
一実施形態では、煙感知器シールド70が、部屋の壁に取り付けられた煙感知器を遮蔽するように構成されている場合に、シュラウド76、テレスコープ式伸縮ポール74、および(備えている場合の)支持ベース72は、煙感知器シールド70が少なくとも約4フィートの高さに達することが可能であるようにサイズ設定されてよい。壁面設置型煙感知器を遮蔽するためには、テレスコープ式伸縮ポール74は、さらに、ポールの1つ以上の部分片をポールの長手軸から離間する方向に関節動作または曲げ動作させることを可能とし得る1つ以上の関節ジョイントを有し得る。一実施形態では、例えば、ロック機構78によって、テレスコープ式伸縮ポール74の伸長、収縮、定位置へのロックだけではなく、関節動作を可能としてよい。他の実施形態では、ポール74は、関節動作のために別の手段を有してよく、ロック機構78は、ポールの伸長、収縮、定位置へのロックのためにのみ使用されてよい。関節ジョイント(群)を有する場合には、煙感知器シールド70は、壁面設置型煙感知器の付近の略水平面(例えば、床)上に支持ベース72を位置決めし、テレスコープ式伸縮ポール74を所望の長さに伸長し、さらに、煙感知器の周囲に略光密かつ/または気密なシールを提供するようにシュラウド76を壁面設置型煙感知器の周囲に位置決めするとともに壁に押し当てることを可能とする方向に関節ジョイント(群)を関節動作または曲げ動作させることによって、その時々で壁面設置型煙感知器を遮蔽するために使用されてよい。シュラウド76を煙感知器の周囲に最適に位置決めしたら、シュラウドを所望の位置に保持するために、ロック機構78および/または関節ジョイント(群)の1つ以上を定位置にロックしてよい。
部屋の天井に取り付けられた煙感知器を遮蔽するように構成されている場合には、煙感知器が設置されている部屋の特定の寸法に応じて、シュラウド76、テレスコープ式伸縮ポール74、および(備えている場合の)支持ベース72は、煙感知器シールド70が少なくとも約7フィートの高さ、少なくとも約9フィートの高さ、さらに場合によっては少なくとも約12フィートの高さに達することが可能であるようにサイズ設定されてよい。場合によっては、煙感知器シールド70を、壁面設置型と天井設置型の両方の煙感知器の遮蔽用に互用し得るように、テレスコープ式伸縮ポール74は、上述のように1つ以上の関節ジョイントを有し得る。他の場合には、テレスコープ式伸縮ポール74は、関節ジョイントを含まないものであってよく、テレスコープ式伸縮ポールを伸長、収縮、および定位置にロックするための1つ以上のロック機構78を有するのみであってよい。いずれの場合も、煙感知器シールド70は、天井設置型煙感知器の下の略水平面(例えば、床)上に支持ベース72(またはポール74の第2端)を位置決めし、さらに、煙感知器の周囲に略光密かつ/または気密なシールを提供するようにシュラウド76を天井設置型煙感知器の周囲に位置決めするとともに天井に押し当てることを可能とする所望の長さに、テレスコープ式伸縮ポール74を伸長することによって、天井設置型煙感知器を遮蔽するために使用されてよい。シュラウド76を煙感知器の周囲に最適に位置決めしたら、シュラウドを所望の位置に保持するために、ロック機構78の1つ以上を定位置にロックしてよい。
図8および9は、それぞれ、テレスコープ式伸縮ポール74を収縮させた場合と、支持ベース72を折り畳んだ場合の、実施形態を示している。いくつかの実施形態では、テレスコープ式伸縮ポール74は、煙感知器シールド70の長さを約2フィート〜約5フィートの範囲まで縮小し得るように構成されてよい。より具体的には、シュラウド76、テレ
スコープ式伸縮ポール74、および(備えている場合の)支持ベース72は、煙感知器シールド70の収縮した長さが約2フィート〜約5フィートの間であるようにサイズ設定されてよい。このように限定されるわけではないが、煙感知器シールド70の長さをこのような範囲まで縮小することにより、場合によっては、煙感知器シールド70の運搬および/または保管を、より容易とすることが可能であり得る。図9に示すとともに、以下でさらに詳細に説明するように、煙感知器シールド70に折り畳み可能な支持ベース72を設ける(または、支持ベースを完全に省く)とともに、煙感知器シールド70をよりコンパクトな長さ/サイズに収縮させることによって、煙感知器シールド70を、運搬および/または保管用の容器75内に収納することが可能となり得る。
いくつかの実施形態では、煙感知器シールド70を、運搬および/または保管用の容器に納めてよい。そのような容器75の一例を、図9に示しているが、本明細書に記載の実施形態の煙感知器シールドの運搬および/または保管用として、他の様々な構成の容器を考えてよい。いくつかの実施形態では、カートのような運搬装置に対して、または煙感知器シールド70と組み合わせて使用される他の任意の移動装置に対して、容器75(または、本明細書で開示する煙感知器シールドの少なくとも一部を保持するように構成された他の任意の容器)を取り付けてよい。なお、留意されるのは、図7〜9に示す煙感知器シールド70の構成によって、分解する必要なく、煙感知器シールドの容易な運搬および使用が助長されるが、煙感知器シールドは必ずしもこのように限定されないということである。特に、注目されるのは、煙感知器シールド70は、1つ以上のクイックリリース機構を備え得るということであり、これにより、保管および/または運搬のために煙感知器シールド70を容易に分解することを可能にするとともに、さらに、煙感知器を遮蔽するために煙感知器シールド70を比較的容易かつ迅速に組み立てることを可能とする。本明細書に記載の煙感知器シールドの他の実施形態は、さらに、保管および/または運搬用の容器75に納めてもよい。
図7〜9に示すように、シュラウド76は、テレスコープ式伸縮ポール74の上端(すなわち、第1端)に結合される。場合によっては、シュラウド76は、略硬質材料を含む外殻77と、略硬質の外殻77の上面の上方に延在するライナ79と、を有し得る。外殻77を形成するために使用され得る略硬質材料の例として、変性ポリフェニレンエーテル/オレフィン樹脂ブレンド(例えば、Noryl(登録商標)樹脂)、ポリ(メチルメタクリレート)(別名、Plexiglas(登録商標))、ポリカーボネート、木材、および各種金属または金属化材料(例えば、金、アルミニウムなど)が含まれるが、ただし、これらに限定されない。シュラウド76に略硬質の外殻77を設けることによって、シュラウドをつぶすことなく、またはその本来の形状をほとんど変形させることなく、取り付け面に対する気密かつ/または光密なシールを提供するために、煙感知器が取り付けら
れている面に対して略軟質のライナ79を押し当てるのに十分な力で、シュラウドは、煙感知器の周囲に位置決めされ得る。
本明細書で使用される場合の略硬質材料とは、付与される人力によって得られる力量を受けたときに大きな変形に耐える材料であり得る。本明細書で使用される場合の、付与される人力によって得られる力量とは、一般的に、対象物を直接的に操作および押圧する1つ以上の手で付与することが可能な力量、または対象物に結合された構成要素の手動操作によって付与することが可能な力量(例えば、図7〜9を参照して記載したような、略硬質の煙感知器シールドに取り付けられたポールを操作する人間が付与する圧力)を指す。略硬質材料の大変形に対する耐性とは、一般的に、特にその目的の用途で、略硬質材料が略同じサイズおよび形状を維持することを指し得る。例えば、煙感知器シールドの略硬質材料は、シールドが煙感知器の対象部分を十分に取り囲むように付与される力を受けたときに、そのサイズおよび形状を概ね維持し得る。
対照的に、本明細書で使用される場合の略軟質材料とは、付与される人力によって得られる力量を受けたときに、サイズまたは形状が大きく変化する材料である。なお、留意されるのは、略硬質材料および略軟質材料の上記定義は、本明細書に記載の煙感知器シールドを手動設置に限定するものではなく、また、煙感知器の周囲に設置する際に煙感知器シールドの略軟質材料を変形させる必要があることを意味するものでもない、ということである。さらに、略硬質材料および略軟質材料の上記定義は、本明細書に記載の煙感知器シールドが設置され得る圧力を限定するものではない。むしろ、付与される人力を基準とした変形についての言及は、それらの用語を単に区別するために用いているにすぎない。本明細書に記載の煙感知器シールドは、機械的装置および/または自動化装置によって設置し得るものと企図され、それらはいずれも、人力によって得ることが可能であり得る圧力よりも大きな圧力を含む、設置のための任意の適切な圧力を付与するものであってよい。
いくつかの実施形態では、煙感知器が設置された取り付け面にライナ79が適合するように、ライナ79は、変形を可能とする略軟質材料を含み得る。略軟質のライナ79は、取り付け面(例えば、天井または壁)に対して気密かつ/もしくは光密なシールを提供する上で、さらに/またはシュラウド76が煙感知器を覆うために位置決めされる際に取り付け面を傷つけないようにする上で、効果的であり得る。圧縮性発泡体は、略軟質のライナ79を形成するために使用され得る略軟質材料の一例である。ライナ用として、他のタイプの略軟質材料が考えられてもよく、従って、ライナは発泡体であることに限定されるべきではない。いずれの場合も、シュラウド76は、いくつかの実施形態において、煙感知器の周囲に気密かつ/または光密なシールを提供するように構成されてよい。他の場合には、シュラウド76は、図1〜6を参照して記載した煙感知器シールドについて上述したように、エアベントと、そのエアベントからシュラウドの内部キャビティに至る蛇行空気路と、を有し得る。
図7〜9は、シュラウド76を略円錐形であるものとして示しているが、煙感知器の主要部を包囲および封入する限りにおいて、他の任意の形状をシュラウド用として考えてよい。一例として、図10A〜10Bは、シュラウド86と、ポール84と、オプションの支持ベース82と、を備える煙感知器シールド80の別の実施形態を示している。ポール84および支持ベース82は、図7〜9の煙感知器シールド70に関して図示および上述したものと同様に構成されてよい。
例えば、ポール84は、部屋の壁または天井に取り付けられた煙感知器の周囲にシュラウド86を位置決めするのに十分な、ある長さを有するか、または、ある長さまで延長するように構成された、固定長のポールまたはテレスコープ式伸縮ポールであってよい。ポール84および/または煙感知器シールド80によって得られる例示的な長さについては、図7〜9を参照して上述している。ポール84がテレスコープ式伸縮ポールである場合には、ポールの伸長、収縮、定位置へのロックを可能とするために、1つ以上のロック機構88を設けてよい。いくつかの実施形態では、ポール84は、上述のような、1つ以上の関節ジョイントを有し得る。いくつかの実施形態では、支持ベース82は、さらなる詳細について上述したような、三脚、折り畳み式三脚、または他の支持構造であってよい。あるいは、支持ベース82は、煙感知器シールド80から省いてよく、そしてポール84の第2端を、略水平面上に煙感知器シールド80を支持するように構成してよい。前述の実施形態と同様に、シュラウド86は、略硬質の外殻87と、略硬質の外殻87の上面の上方に延在する略軟質のライナ89と、を有し得る。略硬質の外殻87および略軟質のライナ89のための材料選択は、外殻77およびライナ79について上述したものと同様であってよい。
図7〜9に示す煙感知器シールド70と、図10Aおよび10Bに示す煙感知器シールド80との違いの1つは、それぞれのシュラウド76と86の形状である。図7〜9に示
す略円錐形のシュラウド76とは異なり、シュラウド86の外殻87は、より環状または円筒形の形状を有する。場合によっては、外殻87の円筒形状によって、煙感知器シールド80は、図7〜9に示す円錐形のシュラウド76よりも、様々に異なる形状およびサイズの煙感知器をより良く被包することが可能となり得る。他の場合には、外殻87の円筒形状によって、図7〜9に示す円錐形のシュラウド76と比較して、シュラウド86の高さを縮小することが可能となり得る。
図10A〜10Bに示すように、シュラウド86の下部85は、ポール84への取り付け用に構成され得るコネクタ83を含む。いくつかの実施形態において、下部85は、略硬質の外殻87を形成するのに使用されるのと同じ材料で、または同一もしくは異なる特性を有する実質的に異なる材料で、形成されてよい。下部85は、略漏斗形の縦断面を有するものとして図10A〜10Bに示しているが、下部85は、必ずしも、このように限定されるわけではなく、他の実施形態では別の構成であってよい。代替的な一実施形態では、例えば、下部85は、略平坦面であり得る。
場合によっては、本明細書で検討される煙感知器シールドの1つ以上の実施形態は、ポールをシュラウドから取り外すための少なくとも1つのクイックリリース装置を備え得る。図10A〜10Bに示す実施形態では、例えば、クイックリリース装置は、ポール84の取り付けおよびシュラウド86からの取り外しのためのコネクタ83の範囲内に組み込んでよく、またはコネクタ83に結合してよい。場合によっては、煙感知器シールド80が煙感知器に設置および保持された後に、ポール84をシュラウド86から取り外すために、コネクタ83またはその付近に配置されたクイックリリース装置を用いてよい。他の場合には、運搬および/または保管の目的でポール84をシュラウド86から取り外すために、コネクタ83またはその付近に配置されたクイックリリース装置を用いてよい。
いくつかの実施形態では、さらにポールを2つ以上の部分片に分解することを助けることによって、煙感知器シールド80の運搬および/または保管をさらに助けるために、1つ以上の追加のクイックリリース装置を、ポールの長さに沿って設けてよい。例示的な一実施形態では、ロック機構88は、ポール84の組み立ておよび部分片への分解のためのクイックリリース装置を含んでよく、またはクイックリリース装置として機能してよい。さらに、本明細書に記載の煙感知器シールドの他の実施形態として、種々の構成のクイックリリース機構を設けてもよい。
本明細書に記載のクイックリリース装置として、限定するものではないが、クイックリリースバネ、クイックリリースクランプ、または雄/雌ネジコネクタのような、当技術分野で周知の任意のクイックリリース装置を含んでよい。いくつかの実施形態では、クイックリリース装置を作動させるための機構を、ポールに沿ってかつ/またはポールの範囲内に配設してよく、特に、煙感知器シールドを設置する個人による該機構へのアクセスが容易であり得るように、ポールの第2端(すなわち、シュラウドと反対の端)から約2フィート〜約5フィートに沿ってかつ/またはその範囲内に配設してよい。例えば、コネクタ83またはその付近に配置されたクイックリリース装置が、クイックリリースバネまたはクランプである場合には、煙感知器シールドが天井設置型煙感知器に対して設置されるときに、煙感知器シールドを設置する個人の手が届く範囲内でポールに沿って配設された機構を提供することが望ましいことがある。そのような機構は、踏み台を用いなくても個人がクイックリリース装置を容易に作動させることができるように提供される場合がある。一方、クイックリリース装置を作動させるための機構は、あまり必要ではない場合がある。例えば、コネクタ83とポール84の第1端が、それぞれ雌ネジコネクタと雄ネジコネクタ(またはその逆)を含む場合には、煙感知器シールド80を設置する個人は、単に、ポールを任意の所望の高さで握って、雄コネクタが雌コネクタから外れるまでポールを時計回りまたは反時計回り方向に回転させることによって、ポール84をコネクタ83から
取り外し得る。
ポールをシュラウドから取り外すことが望ましい実施形態では、シュラウドは、煙感知器に対して、さらに/または煙感知器が取り付けられた面(例えば、部屋の天井または壁)に対して、シュラウドを結合するための1つ以上のファスナを含み得る。それらの1つ以上のファスナは、一般的に、煙感知器を設置する個人が操作するものであってよい。一例では、煙感知器シールド70および80のシュラウド76および/または86は、煙感知器および/または隣接面に吸着するように構成されてよい。追加的または代替的に、シュラウド76および/もしくは86は、煙感知器の周囲に留まるように構成されたクランプ、カラー、または弾性バンドを含み得る。図7〜10を参照して上述した、ポールの張力によってシュラウドが煙感知器の周囲に固定される、煙感知器シールドの構成とは対照的に、シュラウドの設置に使用されたポールがクイックリリース装置によって取り外される実施形態におけるシュラウドは、場合によっては、シュラウドを煙感知器および/または取り付け面に結合するための1つ以上のファスナを含み得る。
ここまで、煙感知器シールドの2通りの異なる構成について開示した。図1〜6では、例えば、第1の構成の煙感知器シールド20、40、50、60は、煙感知器を受容するための開端キャビティと、煙感知器シールドの外から開端キャビティに至る蛇行空気路と、煙感知器シールドを煙感知器の周囲に固定するための1つ以上のファスナと、を備える。この構成では、シールドのベース、内装スリーブ、および/または外装スリーブは、好ましくは、シールドを通した赤外光、紫外光、および/または比較的高強度の可視光の透過を遮断するように構成される。このようにして、煙感知器シールド20、40、50、60は、スポット型光電式煙感知器の誤作動を、その内部に配置された光電受光器への光の到達を阻止することにより軽減するように構成され得る。この第1の構成では、その内部に封入した煙感知器の煙流入口に空気および煙粒子を誘導するための蛇行空気路を、煙感知器シールド20、40、50、60の範囲内に提供することによって、遮蔽している間の(図12および13に示す煙感知器のような)特定の煙感知器の機能性を合理的に維持する。従って、煙感知器シールド20、40、50、60は、ある程度恒久的に設置される(図12および13に示す煙感知器のような)特定の煙感知器を保護するために使用されてよい。しかしながら、この構成は、多くの異なるタイプおよび構成の市販の煙感知器のすべてに普遍的に適合することは不可能である可能性がある。
第2の構成の煙感知器シールド70、80については、図7〜10に示すとともに、上述している。この構成では、シュラウド76、86は、表面(例えば、部屋の天井または壁)に設置または取り付けされた煙感知器の全体を包囲および封入するように提供されることで、煙感知器の周囲に略光密かつ/または気密なシールを提供する。赤外光、紫外光、および/または比較的高強度の可視光の透過を遮断する材料でシュラウド76、86を形成することによって、煙感知器シールド70および80は、スポット型光電式煙感知器の誤作動を、その内部に配置された光電受光器への光の到達を阻止することにより軽減するために使用されてよい。シュラウド76、86の範囲内に煙感知器を完全に封入するので、第2の構成で記載した煙感知器シールド70および80は、多くの異なるタイプおよび構成の市販の煙感知器に普遍的に適用され得る。しかしながら、煙感知器シールド70および80によって、煙感知器の機能性は阻害される。従って、このタイプの煙感知器シールドは、一時的使用に限って使用されてよい。
図11A〜11Cは、第3の構成の煙感知器シールド90を示しており、これは、その内部に配置され得る多種多様な煙感知器の完全な機能性を維持しつつ、スポット型光電式煙感知器の誤作動を軽減するために使用され得る。第3の構成では、煙感知器シールド90は、煙感知器の1つ以上の煙流入口をシールドで覆わないまま残しつつ、設置済み煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成される。このように、煙感知器シールド9
0は、煙感知器の1つ以上の煙流入口への妨げのない空気路を提供しつつ、スポット型光電式煙感知器の光電受光器による周辺光の受光を防ぎ得ることで、遮蔽されている間の煙感知器の完全な機能性を維持する。
図7〜10に示す煙感知器シールドの前述の実施形態と同様に、煙感知器シールド90は、主に、シュラウド96と、ポール94と、オプションの支持ベース92と、を備え得る。ポール94および支持ベース92は、図7〜10の煙感知器シールド70および80に関して図示および上述したものと同様に構成されてよい。例えば、ポール94は、部屋の壁または天井に取り付けられた煙感知器の周囲にシュラウド96を位置決めするのに十分な、ある長さを有するか、または、ある長さまで延長するように構成され得る、固定長のポールまたはテレスコープ式伸縮ポールであってよい。ポール94および/または煙感知器シールド90によって得られる例示的な長さについては、図7〜9を参照して上述している。ポール94がテレスコープ式伸縮ポールである場合には、ポールの伸長、収縮、定位置へのロックを可能とするために、1つ以上のロック機構98を設けてよい。いくつかの実施形態では、ポール94は、上述のような、1つ以上の関節ジョイントおよび/または1つ以上のクイックリリース装置をさらに有し得る。いくつかの実施形態では、支持ベース92は、さらなる詳細について上述したような、三脚、折り畳み式三脚、または他の支持構造であってよい。あるいは、支持ベース92は、煙感知器シールドから省いてよく、そしてポール94の第2端を、略水平面上に煙感知器シールド90を支持するように構成してよい。
主に、シュラウド96は、(図12および13の煙感知器200の煙流入口210のような)煙感知器の1つ以上の煙流入口をシュラウドで覆わないまま残しつつ、設置済み煙感知器の少なくとも主要部を包囲および被覆する点において、前述の実施形態に示すシュラウドおよびスリーブとは異なる。いくつかの実施形態では、「主要部」は、図12の例示的な煙感知器200の実施形態に示すように、煙感知器のベースハウジング208を少なくとも含み得る。いくつかの実施形態では、「主要部」は、ベースハウジング208から突出して上方に1つ以上の煙流入口210まで及ぶ煙感知器ハウジング206の一部を追加的に含み得る。いずれかの実施形態では、特に、図13に示すように、内室220遮光材の外側に光電受光器が配置されている場合に、「主要部」は、好ましくは、煙感知器200の光電受光器228を包含する。いくつかの実施形態では、シュラウド96は、煙感知器200の煙流入口210の略すべてを露出させるように構成されてよい。他の実施形態では、露出した煙流入口に空気および煙粒子が進入することを可能とするために、煙流入口210のより多くの部分を露出したまま残しつつ、煙流入口210のより少ない部分をシュラウド96で覆ってよい。シュラウド96は、(図12および13に示す煙感知器200のような)特定の構成の煙感知器を包囲および被覆するように構成されたものとして図11A〜11Bに示しているが、シュラウド96は、このように限定されない。一般的に、シュラウド96は、煙感知器の1つ以上の煙流入口をシュラウドで覆わないまま残しつつ、任意のタイプ/構成の煙感知器の主要部を包囲および被覆するように寸法構成されてよい。
一実施形態では、シュラウド96は、第1端100と、第1端100と反対の第2端104と、第1端と第2端との間に延在する1つ以上の側壁102と、シール106と、を有するものとして記述されてよい。シュラウドの第1端100は、(部屋の天井または壁のような)表面に取り付けられた煙感知器を受容するように寸法構成された開口を有するものとして記述されてよい。同様に、シュラウドの第2端104は、受容した煙感知器の1つ以上の煙流入口を露出させるように寸法構成された開口を有するものとして記述されてよい。第1端100と第2端104との間に延在する1つ以上の側壁102は、共同で、第2端104の開口によって露出された煙流入口を覆うことなく、受容した煙感知器の主要部を取り囲むように構成されるものとして記述されてよい。いくつかの実施形態では
、シール106は、シュラウド96の第2端104の開口の周縁に沿って少なくとも配置されてよい。さらに詳細に後述するように、シール106は、受容した煙感知器の外面において光密かつ/または気密なシールを提供するために、受容した煙感知器の外面に適合するように寸法構成されてよい。
上述のように、シュラウド96は、いずれかの特定のタイプ/構成の煙感知器に限定されることなく、場合によっては、多くの異なる形状、サイズ、および構成の煙感知器を保護するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、シュラウド96の第1端100の開口は、直径が約4インチ〜約12インチの範囲であり得る。具体的な一例では、第1端100の開口は、居住施設、商業施設、および/または医療施設において典型的に使用される煙感知器に適合するように、直径が約6インチであり得る。なお、留意されるのは、このような直径は単なる例示的なものにすぎず、様々に異なるサイズの煙感知器に適合するように、相当に増減されてよいということである。
いくつかの実施形態では、シュラウド96の第2端104の開口は、直径が約2インチ〜約10インチの範囲であり得る。具体的な一例では、第2端104の開口は、居住施設、商業施設、および/または医療施設において典型的に使用される煙感知器に適合するように、直径が約4インチであり得る。なお、留意されるのは、このような直径は単なる例示的なものにすぎず、様々に異なるサイズの煙感知器に適合するように、さらに/またはそのような煙感知器の様々に異なる構成もしくは配置の煙流入口に適合するように、相当に増減されてよいということである。さらに、留意されるのは、シュラウド96の第2端104の開口のサイズ、形状、および/または位置について、図面に示しているものは、やはり例示的なものであるということである。第2端104の開口は、第2端104の範囲内に中心がある比較的大きな円形開口として図面に示しているが、このように限定されることなく、他のタイプの煙感知器における煙流入口の特定の構成および/または配置に適合するように、別の形状、サイズ、および/または配置であってよい。
図11A〜11Cに示す特定の実施形態では、シュラウド96は、概ね環状または円筒形状の側壁102を1つのみ有する。なお、留意されるのは、シュラウドの1つ以上の側壁102は、いずれかの特定の数または形状に限定されるものではなく、受容される煙感知器の形状に類似もしくは非類似の概ね任意の形状を有し得るということである。具体的な一例では、シュラウド96は、直方体を形成する4つの側壁102を有し得る。また、他の形状を形成する他の数の側壁を考えてもよい。いくつかの実施形態では、側壁(群)102の高さは、約1インチ〜約6インチの範囲であり得る。具体的な一例では、側壁(群)102の高さは、居住施設、商業施設、および/または医療施設において典型的に使用される煙感知器に適合するように、約3インチであり得る。なお、留意されるのは、このような高さは単なる例示的なものにすぎず、様々に異なるサイズの煙感知器に適合するように、相当に増減されてよいということである。
いくつかの実施形態では、シュラウド96の第1端100と第2端104と側壁(群)102は、合わせて単一部品として形成されてよい。例えば、第1端100と第2端104と1つ以上の側壁102とを含む構成部品を形成するために、成形プロセスを用いてよい。そのような実施形態では、第1端100と第2端104と1つ以上の側壁102は、同じ材料で形成されてよく、さらに場合によっては、形成が完了すると略硬質となる材料で形成されてよい。上述のように、略硬質材料によって、シュラウド96は、この煙感知器シールド90が煙感知器に設置されるときに、特に図11Aに示すポールを用いた設置方法の場合に、変形に耐えることが可能となり得る。略硬質材料の例として、変性ポリフェニレンエーテル/オレフィン樹脂ブレンド(例えば、Noryl(登録商標)樹脂)、ポリ(メチルメタクリレート)(別名、Plexiglas(登録商標))、ポリカーボネート、木材、および各種金属または金属化材料(例えば、金、アルミニウムなど)が含
まれるが、ただし、これらに限定されない。しかしながら、シュラウド96を形成するために、他の略硬質材料を用いてよい。
他の実施形態では、シュラウド96を形成するために、2つ以上の別々に形成された部品を合わせて結合してよい。例えば、図11Cの例示的な組立図に示すように、シュラウド96は、側壁102aを含む第1端100を、側壁102bを含む第2端104に結合することによって形成してよい。第1端100と第2端104を合わせて、概ね任意の手段によって結合してよく、それらの手段は、いくつか挙げると、接着剤、側壁102a/102bの内面/外面へのネジ切り加工、および(例えば、ネジ、クリップ、クランプなどのような)メカニカルファスナであるが、ただし、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、シュラウド96の第1端100と第2端104は、同じ材料を含んでよく、さらに場合によっては、略硬質材料を含んでよい。上述のように、略硬質材料によって、シュラウド96は、この煙感知器シールド90が煙感知器に設置されるときに、特に図11Aに示すポールを用いた設置方法の場合に、変形に耐えることが可能となり得る。略硬質材料の例については上述したが、シュラウド96を形成するために、他の略硬質材料を用いてよい。
他の実施形態では、シュラウド96の第1端100と第2端104は、実質的に異なる材料を含んでよい。そのような一実施形態では、シュラウド96の第2端104は、略硬質材料を含み得る一方、シュラウド96の第1端100は、略軟質材料を含む。略軟質材料の例として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(別名、Mylar(登録商標))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(別名、Teflon(登録商標))、およびシリコーンが含まれるが、ただし、これらに限定されない。
上述のように、略硬質材料は、この煙感知器シールド90が煙感知器に設置されるときに、特に図11Aに示すポールを用いた設置方法の場合に、変形に耐え得る。一方、略軟質材料は、光密かつ/または気密なシールを煙感知器の周囲に形成するように、煙感知器および/または煙感知器が設置される面に適合し得る。このような理由で、少なくともいくつかの実施形態において、シュラウド96の第1端100は、好ましくは略軟質材料を含み、シュラウド96の第2端104は、好ましくは略硬質材料を含む。場合によっては、配合、組成、厚さなどに応じて、軟質として上記で挙げた材料を、硬質としてよい(そして、逆の場合も同様である)。場合によっては、略硬質の基材に略軟質材料を注入またはコーティングすることで、その合わせたものを略硬質にしてよい。略硬質材料および略軟質材料の例については上述したが、シュラウド96を形成するために、他の材料を用いてよい。
シュラウド96を形成するために使用される材料(群)の硬度に関わりなく、シュラウドは、赤外光および/または紫外光および/または比較的高強度の可視光の透過を遮断するように構成された1つ以上の材料を含むことが好ましい。赤外光を遮断するように構成された材料の例として、変性ポリフェニレンエーテル/オレフィン樹脂ブレンド(例えば、Noryl(登録商標)樹脂)、約0.118インチ超の厚さを有するポリ(メチルメタクリレート)(別名、Plexiglas(登録商標))、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(別名、Mylar(登録商標))、および各種金属または金属化材料(例えば、金、アルミニウムなど)が含まれるが、ただし、これらに限定されない。紫外光を遮断するように構成された材料の例として、ポリ(メチルメタクリレート)(別名、Plexiglas(登録商標))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(別名、Teflon(登録商標))、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(別名、Mylar(登録商標))、ポリカーボネート、木材、シリコーン、および各種金属または金属化材料が含まれるが、ただし、これらに限定されない。上述のように、そのような光の透過を遮断す
る材料をシュラウド96に提供することによって、シールド付き煙感知器の範囲内に配置された光電受光器が周囲からそのような光を受けることを防ぐことにより、煙報知器の誤作動を軽減し得る。
いくつかの実施形態では、煙報知器の誤作動をさらに低減するために、シール106を、受容した煙感知器の外面に適合させて光密シールを提供するように、第2端104の開口の周縁に沿って配置してよい。場合によっては、シール106は、ガスケットであり得る。他の場合には、シール106は、ネオプレンゴムまたはさらに高弾性の他の材料のような弾性材であり得る。場合によっては、シール106のサイズ、形状、および/または弾性によって、シールは、様々に異なる形状および/またはサイズを有する多種多様な煙感知器に適合することが可能となり得る。場合によっては、シール106は、図11Cの例示的な組立図に示すように、保持リング107およびネジ105によって、第2端104の内面に結合されてよい。他の場合には、シール106は、限定するものではないが、接着剤などの他の手段によって、第2端104の内面に結合されてよい。場合によっては、シール106は、第2端104の内面から第2端の開口へと径方向に延出してよく、これにより、そのような開口を縮径させる。シールの具体的な構成に関わりなく、シール106は、好ましくは、赤外光および/または紫外光および/または比較的高強度の可視光の透過を遮断するように構成された材料を含み得る。
図11A〜11Cに示すように、いくつかの実施形態の煙感知器シールド90は、シュラウドに結合されてシュラウドの下方に延出する2つ以上の懸架部材108と、それらの懸架部材108に結合された構成部材であって、シュラウドとその構成部材との間に間隙が存在するように結合された構成部材110と、を備え得る。一実施形態では、図11Cに示すように、懸架部材108をシュラウドの第2端104および構成部材110に結合するために、ネジ109を用いてよい。また、他の取り付け手段を用いてもよい。
図11B〜11Cに示すように、構成部材110の下面は、図11Aに示すとともに上述したポール94のようなポールに結合するように構成されたコネクタ112を含み得る。一実施形態では、図11Cに示すように、ポールコネクタ112は、構成部材110に挿通されるネジ111によって構成部材110の下面に取り付けられてよい。また、ポールコネクタ112を構成部材110に取り付けるための他の手段を用いてもよい。本明細書に記載のように、懸架部材108、構成部材110、およびポールコネクタ112は、煙感知器の周囲にシュラウド96を位置決めする目的で、煙感知器シールド90の範囲内に含まれることがある。
2つの懸架部材108を、図11B〜11Cに示しているが、留意されるのは、図11Aに示すポールによる設置方法を用いて煙感知器シールド90を設置するための安定面を提供するための必要に応じて、概ね任意の数の懸架部材を、シュラウド96と構成部材110との間に結合してよいということである。他の設置方法を用いる場合には、懸架部材108、構成部材110、およびポールコネクタ112は、必要ないことがあり、従って、煙感知器シールド90のいくつかの実施形態では省いてよい。懸架部材108、構成部材110、およびポールコネクタ112を省く場合には、煙感知器シールド90のシュラウド96は、概ね任意の手段によって、煙感知器および/または煙感知器が取り付けられた面に結合されてよく、それらの手段には、メカニカルファスナ(例えば、バネ、クリップ、クランプ、ネジなど)、シュラウドの第2端104の開口の範囲内に配設される弾性シール106、および/またはシュラウドの第1端100の開口の範囲内に配設される他の弾性材が含まれるが、ただし、これらに限定されない。また、シュラウド96を煙感知器および/または取り付け面に結合するための他の手段を用いてもよい。
懸架部材108、構成部材110、およびポールコネクタ112を、煙感知器シールド
90の範囲内に含む場合には、懸架部材108の高さは、一般的に、構成部材110の上面とシュラウド96の第2端104の下面との間に十分な間隙を確保するように選択されてよい。いくつかの実施形態では、懸架部材の高さは、居住施設、商業施設、および/または医療施設において典型的に使用される煙感知器に適合するように、約1インチ〜約4インチの範囲であり得る。なお、留意されるのは、このような高さは単なる例示的なものにすぎず、様々に異なるサイズの煙感知器に適合するように、相当に増減されてよいということである。図12および13に示す煙感知器200のような、いくつかのタイプの煙感知器の場合には、懸架部材108により維持される間隙によって、図11Bに示すように、シュラウド96の範囲内に受容された煙感知器の一部をシュラウドの第2端104の開口から突出させることが可能となり得る。ただし、必ずしもそうであるとは限らない。他のタイプの煙感知器の場合には、懸架部材によって維持される間隙は、単に、露出した煙流入口の近傍に十分な空気流を提供するものであり得る。
図11A〜11Cには、懸架部材108を、構成部材110の上面とシュラウドの第2端104の下面との間に結合されるものとして示しているが、そのような結合に厳しく限定されるわけではない。代替的な一実施形態では、懸架部材108は、構成部品110の上面とシュラウド96の1つ以上の側壁102との間に結合されてよい。このような実施形態では、懸架部材108は、側壁(群)102への懸架部材の連結を容易とするために、屈曲しているか、または角度付きであってよいが、そうである必要はない。
図11A〜11Cには、構成部材110を、シュラウド96の直径よりもわずかに大きい直径を有する略円形の板として示している。しかしながら、留意されるのは、構成部材110は、いずれかの特定の形状またはサイズに厳しく限定されるものではなく、シュラウド96への懸架部材108の結合と、コネクタ112へのポールの結合と、その両方のための安定面を提供する、他の任意の形状および/またはサイズを有し得るということである。いくつかの実施形態では、構成部材110は、シュラウドの形成に使用されるのと同じ材料(群)を含んでよく、さらに場合によっては、赤外光および/または紫外光および/または比較的高強度の可視光の透過を遮断するように構成された材料を含んでよい。そのような光を遮断するように構成された材料の例については、上述した。しかしながら、構成部材110の主要な目的は、安定面を提供することであるので、構成部材110は、光の透過を遮断するように構成されていないものであり得る他の材料を含んでよい。
図11B〜11Cに示すように、コネクタ112は、上述のように、図11Aに示すポール94のようなポールに結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ポール94の取り付けおよび煙感知器シールド90からの取り外しのために、クイックリリース装置を、コネクタ112の範囲内に組み込んでよく、またはコネクタ112に結合してよい。場合によっては、コネクタ112またはその付近に配置されたクイックリリース装置は、煙感知器に設置および保持された後の煙感知器シールド90から、ポール94を取り外すために使用されてよい。他の場合には、コネクタ112またはその付近に配置されたクイックリリース装置は、運搬および/または保管を目的として、煙感知器シールド90からポール94を取り外すために使用されてよい。上述のように、クイックリリース装置の例として、クイックリリースバネ、クイックリリースクランプ、および雄/雌ネジコネクタが含まれるが、ただし、これらに限定されない。
煙感知器シールドの実施形態に加えて、本明細書では、煙感知器を遮蔽するための方法を提供する。一実施形態によれば、そのような方法は、部屋の範囲内に作動的に配設された煙感知器の少なくとも一部を遮蔽することと、煙感知器の少なくとも一部を遮蔽している間に、その部屋の範囲内で発光装置を作動させることと、を含み得る。本明細書で使用される場合の「作動的に配設された」とは、煙感知器が、煙の存在を検出するために、部屋の範囲内に配設されるとともに、(バッテリまたは商用電源のような)電源に接続され
ていることを意味する。発光装置は、作動させると、部屋の中で、赤外光、紫外光、および/もしくは可視光を発生し、かつ/またはそれらの領域の光のいずれか1種以上に顕著な差が生じるように赤外光、紫外光、および/もしくは可視光を発生するように構成されたものであり得る。
煙感知器を遮蔽するステップは、本明細書に記載の煙感知器シールドのいずれか1つを煙感知器の周囲に設置することを含み得る。いくつかの実施形態において、その煙感知器は、光電式煙感知器、より好ましくはスポット型光電受光器、さらに好ましくは、内室(例えば、図13の内室220)を取り囲む遮光材の外側に配置された光電受光器を有するスポット型光電受光器であり得る。しかしながら、煙感知器は、このように限定されるものではなく、他の実施形態では他のタイプの煙感知器を備え得る。
いくつかの実施形態では、煙感知器を遮蔽するステップは、煙感知器の少なくとも一部の周囲に煙感知器シールドを位置決めすることを含み得る。上述のように、本明細書に記載の煙感知器シールドのいずれか1つを、遮蔽ステップにおいて煙感知器の周囲に位置決めしてよい。いくつかの実施形態では、煙感知器の少なくとも一部の周囲に煙感知器シールドを位置決めするために、煙感知器シールドに結合されたポールを用いてよい。いくつかの実施形態では、煙感知器の少なくとも一部の周囲に煙感知器シールドを位置決めした後に、発光装置を作動させる前に、ポールを煙感知器シールドから取り外してよい。他の実施形態では、発光装置を作動させる間、ポールを煙感知器シールドに取り付けたままでよい。なお、留意されるのは、ポールによる設置方法は単なる例示的なものにすぎず、必須ではないということである。
煙感知器シールドを煙感知器に設置するためにポールを使用する場合、そのポールは、固定長のポールまたはテレスコープ式伸縮ポールであってよく、それは、煙感知器シールドへの取り付け用に構成された第1端と、第1端と反対の第2端と、を有する。ポールがテレスコープ式伸縮ポールである場合、煙感知器の少なくとも一部の周囲に煙感知器シールドを位置決めするステップは、テレスコープ式伸縮ポールの第2端、またはテレスコープ式伸縮ポールの第2端に結合された支持ベースを、煙感知器の付近に位置する略水平面上に位置決めすることと、煙感知器の少なくとも一部の周囲に煙感知器シールドのシュラウドを位置決めするとともに煙感知器が取り付けられた面に対してシュラウドの一端を密着させて押し当てるための高さまで、テレスコープ式伸縮ポールを伸長することと、を含み得る。
場合によっては、発光装置を作動させるステップは、その部屋の外から発光装置を遠隔操作で作動させることを含み得る。場合によっては、本方法は、さらに、煙感知器シールドを煙感知器の周囲に位置決めした後に、発光装置を作動させる前に、その部屋を排気することを含み得る。場合によっては、本方法は、さらに、発光装置を非作動にすることと、その後、煙感知器の遮蔽を解除することと、を含み得る。一例では、本方法は、発光装置の動作が停止した後に、煙感知器の遮蔽を解除してよく、さらに、いくつかの実施形態では、発光装置が動作を停止してから30分以内に、煙感知器の遮蔽を解除してよい。他の場合には、発光装置を非作動にした後に、煙感知器の遮蔽は解除されなくてよい。
煙感知器が遮蔽されている間に、その部屋の範囲内で作動させることがある発光装置の例として、殺菌光消毒システム、手術室照明設備、光線療法システム、紫外線硬化システム、および電子機器のリモコンを含み得るが、ただし、これらに限定されない。これらのタイプの発光装置は、その部屋の範囲内に配設されたシールドなしの煙感知器のハウジングを透過し得る波長および/または強度で、紫外光、赤外光、および/または可視光を発生することがある。シールドなしの煙感知器がスポット型光電式煙感知器である場合には、煙感知器ハウジングの範囲内に配置された光電受光器が、そのような光を受けて、誤報
知を発するのに十分な光電流を発生することがある。本明細書に記載の煙感知器シールドの1つで、煙感知器の少なくとも一部を遮蔽することにより、シールド付き煙感知器の光電受光器で、そのような発光装置からの紫外光、赤外光、および/または可視光の受光を阻止し、これにより、誤報知の発生を抑制する。
なお、留意されるのは、光電式煙感知器は、典型的は、日光によって、あるいは照明目的(例えば、天井照明もしくは電灯)または電子/通信制御目的(例えば、リモコン装置)で部屋の範囲内で発生する周辺光によって、作動することはないということである。従って、一般的に、部屋の範囲内で見られることがあるすべての発光装置および光源から煙感知器を遮蔽する必要はない。天井照明、電灯、および(テレビリモコンなどの)リモコン装置のような、部屋の範囲内で一般的に見られる発光装置を除外するために、発光装置が、約1ワット/ステラジアン(W/sr)超の放射強度で赤外光を発するように、および/または約1W/sr超の放射強度で紫外光を発するように、および/または約3000ルーメン超の光束で可視光を発するように、構成されている場合にのみ、本明細書に記載の方法を、煙感知器と同じ部屋の範囲内に配置された該発光装置を作動させている間に煙感知器を遮蔽するために用いてよい。
天井照明、電灯、およびリモコン装置のような、部屋の範囲内で一般的に見られる発光装置は、典型的には、このような放射強度またはルーメン値で光を発することは不可能であり、従って、本明細書で使用される場合の「発光装置」とはみなされない。一例として、150Wの白熱電球またはハロゲン電球、40Wの蛍光電球、および24WのLED電球は、約2600ルーメンの可視光を発生し得るが、より低ワットのものによる発光は、それより顕著に低ルーメンである。他の例として、リモコン装置内に含まれる典型的な赤外線(IR)発光器(例えば、赤外線LED)は、約10ミリワット/ステラジアン(mW/sr)〜約300mW/srを発生し得る。これらの発光装置、および部屋の範囲内で典型的に見られる他の発光装置は、シールドなしの煙感知器のハウジングを透過するのに十分な、かつ/または、その内部に配置された光電受光器内で結果的に誤報知を発するのに十分な光電流を発生させるのに十分な、強度および/もしくは波長で、赤外光、紫外光、および/または可視光を発生することは、典型的にはない。
一方、他の発光装置は、シールドなしの煙感知器のハウジングを透過して誤報知を発生させるのに十分な強度および/もしくは波長で、赤外光、紫外光、および/または可視光を発生することがあり、それらの発光装置には、殺菌光消毒システム、手術室照明設備、光線療法システム、および紫外線硬化システムが含まれるが、ただし、これらに限定されない。これらの発光装置は、1W/srをはるかに超える放射強度で赤外光を発するように、および/または約1W/srをはるかに超える放射強度で紫外光を発するように、および/または約3000ルーメンをはるかに超える光束で可視光を発するように構成されている場合がある。このように限定されるわけではないが、本明細書に記載の煙感知器シールドは、このような発光装置で発生する光から煙感知器を遮蔽する場合に、特に有用であり得る。
具体的な一例では、本明細書に記載の煙感知器シールドは、殺菌光消毒システムで発生する光から煙感知器を遮蔽するために使用されてよい。さらに詳細に後述するように、多くの異なる光源を、消毒の目的で使用することがある。一例では、殺菌消毒に使用される光源は、約50W/sr超もしくはさらに高い放射強度で赤外光を発するように、および/または約10W/sr超もしくはさらに高い放射強度で紫外光を発するように、および/または約30000ルーメン以上の光束で可視光を発するように、構成されたものであり得る。殺菌消毒に使用される他の光源は、かなりの程度の差はあるものの、赤外光、紫外光、および/または可視光を発生し得る。
「殺菌光」という用語は、特に病気を媒介する微生物および/または病気を引き起こす微生物(別名、細菌)である微生物を失活または殺滅させることが可能な光を指す。本明細書で使用する場合の「殺菌剤」という用語は、特に病気を媒介する微生物および/または病気を引き起こす微生物(別名、細菌)である微生物を失活または殺滅させることが可能な薬剤を指す。本明細書で使用する場合の「殺滅」という用語は、生物を死滅させることを意味する。本明細書で使用される場合の「失活」という用語は、生物を殺滅することなく繁殖が不可能にすることを意味する。従って、微生物を失活させるように構成された殺菌剤とは、微生物を繁殖不可能にするが生物を生かしておく薬剤を指す。殺菌性であることが知られている光の領域には、約200nm〜約320nmの、特に205nm、230nm、260nm〜265nmの紫外光、および約400nm〜約470nmの、特に405nmの(高輝度狭帯域(HINS)光としても知られる)可視青紫光が含まれる。従って、本明細書に記載の殺菌光消毒システム用として考えられる殺菌光は、紫外光および/または高輝度狭帯域(HINS)光を含み得る。本明細書で使用される場合の、UVA光は、波長320nm〜400nmの紫外電磁放射線サブタイプAであり、UVB光は、波長280nm〜320nmの紫外電磁放射線サブタイプBであり、UVC光は、波長200nm〜280nmの紫外電磁放射線サブタイプCである。
場合によっては、本明細書に記載の発光装置用として考えられる殺菌光源は、複数の波長の光を発する多色光源であり得る。いくつかの実施形態では、殺菌光源は、限定するものではないが、赤外光または約500nm超の可視光のような、殺菌性ではない領域の光を発し得るが、そのような可能性は、その光源を殺菌性と表現することを阻むものではない。さらに、光源またはランプを、場合によっては、それが発する光の種類で特徴付けることがあるが、そのような特徴付けは、必ずしも、その光源またはランプがその種類の光のみを発すると限定するものではない。例えば、紫外線ランプは、紫外光を発するものであるが、他の波長の光を発し得る。「殺菌光源」と「殺菌ランプ」という用語は、本明細書では、区別なく用いられ、殺菌光の発光および分散に使用される1つ以上の素子からなる集合体を指す。
紫外光および/または高輝度狭帯域(HINS)光を発するように構成され得る殺菌光源の例として、放電ランプ、発光ダイオード(LED)半導体素子、およびエキシマレーザが含まれる。HINSランプは、一般的にLED群で構成される。本明細書で使用する場合の放電ランプとは、ガス中で電極間の内部放電によって光を発生させるランプを指す。この用語は、イオン化ガス(すなわち、プラズマ)を通して放電することにより発光するガス放電ランプを包含する。また、この用語は、基板面に沿ってプラズマを発生するガスの存在下で誘電体基板の表面に沿って進展する放電によって発光する面放電ランプも包含する。従って、本明細書に記載の殺菌光消毒システム用として考えてよい殺菌ランプとして、ガス放電ランプならびに面放電ランプが含まれる。
放電ランプは、使用される1種以上のガスの種類および放電ランプの動作圧力によって特徴付けられることがある。本明細書に記載の殺菌光消毒システム用として考えてよい放電ランプとして、低圧、中圧、および高輝度のものが含まれる。さらに、使用されるガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、酸素、水素、水蒸気、二酸化炭素、水銀蒸気、ナトリウム蒸気、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。さらに、本明細書に記載の殺菌光消毒システム用として考えられる殺菌光源として、連続光を発するもの、および/または短持続時間で繰り返し発光するもの、を含んでよく、後者は、本明細書ではパルス光源と呼ばれる。繰り返し光パルスを発生する放電ランプは、閃光管または閃光ランプと呼ばれることが多い。
連続光を発生させるために使用される一般的なガス放電ランプは、水銀蒸気ランプであり、これを、本明細書に記載の方法およびシステムのいくつかのためのものと考えてよい
。これは、特に殺菌光消毒に適用できると考えられる253.7nmの強いピークで発光し、このため、紫外線殺菌照射(UVGI)として一般的に引用される。一般に使用される閃光ランプで、本明細書に記載の殺菌光消毒システム用として考えてよいものは、キセノン閃光管である。水銀蒸気ランプとは対照的に、キセノン閃光管は、紫外線から赤外線まで、広帯域スペクトルの光を発し、これにより、殺菌性と知られている全スペクトル(すなわち、約200nm〜約320nm)の紫外光を提供する。さらに、キセノン閃光管は、最適な殺菌性であると知られているスペクトル(すなわち、約260nm〜約265nm)において、比較的十分な輝度を提供することができる。さらに、キセノン閃光管は、極めて大きな熱量を発生し、これを、微生物を失活および殺滅させるためのさらなる一助とすることができる。
面放電ランプは、現在のところ、商業市場で容易に入手できるものではないが、上述のように、本明細書に記載の殺菌光消毒システムのいくつかのためのものと考えてよい。キセノン閃光管と同様に、面放電ランプは、殺菌性と知られている全スペクトル(すなわち、約200nm〜約320nm)の紫外光を発生する。一方、対照的に、面放電ランプは、キセノン閃光管と比較して、より高い1パルス当たりのエネルギーレベルで、ひいてはより高い紫外線効率で動作するとともに、より長いランプ寿命が得られる。なお、留意されるのは、水銀蒸気ランプ、キセノン閃光ランプ、および面放電ランプについての上記説明および比較は、そのようなランプを含むものとして、本明細書に記載の殺菌光消毒システムを限定するものでは決してないということである。むしろ、上記説明および比較は、当業者が、本明細書に記載の殺菌光消毒システムのための殺菌光源を選択する際に検討し得るファクタを提供するために提示しているにすぎない。
消毒装置は、殺菌光を部屋の周囲に広範囲に配光するように構成されることがある。消毒装置は、そのような目的を達成するための任意の形状、サイズ、または構成のものであってよい。場合によっては、消毒装置は、装置の周囲の連続環状領域に殺菌光を分散させるように構成してよい。特に、装置は、場合によっては、殺菌光源から発した光が装置を取り囲むように、殺菌光源の細長部分の周囲360°に不透明部品がないものであってよい。場合によっては、消毒装置は、光源に加えて、光源からの殺菌光の発光または分散を実現するための反射体のような構成部品を含んでよく、特に、それは、(例えば、約85%超の)比較的高い反射率を示すものである。消毒装置を構成する殺菌光源の数に関わりなく、または殺菌光の分散を助けるための追加の構成部品を備えているかどうかに関わりなく、本明細書に記載の消毒装置は、限定するものではないが、薬剤散布、薬剤噴霧、または薬剤蒸気のような、他の殺菌手段を含み得る。
場合によっては、部屋/エリア殺菌光消毒装置は、装置が配置された部屋の床から約2フィート〜約4フィートの領域に殺菌光を誘導するように構成することが効果的であり得る。特に、部屋の床から約2フィート〜約4フィートの領域は、このような領域には一般的に頻繁に使用される物品が配置されるため、部屋の「ハイタッチ」領域であると考えられる。従って、このような領域に光を誘導するように構成された消毒装置は、部屋の消毒プロセスに適し得る。装置が配置された部屋の床から約2フィート〜約4フィートの領域に殺菌光を誘導するように構成された消毒装置の例は、2012年12月6日に出願された米国特許出願第13/706926号および2012年12月7日に出願された米国特許出願第13/708208号ならびに2014年10月8日に出願された国際特許出願第PCT/US2014/059698号に開示されており、これらの文献はいずれも、その全体が本明細書に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。なお、注目されるのは、部屋消毒用に構成されるとともに紫外光源を有する装置に含まれることが多い機能は、オキュパンシセンサであり、特に、これにより、装置が配置されたエリア/部屋の範囲内のオキュパンシを示す検出があった場合に、紫外光の発光を抑止および/または終了し得る、ということである。
なお、本発明は、光の透過を遮断または最小限とするように構成された煙感知器シールドおよび使用方法を提供するものと考えられることは、本開示の利益を享受する当業者であれば理解できるであろう。上述のように、本明細書に記載の煙感知器シールドは、部屋の中の周辺光から光電受光器を遮蔽することにより、スポット型光電式煙感知器の範囲内の光電受光器の誤作動を軽減するのに、特に有用である。しかしながら、本明細書に記載の煙感知器シールドおよび方法は、スポット型光電式煙感知器を遮蔽すること、またはそのような煙感知器の光電受光器を遮蔽することに、厳しく限定されるものではない。
場合によっては、本明細書に記載のいくつかの実施形態の煙感知器シールドを、熱または電離状態の変化を検出するように構成された煙感知器の誤作動を軽減するために用いてよい。例えば、本明細書に記載のいくつかの実施形態の煙感知器シールドは、煙感知器が表面に取り付けられている場合に、その煙感知器の全体を被包するように構成されてよく、これにより、煙感知器への熱および/または煙粒子の進入を、抑制および/または阻止する。表面に取り付けられた煙感知器の全体を被包するように構成された煙感知器シールドの例を、図7〜10に示している。このように、本明細書に記載の煙感知器シールドおよび方法は、光電式煙感知器の光電受光器が部屋の中の周辺光を検出することを防ぐことにより、さらに/または、任意のタイプの煙感知器への熱および/もしくは煙粒子の進入を阻止することにより、煙感知器の誤作動を軽減するために用いてよい。
本発明の種々の態様のさらなる変形および代替実施形態は、本説明に照らして、当業者には明らかであろう。従って、本説明は、単なる例示的なものと解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示することを目的としたものである。本明細書において図示および説明した発明の形態は、現時点で好ましい実施形態とされるものであると理解されるべきである。いずれも、本説明の発明の利益を享受する当業者には明らかであるように、要素および材料を、本明細書で図示および説明したものと置き換えてよく、部材およびプロセスを逆に入れ替えてよく、本発明の何らかの特徴を独立に利用してよい。添付の請求項に記載の本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の要素に変更を実施してよい。本明細書で使用する場合の「約」という用語は、記載された数の+/−5%までの変動を意味する。

Claims (17)

  1. 煙感知器を遮蔽するための装置であって、
    煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成されたシュラウドと、
    前記シュラウドに結合された第1端と、前記第1端と反対の第2端と、を有するポールであって、少なくとも3.0フィートの、ある長さを有するか、または、ある長さまで延長するように構成されているポールと、
    前記装置を略水平面上で支持するために、前記ポールの前記第2端付近に結合された支持ベースと、を備える装置。
  2. 前記ポールは、少なくとも5.0フィートの、ある長さを有するか、または、ある長さまで延長するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ポールは、テレスコープ式伸縮ポールである、請求項1に記載の装置。
  4. 前記ポールを前記シュラウドから取り外すため、および/または前記ポールを2つ以上の部分片に分解するための、1つ以上のクイックリリース装置をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  5. 前記支持ベースは、折り畳み式の支持ベースである、請求項1に記載の装置。
  6. 前記支持ベースは、折り畳み式三脚である、請求項5に記載の装置。
  7. 前記支持ベース、前記シュラウド、および前記ポールは、前記装置の高さが少なくとも7フィートに達することが可能であるように、構成可能である、請求項1に記載の装置。
  8. 前記シュラウドは、前記煙感知器が表面に取り付けられている場合に、前記煙感知器の全体を被包するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  9. 前記シュラウドは、前記煙感知器の1つ以上の煙流入口を前記シュラウドで覆わないまま残しつつ、前記煙感知器の少なくとも主要部を取り囲むように構成されている、請求項1に記載の装置。
  10. 前記シュラウドは、前記煙感知器が取り付けられた面への取り付け用に構成された上面を有する、請求項1に記載の装置。
  11. 前記シュラウドは、前記煙感知器への取り付け用に構成された上面を有する、請求項1に記載の装置。
  12. 方法であって、
    天井設置型煙感知器の下の略水平面上に、煙感知器シールドのベースを位置決めすることであって、前記煙感知器シールドは、
    テレスコープ式伸縮ポールであって、前記テレスコープ式伸縮ポールの第1端は、前記煙感知器シールドの前記ベースであるか、または前記煙感知器シールドの前記ベースに結合されている、テレスコープ式伸縮ポールと、
    前記テレスコープ式伸縮ポールの前記第1端と反対の第2端に結合された煙感知器シュラウドと、を備える、煙感知器シールドの、ベースを位置決めすることと、
    前記テレスコープ式伸縮ポールを伸長することであって、前記煙感知器シュラウドが前記煙感知器の少なくとも一部を取り囲むとともに、前記煙感知器が取り付けられた天井に対して、前記テレスコープ式伸縮ポールの張力によって前記煙感知器シュラウドが固定されるように、前記テレスコープ式伸縮ポールを伸長することと、を含む方法。
  13. 前記煙感知器シュラウドが前記煙感知器の周囲に位置決めされて、前記天井に対して固定されている間に、発光装置を作動させることをさらに含み、前記発光装置は、1W/sr超の放射強度で赤外光を発するように、および/または1W/sr超の放射強度で紫外光を発するように、および/または3000ルーメン超の光束で可視光を発するように、構成されている、請求項12に記載の方法。
  14. 前記発光装置は、殺菌光消毒装置である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記発光装置を非作動にすることと、その後、前記煙感知器の遮蔽を解除するために、前記テレスコープ式伸縮ポールを略収縮させることと、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記煙感知器は部屋の中に作動的に配設されており、前記発光装置を作動させるステップは、前記部屋の外から前記発光装置を遠隔操作で作動させることを含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記煙感知器は部屋の中に作動的に配設されており、前記方法は、前記煙感知器シュラウドを前記煙感知器の周囲に位置決めした後に、前記発光装置を作動させる前に、前記部屋を排気することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
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