JP2019215522A - 表面微細構造体の転写用金型の製造方法及び表面微細構造体の転写用金型 - Google Patents

表面微細構造体の転写用金型の製造方法及び表面微細構造体の転写用金型 Download PDF

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Naoyuki Kitamura
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Abstract

【課題】本発明の目的は、成形転写面の凸部の形状を先鋭化させた、面微細構造体の転写用金型を提供することにある。【解決手段】金型基板とマスク層とレジストパターン層とをこの順で有し、且つ前記レジストパターン層の頂面が前記基板と反対側に凸となる曲面である金型基板積層体を形成する金型基板積層体形成工程(A)と、前記金型基板積層体にエッチングを行い、前記金型基板に表面微細構造体の成形転写面を形成するエッチング工程(B)と、を含む、表面微細構造体の転写用金型の製造方法によって得られる転写用金型は、成形転写面の凸部の形状が先鋭化させられているため、被転写成形材料がガラスの場合であっても、転写成形効率を有効に向上させることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、表面微細構造体の転写用金型の製造方法及び表面微細構造体の転写用金型に関する。より具体的には、本発明は、優れた転写効率が得られるように形成された表面微細構造体の転写用金型の製造方法及び表面微細構造体の転写用金型に関する。
ガラスの熱モールド成形のための金型材料として、ガラス状炭素及び炭化ケイ素などの高耐熱性材料が用いられている。一方で、これらの高耐熱性材料は脆性であることから、10ミクロンオーダー以下の形状を転写成形する金型を作製する場合、機械加工は適しておらず、主としてドライエッチング加工が適用されている。
例えば、ガラスの表面に反射防止構造として微細凹凸構造を転写形成するための金型の作製には、マスク形成によるドライエッチング法が用いられている。より具体的には、非特許文献1には、炭化ケイ素基材上にマスク層としてケイ化タングステンフィルムを形成し、ドライエッチング法によって作製した金型により、530nm波長に対する反射防止構造を有する転写成形物を得たことが記載されている。また、非特許文献2には、炭化ケイ素基材又はガラス状炭素基材上にマスク層としてケイ化タングステンフィルムを形成し、ドライエッチング法によって作製した金型により、1.55μm深さ又は180nm深さの微細構造を有する転写成形物を得たことが記載されている。さらに、特許文献1には、グラッシーカーボン基板上にマスク層としてニッケル層を製膜し、乾式エッチングによって作製した金型により、8μm波長の赤外光に対する反射防止構造を有するガラスレンズを得たことが記載されている。また、特許文献1には、当該金型を用いたプレス成形時に、成形圧力7MPaで20分間保持したことも記載されている。
Applied Physics Express 3(2010)112501 Applied Physics Express 5(2012)082502
特開2010−72484号公報
金型の被転写成形材料としてのガラスは、加熱加圧された状態で金型成形される。このようなガラスの金型成形では、例えば溶融ガラスを型に受けて成形するような、低粘度のガラスを成形するのではなく、ガラスが変形可能な温度まで金型と共に加熱し成形する。したがって、金型成形時におけるガラスは、高粘度の状態で変形させられることになる。金型でガラスを転写成形する場合は、高粘度のガラスを金型の成形転写面の微細構造内に充填させなければならず、加圧状態での保持時間が必然的に長くなる。現に、特許文献1の金型では、加圧成形に20分もの保持時間を必要としている。
金型成形効率を上げる手段としては、初期の成形圧を上げることで、成形転写面において被転写成形材料に最初に接触する金型凸部の応力を上げることが一般的である。しかしながら、被転写成形材料にガラスを用いる場合は、ガラスの粘性が高いことから、初期の成形圧を上げることはガラス破損が懸念されるため適切でない。したがって、金型によるガラスの転写成形においては、その成形効率の悪さが課題であった。
本発明者らは、高粘度のガラスに金型の微細構造を速やかに陥入させるため、成形転写面においてガラスに最初に接触する金型凸部の形状を先鋭化させることに着目した。つまり、成形転写面における凸部を鋭化させることにより応力集中を容易にして、成形時の初期圧を上げなくとも、ガラスに成形転写面の微細構造を速やかに陥入させることを着想した。
ガラス表面に微細凹凸形状を成形するための金型を作製する方法としては、上述のドライエッチング加工のほか、液相エッチング加工も挙げられる。液相エッチング加工では加工時の異方性制御が困難であるため、加工可能な形状が非常に限定されている。したがって、液相エッチング加工で成形転写面における凸部の形状を変化させることはできない。
一方、ドライエッチング加工では上述のように種々報告がされているものの、金型凸部の形状が先鋭化された構造のものが作製できたことは報告されていない。本発明者は、ドライエッチング加工において、エッチング条件を変更して加工時の異方性を弱めることで成形転写面における凸部の形状を変化させることを検討した。しかしながら、エッチング条件を変更するだけでは、成形転写面における凸部の形状を、成形効率を有効に向上させることができるほどに先鋭化させることはできなかった。
そこで、本発明は、成形転写面の凸部の形状を先鋭化させた、表面微細構造体の転写用金型を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討の結果、エッチング前の工程において、レジストパターン層を、その頂面が金型基板と反対側に凸となる曲面として形成しておくことによって、エッチングで得られる金型凸部の形状を先鋭化できることを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 金型基板とマスク層とレジストパターン層とをこの順で有し、且つ前記レジストパターン層の頂面が前記基板と反対側に凸となる曲面である金型基板積層体を形成する金型基板積層体形成工程(A)と、
前記金型基板積層体にエッチングを行い、前記金型基板に表面微細構造体の成形転写面を形成するエッチング工程(B)と、
を含む、表面微細構造体の転写用金型の製造方法。
項2. 前記金型基板積層体形成工程(A)が、
前記マスク層の表面にレジスト層を形成し、前記レジスト層の一部を所定のパターンで残存させることでレジストパターン前駆層を形成するレジストパターン前駆層形成工程、及び
加熱処理によって前記レジストパターン前駆層の頂面を前記基板と反対側に凸の曲面にするリフロー工程
を含む、項1に記載の製造方法。
項3. 前記金型基板積層体形成工程(A)が、前記レジストパターン層の成形転写面を有する金型を用いて、前記マスク層の表面に前記レジストパターン層を転写するモールド転写工程を含む、項1に記載の製造方法。
項4. 前記金型基板がガラス状炭素からなり、前記マスク層が金属ケイ化物からなる、項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項5. 前記金型基板が炭化ケイ素からなり、前記マスク層が金属からなる、項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項6. 前記エッチング工程(B)において、1種又は複数種のフッ素系ガス、酸素、アルゴン、ヘリウム、及び窒素からなる群から選択される少なくとも2種の混合ガスを用いてエッチングを行う、項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
項7. 成形転写面に微細突部を有する、表面微細構造体の転写用金型であって、
前記微細突部が、尖頂部と、前記微細突部の内部側に湾曲する湾曲側面とを含む、表面微細構造体の転写用金型。
項8. 前記微細突部の高さが2μm以上である、項7に記載の転写用金型。
項9. 前記微細突部が、前記尖頂部が前記湾曲側面に取り囲まれた変形錐体状構造を有する、項7又は8に記載の転写用金型。
項10. 前記尖頂部が三角格子点状又は四角格子点状に配列している、項9に記載の転写用金型。
項11. 被転写材料がガラスである、項7〜10のいずれかに記載の転写用金型。
項12. 項7〜10のいずれかに記載の転写用金型の前記微細突部の被転写構造を表面に有する、表面微細構造体。
項13. ガラスで構成される、項12に記載の表面微細構造体。
項14. 前記ガラスが赤外線透過性ガラスである、項13に記載の表面微細構造体。
項15. 赤外光用の光学素子である、項12〜14のいずれかに記載の表面微細構造体。
本発明によれば、成形転写面の凸部の形状を先鋭化させた、表面微細構造体の転写用金型が提供されるため、被転写成形材料がガラスの場合であっても、転写成形効率を有効に向上させることができる。
本発明の表面微細構造体の転写用金型の製造方法における金型基板積層体形成工程(A)の一実施形態を示す模式的断面図である。 図1(A3)の積層体のバリエーションを示す模式的切り欠き斜視図である。 本発明の表面微細構造体の転写用金型の製造方法における金型基板積層体形成工程(A)の他の実施形態を示す模式的断面図である。 本発明の表面微細構造体の転写用金型の製造方法におけるエッチング工程(B)の一実施形態を示す模式的断面図である。 本発明の表面微細構造体の転写用金型の一例を示す模式的断面図である。 本発明の表面微細構造体の転写用金型の成形転写面における微細突部の形状の具体例を示す模式的断面図である。 本発明の表面微細構造体の転写用金型の一例を示す模式的切り欠き斜視図である。 本発明の表面微細構造体の転写用金型の一例を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 図8におけるX面、Y面及びZ面で切断した場合の断面図を示す。 本発明の表面微細構造体の製造方法の一例を示す模式的断面図である。 実施例1で得られた転写用金型1のSEM写真である。 実施例2で得られた表面微細構造体のSEM写真である。 図12の一部切り欠き拡大図である。 実施例2で得られた表面微細構造体の赤外線透過スペクトルを示す。 実施例3で得られた一対の転写用金型2の一方のSEM写真である。 実施例3で得られた一対の転写用金型2の他方のSEM写真である。 実施例4で得られた表面微細構造体(表面)のSEM写真である。 実施例4で得られた表面微細構造体(裏面)のSEM写真である。 実施例5で得られた表面微細構造体を一部切り欠き拡大したSEM写真である。 実施例5で得られた表面微細構造体(裏面)のSEM写真である。 実施例5で得られた表面微細構造体の赤外線透過スペクトルを示す。 実施例6で得られた一対の転写用金型3の一方のSEM写真である。 実施例6で得られた一対の転写用金型3の他方のSEM写真である。 実施例7で得られた表面微細構造体(表面)のSEM写真である。 実施例7で得られた表面微細構造体(裏面)のSEM写真である。 実施例7で得られた表面微細構造体の赤外線透過スペクトルを示す。 実施例8で得られた転写用金型4のSEM写真である。 比較例1で得られた転写用金型のSEM写真である。 比較例2で得られた転写用金型のSEM写真である。 比較例3で得られた表面微細構造体のSEM写真である。
[1.表面微細構造体の転写用金型の製造方法]
本発明の表面微細構造体の転写用金型の製造方法は、金型基板積層体形成工程(A)(以下、工程(A)とも記載する。)とエッチング工程(B)(以下、工程(B)とも記載する。)とを含む。工程(A)においては、金型基板とマスク層とレジストパターン層とをこの順で有し、且つ前記レジストパターン層の頂面が前記基板と反対側に凸となる曲面である金型基板積層体を形成する。工程(B)においては、前記金型基板積層体にエッチングを行い、前記金型基板に表面微細構造体の成形転写面を形成する。これによって、形成転写面に特定形状の微細突部を有する転写用金型を得ることができる。以下、図面を参照して、本発明の表面微細構造体の転写用金型の製造方法を説明する。
[1−1.金型基板積層体形成工程(A)]
図1に工程(A)の一実施形態を模式的断面図で示す。図1の実施形態においては、工程(A)が、レジストパターン前駆層形成工程(図1(A1)〜図1(A3))とリフロー工程(図1(A3)〜図1(A4))とを含む。
レジストパターン前駆層形成工程においては、図1(A1)に示されるように、金型基板2上にマスク層3が積層された積層体を用意する。金型基板2の材質としては特に限定されないが、例えば、ガラス状炭素(グラッシーカーボン)、炭化ケイ素、シリコン、二酸化ケイ素、炭化タングステン等が挙げられ、好ましくは、ガラス状炭素及び炭化ケイ素が挙げられる。金型基板2がガラス状炭素で構成される場合、当該金型基板2は、例えばかさ密度1.5〜1.8g/cm3程度のものが挙げられる。金型基板2が炭化ケイ素で構成される場合、当該金型基板2は、例えばかさ密度3.1〜3.2のものが挙げられる。また、金型基板2の厚さとしては特に限定されないが、例えば1〜50mm、好ましくは3〜20mmが挙げられる。
マスク層3の材質としては特に限定されず、金型基板2の材質に応じて当業者が適宜決定することができるが、例えば、金属、金属酸化物、金属ケイ化物等が挙げられ、好ましくは金属及び金属ケイ化物が挙げられる。金属としては、例えば、クロム、ニッケル、チタン、コバルト、鉄、銅、銀等の遷移金属、アルミニウム、金等、並びにこれらの合金が挙げられ、好ましくは、クロム、ニッケル、銅、アルミニウムが挙げられる。金属ケイ化物としては、ケイ化タングステン、ケイ化モリブデン、ケイ化タンタル等が挙げられ、好ましくは、ケイ化タングステンが挙げられる。
本発明においては、得られる金型の成形転写面に微細突部をより先鋭化された形状で得る観点から、後述の工程(B)におけるエッチング条件下でのエッチング選択比(金型基板2のエッチング速度/マスク層3のエッチング速度)が、1〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは3〜4となるように、マスク層3の材質を選択することができる。より具体的には、金型基板2がガラス状炭素で構成される場合はマスク層3が金属ケイ化物(より好ましくはケイ化タングステン、ケイ化タンタル、ケイ化モリブデン)で構成されることが好ましく、金型基板2が炭化ケイ素で構成される場合はマスク層3が金属(より好ましくはクロム、ニッケル)で構成されることが好ましい。
また、マスク層3の厚さとしては特に限定されず、目的の金型の成形転写面に形成すべき微細突部の形状、及び/又は当該微細突部の高さ(つまり金型の成形転写面における凹部の深さ)等を考慮して当業者が適宜決定することができる。例えば、マスク層3の厚さとしては、得られる金型の成形転写面に微細突部をより先鋭化された形状で得る等の観点から、100nm以上、好ましくは200nm以上が挙げられる。また、マスク層3の厚さは、その上限において特に限定されるものではないが、得られる金型の成形転写面における凹部の深さを過度に深くしない等の観点から、例えば、10000nm以下、好ましくは5000nm以下が挙げられる。従って、マスク層3の厚さとしては、具体的には100〜10000nm、好ましくは200〜5000nmが挙げられる。
金型基板2上にマスク層3を積層する方法としては特に限定されず、当業者によって適宜製膜法が選択される。具体的には、金型基板2上に、スパッタ法、蒸着法等の任意の製膜法を用いて堆積によりマスク層3を積層することができる。
金型基板2上にマスク層3が積層された積層体には、図1(A2)に示されるように、さらにレジスト層41が積層される。本実施形態におけるレジスト層41の材質としては、熱硬化性樹脂を除く樹脂であれば特に限定されず、後述のレジストパターン形成法に応じて当業者が適宜決定することができる。具体的には、レジスト層41の材質としては熱で軟化する樹脂であり、熱可塑性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられる。本実施形態におけるレジスト層41の材質としては、具体的には、ゴム系ネガ型レジスト(環化ポリイソプレンや環化ポリブタジエンなどの環化ゴムのベース樹脂とビスアジド化合物とを主成分として構成されるレジスト)、ノボラック樹脂系レジスト(ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンアジドスルホン酸エステル系化合物とで構成されるポジ型レジスト)、光学増感型フォトレジスト(p−ヒドロキシスチレンとブチルメタクリレートとの共重合体)、化学増感型フォトレジスト等が挙げられ、より好ましくは、ノボラック樹脂系レジストが挙げられる。
本発明においては、得られる金型の成形転写面に微細突部をより先鋭化された形状で得る観点から、後述の工程(B)におけるエッチング条件下でのエッチング選択比(レジストパターン層41のエッチング速度/マスク層3のエッチング速度)が、0.1〜3.0、好ましくは0.3〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5となるように、レジスト層41の材質を選択することができる。より具体的には、マスク層3がケイ化タングステンで構成される場合は、レジスト層41は、ノボラック樹脂系レジスト、ゴム系ネガ型レジスト、又は光増感型フォトレジストで構成されることが好ましく、マスク層が金属で構成される場合は、レジスト層41は、ナフトキノンジアジド、光増感型レジスト又はノボラック樹脂系レジストで構成されることが好ましい。
また、レジスト層41の厚さとしては特に限定されず、レジスト層41に形成すべきパターンのピッチ(図1(A3)のピッチp参照)、後述のレジストパターン層(図1(A4)のレジストパターン層43参照)において曲面とすべき頂面(図1(A4)の頂面43T参照)の湾曲度合い、マスク層3とのエッチング選択比等を考慮して当業者が適宜決定することができる。例えば、レジスト層41の厚さとしては、後述のレジストパターン層43において頂面43Tを十分な湾曲度合いを有する良好な曲面として形成する観点から、マスク層3とのエッチング選択比が1程度であれば、マスク層3の厚さの例えば50%〜150%、好ましくは90%〜130%が挙げられる。より具体的には、例えば、レジスト層41の厚さとしては、後述のレジストパターン層43において頂面43Tを十分な湾曲度合いを有する良好な曲面として形成する観点から、ピッチpの0.1〜2.0倍、好ましくは0.2〜1.0倍が挙げられ、具体的には、200nm以上、好ましくは500nm以上が挙げられる。また、レジスト層41の厚さは、その上限において特に限定されるものではないが、レジスト層上部と下部の温度差の発生、レジスト壁面のオーバーハング等の観点から、例えば、20000nm以下、好ましくは5000nm以下が挙げられる。従って、レジスト層41の厚さとしては、具体的には200〜20000nm、好ましくは500〜5000nmが挙げられる。
マスク層3上にレジスト層41を積層する方法としては特に限定されず、当業者によって適宜塗布法が選択される。具体的には、レジスト層41を形成するためのレジスト組成物を、スピンコート法、ディップコート法等によって塗布によりマスク層3を積層することができる。これによって、金型基板2、マスク層3及びレジスト層41がこの順に積層された積層体が得られる。なお、本発明においては、さらに図示しない層が積層されていてもよい。例えば、マスク層3及びレジスト層41との間に、パーフルオロアルキル化合物(例えば、パーフルオロアルキルポリエーテル、パーフルオロアルキルアミン等)等の低屈折率を有する材料等で構成される中間層が介在していてもよい。
金型基板2、マスク層3及びレジスト層41がこの順に積層された積層体は、レジスト層41が任意のレジストパターン形成法により所定のパターンでパターニングさせられ、図1(A3)に示されるようにレジストパターン前駆層42を形成する。これによって、金型基板2、マスク層3及びレジストパターン前駆層42がこの順に積層された積層体20を得る。
レジストパターン形成法の例としては、例えば、露光法及び描画法のように、化学反応を用いることによって、レジスト層41の一部を所定のパターンで残存させる方法が挙げられる。図1では、レジストパターン形成法としてこのように化学反応を用いた場合を挙げて示している。露光法においては、レジスト層41に所定のパターンでパターニングされたフォトマスクを積層させて光照射し(密着露光(マスクアライナー)法)、又は、レジスト層41を移動しながら所定のパターンで投影露光し(縮小露光(ステッパ)法)、露光したレジスト層41を現像することによってレジストパターン前駆層42を形成する。描画法においては、レジスト層41に電子線又はレーザーで所定のパターンを描画し、描画したレジスト層41を現像することによってレジストパターン前駆層42を形成する。これらのレジストパターン形成法においては、レジスト層41はポジ型であってもよいしネガ型であってもよい。
また、レジストパターン形成法の他の例として、モールド転写を用いた方法も挙げられる。モールド転写を用いた方法においては、レジストパターン前駆層42の成形転写面(成形転写面は、レジストパターン前駆層42の相補構造を有する)を有する金型を用いてレジスト層41をモールド転写する(光インプリント、熱インプリント等のインプリント法)。
なお、本発明において、図1(A3)のレジストパターン前駆層42に形成されている所定のパターンとしては特に限定されず、例えば図2(A3a)に示される積層体20aのレジストパターン前駆層42aのように、溝の配列パターンであってもよいし、図2(A3b)に示される積層体20bのレジストパターン前駆層42bのように、孔の点在パターンであってもよい。なお、図2(A3b)においては、孔が三角格子点状に点在するパターンを示している。以下において、積層体20は、積層体20a及び積層体20bのいずれの場合も包含するものとして説明する。
積層体20は、さらにリフロー工程に供される。これによって、レジストパターン前駆層42の頂面が曲面として形成され、図1(A4)に示す金型基板積層体30が得られる。具体的には、リフロー工程においては、積層体20が加熱条件に供される。加熱手段としては、ホットプレート又はオーブンを用いることができる。加熱によって、積層体20におけるレジストパターン前駆層42が軟化するため、その平坦な頂面42Tが、表面張力により、レジストパターン前駆層42の断面形状を丸めるように徐々に変形させられる(図1(A3’)参照)。その結果得られるレジストパターン層43では、頂面43Tが基板2と反対方向に凸となる曲面をなす。なお、本発明において、レジストパターン層43の頂面43Tが曲面であるとは、頂面43Tが実質的に平面を含まないこと、好ましくは平面を全く含まないことをいい、例えば図1(A3’)に示す頂面43T’のように、平面が実質的に残っている態様は除外される。ここで、実質的に平面を含まないとの文言は、平面を全く含まないことのみを意味するのではなく、平面をわずかに含んでいても、その内容や本質において、平面を含まないと認められることを意味する。つまり、本発明において実質的に平面を含まないとは、後述のエッチング工程(B)でのエッチング非異方性(ドライエッチングにおける異方性の緩和又はウェットエッチングにおける等方性)によって形成される湾曲側面(例えば後述図4(B5)における湾曲側面13)及び尖頂部(例えば後述図4(B5)における尖頂部12)を得ることの妨げにならない程度にしか平面を含まないことを意味する。
また、本発明において、リフロー工程とは、図1(A4)に示す湾曲した頂面43Tが得られるまで熱処理された工程(つまり完全なリフロー工程)をいい、例えば図1(A3’)のように平面が実質的に残っている態様で熱処理を終える工程(つまり不完全なリフロー工程)は除外される。
なお、本発明において、リフロー工程で得られるレジストパターン層43の断面形状としては、頂面が湾曲していればよく、側面形状は特に限定されない。したがって、図1(A4)のレジストパターン層43のように側面が垂直であってもよいし、図(A4’)のレジストパターン層43’のように側面がテーパ状又は湾曲した頂面43T’と一体化していてもよい。
リフロー工程における加熱温度としては、レジストパターン前駆層42を構成する樹脂の軟化点以上であれば特に限定されない。また、加熱時間としては、少なくとも、レジストパターン前駆層42の頂面42Tが曲面である頂面43T又は43T’に変形するまでの間とすることができる。より具体的には、リフロー工程における加熱温度としては、90℃以上〜200℃以下、好ましくは110℃以上〜160℃以下が挙げられ、加熱時間としては、0.1〜10.0分、好ましくは0.5〜5.0分が挙げられる。
本発明において、工程(A)は、図1に示すようにレジストパターン前駆層を形成した後にリフローを行う実施形態に限定されない。図3に、工程(A)の他の実施形態を模式的断面図で示す。図3の実施形態においては、工程(A)がモールド転写工程(図3(A3c))を含む。
図3(A1c)及び図3(A2c)に示す積層体及びその形成方法については、上述の図1(A1)及び(A2)で説明した積層体及びその形成方法と同様である。ただし、図3の実施形態では、リフロー工程を行わないため、レジスト層41の材質としては、図1の実施形態で用いられる樹脂に加え、熱硬化性樹脂も用いることができる。図3(A3c)においては、金型mを用いてレジスト層41をモールド転写する。金型mの形成転写面msは、レジストパターン層43cに対応する形状を有しているため、モールド転写と同時に、頂面43cTが金型基板2と反対側に凸の曲面であるレジストパターン層43cが得られる。これによって、図3(A4c)に示す金型基板積層体30cが得られる。金型基板積層体30cにおけるレジストパターン層43cの頂面43cTの曲面としての態様については、図1の金型基板積層体30におけるレジストパターン層43の頂面43Tと同様である。
[1−2.エッチング工程(B)]
エッチング工程(B)においては、金型基板積層体に、少なくともプラズマ法によるドライエッチングを行う。ドライエッチングの条件としては、通常の異方性エッチングにおける条件を当業者が適宜選択される。例えば、プロセスガスとしては、金型基板積層体の金型基板、マスク層及びレジストパターン層の材質に応じて当業者が適宜決定することができ、たとえば、フッ素系ガス、酸素、アルゴン、ヘリウム、及び窒素等が挙げられる。フッ素系ガスとしては、フッ化物のガスであれば特に限定されず、例えば、CF4、CHF3、CH22、C26、C38、C46、C48、C410、C510、CCl22、CF3I、CF3Br、CHF2COF、CF3COF等のフルオロカーボン;SF6;NF3;BF3等が挙げられる。これらのプロセスガスは、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせ(例えば、一のフッ素系ガスと酸素との組み合わせ、一のフッ素系ガスと他のフッ素系ガスとの組み合わせ、等の任意の組み合わせ)て用いてもよい。つまり、本発明においては、1種又は複数種のフッ素系ガス、酸素、アルゴン、ヘリウム、及び窒素からなる群から選択される少なくとも2種の混合ガスを用いることが好ましい。
プラズマの生成方法としては特に限定されず、例えば、容量結合プラズマ(CCP)法、誘導結合プラズマ(ICP)法、磁気中性線放電(NLD)プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ法等を用いることができる。プラズマを励起する高周波(Radio Frequency;RF)出力及び圧力等は、プラズマ生成方法等に応じて当業者が適宜設定することができる。具体的には、RF出力としては、例えば0.01〜10W/cm2が挙げられ、圧力は、CCP法において例えば50〜250Pa、ICP法およびNLD法において例えば0.5〜10Pa、ECR法において例えば10-3〜10-2Paが挙げられる。エッチング時の温度としても特に限定されないが、例えば−30〜80℃が挙げられ、より好ましくは−30〜25℃が挙げられる。
図4に工程(B)の一実施形態を模式的断面図で示す。図4の実施形態においては、マスク層のエッチング工程(図4(B2)〜図4(B3))と基板のエッチング工程(図4(B4)〜図4(B5))とを含む。図4においては、図1で示した金型基板積層体30を挙げているが、図3で得られた金型基板積層体30c等、他の金型基板積層体についても同様に適用される。
マスク層のエッチング工程では、ドライエッチング法及びウェットエッチング法のいずれを用いてもよい。例えば、マスク層3の材質が酸及び/又はアルカリに難溶である場合、具体的にはマスク層3の材質が金属ケイ化物(好ましくはケイ化タングステン、ケイ化タンタル、ケイ化モリブデン)、二酸化ケイ素等である場合はドライエッチング法を用いることが好ましく、マスク層3の材質が酸及び/又はアルカリに可溶である場合、具体的にはマスク層3の材質がクロム、ニッケル、チタン、金、アルミニウム等である場合、ウェットエッチング法を用いることが好ましい。
マスク層のエッチングにより、金型基板積層体30(図4(B1))のレジストパターン層30及びマスク層3が侵食され、レジストパターン層30の所定のパターンに対応してマスク層3が開口していく(図4(B2))。通常のドライエッチングは異方性(つまりd1方向のみの侵食)であるが、本発明においては、金型基板積層体30のレジストパターン層43の頂面43Tが金型基板2と反対側に凸となる曲面であるため、ドライエッチングにおける異方性が緩和され、d1方向だけでなく、d2方向へも侵食が起こる。また、ウェットエッチングは等方性によって、d1方向及びd2方向への侵食が起こる。マスク層3は、レジストパターン層30の間が最も深く、レジストパターン層30に近いほど浅く、マスク層3の開口壁の断面形状がd1の方向に凸となるように湾曲した形状(図4(B2)中、湾曲矢印参照)の凹部が形成するようにエッチングが進行する。エッチングの進行に伴い、凹部の深度は増加し凹部の開口幅は拡大していく。
マスク層3のエッチングは、図4(B3)に示すように凹部の底が金型基板2に到達するまで進行させる。これによって、残存したマスク層3は、その断面形状が、側面がd1の方向に凸となるように湾曲し(図4(B3)中、湾曲矢印参照)、且つ基板2から遠ざかるほどに幅狭となる変形錐体形状をなす。さらに、図示した態様においては、残存したマスク層3上には、頂面が金型基板2と反対側に凸となる曲面であるレジストパターン層43も残存している。なお、本発明においては、凹部の底が金型基板2に到達した時点でレジストパターン層43が消失していてもよい。本発明においては、図4(B3)の態様において、変形錐体形状のマスク層3における変曲点(図中丸ドット)間の幅w3’が、変形錐体形状のマスク層3の最大幅w3(当該変形錐体形状の底幅に相当)の1/2以下となるように加工されることが好ましい。
マスク層3のエッチング工程においては、異方性を適度に調整したり、反応物の再堆積を抑制する観点から、プロセスガスとして、フッ素系ガスを含む混合ガスを用いることが好ましく、CHF3とSF6とを含む混合ガスがより好ましい。また、フッ素ガスを含む混合ガスには、フッ素系ガスを主成分として、フッ素系ガス以外の副成分を含んでもかまわない。混合ガスに副成分を含む場合、副成分の具体例としては、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。なお、混合ガスにおける主成分とは、混合ガス中で50体積%超を占める成分をいう(以下において同様。なお、ガスが占める体積%は、ガス流入量sccmに比例する。)。当該混合ガス中の副成分の量としては、0.1〜45体積%が挙げられる。
マスク層3のエッチング工程の後、さらに金型基板2のエッチングを行う。金型基板2のエッチング工程では、ドライエッチング法を用いる。金型基板2のエッチング工程においては、図4(B3)に示すように、残存させたレジストパターン層43の頂面が金型基板2と反対側に凸となる曲面であり、且つ、マスク層3の側面もd2方向に凸となるように湾曲しているため、上述と同様に、ドライエッチングにおける異方性が緩和され、d1方向だけでなく、d2方向へも侵食を起こしながら金型基板2が開口する。さらにレジストパターン層30、マスク層3及び金型基板2のエッチング速度の違いも相まって、金型基板2は、開口壁の断面形状がd1の方向に凸となるように湾曲した形状の凹部が形成するようにエッチングが進行する。エッチングの進行に伴い、凹部の深度は増加し凹部の開口幅が拡大していく(図4(B4))。
金型基板2のエッチングは、凹部の深度増加及び凹部の開口幅拡大に伴い隣り合う凹部間のマスク層3が消失し、且つ隣り合う凹部の開口端が接触またはオーバーラップすることで、図4(B5)に示すように先端が先鋭化された微細突部11を形成するまで進行させる。これによって、成形転写面に微細突部11を多数有する転写用金型10が得られる。転写用金型10の成型転写面に形成された微細突部11は、尖頂部12と、微細突部11の内部側に湾曲する湾曲側面13とを含む形状をなす。
金型基板2のエッチング工程におけるプロセスガスとしては、金属基板2の材質に応じたプロセスガスを用いればよいが、金型基板2の切削粉塵の副産物がエッチング面へ再付着することを防止して湾曲側面13を平滑な状態で得る観点から、酸素又は上記のフッ素系ガスを主成分とする混合ガスを用いることが好ましい。酸素を主成分として含む混合ガスは、例えば金型基板2の材質がガラス状炭素である場合における好ましいプロセスガスとして用いることができる。酸素を主成分として含む混合ガス中の副成分のガスの量としては、0.1〜45体積%、好ましくは10〜30体積%、より好ましくは15〜25体積%が挙げられる。上記のフッ素系ガス(好ましくは、SF6)を主成分として含む混合ガスは、例えば金型基板2の材質が炭化ケイ素である場合における好ましいプロセスガスとして用いることができる。フッ素系ガスを主成分として含む混合ガス中の副成分のガスの量としては、0.1〜45体積%、好ましくは20〜45体積%、より好ましくは30〜45体積%、更に好ましくは40〜45体積%が挙げられる。なお、これら混合ガスの副成分としては、アルゴン、ヘリウム等が挙げられ、好ましくはアルゴンが挙げられる。プロセスガスとしてこれらの混合ガスの使用は、微細突部11のピッチp(図5参照)に対して高さh(図5参照)が1倍以上、好ましくは1.2倍以上である場合に好適である。
[1−3.その他]
本発明の本発明の表面微細構造体の転写用金型の製造方法は、上記の工程(A)及び工程(B)の他に、任意の工程を含む。任意の工程としては、エッチング後の成形転写面をコーティングする工程、洗浄工程、アッシング工程等が挙げられる。
エッチング後の成形転写面をコーティングする工程は、湾曲側面13を平滑な状態で得る点で好ましい。特に、金型金属2として炭化ケイ素を用いた場合や、金型基板2のエッチング工程におけるプロセスガスとして上述の混合ガスを用いなかった場合等において好適である。エッチング後の成形転写面をコーティングする工程では、任意のスパッタ法を用い、エッチング後の成形転写面に炭素膜などの薄膜を製膜することができる。スパッタ法としては、例えば高周波(RF)スパッタ法、直流(DC)スパッタ法、イオンビームスパッタ法等が挙げられる。エッチング後の成形転写面をコーティングする工程は、例えば、微細突部11のピッチp(図5参照)に対して高さh(図5参照)が5倍以下である場合に好適である。
[2.表面微細構造体の転写用金型]
本発明の表面微細構造体の転写用金型は、成形転写面に特定形状の微細突部を有する。本発明の表面微細構造体の転写用金型は、上述の「1.表面微細構造体の転写用金型の製造方法」によって得ることができる。図5に、本発明の表面微細構造体の転写用金型の一例を模式的断面図で示す。図5に示すように、本発明の表面微細構造体の転写用金型10は、成形転写面に所定のピッチpで高さhの微細突部11を有しており、微細突部11は、尖頂部12と、微細突部11の内部側に凸となるように湾曲する湾曲側面13とを含む。
微細突部11の所定のピッチpは、隣り合う尖頂部12間の距離であり、且つ、隣り合う凹部の最深部つまり微細突部11の麓部(図中、四角ドットで示す。)間の距離に等しい。所定のピッチpとしては、マイクロメートルスケール以下であれば特に限定されないが、赤外光用の光学素子として好適な転写成形物を得る観点から、たとえば10μm以下、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは6μm以下、一層好ましくは4μm以下、特に好ましくは3μm以下が挙げられる。また、所定のピッチpはその下限において特に限定されるものではないが、赤外光用の光学素子として好適な転写成形物を得る観点から、たとえば100nm以上、好ましくは200nm以上、より好ましくは500nm以上が挙げられる。
微細突部11の高さhは、凹部の最深部つまり微細突部11の麓部(図中、四角ドットで示す。)を基端とする尖頂部12の突出方向高さである。高さhとしては、マイクロメートルスケールであれば特に限定されないが、表面微細構造体を赤外光用の光学素子として得る観点から、たとえば2μm以上である。同様の観点から、高さhとしては、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上、一層好ましくは16μm以上が挙げられる。高さhの上限としては特に限定されず、高さhが大きいほど成形物である表面微細構造体の反射抑制能を良好に得ることができるが、たとえば50μm以下、30μm以下、又は20μm以下が挙げられる。
微細突部11の形状は、尖頂部12と、微細突部11の内部側に凸となるように湾曲する湾曲側面13とを含む限り特に限定されない。また、尖頂部12は、先鋭化された断面形状を有していれば特に限定されない。微細突部11の尖頂部12が先鋭化されていることで、転写成形時に尖頂部12に十分な応力が集中するため、被転写成形材料に対して効率的な穿刺効果を得ることができる。図6に、微細突部11の形状の具体例として微細突部11d(図6(i))及び微細突部11e(図6(ii))の模式的断面図を示す。
図6(i)に示す微細突部11dは、尖頂部12dの微細頂面が平坦となる形状を有している。微細突部11dの好ましい先鋭状態を確保する観点から、微細頂面の幅に相当する長さ、つまり、尖頂部12dの断面における湾曲側面13の変曲点(頂点)ip間の距離Dは、例えばピッチpの10%以下、好ましくは8.5%以下、より好ましくは7%以下、又は、高さhの10%以下、好ましくは8.5%以下、より好ましくは7%以下、である。
図6(ii)に示す微細突部11eは、尖頂部12eの微細頂面が尖頂部12eの突出方向に凸となる曲面をなしている。微細突部11eの好ましい先鋭状態を確保する観点から、尖頂部12dの断面における湾曲側面13の変曲点ip間の距離Dは、例えばピッチpの10%以下、好ましくは8.5%以下、より好ましくは7%以下、又は、高さhの10%以下、好ましくは8.5%以下、より好ましくは7%以下である。また、同様の観点から、当該変曲点ip位置から頂点までの高さhcは、高さhの10%以下、好ましくは8.5%以下、より好ましくは7%以下、又は、ピッチpの10%以下、好ましくは8.5%以下、より好ましくは7%以下である。
微細突部11を構成する湾曲側面13は、微細突部11の断面形状において、向かい合う一対の湾曲側面13間の距離が、微細突部11の先端から基端に向かって漸次幅広となるテーパ状に形成されている。このようなテーパ形状は、被成形材料から転写用金型10を外す時に、微細突部11が抜けやすい点で好ましい。
また、湾曲側面13の表面は、平滑であることが好ましい。具体的には、湾曲側面13の表面は、表面粗さRa(JIS B 0601−2001に規定される算術平均粗さ)が200nm以下である平面の平滑性に相当する平滑性を有していることが好ましい。湾曲側面13が平滑であることは、例えば走査電子顕微鏡(SEM)写真で10000倍で拡大した場合に湾曲側面13の表面に凹凸が視認できない状態をいい、より具体的には、湾曲側面13の表面の10000倍拡大写真と、表面粗さRaが100nm以下である平面の10000倍拡大写真とを比べた場合に、同程度の表面平滑性が視認できる状態であることが好ましい。
微細突部11の三次元的な形状としては、上述の「1.表面微細構造体の転写用金型の製造方法」におけるレジストパターン層43,43cのパターンに応じて決定される。
例えば、上述の図2(A3a)に対応するレジストパターン層を用いて得られたものである場合、図7に示すような模式的形状を有する転写用金型10aが挙げられる。転写用金型10aにおける微細突部11aは、尖頂部12aが湾曲側面13aの稜線をなす尖条形状に形成されており、尖条形状の尖頂部12aが並列するように配列している。
また例えば、上述の図2(A3b)等に対応するレジストパターン層を用いて得られたものである場合、図8の走査電子顕微鏡(SEM)写真に示すような形状を有する転写用金型10bが挙げられる。転写用金型10bにおける微細突部11bは、尖頂部12b(図中、三角ドットで示す。)が湾曲側面13bに取り囲まれた変形錐体状構造を有する。変形錐体構造とは、通常の錐体(角錐体及び円錐体を問わない)の側面が、錐体内部に向かって凸となるように湾曲変形している構造をいう。図8に示した転写用金型10bは、孔が三角格子点状に点在するパターンを有するレジストパターン層を用いて作成されたものであるため、尖頂部12bは、3つの湾曲側面13bに取り囲まれた変形三角錐構造を有する尖柱形状に形成されており、三角格子点状に点在配列している。
また、図8の転写用金型10bを、X面、Y面及びZ面で切断した場合の断面図を、それぞれ、図9(X)、図9(Y)及び図9(Z)に示す。X面及びY面はピッチp方向に平行な面であり、このうち、X面は尖頂部12b(図中三角ドット)を通り、Y面は最近接する尖頂部12b同士を結ぶ尾根の中間(図中丸ドット)を通る面である。Z面は、X面及びY面に直交する面である。図9(X)のX面切断面に示すように、所定のピッチpで微細突部が配列しており、微細突部は、先鋭化された尖頂部12b(図中三角ドット)と、微細突部の内部側に凸となるように湾曲する湾曲側面13bとをなしている。また、図9(Y)のY面切断面に示すように、ピッチp方向に平行且つ最近接する尖頂部12b同士を結ぶ尾根の中間(図中丸ドット)も先端が先鋭化されており、当該先端同士の間も、湾曲側面13bで構成される稜線をなしている。なお、図9(Y)中の四角ドットは転写用金型10bに形成された凹部の最深部つまり微細突部の麓部を示す(隣り合う麓部間のピッチも、図9(X)に示すピッチpに等しい)。したがって、転写用金型10bの微細突部の高さは、図9(Z)のZ面切断面に示すように、凹部の最深部つまり微細突部の麓部(図中四角ドット)を基端とする尖頂部12b(図中三角ドット)の突出方向高さhとなる。また、図9(Z)のZ面切断面に示すように、すべての尖頂部12b(図中三角ドット)同士の間は湾曲側面13bで構成される稜線をなしている。
転写用金型10bのように、成形転写面に尖柱形状の尖頂部12bが点在配列している態様においては、尖頂部12bが尖柱形状となることから、転写成形時に尖頂部12bに応力がより集中するため、被転写成形材料に対してより効率的な穿刺効果を得ることができる。さらに、転写用金型10bのように、尖柱形状の尖頂部12bが変形角錘構造を有する態様においては、尖頂部12b同士の間をなす尾根部もすべて先端が先鋭化されていることから、尖頂部12b以外の部分でも応力集中するため、被転写成形材料に対して非常に効率的な穿刺効果を得ることができる。なお、図示された形態では、尖頂部12bが三角格子点状に配列し、尖頂部12bが変形三角錘構造を有している例を挙げたが、尖頂部12bは四角格子点状に配列していてもよい。尖頂部12bが四角格子点状に配列している場合は、尖頂部12bは変形四角錘構造を有する。
[3.表面微細構造体]
本発明の表面微細構造体は、上述の「2.表面微細構造体の転写用金型」の微細突部の被転写構造を表面に有する。本発明の表面微細構造体は、上述の「2.表面微細構造体の転写用金型」を用いて被転写材料の表面を転写する。図10に、上述の表面微細構造体の転写用金型10を挙げ、表面微細構造体の転写用金型10を用いて表面微細構造体をプレス成形する方法の一例を模式的断面図で示す。
図10(a)に示すように転写用金型10の対を用意し、プレス成形装置に搭載する。転写用金型10間に被転写材料90’を挟み、転写用金型10を加熱し、転写用金型10の温度が被転写材料90’の屈伏点(At)近傍まで昇温すると、プレスを行う。プレス中は、図10(b)に示すように、軟化した被転写材料90’の表面に転写用金型10の成形転写面の微細突部11が穿刺し、被転写材料90’内に陥入していく。本発明の転写用金型10の微細突部11は尖頂部12が先鋭化されていることから、尖頂部12に効率的に応力が集中するため、良好な穿刺効果を得ることができる。
プレス時の温度としては、At−20〜At+40(℃)の範囲が挙げられる。穿刺時の被転写材料90’への負担を低減する観点から、プレス時の好ましい温度としては、At+6〜At+40(℃)が挙げられ、好ましくはAt+8〜At+40(℃)、より好ましくはAt+10〜At+40(℃)が挙げられる。当該好ましい温度を下回る場合は、プレス圧を低減することなどによって被転写材料90’への負担を低減することができる。さらに、冷却後の転写用金型10の離形性をより良好に得る観点、及び/又は、被転写材料90’の熱変性を抑制する観点から、プレス時の好ましい温度としては、At−20〜At+20(℃)が挙げられ、より好ましくはAt−20〜At+15(℃)が挙げられる。当該好ましい温度を上回る場合は、プレス圧を低減したりプレス時間を短くしたりすることで、離形性及び/又は被転写材料90’の熱変性抑制性を向上させることができる。なお、屈伏点Atは、熱機械分析装置(TMA:Thermo Mechanical Analysis)を用いて、低温から昇温して被転写材料90’の膨張を測定する際に、膨張が止まり、次に収縮が始まる温度(℃)と定義される。
また、上述のように良好な穿刺効果が得られるため、微細突部11を被転写材料90’内に完全陥入(図10(c))させるまでに要するプレス時間を大幅に短縮することができる。具体的なプレス時間としては、例えば10〜180秒、好ましくは10〜150秒、より好ましくは10〜120秒が挙げられる。微細突部11を被転写材料90’内に完全陥入(図10(c))させた後、転写用金型10を被転写材料90’のガラス転移点付近まで冷却し、圧力を開放し、さらに室温まで冷却した後に転写用金型10を外すことで、表面微細構造体90を取り出すことができる(図10(d))。本発明の転写用金型10の微細突部11は湾曲側面13がテーパ状をなしているため、転写用金型10を外す時においても容易に被転写材料90’から微細突部11を抜きやすい点でも好ましい。
さらに、プレス時の圧力(プレス圧)としては、例えば0.1〜20MPaが挙げられる。良好な穿刺効果を得る観点等から、好ましいプレス圧としては、4〜20MPa、より好ましくは5〜20MPaが挙げられる。また、穿刺時の被転写材料90’への負担を低減する観点等から、好ましいプレス圧としては、2〜10MPa、より好ましくは2〜8MPa、さらに好ましくは2〜6MPaが挙げられる。
プレス後は冷却を行う。冷却の速度は、ガラス内部に残留応力を発生させない観点から、プレス時の温度からガラス転移点までは、好ましくは15℃/分以下、好ましくは13℃/分以下、より好ましくは10℃/分以下とすることができる。プレス時の温度からガラス転移点までの冷却速度の下限としては特に限定されないが、例えば3℃/分以上が挙げられる。ガラス転移点から室温までは、自然に冷却することができる。
図10(d)に示すように、表面微細構造体90の表面の被転写構造は、所定のピッチp’で高さh’の微細突部91を有している。微細突部91は、転写用金型10の凹部に対応した構造を有しており、側面が外側に膨出するように湾曲した変形円錐形状をなしている。表面微細構造体90におけるピッチp’及び高さh’は、それぞれ、上述の転写用金型10におけるピッチp及び高さhに対応する。表面微細構造体90におけるピッチp’は、表面微細構造体90の材質と転写金型10の材質との間の熱膨張係数の違いに由来する微差範囲内で、上述の転写用金型10におけるピッチpと近似する。表面微細構造体90における高さh’は、プレス圧や時間等にも因るが、表面微細構造体90の材質の成形時の弾性力により、転写用金型10における高さhよりも低くなる場合がある。
具体的には、表面微細構造体90におけるピッチp’としては、マイクロメートルスケール以下であれば特に限定されず、赤外光用の光学素子として好適な転写成形物を得る観点から、たとえば10μm以下、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは6μm以下、一層好ましくは4μm以下、特に好ましくは3μm以下が挙げられる。また、ピッチp’はその下限において特に限定されるものではないが、赤外光用の光学素子として好適な転写成形物を得る観点から、たとえば100nm以上、好ましくは200nm以上、より好ましくは500nm以上が挙げられる。また、表面微細構造体90における高さh’としては、例えば0.27μm以上、好ましくは0.6μm以上、さらに好ましくは0.7μm以上、一層好ましくは0.75μm以上が挙げられる。高さhの上限としては特に限定されず、高さh’が大きいほど表面微細構造体90の反射抑制能を良好に得ることができるが、たとえば50μm以下、30μm以下、又は20μm以下が挙げられる。
被転写材料は、透光性を有する材料であることが好ましい。透光性を有する材料としては、たとえば、ガラス、セラミックス、及び樹脂が挙げられる。本発明においては、転写用金型10の微細突部11の尖頂部12が先鋭化されていることから、軟化した被転写材料に対して良好な穿刺効果を得ることができるため、被転写材料が、軟化状態における粘度が高いガラスである場合に特に有用である。さらに、本発明では、微細突部91の高さhが赤外線波長に相当する高さで表面微細構造体90を作成することができるため、ガラスが赤外線透過性ガラスであることがより好ましい。赤外線透過性ガラスとしては、カルコゲナイドガラスが挙げられる。
表面微細構造体90は、赤外光用の光学素子として使用されることが好ましい。赤外光用の光学素子の具体例としては、ナイトビジョン、サーモグラフィー、赤外線センサの窓材、レンズ、及び偏光子等が挙げられる。表面微細構造体90が赤外光用の光学素子である場合、微細凹凸状の被転写構造は反射防止構造として機能する。転写用金型10の微細突部11のピッチp(図5参照)に対する高さhの比(h/p)が1以上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは5.2以上である場合、そのような転写用金型10によって得られる表面微細構造体90は、赤外光に対し表面での反射を制御することができる光学素子としてより好適に使用することができる。ここで、h/p比の上限としては特に限定されず、h/p比が大きいほど成形物である表面微細構造体90の反射抑制能を良好に得ることができるが、たとえば8以下、6以下、又は3以下が挙げられる。表面微細構造体90におけるピッチp’の範囲としては、転写用金型10におけるピッチpと同様の範囲が挙げられる。また、表面微細構造体90におけるピッチp’に対する高さh’の比(h’/p’)としては、例えば0.2以上、好ましくは0.23以上、より好ましくは0.24以上が挙げられる。h’/p’比の上限としては特に限定されず、大きいほど表面微細構造体90の反射抑制能を良好に得ることができるが、例えば2.0以下、1.5以下、1.0以下、又は0.8以下が挙げられる。
また、上記赤外光としては、例えば2μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上の波長の光が挙げられ、より具体的には、例えば2〜15μm、好ましくは5〜15μm、より好ましくは7〜13μm、更に好ましくは8〜12μmの波長の光が挙げられる。表面微細構造体90の10μm赤外光の透過率としては、例えば53%以上、好ましくは68%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは72%以上、一層好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]転写用金型1の作製
金型基板としてガラス状炭素基板(東海ファインカーボン社製、品番GC−20、かさ密度1.7g/cm3、25mm×25mm)を用意した。ガラス状炭素基板の表面に、ケイ化タングステンをスパッタ法により1200nm厚で製膜し、マスク層を得た。製膜したマスク層上に、ノボラック樹脂系レジストであるAZ−6130(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を毎分5000回転、30秒でスピンコートし、1.2μm厚のレジスト層を得た。マスクアライナー(露光孔直径5μm、8μmピッチの三角格子点配列型)をフォトマスクとして使用し、レジスト層にフォトマスクのパターンが移ったレジストパターン前駆層を得た(レジストパターン前駆層形成工程)。レジストパターン前駆層が得られた積層体をオーブンに投入し、135℃で30秒加熱し、頂面が曲面となったレジストパターン層を得た(リフロー工程)。
得られたレジストパターン層を有する積層体を、プラズマエッチング法で、SF6ガス20sccm及びCHF3ガス10sccmを含む混合ガスをプロセスガスとするマスク層のエッチングに供した。
さらに、同じプラズマエッチング法及び同じエッチング温度にて、酸素ガス4sccm及びArガス1sccmを含む混合ガスをプロセスガスとする金型基板のエッチングを行った。
得られた転写用金型について、電子顕微鏡(日本電子、JSM−6510)を用いて加速電圧20kVで観察したSEM写真(倍率1000倍)を図11に示す。図11に示すように、先鋭化された尖頂部が形成された微細突部(高さ10μm)を8μmピッチパターン(高さh/ピッチp比は1.25)で有する転写用金型1が得られた。
[実施例2]転写用金型1を用いた表面微細構造体の作製
実施例1で得られた転写用金型1を用い、被成形材料としてカルコゲナイドガラス(元素組成Ge20Sb15Se65、Optocreate社製、品番KG-1、φ5.5mm、高さ6.0mmの円柱形、TMA装置によって測定される屈伏点Atは298℃)を用い、カルコゲナイドガラスの表面を転写成形した。具体的には、まず、被成形材料を真空中で313℃(At+15℃)に昇温して加熱した。次に、当該温度条件を保ったまま、被成形材料を、一方の底面側に対して実施例1で得られた転写用金型1と、他方の底面側に対して平面金型とを用いて挟みこみ、プレス圧6MPaで10秒プレスした。抜圧後10℃/分でガラス転移点まで、その後は自然に室温に冷却した後、転写成形した厚さ約0.8mmの板状の表面微細構造体を得た。得られた表面微細構造体のSEM写真(倍率1000倍)を図12に示す。さらに、厚み方向に一部切り欠いて断面を露出させた表面微細構造体のSEM写真(倍率4300倍)を図13に示す。表面微細構造体の高さh’/ピッチp’比は0.8であった。得られた表面微細構造体について、赤外領域の透過率をFT−IR(Nicolet、Avator360)を用い、透過スペクトルを得た。得られた透過スペクトルを図14に示す。図14に示すように、16μm以上の波長で透過率の上昇が確認された。なお、破線で示されるスペクトルは、表面微細構造を有さない平滑な両面を有する厚さ0.8mmの同素材のガラスについての透過スペクトルである(以下の実施例においても同様)。なお、図14において、10μmにおける透過率は54.8%であった。
[実施例3]転写用金型2の作製
レジストパターン前駆層形成工程におけるフォトマスクとして、露光孔直径1.5μm、3μmピッチの三角格子点配列型のマスクアライナー用いたことを除いて、実施例1と同様にして転写用金型を作成した。転写用金型は、同様の方法で2個(つまり、転写用金型2(表用)と転写用金型2(裏用)との一対の金型)作成した。
得られた一対の転写用金型2それぞれについて、電子顕微鏡(日本電子、JSM−6510)を用いて加速電圧20kVで観察したSEM写真(倍率2500倍)を、図15(表用)及び図16(裏用)に示す。図15及び図16に示すように、先鋭化された尖頂部が形成された微細突部(高さ5μm)を3μmピッチパターン(高さh/ピッチp比は1.67)で有する一対の転写用金型2が得られた。
[実施例4]転写用金型2を用いた表面微細構造体の作製1
被成形材料としてカルコゲナイドガラス(元素組成Ge20Sb15Se65、Optocreate社製、品番KG-1、φ5.5mm、高さ6.0mmの円柱形、TMA装置によって測定される屈伏点Atは298℃)を用い、カルコゲナイドガラスの表面を転写成形した。具体的には、まず、被成形材料を真空中で308℃(At+10℃)に昇温して加熱した。次に、当該温度条件を保ったまま、被成形材料を、一方の底面側に対して実施例3で得られた表用の転写用金型2と、他方の底面側に対して裏用の転写用金型2とを用いて挟みこみ、プレス圧6MPaで110秒プレスした。抜圧後10℃/分でガラス転移点まで、その後は自然に室温に冷却した後、転写成形した厚さ約0.8mmの板状の表面微細構造体を得た。得られた表面微細構造体の表面のSEM写真(倍率2500倍)を図17に、裏面のSEM写真(倍率2500倍)を図18に示す。表面微細構造体の高さh’/ピッチp’比は0.25であった。得られた表面微細構造体について、赤外領域の透過率をFT−IR(Nicolet、Avator360)を用い、透過スペクトルを測定したところ、7μm以上の波長で透過率の上昇が確認された。
[実施例5]転写用金型2を用いた表面微細構造体の作製2
被成形材料としてカルコゲナイドガラス(元素組成Ge28Sb12Se60、Optocreate社製、品番KG−2、φ5.5mm、高さ6.0mmの円柱形、TMA装置によって測定される屈伏点Atは℃)を用い、カルコゲナイドガラスの表面を転写成形した。具体的には、まず、被成形材料を真空中で315℃(At+10℃)に昇温して加熱した。次に、当該温度条件を保ったまま、被成形材料を、一方の底面側に対して実施例3で得られた表用の転写用金型2と、他方の底面側に対して裏用の転写用金型2とを用いて挟みこみ、プレス圧5MPaで100秒プレスした。抜圧後10℃/分でガラス転移点まで、その後は自然に室温に冷却した後、転写成形した厚さ約0.8mmの板状の表面微細構造体を得た。得られた表面微細構造体を厚み方向に一部切り欠いて断面を露出させた表面微細構造体の表面側のSEM写真(倍率13000倍)を図19に、裏面のSEM写真(倍率2500倍)を図20に示す。得られた表面微細構造体について、赤外領域の透過率をFT−IR(Nicolet、Avator360)を用い、透過スペクトルを得た。得られた透過スペクトルを図21に示す。図21に示すように、7μm以上の波長で透過率の上昇が確認された。なお、図21において、10μmにおける透過率は80.3%であった。
[実施例6]転写用金型3の作製
露光孔直径を、表面に対しては1.8μm、裏面に対しては1.6μmとしたことを除き、実施例3の転写用金型2と同様の操作を行い、転写用金型3を作製した。
得られた一対の転写用金型3それぞれについて、電子顕微鏡(日本電子、JSM−6510)を用いて加速電圧20kVで観察したSEM写真(倍率2500倍)を、図22(表用)及び図23(裏用)に示す。図22及び図23に示すように、先鋭化された尖頂部が形成された微細突部(高さ5μm)を3μmピッチパターン(高さh/ピッチp比は1.67)で有する一対の転写用金型3が得られた。
[実施例7]転写用金型3を用いた表面微細構造体の作製1
被成形材料としてカルコゲナイドガラス(元素組成Ge20Sb15Se65、Optocreate社製、品番KG-1、φ5.5mm、高さ6.0mmの円柱形、TMA装置によって測定される屈伏点Atは298℃)を用い、カルコゲナイドガラスの表面を転写成形した。具体的には、まず、被成形材料を真空中で308℃(At+10℃)に昇温して加熱した。次に、当該温度条件を保ったまま、被成形材料を、一方の底面側に対して実施例6で得られた表用の転写用金型3と、他方の底面側に対して裏用の転写用金型3とを用いて挟みこみ、プレス圧5MPaで100秒プレスした。抜圧後10℃/分でガラス転移点まで、その後は自然に室温に冷却した後、転写成形した厚さ約0.8mmの板状の表面微細構造体を得た。得られた表面微細構造体の表面のSEM写真(倍率2500倍)を図24に、裏面のSEM写真(倍率2500倍)を図25に示す。表面微細構造体の高さh’/ピッチp’比は0.25弱であった。得られた表面微細構造体について、赤外領域の透過率をFT−IR(Nicolet、Avator360)を用い、透過スペクトルを得た。得られた透過スペクトルを図26に示す。図26に示すように、7μm以上の波長で透過率の上昇が確認された。なお、図26において、10μmにおける透過率は80.4%であった。
[実施例8]転写用金型4の作製
金型基板として炭化ケイ素基板(東海ファインカーボン社製、品番ソリッドSiC(Tra)、かさ密度3.14g/cm3)を用意した。炭化ケイ素基板の表面に、クロムをスパッタ法により500nm厚で製膜し、マスク層を得た。製膜したマスク層上に、ナフトキノンジアジド系レジストであるAZ-1500(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を毎分3000回転、30秒でスピンコートし、1.1μm厚のレジスト層を得た。マスクアライナー(露光孔直径8μm、12μmピッチの三角格子点配列型)をフォトマスクとして使用し、レジスト層にフォトマスクのパターンが移ったレジストパターン前駆層を得た(レジストパターン前駆層形成工程)。レジストパターン前駆層が得られた積層体をオーブンに投入し、130℃で60秒加熱し、頂点面が曲面となったレジストパターン層を得た(リフロー工程)。
得られたレジストパターン層を有する積層体を、ウエットエッチング液(関東化学製、Cr混酸エッチング液)に室温で5分間浸漬してマスク層のエッチングを行い、その後純水にて洗浄を行った。
さらに、プラズマエッチング法で、SF6ガス25sccm及びArガス20sccmを含む混合ガスをプロセスガスとする金型基板のエッチングを行った。
得られた転写用金型4のSEM写真(倍率1000倍)を図27に示す。図27に示すように、先鋭化された尖頂部が形成された微細突部(高さ16μm)を3μmピッチパターン(高さh/ピッチp比は5.33)で有する転写用金型4が得られた。
[比較例1]
リフロー工程の加熱時間を30秒に変更したことを除いて、実施例3と同様にして転写用金型を得た。加熱時間が不足していたため、レジストパターン層の頂面が曲面とならず、当該頂面には平面が実質的に残存した。つまり、所定のリフロー工程は行われなかった。得られた転写用金型のSEM写真(倍率2500倍)を図28に示す。図28に示されるように、比較例1で得られた転写用金型は、所定のリフロー工程が行われなかったため、先鋭化された尖頂部が形成されず、丸みを帯びた頂部が形成された。
[比較例2]
リフロー工程を行わなかったことを除いて、実施例1と同様にして転写用金型を得た。得られた転写用金型のSEM写真(倍率5000倍)を図29(a)に示し、図29(a)の部分拡大SEM写真(倍率40000倍)を図29(b)に示す。図29(a)に示されるように、比較例2で得られた転写用金型は、リフロー工程が行われなかったため、先鋭化された尖頂部が形成されず、頂部は平坦面を形成した。更に、図29(b)に示されるように、当該平坦面は、サブミクロンサイズの突起構造(数100nm)を有する粗面を成していた。
[比較例3]
比較例2で得られた転写用金型を用い、被成形材料としてリン酸塩ガラス(K−PSK200、住田光学製、φ10mm)の表面を転写成形した。具体的には、410℃に昇温し、プレス厚0.6kNで240秒プレスした。室温に冷却した後、転写成形した面微細構造体を得た。得られた表面微細構造体のSEM写真(倍率10000倍)を図30に示す。図30は、図29(b)に相当する部分の転写面であり、このように荒れた表面を有する転写成形体が得られた。
なお、以上の実施例で得られた転写用金型1〜4は、いずれの微細突部の形状も、図5、図6(i)、図6(ii)のいずれかを満たしていたことを確認した。
本発明によって、成形転写面の凸部の形状を先鋭化させた、表面微細構造体の転写用金型が提供される。また、当該転写用金型を用いて得られる、前記微細突部の被転写構造を表面に有する表面微細構造体は、ナイトビジョン、サーモグラフィー、赤外線センサの窓材、レンズ、及び偏光子等の光学素子として好適である。特に、当該転写用金型を用いて得られる表面微細構造体は、赤外光(例えば2μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上の波長の光が挙げられ、より具体的には、例えば2〜15μm、好ましくは5〜15μm、より好ましくは7〜13μm、更に好ましくは8〜12μmの波長の光)に対する反射防止能を有する点で優れている。具体的に、当該表面微細構造体の10μm赤外光の透過率としては、例えば53%以上、好ましくは68%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは72%以上、一層好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上が挙げられる。
10,10a,10b…表面微細構造体の転写用金型
11,11a,11b,11d,11e…微細突部
12,12a,12b,12d,12e…尖頂部
13,13a,13b…湾曲側面
h…(微細突部の)高さ
2…金型基板
3…マスク層
41…レジスト層
42,42a,42b…レジストパターン前駆層
43,43’,43c…レジストパターン層
43T,43T’,43cT…(レジストパターン層の)頂面
30,30c…金型基板積層体
(A1)〜(A4),(A3)〜(A4’)(A1c)〜(A4c)…金型基板積層体形成工程(A)
(A1)〜(A3)…レジストパターン前駆層形成工程
(A3)〜(A4),(A3)〜(A4’)…リフロー工程
(A3c)…モールド転写工程
(B2)〜(B5)…エッチング工程(B)
ms…(レジストパターン層の)成形転写面
m…(レジストパターン層の成形転写面を有する)金型
90’…被転写材料
90…表面微細構造体

Claims (15)

  1. 金型基板とマスク層とレジストパターン層とをこの順で有し、且つ前記レジストパターン層の頂面が前記基板と反対側に凸となる曲面である金型基板積層体を形成する金型基板積層体形成工程(A)と、
    前記金型基板積層体にエッチングを行い、前記金型基板に表面微細構造体の成形転写面を形成するエッチング工程(B)と、
    を含む、表面微細構造体の転写用金型の製造方法。
  2. 前記金型基板積層体形成工程(A)が、
    前記マスク層の表面にレジスト層を形成し、前記レジスト層の一部を所定のパターンで残存させることでレジストパターン前駆層を形成するレジストパターン前駆層形成工程、及び
    加熱処理によって前記レジストパターン前駆層の頂面を前記基板と反対側に凸の曲面にするリフロー工程
    を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記金型基板積層体形成工程(A)が、前記レジストパターン層の成形転写面を有する金型を用いて、前記マスク層の表面に前記レジストパターン層を転写するモールド転写工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記金型基板がガラス状炭素からなり、前記マスク層が金属ケイ化物からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記金型基板が炭化ケイ素からなり、前記マスク層が金属からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記エッチング工程(B)において、1種又は複数種のフッ素系ガス、酸素、アルゴン、ヘリウム、及び窒素からなる群から選択される少なくとも2種の混合ガスを用いてエッチングを行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 成形転写面に微細突部を有する、表面微細構造体の転写用金型であって、
    前記微細突部が、尖頂部と、前記微細突部の内部側に湾曲する湾曲側面とを含む、表面微細構造体の転写用金型。
  8. 前記微細突部の高さが2μm以上である、請求項7に記載の転写用金型。
  9. 前記微細突部が、前記尖頂部が前記湾曲側面に取り囲まれた変形錐体状構造を有する、請求項7又は8に記載の転写用金型。
  10. 前記尖頂部が三角格子点状又は四角格子点状に配列している、請求項9に記載の転写用金型。
  11. 被転写材料がガラスである、請求項7〜10のいずれか1項に記載の転写用金型。
  12. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の転写用金型の前記微細突部の被転写構造を表面に有する、表面微細構造体。
  13. ガラスで構成される、請求項12に記載の表面微細構造体。
  14. 前記ガラスが赤外線透過性ガラスである、請求項13に記載の表面微細構造体。
  15. 赤外光用の光学素子である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の表面微細構造体。
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