JP2019214325A - 駆動ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
最初に、車両に設けられた懸架装置1について説明する。図1に示すように、懸架装置1は、駆動ユニット10を介して車輪2を支持するための装置である。懸架装置1は、互いに上下に離間して配置されるアッパアーム3及びロアアーム4と、アッパアーム3の上方に設けられるスプリング5及びダンパ6とを備えている。
本実施形態では、駆動ユニット10を支持するため、アッパアーム3の左端部に、前後方向中央部が切り欠かれて平面視で凹状の凹部3aが形成されている(図2A参照)。また、ロアアーム4の上面に、下方に窪む窪み4aが形成されている(図2B参照)。
図1に示すように、駆動ユニット10は、車輪2の駆動力を生成する駆動モータ20(第1駆動モータ21,第2駆動モータ22)と、駆動モータ20の出力軸の回転速度を減速させて車輪2に伝達する減速機30と、車輪2に制動力を付与するブレーキユニット50と、転舵用モータ62を有し減速機30を回動させて車輪2を転舵させる転舵ユニット60とを備えている。
減速機用ハウジング31の上面には、上方に延出する上側連結部32が設けられている。なお、上側連結部32は、減速機用ハウジング31の上面に設置された転舵ユニット60により支持されている。また、減速機用ハウジング31の下面には、下方に延出する下側連結部33が設けられている。
以上から、駆動ユニット10は、アッパアーム3及びロアアーム4の左端側に支持され、車体の車幅方向外側寄りに配置されている。
出力軸36の左端には、着脱自在にホイール7のハブ7bが連結している。よって、車輪2は、出力軸36と一体になっており、出力軸36の中心軸O2(図3参照)回りに回転可能に支持されている。
図3に示すように、出力軸36は、減速機用ハウジング31の左側面を貫通するとともに回動自在に減速機用ハウジング31に支持されている。出力軸36の右端には、複合型遊星歯車機構38の後述する第2サンギヤ46が形成されている。
なお、複合型遊星歯車機構38の詳細については後述する。
第1遊星歯車機構40は、出力軸36と同軸上に配置された第1サンギヤ41と、中間円形板39の右側に固定された第1インタナルギヤ42と、第1サンギヤ41と第1インタナルギヤ42との間に介在する複数の第1プラネタリギヤ43とを備えている。
第1サンギヤ41の右面には、右方に延出する延出部41aと、第1駆動ギヤ23と噛合する第1伝達用ギヤ44が設けられている。各第1プラネタリギヤ43は、後述する伝達板26の図示しないピンに軸支され、中心軸P1回りに回転自在となっている。
第2遊星歯車機構45は、出力軸36の右端に一体に形成された第2サンギヤ46と、減速機用ハウジング31に固定された第2インタナルギヤ47と、第2サンギヤ46と第2インタナルギヤ47との間に介在する複数の第2プラネタリギヤ48とを備えている。
各第2プラネタリギヤ48は、中間円形板39に設けられた図示しないピン(図3においてピンの中心軸P2のみ図示)に軸支され、中心軸P2回りに回転自在となっている。
ウォームホィール63bの上面には、後述する転舵用サンギヤ66を支持する円形状の支持板64が固定されている。この支持板64の上面には、特に図示しないが上方に突出する複数のピン(図4においてピンの中心軸P3のみ図示)が設けられている。
車両の高速走行時、第1駆動モータ21のみが作動するように構成されている。これによれば、第1サンギヤ41が回転し、各第1プラネタリギヤ43が図示しないピンの中心軸P1回りに回転(自転)し、第1インタナルギヤ42(中間円形板39)が回転する。そして、中間円形板39が回転すると、各第2プラネタリギヤ48は、出力軸36の中心軸O2回りに移動(公転)するとともに、図示しないピンの中心軸P2回りに回転(自転)し、第2サンギヤ46及び出力軸36が回転する。これにより、出力軸36と一体な車輪2が転動し、車両が前進する。
転舵用モータ62が作動すると、ウォームギヤ63により減速されて支持板64が回転する。これにより、複数の転舵用プラネタリギヤ68は、上側連結部32の中心軸O1回りに移動(公転)しながら、図示しないピンの中心軸P3回りに回転(自転)する。ここで、転舵用サンギヤ66は、上側連結部32と一体に形成されて中心軸O1回りに回転しないため、転舵用インタナルギヤ67及び転舵用ハウジング61が中心軸O1回りに回動する。これに伴い、転舵用ハウジング61と一体となっている減速機30(駆動ユニット10)が中心軸O1回りに回動し車輪2が転舵する。
また、ホイール7内に駆動モータ20を配置しないため、スペースが形成されるところ、本実施形態において、そのスペースに汎用品であるブレーキユニットを配置している。よって、第1実施形態の駆動ユニット10によれば、汎用品のブレーキユニットも利用でき、コストが低減される。
また、本実施形態の減速機30は、2つの第1駆動モータ21,第2駆動モータ22を備え、車両の走行状態に応じて車輪2を駆動させるトルクを調整することができる。
次に第2実施形態について説明する。
図5に示すように、第2実施形態の懸架装置101は、互いに上下に離間して配置されるアッパアーム103及びロアアーム104と、スプリング105が一体に設けられたダンパ106とを備えている。
図6に示すように、アッパアーム103は、互いに前後方向に離間した一対のアーム103a,103aにより構成されている。そして、一対のアーム103a,103aの間であって左端側には、後述する転舵ユニット160が配置されている。
図5に示すように、ダンパ106は、一対のアーム103a,103aの間を通過してアッパアーム103よりも下方に延出している。そして、ダンパ106の下端は、ボールジョイント108を介して後述する減速機用ハウジング131の上面と連結している。
以上から、駆動ユニット10は、アッパアーム103及びロアアーム104の左端側に支持され、車体の車幅方向外側寄りに配置されている。
出力軸136の左端には、着脱自在にホイール107のハブ107bが連結している。よって、車輪102は、出力軸136と一体になっており、出力軸136の中心軸O12(図7参照)回りに回転可能に支持されている。
図7に示すように、出力軸136は、減速機用ハウジング131の左側面を貫通するとともに、回動自在に減速機用ハウジング131に支持されている。出力軸136の右端には、複合型遊星歯車機構138の後述する第2サンギヤ146が形成されている。
ブレーキユニット150は、出力軸136に固定されたブレーキディスク151と、減速機用ハウジング131の左側面に固定されたブレーキキャリパ152と、を備えており、減速機用ハウジング131の左側面の左方に配置されている。
なお、第2遊星歯車機構145は、第1実施形態で説明した第2遊星歯車機構45と同一構成のため詳細な説明を省略する。
第1サンギヤ141の右面には、右方に延出する延出部141aと、第1駆動ギヤ123と噛合する第1伝達用ギヤ144が設けられている。各第1プラネタリギヤ143は、中間円形板139の図示しないピンに軸支され、中心軸P11回りに回転自在となっている。
図6に示すように、転舵ユニット160は、一対のアーム103a,103aの間に配置された箱状の転舵用ハウジング161と、転舵用モータ162(図5参照)と、ウォームギヤ163と、転舵用遊星歯車機構165と、を備えている。
転舵用ハウジング161は、下壁に貫通孔161aが形成され、その貫通孔161a内に上側連結部132の上部が挿入されている。転舵用モータ162は、転舵用ハウジング161の左側面に固定されている(図5参照)。
ウォームホィール163bの下面には、後述する転舵用サンギヤ166を支持する円形状の支持板164が固定されている。この支持板164の下面には、特に図示しないが下方に突出する図示しないピン(図6において中心軸P13のみ図示)が設けられている。
一方で、ボールジョイント108の図示しない球体の中心と、球体135の中心は、ウォームホィール163bの中心軸O11上に位置している。
車両の高速走行時、第1駆動モータ121のみが作動するように構成されている。これによれば、第1サンギヤ141が回転し、各第1プラネタリギヤ143は、図示しないピンの中心軸P11回りに回転(自転)しながら中心軸O12回りに移動(公転)し、中間円形板139が回転する。そして、中間円形板139が回転すると、各第2プラネタリギヤ148は、出力軸136の中心軸O12回りに移動(公転)するとともに、図示しないピンの中心軸P12回りに回転(自転)し、第2サンギヤ146及び出力軸136が回転する。これにより、出力軸136と一体な車輪102が転動し、車両が前進する。
転舵用モータ162が作動すると、ウォームギヤ163により減速されて支持板164が回転する。これにより、各転舵用プラネタリギヤ168は、ウォームホィール163bの中心軸O11回りに移動(公転)しながら、図示しないピンの中心軸P13回りに回転(自転)する。この結果、転舵用サンギヤ166が中心軸O11回りに回動する。そして、上側連結部132を介して転舵用サンギヤ166と連結する減速機130(駆動ユニット110)は、転舵軸(中心軸O11)回りに回動し、車輪102が転舵する(図8A,図8B参照)。
また、ホイール107内に駆動モータ120を配置しないため、汎用品のブレーキユニット150を利用できるスペースが確保され、コストが低減される。
また、本実施形態の減速機130は、2つの第1駆動モータ121,第2駆動モータ122を備え、車両の走行状態に応じて車輪102を駆動させるトルクを調整することができる。よって、高トルクを出力でき、車輪102を安定して駆動させることができる。
また、上記したように車輪102を円滑な転舵させることが可能である。
各実施形態の減速機30,130は、左部のみがホイール7,107内に収容されるように配置されているが、減速機30,130の全てがホイール7,107内に配置されていてもよい。
また、各実施形態の駆動モータ20,120や転舵用モータ62,162を覆うカバーを備えてもよい。
また、本発明の減速機は、駆動モータのトルクを高めることができればよく、実施形態で説明した遊星歯車機構を利用した減速機30,130に限定されない。
なお、図9に示す第2遊星歯車機構245は、中間円形板239と一体に形成された第2サンギヤ246と、減速機用ハウジング231に固定された第2インタナルギヤ247と、第2サンギヤ246と第2インタナルギヤ247との間に介在する複数の第2プラネタリギヤ248と、を備えている。
各第2プラネタリギヤ248は、出力軸236の右端に一体に形成された伝達板237に設けられた図示しない複数のピン(図9において中心軸P21のみ図示)に軸支されている。この第2遊星歯車機構245によれば、中間円形板239の回転速度をさらに減速できる。
また、実施形態の転舵ユニット60,160は、単一の転舵用モータ62,162から構成されているが、転舵ユニット60,160の転舵用遊星歯車機構65,165に代えて、複合型遊星歯車機構38,138を適用し、さらに2つの転舵用モータを備えるように構成してもよい。
このような変形例によれば、車輪2,102の転舵させるトルクを可変とすることができ望ましい。
2,102 車輪
3,103 アッパアーム
4,104 ロアアーム
5,105 スプリング
6,106 ダンパ
7,107 ホイール
108 ボールジョイント
10,110 駆動ユニット
20,120 駆動モータ
21,121 第1駆動モータ
22,122 第2駆動モータ
30,130 減速機
31,131 減速機用ハウジング
32,132 上側連結部
33,133 下側連結部
36,136 出力軸
38,138 複合型遊星歯車機構
39,139 中間円形板
40,140 第1遊星歯車機構
45,145,245 第2遊星歯車機構
50,150 ブレーキユニット
60,160 転舵ユニット
61,161 転舵用ハウジング
62,162 転舵用モータ
63,163 ウォームギヤ
65,165 転舵用遊星歯車機構
Claims (6)
- 懸架装置に支持されて車輪近傍に配置される駆動ユニットであって、
駆動力を生成する駆動モータと、前記駆動モータの出力軸の回転速度を減速させて前記車輪に伝達する減速機と、前記車輪に制動力を付与するブレーキユニットと、を備え、
前記減速機は、少なくとも一部が前記車輪のホイール内に配置され、
前記駆動モータは、前記減速機に対し車幅方向内側に固定されて前記ホイール外に位置し、
前記ブレーキユニットは、前記減速機に対し車幅方向外側に設けられて前記ホイール内に位置していることを特徴とする駆動ユニット。 - 2つの前記駆動モータを備え、
前記減速機は、遊星歯車機構を有し、
前記2つの駆動モータのうち一方は、前記遊星歯車機構のサンギヤと接続し、
前記2つの駆動モータのうち他方は、前記遊星歯車機構のプラネタリギヤと接続していることを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。 - 2つの前記駆動モータを備え、
前記減速機は、遊星歯車機構を有し、
前記2つの駆動モータのうち一方は、前記遊星歯車機構のサンギヤと接続し、
前記2つの駆動モータのうち他方は、前記遊星歯車機構のインタナルギヤと接続していることを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。 - 前記減速機は、前記懸架装置に回動自在に支持され、
転舵用モータを有し前記減速機を回動させて前記車輪を転舵させる転舵ユニットを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動ユニット。 - 前記懸架装置は、ボールジョイントを介して前記減速機と連結するダンパを備え、
前記ボールジョイントの回転中心は、転舵軸上に位置していることを特徴とする請求項4に記載の駆動ユニット。 - 前記転舵ユニットは、前記転舵用モータの出力軸の回転速度を減速するウォームギヤ減速機を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の駆動ユニット。
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2018
- 2018-06-13 JP JP2018113175A patent/JP7186020B2/ja active Active
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