JP2019213323A - モータの駆動装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイファイラ巻きされたモータコイルに関する断線発生の有無をより高速に判定することが可能な技術を提供する。【解決手段】バイファイラ巻きされた一対のコイルL1,L2を有するモータの駆動装置30は、一対のコイルL1,L2のそれぞれに接続されるスイッチング素子41,42と、スイッチング素子41とグランドとの間に配置される電流検出抵抗45と、電流検出抵抗45にて検出される電圧に基づいて断線の有無を検出する断線検出部73とを備える。断線検知部73は、スイッチング素子42がオフされている状態にてスイッチング素子41がオンからオフへと切り替えられた直後に、電流検出抵抗45の両端子間の電圧が低下していく際の当該電圧Vrの減少速度Dの大きさに基づいてコイルL2における断線の有無を検出する。【選択図】図5
Description
本発明は、ステッピングモータ等を駆動する駆動装置、および当該駆動装置を備えた画像形成装置に関する。
バイファイラ巻きされた一対のコイルを有するモータ(ステッピングモータ等)を駆動する駆動装置において、モータコイルの断線を検出する技術が存在する(特許文献1等参照)。
具体的には、バイファイラ巻きされた一対のコイルを2つのスイッチング素子を用いて駆動する駆動回路において、各スイッチング素子の一端側に電流検出抵抗が設けられる。そして、当該電流検出抵抗の電圧値に基づいてコイルの断線の有無が判定される。より具体的には、一対のコイルのうちの一方を駆動するスイッチング素子がオンからオフに切り替えられる時点における電流検出抵抗の電圧値の変化が、正常時と異常時とで互いに異なることに基づいて、コイルの断線の有無が判定される。詳細には、断線が発生していない状態(正常状態)では電流検出抵抗の電圧値が正の値から負の値へと急激に変化するのに対して、断線が発生している状態(異常状態)では電流検出抵抗の電圧値が正の値のまま徐々に低減する、との事情が考慮される。
特許文献1に記載の技術では、第2の基準電圧(スイッチング素子をオンからオフに切り替えた際の電圧(第1の基準電圧)よりも低い別の基準電圧)と電流検出抵抗の電圧値とを比較し、電流検出抵抗の電圧値が第2の基準電圧よりも高いときに非常信号を発生する比較器が設けられる。そして、当該非常信号の発生期間が所定の期間よりも長いことを、当該比較器の出力と遅延回路(あるいは低域濾波回路)の出力との組合せ等に基づいて判定すること等が記載されている。
しかしながら、上述のような技術においては、非常信号の発生期間が比較的長い場合に断線の発生が検出されるので、断線発生の有無の判定に際して比較的長い期間を要し、当該技術には改良の余地が存在する。
そこで、この発明は、バイファイラ巻きされたモータコイルに関する断線発生の有無をより高速に判定することが可能な技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、バイファイラ巻きされた一対のコイルを有するモータの駆動装置であって、前記一対のコイルのうちの第1コイルに接続される第1スイッチング素子と、前記一対のコイルのうちの第2コイルに接続される第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子とグランドとの間に配置される検出用抵抗と、前記検出用抵抗にて検出される電圧に基づいて断線の有無を検出する断線検出部と、を備え、前記断線検出部は、前記第2スイッチング素子がオフされている状態にて前記第1スイッチング素子がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧が低下していく際の当該電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいて前記第2コイルにおける断線の有無を検出することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る駆動装置において、前記断線検出部は、前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧が第1の値から前記第1の値よりも小さな第2の値へと変化するまでの時間を検出して、前記電圧の前記減少速度を求めることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る駆動装置において、前記電圧と前記第1の値とを比較し、前記電圧が前記第1の値よりも大きな値から前記第1の値よりも小さな値に変化したことを検出する第1比較器と、前記電圧と前記第2の値とを比較し、前記電圧が前記第2の値よりも大きな値から前記第2の値よりも小さな値に変化したことを検出する第2比較器と、をさらに備え、前記断線検出部は、前記第1比較器にて前記電圧が前記第1の値よりも小さな値に変化したことが検出された時点から、前記第2比較器にて前記電圧が前記第2の値よりも小さな値に変化したことが検出された時点までの期間長を検出し、前記第1の値と前記第2の値との差分値を前記期間長で除することによって前記電圧の前記減少速度を求め、当該減少速度の大きさが所定の閾値よりも小さい場合、前記第2コイルにおける断線が発生している旨を判定することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明に係る駆動装置において、前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子の前記オン状態から前記オフ状態への切替時点からの経過時間が所定の時間を超えても、前記第2比較器にて前記電圧が前記第2の値よりも小さな値に変化したことが未だ検出されない場合、前記減少速度の大きさが前記所定の閾値よりも小さいと判定し、前記第2コイルにおける断線が発生している旨を判定することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1の発明に係る駆動装置において、前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧をアナログ値からデジタル値へと変換するアナログデジタル変換部、をさらに備え、前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、前記アナログデジタル変換部での変換結果に基づいて前記電圧の前記減少速度を検出することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る駆動装置において、前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオン状態からオフ状態へと切り替えられた切替時点の直前に前記アナログデジタル変換部から出力された第1の値と、前記切替時点の直後にアナログデジタル変換におけるサンプリング処理を前記アナログデジタル変換部に開始させて、前記切替時点の一定期間後における前記サンプリング処理の処理結果をホールドして量子化したデジタル値である第2の値とに基づいて前記電圧の前記減少速度を検出することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6の発明に係る駆動装置において、前記アナログデジタル変換部は、パイプライン型あるいは逐次比較型のアナログデジタル変換器を有することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5の発明に係る駆動装置において、前記アナログデジタル変換部は、フラッシュ型のアナログデジタル変換器を有することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1の発明に係る駆動装置において、前記検出用抵抗は、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とに対して共通して設けられる抵抗であり、前記第2スイッチング素子とグランドとの間にも配置され、前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオフされている状態にて前記第2スイッチング素子がオンからオフへと切り替えられた直後に、前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧が低下していく際の当該電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいて前記第1コイルにおける断線の有無を検出することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1の発明に係る駆動装置において、前記検出用抵抗である第1の検出用抵抗とは異なる第2の検出用抵抗であって、前記第2スイッチング素子とグランドとの間に配置される第2の検出用抵抗、をさらに備え、前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオフされている状態にて前記第2スイッチング素子がオンからオフへと切り替えられた直後に、前記第2の検出用抵抗の両端子間の電圧が低下していく際の当該電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいて前記第1コイルにおける断線の有無を検出することを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれかの発明に係る駆動装置において、前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子とに駆動信号を付与する駆動部と、前記駆動部に制御信号を付与する制御信号生成部と、をさらに備えることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項5の発明に係る駆動装置において、前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子とに駆動信号を付与する駆動部と、前記駆動部に制御信号を付与する制御信号生成部と、をさらに備え、前記アナログデジタル変換部と前記断線検出部と前記制御信号生成部とは、同一の半導体デバイス内に構成されることを特徴とする。
請求項13の発明は、画像形成装置であって、請求項11または請求項12の発明に係る駆動装置と、前記モータと、を備え、前記制御信号生成部は、前記モータに関する断線発生が検出されると、前記モータの駆動動作を停止することを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13の発明に係る画像形成装置において、用紙搬送用の複数のモータであって前記モータを含む複数のモータと、前記複数のモータを駆動する複数の駆動装置であって前記駆動装置を含む複数の駆動装置と、を備え、前記駆動装置は、前記モータに関する断線が検出されると、断線検出を前記制御信号生成部に通知し、前記モータに関する前記断線検出が前記駆動装置から通知されると、前記モータによって回転駆動される用紙搬送ローラよりも上流側の用紙搬送ローラを回転駆動する全てのモータに対して駆動停止指令を送出する制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1から請求項14に記載の発明によれば、電圧の減少速度が測定できる程度の微小な時間があれば、断線発生の有無を判定することが可能であるので、より高速に断線発生の有無を判定することが可能である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.装置構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10を示す外観図である。ここでは、画像形成装置としてMFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。
<1−1.装置構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10を示す外観図である。ここでは、画像形成装置としてMFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。
図2は、MFP10の機能ブロックを示す図である。
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6、用紙搬送部7およびコントローラ(制御部)9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10は、画像処理装置などとも称される。
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像あるいはスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータ(印刷対象データ)に基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークを介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(コンピュータおよび各種サーバ等)との間で各種のデータを授受することが可能である。通信部4は、各種データを送信する送信部4aと各種データを受信する受信部4bとを有する。
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)および半導体メモリ等の記憶装置で構成される。
操作部6は、MFP10に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。
用紙搬送部7は、MFP10の用紙搬送経路において用紙を搬送する処理部である。用紙搬送部7は、用紙搬送ローラおよび当該用紙搬送ローラを駆動するモータおよびギア等を備えて構成される。
このMFP10においては、略板状の操作パネル部6c(図1参照)が設けられている。また、操作パネル部6cは、その正面側にタッチパネル25(図1参照)を有している。タッチパネル25は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。タッチパネル25は、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作ユーザからの各種の操作入力を受け付けることが可能である。
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPU(Central Processing Unit)(マイクロプロセッサあるいはコンピュータプロセッサなどとも称される)および各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM(登録商標))内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてMFP10にインストールされるようにしてもよい。あるいは、当該プログラムは、通信ネットワーク等を経由してダウンロードされてMFP10にインストールされるようにしてもよい。
具体的には、図2に示すように、コントローラ9は、当該プログラムの実行により、通信制御部11と入力制御部12と表示制御部13と動作制御部14とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部11は、他の装置(コンピュータ等)との間の通信動作を通信部4等と協働して制御する処理部である。通信制御部11は、各種データの送信動作を制御する送信制御部と各種データの受信動作を制御する受信制御部とを有する。
入力制御部12は、操作入力部6a(タッチパネル25等)に対する操作入力動作を制御する制御部である。たとえば、入力制御部12は、タッチパネル25に表示された操作画面に対する操作入力を受け付ける動作を制御する。
表示制御部13は、表示部6b(タッチパネル25等)における表示動作を制御する処理部である。
動作制御部14は、画像読取部2、印刷出力部3、および用紙搬送部7等を制御して、スキャン動作および印刷出力動作等を実行する処理部である。
<1−2.モータ制御に関する概略構成>
MFP10においては、用紙搬送経路の上流側(用紙供給側)から下流側(用紙排出側)にかけて複数の用紙搬送ローラ(不図示)が設けられている。当該複数の用紙搬送ローラを駆動するため、複数のモータ90(ここではステッピングモータ)が用いられる。図3においては、8個のモータ90a〜90h(M1〜M8)を用いて当該複数の用紙搬送ローラが駆動される状況が示されている。ここでは、モータ90a(M1)は、最も上流側の用紙搬送ローラを駆動するために設けられている。また、モータ90b(M2)は、モータ90aに対応する用紙搬送ローラ(最上流の用紙搬送ローラ)の1つ下流側の用紙搬送ローラを駆動するために設けられており、モータ90c〜90h(M3〜M8)は、それぞれ更に1つずつ下流側の用紙搬送ローラを駆動するために設けられている。
MFP10においては、用紙搬送経路の上流側(用紙供給側)から下流側(用紙排出側)にかけて複数の用紙搬送ローラ(不図示)が設けられている。当該複数の用紙搬送ローラを駆動するため、複数のモータ90(ここではステッピングモータ)が用いられる。図3においては、8個のモータ90a〜90h(M1〜M8)を用いて当該複数の用紙搬送ローラが駆動される状況が示されている。ここでは、モータ90a(M1)は、最も上流側の用紙搬送ローラを駆動するために設けられている。また、モータ90b(M2)は、モータ90aに対応する用紙搬送ローラ(最上流の用紙搬送ローラ)の1つ下流側の用紙搬送ローラを駆動するために設けられており、モータ90c〜90h(M3〜M8)は、それぞれ更に1つずつ下流側の用紙搬送ローラを駆動するために設けられている。
また、各モータ90に対しては、それぞれ、当該各モータを駆動するモータドライバ(モータの駆動装置)30が設けられている。具体的には、モータ90aに対してはモータドライバ30aが設けられ、モータ90bに対してはモータドライバ30bが設けられている。また、モータ90cに対してはモータドライバ30cが設けられ、モータ90dに対してはモータドライバ30dが設けられている。同様に、モータ90e〜90hに対してモータドライバ30e〜30hがそれぞれ設けられている。
また、モータドライバ30(30a〜30h)は、I/O拡張ASIC21を介してコントローラ9(全体制御部)との間で情報(制御信号およびエラー情報等)を授受する。詳細には、モータドライバ30a,30bは、I/O拡張ASIC21aを介してコントローラ9との間で情報を授受する。同様に、モータドライバ30c,30dは、I/O拡張ASIC21bを介してコントローラ9との間で情報を授受する。また、モータドライバ30e,30fは、I/O拡張ASIC21cを介してコントローラ9との間で情報を授受し、モータドライバ30g,30hは、I/O拡張ASIC21dを介してコントローラ9との間で情報を授受する。
このように、コントローラ9は、I/O拡張ASIC21(21a〜21d)およびモータドライバ30(30a〜30h)を介して、各モータ90(90a〜90h)を制御する。
<1−3.モータ制御に関する詳細構成>
図4は、モータ90およびモータドライバ30の詳細構成等を示す図である。
図4は、モータ90およびモータドライバ30の詳細構成等を示す図である。
モータ90は、2相ステッピングモータである。バイファイラ巻きされた一対のコイルL1,L2によってステッピングモータの1相が構成されており、バイファイラ巻きされた他の一対のコイルL3,L4によってステッピングモータの他の1相が構成されている。モータ90は、これら2相のコイル対(コイル群)への通電状態を制御することによって、回転駆動される。
モータドライバ30は、1相あたり2つのスイッチング素子、合計4つのスイッチング素子41〜44を有している。各スイッチング素子としては、たとえば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)が用いられる。
また、モータドライバ30は、スイッチング素子のオン状態とオフ状態との切換の際に流れる電流等を検知する検出用抵抗(電流検出抵抗とも称する)45,47をさらに有している。詳細には、後述するように電流検出抵抗45,47の両端の電圧が検知される。
モータ90の各コイルL1,L2の一端側は、所定電圧(たとえば24V(ボルト))の直流電源99に接続されている。
コイルL1の他端側は、スイッチング素子41(たとえばMOSFET)の一端側に接続されている。当該スイッチング素子41の他端側は、電流検出抵抗45を介してグランドに接続(接地)されている。換言すれば、電流検出抵抗45は、スイッチング素子41の当該他端とグランドとの間に配置され、スイッチング素子41の当該他端とグランドとの相互間を接続する。また、図4および図5においては明示していないものの、スイッチング素子41の当該一端側と当該他端側との間には、ボディダイオード(寄生ダイオード)41d(図6等参照)が形成されている。
コイルL2の他端側は、スイッチング素子42(たとえばMOSFET)の一端側に接続されている。当該スイッチング素子42の他端側は、電流検出抵抗45を介してグランドに接続(接地)されている。換言すれば、電流検出抵抗45は、スイッチング素子41の当該他端とグランドとの間に配置される抵抗であるとともに、スイッチング素子42の当該他端とグランドとの間にも配置される抵抗でもある。すなわち、電流検出抵抗45は、両スイッチング素子41,42に対して共通に設けられる検出用抵抗である。また、スイッチング素子42の当該一端側と当該他端側との間には、ボディダイオード(寄生ダイオード)42d(図6等参照)が形成されている。
同様に、モータ90のコイルL3,L4の一端側も、当該直流電源99に接続されている。
また、コイルL3の他端側は、スイッチング素子43(たとえばMOSFET)の一端側に接続されている。当該スイッチング素子43の他端側は、電流検出抵抗47を介してグランドに接続(接地)されている。コイルL4の他端側は、スイッチング素子44(たとえばMOSFET)の一端側に接続されている。当該スイッチング素子44の他端側は、電流検出抵抗47を介してグランドに接続(接地)されている。電流検出抵抗47は、両スイッチング素子43,44に対して共通に設けられる検出用抵抗である。
また、モータドライバ30は、各スイッチング素子41〜44に駆動信号を付与するスイッチング素子駆動部50をさらに有している。スイッチング素子駆動部50は、スイッチング素子41の制御端子に駆動信号を付与するスイッチング素子駆動部(オペアンプ等)51と、スイッチング素子42の制御端子に駆動信号を付与するスイッチング素子駆動部52とを有している。スイッチング素子駆動部50は、スイッチング素子43の制御端子に駆動信号を付与するスイッチング素子駆動部53と、スイッチング素子44の制御端子に駆動信号を付与するスイッチング素子駆動部54とをさらに有している。
また、モータドライバ30は、モータ制御部60を有している。モータ制御部60は、一の半導体デバイスとして構成される。
モータ制御部60は、スイッチング素子駆動部50に制御信号を付与する制御信号生成部61を有する。制御信号生成部61は、各スイッチング素子駆動部51〜54に、それぞれ制御信号(PWM信号等)を付与する。各制御信号に応じて、各スイッチング素子41〜44のオン状態とオフ状態とが切り替えられる。
ここで、モータ90の或るポール(極)には2つのコイルL1,L2が巻かれており、当該2つのコイルL1,L2は、互いに逆方向に巻かれている。すなわち、2つのコイルL1,L2は、バイファイラ巻きされている。2つのスイッチング素子41,42のうちのいずれに通電するかに応じて、当該ポール(極)の励磁の向きを切り替えることができる。具体的には、2つのスイッチング素子41,42のうちスイッチング素子41のみがオン状態にされることによって、コイルL1に励磁電流が流れてコイルL1に磁束が発生する。一方、2つのスイッチング素子41,42のうちスイッチング素子42のみがオン状態にされることによって、コイルL2に励磁電流が流れてコイルL2に磁束が発生する。スイッチング素子42のオン状態に応じてコイルL2に発生した磁束の向きは、スイッチング素子41のオン状態に応じてコイルL1に発生した磁束の向きとは逆向きである。
同様に、2つのコイルL3,L4は、モータ90の別のポール(極)にバイファイラ巻きされている。2つのスイッチング素子43,44のうちのいずれに通電するかに応じて、当該ポールの励磁の向きを切り替えることができる。
モータ90(詳細には2相ステッピングモータ)においては、4つのコイルL1〜L4による4つの励磁状態を適宜に切り替えることによって、回転駆動力が発生する。
また、モータ制御部60は、各モータ90の異常を検出する異常検出部70をも有する。具体的には、モータ制御部60は、2つの異常検出部70(70a,70b)を有する。異常検出部70aは、一対のコイルL1,L2で構成される1相に関する異常を検出する処理部である。異常検出部70bは、他の一対のコイルL3,L4で構成される他の1相に関する異常を検出する処理部である。
異常検出部70aは、スイッチング素子42がオフされている状態にてスイッチング素子41がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、電流検出抵抗45の両端子間の電圧が低下していく際の電圧の減少速度(微小単位時間あたりの電圧変化量)を検出する。そして、異常検出部70aは、当該減少速度の大きさ(減少の度合い)に基づいてコイルL2における断線の有無を検出する。なお、電圧の減少速度は、電圧の時間的変化曲線の傾きであるとも表現される。
また、異常検出部70aは、スイッチング素子41がオフされている状態にてスイッチング素子42がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、電流検出抵抗45の両端子間の電圧が低下していく際の電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいてコイルL1における断線の有無を検出する。
異常検出部70bも異常検出部70aと同様の構成を有している。ただし、異常検出部70bは、電流検出抵抗47の両端子間の電圧に基づいてコイルL3,L4の断線(異常)を検出する。
具体的には、異常検出部70bは、スイッチング素子44がオフされている状態にてスイッチング素子43がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、電流検出抵抗47の両端子間の電圧が低下していく際の電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいてコイルL4における断線の有無を検出する。また、異常検出部70bは、スイッチング素子43がオフされている状態にてスイッチング素子44がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、電流検出抵抗47の両端子間の電圧が低下していく際の電圧の減少速度(時間変化率)を検出し、当該減少速度の大きさに基づいてコイルL3における断線の有無を検出する。
<1−4.断線検出原理>
以下では、一対のコイルL1,L2のうちのコイルL2に関する断線検出原理について主に説明する。一対のコイルL1,L2のうちの他のコイルL1に関する断線検出原理についても同様である。また、他の一対のコイルL3,L4に関する断線検出原理も同様である。上述のように、一対のコイルL1,L2に関する断線は異常検出部70a等によって検出され、一対のコイルL3,L4に関する断線は異常検出部70b等によって検出される。
以下では、一対のコイルL1,L2のうちのコイルL2に関する断線検出原理について主に説明する。一対のコイルL1,L2のうちの他のコイルL1に関する断線検出原理についても同様である。また、他の一対のコイルL3,L4に関する断線検出原理も同様である。上述のように、一対のコイルL1,L2に関する断線は異常検出部70a等によって検出され、一対のコイルL3,L4に関する断線は異常検出部70b等によって検出される。
まず、通常状態(コイルの断線が発生していない状態)においては、次のような動作が行われる。
図6および図7は、図4の一部を拡大して示す図であり、通常時(正常時)に電流検出抵抗45に流れる電流等を示す図である。図6は、スイッチング素子41がオンされている状態を示し、図7は、スイッチング素子41がオフされた状態を示している。
図6に示されるように、スイッチング素子41がON(オン)且つスイッチング素子42がOFF(オフ)の期間においては、電源99からコイルL1とスイッチング素子41と電流検出抵抗45とを通って電流がグランドへと流れる(図6の太線参照)。
その後、スイッチング素子42がOFF(オフ)のままスイッチング素子41がOFF(オフ)にされる(時刻T0)と、図7に示されるように、スイッチング素子41への通電中(図6参照)にコイルL2に蓄えられていたエネルギーを放出するために、他方のスイッチング素子42のボディダイオード42dを回生電流が流れる(図7の太線参照)。この際、電流検出抵抗45の両端子間の電圧Vrは、時刻T0の直前の値Vaから値Vbへと変化する(図8参照)。当該回生電流は、図6の電流とは逆向きに流れるため、値Vbは負の値である。なお、図8は、スイッチング素子(MOSFET)41のゲート電圧Vg(スイッチング素子41の制御端子に印加される電圧)の時間変化と、正常時における電圧Vrの時間変化とを示す図である。
次に、異常状態の動作(コイルL2側で断線が発生している場合の動作)について説明する。
コイルL2側で断線が発生している場合には、図6と同様の動作が行われた後、図9に示すような動作が行われる。この場合、スイッチング素子41への通電中(図6参照)にコイルL2に蓄えられていたエネルギーが(コイルL2側での断線に起因して)スイッチング素子42を介して放出され得ないので、スイッチング素子41に高い逆起電力が加わる。スイッチング素子41に加わる電圧が、スイッチング素子41の耐圧性能を超えると、アバランシェ状態が発生しアバランシェ電流が流れる(図9の太線参照)。アバランシェ状態の発生は、早期に検出されることが好ましい。
図9に示すようにアバランシェ電流が流れる場合、電流検出抵抗45の両端子間の電圧Vrは、時刻T0の前後において、図10に示すような変化を示す。具体的には、当該電圧Vrは、負の値にはならず、正の値Vaから徐々に(緩やかに)減少してゼロに到達する。なお、図10は、スイッチング素子(MOSFET)41のゲート電圧Vgの時間変化と、異常時における電圧Vrの時間変化とを示す図である。図10においては、異常時における電圧Vrの時間変化が太線で示されている。また、比較のため、正常時における電圧Vrの時間変化(図8参照)が破線で示されている。
本願発明者は、図8における電圧変化と図10における電圧変化との相違に着目した。正常時(図8参照)には、電圧Vrは、値Vaから負の値Vbへと急激に低下する(図10および図11の破線も参照)。一方、異常発生時(図10参照)には、電圧Vrは、値Vaから、(急激に負の値にはなるのではなく)緩やかに低下する(図11の太線も参照)。なお、図11は、異常発生状態での電圧Vrの変化(太線参照)と正常状態での電圧Vrの変化(破線参照)とを比較して示す図である。なお、図11においては、図10の一部が拡大して示されており、時刻T0付近での電圧Vrの変化の様子が拡大して示されている。
そして、この実施形態では、時刻T0以後の電圧Vrの減少速度(電圧Vrの減少の度合い)を検出し、当該減少速度の大きさ(絶対値)に基づいて、コイルL2側における断線の有無を検出する。具体的には、電圧Vrの減少速度の大きさが所定値TH1よりも大きいとき(急激に減少しているとき)には、正常状態であると判定する。一方、電圧Vrの減少速度の大きさが所定値TH1よりも小さいとき(電圧Vrが所定程度よりも緩やかに減少しているとき)には、異常状態であると判定する。
この第1実施形態においては、異常検出部70aは、図5に示すように、比較器(コンパレータ)71,72と断線検出部73とを有している。図5は、一対のコイルL1,L2に関する異常検出に関する構成、特に異常検出部70aの詳細構成等を示す図である。なお、図5では、他の一対のコイルL3,L4に関する異常検出に関する構成(コイルL3,L4、スイッチング素子43,44、電流検出抵抗47、スイッチング素子駆動部53,54および異常検出部70b等)の図示は省略されている。
比較器71は、電圧Vrと基準電圧V1とを比較する。基準電圧V1は、たとえば値Vaの95%の値に設定される。
比較器71は、電圧Vrが基準電圧V1よりも高いときには「L」(低レベル(「ゼロ」))を出力し、電圧Vrが基準電圧V1よりも低くなると「H」(高レベル(「1」))を出力する(図12も参照)。比較器71の出力が、「L」から「H」に変化したことが検出されると、電圧Vrが基準電圧V1よりも大きな値から基準電圧V1よりも小さな値に変化したことが検出される。
比較器72は、電圧Vrと基準電圧V2とを比較する。基準電圧V2は、基準電圧V1よりも小さな値、たとえば値Vaの90%の値に設定される。
比較器72は、電圧Vrが基準電圧V2よりも高いときには「L」を出力し、電圧Vrが基準電圧V2よりも低くなると「H」を出力する(図12も参照)。比較器72の出力が、「L」から「H」に変化したことが検出されると、電圧Vrが基準電圧V2よりも大きな値から基準電圧V2よりも小さな値に変化したことが検出される。
断線検出部73は、比較器71にて電圧Vr基準電圧V1よりも小さな値に変化したことが検出された時点T1から、比較器72にて電圧Vrが基準電圧V2よりも小さな値に変化したことが検出された時点T2までの期間長ΔT(図12も参照)を検出する。断線検出部73は、基準電圧V1と基準電圧V2との差分値(V1−V2)を期間長ΔTで除した値((V1−V2)/ΔT)を、電圧Vrの減少速度Dとして求める。そして、断線検出部73は、電圧Vrの減少速度Dの大きさが所定の閾値TH1よりも小さい場合(電圧Vrの減少が所定程度よりも緩やかな場合)、コイルL2にて断線が発生している旨を判定する。
ここにおいて、電圧V1,V2は、電圧Vrの減少速度Dを検出するための値である。電圧V1,V2としては、いずれも元の電圧値Vaに一定程度よりも近い値(たとえば、値Vaの99%〜70%程度)が採用され得るとともに、両電圧V1,V2は、互いに一定程度よりも近い値(たとえば、数%〜10%以内)の値が採用され得る。したがって、電圧V1,V2への低下は、時刻T0に非常に近い時刻T1,T2において検出され得る。すなわち、時刻T0から非常に短い期間において断線発生の有無を判定することが可能である。特に、電圧V2は、スイッチング素子41がオン状態からオフ状態へと切り替えられた時点の直前における電圧(Va)の80%以上の値に設定されることが好ましく、当該電圧Vaの90%以上の値に設定されることがさらに好ましい。
<1−5.動作>
図14は、上述のような動作を示すフローチャートである。以下では、図14を参照しつつ、断線検知部73の動作等について説明する。
図14は、上述のような動作を示すフローチャートである。以下では、図14を参照しつつ、断線検知部73の動作等について説明する。
断線検出部73は、スイッチング素子42がオフされている状態にてスイッチング素子41がオンからオフに切り替わったことを判定すると、ステップS11からステップS12に進む。
ステップS12では、比較器71にて電圧Vrの基準電圧V1への低下が検出されるまで待機状態が継続される。比較器71にて電圧Vrの基準電圧V1への低下が検出されると、断線検出部73は、その検出時刻T1を記憶して(ステップS13)、ステップS14に進む。
ステップS14では、比較器72にて電圧Vrの基準電圧V2への低下が検出されたか否かが判定される。比較器72にて電圧Vrの基準電圧V2への低下が検出されると、断線検出部73は、その検出時刻T2を記憶して(ステップS15)、ステップS16に進む。なお、比較器72にて電圧Vrの基準電圧V2への低下が検出されるまでは、原則として待機状態が継続される(後述)。
ステップS16では、電圧Vrの減少速度Dの大きさ(減少速度Dの絶対値)が所定の閾値TH1と比較される。減少速度Dの大きさが閾値TH1よりも大きい場合には、断線検出部73は、コイルL2は正常状態であると判定し、図14の処理を終了する。
一方、減少速度Dの大きさが閾値TH1よりも小さい場合には、ステップS16からステップS17に進み、断線検出部73は、コイルL2に断線が発生していると判定する。そして、断線検出部73は、対応モータ90の駆動を停止するとともに、I/O拡張ASIC21を介してコントローラ9に異常発生(断線発生)を通知する。
また、ステップS14において電圧Vrの基準電圧V2への低下が検出されるまでは、原則として待機状態が継続される。ただし、オフ時点T0からの経過時間(あるいは基準電圧V1への低下時刻T1からの経過時間)が閾値TH2よりも大きい場合(すなわち、一定期間が経過しても電圧V2未満への電圧低下が確認できない場合)には、電圧Vrの変化が緩やかであると判断して、ステップS17に進む。そして、断線判定等が行われる。これによれば、電圧Vrが想定以上に非常に緩やかに低下する場合(電圧Vrの電圧V2への低下までに所定時間TH2よりも大きな時間を要する場合)には、断線が発生している旨が判定されるので、判定の遅延をより確実に抑止することが可能である。
このように、断線検知部73は、スイッチング素子42がオフされている状態にてスイッチング素子41がオンからオフへと切り替えられた直後に、電流検出抵抗45の両端子間の電圧Vrが低下していく際の当該電圧Vrの減少速度Dを検出し、当該減少速度Dの大きさに基づいてコイルL2における断線の有無を検出する。これにより、一対のコイルL1,L2のうちのコイルL2に関する異常が検出される。
一対のコイルL1,L2のうちの他のコイルL1に関する異常検出原理についても同様である。具体的には、スイッチング素子41がオフされている状態にてスイッチング素子42がオンからオフへと切り替えられた直後に、電流検出抵抗45の両端子間の電圧Vrが低下していく際の当該電圧Vrの減少速度Dが検出され、当該減少速度Dの大きさに基づいてコイルL1における断線の有無が検出されればよい。
また、他の一対のコイルL3,L4に関しても、同様にして異常を検出することが可能である。
以上のような動作によれば、電圧Vrの減少速度Dに基づいて断線発生の有無が判定されるので、バイファイラ巻きされたモータコイル(L2等)に関する断線発生の有無を非常に高速に判定することが可能である。
特に、上記特許文献1の技術においては、電圧Vrが所定の値にまで下がっていない状態が一定期間(比較的長い期間)に亘って継続している場合にのみ、断線の発生が判定され得る。これに対して、上記実施形態においては、電圧Vrの減少速度D(換言すれば、電圧Vrの減少の程度)が測定できる程度の微小な時間があれば、断線発生の有無を判定することが可能である。したがって、上記特許文献1の技術に比べて高速に断線発生の有無を判定することが可能である。
このように、モータドライバ30は、対応モータ90に関する断線を非常に高速に検出することが可能である。
また、当該対応モータ90に関する断線が検出されると、モータドライバ30(異常検出部70および制御信号生成部61)は、当該対応モータ90の駆動動作を直ちに停止する(ステップS17)。具体的には、以後、モータ制御部60は、スイッチング素子駆動部51〜54のいずれにもオン信号を出力せず、スイッチング素子41〜44のいずれもが常時オフである。
さらに、モータドライバ30は、当該対応モータに関する断線検出通知(断線が発生している旨の通知)をI/O拡張ASIC21(図3)を経由してコントローラ9に送信する(ステップS17)。
コントローラ9は、当該断線検出通知(異常(断線)が発生しているモータ(異常発生モータ)の識別番号等を含む)を受信すると、当該異常発生モータと、当該異常発生モータによって回転駆動される用紙搬送ローラ(異常発生搬送ローラ)よりも上流側の用紙搬送ローラを回転駆動する全てのモータ(上流側の全モータ)とに対して駆動停止指令を送出する。この結果、異常発生モータとその上流の全モータとにそれぞれ対応する各モータドライバ30は、その駆動対象モータの駆動用のスイッチング素子41〜44のいずれにもオン信号を出力しない。
一方、コントローラ9は、当該異常発生搬送ローラよりも下流側の用紙搬送ローラを回転駆動するモータ(下流側の全モータ)に対しては、駆動停止指令を送出せずに用紙搬送を継続させる。
たとえば、モータM4(90d)の異常が検出された場合、まず、モータドライバ30dの制御信号生成部61等がモータ90dの駆動を停止する。また、コントローラ9は、モータM4と、当該モータM4よりも上流側のモータM1〜M3の全てとに対して駆動停止指令を送出する。一方、当該モータM4よりも下流側のモータM5〜M8に対しては駆動停止指令を送出せず、下流側のモータM5〜M8に用紙搬送を継続させる。
或るモータの異常発生時において、当該モータに対応する用紙発生ローラ(異常発生搬送ローラ)付近を用紙が通過中であった場合、下流側モータ(下流側の用紙搬送ローラ)で用紙の排出(下流側への送り出し)が継続される。一方、異常発生モータは直ちに駆動停止され、異常発生搬送ローラは、回転駆動力を有しない状態に直ちに遷移する。また、異常発生モータよりも上流側の全モータも直ちに駆動停止され、上流側の用紙搬送ローラも、回転駆動力を有しない状態に遷移する。
仮に、異常発生モータが駆動され続け且つ下流側の用紙搬送ローラの駆動が継続される場合には、異常発生モータが減速駆動あるいは停止駆動されるため、異常発生搬送ローラが実質的に制動力を発揮し、異常発生搬送ローラと下流側の用紙搬送ローラとの間での用紙の引っ張り合い(ひいては、用紙破れあるいは用紙ジャム等)が発生する可能性が存在する。これに対して上記実施形態によれば、異常発生搬送ローラは回転駆動力を有しない状態に直ちに遷移するので、このような事態の発生を抑止しつつ、MFP10内にて搬送中の用紙を適切に排出することが可能である。
また、上述の駆動停止指令に応じて、異常発生モータよりも上流側の全モータも直ちに駆動停止され、異常発生搬送ローラよりも上流側の用紙搬送ローラも、回転駆動力を有しない状態に遷移する。したがって、異常発生後に用紙が上流側の用紙搬送ローラから異常発生搬送ローラ側に向けて送り出されることに起因する用紙ジャムを回避することも可能である。
特に、上述のように非常に高速に断線異常が検出されるので、リアルタイムアプリケーション(リアルタイムOS上で用紙搬送動作を制御するプログラム等)の1つのタスク周期(1周期)の終期の比較的直前に断線が発生した場合であっても、当該終期までに断線異常が検出される可能性を高めることが可能である。たとえば、図13に示されるように、時刻T7から時刻T8までの1周期の期間の比較的直前の時刻T71において断線が発生した場合において、従来の処理によれば、当該周期の終了時刻T8の後の時刻T83(あるいは、時刻T8から1周期後の時刻T9よりも更に後の時刻T94等)に断線が検出される。これに対して、上記実施形態の処理によれば、断線検出の高速化によって、当該周期の終了時刻T8よりも前の時刻T72に断線を検出できる可能性を高めることが可能である。ひいては、用紙搬送ローラを迅速に停止させることが可能である。
したがって、上述のような問題(異常発生搬送ローラと下流側の用紙搬送ローラとの間での用紙の引っ張り合い等)の発生を抑止しつつ、MFP10内にて搬送中の用紙を適切に排出することが可能である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態においては、電圧Vrの減少速度Dが2つの比較器71,72の出力結果(詳細には、各比較器71,72によって取得された時刻T1,T2)に基づいて算出されている。換言すれば、アナログ値の電圧Vrを用いて、減少速度Dが算出されている。
この第2実施形態においては、電圧Vrの減少速度DがA/D変換部による出力結果に基づいて算出される態様(換言すれば、A/D変換後のデジタル値の電圧Vrを用いて、減少速度Dが算出される態様)について説明する。
図15および図16は、第2実施形態に係る異常検出部70の構成等を示す図である。なお、図15および図16においては、図5と同様に、主に異常検出部70aに関する構成が示されているが、異常検出部70b等に関しても同様である。
第2実施形態に係る異常検出部70aは、A/D変換部82と断線検出部83とを備える。A/D変換部82は、非負の電圧を処理対象にするため、電流検出抵抗45の両端子間の電圧Vrは、電圧レベルシフト回路81によって調整された後に異常検出部70aに入力される。具体的には、+Vm(ボルト)〜−Vm(ボルト)の電圧Vrは、+Vm(ボルト)〜0(ボルト)の電圧へと変換されて、異常検出部70aに入力される。より詳細には、+Vm(ボルト)〜0(ボルト)の電圧Vrは、+Vm(ボルト)〜+Vm/2(ボルト)の電圧へと変換され、0(ボルト)〜−Vm(ボルト)の電圧Vrは、+Vm/2(ボルト)〜0(ボルト)の電圧へと変換される。たとえば、+5ボルト〜0ボルトの電圧Vrは、+5ボルト〜+2.5ボルトの電圧に変換され、0ボルト〜−5ボルトの電圧Vrは、+2.5ボルト〜0ボルトの電圧に変換される。
図16は、電圧レベルシフト回路81の詳細構成を示す図である。図16に示されるように、電流検出抵抗45に流れる電流により生じる電圧Vr(+Vm〜−Vm)がオペアンプ85に入力される。オペアンプ(電圧フォロワー)85の出力は、直列接続された2つの抵抗86,87(抵抗分圧用の抵抗)の一端(詳細には抵抗87の一端)に入力される。2つの抵抗86,87の他端(詳細には抵抗86の一端)は+Vmの電位を有する。抵抗86の抵抗値と抵抗87の抵抗値とは同一である。また、2つの抵抗86,87の相互間の接続部が、A/D変換部82に接続され、両抵抗86,87の両端子間の中間電位がA/D変換部82に入力される。なお、2つの抵抗86,87の相互間の接続部は、保護用のダイオード88にも接続される。
このような構成により、+Vm(ボルト)〜−Vm(ボルト)の電圧Vrが、+Vm(ボルト)〜0(ボルト)の電圧へと変換され、A/D変換部82に入力される。たとえば、オペアンプ85の出力が−Vm(ボルト)のときには、両抵抗86,87の両端子間の中間電位(=(+Vm+(−Vm))/2)である0(ボルト)がA/D変換部82に入力される。オペアンプ85の出力が0(ボルト)のときには、両抵抗86,87の両端子間の中間電位(=(+Vm+0)/2)であるVm/2(ボルト)がA/D変換部82に入力される。オペアンプ85の出力が+Vm(ボルト)のときには、両抵抗86,87の両端子間の中間電位(=(+Vm+Vm)/2)であるVm(ボルト)がA/D変換部82に入力される。
A/D変換部82(ここでは、逐次比較型A/D変換器)は、このような入力電圧(アナログ値)を、サンプリングホールド回路および量子化回路等を用いてA/D(アナログ/デジタル)変換し、デジタル値として出力する。
図17は、第2実施形態に係る動作を示すフローチャートである。また、図18は、第2実施形態に係る異常検出原理を示す図である。
図17に示すように、ステップS31にて、スイッチング素子41がオン状態からオフ状態へと遷移したことが判定されると、ステップS32に進む。
ステップS32では、スイッチング素子41のオフ直前のA/D変換で得られていたデジタル値(電圧値)が電圧値V11として取得される。当該電圧値V11が取得された時点Q(図18参照)とスイッチング素子41のオフ時点T0との間では電圧値の変化は、ほぼゼロである(オフ時点T0以後の変化に比べると非常に小さい)ので、この電圧値V11が、スイッチング素子41のオフ時点T0での電圧値であるとみなされる。
次のステップS33では、A/D変換におけるサンプリング開始指令がA/D変換部82に対して付与される。これにより、A/D変換の開始タイミングがリセットされて、A/D変換部82によるサンプリング処理等が開始される。具体的には、A/D変換部82は、所定のサンプリング期間においてサンプリング処理を実行し、当該所定のサンプリング期間の経過時点でのサンプリング結果をホールドし、当該ホールドされた値を量子化してデジタル値(値V12)をA/D変換処理結果として出力する。ステップS34では、このようにしてスイッチング素子41のオフ時点から開始された1サンプリング期間に対応するデジタル値(V12)が取得される。これによれば、時刻T0後に開始されたサンプリング処理(A/D変換部82の内部コンデンサへの充電処理)を経てホールドされ量子化されたデジタル値がA/D変換処理結果として取得されるので、時刻T0前の電圧Vrの影響を受けていないA/D変換処理結果を得ることが可能である。
次のステップS36では、電圧Vrの減少速度Dに基づく判定処理が実行される。
具体的には、電圧値V11と電圧値V12との差分値(V12−V11)を単位微小時間Δtで除した値((V12−V11)/Δt)が、電圧Vrの減少速度Dとして取得される。そして、電圧Vrの減少速度Dの大きさに基づいてコイルL2の断線の有無が検出される。
たとえば、当該電圧Vrの減少速度Dの大きさ(絶対値)が所定の閾値TH5と比較される。電圧Vrの減少速度Dの大きさが閾値TH5よりも大きい場合には「正常」と判定され、電圧Vrの減少速度Dの大きさが閾値TH5よりも小さい場合には「異常」と判定される。
なお、単位微小時間Δtは、正常時と異常時とで共通の値であるので、値((V12−V11)/Δt)の大きさと閾値TH5との比較は、差分値(V12−V11)の大きさと閾値TH6(=Δt*TH5)との比較と等価である。
通常動作時には、非常に高速に電圧Vrが立ち下がる(減少する)ので、電圧Vrの減少速度Dの大きさは閾値TH5よりも大きい。換言すれば、差分値(V12−V11)の絶対値は閾値TH6よりも大きい。
一方、異常動作時には、緩やかに電圧Vrが減少していくので、電圧Vrの減少速度Dの大きさは閾値TH5よりも小さい。換言すれば、差分値(V12−V11)の絶対値は閾値TH6よりも小さい。
なお、図18においては、正常動作時における減少曲線(破線)E1、異常動作時における減少曲線(太い実線)E2、および閾値TH5(あるいはTH6)に対応する減少曲線E3(点線)が示されている。異常動作時における減少曲線E2は減少曲線E3よりも緩やかに変化(減少)し、正常動作時における減少曲線E1は減少曲線E3よりも急峻に変化(減少)する。
このような性質を利用して、電流検出抵抗45の両端子間の電圧が低下していく際の電圧Vrの減少速度Dの大きさ(絶対値)に基づいて断線の有無が検出される。たとえば、電圧Vrの減少速度Dの大きさと閾値TH5との大小関係(換言すれば、差分値(V12−V11)の大きさと閾値TH6との大小関係)に基づいて、電圧Vrの減少速度Dの大きさを考慮し、断線異常の発生の有無(コイルL2等における断線の有無)が検出される。
たとえば、電圧Vrの減少速度Dの大きさが閾値TH5よりも大きい場合(差分値(V12−V11)の絶対値が閾値TH6よりも大きい場合)には、正常である旨が判定され、図17の処理が終了する。
逆に、電圧Vrの減少速度Dの大きさは閾値TH5よりも小さい場合(差分値(V12−V11)の絶対値が閾値TH6よりも小さい場合)には、ステップS37に進む。
ステップS37では、ステップS17(第1実施形態)と同様の動作が実行される。具体的には、断線検出部83は、断線(異常)が発生している旨を判定し、対応モータ90の駆動を停止するとともに、I/O拡張ASIC21を介してコントローラ9に異常発生(断線発生)を通知する。また、コントローラ9も第1実施形態と同様の動作を実行する。
以上のような動作によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
たとえば、上記第2実施形態においても、電圧Vrの減少速度D(換言すれば、電圧Vrの減少の程度)が測定できる程度の微小な時間(より詳細には、1サンプリング時間Δt)があれば、断線発生の有無を判定することが可能である。したがって、上記特許文献1の技術に比べて高速に断線発生の有無を判定することが可能である。
また特に、スイッチング素子41のオフ直後に、改めて開始された直後のサンプリング期間にて得られたA/D変換処理結果(値V12)に基づいて、電圧Vrの減少速度Dの大きさが考慮されて断線の有無が判定される。したがって、時刻T0前の電圧Vrの影響を受けていないA/D変換処理結果に基づき、高速且つ正確な判定処理を行うことが可能である。
また、上記第2実施形態においては、A/D変換部82と断線検出部83と制御信号生成部61とを備えるモータ制御部60(図16参照)は、一の半導体デバイスとして構成される。換言すれば、A/D変換部82と断線検出部83と制御信号生成部61とは、同一の半導体デバイス内に構成される。したがって、これらの処理部がそれぞれ独立した半導体デバイスとして構成される場合に比べて、信号の遅延等も少ないので処理の高速化が可能である。
なお、上記第2実施形態におけるA/D変換部82は、逐次比較型A/D変換器に限定されず、他の種類のA/D変換器(パイプライン型A/D変換器、あるいはフラッシュ型A/D変換器等)であってもよい。
たとえば、フラッシュ型A/D変換器によれば、非常に高速にA/D変換処理結果を得ることが可能であり、非常に高速に立ち下がる電圧Vrの減少速度Dをより適切に考慮することが可能である。なお、逐次比較型A/D変換器あるいはパイプライン型A/D変換器等によっても、(フラッシュ型A/D変換器よりは低速であるものの)所定程度よりも高速にA/D変換結果を得ることができるので、高速に断線の有無を判定することが可能である。
また、ホールド回路(サンプルアンドホールド回路)を用いないA/D変換器(フラッシュ型A/D変換器等)がA/D変換部82にて利用される場合には、次のような動作が行われればよい。たとえば、スイッチング素子41がオン状態からオフ状態へと切り替えられた時点(切換時点)の直前にA/D変換部82から出力された第1の値と、A/D変換部82に対して当該切替時点の直後に改めて送出された変換指示に応じて当該A/D変換部82から得られた変換結果(デジタル値)である第2の値とに基づいて、電圧Vrの減少速度Dが検出されればよい。
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記第2実施形態では、A/D変換部82が制御信号生成部61および断線検出部83と同一の半導体デバイス内に組み込まれているが、これに限定されない。A/D変換部82に加えて電圧レベルシフト回路81もが断線検出部83等と同一の半導体デバイス内に組み込まれてもよい。あるいは、A/D変換部82は、制御信号生成部61および/または断線検出部83が組み込まれた半導体デバイスとは別の半導体デバイス内にて構成されてもよい。
また、上記各実施形態においては、スイッチング素子41,42に対して共通の電流検出抵抗45が設けられているが、これに限定されない。
たとえば、図19に示すように、スイッチング素子41,42に対して個別の電流検出抵抗45,46がそれぞれ設けられてもよい。具体的には、スイッチング素子41のグランド側に電流検出抵抗45が設けられ、スイッチング素子42のグランド側に電流検出抵抗46が設けられてもよい。そして、電流検出抵抗45の両端子間の電圧Vrの減少速度Dに基づいてコイルL2の断線が異常検出部70a等によって検出され、電流検出抵抗46の両端子間の電圧Vrの減少速度Dに基づいてコイルL1の断線が異常検出部70a等によって検出されるようにしてもよい。より詳細には、たとえば、スイッチング素子41がオフされている状態にてスイッチング素子42がオンからオフへと切り替えられた直後に、電流検出抵抗46の両端子間の電圧Vrが低下していく際の当該電圧Vrの減少速度Dが検出され、当該減少速度Dの大きさに基づいてコイルL1における断線の有無が検出されてもよい。
同様に、スイッチング素子43,44に対して個別の電流検出抵抗47,48がそれぞれ設けられてもよい。そして、電流検出抵抗47の両端子間の電圧Vrの減少速度Dに基づいてコイルL4の断線が異常検出部70b等によって検出され、電流検出抵抗48の両端子間の電圧Vrの減少速度Dに基づいてコイルL3の断線が異常検出部70b等によって検出されるようにしてもよい。
7 用紙搬送部
10 MFP(画像形成装置)
30,30a〜30h モータドライバ
41〜44 各スイッチング素子
45〜48 電流検出抵抗(検出用抵抗)
50,51〜54 スイッチング素子駆動部
60 モータ制御部
61 制御信号生成部
70,70a,70b 異常検出部
71,72 比較器
73,83 断線検出部
81 電圧レベルシフト回路
82 A/D変換部
90,90a〜90h モータ
99 直流電源
L1〜L4 コイル
10 MFP(画像形成装置)
30,30a〜30h モータドライバ
41〜44 各スイッチング素子
45〜48 電流検出抵抗(検出用抵抗)
50,51〜54 スイッチング素子駆動部
60 モータ制御部
61 制御信号生成部
70,70a,70b 異常検出部
71,72 比較器
73,83 断線検出部
81 電圧レベルシフト回路
82 A/D変換部
90,90a〜90h モータ
99 直流電源
L1〜L4 コイル
Claims (14)
- バイファイラ巻きされた一対のコイルを有するモータの駆動装置であって、
前記一対のコイルのうちの第1コイルに接続される第1スイッチング素子と、
前記一対のコイルのうちの第2コイルに接続される第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子とグランドとの間に配置される検出用抵抗と、
前記検出用抵抗にて検出される電圧に基づいて断線の有無を検出する断線検出部と、
を備え、
前記断線検出部は、前記第2スイッチング素子がオフされている状態にて前記第1スイッチング素子がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧が低下していく際の当該電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいて前記第2コイルにおける断線の有無を検出することを特徴とする駆動装置。 - 請求項1に記載の駆動装置において、
前記断線検出部は、前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧が第1の値から前記第1の値よりも小さな第2の値へと変化するまでの時間を検出して、前記電圧の前記減少速度を求めることを特徴とする駆動装置。 - 請求項2に記載の駆動装置において、
前記電圧と前記第1の値とを比較し、前記電圧が前記第1の値よりも大きな値から前記第1の値よりも小さな値に変化したことを検出する第1比較器と、
前記電圧と前記第2の値とを比較し、前記電圧が前記第2の値よりも大きな値から前記第2の値よりも小さな値に変化したことを検出する第2比較器と、
をさらに備え、
前記断線検出部は、前記第1比較器にて前記電圧が前記第1の値よりも小さな値に変化したことが検出された時点から、前記第2比較器にて前記電圧が前記第2の値よりも小さな値に変化したことが検出された時点までの期間長を検出し、前記第1の値と前記第2の値との差分値を前記期間長で除することによって前記電圧の前記減少速度を求め、当該減少速度の大きさが所定の閾値よりも小さい場合、前記第2コイルにおける断線が発生している旨を判定することを特徴とする駆動装置。 - 請求項3に記載の駆動装置において、
前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子の前記オン状態から前記オフ状態への切替時点からの経過時間が所定の時間を超えても、前記第2比較器にて前記電圧が前記第2の値よりも小さな値に変化したことが未だ検出されない場合、前記減少速度の大きさが前記所定の閾値よりも小さいと判定し、前記第2コイルにおける断線が発生している旨を判定することを特徴とする駆動装置。 - 請求項1に記載の駆動装置において、
前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧をアナログ値からデジタル値へと変換するアナログデジタル変換部、
をさらに備え、
前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオン状態からオフ状態へと切り替えられた直後に、前記アナログデジタル変換部での変換結果に基づいて前記電圧の前記減少速度を検出することを特徴とする駆動装置。 - 請求項5に記載の駆動装置において、
前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオン状態からオフ状態へと切り替えられた切替時点の直前に前記アナログデジタル変換部から出力された第1の値と、前記切替時点の直後にアナログデジタル変換におけるサンプリング処理を前記アナログデジタル変換部に開始させて、前記切替時点の一定期間後における前記サンプリング処理の処理結果をホールドして量子化したデジタル値である第2の値とに基づいて前記電圧の前記減少速度を検出することを特徴とする駆動装置。 - 請求項6に記載の駆動装置において、
前記アナログデジタル変換部は、パイプライン型あるいは逐次比較型のアナログデジタル変換器を有することを特徴とする駆動装置。 - 請求項5に記載の駆動装置において、
前記アナログデジタル変換部は、フラッシュ型のアナログデジタル変換器を有することを特徴とする駆動装置。 - 請求項1に記載の駆動装置において、
前記検出用抵抗は、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とに対して共通して設けられる抵抗であり、前記第2スイッチング素子とグランドとの間にも配置され、
前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオフされている状態にて前記第2スイッチング素子がオンからオフへと切り替えられた直後に、前記検出用抵抗の両端子間の前記電圧が低下していく際の当該電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいて前記第1コイルにおける断線の有無を検出することを特徴とする駆動装置。 - 請求項1に記載の駆動装置において、
前記検出用抵抗である第1の検出用抵抗とは異なる第2の検出用抵抗であって、前記第2スイッチング素子とグランドとの間に配置される第2の検出用抵抗、
をさらに備え、
前記断線検出部は、前記第1スイッチング素子がオフされている状態にて前記第2スイッチング素子がオンからオフへと切り替えられた直後に、前記第2の検出用抵抗の両端子間の電圧が低下していく際の当該電圧の減少速度を検出し、当該減少速度の大きさに基づいて前記第1コイルにおける断線の有無を検出することを特徴とする駆動装置。 - 請求項1から請求項10のいずれかに記載の駆動装置において、
前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子とに駆動信号を付与する駆動部と、
前記駆動部に制御信号を付与する制御信号生成部と、
をさらに備えることを特徴とする駆動装置。 - 請求項5に記載の駆動装置において、
前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子とに駆動信号を付与する駆動部と、
前記駆動部に制御信号を付与する制御信号生成部と、
をさらに備え、
前記アナログデジタル変換部と前記断線検出部と前記制御信号生成部とは、同一の半導体デバイス内に構成されることを特徴とする駆動装置。 - 請求項11または請求項12に記載の駆動装置と、
前記モータと、
を備え、
前記制御信号生成部は、前記モータに関する断線発生が検出されると、前記モータの駆動動作を停止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13に記載の画像形成装置において、
用紙搬送用の複数のモータであって前記モータを含む複数のモータと、
前記複数のモータを駆動する複数の駆動装置であって前記駆動装置を含む複数の駆動装置と、
を備え、
前記駆動装置は、前記モータに関する断線が検出されると、断線検出を前記制御信号生成部に通知し、
前記モータに関する前記断線検出が前記駆動装置から通知されると、前記モータによって回転駆動される用紙搬送ローラよりも上流側の用紙搬送ローラを回転駆動する全てのモータに対して駆動停止指令を送出する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018106440A JP2019213323A (ja) | 2018-06-01 | 2018-06-01 | モータの駆動装置、および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018106440A JP2019213323A (ja) | 2018-06-01 | 2018-06-01 | モータの駆動装置、および画像形成装置 |
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ID=68847028
Family Applications (1)
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JP2018106440A Pending JP2019213323A (ja) | 2018-06-01 | 2018-06-01 | モータの駆動装置、および画像形成装置 |
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Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006025575A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Sanken Electric Co Ltd | ステッピングモータ駆動装置の断線検出装置 |
-
2018
- 2018-06-01 JP JP2018106440A patent/JP2019213323A/ja active Pending
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