JP2019212576A - 半固体電解質層及び二次電池 - Google Patents

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栄二 關
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誠之 廣岡
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Abstract

【課題】二次電池としての十分な容量を確保しつつ、機械的強度及び耐熱性に優れた半固体電解質層及びそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の半固体電解質層は、半固体電解質溶媒を含む半固体電解液、並びに繊維状又は鱗片状の無機粒子を有する半固体電解質と、半固体電解質バインダとを含み、前記無機粒子の添加量が10重量%以上40重量%未満であり、引張強度が0.5MPa以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、半固体電解質層及びそれを用いた二次電池に関する。
固体電解質を用いた二次電池として、特許文献1には、表面に溶融塩と分子間相互作用する官能基を有する無機ナノファイバー、溶融塩、及び金属イオンを含む電解質、正極活物質を含む正極電極、及び負極活物質を含む負極電極を含む蓄電デバイスが開示されている。
特開2017−130448号公報
特許文献1の二次電池では、液体電解質と同等のレート特性を示す全固体二次電池を提供するために、合剤電極上に擬固体化電解質を塗布により形成しており、擬固体化電解質を自立膜とするには機械的強度が弱く、正極及び負極の短絡防止が難しくなる可能性があった。また、擬固体化電解質が高温になった場合の耐熱性についても、なお改良の余地があった。
そこで本発明は、二次電池としての十分な容量を確保しつつ、機械的強度及び耐熱性に優れた半固体電解質層及びそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、半固体電解質層の成分として、繊維状又は鱗片状の無機粒子を一定量添加することによって、上記課題が解決されることを見い出し、発明を完成した。すなわち、本発明の半固体電解質層は、半固体電解質溶媒を含む半固体電解液、並びに繊維状又は鱗片状の無機粒子を有する半固体電解質と、半固体電解質バインダとを含み、前記無機粒子の添加量が10重量%以上40重量%未満であり、引張強度が0.5MPa以上であることを特徴とする。
本発明により、十分な機械的強度を有する半固体電解質層を得ることができ、この半固体電解質を用いた二次電池では正極及び負極の短絡を確実に防止することができる。また、本発明により、耐熱性が向上した半固体電解質層を得ることができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る二次電池の断面図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更及び修正が可能である。
本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的に記載されている上限値又は下限値に置き換えても良い。また、本明細書に記載される数値範囲の上限値又は下限値は、実施例中に示されている値に置き換えても良い。
以下の実施形態においては、二次電池としてリチウムイオン二次電池を例にして説明する。リチウムイオン二次電池とは、電解質中における電極へのリチウムイオンの吸蔵・放出により、電気エネルギーを貯蔵又は利用可能とする電気化学デバイスである。これは、リチウムイオン電池、非水電解質二次電池、非水電解液二次電池等の別の名称で呼ばれており、いずれの電池も本発明の対象である。なお、本発明はリチウムイオン二次電池には限定されず、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、亜鉛二次電池、アルミニウムイオン二次電池等に対しても同様に適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池の断面図である。図1は積層型の二次電池であり、二次電池1000は、正極100、負極200、外装体500及び半固体電解質層300を有する。外装体500は、半固体電解質層300、正極100、負極200、を収容する。外装体500の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等、非水電解質に対し耐食性のある材料から適宜選択することができる。本発明は、捲回型の二次電池にも同様に適用することができる。
二次電池1000内で、正極100(電極)、半固体電解質層300及び負極200(電極)で構成される電極体400が積層されている。正極100、負極200又は半固体電解質層300を二次電池用シートと称する場合がある。半固体電解質層300及び正極100又は負極200が一体構造になっているものを半二次電池と称する場合がある。
正極100は、正極合剤層110(電極合剤層)、正極集電体120(電極集電体)及び正極タブ130(電極タブ)を有する。正極集電体120の両面に正極合剤層110が形成されている。負極200は、負極合剤層210(電極合剤層)、負極集電体220(電極集電体)、負極タブ230(電極タブ)を有する。負極集電体220の両面に負極合剤層210が形成されている。
電極タブ(正極タブ130、負極タブ230)には電極合剤層(正極合剤層110、負極合剤層210)が形成されていない。ただし、二次電池1000の性能に悪影響を与えない範囲で電極タブに電極合剤層を形成しても良い。正極タブ130及び負極タブ230は、外装体500の外部に突出しており、突出した複数の正極タブ130同士、複数の負極タブ230同士が、例えば超音波接合等で接合されることで、二次電池1000内で並列接続が形成される。本発明に係る二次電池は、二次電池1000中で電気的な直列接続を構成したバイポーラ型の二次電池であっても良い。
正極合剤層110は、正極活物質(電極活物質)、正極導電剤(電極導電剤)及び正極バインダ(電極バインダ)を有する。負極合剤層210は、負極活物質(電極活物質)、負極導電剤(電極導電剤)及び負極バインダ(電極バインダ)を有する。半固体電解質層300は、半固体電解質バインダ及び半固体電解質を有する。本実施形態において、半固体電解質は、半固体電解質溶媒を含む半固体電解液と、繊維状又は鱗片状の無機粒子とを有する。
必要に応じて、電極合剤層の細孔に半固体電解液を充填させても良い。この場合、外装体500の空いている一辺や注液孔から二次電池1000に半固体電解液を注入し、電極合剤層の細孔に半固体電解液を充填させる。ここで、半固体電解質層300に含まれる無機粒子は電極合剤層の細孔に充填させることを要しない。すなわち、電極合剤層中の電極活物質や電極導電剤等の粒子が担持粒子として機能して、それらの粒子が半固体電解液を保持する。電極合剤層の細孔に半固体電解液を充填する別の方法として、半固体電解液、電極活物質、電極導電剤及び電極バインダを混合したスラリーを調製し、調整したスラリーを電極集電体上に一緒に塗布する方法等がある。
電極合剤層に半固体電解液が含まれている場合、電極合剤層中の半固体電解液の含有量は、30重量%以上50重量%以下とすることが望ましい。半固体電解液の含有量が少ない場合、電極合剤層内部でのイオン伝導経路が十分に形成されずレート特性が低下する可能性がある。また、半固体電解液の含有量が多い場合、電極合剤層から半固体電解液が漏れ出す可能性があることに加え、活物質が不十分となりエネルギー密度の低下を招く可能性がある。
二次電池1000は、微多孔膜等のセパレータを有していても良い。セパレータの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンや、ガラス繊維等を利用することができる。セパレータとして微多孔膜が用いられる場合、外装体500の空いている一辺や注液孔から二次電池1000に半固体電解液を注入することで、セパレータに半固体電解液を充填することができる。
次に、正極100、半固体電解質層300及び負極200を構成する各要素について詳述する。
<電極導電剤>
電極導電剤は、電極合剤層の導電性を向上させる。電極導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等が好適に用いられるが、これらに限定されるものではない。
<電極バインダ>
電極バインダは、電極中の電極活物質や電極導電剤等を結着させる。電極バインダとしては、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロ−ス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<正極活物質>
貴な電位を示す正極活物質は、充電過程においてリチウムイオンが脱離し、放電過程において負極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。正極活物質の材料として、遷移金属を含むリチウム複合酸化物が望ましく、具体例としては、LiMO、Li過剰組成のLi[LiM]O、LiM、LiMPO、LiMVO、LiMBO、LiMSiO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Cr、Zn、Ta、Al、Mg、Cu、Cd、Mo、Nb、W、Ru等を少なくとも1種類以上含む)が挙げられる。また、これらの材料における酸素の一部を、フッ素等の他の元素に置換しても良い。さらに、硫黄、TiS、MoS、Mo、TiSe等のカルコゲナイドや、V等のバナジウム系酸化物、FeF等のハライド、ポリアニオンを構成するFe(MoO、Fe(SO、LiFe(PO等、キノン系有機結晶等も適用可能である。なお、化学組成におけるリチウムやアニオン量は、上記定比組成からずれていても良い。
<正極集電体120>
正極集電体120として、厚さが1μm以上100μm以下のアルミニウム箔、厚さが10μm以上100μm以下、孔径0.1mm以上10mm以下の孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等を適用することができる。材質として、アルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタン等が適用可能である。
<負極活物質>
負極活物質は、放電過程においてリチウムイオンが脱離し、充電過程において正極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。卑な電位を示す負極活物質の材料として、例えば、炭素系材料(例えば、黒鉛、易黒鉛化炭素材料、非晶質炭素材料、有機結晶、活性炭等)、導電性高分子材料(例えば、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリアセチレン)、リチウム複合酸化物(例えば、チタン酸リチウム:LiTi12やLiTiO等)、金属リチウム、リチウムと合金化する金属(例えば、アルミニウム、シリコン、スズ等を少なくとも一種類以上含む)やこれらの酸化物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
<負極集電体220>
負極集電体220として、厚さが1μm以上100μm以下の銅箔、厚さが1μm以上100μm以下、孔径0.1mm以上10mm以下の銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等が適用可能である。材質として、銅の他に、ステンレス鋼、チタン、ニッケル等を用いることができる。
<電極>
上述の電極活物質、電極導電剤、電極バインダ及び有機溶媒を混合した電極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等の塗工方法によって電極集電体へ付着させることで電極合剤層が作製される。その後、有機溶媒を除去するために電極合剤層を乾燥し、ロールプレスによって電極合剤層を加圧成形することによって電極を得ることができる。電極スラリーに半固体電解液又は半固体電解質を含めても良い。また、塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の電極合剤層を電極集電体に積層させても良い。
電極合剤層の厚さは、電極活物質の平均粒径以上とすることが望ましい。電極合剤層の厚さが小さいと、隣接する電極活物質間の電子伝導性が悪化する可能性がある。電極活物質中に、電極合剤層の厚さ以上の平均粒径を有する粗粒がある場合、ふるい分級、風流分級等により粗粒を予め除去し、電極合剤層の厚さ以下の粒子とすることが望ましい。
<無機粒子>
次に、半固体電解質層300について説明する。半固体電解質層300は、半固体電解質バインダ及び半固体電解質を有する。そして、半固体電解質は、半固体電解質溶媒を含む半固体電解液と、繊維状又は鱗片状の無機粒子とを有している。そのような無機粒子としては、電気化学的安定性の観点から、絶縁性粒子であり有機溶媒又はイオン液体等を含む半固体電解液に不溶であることが好ましい。無機粒子として、例えば、シリカ(SiO)粒子、γ−アルミナ(Al)粒子、セリア(CeO)粒子、ベーマイト(AlOOH)粒子、ジルコニア(ZrO)粒子等の無機粒子を用いることができる。また、無機粒子として固体電解質を用いても良い。固体電解質としては、例えば、Li−La−Zr−O等の酸化物系固体電解質やLi10GePS12等の硫化物系固体電解質等の無機系固体電解質の粒子が挙げられる。その中でも、シリカ、γ−アルミナ、セリア、ベーマイト及びジルコニアの粒子が好ましく用いられる。これらの無機粒子は、いずれか一種を単独で用いても良く、複数種を組み合わせて用いても良い。
特に、本発明では、無機粒子として繊維状又は鱗片状のものを用いる。繊維状又は鱗片状の無機粒子を含有させることにより、電池の初期容量が向上するとともに、耐熱性にも優れた効果が得られる。なお、ここで「繊維状」とは、細長い形状である糸状、柱状、針状等のものをいう。また、「鱗片状」とは、厚み方向が他の方向より薄い平板状、曲がった板状等のものをいう。
繊維状又は鱗片状の無機粒子は、アスペクト比が高いことが好ましい。アスペクト比が小さ過ぎると、半固体電解質層300が高温になったときに、無機粒子が半固体電解質バインダとともに流動して、耐熱性が悪化する。また、アスペクト比が高過ぎると、半固体電解質を調製する際のスラリーの流動性が悪化したり、半固体電解質層300の表面が荒れてしまう問題が生じるため、これらのバランスを考慮して適宜設定される。例えば、アスペクト比は10以上100以下であることが好ましい。
なお、繊維状の無機粒子におけるアスペクト比とは、繊維の長さを線径で除した値である。ここで、繊維状の無機粒子の長さは、走査型電子顕微鏡による画像解析において、100個の無機粒子をランダムに選択し、それぞれの無機粒子の最も長い辺の長さを測定し、それらの測定した長さを100個の無機粒子について平均した値をいう。また、繊維状の無機粒子の線径とは、同様に走査型電子顕微鏡による画像解析において、100個の無機粒子をランダムに選択し、それぞれの無機粒子の最も長い辺の中点における繊維径を測定し、それらの測定した繊維径を100個の無機粒子について平均した値をいう。本実施形態において、繊維状の無機粒子の長さは、1μm以上500μm以下であることが好ましく、線径は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、鱗片状の無機粒子におけるアスペクト比とは、鱗片の長辺の長さを板厚で除した値である。ここで、鱗片状の無機粒子の長辺の長さとは、走査型電子顕微鏡による画像解析において、100個の無機粒子をランダムに選択し、それぞれの無機粒子の板面における最も長い辺の長さを測定し、それらの測定した長さを100個の無機粒子について平均した値をいう。また、鱗片状の無機粒子の板厚とは、同様に走査型電子顕微鏡による画像解析において、100個の無機粒子をランダムに選択し、それぞれの無機粒子の板面における最も長い辺の中点における板厚を測定し、それらの測定した板厚を100個の無機粒子について平均した値をいう。本実施形態において、鱗片状の無機粒子の長辺の長さは、1μm以上500μm以下であることが好ましく、板厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
本実施形態において、半固体電解質層300における繊維状又は鱗片状の無機粒子の添加量は、10重量%以上40重量%未満とする。好ましくは、10重量%以上25重量%以下である。半固体電解質層から半固体電解液が除去されたときの乾燥状態での無機粒子の添加量は、半固体電解液量を除いた組成になるので、上述の値よりも大きくなる。繊維状又は鱗片状の無機粒子の添加量が10重量%未満になると、半固体電解質層の耐熱性が悪化し、逆に、40重量%以上になると、相対的に半固体電解質バインダ又は半固体電解液の量が減少するので、半固体電解質層の機械的強度が悪化し、導電率が低下するため不可である。
また、本実施形態に係る半固体電解質層300は、上記の繊維状又は鱗片状の無機粒子の他に、例えば粒状等の、繊維状又は鱗片状ではない無機粒子を追加的に含んでいても良い。このような無機粒子としては、上記のシリカ、γ−アルミナ、ベーマイト、ジルコニアや、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化カルシウム(CaO)の粒子を挙げることができる。これらの無機粒子は、いずれか一種を単独で用いても良く、複数種を組み合わせて用いても良い。半固体電解質層300における、繊維状又は鱗片状ではない無機粒子の添加量は、多過ぎると相対的に繊維状又は鱗片状の無機粒子の量が少なくなり、本発明の効果が得られないため、この点を考慮して適宜設定することができる。例えば、半固体電解質層300中、10重量%以下とすることが好ましい。特に好ましくは5重量%以下である。
<半固体電解液>
半固体電解液は、半固体電解質溶媒、及び任意の低粘度有機溶媒を有する。半固体電解質溶媒は、大気中での安定性や二次電池内での耐熱性の観点から、低揮発性であり、具体的には室温における蒸気圧が150Pa以下であるものが望ましい。半固体電解質溶媒の具体例として、イオン液体、イオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒又は炭酸エステルと、電解質塩との混合物(錯体)を用いることができる。イオン液体、エーテル系溶媒又は炭酸エステルを主溶媒と称する場合がある。イオン液体とは、常温でカチオンとアニオンに解離する化合物であって、液体の状態を保持するものである。イオン液体は、イオン性液体、低融点溶融塩あるいは常温溶融塩と称されることがある。
イオン液体は、カチオン及びアニオンで構成され、カチオン種に応じて、イミダゾリウム系、アンモニウム系、ピロリジニウム系、ピペリジニウム系、ピリジニウム系、モルホリニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系等に分類される。イミダゾリウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムや1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMI)等のアルキルイミダゾリウムカチオン等がある。アンモニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(DEME)やテトラアミルアンモニウム等の他、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム等のアルキルアンモニウムカチオンがある。ピロリジニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム(Py13)や1−ブチル−1−メチルピロリジニウム等のアルキルピロリジニウムカチオン等がある。ピペリジニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム(PP13)や1−ブチル−1−メチルピペリジニウム等のアルキルピペリジニウムカチオン等がある。ピリジニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、1−ブチルピリジニウムや1−ブチル−4−メチルピリジニウム等のアルキルピリジニウムカチオン等がある。モルホリニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、4−エチル−4−メチルモルホリニウム等のアルキルモルホリニウム等がある。ホスホニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、テトラブチルホスホニウムやトリブチルメチルホスホニウム等のアルキルホスホニウムカチオン等がある。スルホニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、トリメチルスルホニウムやトリブチルスルホニウム等のアルキルスルホニウムカチオン等がある。これらカチオンと対になるアニオンとしては、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)、ビス(フルオロスルホニル)イミド、テトラフルオロボレート(BF)、ヘキサフルオロホスフェート(PF)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(BETI)、トリフルオロメタンスルホネート(トリフラート)、アセテート、ジメチルホスフェート、ジシアナミド、トリフルオロ(トリフルオロメチル)ボレート等がある。これらのイオン液体は、いずれか一種を単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
エーテル系溶媒は、電解質塩とともに溶媒和イオン液体を構成する。エーテル系溶媒として、イオン液体と類似の性質を示す公知のグライム(R−O(CHCHO)−R’(R、R’は飽和炭化水素、nは整数)で表される対称グリコールジエーテルの総称)を用いることができる。イオン伝導性の観点から、テトラグライム(テトラエチレンジメチルグリコール、G4)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル、G3)、ペンタグライム(ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、G5)、及びヘキサグライム(ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、G6)を好ましく用いることができる。また、エーテル系溶媒として、クラウンエーテル((−CH−CH−O)(nは整数)で表される大環状エーテルの総称)を用いることもできる。具体的には、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6等を好ましく用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらのエーテル系溶媒は、いずれか一種を単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。電解質塩と錯体構造を容易に形成できる点で、テトラグライム又はトリグライムを用いることが特に好ましい。
炭酸エステル類としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、ガンマブチロラクトン及びそれらの混合物等を挙げることができる。
半固体電解質溶媒に含まれる電解質塩として、半固体電解質溶媒あるいは低粘度有機溶媒に対し均一に分散できるものを選択することが好ましい。例えば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiBETI)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロホスファート(LiPF)、リチウムトリフラート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの電解質塩は、いずれか一種を単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
半固体電解液における主溶媒の重量比率は、特には限定されないが、電池安定性及び高速充放電性能の観点から、半固体電解液中の溶媒の総和に占める主溶媒の重量比率は30重量%以上70%重量%以下、特に40重量%以上60重量%以下、さらには45重量%以上55重量%以下であることが望ましい。
<低粘度有機溶媒>
低粘度有機溶媒は、半固体電解液の粘度を下げ、イオン伝導率を向上させる。半固体電解質溶媒を含む半固体電解液の内部抵抗は大きいため、低粘度有機溶媒を添加して半固体電解液のイオン伝導率を上げることにより、半固体電解液の内部抵抗を下げることができる。このような低粘度有機溶媒は、特に、主溶媒がイオン液体又はエーテル系溶媒である場合に好適に用いられる。低粘度有機溶媒は、例えばエーテル系溶媒及び電解質塩の混合物の25℃における粘度140Pa・sより粘度が小さい溶媒であることが望ましい。低粘度有機溶媒として、炭酸プロピレン(PC)、リン酸トリメチル(TMP)、γ−ブチルラクトン(GBL)、炭酸エチレン(EC)、リン酸トリエチル(TEP)、亜リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)(TFP)、メチルホスホン酸ジメチル(DMMP)等が挙げられる。これらの低粘度有機溶媒は、いずれか一種を単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。低粘度有機溶媒に上記の電解質塩を溶解させても良い。
<負極界面安定化剤>
半固体電解液には、必要に応じて、負極界面安定化剤を含めることにより二次電池のレート特性の向上や電池寿命の向上を図ることができる。負極界面安定化剤の添加量は、半固体電解液中の溶媒(半固体電解質溶媒及び任意の低粘度有機溶媒)の重量に対して30重量%以下であることが好ましく、10重量%以下が特に好ましい。30重量%以下であれば、負極界面安定化剤を導入してもエーテル系溶媒等の主溶媒と電解質塩との溶媒和構造を大きく乱さない。負極界面安定化剤として、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等を好ましく用いることができる。これらの負極界面安定化剤は、いずれか一種を単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
<腐食防止剤>
半固体電解液には、正極集電体120が高い電気化学電位に晒されても金属が溶出しにくい皮膜を形成する腐食防止剤を含ませることが望ましい。腐食防止剤としては、PFやBFといったアニオン種と、水分を含む大気で安定な化合物を形成するための強い化学結合を有するカチオン種を含む材料を用いることが望ましい。
大気で安定な化合物であることを示す一指標としては、水に対する溶解度や加水分解の有無を挙げることができる。腐食防止剤が固体である場合、水に対する溶解度が1%未満であることが望ましい。また、加水分解の有無は、水と混合後の試料の分子構造解析によって評価することができる。ここで、「加水分解しない」とは、腐食防止剤が吸湿あるいは水と混和された後、100℃以上で加熱し水分を除去した後の残留物の95%が腐食防止剤と同じ分子構造を示していることを意味する。
腐食防止剤は(M−R)Anで表すことができる。(M−R)Anのカチオンは(M−R)であり、Mは窒素(N)、ホウ素(B)、リン(P)、硫黄(S)のいずれかであり、Rは炭化水素基から構成される。また、(M−R)AnのアニオンはAnであり、BF やPF が好適に用いられる。腐食防止剤のアニオンをBF やPF にすることで、正極集電体120の溶出を効率的に抑制することができる。これは、BF やPF のFアニオンが電極集電体のSUSやアルミニウムと反応し、不動態皮膜を形成することが影響しているものと考えられる。
腐食防止剤の例として、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート(NBuPF)、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート(NBuBF)等の4級アンモニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI−BF)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(EMI−PF)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMI−BF)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(BMI−PF)等のイミダゾリウム塩が挙げられる。特に、アニオンがPFであれば、正極集電体120の溶出を効率的に抑制することができる。これらの腐食防止剤は、いずれか一種を単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
腐食防止剤の添加量は、半固体電解液の総重量に対して、好ましくは1重量%以上20重量%以下、さらに好ましくは、2.5重量%以上10重量%以下である。腐食防止剤の添加量が少ないと、電極集電体の溶出を抑制する効果が低下し、充放電に伴い電池容量が低下し易い。また、腐食防止剤の添加量が多いと、リチウムイオン伝導度が低下し、さらに、腐食防止剤分解のために多くの蓄電エネルギーが消費されてしまい、結果として電池容量が低下する。
<半固体電解質バインダ>
半固体電解質バインダとしては、フッ素系の樹脂が好適に用いられる。フッ素系の樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、ビニリデンフルオライド及びヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP))等が適用可能である。その中でも、P(VDF−HFP)は好適に用いられる。これらの半固体電解質バインダは、いずれか一種を単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。PVDFやP(VDF−HFP)を用いることで、半固体電解質層300と電極集電体の密着性が向上するため、電池性能が向上する。
<半固体電解質>
半固体電解液が無機粒子に担持又は保持されることによって半固体電解質が構成される。半固体電解質の作製方法として、半固体電解液と無機粒子とを所定の比率で混合し、メタノール等の有機溶媒を添加し、混合して、半固体電解質のスラリーを調合した後、スラリーをシャーレ等に広げ、有機溶媒を留去して半固体電解質の粉末を得る方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
<半固体電解質層300>
半固体電解質層300は、正極100と負極200の間にリチウムイオンを伝達させる媒体として機能する。半固体電解質層300は電子の絶縁体としても働き、正極100と負極200との短絡を防止する。
半固体電解質層300の作製方法として、半固体電解質の粉末を成型ダイス等でペレット状に圧縮成型する方法や、半固体電解質バインダを半固体電解質の粉末に添加・混合し、シート化する方法等が挙げられる。半固体電解質に半固体電解質バインダの粉末を添加・混合することによって、柔軟性の高いシート状の半固体電解質層300を作製することができる。また、半固体電解質に対して、分散溶媒に半固体電解質バインダを溶解させた結着剤の溶液を添加・混合し、その後に分散溶媒を留去することで、半固体電解質層300を作製しても良い。半固体電解質層300は、半固体電解質及び半固体電解質バインダの混合物を電極上に塗布及び乾燥することによって作製しても良い。
半固体電解質層300中の半固体電解液の添加量は、30重量%以下70重量%以下であると、半固体電解質層300の導電性が高くなり望ましい。半固体電解液の添加量が少ない場合、電極と半固体電解質層300との界面抵抗が増加する可能性がある。また、半固体電解液の添加量が多い場合には、半固体電解質層300から半固体電解液が漏れ出してしまう可能性がある。また、半固体電解質層300における半固体電解質バインダの添加量は、特に限定されるものではないが、半固体電解質層300の機械的強度を確保する観点から、20重量%以上45重量%以下とすることが好ましい。
本実施形態に係る半固体電解質層300は、0.5MPa以上の引張強度を有する。引張強度は、半固体電解質層を左右に引っ張り、それが破断したときの応力を半固体電解質層の断面積(厚さ×幅)で除した値である。好ましくは0.7MPa以上であり、さらに好ましくは1MPa以上である。これにより、自立膜とするための十分な機械的強度が確保され、正極及び負極の短絡を確実に防止することができる。なお、本発明における引張強度は、島津製作所製オートグラフ等の公知の装置を用いて測定することができ、その測定には、例えば、厚さ25μm、幅1cm、長さ5cmの試料を用いる。この場合、試料の断面積は、2.5×10−7であるので、半固体電解質層が破断したときの応力が0.13Nのときに、約0.5MPaの引張強度に相当する。
以上のような半固体電解質層300を、正極100及び負極200と組み合わせることで、二次電池1000を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
無機粒子として、繊維状のアルミナ粒子を用いた。アルミナ粒子の形状と半固体電解質層における添加量を下表に示す。半固体電解質バインダとしてPVDF−HFPを用い、半固体電解液として、LiTFSIとG4(テトラグライム)の等モル混合液に、低粘度有機溶媒である炭酸プロピレンを1:2(LiTFSI及びG4:炭酸プロピレン)の体積比で混合し、さらに負極界面安定化剤としてビニレンカーボネートを添加したものを用いた。半固体電解液におけるビニレンカーボネートの添加量は、10重量%である。各成分の下表に示す。以上の成分を混合してシート状に成形し、厚さ25μmの半固体電解質層を得た。
得られた半固体電解質層の引張強度を、島津製作所製オートグラフを用いて測定した。厚さ25μm、幅1cm、長さ5cmの試料を用い、破断したときの応力は0.15Nであった。したがって、引張強度は0.6MPaであった。
得られた半固体電解質層を用いて、設計容量3Ahとして図1に示す積層型の二次電池を試作し、0.1Cの電流(0.3A)で充電し、4.2Vにて定電圧充電をした後に、0.1C又は1Cの電流にて、それぞれ放電容量を測定した。その結果を下表に示す。
また、得られた半固体電解質層について、耐熱性を評価した。半固体電解質層を正極と負極の間に挟持させ、正極と負極に0.1Vの電圧を印加した。この状態で、半固体電解質層の中央に、はんだこての200℃に加熱したこて先を突きとおし、正極と負極に流れる電流値と印加電圧(0.1V)から絶縁抵抗を測定した。その結果を下表に示す。
<実施例2〜3>
繊維状のアルミナ粒子の添加量を15重量%又は20重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例4〜6>
繊維状のアルミナ粒子に替えて、鱗片状のアルミナ粒子を所定の添加量で用いた以外は、実施例1と同様にして半固体電解質層を作製した。鱗片状のアルミナ粒子の形状等を下表に示す。また、得られた半固体電解質層及びそれを用いた二次電池について測定した諸特性を下表に示す。なお、表中の「長さ(μm)」は、鱗片状の無機粒子を用いる場合には長辺の長さを意味する。
<実施例7〜9>
繊維状のアルミナ粒子に替えて、繊維状のシリカ粒子を所定の添加量で用いた以外は、実施例1と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例10〜12>
繊維状のアルミナ粒子に替えて、繊維状のベーマイト粒子を所定の添加量で用いた以外は、実施例1と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例13〜15>
繊維状のアルミナ粒子に替えて、鱗片状のベーマイト粒子を所定の添加量で用いた以外は、実施例1と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例16〜17>
繊維状又は鱗片状のアルミナ粒子に加えて、粒状のシリカ粒子を5重量%添加し、半固体電解質バインダの添加量を35重量%に変更した以外は、実施例1又は実施例4と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例18>
繊維状のアルミナ粒子に替えて、繊維状のシリカ粒子を用いた以外は、実施例16と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例19〜20>
繊維状のアルミナ粒子に替えて、繊維状又は鱗片状のベーマイト粒子を用いた以外は、実施例16と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例21〜23>
麟片状のベーマイト粒子、半固体電解質バインダ及び半固体電解液の添加量を変更した以外は、実施例14と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例24>
半固体電解液を1M LiPFの炭酸エチレン及び炭酸エチルメチル(溶媒の体積混合比1:2)溶液に変更した以外は、実施例12と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<実施例25〜26>
鱗片状のベーマイト粒子の添加量を30重量%又は35重量%にまで高め、それに応じて半固体電解質バインダ及び半固体電解液の添加量を変更した以外は、実施例13と同様にして半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<比較例1>
繊維状又は鱗片状の無機粒子を添加せず、平均粒径10μmの粒状のシリカ粒子を5重量%添加し、実施例1に準じて半固体電解質層及び二次電池を作製し、実施例1と同様に諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<比較例2〜6>
下表に示すような繊維状又は鱗片状の各無機粒子の添加量を5重量%に変更し、実施例1に準じて半固体電解質層及び二次電池を作製し、諸特性を測定した。結果を下表に示す。
<比較例7〜11>
下表に示すような繊維状又は鱗片状の各無機粒子の添加量を40重量%に変更し、実施例1に準じて半固体電解質層及び二次電池を作製し、諸特性を測定した。結果を下表に示す。
Figure 2019212576
Figure 2019212576
<考察>
実施例1〜15の結果から、所定量の繊維状又は鱗片状の無機粒子を添加することにより、十分な電池容量が得られ、耐熱性にも優れることが明らかとなった。
実施例16〜20の結果から、繊維状又は鱗片状の無機粒子に加えて、粒状の無機粒子を混合した場合にも、同様に高い性能が得られることが分かった。
実施例21〜23の結果から、半固体電解質バインダの添加量は20重量%以上45重量%以下、半固体電解液の添加量は30重量%以上70重量%以下の範囲内で、本発明の効果が得られることが分かった。
実施例24の結果によれば、炭酸エチレン(炭酸エステル)を含む半固体電解液を用いた場合であっても、容量が大きく、耐熱性に優れていることが明らかになった。
実施例25及び26は、鱗片状の無機粒子の量を30重量%以上とした場合を示している。このように鱗片状の無機粒子の添加量を多くした場合であっても、引張強度は0.6MPa以上、初期容量は2.7Ah以上であって、他の実施例と遜色ない性能であることが分かった。それに加えて、200℃の抵抗値が他の実施例の結果よりも著しく増大し、耐熱性がより優れることが明らかとなった。
これらの実施例に対して、比較例では、容量を増大させ、耐熱性を高めることが同時に実現することができない。
例えば、比較例1では、半固体電解質バインダの添加量が多いため引張強度が0.5MPa以上であるが、繊維状又は鱗片状の無機粒子を用いていないため、耐熱性に劣る。比較例2〜6では、繊維状又は鱗片状の無機粒子の添加量が5重量%と小さいため、耐熱性が悪くなった。さらに、比較例7〜11では、引張強度が1MPa以上であるが、繊維状又は鱗片状の無機粒子の添加量が40重量%と多量になったため、容量が低下した。
100 正極
110 正極合剤層
120 正極集電体
130 正極タブ
200 負極
210 負極合剤層
220 負極集電体
230 負極タブ
300 半固体電解質層
400 電極体
500 外装体
1000 二次電池

Claims (10)

  1. 半固体電解質溶媒を含む半固体電解液、並びに繊維状又は鱗片状の無機粒子を有する半固体電解質と、半固体電解質バインダとを含み、
    前記無機粒子の添加量が10重量%以上40重量%未満であり、
    引張強度が0.5MPa以上である、半固体電解質層。
  2. 前記無機粒子が繊維状であって、線径が0.1μm以上10μm以下であり、長さが1μm以上500μm以下であり、アスペクト比が10以上100以下である請求項1に記載の半固体電解質層。
  3. 前記無機粒子が鱗片状であって、板厚が0.1μm以上10μm以下であり、長辺の長さが1μm以上500μm以下であり、アスペクト比が10以上100以下である請求項1に記載の半固体電解質層。
  4. 前記無機粒子が、シリカ、γ−アルミナ、セリア、ベーマイト及びジルコニアからなる群から選択される一種以上である請求項1に記載の半固体電解質層。
  5. シリカ、γ−アルミナ、ベーマイト、ジルコニア、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムからなる群から選択される一種以上の、繊維状又は鱗片状ではない無機粒子をさらに含む請求項1に記載の半固体電解質層。
  6. 前記半固体電解質溶媒が、イオン液体、エーテル系溶媒又は炭酸エステルと、電解質塩とを含む請求項1に記載の半固体電解質層。
  7. 前記半固体電解液の添加量が、30重量%以上70重量%以下である請求項1に記載の半固体電解質層。
  8. 前記半固体電解質バインダが、ビニリデンフルオライド及びヘキサフルオロプロピレンの共重合体を含む請求項1に記載の半固体電解質層。
  9. 前記半固体電解質バインダの添加量が、20重量%以上45重量%以下である請求項1に記載の半固体電解質層。
  10. 請求項1に記載の半固体電解質層、正極及び負極を有する二次電池。
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