JP2019212194A - 情報読取装置とその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】情報記録媒体の種類を識別することのできる情報読取装置とその制御方法を提供する。【解決手段】パスポート2Aの見開き面の一方の面及びIDカード2Bの全体のいずれか一方が載置されるガラス板3を含む媒体挿入部16を有し、媒体挿入部16に挿入された情報記録媒体2から光学的に情報を読み取る情報読取装置1のシステム制御部40は、ガラス板3の媒体押え機構12と重なる判定用領域3R,3Lと媒体押え機構12の間に物体がない状態で判定用領域3R,3Lを撮像素子8により撮像して得られる画像データの特徴を示す予めROMに記憶された基準情報と、情報記録媒体2が載置された状態で判定用領域3R,3Lを撮像素子8により撮像して得られる画像データの特徴を示す特徴情報との類似度に基づいて、パスポート2AとIDカード2Bのどちらがガラス板3に載置されているかを識別する。【選択図】図15

Description

本発明は、2種類の情報記録媒体に記録された情報を光学的に読み取ることのできる情報読取装置とその制御方法に関する。
特許文献1には、情報記録媒体に記録された情報を光学的に読み取ることのできる情報読取装置が記載されている。この情報読取装置は、パスポート等の冊子状の情報記録媒体と、IDカード等のカード状の情報記録媒体とのそれぞれから情報を読み取ることができるようになっている。
特開2018−26804号公報
特許文献1に記載された情報読取装置のように、形状の異なる複数種類の情報記録媒体から情報を読み取ることのできる装置においては、情報記録媒体の種類毎に、例えば情報の読み取り方法を変えたり、読み取った情報の上位装置への出力方法を変えたりするといった制御の変更が必要になる場合がある。この制御の変更を行うためには、情報記録媒体の種類を識別する必要がある。特許文献1には、情報記録媒体の種類を識別することの必要性やその方法については記載されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、情報の読み取り対象となっている情報記録媒体の種類を簡易に識別することのできる情報読取装置とその制御方法を提供することを目的としている。
本発明の情報読取装置は、第一情報記録媒体と前記第一情報記録媒体よりも小さい第二情報記録媒体とを含む情報記録媒体が挿入される媒体挿入部を有し、前記媒体挿入部に挿入された前記情報記録媒体から光学的に情報を読み取る情報読取装置であって、前記媒体挿入部は、前記第一情報記録媒体及び前記第二情報記録媒体のいずれか一方が載置される載置部と、前記情報記録媒体の前記媒体挿入部への挿入方向と前記第二情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第二情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて前記第二情報記録媒体の長手方向の両端部よりも前記長手方向の外側に位置し、且つ前記挿入方向と前記第一情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第一情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて、前記第一情報記録媒体と重なるように配置された部材と、を有し、前記載置部に載置された前記情報記録媒体を撮像する撮像素子と、前記載置部における前記部材と重なる領域である判定用領域と前記部材の間に物体が存在しない状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データの特徴を示す基準情報を予め記憶する記憶部と、前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す特徴情報と前記基準情報との類似度に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する第一の媒体識別処理を行う媒体識別部と、を備えるものである。
本発明の情報読取装置の制御方法は、第一情報記録媒体と前記第一情報記録媒体よりも小さい第二情報記録媒体とを含む情報記録媒体が挿入される媒体挿入部を有し、前記媒体挿入部に挿入された前記情報記録媒体から光学的に情報を読み取る情報読取装置の制御方法であって、前記媒体挿入部は、前記第一情報記録媒体及び前記第二情報記録媒体のいずれか一方が載置される載置部と、前記情報記録媒体の前記媒体挿入部への挿入方向と前記第二情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第二情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて前記第二情報記録媒体の長手方向の両端部よりも前記長手方向の外側に位置し、且つ前記挿入方向と前記第一情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第一情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて、前記第一情報記録媒体と重なるように配置された部材と、を有し、前記情報読取装置は、前記載置部に載置された前記情報記録媒体を撮像する撮像素子と、前記載置部における前記部材と重なる領域である判定用領域と前記部材の間に物体が存在しない状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データの特徴を示す基準情報を予め記憶する記憶部と、を有し、前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す特徴情報と前記基準情報との類似度に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別するものである。
本発明によれば、情報の読み取り対象となっている情報記録媒体の種類を簡易に識別することのできる情報読取装置とその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施形態である情報読取装置1の斜視図である。 図1に示す情報読取装置1のガラス板3、カバー部材15、及び照明4,5を抜き出して示す斜視図である。 図2に示すガラス板3、カバー部材15、及び照明4,5の正面図である。 図1に示す情報読取装置1の内部の光路を説明するための側面図である。 図1に示す情報読取装置1のシャッタ機構14の動作を説明するための側面図である。 図2に示す媒体押え機構を別の方向から示す斜視図である。 図2に示す媒体押え機構の正面図である。 図2に示す媒体押え機構の分解斜視図である。 図1に示す情報読取装置に情報記録媒体が挿入された状態を説明するための斜視図である。 図1に示す情報読取装置に第1の情報記録媒体が挿入されたときの押え部材及び接触部材の動作を説明するための側面図である。 図2に示すガラス板3を上下方向且つ上面部15a側から見た平面模式図である。 図1に示す情報読取装置1の内部構成を示すブロック図である。 図12に示すシステム制御部40の機能ブロック図である。 基準情報と、ガラス板3にパスポート2Aが載置された状態に得られる特徴情報の一例を示す図である。 図1に示す情報読取装置1の動作を説明するためのフローチャートである。 ガラス板3に設定される識別用領域の例を示す図である。 第二の変形例の情報読取装置1が第二の媒体識別処理を行うときの動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(情報読取装置の概略構成)
図1は、本発明の一実施形態である情報読取装置1の斜視図である。図2は、図1に示す情報読取装置1のガラス板3、カバー部材15、及び照明4,5を抜き出して示す斜視図である。図3は、図2に示すガラス板3、カバー部材15、及び照明4,5の正面図である。図4は、図1に示す情報読取装置1の内部の光路を説明するための側面図である。図5は、図1に示す情報読取装置1のシャッタ機構14の動作を説明するための側面図である。
情報読取装置1は、情報記録媒体2に記録された情報を光学的に読み取る装置である。すなわち、情報読取装置1は、情報記録媒体2に印刷等された文字や図形等を読み取る装置である。この情報読取装置1は、手動式の読取装置であり、情報読取装置1への情報記録媒体2の挿入と情報読取装置1からの情報記録媒体2の抜取りとが手動で行われる。また、情報読取装置1は、比較的小さな卓上型の読取装置である。情報読取装置1で読み取られる情報記録媒体2は、第一情報記録媒体の一例であるパスポート2A(図1参照)と、第二情報記録媒体の一例であるIDカード2B(図3参照)である。パスポート2A及びIDカード2Bには、所有者の顔写真と生年月日を含む個人情報等が印刷された情報記録面が設けられている。
パスポート2Aは、複数枚の紙を綴じた冊子であり、図1に示すように、表紙2sの裏面である情報記録面2saと、表紙2sの隣の頁であって表紙2sの情報記録面2saと対面する頁面2sbとによって構成される見開き面のうちの情報記録面2saに記録された情報(顔写真と個人情報等)が情報読取装置1で光学的に読み取られる。
パスポート2Aの背表紙2bには、非接触通信によって情報を読み取ることのできる非接触通信用IC(Integrated Circuit)及び非接触通信用のアンテナが内蔵されている。パスポート2Aは、例えば国際民間航空機関(ICAO)が公表したガイドラインに沿って作成されたパスポートである。パスポート2Aの表紙2sの情報記録面2saの挿入方向の端部の奥端部分には、文字認識に利用される文字が記録されている。
IDカード2Bは、長方形状且つ板状のカード状の媒体である。IDカード2Bは、IDカード2Bの両面が情報記録面となっており、情報記録面に記録された情報(顔写真と個人情報等)が情報読取装置1で光学的に読み取られる。
パスポート2Aは、表紙2sを開き上記の見開き面が見える状態で情報読取装置1に挿入される。開いた状態で情報読取装置1に挿入されたパスポート2Aの表紙2sの厚さ方向と、情報読取装置1に挿入されたIDカード2Bの厚さ方向を、それぞれ上下方向という。なお、図4では、説明の便宜上、パスポート2AとIDカード2Bとが一緒に情報読取装置1に挿入されているが、実際には、パスポート2A及びIDカード2Bのいずれか一方が情報読取装置1に挿入される。パスポート2Aは、その情報記録面2saが、上下方向から見て、IDカード2Bの情報記録面よりも大きい情報記録媒体である。情報読取装置1が読み取り対象とする第一情報記録媒体は、第二情報記録媒体よりも上下方向から見た面積の大きい情報記録面を持つものであればよく、パスポートには限定されるものではない。例えば、第一情報記録媒体が、情報記録面2saと同等の面積の情報記録面を持つカード状の情報記録媒体であってもよい。
以下の説明では、情報読取装置1への情報記録媒体2の挿入方向側(図1等の方向Y2側)を「奥」側または「後ろ」側とし、情報読取装置1からの情報記録媒体2の抜取り方向側(図1等の方向Y1側)を「前」側とする。また、情報読取装置1に対する情報記録媒体2の挿入抜取り方向(図1等の方向Y)を「前後方向」とし、上下方向と前後方向とに直交する方向(図1等の方向X)を「左右方向」とする。
情報読取装置1は、情報記録媒体2が載置される載置部を構成する透明なガラス板3と、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の下面に光を照射する照明4(図2及び図3参照)と、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の上面に光を照射する照明5(図2及び図3参照)と、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の下面に記録された情報を読み取るための光学系6(図4参照)と、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の上面に記録された情報を読み取るための光学系7(図4参照)と、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子8(図4及び図5参照)と、光学系6を通過した光を撮像素子8に結像させるとともに、光学系7を通過した光を撮像素子8に結像させる結像光学系9(図4及び図5参照)と、これらの構成要素が収容される筐体10(図1参照)とを備えている。
また、情報読取装置1は、ガラス板3に載置されたパスポート2Aの左右方向の両端部を上側から押えるための媒体押え機構12を備えている。媒体押え機構12はガイド機構を構成する。なお、図1及び図4では、媒体押え機構12の図示を省略している。
また、情報読取装置1は、光学系6を通過した光の一部を結像光学系9に向かって透過させるとともに光学系7を通過した光の一部を結像光学系9に向かって反射するビームスプリッタ13(図4参照)と、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の下面に記録された情報を読み取るときに光学系7からビームスプリッタ13に入射する光を遮り、且つ、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の上面に記録された情報を読み取るときに光学系6からビームスプリッタ13に入射する光を遮るシャッタ機構14(図5参照)とを備えている。ビームスプリッタ13及びシャッタ機構14は、筐体10に収容されている。
さらに、情報読取装置1は、図2及び図3に示すように、ガラス板3に載置される情報記録媒体2よりも上側に配置される上面部15aと、上面部15aの左右の両端側に繋がる2個の側面部15bと、上面部15aの奥端側に繋がる奥面部15cとを有するカバー部材15を備えている。カバー部材15は、例えば、透明なアクリル樹脂で形成されている。奥面部15cには、例えば、遮光性の塗料が塗布されており、光を遮断する遮光部を構成している。一方、上面部15a及び側面部15bは、透明になっている。
上面部15aは、長方形の平板状に形成されており、上面部15aの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。また、上面部15aは、上面部15aの端面が前後方向または左右方向と平行になるように配置されている。側面部15bは、長方形の平板状に形成されており、側面部15bの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。奥面部15cは、長方形の平板状に形成されており、奥面部15cの厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。奥面部15cの左右方向の両端は、側面部15bの奥端に繋がっている。
ガラス板3は、長方形の平板状に形成されており、ガラス板3の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。また、ガラス板3は、ガラス板3の端面が前後方向又は左右方向と平行になるように配置されている。2つの側面部15bの各々の下端及び奥面部15cの下端は、ガラス板3の上面に接触している。ガラス板3とカバー部材15とによって、前面が開口するとともに情報記録媒体2の少なくとも一部が載置される箱状の媒体挿入部16が形成されている。図1に示すように、媒体挿入部16の、前面の開口以外の部分は、筐体10によって覆われている。
筐体10におけるガラス板3よりも前側には、図1に示すように、パスポート2Aに内蔵される非接触通信用のアンテナと通信を行うためのアンテナ17を内蔵する傾斜面17aが形成されている。傾斜面17aは、ガラス板3に対し下方向に向かって傾斜している。また、情報読取装置1は、図1に示すようにカメラ18を備えている。カメラ18は、媒体挿入部16よりも上側に配置されている。カメラ18の光軸は、前側に向かうにしたがって上側に向かうように傾斜している。カメラ18は、たとえば、情報記録媒体2の読取操作を行う者の顔を撮影する。
(照明の構成及び配置)
図3に示すように、照明4,5は、複数の光源が実装される基板24と、光源から射出された光が入射する照明レンズ25とを備えている。照明4,5は、光源として、白色光を射出する複数の白色LEDと、赤外光を射出する複数の赤外線LEDと、紫外光を射出する複数の紫外線LEDとを備えている。基板24は、細長い長方形の平板状に形成されている。照明レンズ25は、細長い略直方体状に形成されている。この照明レンズ25は、基板24の、光源が実装された面に固定されている。
照明レンズ25には、白色LEDが射出する白色光と赤外線LEDが射出する赤外光と紫外線LEDが射出する紫外光とが入射し、照明レンズ25を透過した光が情報記録媒体2に照射される。なお、照明4,5から照射される赤外光は、OCR文字等の機械読取式の印刷情報の読取りに主に用いられる。また、照明4,5から照射される紫外光は、情報記録媒体2の真偽判定に必要な印刷情報(目に見えない蛍光発色インクによる印刷情報)の読取りに主に用いられる。
図3に示すように、照明4は、ガラス板3よりも下側に配置されている。また、情報読取装置1は、2個の照明4を備えており、照明4は、左右方向におけるガラス板3の両外側のそれぞれに配置されている。照明4は、ガラス板3に載置される情報記録媒体2に向かって左右方向の外側から、かつ、斜め下側から光を照射する。また、照明4から射出されガラス板3を透過した光が、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の下面に照射される。
照明5は、ガラス板3に載置される情報記録媒体2よりも上側に配置されている。また、情報読取装置1は、2個の照明5を備えており、照明5は、左右方向における媒体挿入部16の両外側のそれぞれに配置されている。すなわち、2個の照明5のうちの一方の照明5は、右側に配置される側面部15bの右側に配置され、2個の照明5のうちの他方の照明5は、左側に配置される側面部15bの左側に配置されている。照明5は、ガラス板3に載置される情報記録媒体2に向かって左右方向の外側から、かつ、斜め上側から光を照射する。また、照明5から射出され側面部15bを透過した光が、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の上面に照射される。
(光学系、結像光学系、ビームスプリッタ、撮像素子の構成及び配置)
図4に示すように、光学系6は、長方形の平板状に形成された3個の反射ミラー(全反射ミラー)30、31、32を備えている。反射ミラー30は、反射ミラー31よりも大きくなっており、反射ミラー31は、反射ミラー32よりも大きくなっている。反射ミラー30、31は、ガラス板3よりも下側に配置されている。具体的には、反射ミラー30は、ガラス板3に載置されるパスポート2Aの下側に配置されている。また、反射ミラー31は、反射ミラー30と略同じ高さに配置されるとともに、反射ミラー30よりも後ろ側に配置されている。反射ミラー32は、媒体挿入部16の後ろ側に配置されている。また、反射ミラー32は、反射ミラー31の上側に配置されている。
反射ミラー30〜32は、上下方向に対して所定の角度傾いた状態で配置されている。
具体的には、反射ミラー30〜32は、左右方向から見たときに上下方向に対して所定の角度傾いた状態で配置されている。反射ミラー30は、後ろ側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜し、反射ミラー31、32は、後ろ側に向かうにしたがって上側に向かうように傾斜している。反射ミラー30〜32の上下方向に対する傾斜角度は、略45°となっている。
反射ミラー30には、ガラス板3に載置された情報記録媒体2の下面で反射された光が入射する。反射ミラー31には、反射ミラー30で反射された光が入射し、反射ミラー32には、反射ミラー31で反射された光が入射する。反射ミラー30では、情報記録媒体2の下面で反射されて下側へ向かう光の光軸が後ろ側に折り曲げられる。また、反射ミラー31では、反射ミラー30で反射されて後ろ側へ向かう光の光軸が上側に折り曲げられ、反射ミラー32では、反射ミラー31で反射されて上側に向かう光の光軸が後ろ側に折り曲げられる。
図4に示すように、光学系7は、長方形の平板状に形成された2個の反射ミラー(全反射ミラー)33、34を備えている。反射ミラー33は、反射ミラー34よりも大きくなっている。反射ミラー33,34は、ガラス板3に載置される情報記録媒体2よりも上側に配置されている。具体的には、反射ミラー33は、ガラス板3に載置されるIDカード2Bの上側に配置されている。また、反射ミラー34は、反射ミラー33と略同じ高さに配置されるとともに、ガラス板3よりも後ろ側(すなわち、媒体挿入部16よりも後ろ側)に配置されている。また、反射ミラー33,34は、カバー部材15の上面部15aよりも上側(すなわち、媒体挿入部16よりも上側)に配置されている。
反射ミラー33,34は、上下方向に対して所定の角度傾いた状態で配置されている。具体的には、図4に示すように、反射ミラー33,34は、左右方向から見たときに上下方向に対して所定の角度傾いた状態で配置されている。反射ミラー33は、後ろ側に向かうにしたがって上側に向かうように傾斜し、反射ミラー34は、後ろ側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜している。反射ミラー33,34の上下方向に対する傾斜角度は、略45°となっている。
反射ミラー33には、ガラス板3に載置された情報記録媒体2の上面で反射された光が入射する。反射ミラー34には、反射ミラー33で反射された光が入射する。反射ミラー33では、情報記録媒体2の上面で反射されて上側へ向かう光の光軸が後ろ側に折り曲げられ、反射ミラー34では、反射ミラー33で反射されて後ろ側へ向かう光の光軸が下側に折り曲げられる。
結像光学系9は、結像レンズ35を備えている。結像レンズ35は、反射ミラー32の後ろ側に配置されている。また、結像レンズ35は、反射ミラー34よりも後ろ側に配置されている。撮像素子8は、結像レンズ35の後ろ側に配置されている。撮像素子8は、撮像面が前側を向くように配置されている。
ビームスプリッタ13は、長方形の平板状に形成されている。ビームスプリッタ13は、光の透過率と反射率とが等しいハーフミラーである。ビームスプリッタ13は、前後方向において、反射ミラー32と結像レンズ35との間に配置されている。すなわち、ビームスプリッタ13は、反射ミラー32の後ろ側であって、且つ、結像レンズ35の前側に配置されている。また、ビームスプリッタ13は、反射ミラー34の下側に配置されている。
ビームスプリッタ13は、上下方向に対して所定の角度傾いた状態で配置されている。具体的には、図4に示すように、ビームスプリッタ13は、左右方向から見たときに上下方向に対して所定の角度傾いた状態で配置されている。ビームスプリッタ13は、後ろ側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜している。ビームスプリッタ13の上下方向に対する傾斜角度は、略45°となっている。ビームスプリッタ13は、反射ミラー32で反射された光の半分を結像レンズ35に向かって透過させるとともに、反射ミラー34で反射された光の半分を結像レンズ35に向かって反射する。
ガラス板3に載置された情報記録媒体2の下面で反射された光の、撮像素子8までの光路長と、ガラス板3に載置された情報記録媒体2の上面で反射された光の、撮像素子8までの光路長とは、略等しくなっている。図4に示すように、撮像素子8が光学系6を介して行う撮像の撮像範囲はガラス板3の全体とされ、撮像素子8が光学系7を介して行う撮像の撮像範囲はガラス板3の一部とされている。
(シャッタ機構の構成)
図5に示すように、シャッタ機構14は、光学系6の反射ミラー32とビームスプリッタ13との間の光路を遮る第1遮光位置37A(図5(B)参照)と、光学系7の反射ミラー34とビームスプリッタ13との間の光路を遮る第2遮光位置37B(図5(A)参照)との間で移動可能なシャッタ37を備えている。シャッタ37は、反射ミラー32、34とビームスプリッタ13との間の光路を遮る遮光部37aを備えている。
また、シャッタ機構14は、第1遮光位置37Aと第2遮光位置37Bとの間でシャッタ37を移動させるシャッタ駆動機構を備えている。このシャッタ駆動機構は、シャッタ37が固定されるレバー部材39、及び、レバー部材39を回動させるソレノイド(図示省略)等を備える。レバー部材39は、左右方向を回動の軸方向として回動可能となっている。
シャッタ機構14のシャッタ37が駆動されることで、シャッタ37が第2遮光位置37B(図5(A)参照)にある状態では、撮像素子8がガラス板3を下面側から撮像し、シャッタ37が第1遮光位置37A(図5(B)参照)にある状態では、撮像素子8がガラス板3を上面側から撮像するようになっている。
(媒体押え機構の構成)
図6は、図2に示す媒体押え機構12を別の方向から示す斜視図である。図7は、図2に示す媒体押え機構12の正面図である。図8は、図2に示す媒体押え機構12の分解斜視図である。図9は、図1に示す情報読取装置1に情報記録媒体2が挿入された状態を説明するための斜視図である。図10は、図1に示す情報読取装置1にパスポート2Aが挿入されたときの押え部材41及び接触部材42の動作を説明するための側面図である。
媒体押え機構12は、媒体挿入部16の内部に配置されている。この媒体押え機構12は、パスポート2Aの左右方向の両端部を上側から押える2個の押え部41aを有する押え部材41と、IDカード2Bの後端(奥端)が接触する接触部42aを有する接触部材42と、押え部材41及び接触部材42を保持する保持部材43とを備えている。また、媒体押え機構12は、保持部材43に対して押え部材41を下側に付勢する付勢部材としての圧縮コイルバネ44、45を備えている。媒体押え機構12は、2個の圧縮コイルバネ44と2個の圧縮コイルバネ45との合計4個の圧縮コイルバネ44、45を備えている。
保持部材43は、樹脂で形成されている。保持部材43は、媒体押え機構12の上面を構成する上面部43aと、媒体押え機構12の後面を構成する後面部43bと、媒体押え機構12の後端側の左右の側面を構成する側面部43cとを備えている。上面部43aは、左右方向の長さが長い略長方形の平板状に形成される基部43dと、基部43dの左右の両端側から前側に向かって突出する2個の突出部43eとから構成されている。基部43dは、基部43dの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。突出部43eは、前後方向の長さが長い略長方形の平板状に形成されており、突出部43eの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。
後面部43bは、左右方向の長さが長い略長方形の平板状に形成されており、後面部43bの厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。後面部43bの上端は、基部43dの後端に繋がっている。側面部43cは、略長方形の平板状に形成されており、側面部43cの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。側面部43cの上端は、基部43dの左右の両端のそれぞれに繋がり、側面部43cの後端は、後面部43bの左右の両端のそれぞれに繋がっている。
上面部43aの上面には、上側に向かって突出する2個の突起43fと2個の突起43gとが形成されている。突起43fは、2個の突出部43eのそれぞれの前端側部分に形成されている。突起43gは、基部43dの左右方向の両端側のそれぞれに形成されている。突起43fの上面は、上下方向に直交する平面となっている。突起43gは、半球状に形成されている。突起43fの上面及び突起43gの上端は、カバー部材15の上面部15aの下面に接触している。すなわち、保持部材43は、上面部15aの下面に接触している。
突出部43eの前端側には、下側に向かって突出する円柱状のバネ保持部43hが形成されている。バネ保持部43hは、圧縮コイルバネ44の内周側に挿入されている。基部43dには、圧縮コイルバネ45の内周側に挿入される軸部47aが形成されるバネ保持部材47が固定されている。バネ保持部材47は、軸部47aが基部43dから下側へ突出するように、基部43dの上面側に固定されている。バネ保持部材47には、2個の軸部47aが形成されている。
側面部43cには、保持部材43に対して押え部材41を上下方向へ案内するためのガイド溝43jが形成されている。ガイド溝43jは、左右方向で側面部43cを貫通しており、上下方向を長手方向とする長穴状に形成されている。また、側面部43cには、押え部材41に形成される後述のガイドピン41gをガイド溝43jに嵌めるための切欠き部43kが形成されている。切欠き部43kは、ガイド溝43jの上端部と側面部43cの前端面との間に形成されている。
また、側面部43cには、接触部材42に形成される後述のピン42dを保持する凹部(図示省略)が形成されている。この凹部は、左右方向における側面部43cの内側面から左右方向の外側に向かって窪むように形成されている。左右方向から見たときのこの凹部の形状は、円形状となっている。この凹部は、ガイド溝43jよりも後ろ側に配置されている。また、この凹部は、ガイド溝43jの下端よりも下側に配置されている。
押え部材41は、樹脂で形成されている。押え部材41は、上述のように、2個の押え部41aを備えている。押え部41aは、前後方向の長さが長い直線状に形成されている。すなわち、押え部41aは、前後方向に平行な直線状に形成されている。具体的には、押え部41aは、前後方向の長さが長い板状に形成されている。また、押え部材41は、2個の押え部41aのそれぞれの前端に繋がるガイド部41bと、2個の押え部41aの後端部(奥端部)を繋ぐ接続部41cとを備えている。接続部41cは、押え部41aの後端部の上側同士を繋いでいる。
押え部41aの下面は、上下方向に直交する平面となっている。ただし、押え部41aの下面には、上側に向かって窪む肉盗み部41dが形成されている(図6参照)。押え部41aの上面41eは、左右方向の内側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜する傾斜面となっている。すなわち、右側に配置される押え部41aの上面41eは、左側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜する傾斜面となっており、左側に配置される押え部41aの上面41eは、右側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜する傾斜面となっている。
押え部41aは、ガラス板3に載置されたパスポート2Aの左右方向の両端部(具体的には、パスポート2Aの表紙の左右方向の両端部)のそれぞれのほぼ全体に上側から接触してパスポート2Aの左右方向の両端部のほぼ全体を上側から押える機能を果たしている。すなわち、押え部41aは、パスポート2Aの左右方向の両端部の奥端部分にも上側から接触してパスポート2Aの左右方向の両端部の奥端部分も上側から押えている。
そのため、2個の押え部41aの左右方向の間隔は、パスポート2Aの左右方向の幅よりも狭くなっている(図9(A)参照)。一方、2個の押え部41aの左右方向の間隔は、IDカード2Bの左右方向の幅よりも広くなっている(図3(B)、図9(B)参照)。すなわち、ガラス板3に載置されたIDカード2Bの左右方向の幅は、2個の押え部41aの左右方向の間隔よりも狭くなっている。
押え部41aの後端部には、接触部材42に下側から接触して接触部42aを押し上げる押上部41fが形成されている。すなわち、押え部材41の左右方向の両端側のそれぞれには、押上部41fが形成されている。押上部41fは、接続部41cの下側に配置されている。押上部41fの上面は、左右方向から見たときの形状が円弧となる凸曲面状に形成されている。
ガイド部41bの左右方向の幅は、押え部41aの左右方向の幅と等しくなっている。ガイド部41bの下面は、左右方向から見たときの形状が円弧となる凸曲面状に形成されている。また、ガイド部41bの下面は、前側に向かうにしたがって上側へ向かうように傾斜している。ガイド部41bの左右方向の内側面は、上下方向から見たときの形状が円弧となる凹曲面状に形成されている。また、ガイド部41bの左右方向の内側面は、前側に向かうにしたがって左右方向の外側に広がっている。ガイド部41bは、情報読取装置1に挿入されるパスポート2Aを押え部41aの下側に案内する機能を果たしている。また、ガイド部41bは、情報読取装置1に挿入されるIDカード2Bを2個の押え部41aの間に案内する機能を果たしている。
ガイド部41bの後端部及び押え部41aは、保持部材43の突出部43eの下側に配置されている。接続部41cは、保持部材43の基部43dの下側に配置されている。圧縮コイルバネ44の下端は、ガイド部41bの後端部の上面に接触し、圧縮コイルバネ45の下端は、接続部41cの上面に接触している。すなわち、押え部材41は、圧縮コイルバネ44、45によって保持部材43に対して下側に付勢されており、保持部材43に対して上下動可能となっている。情報読取装置1にパスポート2Aが挿入されていないときには、圧縮コイルバネ44、45の付勢力によって、押え部41aの下面は、ガラス板3の上面に接触している。すなわち、情報読取装置1にパスポート2Aが挿入されていないときには、押え部材41は、ガラス板3の上面に接触している。
接続部41cの左右の両側面のそれぞれには、左右方向の外側に突出するガイドピン41gが形成されている。ガイドピン41gは、円柱状に形成されている。ガイドピン41gは、左右方向において押上部41fよりも外側に配置されている。また、左右方向から見たときに、ガイドピン41gは、押上部41fの真上に配置されている。すなわち、左右方向から見たときに、押上部41fは、ガイドピン41gの真下に配置されている。
ガイドピン41gは、保持部材43のガイド溝43jに係合している。具体的には、2本のガイドピン41gのそれぞれは、左右方向の内側から2個のガイド溝43jのそれぞれに係合している。押え部材41は、ガイドピン41gとガイド溝43jとによって、保持部材43に対して上下方向に案内される。また、押え部材41は、ガイドピン41gを中心にして、かつ、左右方向を回動の軸方向として保持部材43に対して回動可能となっている。
上下方向において、押え部41aと突出部43eとの間には、隙間が形成されている。上下方向における押え部41aと突出部43eとの間は、照明5から射出された光が通過する光通過部48となっている。すなわち、押え部41aの上側であって、かつ、突出部43eの下側は、照明5から射出され側面部15bを透過した光が、ガラス板3に載置される情報記録媒体2の上面に向かって通過する光通過部48となっている。
接触部材42は、樹脂で形成されている。また、接触部材42は、押え部材41と別体で形成されており、押え部材41の接続部41cの下側に配置されている。接触部材42は、上述のように、接触部42aを備えている。また、接触部材42は、接触部42aを支持する支持部42bを備えている。接触部42aは、左右方向の長さが長い平板状に形成されており、接触部42aの厚さ方向と前後方向とが略一致するように配置されている。支持部42bは、左右方向の長さが長い略平板状に形成されており、支持部42bの厚さ方向と上下方向とが略一致するように配置されている。接触部42aは、支持部42bの前端に繋がっている。また、接触部42aは、支持部42bの前端から下側へ伸びている。
接触部42aの左右方向の幅は、2個の押え部41aの左右方向の間隔よりも狭くなっている。また、接触部42aは、前後方向から見たときに2個の押え部41aの間に配置されている。接触部42aの下面の左右方向における中央部分には、図7に示すように、上側に窪む凹部42cが形成されている。凹部42cは、前後方向から見たときの形状が円弧となる凹曲面状に形成されている。凹部42cの左右方向の幅Hは、IDカード2Bの左右方向の幅(具体的には、ガラス板3に載置されたIDカード2Bの左右方向の幅)よりも狭くなっている。凹部42cの左右方向の外側は、上下方向に略直交する平面となっている。すなわち、接触部42aの下端面は、上下方向に略直交する平面となっている。
支持部42bの左右の両端面には、左右方向の外側に突出するピン42dが形成されている。ピン42dは、支持部42bの後端部に形成されている。また、ピン42dは、円柱状に形成されている。ピン42dは、上述した保持部材43の凹部に係合している。具体的には、2本のピン42dのそれぞれは、左右方向の内側から2個の凹部のそれぞれに挿入されている。接触部材42は、ピン42dを中心にして、かつ、左右方向を回動の軸方向として保持部材43に対して回動可能となっている。すなわち、接触部材42は、左右方向を回動の軸方向とする回動が可能となるように保持部材43に保持されている。
支持部42bの左右方向の両端側のそれぞれには、押え部材41の押上部41fが下側から接触している。押上部41fは、ピン42dよりも前側に配置されている。すなわち、保持部材43に対する接触部材42の回動中心は、押上部41fよりも後ろ側(奥側)に配置されている。また、押上部41fは、接触部42aよりも後ろ側(奥側)に配置されている。
情報読取装置1に情報記録媒体2が挿入されていない状態では、接触部42aの下端面は、上下方向に直交する平面となっており、ガラス板3の上面に接触している。また、この状態では、接触部42aの前面は、前後方向に直交する平面となっている。また、この状態では、接触部42aの前面は、押え部材41の接続部41cの前端よりもわずかに前側に配置されている。ガラス板3の前端面と接触部42aの前面との距離(前後方向の距離)は、ガラス板3に載置されるパスポート2Aの表紙の前後方向の幅よりも短くなっている(図9(A)参照)。また、ガラス板3の前端面と接触部42aの前面との距離は、ガラス板3に載置されるIDカード2Bの前後方向の幅よりも長くなっている(図9(B)参照)。
情報読取装置1にパスポート2Aが挿入され始めると、パスポート2Aが押え部材41の押え部41aの下側に入り込んで押え部41aの前端側が持ち上がる(図10(A)参照)。すなわち、情報読取装置1にパスポート2Aが挿入され始めると、押え部材41の前端側が持ち上がる。また、パスポート2Aが情報読取装置1の所定の位置まで入り込むと、図10(B)に示すように、押上部41fが持ち上がる。そのため、情報読取装置1にパスポート2Aが挿入されて所定位置まで入り込むと、支持部42bが押上部41fに押し上げられて、接触部材42がピン42dを中心にして回動する。具体的には、図10(B)に示すように、図10の時計回りの方向に接触部材42が回動して、接触部42aが持ち上がる。
上述のように、保持部材43に対する接触部材42の回動中心よりも押上部41fが前側に配置され、かつ、接触部42aが押上部41fよりも前側に配置されているため、接触部42aが持ち上がったときの接触部42aの上昇量は、パスポート2Aによって持ち上げられる押上部41fの上昇量よりも大きくなっている。すなわち、情報読取装置1にパスポート2Aが挿入されたときの接触部42aの上昇量は、パスポート2Aによって持ち上げられる押え部41aの上昇量よりも大きくなっており、パスポート2Aの表紙の厚さよりも大きくなっている。本形態では、情報読取装置1にパスポート2Aが挿入されたときの接触部42aの上昇量は、押え部41aの上昇量の約3倍となっている。そのため、情報読取装置1にパスポート2Aが挿入されると、パスポート2Aの奥端(表紙2sの奥端)は、接触部42aの下側を通過して、接触部42aよりも奥側に入り込む。
このように、パスポート2Aが情報読取装置1に挿入されると、押え部41aがパスポート2Aによって持ち上げられてパスポート2Aの左右方向の両端部を上側から押えるとともに、接触部42aが持ち上げられて、パスポート2Aの奥端が接触部42aの下側を通過する。また、パスポート2Aが情報読取装置1に挿入されると、押え部41aの上昇動作に連動して、接触部42aが持ち上げられる。具体的には、パスポート2Aが情報読取装置1に挿入されると、接触部材42が押え部材41によって上側に押されて接触部42aが持ち上げられる。
一方、上述のように、ガラス板3に載置されるIDカード2Bの左右方向の幅は、2個の押え部41aの左右方向の間隔よりも狭くなっている。そのため、情報読取装置1にIDカード2Bが挿入されても、押え部41aが持ち上がらず(すなわち、押え部材41が持ち上がらず)、押上部41fは持ち上がらない。したがって、情報読取装置1にIDカード2Bが挿入されても、接触部42aは持ち上がらない。そのため、情報読取装置1にIDカード2Bが挿入されると、接触部42aにIDカード2Bの奥端が接触する(図3(B)、図9(B)参照)。具体的には、接触部42aの前面にIDカード2Bの奥端が接触する。
(ガラス板に設定される領域の説明)
図11は、図2に示すガラス板3を上下方向且つ上面部15a側から見た平面模式図である。図11に示すように、ガラス板3には、媒体押え機構12と重なる略C字状の重なり領域3a(ハッチングを付した領域)と、重なり領域3aによって囲まれた媒体押え機構12と重ならない非重なり領域3bと、が含まれる。
重なり領域3aは、ガラス板3の前後方向の奥側の端部3Eyにおいて左右方向に沿って延びる直線状且つ略矩形状の第一領域AR1と、第一領域AR1の左右方向の両方の端部3Exa,3Exbの各々から前後方向の前側に向かって延びる直線状且つ略矩形状の一対の第二領域AR2,AR3とにより構成された略C字状の領域である。非重なり領域3bは、重なり領域3aによって囲まれる矩形の領域である。IDカード2Bは、この非重なり領域3bの奥側に載置された状態にて情報の読み取りが行われる。パスポート2Aは、重なり領域3a及び非重なり領域3bに載置された状態にて情報の読み取りが行われる。
情報読取装置1の撮像素子8の撮像範囲は、光学系6を介してガラス板3を撮像する場合には、図11に示す重なり領域3a及び非重なり領域3bを合わせた範囲となり、光学系7を介してガラス板3を撮像する場合には図11に示す非重なり領域3bとなる。撮像素子8によってガラス板3を撮像して撮像素子8から出力される撮像画像データは、前後方向の奥側の端部が、表示する際の上端として取り扱われ、前後方向の前側の端部が、表示する際の下端として取り扱われる。
図11(B)に示すように、重なり領域3aの第二領域AR2には判定用領域3Lが設定されている。判定用領域3Lは、図11の例では前後方向に沿って延びる直線状且つ矩形状の領域である。また、重なり領域3aの第二領域AR3には、判定用領域3Rが設定されている。判定用領域3Rは、図11(B)の例では前後方向に沿って延びる直線状且つ矩形の領域である。図11(B)の例では、判定用領域3Rと判定用領域3Lは前後方向における位置及び長さが同じであり且つ同じ形状とされている。なお、判定用領域3R及び判定用領域3Lの前後方向の長さは、第二領域AR2及び第二領域AR3の前後方向の長さより短くなっていてもよい。また、判定用領域3R及び判定用領域3Lの左右方向の長さは、第二領域AR2及び第二領域AR3の左右方向の長さより短くなっていてもよい。
媒体押え機構12のうちの判定用領域3R及び判定用領域3Lと重なる部分は、前後方向とIDカード2Bの長手方向が垂直となるようにIDカード2Bがガラス板3の非重なり領域3bに載置された図9(B)に示す状態にて、IDカード2Bの長手方向の両端部よりも該長手方向の外側に位置し、且つ前後方向にパスポート2Aの長手方向が垂直となるようにパスポート2Aがガラス板3に載置された図9(A)に示す状態にて、パスポート2Aと重なる(パスポート2Aの上方に位置する)ように配置された部材を構成する。
(情報読取装置の内部ブロック構成)
図12は、図1に示す情報読取装置1の内部構成を示すブロック図である。情報読取装置1は、上述してきた構成要素(カメラ18、照明4,5、撮像素子8、及びシャッタ機構14等)に加えて、照明4を駆動するドライバ4dと、照明5を駆動するドライバ5dと、撮像素子8を駆動するドライバ8dと、シャッタ機構14のレバー部材39を回動させるソレノイドを駆動するドライバ14dと、全体を統括制御するシステム制御部40と、を更に備える。
システム制御部40は、プログラムを実行して処理を行う各種のプロセッサと、RAM(Ramdom Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、を含む。各種のプロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Prosessing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。システム制御部40は、各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ又はCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。
システム制御部40のROMには、情報記録媒体2の種別を識別するために用いられる基準情報が予め記憶されている。このROMは記憶部を構成する。基準情報とは、図11の判定用領域3R,3Lと媒体押え機構12の間に物体が存在しない状態(つまり、情報記録媒体2が媒体挿入部16に挿入されていない状態)にて、ガラス板3を上下方向の媒体押え機構12側と反対側(ガラス板3の下面側)から紫外光下で撮像素子8により撮像して撮像素子8から出力される撮像画像データのうちの判定用領域3R,3Lの画像データ(媒体押え機構12の一部が被写体として含まれる画像データ)の特徴を示す情報である。
判定用領域3R,3Lの画像データの特徴を示す情報とは、例えば、この画像データに対して方向Yに射影処理を行って得られる射影データである。この画像データは、方向Yに並ぶ複数の画素データからなる画素ラインが方向Xに複数配列された構成である。この射影処理は、具体的には、判定用領域3Rを撮像して得られる画像データを構成する画素ライン毎に、その画素ラインに含まれる全ての画素データの平均濃度を算出し、判定用領域3Lを撮像して得られる画像データを構成する画素ライン毎に、その画素ラインに含まれる全ての画素データの平均濃度を算出する処理である。射影データは、こうして算出した平均濃度のデータが方向Xに多数並ぶデータ群となる。射影処理を行う方向は方向Yに限らず、方向Xとしてもよい。なお、判定用領域3R,3Lの画像データの特徴を示す情報としては、この画像データそのものであってもよい。
(情報読取装置のシステム制御部の機能ブロック)
図13は、図12に示すシステム制御部40の機能ブロック図である。システム制御部40は、ROMに記憶されたプログラムを実行して各部と協働することにより、媒体識別部40A、基準情報更新部40B、及び情報読取処理部40Cとして機能する。
媒体識別部40Aは、ガラス板3に情報記録媒体2が載置された状態にてガラス板3を媒体押え機構12側と反対側(ガラス板3の下面側)から紫外光下で撮像素子8により撮像して撮像素子8から出力される撮像画像データのうちの図11の判定用領域3R,3Lの画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す情報(以下、特徴情報という)と、ROMに記憶されている上記の基準情報との類似度に基づいて、ガラス板3に載置されている情報記録媒体2がパスポート2AとIDカード2Bのどちらであるかを識別する第一の媒体識別処理を行う。
ガラス板3にIDカード2Bが載置された状態であれば、図9(B)に示すように、媒体押え機構12とガラス板3の間には物体は存在しない。そのため、この状態における上記の特徴情報は、媒体押え機構12とガラス板3の間に物体が存在しない状態にて得られた上記の基準情報と類似することになる。したがって、媒体識別部40Aは、特徴情報と基準情報との類似度が予め決められた閾値以上となる場合には、ガラス板3に載置された情報記録媒体2をIDカード2Bとして識別する。
一方、ガラス板3にパスポート2Aが載置された状態であれば、図9(A)に示すように、媒体押え機構12とガラス板3の間にパスポート2Aが存在し、判定用領域3R,3L上方の媒体押え機構12は、ガラス板3の下面側から見てパスポート2Aによって遮られることになる。そのため、この状態における上記の特徴情報は、媒体押え機構12とガラス板3の間に物体が存在しない状態にて得られた上記の基準情報と大きく異なることになる。
図14は、基準情報と、ガラス板3にパスポート2Aが載置された状態に得られる特徴情報の一例を示す図である。図14の横軸は方向Xの位置であり、縦軸は上述した平均濃度である。図14においては、判定用領域3Lの画像データと判定用領域3Rの画像データとを方向Xに沿って左右に並べて表示している。図14に示すように、特徴情報Wsの波形と基準情報Wtの波形は大きく異なる。したがって、媒体識別部40Aは、特徴情報と基準情報との類似度が上記の閾値未満となる場合には、ガラス板3に載置された情報記録媒体2をパスポート2Aとして識別する。
なお、特徴情報と基準情報の類似度としては、特徴情報と基準情報とで相関演算を行って得られる相関係数α(0≦α≦1)や、特徴情報と基準情報の方向Xの位置が同じ平均濃度同士の差分の絶対値の平均値等を用いることができる。相関係数αは、その値が1に近いほど、特徴情報と基準情報の類似度が高いことを意味する。
基準情報更新部40Bは、媒体識別部40Aの第一の媒体識別処理によって情報記録媒体2がIDカード2Bであると識別された場合に、この識別に用いた上記の特徴情報に基づいて、ROMに記憶されている基準情報を更新する。
情報読取処理部40Cは、撮像素子8から出力された撮像画像データに基づいて、情報記録媒体2からの情報の読み取り処理を行う。情報の読み取り処理とは、パスポート2Aであれば、例えば、ガラス板3の下面を撮像して撮像素子8から出力された撮像画像データから、パスポート2Aの情報記録面2saの挿入方向の端部の奥端部分にある文字を認識し、認識した文字の情報を情報読取結果として上位装置に出力する一連の処理と、この撮像画像データからパスポート2Aの情報記録面2saの部分をトリミングし、トリミング後の画像データを180度回転させ、回転後の画像データを、情報読取結果として上位装置に出力する一連の処理、である。トリミング後の画像データを180度回転させるのは、パスポート2Aが媒体挿入部16に挿入された状態では、顔写真の向きがIDカード2Bの顔写真の向きとは180度回転した状態になっている場合があるためである。
また、情報の読み取り処理とは、IDカード2Bであれば、例えば、ガラス板3の下面を撮像して撮像素子8から出力された撮像画像データからIDカード2Bの部分をトリミングした画像と、ガラス板3の上面を撮像して撮像素子8から出力された撮像画像データからIDカード2Bの部分をトリミングした画像とを合成し、合成後の画像を情報読取結果として上位装置に出力する一連の処理である。
このように、情報読取処理部40Cは、識別された情報記録媒体2がIDカード2Bである場合にはIDカード2Bに対応した画像の加工処理を行い、識別された情報記録媒体2がパスポート2Aである場合にはパスポート2Aに対応した画像の加工処理を行って、情報読取結果を上位装置に出力する。
(情報読取装置の動作)
図15は、図1に示す情報読取装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図15に示す動作は、情報記録媒体2が媒体挿入部16に挿入されたことを検知された後に開始される。情報記録媒体2が媒体挿入部16に挿入されたことの検知は、例えば、媒体挿入部16の開口付近に設置した挿入検知センサを用いて行う。
まず、システム制御部40は、シャッタ37を第2遮光位置37Bに制御し、照明4から紫外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させ、続いて、シャッタ37を第1遮光位置37Aに制御し、照明5から紫外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させる(ステップS1)。
次に、システム制御部40の媒体識別部40Aは、ステップS1の紫外光下での撮像によって撮像素子8から出力された撮像画像データのうち、ガラス板3を下面側から撮像して得られた撮像画像データを取得し、この撮像画像データにおける判定用領域3Rの画像データ3GRと、この撮像画像データにおける判定用領域3Lの画像データ3GLと、を取得する(ステップS2)。
次に、媒体識別部40Aは、ステップS2にて取得した画像データ3GRと画像データ3GLに対し例えば射影処理を行うことで、画像データ3GR及び画像データ3GLの特徴情報を生成する(ステップS3)。
次に、媒体識別部40Aは、ROMに記憶されている基準情報を読み出し(ステップS4)、読み出した基準情報と、ステップS3にて生成した特徴情報との類似度としてこれら2つの情報の相関係数αを算出する(ステップS5)。
次に、媒体識別部40Aは、ステップS5にて算出した相関係数αが閾値(ここでは例えば0.5とする)以上であるか否かを判定する(ステップS6)。媒体識別部40Aは、相関係数αが0.5以上であった場合には、ガラス板3に載置された情報記録媒体2をIDカード2Bとして識別する(ステップS7)。媒体識別部40Aは、相関係数αが0.5未満であった場合には、ガラス板3に載置された情報記録媒体2をパスポート2Aとして識別する(ステップS8)。ステップS8の後はステップS11の処理が行われる。
ステップS7にて情報記録媒体2がIDカード2Bとして識別された場合には、システム制御部40の基準情報更新部40Bが、ステップS3にて生成された特徴情報に基づいて、新しい基準情報を生成する(ステップS9)。具体的には、基準情報更新部40Bは、ステップS3にて生成された特徴情報とステップS4により読み出された更新前の基準情報を、ステップS5にて算出された相関係数αに応じて重み付け加算することで、新しい基準情報を生成する。
例えば、ステップS3にて生成された特徴情報の方向Xの任意の位置における値をvとし、ステップS4にて読み出された基準情報の方向Xの該位置における値をtとし、該位置における新しい基準情報の値をTとした場合に、基準情報更新部40Bは、以下の式(a)の演算を行って、新しい基準情報の値Tを生成する。基準情報更新部40Bは、基準情報を構成する平均濃度データの総数分、式(a)の演算を行うことで、新しい基準情報を生成する。
T=(1.5−α)×t+(α−0.5)×v ・・・(a)
基準情報更新部40Bは、ステップS9にて新しい基準情報を生成すると、ROMに記憶されている古い基準情報をこの新しい基準情報によって上書きして、ROMに記憶されている基準情報の更新を行う(ステップS10)。
ステップS10の後のステップS11では、システム制御部40が、ステップS1の撮像によって撮像素子8から出力された2つの撮像画像データを解析して、ガラス板3に載置された情報記録媒体2が情報の読み取り対象となる媒体(適正媒体という)であるかどうかを判定する。ステップS1の撮像は紫外光が照射された状態で行われるため、情報記録媒体2の情報記録面に紫外光に反応するインクで印刷された情報が含まれていれば、上記2つの撮像画像データからこの情報を検出することができる。
システム制御部40は、この情報の検出ができなかった場合、又は、情報は検出できたが、検出できた情報の内容が所望の内容ではない場合等には、情報記録媒体2が適正媒体ではないと判定(ステップS11:NO)し、処理を終了する。システム制御部40は、この情報の検出ができてその内容が所望の内容であった場合には、情報記録媒体2が適正媒体であると判定し(ステップS11:YES)、ステップS12の処理を行う。なお、ステップS1の画像データから必要な情報が得られた場合、ステップS11で処理を終了してもよい。
ステップS7にて情報記録媒体2がIDカード2Bとして識別されていた場合には、ステップS12において、システム制御部40は、シャッタ37を第2遮光位置37Bに制御し、照明4から赤外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させ、その後、照明4から白色光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させる。続いて、システム制御部40は、シャッタ37を第1遮光位置37Aに制御し、照明5から赤外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させ、その後、照明5から白色光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させる。
ステップS8にて情報記録媒体2がパスポート2Aとして識別されていた場合には、ステップS12において、システム制御部40は、シャッタ37を第2遮光位置37Bに制御し、照明4から赤外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させ、その後、照明4から白色光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させる。
ステップS12の後、システム制御部40の情報読取処理部40Cは、ステップS12の撮像によって撮像素子8から出力された、白色光下で得た撮像画像データと、赤外光下で得た撮像画像データとに基づいて、情報の読み取りを行い(ステップS13)、その結果を上位装置に出力する。
(情報読取装置の効果)
以上の情報読取装置1によれば、判定用領域3R,3Lと媒体押え機構12の間に物体がない状態でこの判定用領域3R,3Lを撮像して得られる画像データの特徴を示す基準情報と、情報記録媒体2が載置された状態で判定用領域3R,3Lを撮像して得られる画像データの特徴を示す特徴情報との類似度に基づいて、パスポート2AとIDカード2Bのどちらがガラス板3に載置されているかが識別される。例えば、類似度が高い場合には、ガラス板3の判定用領域3R,3L上方には媒体押え機構12以外の物体がないと判断することができるため、情報記録媒体2がIDカード2Bであると判断することが可能になる。また、類似度が低い場合には、ガラス板3の判定用領域3R,3L上方には媒体押え機構12とは異なる物体(即ち情報記録媒体)が存在すると判断することができるため、情報記録媒体2がパスポート2Aであると判断することが可能になる。このように、特徴情報と基準情報が類似するかどうかで情報記録媒体2を識別することで、情報記録媒体2のデザインや撮像の仕方などによらずに、情報記録媒体2の識別を行うことができる。また、例えば、ガラス板3に載置された情報記録媒体2の全体を撮像して得られる画像を解析してその情報記録媒体2の識別を行うといった複雑な処理を行うことなく、判定用領域3R,3Lの画像データの解析だけでこの識別が可能となる。このため、情報記録媒体2の識別を簡易に行うことができる。
また、情報読取装置1は、情報記録媒体2がIDカード2Bであると識別した場合に、この識別に利用した特徴情報に基づいて、ROMの基準情報を更新する。媒体識別部40Aによって情報記録媒体2がIDカード2Bであると識別された場合とは、すなわち、ガラス板3の判定用領域3R,3L上方に媒体押え機構12以外の物体がない場合である。つまり、この場合の特徴情報は、基準情報としての要件を満たすと言える。このため、この特徴情報に基づいて基準情報を更新することで、経時変化や装置周辺の環境変化などによる影響も含めた最新の基準情報を用いて更新できるので、基準情報の精度を高めることができ、情報記録媒体2の識別精度を向上させることができる。
また、式(a)に示すように、相関係数αが高いほど、新しい基準情報の重みが強くなるように重み付け加算を行って基準情報を更新することで、基準情報の精度を向上させることができる。
(情報読取装置の第一の変形例)
図15に示した動作は、最初に紫外光を照射した状態にてガラス板3の撮像を行い、その撮像で得られる撮像画像データの解析の結果、情報記録媒体2が適正媒体であった場合に、白色光と赤外光を照射した状態にてガラス板3の撮像を行って情報の読み取りを開始するモードを想定したものである。しかし、情報記録媒体2が適正媒体であるかどうかの判断を行うことなく、情報読み取り処理を開始する別モードがあってもよい。
この別モード時の情報読取装置1の動作は、図15に示すフローチャートにおいて、ステップS1がステップS1aに変更され、ステップS11及びステップS12が削除されてステップS10の後にステップS13が行われるものとなる。
このステップS1aにおいて、システム制御部40は、シャッタ37を第2遮光位置37Bに制御し、照明4から赤外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させ、その後、照明4から白色光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させ、その後、照明4から紫外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させる。続いて、システム制御部40は、シャッタ37を第1遮光位置37Aに制御し、照明5から赤外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させ、その後、照明5から白色光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させ、その後、照明5から紫外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させる。
この別モードの動作例の場合、ステップS3の特徴情報の生成に用いる画像データは、紫外光下の撮像で得られたものに限らず、白色光下の撮像で得られたもの又は赤外光下の撮像で得られたものを用いてもよい。白色(又は赤外)光下の撮像で得られた画像データに基づいて特徴情報が生成される場合には、ROMに記憶される基準情報を、白色(赤外)光下の撮像で得られた画像データに基づいて生成されたものとすればよい。
(情報読取装置の第二の変形例)
第二の変形例の情報読取装置1では、媒体識別部40Aが上述した第一の媒体識別処理と、これとは別の第二の媒体識別処理とを選択的に行う。この第二の媒体識別処理を行うにあたり、ガラス板3の非重なり領域3bの前後方向の前側の端部には、図16に示すように、識別用領域3Aが設定されている。
識別用領域3Aは、パスポート2Aの情報記録面2saがガラス板3に載置された状態にて、パスポート2Aの見開き面の境界部2c側に位置するガラス板3の端部(ガラス板3の前後方向の前側の端部)における媒体押え機構12よりも内側の部分に設定されている。
ガラス板3の該端部とは、非重なり領域3bのうちのIDカード2Bを載置することが推奨される範囲の外側且つ前側(媒体挿入部16の媒体挿入口側)の部分を言う。具体的には、この端部は、ガラス板3を前後方向に均等に3分割した場合の最も前側(媒体挿入部16の媒体挿入口側)にある分割エリア、又は、ガラス板3を前後方向に均等に4分割した場合の最も前側(媒体挿入部16の媒体挿入口側)にある分割エリア等である。識別用領域3Aは、左右方向(方向X)に沿って延びる直線状且つ矩形状の領域であるが、形状はこれに限定されるものではない。
IDカード2Bがガラス板3における上記の推奨される範囲に載置された状態においては、識別用領域3AとIDカード2Bとは重ならない。一方、パスポート2Aの情報記録面2saがガラス板3に載置された状態においては、識別用領域3Aにパスポート2Aの情報記録面2saの一部が重なる。
媒体識別部40Aが行う第二の媒体識別処理は、撮像素子8から出力される識別用領域3Aの画像データに基づいて識別用領域3Aに物体が重なっているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて、ガラス板3に載置されている情報記録媒体2がパスポート2AとIDカード2Bのどちらであるかを識別する処理である。媒体識別部40Aが第一の媒体識別処理と第二の媒体識別処理のどちらを行うかは、例えば、上位装置からのモード設定によって決定される。
(第二の変形例の情報読取装置の動作)
図17は、第二の変形例の情報読取装置1が第二の媒体識別処理を行うときの動作を説明するためのフローチャートである。図17に示す動作は、情報記録媒体2が媒体挿入部16に挿入されたことを検知された後に開始される。
まず、システム制御部40は、シャッタ37を第2遮光位置37Bに制御し、照明4から赤外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させ、その後、照明4から白色光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させ、その後、照明4から紫外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を下面側から撮像させる。続いて、システム制御部40は、シャッタ37を第1遮光位置37Aに制御し、照明5から赤外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させ、その後、照明5から白色光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させ、その後、照明5から紫外光を照射させた状態にて、撮像素子8によりガラス板3を上面側から撮像させる(ステップS21)。
次に、システム制御部40は、ステップS21の撮像によって撮像素子8から出力された撮像画像データのうち、白色光下又は赤外光下の撮像で得られた撮像画像データにおける識別用領域3Aの画像データを取得する(ステップS22)。識別用領域3Aの画像データは、例えば、左右方向に並ぶ複数の画素値からなるラインデータが前後方向に複数個並ぶデータである。識別用領域3Aの画像データは、1つのラインデータだけで構成されていてもよい。
次に、システム制御部40は、ステップS22にて取得した識別用領域3Aの画像データに基づいて、識別用領域3Aに物体が重なっているか否かを判定する(ステップS23)。
識別用領域3Aに物体が重なっていない状態においては、ステップS22にて取得される識別用領域3Aの画像データは、透明なガラス板3を撮像して得られるものとなる。このため、この画像データを構成する各画素値は低い値となる。この各画素値のうちの最大値又はこの最大値に測定誤差を考慮した値を加算した値が、例えば後述の閾値TH1として予め設定されている。この閾値TH1の情報は、システム制御部40のROMに予め記憶されている。
一方、識別用領域3Aに物体が重なっている状態にてステップS21の撮像が行われると、この物体と重なる部分は不透明となって照明4,5からの光を反射する。このため、識別用領域3Aの画像データを構成する全ての画素値の中に、上記の閾値TH1以上となるものが存在するようになる。
したがって、媒体識別部40Aは、図17のステップS23において、識別用領域3Aの画像データの中に、閾値TH1以上となる画素値が所定個(例えば複数)以上となるラインデータが所定数(例えば複数)以上含まれる場合には、識別用領域3Aに物体が重なっていると判定する。媒体識別部40Aは、ステップS23において、識別用領域3Aの画像データの中に、閾値TH1以上となる画素値が所定個(例えば複数)以上となるラインデータが所定数(例えば複数)以上含まれない場合には、識別用領域3Aに物体が重なっていないと判定する。
媒体識別部40Aは、識別用領域3Aに物体が重なっていないと判定すると(ステップS23:NO)、ガラス板3に載置された情報記録媒体2をIDカード2Bとして識別する(ステップS24)。媒体識別部40Aは、識別用領域3Aに物体が重なっていると判定すると(ステップS23:YES)、ガラス板3に載置された情報記録媒体2をパスポート2Aとして識別する(ステップS25)。ステップS25の後は、ステップS29の処理が行われる。
ステップS24にて情報記録媒体2がIDカード2Bとして識別された場合には、媒体識別部40Aが、ステップS21における紫外光下での撮像によって撮像素子8から出力された撮像画像データのうち、ガラス板3を下面側から撮像して得られた撮像画像データを取得し、この撮像画像データにおける判定用領域3R,3Lの画像データ3GR,3GLを取得し、画像データ3GR,3GLの特徴を示す特徴情報を生成する(ステップS26)。
次に、基準情報更新部40Bは、ステップS26にて生成された特徴情報に基づいて、新しい基準情報を生成する(ステップS27)。具体的には、基準情報更新部40Bは、ステップS26にて生成された特徴情報とROMに記憶されている更新前の基準情報の平均をとって、新しい基準情報を生成する。
例えば、ステップS26にて生成された特徴情報の方向Xの任意の位置における値をvとし、ROMに記憶されている基準情報の方向Xの該位置における値をtとし、該位置における新しい基準情報の値をTとした場合に、基準情報更新部40Bは、以下の式(b)の演算を行って、新しい基準情報の値Tを生成する。基準情報更新部40Bは、基準情報を構成する平均濃度データの総数分、式(b)の演算を行うことで、新しい基準情報を生成する。
T=0.5×t+0.5×v ・・・(b)
基準情報更新部40Bは、ステップS27にて新しい基準情報を生成すると、ROMに記憶されている古い基準情報をこの新しい基準情報によって上書きして、ROMに記憶されている基準情報の更新を行う(ステップS28)。
ステップS28の後のステップS29では、情報読取処理部40Cが、ステップS21の撮像によって撮像素子8から出力された、白色光下で得た撮像画像データと、赤外光下で得た撮像画像データとに基づいて、情報の読み取りを行い(ステップS29)、その結果を上位装置に出力する。
(第二の変形例の情報読取装置の効果)
以上のように、第二の変形例の情報読取装置1によれば、第一の媒体識別処理だけでなく、第二の媒体識別処理を行うことができる。このため、管理者の要望に応じて識別処理を変えることができ、柔軟な運用が可能となる。
また、第二の媒体識別処理によって情報記録媒体2がIDカード2Bであることが識別された場合には、このIDカード2Bが載置されている状態にて取得される判定用領域3R,3Lの画像データの特徴を示す情報に基づいて、ROMの基準情報が更新される。基準情報の更新が多く行われるほど、基準情報の精度は高まっていく。このため、第二の媒体識別処理の結果を利用して基準情報を更新することで、第一の媒体識別処理が行われない期間であっても基準情報の更新が可能となり、基準情報の精度を高めることができる。
なお、識別用領域3Aの形状は、左右方向に沿って延びる直線状に限らず、例えば、非重なり領域3bの前側の端部に設定される正方形状又は円状等であってもよい。また、識別用領域3Aは、単独の領域である必要はなく、左右方向に並ぶ複数の識別用領域3Aであってもよい。これらの構成によれば、解析対象となる識別用領域3Aの画像データのデータ量が少なくてすむため、第二の媒体識別処理の処理負荷を軽減することができる。また、識別速度を速めることができる。
第二の媒体識別処理は、ステップS21にてガラス板3を下面側から撮像して撮像素子8から出力された撮像画像データのうち、白色光下又は赤外光下の撮像で得られた撮像画像データの全体に基づいてパスポート2AとIDカード2Bの識別を行う処理としてもよい。例えば、機械学習又は深層学習等によって決められたパラメータ及びこのパラメータを用いて画像認識を行うプログラムを含む画像認識モデル(例えば、ニューラルネットワーク又はサポートベクターマシン等)に、上記の撮像画像データを適用し、この撮像画像データにIDカード2B又はパスポート2Aが含まれているかを認識することで、パスポート2AとIDカード2Bの識別を行ってもよい。
(その他の変形例)
ここまでの実施形態及びその変形例の説明では、1つの撮像素子8によってガラス板3の下面と上面を撮像可能としているが、ガラス板3の上面を撮像する撮像素子と、ガラス板3の下面を撮像する撮像素子とを個別に設けておいてもよい。
ここまでの実施形態及びその変形例の説明では、ガラス板3を下面側からみたときに、判定用領域3R,3Lの背面に媒体押え機構12が存在するものとしたが、媒体押え機構12がない情報読取装置1でも本発明を適用可能である。媒体押え機構12がない場合には、判定用領域3R,3Lの設定位置はそのままに、例えば、図4に示す媒体挿入部16の上面部15aの判定用領域3R,3Lと重なる部分に、パスポート2Aの情報記録面2saにあまり多く使われない色(例えば黒色等)のシール等を貼り付けておき、このシール等を上記の部材として機能させればよい。また、押え部41aの下面に紫外線に反応するインクを塗布しておき、基準情報における押え部41aの画像がより明確になるようにすることもできる。
ここまで説明してきた情報読取装置1に接続された上位装置のプロセッサがプログラムを実行することで、システム制御部40の媒体識別部40A及び基準情報更新部40Bとして機能する構成であってもよい。この場合には、このプログラムが上位装置にインストールされると、上位装置に設けられたROMに基準情報が記憶される。また、基準情報の生成は、式(a)、(b)以外の演算によっておこなってもよい。
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
(1)
第一情報記録媒体と前記第一情報記録媒体よりも小さい第二情報記録媒体とを含む情報記録媒体が挿入される媒体挿入部を有し、前記媒体挿入部に挿入された前記情報記録媒体から光学的に情報を読み取る情報読取装置であって、
前記媒体挿入部は、前記第一情報記録媒体及び前記第二情報記録媒体のいずれか一方が載置される載置部と、前記情報記録媒体の前記媒体挿入部への挿入方向と前記第二情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第二情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて前記第二情報記録媒体の長手方向の両端部よりも前記長手方向の外側に位置し、且つ前記挿入方向と前記第一情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第一情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて、前記第一情報記録媒体と重なるように配置された部材と、を有し、
前記載置部に載置された前記情報記録媒体を撮像する撮像素子と、
前記載置部における前記部材と重なる領域である判定用領域と前記部材の間に物体が存在しない状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データの特徴を示す基準情報を予め記憶する記憶部と、
前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す特徴情報と前記基準情報との類似度に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する第一の媒体識別処理を行う媒体識別部と、を備える情報読取装置。
(1)によれば、判定用領域と部材の間に物体がない状態でこの判定用領域を撮像して得られる画像データの特徴を示す基準情報と、情報記録媒体が載置された状態で判定用領域を撮像して得られる画像データの特徴を示す特徴情報との類似度に基づいて、第一情報記録媒体と第二情報記録媒体のどちらが載置部に載置されているかが識別される。例えば、類似度が高い場合には、載置部の判定用領域上方には上記部材以外の物体がないと判断することができるため、情報記録媒体が第二情報記録媒体であると判断することが可能になる。また、類似度が低い場合には、載置部の判定用領域上方には上記部材とは異なる物体が存在すると判断することができるため、情報記録媒体が第一情報記録媒体であると判断することが可能になる。このように、特徴情報と基準情報が類似するかどうかで情報記録媒体を識別することで、情報記録媒体のデザインや撮像の仕方などによらずに、情報記録媒体の識別を行うことができる。また、例えば、載置部に載置された情報記録媒体の全体を撮像して得られる画像を解析してその情報記録媒体の識別を行うといった複雑な処理を行うことなく、判定用領域の画像データの解析だけでこの識別が可能となる。このため、情報記録媒体の識別を簡易に行うことができる。
(2)
(1)記載の情報読取装置であって、
前記媒体識別部は、前記類似度が閾値以上の場合に前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第二情報記録媒体であると識別し、前記類似度が前記閾値未満の場合に前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体であると識別する情報読取装置。
(2)によれば、類似度に基づいて情報記録媒体を正確に識別することができる。
(3)
(2)記載の情報読取装置であって、
前記媒体識別部によって前記情報記録媒体が前記第二情報記録媒体であると識別された場合に、前記特徴情報に基づいて、前記基準情報を更新する基準情報更新部を更に備える情報読取装置。
媒体識別部によって情報記録媒体が第二情報記録媒体であると識別された場合とは、すなわち、載置部の判定用領域上方に上記部材以外の物体がない場合である。つまり、この場合の特徴情報は、基準情報としての要件を満たすと言える。このため、この特徴情報に基づいて基準情報を更新する(3)の構成によれば、基準情報の精度を高めることができ、情報記録媒体の識別精度を向上させることができる。
(4)
(3)記載の情報読取装置であって、
前記基準情報更新部は、前記特徴情報と更新前の前記基準情報を前記類似度に応じて重み付け加算することで新しい前記基準情報を生成し、当該基準情報を前記記憶部に記憶することで前記更新を行う情報読取装置。
(4)によれば、例えば、類似度が低いほど、元の基準情報の重みが強くなるように重み付け加算を行って基準情報を更新することで、基準情報の精度が低下するのを防ぐことができる。一方、類似度が高いほど、特徴情報の重みが強くなるように重み付け加算を行って基準情報を更新することで、基準情報の精度を向上させることができる。
(5)
(1)から(4)のいずれか1つに記載の情報読取装置であって、
前記媒体挿入部の内部に配置されたガイド機構を備え、
前記載置部は、前記情報記録媒体の厚み方向から見た状態において前記ガイド機構と重なる重なり領域であって、前記挿入方向の前記媒体挿入部の開口と反対側の端部において前記挿入方向に垂直な方向に沿って延びる第一領域と、前記第一領域の当該方向の両端部から前記載置部における前記挿入方向の前記開口側に向かって延びる一対の第二領域とにより構成された重なり領域と、前記重なり領域によって囲まれた前記ガイド機構と重ならない非重なり領域と、を有し、
前記第一情報記録媒体は、前記ガイド機構と前記載置部との間に挿入され前記ガイド機構によって前記載置部に向けて押さえ付けられて前記載置部の前記重なり領域及び前記非重なり領域に載置され、
前記第二情報記録媒体は、前記載置部の前記非重なり領域に載置され、
前記ガイド機構における前記一対の第二領域の少なくとも一部と重なる部分によって前記部材が構成される情報読取装置。
(5)によれば、第一情報記録媒体が載置された場合には、載置部の判定用領域が第一情報記録媒体に遮られ、第二情報記録媒体が載置された場合には、載置部の判定用領域が第二情報記録媒体に遮られない。このため、特徴情報と基準情報の類似度に基づいて、情報記録媒体の識別を精度よく行うことができる。
(6)
(1)から(5)のいずれか1つに記載の情報読取装置であって、
前記媒体識別部は、前記第一の媒体識別処理と、第二の媒体識別処理とを選択的に行い、
前記第二の媒体識別処理は、前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を紫外光以外の光の照射下で前記撮像素子により撮像して得られる撮像画像データに基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する処理である情報読取装置。
(6)によれば、第一の媒体識別処理だけでなく、第二の媒体識別処理を行うことができるため、例えば状況に応じて識別処理を変えることができ、柔軟な運用が可能となる。
(7)
(6)記載の情報読取装置であって、
前記第一情報記録媒体は冊子状であり、
前記第二の媒体識別処理は、紫外光以外の前記光の照射下で前記撮像素子により撮像して得られる前記撮像画像データのうち、前記載置部に前記第一情報記録媒体の見開き面の一方の面が載置された状態にて当該第一情報記録媒体の前記見開き面の境界部側に位置する前記載置部の端部における前記部材よりも内側に設定される識別用領域の画像データを取得し、当該画像データに基づいて、前記識別用領域に物体が重なっているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する処理である情報読取装置。
(7)によれば、載置部における第一情報記録媒体の見開き面の境界部側の端部に設定された識別用領域の画像データに基づいて識別用領域に物体が重なっているか否かが判定され、その判定結果に基づいて、第一情報記録媒体と第二情報記録媒体のどちらが載置部に載置されているかを識別することができる。例えば、載置部に載置された情報記録媒体の全体を撮像して得られる画像を解析してその情報記録媒体の識別を行うといった複雑な処理を行うことなく、識別用領域の画像データの解析だけでこの識別が可能となる。このため、情報記録媒体の識別を簡易に行うことができる。
(8)
(6)又は(7)記載の情報読取装置であって、
前記第二の媒体識別処理によって前記情報記録媒体が前記第二情報記録媒体であると識別された場合に、前記載置部に当該情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から紫外光の照射下で前記撮像素子により撮像して得られる撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す情報に基づいて前記基準情報を更新する情報読取装置。
(8)によれば、第二の媒体識別処理によって第二情報記録媒体であることが識別された場合には、この第二情報記録媒体が載置されている状態にて取得される判定用領域の画像データの特徴を示す情報に基づいて記憶部の基準情報が更新される。基準情報の更新が多く行われるほど、基準情報の精度は高まっていく。このため、第二の媒体識別処理の結果を利用して基準情報を更新することで、第一の媒体識別処理が行われない期間であっても基準情報の更新が可能となり、基準情報の精度を高めることができる。
(9)
第一情報記録媒体と前記第一情報記録媒体よりも小さい第二情報記録媒体とを含む情報記録媒体が挿入される媒体挿入部を有し、前記媒体挿入部に挿入された前記情報記録媒体から光学的に情報を読み取る情報読取装置の制御方法であって、
前記媒体挿入部は、前記第一情報記録媒体及び前記第二情報記録媒体のいずれか一方が載置される載置部と、前記情報記録媒体の前記媒体挿入部への挿入方向と前記第二情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第二情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて前記第二情報記録媒体の長手方向の両端部よりも前記長手方向の外側に位置し、且つ前記挿入方向と前記第一情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第一情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて、前記第一情報記録媒体と重なるように配置された部材と、を有し、
前記情報読取装置は、前記載置部に載置された前記情報記録媒体を撮像する撮像素子と、前記載置部における前記部材と重なる領域である判定用領域と前記部材の間に物体が存在しない状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データの特徴を示す基準情報を予め記憶する記憶部と、を有し、
前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す特徴情報と前記基準情報との類似度に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する情報読取装置の制御方法。
(9)によれば、(1)と同様の効果を得ることができる。
1 情報読取装置
2 情報記録媒体
2A パスポート
2B IDカード
3 ガラス板
3R,3L 判定用領域
8 撮像素子
12 媒体押え機構
16 媒体挿入部
40 システム制御部

Claims (9)

  1. 第一情報記録媒体と前記第一情報記録媒体よりも小さい第二情報記録媒体とを含む情報記録媒体が挿入される媒体挿入部を有し、前記媒体挿入部に挿入された前記情報記録媒体から光学的に情報を読み取る情報読取装置であって、
    前記媒体挿入部は、前記第一情報記録媒体及び前記第二情報記録媒体のいずれか一方が載置される載置部と、前記情報記録媒体の前記媒体挿入部への挿入方向と前記第二情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第二情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて前記第二情報記録媒体の長手方向の両端部よりも前記長手方向の外側に位置し、且つ前記挿入方向と前記第一情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第一情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて、前記第一情報記録媒体と重なるように配置された部材と、を有し、
    前記載置部に載置された前記情報記録媒体を撮像する撮像素子と、
    前記載置部における前記部材と重なる領域である判定用領域と前記部材の間に物体が存在しない状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データの特徴を示す基準情報を予め記憶する記憶部と、
    前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す特徴情報と前記基準情報との類似度に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する第一の媒体識別処理を行う媒体識別部と、を備える情報読取装置。
  2. 請求項1記載の情報読取装置であって、
    前記媒体識別部は、前記類似度が閾値以上の場合に前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第二情報記録媒体であると識別し、前記類似度が前記閾値未満の場合に前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体であると識別する情報読取装置。
  3. 請求項2記載の情報読取装置であって、
    前記媒体識別部によって前記情報記録媒体が前記第二情報記録媒体であると識別された場合に、前記特徴情報に基づいて、前記基準情報を更新する基準情報更新部を更に備える情報読取装置。
  4. 請求項3記載の情報読取装置であって、
    前記基準情報更新部は、前記特徴情報と更新前の前記基準情報を前記類似度に応じて重み付け加算することで新しい前記基準情報を生成し、当該基準情報を前記記憶部に記憶することで前記更新を行う情報読取装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の情報読取装置であって、
    前記媒体挿入部の内部に配置されたガイド機構を備え、
    前記載置部は、前記情報記録媒体の厚み方向から見た状態において前記ガイド機構と重なる重なり領域であって、前記挿入方向の前記媒体挿入部の開口と反対側の端部において前記挿入方向に垂直な方向に沿って延びる第一領域と、前記第一領域の当該方向の両端部から前記載置部における前記挿入方向の前記開口側に向かって延びる一対の第二領域とにより構成された重なり領域と、前記重なり領域によって囲まれた前記ガイド機構と重ならない非重なり領域と、を有し、
    前記第一情報記録媒体は、前記ガイド機構と前記載置部との間に挿入され前記ガイド機構によって前記載置部に向けて押さえ付けられて前記載置部の前記重なり領域及び前記非重なり領域に載置され、
    前記第二情報記録媒体は、前記載置部の前記非重なり領域に載置され、
    前記ガイド機構における前記一対の第二領域の少なくとも一部と重なる部分によって前記部材が構成される情報読取装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の情報読取装置であって、
    前記媒体識別部は、前記第一の媒体識別処理と、第二の媒体識別処理とを選択的に行い、
    前記第二の媒体識別処理は、前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を紫外光以外の光の照射下で前記撮像素子により撮像して得られる撮像画像データに基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する処理である情報読取装置。
  7. 請求項6記載の情報読取装置であって、
    前記第一情報記録媒体は冊子状であり、
    前記第二の媒体識別処理は、紫外光以外の前記光の照射下で前記撮像素子により撮像して得られる前記撮像画像データのうち、前記載置部に前記第一情報記録媒体の見開き面の一方の面が載置された状態にて当該第一情報記録媒体の前記見開き面の境界部側に位置する前記載置部の端部における前記部材よりも内側に設定される識別用領域の画像データを取得し、当該画像データに基づいて、前記識別用領域に物体が重なっているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する処理である情報読取装置。
  8. 請求項6又は7記載の情報読取装置であって、
    前記第二の媒体識別処理によって前記情報記録媒体が前記第二情報記録媒体であると識別された場合に、前記載置部に当該情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から紫外光の照射下で前記撮像素子により撮像して得られる撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す情報に基づいて前記基準情報を更新する情報読取装置。
  9. 第一情報記録媒体と前記第一情報記録媒体よりも小さい第二情報記録媒体とを含む情報記録媒体が挿入される媒体挿入部を有し、前記媒体挿入部に挿入された前記情報記録媒体から光学的に情報を読み取る情報読取装置の制御方法であって、
    前記媒体挿入部は、前記第一情報記録媒体及び前記第二情報記録媒体のいずれか一方が載置される載置部と、前記情報記録媒体の前記媒体挿入部への挿入方向と前記第二情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第二情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて前記第二情報記録媒体の長手方向の両端部よりも前記長手方向の外側に位置し、且つ前記挿入方向と前記第一情報記録媒体の長手方向とが垂直となるように前記第一情報記録媒体が前記載置部に載置された状態にて、前記第一情報記録媒体と重なるように配置された部材と、を有し、
    前記情報読取装置は、前記載置部に載置された前記情報記録媒体を撮像する撮像素子と、前記載置部における前記部材と重なる領域である判定用領域と前記部材の間に物体が存在しない状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データの特徴を示す基準情報を予め記憶する記憶部と、を有し、
    前記載置部に前記情報記録媒体が載置された状態にて前記載置部を前記部材側と反対側から前記撮像素子により撮像して前記撮像素子から出力される撮像画像データのうちの前記判定用領域の画像データを取得し、当該画像データの特徴を示す特徴情報と前記基準情報との類似度に基づいて、前記載置部に載置されている前記情報記録媒体が前記第一情報記録媒体と前記第二情報記録媒体のどちらであるかを識別する情報読取装置の制御方法。
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