JP2019211798A - 投影光学系、露光装置及び物品の製造方法 - Google Patents

投影光学系、露光装置及び物品の製造方法 Download PDF

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【課題】光学系の小型化と高性能化との両立に有利な技術を提供する。【解決手段】第1凹反射面と、第1凸反射面と、第2凹反射面と、第3凹反射面とを有する投影光学系であって、物体面からの光が、前記第1凹反射面、前記第1凸反射面、前記第2凹反射面、前記第1凸反射面、前記第3凹反射面の順に反射して像面に結像するように、前記第1凹反射面、前記第1凸反射面、前記第2凹反射面及び前記第3凹反射面が配置され、前記第1凹反射面と前記第3凹反射面は1つの凹面ミラーにより構成されており、前記第2凹反射面は、前記凹面ミラーの中央に設けられた開口を通過した光を反射することを特徴とする投影光学系を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、投影光学系、露光装置及び物品の製造方法に関する。
近年、テレビジョンシステムのHD(High Definition)化が進むとともに、表示素子として薄型FPD(Flat Panel Display)が多く使用されており、更なる大画面化とコストダウンとが要求されている。FPDの製造では、集積回路(IC)の製造と同様に、マスク(原版)の回路パターンをフォトレジストが塗布された基板に投影し、かかるパターンを基板に転写(形成)するフォトリソグラフィ技術が用いられている。
このようなフォトリソグラフィ技術に用いられる投影光学系としては、例えば、収差が補正された有限のスリット状の領域を形成する、ミラーを用いた等倍光学系が知られている(特許文献1及び2参照)。かかるスリット状の領域に対して、物体面(マスク面)と像面(基板面)とを同期走査することで、2次元状の広い画面にパターンを形成することができる。
特許文献1に開示された光学系は、マスクのパターンを、ほぼ同心状に配置された凹面ミラー及び凸面ミラーで3回反射させ、更に、ノーパワーの台形ミラーで2回反射させる(即ち、合計で5回反射させる)ことで、等倍で結像している。特許文献1に開示された光学系において、露光に寄与する領域は、光軸外の有限の円弧状の領域である。特許文献2には、小型の等倍光学系を複数個配列して構成されたマルチレンズ光学系が開示されている。かかる光学系では、基板上に形成される複数の矩形状の領域のうち、隣接する領域を重ね合わせることで、大画面の領域を確保している。このように、液晶用などの大型の基板の露光に用いられる投影光学系は、主に、凹面ミラー及び凸面ミラーの2つのミラーで構成されるタイプと、レンズとミラーとで構成されるタイプ(所謂、ダイソン光学系)に大別される。
特許文献1に開示された光学系は、光学系の主パワーをミラーが有しているため、色収差が殆ど発生せず、且つ、1つの光学系で大面積を一括露光できるという利点がある一方で、主ミラーである凹面ミラーが大口径になる。しかし、今後の光学性能の向上、即ち、開口数(NA)の拡大による高解像力化やショットサイズの大型化に対応するための一括露光領域(光学的には、円弧状の良像領域)の拡大などの要求を実現する上で課題となる。具体的には、光学系及びそれを有する露光装置の大型化、重量や装置占有面積(フットプリント)の拡大、及び、熱や振動による性能の変動などが課題となりうる。
特許文献2に開示された光学系は、光学系全体としては小型化を図ることができるが、基板上で隣接する矩形状の領域が重なり合う領域で解像性能が低下し、画面全体での均一性を損なってしまう。このような解像性能の低下を抑えるためには、露光量、フォーカス及び重ね合わせ精度を制御する必要があり、その制御の難易度が高くなる。また、個々の等倍光学系は、光学パワーをレンズの屈折力に依存しているため、色収差が発生し、前者の光学系と比べて、紫外から遠紫外の広い波長帯域での収差補正に限界がある。更に、紫外光で露光を続けると、レンズの光吸収に起因する発熱や屈折率の変化によって解像性能が低下してしまう。これは、高解像力化を進める上で、高NA化の限界や短波長化の限界を示すものである。
そこで、凹面ミラー及び凸面ミラーの2つのミラーで5回反射させる光学系や3つのミラーで5回反射させる光学系が提案されている(特許文献3乃至5参照)。
特開昭52−5544号公報 特開平7−57986号公報 特開平5−53057号公報 米国特許第5078502号明細書 特開2009−276769号公報
しかしながら、特許文献3に開示された光学系は、ペッツバール和を最小化できる設計解ではあるが、投影光学系に必要となる種々の収差を低減するためには、設計自由度が不足しているため、特に、高NA化に対応することができない。ここで、種々の収差とは、例えば、球面収差、非点収差、露光スリット内での像面湾曲などを含む。
特許文献4及び5に開示された光学系は、瞳面に位置するミラーが主ミラー(凹面ミラー)から分離されており、かかるミラーの曲率及び配置を自由に決められるため、特許文献3に開示された光学系に比べて、設計上の自由度が増している。従って、高NA化に対しても、収差を低減することができる。特に、特許文献5には、瞳面に位置するミラーを主ミラーから大きく離れた光学系の設計例が開示されている。但し、かかる設計例では、光学系を小型化するために、凹面ミラーと凸面ミラーとの間の距離を狭めたとしても光学系の全長が長くなってしまう。露光装置に用いられる光学系には、高さ及び奥行きの両方に関して寸法を小さくすること、及び、収差を高精度に補正可能であることが要求されている。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、光学系の小型化と高性能化との両立に有利な技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての投影光学系は、第1凹反射面と、第1凸反射面と、第2凹反射面と、第3凹反射面とを有する投影光学系であって、物体面からの光が、前記第1凹反射面、前記第1凸反射面、前記第2凹反射面、前記第1凸反射面、前記第3凹反射面の順に反射して像面に結像するように、前記第1凹反射面、前記第1凸反射面、前記第2凹反射面及び前記第3凹反射面が配置され、前記第1凹反射面と前記第3凹反射面は1つの凹面ミラーにより構成されており、前記第2凹反射面は、前記凹面ミラーの中央に設けられた開口を通過した光を反射することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、光学系の小型化と高性能化との両立に有利な技術を提供することができる。
本発明の実施例1における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例2における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例3における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例4における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例5における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例6における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例7における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例8における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例9における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例10における投影光学系を説明するための図である。 本発明の実施例11における投影光学系を説明するための図である。 本実施形態における光学系の各寸法の定義を示す図である。 光学系の大きさを説明するための図である。 瞳突出量が収差と光学系の大きさに与える影響を説明するための図である。 本発明の一側面としての露光装置の構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、高NA化において小型化と高性能化(高精度な収差補正)との両立を実現する光学系を提案する。具体的には、3つのミラーの5回反射系において、瞳面に位置するミラーの主鏡からの突出量、3つのミラー間の同心性、及び、物体面や像面と各ミラーの頂点(球心)との距離を規定する。このような条件を規定することで、無収差の状態に近い同心ミラー系(2つのミラー系)の利点を損なわず、3つのミラーで光学系の自由度を増加し、且つ、全長を小さくした光学系を提案する。かかる光学系では、図12に示すように、各寸法を定義する。なお、ミラー(反射面)は、光学系の光軸に関して左右対称でも非対称でもよく、光学系の光軸を挟んだ左右側に分割されて構成されてもよい。
本実施形態における光学系は、円弧状の物体面の軸外の点からの光を、第1凹面ミラーM1、第1凸面ミラーM2、第2凹面ミラーM3(瞳面)、第1凸面ミラーM2、第3凹面ミラーM5の順に反射して円弧状の像面に結像する。ここで、第1凹面ミラーM1は第1凹反射面として機能し、第1凸面ミラーM2は第1凸反射面として機能し、第2凹面ミラーM3は第2凹反射面として機能し、第3凹面ミラーM5は第3凹反射面として機能する。第2凹面ミラーM3は、第1凹面ミラーM1よりも物体面から離れた位置に配置されている。また、本実施形態における光学系は、基本的には、第1凹面ミラーM1と物体面との間に、光路を折り曲げるための第1折り曲げミラーが配置され、第3凹面ミラーM5と像面との間に第2折り曲げミラーが配置された状態で用いられることが多い。但し、以下では、本実施形態のおける光学系を理解しやすくするために、第1折り曲げミラー及び第2折り曲げミラー(パワーを有していないミラー(反射面))がない状態で説明する。
第1凹面ミラーM1、第1凸面ミラーM2、第2凹面ミラーM3及び第3凹面ミラーM5のそれぞれの曲率半径をR1、R2、R3及びR5とする。第1凹面ミラーM1と第1凸面ミラーM2との間の距離をD1、第1凸面ミラーM2と第3凹面ミラーM5との間の距離をD2とする。物体面(第1折り曲げミラーがない状態における物体面)と第1凸面ミラーM2との間の距離(作動距離)をW1、像面(第2折り曲げミラーがない状態における像面)と第1凸面ミラーM2との間の距離(作動距離)をW2とする。物体面と第2凹面ミラーM3との間の距離(光学長)をLt1、像面と第2凹面ミラーM3との間の距離(光学長)をLt2とする。結像倍率をBとする。
本実施形態における光学系は、以下の条件1、条件2、条件3、条件4、条件5、条件6、条件7を満たす。
条件1:0.05≦Pt1/Lt1≦0.2 又は 0.05≦Pt2/Lt2≦0.2
条件1は、本発明者が設計的に見出した条件であり、光学系の全長に対する瞳面の突出量を規定するものである。光学系が無収差になる最も基本的な条件の1つは、ミラーやレンズなどのパワーを有する光学素子が同心状に配置され、その球心に物体面が位置する状態である。3つのミラーの5回反射系は、2つのミラーの5回反射系に比べて、設計の自由度は増加するが、ミラー間の同心性からは乖離する傾向がある。条件1は、この背反する条件を両立し、瞳面に位置する光学素子(第2凹面ミラーM3やレンズL2)が最も有効に収差を補正する領域を意味している。また、光学系の全長の小型化にも寄与する。
条件2:0.70≦W1/R2≦1.0 又は 0.70≦W2/R2≦1.0
条件2は、第1凸面ミラーM2(曲率半径R2)と物像面との同心性を規定するものである。上述したように、物像面がミラーの球心に近づくほど、光学系の全系の同心性は高まり、球面収差や軸外像高のハロなどの収差が改善する。また、実配置上は、物体面と第1凸面ミラーM2との間の距離W1を確保することで、折り曲げミラーを配置可能とし、露光装置内でマスクと基板とを平行に配置して同期走査する構成とすることができる。
条件3:0.87≦(R2+D1)/R1≦1.15 又は 0.87≦(R2+D2)/R5≦1.15
条件3は、第1凹面ミラーM1と第1凸面ミラーM2との同心性を規定するものである。
条件4:0.8≦R3/R1≦1.25 又は 0.8≦R3/R5≦1.25
条件4は、第1凹面ミラーMと第2凹面ミラーM3との同心性を規定するものである。
条件5:0.9≦R3/Lt1≦1.1 又は 0.9≦R3/Lt2≦1.1
条件5は、第2凹面ミラーM3と物像面との同心性を規定するものである。
条件3、条件4及び条件5は、上述したように、球面収差などの収差の改善に寄与する。
条件6:0.5≦W1/Lt1≦0.7 又は 0.5≦W2/Lt2≦0.7
条件6は、必要な作動距離(距離W1及びW2)に対して、光学系の全長(距離Lt1及びLt2)を制限するものである。露光装置では、露光すべき画面サイズが指定されると、それに基づいて、露光幅や円弧像高が決定される。露光光の全てを反射させる折り曲げミラーを光路中に配置するためには、所定の作動距離が必要となる。条件6によれば、作動距離が大きくなる場合でも、光学系の全長を制限することができる。
条件7:B×0.87≦(R5/R1)≦B×1.15
また、本実施形態における光学系は、物体面及び像面の近傍(物体面及び前記像面と第1凸面ミラーM2との間)に、非球面形状を有するレンズを有する。本実施形態における光学系は、第2凹面ミラーM3の近傍(第1凸面ミラーM2と第2凹面ミラーM3との間)に、第1面と第2面とが同じ方向に湾曲したメニスカスレンズを有する。本実施形態における光学系において、第1凹面ミラーM1、第1凸面ミラーM2、第2凹面ミラーM3及び第3凹面ミラーM5のうちの少なくとも1つのミラーは、非球面形状を有する。本実施形態における光学系において、第1凸面ミラーM2と第2凹面ミラーM3との間に、開口を可変とする絞りを有する。本実施形態における光学系は、物体面側及び像面側にテレセントリックである。
条件1乃至条件7の数値の妥当性は、以下の実施例で示される。これらの条件の下限、或いは、上限を超えると、光学系の同心性が崩れることになるため、収差の悪化に伴い、解像力が低下する。また、光学系が大型化する。
<実施例1>
図1(a)は、実施例1における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、正のパワーを有する第1凹面ミラーM1と、負のパワーを有する第1凸面ミラーM2と、正のパワーを有する第2凹面ミラーM3と、正のパワーを有する第3凹面ミラーM5とを含む。
投影光学系10は、実施例1では、等倍系であるため、第1凹面ミラーM1と第3凹面ミラーM5とは、光学的には、同じミラーである。従って、第1凹面ミラーM1と第3凹面ミラーM5とは、中央に中空部を有するドーナツ状の一体型ミラーで構成してもよいし、別体で構成してもよい。
レンズL1は、物体面Oの近傍に配置され、レンズL3は、像面Iの近傍に配置されている。レンズL2は、第2凹面ミラーM3の近傍に配置されている。物体面Oからの光は、レンズL1、第1凹面ミラーM1、第1凸面ミラーM2、レンズL2、第2凹面ミラーM3、レンズL2、第1凸面ミラーM2、第3凹面ミラーM5、レンズL3を順に通って像面Iで結像する。第2凹面ミラーM3は、投影光学系10の瞳面に配置されている。また、第2凹面ミラーM3の近傍には、開口絞りが配置されている。投影光学系10の光軸中心を通る各物像点の主光線は、物像面においてテレセントリックになる。開口絞りは、開口径や開口形状が可変となる機構を有していてもよい。これにより、種々の露光行程に応じて、最適な開口数を設定することができる。具体的には、解像線幅が大きい場合には、開口絞りの開口径を小さくすることで、必要な解像力を得ながら、焦点深度を広げることができる。なお、第2凹面ミラーM3とは別に開口絞りを設けずに、第2凹面ミラーM3自体が開口絞りの機能を有していてもよい。
ここで、レンズL1及びL3は、必ずしも必須ではないが、軸外の像高の像面湾曲や非点収差を補正し、良像域を拡張するために、非球面レンズとして導入するとよい。この場合、非球面レンズは実質的にパワーを有していない方が、上述したレンズ系の課題を克服するためには好ましい。レンズL2は、同方向に湾曲した屈折面を有する、所謂、メニスカスレンズ(曲率が無限大の平面ガラスも含む)である。レンズL2は、主に、レンズL1及びL3で発生した色収差の補正に寄与している。レンズL2の屈折面の湾曲する方向は、同心性の観点から、第2凹面ミラーM3と同じ方向であるとよい。レンズL2は、レンズL1及びL3と同様に、実質的にパワーを有していないため、上述したレンズ系の課題を克服することに寄与している。
図1(b)は、実施例1における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。図1(c)は、実施例1における投影光学系10の横収差を示す図である。図1(b)及び図1(c)を参照するに、縦収差及び横収差は、軸外の像高で補正されていることがわかる。実施例1における投影光学系10は、瞳面に配置された第2凹面ミラーM3に対して対称系の配置となる等倍系であるため、基本的に、ディストーションは発生しない。また、コマや倍率色収差などの非対称系の収差も発生しない。また、投影光学系10の全体の主な光学パワーをミラー系が分担しているため、レンズL1、L2及びL3で発生する色収差も本質的に小さい。
実施例1における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表1に示す。Rは曲率半径、Dは面間隔、Nは硝材である。Rの空欄は平面(曲率半径が無限大)であることを意味し、Nの空欄は屈折率が1であることを意味している。なお、NAは物像面側で0.12、補正波長はi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)、使用像高は490mmから530mmである。従って、露光スリット幅は40mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例1における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれており、その係数を表1の下段に示す。
Figure 2019211798
非球面は、z=rh/(1+(1−(1+k)r1/2)+Ah+Bh+Ch+Dh10+Eh12+Fh14+Gh16で表される。
ここで、光学系の大きさを比較する。図13(a)は、従来の2つのミラーを有する光学系の断面を示す図であり、図13(b)は、実施例1における投影光学系10の断面を示す図である。従来の2つのミラーを有する光学系と実施例1における投影光学系10とは、同じ仕様で設計されており、同じ縮尺で図示されている。従って、物像間距離Hを1060mmとする等しい条件において、主ミラーである最大凹面ミラーの直径Fは、従来ではφ1964mmであるのに対して、実施例1ではφ1410mm(従来の72%)である。また、光学系の全長Lは、従来では3459mmであるのに対して、実施例1では1744mm(従来の50%)である。このように、実施例1における投影光学系10では、高さ及び全長が十分に短くなっている。
実施例1における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.11
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.80
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.97
条件4として、同心性(R3/R1)=0.91
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.98
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.56
図14を参照して、条件1における瞳突出量が、設計上、収差と光学系の大きさに与える影響を説明する。図14において、瞳突出量Ptを大きくしようとすると、例えば、第2凹面ミラーM3をM3’で示す位置に移動させると、主光線Rp及び周辺光線Rmのそれぞれの光軸に対する傾き角を弱める必要がある。そこで、第1凸面ミラーM2の曲率を弱めると、図14にHで示すように、周辺光線Rmが第1凹面ミラーM1の有効径と干渉してしまう。これを回避するためには、物体高Yを上げなければならないため、第1凹面ミラーM1の有効径が大きくなってしまう。このように、瞳突出量Ptが大きくなると、光学系は、高さと奥行きの両方向に大型化してしまう。また、収差自体も干渉を避けながら高い物体高で追い込むため、悪化する傾向にある。
そこで、実施例1における投影光学系10では、全長Lに対する瞳突出量Ptの比率(Pt/Lt)を5%以上、且つ、20%以下に設定している。下限値を設定した理由は、3つのミラーを有する光学系としての設計自由度を十分に発揮させるためである。これは、以下の実施例、特に、実施例2及び3において実現される。
<実施例2>
図2(a)は、実施例2における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例2では、等倍系である。実施例2における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例1と同じである。
実施例2における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表2に示す。なお、NAは物像面側で0.12、補正波長はi線(365nm)、320nm、使用像高は20mmから520mmである。従って、露光スリット幅は40mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例2における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例2における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.20
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.90
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.99
条件4として、同心性(R3/R1)=1.13
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.99
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.55
図2(b)は、実施例2における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。図2(c)は、実施例2における投影光学系10の横収差を示す図である。図2(b)及び図2(c)を参照するに、縦収差及び横収差がよく補正されていることがわかる。ディストーションは、軸外の使用像高の範囲において縦軸と平行になっているが、これは、露光スリット内で一定倍率が発生していることを示している。実施例2における投影光学系10は、対称配置の等倍系であるため、ディストーションは、ゼロであるべきである。但し、厳密には、テレセントリックが0.001rad程度のオーダーで発生し、収差が最小になる最適像面位置が光軸方向に微少量だけ移動した場合、両者の積だけ結像点のずれが発生し、倍率変化が生じる。その結果、ディストーションは、縦軸からシフトすることになる。この現象は、最適化を行えば容易に解消できるため、倍率の僅かなずれは問題ではない。露光スリット内で倍率が一定である点が重要であり、これにより、マスクと基板とを走査する際に、マスクのパターンを露光スリット内で多重露光しても、基板への転写像のずれが発生せず、コントラストの高い像を形成することができる。
<実施例3>
図3(a)は、実施例3における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例3では、等倍系である。実施例3における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例1と同じである。
実施例3における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表3に示す。なお、NAは物像面側で0.12、補正波長はi線(365nm)、320nm、使用像高は480mmから520mmである。従って、露光スリット幅は40mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例3における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例3における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.05
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.90
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.98
条件4として、同心性(R3/R1)=0.93
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.97
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.62
図3(b)は、実施例3における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。図3(c)は、実施例3における投影光学系10の横収差を示す図である。
<実施例4>
図4(a)は、実施例4における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例4では、等倍系である。実施例4における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例1と同じである。
実施例4における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表4に示す。なお、NAは物像面側で0.12、補正波長はi線(365nm)、320nm、使用像高は480mmから520mmである。従って、露光スリット幅は40mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例4における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例4における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.14
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.84
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.87
条件4として、同心性(R3/R1)=0.80
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.89
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.57
図4(b)は、実施例4における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。図4(c)は、実施例4における投影光学系10の横収差を示す図である。
実施例4において、条件3は0.87、条件4は0.80であるが、完全な同心性であれば、これらは1.0となる。ここで、同心性からの乖離の許容値を規定するという観点から考えると、1.0以上でも等価な許容範囲が存在する。例えば、条件3では、1/0.87=1.15、条件4では、1/0.80=1.25という値が上限値として設定される。
<実施例5>
図5(a)は、実施例5における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例5では、等倍系である。実施例5における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例1と同じである。
実施例5における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表5に示す。なお、NAは物像面側で0.08、補正波長はi線(365nm)、320nm、使用像高は480mmから520mmである。従って、露光スリット幅は40mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例5における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例5における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.07
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.76
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.96
条件4として、同心性(R3/R1)=0.86
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.98
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.56
図5(b)は、実施例5における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。図5(c)は、実施例5における投影光学系10の横収差を示す図である。
<実施例6>
図6(a)は、実施例6における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例6では、等倍系である。実施例6における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例1と同じである。
実施例6における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表6に示す。なお、NAは物像面側で0.12、補正波長はi線(365nm)、320nm、使用像高は480mmから520mmである。従って、露光スリット幅は40mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例6における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例6における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.07
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.89
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.93
条件4として、同心性(R3/R1)=0.83
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.90
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.66
図6(b)は、実施例6における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。図6(c)は、実施例6における投影光学系10の横収差を示す図である。
<実施例7>
図7(a)は、実施例7における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例7では、等倍系である。実施例7における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例1と同じである。
実施例7における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表7に示す。なお、NAは物像面側で0.13、補正波長はi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)、使用像高は500mmから530mmである。従って、露光スリット幅は30mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例7における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例7における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.06
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.76
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.96
条件4として、同心性(R3/R1)=0.84
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.98
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.57
図7(b)は、実施例7における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。図7(c)は、実施例7における投影光学系10の横収差を示す図である。
<実施例8>
図8(a)は、実施例8における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例8では、倍率1.25倍の拡大系である。投影光学系10は、正のパワーを有する第1凹面ミラーM1と、負のパワーを有する第1凸面ミラーM2と、正のパワーを有する第2凹面ミラーM3と、正のパワーを有する第3凹面ミラーM5とを含む。
レンズL1は、物体面Oの近傍に配置され、レンズL3は、像面Iの近傍に配置されている。レンズL2は、第2凹面ミラーM3の近傍に配置されている。物体面Oからの光は、レンズL1、第1凹面ミラーM1、第1凸面ミラーM2、レンズL2、第2凹面ミラーM3、レンズL2、第1凸面ミラーM2、第3凹面ミラーM5、レンズL3を順に通って像面Iで結像する。第2凹面ミラーM3は、投影光学系10の瞳面に配置されている。
実施例8における投影光学系10において、等倍系と異なる点は、第1凸面ミラーM2で2回目の反射をした光が第3凹面ミラーM5、レンズL3の順に進む点だけである。その他の構成については、実施例1乃至実施例7で説明した等倍系と同じである。
実施例8における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表8に示す。なお、NAは像面側で0.08、補正波長はi線(365nm)、h線(405nm)、使用像高は625mmから675mmである。従って、露光スリット幅は50mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例8における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例8における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.03
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.85
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.91
条件4として、同心性(R3/R1)=0.72
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.90
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.59
条件7として、比率((R5/R1)/B)=1.00
図8(b)は、実施例8における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。
<実施例9>
図9(a)は、実施例9における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例9では、倍率1.38倍の拡大系である。実施例9における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例8と同じである。
実施例9における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表9に示す。なお、NAは像面側で0.08、補正波長はi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)、使用像高は690mmから745mmである。従って、露光スリット幅は55mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例9における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例9における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.12、瞳突出量(Pt/Lt2)=0.09
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.67、作動距離(W2/R2)=0.79
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=1.02、同心性((R2+D)/R5)=0.87
条件4として、同心性(R3/R1)=0.90、同心性(R3/R5)=0.65
条件5として、同心性(R3/Lt1)=1.02、同心性(R3/Lt2)=0.93
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.55、作動距離(W1/Lt2)=0.59
条件7として、比率((R5/R1)/B)=1.00
図9(b)は、実施例9における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。
<実施例10>
図10(a)は、実施例10における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例10では、倍率0.75倍の縮小系である。実施例10における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例9と同じである。
実施例10における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表10に示す。なお、NAは像面側で0.107、補正波長はi線(365nm)、h線(405nm)、使用像高は500mmから540mmである。従って、露光スリット幅は40mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例10における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例10における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.02、瞳突出量(Pt/Lt2)=0.11
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.84、作動距離(W2/R2)=0.67
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=0.88、同心性((R2+D)/R5)=1.01
条件4として、同心性(R3/R1)=0.69、同心性(R3/R5)=0.89
条件5として、同心性(R3/Lt1)=0.90、同心性(R3/Lt2)=1.02
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.61、作動距離(W1/Lt2)=0.55
条件7として、比率((R5/R1)/B)=1.03
図10(b)は、実施例10における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。
<実施例11>
図11(a)は、実施例11における投影光学系10の構成を示す断面図である。投影光学系10は、実施例11では、倍率1.25倍の拡大系である。実施例11における投影光学系10の光学素子の配置や結像関係は、実施例8と同じである。
実施例11における投影光学系10の具体的な数値例を以下の表11に示す。なお、NAは像面側で0.08、補正波長はi線(365nm)、h線(405nm)、使用像高は625mmから675mmである。従って、露光スリット幅は50mmである。かかる使用像高から、一括露光幅は750mm以上確保される。実施例11における投影光学系10には、ミラー面とレンズ面のそれぞれに非球面が複数面含まれている。
Figure 2019211798
実施例11における投影光学系10は、以下の条件を満たしている。
条件1として、瞳突出量(Pt/Lt1)=0.16、瞳突出量(Pt/Lt2)=0.11
条件2として、作動距離(W1/R2)=0.41、作動距離(W2/R2)=1.30
条件3として、同心性((R2+D)/R1)=1.06、同心性((R2+D)/R5)=0.92
条件4として、同心性(R3/R1)=1.01、同心性(R3/R5)=0.71
条件5として、同心性(R3/Lt1)=1.35、同心性(R3/Lt2)=0.73
条件6として、作動距離(W1/Lt1)=0.39、作動距離(W1/Lt2)=0.67
条件7として、比率((R5/R1)/B)=1.15
図11(b)は、実施例11における投影光学系10の縦収差及びディストーションを示す図である。
実施例11において、条件7は1.15であるが、拡大系又は縮小系の倍率が、理想的には、R5/R1の比で決定されるという原理から考えると、(R5/R1)/Bの値が1.0以下の等価な許容範囲が存在する。従って、R5/R1)/B=1/1.15=0.87という値が下限値として設定される。
また、実施例1乃至実施例11における投影光学系10の各数値や条件をまとめて以下の表12及び表13に示す。
Figure 2019211798
Figure 2019211798
本実施形態における投影光学系(各実施例の投影光学系10)は、例えば、マスクのパターンの像を基板に投影する投影光学系として、基板を露光する露光装置に適用することができる。図15は、投影光学系10を有する露光装置100の構成を示す図である。
マスクMは、パターンが形成された原版である。基板Pは、感光性レジストが塗布されたプレートである。マスクM及び基板Pのそれぞれは、移動ステージに保持され、矢印方向に同期走査される。これにより、マスクMのパターンが基板Pに転写される。光源からの光でマスクMを照明する照明光学系やその他のユニットについては、図示を省略している。投影光学系10は、実施例1の設計例を適用している。
マスクMと基板Pとの間には、台形状の折り曲げミラーDMが配置されている。折り曲げミラーDMは、上述した第1折り曲げミラー及び第2折り曲げミラーを構成するものである。マスクMからの光は、折り曲げミラーミラーDMの上側の反射面で垂直下方から水平方向に反射され、折り曲げミラーミラーDMの下側の反射面で水平方向から垂直下方に反射される。上述したように、作動距離に関する条件2又は条件6を満たすことによって、光学系を小型化しながらも折り曲げミラーDMを配置することが可能である。
本実施形態における物品の製造方法は、例えば、デバイス(半導体素子、磁気記憶媒体、液晶表示素子など)などの物品を製造するのに好適である。かかる製造方法は、露光装置100を用いて、感光剤が塗布された基板を露光する工程と、露光された基板を現像する工程を含む。また、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含みうる。本実施形態における物品の製造方法は、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性及び生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、NA、像高、スリット幅、使用波長などは、各実施例に例示された数値に限定されるものではなく、例えば、露光装置の必要精度や仕様に応じて変更されるものであり、それらの条件も本発明に含まれる。また、非球面の配置やその球面からの偏位量も各実施例に限定されるものではない。なお、上述の実施形態、実施例の投影光学系は、特許文献2に開示されたマルチレンズ光学系の各々にも適用することができる。
10:投影光学系 M1:第1凹面ミラー M2:第1凸面ミラー M3:第2凹面ミラー M5:第3凹面ミラー

Claims (17)

  1. 第1凹反射面と、第1凸反射面と、第2凹反射面と、第3凹反射面とを有する投影光学系であって、
    物体面からの光が、前記第1凹反射面、前記第1凸反射面、前記第2凹反射面、前記第1凸反射面、前記第3凹反射面の順に反射して像面に結像するように、前記第1凹反射面、前記第1凸反射面、前記第2凹反射面及び前記第3凹反射面が配置され、
    前記第1凹反射面と前記第3凹反射面は1つの凹面ミラーにより構成されており、前記第2凹反射面は、前記凹面ミラーの中央に設けられた開口を通過した光を反射することを特徴とする投影光学系。
  2. 前記第1凸反射面の曲率半径をR2、前記第1凸反射面と前記反射面がない状態における物体面との間の距離をW1、前記第1凸反射面と前記反射面がない状態における像面との間の距離をW2としたとき、
    0.70≦W1/R2≦1.0 又は 0.70≦W2/R2≦1.0
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
  3. 前記第1凹反射面の曲率半径をR1、前記第1凸反射面の曲率半径をR2、前記第3凹反射面の曲率半径をR5、前記第1凹反射面と前記第1凸反射面との間の距離をD1、前記第1凸反射面と前記第3凹反射面との間の距離をD2としたとき、
    0.87≦(R2+D1)/R1≦1.15 又は 0.87≦(R2+D2)/R5≦1.15
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の投影光学系。
  4. 前記第1凹反射面の曲率半径をR1、前記第2凹反射面の曲率半径をR3、前記第3凹反射面の曲率半径をR5としたとき、
    0.8≦R3/R1≦1.25 又は 0.8≦R3/R5≦1.25
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  5. 物体面と前記第1凹反射面との間、及び、前記第3凹反射面と像面との間に反射面がない状態において、前記物体面と前記第2凹反射面との間の距離をLt1、前記第2凹反射面と前記像面との間の距離をLt2、前記第2凹反射面の曲率半径をR3としたとき、
    0.9≦R3/Lt1≦1.1 又は 0.9≦R3/Lt2≦1.1
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  6. 物体面と前記第1凹反射面との間、及び、前記第3凹反射面と像面との間に反射面がない状態において、前記物体面と前記第2凹反射面との間の距離をLt1、前記第2凹反射面と前記像面との間の距離をLt2、前記第1凸反射面と前記反射面がない状態における物体面との間の距離をW1、前記第1凸反射面と前記反射面がない状態における像面との間の距離をW2としたとき、
    0.5≦W1/Lt1≦0.7 又は 0.5≦W2/Lt2≦0.7
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  7. 前記物体面及び前記像面と前記第1凸反射面との間に、非球面形状を有するレンズを有することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  8. 前記第1凸反射面と前記第2凹反射面との間に、第1面と第2面とが同じ方向に湾曲したメニスカスレンズを有することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  9. 前記第1凹反射面、前記第1凸反射面、前記第2凹反射面及び前記第3凹反射面のうちの少なくとも1つの反射面は、非球面形状を有することを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  10. 前記第1凸反射面と前記第2凹反射面との間に、開口絞りを有することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  11. 前記開口絞りは、開口形状が可変であることを特徴とする請求項10に記載の投影光学系。
  12. 前記投影光学系は、拡大系であることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  13. 前記投影光学系は、縮小系であることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  14. 前記第1凹反射面の曲率半径をR1、前記第3凹反射面の曲率半径をR5、前記投影光学系の結像倍率をBとしたとき、
    B×0.87≦(R5/R1)≦B×1.15
    を満たすことを特徴とする請求項12又は13に記載の投影光学系。
  15. 前記物体面側及び前記像面側にテレセントリックであることを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか1項に記載の投影光学系。
  16. 光源からの光でマスクを照明する照明光学系と、
    前記マスクのパターンの像を基板に投影する請求項1乃至15のうちいずれか1項に記載の投影光学系と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  17. 請求項16に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    露光した前記基板を現像する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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