JP2019211639A - レンズ保持機構および光学システムと交換レンズの取付方法 - Google Patents

レンズ保持機構および光学システムと交換レンズの取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズの傾きや倒れを抑えてレンズを安定的に保持できるとともに、投写画像の揺れを抑えることができるレンズ保持機構を提供する。【解決手段】レンズ保持機構は、光学装置1に取り付けられるか、または光学装置1に設けられたベース4と、ベース4に移動可能に取り付けられた機構部5と、交換レンズ2に取り付けられるか、または交換レンズ2に設けられており、機構部5に移動可能に取り付けられたアダプタ6と、を含む。【選択図】図1B

Description

本発明は、レンズ保持機構および光学システムと交換レンズの取付方法に関する。
レンズ(例えば投写レンズ)を有する光学装置(例えばプロジェクタ)において、用途に応じてレンズの交換が求められる場合がある。そこで、レンズの着脱交換を可能にするマウント機構(レンズマウント)を備えている光学装置が存在する。特許文献1には、光学装置本体に取り付けられる投射レンズユニットの強度および剛性を高めるための構成が開示されている。
特開2008−180749号公報
前述したようにレンズを着脱交換可能な光学装置において、超短焦点レンズのように長大で重い交換レンズを取り付ける場合に、光学装置の筐体に設けられたレンズマウンタのみで交換レンズを十分に支えることは困難なことがある。特に、光学装置の設計および製造時には想定されていなかった長大で重い交換レンズを用いる場合に、レンズマウントを補強しても交換レンズを支えきれないことがある。交換レンズを十分に支えきれない場合には、光学装置に取り付けられた交換レンズの傾きや倒れを生じ、その傾きや倒れを補正しないと、所望の光学性能が得られない可能性がある。また、仮に交換レンズを支持できたとしても、投写画像の揺れが生じる可能性がある。
特許文献1に記載された発明では、投射レンズユニットの強度および剛性を向上させることができる。しかし、その投射レンズユニットを光学装置の筐体に取り付けて安定的に保持することについては、特許文献1では考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、レンズの傾きや倒れを抑えてレンズを安定的に保持できるとともに、投写画像の揺れを抑えることができるレンズ保持機構および光学システムと交換レンズの取付方法を提供することにある。
本発明のレンズ保持機構は、光学装置に取り付けられるか、または光学装置に設けられたベースと、ベースに移動可能に取り付けられた機構部と、交換レンズに取り付けられるか、または交換レンズに設けられており、機構部に移動可能に取り付けられたアダプタと、を含む。
本発明のレンズ保持機構および光学システムと交換レンズの取付方法によると、レンズの傾きや倒れを抑えてレンズを安定的に保持できるとともに、投写画像の揺れを抑えることができる。
本発明の第1の実施形態のレンズ保持機構を含む光学システムの正面図である。 図1Aに示す光学システムの側面図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構のベースおよび機構部を示す斜視図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構のベースおよび機構部を、図2Aとは異なる方向から示す斜視図である。 図2AのX部分を拡大して示す分解斜視図である。 図2AのX部分を拡大して示す斜視図である。 図3A〜3Bに示す機構部の長穴とベースのスペーサとの関係を拡大して示す平面図である。 図3A〜3Bに示す機構部の調整ダイヤルの取付状態を拡大して示す側面断面図である。 図5に示す調整ダイヤルの正面図である。 図5に示す調整ダイヤルの背面図である。 図1A〜1Bに示す交換レンズおよびアダプタを示す斜視図である。 図7AのY部分を拡大して示す斜視図である。 図7Aに示す交換レンズおよびアダプタをプロジェクタに取り付けた状態を示す正面図である。 図7Aに示す交換レンズおよびアダプタをプロジェクタに取り付けた状態を示す側面図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構の機構部をアダプタに押し当てる前の状態を示す側面断面図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構の機構部をアダプタに押し当てた状態を示す側面断面図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構の機構部をアダプタに押し当てた状態を示す平面断面図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構のアダプタが上下方向に低い位置にある状態を示す正面図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構のアダプタが上下方向の中間位置にある状態を示す正面図である。 図1A〜1Bに示すレンズ保持機構のアダプタが上下方向に高い位置にある状態を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態のレンズ保持機構を含む光学システムの側面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[レンズ保持機構の構成]
図1A,1Bに示す本発明の光学システムでは、光学装置の一例であるプロジェクタ1に、交換レンズ(例えば投写レンズ)2が、レンズ保持機構3を介して取り付けられている。図1Aに示すプロジェクタ1の正面部分が光出射部分であり、図示しないが初期状態において取り付けられていた標準レンズを取り外した後のレンズマウンタに、交換レンズ2が取り付けられている。交換レンズ2は、レンズマウンタに固定されるとともに、レンズ保持機構3に保持されている。そして、プロジェクタ1の筐体の内部に配置されている光源から発せられた光が、交換レンズ2を通って外部に出射される。このプロジェクタ1および交換レンズ2を用いて、図示しないスクリーンに画像を投写することができる。
前述したように、レンズマウンタのみを用いて長大で重い交換レンズ2を安定的に支持するのは困難であり、レンズの傾きや倒れや投写画像の揺れを生じる可能性がある。そこで、本発明では、プロジェクタ1の外部にレンズ保持機構3が設けられている。本発明の第1の実施形態のレンズ保持機構3は、主に、ベース4と機構部5とアダプタ6とを備えている。機構部5は、プロジェクタ1に固定されている平面状のベース4に対して、プロジェクタ1の光の出射方向(前後方向)と、出射方向に直交しベース4の面方向に平行な方向(左右方向)とに位置調整可能に取り付けられている。アダプタ6は、機構部5に対して、ベース4の面方向に直交する方向(上下方向)に位置調整可能に取り付けられている。すなわち、アダプタ6および交換レンズ2は、ベース4およびプロジェクタ1に対して、前後方向にも左右方向にも上下方向にも位置調整可能である。また、この交換レンズ2は、図示しないレンズマウントにおいてプロジェクタ1に支持されるのみならず、アダプタ6が取り付けられた位置において、機構部5を介してベース4上に支持されている。
本実施形態のレンズ保持機構3のより具体的な構成について説明すると、図2A,2Bに示すように、ベース4は1枚の板金からなり、筐体固定部4aと延伸部4bとを備えている。ベース4の筐体固定部4aは、プロジェクタ1の筐体に設けられた天吊り金具取付用の部材(図示せず)を利用して、プロジェクタ1の筐体に重なり合う位置関係で固定されている。ベース4が取り付けられたプロジェクタ1が吊り下げ状態で用いられる場合には、ベース4の筐体固定部4aに設けられたスペーサ4cおよびバーリング(突起)4dを用いて2種類の天吊り金具(図示せず)に取り付けられる。プロジェクタ1が据え置き状態で用いられる時には、図1A,1Bに示すように、筐体固定部4aに設けられたクッション部4eが、プロジェクタ1のフット部1aとともに支持部分として機能する。ベース4の延伸部4bは、プロジェクタ1と重なるように固定されている筐体固定部4aから、プロジェクタ1からの光の出射方向の前方に向かって延びている。図3A,3Bに示すように、ベース4の延伸部4bの、光の出射方向の前部に、スペーサ7と雄ねじ8とがかしめられている。
ベース4の延伸部4bの、スペーサ7と雄ねじ8が設けられた部分に、機構部5が取り付けられている。本実施形態の機構部5はL字型に形成された板金からなり、ベース4の延伸部4bに重なる部分5aに、光の出射方向に沿って延びる(図示されている例では3つの)長穴5cが設けられている。ベース4の延伸部4bに設けられているスペーサ7および雄ねじ8が、機構部5の長穴5cを貫通している。そして、長穴5cを貫通した雄ねじ8には、摺動リング9を介して蝶ナット10がねじ込まれている。また、長穴5cを貫通したスペーサ7には、摺動リング9と、模式的に示すばね11とを介してねじ12がねじ込まれている。雄ねじ8が蝶ナット10と螺合することで、機構部5はベース4の延伸部4bに取り付けられている。この機構部5には、摺動リング9に挟まれた状態でスペーサ7およびねじ12に保持されているばね11から与圧(付勢力)が加えられている。長穴5cと、長穴5c内に挿入されているスペーサ7との間には、図4に示すように、前後方向にも左右方向にもクリアランスがある。同様に、長穴5cと、長穴5c内に挿入されている雄ねじ8との間にも、前後方向にも左右方向にもクリアランスがある。従って、蝶ナット10を緩めた状態では、これらのクリアランスの範囲内で、機構部5はベース4に対して移動可能である。すなわち、機構部5はベース4に対して離脱不能に取り付けられるとともに、光の出射方向(前後方向、すなわち長穴5cの延びる方向)と、それに直交する方向(左右方向、すなわち長穴5cの幅方向)とに沿って位置調節可能である。長穴5cの位置において機構部5を挟み込むように配置されている摺動リング9は、機構部5の移動時にバリが機構部5を傷つけるのを防いで、機構部5の円滑な移動を可能にする。
図3A,3Bに示すように、機構部5の、ベース4の延伸部4bから起立する部分5bには、その起立方向、すなわち延伸部4bに直交する方向に延びる長穴5dと、略中央部に位置する丸穴5e(図5参照)とが設けられている。丸穴5eは、図5,6A,6Bに示す調整ダイヤル13を保持するための穴である。調整ダイヤル13は、中心に貫通孔13aを有する軸部13bが形成された円板状であり、機構部5側を向いた面に、中心からの半径が長さAから長さBまで変化する略渦巻き状のカム溝13c(図6B参照)が形成されている。調整ダイヤル13の軸部13bが摺動リング20を介して機構部5の丸穴5eを貫通し、さらにアプセットねじ14が軸部13bの貫通孔13aを貫通している。その状態で、機構部5の裏側(プロジェクタ1側)において、軸部13bの外周に模式的に示すばね15が配置され、アプセットねじ14の外周にワッシャ16が配置され、さらにアプセットねじ14の先端がナット17にねじ込まれている。それによって、調整ダイヤル13が機構部5に回転可能に取り付けられている。ばね15は、ナット17およびワッシャ16に圧縮されて、摺動リング20を介して機構部5を加圧する。その結果、調整ダイヤル13は機構部5に押し当てられている。摺動リング20は、各部材を構成する板金のバリの影響を受けずに調整ダイヤル13を円滑に回転できるようにしている。
調整ダイヤル13の、機構部5と反対側の表面には、アプセットねじ14の頭部を収容する六角形の窪み13dが設けられている。また、調整ダイヤル13には、カム溝13cの一部に沿って開口13eが設けられている。円板状の調整ダイヤル13の外周部には手で持って回しやすいようにローレットが切られている。
次に、図7A,7Bに示すように交換レンズ2に取り付けられているアダプタ6について説明する。本実施形態のアダプタ6は逆L型の板金からなり、ピン6aがかしめられ、2つのバーリング(突起)6bが設けられている。アダプタ6は、ねじ18とスペーサ19とを介して交換レンズ2に取り付けられている。図1A,1Bに示すように、板金からなるアダプタ6は、調整ダイヤル13が取り付けられた板金からなる機構部5と重なり合うように配置されている。そして、アダプタ6のピン6aは、機構部5に取り付けられた調整ダイヤル13に設けられたカム溝13c(図6B参照)内に挿入されている。また、アダプタ6のバーリング6bは、機構部5に設けられた長穴5d(図3A,3B参照)内に挿入されている。このような構成であるため、調整ダイヤル13が回転すると、略渦巻き状のカム溝13c内に挿入されたピン6aがカム溝13cの各部分の径(長さA〜長さB)に応じて上下動する。そのため、アダプタ6は、バーリング6bが長穴5d内から離脱しない範囲で、機構部5に対して上下動可能である。
[交換レンズの取付方法]
以上説明した本実施形態のレンズ保持機構3を用いて交換レンズ2を取り付ける方法について説明する。まず、図7A,7Bに示すように、交換レンズ2にねじ18とスペーサ19とを介してアダプタ6を取り付ける。そして、図8A,8Bに示すように、アダプタ6が取り付けられた交換レンズ2のマウント部2a(図7A参照)をプロジェクタ1のレンズマウント(図示せず)に取り付ける。プロジェクタ1はレンズシフト機能を有し、交換レンズ2(投写レンズ)が所望の性能を発揮できる位置に内蔵レンズを移動させることができる。ただし、この時点では、プロジェクタ1ごとの微小な誤差(公差)の影響で、交換レンズ2が必ずしも最適な位置にあるとは言えない。また、交換レンズ2は、プロジェクタ1のレンズマウントの耐用荷重よりも重く重力方向に僅かに傾いて取り付けられる場合がある。
次に、交換レンズ2が取り付けられたプロジェクタ1に、レンズ保持機構3のベース4および機構部5を取り付ける。具体的には、機構部5をプロジェクタ1から遠い位置(出射方向の前方側の位置)に一旦移動させた状態で、プロジェクタ1の筐体に設けられた天吊り金具取付用の部材(図示せず)を利用して、ベース4の筐体固定部4aをプロジェクタ1の筐体に固定する。このとき、予め、図2A〜3Bに示すようにベース4に機構部5を取り付けておく。すなわち、ベース4の延伸部4bのスペーサ7を、摺動リング9を介して、機構部5の延伸部4bに重なる部分5aの長穴5c内にそれぞれ挿入する。そして、スペーサの外周にばね11を配置して、ねじ12を用いてばね11を離脱不能に保持する。また、ベース4の延伸部4bの雄ねじ8を、摺動リング9を介して、機構部5の延伸部4bに重なる部分5aの長穴5c内に挿入し、蝶ナット10で固定する。また、図5に示すように、機構部5の起立する部分5bに調整ダイヤル13を取り付けておく。すなわち、調整ダイヤル13の軸部13bを、摺動リング20を介して機構部5の丸穴5e内に挿入し、起立する部分5bの裏側(プロジェクタ1側)において、軸部13bの外周にばね15を配置する。さらに、アプセットねじ14を、軸部13bの貫通孔13a内に挿入する。そして、アプセットねじ14の頭部を窪み13d内に収容した状態で、起立する部分5bの裏側(プロジェクタ1側)において、アプセットねじ14の外周にワッシャ16を配置し、アプセットねじ14の先端にナット17をねじ込む。
このようにして、ベース4および機構部5をプロジェクタ1に取り付けた後、機構部5をアダプタ6に当てつける。図9Aに、機構部5がプロジェクタ1から遠い位置(出射方向の前方側の位置)に移動させられており機構部5とアダプタ6とが当てつけられていない状態を示している。この状態から、図9B,9Cに示すように、機構部5をアダプタ6に当てつける。すなわち、アダプタ6の板金の曲げ部分と機構部5の板金の曲げ部分とが互いに入り込むように配置して、アダプタ6のピン6aを、機構部5に取り付けられた調整ダイヤル13のカム溝13c内に挿入する。ピン6aのカム溝13c内への挿入は、調整ダイヤル13の開口13eから目視で確認することができる。機構部5はベース4上で、図4に代表的に示す長穴5cとスペーサ7との間のクリアランスの分だけ、前後方向にも左右方向にも遊びを有している。従って、機構部5とアダプタ6との間に相対的な位置誤差が生じていたとしても、機構部5の位置をベース4上で微調整することで、その位置誤差を吸収することができ、レンズに負荷をかけることなく機構部5をアダプタ6に当てつけることができる。このようにして、アダプタ6とそれが取り付けられている交換レンズ2を、レンズ保持機構3とそれが取り付けられているプロジェクタ1に対して、前後方向および左右方向において位置調整して相対的な位置誤差(公差)の補正が実現する。
次に、機構部5をアダプタ6に当てつけた状態で、調整ダイヤル13を回転させて、アダプタ6およびそれが取り付けられた交換レンズ2を上下方向に位置調整する。図6bに示すカム溝13cの上部(図6Bにおける開口13eの位置またはその近傍)にアダプタ6のピン6aが挿入されているため、略渦巻き状のカム溝13cの半径が小さい部分(例えば半径Aの部分)にピン6aが位置している時には、図10Aに示すようにアダプタ6は上下方向において低い位置にある。略渦巻き状のカム溝13cの半径が大きい部分(例えば半径Bの部分)にピン6aが位置している時には、図10Cに示すようにアダプタ6は上下方向において高い位置にある。略渦巻き状のカム溝13cの半径が中程度の部分(例えば開口13eの位置)にピン6aが位置している時には、図10Bに示すようにアダプタ6は上下方向の中間位置にある。このように、調整ダイヤル13を回転させてカム溝13c内におけるピンの位置を変えることで、アダプタ6の上下方向の位置を調整し、アダプタ6が取り付けられた交換レンズ2を上下方向に最適な位置に配置できる。アダプタ6の上下方向の最大移動量は、カム溝13cの半径の最大値と最小値の差(B−A)である。アダプタ6および交換レンズ2の上下方向の位置調整の際には、ユーザが調整ダイヤル13自体を摘まんで回しても、アプセットねじ14の頭部の十字穴にドライバ(図示せず)を差し込んで回してもよい。本実施形態のアプセットねじ14の頭部は六角形であり、その形状に対応する六角形の窪み13dの中に収容されているため、調整ダイヤル14の可動範囲の端部でアプセットねじ14をさらに回しても、必要以上にアプセットねじ14が締め付けられたり緩んだりすることはない。
このようにしてアダプタ6および交換レンズ2の上下方向の位置調整が完了したら、アダプタ6のバーリング6bを用いてアダプタ6を機構部5に固定することができる。また、蝶ナット10を締め付けることで機構部5をベース4に固定することができる。その結果、アダプタ6が取り付けられた交換レンズ2を、ベース4が取り付けられたプロジェクタ1に対して、前後方向、左右方向、および上下方向において位置調整した状態で固定することができる。
なお、カム溝13cの最大圧力角と、機構部5をアダプタ6に当てつけるばね15のばね力(ばね圧)とを調整すれば、調整ダイヤル13が交換レンズ2の重さで回転させられることを防ぐことができる。アダプタ6は、アダプタ6自体の曲げ形状と機構部5の曲げ形状とをガイドにして上下方向に移動するが、移動時に板金の端面が他の板金に食い込むことを防ぐため、機構部5の摺動部の端面を湾曲させて丸みを帯びた形状にすることが望ましい。
[効果]
以上説明した本発明のレンズ保持機構3によると、長大で重い交換レンズ2であっても、プロジェクタ1に取り付けられた状態での傾きや倒れを抑えることができる。交換レンズ2は、プロジェクタ1のレンズマウント(図示せず)において支持されるのみならず、アダプタ6が取り付けられた位置においても、アダプタ6および機構部5を介してベース4上に支持されるからである。すなわち、交換レンズ2を複数の個所で支持することで、交換レンズ2が傾いたり倒れたりしないように安定して保持することができる。
また、本発明のレンズ保持機構3によると、投写画像の揺れ(画揺れ)を抑えることができる。投写画像の揺れは、プロジェクタ1の内部の部品において発生した振動が交換レンズ2に伝わり、交換レンズ2がその振動を抑えられないために生じると考えられる。特に、交換レンズ2がプロジェクタ1に外付けされてレンズ保持機構3に支持される場合、プロジェクタの内部の部品から交換レンズ2までの間には、レンズ保持機構3を含めて多数の部品が介在する。これらの多数の部品のそれぞれの公差が積み重なって大きな公差となり、交換レンズ2が内蔵する各部材(光学レンズや光学部材等)を歪ませるような負荷が加わり、投写画像の揺れを引き起こす可能性がある。しかし、本発明のレンズ保持機構では、プロジェクタ1に固定されたベース4に対して機構部5が位置調整可能に取り付けられ、さらに、交換レンズ2に取り付けられたアダプタ6が機構部5に対して位置調整可能に取り付けられている。すなわち、このレンズ保持機構3では、交換レンズ2おわびアダプタ6が、ベース4およびプロジェクタ1に対して様々な方向に位置調整可能である。従って、大きな公差が生じたとしても、このレンズ保持機構3において様々な方向に位置調整することで公差を吸収し、交換レンズ2をプロジェクタ1に対して好適な位置に配置し、その位置で固定することができる。その結果、投写画像の揺れを引き起こす可能性がある交換レンズ2に対する負荷を解消または低減させることができる。
このように、本発明によると、長大で重い交換レンズ2がプロジェクタに外付けされる場合であっても、交換レンズ2が傾いたり倒れたりしないように安定して保持することができる。さらに、公差を吸収し、交換レンズ2に対する負荷を解消または低減して、投写画像の揺れを抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、プロジェクタ1以外の様々な光学装置に応用することができる。また、ベース4は、光学装置1に取り付けられるものに限られず、光学装置1自体に一体的に設けられたものであってもよい。同様に、アダプタ6は、交換レンズ2に取り付けられるものに限られず、交換レンズ2自体に一体的に設けられたものであってもよい。そして、機構部5がベース4に対して前後方向および左右方向に移動可能な構成に限られず、他の方向に移動可能な構成であってもよい。また、アダプタ6が機構部5に対して上下方向に移動可能な構成に限られず、他の方向に移動可能な構成であってもよい。ただし、最終的に交換レンズ2およびアダプタ6が光学装置およびベース4に対して、前後方向、左右方向、および上下方向の各方向に位置調整可能であることが好ましい。
本発明のレンズ保持機構の特徴は、図11に模式的に示す第2の実施形態に示すように、光学装置1に取り付けられるか、または光学装置1に設けられたベース4と、ベース4に移動可能に取り付けられた機構部5と、交換レンズ2に取り付けられるか、または交換レンズ2に設けられており、機構部5に移動可能に取り付けられたアダプタ6とを含むところにある。
1 プロジェクタ(光学装置)
1a フット部
2 交換レンズ(投写レンズ)
2a マウント部
3 レンズ保持機構
4 ベース
4a 筐体固定部
4b 延伸部
4c スペーサ
4d,6b バーリング(突起)
5 機構部
5a ベースの延伸部に重なる部分
5b 起立する部分
5c 長穴
5d 長穴
5e 丸穴
6 アダプタ
6a ピン
7,19 スペーサ
8 雄ねじ
9,20 摺動リング
10 蝶ナット
11 ばね
12,18 ねじ
13 調整ダイヤル
13a 貫通孔
13b 軸部
13c カム溝
13d 窪み
13e 開口
14 アプセットねじ
16 ワッシャ
17 ナット

Claims (10)

  1. 光学装置に取り付けられるか、または光学装置に設けられたベースと、前記ベースに移動可能に取り付けられた機構部と、交換レンズに取り付けられるか、または交換レンズに設けられており、前記機構部に移動可能に取り付けられたアダプタと、を含むレンズ保持機構。
  2. 前記機構部は前記ベースに対して、前記光学装置の光の出射方向と、前記出射方向に直交し前記ベースの面方向に平行な方向とに移動可能であり、前記アダプタは、前記機構部に対して、前記ベースの面方向に直交する方向に移動可能である、請求項1に記載のレンズ保持機構。
  3. 前記機構部と前記ベースのいずれか一方に設けられたスペーサが、他方に設けられた長穴内に挿入され、前記スペーサと前記長穴との間のクリアランスの分だけ、前記機構部は前記ベースに対して移動可能である、請求項1または2に記載のレンズ保持機構。
  4. 前記アダプタと前記機構部のいずれか一方に設けられた突起が、他方に設けられた長穴内に挿入され、前記突起と前記長穴との間のクリアランスの分だけ、前記アダプタは前記機構部に対して移動可能である、請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ保持機構。
  5. 前記アダプタと前記機構部のいずれか一方に設けられたピンが、他方に回転可能に取り付けられた調整ダイヤルのカム溝に挿入され、前記ピンの前記カム溝内における位置に応じて、前記アダプタの前記機構部に対する相対位置が決まる、請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ保持機構。
  6. 前記光学装置と、前記交換レンズと、請求項1から5のいずれか1項に記載のレンズ保持機構と、を有し、
    前記レンズ保持機構は、前記交換レンズを前記光学装置に対して位置調整可能に保持している、光学システム。
  7. 前記光学装置はプロジェクタである、請求項6に記載の光学システム。
  8. 交換レンズにアダプタを取り付けることと、
    前記アダプタが取り付けられた前記交換レンズを光学装置に取り付けることと、
    ベースに対して機構部を移動可能に取り付けることと、
    前記アダプタおよび前記交換レンズが取り付けられた前記光学装置に、前記機構部が取り付けられた前記ベースを取り付けることと、
    前記光学装置に取り付けられた前記ベースに取り付けられた前記機構部に対して、前記交換レンズに取り付けられた前記アダプタを移動可能に取り付けることと、
    を含む交換レンズの取付方法。
  9. ベースに対して機構部を移動可能に取り付ける際に、前記機構部を前記ベースに対して、前記光学装置の光の出射方向と、前記出射方向に直交し前記ベースの面方向に平行な方向とに移動可能に取り付け、
    前記機構部に対して前記アダプタを移動可能に取り付ける際に、前記アダプタを前記機構部に対して、前記ベースの面方向に直交する方向に移動可能に取り付ける、請求項8に記載の交換レンズの取付方法。
  10. 前記光学装置はプロジェクタである、請求項8また9に記載の交換レンズの取付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11921407B2 (en) 2021-01-20 2024-03-05 Seiko Epson Corporation Fixing device, projection optical device, and projector

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