JP2019211419A - 三次元形状の計測方法、計測装置、及び計測プログラム - Google Patents

三次元形状の計測方法、計測装置、及び計測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】計測対象物の表面形状の把握に加えて計測対象物の表面を構成する部材の肉厚を把握することができるようにする。【解決手段】計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状が生成される処理(S4)と、計測対象物の表面の形状と前記部材の断面形状とがフィッティングされて表面の形状に対する断面形状の位置が特定されると共に断面形状に関する中心位置が計算される処理(S5)と、計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の内部構造の断面が配置される処理(S6)と、前記部材の内部構造の断面が前記部材の断面形状に関する中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の内部構造の形状が作成される処理(S7)と、計測対象物の表面の形状と前記部材の内部構造の形状とが比較される処理(S8)とを有するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元形状の計測方法、計測装置、及び計測プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、対象物の表面の三次元形状と共に前記表面を構成する部材の肉厚を計測する際に用いて好適な技術に関する。
レーザ光を照射すると共にその反射光を受光するレーザスキャナを用いて対象物の表面の三次元形状を計測する従来の技術として、対象物の三次元形状に応じてスキャンエリアが適宜設定されると共に各スキャンエリアについてのレーザスキャナによるスキャンがスキャンエリア毎に繰り返し行われて各スキャンエリアについて点群データが取得される際に、各スキャンエリアは互いにオーバラップされ、基準点を得るためにスキャンエリア同士のオーバラップ部分に三次元形状計測用のターゲットが複数個取り付けられ、スキャンエリア毎の点群データが基準点を介して互いに合成されて対象物の三次元形状データが取得されるものが知られている(特許文献1)。
特開2009−204449号公報
しかしながら、従来の三次元形状の計測技術では、対象物の表面の形状を計測することはできても表面とは反対側の形状や内部の形状を計測することはできないので、表面形状を形成・構成する部材の肉厚を把握することはできない。
そこで、本発明は、計測対象物の表面形状の把握に加えて計測対象物の表面を構成する部材の肉厚を把握することができる三次元形状の計測方法、計測装置、及び計測プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の三次元形状の計測方法は、計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状が生成される処理と、計測対象物の表面の形状と前記部材の断面形状とがフィッティングされて計測対象物の表面の形状に対する前記部材の断面形状の位置が特定されると共に前記部材の断面形状に関する中心位置が計算される処理と、計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の内部構造の断面が配置される処理と、前記部材の内部構造の断面が前記部材の断面形状に関する中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の内部構造の形状が作成される処理と、計測対象物の表面の形状と前記部材の内部構造の形状とが比較される処理とを有するようにしている。
また、本発明の三次元形状の計測装置は、計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状を生成する手段と、計測対象物の表面の形状と前記部材の断面形状とをフィッティングして計測対象物の表面の形状に対する前記部材の断面形状の位置を特定すると共に前記部材の断面形状に関する中心位置を計算する手段と、計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の内部構造の断面を配置する手段と、前記部材の内部構造の断面が前記部材の断面形状に関する中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の内部構造の形状を作成する手段と、計測対象物の表面の形状と前記部材の内部構造の形状とを比較する手段とを有するようにしている。
また、本発明の三次元形状の計測プログラムは、計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状を生成する処理と、計測対象物の表面の形状と前記部材の断面形状とをフィッティングして計測対象物の表面の形状に対する前記部材の断面形状の位置を特定すると共に前記部材の断面形状に関する中心位置を計算する処理と、計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の内部構造の断面を配置する処理と、前記部材の内部構造の断面が前記部材の断面形状に関する中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の内部構造の形状を作成する処理と、計測対象物の表面の形状と前記部材の内部構造の形状とを比較する処理とをコンピュータに行わせるようにしている。
したがって、これらの三次元形状の計測方法,三次元形状の計測装置,三次元形状の計測プログラムによると、計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状を特定した上で当該部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置に内部構造の境界を合わせた状態で計測対象物の表面の形状と内部構造の形状とが比較されるようにしているので、計測対象物の表面形状に加えて計測対象物の表面を構成する部材の肉厚の分布が把握される。
本発明の三次元形状の計測方法,三次元形状の計測装置,三次元形状の計測プログラムによれば、計測対象物の表面形状に加えて計測対象物の表面を構成する部材の肉厚の分布を把握することができるので、三次元形状の計測手法としての有用性を向上させることが可能になる。
本発明に係る三次元形状の計測方法の実施形態の一例を説明するフローチャートである。 実施形態の三次元形状の計測方法を三次元形状の計測プログラムを用いて実施する場合の当該プログラムによって実現される三次元形状の計測装置の機能ブロック図である。 本発明における計測の対象物を示す模式図である。(A)は管状の部材の例を示す模式図である。(B)は管状の部材が連接された部材の例を示す模式図である。 実機使用状態にある管状部が湾曲している状態を説明する模式図である。 管状部の内部構造の断面の配置を行う〈方法I〉を説明する模式図である。 管状部の内部構造の断面の配置を行う〈方法II〉を説明する模式図である。 管状部の内部構造の断面の配置を行う〈方法III〉を説明する模式図である。 管状部の内部構造の形状の作成を説明する模式図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図8に、本発明に係る三次元形状の計測方法,三次元形状の計測装置,及び三次元形状の計測プログラムの実施形態の一例を示す。
本実施形態の三次元形状の計測方法は、計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状(特に、外容形状であって、外法寸法に相当する形状)が生成される処理(S4)と、計測対象物の表面の形状と前記部材の断面形状(特に、外容形状のうちの前記計測対象物の表面の形状に対応する部分)とがフィッティングされて計測対象物の表面の形状に対する前記部材の断面形状の位置が特定されると共に前記部材の断面形状に関する中心位置が計算される処理(S5)と、計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の内部構造の断面が配置される処理(S6)と、前記部材の内部構造の断面が前記部材の断面形状に関する中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の内部構造の形状が作成される処理(S7)と、計測対象物の表面の形状と前記部材の内部構造の形状とが比較される処理(S8)とを有するようにしている(図1参照)。
ここで、本発明が用いられて三次元形状の計測が行われる計測の対象(「計測対象物」と呼ぶ)としては、単数の管状(即ち、中空)の部材(図3(A)参照)、または、複数の管状(即ち、中空)の部材の各々の長手方向が平行になるように配置されてこれら管状の部材が連接された部材(図3(B)参照)が挙げられる。具体的には例えば、建物等の建築構造物やプラント等の機械構造物における配管(即ち、例えば図3(A)に示されるような単数の管状の部材)や、発電用やごみ焼却炉のボイラ火炉の側壁に使用されるボイラ水冷壁管(即ち、例えば図3(B)に示されるような複数の管状の部材が連接された部材)などが挙げられる。
なお、本発明の説明では、例えば図3(A)に示されるような単体の管状の部材が計測対象物である場合には当該管状の部材のことを「管状部」と呼び、また、例えば図3(B)に示されるような複数の管状の部材が連接された部材が計測対象物である場合には管状の部材のそれぞれのことを「管状部」と呼ぶ。
上記の三次元形状の計測方法は、本発明に係る三次元形状の計測装置によって実施され得る。本実施形態の三次元形状の計測装置は、計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状(特に、外容形状であって、外法寸法に相当する形状)を生成する手段と、計測対象物の表面の形状と前記部材の断面形状(特に、外容形状のうちの前記計測対象物の表面の形状に対応する部分)とをフィッティングして計測対象物の表面の形状に対する前記部材の断面形状の位置を特定すると共に前記部材の断面形状に関する中心位置を計算する手段と、計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の内部構造の断面を配置する手段と、前記部材の内部構造の断面が前記部材の断面形状に関する中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の内部構造の形状を作成する手段と、計測対象物の表面の形状と前記部材の内部構造の形状とを比較する手段とを有するようにしている。
上記の三次元形状の計測方法及び三次元形状の計測装置は、三次元形状の計測プログラムがコンピュータ上で実行されることによっても実施・実現され得る。ここでは、三次元形状の計測プログラムがコンピュータ上で実行されることによって三次元形状の計測方法が実施されると共に三次元形状の計測装置が実現される場合を説明する。
本実施形態の三次元形状の計測プログラム17を実行するためのコンピュータ10(本実施形態では、三次元形状の計測装置10でもある)の全体構成を図2に示す。
このコンピュータ10(三次元形状の計測装置10)は制御部11,記憶部12,入力部13,表示部14,及びメモリ15を備え、これらが相互にバス等の信号回線によって接続されている。
制御部11は、記憶部12に記憶されている三次元形状の計測プログラム17に従ってコンピュータ10全体の制御並びに三次元形状の計測に係る演算を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
記憶部12は、少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。
入力部13は、少なくとも作業者の命令や種々の情報を制御部11に与えるためのインターフェイス(即ち、情報入力の仕組み)であり、例えばキーボードやマウスである。なお、例えばキーボードとマウスとの両方のように複数種類のインターフェイスを入力部13として有するようにしても良い。
表示部14は、制御部11の制御によって文字や図形或いは画像等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
メモリ15は、制御部11が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
また、コンピュータ10に、必要に応じ、当該コンピュータ10との間でデータや制御指令等の信号の送受信(即ち、出入力)が可能であるように、バスや広域ネットワーク回線等の信号回線により、データサーバ20が接続されるようにしても良い。また、コンピュータ10は、必要に応じ、インターネットなどのネットワークを介してクラウドサーバ(図示していない)にアクセス可能であるようにしても良い。
そして、コンピュータ10(以下、「三次元形状の計測装置10」と表記する)の制御部11には、三次元形状の計測プログラム17が実行されることにより、計測対象物の表面の三次元形状に相当するメッシュデータの作成に係る処理を行うデータ読込部11a及びメッシュ作成部11bと、計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状(特に、外容形状であって、外法寸法に相当する形状)を生成する処理を行う断面形状生成部11cと、計測対象物の表面の形状と前記部材の断面形状(特に、外容形状のうちの前記計測対象物の表面の形状に対応する部分)とをフィッティングして計測対象物の表面の形状に対する前記部材の断面形状の位置を特定すると共に前記部材の断面形状に関する中心位置を計算する処理を行う中心位置計算部11dと、計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の内部構造の断面を配置する処理を行う内部構造断面配置部11eと、前記部材の内部構造の断面が前記部材の断面形状に関する中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の内部構造の形状を作成する処理を行う内部構造形状作成部11fと、計測対象物の表面の形状と前記部材の内部構造の形状とを比較する処理を行う肉厚分布計算部11gとが構成される。
そして、三次元形状の計測方法が実施される際の手順として、まず、点群データの整備が行われる(S1)。
本発明では、三次元形状の計測の対象としての計測対象物の表面形状に関する点群が用いられる。なお、本発明で用いられる点群のデータは、既存のデータが利用・整備されて用いられるようにしても良く、或いは、新たに取得・整備されたデータが用いられるようにしても良い。
本発明における点群のデータとして、例えば、半導体レーザなどの光源を備える光照射部と各々がCCD(Charge Coupled Device の略;電荷結合素子)などの受光素子を備えると共に相互に離間して配設されてステレオカメラを構築するように構成される一対の受光部とを有する計測手段が用いられて行われる計測によって取得されるデータが利用されて生成される三次元の座標群/点群のデータ(言い換えると、三次元的な複数の座標点)が用いられ得る。
点群のデータの作成の仕法は、特定の手法に限定されるものではなく、取得・整備されたデータ(言い換えると、利用可能なデータ)に応じて適当な手法が適宜選択される。
例えば、上記の計測手段として、例えば三角測量法を測定原理とし、計測対象物へと向けてレーザ等の計測光を照射すると共に当該計測光が計測対象物の表面で反射した反射光を検出することによって得られるデータを用いて三次元形状を計測する(言い換えると、計測対象物の表面の三次元形状に関するデータを取得する)非接触式の計測器が用いられるようにしても良い。
三角測量法は、計測対象物へと向けて照射されたレーザ等の光が反射してレンズを通してCCDなどに結像されるときの結像位置の情報を基に点群データ(即ち、対象物表面の座標データ)を取得する手法であり、結像位置は対象物までの距離によって異なることを利用して結像位置から対象物までの距離を幾何学的に算出する手法である(例えば、吉澤徹「最新光三次元計測」,朝倉書店,2006年)。
また、計測対象物における、計測の対象とされている表面(「計測表面」と呼ぶ)の全体を複数箇所から画角が異なるように撮影して得られる複数の多視点画像(別言すると、多視点情報)をステレオマッチングして前記計測対象物の三次元の点群データを作成する手法が用いられ得る。
本実施形態では、S1の処理において表面形状に関する三次元の点群データとして整備された、計測対象物の計測表面に関する三次元座標値の集合である点群に係る座標群データが、データファイルに記録されて点群データファイル18として記憶部12に保存される。
次に、肉厚の実測が行われる(S2)。
肉厚は、後述するS6の処理において計測結果の表面形状データにおける表面形状に対して計測対象物の管状部の内部構造の断面の位置を特定する際の基準として用いられるものである。
ここで、計測対象物における、計測表面とは反対側の形状を構成する面(言い換えると、計測表面と対向する面)であって計測表面からみて内側の面(即ち、計測手段による撮影/計測では認識され得ない面)のことを「裏面」と呼ぶ。
肉厚が実測される箇所数は、特定の箇所数に限定されるものではなく、後述するS6の処理における手順・仕法が考慮されるなどした上で適当な箇所数に適宜設定される。
肉厚の実測では、肉厚が実測される箇所として選択・設定された箇所(「肉厚実測箇所」と呼ぶ)毎に、肉厚が実測されると共に位置座標が特定される。
肉厚実測箇所の位置座標は、S1の処理において整備された点群データ/座標群データの座標系(具体的には、三次元直交座標系)と共通(別言すると、同一)の座標系における座標値として特定されるようにしても良く、或いは、独自の座標系における座標値として特定された上でS1の処理において整備された点群データ/座標群データの座標系における座標値への変換が行われ得るようにしても良い。
肉厚を実測する際に用いられる機器や手法は、特定の機器や手法に限定されるものではなく、例えば実測作業の実施可能性や計測精度などが考慮されるなどした上で、接触式若しくは非接触式の計測機器・手法の中から適当なものが適宜選択される。肉厚の実測は、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、超音波厚さ計が用いられて行われるようにしても良い。
本実施形態では、S2の処理において実測された肉厚が、肉厚実測箇所それぞれの位置の座標と対応づけられて(言い換えると、肉厚実測箇所の位置座標と肉厚の実測値との組み合わせデータとして)データファイルに記録されて肉厚実測値データファイル19として記憶部12に保存される。
そして、三次元形状の計測プログラムが実行される際の手順として、言い換えると、三次元形状の計測装置10における処理として、計測対象物の計測表面に関する点群に係る座標群データの読み込みが行われる。
具体的には、制御部11のデータ読込部11aにより、記憶部12に保存されている点群データファイル18に記録されている計測対象物の計測表面に関する点群に係る座標群データの三次元座標値が読み込まれる。
そして、データ読込部11aにより、計測対象物の計測表面に関する点群に係る座標群データがメモリ15に記憶させられる。
次に、計測対象物の計測表面のメッシュデータの作成が行われる(S3)。
この処理では、S1の処理によって整備された点群データが面形式のデータへと変換され、計測対象物の計測表面の三次元形状に相当するメッシュデータが作成される。
点群データを面形式のデータへと変換する手法は、特定の変換方式に限定されるものではなく、従来の若しくは新規の変換方式の中から適当なものが適宜選択される。具体的は例えば、ドロネー三角形分割を演算原理として変換処理が行われて点群データが面形式のデータへと変換されるようにしても良い。
このS3の処理で作成されるメッシュデータのことを「計測結果の表面形状データ」と呼ぶ。計測結果の表面形状データは、計測対象物の表面の形状に関する情報のみから構成される。
本実施形態では、三次元形状の計測装置10における処理として、制御部11のメッシュ作成部11bにより、メモリ15に記憶されている計測対象物の計測表面に関する点群に係る座標群データが読み込まれる。
続いて、メッシュ作成部11bにより、読み込まれた点群(座標群)に関するメッシュデータ(即ち、計測結果の表面形状データ)が計算される。
そして、メッシュ作成部11bにより、計算された計測結果の表面形状データがメモリ15に記憶させられる。
次に、計測対象物の管状部の断面形状の生成が行われる(S4)。
この処理では、計測対象物の計測表面を構成・形成している管状部について、管状部の長手方向において連なる長手方向直交断面毎の形状データが生成される。
管状部の長手方向直交断面の形状は、管状部の長手方向における各位置での例えば設計値や初期寸法などに基づいて生成される。設計値は、計測対象物の管状部の設計図面等に記載されている設計上の寸法である。初期寸法は、実機へと組み付けられて配設された状態で使用される前(即ち、供用開始時前であって腐食や摩耗などによる減肉が生じる前)に実測された寸法である。管状部の長手方向直交断面の形状が生成される際に用いられる、例えば設計値や初期寸法などの基準となる寸法のことを「基準寸法」と呼ぶ。
このS4の処理で生成される、基準寸法に基づく断面形状に関するデータのことを「断面形状データ」と呼ぶ。
断面形状データは、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が、長手方向における位置に拘わらず一定/同一である場合には一種類だけ生成され、一方、長手方向における位置によって異なる場合には複数種類生成される(言い換えると、基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に生成され、前記区間/範囲内では断面形状は一定/同一であると取り扱われる)。
本実施形態では、計測対象物の計測表面を構成・形成している部材(少なくとも、管状部に該当する部分)の基準寸法に関するデータが、データファイルに記録されて記憶部12に保存される。
そして、三次元形状の計測装置10における処理として、制御部11の断面形状生成部11cにより、記憶部12に保存されているデータファイルに記録されている計測対象物の計測表面を構成・形成している部材の基準寸法に関するデータが読み込まれる。
続いて、断面形状生成部11cにより、読み込まれた基準寸法が用いられて、計測対象物の管状部についての、長手方向直交断面の形状(即ち、断面形状データ)が基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に生成される。
そして、断面形状生成部11cにより、生成された断面形状データがメモリ15に記憶させられる。
次に、計測対象物の管状部の断面形状に関する中心位置の計算が行われる(S5)。
本発明では、S3までの処理において求められた計測結果の表面形状データと、S4の処理において生成された断面形状データを踏まえて後述するS7の処理において作成される内部構造データとが比較されて、管状部の肉厚が計算される。
ここで、建物等の建築構造物やプラント等の機械構造物において実際に配設されて使用・供用されている状態の(つまり、実機使用状態にある)計測対象物の管状部は、設計では(言い換えると、基準寸法に基づく形状としては)一直線状であったとしても、実際には設計通りの形状(言い換えると、基準寸法通りの形状)ではなくて湾曲していることがある(図4参照)。例えば、特に発電用やごみ焼却炉のボイラ火炉の側壁に使用されるボイラ水冷壁管などでは、高熱による膨張に起因して湾曲している場合がある。
このため、実機使用状態にある計測対象物の管状部における実際の湾曲を考慮しない場合には、現実に生じている湾曲の分は計測誤差になってしまう。
そこで、この処理では、計測結果の表面形状データに基づいて、実機使用状態にある計測対象物の管状部について、管状部の長手方向において連なる長手方向直交断面毎の中心位置が求められ、これら中心位置の連なりとして管状部の湾曲の状態が把握される。これにより、管状部の形状の計算における当該管状部自体の湾曲の影響が排除される。
管状部の長手方向直交断面の形状に関する中心位置は、S3までの処理において求められた計測結果の表面形状データとS4の処理において生成された断面形状データとがフィッティングされて求められる。
すなわち、管状部の長手方向直交断面の形状に関する中心位置は、計測結果の表面形状データと断面形状データの外容形状(別言すると、外法寸法に相当する形状)のうちの当該の断面の位置における前記表面形状データに対応する部分とがフィッティングされた上で前記外容形状の中心位置として求められる。
本発明における計測対象物は単体の管状部や連接する複数の管状部であり、計測結果の表面形状データにおける長手方向直交断面の形態は円形又は円弧状である。したがって、S5の処理において求められる計測対象物の管状部の断面形状に関する中心位置は、具体的には円の中心であったり円弧の中心であったりする。
円周同士や円弧同士のフィッティングの仕法は、特定の手法に限定されるものではなく、二つの円周同士や二つの円弧同士が最もよく重なり合う状態を計算することができる手法であれば、どのような手法でも良い。具体的には例えば、計測結果の表面形状データ(別言すると、管状部の表面形状に係る座標群)と断面形状データのうちの前記表面形状データに対応する部分との差分が最小になるように最小二乗法によって計算されることが考えられる。
本発明における計測対象物の管状部は中空の円筒状であり、計測結果の表面形状データにおける長手方向直交断面の形態は円形又は円弧状であると共に断面形状データにおける長手方向直交断面の外容形状も円形又は円弧状である。そして、計測対象物の管状部の表面形状としての円周又は円弧と断面形状としての円周又は円弧或いは円周のうちの表面形状の円弧に対応する部分(即ち、円弧である)とがフィッティングされた上で断面形状の円又は円弧の中心の位置が求められる。
本実施形態では、制御部11の中心位置計算部11dにより、S3の処理においてメモリ15に記憶された計測結果の表面形状データが読み込まれると共に、S4の処理においてメモリ15に記憶された断面形状データが読み込まれる。
続いて、中心位置計算部11dにより、計測結果の表面形状データにおける表面形状と断面形状データにおける前記表面形状に対応する部分とがフィッティングされ、前記表面形状にフィッティングする断面形状の位置が特定される。
さらに、中心位置計算部11dにより、上記のフィッティング処理によって位置が特定された断面形状に関する中心位置(具体的には、円又は円弧の中心の位置)が計算される。
ここで、S5の処理における計測結果の表面形状データと断面形状データとのフィッティング及び断面形状に関する中心位置の計算は、これらのデータの解像度(別言すると、再現密度)が対応し得る範囲で、計測対象物の管状部の長手方向に沿ってできる限り細かい間隔の断面位置毎に行われることが好ましい。なお、断面形状データは、S4の処理において、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に生成されており、フィッティング対象の計測結果の表面形状データによっては、区間/範囲毎に異なる断面形状データに関して中心位置の計算が行われる。
上記の処理によって計算される計測対象物の管状部の長手方向における各区間/範囲毎の断面形状に関する中心位置を連結したもの(即ち、中心位置の軌跡)は、前記計測対象物の管状部の現実の湾曲状態を反映した軌跡(「断面中心の軌跡」と呼ぶ)である。
そして、中心位置計算部11dにより、計算された断面中心の軌跡に関するデータがメモリ15に記憶させられる。
次に、計測対象物の管状部の内部構造の断面の配置が行われる(S6)。
計測対象物の管状部は中空の円筒状であるので、連通する空間を構成する中空部分が管状部の内部構造であり、管状部の長手方向直交断面における当該管状部の内部構造の断面の形状は円形である。
この処理では、S5の処理において計算された断面中心の軌跡に関するデータとS2の処理において実測された肉厚とが用いられて、S3の処理において求められた計測結果の表面形状データにおける表面形状に対して計測対象物の管状部の内部構造の断面の形状である円が配置される。
計測対象物の管状部の内部構造の断面としての円の配置は、例えば、下記の〈方法I〉乃至〈方法III〉のうちの何れかによって行われることが考えられる。
〈方法I〉内部構造の断面の中心位置を断面形状に関する中心位置に一致させて配置する。
S2の処理において、位置座標が特定されている肉厚実測箇所の位置に於ける肉厚が実測されている。
〈方法I〉では、上記の肉厚実測箇所の位置に於ける管状部の断面形状に関する中心位置を中心とし且つ計測対象物の表面から肉厚の分だけ離れた点を通る円が内部構造の断面として決定される。
すなわち、S2の処理で特定された位置座標に於いて、S5の処理で計算された管状部の断面形状に関する中心位置を中心とし、且つ、S3の処理で求められた計測結果の表面形状データにおける表面の位置から、S2の処理で実測された肉厚の分だけ管状部の内側へと向けて厚さ方向に離れた位置を円周が通る円が配置される(図5参照)。
〈方法I〉では、S2の処理において実測される肉厚は、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に少なくとも一箇所に於いて実測されれば良く、管状部の頂部に於いて実測されることが好ましい。
〈方法II〉実測された肉厚の分だけ離れた位置に配置する。
S2の処理において、位置座標が特定されている肉厚実測箇所の位置に於ける肉厚が実測されている。
〈方法II〉では、上記の肉厚実測箇所の位置に於ける計測対象物の表面から肉厚の分だけ離れた点を通り且つ基準寸法を直径とする円が内部構造の断面として決定される。
すなわち、S2の処理で特定された位置座標に於いて、S3の処理で求められた計測結果の表面形状データにおける表面の位置から、S2の処理で実測された肉厚の分だけ管状部の内側へと厚さ方向に離れた位置を円周が通り、且つ、S4の処理で生成された断面形状のうちの内部構造の断面の形状である円の直径寸法(即ち、管状部の基準寸法における内径)を直径とする円が配置される(図6参照)。
〈方法II〉では、S2の処理において実測される肉厚は、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に、一箇所のみに於いて実測されるようにしても良く、或いは、少なくとも二箇所に於いて実測されるようにしても良く、いずれの場合でも管状部の頂部に於いて実測されることが好ましい。
〈方法III〉実測された肉厚の分だけ離れた位置を通るように配置する。
S2の処理において、位置座標が特定されている肉厚実測箇所の位置に於ける肉厚が実測されている。
〈方法III〉では、上記の肉厚実測箇所の位置に於ける計測対象物の表面から肉厚の分だけ離れた点を通る円が内部構造の断面として決定される。
すなわち、S2の処理で特定された位置座標に於いて、S3の処理で求められた計測結果の表面形状データにおける表面の位置から、S2の処理で実測された肉厚の分だけ管状部の内側へと向けて厚さ方向に離れた位置を円周が通る円が配置される(図7参照)。
〈方法III〉では、S2の処理において実測される肉厚は、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に少なくとも三箇所に於いて実測されれば良く、管状部の頂部が含まれることが好ましい。
ここで、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に断面形状データが生成される(S4)と共に断面形状に関する中心位置が計算される(S5)。また、内部構造の断面が配置される際には実測された肉厚が用いられる。これらのことから、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に且つ肉厚が実測された区間毎に内部構造の断面の配置が行われる。なお、S2の処理における肉厚の実測は、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が異なっている区間/範囲毎に、上述の箇所数で行われることが好ましい。また、計測対象物の管状部の長手方向における各位置での基準寸法に基づく形状が当該管状部の長手方向の全長に亙って同一であると共に肉厚の実測が行われた箇所が一箇所である場合には、内部構造の断面の配置は前記肉厚の実測が行われた箇所のみに於いて行われる。
本実施形態では、制御部11の内部構造断面配置部11eにより、内部構造の断面の配置の仕方の例として挙げた上述の〈方法I〉乃至〈方法III〉のうちで用いられる方法に対応させて下記の(1)乃至(3)のうちの何れかの手順によって管状部の内部構造の断面が配置される。
(1)〈方法I〉が用いられて内部構造の断面が配置される場合
内部構造断面配置部11eにより、S5の処理においてメモリ15に記憶された断面中心の軌跡に関するデータが読み込まれると共に、記憶部12に保存されている肉厚実測値データファイル19に記録されている肉厚実測箇所の位置座標と肉厚の実測値との組み合わせデータが読み込まれる。
続いて、内部構造断面配置部11eにより、読み込まれた断面中心の軌跡と肉厚の実測値とが用いられて、上記の〈方法I〉によって計測対象物の管状部の内部構造の断面としての円が配置される位置の計算が行われる。
そして、内部構造断面配置部11eにより、計算された計測対象物の管状部の内部構造の断面としての円の直径及び当該円が配置される位置に関するデータがメモリ15に記憶させられる。
(2)〈方法II〉が用いられて内部構造の断面が配置される場合
内部構造断面配置部11eにより、記憶部12に保存されている肉厚実測値データファイル19に記録されている肉厚実測箇所の位置座標と肉厚の実測値との組み合わせデータが読み込まれると共に、記憶部12に保存されているデータファイルに記録されている計測対象物の計測表面を構成・形成している部材の基準寸法に関するデータが読み込まれる。
続いて、内部構造断面配置部11eにより、読み込まれた肉厚の実測値と基準寸法とが用いられて、上記の〈方法II〉によって計測対象物の管状部の内部構造の断面としての円が配置される位置の計算が行われる。
そして、内部構造断面配置部11eにより、計算された計測対象物の管状部の内部構造の断面としての円の直径及び当該円が配置される位置に関するデータがメモリ15に記憶させられる。
(3)〈方法III〉が用いられて内部構造の断面が配置される場合
内部構造断面配置部11eにより、記憶部12に保存されている肉厚実測値データファイル19に記録されている肉厚実測箇所の位置座標と肉厚の実測値との組み合わせデータが読み込まれる。
続いて、内部構造断面配置部11eにより、読み込まれた肉厚の実測値が用いられて、上記の〈方法III〉によって計測対象物の管状部の内部構造の断面としての円が配置される位置の計算が行われる。
そして、内部構造断面配置部11eにより、計算された計測対象物の管状部の内部構造の断面としての円の直径及び当該円が配置される位置に関するデータがメモリ15に記憶させられる。
次に、計測対象物の管状部の内部構造の形状の作成が行われる(S7)。
この処理では、S5の処理において計算された断面中心の軌跡に関するデータとS6の処理において配置された内部構造の断面としての円とが用いられて、計測対象物の管状部の内部構造の形状が作成される。
計測対象物の管状部の内部構造の形状の作成は、上述のS6の処理に関する説明における〈方法I〉乃至〈方法III〉のうちのS6の処理において用いられた方法に対応させて下記の(1)乃至(3)のうちの何れかの仕法によって行われる。
(1)S6の処理において〈方法I〉が用いられて内部構造の断面が配置された場合
この場合には、S5の処理において計算された断面中心の軌跡(別言すると、断面形状に関する中心位置)とS6の処理において配置された内部構造の断面としての円の中心の位置とが一致している。
そこで、S6の処理において配置された内部構造の断面としての円を、当該円の中心がS5の処理において計算された断面中心の軌跡に沿うように管状部の長手方向の全長に亙って移動させる(図8参照)。
(2)S6の処理において〈方法II〉が用いられて内部構造の断面が配置された場合
この場合には、S5の処理において計算された断面形状の軌跡(別言すると、断面形状に関する中心位置)とS6の処理において配置された内部構造の断面としての円の中心の位置とがずれていることがあり得る(尚、一致していることもあり得る)。
そこで、S6の処理において配置された内部構造の断面としての円を、当該円の中心とS5の処理において計算された断面中心の軌跡とが一定の距離を維持するように前記円の中心を前記断面中心の軌跡と平行に管状部の長手方向の全長に亙って移動させる。
(3)S6の処理において〈方法III〉が用いられて内部構造の断面が配置された場合
この場合には、S5の処理において計算された断面形状の軌跡(別言すると、断面形状に関する中心位置)とS6の処理において配置された内部構造の断面としての円の中心の位置とがずれていることがあり得る(尚、一致していることもあり得る)。
そこで、S6の処理において配置された内部構造の断面としての円を、当該円の中心とS5の処理において計算された断面中心の軌跡とが一定の距離を維持するように前記円の中心を前記断面中心の軌跡と平行に管状部の長手方向の全長に亙って移動させる。
上述の(1)乃至(3)のうちの何れかの仕法による移動に伴って内部構造の断面としての円が通過した部分(即ち、管状部の長手方向直交断面の形状が円形である連通する空間を構成する中空部)により、計測対象物の管状部の内部構造が再現される。そして、この内部構造は、管状部の現実の湾曲状態を反映した形状に作成される。
このS7の処理で作成される内部構造の形状に関するデータのことを「内部構造データ」と呼ぶ。内部構造データは、計測対象物の表面からの位置が特定された内部の構造・形状に関する情報を有するものとして構成される。
本実施形態では、制御部11の内部構造形状作成部11fにより、S5の処理においてメモリ15に記憶された断面中心の軌跡に関するデータが読み込まれると共に、S6の処理においてメモリ15に記憶された内部構造の断面としての円の直径及び当該円が配置される位置に関するデータが読み込まれる。
続いて、内部構造形状作成部11fにより、読み込まれた断面中心の軌跡と円の直径及び当該円が配置される位置とが用いられて、上述の〈方法I〉乃至〈方法III〉のうちのS6の処理において用いられた方法に対応した仕法によって計測対象物の管状部の内部構造の形状(即ち、内部構造データ)が作成される。
そして、内部構造形状作成部11fにより、作成された内部構造データがメモリ15に記憶させられる。
次に、計測対象物の管状部に関する計測結果の表面形状データと内部構造データとの比較が行われる(S8)。
この処理では、計測結果の表面形状データと内部構造データとが重ね合わされて、表面形状データと内部構造データとの差違が計算される。
すなわち、計測対象物の管状部について、S6及びS7の処理によって計測結果の表面形状データに対して内部構造の形状(別言すると、内部構造の境界)として裏面の位置が特定されたことになるので、管状部の肉厚方向における対比が可能であり、計測結果の表面形状データにおける表面形状と内部構造データにおける内部構造の形状/境界としての裏面の形状との差違を計算することができる。この計算により、計測対象物の管状部(言い換えると、計測対象物の表面を構成する部材)の肉厚の分布が得られる。
本実施形態では、制御部11の肉厚分布計算部11gにより、S3の処理においてメモリ15に記憶された計測結果の表面形状データが読み込まれると共に、S7の処理においてメモリ15に記憶された内部構造データが読み込まれる。
続いて、肉厚分布計算部11gにより、計測結果の表面形状データにおける表面形状と内部構造データにおける内部構造の形状/境界としての裏面の形状との差分が算定される。
そして、制御部11は、上述の処理によって計算された計測対象物の管状部の肉厚の分布を例えば表示部14に表示したりデータファイル等として記憶部12に保存したりした上で、ここまで取り扱ってきた計測対象物についての三次元形状の計測に関する処理を終了する(END)。
以上のように構成された三次元形状の計測方法,三次元形状の計測装置,三次元形状の計測プログラムによれば、計測対象物の表面形状に加えて計測対象物の表面を構成する部材の肉厚の分布を把握することができる。このため、三次元形状の計測手法としての有用性を向上させることが可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述したように本発明で用いられる点群のデータとして既存のデータが利用・整備されて用いられるようにしても良く、また、本発明で用いられるメッシュデータについても既存のデータが利用・整備されて用いられるようにしても良いので、計測対象物の計測表面に関する点群データやメッシュデータが独自のものとして整備されることは本発明において必須の手順ではない。なお、この場合、計測対象物の管状部の肉厚の実測は点群データの整備(言い換えると、計測対象物の表面形状の計測)に係る処理とは別の手順として行われ、肉厚が実測された位置が計測対象物の計測表面に関する点群データ(三次元の座標群)やメッシュデータと対応づけられて利用される。
10 コンピュータ/三次元形状の計測装置
11 制御部
11a データ読込部
11b メッシュ作成部
11c 断面形状生成部
11d 中心位置計算部
11e 内部構造断面配置部
11f 内部構造形状作成部
11g 肉厚分布計算部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 メモリ
17 三次元形状の計測プログラム
18 点群データファイル
19 肉厚実測値データファイル
20 データサーバ

Claims (3)

  1. 計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状が生成される処理と、前記計測対象物の表面の形状と前記部材の前記断面形状とがフィッティングされて前記計測対象物の前記表面の形状に対する前記部材の前記断面形状の位置が特定されると共に前記部材の前記断面形状に関する中心位置が計算される処理と、前記計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の前記内部構造の断面が配置される処理と、前記部材の前記内部構造の断面が前記部材の前記断面形状に関する前記中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の前記内部構造の形状が作成される処理と、前記計測対象物の前記表面の形状と前記部材の前記内部構造の形状とが比較される処理とを有することを特徴とする三次元形状の計測方法。
  2. 計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状を生成する手段と、前記計測対象物の表面の形状と前記部材の前記断面形状とをフィッティングして前記計測対象物の前記表面の形状に対する前記部材の前記断面形状の位置を特定すると共に前記部材の前記断面形状に関する中心位置を計算する手段と、前記計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の前記内部構造の断面を配置する手段と、前記部材の前記内部構造の断面が前記部材の前記断面形状に関する前記中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の前記内部構造の形状を作成する手段と、前記計測対象物の前記表面の形状と前記部材の前記内部構造の形状とを比較する手段とを有することを特徴とする三次元形状の計測装置。
  3. 計測対象物の表面を構成する部材の基準寸法に基づいて当該部材の断面形状を生成する処理と、前記計測対象物の表面の形状と前記部材の前記断面形状とをフィッティングして前記計測対象物の前記表面の形状に対する前記部材の前記断面形状の位置を特定すると共に前記部材の前記断面形状に関する中心位置を計算する処理と、前記計測対象物の表面から前記部材の肉厚実測値の分だけ離れた位置を前記部材の内部構造の断面の境界が通るように前記部材の前記内部構造の断面を配置する処理と、前記部材の前記内部構造の断面が前記部材の前記断面形状に関する前記中心位置と関連づけられて移動して通過した部分として前記部材の前記内部構造の形状を作成する処理と、前記計測対象物の前記表面の形状と前記部材の前記内部構造の形状とを比較する処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする三次元形状の計測プログラム。
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