JP2019210158A - ガラス基板吸引装置およびこれを用いた貫通口付きガラス基板製造方法 - Google Patents

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恵太 家原
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俊佑 ▲高▼木
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Abstract

【課題】多面取り用ガラス母材に対する穿孔処理を円滑に行うことを可能にするガラス基板吸引装置およびこれを用いた貫通口付きガラス基板製造方法を提供する。【解決手段】ガラス基板吸引装置60は、処理ステージ64、吸引機構66、およびゲルシート70を少なくとも備える。処理ステージ64は、吸引孔62を有するとともに、切断されるべき多面取り用ガラス母材50が載置される。吸引機構66は、吸引孔62を介して処理されるべき多面取り用ガラス母材50を吸引するように構成される。ゲルシート70は、処理ステージ64と多面取り用ガラス母材50とに挟まれるように配置されるとともに、少なくとも吸引孔62に対応する位置に開口部72が形成されている。吸引機構66が多面取り用ガラス母材50を吸引することによって穿孔予定線25上の溝が貫通する。【選択図】図5

Description

本発明は、ガラス基板における貫通口を設けるべき位置に形成された穿孔予定溝を貫通させることによってガラス基板に穿孔処理するように構成されたガラス基板吸引装置およびこれを用いた貫通口付きガラス基板製造方法に関する。
スマートフォンやタブレット端末等には、液晶パネルや有機ELパネル等のフラットパネルが用いられる。このフラットパネルには、従来、ガラス基板が用いられることが多かった。ガラス基板を加工する技術は年々進化しており、今では、ガラス基板を薄型化したり、ガラス基板を複雑な輪郭形状に加工したりすることも可能になってきている。
ところが、近年ではガラス基板に貫通口を形成する技術がさらに求められるようになってきた。その理由は、スマートフォンやタブレット端末等に搭載されるカメラやスピーカ等を設置するためである。
そこで、従来技術の中には、形成すべき貫通口の輪郭に沿ってレーザビームを照射し、その後、この貫通口の輪郭に超音波を作用することによって貫通口を形成する技術が採用されることがあった(例えば、特許文献1参照)。
特許第6262039号
しかしながら、上述の従来技術においては、切断されるべきガラス基板ごとに貫通口への超音波の作用が必要になるため、多面取りの面取り数が増加するにつれて作業性が悪くなるという不都合があった。近年、複数のフラットパネルを含む多面取り用ガラス母材に必要な加工を施してから単個のフラットパネルに分断する製造手法を採用することが多くなっているが、上述の従来技術においてはこのような多面取りを採用した製造手法に対応することが困難であると考えられる。
この発明の目的は、多面取り用ガラス母材に対する穿孔処理を円滑に行うことを可能にするガラス基板吸引装置およびこれを用いた貫通口付きガラス基板製造方法を提供することである。
本発明に係るガラス基板吸引装置は、ガラス基板における貫通口を設けるべき位置に形成された穿孔予定溝を貫通させることによってガラス基板に穿孔処理するように構成される。このガラス基板吸引装置は、処理ステージ、吸引機構、および硬質支持部材を少なくとも備える。
処理ステージは、吸引孔を有するとともに、穿孔処理されるべきガラス基板が載置されるように構成される。吸引機構は、吸引孔を介して処理されるべきガラス基板を吸引するように構成される。硬質支持部材は、処理ステージとガラス基板とに挟まれるように配置されるとともに、少なくとも貫通口を設けるべき位置に対応する位置に開口部を有する。
上述の硬質支持部材としては、硬度が60〜80のものを好適に用いることが可能であるが、とりわけゲルシートであることが好ましい。開口部は、吸引機構の吸引力を切断されるべきガラス基板に伝えるために設けられる。この開口部の大きさは、形成されるべき貫通口に対応する位置に、この貫通口よりも少し大きくなるように形成することが好ましい。
そして、吸引機構がガラス基板を吸引することによってガラス基板の穿孔予定溝が貫通し、貫通口が形成されるように構成される。この構成においては、貫通口を設けるためにくり貫かれるべきガラス片を吸引力によって硬質支持部材の開口部に引き込むことが可能になる。ガラス基板吸引装置は、多面取り用ガラス母材に形成された各フラットパネルごとの穿孔予定溝に対して同時にかつ均等に吸引力を作用させることが可能であるため、面取り数にかかわらず円滑に貫通口を形成することが可能になる。ただし、吸引力のみによっては穿孔予定溝を貫通させるに足る力が発生しない場合には、適宜、上から押圧部材によって押し下げる力を加えるようにすると良い。
また、本発明の貫通口付きガラス基板製造方法は、上述のガラス基板吸引装置を用いて貫通口付きガラス基板を製造するための方法である。このガラス基板製造方法は、第1の改質ライン形成ステップ、エッチングステップ、および吸引ステップを少なくとも含んでいる。
第1の改質ライン形成ステップでは、複数のフラットパネルを含む多面取り用ガラス母材に対して、形成すべき貫通口の形状に対応する穿孔予定線に沿って形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有する改質ラインを形成する。改質ラインを形成するための手法の代表例は、パルスレーザの照射が挙げられる。ただし、改質ラインの形成手法はこれに限定されるものではなく、スクライブカッタやブラスト加工による溝形成を行うことも可能である。
エッチングステップでは、多面取り用ガラス母材における穿孔予定線に沿って貫通予定溝を形成するためのエッチング処理が行われる。多面取り用ガラス母材にあらかじめエッチング液の浸入を防止するシール処理が施されている場合には、穿孔予定線をエッチングによって貫通させてしまっても良い。一方で、そのようなシール処理が施されていない場合には、多面取り用ガラス母材において穿孔予定線が貫通しないようにしつつ、エッチング処理を行うことが好ましい。その理由は、エッチング液が多面取り用ガラス母材の内部に進入することによって、フラットパネルに用いる電極端子部やその他の電気的配線等が汚損することを防止するためである。
吸引ステップでは、ガラス基板吸引装置の吸引機構が多面取り用ガラス母材を吸引することによって、多面取り用ガラス母材における貫通予定溝を貫通させる。エッチングステップにおいて、穿孔予定線におけるガラスの残り板厚が小さくなっているか、少なくとも一部が貫通しているため、吸引力によって貫通予定溝を貫通させることが可能である。ただし、吸引力のみによっては穿孔予定溝を貫通させるに足る力が発生しない場合には、必要に応じて、上から押圧部材によって押し下げる力を加えるようにすると良い。
上述の貫通口付きガラス基板製造方法において、フラットパネルの形状に対応する切断予定線に沿って形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有する改質ラインを形成する第2の改質ライン形成ステップをさらに含むことが好ましい。このとき、エッチングステップにおいて、切断予定線に沿って切断予定溝が形成されるようにエッチング処理を行うとともに、吸引ステップにおいて、ガラス基板吸引装置の吸引機構が多面取り用ガラス母材を吸引することによって切断予定溝を貫通させることが好ましい。
吸引ステップにおいて切断予定溝を貫通させる場合には、穿孔予定線の貫通の際に用いる硬質支持部材に代えて、柔軟性支持部材を用いることが好ましい。この柔軟性支持部材は、処理ステージとガラス基板とに挟まれるように配置されるとともに、少なくとも分断されるべき各フラットパネルに対応する位置に開口部が形成されていることが好ましい。
柔軟性支持部材の例としては、ウレタンゴム、ゲルシート、多孔質部材(スポンジ等)、ゴムスポンジ等、ゴム硬度(shore c)が0〜30程度の柔軟性を有する部材が挙げられる。開口部は、吸引機構の吸引力を切断されるべきガラス基板に伝えるために設けられる。この開口部の大きさは、ガラス基板の切断後に使用される領域(例えば、多面取り用ガラス母材における液晶パネル領域等)に対応する位置に、この領域よりも少し小さくなるように形成することが好ましい。
この構成においては、処理ステージ上の柔軟性支持部材に下から支持されたガラス基板が吸引機構によって処理ステージの方向に引き寄せられる。吸引機構の吸引力によって柔軟性支持部材は収縮変形を生じ、切断予定溝にはせん断応力(場合によっては曲げ応力)が加えられる。この応力は、切断予定溝の全域にほぼ均等に、かつ、ほぼ同時に作用することになるため、切断予定溝において割れや欠けが発生しにくく、かつ、面取り数の増加にも容易に対応することが可能になる。
本発明によれば、多面取り用ガラス母材に対する穿孔処理を円滑に行うことが可能になる。
本発明の一実施形態に係る多面取り用ガラス母材の概略構成を示す図である。 多面取り用ガラス母材に穿孔予定溝および切断予定溝を形成する手法の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るガラス基板吸引装置の概略構成を示す図である。 ガラス基板吸引装置の使用例を示す図である。 ガラス基板吸引装置による穿孔予定溝の貫通の概略を示す図である。 ガラス基板吸引装置によるブレーク処理の概略を示す図である。 機能膜が形成された多面取り用ガラス母材に対する処理の一例を示す図である。 電極端子部に対する処理の一例を示す図である。
図1(A)〜図1(C)は、本発明の一実施形態に係る多面取り用ガラス母材50の概略構成を示している。同図に示すように、多面取り用ガラス母材50は、液晶パネル10として分断されるべき複数の領域を有している。この実施形態では、フラットパネルが液晶パネル10である例を示しているが、有機ELパネルやその他のフラットパネルを用いる場合であっても本発明を好適に実施することが可能である。
多面取り用ガラス母材50は、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14が液晶層を挟んで貼り合わされるように構成されている。アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の構成は、公知の構成が採用可能であるため、ここでは説明を省略する。
続いて、液晶パネル10を製造する方法の一例について説明する。一般的に、液晶パネル10は、これを複数含んだ多面取り用ガラス母材50として製造することが多い。その理由は、単個の液晶パネル10を別々に製造する場合に比較して製造効率が向上するからである。そして、必要な加工が施された多面取り用ガラス母材50を分断することによって、単個の液晶パネル10が得られる。
この実施形態では、便宜上、6個の液晶パネル10が3行×2列のマトリクス状に配置された多面取り用ガラス母材50に対する処理について説明するが、多面取り用ガラス母材50に含まれる液晶パネル10の数は適宜増減することが可能である。各液晶パネル10は、多面取り用ガラス母材50における液晶パネル10が配置されている使用領域以外は、最終製品としては使用されない非使用領域となる。
続いて、多面取り用ガラス母材50から複数の液晶パネル10を分断する手法の一例を説明する。まず、多面取り用ガラス母材50には、図1(A)に示すように、液晶パネル10の形状に対応する切断予定線20がレーザによって形成される。
この切断予定線20は、例えば、ピコ秒レーザまたはフェムト秒レーザ等のパルスレーザから照射される光ビームパルス(ビーム径は1〜5μm程度)に、多面取り用ガラス母材50の厚み方向に所定範囲の焦点領域(焦線)を持たせることによって形成される。光ビームパルスの焦点領域において、多面取り用ガラス母材50は、エッチングが進行し易くなるように改質される。この実施形態において、この切断予定線20に沿って改質ラインを形成する工程が本発明の第2の改質ライン形成ステップに対応する。
さらに、図1(B)に示すように、切断予定線20の形成時と同様の手段によって穿孔予定線25を形成する。具体的には、穿孔予定線25は、パルスレーザから照射される光ビームパルス(ビーム径は1〜5μm程度)に、多面取り用ガラス母材50の厚み方向に所定範囲の焦点領域(焦線)を持たせることによって形成される。光ビームパルスの焦点領域において、多面取り用ガラス母材50は、エッチングが進行し易くなるように改質される。この実施形態において、この穿孔予定線25に沿って改質ラインを形成する工程が本発明の第1の改質ライン形成ステップに対応する。
ここでは、説明の便宜上、第2の改質ライン形成ステップおよび第1の改質ライン形成ステップをこの順に行う例を説明したが、この順序に限定されるものではない。また、多面取り用ガラス母材に対する穿孔処理を円滑に行うという本発明の課題を解決するためには、第1の改質ライン形成ステップのみが必須構成要素であり、第2の改質ライン形成ステップはあくまで任意の構成要素として解釈されるべきである。
ピコレーザからの光ビームは、通常、図1(C)に示すように、少なくともアレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板を含む範囲よりも深い焦点深度を備えている。このため、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板において液晶パネル10を分断するための切断予定線20や、液晶パネル10に貫通口を設けるため(穿孔処理を施すため)の穿孔予定線25を同時に形成することが可能である。
ただし、光ビームパルスの焦点領域やビーム強度は、液晶層、およびアレイ基板12とカラーフィルタ基板14とを貼り合わせているシール材等に熱影響を与えない範囲で設定することが好ましい。シール材等に熱による悪影響が発生する場合には、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14のそれぞれについて別々に切断予定線20および穿孔予定線25を形成すると良い。
図2(A)に示すような切断予定線20および穿孔予定線25が形成された多面取り用ガラス母材50は、図2(B)に示すエッチング装置30に導入され、フッ酸および塩酸等を含むエッチング液によってエッチング処理が施される。エッチング装置30では、搬送ローラによって多面取り用ガラス母材50を搬送しつつ、エッチングチャンバ内で多面取り用ガラス母材50の片面または両面にエッチング液を接触させることによって、多面取り用ガラス母材50に対するエッチング処理が行われる。
なお、エッチング装置30におけるエッチングチャンバの後段には、多面取り用ガラス母材50に付着したエッチング液を洗い流すための洗浄チャンバが設けられているため、多面取り用ガラス母材50はエッチング液が取り除かれた状態でエッチング装置30から排出される。
エッチング処理中において、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14が薄型化される。さらに、改質された切断予定線20および穿孔予定線25においては、他の箇所よりも速くエッチング処理が進行する。この結果、切断予定線20上に切断予定溝が形成されるとともに、穿孔予定線25上に穿孔予定溝が形成される。
液晶パネル10内部にエッチング液の進入を防止するためのシール処理が施されている場合には切断予定溝および穿孔予定溝を貫通させることができる。一方で、そのようなシール処理が施されていない場合には、切断予定溝や穿孔予定溝が厚み方向に貫通しないようにすることが好ましい。その理由は、アレイ基板12に設けられた電極端子部やその他の構成要素がエッチング液によって汚損されることを防止するためである。このとき、切断予定線20および穿孔予定線25に対応する位置に形成される溝は、後述の吸引力を用いてブレークによって容易に分断される程度の厚み(通常は、20〜100μm程度)が残ることが好ましい。
続いて、図3を用いて、本実施形態において多面取り用ガラス母材50の分断に用いるガラス基板吸引装置60について説明する。ガラス基板吸引装置60は、多面取り用ガラス母材50における上述の切断予定線20および穿孔予定線25に沿って、多面取り用ガラス母材50を切断したり穿孔処理したりするように構成される。
より具体的には、多面取り用ガラス母材50に形成された切断予定線20上の溝を貫通させることによって多面取り用ガラス母材50を複数の液晶パネル10に分断したり、穿孔予定線25上の溝を貫通させることによって所望の貫通口を形成したりするように構成される。
ガラス基板吸引装置60は、多数の吸引孔62が形成された処理ステージ64と、吸引孔62を介して処理ステージ上の多面取り用ガラス母材50を吸引するように構成された吸引機構66とを備えている。処理ステージ64には、分断されるべき多面取り用ガラス母材50が置かれる。吸引機構66は、吸引孔62を介して処理ステージ64に置かれた多面取り用ガラス母材50を吸引する。
吸引機構66の吸引力によって多面取り用ガラス母材50を分断する際には、図4に示すように、処理ステージ64上にゲルシート70を敷くことによって、処理ステージ64と多面取り用ガラス母材50との間にゲルシート70が介在するようにされる。ゲルシート70は、ゴム硬度60〜80程度の硬質性を備えている。
この実施形態においては、ゲルシート70が本発明の硬質支持部材に対応する。ここで、ゴム硬度60〜80程度の硬質性を備えたゲルシート70を採用している理由は、形成された貫通口の周囲にクラックが発生することを抑制するためである。出願人の実験によると、柔軟性を有するシートを用いて貫通口を形成した場合には、貫通口の周囲にクラックが発生することが多かった。
ゲルシート70は、形成されるべき複数の貫通口の位置にそれぞれ対応する複数の開口部72が形成されている。ゲルシート70上に穿孔予定溝が形成された多面取り用ガラス母材50を置き、吸引機構66が多面取り用ガラス母材50を吸引することによって、この多面取りガラス母材50の穿孔予定線25上の穿孔予定溝が貫通する。吸引機構66は、好適な吸引力(この実施形態では、30kPa〜100kPa程度)が多面取り用ガラス母材50に作用するように適宜その吸引力が調整されるようにすることが好ましい。
ここで、図5(A)および図5(B)を用いて、多面取り用ガラス母材50の穿孔処理について説明する。図5(A)に示すように、ゲルシート70は貫通口の形成位置に対応する位置に開口部72が形成されている。この開口部72は、貫通口よりも少し大きめに形成されているため、貫通口を形成するために除去されるガラス片を開口部72内に引き入れることが可能である。
この状態において、多面取り用ガラス母材50に対して吸引機構66からの吸引力が加えられると、多面取り用ガラス母材50における除去されるべき箇所(ガラス片)がそれぞれ沈みこむ。その結果、穿孔予定線25に相当する位置に穿孔用の溝を貫通させる力が加えられることになり穿孔用の溝が貫通する。ただし、吸引力のみによっては穿孔予定溝を貫通させるに足る力が発生しない場合には、適宜、図5(B)に示すように上から押圧部材によって押し下げる力を加えるようにすると良い。
多面取り用ガラス母材50における各液晶パネル10の貫通口を形成した後には、必要に応じて、同じガラス基板吸引装置60を用いて液晶パネル10の分断を行うと良い。液晶パネル10の分断を行う際には、ゲルシート70に代えて柔軟性を有するウレタンシート80を用いることが好ましい。このウレタンシート80は、各液晶パネル10の位置に対応するように複数の開口部を有する。
柔軟性を有するウレタンシート80が多面取り用ガラス母材50の下に敷かれることにより、吸引力を加えた時における多面取り用ガラス母材50の撓み量(変位量)が増加する。吸引力は、切断予定線20上の切断予定溝の全域にわたって分散して均一に作用するため、切断予定溝を貫通させるブレーク処理において、バリや欠け等のブレーク不良が発生しにくくなる。
切断予定溝の貫通が完了した後には、図6(B)に示すように、分断された複数の液晶パネル10が回収される。この回収作業においては、多面取り用ガラス母材50の液晶パネル10が配置されている使用領域をピックアップしても良いし、最終製品としては使用されない非使用領域をピックアップしても良い。
多面取り用ガラス母材50によって液晶パネル10の分断を円滑に行うためには、図6(C)に示すように、ウレタンシート80の開口部が各液晶パネル10の形状に対応し、かつ、各液晶パネル10よりもわずかに小さくなるように構成されることが最も好ましいが、これには限定されない。
ウレタンシート80の柔軟性により多面取り用ガラス母材50の液晶パネル10が配置されている使用領域の外側にクラックが発生することもあるが、クラックの発生は非使用領域にて起こるため液晶パネル10の品質に影響しない。
上述の製造方法では、切断予定線20上の溝や穿孔予定線25上の溝を貫通させる前のエッチング処理において、多面取り用ガラス母材50における角部が取れているため、吸引力を利用したブレーク処理のような物理的破壊を採用した場合でも、液晶パネル10における強度に影響のある箇所に傷等が発生しない。この結果、エッチング処理のみで多面取り用ガラス母材50の切断予定線20や穿孔予定線25を貫通させたときの強度に比較しても遜色のない強度結果が得られる。
上述の実施形態においては、液晶パネル10にITO膜等の機能膜が形成されていない例を説明したが、機能膜が形成されている場合にはエッチング処理によって機能膜が汚損しないようにすることが好ましい。具体的には図2(A)に示すように穿孔予定線25および切断予定線20上にそれぞれ溝を形成した後に、図7(A)に示すような耐エッチング性フィルム52を多面取り用ガラス母材50の両主面に貼付すると良い。
この耐エッチング性フィルム52の切断予定線20に対応する位置に対してレーザビームを照射することによって、図7(B)に示すような切断予定線20に対応したパターン溝54が形成される。この状態でエッチング処理を行うことによって、液晶パネル10上に形成された機能膜を保護しつつ、多面取り用ガラス母材50の切断予定線20に対するエッチング処理を好適に行うことが可能になる。
また、場合によっては、アレイ基板12に形成された電極端子部を露出するために、カラーフィルタ基板14における電極端子部に対向する箇所(図8(B)の除去領域142)を取り除く必要が生じることがある。このような場合には、エッチング処理後において、ガラス基板吸引装置60によるブレーク処理の前に、図8(A)に示すように、カラーフィルタ基板14の該当箇所にスクライブラインを形成しておくことが好ましい。このようなスクライブラインも、図8(B)に示すように、ガラス基板吸引装置60からの吸引力の作用によって貫通させることが可能である。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10−液晶パネル
12−アレイ基板
14−カラーフィルタ基板
20−切断予定線
25−穿孔予定線
30−エッチング装置
50−多面取り用ガラス母材
60−ガラス基板吸引装置
70−ゲルシート
80−ウレタンゴムシート

Claims (4)

  1. ガラス基板における貫通口を設けるべき位置に形成された穿孔予定溝を貫通させることによってガラス基板に穿孔処理するように構成されたガラス基板吸引装置であって、
    吸引孔を有するとともに、穿孔処理されるべきガラス基板が載置される処理ステージと、
    前記吸引孔を介して処理されるべきガラス基板を吸引するように構成された吸引機構と、
    前記処理ステージと前記ガラス基板とに挟まれるように配置されるとともに、少なくとも前記貫通口を設けるべき位置に対応する位置に開口部を有する硬質支持部材と、
    を少なくとも備え、
    前記吸引機構が前記ガラス基板を吸引することによって前記ガラス基板の穿孔予定溝が貫通し、貫通口が形成されるように構成されたことを特徴とするガラス基板吸引装置。
  2. 前記硬質支持部材は、硬度が60〜80のゲルシートであることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板吸引装置。
  3. 請求項1または2に記載のガラス基板吸引装置を用いて貫通口付きガラス基板を製造するための貫通口付きガラス基板製造方法であって、
    複数のフラットパネルを含む多面取り用ガラス母材に対して、形成すべき貫通口の形状に対応する穿孔予定線に沿って形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有する改質ラインを形成する改質ライン形成ステップと、
    前記多面取り用ガラス母材における前記穿孔予定線に沿って貫通予定溝を形成するためのエッチング処理を行うエッチングステップと、
    前記ガラス基板吸引装置の前記吸引機構が前記多面取り用ガラス母材を吸引することによって、前記多面取り用ガラス母材における前記貫通予定溝を貫通させる吸引ステップと、
    を少なくとも含む貫通口付きガラス基板製造方法。
  4. 前記フラットパネルの形状に対応する切断予定線に沿って形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有する改質ラインを形成する改質ライン形成ステップをさらに含み、
    前記エッチングステップにおいて、前記切断予定線に沿って切断予定溝が形成されるようにエッチング処理を行うとともに、
    前記吸引ステップにおいて、前記ガラス基板吸引装置の前記吸引機構が前記多面取り用ガラス母材を吸引することによって前記切断予定溝を貫通させることを特徴とする請求項3に記載の貫通口付きガラス基板製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102292024B1 (ko) * 2021-06-17 2021-08-23 ㈜ 엘에이티 초박형 글라스 레이저 커팅용 브레이킹 스테이지

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