以下に実施形態が図面を参照して記述される。以下の記述において、略同一の機能および構成を有する構成要素は同一符号を付され、繰り返しの説明は省略される場合がある。また、ある実施形態についての記述は全て、明示的にまたは自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るクリーニング装置の構造を模式的に透過的に示す。図1に示されるように、クリーニング装置1は、複数のフレーム11を有する。フレーム11は、クリーニング装置1の筐体の枠組みを構成する。いくつかの組のフレームの間には、フレームとのフレームの間を埋めるプレートが設けられているが、図1ではプレートは省略されている。
いくつかのフレーム11(およびそれらフレームの間の図示せぬプレート)は、クリーニング室12の空間を形成する。すなわち、クリーニング装置1は、クリーニング室12を有する。クリーニング室12は、閉じた空間として形成されており、クリーニング室12には扉13が取り付けられている。クリーニング室12は、扉13を介してアクセスされることができ、
クリーニング装置1は、パーティクルカウンタ15を有する。パーティクルカウンタ15は、いくつかのフレーム11に囲まれた空間の内部に位置し、例えば、フレーム11に接続された棚板(図示せず)の上に設置される。パーティクルカウンタ15は、クリーニングによって、クリーニング対象の物体(クリーニング対象物)から離脱したパーティクルをカウントする。パーティクルカウンタ15は、種々の相違する大きさごとに、受け取られたパーティクルを逐次カウントする。
クリーニング装置1は、クリーニング室12中において、多軸ロボット16および多軸ステージ17を有する。多軸ステージ17は、クリーニング対象物を把持し、クリーニング対象物を複数の軸のそれぞれに沿って移動させることができる。多軸ロボット16は、複数の軸に沿って移動でき、複数の軸を基準として動くことができ、噴射された気体を使用してクリーニング対象物をクリーニングする。
クリーニング装置1は、制御装置19を有する。制御装置19は、例えば、いくつかのフレーム11に取り付けられており、クリーニング装置1の外側において、フレームに取り付けられている。制御装置19は、多軸ロボット16よび多軸ステージ17の動作を制御し、クリーニング装置1の全体の動作を制御する。制御装置19は、パーティクルカウンタ15から、パーティクルカウンタ15によるカウントの結果を示す信号を受け取る。
図2は、第1実施形態のクリーニング装置1の一部の構造を模式的に示す。特に、図2は、クリーニング室12中の構造を示し、かつ、クリーニング室12の外側のいくつかの要素を機能ブロックにより示す。
図2に示されるように、制御装置19は、例えば、CPU(central processor)191、ROM(read only memory)192、RAM(random access memory)193、入力装置194、および出力装置195を含む。ROM192は、ファームウェア(プログラム)を含む種々のデータを格納している。RAM193は、種々のデータを一時的に保持し、データを不揮発に保持することもできる。クリーニング装置1が電源オンしている間、ROM192に格納されているファームウェアがRAM193上にロードされ、ファームウェアがCPU191によって実行されることによって、制御装置19は種々の動作を実行する。入力装置194は、例えば、タッチパネルおよび(または)文字および数値を入力できるキーボードである。出力装置195はディスプレイである。タッチパネルとディスプレイが一体化されていてもよい。
多軸ロボット16は、台座21、支柱22、梁23、第1可動部24、およびロボットアーム25を含む。図2は、多軸ロボット16の初期状態を示す。
台座21は、クリーニング室12中のxy面に沿う床上に位置し、xy面に沿う上面27を有する。支柱22は、台座21の上面27の一端の近傍において、台座21の上面27に接続されているか、台座21の上面27と一体に形成されている。支柱22は、z軸に沿って延びる。支柱22はまた、梁23の一端と接続されているか、梁23の一端と一体に形成されている。
台座21の上面27上に、多軸ステージ17が位置している。多軸ステージ17は、台座31、およびステージ32を含む。ステージ32は、xy面に沿った上面を含み、ステージ32の上面上にクリーニング対象物34が載置される。多軸ステージ17は、ステージ32のx軸上での位置およびy軸上での位置を任意に変化させることができる。よって、多軸ステージ17は、ステージ32のx軸上およびy軸上での位置を変化させることによりステージ32をxy面内の任意の位置へと移動させることができ、またステージ32を移動させた位置に維持することができる。多軸ステージ17は、制御装置19の制御に従って、ステージ32を移動させる。
梁23は、xy面に沿って広がり、梁23の他端は、台座21の上面27の上方において広がっている。よって、台座21の上面27と梁23との間に、x軸、y軸、z軸に沿って広がる空間28が形成されている。この空間28中に、ロボットアーム25、多軸ステージ17が位置する。
第1可動部24は、z軸に沿って延び、ロボットアーム25を把持する。第1可動部24は、種々の形での移動が可能であり、自身の移動に伴ってロボットアーム25を種々の形で移動させることができる。以下に、ロボットアーム25の移動の方法の一例が記述されるが、第1可動部24の移動の方法は、以下の例に限られない。
第1可動部24は、制御装置19の制御に従ってxy面内で移動し、移動した位置で静止することができる。第1可動部24はさらに、制御装置19の制御に従って、z軸に沿って移動することができ、移動した位置で静止することができる。したがって、第1可動部24のx軸、および(または)y軸、および(または)z軸に沿う移動に伴い、ロボットアーム25は、空間28内をx軸、および(または)y軸、および(または)z軸に沿って移動し、移動した位置で静止することができる。
第1可動部24は、第1ロッド35を有する。第1ロッド35は、直線の形状を有し、ある軸(A軸と称される)に沿って延び、第1端において第1可動部24の中で移動可能に位置し、第2端において第1可動部24の外側に位置する。A軸は例えばz軸に沿う。第1ロッド35は、第2端において、ロボットアーム25を、ロボットアーム25の状態を維持したまま、空間28中において把持する。第1ロッド35は、制御装置19の制御に従って、A軸を中心に回転することができる。第1ロッド35は、例えば、A軸を中心に0〜360°の範囲で回転することができ、回転した位置で静止することができる。よって、ロボットアーム25は、空間28内を、A軸を中心に回転することができる。第1可動部24の移動および第1ロッド35の回転の例は、後に図を参照して、より具体的に記述される。
ロボットアーム25は、保持部41、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、第3ロッド45、噴射ノズル47、および吸引ノズル48を含む。
保持部41は、上端において第1ロッド35の第2端と固定された状態で接続されている。保持部41は、ステージ32と面する下面51を有する。下面51は、xy面に沿って広がる。保持部41は、下面51において、第2可動部42と面する。第2可動部42は、保持部41の下面51に沿って、xy面に沿って移動することができる。保持部41はまた、第3可動部43と面する。第3可動部43は、保持部41の下面51に沿って、xy面に沿って移動することができる。第2可動部42および第3可動部43は、制御装置19の制御に従って移動し、互いに独立して移動でき、移動が終了したときの位置で静止することができる。第2可動部42および第3可動部43は、初期位置において、下面51の中心を通る線に沿って隣接している。第2可動部42および第3可動部43の移動の例は、後に図を参照して、より具体的に記述される。
第2ロッド44は、直線の形状を有し、第1端において第2可動部42の中に位置し、第2可動部42から離れる方向に沿って延び、第2端において第2可動部42の外側に位置する。第2可動部42は、第2ロッド44が延びる方向に沿う軸(B軸と称される)を中心に回転することができ、回転が終了したときの状態で静止することができる。第2ロッド44はまた、第1端を中心として、所定の角度に亘って回ることができ、回りが終了したときの状態で静止することができる。第2可動部42は、制御装置19の制御に従って回転するとともに回り、例えば第2可動部42中の機構により駆動される。第2ロッド44の回転および回りの例は、後に図を参照して、より具体的に記述される。
第3ロッド45は、直線の形状を有し、第1端において第3可動部43の中に位置し、第3可動部43から離れる方向に沿って延び、第2端において第3可動部43の外側に位置する。第3可動部43は、第3ロッド45が伸びる方向に沿う軸(C軸と称される)を中心に回転することができ、回転が終了したときの状態で静止することができる。第3ロッド45はまた、第1端を中心として、所定の角度に亘って回ることができ、回りが終了したときの状態で静止することができる。第3可動部43は、制御装置19の制御に従って回転するとともに回り、例えば第3可動部43中の機構により駆動される。第3ロッド45の回転および回りの例は、後に図を参照して、より具体的に記述される。
噴射ノズル47は、第2ロッド44により把持され、内部空間を有し、第2ロッド44と反対側の先端において開口53を有する。開口53は、噴射ノズル47が伸びる方向と交わる面、例えば噴射ノズル47が伸びる方向に垂直な面に広がる。噴射ノズル47の内部空間は、開口53を介して噴射ノズル47の外部の空間に接続されており、チューブ54の第1端と接続されている。チューブ54は、第2端より例えば制御装置19から高圧で気体を供給され、噴射ノズル47は、供給された高圧気体を開口53から噴射ノズル47の外側へと噴射する。噴射された高圧気体により、開口53の前面に、開口53から離れる方向に向かう気流が形成される。高圧気体は、クリーニング対象物34に噴射されることを意図されている。制御装置19は、予め定められたまたは設定された期間に亘って、予め定められたまたは設定されたタイミングで、予め定められたまたは設定された強度で高圧気体を噴射ノズル47に供給する。こうして、制御装置19の制御に従った強度、タイミング、期間で、噴射ノズル47の開口53から高圧気体が噴射される。噴射ノズル47は、第2ロッド44が初期状態にあるときに、例えばz軸が伸びる方向から225°の方向に延びる。
上記のように、噴射ノズル47は、第2ロッド44により把持されているとともにクリーニング対象物34に高圧気体を噴射することを意図されている。よって、噴射ノズル47が想定される種々の形状のクリーニング対象物34に意図されるような形態で高圧気体を噴射できるように、第2ロッド44の回転できる範囲、回れる範囲、ならびに噴射ノズル47(特に開口53)の向きが決定される。したがって、第2ロッド44の形状および回転できる範囲ならびに回れる範囲は、噴射ノズル47が想定される種々の形状のクリーニング対象物34に意図されるような形態で高圧気体を噴射できる限り、図2および上記されたものに限られない。図2および上記された特徴は、例示に過ぎない。
吸引ノズル48は、第3ロッド45によって把持され、内部空間を有し、パイプ481、および開口56を有する。吸引ノズル48は、開口56の前方の領域、特に開口56の正面の領域の気体および物体(パーティクル)を開口56から吸引することができる。吸引により、開口56の前面に、吸引ノズル48の内部空間に向かう気流が形成される。吸引ノズル48は、開口56の前面の気体を吸い込むことにより、噴射ノズル47からの噴射によってクリーニング対象物34から離脱して、気流に乗ったパーティクルを吸い込むことを意図されている。吸引ノズル48は、制御装置19の制御に従って、予め定められたまたは設定された期間に亘って、予め定められたまたは設定されたタイミングで、予め定められたまたは設定された強度で気体を吸引することができる。開口56は、吸引ノズル48からの高圧気体による噴射によって移動した気体およびパーティクルを開口56内で受け取れるような形状を有している。そのために、例えば、開口56は、噴射ノズル47の開口53より大きい面積を有し、開口53の直径より大きい直径を有し、開口53の高さよりも高い高さを有する。
吸引ノズル48の内部空間は、パイプ481の内部と接続されている。パイプ481の内部は、チューブ57を介してパーティクルカウンタ15に接続されている。吸引ノズル48によって吸い込まれた気体およびパーティクルは、チューブ57内を通ってパーティクルカウンタ15に到達する。
上記のように、吸引ノズル48は、第3ロッド45により把持されているとともに噴射ノズル47による気体の噴射によってクリーニング対象物34から離脱して気流に乗ったーティクルを吸い込むことを意図されている。よって、吸引ノズル48の(特に開口56)の形状および向きは、吸引ノズル48が噴射ノズル47の(特に開口53)の形状および噴射の強度に基づいて種々の形でクリーニング対象物34から離脱するパーティクルを、できるだけ多く、望ましくは全て吸い込むことができるように、決定される。したがって、吸引ノズル48の形状(特に開口53の面積)、および第3ロッド45の回転できる範囲ならびに回れる範囲は、吸引ノズル48が種々の形でクリーニング対象物34から離脱したパーティクルを、できるだけ多く、望ましくは全て吸い込むことができる限り、図2および上記されたものに限られない。図2および上記された特徴は、例示に過ぎない。
クリーニング装置1の動作開始のときの多軸ロボット16の初期状態において、第1可動部24、第1ロッド35、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、および第3ロッド45の状態、すなわち初期状態は、以下のようになっている(図2を参照)。ロボットアーム25は、ステージ32の中心の真上に位置し、噴射ノズル47および吸引ノズル48はx軸に沿って並んでいるとともに、ステージ32上のクリーニング対象物34から離れている。また、第2可動部42および第3可動部43は保持部41の下面51の中心において密接して向き合っている。さらに、第2ロッド44は、z軸の延びる方向から約135°の方向を向いており、噴射ノズル47の開口53は、ステージ32の上面の方を向いている。第3ロッド45は、z軸の延びる方向から約225°の方向を向いており、吸引ノズル48の開口56は、ステージ32の上面と約90°の角度をなすとともに噴射ノズル47の方を向いている。
次に、図3〜図7を参照して、第1可動部24、第1ロッド35、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、および第3ロッド45の移動、回転、回りの例が記述される。図3〜図7は、多軸ロボット16を図2と同じ方向から観察した状態を模式的に示しており、図2の多軸ロボット16およびクリーニング対象物34のみを示している。
図3は、第1可動部24が初期位置から移動した後に静止している状態を示す。図3に示されるように、第1可動部24は、x軸上で初期状態よりも負の側の座標の位置にある。また、第1可動部24は、z軸上で初期状態よりも負の側の座標の位置にある。この結果、噴射ノズル47および吸引ノズル48は、初期状態よりもクリーニング対象物34に近くに位置し、噴射ノズル47および吸引ノズル48の間の空間はクリーニング対象物34の中心よりもx軸上でより負の側の座標の位置の上方に位置する。
図4は、第1ロッド35が初期状態から回転した後に静止している状態を示す。図4に示されるように、第1ロッド35は、初期状態から、xy面に沿って上(z軸のより正の側)から観察された場合の時計回りに90°回転した状態で静止している。この結果、噴射ノズル47および吸引ノズル48は、y軸に沿って並び、吸引ノズル48は、噴射ノズル47よりもy軸上で正の側の座標に位置する。
図5は、第2可動部42および第3可動部43が初期状態から移動した後に静止している状態を示す。図5に示されるように、第2可動部42はx軸上で初期状態より正の側の座標の位置にある。また、第3可動部43はx軸上で初期状態より負の側の座標の位置にある。この結果、噴射ノズル47と吸引ノズル48との距離は、初期状態での距離よりも遠く、噴射ノズル47と吸引ノズル48との間の空間は、初期状態での空間よりも広い。
図6は、第2ロッド44および第3ロッド45が初期状態から回った後に静止している状態を示す。図6に示されるように、第2ロッド44は第1端(第2可動部42中の端)を中心に、xz面に沿ってy軸上でより正の側から観察された場合の反時計回りに10°回った状態にある。この結果、噴射ノズル47の開口53は、ステージ32の上面に対して初期状態よりも平行に近い。また、第3ロッド45は第1端(第3可動部43中の端)を中心に、xz面に沿ってy軸上でより正の側から観察された場合の時計回りに10°回った状態にある。この結果、吸引ノズル48の開口56は、ステージ32の上面に対して初期状態よりも平行に近い。
図7は、第2ロッド44および第3ロッド45が初期状態から回転した後に静止している状態を示す。図7に示されるように、第2ロッド44は、B軸を中心に、第1端の側から観察された場合の反時計回りに数度回転した状態にある。第2ロッド44の周りに伴い、噴射ノズル47も、B軸に沿って第2ロッド44の回りと同じ角度回転した状態にある。
第3ロッド45は、C軸を中心に、第1端の側から観察された場合の時計回りに数度回転した状態にある。第3ロッド45の周りに伴い、吸引ノズル48も、C軸に沿って第3ロッド45の回りと同じ角度回転した状態にある。
図2〜図7を参照して記述されたような、第1可動部24、第1ロッド35、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、および第3ロッド45の移動、または(および)回転、または(および)回りは、互いに独立して行われることができる。そして、第1可動部24、第1ロッド35、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、および第3ロッド45は、各々が、移動、または(および)回転、または(および)回りが終了した状態で静止し続けることができる。このため、制御装置19は、第1可動部24、第1ロッド35、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、および第3ロッド45のうちの少なくとも1つの状態を固定したまま、第1可動部24、第1ロッド35、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、および第3ロッド45の別の少なくとも1つを移動または(および)回転させ、かつ(あるいは)回すことができる。例えば、制御装置19は、第1ロッド35、第2可動部42、第3可動部43、第2ロッド44、および第3ロッド45を任意の状態(位置または(および)角度)に保ったまま、第1可動部24の移動を通じて、ロボットアーム25をx軸およびy軸およびz軸に沿って移動させることができる。
次に、図8〜図11を参照して、第1実施形態のクリーニング装置1の動作が記述される。クリーニング装置1は、ある1つのクリーニング対象物34のクリーニングの間、1つ以上のクリーニング動作を行う。以下、クリーニング動作について記述される。
各クリーニング動作は、クリーニング対象物34の種類および形状、ならびにクリーニング対象物34のうちのクリーニング対象の場所の少なくとも1つに基づいて定められた種々の条件で行われる。各クリーニング動作は、複数のパラメータのそれぞれの値の組によって定まる条件(クリーニング条件)で行われる。クリーニング条件は、クリーニングの開始に先立って用意され、制御装置19において予め設定されていてもよいし、クリーニング装置1の使用者によって設定されてもよい。
図8は、第1実施形態のある1つのクリーニング条件の例を示す。図8に示されるように、第1クリーニング条件で行われるクリーニング動作の間、多軸ロボット16は種々の姿勢(第1ロボット姿勢、第2ロボット姿勢、第3ロボット姿勢、…)を取る。第1クリーニング条件で行われるクリーニング動作の間、ロボットの姿勢は変遷し、例えば、図8のより上の行からより下の行に向かって、第1ロボット姿勢、第2ロボット姿勢、第3ロボット姿勢、…の順に変遷する。各ロボット姿勢は、ステージ32の座標、第1可動部24の座標(または初期状態からの変位)、第1ロッド35の回転角度、第2可動部42の初期状態からの変位、第3可動部43の初期状態からの変位、第2ロッド44の回転角度および回り角度、ならびに第3ロッド45の回転角度および回り角度などを含む種々のパラメータの各々についての値により定義される。さらなるパラメータ、例えば、高圧気体の噴射の強度などが使用されてもよい。
各行は、対応するロボット姿勢の間の種々のパラメータのそれぞれについての維持されるべき値を示す。第α(αは自然数)ロボット姿勢の第2列および第3列は、ステージ32のx軸上の座標(x軸座標)Aαおよびy軸上の座標(y軸座標)Bαを示す。座標AαおよびBαは、ステージ32の初期状態からの変位の大きさを示してもよい。
第αロボット姿勢の第4列、第5列、および第6列は、第1可動部24のx軸座標Cα、y軸座標Dα、およびz軸上の座標(z軸座標)Eαを示す。値Cα、Dα、およびEαは、第1可動部24の初期状態からの変位の大きさを示してもよい。第7列は、第1ロッド35の初期状態から回転した角度の大きさ(回転角度)Fαを示す。
第αロボット姿勢の第8列および第9列は、第2可動部42のx軸上での初期状態からの変位(x軸変位)Gαおよびy軸上での初期状態からの変位(y軸変位)Hαを示す。第αロボット姿勢の第10列および第11列は、第3可動部43のx軸変位Iαおよびy軸変位Jαを示す。
第αロボット姿勢の第12列は、第2ロッド44の初期状態からの回転角度Kαを示す。第13列は、第2ロッド44の初期状態から回った角度の大きさ(回り角度)Lαを示す。
第αロボット姿勢の第13列は、第3ロッド45の初期状態からの回転角度Mαを示す。第14列は、第3ロッド45の初期状態からの回り角度Nαを示す。
あるパラメータについての相違するロボット姿勢でのそれぞれのパラメータの値(例えば、値A1、A2、A3、)は、互いに同じ場合もあるし、異なる場合もある。
同様に、第1クリーニング条件以外のクリーニング条件(第2クリーニング条件、第3クリーニング条件、…)についての1または複数のロボット姿勢を定義するためのパラメータの値が定められている。
図9は、第1実施形態のクリーニング装置1の一部のクリーニング中の一状態(1つのロボット姿勢)の例を示し、図3〜図7と同様に多軸ロボット16を図2と同じ方向から観察した状態を模式的に示している。図9に示されるように、噴射ノズル47の開口53から気流61がクリーニング対象物34に向かって噴射される。クリーニング対象物34に到達した気流61は、クリーニング対象物34のうちの気流61が当たった箇所およびその周囲の部分からパーティクルを離脱させる。
一方、吸引ノズル48は、開口56の前方の領域において、開口56から吸引ノズル48の内部へと向かう気流62を発生させる。クリーニング対象物34から離脱したパーティクルは、気流62に乗って吸引ノズル48の中へと吸引される。こうして、クリーニング対象物34に付着しているパーティクルが、クリーニング対象物34から除去されるとともに回収される。クリーニング動作の間、回収されたパーティクルの数は図5に示されるパーティクルカウンタ15によりカウントされ、カウントの結果を示す信号が、パーティクルカウンタ15から制御装置19に送信される。制御装置19は、クリーニング動作の間、カウント結果に基づいて、後述のようにクリーニング装置1の使用者によって設定された、クリーニング完了の判断のための条件が充足されているかを判断する。
図10は、第1実施形態のクリーニング装置1の動作のフローの例を示し、或る種類の1つのクリーニング対象物34をクリーニングするためのフローを示す。フローの開始の時点で、クリーニング対象物34はすでにステージ32上に載置されている。
ステップS1において、クリーニング装置1の使用者は、1つ以上のクリーニング条件およびクリーニング条件と同数の判断方法を設定する。クリーニング対象物34の特徴に基づいて、クリーニング動作の詳細は様々なものであり得る。例えば、平坦な板状の物体がクリーニングされる場合、段差を有する物体がクリーニングされる場合、ねじなどの複雑な形状を有する物体がクリーニングされる場合で、クリーニングされる場所、時間、クリーニング完了の判断条件などは相違し得る。このことに基づいて、クリーニング装置1の使用者は、ステップS1において、これからクリーニングを行おうとするクリーニング対象物34の特徴に基づいて、後述のステップS3以降でのクリーニング動作での条件、および当該クリーニング動作の完了を判断するための判断条件の1つまたは複数の組、およびクリーニング動作(ならびに対応する判断)の順序を設定する。設定は、予め制御装置19のRAM16cに記憶されているクリーニング条件および判断条件から選択により行われてもよいし、使用者が入力することにより行われてもよい。
図11は、第1実施形態のいくつかのクリーニング対象物34、当該クリーニング対象物34のために選択されたクリーニング条件および判断条件の組の例を示す。図11に示されるように、クリーニング対象物34Aについては、クリーニング条件CC1と第1判断条件DC1が使用されるように設定されている。クリーニング対象物34Bについては、クリーニング条件CC2および判断条件DC2の組と、クリーニング条件CC3および第3判断条件DC3の組と、がこの順で使用されるように設定されている。上記のように、各クリーニング条件でのクリーニング動作の間、パーティクルが計数され得る。別のクリーニング対象物については、クリーニング条件および対応する判断条件の3つ以上の組が設定されてもよい。判断条件の詳細については、後述される。
制御装置19には、クリーニング対象物34の種類(特徴)ごとにクリーニング条件および判断の複数の組(クリーニングメニュー)が実行される順番とともに事前に入力されていて、クリーニング装置1の使用者は、クリーニング対象物34の特徴に基づいて、1つのクリーニングメニューを選択できる。または、使用者は、クリーニングの度に1つ以上のクリーニング条件を図8のように予め用意された複数のクリーニング条件から選択するとともに対応する判断条件を入力または選択することができる。さらに、使用者は、クリーニングの度にクリーニング条件および判断条件ならびにクリーニング条件および判断条件の組の順序を入力することができる。さらに、使用者は、設定されてあるクリーニング条件中の値を変更することができる。
図10に戻る。ステップS2において、例えば制御装置19にクリーニングの開始を指示することにより、クリーニング動作を開始する。開始に伴い、パラメータNが1に設定される。Nは、実行中のクリーニング動作および対応する判断の識別子である。
ステップS3以降において、クリーニング装置1は、ステップS1で設定されたクリーニング条件および判断条件充足の判断の組を、設定された順序で行う。クリーニング条件および判断の2つの組が行われる例について記述される。
ステップS3において、制御装置19は、クリーニング装置1の各部を制御して、第Nクリーニング動作を行う。現在パラメータN=1のため、制御装置19は、第1クリーニング動作を行う。第1クリーニング動作は、ステップS1において、1番目に行われるものとして設定されたクリーニング条件(例えば、クリーニング条件CC2)で行われるクリーニング動作である。クリーニング動作の間、パーティクルカウンタ15は、受け取ったパーティクルの数をカウントし、カウント結果を示す信号を制御装置19に送信することができる。
ステップS4において、制御装置19は、カウント結果を示す信号を受け取り、カウント結果に基づいて、第1クリーニング動作に対応する第1判断条件が満たされているかを判断する。第1判断条件は、第1クリーニング動作に対応する判断条件(例えば、判断条件DC2)により記述される。第1判断条件が満たされている場合(Yes分岐)、処理は終了する。一方、第1判断条件が満たされていない場合(No分岐)、処理はステップS5に移行する。
ステップS4は、ステップS3が行われている最中に行われることもできる。すなわち、第1クリーニング動作が行われている間に、第1クリーニング動作が停止することなく、第1判断条件の充足が設定された時間の経過ごとに判断される。そして、第1判断条件が満たされると、ステップS4は終了する。
ステップS5において、制御装置19は、Nを1増分し、次いでNがNmaxに等しいかを判断する。Nmaxは、現在実行されているクリーニング(すなわち、現在実行されているクリーニングメニュー)において実行される予定のクリーニング動作の最大数である。NがNmaxである場合、これは、全てのクリーニング動作が完了したことを示し、よって、処理は終了する。一方、NがNmax未満である場合、処理は、ステップS3に戻る。
制御装置19は、N=2でのステップS3において第2クリーニング動作を行い、ステップS4において、第2クリーニング動作に対応する第2判断条件の充足を判断する。第2クリーニング動作は、ステップS1において、2番目に行われるものとして設定されたクリーニング条件(例えば、クリーニング条件CC3)で行われるクリーニング動作である。
ステップS4において第2判断条件(例えば、判断条件DC3)が満たされていない場合、処理は、ステップS3に戻る。第2判断条件が満たされている場合、処理は、ステップS5に移行する。
次に、判断条件について、図12を参照して記述される。上記のように、パーティクルカウンタ15は、種々の相違する大きさごとにチューブ57を介して受け取られたパーティクルを逐次カウントし、カウントの結果を制御装置19に送信する。制御装置19は、1つのパーティクルサイズ、1つのパーティクル数、および1つの閾値を図12に示される表のように互いに関連付けて認識する。パーティクルサイズPSβ(βは自然数)は、パーティクルサイズPS(β−1)より大きい。
判断条件は、例えば、或る大きさのパーティクルの数が対応する閾値を下回ることである。すなわち、制御装置19は、ステップS4の判断条件充足判断において、或るパーティクルサイズについてのパーティクル数が、関連付けられた閾値を下回ると、判断条件が充足されたと判断する。
図12に示される表が、クリーニング動作の間、逐次、パーティクル数PC1、PC2、PC3、…が更新されながら、出力装置195において表示されることができる。
第1実施形態のクリーニング装置1によれば、噴射ノズル47および吸引ノズル48のクリーニング対象物34からの相対的な位置およびクリーニング対象物34に対する向きが独立して制御および維持されることができる。このため、クリーニング対象物34への気体噴射および吸引ノズル48の位置および向きが最適な状態に向けて調整されることができ、しかも調整された状態が維持されることができる。よって、噴射ノズル47および吸引ノズル48の位置および向きの調整を通じて、クリーニング対象物34の種類に応じて適切なクリーニングが可能である。装置によるクリーニング対象物34の種類に応じた適切なクリーニングが可能であることは、人手では制限されるようなクリーニング対象物34のクリーニングも可能にし、人手によるクリーニングの場合よりも多様なクリーニング対象物34がクリーニングを可能にする。
また、適切な気体噴射や、吸引ノズル48の位置および向きの調整によって、クリーニング対象物34から離脱したパーティクルがクリーニング対象物34に再付着することが抑制されることができる。よって、人手によるクリーニングや、クリーニングの調整の自由度が低い装置を使用したクリーニングよりも高い完成度でのクリーニングが可能である。
また、クリーニング対象物34の種類に応じた適切なクリーニングにより、人手によるクリーニングの場合よりもムラの少ない高い清浄度でのクリーニングが可能である。さらに、再付着の抑制を通じて、人手によるクリーニングや、クリーニングの調整の自由度が低い装置を使用したクリーニングよりも短い時間でクリーニングが完了することができる。
また、噴射ノズル47および吸引ノズル48が任意の状態で静止することができるので、人が持ち運び可能なクリーニング装置の位置および向きを長時間に亘って維持する必要もなく、人手によるクリーニングよりも容易なクリーニングが可能である。
また、吸引ノズル48はパーティクルカウンタ15と接続されており、パーティクルのカウントの結果に基づいて、制御装置19はクリーニングを自動で制御する。よって、クリーニング対象物34のクリーニングの進行が自動で客観的に評価されることができ、クリーニングの仕上がりのばらつきが抑制される。特に、クリーニングごとに噴射ノズル47および吸引ノズル48の位置および向きのばらつきが抑制されることも相まって、クリーニングごとのクリーニングの進行の評価は安定する。よって、安定した精度でのクリーニングが可能である。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係るクリーニング装置1の構造の一部を模式的に示す。図13は、図2と同様に、クリーニング室12(図示せず)中の構造を示し、かつ、クリーニング室12の外側の要素を機能ブロックにより示す。
図13に示されるように、多軸ステージ17は、第1実施形態(図2)でのステージ32に代えて、ステージ32aを含む。ステージ32aは、孔321を有する。孔321は、ステージ32aの上面と下面に亘る。ステージ32a上には、クリーニング対象物34aが載置される。クリーニング対象物34aは、第2実施形態で使用されると、第1実施形態でのものより多くの利点をもたらし、そのようなクリーニング対象物34aは、孔341を有する。例えば、孔341は、クリーニング対象物34aの上面と下面に亘る。
クリーニング装置1は、吸引ノズル65をさらに含む。吸引ノズル65は、多軸ステージ17の台座31中に位置する。吸引ノズル65は、吸引ノズル48と同様に、内部空間および開口66を有する。開口66は、台座31の外側に位置し、クリーニング対象物34aの下面の方を向いており、ステージ32aの孔321の下方に位置する。吸引ノズル65の内部空間は、吸引ノズル48と同様に、チューブ67を介してパーティクルカウンタ15に接続されている。
図14は、第2実施形態のクリーニング装置1の一部のクリーニング中の状態の例を示し、図13と同様に多軸ロボット16を図13と同じ方向から観察した状態を模式的に示している。図13に示されるように、吸引ノズル65は、開口66の前方の領域、特に開口66の正面の領域の気体および物体を開口66から吸引することができる。噴射ノズル47からの噴射により、開口56の前面に、吸引ノズル48の内部空間に向かう気流69が形成される。気流69は、孔341および孔321を貫く。クリーニング対象物34aの上面から離脱したパーティクルは、気流69に乗って、孔341および孔321を介して吸引ノズル65の中へと吸引される。こうして、パーティクルは、気流62を介して吸引ノズル48によって、また、気流69を介して吸引ノズル65によって、吸引される。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同じく、噴射ノズル47および吸引ノズル48のクリーニング対象物34からの相対的な位置およびクリーニング対象物34に対する向きが独立して制御および維持されることができ、また、吸引ノズル48はパーティクルカウンタ15と接続されている。このため、第1実施形態と同じ利点を得られる。
さらに、第2実施形態によれば、ステージ32aは孔321を有し、また、孔321の下方で孔321の方を向く開口66を有する吸引ノズル65をさらに有する。このため、パーティクルが回収される経路が多く、よって、より高い確度でパーティクルが吸引されることができる。特に、孔341のような上面と下面に亘る孔を有するクリーニング対象物34aがクリーニングされる場合、クリーニング対象物34a、特にクリーニング対象物34aの孔341の周囲で離脱したパーティクルが、高い確度で、少なくとも吸引ノズル48だけの場合よりもより高い確度で吸引されることができる。よって、パーティクルの吸引漏れによるパーティクルのクリーニング対象物34aへの再付着が抑制され、また、パーティクルの高確度での回収およびカウントを通じてクリーニングの進捗がより正確に評価されることができる。
(第3実施形態)
図15は、第3実施形態に係るクリーニング装置1の構造の一部を模式的に示す。図15は、図2と同様に、クリーニング室12(図示せず)中の構造を示し、かつ、クリーニング室12の外側の要素を機能ブロックにより示す。
図15に示されるように、多軸ロボット16は、第1実施形態(図2)での吸引ノズル48に代えて、吸引ノズル48bを含む。吸引ノズル48bは、例えば、第3ロッド45に接続されている。吸引ノズル48bの開口56は、例えば、ステージ32の上面に近い面積を有し、ステージ32の上面と正対させられたときに、ステージ32の上面の大半を覆うことができる。
噴射ノズル47は、吸引ノズル48bと接続されている。噴射ノズル47の一部および開口53は、吸引ノズル48bの内部空間内に位置している。
噴射ノズル47および吸引ノズル48bの位置は、第1可動部24、第1ロッド35、第2可動部42、および第3ロッド45によって変えられ、変えられた状態で維持されることができる。
図16は、第3実施形態の吸引ノズル48bの一部および噴射ノズル47の一部の構造を模式的に示す。図16に示されるように、吸引ノズル48bは、例えばドーム状の形状を有し、例えば円状の開口56を有する。噴射ノズル47の開口53および吸引ノズル48bの開口56は、例えば、同様の方向を向き、例えば同じ向きを向く。噴射ノズル47の開口53は、吸引ノズル48bの内部空間482中に位置する。吸引ノズル48bの開口56は、少なくともクリーニングの間、xy面に沿う向きに向けられ、クリーニング対象物34の上方に位置され、クリーニング対象物34の上面の少なくとも一部またはほぼ全体を覆う。このような吸引ノズル48bの向きおよび位置により、噴射ノズル47の開口53も、少なくともクリーニングの間、クリーニング対象物34の上方においてクリーニング対象物34と向き合う。このような噴射ノズル47の向きにより、クリーニングの間、気流61は、クリーニング対象物34に向かう。一方、気流62は、吸引ノズル48bの内部空間482において、吸引ノズル48bの内部空間482とパイプ481との接続位置に向かう。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同じく、噴射ノズル47および吸引ノズル48bのクリーニング対象物34からの相対的な位置およびクリーニング対象物34に対する向きが制御および維持されることができ、また、吸引ノズル48bはパーティクルカウンタ15と接続されている。このため、第1実施形態による利点のうち、パーティクルのクリーニング対象物34の再付着の抑制、ムラの少ない高い清浄でのクリーニング、短時間でのクリーニングの完了、人手よりも容易なクリーニング、安定した精度でのクリーニングが可能である。
さらに、第3実施形態によれば、吸引ノズル48bはステージ32の上面と正対させられたときにステージ32の上面の大半を覆うことができ、噴射ノズル47の開口53は、吸引ノズル48bの内部空間482中に位置する。このため、気流61によってクリーニング対象物34から離脱したパーティクルの多くが高確度で吸引されることができる。よって、パーティクルの吸引漏れによるパーティクルのクリーニング対象物34への再付着が抑制され、また、パーティクルの高確度での回収およびカウントを通じてクリーニングの進捗がより正確に評価されることができる。
(第4実施形態)
図17は、第4実施形態に係るクリーニング装置1の構造の一部を模式的に示す。図17は、図2と同様に、クリーニング室12(図示せず)中の構造を示し、かつ、クリーニング室12の外側の要素を機能ブロックにより示す。
図17に示されるように、多軸ロボット16は、第1実施形態での吸引ノズル48に代えて、円筒71および吸引ノズル48cを含む。円筒71は、環状の内面711を有し、多軸ステージ17を円筒71の内部の空間、すなわち、内面711により囲まれた空間内において擁する。円筒71の高さは、ステージ32の位置より高く、よって、円筒71は、内部においてステージ32およびステージ32の上方の空間を含む。このように、円筒71の内部は、大きな空間が存在し、少なくとも噴射ノズル47が位置できる容積を有する。
吸引ノズル48cは、円筒71の内面711の一部に一致する開口56aを有する。開口56aは、z軸に沿って高さを有し、かつxy面に沿って多軸ステージ17を取り囲む。吸引ノズル48cの内部空間は、チューブ57を介してパーティクルカウンタ15に接続されている。
図18は、第4実施形態の円筒71、吸引ノズル48c、ステージ32、およびクリーニング対象物34の、xy面に沿ってz軸の正の側から観察されたときの構造を模式的に示す。図18に示されるように、円筒71の内部に、ステージ32が位置し、開口56aは、ステージ32を取り囲む面状の形状を有する。
円筒71および吸引ノズル48cの開口56aは、ステージ32を全方向から取り囲んでいることは必須ではない。すなわち、円筒71および吸引ノズル48cの開口56aは、環の一部、すなわち、円弧状であってもよい。
第4実施形態によれば、第1実施形態と同じく、噴射ノズル47のクリーニング対象物34からの相対的な位置およびクリーニング対象物34に対する向きが制御および維持されることができ、また、吸引ノズル48cはパーティクルカウンタ15と接続されている。このため、第1実施形態と同じ利点を得られる。
さらに、第4実施形態によれば、吸引ノズル48cの開口56aは多軸ステージ17を取り囲む。このため、気流61によってクリーニング対象物34から離脱したパーティクルの多くが高確度で吸引されることができる。よって、パーティクルの吸引漏れによるパーティクルのクリーニング対象物34への再付着が抑制され、また、パーティクルの高確度での回収およびカウントを通じてクリーニングの進捗がより正確に評価されることができる。
上記実施形態の少なくとも一部は、以下の付記のように記述され得る。
[付記1]
第1軸および第2軸に沿って移動できるステージと、
気体を噴射する噴射ノズルと気体を吸引する吸引ノズルとを有し、前記吸引ノズルは内部空間を有し、前記吸引ノズルは前記内部空間と接続されるとともに前記吸引された気体が流入するパイプを有し、前記噴射ノズルの開口は前記吸引ノズルの前記内部空間の中に位置し、前記吸引ノズルの向きを変えられるとともに変えられた状態で維持でき、前記吸引ノズルの向きを維持したままで前記吸引ノズルを前記ステージの上方で移動できるアームと、
を備えるクリーニング装置。
[付記2]
第1軸および第2軸に沿って移動できるステージと、
気体を噴射する噴射ノズルを有し、前記噴射ノズルの向きを変えられるとともに変えられた状態で維持でき、前記噴射ノズルの向きを維持したままで前記噴射ノズルを前記ステージの上方で移動できるアームと、
前記ステージを前記第1軸および前記第2軸を含んだ面において少なくとも部分的に取り囲む開口を有する吸引ノズルと、
を備えるクリーニング装置。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。