JP2019208767A - 腎臓カテーテル、装着用補助具、腎臓カテーテルを備えた尿路バイパス装置 - Google Patents

腎臓カテーテル、装着用補助具、腎臓カテーテルを備えた尿路バイパス装置 Download PDF

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陽介 岡田
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Abstract

【課題】腎臓カテーテル内に洗浄液を簡単に注入することができ、注入した洗浄液を腎臓カテーテル内に尿が流れる方向と同一の方向に流すことができる腎臓カテーテルを提供すること。【解決手段】腎臓カテーテル2の腎臓カテーテル本体5は、腎臓内に留置される先端部5aと、中間部5bと、中間部5bから分岐して連なる第一後端部5cおよび第二後端部5dとを備える。先端部5aの先端に形成された開口から第一後端部5cの後端21に形成された開口まで連通する第一通路が腎臓カテーテル本体5内に形成されている。先端部5aの先端の近傍から第二後端部5dの後端23に形成された開口まで連通する第二通路が腎臓カテーテル本体5内に形成されている。先端部5aの長手方向中途部には、先端部5aの外部と第一通路および第二通路とをそれぞれ連通する複数の側孔が穿設されている。【選択図】図2

Description

本発明は、腎臓に留置するための腎臓カテーテルと、該腎臓カテーテルを使用する施術を円滑に行うようにするための装着用補助具と、該腎臓カテーテルを備えた尿路バイパス装置に関するものである。
特許文献1ないし3には、犬および猫等の動物や人間の尿管が泌尿器系疾患等により閉塞または尿管障害を起こした際に尿路の確保のために供される尿管バイパス装置が記載されている。この尿管バイパス装置は、腎臓の腎盂腔内に一端部が留置される腎臓カテーテルと、該腎臓カテーテルの他端部が接続される中継アダプタと、該中継アダプタに一端部が接続され他端部が膀胱内に留置される膀胱カテーテルとを備えている。
また、特許文献4には、犬および猫等の動物における膀胱の内尿道口もしくは該内尿道口より下流側の尿路が癌またはその他の泌尿器系疾患により障害を起こして閉塞している場合に尿路の確保のために供される排尿バイパス装置が記載されている。この排尿バイパス装置は、腎臓の腎盂腔内に一端部が留置される腎臓カテーテルと、該腎臓カテーテルの他端部が接続される中継アダプタと、該中継アダプタに一端部が接続され他端部が陰茎と包皮との間等に留置される排尿カテーテルとを備えている。
動物等の腹部に留置した尿管バイパス装置や排尿バイパス装置が目詰まりしたときは、生理食塩水等の洗浄液が充填された注射器の注射針により腹部の皮膚および腹壁を貫通して中継アダプタの封止部材に該注射針を突き刺し、中継アダプタを介して腎臓カテーテル内、膀胱カテーテル内または排尿カテーテル内に洗浄液を注入することが行われている。これにより、尿の流通を阻害していた腎結石や付着堆積物の障害物を除去し腎臓カテーテル内、膀胱カテーテル内または排尿カテーテル内の流通を良好にすることができる。
米国特許第8808261号 実用新案登録第3209522号 実用新案登録第3214346号 実用新案登録第3211050号
しかしながら、特許文献1および2に記載された尿管バイパス装置や特許文献4に記載された排尿バイパス装置では、注射器により中継アダプタから注入された洗浄液を各カテーテルの何れか一方のみに供給するためには、他方のカテーテルの長手方向中途部を腹部の皮膚の上から片手の指で摘んでカテーテル内の流路を閉塞する必要があった。しかし、この方法では、カテーテル内の流路を確実に閉塞することが困難であった。
このような問題を解決してカテーテル内の流路を確実に閉塞するために、特許文献3に記載されたような押圧具が提案されている。しかしながら、このような押圧具を使用したとしても、結局、腹部の皮膚の上から片手の指で押圧具を摘む必要があり、その作業が面倒であった。
また、膀胱カテーテルや排尿カテーテルの長手方向中途部を片手の指で摘んでカテーテル内の流路を閉塞した状態で、注射器により中継アダプタを介して洗浄液を腎臓カテーテル内に注入すると、尿を排泄する腎臓カテーテルとして機能しているときに尿が流れる方向とは反対の方向に腎臓カテーテル内を洗浄液が流れる。このため、洗浄液の注入によって腎臓カテーテル内の腎結石や付着堆積物が腎盂腔内に押し戻される。押し戻された腎結石や付着堆積物は、短期間で再び腎臓カテーテル内に滞留もしは付着堆積して腎臓カテーテル内が再び狭窄したり閉塞するという問題があった。
本発明は、上述したような問題を解消するためになされたもので、腎臓カテーテル内に洗浄液を簡単に注入することができ、かつ、注入した洗浄液を腎臓カテーテル内に尿が流れる方向と同一の方向に流すことができる腎臓カテーテルを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る腎臓カテーテルは、可撓性を有する管状の部材からなる腎臓カテーテル本体を有する腎臓カテーテルにおいて、前記腎臓カテーテル本体は、腎臓内に留置される先端部と、該先端部に一端が連なる中間部と、該中間部の他端から分岐して連なる第一後端部および第二後端部とを備え、前記先端部の先端に形成された開口から前記第一後端部の後端に形成された開口まで連通する第一通路が前記腎臓カテーテル本体内に形成され、前記先端部の長手方向中途部における前記先端部の先端の近傍から前記第二後端部の後端に形成された開口まで連通する通路であって前記第一通路とは別個の第二通路が前記腎臓カテーテル本体内に形成され、前記先端部の長手方向中途部には、前記第一通路または前記第二通路のうち少なくとも前記第二通路と前記先端部の外部とを連通する複数の側孔が穿設されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載した発明に係る腎臓カテーテルは、請求項1に記載の腎臓カテーテルにおいて、前記先端部の長手方向中途部には、前記第一通路と前記先端部の外部とを連通する複数の側孔が、前記先端部の長手方向に互いに所定の間隔を隔てて穿設されており、前記複数の側孔は、前記先端部の長手方向において前記先端部の先端から離間する位置に穿設された側孔の開口面積の方が、近接する位置に穿設された側孔の開口面積より小さくなるように形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載した発明に係る腎臓カテーテルは、請求項1または請求項2に記載の腎臓カテーテルにおいて、前記腎臓カテーテル本体の中間部の太さと該中間部内の前記第二通路の流路面積とは、前記中間部の長手方向中途部を境に前記先端部側より前記第二後端部側の方が大きくなるようにそれぞれ設定されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載した発明に係る腎臓カテーテルは、請求項1ないし請求項3のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルにおいて、前記第一後端部および前記第二後端部が前記中間部から分岐する部位においては、前記中間部内の前記第一通路の軸芯と前記第一後端部内の前記第一通路の軸芯とが鈍角に交差し、かつ、前記中間部内の前記第一通路と前記第一後端部内の前記第一通路とが滑らかに接続されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載した発明に係る腎臓カテーテルは、請求項1ないし請求項4のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルにおいて、前記第一後端部の後端部に接続可能なアダプタをさらに備え、前記アダプタは、前記第一後端部の後端部に接続されることで前記第一通路と連通可能な空洞と、該空洞に外部から液体を注入器具により注入可能な注入部とを備えていることを特徴とするものである。
請求項6に記載した発明に係る腎臓カテーテルは、請求項1ないし請求項5のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルにおいて、前記腎臓カテーテル本体の中間部の外周部に嵌合可能な位置決め部材をさらに備え、前記位置決め部材は、前記腎臓に固定可能な鍔部および該鍔部と一体化された円筒状の筒部からなる鍔付き筒状部材と、前記筒部の外周部に嵌合可能な緊締部材とを備え、前記腎臓カテーテル本体の中間部の外周部に嵌合された前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に前記緊締部材が嵌合されて前記筒部が緊締されることで前記筒部の内周面と前記中間部の外周面とが圧接され、これら内周面と外周面との接触による摩擦力により、前記中間部の軸芯に沿う方向における前記中間部と前記鍔付き筒状部材との相対移動が規制されることを特徴とするものである。
請求項7に記載した発明に係る腎臓カテーテルは、請求項6に記載の腎臓カテーテルにおいて、前記腎臓カテーテル本体の中間部の外周部に嵌合可能で、かつ、腎臓の表面に固定可能な盤状の布製のカフをさらに備え、前記鍔付き筒状部材の鍔部と前記カフとは、それらの側面同士が互いに結着されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載した発明に係る腎臓カテーテルは、請求項6または請求項7に記載の腎臓カテーテルにおいて、前記緊締部材は、その軸芯方向に沿ってスリットが形成された円管状の弾性部材からなり、前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に嵌合されたときの前記緊締部材は、前記軸芯方向に直交する横断面の形状がC字状に変形していることを特徴とするものである。
請求項9に記載した発明に係る装着用補助具は、請求項8に記載の腎臓カテーテルにおける前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に前記緊締部材を嵌合するときに、その嵌合を補助することが可能な装着用補助具であって、前記装着用補助具は、第一片部と第二片部とを備え、前記装着用補助具は、前記第一片部と前記第二片部とを互いに対向させて接近させた状態においては、前記装着用補助具の長手方向に直交する横断面の形状が該長手方向全域に亘って略円環状の管状をなし、かつ、前記第一片部と前記第二片部との間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部を収容可能な収容空間が形成され、前記第一片部と前記第二片部とを離間させた状態で前記第一片部と前記第二片部との間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部を位置付けたのち前記第一片部と前記第二片部とを接近させることで前記第一片部と前記第二片部との間に形成された前記収容空間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部が収容されるように構成され、前記装着用補助具は、前記第一片部と前記第二片部とが互いに接近して管状をなし、かつ、前記第一片部と前記第二片部との間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部を収容した状態の外周面が、前記装着用補助具の長手方向に沿う方向の一端側の小径部と、同方向の他端側の大径部と、前記小径部と前記大径部とをそれらの太さが滑らかに変化するように接続する斜面部とを備え、前記小径部の外径は、前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に嵌合する前の前記緊締部材の内径以下の寸法であり、前記大径部の外径は、前記鍔付き筒状部材の筒部の外径より大きい寸法であることを特徴とするものである。
請求項10に記載した発明に係る装着用補助具は、請求項9に記載の装着用補助具において、前記装着用補助具は、その長手方向に延びるヒンジ部を介して前記第一片部と前記第二片部とが一体に形成され、前記第一片部と前記第二片部とは、前記ヒンジ部を中心に回動することで互いに離間または接近可能に構成されていることを特徴とするものである。
請求項11に記載した発明に係る尿路バイパス装置は、請求項1ないし請求項8のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルと、可撓性を有する管状の部材からなり、先端部と、該先端部に一端が連なる中間部と、該中間部の他端に連なる後端部とを有する導尿カテーテル本体を備えた導尿カテーテルとを備え、前記腎臓カテーテル本体の第二後端部と前記導尿カテーテル本体の後端部とが直接または接続部材を介して接続されることで、前記腎臓カテーテル本体内の第二通路と前記導尿カテーテル本体内の通路とが連通するように構成されたものである。
請求項12に記載した発明に係る尿路バイパス装置は、請求項11に記載の尿路バイパス装置において、前記導尿カテーテル本体の太さと該導尿カテーテル本体内の通路の流路面積とは、前記導尿カテーテル本体の中間部の長手方向中途部を境に前記導尿カテーテル本体の先端部側より前記後端部側の方が大きくなるようにそれぞれ設定されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、先端部の先端に形成された開口から第一後端部の後端に形成された開口まで連通する第一通路と、先端部の先端の近傍から第二後端部の後端に形成された開口まで連通する第二通路とが腎臓カテーテル本体内に形成されている。このため、第一後端部の後端の開口から洗浄液を注入するだけで、腎臓カテーテル本体の先端部が留置された腎盂腔内に先端部の開口から洗浄液を供給することができる。
また、腎盂腔内に注入された洗浄液は、先端部の各側孔を介して先端部内の第二通路に流入し、その後、中間部内の第二通路を経て第二後端部内の第二通路を流れて行くので、尿を排泄する腎臓カテーテルとして機能しているときに尿が流れる方向と同一の方向に洗浄液が流れる。このため、腎臓カテーテル本体内の第二通路に存在していた腎結石や付着堆積物が洗浄液の注入によって腎盂腔内に押し戻され、第二通路に再び滞留または付着堆積して第二通路を再び狭窄したり閉塞することはない。
請求項2に記載の発明によれば、第一通路と先端部の外部とを連通する複数の側孔は、先端部の先端から離間する位置に穿設された側孔の開口面積の方が、近接する位置に穿設された側孔の開口面積より小さくなるように形成されている。このため、注入された洗浄液が第一通路を流れる方向において洗浄液が排出され易い上流側に位置する側孔だけに偏ることなく下流側に位置する側孔からも均等に洗浄液を流出させることができる。この結果、腎盂腔内全体に亘って洗浄液を供給することができ、腎盂腔内全体を効果的に洗浄することができる。
請求項3に記載の発明によれば、腎臓カテーテル本体の中間部の太さと中間部内の第二通路の流路面積とは、中間部の長手方向中途部を境に先端部側より第二後端部側の方が大きくなるようにそれぞれ設定されている。このため、先端部側の中間部の太さに倣って先端部も細くすることで、腎臓カテーテルを腎盂腔内に留置するために腎臓に形成する刺入口を小さくすることができる。その結果、外科的侵襲による腎臓への負担を軽減することができると共に刺入口の周囲からの尿漏れを減少させることができる。
また、中間部内の第二通路の流路面積に倣って第二後端部内の第二通路の流路面積も大きくすることで、尿が第二通路を流れる際の流動抵抗を軽減することができ、腎結石や付着堆積物が第二通路に滞留または付着堆積する虞を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、第一後端部および第二後端部が中間部から分岐する部位においては、中間部内の第一通路の軸芯と第一後端部内の第一通路の軸芯とが鈍角に交差し、かつ、中間部内の第一通路と第一後端部内の第一通路とが滑らかに接続されている。このため、腎臓カテーテルの腎臓内への留置を補助するガイドワイヤを腎臓カテーテル本体内の第一通路に抵抗なく円滑に挿通することができるので、洗浄液等の注入だけでなくガイドワイヤを挿通するための通路としても第一通路を利用することができる。
請求項5に記載の発明によれば、第一後端部の後端部に接続可能なアダプタをさらに備え、アダプタは、第一後端部の後端部に接続されることで第一通路と連通可能な空洞と、該空洞に外部から液体を注入器具により注入可能な注入部とを備えている。このため、アダプタの注入部から注入器具により洗浄液等の液体を注入することで、腎臓カテーテル本体の先端部が留置された腎盂腔内に洗浄液等の液体を確実に供給することができる。
請求項6に記載の発明によれば、腎臓カテーテル本体の中間部の外周部に嵌合された鍔付き筒状部材の筒部の外周部に緊締部材が嵌合されて筒部が緊締されることで筒部の内周面と中間部の外周面とが圧接され、これら内周面と外周面との接触による摩擦力により、中間部の軸芯に沿う方向における中間部と鍔付き筒状部材との相対移動が規制されるように構成されている。このため、鍔付き筒状部材の筒部の外周部に緊締部材が嵌合される前は、腎臓カテーテル本体の中間部の外周面と鍔付き筒状部材の筒部の内周面とは緊締部材による緊締により圧接されていないので、大きな力を加えることなく中間部に対して鍔付き筒状部材をスムーズに手で移動させることができる。この結果、腎臓カテーテル本体の中間部に対する鍔付き筒状部材の位置決め作業を楽に行うことができる。
一方、腎臓カテーテル本体の中間部に対して位置決めされた鍔付き筒状部材の筒部の外周部に緊締部材が嵌合された後は、緊締部材による緊締力により筒部の内周面と中間部の外周面とが圧接され、これら内周面と外周面との接触による摩擦力により中間部と鍔付き筒状部材との相対移動が規制されるので、中間部における所定の位置に鍔付き筒状部材を安定的に保持することができる。
請求項7に記載の発明によれば、鍔付き筒状部材の鍔部とカフとは、それらの側面同士が互いに結着されている。このため、腎臓の表面に固定しやすいカフを介することで鍔付き筒状部材を腎臓に容易に固定することができる。
請求項8に記載の発明によれば、緊締部材は、その軸芯方向に沿ってスリットが形成された円管状の弾性部材からなり、鍔付き筒状部材の筒部の外周部に嵌合されたときの緊締部材は、横断面の形状がC字状に弾性変形する。このため、鍔付き筒状部材の筒部の外周部に嵌合して筒部を緊締するための緊締部材を単純な構造で構成することができる。
請求項9に記載の発明によれば、装着用補助具は、第一片部と第二片部とを離間させた状態で、これらの間に腎臓カテーテル本体の中間部を位置付けたのち第一片部と第二片部とを接近させることで、これらの間の収容空間に腎臓カテーテル本体の中間部が収容されるように構成されている。このため、腎臓カテーテル本体の中間部に対して装着用補助具を容易に着脱することができる。
また、第一片部と第二片部との間に腎臓カテーテル本体の中間部を収容した状態の装着用補助具は、その太さが滑らかに変化するように間に斜面部を介して小径部と大径部とが連なっている。そして、小径部の外径は、緊締部材の内径以下の寸法に形成され、大径部の外径は、鍔付き筒状部材の筒部の外径より大きい寸法に形成されている。このため、緊締部材を装着用補助具に小径部側から挿入して大径部に移動させることで、鍔付き筒状部材の筒部に挿入可能な内径まで容易に緊締部材を拡径させることができる。また、装着用補助具の大径部に緊締部材を嵌合して拡径させた状態で鍔付き筒状部材の筒部の近傍まで緊締部材を位置付けることができるので、該筒部に緊締部材を嵌合する作業を楽に行うことができる。
請求項10に記載の発明によれば、装着用補助具の第一片部と第二片部とは、ヒンジ部を中心に回動することで互いに離間または接近可能に構成されている。このため、装着用補助具の第一片部と第二片部とが分離することがないので装着用補助具を取り扱い易く、しかも、ヒンジ部を中心に第一片部と第二片部とを回動するだけの簡単な作業で装着用補助具を腎臓カテーテル本体に対して着脱することができる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項8のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルを尿路バイパス装置に備えるので、少なくとも請求項1記載の発明の効果と同一の効果を奏することができる。よって、この発明の効果の記載は重複した記載を回避するため省略する。
請求項12に記載の発明によれば、導尿カテーテル本体の太さと導尿カテーテル本体内の通路の流路面積とは、導尿カテーテル本体の中間部の長手方向中途部を境に先端部側より後端部側の方が大きくなるようにそれぞれ設定されている。このため、先端部側の中間部の太さに倣って先端部も細くすることで、導尿カテーテルを留置するために形成する施術部位の刺入口を小さくすることができる。その結果、外科的侵襲による施術部位への負担を軽減することができると共に刺入口の周囲からの尿漏れを減少させることができる。
また、後端部側の導尿カテーテル本体内の通路の流路面積を大きくすることで、尿が通路を流れる際の流動抵抗を軽減することができ、腎結石や付着堆積物が通路に滞留または付着堆積する虞を低減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る尿管バイパス装置を示した図である。 図(a)は、図1に示した尿管バイパス装置の腎臓カテーテルを、アダプタを取り外した状態で拡大して示した図であり、図(b)は、アダプタが装着された状態の腎臓カテーテルにおけるアダプタとその近傍を、一部を破断して示した図である。 図(a)は、図1において二点鎖線の楕円Aで囲んだ部分を破断して拡大して示した縦断面図であり、図(b)は、図1の矢視B−B線に沿う断面を拡大して示した図である。 図(a)は、図2の図(a)に示す腎臓カテーテルの先端の部分を拡大して示した図であり、図(b)は、その先端の部分を破断して示した縦断面図である。 図(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る膀胱カテーテルを示した図であり、図(b)は、図(a)の矢視C−C線に沿う断面を拡大して示した図であり、図(c)は、図(a)に示す膀胱カテーテルの先端の部分を破断して拡大して示した縦断面図である。
図(a)は、図1において二点鎖線の楕円Dで囲んだ部分を破断して拡大して示した縦断面図であり、図(b)は、図1の矢視E−E線に沿う断面を拡大して示した図である。 図(a)は、腎臓カテーテルに装着するためのアダプタを上方から見た状態を示した平面図であり、図(b)は、同アダプタを側方から見た状態を示した側面図であり、図(c)は、図(a)の矢視F−F線に沿う断面を示した図である。 図(a)は、膀胱カテーテルの長手方向一部を装着用補助具が収容した状態を示した図であり、図(b)は、図(a)の矢視G−G線に沿う断面を拡大して示した図であり、図(c)は、図(a)の矢視H−H線に沿う断面を拡大して示した図であり、図(d)は、図(a)の矢視J−J線に沿う断面を拡大して示した図である。
図(a)は、腎臓カテーテルの長手方向一部を装着用補助具が収容した状態を示した図であり、図(b)は、図(a)の矢視K−K線に沿う断面を拡大して示した図であり、図(c)は、図(a)の矢視L−L線に沿う断面を拡大して示した図であり、図(d)は、図(a)の矢視M−M線に沿う断面を拡大して示した図である。 図(a)は、腎臓カテーテルの腎臓への挿入および膀胱カテーテルの膀胱への挿入に際して使用されるシースを示した図であり、図(b)は、腎臓カテーテルの腎臓への挿入および膀胱カテーテルの膀胱への挿入に際して、図(a)のシースと共に使用されるガイドワイヤを示した図である。 図(a)ないし図(c)は、膀胱カテーテルに装着した鍔付き筒状部材に緊締部材を嵌合する際の作業手順の前半を説明するための図であり、図(d)は、図(b)の矢視N−N線に沿う断面を拡大して示した図であり、図(e)は、図(c)の矢視P−P線に沿う断面を拡大して示した図でありる。 図(f)ないし図(i)は、膀胱カテーテルに装着した鍔付き筒状部材に緊締部材を嵌合する際の作業手順の後半を説明するための図である。
図1に示した尿管バイパス装置において、腎臓カテーテルと膀胱カテーテルとを接続する部分を変更した第1の変形例に係る尿管バイパス装置を示した図である。 図(a)は、図13において二点鎖線の楕円Qで囲んだ部分に含まれる管状の接続部材を拡大して示した図であり、図(b)は、二点鎖線の楕円Qで囲んだ部分を破断して拡大して示した縦断面図であり、図(c)は、図13の矢視R−R線に沿う断面を拡大して示した図である。 図1に示した尿管バイパス装置の一部を変更した第2の変形例に係る尿管バイパス装置を示した図である。 図15に示した尿管バイパス装置の腎臓カテーテルを、アダプタを取り外した状態で拡大して示した図である。 図(a)は、図16において二点鎖線の楕円Sで囲んだ部分を破断して拡大して示した縦断面図であり、図(b)は、図15において二点鎖線の楕円Tで囲んだ部分を破断して拡大して示した縦断面図であり、図(c)は、図15の矢視U−U線に沿う断面を拡大して示した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る排尿バイパス装置を示した図である。
図(a)は、図18に示した排尿バイパス装置の排尿カテーテルを拡大して示した図であり、図(b)は、図(a)の矢視Vに沿う方向から見た状態を示した図であり、図(c)は、図(a)の矢視W−W線に沿う断面を拡大して示した図である。 図(a)および図(c)は、第1の実施の形態および第1および第2の変形例に係る尿管バイパス装置や第2の実施の形態に係る排尿バイパス装置において、腎臓カテーテルの先端の部分を変更した第3の変形例であって、その腎臓カテーテルの先端部分を拡大して示した図であり、図(b)および図(d)は、図(a)および図(c)に示す腎臓カテーテルの先端部分をそれぞれ破断して示した縦断面図である。 図(a)および図(b)は、第1の実施の形態、第1および第2の変形例、第2の実施の形態および第3の変形例に係る尿管バイパス装置または排尿バイパス装置において、腎臓カテーテル本体の内部を変更した第4の変形例であって、その変更後の腎臓カテーテル本体における中間部の横断面を拡大して示した図である。 図(a)ないし図(c)は第5の変形例であって、図(a)は、変更後の腎臓カテーテルの一部を示した図であり、図(b)は、変更後の膀胱カテーテルを示した図であり、図(c)は、変更後の排尿カテーテルを示した図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1ないし図12を参照して詳細に説明する。図1において符号1で示すものは、本実施の形態に係る腎臓カテーテル2を備えた尿管バイパス装置の一例である。尿管バイパス装置1は、本発明でいう「尿路バイパス装置」を構成する。この尿管バイパス装置1は、犬および猫等の動物や人間の尿管が泌尿器系疾患等により閉塞または尿管障害を起こした際に尿路の確保のために供されるものである。
なお、作図の都合上、図1,図2,図5および図10では、長尺な部材については、その長手方向中途部を省略して示している。
尿管バイパス装置1は、腎臓カテーテル2と、膀胱カテーテル3と、これら腎臓カテーテル2と膀胱カテーテル3との連結部に結着された楕円形状の保持部材4とを備えている。膀胱カテーテル3は、本発明でいう「導尿カテーテル」を構成する。
腎臓カテーテル2は、図2に示すように、円管状の部材からなる腎臓カテーテル本体5と、位置決め部材7と、円盤状のカフ8と、アダプタ9と、腎臓カテーテル本体5がアダプタ9に接続される接続部を被覆し緊締する円筒状のマウント10とを備えている。カフ8の形状は、円形以外の形状(例えば矩形状または楕円形状)でもよい。腎臓カテーテル本体5は、腎臓の腎盂腔内に留置される先端部5aと、該先端部5aに連なる中間部5bと、該中間部5bの後端11(図2および図3の各図(a)参照)から分岐して連なる第一後端部5cおよび第二後端部5dとからなる。中間部5bの後端11と第一後端部5cおよび第二後端部5dとは、中間部5bの長手方向と直交する端面同士で結着されて一体化されている。この結着は、金型を用いて熱融着により行ってもよいし、接着剤により行ってもよい。
腎臓カテーテル本体5の先端部5aおよび中間部5bの内部には、第一通路13と、該第一通路13とは別個の第二通路15とが互いに平行に延びるように形成されている。第一通路13は、先端部5aの先端17(図4の図(a)参照)に形成された開口19(図4の図(b)参照)から第一後端部5cの後端21に形成された開口まで連続して形成されている。第一後端部5cおよび第二後端部5dが中間部5bから分岐する部位においては、図3の図(a)に示すように、中間部5b内の第一通路13の軸芯O1と第一後端部5c内の第一通路13の軸芯O2とが角度θの鈍角で交差し、かつ、中間部5b内の第一通路13と第一後端部5c内の第一通路13とが滑らかに接続されている。角度θとしては、120°ないし165°のうち何れかの角度であればよい。因みに、本実施の形態では角度θが150°に設定されている。
また、先端部5aの長手方向中途部における先端部5aの先端17の近傍から第二後端部5dの後端23に形成された開口まで第二通路15が連続して形成されている。第一通路13および第二通路15の横断面の形状は、長手方向全域に亘ってそれぞれ円形状に形成されている。腎臓カテーテル本体5において、先端17から一定の長さに亘って先細に形成された部分を除いた先端部5aと中間部5bとは、それらの外径が同一の寸法に形成されている。
腎臓カテーテル本体5の先端部5aは、円弧状に屈曲形成され、かつ、先端17の近傍から先端17に向かって先細に形成されており、屈曲形成された円弧状の内周面には、その内周方向に一定の間隔を隔てて4個の側孔25…が穿設されている。これらの4個の側孔25…を介して先端部5aの外部と第二通路15とが連通している。また、先端部5aには、その長手方向に互いに所定の間隔を隔てて、各側孔25の位置とは異なる4箇所の位置に側孔27がそれぞれ一対ずつ穿設されている。これらの合計8個の側孔27…および開口19を介して先端部5aの外部と第一通路13とが連通している。先端部5aにおける中間部5b側の端部には、X線を透過しないマーカー部29を備えている。なお、該マーカー部29は省略してもよい。
前記位置決め部材7は、図2の図(a)および図3の図(b)に示すように、鍔付き筒状部材31と円管状の緊締部材33とを備えている。鍔付き筒状部材31は、カフ8の外径より小さい外径を有する円盤状の鍔部31aと、該鍔部31aと一体化された円筒状の筒部31bとを備えている。鍔付き筒状部材31の鍔部31a,筒部31bおよびカフ8には、腎臓カテーテル本体5の中間部5bの外周部に嵌合される貫通孔がそれぞれの軸芯上に形成されている。
一方、膀胱カテーテル3は、図5の図(a)および図(b)に示すように、円管状の部材からなる膀胱カテーテル本体35と、前記カフ8と同様に構成された円盤状のカフ37と、前記位置決め部材7と同様に構成された位置決め部材39とを備えている。膀胱カテーテル本体35は、本発明でいう「導尿カテーテル本体」を構成する。膀胱カテーテル本体35は、膀胱内に留置される先端部35aと、該先端部35aに連なる中間部35bと、該中間部35bに連なると共に該中間部35bを介して先端部35aと連通する後端部35cとからなる。位置決め部材39は、鍔付き筒状部材41と円管状の緊締部材43とを備えている。鍔付き筒状部材41は、カフ37の外径より小さい外径を有する円盤状の鍔部41aと、該鍔部41aと一体化された円筒状の筒部41bとを備えている。鍔付き筒状部材41の鍔部41a,筒部41bおよびカフ37には、膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外周部に嵌合される貫通孔がそれぞれの軸芯上に形成されている。
先端部35aの先端45(図5の図(a)参照)に形成された開口47(図5の図(c)参照)から後端部35cの後端49に形成された開口まで通路51が連続して形成されている。膀胱カテーテル本体35の先端部35aは、腎臓カテーテル本体5と同様に円弧状に屈曲形成され、かつ、先端45の近傍から先端45に向かって先細に形成されており、屈曲形成された円弧状の内周面には、その内周方向に一定の間隔を隔てて4個の側孔53…が穿設されている。これらの4個の側孔53…および開口47を介して先端部35aの外部と通路51とが連通している。また、先端部35aにおける中間部35b側の端部には、前記腎臓カテーテル本体5のマーカー部29と同様に構成された、X線を透過しないマーカー部55を備えている。なお、該マーカー部55は省略してもよい。膀胱カテーテル本体35において、先端45から一定の長さに亘って先細に形成された部分を除いた先端部35aと、中間部35bと、後端部35cとは、それらの外径および内径が同一の寸法にそれぞれ形成されている。
腎臓カテーテル本体5の第二後端部5d(中間部5bの後端11との結着部を除く。)と膀胱カテーテル本体35の後端部35cとは、それらの外径および内径の各寸法が互いに同一に設定され、それらの後端23,49同士を突き合わせて熱融着または接着剤により結着されている(図6の図(a)参照)。
保持部材4は、第二後端部5dと後端部35cとが結着された状態で型により成形されている。第二後端部5dおよび後端部35cを挟んだ保持部材4の両端部には貫通孔4aがそれぞれ穿設されている。保持部材4の材質としては、ポリウレタンまたは塩化ビニル等の熱可塑性の樹脂を挙げることができる。なお、この第1の実施の形態では、保持部材4は、第二後端部5dと後端部35cとが結着された部位を被服するように結着されている。しかし、その部位以外であって、第二後端部5dまたは後端部35cの何れか一方の長手方向中途部を被服するように結着してもよい。
前記腎臓カテーテル2の緊締部材33は、鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に嵌合されている。緊締部材33は、その軸芯に沿う方向に切り込まれてスリット33a(図2の図(a)および図3の図(b)参照)が一つ形成されている。鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に嵌合される前の緊締部材33は、その内径が筒部31bの外径より小さく、かつ、スリット33aの隙間が0または略0になるよう設定されている。従って、緊締部材33は、鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に嵌合されて拡径することで、スリット33aの隙間が増大して図2の図(a)に示す状態になり、緊締部材33の軸芯方向に直交する横断面の形状が図3の図(b)に示すようにC字状に弾性変形した状態になる。
一方、図5の図(a)および図(b)に示すように、膀胱カテーテル3の緊締部材43は、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に嵌合されている。鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に嵌合される前の緊締部材43は、その内径が筒部41bの外径より小さく、かつ、スリット43aの隙間が0または略0になるよう設定されている。従って、緊締部材43は、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に嵌合されて拡径することで、スリット43aの隙間が増大して図5の図(a)に示す状態になり、緊締部材43の軸芯方向に直交する横断面の形状が図5の図(b)に示すようにC字状に弾性変形した状態になる。
このため、鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に嵌合して筒部31bを緊締するための緊締部材33と、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に嵌合して筒部41bを緊締するための緊締部材43とをそれぞれ単純な構造で構成することができる。
アダプタ9は、図7に示すように、アダプタ本体57と、該アダプタ本体57に組み付けられた封止部材59およびコネクタ61とを備えている。封止部材59は、本発明でいう「注入部」を構成する。アダプタ本体57は、椀状の第一アダプタ片57aと、該第一アダプタ片57aの開口部に圧入嵌合された第二アダプタ片57bとを備えている。第二アダプタ片57bの外周部には、周方向に互いに間隔を隔てて4個の貫通孔63…が穿設されている。封止部材59は、シリコンゴム材からなり、第一アダプタ片57aの中央部の貫通孔に嵌合圧入されている。洗浄液、消毒液または薬剤等の液体が充填された注射器の注射針を封止部材59に突き刺して液体をアダプタ9内に注入することができる。注射器の注射針が抜き取られれば封止部材59自体の弾性力により封止部材59は瞬時に復元して閉塞され液密にシールされる。注射器は、本発明でいう「注入器具」を構成する。
コネクタ61は、中空の管からなり、その一端部に刻設された雄ねじ部が第二アダプタ片57bに刻設された一対の雌ねじ孔にそれぞれ螺着されている。コネクタ61の他端部にはニップル部61aが形成され、ニップル部61aには、図2の図(b)において二点鎖線の楕円で囲んだ部分を拡大して示したように、腎臓カテーテル本体5の第一後端部5cが嵌合接続される。アダプタ本体57の内部には、第一アダプタ片57a,第二アダプタ片57b,封止部材59およびコネクタ61により囲繞された空洞65が形成されている。第一アダプタ片57aと第二アダプタ片57bとの圧入嵌合部、第一アダプタ片57aと封止部材59との圧入嵌合部および第二アダプタ片57bへのコネクタ61の螺着部は、それぞれ液密にシールされている。
腎臓カテーテル本体5の中間部5bの外周部に嵌合された鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に緊締部材33を嵌合する際や、膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外周部に嵌合された鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に緊締部材43を嵌合する際に、その嵌合を補助する専用の装着用補助具を使用すると容易に嵌合することができる。図8に示す装着用補助具67は、膀胱カテーテル3の鍔付き筒状部材41の筒部41bに緊締部材43を嵌合する際に使用するものである。装着用補助具67は、互いに同一の寸法・形状で構成された第一片部69および第二片部71と、これらの第一片部69および第二片部71を連結するヒンジ部73とを備えている。ヒンジ部73は装着用補助具67の長手方向に延設されており、ヒンジ部73を介して第一片部69と第二片部71とが一体に形成されている。第一片部69と第二片部71とは、ヒンジ部73を中心に回動することで互いに離間または接近可能に構成されている。なお、ヒンジ部73を省略して第一片部69と第二片部71とが分離されていてもよい。
互いに離間していた第一片部69と第二片部71との間に膀胱カテーテル本体35の中間部35bを位置付けたのち、第一片部69と第二片部71とを互いに対向させて、それらの側縁面69aと側縁面71aとを最も接近させることで、装着用補助具67内に中間部35bの長手方向一部を収容することができる。図8は、その収容した状態を示している。この状態では、図8の(b)ないし(d)に示すように、第一片部69および第二片部71の各内周面と中間部35bの外周面とがそれぞれ当接していると共に、第一片部69の側縁面69aと第二片部71の側縁面71aとの間に隙間が空いている。
なお、第一片部69の側縁面69aと第二片部71の側縁面71aとを最も接近させたときに側縁面69aと側縁面71aとが当接するように、第一片部69および第二片部71の各内周面の形状と膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外径寸法とをそれぞれ設定してもよい。この場合は、第一片部69および第二片部71の各内周面と中間部35bの外周面とがそれぞれ当接するか、または、第一片部69もしくは第二片部71の各内周面の何れか一方と中間部35bの外周面とは当接せずに間隙が空いている。
第一片部69の側縁面69aと第二片部71の側縁面71aとの間の隙間の有無に拘わらず、装着用補助具67内に中間部35bを収容し、かつ、側縁面69aと側縁面71aとを最も接近させた状態では、装着用補助具67は、その長手方向全域に亘って横断面の形状が略円環状の管状をなし、その外周面が装着用補助具67の長手方向において以下の3つに区分けされる。すなわち、装着用補助具67の長手方向に沿う方向の一端側の小径部75と、同方向の他端側の大径部77と、小径部75と大径部77とをそれらの太さが滑らかに変化するように接続する円錐台状の斜面部79とを備えている。小径部75の外径は、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に嵌合する前の緊締部材43の内径以下の寸法に設定され、大径部77の外径は、筒部41bの外径より大きい寸法に設定されている。小径部75の外径は、筒部41bの外周部に嵌合されていないときの緊締部材43の内径より小さい寸法に設定するのが望ましいが、該内径と同一の寸法に設定してもよい。要は、緊締部材43を小径部75の外周部に容易に嵌合することができる寸法に設定されていればよい。
膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外周部に嵌合された鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部にさらに緊締部材43が嵌合されることで、緊締部材43により筒部41bが外周側から緊締される。この結果、筒部41bの内周部と中間部35bの外周部とが圧接し両者間に大きな摩擦力が発生する。これにより、中間部35bの軸芯に沿う方向における、中間部35bと位置決め部材39との相対移動が規制される。このとき、中間部35bは僅かに縮径して中間部35b内の通路51の流路面積も僅かに減少することになるが、膀胱カテーテル3としては機能上の支障はない。この点については、腎臓カテーテル2における腎臓カテーテル本体5の中間部5bと位置決め部材7との関係についても同様のことが言える。
一方、腎臓カテーテル本体5の中間部5bの外周部に嵌合された鍔付き筒状部材31の筒部31bに緊締部材33を嵌合する際に使用する装着用補助具81は、鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に緊締部材33を容易に嵌合することができれば、各部の寸法や形状を適宜選定して前記装着用補助具67とは異なるものとしてもよい。しかし、本実施の形態では、設計および製造を容易にするために、図9に示すように装着用補助具81を前記装着用補助具67と同様に構成している。ただし、装着用補助具81は、その内部に膀胱カテーテル本体35の中間部35bより太い腎臓カテーテル本体5の中間部5bを収容するので、その分、内径の寸法を前記装着用補助具67の内径より大きく設定し、それに伴って外径の寸法も大きく設定している。それ以外の寸法や形状は、前記装着用補助具67のものと同一に構成している。従って、図8を参照して説明した装着用補助具67の部位と同一または同等の部位については図9でも同一の符号を付して、装着用補助具81の構成についての詳細な説明は省略する。
前記緊締部材33、緊締部材43、装着用補助具67および装着用補助具81は弾性部材からなり、それらの材質としては、鍔付き筒状部材31の筒部31bおよび鍔付き筒状部材41の筒部41bの材質と比べて摺動抵抗が少なく高剛性でかつ靭性のある合成樹脂からなる。合成樹脂としては、例えば、ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン等の合成樹脂を挙げることができ、その中でも特に摺動抵抗の少ないポリプロピレンまたは高密度ポリエチレンが適している。
なお、腎臓カテーテル本体5の中間部5bの外周部に嵌合された鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に緊締部材33を嵌合する際や、膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外周部に嵌合された鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に緊締部材43を嵌合する際の手順については後述する。
先端部5aおよび中間部5bにおける第一通路13および第二通路15の各内径は、先端部5aおよび中間部5bの長手方向全域に亘ってそれぞれ一定の寸法に形成されている。また、第二後端部5dの第二通路15の内径は、先端部5aおよび中間部5bにおける第二通路15の内径より大きな寸法に形成されているが、同一の寸法に形成してもよい。腎臓カテーテル本体5および膀胱カテーテル本体35は可撓性を有する部材からなり、それらの材質としては、例えば、ポリウレタン等の樹脂を挙げることができる。
腎臓カテーテル2の鍔付き筒状部材31の鍔部31a,筒部31bおよび膀胱カテーテル3の鍔付き筒状部材41の鍔部41a,筒部41bの材質としては、例えば、ポリウレタンまたはシリコンゴム等の樹脂を挙げることができる。
また、腎臓カテーテル2のカフ8および膀胱カテーテル3のカフ37は、それぞれ不織布等の布製の部材からなり、それらの材質としては、例えば、ポリエステル繊維,ナイロン繊維またはアクリル繊維等を挙げることができる。
腎臓カテーテル2の鍔付き筒状部材31の鍔部31aとカフ8との対向する側面同士および膀胱カテーテル3の鍔付き筒状部材41の鍔部41aとカフ37との対向する側面同士は結着されており、それらの結着の方法としては、結着する部位を加熱して溶着する方法や接着剤により結着する方法が挙げられる。鍔付き筒状部材31および鍔付き筒状部材41にカフ8およびカフ37がそれぞれ結着されているので、腎臓や膀胱の表面に固定しやすいカフ8およびカフ37を介することで鍔付き筒状部材31および鍔付き筒状部材41を腎臓や膀胱にそれぞれ容易に固定することができる。
而して、尿管バイパス装置1における腎臓カテーテル本体5の先端部5aが腎臓の腎盂腔内に留置されることで、腎盂腔内の尿が各側孔25を介して先端部5a内の第二通路15に流入したのち、中間部5b内および第一後端部5c内の第二通路15を通過して膀胱カテーテル本体35の後端部35c内の通路51に排出される。また、尿管バイパス装置1における膀胱カテーテル本体35の先端部35aが膀胱内に留置されることで、腎臓カテーテル本体5内から膀胱カテーテル本体35の後端部35c内に排出された尿が膀胱カテーテル本体35の中間部35b内および先端部35a内を通過し、先端部35aの各側孔53および開口47を介して膀胱内に流入する。
≪尿管バイパス装置1を留置する作業手順≫
次に、尿管が泌尿器系疾患等により閉塞または尿管障害を起こした犬および猫等の動物や人間の腹部に、上述した尿管バイパス装置1を留置して尿路を確保するために行う外科的治療の作業手順の一例について図10ないし図12も参照して詳細に説明する。
まず、腎臓の状態をX線撮影により取得した画像で観察し、腎臓カテーテル本体5の屈曲形成された先端部5aが留置可能な程度に腎盂腔が拡張しているか否かを確認する。
腎臓カテーテル本体5の先端部5aが留置可能であると判断されると、緊締部材33と、カフ8が結着された鍔付き筒状部材31とをこれらの順に腎臓カテーテル本体5の先端17側から腎臓カテーテル本体5の中間部5bの外周部に挿入しておく。また、これと同様に、緊締部材43と、カフ37が結着された鍔付き筒状部材41とをこれらの順に膀胱カテーテル本体35の先端45側から膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外周部に挿入しておく。
<膀胱カテーテル3を留置する作業手順>
次に、腹部の中央をメスにより縦に切開して膀胱および腎臓を外部に露出させたのち、図10の図(a)に示すような真っ直ぐな中空の管からなる樹脂製のシース85内に挿入された注射針(図示せず)を該シース85と共に膀胱に穿刺して刺入口を形成する。そして、その刺入口を介してシース85の先端部を膀胱内に挿入する。
次に、シース85を膀胱に挿入したままシース85内から前記注射針を抜き出したのち、図10の図(b)に示すようなガイドワイヤ87をシース85内に挿入し、ガイドワイヤ87をその先端部が膀胱内に進入するまで挿入する。ガイドワイヤ87は、柔軟性を有し自由に撓むことができる金属製の部材からなる。ガイドワイヤ87を膀胱内に挿入したのち、ガイドワイヤ87を膀胱内に残したままシース85を膀胱から引き抜くと共にガイドワイヤ87から抜き取る。
次に、膀胱カテーテル本体35の先端部35aの屈曲部を略真っ直ぐな状態に手で矯正しながら、先端部35aの先端45の開口47から先端部35a内にガイドワイヤ87の後端部を挿入して膀胱カテーテル本体35内の通路51を通過させる。そして、さらに、腎臓カテーテル本体5の第二後端部5d、中間部5bおよび先端部5aの第二通路15を通過させ、先端部5aにおける何れかの側孔25からガイドワイヤ87の後端部を外部に突出させる。
次に、ガイドワイヤ87の後端部を一方の手で引っ張りながら他方の手で、膀胱カテーテル本体35の先端部35aが膀胱内に進入するまで膀胱カテーテル3をガイドワイヤ87に沿わせて挿入する。
次に、膀胱カテーテル本体35の先端部35aが膀胱内に到達したら、先端部35aを膀胱内に留置したまま膀胱カテーテル本体35および腎臓カテーテル本体5からガイドワイヤ87を引き抜く。ガイドワイヤ87が引き抜かれたことで、膀胱カテーテル本体35の先端部35aは、先端部35a自体の弾性で元の円弧状に復元する。
次に、膀胱カテーテル本体35の先端部35aを挿入した部位の膀胱の漿膜を、巾着の紐を引っ張ることで巾着の開口を窄めるようにする所謂、巾着縫合によりナイロン製の縫合糸で縫合する。これにより、膀胱カテーテル本体35の外周部が膀胱の漿膜により緊締され、膀胱カテーテル本体35の膀胱に対する相対移動は阻止される。
次に、一方の手で膀胱カテーテル本体35の中間部35bを把持した状態で他方の手で鍔付き筒状部材41を把持して膀胱カテーテル本体35に対して鍔付き筒状部材41をカフ37と共に膀胱の漿膜面の近傍まで相対移動させる。このとき、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に緊締部材43が嵌合されていないので、膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外周面と鍔付き筒状部材41の筒部41bの内周面とは緊締部材43による緊締により圧接されていない。このため、大きな力を加えることなく膀胱カテーテル本体35の中間部35bに対して鍔付き筒状部材41をスムーズに手で移動させることができ、延いては、膀胱カテーテル本体35の中間部35bに対する鍔付き筒状部材41の位置決め作業を楽に行うことができる。
次に、膀胱の漿膜面とカフ37の側面とに医療用接着剤を塗布して膀胱の漿膜面とカフ37とを接着すると共に膀胱の漿膜面とカフ37とを縫合糸で縫合する。なお、膀胱の漿膜面とカフ37とを縫合糸で縫合することで両者は強固に結着されるので、膀胱の漿膜面とカフ37への医療用接着剤の塗布は省略してもよい。
次に、図11の図(a)に示すように、装着用補助具67の全長より長い一定の距離だけ鍔付き筒状部材41の筒部41bに対して離間するように緊締部材43を膀胱カテーテル本体35の中間部35bに沿って移動させておく。
次に、鍔付き筒状部材41の筒部41bと緊締部材43との間に位置する膀胱カテーテル本体35の中間部35bの外周部を、図11の図(b)および図(d)に示すように、互いに離間させた装着用補助具67の第一片部69と第二片部71との間に位置付けたのち、図(c)および図(e)に示すように、第一片部69の側縁面69aと第二片部71の側縁面71aとを最も接近させる。これによって、装着用補助具67内に中間部35bの長手方向一部が収容される。このとき、図(c)に示すように、装着用補助具67の大径部77の端面が鍔付き筒状部材41の筒部41bの端面に近接するようにする。
次に、図12の図(f)に示すように、装着用補助具67の小径部75の外周部に緊締部材43を挿入する。このとき、小径部75の外径は、緊締部材43の内径より小さい寸法に設定されているので、緊締部材43を小径部75に容易に挿入することができる。
次に、図12の図(g)に示すように、装着用補助具67の長手方向に沿う方向に大径部77まで緊締部材43を手で移動させる。その移動の途中で、装着用補助具67の斜面部79を緊締部材43が通過するとき、該斜面部79の傾斜面によって緊締部材43が徐々に拡径させられるので、手で小さな力を加えるだけで容易に拡径し、大径部77まで緊締部材43を移動させることができる。これによって、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に挿入可能な内径まで容易に緊締部材43を拡径させることができる。
次に、装着用補助具67の小径部75の端部から突出している膀胱カテーテル本体35の中間部35bと装着用補助具67の小径部75とを同時に一方の手で把持して装着用補助具67の大径部77の端面を鍔付き筒状部材41の筒部41bの端面に当接させた状態で、他方の手で装着用補助具67の大径部77から筒部41bに緊締部材43全体が乗り移るように緊締部材43を移動させる(図12の図(h)および図(i)参照)。このとき、緊締部材43の少なくとも一部が装着用補助具67の大径部77の外周部に嵌合している間は、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外径より大きな寸法を有する大径部77の外径と略等しい寸法に緊締部材43の内径が拡径されている。このため、緊締部材43の少なくとも一部が大径部77の外周部に嵌合している間は、両者間の摺動抵抗が少ないことに加え、鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部が緊締部材43によって殆ど緊締されないので、大きな力を加えることなく筒部41bの外周部に緊締部材43をスムーズに手で移動させることができる。
鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に緊締部材43が完全に嵌合した後は、筒部41bの外周部が緊締部材43により緊締されて、筒部41bの内周面と膀胱カテーテル本体35の外周面とが圧接され、これら内周面と外周面との間に大きな摩擦力が発生し、この摩擦力により位置決め部材39と膀胱カテーテル本体35との相対移動が規制される。
鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に緊締部材43を嵌合したのち、第一片部69と第二片部71とを互いに離間させて膀胱カテーテル本体35から装着用補助具67を取り外す。
而して、緊締部材43による緊締力により膀胱カテーテル本体35の中間部35bと鍔付き筒状部材41との相対移動が規制されるので、中間部35bにおける所定の位置に鍔付き筒状部材41を安定的に保持することができる。そして、位置決め部材39と膀胱カテーテル本体35との相対移動が規制されると共に、鍔付き筒状部材41の鍔部41aに結着されたカフ37が膀胱の表面に固定されることで、膀胱カテーテル本体35の膀胱に対する相対移動は確実に阻止される。
<腎臓カテーテル2を留置する作業手順>
上述した<膀胱カテーテル3を留置する作業手順>において使用したシース85および注射針と同様の構成を有する別個のシース85および注射針を使用して腎臓に穿刺して刺入口を形成する。そして、その刺入口を介してシース85の先端部を腎盂腔内に挿入する。
次に、シース85を腎臓に挿入したままシース85内から前記注射針を抜き出したのち、前記ガイドワイヤ87と同様の構成を有する別個のガイドワイヤ87をシース85内に挿入し、ガイドワイヤ87をその先端部が腎盂腔内に進入するまで挿入する。ガイドワイヤ87を腎盂腔内に挿入したのち、ガイドワイヤ87を腎盂腔内に残したままシース85を腎臓から引き抜くと共にガイドワイヤ87から抜き取る。
次に、腎臓カテーテル本体5の先端部5aの屈曲部を略真っ直ぐな状態に手で矯正しながら、先端部5aの先端17の開口19から先端部5a内にガイドワイヤ87の後端を挿入して第一通路13を通過させ、腎臓カテーテル本体5における第一後端部5cの後端21の開口からガイドワイヤ87の後端部を外部に突出させる。ところで、先端部5aの開口19から後端21の開口までの第一通路13全域に亘ってガイドワイヤ87を挿通するとき、ガイドワイヤ87が引っ掛かる虞がある箇所としては、中間部5b内の第一通路13と第一後端部5c内の第一通路13との接続部が考えられる。
しかし、該接続部は、中間部5b内の第一通路13の軸芯O1と第一後端部5c内の第一通路13の軸芯O2とが鈍角で交差し、かつ、滑らかに接続されているので抵抗なく円滑にガイドワイヤ87を通過させることができる。このため、腎臓カテーテル2の腎臓内への留置を補助するガイドワイヤ87を腎臓カテーテル本体5内の第一通路13に抵抗なく円滑に挿通することができるので、洗浄液等の注入だけでなくガイドワイヤ87を挿通するための通路としても第一通路13を利用することができる。
次に、ガイドワイヤ87の後端部を一方の手で引っ張りながら他方の手で、腎臓カテーテル本体5の先端部5aが腎盂腔内に進入するまで腎臓カテーテル2をガイドワイヤ87に沿わせて挿入する。
次に、腎臓カテーテル本体5の先端部5aが腎盂腔内に到達したら、先端部5aを腎盂腔内に留置したまま腎臓カテーテル本体5からガイドワイヤ87を引き抜く。ガイドワイヤ87が引き抜かれたことで、腎臓カテーテル本体5の先端部5aは、先端部5a自体の弾性で元の円弧状に復元する。なお、先端部5aが4個の側孔25…および8個の側孔27…を全て含めて腎臓の腎盂腔内に確実に位置付けられているか否かは、腎盂腔内に造影剤が注入された腎臓をX線撮影してその撮影により取得した画像中に写し出された先端部5aのマーカー部29と腎盂腔の外形との相対的な位置関係から確認することができる。なお、マーカー部29が設けられていない場合は、腎臓カテーテル本体5の長手方向中途部の適当な位置に予め目印を付しておき、該目印の腹部に対する相対的な位置関係に基づいて先端部5aが腎盂腔内に位置付けられているか否かを判断するようにしてもよい。
次に、一方の手で腎臓カテーテル本体5の中間部5bを把持した状態で他方の手で鍔付き筒状部材31を把持して腎臓カテーテル本体5に対して鍔付き筒状部材31をカフ8と共に腎臓の腎被膜の近傍まで相対移動させる。このとき、鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に緊締部材33が嵌合されていないので、腎臓カテーテル本体5の中間部5bの外周面と鍔付き筒状部材31の筒部31bの内周面とは緊締部材33による緊締により圧接されていない。このため、大きな力を加えることなく腎臓カテーテル本体5の中間部5bに対して鍔付き筒状部材31をスムーズに手で移動させることができ、延いては、腎臓カテーテル本体5の中間部5bに対する鍔付き筒状部材31の位置決め作業を楽に行うことができる。
次に、腎被膜の表面とカフ8の側面とに医療用接着剤を塗布して腎被膜の表面とカフ8とを接着する。なお、腎被膜は膀胱に比べて非常に柔らかく脆いので、上述した巾着縫合を行うことができないため、腎被膜とカフ8とを縫合糸で仮止めする。
次に、装着用補助具81を使用して鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に緊締部材33を嵌合する。緊締部材33を嵌合する手順については、上述した装着用補助具67を使用して膀胱カテーテル3における鍔付き筒状部材41の筒部41bの外周部に緊締部材43を嵌合する手順と同様の手順となるので、詳細な説明は省略する。装着用補助具81を使用することで、鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に緊締部材33を容易に嵌合することができる。
鍔付き筒状部材31の筒部31bの外周部に緊締部材33が完全に嵌合した後は、筒部31bの外周部が緊締部材33により緊締されて、筒部31bの内周面と腎臓カテーテル本体5の外周面とが圧接され、これら内周面と外周面との間に大きな摩擦力が発生し、この摩擦力により位置決め部材7と腎臓カテーテル本体5との相対移動が規制される。
このように、緊締部材33による緊締力により腎臓カテーテル本体5の中間部5bと鍔付き筒状部材31との相対移動が規制されるので、中間部5bにおける所定の位置に鍔付き筒状部材31を安定的に保持することができる。そして、位置決め部材7と腎臓カテーテル本体5との相対移動が規制されると共に、鍔付き筒状部材31の鍔部31aに結着されたカフ8が腎被膜の表面に固定されることで、腎臓カテーテル本体5の腎臓に対する相対移動は阻止される。
次に、腎臓カテーテル本体5と膀胱カテーテル本体35との連結部に結着された保持部材4を、その貫通孔4aに縫合糸を挿通して腹膜の外表面に縫合することで固定する。これによって、腎臓カテーテル本体5と膀胱カテーテル本体35とが腹膜に対して不所望に相対移動することが防止される。
次に、腹膜の外側に延出された腎臓カテーテル本体5の第一後端部5cにマウント10をそれぞれ挿入したのち、アダプタ9のコネクタ61の外周部に腎臓カテーテル本体5の第一後端部5cの内周部を嵌合して腎臓カテーテル2をアダプタ9に接続する。
次に、腎臓カテーテル本体5に挿入されたマウント10をアダプタ9に向かって腎臓カテーテル本体5に沿って移動させ、腎臓カテーテル本体5の第一後端部5cとアダプタ9のコネクタ61との接続部をマウント10により被覆して緊締する。なお、マウント10を使用せずに、アダプタ9のコネクタ61に嵌合された腎臓カテーテル本体5の第一後端部5cの外周部をナイロン製の糸で縛ってもよい。
次に、腎臓カテーテル2が接続されたアダプタ9を腹膜の外表面に縫合糸で縫合する。このとき、アダプタ9の第二アダプタ片57bの平坦な外側面を腹膜の外表面に当接させた状態で第二アダプタ片57bの4個の貫通孔63…に縫合糸を挿通しながら縫合することでアダプタ9が腹膜の外表面に安定的に固定される。また、アダプタ9は、最初に腹部の中央を切開した部分以外の部位に位置する腹壁の下方に位置付けられ、該腹壁に対向するアダプタ9の封止部材59の先端により該腹壁が押圧されることでその部位の腹部の皮膚が若干隆起する。この腹部の隆起により、アダプタ9の封止部材59の腹部に対する位置を目視により容易に特定することができる。
最後に、閉塞または尿管障害を起こした尿管の長手方向中途部の外周部を縫合糸で緊締して尿管内の尿路を閉塞したのち、メスにより切開した腹部の閉腹手術を行い、尿管バイパス装置1を腹部に留置する作業を終了する。
なお、上述した作業手順の順番については、上述した順番に限らず、本発明の目的から逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
尿管バイパス装置1が腹部に留置されることで、腎臓の腎盂腔内の尿が腎臓カテーテル本体5の先端部5aの各側孔25を介して先端部5aの第二通路15に流入する。その後、腎臓カテーテル本体5の中間部5b内および第二後端部5d内の第二通路15を通過し、さらに、膀胱カテーテル本体35の後端部35c内、中間部35b内および先端部35a内の通路51を通過して先端部35aの各側孔53および開口47を介して膀胱内に尿が流入する。
これによって、泌尿器系疾患等により閉塞または尿管障害を起こした尿管を通過することなく、腎盂腔内の尿を膀胱内に流入させることができる。
<腎臓カテーテル2および膀胱カテーテル3を洗浄する作業手順>
次に、尿管バイパス装置1が腹部に留置され一定の期間が経過して、腎臓カテーテル本体5内または膀胱カテーテル本体35内が腎結石や付着堆積物により目詰まりしたときに、それを洗浄する作業手順の一例について説明する。
まず、生理食塩水等の洗浄液が充填された注射器の注射針により腹部の皮膚および腹壁を貫通してアダプタ9の封止部材59に該注射針を突き刺す。
次に、アダプタ9の空洞65を介して腎臓カテーテル本体5の第一後端部5c内の第一通路13に注射器により洗浄液を勢い良く注入する。これにより、腎臓カテーテル本体5の第一後端部5c内、中間部5b内および先端部5a内の第一通路13を洗浄液が通過して、先端部5aの各側孔27および開口19を介して腎盂腔内に洗浄液が注入される。
腎盂腔内に洗浄液が注入されると腎盂腔内の圧力が上昇することで、腎盂腔内の洗浄液が、先端部5aの各側孔25を介して先端部5a内の第二通路15に流入する。その後、腎臓カテーテル本体5の中間部5b内および第二後端部5d内の第二通路15を通過し、さらに、膀胱カテーテル本体35の後端部35c内、中間部35b内および先端部35a内の通路51を通過して先端部35aの各側孔53および開口47を介して膀胱内に洗浄液が流入する。これによって、腎臓カテーテル本体5や膀胱カテーテル本体35において尿の流通を阻害していた腎結石や付着堆積物の障害物が効果的に除去される。
このとき、腎盂腔内に注入された洗浄液は、腎臓カテーテル本体5内の第二通路15および膀胱カテーテル本体35内の通路51を、尿を排泄するバイパス装置として機能しているときに尿が流れる方向と同一の方向に流れる。このため、腎臓カテーテル本体5の第二通路15に存在していた腎結石や付着堆積物が洗浄液の注入によって腎盂腔内に押し戻され、第二通路15に再び滞留または付着堆積して第二通路15を再び狭窄したり閉塞することはない。この結果、尿の流通を阻害していた腎結石等の障害物が効果的に除去され腎臓カテーテル本体5内および膀胱カテーテル本体35内の良好な流通が維持される。
なお、アダプタ9は、洗浄液だけでなく消毒液または薬剤等の液体を注入する際に利用することもできる。また、封止部材59に注射器の注射針を突き刺して尿を採取することもできる。
次に、上述した第1の実施の形態の変形例として2つの例を図13ないし図17を参照して以下に説明する。なお、これらの変形例の説明で参照する図において、前記第1の実施の形態で説明したものと同一または同等の部材および部位等については、同一の符号を付し詳細な説明は省略し、前記第1の実施の形態とは異なる点を主に詳細に説明するものとする。また、作図の都合上、図13,図15および図16では、長尺な部材については、その長手方向中途部を省略して示している。これらの変形例においても、前記第1の実施の形態で説明したものと同一または同等の構成については、同様の作用・効果を奏することができるのは言うまでもない。
(第1の変形例)
上述した第1の実施の形態に係る尿管バイパス装置1は、腎臓カテーテル本体5の第二後端部5dと膀胱カテーテル本体35の後端部35cとを熱融着または接着剤により直接結着している。しかし、これに替えて、図13に示す尿管バイパス装置1のように管状の接続部材89(図14参照)を介して接続するようにしてもよい。詳細には、接続部材89の両端部に形成された一対のニップル部89a,89aの一方に腎臓カテーテル本体5の第二後端部5dを嵌合接続すると共に他方に膀胱カテーテル本体35の後端部35cを嵌合接続する(図14の図(b)参照)。接続部材89の長手方向中央部には、当該部分を被服するように保持部材4が型により成形されて結着されている。なお、接続部材89は、保持部材4に穿設された貫通孔に圧入することで保持部材4に結着してもよい。接続部材89の材質としては、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂もしくはPUR(ポリウレタン)樹脂等の硬質の樹脂または、チタンもしくはステンレス等の金属を挙げることができる。
この第1の変形例に係る尿管バイパス装置1によれば、腎臓カテーテル本体5の先端部5aと膀胱カテーテル本体35の先端部35aとをそれぞれ腎盂腔内と膀胱内とに留置する際には、腎臓カテーテル本体5と膀胱カテーテル本体35とを接続部材89に接続せずに分離した状態で留置することができる。従って、膀胱カテーテル本体35の先端部35aを、ガイドワイヤ87を使用して膀胱内に留置する際には、膀胱カテーテル本体35の先端部35aの開口47から挿入したガイドワイヤ87を膀胱カテーテル本体35の後端49の開口から外部に突出させることができるので作業性が良好となる。
なお、腎臓カテーテル本体5の先端部5aと膀胱カテーテル本体35の先端部35aとをそれぞれ腎盂腔内と膀胱内とに留置した後に、腎臓カテーテル本体5の第二後端部5dと膀胱カテーテル本体35の後端部35cとを接続部材89の各ニップル部89aに嵌合接続する。その後に、保持部材4の貫通孔4aに縫合糸を挿通して腹膜の外表面に縫合することで保持部材4を固定する。
(第2の変形例)
上述した第1の実施の形態および第1の変形例に係る尿管バイパス装置1の腎臓カテーテル本体5は、中間部5bの後端11と第一後端部5cおよび第二後端部5dの各前端とが、中間部5bの長手方向と直交する端面同士で結着されて一体化されている。しかし、図15に示す尿管バイパス装置1のように、腎臓カテーテル本体5の中間部5bと第二後端部5dとを、これらが素材のときに繋がって一体であった状態のまま一体に形成してもよい。図16は、そのように構成された腎臓カテーテル2を示している。
腎臓カテーテル本体5の構成としては、中間部5bと第二後端部5dとの境界部分において中間部5b内の第一通路13と外部とを連通する開口を形成し、該開口に第一後端部5cの一端部を挿入して中間部5b内の第一通路13と第一後端部5c内の第一通路13とを連通させている(図17の図(a)参照)。中間部5b内の第一通路13と第一後端部5c内の第一通路13とは、それらの軸芯O1,O2同士のなす角度θが前記第1の実施の形態と同様に設定され、かつ、滑らかに接続されている。中間部5bおよび第二後端部5dの境界部分と第一後端部5cとの結着は、中間部5b内の第一通路13と第一後端部5c内の第一通路13とに跨って芯金を挿入した状態で加熱しながら行う。この結着により、中間部5b内の第一通路13と第二後端部5d内の第一通路13とは分断されるが、第二後端部5d内の第一通路13に腹部の血液等が侵入しないように、第一通路13(第二後端部5dの後端23側の部分)に栓部材91を装着して密栓する(図17の図(b)および図(c)参照)。なお、栓部材91による密栓に替えて、第二後端部5d内の第一通路13全域に亘って長尺な棒状の栓部材を挿入して密栓してもよい。また、第二後端部5dの後端23と膀胱カテーテル本体35の後端49とは、突き合わせて熱融着または接着剤により結着する。
(第2の実施の形態)
次に、上述した第1の実施の形態および第1および第2の変形例以外の実施の形態として、第2の実施の形態について図18および図19を参照して以下に詳細に説明する。
なお、この第2の実施の形態の説明で参照する図において、上述した第1の実施の形態および各変形例で説明したものと同一または同等の部材および部位等については、同一の符号を付し詳細な説明は省略し、前記第1の実施の形態および各変形例とは異なる点を主に詳細に説明するものとする。また、作図の都合上、図18および図19では、長尺な部材については、その長手方向の一部を省略して示している。この第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態および各変形例で説明したものと同一または同等の構成については、同様の作用・効果を奏することができるのは言うまでもない。
前記第1の実施の形態および各変形例では、腎臓カテーテル2に膀胱カテーテル3が接続された尿管バイパス装置1について説明したが、この第2の実施の形態では、膀胱カテーテル3に替えて排尿カテーテル93が腎臓カテーテル2に接続された排尿バイパス装置95について説明する。排尿バイパス装置95は、本発明でいう「尿路バイパス装置」を構成する。この排尿バイパス装置95は、犬および猫等の動物における膀胱の内尿道口もしくは該内尿道口より下流側の尿路が癌またはその他の泌尿器系疾患により障害を起こして閉塞している場合に尿路の確保のために供することができるものである。
排尿カテーテル93は、円管状の部材からなる排尿カテーテル本体97と、前記カフ8およびカフ37と同様に構成された円盤状のカフ99と、該カフ99の外径より小さい外径を有する位置決め部材101とを備えている。排尿カテーテル93は、本発明でいう「導尿カテーテル」を構成し、排尿カテーテル本体97は、本発明でいう「導尿カテーテル本体」を構成する。カフ99および位置決め部材101には、それぞれの中央部に位置する軸芯上に貫通孔がそれぞれ穿設されている。これらの貫通孔は、排尿カテーテル本体97の外周部に嵌合可能な寸法に形成されている。排尿カテーテル本体97は、先端部97aと、該先端部97aに連なる中間部97bと、該中間部97bに連なると共に該中間部97bを介して先端部97aと連通する後端部97cとからなる。先端部97aと中間部97bと後端部97cとは一体的に形成されている。
図18に示す排尿バイパス装置95の腎臓カテーテル2は、上述した第1の実施の形態に係る尿管バイパス装置1の腎臓カテーテル2と同様のもので構成されているものとして図示している。そして、その腎臓カテーテル本体5の第二後端部5dと排尿カテーテル本体97の後端部97cとの接続についても、その接続の構造や方法は、上述した第1の実施の形態において説明した腎臓カテーテル本体5の第二後端部5dと膀胱カテーテル本体35の後端部35cとの接続と同様でよい。
なお、そのような構成に替えて、排尿バイパス装置95の腎臓カテーテル2の腎臓カテーテル本体5を上述した各変形例において説明した腎臓カテーテル本体5の何れかと同様のもので構成してもよい。その場合、腎臓カテーテル本体5の第二後端部5dと排尿カテーテル本体97の後端部97cとの接続については、その接続の構造や方法を、前記各変形例において説明した腎臓カテーテル本体5の第二後端部5dと膀胱カテーテル本体35の後端部35cとの接続の何れかと同様に構成すればよい。
図19の図(a)に示すように、排尿カテーテル本体97の先端部97aは、末端部が先細に形成された部分を有する留置部103と、該留置部103と前記中間部97bとの一端同士を接続する接続部105とを備えている。留置部103は、犬および猫等の動物が雄の場合は陰茎と該陰茎を被覆する包皮との間に留置され、犬および猫等の動物が雌の場合は膣内に留置される。カフ99および位置決め部材101の貫通孔の内周面と排尿カテーテル本体97の接続部105の外周面とは接着剤により結着されている。
排尿カテーテル本体97において、先端107から一定の長さに亘って先細に形成された部分を除いた先端部97aと中間部97bと後端部97cとは、それらの外径および内径が同一の寸法にそれぞれ形成されている。排尿カテーテル本体97は可撓性を有する部材からなり、その材質は、前記腎臓カテーテル本体5および膀胱カテーテル本体35と同様の材質からなる。
図19の図(a)において二点鎖線の楕円で囲まれた部分を拡大して示すように、排尿カテーテル本体97の先端部97aは、その長手方向に一定の間隔を隔てて2個ずつ穿設された合計4個の側孔109…と、先端部97aの先端107に形成された開口111とを備えている。排尿カテーテル本体97内には通路112が形成され、該通路112は、先端107の開口111から後端113に形成された開口まで連続して形成されている。
而して、排尿バイパス装置95における腎臓カテーテル本体5の先端部5aが腎臓の腎盂腔内に留置されることで、腎盂腔内の尿が各側孔25を介して先端部5a内の第二通路15に流入したのち、中間部5b内および第二後端部5d内の第二通路15を通過する。一方、排尿バイパス装置95における排尿カテーテル93の排尿カテーテル本体97の留置部103が陰茎と包皮との間または膣内に留置されることで、腎臓カテーテル本体5内の第二通路15を通過した尿が排尿カテーテル本体97の後端部97c内,中間部97b内および先端部97a内の通路112を通過し、先端部97aの各側孔109および開口111を介して陰茎と包皮との間または膣内に流入する。これによって、泌尿器系疾患により障害を起こして閉塞した尿管を通過することなく、陰茎と包皮との間または膣内に腎盂腔内の尿を流入させることができる。
次に、上述した第1および第2の実施の形態ならびに各変形例をさらに変更する変形例として第3ないし第5の3つの例を図20ないし図22を参照して以下に説明する。なお、これらの変形例の説明で参照する図において、前記第1および第2の実施の形態ならびに各変形例で説明したものと同一または同等の部材および部位等については、同一の符号を付し詳細な説明は省略し、前記第1および第2の実施の形態ならびに各変形例とは異なる点を主に詳細に説明するものとする。また、作図の都合上、図22では、長尺な部材については、その長手方向中途部を省略して示している。これらの変形例においても、前記第1および第2の実施の形態ならびに各変形例で説明したものと同一または同等の構成については、同様の作用・効果を奏することができるのは言うまでもない。
(第3の変形例)
上述した第1の実施の形態および各変形例に係る尿管バイパス装置1や第2の実施の形態に係る排尿バイパス装置95では、腎臓カテーテル本体5の先端部5aに穿設された複数の側孔27は、全て同一の大きさの楕円形状に形成されていた。しかし、これに替えて、図20の図(a)ないし図(d)に示すように、先端部5aの長手方向において先端部5aの先端17から離間する位置に穿設された側孔27の開口面積の方が、近接する位置に穿設された側孔27の開口面積より小さくなるように各側孔27を形成してもよい。図20の図(a)および図(b)では、先端部5aの長手方向において先端部5aの先端17から最も離間する位置に穿設された一対の側孔27,27だけが、先端部5aの長手方向に沿う方向に切り込まれた切り込みによって構成されている。それ以外の3箇所に穿設された一対ずつの側孔27,27はそれぞれ楕円形状に形成され、かつ、先端部5aの先端17に近づくにつれて開口面積が徐々に大きくなるように形成されている。
また、図(c)および図(d)では、先端部5aの長手方向において先端部5aの先端17から最も離間する位置と次に離間する位置とに穿設されたそれぞれ一対の側孔27,27が、先端部5aの長手方向に沿う方向に切り込まれた切り込みによってそれぞれ構成されている。それ以外の2箇所に穿設された一対ずつの側孔27,27は同一の大きさの楕円形状に形成されている。
ところで、アダプタ9を介して第一後端部5cの第一通路13に洗浄液を注射器により注入するとき、各側孔27の開口面積が全て同一の大きさに形成されていると、注入された洗浄液が第一通路13を流れる方向において下流側に位置する側孔27に比べて上流側に位置する側孔27の方が、洗浄液が排出され易い傾向がある。しかし、この第3の変形例の腎臓カテーテル本体5は、先端部5aの先端17から離間する位置(上流側の位置)に穿設された側孔27を、先端部5aの先端17に近接する位置(下流側の位置)に穿設された側孔27より小さな開口面積に形成している。このため、注入された洗浄液は、排出され易い上流側に位置する側孔27だけに偏ることなく下流側に位置する側孔27からも均等に洗浄液を流出させることができる。この結果、腎盂腔内全体に亘って洗浄液を供給することができ、腎盂腔内全体を効果的に洗浄することができる。
なお、切り込みによって構成された側孔27は、第一通路13の内外の圧力差がないときは開口面積が狭まっているので、腎結石や付着堆積物により目詰まりし難い。一方、第一後端部5cから第一通路13に洗浄液を注射器により勢い良く注入することで圧力がかかると腎臓カテーテル本体5自体の弾力性により側孔27の部位が変形して開口するので、側孔27を介して腎臓カテーテル本体5の内外が連通される。再び、第一通路13の内外の圧力差がなくなると、腎臓カテーテル本体5自体の弾力性により開口が元の狭まった状態に側孔27が復元するので、側孔27は腎結石や付着堆積物により目詰まりし難くなる。
(第4の変形例)
上述した第1および第2の実施の形態ならびに各変形例に係る尿管バイパス装置1や排尿バイパス装置95においては、腎臓カテーテル本体5内の第一通路13および第二通路15の横断面の形状が何れも円形状であった。しかし、これに限らず、図23に示すように、第一通路13および第二通路15の少なくとも何れか一方の横断面の形状を半円形状またはそれ以外の形状に形成してもよい。図21の図(a)および図(b)は、腎臓カテーテル本体5の中間部5bにおける長手方向中途部の横断面を拡大して示している。このようにすることで、腎臓カテーテル本体5の外径の寸法に対して、腎臓カテーテル本体5内の第一通路13および第二通路15の流路面積を可及的大きくすることができる。
なお、図21の図(a)では、第一通路13の横断面が第二通路15の横断面と略同じ大きさに形成されているが、腎臓カテーテル本体5の先端部5aが、先端17の近傍から先端17に向かって徐々に先細に形成されているので、それに応じて第一通路13の横断面も徐々に小さな形状に形成され、かつ、先端17の開口19も小さな形状に形成される。
また、上述した第3の変形例や図21の図(b)に示す第4の変形例では、腎臓カテーテル本体5内の第一通路13より第二通路15の流路面積を大きく形成した例を示す一方、これらの変形例以外では両流路面積を互いに略同一に形成した例を示した。しかし、これらに限らず、第二通路15より第一通路13の流路面積を大きく形成してもよい。そうすることで、腎臓カテーテル本体5の第一後端部5cに接続されたアダプタ9を介して薬剤が注入された場合、その薬剤が第二通路15に多量に貯留されることになる。そのため、第二通路15に貯留された薬剤が少しずつ腎臓カテーテル本体5の先端部5aの各側孔27から腎臓内に供給されることで、薬剤を長期間作用させることができる。
(第5の変形例)
上述した第1および第2の実施の形態ならびに各変形例に係る尿管バイパス装置1や排尿バイパス装置95においては、腎臓カテーテル本体5は、先端17から一定の長さに亘って先細に形成された部分を除いた先端部5aと中間部5bとは、それらの外径が同一の寸法に形成されている。また、上述した第1の実施の形態および各変形例に係る尿管バイパス装置1の膀胱カテーテル本体35は、先端45から一定の長さに亘って先細に形成された部分を除いた先端部35aと中間部35bと後端部35cとは、それらの外径が同一の寸法に形成されている。また、前記第2の実施の形態や第4および第5の変形例に係る排尿バイパス装置95の排尿カテーテル本体97は、先端107から一定の長さに亘って先細に形成された部分を除いた先端部97aと中間部97bと後端部97cとは、それらの外径が同一の寸法に形成されている。
しかし、これらのような外径寸法の設定に限らず、図22の図(a)に示すように、腎臓カテーテル本体5の中間部5bにおける後端11側の一部を、それ以外の部分より大きな外径に形成してもよい。これに合わせて、図22の図(b)に示すように、膀胱カテーテル本体35の中間部35bにおける後端部35c側の端部と後端部35cとを、それら以外の部分より大きな外径に形成してもよい。同様に、図22の図(c)に示すように、排尿カテーテル本体97の中間部97bにおける後端部97c側の大部分と後端部97cとを、それら以外の部分より大きな外径に形成してもよい。
詳細には、腎臓カテーテル本体5の中間部5bにおける後端11から長さL1の部分を太く形成すると共に、それに連なる長さL2の部分を先端部5a側に向かうに連れて徐々に細くして、残りの中間部5bの部分に滑らかに連なるように形成している。同様に、膀胱カテーテル本体35の後端49から長さL3の部分を太く形成すると共に、それに連なる長さL4の部分を先端部35a側に向かうに連れて徐々に細くして、残りの中間部35bの部分に滑らかに連なるように形成している。また、排尿カテーテル本体97の後端113から長さL5の部分を太く形成すると共に、それに連なる長さL6の部分を先端部97a側に向かうに連れて徐々に細くして、残りの中間部97bの部分に滑らかに連なるように形成している。
また、腎臓カテーテル本体5の中間部5bにおいて外径を細く形成した領域であって、鍔付き筒状部材31の筒部31bの端面と長さL2の一端との間の長さL7は、緊締部材33を筒部31bに嵌合する際に必要な長さに設定されている。具体的には、この長さL7の領域における中間部5bの外周部に装着用補助具81と緊締部材33とを並べて装着することができる寸法に設定されている。同様に、膀胱カテーテル本体35の中間部35bにおいて外径を細く形成した領域であって、鍔付き筒状部材41の筒部41bの端面と長さL4の一端との間の長さL8は、緊締部材43を筒部41bに嵌合する際に必要な長さに設定されている。具体的には、この長さL8の領域における中間部35bの外周部に装着用補助具67と緊締部材43とを並べて装着することができる寸法に設定されている。
上述したように、腎臓カテーテル本体5において、その中間部5bの長手方向中途部を境に先端17側を後端11側より細くすることで、その分、腎臓カテーテル2の先端部5aを腎盂腔内に留置するために腎臓に形成する刺入口を小さくすることができる。その結果、外科的侵襲による腎臓への負担を軽減することができると共に刺入口の周囲からの尿漏れを少なくすることができる。同様に、膀胱カテーテル本体35において、その中間部35bの長手方向中途部を境に先端45側を後端49側より細くすることで、その分、膀胱カテーテル3の先端部35aを膀胱内に留置するために膀胱に形成する刺入口を小さくすることができる。
その結果、外科的侵襲による膀胱への負担を軽減することができると共に刺入口の周囲からの尿漏れを少なくすることができる。同様に、排尿カテーテル本体97において、その中間部97bの長手方向中途部を境に先端107側を後端113側より細くすることで、その分、排尿カテーテル93の留置部103を陰茎と包皮との間または膣内に留置するために陰茎の包皮や膣に形成する刺入口を小さくすることができる。その結果、外科的侵襲による陰茎の包皮や膣への負担を軽減することができると共に刺入口の周囲からの尿漏れを少なくすることができる。
一方、腎臓カテーテル本体5において、その中間部5bの長手方向中途部を境に後端11側を先端17側より太くすることで、その分、後端11側の中間部5b内および第二後端部5d内の第二通路15の流路面積を大きくすることができる。その結果、尿等の液体が第二通路15を流れる際の流動抵抗が軽減され、腎結石や付着堆積物が第二通路15に滞留または付着堆積する虞が低減される。
同様に、膀胱カテーテル本体35において、その中間部35bの長手方向中途部を境に後端49側を先端45側より太くすることで、その分、後端部35c側の中間部35b内および後端部35c内の通路51の流路面積を大きくすることができる。その結果、尿等の液体が通路51を流れる際の流動抵抗が軽減され、腎結石や付着堆積物が通路51に滞留または付着堆積する虞が低減される。
同様に、排尿カテーテル本体97において、その中間部97bの長手方向中途部を境に後端113側を先端107側より太くすることで、その分、後端部97c側の中間部97b内および後端部97c内の通路115の流路面積を大きくすることができる。その結果、尿等の液体が通路115を流れる際の流動抵抗が軽減され、腎結石や付着堆積物が通路115に滞留または付着堆積する虞が低減される。
上述した第1および第2の実施の形態ならびに各変形例は、本発明を説明するための一例であり、本発明は、前記第1および第2の実施の形態ならびに各変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲と明細書との全体から読み取れる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜、追加や変更が可能であり、そのような追加や変更後の腎臓カテーテル、装着用補助具および腎臓カテーテルを備えた尿路バイパス装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
例えば、上述した第1および第2の実施の形態ならびに各変形例では、腎臓カテーテル本体5の内部で第一通路13と第二通路15とは互いに連通していないが、腎臓カテーテル本体5の先端部5a内で第一通路13と第二通路15とを連通する連通孔を先端部5aの長手方向中途部に1つまたは複数穿設してもよい。この場合の連通孔は、切り込みによって構成してもよいし、該切り込みより大きな開口面積を有する貫通孔でもよい。また、複数の連通孔を穿設する場合は、一部の連通孔を切り込みとする一方、他の連通孔を貫通孔としてもよい。このような連通孔を設けることで該連通孔を介して洗浄液等の薬剤が先端部5a内で第一通路13と第二通路15との間を通過することができる。
1 尿管バイパス装置(尿路バイパス装置)
2 腎臓カテーテル
3 膀胱カテーテル(導尿カテーテル)
5 腎臓カテーテル本体
5a 腎臓カテーテル本体の先端部
5b 腎臓カテーテル本体の中間部
5c 腎臓カテーテル本体の第一後端部
5d 腎臓カテーテル本体の第二後端部
7 位置決め部材
8 カフ
9 アダプタ
13 第一通路
15 第二通路
17 先端部の先端
19 開口
21 第一後端部の後端
23 第二後端部の後端
25 側孔
27 側孔
31 鍔付き筒状部材
31a 鍔部
31b 筒部
33 緊締部材
33a スリット
35 膀胱カテーテル本体(導尿カテーテル本体)
35a 膀胱カテーテル本体の先端部
35b 膀胱カテーテル本体の中間部
35c 膀胱カテーテル本体の後端部
51 膀胱カテーテル本体内の通路
59 封止部材(注入部)
65 空洞
69 第一片部
71 第二片部
73 ヒンジ部
75 小径部
77 大径部
79 斜面部
81 装着用補助具
89 接続部材
93 排尿カテーテル(導尿カテーテル)
95 排尿バイパス装置(尿路バイパス装置)
97 排尿カテーテル本体(導尿カテーテル本体)
97a 排尿カテーテル本体の先端部
97b 排尿カテーテル本体の中間部
97c 排尿カテーテル本体の後端部
112 排尿カテーテル本体内の通路
O1 軸芯
O2 軸芯
θ 角度

Claims (12)

  1. 可撓性を有する管状の部材からなる腎臓カテーテル本体を有する腎臓カテーテルにおいて、
    前記腎臓カテーテル本体は、腎臓内に留置される先端部と、該先端部に一端が連なる中間部と、該中間部の他端から分岐して連なる第一後端部および第二後端部とを備え、
    前記先端部の先端に形成された開口から前記第一後端部の後端に形成された開口まで連通する第一通路が前記腎臓カテーテル本体内に形成され、
    前記先端部の長手方向中途部における前記先端部の先端の近傍から前記第二後端部の後端に形成された開口まで連通する通路であって前記第一通路とは別個の第二通路が前記腎臓カテーテル本体内に形成され、
    前記先端部の長手方向中途部には、前記第一通路または前記第二通路のうち少なくとも前記第二通路と前記先端部の外部とを連通する複数の側孔が穿設されていることを特徴とする腎臓カテーテル。
  2. 請求項1に記載の腎臓カテーテルにおいて、
    前記先端部の長手方向中途部には、前記第一通路と前記先端部の外部とを連通する複数の側孔が、前記先端部の長手方向に互いに所定の間隔を隔てて穿設されており、
    前記複数の側孔は、前記先端部の長手方向において前記先端部の先端から離間する位置に穿設された側孔の開口面積の方が、近接する位置に穿設された側孔の開口面積より小さくなるように形成されていることを特徴とする腎臓カテーテル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の腎臓カテーテルにおいて、
    前記腎臓カテーテル本体の中間部の太さと該中間部内の前記第二通路の流路面積とは、前記中間部の長手方向中途部を境に前記先端部側より前記第二後端部側の方が大きくなるようにそれぞれ設定されていることを特徴とする腎臓カテーテル。
  4. 請求項1ないし請求項3のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルにおいて、
    前記第一後端部および前記第二後端部が前記中間部から分岐する部位においては、前記中間部内の前記第一通路の軸芯と前記第一後端部内の前記第一通路の軸芯とが鈍角に交差し、かつ、前記中間部内の前記第一通路と前記第一後端部内の前記第一通路とが滑らかに接続されていることを特徴とする腎臓カテーテル。
  5. 請求項1ないし請求項4のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルにおいて、
    前記第一後端部の後端部に接続可能なアダプタをさらに備え、
    前記アダプタは、前記第一後端部の後端部に接続されることで前記第一通路と連通可能な空洞と、該空洞に外部から液体を注入器具により注入可能な注入部とを備えていることを特徴とする腎臓カテーテル。
  6. 請求項1ないし請求項5のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルにおいて、
    前記腎臓カテーテル本体の中間部の外周部に嵌合可能な位置決め部材をさらに備え、
    前記位置決め部材は、前記腎臓に固定可能な鍔部および該鍔部と一体化された円筒状の筒部からなる鍔付き筒状部材と、前記筒部の外周部に嵌合可能な緊締部材とを備え、
    前記腎臓カテーテル本体の中間部の外周部に嵌合された前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に前記緊締部材が嵌合されて前記筒部が緊締されることで前記筒部の内周面と前記中間部の外周面とが圧接され、これら内周面と外周面との接触による摩擦力により、前記中間部の軸芯に沿う方向における前記中間部と前記鍔付き筒状部材との相対移動が規制されることを特徴とする腎臓カテーテル。
  7. 請求項6に記載の腎臓カテーテルにおいて、
    前記腎臓カテーテル本体の中間部の外周部に嵌合可能で、かつ、腎臓の表面に固定可能な盤状の布製のカフをさらに備え、
    前記鍔付き筒状部材の鍔部と前記カフとは、それらの側面同士が互いに結着されていることを特徴とする腎臓カテーテル。
  8. 請求項6または請求項7に記載の腎臓カテーテルにおいて、
    前記緊締部材は、その軸芯方向に沿ってスリットが形成された円管状の弾性部材からなり、
    前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に嵌合されたときの前記緊締部材は、前記軸芯方向に直交する横断面の形状がC字状に変形していることを特徴とする腎臓カテーテル。
  9. 請求項8に記載の腎臓カテーテルにおける前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に前記緊締部材を嵌合するときに、その嵌合を補助することが可能な装着用補助具であって、
    前記装着用補助具は、第一片部と第二片部とを備え、
    前記装着用補助具は、前記第一片部と前記第二片部とを互いに対向させて接近させた状態においては、前記装着用補助具の長手方向に直交する横断面の形状が該長手方向全域に亘って略円環状の管状をなし、かつ、前記第一片部と前記第二片部との間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部を収容可能な収容空間が形成され、
    前記第一片部と前記第二片部とを離間させた状態で前記第一片部と前記第二片部との間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部を位置付けたのち前記第一片部と前記第二片部とを接近させることで前記第一片部と前記第二片部との間に形成された前記収容空間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部が収容されるように構成され、
    前記装着用補助具は、前記第一片部と前記第二片部とが互いに接近して管状をなし、かつ、前記第一片部と前記第二片部との間に前記腎臓カテーテル本体の中間部の長手方向一部を収容した状態の外周面が、前記装着用補助具の長手方向に沿う方向の一端側の小径部と、同方向の他端側の大径部と、前記小径部と前記大径部とをそれらの太さが滑らかに変化するように接続する斜面部とを備え、
    前記小径部の外径は、前記鍔付き筒状部材の筒部の外周部に嵌合する前の前記緊締部材の内径以下の寸法であり、
    前記大径部の外径は、前記鍔付き筒状部材の筒部の外径より大きい寸法であることを特徴とする装着用補助具。
  10. 請求項9に記載の装着用補助具において、
    前記装着用補助具は、その長手方向に延びるヒンジ部を介して前記第一片部と前記第二片部とが一体に形成され、
    前記第一片部と前記第二片部とは、前記ヒンジ部を中心に回動することで互いに離間または接近可能に構成されていることを特徴とする装着用補助具。
  11. 請求項1ないし請求項8のうち何れか一つに記載の腎臓カテーテルと、
    可撓性を有する管状の部材からなり、先端部と、該先端部に一端が連なる中間部と、該中間部の他端に連なる後端部とを有する導尿カテーテル本体を備えた導尿カテーテルとを備え、
    前記腎臓カテーテル本体の第二後端部と前記導尿カテーテル本体の後端部とが直接または接続部材を介して接続されることで、前記腎臓カテーテル本体内の第二通路と前記導尿カテーテル本体内の通路とが連通するように構成された尿路バイパス装置。
  12. 請求項11に記載の尿路バイパス装置において、
    前記導尿カテーテル本体の太さと該導尿カテーテル本体内の通路の流路面積とは、前記導尿カテーテル本体の中間部の長手方向中途部を境に前記導尿カテーテル本体の先端部側より前記後端部側の方が大きくなるようにそれぞれ設定されていることを特徴とする尿路バイパス装置。
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