JP2007175297A - カテーテル - Google Patents

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Kisho Matsuyama
紀章 松山
Masato Shimagami
正人 島上
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Abstract

【課題】体内留置中におけるカテーテル内腔への体液の逆流を抑制可能であり、且つ、薬液の注入のみならず、体液の採取・排出も問題無く実施可能であり、且つ、万が一カテーテル内腔が閉塞してしまった場合においてもカテーテルを交換することなく対処可能な機構を有し、且つ、製造手段が簡易であるカテーテルを提供する。
【解決手段】先端から基端まで連通した内腔を有し、該先端が縮径された部分を有し、且つ、少なくとも該縮径された部分の一部にスリットを有することを特徴とし、また、該先端の縮径された部分が、先端を延伸加工することにより得られたものであることを特徴とするカテーテルを提供することで解決可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明はカテーテル、特に患者の体内へ比較的長期間にわたり留置されるカテーテルに関する。
従来、カテーテルを患者の体内に長期間留置して使用する場合、体液(血液,胆汁など)が経時的にカテーテル内腔へ逆流し、(血液の凝固や老廃物の堆積により)閉塞して使用不可能になるため、カテーテルを交換せざるを得なくなる状態に陥るという問題がある。
これを防止するため、未使用時は生理食塩液やヘパリン加生理食塩液などをカテーテル内腔に充填する方法が一般的に施行されるが、充填液が経時的にカテーテル先端から体内へ流出してしまうため、頻繁にメンテナンスする必要があり、煩雑である。
この問題を解決するため、カテーテル先端を封止し、そこにスリットを入れて逆流防止弁となるように加工する方法が考案・開示されている(特許文献1)。この方法であれば、通常はカテーテル先端が封止状態にあるため、カテーテル内腔への体液の逆流が防止され、且つ、体内に薬液を注入する際は、カテーテル内が陽圧になることで先端のスリットが開口し、薬液を問題無く体内へ注入することが可能であるため、有効な手段と考えられる。
しかし、カテーテルは薬液の注入以外にも、検査時の体液採取や不要な体液の排出に使用される場合があり、この場合はカテーテル内が陰圧となるため、スリットが閉じる方向となり、逆に不具合が生じることとなる。
また、カテーテル先端の封止加工が煩雑(先端封止材の着装,先端封止剤の充填,先端の溶封などが挙げられ、場合によっては先端形状を整えるための研磨加工なども付随)という製造上の問題もある。
特公平3−45660号公報
本発明の目的は、体内留置中におけるカテーテル内腔への体液の逆流を抑制可能であり、且つ、薬液の注入のみならず、体液の採取・排出も問題無く実施可能であり、且つ、万が一カテーテル内腔が閉塞してしまった場合においてもカテーテルを交換することなく対処可能な機構を有し、且つ、製造手段が簡易であるカテーテルを提供することにある。
本発明のカテーテルは、先端から基端まで連通した内腔を有し、先端が縮径された部分を有するものであり、且つ、少なくとも縮径された部分の一部にスリットを有することを特徴とする。また、好ましくは、先端の縮径された部分が、先端を延伸加工することにより得られたものであることを特徴とする。
本発明によれば、体内留置中におけるカテーテル内腔への体液の逆流を抑制可能であり、且つ、薬液の注入のみならず、体液の採取・排出も問題無く実施可能であり、且つ、万が一カテーテルが閉塞してしまった場合においてもカテーテルを交換することなく対処可能な機構を有するカテーテルを、比較的簡易な製造手段で得ることができる。
本発明におけるカテーテルは、患者の体内に挿入可能な管状体の片側端にコネクターが装着され、先端から基端まで連通した内腔を有する。管状体とコネクターの装着方法としては、接着,融着などの方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、管状体とコネクター以外にも、例えば補強を目的とした外管や、カテーテルの挿入補助を目的としたインサーターなどが装着されることもあり得るが、本発明におけるカテーテルはこれらを否定するものではない。
ここで、本発明のカテーテルにおいては便宜上、コネクター側の端部を基端、それと反対側の端部を先端と表記する。
管状体とは主に可撓性を有するプラスチック製チューブのことであり、材質としてはポリウレタン,ポリ塩化ビニル,ポリアミドエラストマー,シリコーン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、管状体は内腔が1本のシングルルーメンタイプ、複数本のマルチルーメンタイプのいずれであっても良く、内腔の断面形状も特に限定されるものではない。
なお、マルチルーメンタイプの場合、例えばモノレール方式によるガイドワイヤー挿通用のものなど、必ずしもカテーテルの先端から基端まで連通していない内腔が含まれることもあり得るが、本発明において、カテーテルの先端から基端まで連通し、薬液の注入或いは体液の採取・排出に使用される内腔は1本以上あれば十分であるため、本発明におけるカテーテルはこれを否定するものではない。
コネクターとは注射筒などの医療用具と接続するための部材であり、材質としてはポリサルフォン,ポリアミド,ポリアセタール,ポリプロピレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明の技術分野において、コネクターを含むカテーテル基端側の一部を切断し、別の医療用具(ポートなど)と接続される場合もあるが、本発明のカテーテルはそれを否定するものではない。
本発明において、カテーテル先端は縮径された部分(以下、縮径部と略す。)を有するため、先端部の開口面積が小さくなっている。このため、体内留置中におけるカテーテル内腔への体液の逆流を抑制可能であり、且つ、体内への薬液の注入或いは体液の採取・排出も可能となる。しかしながら、単にカテーテル先端を縮径することのみでは、なおカテーテル先端は開口しているため、内腔への体液の逆流を抑制することはできても完全に防止することはできず、カテーテルが閉塞してしまう可能性を否定できない。
そこで、本発明においては、縮径部にスリットを有することを特徴とする。ここで、本発明における縮径部とは、管状体において基端側よりも外径・内径共に細い先端部分を指す。
スリットは少なくともこの縮径部の一部に加工されており、カテーテル閉塞時は、薬液の注入によりカテーテル内腔が陽圧となってこのスリットが開くことで、体内への薬液の注入、或いは閉塞の原因となった物質の除去が可能となる。スリットの大きさ・向き・本数はカテーテルの強度低下や操作性の悪化などの不具合が生じない範囲内であればよく、特に限定されるものではない。ただし、スリットの本数については少なくとも1つの内腔に1本以上加工されていることが望ましい。なお、スリットの形状については、常圧にて閉じているものであれば特に限定されるものではないが、加工性を考慮すると直線状であることが望ましい。
縮径部を得るための加工方法としては、特に限定されるものではないが、比較的簡易的に実施可能な手段である延伸加工による方法が好ましい。
なお、延伸加工の方法としては管状体の押出成形時に引取速度を変化させることで管状体の径をコントロールする方法が簡易的だが、後の製造工程において管状体の先端を塑性変形するまで引っ張ることで縮径部を得る方法などでもよく、特に限定されるものではない。
以下、図面を用いて本発明を説明する。図1は本発明の好適な実施例の一つを示す概略図である。カテーテル1は管状体2の片側端にコネクター3が装着されており、反対側端には縮径部4を有し、縮径部4にはスリット5を有する。図2は図1の先端部の拡大図である。縮径部4によりカテーテル先端の開口面積が小さくなっているため、体液の採取・排出は可能でありながら、未使用時における体液のカテーテル内腔への逆流を抑制可能である。また、縮径部4はスリット5を有しており、万が一カテーテル内腔が塞栓した場合は、薬液の注入によりこのスリット5が開いて、塞栓物質の除去が可能となる。なお、縮径部4は管状体の基端側より内径・外径共に細くなっていればいずれの形態を示してもよく、図に示される形態に限られるものではない。図3は図1の先端部のその他の実施例を示す拡大図である。図2ではスリット5が4本のところを、図3では3本にしている。このように、本発明におけるスリット5の本数はカテーテルの強度低下や操作性の悪化などの不具合が生じない範囲内であれば、特に限定されるものではない。図4〜図6は本発明の好適な別の実施例を示す概略図である。このように、本発明におけるスリット5は必ずしもカテーテルの先端から開始される必要はなく、縮径部4の途中から開始されても良い。図7〜12は本発明の好適な更に別の実施例を示す概略図である。このように、本発明におけるスリット5は必ずしも縮径部4の範囲内に収まる必要はなく、縮径部4より基端側にその一部が架かっても良い。
本発明は、動注・静注療法用カテーテル,ドレナージ用カテーテルなどに応用することができるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
本発明の好適な実施例の一つを示す概略図である。 図1の先端部の拡大図である。 図1の先端部のその他の実施例を示す拡大図である。 本発明の好適な別の実施例を示す概略図である。 図4の先端部の拡大図である。 図4の先端部のその他の実施例を示す拡大図である。 本発明の好適な更に別の実施例の一つを示す概略図である。 図7の先端部の拡大図である。 図7の先端部のその他の実施例を示す拡大図である。 本発明の好適な更に別の実施例の一つを示す概略図である。 図10の先端部の拡大図である。 図10の先端部のその他の実施例を示す拡大図である。
符号の説明
管状体
1 カテーテル
2 管状体
3 コネクター
4 縮径部
5 スリット

Claims (6)

  1. 先端から基端まで連通した内腔を有し、該先端が縮径された部分を有するものであり、且つ、少なくとも該縮径された部分の一部にスリットを有することを特徴とするカテーテル。
  2. 該先端の縮径された部分が、先端を延伸加工することにより得られたものであることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
  3. 該スリットが、常圧にて閉じていることを特徴とする、請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. 静注療法に使用される、請求項1〜3のいずれかに記載のカテーテル。
  5. 動注療法に使用される、請求項1〜3のいずれかに記載のカテーテル。
  6. ドレナージに使用される、請求項1〜3のいずれかに記載のカテーテル。
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