JP2011062288A - 吸引カテーテル - Google Patents

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Atsushi Oigawa
淳 大井川
Masako Shizukugawa
正子 雫川
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Abstract

【課題】高粘性物質の吸引によっても閉塞しにくい吸引カテーテルを提供する。
【解決手段】吸引口12を有する内腔を備えた吸引カテーテル10において、吸引口12を有する内腔の外壁に、吸引口12側の先端から所定距離sを置いた位置から開始して長手方向に形成された切れ目13を備えた。前記切れ目13は前記吸引カテーテル10の周方向にずらした位置、あるいは、前記吸引カテーテル10の長手方向にずらした位置に設けたものも含み、破線状に形成されたものも含む。あるいは、複数の内腔を有し、前記複数の内腔のうち少なくとも一つを、前記吸引口12を有する内腔とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い粘性を持った物質又は流体(以下、高粘性物質)を生体内から吸引するために用いられる吸引カテーテルに関するものである。
自力で呼吸ができない患者に対しては、まず第1に呼吸を確保する必要がある。患者の呼吸を確保する方法の例として、気管挿管や気管切開によって気道を確保する方法が従来から知られている。気管挿管は、口または鼻を介して気管に気管内チューブを挿入して気道を確保する方法である。気管切開は、気管挿管が長期に及んでいる場合や、気管挿管できない場合に実行される気道確保方法である。この気管切開による気道確保方法は、気管及びその上部の皮膚を切開し、切開した部分を介して気管にカニューレを挿入することで実行される。
気管挿管では気管内チューブに、気管切開ではカニューレに、人工呼吸器に接続している呼吸管を連通させて、患者の呼吸を確保するようになっている。気管内チューブとは、気道確保のために口から気管内まで挿入されているチューブである。カニューレは、患者の呼吸を助けたり、体内に薬を注入したりするために生体内に挿入するチューブである。このとき、高粘性物質である、例えば痰や血糊等の分泌物が気管に溜まることによって、気道が閉塞されないようにしなければならない。この高粘性物質を除去する方法の1つとして、気管に挿入した気管内チューブやカニューレを介して吸引カテーテルを気道に挿入し、この吸引カテーテルによって高粘性物質を吸引除去するような方法が従来から存在している。また、吸引カテーテルを鼻から気道に挿入し、この吸引カテーテルによって高粘性物質を吸引除去する方法も従来から採用されている。
ここで、吸引時間が長くなると低酸素血症に陥りやすくなるため、成人は10〜15秒以内、小児は5〜10秒以内で行うのが望ましい。吸引時間を短縮するための援助としては、吸引圧を高くする、吸引カテーテルを太くする、等の方法がある。しかし、吸引圧を高くしすぎると低酸素症などの合併症を招きかねず、また、吸引カテーテルを太くすると患者に苦痛を与えかねない。
更に、吸引中には吸引カテーテル内が高粘性物質で閉塞されるおそれもある。
従来、水分と同時に高粘性物質を吸引することによって、気道の閉塞を防止するようにした吸引カテーテルが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、手術後にその創部から滲出する血液や体液の排出を行うドレーンチューブとして、「体内留置部が2つの内腔を持っており、各内腔の外壁面に一部、肉厚の薄肉部があり、該薄肉部に1つチューブの長手方向に切れ目が設け」られたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2009/014026号 特開平11−123238号公報
特許文献1に記載の技術によれば、水と同時に高粘性物質を吸引することで閉塞を抑制できる。しかし、気管内チューブの中に水を供給する管を設けるために吸引部の断面積が減り、低粘性物質を吸引する際の吸引量が減少することとなる。
また、特許文献2の技術は、チューブを創部に留置して血液や体液を吸引する外科用医療用具であり、気管内吸引を行う吸引チューブとは適用分野が異なり、吸引時の挙動も異なる。仮に、特許文献2のようなチューブを気管内吸引の吸引チューブとして利用した場合、その先端部が切れているため、気管内に挿入する時に切れ目が開いて挿入の妨げとなるおそれがあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、高粘性物質の吸引によっても閉塞しにくい吸引カテーテルを提供することを目的としている。
本発明に係る吸引カテーテルは、吸引口を有する内腔を備え、吸引口を有する内腔の外壁に、吸引口側の先端から所定距離を置いた位置から開始して長手方向に形成された切れ目を備えたものである。
本発明に係る吸引カテーテルにおいて、切れ目は、吸引カテーテルの周方向にずらした位置に複数設けられたものである。
本発明に係る吸引カテーテルにおいて、切れ目は、吸引カテーテルの長手方向にずらした位置に複数設けられたものである。
本発明に係る吸引カテーテルにおいて、切れ目は、破線状に形成されたものである。
本発明に係る吸引カテーテルは、吸引口を有する内腔の内側に、一端側から液体が供給される内管を備えたものである。
本発明に係る吸引カテーテルは、複数の内腔を有し、複数の内腔のうち少なくとも一つが、吸引口を有する内腔となっているものである。
本発明に係る吸引カテーテルによれば、吸引口側の先端から所定距離を置いた位置から開始して長手方向に形成された切れ目を備えたので、空気と一緒に高粘性物質を吸引することができる。このため、高粘性物質によって吸引通路が閉塞されるのを抑制することができる。
また、切れ目を吸引カテーテルの周方向にずらした位置に複数設けたので、切れ目1つ当たりの長さを短くしても吸引時に切れ目全体で吸い込む空気の量を確保することができる。
また、切れ目を周方向にずらした位置に複数設けたので、吸引カテーテルの内壁と高粘性物質との空隙を大きくすることができる。このため、高粘性物質による吸引カテーテルの閉塞を更に抑制することができる。
また、切れ目を、破線状に形成したので、吸引中に吸引カテーテル自体がねじれたりつぶれたりしても切れ目が大きく開口しすぎることはなく、高い吸引性能を維持することができる。
本発明に係る吸引カテーテルによれば、水等の液体と一緒に高粘性物質を吸引するので、上記した切れ目による吸引カテーテルの閉塞抑制効果に加え、更に吸引カテーテルの閉塞を抑制することができる。
本発明に係る吸引カテーテルによれば、複数の内腔を有し、複数の内腔のうち少なくとも一つが、吸引口を有する内腔となっている。このため、空気と一緒に高粘性物質を吸引することができ、高粘性物質によって吸引通路が閉塞されるのを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る吸引カテーテルセットを説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る吸引カテーテルの吸引動作を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係る吸引カテーテルセットを説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2に係る吸引カテーテルセットを説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係る吸引カテーテルの吸引動作を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態3に係る吸引カテーテルを説明するための模式図である。 本発明の実施の形態4に係る吸引カテーテルを説明するための模式図である。 本発明の実施の形態4に係る吸引カテーテルの吸引動作を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態5に係る吸引カテーテルを説明するための模式図である。 本発明の実施の形態5に係る吸引カテーテルの吸引動作を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る吸引カテーテルセット100を説明するための模式図である。図1に基づいて、吸引カテーテルセット100の構成について説明する。図1(a)は、吸引カテーテルセット100の外観構成を一部断面で示す構成図、図1(b)は吸引カテーテル10の先端部分を拡大して示す断面図であり、図1(a)とは切断面の向きが異なる。この吸引カテーテルセット100は、高粘性物質を生体から吸引するために用いられるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
図1(a)に示すように、吸引カテーテルセット100は、吸引カテーテル10と、アダプター部20と、を有している。また、吸引カテーテルセット100には、陰圧発生器30が接続されている。
吸引カテーテル10は、例えば柔軟なポリ塩化ビニル(以下、単にPVCと称する)、エチレン酢酸ビニル共重合体、各種ゴムや軟質のポリウレタン樹脂で構成された管であり、その管内が吸引通路11となっている。吸引カテーテル10は、生体内等に存在する高粘性物質を吸引するための開口部である吸引口12を備えている。
吸引カテーテル10の吸引口12側の先端部10aの近傍の外壁には、吸引カテーテル10の長手方向に切れ目13が形成されている。切れ目13は、先端部10aから所定距離sを置いた位置から開始して、長さtとなるよう形成されている。
所定距離sは、先端部10aを生体内に挿入した際に切れ目13が先端部10aに向かって裂けてしまわない程度の長さであり、吸引カテーテル10の材質、外壁の厚み等に応じて適宜定める。例えば、気管内吸引に一般的に用いられるPVC製の吸引カテーテルであれば、1〜6mm程度が望ましい。
切れ目13の長さtは、陰圧がかけられていない状態で自然には開口しない程度の長さであって、吸引カテーテル10の材質、外壁の厚み、及び外径に応じて適宜定める。例えば、気管内吸引に一般的に用いられるPVC製の吸引カテーテルであれば、切れ目13の長さtは最大で150mm程度とし、望ましくは、100mm程度である。切れ目13の長さtを長くしすぎると、吸引口12における吸引力が低下するためである。
アダプター部20は、吸引カテーテル10を、接続チューブ31を介して陰圧発生器30に接続するものである。アダプター部20は内腔を有しており、その内腔において吸引カテーテル10と接続チューブ31とを連通させる。なお、アダプター部20の構成材料を特に限定するものではないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ABS等の樹脂やゴム等の材料で構成するとよい。このような材料を用いれば、アダプター部20を一体的に成形できることになる。
陰圧発生器30は、吸引通路11に陰圧を発生させるものである。この陰圧発生器30は、コンプレッサー等の陰圧発生源及び容器等の吸引物貯留部を有しているのが一般的である。
接続チューブ31は、例えば柔軟なポリ塩化ビニル(以下、単にPVCと称する)製のチューブである。
なお、実施の形態1において、陰圧発生器30及び接続チューブ31を便宜的に説明しているが、吸引カテーテルセット100の必須な構成要素ではない。
図2は、吸引カテーテルセット100の吸引動作を説明するための模式図である。図2に基づいて、吸引カテーテルセット100の吸引動作の基本原理を説明する。図2(a)は高粘性物質1を吸引していない状態を、図2(b)は高粘性物質1を吸引している状態を、高粘性物質1とともに示している。
まず、陰圧発生器30(図2には図示せず)を駆動させると吸引通路11内に陰圧が発生する。
図2(a)に示すように、吸引カテーテル10の先端部10aが開放された状態(高粘性物質1が先端部10aに張り付いていない状態)においては、切れ目13は閉鎖されている。
図2(b)に示すように、吸引カテーテル10の先端部10aに高粘性物質1が張り付いた状態においては、切れ目13は僅かに開口し、吸引通路11内の陰圧によりその開口部分から空気xが吸い込まれる。このため、切れ目13から吸い込まれた空気xにより吸引カテーテル10の内壁と高粘性物質1との間に隙間yができ、吸引カテーテル10の内壁と高粘性物質1との摩擦を著しく減少させることができる。
また、切れ目13の長さtは100mm程度であるので、吸引口12における吸引力の低下は最小限に抑えることができる。
このように、吸引カテーテルセット100は、高粘性物質1と一緒に、吸引カテーテル10の先端部10aから所定距離sを置いて設けた切れ目13から空気を吸い込む。このため、高粘性物質1によって吸引通路11が閉塞されるのを抑制でき、高粘性物質1を生体内等から容易に吸引除去することが可能となる。
また、切れ目13は吸引カテーテル10の先端部10aから所定距離sを置いて設けたので、先端部10aを患者の気道に挿入または抜去する際には、切れ目13は閉鎖されており、切れ目13の断面により例えば患者の気道粘膜等を傷つけることもない。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る吸引カテーテルセット200を説明するための模式図である。図4は、吸引カテーテルセット200の構成要素の1つである吸引カテーテル40の先端部分を拡大して示す断面図である。図3、図4に基づいて、吸引カテーテルセット200の構成について説明する。この吸引カテーテルセット200も、実施の形態1に係る吸引カテーテルセット100と同様に、高粘性物質を生体内等から吸引するために用いられるものである。なお、実施の形態2では、前述の実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には同一符号を付している。
図3(a)に示すように、吸引カテーテルセット200は、吸引カテーテル40と、アダプター部50と、を備え、アダプター部50には、流れ確認装置55と、液体貯留部57が接続されている。
図4に示すように、吸引カテーテル40は、外管41と、内管42と、で構成されている。外管41は、その内腔が吸引通路となっており、高粘性物質を通過させるものである。内管42は、外管41の内腔に配設されており、水等の液体を通過させるものである。つまり、吸引カテーテル40は、外管41及び内管42によって二重管構造となっている。これにより、外管41の内壁と内管42の外壁との間に吸引通路43が形成されることになる。
吸引カテーテル40は、内管42を外管41と同心状に配設して構成されている。ただし、外管41と内管42は必ずしも同心状である必要はない。
外管41と内管42は、例えば柔軟なポリ塩化ビニル(以下、単にPVCと称する)、各種ゴムや軟質のポリウレタン樹脂で構成された管である。なお、外管41及び内管42の構成材料が同じである必要はない。
内管42は、その先端(アダプター部50側の端部とは反対側の端部。以下、内管先端部42aと称する)が、外管41の先端(アダプター部50側の端部とは反対側の端部。以下、外管先端部41aと称する)とほぼ位置が揃うようにして設けられている。このようにすることで、外管41の先端に高粘性物質1にが張り付いた際、陰圧が内管42に作用し、内管42から液体が吸引されることになる。
たとえば、内管先端部42aの位置を、外管先端部41aの位置と揃えたり、外管先端部41aの位置よりも外側にしたりしても、内管42が可撓性を有していれば、外管41の先端に高粘性物質1が張り付いた際、その高粘性物質1によって内管42が撓むことになり、外管にかけられた陰圧が内管42に作用することになる。また、内管先端部42aの位置を、外管先端部41aの位置よりも若干アダプター部50側にしても、外管11の先端に高粘性物質1が張り付いた際、外管にかけられた陰圧が内管42に作用することになる。このようにすることで、外管41の先端に高粘性物質1が張り付いた際、陰圧が内管42に作用し、内管42から液体が吸引されることになる。なお、外管先端部41a及び内管先端部42aは、開口されている。
また、外管先端部41aの吸引口45の近傍の外壁には、外管41の長手方向に切れ目44が形成されている。切れ目44は、外管先端部41aから所定距離sを置いた位置から開始して、長さtとなるよう形成されている。所定距離sと長さtは、前述の実施の形態1と同様にして定める。
図3(b)に示すように、アダプター部50は、内腔を有し、一方が二股に分岐して構成されている。つまり、アダプター部50には、それぞれ内腔に連通する開口部51、吸引ポート52、及び、液体供給ポート53が形成されている。
開口部51は、吸引カテーテル40(詳細には外管41)と接続するようになっている。
吸引ポート52は、開口部51を介して外管41(詳細には吸引通路43)と接続するようになっている。
液体供給ポート53は、開口部51を挿通している内管42と接続するようになっている。
つまり、外管41は、開口部51を介して吸引ポート52と連通し、内管42は、液体供給ポート53と連通するようになっている。
吸引ポート52は、接続チューブ31を介して陰圧発生器30と接続されている。
液体供給ポート53には、流れ確認装置55を介して液体貯留部57が接続されている。すなわち、アダプター部50には、開口部51を介して吸引カテーテル40と、吸引ポート52を介して陰圧発生器30と、液体供給ポート53を介して液体貯留部57と接続されている。
液体貯留部57は、例えば水等の粘性の低い液体を貯留する容器であり、例えば各種ゴムやポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料等(以下、軟質材料と称する)で形成されている。そうすれば、内管42に陰圧が作用した際に、素早く応答することが可能になる。したがって、内管42に予め液体を貯留しておかなくても、内管42に陰圧が作用した際に液体貯留部57から内管42を介して液体が吸引されることになる。また、軟質材料で液体貯留部57を形成すれば、安価に液体貯留部57を形成することが可能になる。液体貯留部57の貯留容量は、吸引カテーテルセット100の使用の仕方に応じて容量を変更可能にしておくとよい。
液体貯留部57に貯留する液体は、例えば水等の低粘性の液体であればよい。そのようなものとしては、例えば超純水や純水(蒸留水、イオン交換水)、生理食塩水等の他の低粘性の液体等を利用することができる。
上述したように、高粘性物質1の吸引に使用される液体は少量でよいので、液体貯留部57の容量も少なくすることができる。これによって、吸引カテーテルセット200全体をコンパクトに設計することが可能になる。また、液体貯留部57をアダプター部20に直接的に接続しているので、接続チューブ等を設ける必要がなく、更にコンパクトに設計することができる。ただし、液体貯留部57は、吸引カテーテルセット100の使用の仕方に応じて容量を変更可能にしておくとよい。
流れ確認装置55は、液体貯留部57から供給される液体の流れる位置(たとえば、開口部51と液体貯留部57との間のいずれかの位置、好ましくは液体供給ポート53)に取り付けられるものであり、液体貯留部57から供給される液体の流れを視覚的に確認できるものである。流れ確認装置55の種類を特に限定するものではないが、例えば内部に羽根車やボールが組み込まれていてこの内部を液体が通過可能となっているようなフローサイト(サイトグラス)を用いることができる。また、流れ確認装置55のサイズを特に限定するものではないが、手技の邪魔にならないよう可能な限り小さい方が好ましい。それは、流れ確認装置55のサイズを小さいものとしても、吸引される液体は少量であるため十分に確認することができるからである。
なお、実施の形態2において、陰圧発生器30を便宜的に説明しているが、吸引カテーテルセット200として必須な構成ではない。
図5は、吸引カテーテルセット200の吸引動作を説明するための模式図であり、吸引カテーテル40の先端部近傍の断面模式図を示している。図5に基づいて、吸引カテーテルセット200の吸引動作の基本原理について説明する。図5(a)は高粘性物質1を吸引していない状態を、図5(b)は高粘性物質1を吸引している状態を、高粘性物質1とともに示している。
図5に示すように、内管42には液体供給ポート53を介して液体貯留部57から水等の液体が供給されている。また、吸引通路43には陰圧発生器30によって吸引ポート52を介して陰圧が作用している。
図5(a)に示すように、外管先端部41aが開放されている状態(高粘性物質1が外管先端部41aに張り付いていない状態)においては、吸引通路43には空気が吸引されるだけで、内管42の液体は、内管42内に留まったままである。つまり、吸引通路43内に作用している陰圧が内管42には作用していないのである。したがって、内管42に供給されている液体は、ほとんど吸引されることがなく、無駄に消費されることがない。
図5(b)に示すように、外管先端部41aに高粘性物質1が張り付いた状態においては、内管42の液体は、高粘性物質1と一緒に吸引通路43に吸引されることになる。つまり、外管先端部41aに高粘性物質1が張り付くと、吸引通路43内の陰圧が内管42にも作用し、内管42内の液体が吸引されることになるのである。このとき、内管42から吸引された液体は、内管42の外壁に沿って高粘性物質1と一緒に吸引される。そうすると、内管42の外壁に対する高粘性物質1の接触抵抗は、液体がない場合に比べて著しく減少する。また、内管42は流れ確認装置55を介して液体貯留部57に接続されているため、内管42に陰圧が作用して液体貯留部57に貯留された液体が吸引されると、その液体の流れを流れ確認装置55で確認することができる。
更に、吸引通路43内の陰圧により、切れ目44が僅かに開口してその開口部分から空気xが吸い込まれる。このため、切れ目44から吸い込まれた空気xにより外管41の内壁と高粘性物質1との間に隙間yができ、外管41の内壁と高粘性物質1との摩擦を著しく減少させることができる。
このように、二重管構造の吸引カテーテル40を有する吸引カテーテルセット200は、高粘性物質1と一緒に、外管41の外管先端部41aから所定距離sを置いて設けた切れ目44から空気を吸い込む。このため、前述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
更に、吸引カテーテルセット200は、水等の液体と一緒に高粘性物質1を吸引するようになっているので、高粘性物質1によって吸引通路43が閉塞されることなく、高粘性物質1を容易に吸引除去することが可能になる。また、吸引カテーテルセット200は、外管先端部41aが高粘性物質1によって塞がれた際に液体が吸引されるようになっているので、液体の量が少なくてよい。更に、吸引カテーテルセット200によれば、高粘性物質1の吸引に使用される液体は少量でよいので、内管42の径を可能な限り小さくすることが可能になる。内管42の径を小さくすればするほど、吸引通路43の断面積が増加することになるので、高粘性物質1の吸引効率が向上することになる。
また、吸引カテーテルセット200では、高粘性物質を吸引する際に要する陰圧力を従来に比べて低下させることができるので、市販されているような安価な装置を陰圧発生器30として使用することができる。
また、吸引カテーテルセット200は、流れ確認装置55を取り付けることによって、液体貯留部57とアダプター部50との間に液体が流れていることが視覚的に確認できることになる。液体の吸引状態を術者が目視で確認することができるので、液体を吸引していない場合に迅速に対応することができる。よって、使い勝手が更に向上することになり、治療時間を短くすることが可能になる。つまり、吸引カテーテルセット200によれば、術者の経験に依存することなく、患者に対して治療を施すことができる。
なお、液体貯留部57は、軟質材料で形成されているため、液体貯留部57に何らかの力が作用すると、貯留されている液体が内管42から飛び出ることになる。このような事態を未然に防止するために、液体貯留部57の少なくとも一部を軟質材料よりも硬度のある材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂やガラス、木材、金属等(以下、硬質材料と称する)の容器で覆うとよい。そうすれば、液体貯留部57から不用意に液体が供給されることがない。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係る吸引カテーテル60を説明するための模式図であり、図3(a)は吸引カテーテル60の先端部付近の縦断面模式図、図3(b)は図3(a)のA−A断面模式図である。この吸引カテーテル60は、高粘性物質を生体内等から吸引するために用いられるもので、いわゆる並列管腔構造の吸引カテーテルである。
図6(a)に示すように、吸引カテーテル60は、例えば柔軟なポリ塩化ビニル(以下、単にPVCと称する)、各種ゴムや軟質のポリウレタン樹脂で構成された管である。吸引カテーテル60には、その内部を二分する隔壁61が形成されており、この隔壁61により、吸引通路62、液体供給通路63という2つの内腔が形成されている。吸引カテーテル60は、吸引通路62に対応して、生体内等に存在する高粘性物質を吸引するための開口部である吸込口64を備えている。吸引通路62の吸込口64の他端側には、陰圧発生器(図6には図示せず)が接続される。また、液体供給通路63の先端部63aの他端側には、水や薬液等の液体が貯留された液体貯留部が接続される。
吸引カテーテル60の吸込口64の先端部62aの近傍であって、吸引通路62の外壁には、吸引カテーテル60の長手方向に切れ目66が形成されている。切れ目66は、先端部62aから所定距離sを置いた位置から開始して、長さtとなるよう形成されている。所定距離sと長さtは、前述の実施の形態1と同様にして定める。
吸引する際には、吸引カテーテル60に接続した陰圧発生器(図6には図示せず)により吸引通路62内に陰圧を発生させる。そして、先端部62aに高粘性物質が張り付いた状態となると、切れ目66は僅かに開口し、吸引通路62内の陰圧によりその開口部分から空気xが吸い込まれる。このため、前述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態3では、2つの内腔の一方が吸引通路で他方が液体供給通路である吸引カテーテルを例に説明したが、2つの内腔がともに吸引通路である吸引カテーテルに本発明を適用することもできる。この場合は、吸引通路の外壁に切れ目を設ける。このようにすることで、本実施の形態3と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態3では2つの内腔を備えた吸引カテーテルを例に説明したが、内腔の数はこれに限定されるものではない。
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4に係る吸引カテーテル70を説明するための模式図であり、吸引カテーテル70の先端部分の外観を拡大して示している。本実施の形態4に係る吸引カテーテル70はその切れ目の形状に特徴を有しており、前述の実施の形態1と同様に高粘度物質を吸引する際に用いられるものである。なお、本実施の形態4では、前述の実施の形態1に係る吸引カテーテル10と同様に単管構造の吸引カテーテルを例に説明する。
図7に示すように、吸引カテーテル70は、例えば柔軟なポリ塩化ビニル(以下、単にPVCと称する)、各種ゴムや軟質のポリウレタン樹脂で構成された管であり、その管内が吸引通路71となっている。吸引カテーテル70は、生体内等に存在する高粘性物質を吸引するための開口部である吸込口72を備えている。
吸引カテーテル70の吸込口72の先端部70aの近傍の外壁には、吸引カテーテル70の長手方向に切れ目部73が形成されている。切れ目部73は、複数の切れ目73aで構成されている。先端部70aに最も近い切れ目73aは、先端部70aから所定距離sを置いた位置から開始して、長さuとなるように形成されている。そして、同じく長さuの切れ目73aが、吸引カテーテル70の周方向及び長手方向に位置をずらして形成されている。
所定距離sは前述の実施の形態1と同様にして定める。また、切れ目73aの長さuは、例えば、10mm程度が好ましい。
図8は、吸引カテーテル70の吸引動作を説明するための断面模式図であり、高粘性物質1を吸引している状態を示している。
図8に示すように、吸引カテーテル70の先端部70aに高粘性物質1が張り付いた状態になると、切れ目73aは僅かに開口し、吸引通路71内の陰圧によりその開口部分から空気xが吸い込まれる。このため、切れ目部73から吸い込まれた空気xにより吸引カテーテル70の内壁と高粘性物質1との間に隙間yができ、吸引カテーテル70の内壁と高粘性物質1との摩擦を著しく減少させることができる。
また、切れ目73aは、その長さが10mm程度と短い。このため、例えば吸引中に吸引カテーテル60がねじれたりつぶれたりして切れ目73aが大きく開口した場合でも、切れ目73aは容易に復元することができる。したがって、吸引カテーテル70自体による吸引通路の閉塞を回避でき、高い吸引性能を維持することができる。また、切れ目73aを長手方向に位置をずらして複数設けたので、切れ目73aの長さが短くとも吸引時に切れ目部73全体で吸い込む空気の量を確保することができる。
また、切れ目73aは、吸引カテーテル70の周方向に位置をずらして形成したため、吸引カテーテル70の内壁と高粘性物質1との間に周方向の複数の位置に隙間yができ、吸引カテーテル70の内壁と高粘性物質1との空隙を大きくすることができる。したがって、高粘性物質1による閉塞を更に抑制することができる。
なお、本実施の形態4では、複数の切れ目73aはすべて同じ長さであるものとして説明したが、異なる長さとしてもよい。また、切れ目73aを破線状に形成することもできる。また、図8では、複数の切れ目73aは、長手方向及び周方向の位置が互いに重複しないように記載したが、長手方向と周方向の位置のいずれか又は両方が互いに重複してもよい。
また、本実施の形態4では、単管構造の吸引カテーテルを例に説明したが、実施の形態2に係る吸引カテーテル40のような二重管構造のカテーテルの外管に、切れ目部73を適用することも可能であり、同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5に係る吸引カテーテル80を説明するための模式図であり、吸引カテーテル80の先端部分外観を拡大して示している。本実施の形態5に係る吸引カテーテル80はその切れ目の形状に特徴を有しており、前述の実施の形態1と同様に高粘度物質を吸引する際に用いられるものである。なお、本実施の形態5では、前述の実施の形態1に係る吸引カテーテル10と同様に単管構造の吸引カテーテルを例に説明する。
図9に示すように、吸引カテーテル80は、例えば柔軟なポリ塩化ビニル(以下、単にPVCと称する)、各種ゴムや軟質のポリウレタン樹脂で構成された管であり、その管内が吸引通路81となっている。吸引カテーテル80は、生体内等に存在する高粘性物質を吸引するための開口部である吸込口82を備えている。
吸引カテーテル80の吸込口82の先端部80aの近傍の外壁には、吸引カテーテル80の長手方向に切れ目部83が形成されている。切れ目部83は、複数の微小な切れ目83aで構成されている。先端部80aに最も近い切れ目83aは、先端部80aから所定距離sを置いた位置から開始して、長さvとなるように形成されている。そして、同じく長さvの切れ目83aが連続して形成され、切れ目部83全体としては長さwとなるよう形成されている。すなわち、実施の形態1に係る切れ目13が、破線状に形成されているといえる。
所定距離sは、数mm程度、例えば、5〜6mm程度が望ましい。また、切れ目83aの長さvは、例えば、1〜3mm程度とすることができる。あるいは、切れ目83aの長さvを例えば0.1mm程度として、切れ目83aを孔状に形成してもよい。切れ目部83全体の長さwは、100mm程度が好ましく、最大で150mm程度とすることが望ましい。
図10は、吸引カテーテル80の吸引動作を説明するための断面模式図であり、高粘性物質1を吸引している状態を示している。
図10に示すように、吸引カテーテル80の先端部80aに高粘性物質1が張り付いた状態になると、切れ目83aは僅かに開口し、吸引通路81内の陰圧によりその開口部分から空気xが吸い込まれる。このため、切れ目部83から吸い込まれた空気xにより吸引カテーテル80の内壁と高粘性物質1との間に隙間yができ、吸引カテーテル80の内壁と高粘性物質1との摩擦を著しく減少させることができる。
また、切れ目83aは、その長さが短いため、例えば吸引中に吸引カテーテル80がねじれたりつぶれたりして切れ目83aが大きく開口しすぎることはなく、高い吸引性能を維持することができる。
なお、本実施の形態5では、単管構造の吸引カテーテルを例に説明したが、実施の形態2に係る吸引カテーテル40のような二重管構造のカテーテルの外管に、切れ目部83を適用することも可能であり、同様の効果を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、この実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1は、前述の実施の形態1で説明した単管構造の吸引カテーテルに切れ目を設けた構成である。実施例1及び比較例で用いたサンプルは表1の通りである。
Figure 2011062288
陰圧発生器としては、瑞穂医科工業株式会社製の吸引器(MSP−205D)を使用した。そして、陰圧22kPa、陰圧時間60秒として比較実験を行った。高粘性物質の一例としての疑似痰としては、アルギン酸ナトリウム水溶液(アルギン酸ナトリウム3重量%配合)を用いた。条件を揃えるため、比較例1と実施例1ともに、アダプター部に接続された吸引カテーテルの露出長さを350mmとしている。
実験では、容器に入れられた疑似痰に吸引カテーテルの先端部分を浸し、陰圧発生器を駆動させて吸引カテーテル内腔に陰圧を発生させて疑似痰を吸引した。
(1)比較例1(サンプルNo.1)
単管構造の吸引カテーテル(材質がPVC、外径4.00mm、内径2.70mmのチューブ)を比較例1として使用した。この吸引カテーテルの吸引部断面積は、5.72mm2 である。
この場合、吸引カテーテルは閉塞した(×)。
(2)実施例1(サンプルNo.2)
単管構造の吸引カテーテル(材質がPVC、外径4.00mm、内径2.70mmのチューブ)を用いた。更に、吸引カテーテルには、先端から1mmの距離を置いた位置から開始して、長さ100mmの切れ目を設けた。
この場合、吸引カテーテルは閉塞しなかった(○)。
表1に示した実験結果から以下のことが明らかになった。
(1)比較例1の単管構造の吸引カテーテルでは、疑似痰により閉塞してしまう。
(2)実施例1の単管構造の吸引カテーテルでは、疑似痰により閉塞することはなかった。
このように、比較例1の吸引カテーテルは閉塞したため、例えば洗浄等して閉塞を解消しない限り再び使用することはできないが、実施例1の吸引カテーテルは継続して使用することも可能であることが示唆される。
[実施例2、実施例3]
実施例2、実施例3は、前述の実施の形態2で説明した二重管構造の吸引カテーテルに切れ目を設けた構成である。実施例2、実施例3及び比較例で用いたサンプルは表2の通りである。
Figure 2011062288
陰圧発生器としては、瑞穂医科工業株式会社製の吸引器(MSP−205D)を使用した。そして、陰圧22kPa、陰圧時間60秒として比較実験を行った。高粘性物質の一例としての疑似痰としては、天ぷら粉と水を混ぜ合わせたものを用いた。条件を揃えるため、すべての実施例、比較例ともに、アダプター部に接続された吸引カテーテルの露出長さを350mmとしている。
実験では、容器に入れられた疑似痰に吸引カテーテルの先端部分を浸し、陰圧発生器を駆動させて吸引カテーテル内腔に陰圧を発生させて疑似痰を吸引した。
(1)比較例2(サンプルNo.3)
前述の表1で説明した比較例1と同様の単管構造の吸引カテーテル(材質がPVC、外径4.00mm、内径2.70mmのチューブ)である。
この場合、吸引カテーテルは閉塞した(×)。
(2)比較例3(サンプルNo.4)
二重管構造の吸引カテーテル(材質がいずれもPVC、外管が外径4.00mm、内径2.70mmのチューブ、内管が外径1.30mm、内径0.80mmのチューブ)を比較例2として使用した。この吸引カテーテルの吸引部断面積は、4.40mm2 である。前述の実施の形態2で説明したのと同様に、内管で水を供給し外管と内管との間に形成される吸引通路で高粘性物質を吸引するものであるが、切れ目は設けていない。
この場合、吸引カテーテルは閉塞しなかった(○)。目視で確認した状況としては、後述する実施例3よりも、吸引時の勢いが弱かった。
(3)実施例2(サンプルNo.5)
本発明に係る二重管構造の吸引カテーテル(材質がいずれもPVC、外管が外径4.00mm、内径2.70mmのチューブ、内管が外径1.30mm、内径0.80mmのチューブ)を実施例として使用した。この吸引カテーテルの吸引部断面積は、4.40mm2 である。ただし、この実施例2は二重管構造の吸引カテーテルであるが、水を使用せず(液体貯留部から内管に液体を供給せず)に吸引を行った。
この場合、吸引カテーテルは閉塞しなかった(○)。
(4)実施例3(サンプルNo.6)
本発明に係る二重管構造の吸引カテーテル(材質がいずれもPVC、外管が外径4.00mm、内径2.70mmのチューブ、内管が外径1.30mm、内径0.80mmのチューブ)を実施例として使用した。この吸引カテーテルの吸引部断面積は、4.40mm2 である。実施例2とは異なり、液体貯留部から内管に水を供給して吸引を行った。
この場合、吸引カテーテルは閉塞しなかった(◎)。状況としては、比較例2、及び実施例2よりも吸引の勢いがよかった。
表2に示した実験結果から以下のことが明らかになった。
(1)比較例2の単管構造の吸引カテーテルでは、疑似痰により閉塞してしまう。
(2)比較例3の二重管構造の吸引カテーテルでは、疑似痰による閉塞はなかった。
(3)実施例2の切れ目を設けた二重管構造の吸引カテーテルは、水を使用しなくても疑似痰による閉塞はなかった。すなわち、切れ目を設けたことにより閉塞が回避されたことが示唆されている。閉塞の回避に関しては、切れ目を設けたことにより、水を使用しなくても水を使用した場合と同等の性能を得ることができるといえる。
(4)実施例3の切れ目を設けた二重管構造の吸引カテーテルは、閉塞がなく、吸引の勢いもよかった。切れ目を設け、かつ、水を使用することで、閉塞の回避と、迅速な吸引という効果を得られることが示唆されている。
以上のように、本発明の実施の形態に係る吸引カテーテルによれば、吸引口側の先端から所定距離を置いた位置から開始して長手方向に形成された切れ目を備えた。このため、吸引時に僅かに開口する切れ目から吸い込んだ空気と一緒に高粘性物質を吸引することができるので、高粘性物質によって吸引通路が閉塞されるのを抑制し、高粘性物質を生体内等から容易に除去することができる。
また、本発明の実施の形態に係る二重管構造の吸引カテーテルによれば、水等の液体と一緒に高粘性物質を吸引するので、上記した切れ目による吸引カテーテルの閉塞防止効果に加え、更に吸引カテーテルの閉塞を抑制することができる(表2参照)。
また、本発明の実施の形態に係る並列管腔構造の吸引カテーテルによれば、吸引時に僅かに開口する切れ目から吸い込んだ空気と一緒に高粘性物質を吸引することができるので、高粘性物質によって吸引通路が閉塞されるのを抑制し、高粘性物質を生体内等から容易に除去することができる。
このように、本発明の実施の形態に係る吸引カテーテルによれば、高粘性物質によって吸引通路が閉塞されるのを抑制できるので、吸引通路の閉塞によって吸引時間が長引くのを回避できる。すなわち、適切な吸引時間で吸引することが可能となる。また、適切な吸引時間で吸引できるため、吸引時間を短縮するために吸引圧を高くする必要もなく、適切な吸引圧で吸引を行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る吸引カテーテルによれば、前記切れ目を、吸引カテーテルの長手方向にずらした位置に複数設けたので、切れ目1つ当たりの長さを短くしても吸引時に切れ目全体で吸い込む空気の量を確保することができる。
また、本発明の実施の形態に係る吸引カテーテルによれば、前記切れ目を、吸引カテーテルの周方向にずらした位置に複数設けたので、吸引カテーテルの内壁と高粘性物質との空隙を大きくすることができる。このため、高粘性物質による吸引カテーテルの閉塞を更に抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る吸引カテーテルによれば、前記切れ目を、破線状に形成したので、吸引中に吸引カテーテル自体がねじれたりつぶれたりしても切れ目が大きく開口しすぎることはなく、高い吸引性能を維持することができる。
1 高粘性物質、10 吸引カテーテル、10a 先端部、11 吸引通路、12 吸引口、13 切れ目、20 アダプター部、30 陰圧発生器、31 接続チューブ、40 吸引カテーテル、41 外管、41a 外管先端部、42 内管、42a 内管先端部、43 吸引通路、44 切れ目、45 吸引口、50 アダプター部、51 開口部、52 吸引ポート、53 液体供給ポート、55 流れ確認装置、57 液体貯留部、60 吸引カテーテル、61 隔壁、62 吸引通路、62a 先端部、63 液体供給通路、63a 先端部、64 吸込口、66 切れ目、70 吸引カテーテル、70a 先端部、71 吸引通路、72 吸込口、73 切れ目部、73a 切れ目、80 吸引カテーテル、80a 先端部、81 吸引通路、82 吸込口、83 切れ目部、83a 切れ目、100 吸引カテーテルセット、200 吸引カテーテルセット、s 吸引カテーテルの先端から切れ目の開始位置までの所定距離、t 切れ目の長さ、u 切れ目の長さ、v 切れ目の長さ、w 切れ目部全体の長さ、x 空気、y 隙間。

Claims (6)

  1. 吸引口を有する内腔を備えた吸引カテーテルにおいて、
    前記吸引口を有する内腔の外壁に、前記吸引口側の先端から所定距離を置いた位置から開始して長手方向に形成された切れ目を備えた
    ことを特徴とする吸引カテーテル。
  2. 前記切れ目は、前記吸引カテーテルの周方向にずらした位置に複数設けられた
    ことを特徴とする請求項1記載の吸引カテーテル。
  3. 前記切れ目は、前記吸引カテーテルの長手方向にずらした位置に複数設けられた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の吸引カテーテル。
  4. 前記切れ目は、破線状に形成された
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか記載の吸引カテーテル。
  5. 前記吸引口を有する内腔の内側に、一端側から液体が供給される内管を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載の吸引カテーテル。
  6. 複数の内腔を有し、
    前記複数の内腔のうち少なくとも一つが、前記吸引口を有する内腔である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載の吸引カテーテル。
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