JP2005287670A - 血管内留置カテーテル - Google Patents

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恒久 松尾
Takeshi Kunimoto
健 國本
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Abstract

【課題】 カテーテル使用時以外に芯材によってカテーテルチューブの内腔部を閉塞させ血栓の発生を防止する形態の血管内留置カテーテルにおいて、内腔部表面と芯材表面との間の摩擦抵抗を減らし、例えば長期留置型の長尺でJ形カーブ状のチューブを伴う形態のカテーテル等でも、脱着に苦労がなく操作性を改善し、かつ血栓の発生を防止する。
【解決手段】 カテーテル本体1の連結ハブ11と芯材2の連結部22とが嵌着された際芯材2の軸部21の先端部をカテーテルチューブ10の先端部とほぼ同じ位置に設定し、連結部22から先端側へと伸びる軸部21の外径寸法をカテーテルの内腔部内径寸法より小さく、また芯材2の先端部に形成させた膨大部20を内腔部の内径寸法と同じか僅かに大径寸法とし、かつ膨大部20によって血液浄化過程で脱血口として機能するカテーテルチューブ10の先端周囲に複数設けられた側孔14を閉塞させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、透析,輸血,輸液,投薬などに用いる目的で血管内に留置されるカテーテルに関するもので、詳しくはカテーテルを血管内に留置状態において血栓形成を防止するための栓塞子を伴うタイプのカテーテルにおいて、特に2週間以上の長期留置をさせる用途において効果的でカテーテルに挿入される栓塞子周辺での血栓形成を防止するとともに、その栓塞子脱着操作が簡単な血管内留置カテーテルに関する。
たとえば、透析治療において脱血チューブと返血チューブとが別々に血管の2箇所から挿入され、あるいは脱血チューブと返血チューブとが一体に固定されハブによって2本のチューブがまとめられて挿入され、さらには脱血と返血の各流路が一本のチューブに形成させた隔壁を隔てて設けられた所謂ダブルルーメンタイプのチューブなどが用いられたりして、血液浄化が行われている。しかしながら、血管の2箇所から挿入されるものの場合、脱血,返血それぞれのチューブ挿入操作は楽であるが2箇所からのアプローチが必要な点で患者にとって負担が大きく、脱血,返血それぞれのチューブがハブによりまとめられたものでは大きな挿入口が必要であり操作においても2本のチューブを同時に送り込むという点で操作に熟練が必要である。また、ダブルルーメンタイプのチューブの場合には、血管の長さ方向の位置をずらした位置に脱血,返血それぞれの開口部が設けられられるという構造により段差が発生しその段差部付近に血栓が形成され易いという欠点がある。
ところで、カテーテルは留置期間の目安として一般に2週間を境として、短期留置型と長期留置型に大別される。長期留置型の場合、留置針の穿刺回数が頻繁であったり、また高血圧・高脂血によって血管の劣化損傷が激しい場合や、血管内の狭窄,閉塞を繰り返す患者、シャントを形成させても血流量確保が難しい場合、痴呆症などで透析中に抜針の心配のある患者、シャントが完全に成熟するまでの導入期の患者などに対して適用される。留置期間の最大は2年程度であるが、その最大の問題点として細菌,雑菌などへの感染があり、感染が起こってしまった場合にはカテーテルそのものを交換しなければならない。そのために、感染防止という観点から長期留置の場合には大腿部静脈からのルートを経ることはなく内頸静脈が選択されることとなり、かつ血管への挿入部分からできるだけ離すために内頸静脈から出た後も皮下トンネルが作られて、図7(b)中の破線部分のようにカテーテルは大きなJ形カーブ状に留置され右房から連結部が取り出されることになる。また短期留置型の場合、図7(a)のように一般には首の下あたりからカテーテルが導入されるが、例えば治療時以外の患者の行動確保や治療時のカテーテル操作の使い勝手への配慮から、長期留置型のようなJ形のカーブ状のカテーテルが採用される場合もある。
そして、このようなJ形のカーブ状のカテーテルが用いられる場合は特に、操作を簡単にすることと血液の殿みが起き難くするために、通常円形のシングルルーメンのような単純な構造のものが用いられており、これは感染防止を最大の問題としているからである。にもかかわらず、血栓発生に起因する脱血不良によってカテーテルの交換に至った場合、患者への負担はもちろんのこと医師への精神的ダメージも大きく、根本的な解決策がないのが現状であった。
一方、比較的簡単な構造によって血栓発生を防止するカテーテルとして、特開昭61−199867号において、カテーテル本体の内腔部に実質的に密着するようにかつ着脱可能に挿入された芯材が提案され、このカテーテルを使用する時以外にはその芯材によって、カテーテル本体の内腔部を閉塞させて血栓の発生を防止することが開示されている。
この発明によって、カテーテル本体の内腔部は物理的に完全に芯材が占めることとなるため、血栓の発生を比較的簡単な構成により防止するという目的から評価される。
特開昭61−199867号公報
しかしながら、上記特許文献1の血管内留置カテーテルの場合、芯材はカテーテル本体の内腔部に実質的に密着されていることから、実際にはカテーテル本体の内腔部の表面と芯材の表面との間には相当の摩擦抵抗がかかることとなり、操作性を向上させるためには芯材の径寸法をカテーテル本体の内腔部の径寸法より小さくせざるを得なくなり、結局は依然として血栓の発生をまねくおそれがあった。また、前述したようなJ形のカーブ状のチューブをともなう形態のカテーテルにおいて、操作性の点から脱着に苦労を強いられるため、実用性はまったく望めないものであった。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々鋭意検討した結果、カテーテルを血管内に留置した状態でカテーテル本体の流路に挿入され血栓形成を防止するための栓塞子を、カテーテル本体の長手方向に沿う長尺部分が形成されたカテーテルチューブの流路の内径寸法より小なる外形寸法の軸部をもつ芯材とすることにより、カテーテルチューブの内腔部の表面と芯材の表面との間にかかる摩擦抵抗を大幅に減らして操作性を向上させ、芯材の先端部分だけにカテーテルチューブの流路の内径寸法と同じかわずかに大きな径寸法の膨大部を形成させることで、カテーテルチューブの流路と芯材の先端部分との間に完全な閉塞状態をつくり出し、よってカテーテルチューブの流路に挿入される芯材をスムーズに操作できることを見出した。
すなわち、本発明血管内留置カテーテルは、内腔に流路が形成されたカテーテル本体とその流路内に挿入される芯材とからなる血管内留置カテーテルであって、カテーテル本体は流路が形成されたカテーテルチューブと基端側に連結ハブを有し、芯材はカテーテル本体の連結ハブに嵌合可能に形成された基端側の連結部と連結部から先端側に向かって形成された前記カテーテルチューブの流路の内径寸法より小なる外径寸法の軸部を有し、軸部は芯材がカテーテルの流路内に挿入セットされた際に軸部の最先端部分がカテーテルチューブの最先端部分よりわずかに内側の位置に収められるとともに、軸部の先端部に軸部の軸径寸法より大径のカテーテル本体の流路の内径寸法と同じかわずかに大きな径寸法となされた膨大部が形成されてなることを特徴とするものである。
またそこで、本発明血管内留置カテーテルは、カテーテルチューブの先端部分に側孔が形成されるとともに、前記芯材がカテーテルチューブの流路内に挿入セットされた際に、芯材の先端部に形成された膨大部が前記側孔を閉塞する位置関係に配設されてなるものである。
あるいはまた、本発明血管内留置カテーテルは、芯材にはその長手方向に貫通する流路が形成され、流路を経由して送られてくる流体の圧力により前記膨大部の最先端部に開放可能となされた弁機構が設けられてなるものである。
そしてまた、本発明血管内留置カテーテルは、芯材には連結部を貫通して軸部全体にわたって流路が形成され、その流路は前記膨大部の近傍まで形成されるとともに、軸部には流路の終点付近において流路から外側へと連通する側孔が形成されてなるものである。
本発明に係る血管内留置カテーテルは、内腔に流路が形成されたカテーテルチューブの流路内に挿入される芯材のほぼ全長を構成する軸部の外形寸法が、カテーテルチューブの流路の内径寸法より小さい径寸法となされていることから、芯材をカテーテルチューブの流路に挿入する際スムーズに操作でき、しかも芯材の先端部に軸部の軸径寸法より大径のカテーテルチューブの流路の内径寸法と同じかわずかに大きな径寸法となされた膨大部が形成されることで、カテーテルチューブの流路と芯材の先端部分との間に完全な閉塞状態をつくり出すことができ血栓の発生を防止できる。そして、芯材をカテーテルチューブの流路に挿入する際にスムーズに操作できることから、特に長期留置型の血管内留置カテーテル等のJ形のカーブ状を伴うアプローチの長いカテーテルにも積極的に適用可能となり、カテーテルチューブ内腔部表面と芯材表面との間にかかる摩擦抵抗が大幅に軽減されるため、脱着に際して苦労を強いられることがなくなるという効果が発揮される。
また、本発明に係る血管内留置カテーテルは、カテーテルチューブの先端部分に側孔が形成されるとともに、前記芯材がこのカテーテルの流路内に挿入セットされた際に芯材の軸部の先端部に形成された膨大部が前記側孔を閉塞するようになされるような位置関係に配設された場合には、芯材がカテーテルの流路内に挿入され所定位置にセットされた際、カテーテルチューブの内腔部から外側へ連通する側孔が完全に遮断されることによって、血液の滞留する場所がなくて血栓が発生する余地がなくなるという効果が得られる。
そして、本発明に係る血管内留置カテーテルは、カテーテルチューブの内腔の流路内に挿入される芯材の長手方向に貫通する流路が形成され、流路を経由して送られてくる流体の圧力により前記膨大部の最先端部に開放可能となされた弁機構が設けられた場合には、通常は血管内に対しカテーテルチューブの内腔内を完全に遮断しながらも、必要に応じて例えば治療のための薬液を注入するような使い方ができ、薬液注入専用の医療器具を使うこともなく、前記芯材を活用した操作性のよい治療がなされて効果をあげる。
さらに、本発明に係る血管内留置カテーテルは、芯材には連結部を貫通して軸部全体にわたって流路が形成され、その流路は前記膨大部の近傍まで形成されるとともに、軸部には流路の終点付近において流路から外側へと連通する側孔が形成された場合、カテーテルチューブの内腔の内壁面と芯材の軸部の外壁面との間に環状の内腔(つまり流路)が形成され、芯材の軸部に形成された流路からその環状の内腔(流路)へと芯材の流路の終点付近に形成された側孔を介して連通されていることから、その連通する流路を通して芯材の軸部の流路〜前記環状の内腔(流路)にヘパリン加生食液等を流しカテーテルチューブの内腔内壁面に残された残留血液までも洗い流せるため、血栓発生の原因となる残留物質を完全に除去できるという効果をあげることができる。
以下、本発明血管内留置カテーテルについて、添付図面に示す好適な実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る血管内留置カテーテルを構成する芯材の外観、図2は、その芯材がカテーテル本体の内腔内に挿入セットされた状態を表す組立時の断面図である。そして、図3は本発明に係る血管内留置カテーテルの他の実施形態例の、図4は本発明に係る血管内留置カテーテルのさらに別の実施形態例の、それぞれ芯材がカテーテルチューブに挿入セットされた状態における先端部の拡大断面図である。
また、図5は本発明に係る血管内留置カテーテルを血液透析用に適用し使用する場合の、透析時に使用される(a);脱血チューブの側面図、(b);返血チューブの側面図、および(c);(a),(b)を用いた、組立状態を示す組立時の組図,断面図である。さらに、図6は、本発明の図4の実施形態例において、カテーテルチューブに形成された流路内の洗浄状態での組立時の断面図、および各部の説明を示す拡大断面図である。
図1は、血液浄化に使用されるカテーテルが、血液浄化を行っていない時に血管内留置される際にその内腔に形成された流路内に挿入される芯材2を表しており、芯材2はそれがカテーテルチューブの流路内に挿入された際カテーテルの基端部に設けられた連結ハブ11に嵌合可能に形成された連結部22と、連結部22からカテーテルの先端側に向かい前記カテーテル本体の流路に沿う長尺部分が形成されたカテーテルチューブの流路の内径寸法よりも小なる外径寸法となされた軸部21とを有し、この芯材がカテーテルの流路内に挿入セットされた際、芯材の軸部の最先端部分がカテーテルチューブの最先端部分よりわずかに内側の位置に収められるとともに、芯材2の先端部には軸部21の軸径寸法より大径のカテーテルチューブ10の内径寸法と同じかわずかに大きな径寸法となされた膨大部20が形成されている。このように、カテーテル本体1のカテーテルチューブ10の内腔に形成された流路内に挿入される芯材2のほぼ全体部分を構成する軸部21の外形寸法が前記カテーテルチューブ10の流路の内径寸法よりも小となされていることによって、芯材2をカテーテルチューブ10の流路に挿入する際にスムーズに操作ができ、しかも芯材2の先端部に軸部21の軸径寸法より大径のカテーテルチューブ10の流路の内径寸法と同じかわずかに大きな径寸法となされた膨大部20が形成されていることにより、カテーテルチューブ10の流路16は芯材2の先端部分で血管内部との間に完全な閉塞状態をつくり出すことができて血栓の発生を防止できる。
なお、連結部22は一般にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリウレタン、その他ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂材料から、射出成型によって製作される。また、連結部22や後述する接続部13,33等はともに感染し易い部位であることから、使用する材料自体に抗菌処理がなされていたり、あるいはそれらの部位の表面が抗菌処理されているのが好ましい。
軸部21は、芯材2をカテーテルチューブの流路内に挿入させその先端まで押し進めるに十分な硬度と強度をもち、また長期留置型カテーテルにみられるような、Jカーブ等の屈曲状態で留置されていても安定した形状を保つことができる程度の柔軟さを合わせもつ材質が好適に用いられる。例えば、シリコーン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリイミド、ポリエステル、フッ素系樹脂〔例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサルオロプロピレン共重合体(FEP)〕が用いられる。
膨大部20は、カテーテルの内腔壁面を傷つけない程度までの硬さであればよく、またシリコーンやポリウレタンなどの柔軟性を備えた材料であるのが望ましい。その形状は、カテーテルの流路内に挿入される際に押し進め易いように先端が曲面となされているのがよく、全体として球形や本実施形態の例のようなフットボール形のものが好適である。
前記軸部21に対してその先端の膨大部20は、それぞれが別の成型品によって組み合わせられたものであってもよく、あるいは同種の樹脂で一体に成型されていてもよい。
また、この膨大部20は、カテーテルチューブの内腔壁面と密着状態で挿入されることから、カテーテルチューブの壁面に傷をつけないためにシリコンコーティングやフッ素樹脂による表面処理加工等の滑性処理がなされていても好適である。さらに、カテーテルの留置時には、膨大部20の先端は血管内の血液と常時接触していることから、カテーテルの表面等と同様に抗血栓性処理がなされ、血栓の発生を阻止するような仕上げが施されているのも好ましい。
図2は、図1の芯材2がカテーテルチューブ10の内腔に挿入セットされた状態を表す組立時の断面図で、このカテーテル本体1の基端側に前記芯材2の連結部22と嵌合可能に形成された連結ハブ11が設けられている。そして、カテーテル本体1の連結ハブ11と芯材2の連結部22とが嵌着された状態では、芯材2の軸部21の最先端の部分がカテーテルチューブ10の先端部分よりわずか内側の位置に収められることは前述したとおりであるが、さらに芯材2の先端部には膨大部20が形成されている。そして、その状態をより詳細に示したのが、図2中の拡大図である。すなわち、芯材2の先端部に形成された膨大部20は、カテーテルチューブ10の流路(内腔)16の内径寸法と同じかわずかに大きな径寸法となされていることから、カテーテルチューブ10の最先端部を完全に閉塞させ、しかもここにおいてさらに、カテーテルチューブ10の先端部分に形成された側孔14を膨大部20が閉塞するような位置関係に配設されているため、カテーテルチューブ10の最先端の開口孔15とともにこのカテーテル本体1から血管への連通経路が完全に遮断され、血栓の発生を防いでいるのである。なお、この側孔14は後述する図5の説明で述べるが、血液浄化過程で脱血口として機能するものであり、カテーテルチューブ10の先端において周囲に複数設けられ、急速な吸引力によりカテーテルチューブが血管壁にへばり付くのを防止するために設けられているものである。
なお、カテーテルチューブ10を構成する材料としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂が好適に用いられ、可撓性と引張強さを併せもたせて押出成形により成形される。また、本願血管内留置カテーテルのように長期にわたって血管中に留置させる用途から、血栓の発生を抑制させるためにカテーテルチューブの表面には抗血栓性処理が施されているのが好ましい。さらにまた、カテーテルチューブの内腔の表面には、前述した芯材2の膨大部20との間の摩擦抵抗を減らす目的で、シリコンコーティングやフッ素樹脂による表面処理加工等の滑性処理がなされていてもよい。
次に図3によって、本発明血管内留置カテーテルが適用された芯材2の他の実施形態例について説明する。図3は図2と同様に、芯材2がカテーテル本体1の内腔に挿入セットされた状態において、芯材2の軸部21の先端部がカテーテルチューブ10の最先端部分よりわずかに内側の位置に収まった状態を示した拡大図である。
この実施形態例では、芯材2の長手方向に貫通する流路24が軸部21の内腔に形成され、前記膨大部20の最先端部に流路24を経由して送られてくる流体の圧力により開放可能となされた弁機構23が設けられたものを表している。ここで、流路24を経由して送られてくる流体とは、例えば血液浄化治療時外に芯材2が挿入されたカテーテルチューブ10が血管内に留置された状態において、必要に応じて治療のための薬液を注入するといったような場合の薬液を指しており、本発明のような構成とすることにより、薬液注入のための専用の医療器具を使うことなく前記芯材を活用した操作性のよい治療がなされて医療操作の利便性が向上する。
ここで、弁機構23として図3の実施形態例では、芯材2の膨大部20の最先端部分にスリットを設けたものを表しているが、この場合膨大部20を構成する材質や最先端部分の肉厚寸法を送られてくる流体の圧力との関係で、スリットの形態や寸法が決定される。また、弁機構23の他の実施形態として、ゴム弾性を有するフィンが一方向にのみ開放されるような非可逆性の弁機構なども適用可能である。この場合、ゴム弾性を有するフィンの材料としては、ポリウレタン、シリコン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリアミドエラストマー、ポリイソプレンゴム、軟質塩化ビニル樹脂など、あるいはゴム弾性性を有する合成ゴム材料が用いられてもよく、柔軟性に優れかつ血管内の血圧に対しては耐圧性を維持する程度の硬度の樹脂が好適に使用される。そして、このゴム弾性を有するフィンは、芯材2の膨大部20の最先端部分の一部に組み込まれて一体的に二色成型等で形成されたり、あるいは膨大部20自体が同じ材料によって一体成型されてもよい。
さらに、図4によって、本発明血管内留置カテーテルが適用された芯材2の別の実施形態例について説明する。図4も図3と同様、芯材2の軸部21の最先端部分がカテーテルチューブ10の最先端部分よりわずかに内側の位置に収まった状態を表している。
この実施形態例では、芯材2の連結部22を貫通して軸部21全体にわたって流路24が形成され、その流路24は前述の膨大部20の近傍まで形成されるとともに、その流路24の終点付近において軸部21の流路24からその外側へと連通する側孔25が形成されている。本発明のような構成とすることにより、カテーテルチューブ10の内腔内壁面と芯材2の軸部21の外壁面との間に環状の流路16が形成され、この環状の流路16は側孔25を通じて芯材2の軸部21の流路24に連通されていて、互いに連通する流路を通してヘパリン加生食液等を流して、カテーテルチューブ10の内腔の内壁面に残された残留血液までも流せるため、血栓発生の原因となり得る残留物質を完全に除去できるようになっている。
その詳細については、図6によって本発明血管内留置カテーテルの一実施形態例の使用方法として後述するが、その前提としてまず、図5によってその血管内留置カテーテルの血液浄化(透析治療)時のカテーテルの構成について説明する。
図5において、この実施形態例の血管内留置カテーテルは、(a)脱血チューブ10の内腔(組み合わせ後流路36として脱血ルーメンを構成)に、(b)返血チューブ30を挿入してカテーテル本体1とカテーテル挿入体3とを組み合わせた状態で、(c)組図に表されるような構成として使用される。(c)の下段の図は、組み合わせ時の断面図で、血液浄化(透析治療)時のカテーテルの状態を表すものである。
カテーテル本体1はその基端部側に、カテーテル挿入体3の連結ハブ31あるいは上述した芯材2の連結部22に嵌合可能に形成された連結ハブ11を有し、カテーテル本体1とカテーテル挿入体3とを組み合わせた状態で形成される脱血ルーメン36と連通可能に、脱血用延長チューブ12を介して血液浄化装置(図示せず)に接続される接続部13が設けられており、このルートを通して透析処理前の血液が血管から血液浄化装置に送られるようになっている。
また、図(a)の側孔14は、カテーテルチューブ10の先端付近の周囲に複数設けられ、カテーテル本体1とカテーテル挿入体3とが組み合立てられた際に、カテーテルチューブ10の内壁と返血チューブ30の外周との間に形成される環状の脱血口36と併せて血液浄化過程で脱血口として機能し、脱血口の総面積を大きく確保することにより穏やかな吸引力を得ようとするためのもので、急速な吸引によりカテーテルチューブが血管壁にへばり付くのを防止するために設けられているものである。
一方、カテーテル本体1のカテーテルチューブ10に挿入されるカテーテル挿入体3の返血チューブ30にも内腔が形成されており、血液浄化装置で浄化後の血液が先端孔35から血管に戻される流路としての返血ルーメン34が設けられ、この返血ルーメン34は連結部31を貫通して返血用延長チューブ32を介して、浄化後の血液の供給元である血液浄化装置(図示せず)へと接続される接続部33が設けられている。
透析治療にあたってまず、芯材2と組み合わせられたカテーテル本体1が、所定の処置がなされた血管への導入口から血管内部へと挿入された後、芯材2とカテーテル挿入体3とが差し替えられたり、またはガイドワイヤーを伴ったカテーテル本体1が血管内部へと挿入された後ガイドワイヤーとカテーテル挿入体3とが差し替えられたり、あるいはまた(c)のようにカテーテル本体1とカテーテル挿入体3とを組み合わせられた状態で直接カテーテルセットが血管の導入口から血管内部へと挿入されて血液浄化が開始される。
血液浄化(透析治療)時のカテーテルの使用状態は、図5の(c)組図の断面図に表すように、カテーテルチューブ10の先端付近の周囲に複数設けられた側孔14およびカテーテル本体1とカテーテル挿入体3とを組み合わせられた際にカテーテルチューブ10の内周壁と返血チューブ30の外周壁との間の先端孔15に形成される環状脱血口から脱血ルーメン36を経て吸引された血液が、脱血用延長チューブ12を経て接続部13を介して血液浄化装置(図示せず)に送られ、血液浄化装置で浄化された血液は血液浄化装置に接続された接続部33から返血用延長チューブ32を通り、連結部31を貫通して形成された返血ルーメン34を先端孔35へと導かれて血管に戻される。
なお血液浄化が開始までの準備段階では、血液浄化装置側の血液回路が生食水等で満たされてプライミングが行われたうえでクランプされて待機されるとともに、カテーテルの接続部13,接続部33からヘパリン加生食水等の抗凝固剤をシリンジ等を用いて注入しながら血液とヘパリン加生食水等との混合液でカテーテル内を満たしてから、前記接続部13,接続部33を血液浄化装置側の血液回路と接続させて血液浄化(透析治療)が開始されるのが一般的である。
そして、血液浄化(透析治療)が終了後、カテーテル本体1からカテーテル挿入体3が引き抜かれ、代わりに上述の芯材2が挿入されカテーテルの血管内留置は継続される。
続いて、血液浄化(透析治療)時にカテーテル本体1の内腔内壁面に残された残留血液までも流して血栓発生の原因物をより完全に除去できるような方法として、本発明血管内留置カテーテルに係る芯材2の図4の実施形態例が適用された場合について説明する。
この実施形態例では、図1,図4によって前述したように、芯材2の連結部22を貫通して軸部21全体にわたって流路24が形成され、流路24は前記膨大部20の近傍まで形成されるとともに、その流路24の終点付近において軸部21の流路24からその外側へと連通する側孔25が形成されている。このような構成とすることにより、カテーテルチューブ10の内腔内壁面と芯材2の軸部21の外壁面との間には環状の流路16が形成され、この環状の流路16は側孔25を通じて芯材2の軸部21の流路24に連通されており、相互に連通する流路を通してヘパリン加生食液等を流してカテーテルの内腔を完全に洗浄できるような構成となされている。その使用方法の詳細を表したのが図6であり、以下本発明血管内留置カテーテルの、図4の実施形態例の洗浄方法について詳述する。
図6(図4)において、1.前記芯材2の連結部22から延長チューブ27を介し設けられた接続部26から注入されたヘパリン加生食液などの洗浄用液体は、連結部22から連結ハブ11へと貫通する流路24を通って芯材2の前方へと流れ、2.流路24の終点付近で流路24から外側に連通させるべく芯材2に形成された側孔25を通ってカテーテルチューブ10の内腔内壁面と芯材2の軸部21の外壁面との間に形成される環状の流路16へと導かれ、3.連結ハブ11から血液浄化時には血液の流路である脱血用チューブ12を通り、4.血液浄化装置には脱血用の接続用に用いられる接続部13へと流されて廃液として処理されるようになっている。
以上、本発明が効果的に採用される実施形態例として、血液浄化(透析治療)によって実施形態の例を説明してきたが、本発明血管内留置カテーテルは他の用途として、例えば一定の頻度で数カ月間の薬剤投与を行うような定期的な経静脈的化学療法などに対しても適用可能である。
本発明に係る血管内留置カテーテルを構成する芯材の平面図である。 図1の芯材をカテーテル本体の流路内に挿入セットされた状態を表す組立時の断面図〔先端部の拡大部を含む〕である。 本発明に係る血管内留置カテーテルの他の実施形態例の、芯材がカテーテルに挿入セットされた状態における先端部の拡大断面図である。 本発明に係る血管内留置カテーテルのさらに別の実施形態例の、芯材がカテーテルに挿入セットされた状態における先端部の拡大断面図である。 本発明に係る血管内留置カテーテルを血液透析用に適用して使用する場合の、透析時に使用される(a);脱血チューブの側面図、(b);返血チューブの側面図、および(c);(a),(b)の組立状態を説明する組立時の組図,断面図である。 本発明の図4の実施形態例において、カテーテル本体に形成された流路内の洗浄について説明するための組立時の断面図、および各部の説明をするための拡大断面図である。 血管内留置カテーテルの留置形態を説明するための(a);短期留置形態、および(b);長期留置形態を表すイラストである。
符号の説明
1 カテーテル本体
10 カテーテルチューブ(脱血チューブ)
11 連結ハブ
12 脱血用延長チューブ
13 接続部
14 側孔
15 先端孔
16 流路(環状の内腔)
2 芯材
20 膨大部
21 軸部
22 連結部
23 接続部
24 流路
25 側孔
26 接続部
27 延長チューブ
3 カテーテル挿入体
30 返血チューブ
31 連結部
32 返血用延長チューブ
33 接続部
34 返血ルーメン
35 先端孔
36 脱血ルーメン

Claims (4)

  1. 内腔に流路が形成されたカテーテル本体とその流路内に挿入される芯材とからなる血管内留置カテーテルであって、カテーテル本体は流路が形成されたカテーテルチューブと基端側に連結ハブを有し、芯材はカテーテル本体の連結ハブに嵌合可能に形成された基端側の連結部と連結部から先端側に向かって形成された前記カテーテルチューブの流路の内径寸法より小なる外径寸法の軸部を有し、軸部は芯材がカテーテルの流路内に挿入セットされた際に軸部の最先端部分がカテーテルチューブの最先端部分よりわずかに内側の位置に収められるとともに、軸部の先端部に軸部の軸径寸法より大径のカテーテル本体の流路の内径寸法と同じかわずかに大きな径寸法となされた膨大部が形成されてなることを特徴とする血管内留置カテーテル。
  2. カテーテルチューブの先端部分に側孔が形成されるとともに、前記芯材がカテーテルチューブの流路内に挿入セットされた際に、芯材の先端部に形成された膨大部が前記側孔を閉塞する位置関係に配設されてなる請求項1記載の血管内留置カテーテル。
  3. 芯材にはその長手方向に貫通する流路が形成され、流路を経由して送られてくる流体の圧力により前記膨大部の最先端部に開放可能となされた弁機構が設けられてなる請求項1または2記載の血管内留置カテーテル。
  4. 芯材には連結部を貫通して軸部全体にわたって流路が形成され、その流路は前記膨大部の近傍まで形成されるとともに、軸部には流路の終点付近において流路から外側へと連通する側孔が形成されてなる請求項1または2記載の血管内留置カテーテル。
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