JP2013233362A - スタイレット及び尿道カテーテルセット - Google Patents

スタイレット及び尿道カテーテルセット Download PDF

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俊明 高木
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Abstract

【課題】薄肉で柔軟な中間チューブを有する尿道カテーテルの体内への挿入作業と体内からの抜去作業をスムーズに行うことができるスタイレット及び尿道カテーテルセットを提供する。
【解決手段】尿道カテーテルセット10は、尿道カテーテル11とスタイレット13とを備える。尿道カテーテル11は、導尿口12を有する先端部14と、薄肉で柔軟な中間チューブ16とを備える。スタイレット13は、中間チューブ16と先端部14に挿入可能なスタイレット本体41と、先端部14に設けられた導尿口12に係合可能な係合部42とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、生体に挿入及び留置されることにより、膀胱内の尿を蓄尿容器へと導入するために用いられる尿道カテーテル用のスタイレット及び尿道カテーテルセットに関する。
排尿が困難な患者や手術直後の患者等に対しては、尿道カテーテルを排尿口から尿道に挿入し、その先端部を膀胱内に留置することにより、膀胱内の尿を体外の蓄尿バッグ等に排出する処置が行われることがある。尿道カテーテルを患者の体内に留置しておくことにより、患者がトイレに移動する負担をなくすことができる。尿道カテーテルに関する先行技術としては、例えば、下記特許文献1に開示されたものがある。
特開2011−250903号公報
尿道カテーテルは、排尿口から尿道を経て、膀胱までの間に挿入された状態で体内に留置されるため、患者が異物感や違和感を生じることがある。従って、このような異物感や違和感を低減するように改良された尿道カテーテルが望まれる。このように改良された尿道カテーテルの構成として、例えば、尿道カテーテルにおける先端部と基部との間をつなぐ可撓性の中間チューブ(尿道に留置される部分)を先端部よりも薄肉で柔軟に構成することにより、留置時の異物感等を低減することが考えられる。
一方、中間チューブを薄肉で柔軟に構成した場合、尿道カテーテルを体内に挿入する際に、中間チューブの剛性が足りないために中間チューブが折れ曲がり、尿道カテーテルを体内に挿入することが困難になることが懸念される。また、中間チューブを薄肉で柔軟に構成した場合、尿道カテーテルを体内から抜去する際に、中間チューブの強度を超える過度な引っ張り荷重が中間チューブにかかることが懸念される。
そこで、本発明は、薄肉で柔軟な中間チューブを有する尿道カテーテルの体内への挿入作業と体内からの抜去作業をスムーズに行うことができるスタイレット及び尿道カテーテルセットを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、導尿口として機能する第1の側孔を有する先端部と、前記先端部に連結され前記先端部よりも薄肉で柔軟な中間チューブとを備えた尿道カテーテルに挿入可能なスタイレットであって、前記中間チューブと前記先端部に挿入可能なスタイレット本体と、前記スタイレット本体に設けられ、少なくとも生体内から前記尿道カテーテルを抜去する際に前記先端部に係合可能な係合部と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、尿道カテーテル内にスタイレットを挿入した状態で、尿道カテーテルを体内に押し込むことにより、中間チューブが折れ曲がることがなく、尿道カテーテルを体内に挿入することができる。また、体内に挿入された状態の尿道カテーテル内にスタイレットを挿入し、係合部を尿道カテーテルの先端部に係合させた状態で、スタイレットを基端方向に引くことにより、尿道カテーテルを体内から抜去することができる。従って、本発明によれば、薄肉で柔軟な中間チューブを有する尿道カテーテルの体内への挿入作業と体内からの抜去作業をスムーズに行うことができる。
上記のスタイレットにおいて、前記係合部は、前記スタイレット本体の長手方向に関して、固定端が自由端よりも先端側に位置するように前記スタイレット本体に設けられ、且つ前記スタイレット本体の長手方向と直交する方向に弾性変形可能に設けられた弾性片であってもよい。
上記の構成によれば、スタイレットを尿道カテーテルに挿入する際に、弾性片がスタイレット本体側に弾性変位することで、係合部が中間チューブ内及び先端部内を進みやすくなるため、尿道カテーテルへのスタイレットの挿入を迅速且つスムーズに行うことができる。
上記のスタイレットにおいて、前記スタイレット本体が前記尿道カテーテル内に押し込まれることにより、前記スタイレット本体の先端が前記先端部内の内壁に突き当たり、前記係合部が前記先端部内に挿入された状態で、前記スタイレット本体が基端方向に引かれることにより、前記係合部が前記先端部に係合してもよい。
上記の構成によれば、尿道カテーテルを体内に挿入する際に、係合部を先端部に係合させる必要がなく、スタイレットを尿道カテーテル内の最大限度まで挿入した状態でさらにスタイレットを押し込むだけで尿道カテーテルを体内に簡単に挿入することができる。
上記のスタイレットにおいて、前記係合部は、前記先端部の前記第1の側孔に係合可能であってもよい。
上記の構成によれば、尿道カテーテルの先端部に設けられた第1の側孔(導尿口)は比較的大きい側孔であるため、係合部を容易に係合させることができる。
上記のスタイレットにおいて、前記係合部は、前記先端部の外面に配置された拡張可能なバルーンの内部と連通するように前記先端部に設けられた第2の側孔に係合可能であってもよい。
上記の構成によれば、係合部が第2の側孔に係合した状態でも、係合部が外部に露出することがないことから、尿道カテーテルを体内に挿入する際、又は尿道カテーテルを体内から抜去する際に、係合部が尿道に触れることがなく、係合部によって尿道を損傷する可能性を本質的に回避することができる。
本発明に係る尿道カテーテルセットは、導尿口として機能する第1の側孔が設けられた先端部と、前記先端部に連結され前記先端部よりも薄肉で柔軟な中間チューブとを有する尿道カテーテルと、前記尿道カテーテルに挿入可能なスタイレットと、を備え、前記スタイレットは、前記中間チューブと前記先端部に挿入可能なスタイレット本体と、前記スタイレット本体に設けられ、少なくとも生体内から尿道カテーテルを抜去する際に前記先端部に係合可能な係合部と、を備える
ことを特徴とする。
本発明のスタイレット及び尿道カテーテルセットによれば、薄肉で柔軟な中間チューブを有する尿道カテーテルの体内への挿入作業と体内からの抜去作業をスムーズに行うことができる。
本発明の一実施形態に係る尿道カテーテルセットの概略構成を示す一部省略側面図である。 尿道カテーテルの先端部及びその周辺部位の縦断面図である。 図2におけるIII−III線に沿った縦断面図である。 図2におけるIV−IV線に沿った横断面図である。 図5Aは、第1構成例に係るスタイレットの先端部の側面図であり、図5Bは、第2構成例に係るスタイレットの先端部の側面図であり、図5Cは、第3構成例に係るスタイレットの先端部の側面図であり、図5Dは、第4構成例に係るスタイレットの先端部の側面図であり、図5Eは、第5構成例に係るスタイレットの先端部の側面図である。 尿道カテーテルの先端部に第1構成例に係るスタイレットの係合部が係合した状態を示す縦断面図である。 図7Aは、尿道カテーテルの先端部内の内壁に第3構成例に係るスタイレットの先端が突き当たった状態を示す縦断面図であり、図7Bは、尿道カテーテルの先端部の導尿口に第3構成例に係るスタイレットの係合部が係合した状態を示す縦断面図である。 図8Aは、尿道カテーテルの先端部内の内壁に第4構成例に係るスタイレットの先端が突き当たった状態を示す縦断面図であり、図8Bは、尿道カテーテルの先端部の導尿口に第4構成例に係るスタイレットの係合部が係合した状態を示す縦断面図である。 尿道カテーテルの使用方法を説明する図である。 尿道カテーテルが体内に留置されたときの中間チューブの横断面図である。 図11Aは、変形例に係る中間チューブの横断面図であり、図11Bは、変形例に係る中間チューブの概略側面図である。
以下、本発明に係るスタイレット及び尿道カテーテルセットについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る尿道カテーテルセット10の概略構成を示す一部省略側面図である。尿道カテーテルセット10は、尿道カテーテル11と、この尿道カテーテル11に挿入して使用されるスタイレット13とを備える。図1では、図示の便宜上、尿道カテーテル11及びスタイレット13の途中部分の図示を省略するとともに、尿道カテーテル11の一部を断面で示している。以下の説明において、図1における尿道カテーテル11の右側(基部18側)を「基端(後端)」側、尿道カテーテル11の左側(先端部14側)を「先端」側と呼び、他の各図についても同様とする。
以下では、先ず、尿道カテーテル11の構成を説明し、その次に、スタイレット13の構成を説明する。尿道カテーテル11は、使用時に生体内に留置され、膀胱内の尿を、体外で尿道カテーテル11に接続された蓄尿バッグ(蓄尿容器)へと排尿する処置に適用される医療機器である。
尿道カテーテル11は、導尿口12(第1の側孔)を有する先端部14と、蓄尿バッグに連通可能な基部18と、先端部14と基部18とを連結する中間チューブ16と、先端部14の外面に配置され拡張用流体によって拡張するバルーン22とを備え、全体として細径且つ長尺なチューブ状に構成されている。
尿道カテーテル11には、その軸線方向に延在する2本の内腔として、尿路として機能するメインルーメン24と、拡張用流体を流すための拡張用流路として機能するサブルーメン26とが、先端部14、中間チューブ16及び基部18に亘って並列に形成されている。
図2は、先端部14及びその周辺部位の縦断面図である。図1及び図2に示すように、先端部14は、最先端が半球状に形成された短尺なチューブである。先端部14には、バルーンよりも先端側で、外周面に開口した導尿口12と、基端のテーパ開口部28から先端側に延びて導尿口12に連通するルーメン24aと、ルーメン24aを形成する管壁内に形成された細いルーメン26aとが設けられている。
図3は、図2におけるIII−III線に沿った縦断面図である。図3に示すように、本実施形態における尿道カテーテル11において、導尿口12は、先端部14における側壁に複数(図示例では、互いに対向する位置に2つ)設けられる。導尿口12は、先端部14の側壁の内外を貫通し、先端部のルーメン24aと連通する。複数の導尿口12は、先端部14の長手方向に関して異なる位置に設けられてもよい。
次に、中間チューブ16の構成について説明するが、ここでは先ず中間チューブ16の基本的な構成を説明し、より詳細な構成については後述する。中間チューブ16は長尺なチューブであり、その先端側が先端部14の外周面に外嵌されて液密に接合される。本実施形態において、中間チューブ16は、先端部14と基部18との間の尿路として機能する第1ルーメン24bを形成する外管30と、外管30内に挿通配置され先端部14と基部18との間の拡張用流路として機能する第2ルーメン26bを形成する内管32とを有する2重管である。
図2において、外管30とバルーン22とは、同一部材により一体的に形成されている。すなわち、外管30からバルーン22までが連続した単一の管状部材31により形成され、管状部材31は、その先端側が先端部14の外周面に対し、例えば、テーパ開口部28近傍の接合部Aと、該接合部Aより先端側の接合部B及び接合部Cとで液密に接合されている。接合部B、C間に設けられる管状部材31の内面と先端部14の外面との間には、サブルーメン26の一部を構成するルーメン26aの開口34が連通している。各接合部A〜Cは液密に接合されていればよく、例えば、接着や熱融着による接合方法が挙げられ、当該尿道カテーテル11の他の箇所での接合方法についても同様である。上述した構成により、バルーン22は、サブルーメン26からの拡張用流体(例えば、造影剤や生理食塩液)による内圧の変化によって拡張及び収縮が可能となっている。
尿道カテーテル11において、バルーン22の先端側又は基端側に並べて別のバルーン22(以下、「第2のバルーン」と言う)を設けたダブルバルーン構造としてもよい。この場合、当該第2のバルーンをバルーン22とは独立して拡張及び収縮できるように、第2のバルーンに連通する拡張用ルーメンを尿道カテーテル11に設けるとよい。
図1に示すように、外管30(管状部材31)の基端側は、基部18の接続部36に外嵌されて液密に接合される。
なお、中間チューブ16を構成する外管30とバルーン22とが単一の管状部材31により一体的に形成される上記の構成に代えて、バルーン22と外管30とが別々の部材により形成される構成を採用してもよい。バルーン22と外管30とを別々の部材により形成した場合、バルーン22の材質や拡張量等を容易に設定変更することが可能となる。
中間チューブ16の外表面(本実施形態では、外管30の外表面)には、抗菌性コーティング、超撥水性コーティング、親水性コーティング、あるいは低摩擦処理が施されるとよい。中間チューブ16の外表面に抗菌性コーティングが施されることにより、膀胱炎等の感染対策となる。抗菌性コーティングの材料としては、例えば、銀粒子、ゼオライト銀粒子が挙げられる。中間チューブ16の外表面に超撥水性コーティングが施されることにより、尿中のカルシウムが付着することを防止することができる。超撥水性コーティングの材料としては、例えば、フッ素樹脂等が挙げられる。
中間チューブ16の外表面に親水性コーティングが施されることにより、尿道への挿入性を高めることができる。親水性コーティングの材料としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中間チューブ16の外表面に低摩擦処理が施されることにより、尿道挿入時の生体への損傷を低減することができる。低摩擦処理としては、例えば、フッ素樹脂やシリコン樹脂、シリコンオイル、グリセリン等の塗布が挙げられる。
中間チューブ16の内表面(本実施形態では、外管30の内表面)には、超撥水性コーティングあるいは親水性コーティングが施されるとよい。中間チューブ16の内表面に超撥水性コーティングが施されることにより、尿中のカルシウムが中間チューブ16内で詰まることを防止することができる。超撥水性コーティングの材料は、上記したものが挙げられる。中間チューブ16の内表面に親水性コーティングが施されることにより、エアーブロックを防止し、尿の通過性を確保することができる。親水性コーティングの材料は、上記したものが挙げられる。
内管32は、その先端側が先端部14のルーメン26aに嵌挿された状態で液密に接合され、その基端側が基部18の接続部36のルーメン26cに嵌挿された状態で液密に接合される。なお、図1及び図2では、内管32内に第2ルーメン26bが形成された構成を示しているが、内管32を無くし、代わりに、外管30に相当する管状体の管壁に、当該管壁から内方に突出し且つ当該管状体の軸線方向に沿って延在する膨出部を設けるとともに、当該膨出部内に、先端部14と基部18との間の拡張用流路として機能する第2ルーメン26bを設けてもよい。
基部18は、尿道カテーテル11に対し、蓄尿バッグ等を接続するためのポートを構成するものであり、所定のルアーテーパー等によって構成される第1ポート38及び第2ポート40を有する。
第1ポート38は、メインルーメン24に対する接続ポートである。また、基部18には、中間チューブ16の第1ルーメン24bに連通するルーメン24cと、中間チューブ16の第2ルーメン26bに連通するルーメン26cとが形成されている。第1ポート38には、コネクタ56(図9参照)を介して蓄尿バッグ20(図9参照)が接続可能である。第1ポート38に畜尿バッグが接続された状態で、蓄尿バッグ20はメインルーメン24を介して導尿口12に連通する。
第2ポート40は、第1ポート38に対して傾斜して設けられ、サブルーメン26に対する接続ポートである。第2ポート40には、バルーン22の拡張用流体を圧送可能な図示しないインデフレーター等の圧力印加装置が接続可能である。第2ポート40に圧力印加装置が接続された状態で、当該圧力印加装置はサブルーメン26を介してバルーン22の内部に連通する。
図1及び図2に示すように、先端部14に形成されたルーメン24aと、中間チューブ16に形成された第1ルーメン24bと、基部18に形成されたルーメン24cとは液密に接合されており、尿道カテーテル11では、これらのルーメン24a〜24cにより、尿路として機能するメインルーメン24が構成されている。また、先端部14に形成されたルーメン26aと、中間チューブ16に形成された第2ルーメン26bと、基部18に形成されたルーメン26cとは液密に接合されており、尿道カテーテル11では、これらのルーメン26a〜26cにより拡張用流路として機能するサブルーメン26が構成されている。
次に、中間チューブ16の構成について、より詳細に説明する。本実施形態において、中間チューブ16の外管30は、図2に示すように、先端部14に比べて管壁が薄肉であり柔軟に形成されている。このため、尿道カテーテル11が体内に留置された際に容易に潰れて細くなり、尿道カテーテル11が体内に留置された際に患者が受ける違和感や異物感を軽減することができる。
また、尿道カテーテル11は、中間チューブ16の占有断面積が先端部14の占有断面積よりも小となるように、中間チューブ16は、先端部14よりも細径に構成されている。具体的には、中間チューブ16(外管30)は、先端部14に外嵌する先端接続部30aと、先端接続部30aに連なり基端方向に向かって縮径する第1テーパ部30bと、第1テーパ部30bに連なり基端方向に向かって略一定外径の縮径部30cと、縮径部30cに連なり基端方向に向かって拡径する第2テーパ部30dと、第2テーパ部30dに連なり基部18に外嵌する基端接続部30eとを有する。縮径部30cは、先端部14よりも細径である。
図4は、図2におけるIV−IV線に沿った横断面図である。図4に示すように、中間チューブ16(具体的には、中間チューブ16の縮径部30c)の横断面輪郭形状は、扁平となっている。このように中間チューブ16の外径を小さくするとともに扁平にすることで、体内に留置された状態での患者に与える違和感を低減することができる。なお、このように中間チューブ16の縮径部30cが扁平形状である場合には、縮径部30cの太さ(外径)とは、扁平形状の長軸長さL(図4参照)を言う。従って、本実施形態において、縮径部30cの扁平形状の長軸長さLは、先端部14の外径よりも小さい。
本実施形態のように中間チューブ16の外径を小さくするとともに扁平にすると、尿道カテーテル11を生体に留置した際に中間チューブ16が押し潰され、中間チューブ16に形成された第1ルーメン24bが閉塞されることが懸念される。そこで、尿道カテーテル11では、図1に示すように、中間チューブ16の第1ルーメン24b内に、当該第1ルーメン24bの延在方向に沿って液体透過性部材29が配設されている。
液体透過性部材29は、第1ルーメン24bの略全長に亘って配置されるのがよい。図1では、液体透過性部材29の先端は、先端部14近傍に位置し、液体透過性部材29の基端は、基部18の近傍に位置する。液体透過性部材29が第1ルーメン24b内に配置されることにより、生体内に留置された際に中間チューブ16が潰れた場合でも、液体透過性部材29を介して尿が確実に排出されため、排尿機能が好適に確保される。
液体透過性部材29は、尿道カテーテル11を生体に留置する際における尿道の形状に沿った中間チューブ16の変形を阻害することがない程度の十分な柔軟性を有し、且つ基部18から先端部14へ尿を移動させることができるような液体透過性を有するものであればよい。従って、液体透過性部材29は、図1及び図2に示すように、例えば、中空糸29Aにより構成され、複数本の中空糸29Aが第1ルーメン24b内に並列して収納される。液体透過性部材29は、中空糸29A以外により構成されてもよく、例えば、濡れ性の良い繊維、ガーゼ、多孔質体等であってもよい。中空糸29Aの材質としては、例えば、ポリスルホンが挙げられる。
図4に示すように、本実施形態に係る尿道カテーテル11では、中間チューブ16を構成する外管30の内面が、横断面で全周に亘って凹凸状に形成されている。外管30がこのような凹凸状の内周面を有することにより、後述するように、生体内で中間チューブ16が潰れた場合でも、凹凸による溝が尿の流路として機能するため、尿の流れを促進することができる。以上の構成により、20mL/分〜30mL/分以上の排尿機能を確保することができる。
以上の構成において、先端部14は、例えば、外径が2.0mm〜10.0mm程度、好ましくは2.5mm〜9.0mm程度であり、肉厚が0.7mm〜4.0mm程度、好ましくは0.8mm〜3.0mm程度であり、長さが25mm〜100mm程度、好ましくは30mm〜60mm程度で先端が半球状に閉塞された可撓性を有するチューブである。
中間チューブ16を構成する外管30(特に縮径部30c)は、例えば、外径が1.6mm〜6.0mm程度、好ましくは1.8mm〜4.0mm程度であり、肉厚が0.005mm〜0.5mm程度、好ましくは0.01mm〜0.2mm程度であり、長さが60mm〜350mm程度、好ましくは100mm〜300mm程度の可撓性を有するチューブである。
内管32は、例えば、外径が0.4mm〜1.0mm程度、好ましくは0.5mm〜0.8mm程度であり、肉厚が0.05mm〜0.2mm程度、好ましくは0.08mm〜0.15mm程度であり、長さが80mm〜400mm程度、好ましくは120mm〜350mm程度の可撓性を有するチューブである。
バルーン22の拡張時の大きさは、例えば、外径が7mm〜40mm程度、好ましくは10mm〜30mm程度であり、軸方向長さ(幅)が5mm〜20mm程度、好ましくは7mm〜15mm程度である。
尿道カテーテル11の先端部14、中間チューブ16及びバルーン22の材質としては、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ビニル系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
図1に示すように、スタイレット13は、長尺で細い線状又は棒状の部材であり、尿道カテーテル11を体内に挿入する際又は尿道カテーテル11を体内から抜去する際に、尿道カテーテル11内に挿入されて、尿道カテーテル11の心棒として機能することにより、尿道カテーテル11の挿入作業又は抜去作業を補助するために使用される。スタイレット13の全長は、尿道カテーテル11の全長よりもやや長く、スタイレット13が尿道カテーテル11に最大限度まで挿入された状態で、スタイレット13の基端部の所定範囲が、尿道カテーテル11の基部18から突出する。
スタイレット13は、長尺で細い線状又は棒状の部分を構成するスタイレット本体41と、このスタイレット本体41の先端部近傍に設けられた係合部42とを備える。スタイレット本体41の全長は、これが適用される尿道カテーテル11の全長によるが、例えば、400mm〜600mm程度である。スタイレット本体41は、尿道カテーテル11の挿入作業又は抜去作業に際して、尿道の形状に沿って弾性変形可能な適度の柔軟性を有するとともに、尿道カテーテル11の挿入作業時又は抜去作業時に尿道カテーテル11の心棒となって挿入作業又は抜去作業を補助するのに十分な適度の剛性(こし)が求められる。
そのようなスタイレット13の材質としては、金属や樹脂が挙げられる。金属としては、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金等が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料が挙げられる。
スタイレット13は、以下の第1〜第5構成例(図5A〜図5E)に示すように、種々の構成を採り得る。なお、以下では、スタイレット13及び係合部42に関し、第1〜第5構成例を区別しないで説明する場合には、第1〜第5構成例について共通して「スタイレット13」及び「係合部42」と表記するが、第1〜第5構成例を区別して説明する場合には、「スタイレット13」及び「係合部42」にそれぞれ添字a〜eを付して表記することとする。
図5Aは、第1構成例に係るスタイレット13aの先端部周辺の側面図である。このスタイレット13aにおいて、係合部42aは、スタイレット本体41の最先端部よりもやや基端側に一体的に設けられる。係合部42aは、スタイレット本体41の側面から外方に突出し、略一定の突出高さでスタイレット本体41の長手方向に沿って所定長さ延在し、その前後にスタイレット本体41に対する段差部(肩部)を有する。係合部42aの長さは、尿道カテーテル11の先端部14に設けられた導尿口12の開口長さ(先端部14の長手方向に沿った寸法)よりも若干短く、係合部42の幅は、導尿口12の開口幅(先端部14の長手方向に対して垂直方向の寸法)よりも若干小さい。従って、図6に示すように、係合部42aは、先端部14に設けられた導尿口12に挿入可能且つ係合可能である。
係合部42aが設けられた部分でのスタイレット13aの太さ(幅)、すなわち、スタイレット本体41の外径とスタイレット本体41からの係合部42aの突出高さを合わせた寸法は、先端部14に設けられたルーメン24aの内径よりも若干大きいとよい。これにより、スタイレット13aの先端部が尿道カテーテル11の先端部に挿入される際、係合部42aに接触する部分の先端部が弾性変形することにより、係合部42がルーメン24a内を先端方向に移動できる。そして、係合部42aが導尿口12まで到達すると、係合部42aが導尿口12に入り込んで係合する。係合部42aが導尿口12に係合した状態で、スタイレット13aを前後方向に移動させると、スタイレット13aの係合部42aに係合した導尿口12を有する先端部を、スタイレット13aとともに前後方向に移動させることができる。先端部14内でスタイレット13aを周方向に回転させると、係合部42aと導尿口12との係合が外れるため、スタイレット13aを尿道カテーテル11に対して基端方向に移動させることにより、尿道カテーテル11からスタイレット13aを抜去することができる。なお、図5Bに示す第2構成例に係るスタイレット13bのように、係合部42bは、基端側の段差部(肩部)がスタイレット本体41の側面から基端側に向かって外方に寄るように傾斜していてもよい。これにより、係合部42bと導尿口12の係合をより強固にすることができる。
図5Cは、第3構成例に係るスタイレット13cの先端部周辺の側面図である。このスタイレット13cにおいて、係合部42cは、スタイレット本体41の最先端部よりもやや基端側に一体的に設けられ、スタイレット本体41の側面から外方に突出する。係合部42cは、基端側に向かって外方に寄るように傾斜したテーパ部43aと、スタイレット本体41の長手方向に対して垂直な垂直部43bとを有し、全体として爪状に形成される。係合部42cは、導尿口12に挿入可能且つ係合可能である。
図7Aは、スタイレット13cの先端が、尿道カテーテル11の先端部14に挿入された状態を示す縦断面図である。図7Aに示すように、係合部42cが設けられた部分でのスタイレット13cの太さ(幅)、すなわち、スタイレット本体41の外径とスタイレット本体41からの係合部42cの突出高さを合わせた寸法は、先端部14に設けられたルーメン24aの内径よりも若干大きいとよい。これにより、スタイレット13cの先端部が尿道カテーテル11の先端部14に挿入される際、係合部42cに接触する部分の先端部14が弾性変形することにより、係合部42cがルーメン24a内を先端方向に移動できる。
そして、図7Aに示すように、係合部42cが導尿口12まで到達すると、係合部42cが導尿口12に入り込む。係合部42cが導尿口12に入り込んだ状態で、スタイレット13cを前進させると、スタイレット13cの先端(スタイレット本体41の先端)が、先端部14の内壁に突き当たる。従って、スタイレット13cを押し込むことにより、スタイレット13cとともに尿道カテーテル11を先端方向に移動させることができる。係合部42cが導尿口12に入り込んだ状態から、先端部14内でスタイレット13cを周方向に回転させると、係合部42cと導尿口12との係合が外れるため、スタイレット13cを尿道カテーテル11に対して基端方向に移動させることにより、尿道カテーテル11からスタイレット13cを抜去することができる。
一方、図7Bに示すように、係合部42cが導尿口12に入り込んだ状態で、スタイレット13cを後退させると、スタイレット13cの係合部42cの垂直部43bが、先端部14に設けられた導尿口12の基端側の壁に当接する。すなわち、係合部42cが導尿口12に係合する。従って、スタイレット13cを基端方向に引くことにより、スタイレット13cとともに尿道カテーテル11を基端方向に移動させることができる。なお、垂直部43bは、スタイレット本体41の側面から基端側に向かって外方に寄るように傾斜していてもよい。これにより、係合部42cと導尿口12の係合をより強固にすることができる。
図5Dは、第4構成例に係るスタイレット13dの先端部周辺の側面図である。このスタイレット13dにおいて、係合部42dは、スタイレット本体41の最先端部よりもやや基端側に一体的に設けられ、スタイレット本体41の側面から外方に突出する。係合部42dは、スタイレット本体41の長手方向に関して、固定端が自由端よりも先端側に位置するようにスタイレット本体41に設けられ、且つスタイレット本体41の長手方向と直交する方向に弾性変形可能に設けられた弾性片である。係合部42dは、導尿口12に挿入可能且つ係合可能である。
図8Aに示すように、係合部42dが設けられた部分でのスタイレット13dの太さ(幅)、すなわち、スタイレット本体41の外径とスタイレット本体41からの係合部42dの突出高さを合わせた寸法は、先端部14に設けられたルーメン24aの内径よりも若干大きいとよい。これにより、スタイレット13dの先端部が尿道カテーテル11の先端部14に挿入される際、係合部42dが内方に弾性変形することにより、係合部42dがルーメン24a内を先端方向に移動できる。
そして、図8Aに示すように、係合部42dが導尿口12まで到達すると、係合部42dが導尿口12に入り込む。係合部42dが導尿口12に入り込んだ状態で、スタイレット13dを前進させると、スタイレット13dの先端(スタイレット本体41の先端)が、先端部14の内壁に突き当たる。従って、スタイレット13dを押し込むことにより、スタイレット13dとともに尿道カテーテル11を先端方向に移動させることができる。
一方、図8Bに示すように、係合部42dが導尿口12に入り込んだ状態で、スタイレット13dを後退させると、スタイレット13dの係合部42dの自由端が、先端部14に設けられた導尿口12の基端側の壁に当接する。すなわち、係合部42dが導尿口12に係合する。従って、スタイレット13dを基端方向に引くことにより、スタイレット13dとともに尿道カテーテル11を基端方向に移動させることができる。なお、図5Eに示す第5構成例に係るスタイレット13eのように、図5Dに示した係合部42dと同じ構成を有する係合部42dの固定端が、スタイレット本体41の最先端部に設けられてもよい。
本実施形態に係る尿道カテーテルセット10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用及び効果について説明する。
上記のように、先端部14は十分に厚肉であって所定の剛性を有するが、当該尿道カテーテル11の軸方向長さの大部分を占める中間チューブ16は薄肉であって柔軟である。このような構成を有する尿道カテーテル11は、使用に際し、図9のように生体に配置される。尿道カテーテル11の生体への配置は、以下のように行われる。
先ず、スタイレット13を、第1ポート38から尿道カテーテル11に挿入し、中間チューブ16に十分な剛性を付与した状態とする。このとき、スタイレット13が、尿道カテーテル11の先端部14内まで挿入された状態とする。次に、先端部14を先頭にして、患者の排尿口44から尿道46へと尿道カテーテル11を挿入し、導尿口12及びバルーン22が膀胱48内に配置された状態とする。
この際、第1構成例に係るスタイレット13aの場合、図6に示したように、係合部42aが先端部14に設けられた導尿口12に係合するため、スタイレット13aを押し込むことにより、中間チューブ16が折れ曲がることなく、尿道カテーテル11を生体内へと挿入することができる。第2構成例に係るスタイレット13bの場合も、第1構成例に係るスタイレット13aと同様に機能するため、中間チューブ16が折れ曲がることなく、尿道カテーテル11を生体内へと挿入することができる。
第3構成例に係るスタイレット13cの場合、図7Aに示したように、スタイレット13cを押し込むことにより、スタイレット13cの先端が、先端部14内の内壁に突き当たる。従って、スタイレット13cの前進に伴って先端部14が尿道46内を膀胱48に向かって進むため、中間チューブ16が折れ曲がることなく、尿道カテーテル11を生体内へと挿入することができる。
第4構成例に係るスタイレット13dの場合、図8Aに示したように、スタイレット13dを押し込むことにより、スタイレット13dの先端が、先端部14内の内壁に突き当たる。従って、スタイレット13dの前進に伴って先端部14が尿道46内を膀胱48に向かって進むため、中間チューブ16が折れ曲がることなく、尿道カテーテル11を生体内へと挿入することができる。第5構成例に係るスタイレット13eの場合も、第4構成例に係るスタイレット13dと同様に機能するため、中間チューブ16が折れ曲がることなく、尿道カテーテル11を生体内へと挿入することができる。
導尿口12及びバルーン22が膀胱48内に配置にされると、続いて、スタイレット13を尿道カテーテル11から抜去する。この場合、尿道カテーテル11内でスタイレット13を周方向に回転させることにより係合部42と導尿口12との係合が外れるため、係合が外れたうえでスタイレット13を基端方向に引っ張ることによりスタイレット13を尿道カテーテル11から抜去することができる。
スタイレット13を抜去した後、第2ポート40からサブルーメン26(図1参照)へと図示しない圧力印加装置から拡張用流体を圧送することにより、バルーン22を拡張させる。これにより、尿道カテーテル11の体内からの抜け止めがなされ、導尿口12が形成された先端部14(又はその一部)が膀胱48内に確実に留置される。なお、図9中の参照符号50は、恥骨であり、参照符号52は、前立腺であり、参照符号54は、外尿道括約筋である。
バルーン22を拡張させた後、第1ポート38に、コネクタ56を介して、蓄尿バッグ20に接続された蓄尿バッグ側チューブ58を接続する。これにより、尿道カテーテル11と蓄尿バッグ20とが連通するため、導尿口12からメインルーメン24を介して該蓄尿バッグ20へと、膀胱48内の尿を排尿させることができる。
尿道カテーテル11では、先端部14から中間チューブ16の基端側までの生体内に留置される部位のうち、尿道46に留置される中間チューブ16(具体的には、縮径部30c)の外径が、膀胱48内に留置される先端部14の外径よりも小さく扁平であり、しかも中間チューブ16が先端部14よりも薄肉に形成されている。従って、尿道カテーテル11が体内に留置された状態では、尿道46に留置された薄肉で柔軟な中間チューブ16を構成する外管30が、尿道46の内壁による圧迫を受けて適切に収縮し、潰れるため、患者が違和感や異物感を受けることを有効に低減することができる。特に、尿道46の屈曲部46a(図9中の破線囲み参照)等では、一般的に尿道カテーテル11による違和感が大きくなる傾向にあるが、当該尿道カテーテル11では、中間チューブ16(外管30)が屈曲部46aの形状に合わせて適切に潰れるため、その違和感を一層低減することができる。
この際、図1に示したように、中間チューブ16の第1ルーメン24bには、柔軟性を有する液体透過性部材29が第1ルーメン24bの延在方向に沿って配設されており、先端部14から流入した尿は、当該液体透過性部材29に浸透し、基部18側に移動する。従って、図10のように、生体内で中間チューブ16(外管30)が潰れた場合でも、液体透過性部材29を介して尿が確実に排出されるため、排尿機能が好適に確保される。また、外管30の内面は、横断面で凹凸状に形成されているため、生体内で中間チューブ16(外管30)が潰れた場合でも、凹凸による溝が流路として機能することから、尿の流れを一層促進することができ、排尿機能を向上させることができる。
尿道カテーテル11を生体から抜去する作業は、以下のように行うことができる。先ず、第1ポート38からコネクタ56を取り外し、尿道カテーテル11と蓄尿バッグ20とを切り離す。次に、スタイレット13を第1ポート38から尿道カテーテル11に挿入し、スタイレット13の係合部42が先端部14に設けられた導尿口12に係合した状態とする。
第1構成例に係るスタイレット13aの場合、係合部42aと導尿口12とが係合した状態で、スタイレット13を基端方向に引っ張ると、係合部42aと係合した先端部14が、スタイレット13とともに移動する。これにより、薄肉で柔軟な中間チューブ16を破断させることなく、先端部14を、尿道46を通して排尿口44まで移動させ、先端部14を含む尿道カテーテル11の全体を生体から確実に抜去することができる。第2構成例に係るスタイレット13bの場合も、第1構成例に係るスタイレット13aと同様に機能するため、先端部14を含む尿道カテーテル11の全体を生体から確実に抜去することができる。
第3構成例に係るスタイレット13cの場合、スタイレット13cを第1ポート38から尿道カテーテル11に挿入し、スタイレット13cの係合部42cが先端部14に設けられた導尿口12に入り込んだ状態とする。係合部42cが導尿口12に入り込んだ状態で、スタイレット13cを後退させると、係合部42cが導尿口12に係合する(図7B参照)。従って、スタイレット13cを基端方向に引くことにより、先端部14を含む尿道カテーテル11の全体を生体から確実に抜去することができる。
第4構成例に係るスタイレット13dの場合、スタイレット13dを第1ポート38から尿道カテーテル11に挿入し、スタイレット13dの係合部42dが先端部14に設けられた導尿口12に入り込んだ状態とする。係合部42dが導尿口12に入り込んだ状態で、スタイレット13dを後退させると、係合部42dが導尿口12に係合する(図8B参照)。従って、スタイレット13dを基端方向に引くことにより、先端部14を含む尿道カテーテル11の全体を生体から確実に抜去することができる。第5構成例に係るスタイレット13eの場合も、第4構成例に係るスタイレット13dと同様に機能するため、先端部14を含む尿道カテーテル11の全体を生体から確実に抜去することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るスタイレット13及びこのスタイレット13を備えた尿道カテーテルセット10によれば、尿道カテーテル11内にスタイレット13を挿入した状態で、尿道カテーテル11を体内に押し込むことにより、中間チューブ16が折れ曲がることがなく、尿道カテーテル11を体内に挿入することができる。また、体内に挿入された状態の尿道カテーテル11内にスタイレット13を挿入し、係合部42を尿道カテーテル11の先端部14に係合させた状態で、スタイレット13を基端方向に引くことにより、尿道カテーテル11の全体を体内から確実に抜去することができる。従って、本発明によれば、薄肉で柔軟な中間チューブ16を有する尿道カテーテル11の体内への挿入作業と体内からの抜去作業をスムーズに行うことができる。
第3〜第5構成例に係るスタイレット13c〜13eの場合、スタイレット本体41が尿道カテーテル11内に押し込まれることにより、スタイレット本体41の先端が先端部14内の内壁に突き当たり、係合部42c〜42eが先端部14内に挿入された状態で、スタイレット本体41が基端方向に引かれることにより、係合部42c〜42eが先端部14に係合する。従って、尿道カテーテル11を体内に挿入する際に、係合部42c〜42eを先端部14に係合させる必要がなく、スタイレット13c〜13eを尿道カテーテル11内の最大限度まで挿入した状態でさらにスタイレット13c〜13eを押し込むだけで尿道カテーテル11を体内に簡単に挿入することができる。
第4及び第5構成例に係るスタイレット13d、13eの場合、係合部42d、42eは、スタイレット本体41の長手方向に関して、固定端が自由端よりも先端側に位置するようにスタイレット13d、13eに設けられ、且つスタイレット本体41の長手方向と直交する方向に弾性変形可能に設けられた弾性片である。このような構成によれば、スタイレット13d、13eを尿道カテーテル11に挿入する際に、係合部42d、42eがスタイレット本体41側に弾性変位することで、係合部42d、42eが中間チューブ16内及び先端部14内を進みやすくなるため、スタイレット13d、13eの挿入を迅速且つスムーズに行うことができる。
本実施形態に係るスタイレット13の場合、係合部42は、先端部14に設けられた導尿口12に係合可能であり、当該導尿口12は比較的大きい孔であるため、先端部14内にスタイレット13を挿入した際に、係合部42を容易に係合させることができる。なお、本実施形態では、尿道カテーテル11のメインルーメン24内にスタイレット13が挿入可能であり、当該スタイレット13の係合部42が導尿口12に係合可能に構成されたが、以下のような変形例に係るスタイレット(図示せず)が採用されてもよい。
変形例に係るスタイレットは、拡張用流体を流すためのサブルーメン26内に挿入可能な細さで構成されたスタイレット本体と、このスタイレット本体の先端部(又は先端部近傍)に設けられた係合部とを備え、当該係合部が、バルーン22内部と連通する開口34(図2参照)に係合可能である。このような変形例に係るスタイレットに設けられる係合部の形態としては、図5A〜図5Eに示した係合部42と同様の形態が採用され得る。
変形例に係るスタイレットは、尿道カテーテル11を体内に挿入する際、又は尿道カテーテル11を体内から抜去する際に、使用することができる。この場合、変形例に係るスタイレットは、第2ポート40から尿道カテーテル11に挿入し、サブルーメン26を介して、当該スタイレットの先端が、尿道カテーテル11の先端部14内に挿入される。なお、第2ポート40に液体漏出防止用の弁体が設けられる場合には、尿道カテーテル11を体内から抜去する際にのみ、変形例に係るスタイレットが用いられてもよい。この場合、第2ポート40から当該弁体を取り外した後に、第2ポート40から当該スタイレットが尿道カテーテル11に挿入される。
このような変形例に係るスタイレットによれば、係合部が開口34に係合した状態でも、係合部が外部(先端部14の外側)に露出することがないことから、尿道カテーテル11を体内に挿入する際、又は尿道カテーテル11を体内から抜去する際に、係合部42が尿道46に触れることがなく、係合部42によって尿道46を損傷する可能性を本質的に回避することができる。
尿道カテーテル11は、生体に留置された状態で薄肉に形成された外管30が容易に潰れることにより、患者に与える違和感を低減することができるものであるが、中間チューブ16が先端部14よりも細径に形成されることは本発明において必須の構成でなく、変形例に係る中間チューブ(図示せず)は、先端部14と略同径に形成されてもよい。
図11A及び図11Bに示すように、外管30の内面側に一部が埋設成形されたメッシュチューブ(補強部材)61が設けられてもよい。図11Aは、メッシュチューブ61が設けられた外管30の横断面図であり、図11Bは、メッシュチューブ61の側面図である。
メッシュチューブ61は、例えばカーボンファイバーやアラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ステンレスをはじめとする金属極細繊維等で構成されて適度な剛性及び弾性を有することにより、上記のように薄肉に形成される中間チューブ16(外管30)の強度を確保することができる。
あるいは、薄肉に形成される中間チューブ16を補強するため、一端が先端部14に固定され、他端が基部18に固定されたワイヤ等からなる牽引部材が、中間チューブ16内に配置されてもよい。このような牽引部材が設けられることにより、尿道カテーテル11を体外に引き抜く際に、牽引部材が基部18と先端部14との間を実質的に連結して引き抜き時の荷重を負担するため、中間チューブ16に過大な負荷がかかることを回避することができる。牽引部材は、例えば、ステンレスやチタン等の金属極細繊維、カーボンファイバー等の高強度繊維で構成されるとよい。
上述した本実施形態に係る尿道カテーテルセット10の尿道カテーテル11では、中間チューブ16内に液体透過性部材29が配設されたが、本発明はこの構成に限らず、尿道カテーテル11から液体透過性部材29をなくした構成にも適用され得る。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10…尿道カテーテルセット 11…尿道カテーテル
12…導尿口 13、13a〜13e…スタイレット
14…先端部 16…中間チューブ
18…基部 20…蓄尿バッグ
42、42a〜42e…係合部

Claims (6)

  1. 導尿口として機能する第1の側孔を有する先端部と、前記先端部に連結され前記先端部よりも薄肉で柔軟な中間チューブとを備えた尿道カテーテルに挿入可能なスタイレットであって、
    前記中間チューブと前記先端部に挿入可能なスタイレット本体と、
    前記スタイレット本体に設けられ、少なくとも生体内から前記尿道カテーテルを抜去する際に前記先端部に係合可能な係合部と、を備える、
    ことを特徴とするスタイレット。
  2. 請求項1記載のスタイレットにおいて、
    前記係合部は、前記スタイレット本体の長手方向に関して、固定端が自由端よりも先端側に位置するように前記スタイレット本体に設けられ、且つ前記スタイレット本体の長手方向と直交する方向に弾性変形可能に設けられた弾性片である、
    ことを特徴とするスタイレット。
  3. 請求項1又は2記載のスタイレットにおいて、
    前記スタイレット本体が前記尿道カテーテル内に押し込まれることにより、前記スタイレット本体の先端が前記先端部内の内壁に突き当たり、
    前記係合部が前記先端部内に挿入された状態で、前記スタイレット本体が基端方向に引かれることにより、前記係合部が前記先端部に係合する、
    ことを特徴とするスタイレット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタイレットにおいて、
    前記係合部は、前記先端部の前記第1の側孔に係合可能である、
    ことを特徴とするスタイレット。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタイレットにおいて、
    前記係合部は、前記先端部の外面に配置された拡張可能なバルーンの内部と連通するように前記先端部に設けられた第2の側孔に係合可能である、
    ことを特徴とするスタイレット。
  6. 導尿口として機能する第1の側孔が設けられた先端部と、前記先端部に連結され前記先端部よりも薄肉で柔軟な中間チューブとを有する尿道カテーテルと、
    前記尿道カテーテルに挿入可能なスタイレットと、を備え、
    前記スタイレットは、
    前記中間チューブと前記先端部に挿入可能なスタイレット本体と、
    前記スタイレット本体に設けられ、少なくとも生体内から尿道カテーテルを抜去する際に前記先端部に係合可能な係合部と、を備える、
    ことを特徴とする尿道カテーテルセット。
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