JP2019207741A - 磁気テープカートリッジ、磁気テープカートリッジの製造方法、磁気テープカートリッジの製造装置、記録再生装置、及び制御方法 - Google Patents

磁気テープカートリッジ、磁気テープカートリッジの製造方法、磁気テープカートリッジの製造装置、記録再生装置、及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ヘッドの位置決めを精度良く行うことができる磁気テープカートリッジ、磁気テープカートリッジの製造方法、磁気テープカートリッジの製造装置、記録再生装置、及び制御方法を得る。【解決手段】磁気テープカートリッジ10は、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープMTと、複数のサーボバンドの各々にサーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合うサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報16が記録されたRFIDタグ12と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、磁気テープカートリッジ、磁気テープカートリッジの製造方法、磁気テープカートリッジの製造装置、記録再生装置、及び制御方法に関する。
従来、磁気情報が記録される磁気テープのデータトラックに磁気ヘッドの記録再生素子を追従させるために、磁気テープには、サーボパターンが書き込まれている。このサーボパターンを磁気テープに書き込む方式としては、タイミングベース方式が知られている。
このタイミングベース方式に関する技術として、特許文献1には、データトラックへのデータの記録時にサーボ再生素子によりサーボパターンを読み取って得られた記録時の条件を、データトラックに書き込む技術が開示されている。
また、特許文献2には、2つのサーボバンド間に存在するデータトラックであって、2つのサーボバンド間の距離が200μm未満であるデータトラックを備えた磁気テープが開示されている。
特開2005−327392号公報 特表2008−542969号公報
ところで、近年、磁気テープは、高密度化が進んでいるため、データトラックの幅及び間隔が極めて狭くなっている。更に、今後も磁気テープの高密度化が進むと予想されるため、磁気テープの幅方向における磁気ヘッドの位置決めには、より高い精度が要求されることとなる。
一方、複数のサーボバンドに1対1で対応して設けられ、それぞれサーボパターンを記録する複数のサーボ記録素子を備えたサーボ記録ヘッドは、製造上の誤差等に起因して個体差が存在する場合がある。この場合、この個体差を考慮せずに、サーボバンドに記録されたサーボパターンに基づいて磁気ヘッドの位置決めを行うと、磁気ヘッドの位置決めを精度良く行うことができない場合がある、という問題点がある。しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、この問題点については考慮されていない。
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、磁気ヘッドの位置決めを精度良く行うことができる磁気テープカートリッジ、磁気テープカートリッジの製造方法、磁気テープカートリッジの製造装置、記録再生装置、及び制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の磁気テープカートリッジは、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、複数のサーボバンドの各々にサーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合うサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えている。
なお、本開示の磁気テープカートリッジは、サーボバンド間隔関連情報が、データバンドにデータを記録する際の磁気テープの張力、データバンドにデータを記録する際のテープドライブにおける隣り合うサーボパターンを再生するサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔、及びデータバンドにデータを記録する際に検出された隣り合うサーボバンドの上記幅方向の間隔を更に含んでもよい。
また、本開示の磁気テープカートリッジは、サーボバンド間隔関連情報が、サーボパターンにおける上記幅方向に沿った異なる複数の位置の各々に対応して記録媒体に記録されていてもよい。
一方、上記目的を達成するために、本開示の磁気テープカートリッジの製造方法は、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、記録媒体とを備えた磁気テープカートリッジの製造方法であって、複数のサーボバンドの各々にサーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合うサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報を記録媒体に記録するものである。
また、上記目的を達成するために、本開示の磁気テープカートリッジの製造装置は、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、記録媒体とを備えた磁気テープカートリッジの製造装置であって、複数のサーボバンドの各々にサーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合うサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報を記録媒体に記録する記録部を備えている。
また、上記目的を達成するために、本開示の記録再生装置は、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、複数のサーボバンドの各々にサーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合うサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジのサーボバンドに記録されたサーボパターンを読み取るサーボ再生素子とデータバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドと、サーボ再生素子によるサーボパターンの読み取り結果から、隣り合うサーボバンドの上記幅方向の間隔を検出する検出部と、サーボバンド間隔関連情報に含まれるサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔と、検出部により検出された間隔との差に応じて磁気テープの張力を導出する導出部と、記録再生素子によりデータバンドにデータを記録する場合に、磁気テープの張力を導出部により導出された張力に制御する制御部と、を備えている。
なお、本開示の記録再生装置は、制御部が、導出部により導出された張力と、隣り合うサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔と、検出部により検出された間隔とをサーボバンド間隔関連情報に追加して記録媒体に記録する制御を行ってもよい。
また、上記目的を達成するために、本開示の記録再生装置は、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、データバンドにデータを記録する際に検出された隣り合うサーボバンドの磁気テープの幅方向の間隔、データバンドにデータを記録する際の磁気テープの張力、及びデータバンドにデータを記録する記録再生素子を含む磁気ヘッドが有するサーボ再生素子であって、サーボパターンを読み取る隣り合うサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジのサーボバンドに記録されたサーボパターンを読み取るサーボ再生素子とデータバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドと、サーボ再生素子によるサーボパターンの読み取り結果から、隣り合うサーボバンドの上記幅方向の間隔を検出する検出部と、サーボバンド間隔関連情報に含まれる隣り合うサーボバンドの上記幅方向の間隔、上記張力、及び隣り合うサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔から求まるサーボバンドの上記幅方向の間隔の理想値からのずれ量と、検出部により検出された間隔、磁気ヘッドが含む隣り合うサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔、及び記録再生素子によりデータバンドに記録されたデータを再生する際の磁気テープの張力から求まるずれ量と、の差を最小化する磁気テープの張力を導出する導出部と、記録再生素子によりデータバンドに記録されたデータを再生する場合に、磁気テープの張力を導出部により導出された張力に制御する制御部と、を備えている。
また、上記目的を達成するために、本開示の制御方法は、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、複数のサーボバンドの各々にサーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合うサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジのサーボバンドに記録されたサーボパターンを読み取るサーボ再生素子とデータバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドを備えた記録再生装置が実行する磁気テープの張力の制御方法であって、サーボ再生素子によるサーボパターンの読み取り結果から、隣り合うサーボバンドの幅方向の間隔を検出し、サーボバンド間隔関連情報に含まれるサーボ記録素子の磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔と、検出した間隔との差に応じて磁気テープの張力を導出し、記録再生素子によりデータバンドにデータを記録する場合に、磁気テープの張力を導出した張力に制御するものである。
また、上記目的を達成するために、本開示の制御方法は、サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、データバンドにデータを記録する際に検出された隣り合うサーボバンドの磁気テープの幅方向の間隔、データバンドにデータを記録する際の磁気テープの張力、及びデータバンドにデータを記録する記録再生素子を含む磁気ヘッドが有するサーボ再生素子であって、サーボパターンを読み取る隣り合うサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジのサーボバンドに記録されたサーボパターンを読み取るサーボ再生素子とデータバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドを備えた記録再生装置が実行する磁気テープの張力の制御方法であって、サーボ再生素子によるサーボパターンの読み取り結果から、隣り合うサーボバンドの幅方向の間隔を検出し、サーボバンド間隔関連情報に含まれる隣り合うサーボバンドの幅方向の間隔、上記張力、及び隣り合うサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔から求まるサーボバンドの幅方向の間隔の理想値からのずれ量と、検出した間隔、磁気ヘッドが含む隣り合うサーボ再生素子の上記幅方向に対応する方向の間隔、及び記録再生素子によりデータバンドに記録されたデータを再生する際の磁気テープの張力から求まる上記ずれ量と、の差を最小化する磁気テープの張力を導出し、記録再生素子によりデータバンドに記録されたデータを再生する場合に、磁気テープの張力を導出した張力に制御するものである。
本開示によれば、磁気ヘッドの位置決めを精度良く行うことができる。
実施形態に係る磁気テープカートリッジの構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る磁気テープの一例を示す平面図である。 実施形態に係る磁気ヘッドの位置決め処理を説明するための平面図である。 実施形態に係る記録再生素子によりデータを記録又は再生する処理を説明するための図である。 実施形態に係るサーボライタの構成の一例を示す図である。 実施形態に係るサーボライタの構成の一例を示す図である。 実施形態に係る測定装置及び記録装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係るサーボパターンの線状パターン間の距離を説明するための図である。 実施形態に係るサーボパターン距離情報の一例を示す図である。 実施形態に係るサーボパターン距離情報から算出されるサーボ位置の一例を示す図である。 実施形態に係る隣り合うギャップパターン間の間隔を説明するための図である。 実施形態に係るサーボバンド間隔関連情報の一例を示す図である。 実施形態に係る記録処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る記録再生システムの構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係るデータ記録処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係るサーボバンド間隔関連情報の一例を示す図である。 実施形態に係るデータ再生処理の一例を示すフローチャートである。 理想的なサーボパターンと実際のサーボパターンの一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ10の構成を説明する。図1に示すように、磁気テープカートリッジ10は、磁気によって情報が記録される磁気テープMT、及び記録された情報を無線通信等によって非接触で読み取り可能な記録媒体の一例としてのRFID(Radio Frequency IDentifier)タグ12を備えている。RFIDタグ12には、サーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16が記録される。サーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16の詳細については後述する。
図2に示すように、磁気テープMTには、5本のサーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向に沿って形成されている。また、5本のサーボバンドSBは、磁気テープMTの幅方向(短手方向)に等間隔に並ぶように形成されている。そして、5本のサーボバンドSBの間のそれぞれには、データが記録されるデータバンドDBが形成されている。なお、サーボバンドSB及びデータバンドDBの本数は、図2に示す例に限定されない。例えば、サーボバンドSBが3本で、データバンドDBが2本であってもよい。なお、以下では、単に長手方向と表記した場合は、磁気テープMTの長手方向を意味し、単に幅方向と表記した場合は、磁気テープMTの幅方向を意味するものとする。
サーボバンドSBには、磁気ヘッドH(図3参照)の幅方向の位置決めを行うためのサーボパターンSPが、サーボバンドSBが長手方向に繰り返して形成される。サーボパターンSPは、サーボバンドSBの幅方向に沿ってサーボバンドSBの幅方向に対して所定の角度だけ傾いて形成される線状パターンSP1と、線状パターンSP2とを含む。線状パターンSP2は、サーボバンドSBの幅方向に沿って線状パターンSP1に対して非平行に形成される。本実施形態では、線状パターンSP2は、サーボバンドSBの幅方向に沿った直線に対して、線状パターンSP1と線対称になるように形成される。なお、図2では、サーボパターンSPが1組の線状パターンSP1及び線状パターンSP2を含む例を図示しているが、サーボパターンSPが複数組の線状パターンSP1及び線状パターンSP2を含んでもよい。
次に、図3及び図4を参照して、前述したサーボパターンSPが形成された磁気テープMTの幅方向に対して磁気ヘッドHを位置決めする処理を説明する。
図3に示すように、磁気ヘッドHは、サーボバンドSBに記録されたサーボパターンSPを読み取ることにより再生するサーボ再生素子SRDと、データトラックDTに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子RWDとを含む。なお、以下では、単に、磁気ヘッドHの位置、サーボ再生素子SRDの位置、及び記録再生素子RWDの位置と表記した場合は、それぞれ磁気テープMTの幅方向に沿った位置を意味するものとする。
本実施形態では、磁気テープMTが所定の走行方向(例えば、図3における右から左の方向)に走行した際に、磁気ヘッドHのサーボ再生素子SRDがサーボバンドSBの幅方向の所定の位置に位置決めされることによって磁気ヘッドHが磁気テープMTに対して位置決めされる。なお、以下では、単に走行方向と表記した場合は、磁気テープMTの走行方向を意味するものとする。
サーボ再生素子SRDは、線状パターンSP1及び線状パターンSP2がサーボ再生素子SRDによる検出位置を通過する際に、線状パターンSP1及び線状パターンSP2を検出する。この際の線状パターンSP1及び線状パターンSP2の検出間隔が所定値となる位置に磁気ヘッドHが位置決めされる。これにより、磁気ヘッドHの記録再生素子RWDが所定のデータトラックDTに追従する。
また、図4に示すように、記録再生素子RWDは、複数(図4の例では32個)設けられ、複数のデータトラックDTに対して同時にデータを記録又は再生することが可能とされている。なお、以下では、所定のデータトラックDTに対してデータを記録又は再生する際の磁気ヘッドHの位置を「ラップ位置」という。
次に、図5A及び図5Bを参照して、本実施形態に係る磁気テープMTの各サーボバンドSBにサーボパターンSPを記録するサーボライタSWの構成を説明する。
図5Aに示すように、サーボライタSWは、送出リールSW1、巻取リールSW2、駆動装置SW3、パルス発生回路SW4、制御装置SW5、及びサーボ信号書込ヘッドWHを備えている。また、サーボライタSWは、図示しない、電源装置、磁気テープMTをクリーニングするクリーニング装置、及び磁気テープMTに記録されたサーボパターンSPの検査を行うベリファイ装置等も備えている。
送出リールSW1は、サーボパターンSPの書き込み前に幅広のウェブ原反から製品幅に裁断された磁気テープMTが大径巻のパンケーキによりセットされており、サーボパターンSPの書き込み時に磁気テープMTを送り出す。送出リールSW1から送り出された磁気テープMTは、ガイドSW6等に案内されてサーボ信号書込ヘッドWHに搬送される。そして、サーボ信号書込ヘッドWHにより各サーボバンドSBにサーボパターンSPが記録された磁気テープMTは、ガイドSW6等に案内されて巻取リールSW2まで搬送される。巻取リールSW2は、駆動装置SW3によって回転駆動され、サーボパターンSPが記録された磁気テープMTを巻き取る。
駆動装置SW3は、巻取リールSW2を回転駆動するための装置であり、図示しないモータ、モータに電流を供給するためのモータ駆動回路、及びモータ軸と巻取リールSW2とを連結するためのギヤ等を備えている。駆動装置SW3は、制御装置SW5からのモータ電流信号に基づいてモータ駆動回路によりモータ電流を発生させ、このモータ電流をモータに供給し、更にギヤを介してモータの回転駆動力を巻取リールSW2に伝達することにより巻取リールSW2を回転駆動する。
パルス発生回路SW4は、制御装置SW5からのパルス制御信号に基づいてサーボ信号書込ヘッドWHに設けられた複数のコイルC(図5B参照)に記録パルス電流を供給する回路であり、複数のコイルCそれぞれに独立して設けられている。具体的には、パルス発生回路SW4は、制御装置SW5からのパルス制御信号に基づいて、プラス極性又はマイナス極性を持つパルス電流とゼロ電流とを交互に発生させることで、サーボパターンSPを各サーボバンドSBの所定位置に記録する。なお、記録パルス電流は、ギャップパターンG(図5B参照)からの漏れ磁束により磁気テープMTの磁性層を磁化するために十分な電流値であり、サーボ信号書込ヘッドWHのコイルCの特性等を考慮して設定される。
図5Bに示すように、サーボ信号書込ヘッドWHは、各サーボバンドSBに対応する位置に設けられた線状のギャップパターンGを含み、それぞれのギャップパターンGによりサーボパターンSPを磁気テープMTのサーボバンドSBに記録する。ギャップパターンGの一方の線状パターンは、線状パターンSP1の角度に対応して傾けられ、他方の線状パターンは、線状パターンSP2に対応して一方の線状パターンに非平行とされている。ギャップパターンGが、サーボバンドSBにサーボパターンSPを記録するサーボ記録素子の一例である。
また、ギャップパターンG毎にヘッドコアHCは独立しており、これらのヘッドコアHCにはそれぞれコイルCが巻回されている。そして、各コイルCに接続される各パルス発生回路SW4は、制御装置SW5でエンコードされた個々のサーボバンドSBを区別するためのデータを記録パルス電流のパターンに変換し、このパターンに従って記録パルス電流をコイルCに供給している。これにより、各サーボバンドSBのサーボパターンSPに、各サーボバンドSBに応じた固有の識別情報が埋め込まれる。なお、ギャップパターンG毎にヘッドコアHCは独立していなくてもよく、例えば、全てのギャップパターンGに対応して1つのヘッドコアHCが設けられていてもよい。この場合、1つの記録パルス電流によって、一括して各サーボバンドSBにサーボパターンSPが記録される。
次に、図6を参照して、磁気テープカートリッジ10のRFIDタグ12に、サーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16を記録するための測定装置20及び記録装置22の構成について説明する。測定装置20の例としては、MFM(Magnetic Force Microscope)、SEM(Scanning Electron Microscope)、及びレーザー顕微鏡等が挙げられる。図6に示すように、記録装置22は、CPU(Central Processing Unit)及び一時記憶領域としてのメモリ等を含む制御部24と、RFIDタグ12に非接触で情報を記録する記録部26とを含む。
測定装置20は、サーボライタSWのサーボ信号書込ヘッドWHを測定し、各ギャップパターンGの2つの線状パターンにおける長手方向に対応する方向の距離に応じた信号を出力する。更に、測定装置20は、隣り合うギャップパターンGの幅方向に対応する方向の間隔に応じた信号を出力する。
記録装置22の制御部24は、測定装置20から出力された信号を取得する。また、制御部24は、一例として図7に示すように、取得した信号を用いて、各ギャップパターンGの2つの線状パターンにおける長手方向に対応する方向H1の距離Dを導出する。制御部24は、距離Dを、幅方向に対応する方向H2に沿ったサーボパターンSPの対応する位置(以下、「サーボ位置」という)毎に導出する。なお、このサーボ位置は、前述したラップ位置と対応している。そして、制御部24は、記録部26を制御し、各ギャップパターンGに対応するサーボバンドSBの番号、及びサーボ位置に対応付けて、導出した距離Dをサーボパターン距離情報14としてRFIDタグ12に記録する。
図8Aに、サーボパターン距離情報14の一例を示す。図8Aに示すように、サーボパターン距離情報14には、サーボバンドSBの番号及びサーボ位置の組み合わせの各々に対応する距離Dが含まれる。図8Aの例では、アジマス角が12°で、幅方向の長さが93μmで、幅方向の中点の位置(46.5μm(=93÷2)の位置)での線状パターンSP1と線状パターンSP2との長手方向の距離が38μmのサーボパターンSPを前提とした場合の各サーボ位置での距離Dを示している。
この距離Dから、以下の(1)式に従って、距離Dが、何れのサーボ位置に対応するかが算出される。なお、(1)式における「中点での距離」は、サーボパターンSPの幅方向の中点の位置における線状パターンSP1と線状パターンSP2との長手方向の距離(図8Aの例では、38μm)を表す。すなわち、(1)式では、サーボ位置が、サーボパターンSPの幅方向の中点の位置を基準とした幅方向の距離で算出される。
図8Bに、図8Aに示した各サーボ位置について、(1)式により算出されたサーボパターンSPの幅方向の中点の位置を基準とした幅方向の距離を示す。
更に、制御部24は、一例として図9に示すように、取得した信号を用いて、隣り合うギャップパターンGの対応するサーボ位置の方向H2の間隔K1を導出する。制御部24は、隣り合うギャップパターンGの組み合わせの各々で、かつサーボ位置の各々について間隔K1を導出する。そして、制御部24は、記録部26を制御し、隣り合うギャップパターンGの間に対応するデータバンドDBの番号、及びサーボ位置に対応するラップ位置に対応付けて、導出した間隔K1をサーボバンド間隔関連情報16に含めてRFIDタグ12に記録する。
図10に、サーボバンド間隔関連情報16の一例を示す。図10に示すように、サーボバンド間隔関連情報16には、データバンドDBの番号及びラップ位置の組み合わせの各々に対応する間隔K1が含まれる。
次に、図11を参照して、磁気テープカートリッジ10の磁気テープMTにサーボパターンSPを記録し、RFIDタグ12にサーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16を記録する記録処理の流れの一例を説明する。
図11のステップS10で、サーボライタSWは、前述したように、制御装置SW5による制御によって、磁気テープMTの各サーボバンドSBに対し、サーボ信号書込ヘッドWHの対応するギャップパターンGによって、サーボパターンSPを記録する。
ステップS12で、測定装置20は、前述したように、ステップS10の処理に用いられたサーボライタSWのサーボ信号書込ヘッドWHを測定し、測定結果の信号を出力する。ステップS14で、記録装置22の制御部24は、前述したように、ステップS12の処理により出力された信号を用いて、距離Dを導出する。そして、制御部24は、記録部26を制御し、各ギャップパターンGに対応するサーボバンドSBの番号、及びサーボ位置に対応付けて、導出した距離Dをサーボパターン距離情報14としてRFIDタグ12に記録する。
ステップS16で、記録装置22の制御部24は、前述したように、ステップS12の処理により出力された信号を用いて、間隔K1を導出する。そして、制御部24は、記録部26を制御し、隣り合うギャップパターンGの間に対応するデータバンドDBの番号、及びサーボ位置に対応するラップ位置に対応付けて、導出した間隔K1をサーボバンド間隔関連情報16に含めてRFIDタグ12に記録する。ステップS16の処理が終了すると、本記録処理が終了する。
なお、本記録処理の処理順序は図11に示した例に限定されない。例えば、ステップS12からステップS16の処理が実行された後に、ステップS10の処理が実行されてもよい。以上の処理によってサーボバンドSBにサーボパターンSPが記録され、RFIDタグ12にサーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16が記録された磁気テープカートリッジ10が出荷される。
次に、図12を参照して、出荷された磁気テープカートリッジ10に対するデータの記録及び再生を行う記録再生システム30の構成を説明する。
図12に示すように、記録再生システム30は、テープライブラリ40を含む。テープライブラリ40は、複数のスロット42及び複数(本実施形態では2つ)のテープドライブ44を備えている。なお、以下では、2つのテープドライブ44を区別する場合は、「テープドライブ44A」及び「テープドライブ44B」のように、符号の末尾にアルファベットを付して説明する。また、本実施形態では、テープドライブ44Aによって磁気テープカートリッジ10にデータを記録し、テープドライブ44Bによって磁気テープカートリッジ10に記録されたデータを再生する場合について説明する。なお、テープドライブ44が記録再生装置の一例である。
スロット42には、磁気テープカートリッジ10が格納される。テープドライブ44には、スロット42から取り出された磁気テープカートリッジ10がロードされる。また、テープドライブ44にロードされた磁気テープカートリッジ10の磁気テープMTに対するデータの記録又は再生が終了した後、磁気テープカートリッジ10がテープドライブ44からアンロードされてから、スロット42に格納される。
テープドライブ44は、制御部46、読取書込部48、及び磁気ヘッドHを備えている。磁気ヘッドHは、複数の記録再生素子RWD、及び隣り合うサーボバンドSBの各々に対応する複数(本実施形態では、2つ)のサーボ再生素子SRDを備えている。読取書込部48は、制御部46による制御によって、磁気テープカートリッジ10に内蔵されたRFIDタグ12に記録された情報を非接触で読み取り、読み取った情報を制御部46に出力する。また、読取書込部48は、制御部46による制御によって、情報を非接触でRFIDタグ12に記録する。読取書込部48の例としては、RFIDリーダーライターが挙げられる。
制御部46は、PLD(Programmable Logic Device)、一時記憶領域としてのメモリ、及び不揮発性の記憶部等を含む。制御部46の記憶部には、制御部46が設けられているテープドライブ44が備えるサーボ再生素子SRDの幅方向に対応する方向の間隔が記憶されている。なお、以下では、テープドライブ44Aのサーボ再生素子SRDの上記間隔を「間隔h1」といい、テープドライブ44Bのサーボ再生素子SRDの上記間隔を「間隔h2」という。
次に、図13を参照して、記録再生システム30が磁気テープカートリッジ10にデータを記録するデータ記録処理の流れを説明する。図13に示すデータ記録処理は、例えば、記録対象のデータがテープドライブ44Aの制御部46に入力された場合に実行される。なお、ここでは、テープドライブ44Aに磁気テープカートリッジ10がロードされた状態でデータ記録処理が実行されるものとする。
図13のステップS20で、制御部46は、読取書込部48を制御し、RFIDタグ12に記録されたサーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16を読み取らせる。そして、制御部46は、読取書込部48により読み取られたサーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16を取得する。ステップS22で、制御部46は、磁気ヘッドHを制御し、サーボバンドSBに記録された所定の個数のサーボパターンSPをサーボ再生素子SRDに読み取らせる。この際、制御部46は、磁気テープMTの張力が規定の張力(例えば、0.55[N])となるように、磁気テープMTを引き出す搬送機構を制御する。
ステップS24で、制御部46は、ステップS22の読み取り結果に基づいて、隣り合うサーボバンドSB間の幅方向の間隔を検出する。なお、以下では、この間隔を「間隔K2」という。具体的には、制御部46は、各サーボ再生素子SRDにより線状パターンSP1と線状パターンSP2とが読み取られたタイミングの時間間隔を、線状パターンSP1と線状パターンSP2との間の長手方向の距離に換算する。また、制御部46は、換算して得られた距離を用いて、上記(1)式に従って、各サーボ再生素子SRDのサーボ位置を導出する。そして、制御部46は、導出した各サーボ再生素子SRDのサーボ位置の差を、間隔h1に加算することによって、間隔K2を検出する。ステップS24の処理により制御部46が検出部として機能する。
ステップS26で、制御部46は、ステップS22の処理による線状パターンSP1と線状パターンSP2とが読み取られたタイミングの時間間隔、及びステップS20の処理により取得されたサーボパターン距離情報14に基づいて、磁気ヘッドHの位置決めを行う。
ステップS28で、制御部46は、間隔K1と間隔K2とに基づいて、以下の(2)式に従って、磁気テープMTの張力を導出する。なお、(2)式におけるTensionwriteは、導出する磁気テープMTの張力を表す。また、(2)式におけるSBPrefは、ステップS20の処理により取得されたサーボバンド間隔関連情報16におけるステップS26の処理により位置決めされたデータバンドDB及びラップ位置に対応する間隔K1を表す。また、(2)式におけるSBPwriteは、ステップS24の処理により検出された間隔K2を表す。また、(2)式におけるαは磁気テープMTの変形係数を表す。また、(2)式おけるTensionrefは、サーボライタSWがサーボバンドSBにサーボパターンSPを記録する際の磁気テープMTの張力を表す。ステップS28の処理により制御部46が導出部として機能する。
データを記録する際に、ステップS24の処理により検出されるサーボバンドSBの間隔K2の理想値からのずれ量ΔPwriteは、以下の(3)式により求められる。本実施形態では、(2)式に示すように、サーボライタSWのギャップパターンGの間隔K1と、サーボバンドSBの間隔K2との差に応じて、データをデータバンドDBに記録する際の磁気テープMTの張力を導出している。このため、ずれ量ΔPwriteを適切な値とすることができる。なお、(3)式におけるhは、前述した間隔h1である。
(2)式及び(3)式における磁気テープMTの変形係数は、例えば、以下の(4)式により、隣り合うサーボバンドSBの間隔2.858[mm]当たりの1[N]による磁気テープMTの幅方向の変形量として算出される。なお、(4)式におけるεMDは、磁気テープMTの長手方向のひずみを表し、σは、応力を表し、EMDは、磁気テープMTの長手方向のヤング率を表す。また、(4)式におけるνは、ポアソン比を表し、dは、単位距離(本実施形態では、2.858[mm])を表す。また、応力は、磁気テープMTの総厚み及び幅から求められる断面積を用いて求められる。磁気テープMTの長手方向のヤング率及びテープ総厚みは、PA(ポリアラミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、及びPEN(ポリエチレンナフタレート)等の磁気テープMTの材料によって異なるため、その材料に応じて定められる。
ステップS29で、制御部46は、予め定められた終了条件を満たすか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS22に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップS30に移行する。この場合の終了条件としては、例えば、ステップS28の処理により導出された張力が収束したとの条件が挙げられる。また、この場合の終了条件としては、例えば、サーボバンドSBに記録された全てのサーボパターンSPを読み取ったとの条件、及び予め定められた個数のサーボパターンSPを読み取ったとの条件等も挙げられる。
ステップS30で、制御部46は、磁気ヘッドHを制御し、データバンドDBにデータを記録する。この際、制御部46は、磁気テープMTの張力がステップS28の処理により導出された張力となるように、磁気テープMTを引き出す搬送機構を制御する。ステップS32で、制御部46は、読取書込部48を制御し、ステップS28の処理により導出された張力、ステップS24の処理により検出された間隔K2、及び間隔h1を追加したサーボバンド間隔関連情報16をRFIDタグ12に記録する。この際、制御部46は、張力、間隔K2、及び間隔h1を、データを記録したデータバンドDBの番号及びラップ位置に対応付けてサーボバンド間隔関連情報16に追加する。ステップS32の処理が終了すると、テープドライブ44Aから磁気テープカートリッジ10がアンロードされ、アンロードされた磁気テープカートリッジ10がスロット42に格納される。ステップS32の処理が終了すると、本データ記録処理が終了する。
ステップS32の処理により、一例として図14に示すように、データ記録時の磁気テープMTの張力、データ記録時に検出された間隔K2、データを記録したテープドライブ44Aのサーボ再生素子SRDの間隔h1が、サーボバンド間隔関連情報16に追加される。
次に、図15を参照して、記録再生システム30が磁気テープカートリッジ10に記録されたデータを再生するデータ再生処理の流れを説明する。図15に示すデータ再生処理は、例えば、データの再生指示がテープドライブ44Bの制御部46に入力された場合に実行される。なお、ここでは、テープドライブ44Bに磁気テープカートリッジ10がロードされた状態でデータ再生処理が実行されるものとする。
図15のステップS40で、制御部46は、読取書込部48を制御し、RFIDタグ12に記録されたサーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16を読み取らせる。そして、制御部46は、読取書込部48により読み取られたサーボパターン距離情報14及びサーボバンド間隔関連情報16を取得する。ステップS42で、制御部46は、磁気ヘッドHを制御し、サーボバンドSBに記録された所定の個数のサーボパターンSPをサーボ再生素子SRDに読み取らせる。この際、制御部46は、磁気テープMTの張力が規定の張力となるように、磁気テープMTを引き出す搬送機構を制御する。
ステップS44で、制御部46は、ステップS24と同様に、ステップS42の読み取り結果に基づいて、隣り合うサーボバンドSBの幅方向の間隔K2を検出する。ステップS46で、制御部46は、ステップS42の処理による線状パターンSP1と線状パターンSP2とが読み取られたタイミングの時間間隔、及びステップS40の処理により取得されたサーボパターン距離情報14に基づいて、磁気ヘッドHの位置決めを行う。
ステップS48で、制御部46は、サーボバンド間隔関連情報16に含まれる間隔K2と間隔h1とデータ記録時の磁気テープMTの張力、記憶部に記憶された間隔h2、及びステップS44の処理により検出された間隔K2とに基づいて、磁気テープMTの張力を導出する。ステップS44の処理により検出された間隔K2の理想値からのずれ量ΔPreadは、以下の(5)式で表される。
データ記録時のずれ量ΔPwriteとデータ再生時のずれ量ΔPreadとの差を最小化する(本実施形態では、ずれ量ΔPwriteとずれ量ΔPreadとを等しくする)ことによって、適切なデータトラックDTのデータが記録再生素子RWDにより再生される。そこで、本実施形態では、制御部46は、(3)式及び(5)式から得られる以下の(6)式に従って、磁気テープMTの張力を導出する。なお、(6)式におけるTensionreadは、導出する磁気テープMTの張力を表す。また、(6)式におけるTensionwriteは、サーボバンド間隔関連情報16に含まれるデータ記録時の磁気テープMTの張力を表す。また、(6)式におけるSBPwriteは、サーボバンド間隔関連情報16に含まれる間隔K2を表す。また、(6)式におけるSBPreadは、ステップS44の処理により検出された間隔K2を表す。また、(6)式におけるhは、サーボバンド間隔関連情報16に含まれる間隔h1を表し、hは、記憶部に記憶された間隔h2を表す。また、(6)式におけるαは前述した磁気テープMTの変形係数を表す。
ステップS49で、制御部46は、ステップS29と同様に、予め定められた終了条件を満たすか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS42に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップS50に移行する。
ステップS50で、制御部46は、磁気ヘッドHを制御し、データバンドDBに記録されたデータを再生する。この際、制御部46は、磁気テープMTの張力がステップS48の処理により導出された張力となるように、磁気テープMTを引き出す搬送機構を制御する。ステップS50の処理が終了すると、テープドライブ44Bから磁気テープカートリッジ10がアンロードされ、アンロードされた磁気テープカートリッジ10がスロット42に格納される。ステップS50の処理が終了すると、本データ再生処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態では、RFIDタグ12に記録されたサーボバンド間隔関連情報16に、隣り合うギャップパターンGの磁気テープMTの幅方向に対応する方向H2の間隔K1が記録されている。一例として図16に示すように、サーボパターンSPは、直線状に記録されることが理想であるが、実際には、湾曲する場合が多い。これに対し、本実施形態では、間隔K1をデータ記録時に用いて磁気テープMTの張力を制御することによって、磁気ヘッドHの位置決めを精度良く行うことができる。
また、本実施形態によれば、データを再生する際に、磁気テープMTの張力をデータ記録時のずれ量ΔPwriteとデータ再生時のずれ量ΔPreadとの差を最小化する張力とする制御を行っている。従って、経時及び熱等に起因して磁気テープMTが幅方向に変形した場合でも、磁気ヘッドHの位置決めを精度良く行うことができる。
なお、上記実施形態では、サーボバンド間隔関連情報16をRFIDタグ12に記録する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、サーボバンド間隔関連情報16をデータバンドDB又はサーボバンドSBの先頭部分、もしくは全長にわたって繰り返し記録する形態としてもよい。また、サーボバンド間隔関連情報16を磁気テープカートリッジ10の外周面の所定の位置に記録されたバーコードに記録する形態としてもよい。また、サーボバンド間隔関連情報16を磁気テープカートリッジ10の外周面の所定の位置に記録されたQRコード(登録商標)等の二次元コードに記録する形態としてもよい。
また、上記実施形態において、サーボバンド間隔関連情報16を外部のデータベースに記録する形態としてもよい。この場合、例えば、RFIDタグ12、バーコード、又は二次元コード等に磁気テープカートリッジ10の製造番号等の識別情報を記録し、データベースには、磁気テープカートリッジ10の識別情報に対応付けてサーボバンド間隔関連情報16を記録する形態が例示される。
また、上記実施形態において、サーボバンド間隔関連情報16に含まれる各種情報を、磁気テープMTの長手方向の異なる位置毎に、サーボバンド間隔関連情報16に含めてもよい。
10 磁気テープカートリッジ
12 RFIDタグ
14 サーボパターン距離情報
16 サーボバンド間隔関連情報
20 測定装置
22 記録装置
24、46 制御部
26 記録部
30 記録再生システム
40 テープライブラリ
42 スロット
44、44A、44B テープドライブ
48 読取書込部
C コイル
D 距離
DB データバンド
DT データトラック
G ギャップパターン
H 磁気ヘッド
H1、H2 方向
HC ヘッドコア
K1 間隔
MT 磁気テープ
RWD 記録再生素子
SB サーボバンド
SP サーボパターン
SP1、SP2 線状パターン
SRD サーボ再生素子
SW サーボライタ
SW1 送出リール
SW2 巻取リール
SW3 駆動装置
SW4 パルス発生回路
SW5 制御装置
SW6 ガイド
WH サーボ信号書込ヘッド

Claims (10)

  1. サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及び前記サーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、
    前記複数のサーボバンドの各々に前記サーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合う前記サーボ記録素子の前記磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、
    を備えた磁気テープカートリッジ。
  2. 前記サーボバンド間隔関連情報は、前記データバンドにデータを記録する際の前記磁気テープの張力、前記データバンドにデータを記録する際のテープドライブにおける隣り合う前記サーボパターンを再生するサーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔、及び前記データバンドにデータを記録する際に検出された隣り合う前記サーボバンドの前記幅方向の間隔を更に含む
    請求項1に記載の磁気テープカートリッジ。
  3. 前記サーボバンド間隔関連情報は、前記サーボパターンにおける前記幅方向に沿った異なる複数の位置の各々に対応して前記記録媒体に記録されている
    請求項1又は請求項2に記載の磁気テープカートリッジ。
  4. サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、記録媒体とを備えた磁気テープカートリッジの製造方法であって、
    前記複数のサーボバンドの各々に前記サーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合う前記サーボ記録素子の前記磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報を前記記録媒体に記録する
    磁気テープカートリッジの製造方法。
  5. サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及びサーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、記録媒体とを備えた磁気テープカートリッジの製造装置であって、
    前記複数のサーボバンドの各々に前記サーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合う前記サーボ記録素子の前記磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報を前記記録媒体に記録する記録部
    を備えた磁気テープカートリッジの製造装置。
  6. サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及び前記サーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、前記複数のサーボバンドの各々に前記サーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合う前記サーボ記録素子の前記磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの前記サーボバンドに記録された前記サーボパターンを読み取るサーボ再生素子と前記データバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドと、
    前記サーボ再生素子による前記サーボパターンの読み取り結果から、隣り合う前記サーボバンドの前記幅方向の間隔を検出する検出部と、
    前記サーボバンド間隔関連情報に含まれる前記サーボ記録素子の前記磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔と、前記検出部により検出された間隔との差に応じて前記磁気テープの張力を導出する導出部と、
    前記記録再生素子により前記データバンドにデータを記録する場合に、前記磁気テープの張力を前記導出部により導出された張力に制御する制御部と、
    を備えた記録再生装置。
  7. 前記制御部は、前記導出部により導出された張力と、隣り合う前記サーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔と、前記検出部により検出された間隔とを前記サーボバンド間隔関連情報に追加して前記記録媒体に記録する制御を行う
    請求項6の記載の記録再生装置。
  8. サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及び前記サーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、前記データバンドにデータを記録する際に検出された隣り合う前記サーボバンドの前記磁気テープの幅方向の間隔、前記データバンドにデータを記録する際の前記磁気テープの張力、及び前記データバンドにデータを記録する記録再生素子を含む磁気ヘッドが有するサーボ再生素子であって、前記サーボパターンを読み取る隣り合うサーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの前記サーボバンドに記録された前記サーボパターンを読み取るサーボ再生素子と前記データバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドと、
    前記サーボ再生素子による前記サーボパターンの読み取り結果から、隣り合う前記サーボバンドの前記幅方向の間隔を検出する検出部と、
    前記サーボバンド間隔関連情報に含まれる前記隣り合う前記サーボバンドの前記幅方向の間隔、前記張力、及び前記隣り合うサーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔から求まる前記サーボバンドの前記幅方向の間隔の理想値からのずれ量と、前記検出部により検出された間隔、前記磁気ヘッドが含む隣り合う前記サーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔、及び前記記録再生素子により前記データバンドに記録されたデータを再生する際の前記磁気テープの張力から求まる前記ずれ量と、の差を最小化する前記磁気テープの張力を導出する導出部と、
    前記記録再生素子により前記データバンドに記録されたデータを再生する場合に、前記磁気テープの張力を前記導出部により導出された張力に制御する制御部と、
    を備えた記録再生装置。
  9. サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及び前記サーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、前記複数のサーボバンドの各々に前記サーボパターンを各々記録する複数のサーボ記録素子における隣り合う前記サーボ記録素子の前記磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの前記サーボバンドに記録された前記サーボパターンを読み取るサーボ再生素子と前記データバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドを備えた記録再生装置が実行する前記磁気テープの張力の制御方法であって、
    前記サーボ再生素子による前記サーボパターンの読み取り結果から、隣り合う前記サーボバンドの前記幅方向の間隔を検出し、
    前記サーボバンド間隔関連情報に含まれる前記サーボ記録素子の前記磁気テープの幅方向に対応する方向の間隔と、検出した間隔との差に応じて前記磁気テープの張力を導出し、
    前記記録再生素子により前記データバンドにデータを記録する場合に、前記磁気テープの張力を導出した張力に制御する
    制御方法。
  10. サーボパターンが記録される複数のサーボバンド、及び前記サーボバンド間に設けられ、かつデータが記録されるデータバンドを含む磁気テープと、前記データバンドにデータを記録する際に検出された隣り合う前記サーボバンドの前記磁気テープの幅方向の間隔、前記データバンドにデータを記録する際の前記磁気テープの張力、及び前記データバンドにデータを記録する記録再生素子を含む磁気ヘッドが有するサーボ再生素子であって、前記サーボパターンを読み取る隣り合うサーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔を含むサーボバンド間隔関連情報が記録された記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの前記サーボバンドに記録された前記サーボパターンを読み取るサーボ再生素子と前記データバンドに対するデータの記録及び再生を行う記録再生素子とを含む磁気ヘッドを備えた記録再生装置が実行する前記磁気テープの張力の制御方法であって、
    前記サーボ再生素子による前記サーボパターンの読み取り結果から、隣り合う前記サーボバンドの前記幅方向の間隔を検出し、
    前記サーボバンド間隔関連情報に含まれる前記隣り合う前記サーボバンドの前記幅方向の間隔、前記張力、及び前記隣り合うサーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔から求まる前記サーボバンドの前記幅方向の間隔の理想値からのずれ量と、検出した間隔、前記磁気ヘッドが含む隣り合う前記サーボ再生素子の前記幅方向に対応する方向の間隔、及び前記記録再生素子により前記データバンドに記録されたデータを再生する際の前記磁気テープの張力から求まる前記ずれ量と、の差を最小化する前記磁気テープの張力を導出し、
    前記記録再生素子により前記データバンドに記録されたデータを再生する場合に、前記磁気テープの張力を導出した張力に制御する
    制御方法。
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