JP2019207307A - 電子写真用トナー、トナー収容ユニット、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体汚染を防止でき、耐久性に優れた電子写真用トナーを提供すること。【解決手段】 結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、シリカを含有する外添剤と、を含有する電子写真用トナーであって、前記外添剤が以下の(1)〜(4)を満たすことを特徴とする。(1)前記シリカの遊離率が、40%以上80%以下である。(2)遊離した外添剤が、円相当径50nm以上の粒子を含有する。(3)前記円相当径50nm以上の粒子の体積平均粒径が、100nm以上160nm以下である。(4)前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)が、1.80以上3.00以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真用トナーに関する。
近年、電子写真等の画像形成においては、高画質化への要求が高まっており、トナーの小粒径化、球形化が進められている。
トナーの小粒径化により、形成された画像の一区画(ドット)の再現性を良好にし、且つ、前記トナーの球形化により現像性、転写性の向上を図っている。
しかし、前記トナーが小粒径化した影響により、例えば、前記トナー同士が密に詰まりやすくなることによる凝集性悪化、トナーが感光体等の被クリーニング部材とブレードとの間をすり抜け易くなることによるクリーニング不良、感光体表面への固着によるフィルミングが発生しやすくなる問題が出てきた。
これらの問題を解決する手段の一つとして、前記トナーに外添剤を用い、前記外添剤の遊離率を低減することが行われてきた。例えば、外添剤として使用しているシリカの遊離率を一定値以下に抑えることにより、実機作像時に安定して良質な画質を維持する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
上記の手段とは別の手段として、例えば、使用する外添剤に工夫を施す方法も行われてきた。例えば、特定の性質を有する(特定のパラメータを満たす)シリカを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献3〜4参照)。また、大きさの異なる2種類の外添剤を、1次粒子単体で外添する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。更に、大粒径の外添剤を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
本発明は、感光体汚染を防止でき、耐久性に優れた電子写真用トナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の電子写真用トナーは、
結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、シリカを含有する外添剤と、を含有する電子写真用トナーであって、前記外添剤が以下の(1)〜(4)を満たすことを特徴とする。
(1)前記シリカの遊離率が、40%以上80%以下である。
(2)遊離した外添剤が、円相当径50nm以上の粒子を含有する。
(3)前記円相当径50nm以上の粒子の体積平均粒径が、100nm以上160nm以下である。
(4)前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)が、1.80以上3.00以下である。
本発明によると、感光体汚染を防止でき、耐久性に優れた電子写真用トナーを提供することができる。
図1は、本発明における外添剤の外接円の一例を示した図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
(トナー)
本発明のトナーは、母体粒子、及び外添剤を含む。
前記母体粒子は、結着樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記外添剤は、シリカを含有し、以下の(1)〜(4)を満たす。
(1)前記シリカの遊離率が、40%以上80%以下である。
(2)遊離した外添剤が、円相当径50nm以上の粒子を含有する。
(3)前記円相当径50nm以上の粒子の体積平均粒径が、100nm以上160nm以下である。
(4)前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)が、1.80以上3.00以下である。
これまでは、クリーニング不良及び感光体汚染を防止する手段の一つとして、外添剤シリカの遊離率を低減させることが行われてきた。遊離した外添剤は、クリーニングブレードとの当接部に外添剤の凝集(ダム)を形成することが知られている。そして、遊離したシリカ量が多くダム部への供給が過剰な場合、シリカ粒子の摩擦が弱く、粒子が動きやすい、即ち、ダムがくずれ易い場合には、感光体汚染が起こる。これは、経時に伴いダムの一部が崩れ像担持体とブレードの間をすり抜けることで、未当接部(隙間)が生じることによりクリーニング不良や、すり抜けたシリカ粒子が感光体表面に固着するためである。従って、シリカの遊離率を低減させることにより感光体汚染の防止に効果がある。
しかしながら、遊離したシリカが存在することにより、トナー粒子同士の接触を緩和し、保存性を向上させることができる。特に長期に渡って実機内で作像を続ける場合、滞留するトナー粒子同士が凝集し、異常画像の発生につながる場合がある。従って、長期に渡って良質な画質を維持するためには、一定量の遊離したシリカが存在することが好ましい。
以上の点を鑑みて本発明者らが検討した結果、外添剤を以下の条件にすることで、一定量の遊離したシリカが存在するにも関わらず、クリーニング性及び感光体汚染防止に優れたトナーを得ることが出来、保存性との両立を実現することが可能となった。
・遊離した外添剤が円相当径50nm以上の粒子を含有する。
・前記円相当径50nm以上の粒子の体積平均粒径が100nm以上160nm以下である。
・前記円相当径50nm以上の粒子について、外接円面積と粒子面積の比(外接円面積/粒子面積)が1.80以上3.00以下である。
<外添剤>
前記外添剤としては、シリカを含み、必要に応じてその他の成分を含む。
前記シリカとしては、異形性の高いシリカ粒子を作製し易い点から、フュームドシリカであることが好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機粒子が挙げられる。
前記無機粒子としては、例えば、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、フッ素化合物、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、2種以上を併用する場合は、空転等の現像ストレスに対して耐性を持たせるように選択することが好ましい。
これらの中でも、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、アルミナが好ましい。
<<シリカの遊離率>>
本発明における、シリカの遊離率は、トナーを以下の手順(遊離処理)により処理した際に得られた値のことである。
(1)界面活性剤溶液の作製
500mLのビーカーに界面活性剤を5.00g、蒸留水を300mL加え、溶解させる。その後、1,000mLにメスアップし、界面活性剤溶液を得る。
前記界面活性剤としては、ドライウェル(富士フィルム株式会社製)を用いる。
(2)トナー分散溶液の調整
トナー3.75gを計量し、前記界面活性剤溶液を50mL加え、トナーを前記界面活性剤溶液に均一に分散させる。
(3)超音波エネルギー付与
トナー分散液に40Wで1分間、超音波エネルギーを付与する。
(4)遊離外添剤の分離、(5)ろ過、(6)乾燥
超音波付与したトナー分散溶液を2,000rpmで2分間、遠心分離機にかけ、ろ過し、得られたトナーを乾燥させる。
(7)X線の測定
上記(1)〜(6)で得られた遊離処理後のトナー、及び遊離処理前のトナーに含有されるシリカの量を蛍光X線法で定量し、下式に代入して得られた値をシリカの遊離率とする。
(シリカの遊離率)=(遊離処理前のトナーに含まれるシリカの量−遊離処理後のトナーに含まれるシリカの量)/(遊離処理前のトナーに含まれるシリカの量)×100
前記シリカの遊離率としては、40%以上80%以下であり、40%以上60%以下が好ましい。シリカの遊離率が40%を未満であると、トナー粒子同士の接触を緩和する効果が弱く、長期に渡って実機内で作像する際の保存性を損なうことがある。特に、高温高湿の環境において影響が出やすく、画像上にスジ状あるいは斑点状の異常が観察されることがある。また、シリカの遊離率が80%を超えると、クリーニングブレードに存在するシリカの量が過剰となり、本発明における形状を有する外添剤を使用してもクリーニング不良及び感光体汚染を抑制することができないことがある。
本発明のトナーにおいては、遊離した外添剤が、円相当径50nm以上の粒子を含有する。
前記遊離した外添剤とは、上記の外添剤遊離率の測定作業において遠心分離(上記シリカ遊離率の測定作業の(4))の後に取り分けた上澄み液に含まれている外添剤を指す。
なお、前記遊離した外添剤の円相当径の最大値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、250nm以下が好ましい。
前記円相当径50nm以上の粒子の形状としては、真球よりも形状に異形性を有することが好ましい。具体的には、前記円相当径50nm以上の粒子は、凝集体により形成される凝集粒子(二次粒子)であることが好ましい。凝集粒子で形成されると、形状の異形性に限界が生じる不具合を防止できる。なお、凝集粒子ではない粒子を用いる場合、本発明のように外接円面積と粒子面積の比を大きくするためには、外添剤の粒径を大きくする必要が生じる。
前記円相当径50nm以上の粒子の粒子面積の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記遊離した外添剤の全粒子面積に対して、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。前記割合が、30%以上であると、感光体汚染が悪化するという不具合をより高度に防ぐことができる。前記割合の上限としては、85%以下が好ましい。
前記円相当径50nm以上の粒子の体積平均粒径としては、100nm以上160nm以下であり、110nm以上150nm以下が好ましい。前記体積平均粒径が、100nm未満であると、クリーニングブレードをすり抜けやすくなり、感光体汚染を悪化させる。また、前記体積平均粒径が160nmを超えると、感光体表面を傷つける傾向が強くなり、長期に渡って使用する際に画像の劣化が起こりやすくなる。
前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と、前記円相当径50nm以上の粒子の粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)としては、1.80以上3.00以下であり、2.00以上2.80以下が好ましい。前記比(面積比)が、1.80未満であると、形状が球状に近づくため、クリーニング性が悪化することがある。前記比(面積比)が、3.00を超えると、経時での帯電特性などが安定せず、トナーとしての機能を満たさなくなることがある。
前記比(面積比)は、外添剤の異形性を示すパラメータである。一般的に、異形性を示す際には粒子面積と周囲長の2乗の比から算出される平均円形度が用いられる。しかし、平均円形度では、形状の異形性を示すには不十分であるため、本発明では異形性の度合として、外接円面積と粒子面積の比で表している。
図1に、外添剤の外接円を示す。
<<遊離した外添剤の円相当径、体積平均粒径、及び面積比の測定>>
遊離した外添剤の体積平均粒径、及び面積比(外接円面積/粒子面積)は、外添剤遊離率の測定作業において遠心分離(上記シリカ遊離率の測定作業の(4))の後に取り分けた上澄み液を用いて、以下の方法により測定できる。
前記上澄み液を、透過型電子顕微鏡により観察し、画像を得る。得られた画像を画像処理ソフトA像君(旭化成エンジニアリング株式会社)で二値化し、円相当径、粒子面積、外接円面積を算出する。
上記算出は、A像君の粒子解析モードで得られた「円相当径2」「面積」「外接円直径」を用いて計算している。
円相当径は、上記で得られた値が円形面積によるものであるとし、直径の値に換算して得られる。
粒子面積は、2値化により得られた「面積」の値をそのまま使用する。
外接円面積は、2値化により得られた「外接円直径」から算出する。
面積比(外接円面積/粒子面積)は、上記で得られた「外接円面積の平均」を「粒子面積の平均」で割ることで得る。
体積平均粒径は、同じソフトにより、上記で得られた円相当径から体積を算出し、粒子径と体積の積の和を体積の和で割る([各測定粒子の(粒子径×体積)の合計/各測定粒子の体積の合計])ことで得る。
以下に本解析の解析条件の詳細を記載する。
2値化方法(閾値):手動設定(目視)
範囲指定:有
外縁補正:無
穴埋め:有
収縮分離:無
上記において2値化閾値を手動で設定しているのは、トナー表面の凹凸と、外添剤とを区別するためである。また、2値化する際に、同一画像上でのコントラストの変化が激しい場合は、解析範囲を1粒子付近に指定し、1粒子中とその周辺領域に絞って観察して閾値を設定する。
円相当径50nm以上の粒子の粒子面積の割合が、遊離した外添剤の全粒子面積に対して占める割合を求める際には、[円相当径50nm以上の粒子面積の合計/遊離した全粒子の粒子面積の合計]で計算することができる。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、後述する母体粒子全体に対して、0.3質量%〜5.5質量%が好ましい。
<母体粒子>
前記母体粒子(「トナー母体粒子」とも称する)は、結着樹脂を含有し、離型剤、及びワックス分散剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<<結着樹脂>>
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。
前記スチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)としては、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン/クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体(スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性及び環境安全性(残モノマーによるVOC)の点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
<<<ポリエステル樹脂>>>
前記ポリエステル樹脂としては、一般公知のアルコールとカルボン酸との重縮合反応によって得られるもの全てを用いることができる。
前記アルコールとしては、例えば、ジオール類、エーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単量体、三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。
前記のジオール類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどが挙げられる。
前記エーテル化ビスフェノール類としては、例えば、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記三価以上の高アルコール単量体としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。
前記モノカルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
前記二価の有機酸単量体としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換したものなどが挙げられる。
前記三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂の製造法としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などが利用できる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、通常のトナーに用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、三価以上の金属塩、ワックス分散剤などが挙げられる。
<<<着色剤>>>
本発明のトナーに用いる着色剤としては、例えばカーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染料や顔料など、従来公知の染料や顔料を使用することができる。これらは、単独あるいは混合して使用することが可能であり、ブラックトナーとしてもフルカラートナーとしても使用できる。
これらの着色剤の含有量は、トナーの結着樹脂成分に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。
<<<三価以上の金属塩>>>
本発明のトナーは、三価以上の金属塩を含むことが好ましい。前記金属塩を含むことにより、定着時に結着樹脂の酸性基と架橋反応が進行し、弱い三次元的な架橋を形成することで、低温定着性を維持しつつ、耐高温オフセット性を得ることができる。
前記金属塩としては、例えば、サリチル酸誘導体の金属塩、アセチルアセトナート金属塩から選択される少なくとも一種が好ましい。前記金属としては、3価以上の多価イオン金属である限り特に制限はなく、例えば、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、ニッケルなどが挙げられる。
前記三価以上の金属塩としては、三価以上のサリチル酸金属化合物が好ましい。
前記金属塩の含有量としては、例えば、トナー100質量部に対し、0.5〜2質量部が好ましく、0.5〜1質量部がより好ましい。前記含有量が0.5質量部〜2質量部であると、以下の不具合を防止できる。
・耐ホットオフセット性に劣る不具合
・光沢性、低温定着性に劣る不具合
<<<離型剤>>>
前記離型剤としては、通常のトナーに用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、エステルワックスが好ましい。前記エステルワックスは、一般的なポリエステル結着樹脂との相溶性が低いため、定着時に表面に染み出しやすく、高い離型性を示し、高い低温定着性を確保できる。
前記エステルワックスは、合成モノエステルワックスを用いることが好ましい。合成モノエステルワックスの例としては、例えば、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるモノエステルワックスが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は一般式C2n+1COOHで表わされ、n=5〜30程度のものが好ましく、さらにはn=13〜29のものが好ましい。また長鎖直鎖飽和アルコールはC2n+1OHで表わされn=5〜30程度のものが好ましく、さらにはn=14〜30のものが好ましい。
ここで長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例としては、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラモン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸およびメリシン酸等が挙げられる。一方長鎖直鎖飽和アルコールの具体例としては、アミルアルコール、ヘキシールアルコール、ヘプチールアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコールおよびヘプタデカンノオール等が挙げられ、低級アルキル基、アミノ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。
前記エステルワックスの含有量としては、トナー100質量部に対して4質量部〜8質量部であることが好ましく、5質量部〜7質量部であることがより好ましい。前記含有量が4質量部〜8質量部であると、以下の不具合を防止できる。
・定着時における表面への染み出しが不十分であり、離型性が悪くなり、低温定着性、耐高温オフセット性が低下する不具合。
・トナー表面に析出する離型剤の量が増え、トナーとしての保存性が低下し、感光体等へのフィルミング性が低下する不具合。
<<<ワックス分散剤>>>
前記ワックス分散剤としては、通常のトナーに用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、重縮合系樹脂ユニット及び付加重合系樹脂ユニットを含む樹脂(ハイブリッド樹脂とも称する)が好ましい。
前記重縮合系樹脂ユニットとは、モノマーとして芳香族アルコール成分を含有するアルコール成分と炭素数が9以上14以下の脂肪族ジカルボン酸を含有するカルボン酸成分とを重合させた重合物のユニットである。
前記付加重合系樹脂ユニットとは、モノマーとしてスチレン、アクリル酸及びアクリル酸誘導体を含む成分を重合させた重合物のユニットである。
前記芳香族アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。なお、前記アルコール成分には、芳香族アルコール成分以外の多価アルコールが含まれていてもよい。
前記一般式(1)中、R及びRは、エチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基である。R及びRは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は分岐状アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、などが挙げられる。また、x及びyは、正の整数であり、その和は1〜16、特に好ましくは2〜6である。
炭素数が9以上14以下の脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖アルカンジカルボン酸が好ましい。前記直鎖アルカンジカルボン酸としては、例えば、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、テトラデカン2酸などが挙げられる。
なお、カルボン酸成分には、炭素数が9以上14以下の脂肪族ジカルボン酸を有するカルボン酸成分以外の多価カルボン酸化合物が含まれていてもよい。このような多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、炭素数が1以上30以下のアルキル基又は炭素数2以上30以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の3価以上の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物;炭素数1以上3以下のアルキルエステルなどが挙げられる。
本発明のトナーの結着樹脂であるポリエステル樹脂に比べて、前記ハイブリット樹脂は、一般的なワックスとの相溶性が良いために、ワックスの分散状態は小さくなりやすい。また、ハイブリット樹脂は内部凝集力が弱く、ポリエステル樹脂に比べると粉砕性に優れる。このため、ワックス分散状態が同等であっても、ポリエステル樹脂の場合のように、ワックスと樹脂の界面が粉砕面となる確率が低く、トナー粒子表面に存在するワックスを抑えることができ、トナーとしての耐熱保存性を高めることができる。
また、ハイブリット樹脂は、ポリエステルの熱的特性に近いものとしやすく、ポリエステルが持つ低温定着性と内部凝集力を大きく崩すものではない。
前記ワックス分散剤の含有量としては、トナー100質量部に対して8質量部以下含有することが好ましい。ワックス分散剤を含有することによりワックスの分散効果が得られ、製造方法に左右されることなく安定的に耐熱保存性の向上が期待できる。また、ワックスの分散効果によりワックス径が小さくなり感光体等へのフィルミング現象を抑制できる。
前記含有量が8質量部以下であると、ポリエステル樹脂に対する非相溶成分が多くなり、ワックスの分散性が高くなりすぎるために、耐フィルミング性は向上する代わりに、定着時のワックスの表面への染み出しが悪くなり、低温定着性、耐ホットオフセット性が低下するという不具合を防止できる。
<トナーの特性>
<<トナーの体積平均粒子径>>
本発明のトナーの体積平均粒子径としては、3μm〜10μmが好ましい。
トナーの体積平均粒子径は、種々の方法により測定され、例えば、コールターカウンターマルチサイザーIIIを用い、測定試料は界面活性剤を加えた電解液中に測定トナーを加え超音波分散機で1分間分散させたものを50,000個測定し、体積平均粒子径とする。
<<結着樹脂の分子量の測定>>
前記結着樹脂の数平均分子量、重量平均分子量は、種々の方法により測定され、例えば、以下のようにして、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定できる。
具体的には、測定は、カラム(KF801〜807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行った。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1ミリリットルの流速で流した。試料0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルター(孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μL注入して測定する。試料のTHF溶解分の重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、PressureChemical
Co.分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のもの(あるいは東洋ソーダ工業社製のものでも可)を用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であるので、その試料を用いる。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
<<結着樹脂のガラス転移点(Tg)の測定>>
本発明におけるガラス転移点(Tg)は、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて測定することができる。具体的には、試料0.01〜0.02gをアルミニウムパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速10℃/分で、20℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で昇温する。その際の、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とした。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーは、前記トナー母体粒子に対し、前記外添剤を外添することにより得ることができる。
前記トナー母体粒子は、例えば、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合、分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等の各種製造方法により得ることができる。
次いで、トナー母体粒子へ無機微粒子の外添が行われる。トナー母体粒子と無機微粒子とをミキサー類を用い混合・攪拌することにより、外添剤である前記無機微粒子は解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。
使用できる混合装置としては、粉体を混合できる限り特に制限はなく、公知の装置を用いることができ、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、Qミキサーなどが挙げられる。これらの混合装置は、ジャケット等を装備して内部の温度を調節できるものが好ましい。
無機微粒子のトナー母体表面への付着強度は混合装置の回転羽の周速を変更したり、混合・攪拌時間を変更することにより、制御できる。また、混合装置内へ熱を付与しながら無機微粒子を外添すると、表面が軟化し、無機微粒子をトナー母体表面へ埋め込ませることができるため、トナー母体表面への付着強度を制御できる。
本発明において、総外添時間(撹拌時間)調整することによりシリカの遊離率を制御することができる。特にシリカの遊離率を40%以上80%以下とするためには、混合時間を8分間〜24分間に設定するのが好ましい。
<現像剤>
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記キャリアとしては、目的に応じて適宜選択でき、例えば、磁性キャリア、樹脂キャリアが挙げられる。
前記磁性キャリアは、磁性体微粒子が好ましい。前記磁性体微粒子としては、例えば、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト;鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト;バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト;表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子などが挙げられる。これらの中でも、特に高磁化を要する場合は鉄等の強磁性微粒子が好ましい。
前記キャリアの形状としては、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。また、化学的な安定性を考慮するとマグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトを用いる事が好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を選択する事により所望の磁化を有する樹脂キャリアを使用する事もできる。この時のキャリアの磁気特性は1,000エルステッドにおける磁化の強さは30〜150emu/gが好ましい。
このような樹脂キャリアは、磁性体微粒子と絶縁性バインダー樹脂との溶融混練物をスプレードライヤーで噴霧して製造することができる。具体的には、磁性体微粒子の存在下に水性媒体中でモノマーないしプレポリマーを反応、硬化させることで、縮合型バインダー中に磁性体微粒子が分散された樹脂キャリアを製造できる。
磁性キャリアの表面には正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を固着させたり、樹脂をコーティングして帯電性を制御できる。
表面のコート材としてはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂が用いられ、さらに正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を含んでコーティングすることができるが、シリコーン樹脂及びアクリル樹脂が好ましい。
本発明の電子写真用トナーと磁性キャリアとの混合比はトナー濃度として2質量%〜10質量%が好ましい。
(トナー収容ユニット)
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、感光体汚染を防止でき、耐久性に優れた前記電子写真用トナーの特徴を活かし、長期的な画像安定性を有し、かつ高品質・高精細な画像を形成することができる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、より好ましくは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含む。
また、本発明の画像形成方法は、より好ましくは、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含む。
前記現像手段、及び前記現像工程において、前記トナーが使用される。好ましくは、前記トナーを含有し、更に必要に応じて、キャリアなどのその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、前記トナー像を形成するとよい。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体(以下、「感光体」とも称する)の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
<静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
<現像手段>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
本発明の画像形成装置においては、滑剤塗布手段を有さないことが好ましい。前記滑剤塗布手段とは、感光体に滑剤を塗布する手段のことである。
前記滑剤とは、感光体等の表面に塗布される潤滑剤のことを指す。前記潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
前記滑剤を塗布する目的としては、例えば、以下のことが挙げられる。
・摩擦係数μを低くすることでクリーニングブレードエッジの挙動を安定させ、クリーニング手段を補助する。
・帯電ローラーに交流電圧を印加した際の帯電電流から感光体表面を保護する。
・クリーニングブレードを用い像担持体等の表面に塗布された滑剤を削ることで、像担持体等へのトナー成分の固着や、外添剤・紙黛などによる汚染を抑制する。
滑剤を塗布する方法としては、例えば、ブラシローラーで像担持体表面に塗布する方式があり、滑剤の塊である滑剤固形体を塗布ブラシにより引っ掻くことで滑剤を得、像担持体表面に塗布することができる。
一般的に、滑剤塗布手段を除いた画像形成装置では、クリーニングブレードエッジの挙動が安定しないためクリーニング不良の原因となる他、クリーニングブレードが像担持体等と直に接するため、表面磨耗が増加する。
しかし、本発明においては、外添剤の異形性が高いため、上記のようなクリーニング不良が起こりにくい。
次に、本発明の画像形成装置により画像を形成する方法を実施する一の態様について、図2を参照しながら説明する。
図2は、その画像形成装置の一例の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体という)110の回りには、帯電装置としての帯電ローラ120、露光装置130、クリーニングブレードを有するクリーニング装置160、除電装置としての除電ランプ170、現像装置140、中間転写体としての中間転写体150とが配設されている。中間転写体150は、複数の懸架ローラ151によって懸架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成されている。この懸架ローラ151の一部は、中間転写体へ転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイアス電圧が印加される。また、中間転写体150のクリーニングブレードを有するクリーニング装置190も配設されている。また、中間転写体150に対向し、最終転写材としての転写紙1100に現像像を転写するための転写手段として転写ローラ180が配設され、転写ローラ180は、図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。そして、中間転写体150の周りには、電荷付与手段としてのコロナ帯電器152が設けられている。
現像装置140は、現像剤担持体としての現像ベルト141と、現像ベルト141の回りに併設した黒(以下、Bkという)現像ユニット145K、イエロー(以下、Yという)現像ユニット145Y、マゼンタ(以下、マゼンタという)現像ユニット145M、シアン(以下、Cという)現像ユニット145Cとから構成されている。 また、現像ベルト141は、複数のベルトローラに張り渡され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され、上記感光体110との接触部では感光体110とほぼ同速で移動する。
各現像ユニットの構成は共通であるので、以下の説明はBk現像ユニット45Kについてのみ行ない、他の現像ユニット145Y、145M、145Cについては、図中でBk現像ユニット145Kにおけるものと対応する部分に、該ユニットにおけるものに付した番号の後にY、M、Cを付すに止め説明は省略する。Bk現像ユニット145Kは、トナー粒子とキャリア液成分とを含む、高粘度、高濃度の液体現像剤を収容する現像タンク142Kと、下部を現像タンク142K内の液体現像剤に浸漬するように配設された汲み上げローラ143Kと、汲み上げローラ143Kから汲み上げられた現像剤を薄層化して現像ベルト141に塗布する塗布ローラ144Kとから構成されている。塗布ローラ144Kは、導電性を有しており、図示しない電源から所定のバイアスが印加される。
続いて、本実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図2において、感光体110を矢印方向に回転駆動しながら帯電ローラ120により一様帯電した後、露光装置130により図示しない光学系で原稿からの反射光を結像投影して感光体110上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置140により現像され、顕像としてのトナー像が形成される。現像ベルト141上の現像剤層は、現像領域において感光体との接触により薄層の状態で現像ベルト141から剥離し、感光体110上の潜像の形成されている部分に移行する。この現像装置140により現像されたトナー像は、感光体110と等速移動している中間転写体150との当接部(一次転写領域)にて中間転写体150の表面に転写される(一次転写)。3色又は4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この工程を各色ごとに繰り返し、中間転写体150にカラー画像を形成する。
中間転写体上の重ね合せトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器152を、中間転写体150の回転方向において、感光体110と中間転写体150との接触対向部の下流側で、かつ中間転写体150と転写紙1100との接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、コロナ帯電器152が、該トナー像に対して、該トナー像を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の真電荷を付与し、転写紙1100へ良好な転写がなされるに十分な電荷をトナー像に与える。上記トナー像は、コロナ帯電器152により帯電された後、転写ローラ180からの転写バイアスにより、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転写紙1100上に一括転写される(二次転写)。この後、トナー像が転写された転写紙1100は、図示しない分離装置により感光体110から分離され、図示しない定着装置で定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転写後の感光体110は、クリーニング装置160によって未転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ランプ170により残留電荷が除電される。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過する。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。ただし、「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。
<ポリエステル樹脂の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物258部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物1,344部、テレフタル酸800部、及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート1.8部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら、230℃で6時間反応させた。次に、5mmHg〜20mmHgの減圧下、1時間反応させ、180℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸10部を入れ、5mmHg〜20mmHgの減圧下、重量平均分子量が30,000、数平均分子量が2,300に達するまで反応させ、ポリエステル樹脂を得た。
<モノエステルワックスの製造>
温度計、窒素導入管、撹拌機および冷却管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、脂肪酸成分として50質量部のセロチン酸、及び50質量部のパルミチン酸と、アルコール成分として100質量部のセリルアルコールとを、全量が500gとなるように仕込み、窒素気流下、220℃で反応物を留去しつつ、15時間以上常圧で反応を行い、融点が70.5℃であるモノエステルワックスを得た。
<外添剤の製造>
<<外添剤1の製造>>
外添剤1で使用したフュームドシリカの製造には、可燃性ガスのバーナー燃焼方式(化学炎)を用い、原材料にはテトラクロロシランを使用し、以下の反応で生成した。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
テトラクロロシランは予め水素と空気と混合し、多重管バーナーを用いて円筒状反応器の上端より供給し燃焼反応を行い、フュームドシリカを得た。
なお、ガス混合比はテトラクロロシランと水素ガスと空気との体積比が1:5:14となるように調整した。
得られたフュームドシリカは、ロールクラッシャー粉砕機、ビーズミル式粉砕機の順に粉砕処理を行い、シリカ粒子を得た。
ロールクラッシャー粉砕機は、ロール隙間0.2mm、ロール回転数250rpmの条件で粗粉砕を行った。
得られた乾燥粉を目開き25μm及び75μmの振動篩を用いて分級することで、体積平均粒径:D50が45μmのシリカ粉末を得た。
上記の方法で得られたシリカ粉末に水と分散剤を加え、濃度が15%となるようにシリカ粒子のスラリーを調整した後、ビーズミル式粉砕機を用い、ローター回転数3,600rpmで5hほど粉砕処理を行った。
このとき、ビーズは直径500μmのものを100g使用し、スラリー量は1,500mLとした。
以上にして得られたスラリーを、スプレードライヤーを用いて、スラリー供給量1L/h、噴露圧力2kg/cm、熱風温度150℃で噴霧乾燥を行い、シリカ粒子を得た。
上記により得られた、シリカ粒子2kgを流動層反応器に入れ、ジメチルジクロロシラン8g/分間で450℃に加熱された流動層反応器中に窒素を用い40分間供給し、表面に疎水化処理を施すことで、体積平均粒径163nm、BET比表面積101m/gの外添剤1を得た。
<外添剤粒子の測定>
製造した外添剤単独に関して粒子を観察し、粒度分布の測定を行った。
具体的な測定手順は、後述する遊離外添剤の粒子径・面積比の測定において記載した方法と同一である。
BET比表面積は、窒素吸着法(Macsorb model−1201、マウンテック社製)を用いて測定した。
<<外添剤2、3、5、7、8、9の製造>>
外添剤1の製造において、燃焼温度と、ビーズミル式粉砕機を用いた粉砕時間とを表1のように変更した以外は、外添剤1と同様にして、外添剤2、3、5、7、8、9を得た。
<<外添剤4の製造>>
市販品のシリカ微粒子(HSP−160A:扶桑化学工業社製)を、外添剤4とした。
<<外添剤6の製造>>
市販品のシリカ微粒子(HDK H 1303:クラリアント社製)を、外添剤6とした。
<<外添剤10の製造>>
市販品のシリカ微粒子(UFP−35HH:電気化学工業社製)を、外添剤10とした。
<<外添剤11の製造>>
市販品の酸化チタン微粒子(ST−550:チタン工業社製)を外添剤11とした。
<トナーの製造>
<<トナー母体粒子1の製造>>
・ポリエステル樹脂(Mw:30,000、Mn:2,300) 90.0部
・スチレンアクリル共重合体(EXD−001 三洋化成社製)
(Tg68℃、Mw13,000) 5.0部
・モノエステルワックス(mp70.5℃) 5.0部
・サリチル酸誘導体ジルコニウム塩(商品名:TN−105、製造会社名:保土谷化学社製) 0.9部
上記のトナー原材料を、へンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、一軸混練機(Buss製、コニーダ混練機)で100℃〜130℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物は室温まで冷却後、ロートプレックスにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、100AFG)を用いて、重量平均粒径が5.4±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(株式会社マツボー製、EJ−LABO)で、重量平均粒径が5.8±0.4μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.25以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子1を得た。
<<トナー母体粒子2の製造>>
トナー母体粒子1の製造において、使用する材料種・量を以下のように変更した以外は、トナー母体粒子1と同様の手順により、トナー母体粒子2を製造した。
・ポリエステル樹脂(Mw:30,000、Mn:2,300) 95.0部
・モノエステルワックス(mp70.5℃) 5.0部
・サリチル酸誘導体ジルコニウム塩(商品名:TN−105、製造会社名:保土谷化学社製) 0.9部
(実施例1)
トナー母体粒子1:100部に対し、外添剤1:2.0部を添加した。
トナー母体粒子と外添剤1の混合処理には、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM20C/I)を用い、回転数3,176rpmで回転1min、停止1minを16回繰り返すことで、トナー1を得た。(総混合時間20min)
(実施例2)
トナー1の製造において、ヘンシェルミキサーを用いて回転数3,176rpmで回転1min、停止1minを繰り返す回数を9回に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー2を製造した。
(実施例3)
トナー1の製造において、ヘンシェルミキサーを用いて回転数3,176rpmで回転1min、停止1minを繰り返す回数を6回に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー3を製造した。
(実施例4)
トナー1の製造において、外添剤2を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー4を製造した。
(実施例5)
トナー1の製造において、外添剤3を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー5を製造した。
(実施例6)
トナー1の製造において、外添剤4を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー6を製造した。
(実施例7)
トナー1の製造において、外添剤5を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー7を製造した。
(実施例8)
トナー1の製造において、トナー母体粒子2を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー8を製造した。
(実施例9)
トナー母体粒子1:100部に対し、外添剤1:2.0部、外添剤11:1.0部添加した以外は、トナー1と同様にして、トナー9を製造した。
(比較例1)
トナー1の製造において、ヘンシェルミキサーを用いて回転数3,176rpmで回転1min、停止1minを繰り返す回数を3回に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー10を製造した。
(比較例2)
トナー1の製造において、ヘンシェルミキサーを用いて回転数3,176rpmで回転1min、停止1minを繰り返す回数を25回に変更した以外はトナー1と同様にして、トナー11を製造した。
(比較例3)
トナー1の製造において、外添剤6を用い、ヘンシェルミキサーを用いて回転数3,176rpmで回転1min、停止1minを繰り返す回数を12回に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー12を製造した。
(比較例4)
トナー1の製造において、外添剤7を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー13を製造した。
(比較例5)
トナー1の製造において、外添剤8を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー14を製造した。
(比較例6)
トナー1の製造において、外添剤9を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー15を製造した。
(比較例7)
トナー1の製造において、外添剤6:1.0部、及び外添剤10:1.0部に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー16を製造した(外添剤6および外添剤10は質量部で同量添加した)。
(比較例8)
トナー1の製造において、外添剤1:1.0部及び外添剤10:1.0部に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー17を製造した(外添剤1および外添剤10は質量部で同量添加した)。
<シリカ遊離率の測定>
シリカの遊離率は、以下のようにして測定した。
(1)界面活性剤溶液の準備
500mLのビーカーに界面活性剤(ノイゲンET−165:第一工業製薬社製)を5.00g、蒸留水を300mL加え、超音波にかけて溶解させた。その後、1,000mLメスフラスコに移し、メスアップし、界面活性剤溶液を得た。
(2)トナー分散溶液の調整
トナー3.75gを計量した。100mLスクリュー管に前記界面活性剤溶液を50mL加えた。なお、界面活性剤溶液は泡立たないようにスポイト等で泡を除去し、メスシリンダーで測った。
界面活性剤溶液を壁面になじませてからトナーを加え、静かに上下左右に回した。
トナーが界面活性剤溶液になじむよう、ボールミルで10分間攪拌させた(60rpm)。
なお、専用治具は2L広口瓶をカットし、ダンボールで仕切りをし、5本のスクリュー管が入るようになっている。
(3)超音波エネルギー付与
ミニカップに純水50mLを加え、超音波ホモジナイザー(商品名homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS有限会社製)のチップがミニカップの底から1cmになるようにセットし、超音波エネルギーが40Wになるよう出力を調整した。
音波エネルギー付与時、強度は変動するので、40Wを超えないように、あらかじめ出力を設定した。変動の振れ幅は30Wまで許容するがこれを下回ってはならないようにした。
トナー分散溶液をスクリュー管からミニカップに移し、40Wで1分間、超音波エネルギーを付与した。
(4)遊離添加剤の分離
超音波付与したトナー分散溶液を100mL遠沈管に移し、2000rpmで2分間、遠心分離機にかけた。これは、ステンレス容器に50mL軟膏瓶を2つ入れ、軟膏瓶の中に遠沈管をセットして行った)。遠心分離後、遠沈管の上澄み液を観察用に取り分けた。
(5)ろ過
30mLの純水を遠沈管に加え、沈殿したトナーをスパチュラで攪拌し、漏斗に流し入れた。吸引ろ過によって水分を引き、再度30mLの純水を遠沈管に加え、完全に沈殿したトナーを洗い出し、漏斗に流し入れた。使用するろ紙は(商品名定性ろ紙(No.2、110mm、アドバンテック東洋株式会社製)。
ある程度乾燥したら、一度ビーカーにトナーを移し、60mLの純水を加えスパチュラで静かに攪拌させた。このとき、ろ紙の上から水を掛け、ろ紙についたトナーも落とした。
乾燥したらアルミカップにトナーを移し、スパチュラで細かく砕いた。
(6)乾燥
トナーを入れたアルミカップを38℃の恒温槽に保管し、8時間以上乾燥させた。
(7)X線の測定
上記(1)〜(6)で得られた遊離処理後のトナー、および遊離処理前のトナーに含有される外添剤量を蛍光X線法で定量し、下式に代入して得られた値を外添剤の遊離率として評価した。
(外添剤遊離率)=(遊離処理前のトナーに含まれる外添剤量−遊離処理後のトナーに含まれる外添剤量)/(遊離処理前のトナーに含まれる外添剤量)×100
<遊離外添剤の粒子径・面積比の測定>
外添剤遊離率の測定作業において遠心分離(外添剤遊離率の測定作業の(4))の後に取り分けた上澄み液を使用して、円相当径50nm以上の粒子を観察し、遊離外添剤の粒子径・面積比の測定を行った。
測定は、透過型電子顕微鏡(JEM−2100、日本電子株式会社)を用いて測定を行った。
観察サンプルは、上記上澄み液をコロジオン膜貼付メッシュ(日新EM株式会社)に貼付けて作製した。得られた観察サンプルを用いて、画像を得た。得られた画像を画像処理ソフトA像君(旭化成エンジニアリング株式会社)で二値化し、円相当径、粒子面積、外接円面積を算出した。
上記算出は、A像君の粒子解析モードで得られた「円相当径2」「面積」「外接円直径」を用いて計算している。
円相当径は、上記で得られた値が円形面積によるものであるとし、直径の値に換算して得た。
粒子面積は、2値化により得られた「面積」の値をそのまま使用した。
外接円面積は、2値化により得られた「外接円直径」から算出した。
面積比(外接円面積/粒子面積)は、上記で得られた「外接円面積の平均」を「粒子面積の平均」で割ることで得た。
体積平均粒径は、同じソフトにより、上記で得られた円相当径から体積を算出し、粒子径と体積の積の和を体積の和で割る([各測定粒子の(粒子径×体積)の合計/各測定粒子の体積の合計])ことで得た。
以下に本解析の解析条件の詳細を記載する。
2値化方法(閾値):手動設定(目視)
範囲指定:有
外縁補正:無
穴埋め:有
収縮分離:無
上記において2値化閾値を手動で設定しているのは、トナー表面の凹凸と、外添剤とを区別するためである。また、2値化する際に、同一画像上でのコントラストの変化が激しい場合は、解析範囲を1粒子付近に指定し、1粒子中とその周辺領域に絞って観察して閾値を設定した。
円相当径50nm以上の粒子の粒子面積の割合が、遊離した外添剤の全粒子面積に対して占める割合(円相当径50nm以上の粒子の粒子面積比率)の測定は、[円相当径50nm以上の粒子面積の合計/遊離した全粒子の粒子面積の合計]により算出した。
トナー1〜17のシリカ遊離率、及び観察結果は表2の通りである。
<<二成分現像剤の製造>>
<キャリアの作製>
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコ−ン) 100部
・トルエン 100部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック 10部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形成液を調製した。この被覆層形成液を、平均粒径35μmの球状フェライト表面に平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型塗布装置を用いて塗布し、内部樹脂層を形成した。流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成した後、篩い分けにより粒度調整を行い、キャリアを得た。
作製したキャリアと、トナー1とをターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し帯電させ、二成分現像剤1を作製した。なお、トナーとキャリアの混合比率は、評価機の初期現像剤のトナー濃度:4質量%に合わせて混合した。
二成分現像剤1の製造において、トナー1をそれぞれトナー2〜17に代えた以外は、二成分現像剤1と同様にして、二成分現像剤2〜17を製造した。
得られた二成分現像剤を、デジタルフルカラー複合機(MP C306、株式会社リコー製)から滑剤塗布機構を取り除いた評価機にセットし、以下の評価を行った。評価結果を表3に示した。
<感光体汚染防止>
5%画像濃度チャートを常温常湿条件下で2,000枚出力後の感光体に付着した付着成分量を目視により、以下の評価基準により評価した。
◎ :全く付着がない
○ :わずかに曇りの痕跡や固着物が観察された
△ :曇りのスジや微少の固着物は確認できるが、画像に出力されない
× :曇り面積や固着物が非常に多い又は、転写不良など、画像上に出力される
<耐久性>
5%画像濃度チャートを高温高湿条件下(30℃、80%)で40,000枚出力後に画像を100枚観察し、以下の評価基準により評価した。
○ :全く付着がない
△ :スジ状あるいは斑点状の固着物が1個/枚以下である
× :スジ状あるいは斑点状の固着物が1個/枚以上である
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、シリカを含有する外添剤と、を含有する電子写真用トナーであって、前記外添剤が以下の(1)〜(4)を満たすことを特徴とする電子写真用トナーである。
(1)前記シリカの遊離率が、40%以上80%以下である。
(2)遊離した外添剤が、円相当径50nm以上の粒子を含有する。
(3)前記円相当径50nm以上の粒子の体積平均粒径が、100nm以上160nm以下である。
(4)前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)が、1.80以上3.00以下である。
<2> 前記円相当径50nm以上の粒子の粒子面積の割合が、前記遊離した外添剤の全粒子面積に対して、30%以上である前期<1>に記載の電子写真用トナーである。
<3> 前記円相当径50nm以上の粒子が、凝集粒子である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真用トナーである。
<4> 前記シリカの遊離率が、40%以上60%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真用トナーである。
<5> 前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)が、2.00以上2.80以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真用トナーである。
<6> 前記電子写真用トナーが、離型剤及びワックス分散剤を更に含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真用トナーである。
<7> 前記離型剤が、エステルワックスであり、
前記ワックス分散剤が、縮重合系樹脂ユニット及び付加重合系樹脂ユニットを含む樹脂である前記<6>に記載の電子写真用トナーである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真用トナーを収容した、トナー収容ユニットである。
<9> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を含み、
前記トナーが、前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 前記画像形成装置が、前記静電潜像担持体上に滑剤を塗布する滑剤塗布手段を有さない前記<9>に記載の画像形成装置。
前記<1>から<7>に記載の電子写真用トナー、前記<8>に記載のトナー収容ユニット、及び前記<9>から<10>に記載の画像形成装置は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
110 感光体
120 帯電ローラ
160 クリーニング装置
特開2008−145652号公報 特許第3596853号公報 特開2007−264142号公報 特開2009−229621号公報 特開2006−030662号公報 特許第564464号公報

Claims (10)

  1. 結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、シリカを含有する外添剤と、を含有する電子写真用トナーであって、前記外添剤が以下の(1)〜(4)を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
    (1)前記シリカの遊離率が、40%以上80%以下である。
    (2)遊離した外添剤が、円相当径50nm以上の粒子を含有する。
    (3)前記円相当径50nm以上の粒子の体積平均粒径が、100nm以上160nm以下である。
    (4)前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)が、1.80以上3.00以下である。
  2. 前記円相当径50nm以上の粒子の粒子面積の割合が、前記遊離した外添剤の全粒子面積に対して、30%以上である請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記円相当径50nm以上の粒子が、凝集粒子である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  4. 前記シリカの遊離率が、40%以上60%以下である請求項1から3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 前記円相当径50nm以上の粒子の外接円面積と粒子面積との比(外接円面積/粒子面積)が、2.00以上2.80以下である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. 前記電子写真用トナーが、離型剤及びワックス分散剤を更に含有する請求項1から5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 前記離型剤が、エステルワックスであり、
    前記ワックス分散剤が、縮重合系樹脂ユニット及び付加重合系樹脂ユニットを含む樹脂である請求項6に記載の電子写真用トナー。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の電子写真用トナーを収容した、トナー収容ユニット。
  9. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を含み、
    前記トナーが、請求項1から7のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置が、前記静電潜像担持体上に滑剤を塗布する滑剤塗布手段を有さない請求項9に記載の画像形成装置。

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