JP2019206983A - 管路の補修方法および管路の補修システム - Google Patents
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(a)被覆体の壁部に貫通穴を形成する、
(b)その後、貫通穴を介して、管路本体と被覆体との間に形成された間隙に(管路本体の外面に付着可能な)シール材を注入する、
といった手順を踏むことによって、管路の補修がおこなわれるように構成されている。
図1および図2に示すように、本実施形態にかかる管路Pは、戸建住宅などの建物の壁内や床下にガス管として敷設される管材であって、流体(本実施形態では、都市ガスまたはプロパンガス)が流通する管路本体Fと、管路本体Fの外面を被覆する被覆体Cとを有している。なお、上記管路本体Fと、被覆体Cとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「管路本体」と、「被覆体」とに該当する。
複数の溝部dは、それぞれ、断面略U字形状を有し、周方向に連続して形成され、軸方向に沿って延びるように設けられている。
図1および図2に示すように、チューブ体2は、半固形状(液状)のシール材Smが充填された容器であって、胴体部2bを押圧等することによって、先端に向かって漸次先細る先端部2aからシール材Smを搾り出すことができるように構成されたものである。なお、上記先端部2aが特許請求の範囲に記載の「排出部」に該当する。
例えば、シール材Smとしては、ポリウレタン、アクリル、シリコン等の樹脂、および、天然ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等のゴム、および、これらの原料を主成分とした混合物(硬化剤等を混ぜたもの)などを用いることができ、管路本体Fの材質、損傷箇所(貫通箇所)の大きさ、および、管路本体F内を流通する流体の圧力等によって、適宜変更することが可能である。
被覆部材3は、略矩形状に形成され、その両端部に設けられた一対の気密ファスナー3A,3Aと、チューブ体2の先端部2aを挿入可能な孔部3Bとを有している。なお、上記孔部3Bが特許請求の範囲に記載の「開口部」に該当する。
気密ファスナー3Aは、公知であるため、詳しい説明を省略するが、本実施形態においても、一対の務歯を係合させた後、スライダーを移動させることによって、気密性を有した状態で閉塞することが可能なスライドファスナー式のものである。
また、孔部3Bは、チューブ体2の先端部2aを挿入した状態で、その開口周縁が先端部2aにより塞がれる大きさに形成されている。
(a)管路Pの外周を覆った状態で一対の気密ファスナー3A,3Aを締結した後、
(b)その両側を結束具(例えば、ゴムバンドやいわゆるインシュロックやゴムバンド)4,4を用いて管路Pに締め付ける、
ことにより、その内部を気密性のある空間にするためのものである。この点、孔部3Bは、ゴム等の弾性部材に形成されているのが好ましい。
本実施形態にかかる管路補修方法は、まず、補修位置特定工程Aをおこなうことから始まる。
具体的に、この補修位置特定工程Aでは、管路Pの損傷箇所Dを特定する作業(本実施形態では貫通部材としての釘Nの貫通箇所を特定する作業)をおこなう(図2(a)参照)。
貫通穴形成工程Bでは、管路Pを構成する被覆体Cの一部(例えば、幅1cm×長さ2cm)を、貫通穴形成具(例えば、カッター)を用いて除去する作業をおこなう(図2(b)参照)。
具体的には、被覆体Cのうち、損傷箇所Dから所定距離(例えば、5cm)離れた部位に、貫通穴Hを形成する作業をおこなう。なお、上記貫通穴Hが特許請求の範囲に記載の「貫通穴」に該当する。
貫通穴形成工程Bは、被覆体Cに貫通穴Hを形成することで終了し、その後、次工程である被覆部材取付工程Cがおこなわれる。
被覆部材取付工程Cでは、損傷箇所Dおよび貫通穴Hを含む位置で、管路Pの外周に被覆部材3を取り付ける作業をおこなう。
具体的には、
・損傷箇所Dおよび貫通穴Hを覆うように、被覆部材3を管路Pに巻き付けた状態で、気密ファスナー3Aを閉塞する、
・その後、被覆部材3の両端部を結束具4,4で縛る、
といった作業をおこなう。なお、このような被覆部材取付工程Cは、必要に応じて省略することも可能である。
被覆部材取付工程Cは、管路Pに被覆部材3を取り付けることで終了し、その後、次工程であるシール材注入工程Dがおこなわれる。
シール材注入工程Dでは、貫通穴Hおよび空間Sを介して、シール材Smを損傷箇所Dに充填する作業をおこなう。
具体的には、
(a)チューブ体2の先端部2aを、被覆部材3の孔部3Bに挿入する、
(b)その後、チューブ体2の先端部2aを、損傷箇所D側の溝部d(貫通穴H)に突き当てた状態で、シール材Smを空間S内に注入する、
といった作業をおこなう(図2(c)参照)。なお、チューブ体2は、被覆部材3の孔部3Bに挿入している状態で、その外周と被覆部材3の孔部3Bの開口周縁との間に隙間が生じないようにするのが好ましい。これは、上述したように、シール材Smの注入作業中にシール材Smが流れ落ちてしまうのを防止するとともに、管路P内に残存する流体が、外部に漏出しないようにするためである。
その後、シール材Smをさらに注入していくと、シール材Smは、損傷箇所Dの内部に進入しつつ、その周囲の空間Sおよび管路本体Fの谷部を埋めていくこととなる。
2 チューブ体
2a 先端部
2b 胴体部
3 被覆部材
3A 気密ファスナー
3B 孔部
4 結束具
P,P2〜P4 管路
F,F4 管路本体
C,C3 被覆体
H 貫通穴
d 溝部
Sm シール材
S,S2〜S4 空間
D 損傷箇所
N 釘
W 仕切り板
Claims (8)
- 流体が流通する管路本体と前記管路本体の外面を覆う被覆体とを有し、前記管路本体と前記被覆体との間に前記流体の流通方向に沿って間隙が形成された管路の補修方法であって、
前記被覆体の壁部に貫通穴を形成する貫通穴形成工程と、
前記貫通穴を介して前記管路本体の外面に付着可能なシール材を前記間隙に注入するシール材注入工程と、を含む、
ことを特徴とする管路の補修方法。 - 前記貫通穴形成工程は、前記管路本体を前記被覆体で覆った後におこなわれることを特徴とする請求項1に記載の管路の補修方法。
- 前記貫通穴形成工程は、前記管路本体を前記被覆体で覆う前におこなわれることを特徴とする請求項1に記載の管路の補修方法。
- 前記間隙は、断面U字状に形成され、前記流体の流通方向に沿って複数形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の管路の補修方法。
- 前記管路本体と前記被覆体との間には、前記流体の流通方向に所定の間隔を空けて前記間隙を仕切る仕切り部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の管路の補修方法。
- 前記貫通穴形成工程をおこなった後、前記シール材注入工程をおこなう前に、前記貫通穴を含む前記被覆体の壁部を被覆部材で覆う被覆部材取付工程を含み、
前記シール材注入工程は、前記被覆部材に形成された開口部を介して前記シール材を前記間隙に注入することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の管路の補修方法。 - 流体が流通する管路本体と前記管路本体の外面を覆う被覆体とを有し、前記管路本体と前記被覆体との間に前記流体の流通方向に沿って間隙が形成された管路の補修システムであって、
前記被覆体の壁部に貫通穴を形成する貫通穴形成具と、
前記管路本体の外面に付着可能なシール材と、
前記貫通穴形成具によって形成された前記貫通穴を介して前記シール材を前記間隙に注入するシール材注入具と、
を備えたことを特徴とする管路の補修システム。 - 前記貫通穴を含む前記被覆体の壁部を覆う被覆部材をさらに備え、
前記被覆部材は、前記シール材注入具に設けられた前記シール材の排出部を挿通可能な開口部を有することを特徴とする請求項7に記載の管路の補修システム。
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