JP2019206641A - 量子ドット、量子ドット含有組成物、インクジェットインキ - Google Patents

量子ドット、量子ドット含有組成物、インクジェットインキ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、量子ドットを用いて造形物への着色、塗布、印刷する際に、蛍光特性を維持可能な耐性の高い量子ドットを提供することである。また、吐出性に優れ、量子ドットのブリードが抑制された量子ドット含有組成物、インクジェットインキ、及び印刷物を提供することである。【解決手段】上記課題は、半導体微粒子が、一般式(1)で示される片末端領域にチオール基を有する処理剤で表面処理されてなる量子ドットによって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、量子ドット、量子ドットを含有する組成物、組成物を含有するインクジェットインキに関する。
量子ドットは、量子力学に従う独特な光学特性を発現させるために、電子を微小な空間に閉じ込めるために形成された極小さな粒(ドット)である。1粒の量子ドットの大きさは、直径1ナノメートルから数10ナノメートルであり、約1万個以下の原子で構成されている。発する蛍光の波長が、粒の大きさで連続的に制御できること、蛍光強度の波長分布が対称性の高いシャープな発光が得られることから近年注目を集めている。
量子ドットは、人体を透過しやすい波長に蛍光を調整でき、体内のあらゆる場所に送達できることより発光材料として生体イメージング用途(非特許文献1)、褪色の恐れがない波長変換材料として太陽電池用途(特許文献1)、鮮明な発光材料、波長変換材料としてエレクトロニクス・フォトニクス用途(特許文献2,3)への展開検討が行われている。
これらの用途に展開するときに、必要となる特性として、蛍光の量子収率があげられる。蛍光収率を向上させるために、非特許文献2には、半導体微粒子をIn−Pからなる半導体微粒子に有機脂肪族カルボン酸であるミリスチン酸で被覆する例が開示されている。
特開2006−216560号公報 特開2008−112154号公報 特開2009−251129号公報
神隆、「半導体量子ドット、その合成法と生命科学への応用」、生産と技術、第63巻、第2号、2011年、p58〜p65 Journal of the American chemical society 2007 129 15432-15433
しかしながら、塗布、印刷するためには、量子ドット単体では困難なため、溶剤やモノマーといった希釈材を用いるが、成形、塗布、印刷時に蛍光特性を維持したまま行うことは困難で、蛍光量子収率の低下が大きく低下してしまうことが課題となっていた。量子効率低下の抑制のために 量子ドット含有造形物全体をバリア剤で囲う方法があるが、加工性が低下するという欠点があった。また、量子ドットを含む組成物を用いて印刷を行い、カラーフィルタや発光層として使用する場合、他層や外部への量子ドットの流出(ブリード)が懸念されている。
したがって本発明の目的は、量子ドットを用いて造形物への着色、塗布、印刷する際に、蛍光特性を維持可能な耐性の高い量子ドットを提供することである。また、吐出性に優れ、量子ドットのブリードが抑制された量子ドット含有組成物、インクジェットインキ、及び印刷物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の構造を有する処理剤で表面処理された半導体微粒子を用いることにより、量子効率を維持するとともに、ブリードを抑制できることを見出した。すなわち本発明は、以下の〔1〕〜〔6〕に関する。
〔1〕 半導体微粒子が、下記一般式(1)で示される処理剤で表面処理されてなる量子ドット。
一般式(1)

(一般式(1)中、
(A)は(メタ)アクリル系重合体残基であり、
は直接結合又は、アルキレン基、アリーレン基及びアルキレンオキサイド基からなる群より選ばれる二価の基であり、
は直接結合又は−O−C(=O)−であり、
は下記一般式(2)、一般式(3)、一般式(4 )又は一般式(5)で示される四価の基であり、
は水素原子又は−COOHであり、
及びYは、いずれか一方が下記一般式(6)又は一般式(7)で示される基であり、Y及びYのもう一方は水素原子又は−COOR15であり、
15は水素原子、アルキル基又はアリール基である。)

一般式(2)

(一般式(2)中、Rはメチン基又はエチン基である。)

一般式(3)

(一般式(3)中、kは1又は2である。)

一般式(4)

(一般式(4)中、Qは、直接結合又は炭素数が1〜20である二価の基である。)

一般式(5)

(一般式(5)中、Rはアルキレン基である。)

一般式(6)

(一般式(6)中、Mは−NR11−又は−O−であり、R11は水素原子、アルキル 基、又はアリール基であり、
10はアルキレン基及びアルキレンオキサイド基からなる群より選ばれる二価の基である。)

一般式(7)

(一般式(7)中、R12はアルキレン基であり、R13はアルキレン基及びアリーレン 基からなる群より選ばれる二価の基であり、
14は水素原子、アルキル基又はアリール基である。)
〔2〕 前記半導体微粒子が化合物半導体である、〔1〕に記載の量子ドット。
〔3〕 前記半導体微粒子がコア・シェル型であり、前記一般式(1)で示される処理剤でシェル表面が処理されてなる、〔1〕又は〔2〕に記載の量子ドット。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載の量子ドット及び溶媒を含有する、量子ドット含有組成物。
〔5〕 〔4〕に記載の量子ドット含有組成物を少なくとも含有し、粘度が3〜50mPa・sであるインクジェットインキ。
〔6〕 〔5〕に記載のインクジェットインキを用いて形成される印刷物。
本発明によって、量子ドットの蛍光収率を向上するとともに、量子ドットを用いて造形物への着色、塗布、印刷した際に、蛍光特性を維持可能な耐性の高い、高信頼性の量子ドットを提供することができる。また、吐出性に優れ、量子ドットのブリードが抑制された高信頼性の量子ドット含有組成物、インクジェットインキ、及び印刷物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、特段記載のない限り、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を表す。
本発明の量子ドットは、半導体微粒子が、一般式(1)で示される片末端領域にチオール基を有する処理剤で表面処理されたことを特徴とする量子ドットである。
<半導体微粒子>
半導体微粒子は、主に無機物を成分とする半導体であり、単一組成でも、コアシェル型でも、3層以上の複数層になっていてもよい。
半導体は、周期表1族元素、2族元素、10族元素、11族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素、16族元素及び17族元素で示される元素の群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を含む化合物からなる半導体である。
さらに好ましくは化合物半導体である。化合物半導体は、H、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、N、P、As、Sb、Pb、O、S、Se、Te、F、Cl、Br、Iで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体であり、具体的には、CuCl、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、MgTe、GaAs、GaP、GaSb、GaN、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、InN、AlAs、AlP、AlSb、AlS、PbS、PbSe、Ge、Si、CuInS、AgInS、Si、Ge、Pb、InGaP、CHNHPbF、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHPbI、CsPbF、CsPbCl、CsPbBr、CsPbI、RbPbF、RbPbCl、RbPbBr、RbPbI、KPbF、KPbCl、KPbBr、KPbIなどが挙げられる。
さらに好ましくは、人に対する安全性が懸念される元素を除いた、H、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、N、P、O,S,Te、Cl、Br、Iで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体である。
可視光を発光する用途では、バンドギャップの狭さからInを構成元素として含む半導体が、さらに好ましい。
コアシェル型の半導体微粒子はコアを形成する半導体と異なる成分からなる半導体でコア構造を被覆された構造となる。外部がバントギャップの大きい半導体をすることで、光励起によって生成された励起子(電子−正孔対)はコア内に閉じ込められる。その結果、半導体微粒子表面での無輻射遷移の確率が減少し、発光の量子収率及び半導体量子ドットの蛍光特性の安定性が向上する。
半導体微粒子の平均粒径は0.5nm〜100nmであることが好ましく、所望の発色が得られる粒径を選択することができる。コアシェル型の場合、一つの半導体微粒子の中に複数のシェル微粒子を含有してもよい。単一半導体組成である場合の半導体微粒子の平均粒径及び、コアシェル型のコアの平均粒径は0.5nm〜10nmであることが好ましい。平均粒径が0.5nm未満となる合成は困難であり、また、10nmを超えると量子閉じ込め効果が得られず、求める蛍光が得られない場合がある。
量子ドットは、平均粒径が2nm〜1μmであることが好ましい。量子ドットの形状は、球状に限らず、棒状、円盤状、そのほかの形状であっても良い。
半導体微粒子は、コア・シェル型であり、一般式(1)で示される処理剤でシェル表面が処理されてなることが好ましい。
<一般式(1)で示される処理剤>
処理剤は、前述の一般式(1)で表されるものであり、片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)である。該片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)は、公知の合成法を用いて製造することができ、後述のとおり、片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)を用いて得ることができるが、これに限定されるものではない。
一般式(1)〜(7)における置換基について説明する。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基、ドデシル基又はエイコシル等の直鎖アルキル基が挙げられ、前記アルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよく、また、一部の水素が脱落し2重結合を形成していてもよいし、環を形成していてもよい。炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ヘキシレン基、ドデシレン基又はエイコシレン基等の直鎖アルキレン基が挙げられ、前記アルキレン基は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよく、また、一部の水素が脱落し2重結合を形成していてもよいし、環を形成していてもよい。炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基又はアントリレン基等が挙げられる。前記アリーレン基は、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル鎖、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又はニトロ基のような置換基を有していてもよく、アリーレン基を構成する一部の炭素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子又は硫黄原子等に置換され、ヘテロアリーレン環となっていてもよい。炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜8のアリーレン基である。
アリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基又は2−アントリル基等が挙げられる。前記アリール基は、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル鎖、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又はニトロ基のような置換基を有していてもよく、アリール基を構成する一部の炭素原子が、窒素原子、酸素原子、リン原子又は硫黄原子等に置換され、ヘテロアリール環となっていてもよい。炭素数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜8のアリール基である。
アルキレンオキサイド基としては、メチレンオキサイド基、エチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、ドデシレンオキサイド基、エイコシレンオキサイド基等の直鎖アルキレンオキサイド基が挙げられるが、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよく、また、一部の水素が脱落し2重結合を形成していてもよいし、環を形成していてもよい。炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。
[片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)]
片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)は、下記の工程(1−1)又は(1−2)を含む製法で得ることができる。これらの工程は、チオール基の連鎖移動反応を利用して(メタ)アクリル系重合体(A1)又は(A1’)を生成する工程を含む。
(1−1):分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合し、片末端領域に2つのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A1)を得た後、前記2つのカルボキシル基を酸無水物基に変性し、片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)を得る工程
(1−2):分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物の存在下にエチレン性不飽和単量体を重合し、片末端領域に1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体(A1’)を得た後、前記1つ以上の水酸基と、無水トリカルボン酸クロリド(E)中の酸クロライド基又はテトラカルボン酸無水物(F)の分子内中の1つの酸無水物基を反応させ、片末端領域に1つ以上の酸無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)を得る工程
また、片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)の製造方法は、下記の工程(2−1)又は(2−2)を含む。
(2−1):前記工程(1−1)又は(1−2)により得られた重合体(A2)の酸無水物基と、分子内に1つ以上のアミノ基と1つ以上のチオール基とを有する化合物又は、
分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物、を反応させてなる、片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)を得る工程
(2−2):分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物の存在下にエチレン性不飽和単量体を重合してなる、片末端領域に1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体(A1’)において、
当該アクリル系重合体(A1’)が前記片末端領域に有する1つ以上の水酸基と、
分子内に1つ以上のイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を反応させ、
更に前記(メタ)アクリロイル基と、分子内に1つ以上のアミノ基と1つ以上のチオール基とを有する化合物とをマイケル付加反応させてなる、片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)を得る工程
(メタ)アクリル系重合体(A1)若しくは(A1’)は、一種類のエチレン性不飽和単量体から構成されていてもよいし、複数種類のエチレン性不飽和単量体から構成されていてもよい。
共重合体(A2)及び(A3)を得るための上記の工程について、その合成方法の具体例を下記に示して説明するが、これらの具体例に限定されるものではない。
[具体例(I)]
具体例(I)は、前記工程(1−1)及び(2−1)を経て(メタ)アクリル系重合体(A3)を得る具体例である。
(工程(1−1):片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2))
分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物である一般式(10)で表される化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合し、片末端領域に2つのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A1)を得る(下記スキーム(1))。
一般式(10)

(一般式(10)中、Rはメチレン基又はエチレン基である。)
スキーム(1)

(スキーム(1)中、(A)は任意のエチレン性不飽和単量体を重合した(メタ)アクリル系重合部であり、(メタ)アクリル系重合体(A1)残基である。Rは、前記一般式(10)と同様である。)
前記重合体(A1)中の2つのカルボキシル基を酸無水物基に変性し、片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)を得る(下記スキーム(2))。
スキーム(2)

(スキーム(2)中の各符号は、スキーム(1)と同様である。)
(分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物)
分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物は、連鎖移動剤として機能するものであれば特に限定されない。好ましくは一般式(10)で示される化合物が挙げられる。一般式(10)で示される化合物としては、例えば、2−メルカプトコハク酸、2−メルカプトグルタル酸などが挙げられる。好ましくは2−メルカプトコハク酸である。
また、分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物の他の例としては、2,2−メチレンビス(チオグリコール酸)、2,3−ジメルカプトコハク酸、4,5−ジメルカプトフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に、スキーム(1)、(2)の好ましい具体例であるスキーム(1−1)、(2−1)を示す。但し、これらに限定されるものではない。
スキーム(1−1)
スキーム(2−1)

(スキーム(1−1)(2−1)中の各符号は、スキーム(1)と同様である。)
末端カルボキシル基を前記スキーム(2)のように環化させる方法としては、例えば、無水酢酸や2,6−ビス[(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニル)メチル]フェニルボロン酸などの分子内縮合触媒を使用し、分子内脱水縮合して酸無水物を得てもよい。また、触媒を使用せず、高温加熱条件で分子内脱水縮合させる方法であってもよい。
中でも、生産上やコストなどの観点から、無水酢酸を触媒に使用する系がより好ましい。また、これらの方法に限定されるものではない。
(工程(2−1):片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)の合成)
前記重合体(A2)の酸無水物基と、分子内に1つ以上のアミノ基と1つ以上のチオール基とを有する化合物である下記一般式(15)で表される化合物、又は分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物である下記一般式(16)で表される化合物を反応させ、片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)を得る(下記スキーム(3))。
一般式(15)
一般式(16)

(一般式(15)及び(16)中、
は水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、
はヘテロ原子を有していてもよい二〜四価の炭化水素基であり、nは1〜3の整数である。)
におけるヘテロ原子としては、O(酸素)、N(窒素)、S(硫黄)などが挙げられ、中でもOが好ましい。二〜四価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの組み合わせがあげられる。Rとしては、中でも、アルキレン基、アリーレン基、及びアルキレンオキサイド基より選択されるものであることが好ましい。より好ましくはアルキレン基である。
スキーム(3)

(スキーム(3)中の各符号は、前記一般式(10)、一般式(15)、及び一般式(16)中の各符号と同様である。)
以下に、スキーム(3)の好ましい具体例であるスキーム(3−1)を示す。但し、これらに限定されるものではない。
スキーム(3−1)

(スキーム(3−1)中の各符号は、スキーム(3)と同様である。)
一般式(15)で示される表される化合物としては、例えば、2−アミノエタンチオール、3−アミノプロピル−1−チオール、1−アミノプロピル−2−チオール、4−アミノ−1−ブタンチオール等のアミノアルカンチオール類;2−アミノチオフェノ−ル、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等のアミノベンゼンチオール類;などが挙げられ、好ましくはアミノアルカンチオールである。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。また、これらに限定されるものではない。
一般式(16)で示される表される化合物で示されるものとしては、例えば、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトヘキサノール、2−[2−(2−メルカプトエトキシ)エチルチオ]エタノール、2−(2−メルカプトエトキシ)エタノール、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタノール、8−メルカプト−3,6−ジオキサオクタン−1−オール、11−メルカプト−3,6,9−トリオキサウンデカン−1−オール、3,6,9,12−テトラオキサ−14−メルカプトテトラデカン−1−オール、17−メルカプト−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1−オール、2−(メルカプトメチル)−3−メルカプト−1−プロパノール等のチオアルコール類;が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。また、これらに限定されるものではない。
一般式(15)で示される表される化合物又は一般式(16)で示される表される化合物の、アミノ基又は水酸基(mol)の比率は、(メタ)アクリル系共重合体(A2)の酸無水物基(mol)に対して0.3〜1.5の範囲であることが好ましい。さらに、0.8〜1.2であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A2)中の酸無水物基と、一般式(15)で示される表される化合物又は一般式(16)で示される表される化合物、とを反応させる方法としては、15〜70℃の温度範囲内で混合させた後、1時間程度撹拌反応させる方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような具体例(I)により、(メタ)アクリル系重合体(A3)が得られる。
[具体例(II)]
次に、具体例(II)について説明する。具体例(II)は、前記工程(1−2)及び(2−1)を経て(メタ)アクリル系重合体(A3)を得るものである。
(工程(1−2):片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2))
分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物である下記一般式(12)で表される化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合してなる、片末端領域に1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体(A1’)を得る(下記スキーム(6))。
一般式(12)

(一般式(12)中、Rは、ヘテロ原子を有していてもよい二〜四価の炭化水素基であり、nは1〜3の整数である。)
における二〜四価の炭化水素基は、前記一般式(16)におけるRと同様のものとすることができる。
スキーム(6)

(スキーム(6)中、(A)は任意のエチレン性不飽和単量体を重合した(メタ)アクリル系重合部であり、(メタ)アクリル系重合体(A1’)残基である。Rは、前記一般式(12)と同様である。)
以下に、スキーム(6)の好ましい具体例であるスキーム(6−1)を示す。但し、これらに限定されるものではない。
スキーム(6−1)

(スキーム(6−1)中の(A)は、スキーム(6)と同様である。)
前記重合体(A1’)中の1つ以上の水酸基と、無水トリカルボン酸クロリド(E)中の酸クロライド基又はテトラカルボン酸無水物(F)の分子内中の1つの酸無水物基を反応させてなる、片末端領域に1つ以上の酸無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)を得る(下記スキーム(7)又はスキーム(8))。
スキーム(7)

(スキーム(7)中、Pは1〜3の整数であり、その他の各符号は、前記スキーム(6)と同様である。)
以下に、スキーム(7)の好ましい具体例であるスキーム(7−1)を示す。但し、これらに限定されるものではない。
スキーム(7−1)

(スキーム(7−1)中の各符号は、前記スキーム(7)と同様である。)
スキーム(8)

(スキーム(8)中の各符号は、前記スキーム(7)と同様である。)
以下に、スキーム(8)の好ましい具体例であるスキーム(8−1)を示す。但し、これらに限定されるものではない。
スキーム(8−1)

(スキーム(8−1)中の各符号は、前記スキーム(8)と同様である。)
無水トリカルボン酸クロリド(E)、テトラカルボン酸無水物(F)は重合体(A1’)中の1つ以上の水酸基と等モル数で反応させることが理想的であり、より具体的には、無水トリカルボン酸クロリド(E)を使用する場合は、一つの酸クロリド基のみと、テトラカルボン酸無水物(F)を使用する場合は、2つの酸無水物基中の1つの酸無水物基のみを反応させることが理想的である。
分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物は、連鎖移動剤として機能するものであれば特に限定されない。好ましくは一般式(2)で示される化合物である。
一般式(12)で示される化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトヘキサノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、3−メルカプト−1−プロパノール、7−メルカプト−1−ヘプタノール、チオグリセロール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、ジメルカプトペンタエリスリトール、トリメルカプトペンタエリスリトール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(12)で示される化合物の他の例としては、2−(2−メルカプトエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メルカプトエトキシ)エチルチオ]エタノール、8−メルカプト−3,6−ジオキサオクタン−1−オール、11−メルカプト−3,6,9−トリオキサウンデカン−1−オール、17−メルカプト−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1−オール、2−(メルカプトメチル)−3−メルカプト−1−プロパノール、ジメルカプロール、2,2−ジメチル−3−メルカプト−1−プロパノール、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1−プロパノール、8−メルカプト−1−オクタノール、10−メルカプト−1−デカノール、11−メルカプト−1−ウンデカノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
無水トリカルボン酸クロリド(E)の例としては、無水トリメリト酸クロリド、4−(クロロカルボニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、N,N’−1,4−フェニレンビス[オクタヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボキサミド]、5−[4−(クロロカルボニル)ベンゾイル]イソベンゾフラン−1,3−ジオン、3,4−ジフェニル−5−(クロロホルミル)フタル酸無水物、1,3−ジオキソ−6−(クロロホルミル)イソベンゾフラン−5−カルボン酸ベンジル、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−4−カルボン酸クロリド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。無水トリカルボン酸クロリド(E)は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
テトラカルボン酸無水物(F)の例としては、ピロメリット酸無水物、1H,3H−ナフト[2,3−c:6,7−c‘]ジフラン−1,3,6,8−テトラオン、2,3,6,7−ビフェニレンテトラカルボン酸2,3:6,7−二無水物、3,4,8,9−ピレンテトラカルボン酸3,4:8,9−二無水物、5,5’−ビ[イソベンゾフラン]−1,1‘,3,3’−テトラオン、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸2,3:6,7−二無水物、4−メチル−1H,3H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c‘]ジフラン−1,3,5,7−テトラオン、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸1,8:4,5−二無水物、5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、5,5‘−(2,6−ナフタレンジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、5,5’−(2,7−ナフタレンジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、5,5‘−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、5,5‘−(1,1’:4‘,1’‘−テルベンゼン−4,4’‘−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、ベンゾ[1,2−c:3,4−c‘]ジフラン−1,3,6,8−テトラオン、5,5’−メチレンビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、5,5‘−(5−フェニル−1,3−フェニレン)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、4−フェニル−1H,3H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジフラン−1,3,5,7−テトラオン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸1,2:5,6−二無水物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。テトラカルボン酸無水物(F)は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(工程(2−1):片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)の合成)
前記重合体(A2)の酸無水物基と、分子内に1つ以上のアミノ基と1つ以上のチオール基とを有する化合物である前記一般式(15)で表される化合物又は分子内に1つ以上の水酸基と1つ以上のチオール基とを有する化合物である前記一般式(16)で表される化合物を反応させ、片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)を得る(下記スキーム(9)又はスキーム(10))。
スキーム(9)
スキーム(10)

(スキーム(9)及びスキーム(10)中、の各符号は、前記スキーム(7)、一般式(15)及び一般式(16)と同様である。)
以下に、スキーム(9)、(10)の好ましい具体例であるスキーム(9−1)、(10−1)を示す。但し、これらに限定されるものではない。
スキーム(9−1)
スキーム(10−1)

(スキーム(9−1)及びスキーム(10−1)中の各符号は、前記スキーム(9)、スキーム(10)と同様である。)
このような具体例(II)により、(メタ)アクリル系重合体(A3)が得られる。
なお、前記具体例(I)及び(II)により得られる、片末端領域に無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)の好ましい構造は、下記一般式(17)で示すことができる。
一般式(17)

(一般式(17)中、(A)は(メタ)アクリル系重合体残基であり、
は直接結合又は、アルキレン基、アリーレン基、及びアルキレンオキサイド基からなる群より選ばれる二価の基であり、
は直接結合又は−O−C(=O)−であり、
は下記一般式(18)、一般式(19)、又は一般式(20)で示される四価の基であり、
は水素原子又は−COOHである。)
一般式(18)

(一般式(18)中、Rはメチン基又はエチン基である。)
一般式(19)

(一般式(19)中、kは1又は2である。)
一般式(20)

(一般式(20)中、Qは、直接結合又は炭素数が1〜20である二価の基である。)
好ましくは、Xが一般式(19)で示される四価の基であり、kが1である。
[具体例(III)]
次に、具体例(III)について説明する。具体例(III)は、(2−2)を経て(メタ)アクリル系重合体(A3)を得るものである。なお、(メタ)アクリル系重合体(A1’)を得る工程は、前記工程(1−2)の通りであるため、本項では省略する。
(工程(2−2):片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3))
前述の片末端領域に1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体(A1’)に、前記1つ以上の水酸基と分子内に1つ以上のイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を反応させ、更に前記(メタ)アクリロイル基と、分子内に1つ以上のアミノ基と1つ以上のチオール基とを有する化合物とをマイケル付加反応させ、片末端領域にチオール基を有する(メタ)アクリル系重合体(A3)を得る(下記スキーム(13))。
スキーム(13)

(スキーム(13)中、R16は水素原子、又はメチル基であり、R17はヘテロ原子を有していてもよい二〜四価の炭化水素基であり、Wは1〜3の整数であり、その他の各符号は、前述の通りである。
17における二〜四価の炭化水素基は、前記一般式(16)におけるRと同様のものとすることができる。なお、イソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物は、R17の炭化水素基の価数−1個の(メタ)アクリロイル基を有する。
以下に、スキーム(13)の好ましい具体例であるスキーム(13−1)を示す。但し、これらに限定されるものではない。
スキーム(13−1)

(スキーム(13−1)中の各符号は、スキーム(13)と同様である。)
合成条件としては、片末端領域に1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体(A1’)中の1つ以上の水酸基と分子内に1つ以上のイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を70〜100℃の温度範囲内で混合させた後、1時間程度撹拌反応させ、前記(メタ)アクリロイル基と、分子内に1つ以上のアミノ基と1つ以上のチオール基とを有する化合物とを100℃で5時間加熱撹拌し、マイケル付加反応をさせる方法が挙げられる。ただし、これらの方法に限定されるものではない。
[エチレン性不飽和単量体]
エチレン性不飽和単量体としては、特に制限は無く従来公知のエチレン性不飽和単量体から適宜選択することができ、架橋性基を有していてもよい。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレ―ト類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。
なお、本実施形態において、(メタ)アクリレートとはメタクリレート及びアクリレートの各々を示し、(メタ)アクリルアミドとはメタクリルアミド及びアクリルアミドの各々を示す。
又、上記アクリル単量体と併用できる単量体として、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類があげられる。
[重合方法・条件]
(メタ)アクリル系重合体(A1)又は(A1’)を重合する方法は特に限定されず、従来公知の方法で重合することができる。また、任意に重合開始剤を併用することもできる。ただし、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリル系重合体残基の(A)の重量平均分子量(Mw)は、500〜500,000が好ましく、より好ましくは1000〜10,000、更に好ましくは1,500〜5,000、特に好ましくは2,000〜3,000である。分子量が小さすぎるとブリード抑制効果が低下する場合があり、分子量が大きすぎると量子ドット上のリガンド質量比が大きくなり、組成物の質量あたりの量子ドット含有量が小さくなるため、カラーフィルタ等の用途としての性能が低下する。
上記具体例(I)〜(III)においては、工程(2−2)である具体例(III)が、蛍光量子収率維持率の観点からより好ましい。これは、酸無水物由来のカルボキシル基が存在しないためだと推察している。また、処理剤の酸性度が高いと、量子ドットの表面劣化を招き、蛍光量子収率が低下する場合があるため、量子ドットに結合するSH基付近にはカルボキシル基を有していないことが好ましく、カルボキシル基の数も少ない方が好ましい。カルボキシル基を有する場合は、芳香族カルボキシル基は脂肪族カルボキシル基より酸性度が高いため、脂肪族カルボキシル基が好ましい。
<量子ドット含有組成物、インクジェットインキ>
量子ドット含有組成物が含んでもよい溶剤は、着色剤を十分に樹脂中に分散させ、ガラス基板等の基板上に量子ドット含有組成物を乾燥膜厚が所望の膜厚になるように塗布することを容易にするために用いられる。
量子ドット含有組成物は、溶剤を用いて、粘度を3〜50mPa・sに調製して、インクジェットインキとして使用することもできる。インクジェットインキには印刷物への要求物性により、樹脂、架橋剤、重合性単量体、光感応性物質、熱感応性物質を添加することができる。
樹脂、架橋剤、重合性単量体、光感応性物質、熱感応性物質の添加物質の添加量としては、所望の量子ドット濃度により、量子ドット1質量部に対し、添加物質を0〜100質量部添加することが好ましい。100質量部を超えると量子ドット含有率が低くなり、十分な蛍光強度が得られない場合がある。
量子ドットを含む組成物を用いて、塗布し、紫外線照射により、フォトリソグラフィー法によりパターニングする際には、光感応性物質、重合性単量体を添加して、ポジ型レジスト、又は、ネガ型レジストとすることができる。これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
[溶剤]
溶剤としては、トルエン、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、P−クロロトルエン、P−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ターシャルターシャルブタノール、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、及び二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
インクジェットインキとする場合には、樹脂に対する溶解性、装置部材に対する膨潤作用、粘度、及びノズルにおけるインキの乾燥性の点から選択され、一般式(200)で表される溶剤(S−1)、及び一般式(300)で表される溶剤(S−2)及びアセテート構造を2つ以上持つ溶剤(S−3)からなる群から選ばれる760mmHgでの沸点が170℃以上の1種類以上の溶剤を含むことが好ましい。
一般式(200):R18−(O−C−O−C(=O)−CH
[一般式(200)中、R18は炭素原子数1〜8のアルキル基であり、
は直鎖若しくは分岐エチレン鎖であり、1≦m≦3である。]
一般式(300):R19−(O−C−O−C(=O)−CH
[一般式(300)中、R19は炭素原子数1〜8のアルキル基であり、
は直鎖若しくは分岐プロピレン鎖であり、1≦p≦3である。]
さらに好ましくは、前記760mmHgでの沸点が170℃以上の溶剤が全溶剤中60質量%以上含むことが吐出安定性やノズルにおけるインキの乾燥性の点から好ましい。
前記溶剤の具体例としては、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、トリアセチン等を挙げることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
中でも、好ましくはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが、吐出安定性の点から好ましい。
[樹脂]
樹脂としては、石油系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、又はブチラール樹脂等があげられ、基材により適時選択することができる。中でもアクリル樹脂が処理剤との親和性が高く、ブリード抑制の観点から好ましい。
[架橋剤]
架橋剤としては、架橋剤はメラミン化合物、ベンゾグアナミン化合物、アクリレート系モノマー、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール化合物、ベンゾオキサジン化合物、ブロック化カルン酸化合物、ブロック化イソシアネート化合物、及びシランカップリング剤からなる群から選ばれる化合物1種若しくは2種以上であることが耐熱耐性を持つ熱架橋性の架橋剤である点から好ましい。
[重合性単量体]
重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマー若しくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの重合性化合物は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
[熱感応性物質、光感応性物質]
量子ドット含有組成物が含んでもよい熱感応性物質としては、熱重合開始剤としては、有機過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等を挙げることができる。
量子ドット含有組成物が含んでもよい光感応性物質としては、光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤があげられる。光感応性物質は、1種を単独で又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
[光重合開始剤]
光重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、オキシムエステル系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
光酸発生剤としては、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、 N−スルホニルオキシイミド化合物などが挙げられる。
光重合開始剤及び/又は光酸発生剤は、量子ドット含有組成物に含まれる樹脂成分100部に対して、0.01部〜20部であることが好ましい。0.01部未満であると硬化が不十分であり、20部より多い場合、光酸発生剤由来の着色や他の諸物性の低下を招く。
光塩基発生剤としては、複素環基含有光塩基発生剤、2−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、[[(2,6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン−1,6−ジアミン、トリフェニルメタノール、o−カルバモイルヒドロキシルアミド、o−カルバモイルオキシム、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)などが挙げられる。
[増感剤]
さらに、量子ドット含有組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、アミン価、酸無水物価の測定方法は以下の通りである。
<重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(PDI)>
GPC(商品名:GPCV−2000、日本ウォーターズ社製、カラム:TSKgel、α−3000、移動相:10mMトリエチルアミン/ジメチルホルムアミド溶液)を用い、標準物質としてポリスチレン(分子量427,000、190,000、96,400、37,400、10,200、2,630、440、92)を使用して検量線を作製し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。この測定値から分子量分布(PDI=Mw/Mn)を算出した。
<アミン価>
アミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差測定によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。アミン価は、固形分のアミン価(mgKOH/g)を示す。
<酸無水物価測定>
酸無水物価は、以下のようにして求められる。具体的には、酸無水物基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)をa(g)秤量した後にキシレン中に溶解させ、酸無水物基の当量以上のオクチルアミンをb(mmol)添加することで酸無水物基と1級アミノ基を反応させた。その後、室温まで冷却し、残存するオクチルアミン量を、0.1Mエタノール性過塩素酸を用いて滴定することにより定量した。滴定量をc(ml)とすると、以下の式から(メタ)アクリル系重合体(A2)の酸無水物価Xが求められる。
X=(b−0.1×c)/a
以下の分散剤及びアルカリ可溶性樹脂の合成に使用する原料の略称は、次の通りである。
PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
AIBN:2,2−アゾビスイソブチロニトリル
MMA:メチルメタクリレート
nBMA:ノルマルブチルメタクリレート
FMA:フルフリルメタクリレート
AAEM:2−アセトアセトキシエチルメタクリレート
AOI:2−(アクリロイルオキシ)エチルイソシアナート
DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
St:スチレン
GMA:グリシジルメタクリレート
<処理剤の製造>
[処理剤1の合成]
(工程(1−1))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、PGMAC330部、MMA160部、nBMA160部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器を80℃に加熱して、メルカプタン系連鎖移動剤として2−メルカプトコハク酸14.4部、AIBN3.2部を添加し、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。
得られた溶液を50℃まで冷却した後、無水酢酸9.8部を反応容器に仕込み、100℃で9時間反応させた。酸無水物価の測定で、95%以上の連鎖移動剤の末端ジカルボン酸が酸無水物化するまで反応させた。
(工程(2−1))
得られた溶液を30℃まで冷却した後、2−アミノエタンチオール7.4部を反応容器に仕込み、30℃で2時間反応させた。アミン価測定で、95%以上の2−アミノエタンチオールのアミノ基がアミド付加するまで反応させた後、室温まで冷却して、固形分が50質量%の一般式(1)で示される処理剤1の溶液を得た。
[処理剤2〜6の合成]
表1に示す原料の種類と配合量に変更になるように変更した以外は、処理剤1と同様の方法で、処理剤2〜6の溶液を得た。
[処理剤7の合成]
(工程(1−2))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、PGMAC330部、MMA160部、nBMA160部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器を80℃に加熱して、メルカプタン系連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール14.4部、AIBN3.2部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。
得られた溶液を50℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸クロリド38.8部を反応容器に仕込み、75℃で4時間反応させた。FT−IRの測定で、原料の無水トリメリット酸クロリドの酸クロリド部位の吸収ピークが消失するまで反応させた。
(工程(2−1))
得られた溶液を30℃まで冷却した後、2−アミノエタンチオール14.2部を反応容器に仕込み、30℃で2時間反応させた。アミン価測定で、95%以上の2−アミノエタンチオールのアミノ基がアミド付加するまで反応させた後、室温まで冷却して、固形分が50質量%の一般式(1)で示される処理剤7の溶液を得た。
[処理剤8〜10の合成]
表1に示す原料の種類と配合量に変更になるように変更した以外は、処理剤7と同様の方法で、処理剤8〜10の溶液を得た。
[処理剤11の合成]
(工程(1−2))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、PGMAC330部、MMA160部、nBMA160部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器を80℃に加熱して、メルカプタン系連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール6.4部、AIBN3.2部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。
得られた溶液を50℃まで冷却した後、ピロメリット酸無水物17.9部を反応容器に仕込み、75℃で4時間反応した。酸無水物価の測定で、95%以上の連鎖移動剤の片末端領域のみの酸無水物基が反応し終わるまで反応させた。
(工程(2−1))
得られた溶液を30℃まで冷却した後、2−アミノエタンチオール14.2部を反応容器に仕込み、30℃で2時間反応させた。アミン価測定で、95%以上の2−アミノエタンチオールのアミノ基がアミド付加するまで反応させた後、室温まで冷却して、固形分が50質量%の一般式(1)で示される処理剤11の溶液を得た。
[処理剤12〜14の合成]
表1に示す原料の種類と配合量に変更になるように変更した以外は、処理剤11と同様の方法で、処理剤12〜14の溶液を得た。
[処理剤15の合成]
(工程(2−2))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、PGMAC330部、MMA160部、nBMA160部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器を80℃に加熱して、メルカプタン系連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール14.4部、AIBN3.2部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。
得られた溶液を50℃まで冷却した後、AOI26.0部を反応容器に仕込み、75℃で4時間反応させた。FT−IRの測定で、AOI由来のイソシアネート基のピークが消失するまで反応させた。
得られた溶液を30℃まで冷却した後、2−アミノエタンチオール14.4部を反応容器に仕込み、30℃で2時間反応させた。1級アミン価測定で、95%以上の2−アミノエタンチオ−ルの1級アミノ基が前記アクリロイル基にマイケル付加するまで反応させた後、室温まで冷却して、固形分が50質量%の処理剤15の溶液を得た。
[処理剤16〜18の合成]
表1に示す原料の種類と配合量に変更になるように変更した以外は、処理剤15と同様の方法で、処理剤16〜18の溶液を得た。
得られた処理剤1〜18の構造を表2に示す。
<量子ドット及び量子ドット含有組成物の製造>
[比較例1]
(量子ドット0含有組成物QD−0の合成)
無水酢酸亜鉛0.55部、ドデカンチオール7.0部、オレイルアミン5.0部を加熱溶解し添加液を作成した。塩化インジウム0.22部、オクチルアミン8.25部を反応容器に入れ、窒素バブリングを行いながら、165℃に加熱した。塩化インジウムが溶解した後、ジエチルアミノホスフィン0.86部を短時間で注入し、20分間165℃に制御した。その後、急冷し、40℃に冷却した。上記添加液を注入し、240℃2時間加熱した後に、室温まで放冷した。放冷後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈殿法で精製を行った。トルエンを用いて、固形分濃度10%に調製し、ドデカンチオールで表面処理された量子ドット0を含む組成物QD−0を得た。
[実施例1]
(量子ドット1含有組成物(QD−1))
量子ドット含有組成物QD−0を、トルエンを用いて固形分濃度1%に希釈した。希釈した液と同量の5%処理剤1のトルエン溶液を添加し、12時間撹拌した。トルエンとエタノールを用いて再沈殿法で精製を行った。トルエンを用いて、固形分濃度10%に調製し、処理剤1で表面処理された量子ドット1を含む含有組成物(QD−1)を得た。
[実施例2〜18]
(量子ドット2〜18含有組成物(QD−2〜18))
処理剤を表3記載の処理剤2〜18に変更した以外は、QD−1と同様にして、量子ドット2〜18及び量子ドット2〜18を含む組成物QD−2〜18を調製した。
[比較例2〜4]
(量子ドット19〜21含有組成物(QD−19〜21))
処理剤を表3記載の化合物に変更した以外は、QD−1と同様にして、量子ドット19〜21及び量子ドット19〜21を含む組成物QD−19〜21を調製した。
[比較例5〜7]
(量子ドット22〜24含有組成物(QD−22〜24))
処理剤を表3記載の化合物に変更し、さらに、再沈殿精製用のエタノールをヘキサンに変更した以外は、QD−1と同様にして、量子ドット22〜24及び量子ドット22〜24を含む組成物QD−22〜24を調製した。
<樹脂溶液の製造>
[樹脂溶液1の調製]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にキシレン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート18.0部、メタクリル酸メチル12.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して固形分濃度を測定し、先に合成した樹脂溶液に固形分濃度が20質量%になるようにキシレンを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
[樹脂溶液2の調製]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にキシレン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート14.0部、メタクリル酸メチル10.0部、スチレン6.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して固形分濃度を測定し、先に合成した樹脂溶液に固形分濃度が20質量%になるようにキシレンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。
[樹脂溶液3の調製]
ブチラール樹脂エスレックBL−S(積水化学製)を固形分濃度10%となるようにトルエンに溶解した。
[樹脂溶液4の調製]
ノルボルネン200部、シクロペンテン50部、1−ヘキセン180部及びトルエン750部を、窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加熱した。これに、トリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部、tert−COH/CHOHで変性(tert−COH/CHOH/W=0.35/0.3/1;モル比)したWCl溶液(濃度0.05モル/l)3.7部を加え、80℃で3時間加熱攪拌して、開環重合反応、水素添加反応を行い、次いでトリメチルベンゼンを用いて固形分濃度を10%に調製して樹脂溶液4を得た。
<インクジェットインキの調製>
[実施例19]
密閉できる容器に、量子ドット含有組成物(QD−1)5部、樹脂溶液1を5部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート5部、順番で計量し、その後、密閉して3分間振盪してインクジェットインキ1を調製した。
[実施例20〜36、比較例8〜14]
密閉できる容器に、表4に示した配合組成にて、量子ドット含有組成物、樹脂溶液、溶剤の順番で計量した以外は、インクジェットインキ1と同様にしてインクジェットインキ2〜24を調製した。
以下に、表4中の略称を示す。
DBCA:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
PGMAc:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
<インクジェットインキの評価>
得られたインクジェットインキについて、以下の評価を実施した。結果を表5に示す。
[粘度測定]
得られたインクジェットについて、振動式粘度計ビスコメイトVM−10A−L(SEKONIC社製)を用いて、25℃における粘度を測定した。
[インキ外観]
得られたインクジェットインキの外観を、下記基準で目視評価した。
○:濁りなく透明な状態 :実用上使用可能
△:濁りが生じている :実用上使用不可
×:析出物が生じていている :不良
[IJ吐出性]
得られたインクジェットインキを用いて、下記条件で印刷試験を行った。得られた印刷物及び吐出状況について、下記基準で評価を行った。なお、比較例8−11及び13は、高粘度又はインキ外観不良のため印刷試験に至らなかった。
(印刷条件)
印刷機DimatixMaterialsPrinter
カートリッジ10DimatixMaterialsCartriges、10pL
印刷パターン1mm間隔の格子模様
基板丸カバーガラス・松浪ガラス工業製
基板温度30℃
印刷後乾燥40℃20分
(評価基準)
○:印刷パターン通りに吐出できた :良好
×:ノズル詰りが発生した :不良
[ブリード性評価]
得られたインクジェットインキを、ホウケイ酸ガラス基板上に、バーコーターを用いて乾燥後膜厚が2μm程度の塗膜になるように塗布した。塗布物は40℃で10分間乾燥させ、2cm×2cmの大きさに切断した。得られた塗布物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)溶剤100mLに浸漬し、40℃で6時間静置した。塗布物を取り出した後、使用した溶媒を1cm角蛍光セルに入れ、下記条件で蛍光強度を測定し、下記基準で評価した。また、同様にして、N−メチルピロリドン(NMP)溶剤でも評価した。実用上、当該条件で量子ドットの蛍光強度が500未満である事が必要である。
(測定条件)
測定機:日立蛍光光度計 F−2500
励起波長:400nm 蛍光積分範囲: 415−800nm
スキャンスピード:300nm/min
励起側スリット: 2.5nm、 蛍光側スリット: 2.5nm
使用セル:1cm角セル
(評価基準)
◎:蛍光強度が100未満 :良好
○:蛍光強度が100以上500未満 :実用上使用可能
△:蛍光強度が500以上1000未満 :実用上使用不可
×:蛍光強度が1000以上 :不良
[量子効率評価]
前記IJ吐出性で得られたインクジェット印刷物の量子収率(QY−1)を下記条件下で測定した。また、インクジェット印刷物を温度23℃、湿度50%RH、暗所の条件下で2週間経過させた後の量子収率(QY−2)を同様にして測定し、QY−1を1としたときのQY−2の比率をQY維持率として算出した。QY維持率は、1に近い方が好ましく、0.6以上であれば実用上使用可能である。
(測定条件)
測定機:絶対PL量子収率測定装置C9920−02
励起波長:400nm積分範囲 375−425nm
蛍光積分範囲:430−800nm
本発明の処理剤を用いた量子ドットを含む組成物は、QY維持率及びIJ印刷吐出性が高く、溶剤浸漬に対するブリード抑制されている事が示された。処理剤はアクリル鎖を含有する構造であり、近傍の量子ドットのアクリル鎖同士と親和性が高い事から、ブリードが抑制されると考えられる。これは、バインダー樹脂がアクリル樹脂の時にブリードが抑制されやすい事からも支持される。
また、処理剤15〜18を用いた実施例33〜36は最も蛍光量子収率維持率が高く、処理剤1〜6を用いた実施例19〜24、処理剤7〜10を用いた実施例25〜28、処理剤11〜14を用いた実施例29〜32の順に維持率の低下がみられた。これは、各処理剤のカルボン酸の数及び酸性度に対応しており、カルボン酸の数が少なく、カルボン酸の酸性度が低い処理剤ほど良好な蛍光量子収率維持率を有している。これは、量子ドット表面が硫化亜鉛であり、酸によって劣化する事を反映していると考えられる。

Claims (6)

  1. 半導体微粒子が、下記一般式(1)で示される処理剤で表面処理されてなる量子ドット。
    一般式(1)

    (一般式(1)中、
    (A)は(メタ)アクリル系重合体残基であり、
    は直接結合又は、アルキレン基、アリーレン基及びアルキレンオキサイド基からなる群より選ばれる二価の基であり、
    は直接結合又は−O−C(=O)−であり、
    は下記一般式(2)、一般式(3)、一般式(4 )又は一般式(5)で示される四価の基であり、
    は水素原子又は−COOHであり、
    及びYは、いずれか一方が下記一般式(6)又は一般式(7)で示される基であり、Y及びYのもう一方は水素原子又は−COOR15であり、
    15は水素原子、アルキル基又はアリール基である。)

    一般式(2)

    (一般式(2)中、Rはメチン基又はエチン基である。)

    一般式(3)

    (一般式(3)中、kは1又は2である。)

    一般式(4)

    (一般式(4)中、Qは、直接結合又は炭素数が1〜20である二価の基である。)

    一般式(5)

    (一般式(5)中、Rはアルキレン基である。)

    一般式(6)

    (一般式(6)中、Mは−NR11−又は−O−であり、R11は水素原子、アルキル 基、又はアリール基であり、
    10はアルキレン基及びアルキレンオキサイド基からなる群より選ばれる二価の基である。)

    一般式(7)

    (一般式(7)中、R12はアルキレン基であり、R13はアルキレン基及びアリーレン 基からなる群より選ばれる二価の基であり、
    14は水素原子、アルキル基又はアリール基である。)
  2. 前記半導体微粒子が化合物半導体である、請求項1に記載の量子ドット。
  3. 前記半導体微粒子がコア・シェル型であり、前記一般式(1)で示される処理剤でシェル表面が処理されてなる、請求項1又は2に記載の量子ドット。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の量子ドット及び溶媒を含有する、量子ドット含有組成物。
  5. 請求項4に記載の量子ドット含有組成物を少なくとも含有し、粘度が3〜50mPa・sであるインクジェットインキ。
  6. 請求項5に記載のインクジェットインキを用いて形成される印刷物。
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