JP2019206151A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】筆記方向を視認することができるペン先を有する筆記具に関し、更に詳しくは、筆記具本体からのインクを誘導する際のインク流出量を安定化させることができるペン先を有する筆記具を提供する。【解決手段】筆記具本体10から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先20を備えた筆記具Aであって、ペン先20は、少なくとも筆記部30と、視認部を有する保持体40と、筆記具本体10のインクを筆記部30へ誘導するインク誘導芯25とにより構成され、インク誘導芯25は保持体40を介して筆記部30に形成された挿入穴に当接していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、筆記方向を視認することができるペン先を有する筆記具に関し、更に詳しくは、筆記具本体からのインクを誘導する際のインク流出量を安定化させることができるペン先を有する筆記具に関する。
従来、ペイントマーカー、アンダーラインマーカー等と称される筆記具のペン先は、幅広のペン芯を備えることにより幅広の線引きを可能にしたものであって、マーキングの視認性や作業性に優れているため幅広く使用されている。
ラインマーカー等の筆記具におけるペン先は、一般に合成樹脂繊維等を棒状等に集束したものや、高分子の焼結体などの多孔質部材に毛細管作用を付与し、これにより筆記具本体となる軸体から供給されるインクをペン先に導出することにより筆記可能としたものである。
また、蛍光インクを筆記具本体となる軸体内に収容した筆記具の普及にともない、幅広の線引きを可能とした多くの構造、形状のペン先を用いた筆記具が市販されたことにより、使用者の用途に応じた筆記具の広い選択が可能となり、その作業性も快適なものとなっている。
本出願人は、筆記具本体となる軸体内のインク吸蔵体(中綿)から供給されるインクを誘導し、かつ保留できるペン先を有する筆記具において、ペン先に、筆記方向を視認できる視認部(可視部)を備えた筆記具を開示している(例えば、特許文献1参照)。
このタイプの筆記具のペン先は、筆記部を視認することができるため、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものである。このペン先の具体的な構成は、インクを誘導するインク誘導部と筆記部からなる焼結芯と、該焼結芯を保持する保持体、及び焼結芯と保持体とを固定する接着剤とから構成されている。
しかしながら、上記特許文献1におけるペン先は、インク誘導部と筆記部とが一体となった形状であり、その材質はポリエチレンなどの熱可塑性樹脂粒子を焼結した焼結体が使われているが、その形状が複雑であるため、保持体の長さ分、インク吸蔵体からのインク誘導が必要で有り、また、インク流路が蛇行しているため、気孔率に対してインク流出性が若干低いという課題がある。
そのため、インク誘導部を太く設計する必要があるが、インク誘導部を太くすると、太くなったインク誘導部によって可視部が阻害され、ペン先全体に対する視認部の有効面積が低くなるという課題を生じ、また、筆記具本体からのインクを誘導する際のインク流出量の安定化が損なわれるなど課題がある。
一方、上記構造以外の筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先の先行技術としては、例えば、外装体内から突出したペン先部材の被筆記面との接触部の後部に被筆記面視認用の空間部を形成すると共に、被筆記面との接触部の後部のインク通路の断面積を被筆記面との接触部の面積以上とした筆記具(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献2に記載の筆記具では、特許文献1と同様に、インクの流出性を良くするためにインク通路を太くする必要があるが、これによって視認部が阻害され、ペン先全体に対する視認部の有効面積が低くなるという課題を生じ、また、筆記具本体からのインクを誘導する際のインク流出量の安定化が損なわれるなど課題がある。
他方、筆記部の構造を特定構造とし、インクの流出性を向上させたペン先等としては、例えば、1)2種類以上の積層構造からなるペン芯であって、先端部が熱可塑性樹脂の粉体の焼結体からなり、軸部がその内部に長手方向にインク誘導孔を形成したことを特徴とする塗布具用ペン芯(例えば、特許文献3参照)、2)塗布に適した尖端形状を有する筒状体に形成し、空隙率約75〜85%、特に80%前後とした、超高分子量ポリエチレン粉体を焼結してなる、後方に開放された穴部を有する穂先本体と、該穂先本体の内部に内臓した中綿とからなることを特徴とする穂先体(例えば、特許文献4参照)、3)無機繊維により板状に焼結し、この基体をキャップ状に成形してなる無機繊維製ペン先(例えば、特許文献5参照)などが知られている。
しかしながら、これらのペン先を有する筆記具等は、筆記方向を視認することができる視認部を有するものでなく、また、視認部の有効面積を損なうことなく筆記具本体からのインクを誘導する際のインク流出量を安定化させることなどの記載もなく、本発明とはその課題、技術思想が相違するものである。
特開2000−52682号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2006−103011号公報(特許請求の範囲、図1、図2) 特開2014−50977号公報(特許請求の範囲、図1) 特開2014−83699号公報(特許請求の範囲、図1〜図4) 特開昭63−216796号公報(特許請求の範囲、図1〜図5)
本発明は、上記従来技術の課題などに鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記方向を視認することができるペン先を有する筆記具において、筆記具本体からのインクを誘導する際のインク流出量を高度に安定化させることができる筆記具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等を解決するために鋭意検討した結果、筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備えた筆記具であって、上記ペン先を特定構造などとすることにより、上記目的の筆記具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具は、筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備えた筆記具であって、前記ペン先は、少なくとも筆記部と、視認部を有する保持体と、筆記具本体のインクを筆記部へ誘導するインク誘導芯とにより構成され、該インク誘導芯は保持体を介して筆記部に形成された挿入穴に当接していることを特徴とする筆記具。
インク誘導芯の先端は尖らせてあることが好ましい。
筆記部のインク誘導芯を挿入する挿入穴は、インク誘導芯の尖端の一部または全部を内包することが好ましい。
インク誘導芯は、筆記部の非中心位置で、かつ、保持体内部に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、筆記方向を視認することができると共に、筆記具本体からのインクを誘導する際のインク流出量を高度に安定化させることができる筆記具が提供される。
本発明の筆記具の実施形態の一例を示す図面であり、(a)は正面図、(b)は正面視の縦断面図である。 (a)は図1の筆記具からキャップを取り外した平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は、(a)の縦断面図である。 本発明の筆記具に用いるペン先の一例を示す各図面であり、(a)は前方側から見た斜視図、(b)は後方側から見た斜視図である。 本発明の筆記具に用いるペン先の一例を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は中央縦断面図、(f)は底面図である。 本発明の筆記具に用いるペン先の保持体の一例を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は中央縦断面図、(f)は前方側から見た斜視図、(g)は後方側から見た斜視図、(h)は底面図である。 本発明の筆記具に用いるペン先の筆記部の一例を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は中央縦断面図、(f)は後方側から見た斜視図、(g)は底面部を後方側から見た斜視図、(h)は底面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の筆記具の実施形態の一例を示す各図面、図2は、図1の筆記具のキャップを取り外した形態の一例を示す各図面、図3及び図4は、図1の筆記具に用いるペン先の一例を示す各図面、図5は、ペン先の保持体の一例を示す各図面、図6はペン先の筆記部の一例を示す各図面である。
本実施形態の筆記具Aは、図1及び図2に示すように、両側に筆記具本体10のそれぞれのインク収容室11、12から供給される2種、本実施形態では異なる色(例えば、赤色、黄色)のインクをそれぞれ誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先20、20を備えた両頭式の筆記具(マーキングペン)となっている。
また、筆記具本体10の両側には、着脱自在となるペン先20、20を保護するキャップ60、キャップ70とが取り付けられている。
筆記具本体(軸筒)10は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等で形成されるものであり、筒状体から構成され、中央部の隔壁13により両側にインク収容室11、12が設けられており、2種の筆記具用インクをそれぞれ含浸したインク吸蔵体15、16を収容すると共に、両端の開口部には、筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先20、20を固着する先軸17、18が取り付けられている。
この隔壁13によりインク収容室11、12を有する筆記具本体10は、例えば、ポリプロピレン等からなる樹脂を使用して成形され、筆記具本体(軸筒)として機能する。筆記具本体10は不透明又は透明(及び半透明)に成形されるが、外観上や実用上の観点からいずれを採用しても良い。
インク吸蔵体15、16は、水性インク、油性インクなどの筆記具用インクを含浸したものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものである。このインク吸蔵体15、16は、筆記具本体10のそれぞれのインク収容室11、12内に収容保持されている。本実施形態のインク吸蔵体15、16には、異なる色(例えば、赤色、黄色)のインク組成物を吸蔵している。
インク吸蔵体15、16に吸蔵する筆記具用インク組成物は、特に限定されず、筆記具の用途等に応じて、水性インク、油性インク、熱変色性インクなどの好適な配合処方とすることができ、例えば、アンダーラインペン等ではインクに蛍光色素、例えば、ベーシックバイオレット11、ベーシックイエロー40、ベーシックレッド1、熱変色性マイクロカプセル顔料などを含有させることできる。
好ましい筆記具用インク組成物としては、インク供給を良好とする点、筆記部(ペン先)の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない機能を発現することなどの点から、好ましくは、着色剤と、トリメチルグリシンと、ペンタエリスリトールと、10質量%以下の水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含有する筆記具用インク組成物の使用が望ましい。
用いることができる着色剤としては、水に溶解もしくは分散する染料、酸化チタン等の従来公知の無機系および有機顔料系、顔料を含有した樹脂粒子顔料、樹脂エマルションを染料で着色した疑似顔料、蛍光顔料、白色系プラスチック顔料、シリカや雲母を基材とし表層に酸化鉄や酸化チタンなどを多層コーティングした顔料等を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
染料としては、例えば、エオシン、フオキシン、ウォーターイエロー#6−C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料;ダイレクトブラック154、ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットB00B等の直接染料;ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料、蛍光染料などが挙げられる。
無機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。より具体的には、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、アルミニウム、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
蛍光顔料としては、従来公知のものが適宜使用でき、例えば、硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛、硫化カドミウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等の無機蛍光顔料や高分子化合物を染色した有機蛍光顔料が挙げられる。
有機蛍光顔料としては、具体的には、NKWシリーズ(日本蛍光化学社製)、シンロイヒカラーベースSWシリーズ、SFシリーズ(シンロイヒ社製)、ビクトリアイエローG−20などのビクトリアシリーズ(御国色素社製)等が挙げられる。
これらの着色剤は、一種もしくは二種以上を混合して使用することができる。
これらの着色剤の含有量は、インク組成物全量に対して、0.1〜60質量%(以下、「質量%」を単に「%」という)で適宜調整することが可能である。
用いるトリメチルグリシン〔別名:グリシンベタイン、(CH(CH)CHCOO〕は、保湿剤等として作用せしめるために用いるものであり、筆記具用水性インク組成中に配合してもインキ性能の低下等を招くことがなく、ペン先の耐乾燥性、描線の乾燥性、インクの低温安定性を発揮せしめるものである。
このトリメチルグリシンの含有量は、インク組成物全量に対して、0.5〜50%、好ましくは、1〜15%、より好ましくは、2〜10%とすることが望ましい。
この含有量が0.5%未満であると、ペン先の乾燥抑制効果が充分でなく、一方、50%超過であると、効果はそれほど変わらず、むしろ粘度増加による筆記性能、保存安定性の低下をもたらすこととなる。
用いるペンタエリスリトール〔C(CHOH)〕は、保湿剤等として作用せしめるために用いるものであり、上記トリメチルグリシンとの併用により、各単独使用よりも、相乗的に作用して、ペン先の乾燥を抑えながらも、従来にない描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない優れた性能を発揮せしめるものとなる。
このペンタエリスリトールの含有量は、インク組成物全量に対して、0.5〜8%、好ましくは、2〜5%とすることが望ましい。
この含有量の含有量が0.5%未満であると、ペン先の乾燥抑制効果が充分でなく、また、トリメチルグリシンとの相乗作用を発揮することができず、一方、8%超過であると、トリメチルグリシンとの相乗作用の効果はそれほど変わらず、低温下における析出や、保存安定性の低下をもたらすこととなる。
用いる水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類、ホルムアミドおよびその誘導体などのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類など、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテルなどのエーテル類が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上を混合して使用することができる。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物全量に対して、10%以下、好ましくは、7%以下、より好ましくは5%以下とすることが望ましい。
これらの水溶性有機溶剤の含有量を10%以下とすることにより、描線乾燥性に優れた機能を発揮せしめるものとなる。
本発明の筆記具に用いる筆記具用インク組成物は、上記各成分の他、残部(溶媒)として水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水など)で調製され、上記各成分以外にも、例えば、界面活性剤、防腐剤や防菌剤、pH調整剤、水溶性樹脂、樹脂エマルションなどの任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有せしめることができる。
用いることができる界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオ キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリン・アルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミドなどの非イオン性界面活性剤;、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N‐アシルアミノ酸塩、N‐アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン性界面活性剤;、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基親水性基含有ウレタン、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアンモニウム 塩、パーフルオロアルキルアルコキシレート、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの界面活性剤は、一種もしくは二種以上を混合して使用することができる。
また、防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリン、トリエチルアミン等のアミン化合物、アンモニア等が挙げられる。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、水溶性スチレン −アクリル樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸樹脂、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ−ル、水溶性エステル−アクリル樹脂、エチレン−マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド、水溶性ウレタン樹脂等などが挙げられる。
樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル系エマルション、酢酸ビニル系エマルション、ウレタン系エマルション、スチ レン−ブタジエンエマルション、スチレンアクリロニトリルエマルションなどが挙げられる。
これらの水溶性樹脂および樹脂エマルションは、一種もしくは二種以上を混合して使用することができる。
この筆記具用インク組成物を製造するには、従来から知られている方法が採用可能であり、例えば、着色剤と、トリメチルグリシンと、ペンタエリスリトールと、10質量%以下の水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含み、水性における各成分などを所定量配合し、ホモミキサー、もしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することによって得られる。更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去してもよく、また、脱泡、加熱、冷却しながら作製してもよいものである。
このように構成される本発明の筆記具に用いる筆記具用インク組成物が、何故、ペン先の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない機能を発現するのかは下記のように推測することができる。
すなわち、本発明の筆記具に用いる筆記具用インク組成物では、着色剤と、トリメチルグリシンと、ペンタエリスリトールと、10質量%以下の水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含有することにより、共に、トリメチルグリシンと、ペンタエリスリトールとがペン先の耐乾燥性を抑える成分となるものであり、これらの各単独使用よりも、筆記具用水性インク組成中で併用することにより、相乗的に作用していることは明らかである。その理由は必ずしも明らかではないが、相乗効果によりペン先の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない優れた性能を発揮せしめるものと推測される。
本発明に用いる筆記具用インク組成物は、上記効果を発揮せしめる持続効果が極めて優れており、しかも、その効果の発現期間・持続時間も長く、更にトリメチルグリシンとペンタエリスリトールは水溶性であるために経時的な安定性にも優れたものとなる。
これらのインクは、インク配合成分種、各配合量を調整することなどにより、インク粘度(25℃:コンプレート型粘度計)1〜5mPa・s、表面張力30〜60mN/m、ペン先20、20からのインク流出量Xを5〜20mg/mとすることが好ましい。インク流出量の測定は、自動筆記装置にペン体をセットして、JIS S6037に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記力1N、速度7cm/sでのものである。
なお、用いる筆記具用インク組成物に熱変色性顔料を用いたインク組成物とした場合は、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下、かつ、JIS K6253に準拠したデュロメータ硬度D20〜D70の熱可塑性エラストマーをキャップ60の頂部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易かつ低摩耗な摩擦体とすることができる。
各ペン先20、20は、図1、図2、並びに、図3(a)、(b)、図4(a)〜(h)に示すように、少なくとも、筆記部30、30と、視認部を有する保持体40、40と、インク収容室11、12のインクを筆記部30、30へ誘導するインク誘導芯25、25とから構成されている。
この各インク誘導芯25は、後述する保持体40を介して筆記部30に形成された挿入穴に当接する構造となるものである。
本発明における各インク誘導芯25は、繊維束芯又はプラスチック芯から構成されるものであり、インク吸蔵体15、16のインクを各筆記部30へ効率よく、流出せしめるものであれば、その材質、構造、製法等は、特に限定されるものではなく、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維束芯、または、上記各種のプラスチック材の軸方向にインク溝を形成したプラスチック芯、上記各種のプラスチック粉末などを融結したポーラス体などからなるインク誘導芯が挙げられ、その形態も板状体、繊維集束体、焼結体、発泡体等任意である。
用いる繊維束芯又はプラスチック芯からなるインク誘導芯25、25の形状は、棒状等、その横断面の形状も円形、楕円形、三角形、四角形などの多角形状等、特に限定されるものではない。本実施形態では、円柱状となっている。好ましくは、筆記部30へ当接する側は、インク流出性を更に向上させる点から、その先端部を尖らせていることが好ましく、更に好ましくは、インク吸蔵体15,16側の先端部も尖らせていることが望ましい。
また、インク誘導芯25として繊維束芯を使用した場合は、気孔率で30〜75%、スリット径で概ね1〜20μmのものが望ましく、また、プラスチック芯を使用した場合は、好ましく、平均スリット径で20〜40μmのものが望ましい。なお、上記気孔率及びスリット径は、インク種などに応じて、変動することができ、上記数値範囲に限定されるものではない。
なお、本発明において、「気孔率」は、下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有するインク誘導芯を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、インク誘導芯に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積をインク誘導芯の気孔体積と同一として、下記式から、気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(インク誘導芯の見掛け体積)×100
また、上記スリット径は、下記式により算出したものである。
スリット径=気孔率×糸の半径/(1−気孔率)
インク誘導芯25の大きさなどは、保持体40への取り付け態様、視認部43の視認部面積の最大化、インクを効率よく筆記部へ流出(供給)せしめる点等から設定されるものであり、好ましくは、インク誘導芯25の横断面の面積は、0.2〜3.0mm、長手方向長さは、2〜40mmであることが好ましい。
筆記部30は、多孔体から構成されるものであり、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体などを挙げることができる。多孔体を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができる。好ましくは、強度、インク流出の安定性の点から、燒結体から構成されるものが望ましい。本実施形態では、各種のプラスチック粉末などを焼結した焼結体から構成されている。
この筆記部30は、図1〜図4及び図6(a)〜(h)に示すように、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)となっており、この傾き等は、筆記等の使い勝手に合わせて適宜設定される。また、この筆記部30は、描線幅Wが太いものであり、好ましくは、描線幅Wは1mm以上、更に好ましくは、描線幅Wは2mm以上の描線幅となる筆記部が望ましい。また、この筆記部30では、好適な描線濃度となるように最適な気孔率が設定されている。
また、筆記部30の底面側31に、筆記部30の非中心位置となる一方の端部側31aに、インク誘導芯25の尖端部26の一部又は全部を内包する挿入穴32が予め形成されている。挿入穴32の形状は、インク誘導芯25の尖端部26の一部又は全部の形状に合致(内包)する形状となって、インク誘導芯25の尖端部26の一部又は全部と当接する構造となっており、この当接(毛管連結)によりインク流量を高め、かつインク流量のバラツキを抑えるものとなっている。本実施形態では、インク誘導芯25の尖端部26の全部を挿入穴32に内包されている。
保持体40は、図3〜図5に示すように、上記インク誘導芯25を保持体内部に配置すると共に、筆記部30を固定して、筆記具本体10の先軸15、16先端開口部に固着されるものであり、膨出状の本体部41と、該本体部41の前方側に、フランジ部42と、筆記方向を視認することができる視認部(可視部)43とを有すると共に、視認部43の先端側に筆記部30の先端側(端面)を保持する前方保持部44a,44bと、ストッパーとなる保持止め部44cとを有するものである。また、本体部41の幅方向外周面には、凹状の嵌合部41aが形成され、長手方向外周面となる両面空気流通溝には、それぞれ直線状の空気流通溝41bと屈曲状の空気流通溝41cが形成されている。上記本体部41の後方側に、上記本体部41に連設される後方部45とを備え、この本体部41と後方部45の上面側に凹状溝46が形成されている。
更に、この保持体40内部には、上述のインク誘導芯25を挿通する挿通孔47が視認部43の視認面積の最大化を図る点から、保持体40の一方の端側に配置される構造となっており、この挿通孔47にインク誘導芯25が挿通される構造となっている。
なお、図1(b)、図2(c)の左側に示すペン先20は、図3〜図5のペン先20を示すものであるが、図1(b)、図2(c)の右側に示すペン先20は視認が異なる使い方ができるという理由から、インク誘導芯25の位置を変更、具体的には、凹状溝46側に挿通孔46を形成し、この挿通孔46に沿う筆記部20に挿入孔32を形成している。
このように構成される保持体40全体は、硬質材料で構成されており、例えば、視認性を有する硬質材料、例えば、金属、ガラス、ゴム弾性を有しない樹脂などから構成されるものである。視認可能となるゴム弾性を有しない樹脂としては、例えば、PP、PE、PET、PEN、ナイロン(6ナイロン、12ナイロン等の一般的なナイロン以外に非晶質ナイロン等を含む)、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネート等の可視光線透過率が50%以上の材料から成形により構成することにより、視認部43で筆記方向に書いてある文字を有効に視認できることとなる。なお、視認部43だけを視認性を有する材料で構成してもよい。なお、可視光線透過率は多光源分光測色計〔スガ試験機社製、(MSC−5N)〕にて反射率を測定することで求めることができる。
また、保持体40は、上記各材料の一種類、または、耐久性、視認性の更なる向上の点などから、2種類以上の材料を用いて構成してもよく、射出成形、ブロー成形などの各種成形法や切削加工等により成形することができる。
この筆記具Aにおいて、上記筆記部30の保持体40への固着(装着)は、前方保持部44a,44b間、保持止め41cで上記筆記芯30を嵌入保持、更に、筆記部30の固着(抜け止め)を確実にするために、接着剤による接着、溶着などを更に用いても良いものである。
このように構成される筆記具Aでは、筆記具本体10のそれぞれのインク収容室11、12内に筆記具用インクを吸蔵したインク吸蔵体15、16を挿入して保持せしめ、それぞれの先端側は先軸17、18を介して上記構成のペン先20、20を順次嵌合等により固着せしめることにより、簡単に2色のペン先を有するツインタイプの筆記具Aを作製することができ、インク吸蔵体15、16に吸蔵されたインクはインク吸蔵体15、16からインク誘導芯25,25を介して毛管連結による毛管力により挿入孔32を通じて筆記部30、30に効率的にかつ安定的なインク流出量で供給されて、筆記に供されるものとなる。
この筆記具Aでは、各ペン先20の機能等を以下に説明する。
この筆記具Aの各ペン先20は、図1、図2に示すように、筆記方向を視認することができる視認部(窓部)43を有するものであり、インク吸蔵体15、16のインクはインク誘導芯25、25の毛細力、すなわち、各保持体40の挿通孔47に挿通されたインク誘導芯25、25により、インク吸蔵体15、16の各インクは保持体40内に形成した挿通孔47に配置されたインク誘導芯25の後端面側から流入し、先端面26へ流出し、毛管連結した筆記部30の挿入孔32を介して筆記側まで到達し、筆記に供されるものとなる。筆記の際に、視認部(窓部)43で視認側を見れば、ひき始めの位置を合わせやすくなり、また、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものとなる。
本発明では、ペン先20は、インク吸蔵体15、16からのインクの誘導を筆記部30の厚さよりも薄く、流出性のある毛管力を有するインク誘導芯25、25で毛管連結による毛管力により筆記部30までインク流出量を安定的に誘導するものであり、また、各インク誘導芯25は、筆記部30の非中心位置で、かつ、保持体40内部の端側に配置されているので、ペン先20全体に対する視認部43の最大化と良好なインク流出量を発揮でき、視認部43も見やすいので、右利きで左から右方向に筆記する際に、視認部43で筆記方向を視認しながら筆記部30で描線を引くことなどができ、また、ペン先全体に対する視認部の有効面積の最大化と共に、上記インク誘導芯25により筆記部30へ効率よくインクが供給され、そのインク流出量も良好で有り、視認部の有効面積の最大化とインク流出量の安定化を高度に両立できる筆記具が得られるものとなる。
また、この筆器具Aは、インク流出性が良好であるので、ペン先20の移動速度を速くして筆記しても、インクの供給は良好に追従し、筆跡のカスレ等を生じることがない筆記具が得られることなる。
本発明の筆記具は、上記実施形態などに限定されることなく、本発明の技術思想を変更しない範囲内で種々変更することができる。
上記実施形態では、両頭式の筆記具を示したが、一方のペン先20を省略(軸筒を有底筒状の軸体と)して、ペン先20を備えたシングルタイプの筆記具としてもよいものであり、また、ノック式によりペン先20が出没する筆記具であってもよいものである。
上記図1〜図6の実施形態では、筆記具本体の軸筒などの断面を円形軸に形成したが、三角形状、四角形以上の方形状などの異形形状、楕円形状にしてもよいものである。また、ペン先20全体を透明な部材で構成する場合を示したが、少なくとも視認部43が透明な部材で構成され、筆記具本体内の取り付けられる本体部41側を透明な部材以外の樹脂部材で二色成形品となったものを用いてペン先20を構成してもよいものである。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記構成及び図1〜図6に準拠するペン先を有する筆記具、下記組成の筆記具用インクを使用した。ペン先の寸法等は下記に示す大きさ等を使用した。
(ペン先20、20の構成:同一形状)
アクリル樹脂製、可視光線透過率85%〔スガ試験機社製、多光源分光測色計(MSC−5N)にて反射率を測定し、可視光線透過率とした。〕
視認部(窓部)43(略四角形)の大きさ:6mm×6mm×7mm×6mm
視認部43の幅M:2.5mm
挿通孔47形状:φ1.5×14mm
インク誘導芯25:ポリエステル製繊維束芯、気孔率:60%、φ1.5×20mm、両側先形状:尖らせている(先端角60度)
筆記部30:ポリエチレン製焼結芯、気孔率:50%、4×3×6mm、T=3mm、W=5.5mm、挿入孔32形状:インク誘導芯25の先端形状に沿う
インク吸蔵体15:PET繊維束、気孔率85%、φ7.0×25mm
インク吸蔵体16:PET繊維束、気孔率85%、φ7.0×25mm
筆記具本体10、キャップ60、70:ポリプロピレン(PP)製
(筆記具用インク組成物A:インク色:蛍光黄色、インク吸蔵体15)
筆記具用インクとして、下記組成のインク(合計100質量%)を使用した。
保湿剤:トリメチルグリシン(グリシンベタイン) 7.5質量%
ペンタエリスリトール 4.5質量%
着色剤:NKW-3905E黄(日本蛍光社製) 40.0質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0質量%
フッ素系界面活性剤:サーフロン8111N(AGCセイミケミカル社製) 0.2質量%
水溶性有機溶剤:エチレングリコール 3.0質量%
水(溶媒):イオン交換水 43.5質量%
粘度(25℃):3.0mPa・s(コンプレート型粘度計、TOKIMEC社製、TV−20)
表面張力(25℃):33mN/m(自動表面張力計、協和界面科学社製、DY−300)
(筆記具用インク組成物B:インク色:蛍光ピンク色、インク吸蔵体16)
上記筆記具用インク組成物Aの組成において、着色剤:NKW-3905E黄(日本蛍光社製)40.0質量%をNKW-3907E桃に同量代えて、筆記具用インク組成物B:インク色:蛍光ピンク色とした。
粘度(25℃):3.0mPa・s(コンプレート型粘度計、TOKIMEC社製、TV−20)
表面張力(25℃):33mN/m(自動表面張力計、協和界面科学社製、DY−300)
この図1〜図6準拠の実施例1のペン先20、20を用いた筆記具では、インク吸蔵体15、16からのインクはインク誘導芯25、25の毛細力、すなわち、各保持体40の挿通孔47に挿通されたインク誘導芯25、25により、インク吸蔵体15、16の各インクは各保持体40内に形成したインク誘導芯25、25の後端面側から流入し、先端面26へ流出し、毛管連結した筆記部30の挿入孔32を介して筆記側まで到達することが確認できた。本実施形態の筆記具におけるペン先20は、インク吸蔵体15、16からのインクの誘導を、流出性のある毛管力を有するインク誘導芯25、25で毛管連結による毛管力により筆記部30までインク流出量を安定的に誘導するものであり、また、各インク誘導芯25は、筆記部30の非中心位置で、かつ、保持体40内部の端側に配置されているので、ペン先20全体に対する視認部43の最大化と安定したインク流出を発揮できるので、右利きで左から右方向に筆記する際に、視認部43で筆記方向を視認しながら各筆記部30で描線を引くことなどができる。
更に、自動筆記装置にこの筆記具をセットして、JIS S6037に準拠した試験方法に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記荷重1N、速度7cm/sで直線筆記後、筆記した描線状態を目視にて確認したところ、上記好ましいインク組成のものを使用しているため、ペン先20のインク流量(15mg/m)も良好で、ペン先の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない機能を発現することが判った。
〔実施例2〕
実施例1において、インク誘導芯25を下記構成に変更した以外は、上記実施例1と同様にして図1〜図6に準拠する筆記具を作製した。
インク誘導芯25:ポリアセタール製プラスチック芯、気孔率:30%、φ1.5×20mm、両側先形状:尖らせている(先端角60度)
この筆記具においても、上記実施例1と同様にインク吸蔵体15、16からインクをインク誘導芯25を介して筆記部30までインク流出量が安定的に供給でき、また、ペン先20全体に対する視認部43の最大化と良好なインク流出量を発揮でき、視認部43も見やすいので、右利きで左から右方向に筆記する際に、視認部43で筆記方向を視認しながら各筆記部30で描線を引くことなどができ、また、ペン先全体に対する視認部の有効面積の最大化と共に、上記インク誘導芯25により筆記部30へ効率よくインクが供給され、そのインク流出量も良好で有り、視認部の有効面積の最大化とインク流出量の安定化を高度に両立できる筆記具が得られることが確認できた。更に、自動筆記装置にこの筆記具をセットして、JIS S6037に準拠した試験方法に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記荷重1N、速度7cm/sで直線筆記後、筆記した描線状態を目視にて確認したところ、上記好ましいインク組成のものを使用しているため、ペン先20のインク流量(15mg/m)も良好で、ペン先の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない機能を発現することが判った。
本発明のペン先では、アンダーラインペン、ペイントマーカー、油性マーカー、水性マーカーと呼ばれる所謂マーキングタイプの筆記具に用いるペン先として好適に適用することができる。
10 筆記具本体
20 ペン先
25 インク誘導芯
30 筆記部
32 挿入孔
40 保持体
43 視認部
47 挿通孔

Claims (4)

  1. 筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備えた筆記具であって、前記ペン先は、少なくとも筆記部と、視認部を有する保持体と、筆記具本体のインクを筆記部へ誘導するインク誘導芯とにより構成され、該インク誘導芯は保持体を介して筆記部に形成された挿入穴に当接していることを特徴とする筆記具。
  2. インク誘導芯の先端は尖らせてあることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 筆記部のインク誘導芯を挿入する挿入穴は、インク誘導芯の尖端の一部または全部を内包することを特徴とする請求項1又は2に記載の筆記具。
  4. インク誘導芯は、筆記部の非中心位置で、かつ、保持体内部に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具。
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