JP2019203595A - 摺動ナットおよびすべりねじ装置 - Google Patents

摺動ナットおよびすべりねじ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】合成樹脂製の摺動面を有する摺動ナットにおいて、摺動面への異物の侵入を防止する摺動ナットおよび該摺動ナットを用いたすべりねじ装置の提供を目的とする。【解決手段】摺動ナット3は、すべりねじ装置において、ねじ軸の回転に伴い、該ねじ軸の軸上を摺動しながら相対的に移動するものであり、ねじ軸との摺動面が、第1合成樹脂からなる第1摺動面4aと、該第1合成樹脂よりも線膨張係数の大きい第2合成樹脂からなる第2摺動面5aとからなり、第2摺動面5aは、摺動ナット3の軸方向の少なくとも一方の端部に形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、摺動ナットおよび該摺動ナットを用いたすべりねじ装置に関する。
回転運動を直線運動に変換するすべりねじ装置は、産業機械の送り装置や位置決め装置などに多用されている。そのなかで樹脂製ナットを用いたすべりねじ装置は、近年光学測定機器、半導体製造装置、医療機器など用途が拡大するとともに、それぞれの装置に応じた仕様や特性が要求されるようになってきている。
従来、すべりねじ装置の摺動ナットとしては、ねじ軸との摺動面が合成樹脂で形成されているものが知られている。例えば、ねじ軸に螺合するねじ溝部が、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂に少なくともポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂と280℃で非溶融の有機樹脂粉末とを配合してなるPPS樹脂組成物から形成された摺動ナットが提案されている(特許文献1)。また、フランジを含む外周部を金属で形成し、ねじ軸に螺合される内周部を潤滑性樹脂で形成して、これらの外周部と内周部との間の回り止めと抜け止めをする手段を設けた摺動ナット(特許文献2)や、ナット本体が溶製金属からなり、該ナット本体におけるねじ軸に螺合するめねじ部表面に、ねじ溝部として合成樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物の樹脂層が射出成形により重ねて形成された摺動ナット(特許文献3)等が知られている。
特開2003−239932号公報 特開2006−138405号公報 特開2014−1847号公報
しかしながら、上述した従来の摺動ナットは、摺動面が合成樹脂で形成されているため、ねじ軸との摺動隙間から異物が侵入することによって摺動面の傷付きや摩耗が発生し、送り精度の低下の原因となるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、合成樹脂製の摺動面を有する摺動ナットにおいて、摺動面への異物の侵入を防止する摺動ナットおよび該摺動ナットを用いたすべりねじ装置の提供を目的とする。
本発明の摺動ナットは、すべりねじ装置において、ねじ軸の回転に伴い、該ねじ軸の軸上を摺動しながら相対的に移動する摺動ナットであって、上記ねじ軸との摺動面が、第1合成樹脂からなる第1摺動面と該第1合成樹脂よりも線膨張係数(単位:1/℃)の大きい第2合成樹脂からなる第2摺動面とからなり、上記第2摺動面は、上記摺動ナットの軸方向の少なくとも一方の端部に形成されていることを特徴とする。
上記摺動ナットの軸方向断面において、全摺動面の軸方向長さに対する上記第1摺動面の軸方向長さの割合が80%以上であることを特徴とする。
上記第1合成樹脂が潤滑性合成樹脂であることを特徴とする。
上記第1合成樹脂が、PPS樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、およびポリアセタール(POM)樹脂から選択される樹脂をベース樹脂とすることを特徴とする。
上記第2合成樹脂が、ポリアミド(PA)樹脂、フッ素樹脂、およびPOM樹脂から選択される樹脂をベース樹脂とすることを特徴とする。
本発明のすべりねじ装置は、ねじ軸と、このねじ軸の回転に伴い、該ねじ軸の軸上を摺動しながら相対的に移動する摺動ナットとを備えるすべりねじ装置であって、上記摺動ナットが、本発明の摺動ナットであることを特徴とする。
本発明の摺動ナットは、ねじ軸との摺動面が第1合成樹脂からなる第1摺動面と該第1合成樹脂よりも線膨張係数の大きい第2合成樹脂からなる第2摺動面とからなり、上記第2摺動面は、上記摺動ナットの軸方向の少なくとも一方の端部に形成されているので、ねじ軸との摩擦熱により摺動面の合成樹脂が熱膨張した際に、第1合成樹脂よりも第2合成樹脂がより大きく熱膨張することで、軸方向端部におけるねじ軸との摺動隙間を小さくすることができ、摺動面への異物の侵入を防止することができる。その結果、摺動面への異物侵入に起因する傷付きや摩耗が減少し、送り精度が維持できる。
摺動ナットの軸方向断面において、全摺動面の軸方向長さに対する第1摺動面の軸方向長さの割合が80%以上であるので、ねじ軸との摺動トルクの変動に影響しない。
第1合成樹脂が潤滑性合成樹脂であるので、ねじ軸との摺動トルクを低く抑えることができる。
上記第1合成樹脂は、PPS樹脂、PEK系樹脂、PI樹脂、およびPOM樹脂から選択される樹脂をベース樹脂とし、さらに、上記第2合成樹脂は、PA樹脂、フッ素樹脂、およびPOM樹脂から選択される樹脂をベース樹脂とするので、低トルクと長寿命化に優れた摺動ナットを得ることができる。
本発明のすべりねじ装置は、ねじ軸と、このねじ軸の回転に伴い、該ねじ軸の軸上を摺動しながら相対的に移動する本発明の摺動ナットとを備えるので、すべりねじ装置の寿命を延長できる。
本発明のすべりねじ装置の斜視図である。 本発明の摺動ナットの一例を示す軸方向断面図である。 本発明の摺動ナットの別の例を示す軸方向断面図である。 本発明の摺動ナットの別の例を示す軸方向断面図である。
本発明のすべりねじ装置の一実施例を図1および図2により説明する。図1はすべりねじ装置の斜視図であり、図2は摺動ナットの軸方向断面図である。本発明のすべりねじ装置1は、ねじ軸2と、このねじ軸2のねじ溝に螺合し、このねじ軸上を摺動しながら相対的に移動する本発明の摺動ナット3とから構成される。ねじ軸2の回転運動が、摺動ナット3の直線運動に変換される。その他に、摺動ナット3を同じ位置で回転させることにより、ねじ軸2に直線運動を付与する使い方もできる。
ねじ軸2としては、ステンレス鋼、炭素鋼等もしくはこれらに亜鉛メッキ、ニッケルメッキ、鋼質クロムメッキなどを施した鉄系金属、アルミニウム合金などの金属軸や、PI樹脂、フェノール樹脂などの樹脂軸を用いることができる。ステンレス鋼やアルミニウム合金などの合金類などの耐蝕性金属類または樹脂類は、錆が発生しないので好ましく、防錆処理を省略できる点からも好適である。本発明においては、寸法精度を確保でき、耐久性に優れている耐蝕性金属類が最も好ましい。
ねじ軸2は、無潤滑での使用が可能である。また、メンテナンスフリーよりも低摩擦性を重視する場合は、油またはグリースなどの潤滑剤をねじ軸2と摺動ナット3との摺動部に使用してもよい。この場合、摺動ナットのめねじ部の軸方向に直線状の溝を形成して、そこに摩耗紛が保持されるようにしてアグレッシブ摩耗が抑えられるように対策することが好ましい。
摺動ナット3は樹脂製のフランジ付きナットである。図2に示すように、摺動ナット3は、第1樹脂部4と軸方向両端部に設けられた第2樹脂部5とからなる。第1樹脂部4は、第1合成樹脂によって形成され、フランジを含む摺動ナットの外周部や内周部の一部を構成する。第2樹脂部5は、第2合成樹脂によって形成され、摺動ナットの内周部の一部を構成する。第2合成樹脂は、第1合成樹脂よりも線膨張係数の大きい合成樹脂が採用される。
図2において、ねじ軸との摺動面であるめねじ部は、第1摺動面4aと第2摺動面5aとから構成される。第1摺動面4aは第1樹脂部4の内径面であり、第2摺動面5aは第2樹脂部5の内径面である。この場合、第2摺動面5aは、摺動面の軸方向両端部にそれぞれ形成され、第1摺動面4aは、軸方向略中央部に形成される。
第1摺動面は、摺動面全体の面積(第1摺動面および第2摺動面の合計面積)の80〜95%の面積であることが好ましく、第2摺動面は、摺動面全体の面積の5〜20%の面積であることが好ましい。ここで、各摺動面の摺動面積の割合は、軸方向断面における各摺動面の軸方向長さの割合と略同一とみなすことができる。すなわち、図2の軸方向断面において、摺動面全体の軸方向長さをLとし、第1摺動面の軸方向長さをL1とすると、摺動面全体の軸方向長さに対する第1摺動面の軸方向長さの割合(L1/L×100)は80〜95%であることが好ましい。また、第2摺動面の軸方向長さをL2(L2a+L2b)とすると、摺動面全体の軸方向長さに対する第2摺動面の軸方向長さの割合(L2/L×100)は5〜20%であることが好ましい。
なお、図2では、第2摺動面の各軸方向長さL2a、L2bは略同一となっているが、これらが異なっていてもよい。例えば、フランジ側の軸方向長さL2aが、フランジとは反対側の軸方向長さL2bよりも大きくなるようにしてもよい(L2a>L2b)。この場合、フランジ側の第2摺動面の面積が、反対側の第2摺動面の面積よりも大きくなる。
また、図2の摺動ナットは軸方向両端部に第2摺動面を設けているが、いずれか一方の端部だけに第2摺動面を設けても構わない。一方の端部だけに第2摺動面を設ける場合、該第2摺動面は、摺動面全体の面積の5〜10%の面積であることが好ましい。
本発明の摺動ナットは、ねじ軸との摺動のほとんどを第1摺動面を形成する第1合成樹脂によって支持する。そのため、第1合成樹脂は自己潤滑性が高いことが必要であり、潤滑性合成樹脂により形成されることが好ましい。潤滑性合成樹脂とは、潤滑特性に優れた合成樹脂であり、ベース樹脂に潤滑性を付与する添加剤を配合して潤滑性を付与した合成樹脂も含まれる。例えば、ベース樹脂に、PTFE樹脂や二硫化モリブデン、黒鉛、カーボンなどの固体潤滑剤が配合された樹脂組成物である。
第1合成樹脂は、低摩擦特性の他に耐摩耗性および高耐熱性が求められるため、ベース樹脂としてエンジニアリングプラスチックを採用することが好ましい。第1合成樹脂のベース樹脂として、例えば、PPS樹脂、PEK系樹脂、PI樹脂、POM樹脂などが例示できる。これらの各樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上混合したポリマーアロイであってもよい。また、第1合成樹脂に炭素繊維や各種ウィスカーなどの補強材を配合することも可能である。
PEK系樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)樹脂などが挙げられる。
第2合成樹脂は、第1合成樹脂よりも線膨張係数の大きい合成樹脂を使用する。合成樹脂の線膨張係数は、同じベース樹脂を用いても配合材の種類や配合量によっても変化する。第2合成樹脂の線膨張係数は第1合成樹脂の線膨張係数の2倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることがより好ましく、3倍以上であることがさらに好ましい。2倍未満の場合は、所望の効果が得られにくいおそれがある。
第2合成樹脂のベース樹脂として、例えば、66ナイロンや46ナイロンなどのPA樹脂、フッ素樹脂、POM樹脂などが例示できる。これらの各樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上混合したポリマーアロイであってもよい。また、第2合成樹脂に炭素繊維や各種ウィスカーなどの補強材を配合することも可能である。
フッ素樹脂としては、例えば、PTFE樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン−エチレン(ETFE)共重合体樹脂などが挙げられる。
例えば、第1合成樹脂として、線膨張係数が5.2×10-5のPTFE粉末含有PPS樹脂を採用した場合、第2合成樹脂としては、線膨張係数が11×10-5のPOM樹脂や、線膨張係数が13×10-5のPFA樹脂などが採用できる。
図2の摺動ナット3において、第2樹脂部5の外径面は、第2樹脂部5よりも線膨張係数が小さい第1樹脂部4で拘束されている。第2樹脂部5は、摩擦熱による熱膨張の発生が行われるよう、半径方向の厚みがある程度必要となる。第2樹脂部5の径方向厚みT(第2樹脂部の最小厚み)を、ねじ溝底部における摺動面から外径面までの距離とすると、径方向厚みTは3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。なお、図2では、軸方向両端部の第2樹脂部の各径方向厚みは略同一となっているが、これらが異なっていてもよい。例えば、フランジ側の第2樹脂部の径方向厚みを、フランジとは反対側の第2樹脂部の径方向厚みよりも大きくなるようにしてもよい。
図2の摺動ナットの製造について説明する。第1合成樹脂を射出成形した後、その成形体に第2合成樹脂をインサート成形し、第1摺動面および第2摺動面からなるめねじ部をタップ加工することで摺動ナットが製造される。また、別の方法としては、第1合成樹脂を射出成形して得た成形体の端部に、別途第2合成樹脂を射出成形して得たリング状成形体を接着などにより固定し、第1摺動面および第2摺動面からなるめねじ部をタップ加工することで摺動ナットが製造される。
本発明の摺動ナットの別の例を図3に示す。図3に示すように、摺動ナット6は、フランジを含む摺動ナットの外周部が溶製金属からなる金属本体部7で構成され、ナットの内周部が第1樹脂部8と第2樹脂部9で構成される。第1樹脂部8および第2樹脂部9の外径面は金属本体部7によって拘束されている。摺動ナット6は、図2の摺動ナットの第1樹脂部の一部分を金属本体部とした以外は、図2の摺動ナットと同様である。
溶製金属の材質としては、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金であることが好ましい。これらの材質を採用することで、金属本体部において、所要の熱伝導性、耐荷重性を確保することができ、めねじで発生する摺動熱を金属本体部から外部に放熱し易く、高負荷でも使用可能となる。
鉄としては、一般構造用炭素鋼(SS400など)、機械構造用炭素鋼(S45Cなど)、ステンレス鋼(SUS303、SUS316など)などが使用できる。また、これらの鉄に、亜鉛、ニッケル、銅などのめっきを施してもよい。
アルミニウムとしてはA1050、A1100などが、アルミニウム合金としてはA2017、A2024、A5056、A6061などが使用できる。切削加工性に優れることから、A2017、A2024が好ましい。また、アルミニウム合金ダイカスト(ADC12など)、アルミニウム合金鋳物(AC4Bなど)も使用できる。また、アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上のために、アルマイト処理品としてもよい。
銅としてはC1100などが、銅合金としてはC3604などが使用できる。切削加工性および環境性の観点から、鉛0.1%以下およびカドミウム0.0075%以下のC6801、C6802などが好ましい。また、銅合金鋳物(CAC406など)も使用できる。
図3の摺動ナットの製造について説明する。あらかじめ製造した金属本体部に、第1合成樹脂をインサート成形し、さらにこれに第2合成樹脂をインサート成形し、第1摺動面および第2摺動面からなるめねじ部をタップ加工することで摺動ナットが製造される。また、別の方法としては、金属本体部に第1合成樹脂をインサート成形した成形体の端部に、別途第2合成樹脂を射出成形して得たリング状成形体を接着などにより固定し、第1摺動面および第2摺動面からなるめねじ部をタップ加工することで摺動ナットが製造される。
なお、各樹脂部の金属本体部からの抜け止めとして金属本体部の内径面をローレット加工で凹凸を付けることが好ましい。あるいは、金属本体部の内径面にキー溝加工を行っても良く、内径面の軸方向内部(例えば中央部)に全周に渡り溝加工を行っても良い。さらに後述する化学表面処理を併用しても良い。
また、本発明の摺動ナットの別の例を図4に示す。図4に示すように、摺動ナット10は、フランジを含む摺動ナットの外周部が溶製金属からなる金属本体部11で構成され、ナットの内周部が第1樹脂部12と第2樹脂部13で構成される。図3の摺動ナット6との相違点は、金属本体部11の内径面にめねじが形成され、その表面に樹脂層として第1樹脂部12が形成されている点、および、第2樹脂部13が軸方向の一方の端部(図4ではフランジとは反対側の端部)にのみ設けられている点である。第1樹脂部12はめねじ形状に沿って形成され、その内径面が第1摺動面12aとなっている。また、第2樹脂部13の内径面が第2摺動面13aとなっている。
図4に示すように、第1樹脂部12の層厚tは第1樹脂部12全体にわたって略均一な層厚となっている。層厚tは、摺動ナットの内径寸法などによって決定され、例えば、0.1〜1mmである。
図4の摺動ナットの製造について説明する。あらかじめ製造した金属本体部に、第1合成樹脂を層状にインサート成形し、さらにこれに第2合成樹脂をインサート成形し、第1摺動面および第2摺動面からなるめねじ部をタップ加工することで摺動ナットが製造される。また、別の方法としては、金属本体部に第1合成樹脂を層状にインサート成形した成形体の端部に、別途第2合成樹脂を射出成形して得たリング状成形体を接着などにより固定し、第1摺動面および第2摺動面からなるめねじ部をタップ加工することで摺動ナットが製造される。
なお、金属本体部と各樹脂部との密着性を高めるために、金属本体部の各樹脂部の接合面に、化学表面処理などを施すことが好ましい。化学表面処理としては、接合面に微細凹凸形状が形成される処理、または、接合面に各樹脂部と化学反応する接合膜が形成される処理、を施すことが好ましい。
本発明の摺動ナットでは、第2樹脂部の熱膨張を第2摺動面側(内径側)に効率よく発生させるため、第2樹脂部の外径面が第2合成樹脂よりも線膨張係数が小さい材料で拘束されていることが好ましい。第2樹脂部は、例えば、図2のように第1樹脂部で拘束されたり、図3および図4のように金属本体部で拘束されたりすることが好ましい。
本発明の摺動ナットを備えたすべりねじ装置は、摺動面の軸方向端部を形成する第2樹脂部が摺動熱による熱膨張によって第1樹脂部よりもねじ軸表面に接近するため、摺動面への異物侵入を防ぐことができ、摺動面の耐摩耗性に優れる。その結果、送り精度や低摩擦特性の維持や耐久性に優れ、産業機械などに用いるすべりねじ装置として好適に利用できる。
1 すべりねじ装置
2 ねじ軸
3、6、10 摺動ナット
4、8、12 第1樹脂部
5、9、13 第2樹脂部
7、11 金属本体部

Claims (6)

  1. すべりねじ装置において、ねじ軸の回転に伴い、該ねじ軸の軸上を摺動しながら相対的に移動する摺動ナットであって、
    前記ねじ軸との摺動面が、第1合成樹脂からなる第1摺動面と、該第1合成樹脂よりも線膨張係数の大きい第2合成樹脂からなる第2摺動面とからなり、
    前記第2摺動面は、前記摺動ナットの軸方向の少なくとも一方の端部に形成されていることを特徴とする摺動ナット。
  2. 前記摺動ナットの軸方向断面において、全摺動面の軸方向長さに対する前記第1摺動面の軸方向長さの割合が80%以上であることを特徴とする請求項1記載の摺動ナット。
  3. 前記第1合成樹脂が潤滑性合成樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の摺動ナット。
  4. 前記第1合成樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリイミド樹脂、およびポリアセタール樹脂から選択される樹脂をベース樹脂とすることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の摺動ナット。
  5. 前記第2合成樹脂が、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、およびポリアセタール樹脂から選択される樹脂をベース樹脂とすることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の摺動ナット。
  6. ねじ軸と、このねじ軸の回転に伴い、該ねじ軸の軸上を摺動しながら相対的に移動する摺動ナットとを備えるすべりねじ装置であって、
    前記摺動ナットが、請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の摺動ナットであることを特徴とするすべりねじ装置。
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