JP2014029178A - 球面滑り軸受およびその製造方法 - Google Patents

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    • F16C43/00Assembling bearings
    • F16C43/02Assembling sliding-contact bearings

Abstract

【課題】部品点数の少ない簡易な構造を有し、容易に製造可能でありながら、外輪と内輪の嵌合隙間を十分に管理可能であり、必要に応じて無潤滑での使用が可能な球面滑り軸受およびその製造方法を提供する。
【解決手段】球面滑り軸受1は、球状の外周面2aおよび支持軸を貫挿できる軸受孔を有する内輪2と、外周面2aに摺接する凹面の内周面を有する金属製の外輪3との組み合せからなり、外輪3は、内周面の軸方向一端部から軸方向最大内径部までの部分3cを有する本体部3aと、この本体部3aと一体であり、内輪2を本体部3aに組み込み後に塑性変形により形成された上記内周面の他の部分3fを有する絞り込み部3bとからなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種産業機械の軸受部に用いられる球面滑り軸受およびその製造方法に関する。
球状の外周面を有する内輪と、該外周面に対応する凹球面を有する外輪との組合せからなる球面滑り軸受は公知であり、市場で入手可能である。球面滑り軸受は、滑り部が球面であり、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重が負荷でき、揺動運動や調心運動などに適している。特に、内輪などを合成樹脂で形成した合成樹脂製の球面滑り軸受は、軽量であり、低価格であり、無潤滑性のため、各種軸受部(例えば、事務機器、産業機械などの関節軸受部など)への需要が拡大している。
球面滑り軸受は、その形状から、外輪に球面形状の外周面を有する内輪をそのままでは挿入できず、切り欠き溝などが通常必要であった。このような切欠き溝を設けずに球面滑り軸受を製造する方法として、予め成形した外輪を金型に仕込み、内輪を射出成形(インサート成形)することで製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。これとは反対に、予め成形した内輪を金型に仕込み、外輪となる環状部材をインサート成形することで製造する方法も提案されている(特許文献2参照)。また、雰囲気温度の比較的高い箇所に使用される球面軸受として、金属製外輪の内周に合成樹脂製ライナーを介して内輪を摺動自在に嵌合した球面軸受が提案されている(特許文献3参照)。
その他、外輪を2部材で構成し、内輪を一方の外輪部材に配置し、その後に他方の外輪部材を組み合わせて、加締めることで一体化した球面滑り軸受が提案されている(特許文献4参照)。
特開平06−280879号公報 特開2008−32050号公報 特開平05−18412号公報 特開2012−77870号公報
しかしながら、内輪をインサート成形する場合では、内輪の成形収縮によって外輪との嵌合隙間が大きくなりすぎ、偏摩耗が発生するおそれがある。また、これとは逆に、予め成形した内輪を金型に仕込み、外輪を射出成形することで製造した場合は、内輪に外輪が抱き付いた状態となり、回転トルクが高くなるおそれがある。さらに、内輪と外輪が共に樹脂製である場合、インサート成形時に内輪と外輪が融着するおそれがある。このように、特許文献1および特許文献2に示すようなインサート成形で得られた樹脂製の球面滑り軸受は、嵌合隙間の管理が容易でないこと等から、低回転、回転トルクが高くてもよいなどの使用条件が緩い部分での使用に限定されていた。
特許文献3は、外輪をダイキャスト鋳造によって製造するため、冷却などの工程が必要であり、製造に長時間かかるという問題がある。さらに、ダイキャスト鋳造の熱に合成樹脂製ライナーがさらされるため、ライナーの熱劣化による摺動特性の低下が避けられない。
特許文献4は、これらの問題点を解消し得るが、外輪が2部材構成であることから、更なる部品点数の削減などが望まれている。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、部品点数の少ない簡易な構造を有し、容易に製造可能でありながら、外輪と内輪の嵌合隙間を十分に管理可能であり、必要に応じて無潤滑での使用が可能な球面滑り軸受およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の球面滑り軸受は、球状の外周面および支持軸を貫挿できる軸受孔を有する内輪と、上記外周面に摺接する凹面の内周面を有する金属製の外輪との組み合せからなる球面滑り軸受であって、上記外輪は、上記内周面の軸方向一端部から軸方向最大内径部までを有する本体部と、該本体部と一体であり、上記内輪を該本体部に組み込み後に塑性変形により形成された上記内周面の他の部分を有する絞り込み部とからなることを特徴とする。
上記絞り込み部は、上記内輪との組み合せ前において上記軸方向最大内径部と連続した円筒内面を有する円筒状であり、上記内輪と上記外輪とは、上記内輪が上記外輪の本体部内に配置された状態で、上記絞り込み部を上記内輪側に塑性変形させて、上記円筒内面により上記内周面の他の部分を形成して組み合されていることを特徴とする。
上記絞り込み部における内周面は、上記内輪の外周面に対して2箇所以上で線接触することを特徴とする。また、上記外輪の全幅は、上記内輪の球直径に対して90%以下であることを特徴とする。また、上記球面滑り軸受は、上記絞り込み部側から上記本体部側に向けた軸方向荷重が加わる軸受であることを特徴とする。
上記内輪が、合成樹脂製であることを特徴とする。特に、上記合成樹脂が、潤滑性合成樹脂であることを特徴とする。
本発明の球面滑り軸受の製造方法は、球状の外周面および支持軸を貫挿できる軸受孔を有する内輪と、上記外周面に摺接する凹面の内周面を有する金属製の外輪との組み合せからなる球面滑り軸受の製造方法であって、上記外輪は、上記内周面の軸方向一端部から軸方向最大内径部までを有する本体部と、該本体部と一体であり、塑性変形により形成された上記内周面の他の部分を有する絞り込み部とからなり、該絞り込み部は、上記内輪との組み合せ前において上記軸方向最大内径部と連続した円筒内面を有する円筒状であり、この製造方法は、上記内輪を上記外輪の本体部内に配置し、次いで上記絞り込み部を上記内輪側に塑性変形させて、上記円筒内面により上記内周面の他の部分を形成しつつ上記内輪と上記外輪とを組み合せる塑性変形工程を有することを特徴とする。
上記塑性変形工程において、上記外輪を回転させた状態で、上記絞り込み部の円筒外面側からローラ状の押付部材を回転させつつ押し付けて、上記絞り込み部を上記内輪側に塑性変形させることを特徴とする。
本発明の球面滑り軸受は、球状の外周面を有する内輪と、この外周面に摺接する凹面の内周面を有する金属製の外輪との組み合せからなり、外輪は、その内周面の軸方向一端部から軸方向最大内径部までを有する本体部と、該本体部と一体であり、内輪を該本体部に組み込み後に塑性変形により形成された上記内周面の他の部分を有する絞り込み部とからなるので、部品点数を抑えながら、外輪の切欠き加工や内輪のインサート成形も必要とせずに、球状の内輪を外輪に組み込んだ軸受として容易に得られる。インサート成形を用いないため、内輪の成形収縮によって外輪との嵌合隙間が大きくなりすぎる等の問題が発生しない。また、本体部側の内周面において、内輪の球体の略半分を精度よく管理された嵌合隙間で保持でき、偏摩耗などの不具合が生じにくい。
絞り込み部は、内輪との組み合せ前において軸方向最大内径部と連続した円筒内面を有する円筒状であり、内輪と外輪とは、内輪が外輪の本体部内に配置された状態で、絞り込み部を内輪側に塑性変形させて、円筒内面により上記内周面の他の部分を形成して組み合されているので、製造が容易であり、部品点数も少ないことから製造コストの低減が図れる。
絞り込み部における内周面は、内輪の外周面に対して2箇所以上で線接触するので、該部分での摩擦摩耗を低減できる。
外輪の全幅は、内輪の球直径に対して90%以下であるので、内輪の軸受孔に貫挿された支持軸と、外輪との干渉を防止でき、十分な揺動角を確保できる。また、この軸受を相手ハウジングに安定して組み付けることができる。
球面滑り軸受は、絞り込み部側から本体部側に向けた軸方向荷重が加わる軸受であるので、絞り込み部と内輪との間での偏摩耗を防止でき、また、絞り込み部側からの内輪の抜け出しを防止できる。
内輪を合成樹脂製とすることで、樹脂シート等の潤滑部材を内輪と外輪の間に介在させるなどの必要がない。特に、上記合成樹脂を潤滑性合成樹脂にすることで、グリースや油を用いない無潤滑条件でも好適に使用可能になり、安定して回転トルクが低くなる。
本発明の球面滑り軸受の製造方法は、内輪を外輪の本体部内に配置し、次いで絞り込み部を内輪側に塑性変形させて、円筒内面により上記内周面の他の部分を形成しつつ内輪と外輪とを組み合せる塑性変形工程を有するので、外輪を2部材として嵌め合わす場合と比較して、製造時間が短縮され製造工程を簡略化できる。また、内輪を合成樹脂製にする場合でも、該内輪が高温にさらされることはなく、熱劣化により摺動特性が低下することがない。
特に、塑性変形工程において、外輪を回転させた状態で、絞り込み部の円筒外面側からローラ状の押付部材を回転させつつ押し付けて、絞り込み部を内輪側に塑性変形させるので、製造工程における焼き付きを防止できる。また、摩擦による発熱も抑制でき、内輪を合成樹脂製にする場合でも、熱劣化による摺動特性の低下を防止できる。
本発明の球面滑り軸受の一例を示す斜視図である。 本発明の球面滑り軸受の一例を示す軸方向断面図である。 本発明の球面滑り軸受の内輪の他の例を示す切り欠き断面図である。 内輪が揺動したときの状態を内輪のみ斜視図で示す図である。 本発明の球面滑り軸受の製造工程を示す図である。
本発明の球面滑り軸受の一実施例を図1および図2により説明する。図1は本発明の球面滑り軸受の斜視図であり、図2は該球面滑り軸受の軸方向の断面図である。図1および図2に示すように、球面滑り軸受1は、球状の外周面2aを有する内輪2と、外周面2aに摺接する凹面の内周面3c、3fを有する外輪3との組み合せからなる。外輪3の内周面(凹面)3c、3fは、内輪2の球状の外周面2aに対して相補的な形状である。また、内輪2は、内周面2bに支持軸を貫挿できる軸受孔4が形成されている。また、外輪3の本体部3aの外周面は、ハウジング(図示せず)に挿嵌できる円筒状に形成されている。
外輪3は、上記内周面の軸方向一端部3dから軸方向最大内径部3eまでの部分3cを有する本体部3aと、塑性変形により形成された上記内周面の他の部分3fを有する絞り込み部3bとからなる。ここで、軸方向最大内径部3eは、外輪3の軸方向断面において、内周面の内径が最大となる軸方向位置に係る部分である。また、絞り込み部における内周面3fは、外輪3の内周面の軸方向最大内径部3eから軸方向他端部3gまでの部分である。本体部3aと絞り込み部3bとは一体であり、外輪3は1部材で構成されている。内輪2を外輪3の本体部3aに組み込んだ後に、絞り込み部3bを塑性変形させて内周面3fを形成する。このため、外輪3を1部材としながら、外輪の切欠き加工や内輪のインサート成形を必要とせずに、球状の内輪2を外輪3に組み込んだ軸受を得ることができる。
図2に示すように、絞り込み部3bは、内輪2との組み合せ前において軸方向最大内径部3eと連続した円筒内面3hを有する円筒状である。内輪2と外輪3とは、内輪2が外輪3の本体部3a内に配置された状態で、絞り込み部3bを内輪2側に塑性変形させて、円筒内面3hにより、外輪3の内周面全体のうち本体部が有する内周面3c以外の内周面3fを形成して、組み合されている。
外輪3は、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄鋼などの金属製であり、加締めやプレス加工による絞り込み部3bの塑性変形を可能としている。また、外輪が金属製であるため、樹脂製外輪を用いる場合よりも相手ハウジングとの嵌合締め代の確保が容易である。絞り込み部3bは、本体部3aよりも薄肉である。絞り込み部3bの肉厚は、内輪組み込み時に塑性変形可能な厚さであれば特に限定されないが、例えば、内輪の球直径Dが5〜30mmの場合において0.1〜1.0mm程度が好ましい。この範囲に設定することで、内輪組み込み時において塑性変形をさせやすく、かつ、使用時における内輪の抜け出しを防止できる。
外輪3の全幅Wは、内輪2の球直径Dに対して90%以下にすることが好ましい。球面滑り軸受1は、内輪2の傾きが発生する部位で主に使用されるものであるため、該範囲に設定することで、内輪2の軸受孔に貫挿された支持軸と、外輪3との干渉を防止でき、十分な揺動角を確保できる。また、この軸受を相手ハウジングに安定して組み付けることができる。
絞り込み部3bの塑性変形は、内輪2を抱き込むように行なう。すなわち、絞り込み部3bは、内輪2の外周面2aを円筒内面3hで覆うように変形させればよい。内輪2を安定して保持するため、円筒内面3hの少なくとも一部が内輪2の外周面2aに接触するように変形させることが好ましい。絞り込み部3bは、多段で折り曲げた形状にできる。例えば、円筒内面3hを内輪2側に多段で加締めて内周面3fを形成することで、該内周面3fが内輪2の外周面2aに対して2箇所以上で線接触する構造にできる。この構造により摩擦摩耗を低減できる。また、製造が容易となることから、加締め等の段数は少ない方が好ましい。最も好ましい態様は、円筒内面3hを内輪2側に2段で加締める場合である。
絞り込み部3bの軸方向長さW(変形前)は、外輪3の全幅Wの1/2〜1/3の長さであることが好ましい。この長さに設定することで、塑性変形後において、内輪の抜け出しを防止できる。なお、絞り込み部3bの軸方向長さWが、外輪3の全幅Wの1/2であるとき、軸方向最大内径部3eが、外輪3の軸方向中央部となる。
絞り込み部3bの径方向への変形量は、絞り込み部の寸法(厚み・軸方向長さ)にもよるが、例えば、内輪の球直径Dより0.3mm程度小さくなるようにすることが好ましい。この変形量に設定することで、塑性変形後において、内輪の抜け出しを防止できる。
球面滑り軸受1は、絞り込み部3b側から本体部3a側に向けた方向に主に荷重が加わる片側荷重の軸受に好適に利用できる。本体部3aの内周面3cは、予め精度よく形成されており、内輪2との間で管理された嵌合隙間を有する。この内周面3cで、内輪2の球体の略半分を保持できる。上記の片側荷重が加わった際には、内輪2が本体部3aの内周面3cに押し付けられるが、精度よく管理された嵌合隙間により、該部分での偏摩耗などの不具合が生じにくい。一方、塑性変形された絞り込み部3bに対しては、大きな荷重が加わらないため、上記の軸方向長さ(例えば、外輪の全幅の1/3)や線接触のような構造でも十分に安定した保持が可能であり、偏摩耗も起こりにくい。
なお、図2では、絞り込み部3bとして、塑性変形前において円筒状である態様を説明したが、外輪3における本体部が有する内周面3c以外の内周面部分を形成し、内輪2を保持可能な形状であれば、これに限定されるものではない。例えば、周方向で離間した複数の円弧部分からなる形状にすることもできる。
内輪2の材質は、特に限定されず、外輪3と同様の金属製や、合成樹脂製、セラミックス製とすることができる。軸受の使用雰囲気が250℃程度以下であれば、使用温度に対する耐熱性を有した合成樹脂が使用できる。その場合、雰囲気温度、使用面圧、回転数を考慮して樹脂材料を選定する。また、射出成形可能な合成樹脂であれば、製造が容易であり、寸法精度も均一にできるので嵌合隙間を管理する上でも好ましい。
内輪2に使用する合成樹脂は、潤滑性合成樹脂を用いることが好ましい。潤滑性合成樹脂を用いることで、別の潤滑部材(シートなど)を必要とせず、部品点数を削減しながら、摺動性に優れる軸受とすることができる。潤滑性合成樹脂としては、例えば、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂やテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂などの射出成形可能なフッ素樹脂、射出成形可能なポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの各樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上混合したポリマーアロイであってもよい。あるいは、上記以外の潤滑特性の低い合成樹脂に上記の合成樹脂を配合したポリマーアロイであってもよい。
また、潤滑特性の低い合成樹脂であっても、固体潤滑剤や潤滑油を添加することで潤滑特性を高めることにより使用可能である。固体潤滑剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粉末、黒鉛、二硫化モリブデン、ポリイミド樹脂やフェノール樹脂や全芳香族ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂粉末などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を損なうことなく、潤滑特性に優れ、低摩擦特性となることから、PTFE樹脂粉末、熱硬化性樹脂粉末などの有機質粉末が特に好ましい。その他、これらの合成樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維、各種鉱物性繊維などを配合して強度を高めてもよい。
内輪2を金属製またはセラミックス製とした場合は、高温雰囲気での使用に適するが、金属製である外輪摺動面との潤滑特性(摺動特性)に劣る。よって、この場合は、内輪2の外周面2aまたは外輪3の内周面3c、3hに潤滑被膜を形成することが好ましい。潤滑被膜としては、安定して回転トルクが低くなることから、フッ素樹脂被膜が好ましい。特に、耐熱性、耐摩耗性、潤滑特性に優れることから、ポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂としてPTFE樹脂粉末などのフッ素樹脂粉末を配合したフッ素樹脂被膜が好ましい。また、このPTFE樹脂粉末としては、均一分散性や耐摩耗性に優れることから、PTFE樹脂をその融点以上で加熱焼成したPTFE焼成粉末が好ましい。
本発明の球面滑り軸受は、内輪全体を潤滑性合成樹脂等で形成する、または、内輪に潤滑被膜を形成することで、グリースや油を用いない無潤滑条件でも好適に使用可能になる。内輪は、金属製外輪の絞り込み部と線接触する場合があることから、内輪全体を潤滑性合成樹脂等で形成する態様が、剥がれ等が起こらず、好ましい。潤滑性や強度などを考慮すると、内輪としては、PPS樹脂にPTFE樹脂粉末や熱硬化性ポリイミド樹脂粉末を配合したPPS樹脂組成物から射出成形することが特に好ましい。
図3は、本発明の球面滑り軸受の内輪の他の例を示す切り欠き断面図である。図3に示すように、内輪2の外周面2aには、該外周面2aの軸方向中央部の全周に非球面部2cを形成することが好ましい。該非球面部2cを形成することで、内輪2を外輪の円筒状絞り込み部を通して本体部に組み込む際の組み込み性に優れる。また、内輪2の外周面2aの軸方向中央部に形成された非球面部2cの径方向に、2分割された金型の合わせ目であるパーティングライン(PL)2dが形成されていることが好ましい。この部分にPLを設けることで、球状の外周面2aを有する内輪2を合成樹脂の射出成形で製造する際に、射出成形が容易となり、該PLの突状が外輪の内周面と干渉しない。そのため、PLの研磨等を省略することができる。
図4は、内輪2が揺動したときの状態を内輪2のみ斜視図で示す図である。図4に示すように、本発明の球面滑り軸受1は、内輪2が球面滑りし、該内輪2が外輪3に対して揺動できる。外輪3の軸方向と、内輪2の軸方向とのなす角が揺動角(θ)である。本発明の球面滑り軸受1では、外輪3が、内輪2の組み込み後に塑性変形により一体化される構造であるので、内輪2の外周面がどのような曲率であっても、これに対応して製造した外輪3に組み込み可能であり、大きい揺動角とすることもできる。例えば、外輪2の全幅を調整(外輪の全幅Wを内輪の球直径Dに対して90%以下とする等)することで、この揺動角(θ)を15〜20°とすることが可能であり、内輪2が外輪3に対して揺動できる許容角(θ2)としては、30〜40°にすることができる。
本発明の球面滑り軸受の製造方法を図5により説明する。図5は、球面滑り軸受の製造工程を示す図である。該製造方法は、まず、内輪2を外輪3の円筒状の絞り込み部3b側から本体部3a内に組み込んで配置する。このとき、内輪2の外周面2aと、本体部3aの内周面3cとが接触するように組み込む。次いで、絞り込み部3bに対して、円筒外面側(開放側外周)から加締めやプレス加工を施すことで、内輪2の外周面2aを円筒内面3hで覆うように(抱き込むように)内輪2側に塑性変形させる。塑性変形の態様については上述のとおりである。塑性変形された円筒内面3hにより、内周面3fが形成され、該内周面3fと内周面3cとで、外輪2の球状の外周面2aが保持される。以上の手順により、内輪2と外輪3とが組み合せされた球面滑り軸受が得られる。
塑性変形方法は、加締めやプレス加工を採用でき、例えば、絞り込み部3bに対して傾斜した面を有するローラ状の押付部材(軸受等)を押し付けて行なうことができる。特に、外輪を回転させた状態で、絞り込み部の円筒外面側から上記のローラ状押付部材を回転させつつ押し付けて、絞り込み部を内輪側に塑性変形させることが好ましい。押付部材も回転させることで、製造工程における該押付部材と外輪との焼き付きを防止できる。また、摩擦による発熱も抑制できる。
本発明の球面滑り軸受の製造方法は、内輪の組み込みと、1部材からなる外輪の塑性変形工程により構成されるので、外輪を2部材として嵌め合わす場合や、外輪をダイキャスト鋳造で製造する場合と比較して、製造時間の短縮、製造工程の簡略化、加工費の削減等の低コスト化が図れる。また、製造工程上、内輪や外輪が高温にさらされることがないので、内輪を合成樹脂製とする場合や、内・外輪に潤滑被膜を形成してある場合でも、熱劣化により摺動特性が低下することがない。
本発明の球面滑り軸受は、部品点数の少ない簡易な構造を有し、容易に製造可能でありながら、外輪と内輪の嵌合隙間を十分に管理可能であり、必要に応じて無潤滑での使用が可能であるので、事務機器、産業機械などの各種軸受部において好適に利用できる。
1 球面滑り軸受
2 内輪
2a 外周面
2b 内周面
2c 非球面部
2d パーティングライン
3 外輪
3a 本体部
3b 絞り込み部
3c (本体部側の)内周面
3d 軸方向一端部
3e 軸方向最大内径部
3f (絞り込み部側の)内周面
3g 軸方向他端部
3h 円筒内面
4 軸受孔

Claims (9)

  1. 球状の外周面および支持軸を貫挿できる軸受孔を有する内輪と、前記外周面に摺接する凹面の内周面を有する金属製の外輪との組み合せからなる球面滑り軸受であって、
    前記外輪は、前記内周面の軸方向一端部から軸方向最大内径部までを有する本体部と、該本体部と一体であり、前記内輪を該本体部に組み込み後に塑性変形により形成された前記内周面の他の部分を有する絞り込み部とからなることを特徴とする球面滑り軸受。
  2. 前記絞り込み部は、前記内輪との組み合せ前において前記軸方向最大内径部と連続した円筒内面を有する円筒状であり、
    前記内輪と前記外輪とは、前記内輪が前記外輪の本体部内に配置された状態で、前記絞り込み部を前記内輪側に塑性変形させて、前記円筒内面により前記内周面の他の部分を形成して組み合されていることを特徴とする請求項1記載の球面滑り軸受。
  3. 前記絞り込み部における内周面は、前記内輪の外周面に対して2箇所以上で線接触することを特徴とする請求項1または請求項2記載の球面滑り軸受。
  4. 前記外輪の全幅は、前記内輪の球直径に対して90%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の球面滑り軸受。
  5. 前記球面滑り軸受は、前記絞り込み部側から前記本体部側に向けた荷重が加わる軸受であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の球面滑り軸受。
  6. 前記内輪が、合成樹脂製であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の球面滑り軸受。
  7. 前記内輪を形成する前記合成樹脂が、潤滑性合成樹脂であることを特徴とする請求項6記載の球面滑り軸受。
  8. 球状の外周面および支持軸を貫挿できる軸受孔を有する内輪と、前記外周面に摺接する凹面の内周面を有する金属製の外輪との組み合せからなる球面滑り軸受の製造方法であって、
    前記外輪は、前記内周面の軸方向一端部から軸方向最大内径部までを有する本体部と、該本体部と一体であり、塑性変形により形成された前記内周面の他の部分を有する絞り込み部とからなり、該絞り込み部は、前記内輪との組み合せ前において前記軸方向最大内径部と連続した円筒内面を有する円筒状であり、
    前記製造方法は、前記内輪を前記外輪の本体部内に配置し、次いで前記絞り込み部を前記内輪側に塑性変形させて、前記円筒内面により前記内周面の他の部分を形成しつつ前記内輪と前記外輪とを組み合せる塑性変形工程を有することを特徴とする球面滑り軸受の製造方法。
  9. 前記塑性変形工程において、前記外輪を回転させた状態で、前記絞り込み部の円筒外面側からローラ状の押付部材を回転させつつ押し付けて、前記絞り込み部を前記内輪側に塑性変形させることを特徴とする請求項8記載の球面滑り軸受の製造方法。
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