JP2019203294A - アンカーシステム、アンカー、アンカー施工用工具 - Google Patents

アンカーシステム、アンカー、アンカー施工用工具 Download PDF

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Abstract

【課題】施工者又は管理者がアンカーの施工完了を目視で確認でき、アンカーの視認性を高めるアンカーシステム、アンカー、アンカー施工用工具を提供する。【解決手段】コンクリート部に形成された孔に挿入される内部コーン打込み式のアンカーと、アンカーを孔に定着させる工具と、を備え、アンカーは、中心軸方向一方の側に設けられ、径方向外側に変形可能な複数の拡張部と、複数の拡張部に対して中心軸方向他方の側に設けられ、径方向外側に突出するフランジ部と、中心軸回りの周方向に複数設けられ、それぞれフランジ部に対して中心軸方向他方の側に延びる帯状部と、を備え、工具は、アンカーの内側に挿入される挿入部と、挿入部に対して中心軸方向他方の側に設けられ、挿入部よりも外径が大きく、帯状部を径方向外側に変形させる変形部と、を含む、アンカーシステムに関する。【選択図】図5

Description

本発明は、アンカーシステム、アンカー、アンカー施工用工具に関する。
建物や構造物を構成するコンクリート躯体に、各種の機器、配管、軽天、ダクト等の物品を取り付ける場合、アンカーが用いられる。アンカーは、コンクリート躯体に形成された孔に挿入され、定着される。アンカーの一種として、内部コーン打込み式のものがある。内部コーン打込み式のアンカーは、筒状で、先端部側に径方向外側に拡張可能な複数の拡張部を有する。このようなアンカーは、コンクリート躯体に形成された孔に挿入された後、アンカーの内側にアンカー施工用工具を挿入してコーン部材を打込み、複数の拡張部を径方向外側に拡張させる。これによって、複数の拡張部が孔の内周面に食い込み、アンカーがコンクリート躯体に定着される。施工されたアンカーに、軸状の取付ボルトをねじ込み、この取付ボルトを介して各種の機器、配管、軽天、ダクト等の物品を取り付ける。
このようなアンカーは、コンクリート躯体に形成された孔に対する定着が不十分であると、物品の荷重等によって、ぐらつきや、孔からアンカー自体が脱落するおそれがある。したがって、アンカーの施工に際しては、コンクリート躯体の孔へのアンカーの定着を確実に行う必要がある。また、取付ボルトの取付には、アンカー施工者とは別の施工者が行うのが一般的であるが、現場の状況によっては、施工されたアンカーの位置が見難い場合があるため、見易くすることが望まれる。
しかしながら、アンカーの施工品質は、施工者の習熟度等によって差が生じる場合がある。また、例えばアンカーを天井に施工した場合、離れた場所からのアンカー位置の確認がし難い。そこで、施工中や施工後に、アンカーの施工が確実に行われたかどうかを施工者又は管理者が目視で確認でき、視認性が良い事が必要となる。
例えば非特許文献1には、孔に挿入したアンカーをハンマーで打ち込む際に用いられる専用アンカー施工用工具が記載される。この専用アンカー施工用工具を用いて打込みが完了したアンカーには、刻印が付く。この刻印を目視で確認することで、アンカーの定着が確実に行われたかどうかを確認する。
日本ヒルティ株式会社、「内部コーン打込み方式金属アンカー HKD HKD-S HKD-SR HKD-E HKD-ER 施工要領書」、[online]、日本ヒルティ株式会社、[平成30年4月18日検索]、インターネット〈URL:https://www.hilti.co.jp/medias/sys_master/documents/hc4/9234899140638/Technical-information-ASSET-DOC-LOC-2815134.pdf〉
しかしながら、例えばアンカーを天井に施工した場合、施工者又は管理者は離れた場所からアンカーを確認することになる。そのため、上記のようにアンカーに刻印を付けたとしても、アンカーの視認性が悪く、施工者又は管理者は目視にてアンカーの位置の確認が難しく、また刻印の有無も確認し難かった。すなわち、アンカーの位置およびアンカーの施工完了を施工者又は管理者が目視で確認できなかった。
本発明は、上記事情に鑑みて、施工者又は管理者がアンカーの施工完了を目視で確認でき、アンカーの視認性を高めるアンカーシステム、アンカー、アンカー施工用工具を提供することを目的の一つとする。
本発明のアンカーシステムの一つの態様は、コンクリート部に形成された孔に挿入される内部コーン打込み式のアンカーと、前記アンカーを前記孔に定着させる工具と、を備え、前記アンカーは、中心軸方向一方の側に設けられ、径方向外側に変形可能な複数の拡張部と、複数の前記拡張部に対して中心軸方向他方の側に設けられ、径方向外側に突出するフランジ部と、前記中心軸回りの周方向に複数設けられ、それぞれ前記フランジ部に対して中心軸方向他方の側に延びる帯状部と、を備え、前記工具は、前記アンカーの内側に挿入される挿入部と、前記挿入部に対して前記中心軸方向他方の側に設けられ、前記挿入部よりも外径が大きく、前記帯状部を径方向外側に変形させる変形部と、を含む。
上記アンカーシステムにおいて、前記工具の前記変形部は、前記中心軸方向一方の側で前記アンカーに対向する側に、前記中心軸方向他方の側に窪む湾曲面を有する、のが好ましい。
上記アンカーシステムにおいて、前記工具の前記変形部は、前記挿入部が前記アンカーに挿入されて複数の前記拡張部が所定寸法拡張した状態で、前記帯状部を、施工面に沿う方向に折り曲げる、のが好ましい。
上記アンカーシステムにおいて、前記挿入部が前記アンカーに挿入されて複数の前記拡張部が所定寸法拡張し、前記帯状部が径方向外側に変形した状態で、前記帯状部の先端部は、前記変形部よりも径方向外側に突出する、のが好ましい。
本発明のアンカーの一つの態様は、中心軸方向一方の側に設けられ、径方向外側に変形可能な複数の拡張部と、複数の前記拡張部に対して中心軸方向他方の側に設けられ、径方向外側に突出するフランジ部と、前記中心軸回りの周方向に複数設けられ、それぞれ前記フランジ部に対して中心軸方向他方の側に延びる帯状部と、を備える。
本発明のアンカー施工用工具の一つの態様は、上記のアンカーの内側に挿入される挿入部と、前記挿入部に対して前記中心軸方向他方の側に設けられ、前記挿入部よりも外径が大きく、前記帯状部を径方向外側に変形させる変形部と、を含み、前記変形部は、前記中心軸方向一方の側で前記アンカーに対向する側に、前記中心軸方向他方の側に窪む湾曲面を有する。
本発明の一つの態様によれば、施工者又は管理者がアンカーの施工完了を目視で確認できるアンカーシステム、アンカー、アンカー施工用工具が提供される。
図1は、一実施形態のアンカーシステムを構成するアンカー及び工具の断面図である。 図2は、一実施形態のアンカーシステムを構成するアンカーの外観を示す図である。 図3は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、工具の挿入部をアンカーの内側に挿入し、帯状部が径方向外側に変形しはじめた状態を示す断面図である。 図4は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、工具の挿入部によってアンカーの拡張部が径方向外側に拡張した状態で、帯状部が径方向外側に変形した状態を示す断面図である。 図5は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、帯状部が径方向外側に変形した状態を示す断面図である。 図6は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、帯状部が径方向外側に変形した状態におけるアンカーの外観を示す図である。 図7は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、帯状部が径方向外側に変形し、その先端部が工具の変形部よりも径方向外側に突出した状態を、中心軸方向から見た図である。 図8は、一実施形態のアンカーの変形例を示す図である。
図1は、一実施形態のアンカーシステムを構成するアンカー及び工具の断面図である。図2は、一実施形態のアンカーシステムを構成するアンカーの外観を示す図である。図3は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、工具の挿入部をアンカーの内側に挿入し、帯状部が径方向外側に変形しはじめた状態を示す断面図である。図4は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、工具の挿入部によってアンカーの拡張部が径方向外側に拡張した状態で、帯状部が径方向外側に変形した状態を示す断面図である。図5は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、帯状部が径方向外側に変形した状態を示す断面図である。図6は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、帯状部が径方向外側に変形した状態におけるアンカーの外観を示す図である。図7は、一実施形態のアンカーシステムにおいて、帯状部が径方向外側に変形し、その先端部が工具の変形部よりも径方向外側に突出した状態を、中心軸方向から見た図である。
図1に示すように、本実施形態のアンカーシステム1は、アンカー10と、アンカー施工用工具20と、を備える。
図1、図2に示すように、アンカー10は、建物や構造物を構成するコンクリート部100に施工される。アンカー10は、コンクリート部100に形成された下孔(孔)101内に挿入されて定着される。アンカー10は、鋼材等の金属材料から形成される。本実施形態のアンカー10は、内部コーン打ち込み式のアンカーである。
アンカー10は、全体として円筒状である。アンカー10は、中心軸C方向一方の側の先端部10a側に、スリット11を有する。スリット11は、中心軸C周りの周方向に間隔をあけて複数形成される。各スリット11は、アンカー10の先端部10a側から中心軸C方向他方の側の基端部10bに向かって所定の長さ連続して形成される。本実施形態において、スリット11は、周方向に等間隔をあけて4個所に設けられる。
アンカー10は、中心軸C方向一方の側である先端部10a側に、周方向で互いに隣り合うスリット11の間に拡張部12を有する。すなわち、本実施形態において、アンカー10は、周方向に4個の拡張部12を有する。
図1に示すように、拡張部12は、その径方向内側に、中心軸C方向に沿って基端部10b側から先端部10a側に向かって、漸次径方向内側に延びる傾斜面12fを有する。これら複数の拡張部12は、後述するコーン部材18が中心軸C方向に沿って基端部10b側から先端部10a側に押し込まれることで、径方向外側に拡がり、下孔101に定着される。
アンカー10は、基端部10b側の内周面に雌ネジ部16を有する。この雌ネジ部16には、各種の機器、配管、軽天、ダクト等の物品を取り付けるための取付ボルト(図示無し)がねじ込まれる。
アンカー10の内側には、コーン部材18が挿入配置される。コーン部材18は、中心軸C方向に沿って基端部10b側から先端部10a側に向かって外径が漸次小さくなるテーパー面18fを有する。
アンカー10の基端部10bには、フランジ部13と、帯状部14とが形成される。
フランジ部13は、複数の拡張部12に対して中心軸C方向他方の側に設けられる。フランジ部13は、基端部10bから径方向外側に突出するよう、円環状に形成されている。
帯状部14は、中心軸C回りの周方向に間隔をあけて複数設けられる。帯状部14は、それぞれ、フランジ部13に対して中心軸C方向他方の側に延びるよう、帯状に形成されている。本実施形態において、帯状部14は、周方向に例えば計8個が等間隔で設けられる。
アンカー施工用工具20は、コンクリート部100に形成された下孔101に挿入されたアンカー10を、打ち込むことで下孔101に定着するのに用いられる。アンカー施工用工具20は、例えば電動工具(図示無し)に装着されて用いられる。アンカー施工用工具20は、挿入部22と、変形部23と、を一体に備える。
挿入部22は、円柱状で、アンカー10の基端部10b側の雌ネジ部16の内径よりも小さな外径を有する。挿入部22は、アンカー10の内側に基端部10b側から挿入されてコーン部材18を先端部10a側に打撃を加えて打ち込み、複数の拡張部12を径方向外側に拡張させる。
変形部23は、帯状部14を径方向外側に変形させる。変形部23は、挿入部22に対して中心軸C方向他方の側に設けられる。変形部23は、挿入部22よりも外径が大きい。変形部23には、挿入部22との間に、挿入部22の外周面22fから連続して径方向外側に延びるアンカー接触面23fが形成される。
アンカー接触面23fは、中心軸C方向一方の側でアンカー10に対向する側を向いて形成される。アンカー接触面23fは、湾曲面24からなる。湾曲面24は、その内周部24aおよび外周部24bに対し、径方向の中間部24cが、中心軸C方向他方の側に窪むよう、湾曲している。
図3、図4に示すように、このような変形部23は、挿入部22をアンカー10の内側に押し込んで複数の拡張部12を径方向外側に拡張させるのに並行して、帯状部14をアンカー接触面23fに沿わせて径方向外側に移動させることによって、帯状部14を径方向外側に変形させる。変形部23は、挿入部22がアンカー10に挿入されて複数の拡張部12が拡張した状態で、帯状部14を、コンクリート部100(施工面)に沿う方向に折り曲げる。ここで、コンクリート部100に沿う方向に折り曲げるとは、中心軸Cに対して90°程度折り曲げることを意味する。
本実施形態において、変形部23は、アンカー接触面23fを形成する湾曲面24に帯状部14を沿わせて変形させる。これにより、図5に示すように、各帯状部14は、フランジ部13側の基端14aから径方向外側に向かって中心軸C他方の側(アンカー10の先端部10aから離間する側)に変形した後、中心軸C一方の側に折り返され、径方向外側に向かって傾斜して拡がる。各帯状部14は、その先端14bがコンクリート部100の表面に接触する。
変形部23により径方向外側に拡がるように延びた複数の帯状部14は、コンクリート部100の表面に対向する側から見たときに、例えば花びら状に拡がる。
また、図7に示すように、変形部23は、挿入部22がアンカー10に挿入されて複数の拡張部12が所定寸法拡張し、帯状部14が径方向外側に変形した状態で、帯状部14の先端14bが、変形部23よりも径方向外側に突出するよう、その外径が設定されている。
次に、上記したようなアンカーシステム1における、アンカー10の施工方法について説明する。
図2に示すように、アンカー10の施工を行うには、まず、アンカー10の施工対象となる建物や構造物を構成するコンクリート部100に、下孔101を形成する。下孔101は、アンカー10に応じて予め設定された径、深さで形成する。次に、アンカー10を、コンクリート部100に形成された下孔101に、フランジ部13がコンクリートに接触するまで挿入する。
続いて、図1に示すように、電動工具(図示無し)に装着したアンカー施工用工具20の挿入部22を、アンカー10の内側に挿入する。アンカー10の内側に挿入されたアンカー施工用工具20は、その中心軸Ctがアンカー10の中心軸Cに一致する。挿入部22は、アンカー10内のコーン部材18の後端に当接する。
次いで、アンカー施工用工具20により、下孔101内でアンカー10の拡張部12を径方向外側に拡張させる。これには、例えば、電動工具(図示無し)を作動させ、アンカー施工用工具20を中心軸C回りに回転させつつ、中心軸C方向に挿入部22でコーン部材18を繰り返し打撃する。すると、図4に示すように、コーン部材18のテーパ面18fによって、複数の拡張部12が径方向外側に拡張されて変形し、下孔101に定着される。
図3に示すように、変形部23は、このようにして挿入部22をアンカー10の内側に押し込んで複数の拡張部12を径方向外側に拡張する過程で、アンカー10の帯状部14の先端14bが変形部23のアンカー接触面23fに接触する。図3、図4に示すように、アンカー施工用工具20がアンカー10の先端部10a側にさらに押し込まれると、帯状部14の先端14bは、アンカー接触面23fに沿って径方向外側に移動され、帯状部14が径方向外側に倒れるように変形していく。図5、図6に示すように、挿入部22によって複数の拡張部12が所定寸法以上拡張した状態となると、帯状部14は、中心軸Cに対して90°程度折り曲げられる。すなわち、帯状部14は、コンクリート部100に沿う方向に折り曲げられる。
この状態で、図7に示すように、帯状部14の先端14bが、変形部23よりも径方向外側に突出する。したがって、施工者は、帯状部14の先端14bが、変形部23よりも径方向外側に突出したら、施工完了となる。
施工後、アンカー施工用工具20をアンカー10の内側から引き抜くことで、アンカー10から径方向外側に拡がる複数の帯状部14が拡がっていることを目視で確認できる。これにより、複数の拡張部12が、予め定めた寸法だけ拡張し、下孔101に確実に定着されたことを施工者又は管理者が目視で確認できる。言い換えると、複数の帯状部14が径方向外側に拡がっていなければ、下孔101内でアンカー10の拡張部12が十分に拡張していないことになる。
本実施形態のアンカーシステム1において、アンカー10は、フランジ部13に対して中心軸C方向他方の側に延びる複数の帯状部14を備え、アンカー施工用工具20は、帯状部14を径方向外側に変形させる変形部23を含む。これにより、アンカー10の複数の帯状部14が径方向外側に拡がるように変形しているか否かを目視で確認することにより、アンカー10の施工完了を施工者又は管理者が目視で確認することができる。
本実施形態のアンカーシステム1において、アンカー施工用工具20の変形部23は、湾曲面24を有する。これにより、アンカー10の帯状部14は、湾曲面24に沿って湾曲して径方向外側に拡がるように変形する。よって、径方向外側に拡がるように変形した帯状部14を複数備えたアンカー10は離れた場所からの視認性が向上するため、施工者又は管理者による目視での施工確認をより容易なものとすることができる。また、アンカー施工後に、取付ボルトを取付けるのは、アンカー施工者とは別の施工者が行う場合があるが、その場合でもアンカーの位置を確認しやすい。
本実施形態のアンカーシステム1において、変形部23は、帯状部14を、施工面に沿わせる方向(中心軸Cに対して90°程度)に折り曲げる。これにより、複数の帯状部14がアンカー10から径方向外側に確実に変形して拡がり、離れた場所からの視認性が高まる。
本実施形態のアンカーシステム1において、帯状部14が径方向外側に変形した状態で、帯状部14の先端14bは、変形部23よりも径方向外側に突出する。これにより、施工者は、帯状部14の先端14bが変形部23の径方向外側に突出したことを確認することで、アンカー10の施工完了を目視で確認する事ができる。
本実施形態のアンカー10において、フランジ部13に対して中心軸C方向他方の側に延びる帯状部14と、を備える。このようなアンカー10を用いることで、施工者又は管理者は、アンカー10の複数の帯状部14が径方向外側に拡がるように変形しているか否かを確認することにより、アンカー10の施工完了を目視で判断することができる。
本実施形態のアンカー施工用工具20において、アンカー10の帯状部14を径方向外側に変形させる変形部23は、中心軸C方向他方の側に窪む湾曲面24を有する。これにより、アンカー10の帯状部14は、湾曲面24に沿って湾曲して径方向外側に拡がるように変形する。このような帯状部14を備えたアンカー10は離れた場所からの視認性が高いため、施工者又は管理者はアンカー10の施工完了を目視で容易に確認することができる。
以上に、本発明の一実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述した実施形態に示したアンカー10の用途は、特に限定されない。また、上述の実施形態において、アンカー10に設ける帯状部14の数や形状、長さ等については適宜変更することが可能である。また、図8に示すように、帯状部14は、変形前の状態から、中心軸C方向に延びて折らず、径方向外側に向かって傾斜又は湾曲して延びていてもよい。また、上述の実施形態において、帯状部14を変形部23で拡げる方向は、径方向外側であれば、アンカー10の中心軸Cから放射状に延びる方向に限らない。
また、上述の実施形態において、アンカー施工用工具20の変形部23に湾曲面24を有するようにしたが、その形状については、適宜変更することが可能である。例えば、変形部23としてテーパー面を採用してもよい。
また、変形部23に湾曲面24を備えない構成とすることもできる。すなわち、従来から用いられているアンカー施工用工具を用い、上記実施形態で示したアンカー10の帯状部14を変形させることも可能である。この場合、帯状部14は、中心軸Cに対して90°直交してコンクリート部100の表面に沿って延びる。
1…アンカーシステム、10…アンカー、12…拡張部、13…フランジ部、14…帯状部、20…アンカー施工用工具、22…挿入部、23…変形部、24…湾曲面、100…コンクリート部、101…下孔(孔)、C…中心軸。

Claims (6)

  1. コンクリート部に形成された孔に挿入される内部コーン打込み式のアンカーと、前記アンカーを前記孔に定着させる工具と、を備え、
    前記アンカーは、
    中心軸方向一方の側に設けられ、径方向外側に変形可能な複数の拡張部と、
    複数の前記拡張部に対して中心軸方向他方の側に設けられ、径方向外側に突出するフランジ部と、
    前記中心軸回りの周方向に複数設けられ、それぞれ前記フランジ部に対して中心軸方向他方の側に延びる帯状部と、を備え、
    前記工具は、
    前記アンカーの内側に挿入される挿入部と、
    前記挿入部に対して前記中心軸方向他方の側に設けられ、前記挿入部よりも外径が大きく、前記帯状部を径方向外側に変形させる変形部と、を含む、
    アンカーシステム。
  2. 前記工具の前記変形部は、前記中心軸方向一方の側で前記アンカーに対向する側に、前記中心軸方向他方の側に窪む湾曲面を有する、
    請求項1に記載のアンカーシステム。
  3. 前記工具の前記変形部は、前記挿入部が前記アンカーに挿入されて複数の前記拡張部が所定寸法拡張した状態で、前記帯状部を、施工面に沿う方向に折り曲げる、
    請求項1又は2に記載のアンカーシステム。
  4. 前記挿入部が前記アンカーに挿入されて複数の前記拡張部が所定寸法拡張し、前記帯状部が径方向外側に変形した状態で、前記帯状部の先端部は、前記変形部よりも径方向外側に突出する、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載のアンカーシステム。
  5. 中心軸方向一方の側に設けられ、径方向外側に変形可能な複数の拡張部と、
    複数の前記拡張部に対して中心軸方向他方の側に設けられ、径方向外側に突出するフランジ部と、
    前記中心軸回りの周方向に複数設けられ、それぞれ前記フランジ部に対して中心軸方向他方の側に延びる帯状部と、を備える、
    アンカー。
  6. 請求項5に記載のアンカーの内側に挿入される挿入部と、
    前記挿入部に対して前記中心軸方向他方の側に設けられ、前記挿入部よりも外径が大きく、前記帯状部を径方向外側に変形させる変形部と、を含み、
    前記変形部は、前記中心軸方向一方の側で前記アンカーに対向する側に、前記中心軸方向他方の側に窪む湾曲面を有する、
    アンカー施工用工具。
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